以下に添付図面を参照して、画像処理装置、画像印刷装置、印刷システム、プログラムおよび印刷方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、実施の形態にかかる印刷システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、印刷システム1は、画像撮影装置4と、画像処理装置5と、画像印刷装置9と、を備える。画像撮影装置4と、画像処理装置5と、画像印刷装置9とは、通信ネットワーク100を介して接続されている。
まず、画像撮影装置4について説明する。例えば、画像撮影装置4は、スマートフォンである。なお、画像撮影装置4は、スマートフォンに限るものではなく、デジタルカメラ等であってもよい。
図2は、画像撮影装置4のハードウェア構成図である。図2に示されているように、画像撮影装置4は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)404、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405、撮像素子I/F(Interface)406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS(Global Positioning System)受信部411を備えている。
これらのうち、CPU401は、画像撮影装置4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOSセンサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、画像撮影装置4は、遠距離通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイク415、スピーカ416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路412は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415及びスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ418は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ418を押下することで、画像撮影装置4を操作する入力手段の一種である。
また、画像撮影装置4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図2に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
画像撮影装置4で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、画像撮影装置4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、画像撮影装置4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
次に、画像処理装置5について説明する。例えば、画像処理装置5は、サーバ(PC)である。なお、画像撮影装置4は、サーバ(PC)に限るものではなく、例えばスマートフォンと一体になっているものであってもよい。
図3は、画像処理装置5のハードウェア構成図である。ここでは、画像処理装置5のハードウェア構成について説明する。
図3に示されているように、画像処理装置5は、コンピュータによって構築されており、図3に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
これらのうち、CPU501は、画像処理装置5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス510は、図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
画像処理装置5で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、画像処理装置5で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、画像処理装置5で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
次に、画像印刷装置9について説明する。例えば、画像印刷装置9は、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)である。
図4は、画像印刷装置9のハードウェア構成図である。図4に示されているように、画像印刷装置9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
これらのうち、CPU901は、画像印刷装置9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、RAM902bに記憶されているプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、RAM902bに記憶されているプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、画像印刷装置9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
