JP7206880B2 - センサホルダ部を有する保護カバー、及び前記保護カバーを備えた軸受装置、並びにセンサホルダ部を有する保護カバーの製造方法 - Google Patents
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Description
このような回転速度検出装置を自動車のホイール支持用の転がり軸受(ハブベアリング)に備えた軸受装置も広く用いられており、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べた磁気エンコーダを軸受の軸方向の一端部の内輪に取り付け、保護カバーを軸受の軸方向の一端部の外輪に取り付けて密封するように構成するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された発明の保護カバーは、合成樹脂で有蓋円筒状に形成された保護カバー(軸受キャップ33)に、円盤部(底板部39)から内方へ突出する、前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサを保持するセンサホルダ部(ホルダ支持部50及びナット保持部51)を設けている(特許文献1参照)。
よって、このような保護カバーを用いることにより、円盤部(底板部12)に厚み方向に貫通するセンサ取付穴が設けられたもの(特許文献1の従来技術の記載である図10参照)のようにセンサ取付穴を形成する壁面及び磁気センサ間にOリング等のゴム製のシール部材を組み込む必要がない。
また、このようなセンサホルダ部を有する保護カバーを前記軸受装置に設けることにより、軸受の軸方向の一端部が密封されて前記磁気エンコーダに小石や泥水等が当たらないことから前記磁気エンコーダの破損を防止でき、前記磁気エンコーダ周りのシール部材が不要になることから摺動抵抗の低減により前記軸受装置の回転トルクを低減できるとともに、前記磁気エンコーダと前記磁気センサとのエアギャップ調整作業の煩雑さを解消できる。
そして、円盤部(底板部39)から内方へ突出するセンサホルダ部(ホルダ支持部50及びナット保持部51)があることから、合成樹脂の注入口であるゲートは、前記センサホルダ部に繋がる、円盤部から内方へ突出する略半長円形の突出部(凸部59)の内方側の面に設定される(例えば、特許文献1の[0032]、並びに図3及び図4参照)。
したがって、円盤部に薄肉の仕切壁を有する保護カバーにおいて、センサホルダ部に繋がる前記突出部にゲートを設定した場合、前記突出部は厚肉であるので、合成樹脂の溶融材料がゲートから射出成形金型のキャビティ内の開放領域に高速で注入された際に、ジェッティングが発生することがある。
ジェッティングが発生した場合、ジェッティングの屈曲した蛇行流動によって樹脂が折り重なる接触点が形成され、小規模なウェルドが発生する。
よって、センサホルダ部を有する保護カバーの強度が低下するとともに、前記保護カバーの外観不良及び多様な内部不良が引き起こされる。
前記軸受の内方側端部に位置して前記内輪に固定された、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べてなる磁気エンコーダと、
前記磁気エンコーダの磁極に対向して前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサと
を含む軸受装置に用いる、
前記軸受の内方側端部を密封するように前記外輪に取り付ける、カップ状の保護カバーであって、
前記保護カバーは、
合成樹脂製の円盤部と、
前記円盤部から内方へ突出する、合成樹脂製のセンサホルダ部と、
前記円盤部から内方へ突出して前記センサホルダ部に繋がる、合成樹脂製の突出部と
を含み、
合成樹脂の射出成形により成形されたものであり、
前記円盤部には、前記磁気エンコーダ及び前記磁気センサ間を仕切る、他の部分よりも薄肉の仕切壁が形成されており、
前記突出部の内方側の面に、前記射出成形によるゲート痕があり、
前記突出部の外方側の面に、前記ゲート痕に近づくように内方へ延びる肉盗み部を設けてなり、
前記突出部の前記ゲート痕の周囲の肉厚Tは、前記ゲート痕の径をdとして、
d≦T≦3dであり、
前記センサホルダ部が有する、前記磁気センサを挿入するセンサ取付穴の中心と、前記ゲート痕の中心との距離L(mm)は、
前記センサ取付穴の面取部も含めた入口半径r(mm)、及び前記突出部の円弧部の中心からの半径R(mm)に対して、r+R+3≦L≦r+R+20であることを特徴とする(請求項1)。
したがって、ジェッティングの屈曲した蛇行流動によって樹脂が折り重なる接触点が形成されて小規模なウェルドが発生することがない。
よって、射出成形品であるセンサホルダ部を有する保護カバーの強度が低下することがなく、前記保護カバーの外観不良及び多様な内部不良が引き起こされることもなく、前記保護カバーの品質が安定する。
その上、ジェッティングが発生しないことから、樹脂流動性が安定し、薄肉の仕切壁への充填も安定するので、前記仕切壁の気密性の低下や強度低下を阻止できる。
前記軸受の内方側端部に位置して前記内輪に固定された、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べてなる磁気エンコーダと、