プリンタ部932は、電子写真方式によって画像を形成する。また、プリンタ部932は、Y、M、C、Kの通常のトナー(通常の消費財)による画像形成に加えて、IR(infrared/赤外線)トナー(特殊な消費財)による画像形成も可能である。
IRトナーは、近赤外光を含む赤外光の波長領域(約850nm前後)に吸収性を有し、可視光の波長領域(約400~700nm)に吸収が少ないトナーである。すなわち、可視光の波長領域の吸収性は、赤外光の波長領域の吸収性よりも少なくなっている。このようなIRトナーは可視光に対し透明で(不可視化)、赤外光を照射した場合に判読可能となる。IRトナーで印刷されたものは、人の目で見ることはできず、専用の読み取り装置で読み取ることができる。すなわち、IRトナーで印刷されたものは、通常のMFP等ではコピーすることはできないものである。
なお、プリンタ部932は、上述したような電子写真方式によって画像を形成するものに限るものではなく、インクジェット方式によって画像を形成するものであってもよいし、インクリボンを用いたドットインパクト方式によって画像を形成するものであってもよい。例えば、インクジェット方式によって画像を形成する場合、通常のインク(通常の消費財)による画像形成に加えて、近赤外光を含む赤外光の波長領域(約850nm前後)に吸収性を有し、可視光の波長領域(約400~700nm)に吸収が少ないIR(infrared/赤外線)インク(特殊な消費財)による画像形成も可能である。また、インクリボンを用いたドットインパクト方式によって画像を形成する場合、通常のインクリボン(通常の消費財)による画像形成に加えて、近赤外光を含む赤外光の波長領域(約850nm前後)に吸収性を有し、可視光の波長領域(約400~700nm)に吸収が少ないIR(infrared/赤外線)インクリボン(特殊な消費財)による画像形成も可能である。
また、本実施の形態においては、特殊な消費財としてIRトナー/IRインク/IRインクリボンを用いた印刷について説明したが、これに限るものではなく、特殊な消費財として暗い所でブラックライトを当てると発光するUVトナー/UVインク/UVインクリボンを用いた印刷にも適用可能である。
なお、画像印刷装置9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
次に、印刷システム1により発揮される機能について説明する。印刷システム1により発揮される各機能は、各装置の記憶装置に記憶されたプログラムに従って各装置のCPUが動作することにより実現される。ただし、これに限るものではなく、印刷システム1により発揮される機能の一部または全部は、FPGAやASIC等のハードウェア機能として実行されるものであっても良い。
ここで、図5は印刷システム1の機能構成を示すブロック図である。なお、ここでは、印刷システム1が発揮する機能のうち、本実施の形態における特徴的な機能について説明する。
画像撮影装置4は、通信部41と、文字入力部42と、撮像部43と、撮影設定UI(User Interface)部44と、画像データ記憶部45と、を備える。
撮像部43は、CMOSセンサ405やCMOSセンサ413により撮像した撮像画像データをデジタルデータとした画像データを生成する。
通信部41は、GPS受信部411を介してGPS衛星からGPS信号を受信し、CMOSセンサ405やCMOSセンサ413により撮像画像を得た場所の位置情報を座標として画像データに付加する。
文字入力部42は、タッチパネル421を介して入力された任意の文字列を取得し、入力された内容(任意の文字列)を画像データに付加する。
撮影設定UI部44は、CMOSセンサ405やCMOSセンサ413による撮影実行時に撮影者が任意に設定を変更するUIをディスプレイ418に表示して提供する。そして、撮影設定UI部44は、タッチパネル421を介して入力された設定内容(撮影設定情報)を画像データに付加する。
画像データ記憶部45は、EEPROM404に対して画像データを記憶する。画像データには、位置情報と撮影設定情報と任意の文字列とが付加されている。
画像処理装置5は、位置情報処理部51と、印刷設定部52と、データ記憶部53と、取得部54と、送信部55と、を備える。
取得部54は、取得手段として機能するものであって、ネットワークI/F509を介して任意の付加情報が付加された画像データを画像撮影装置4から取得する。
印刷設定部52は、設定手段として機能するものであって、画像データに付加されている付加情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)について、通常のトナーまたはIRトナーのいずれで印刷するかを設定する。より詳細には、印刷設定部52は、IRトナーによる印刷の対象となるIR印刷オブジェクトを指定して詳細設定を行うUIを提供するものである。より詳細には、印刷設定部52は、画像データに付加された付加情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)それぞれに対して使用するトナーの種類等を設定する印刷設定のためのUIをディスプレイ418に表示して提供する。そして、印刷設定部52は、タッチパネル421を介して入力された内容を印刷設定データとしてRAM503に保存する。例えば、ユーザは、印刷設定部52により提供されるUIにおいてIR印刷オブジェクトを指定し、詳細設定を行う。
位置情報処理部51は、位置情報処理手段として機能するものであって、画像データに付加された位置情報を基に、撮影位置と撮像位置の周辺の地図とを地図の形で画像化し、印刷設定データに付加する。
データ記憶部53は、HD504に対して画像データと印刷設定データとを記憶する。画像データには、位置情報と撮影設定情報と任意の文字列とが付加されている。印刷設定データには、撮影位置と撮像位置の周辺の地図とを地図の形で画像化したデータが付加されている。
送信部55は、送信手段として機能するものであって、印刷設定部52で設定された付加情報について通常のトナーまたはIRトナーのいずれで印刷するかの情報を、画像データおよび付加情報とともに画像印刷装置9にネットワークI/F509を介して送信する。
画像印刷装置9は、作像部(通常印刷)91と、作像部(IR印刷)92と、データ記憶部93と、受信部94とを備える。
受信部94は、ネットワークI/F950を介して画像処理装置5から画像データおよび付加情報とともに、付加情報について通常のトナーまたはIRトナーのいずれで印刷するかの情報を受信する。
作像部(通常印刷)91は、プリンタ部932を制御し、CMYKまたはKの通常のトナーを用いて画像データを作像した可視の印刷結果を出力する。
また、作像部(通常印刷)91は、作像手段として機能するものであって、付加情報について通常のトナーまたはIRトナーのいずれで印刷するかの情報に基づいてプリンタ部932を制御し、CMYKまたはKの通常のトナーを用いて付加情報を作像した可視の印刷結果を出力する。
さらに、作像部(IR印刷)92は、作像手段として機能するものであって、付加情報について通常のトナーまたはIRトナーのいずれで印刷するかの情報に基づいてプリンタ部932を制御し、IRトナーを用いて付加情報を作像した不可視の印刷結果を出力する。
データ記憶部93は、RAM902bに対して画像データと印刷設定データとを記憶する。画像データには、位置情報と撮影設定情報と任意の文字列とが付加されている。印刷設定データには、撮影位置と撮像位置の周辺の地図とを地図の形で画像化したデータが付加されている。
次に、画像処理装置5における印刷設定部52における処理について詳述する。
ここで、図6は印刷設定部52による印刷設定処理にかかるUIの一例を示す図である。図6においては、画像データに付加された情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)をどのような形式・設定で印刷付加するかを具体的に示す。
図6(a)は、印刷設定処理にかかるUIとしての「デフォルト印刷設定」ウィンドウW1を示すものである。図6(a)に示すように、「デフォルト印刷設定」ウィンドウW1の上部には、本画面で設定する内容を自動的に採用し、印刷実行時には印刷設定を行わないことを指定する「常に以下のデフォルト設定で印刷する」のチェックボックスA1が設けられている。
また、「デフォルト印刷設定」ウィンドウW1の中央部には、画像データに付加された情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)に対する情報付加のON/OFFの指定、位置情報の画像化のON/OFFの指定、可視・不可視の指定を行うチェックボックス群A2が設けられている。
また、「デフォルト印刷設定」ウィンドウW1の下部には、画像データに付加された情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)の付加位置、画像データに付加された情報(位置情報)のサイズ指定、画像データに付加された情報(撮影設定情報、任意の文字列)のフォントサイズ指定を受け付ける領域A3が設けられている。
さらに、「デフォルト印刷設定」ウィンドウW1の最下部には、保存ボタンB1およびキャンセルボタンB2が設けられている。ユーザは、保存ボタンB1を押下することで、画像データに付加された情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)をどのように印刷するかの印刷設定データをHD504に保持させることができる。また、ユーザは、キャンセルボタンB2を押下することで、印刷データを破棄させることができる。
図6(b)は、印刷設定処理にかかるUIとしての「印刷設定」ウィンドウW2を示すものである。図6(b)に示すように、「印刷設定」ウィンドウW2は、「デフォルト印刷設定」ウィンドウW1の「常に以下のデフォルト設定で印刷する」のチェックボックスA1にチェックが入っていない場合に、都度の印刷に対する設定を行うために表示される。
なお、「印刷設定」ウィンドウW2の表示の際の設定内容は、「デフォルト印刷設定」ウィンドウW1から保存された設定内容が存在している場合には、その内容が反映された形で表示される。
図6(b)に示すように、「印刷設定」ウィンドウW2の上部には、画像データに付加された情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)を表示する領域A4が設けられている。
「印刷設定」ウィンドウW2の中央部には、画像データに付加された情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)に対する情報付加のON/OFFの指定、位置情報の画像化のON/OFFの指定、可視・不可視の指定を行うチェックボックス群A5が設けられている。