前記磁気エンコーダの磁極に対向して前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサと
を含む軸受装置に用いる、
前記軸受の内方側端部を密封するように前記外輪に取り付ける、カップ状の保護カバーの製造方法であって、
前記保護カバーは、
合成樹脂製の円盤部と、
前記円盤部から内方へ突出する、合成樹脂製のセンサホルダ部と、
前記円盤部から内方へ突出して前記センサホルダ部に繋がる、合成樹脂製の突出部と
を含み、
前記円盤部には、前記磁気エンコーダ及び前記磁気センサ間を仕切る、他の部分よりも薄肉の仕切壁が形成されたものであり、
前記保護カバーを成形する射出成形金型は、
前記突出部の内方側の面に位置するゲートと、
前記突出部の外方側の面に、前記ゲートに近づくように内方へ延びる肉盗み部を設けるように、前記ゲートに向かって突出する柱部と
を備え、
前記射出成形金型を閉じて、前記金型のキャビティ内に前記ゲートから合成樹脂の溶融材料を注入して固化させる射出成形工程と、
前記射出成形金型を開いて、固化した成形品を取り出す成形品取出し工程と、
を含み、
前記射出成形金型を閉じた状態で、前記ゲートと前記柱部との間隔Tは、
前記ゲートの径をdとして、
d≦T≦3dであり、
前記センサホルダ部が有する、前記磁気センサを挿入するセンサ取付穴の中心と、前記ゲートの中心との距離L(mm)は、
前記センサ取付穴の面取部も含めた入口半径r(mm)、及び前記突出部の円弧部の中心からの半径R(mm)に対して、r+R+3≦L≦r+R+20であることを特徴とする(請求項3)。
したがって、ジェッティングの屈曲した蛇行流動によって樹脂が折り重なる接触点が形成されて小規模なウェルドが発生することがない。
よって、射出成形品であるセンサホルダ部を有する保護カバーの強度が低下することがなく、前記保護カバーの外観不良及び多様な内部不良が引き起こされることもなく、前記保護カバーの品質が安定する。
その上さらに、射出成形金型に、ゲートに向かって突出する柱部を備えることにより、合成樹脂の溶融材料が均一に流れやすくなるとともに、成形体の固化時間を短縮できるので成形サイクルを短くできる。
その上、射出成形金型の前記柱部の側面に凹部又は凸部等のアンダーカットを設けることにより、射出成形金型を開いた際に成形品を可動型に保持できるので、成形品が固定型に残ってしまうことを防止できる。
なお、本明細書において、軸受装置Aの回転軸の方向を「軸方向」、軸方向に直交する方向を「径方向」という。
また、軸受11及び保護カバー1について、保護カバー1を軸受11に装着した状態で、自動車の車体から車輪側に向かう軸方向に平行な方向を「外方」(図1、図5及び図7、並びに図8及び図9(a)の矢印C1参照)、その反対方向を「内方」(図1、図5及び図7、並びに図8及び図9(a)の矢印C2参照)という。
図1の縦断面図に示すように、本発明の実施の形態に係る軸受装置Aは、外輪13に対して内輪12が回転する軸受11の他に、磁気エンコーダ16、保護カバー1、及び磁気センサ9、並びに軸受11の外方(矢印C1参照)側端部に配置したシール部材15等を備える。
磁気エンコーダ16は、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べたものであり、軸受11の内方(矢印C2参照)側端部に位置する支持部材17により内輪12に固定される。
保護カバー1は、カップ状であり、軸受11の内方側端部を密封するように外輪13に取り付けられ、磁気センサ9を保持するセンサホルダ部4を有する。
保護カバー1のセンサホルダ部4に装着された磁気センサ9は、仕切壁5を隔てて磁気エンコーダ16に対向し、磁気エンコーダ16の回転を検知する。
図1の縦断面図のように、磁気センサ9による検出位置を径方向外寄りにすることにより、回転速度検出装置の検出精度を向上できる。
また、保護カバー1により軸受11の内方側端部が密封されるので、磁気エンコーダ16に小石や泥水等が当たらないことから磁気エンコーダ16の破損を防止できる。
さらに、保護カバー1により軸受11の内方側端部が密封されるので、磁気エンコーダ16の内方側のシール部材が不要になるため、摺動抵抗の低減により軸受11の回転トルクを低減できる。
さらにまた、保護カバー1がセンサホルダ部4を備えているので、磁気エンコーダ16と磁気センサ9とのエアギャップ調整作業の煩雑さを解消できる。
図1の縦断面図、図2の斜視図、及び図3の内方側から見た図に示すように、本発明の実施の形態に係る保護カバー1は、樹脂と金属とのインサート射出成形で一体化された繊維強化合成樹脂製本体1A及び金属製環体1Bからなる。
ここで、本体1Aを成形する繊維強化合成樹脂としては、例えば、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン612等)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又はポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂に、ガラス繊維を20~70重量%、好ましくは40~60重量%含有したものを用いる。