「印刷設定」ウィンドウW2の下部には、画像データに付加された情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)の付加位置、画像データに付加された情報(位置情報)のサイズ指定、画像データに付加された情報(撮影設定情報、任意の文字列)のフォントサイズ指定を受け付ける領域A6が設けられている。
さらに、「印刷設定」ウィンドウW2の最下部には、印刷ボタンB3およびキャンセルボタンB4が設けられている。ユーザは、印刷ボタンB3を押下することで、「印刷設定」ウィンドウW2の設定内容とともに印刷データを画像印刷装置9に送信させることができる。また、ユーザは、キャンセルボタンB4を押下することで、印刷データを破棄させることができる。
続いて、印刷システム1における処理の概要について説明する。
図7は、印刷システム1における画像の撮影から印刷実行までの処理を示すシーケンス図である。図7に示すように、ユーザは、画像撮影装置4に対して撮影指示を行う(ステップS1)。画像撮影装置4(撮像部43、通信部41)は、CMOSセンサ405やCMOSセンサ413により撮像した撮像画像データに基づく画像データを生成するとともに、GPS衛星から受信したGPS信号を利用して撮影した場所の位置情報を取得し(ステップS2)、位置情報および撮影時の撮影設定情報を画像データに付加する(ステップS3)。
加えて、ユーザは、画像撮影装置4に対して任意の文字列を入力する(ステップS4)。画像撮影装置4(文字入力部42)は、入力された任意の文字列の情報を画像データに付加する(ステップS5)。これにより、ユーザは、撮影結果としての画像データに付加された情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)を得る。
次いで、ユーザは、撮影結果である画像データおよび画像データに付加された情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)の印刷要求を画像処理装置5に対して行う(ステップS6)。画像処理装置5(印刷設定部52)は、印刷設定のためのUIをディスプレイ418に表示する(ステップS7)。
次いで、ユーザは、画像処理装置5により提供された印刷設定UI(図6参照)に対して希望の印刷設定を入力する(ステップS8)。画像処理装置5(印刷設定部52、位置情報処理部51)は、入力された設定をもとに、フォントサイズ変更や位置情報の画像化など、付加する情報を作成する(ステップS9)。そして、画像処理装置5(印刷設定部52)は、印刷設定UIに作成した付加する情報を反映する(ステップS10)。
次いで、ユーザは、画像処理装置5に対して印刷指示を行う(ステップS11)。画像処理装置5(送信部55)は、画像印刷装置9に対して印刷データおよび印刷設定データを送付する(ステップS12)。画像印刷装置9(作像部(通常印刷)91、作像部(IR印刷)92)は、印刷データおよび印刷設定データが送付されると、印刷を実行する(ステップS13)。
続いて、上述の画像処理装置5における処理について詳述する。
ここで、図8は画像処理装置5における処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す処理は、概略的には、都度印刷設定を行う場合における、印刷設定UIの表示から、印刷設定変更・反映、印刷実施までの処理を示すものである。
図8に示すように、画像処理装置5(印刷設定部52)は、画像データおよび画像データに付加された情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)を渡され、印刷の指示を受けると、画像データに付加されている情報(位置情報、撮影設定情報、任意の文字列)を取得して印刷設定UI(図6(b)参照)に反映して表示する(ステップS21)。
画像処理装置5(印刷設定部52)は、印刷設定UIにおいて、チェックボックス群A5で情報を付加する指示が追加された場合(ステップS22のYes)、チェックボックス群A5で不可視化を指定された場合(ステップS23のYes)、領域A6で位置・サイズ情報が更新された場合(ステップS24のYes)には、印刷データ(画像データおよび印刷設定データ)を更新し(ステップS25)、ステップS26に進む。
一方、画像処理装置5(印刷設定部52)は、印刷設定UIにおいて、チェックボックス群A5で情報を付加する指示が追加されない場合(ステップS22のNo)、チェックボックス群A5で不可視化を指定されない場合(ステップS23のNo)、領域A6で位置・サイズ情報が更新されない場合(ステップS24のNo)には、そのままステップS26に進む。
そして、画像処理装置5(印刷設定部52)は、印刷設定UIにおいて、印刷ボタンB3が押下されると(ステップS26のYes)、更新した印刷データ(画像データおよび印刷設定データ)を画像印刷装置9に送信する(ステップS27)。
一方、画像処理装置5(印刷設定部52)は、印刷設定UIにおいて、キャンセルボタンB4が押下されると(ステップS26のNo)、印刷データを破棄して終了する(ステップS28)。
なお、各種情報の種別(位置情報、撮像設定情報、撮像日時、任意の文字列、等)ごとに可視化を指定するか、不可視化を指定するかを予め関連付けてHD504に記憶するようにしてもよい。例えば、位置情報は不可視化、撮像設定情報は不可視化、撮像日時は可視化、任意の文字列は印刷設定UIを介したユーザ入力、のように記憶する。画像処理装置5(印刷設定部52)は、取得した画像データに付加されている付加情報の種別に基づいて、可視化を指定するか、不可視化を指定するかを決定する。
このように、画像データごとに全ての付加情報について可視化/不可視化をユーザに指定させるのでなく、付加情報の種別ごとに可視化/不可視化を予め対応付けておくことで、取得した画像データに例えば位置情報が付加されていればその位置情報は不可視化させる(IRトナーで印刷する)、というように自動的に決定できる。
なお、任意の文字列のように、あらかじめ可視化/不可視化が決められていない付加情報についてのみ、印刷設定UIを介してユーザに可視化/不可視化を決めさせることができる。
次に、図9は画像処理装置5における別の処理の流れを示すフローチャートである。図9に示す処理は、概略的には、デフォルトとして保存された印刷設定を使用する場合における、印刷設定UIの表示から、印刷設定変更・反映、印刷実施までの処理を示すものである。
図9に示すように、画像処理装置5(印刷設定部52、取得部54)は、印刷データ(画像データおよび印刷設定データ)を渡され、印刷の指示を受けると、デフォルト印刷設定として保存されている内容を読み込み(ステップS31)、印刷設定に基づき、印刷データ(画像データおよび印刷設定データ)を更新する(ステップS32)。
そして、画像処理装置5(送信部55)は、画像印刷装置9に対して印刷データ(画像データおよび印刷設定データ)を送信して(ステップS33)、処理を終了する。
ここで、図10は印刷設定データの一例を示す図である。図10に示す例は、画像処理装置5から画像印刷装置9に送信される印刷設定データをテキストエディタで参照した場合のイメージである。Stringが文字列、exifが撮影時の設定情報、locateが位置情報を示している。また、(1:0:0)はそれぞれ、(情報付加:位置情報を画像化:不可視化)のフラグであり、1=ON、0=OFFを意味する。
なお、Locateの“}”より下にある記号の羅列は、画像化された地図の情報である。
ここで、図11は印刷イメージの一例を示す図である。図11(a)は、実際に印刷を行った印刷イメージを示すものである。また、図11(b)は、不可視化された付加情報に対して可視化のための処理を施したものである。
図11に示す付加している情報は、下記の通りである。
・位置情報を画像化:不可視化 位置 X25,Y35 サイズ X120,Y95
・印刷設定情報:不可視化 位置 X165,Y35 フォントサイズ 20p
なお、IRトナーでの印刷は、例えば部品の物流ラベル、IDカード、機密文書等に不可視化された情報を印刷することで、偽造防止や原本証明のために用いることを想定している。また、現状のIRトナーでの印刷技術では、完全に透明にはならないため、白地に印刷されると付加情報がうっすらと見え、何かが印刷されていることくらいは分かるものである。すなわち、IRトナーでの印刷物はほぼ透明となるので、印刷対象物のレイアウトに関わらず、どこにでも印刷することができるというメリットがある。しかしながら、上述のように白地に印刷すると見えやすいため、通常トナーで印刷する画像に重ねて入れることでうっすらと見えることを防止できる。なお、本実施の形態において「不可視」とは、完全に見えない状態と、上述のようにうっすらとは見えるが何が印刷されているかの視認はできないような状態と、のいずれも含む。
このように本実施の形態によれば、画像データに付加された付加情報について、例えば不可視トナーなどの特殊な消費財で印刷するか否かを設定可能とすることにより、衆目に晒したくない情報を付加し、例えば赤外線照射時のみに可視化される秘匿性が高い付加情報を含む印刷結果を得ることができる。
また、画像データに付加された付加情報を例えば不可視トナーなどの特殊な消費財で印刷することで、画像データ自体の印刷領域を圧迫することなく(肉眼では不可視の形で画像データの上に重ねて)印刷することができる。
さらに、従来の印刷よりも大きい範囲を使って情報付加を行えるため、画像データの位置情報を利用し、撮影位置と撮像位置の周辺の地図とを地図の形で画像化したデータとして付加することにより、具体的な位置情報を即座に判断できるようにすることができるようになる。
また、付加情報は例えば赤外線照射等の特殊な処理で可視化させる情報であるため、より情報セキュリティを強化した形で情報を付加することができる。
なお、上記実施の形態では、本発明の画像印刷装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有するMFPに適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像印刷装置であればいずれにも適用することができる。
本実施の形態は、例えば、工事現場での写真撮影を利用シーンとして想定している。工事現場の写真を後から見る場合に必要な付加情報としては、例えば、工事現場の場所(位置情報)や工事責任者名や、撮影日時などが挙げられる。
なお、利用シーンとしてはこれに限られるものではなく、他の利用シーンも考えられる。例えば、道路やトンネルなどの検査を行うシーンを想定すると、異常が見つかった場所の撮影に際して、現場の位置情報や異常を発見した担当者の名前、異常の概要や危険度などを付加情報とし、それらをIRトナーで印刷する、ということも考えられる。
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。