また、金属製環体1Bは、低炭素鋼であるSPCC等の冷間圧延鋼板を使用するのが望ましい
センサホルダ部4は、磁気センサ9を取り付けるための取付ボルトBが螺合する、例えば真鍮であるナット10を保持するとともに、磁気センサ9を挿入するセンサ取付穴4Aを有する。
円盤部2には、磁気エンコーダ16及び磁気センサ9間を仕切る、他の部分よりも薄肉の仕切壁5が形成されており、突出部6の内方側の面には、後述する射出成形によるゲート痕GMがある。
ここで、図6の要部拡大断面図に示す突出部6のゲート痕GMの周囲の肉厚Tは、ゲート痕GMの径をdとして、d≦T≦3dとする。
肉厚Tは、ゲートカット時の欠損を考慮するとゲート(痕)の径d以上であるのが望ましく、3d以下にすることでジェッティングの発生を防止できる。
また、図4の外方側から見た図に示すように、センサホルダ部4の外方側の面には、仕切壁5とナット10との間に、内方へ延びる肉盗み部8を設ける。なお、仕切壁5とナット10との間のセンサホルダ部4の内方側の面に、外方へ延びる肉盗み部を設けてもよい。
仕切壁5とナット10との間に肉盗み部を設けることにより、センサホルダ部4の肉厚を均一にすることができるので、樹脂の固化時間が短くなり成形サイクルを短くできる。その上、成形収縮が均一になるのでセンサホルダ部4の倒れを抑制できる。
(射出成形金型)
次に、図2ないし図4に示す保護カバー1の製造方法について、主に図8及び図9(a)に示す射出成形金型IMの縦断面図を参照して説明する。
図8の縦断面図は、図3における矢視F-F断面に相当するものであり、射出成形金型IMのキャビティ内に合成樹脂の溶融材料Pを注入する前の状態を示している。
図9(a)及び図9(b)の縦断面図は、図3における矢視D-D断面に相当するものであり、射出成形金型IMのキャビティ内に合成樹脂の溶融材料Pを注入した後の状態を示している。
また、射出成形金型IMは、図4及び図8に示すように、センサホルダ部4の外方側の面に内方へ延びる肉盗み部8を設けるべく、内方(矢印C2参照)へ突出する柱部Iを備える。
先ず、図8の縦断面図に示すように、インサート品であるナット10を固定型18の支持軸20にセットし、インサート品である金属製環体1Bを可動型19にセットした後、射出成形機に取り付けられた射出成形金型IMを型締めする。
図9(a)の縦断面図に示す可動型19の柱部Hにより、射出成形品である保護カバー1には、図5の断面図に示すように突出部6の外方側の面に、ゲートG(ゲート痕GM)に近づくように内方へ延びる肉盗み部7を設けることができる。
また、保護カバー1を内方側から見た図3に示す、センサ取付穴4Aの中心CとゲートG(ゲート痕GM)の中心Oとの距離L(mm)は、センサ取付穴4Aの面取部も含めた入口半径r(mm)、及び突出部6の円弧部の中心Oからの半径R(mm)に対して、r+R+3≦L≦r+R+20とする。
距離Lは、金型の厚みを確保するために、(r+R+3)以上にする必要があり、仕切壁5を形成する金型の隙間に合成樹脂の溶融材料Pを適切に流すために、(r+R+20)以下にする必要がある。
さらに、図3に示す、突出部6の円弧部の中心Oからの半径R(mm)は、金型の強度を確保するために、R≧2dとする。
次に、合成樹脂の溶融材料Pを冷却・固化させた後、可動型19を開いて射出成形品を取り出す。
可動型19の柱部Hの側面に凹部又は凸部等のアンダーカットを設けるのが好ましい実施態様である。それにより、射出成形金型IMを開いた際に成形品を可動型19に保持できるので、成形品が固定型18に残ってしまうことを防止できる。
以上のようなインサート射出成形を経て製造されたインサート成形品である保護カバー1において、ナット10の周溝10Aに合成樹脂が入り込んでいるので、ナット10の抜け止めがされる。
また、金属製環体1Bの外方(図5及び図7の矢印C1参照)側端部に円筒部3が回り込んでいるので、金属製環体1Bと繊維強化合成樹脂製本体1Aは機械的に結合する。
図10の内方から見た図、及び図11の外方から見た図、並びに、図12の図10における矢視G-G断面斜視図は、ゲート痕GMに近づくように内方へ延びる肉盗み部7の変形例を示している。
この変形例における肉盗み部7は、仕切壁5に近づくように傾斜する傾斜面Jを有する。
したがって、図9の(a)における可動型19の柱部Hは、仕切壁5に近づくように傾斜する傾斜面Jを含む、図11及び図12の肉盗み部7を形成する形状を成す。すなわち、柱部Hは、保護カバー1に傾斜面Jを形成するための傾斜面を有する。
よって、射出成形の際に、合成樹脂の溶融材料Pは、射出成形金型IMの柱部Hの前記傾斜面に沿って図12の矢印Kのように流れるので、合成樹脂の溶融材料Pを仕切壁5の近傍に流す流路を形成できる。
図13の断面図(図7相当の断面図)の保護カバー1は、円盤部2の外方(矢印C1参照)側の面の磁気エンコーダ16(図1参照)に対向する箇所に環状凹部Mを設けた変形例を示している。
環状凹部M内に磁気エンコーダ16を入れるように、磁気エンコーダ16に対して円盤部2を近接させる。それにより、仕切壁5を隔てて対向する磁気エンコーダ16と磁気センサ9との距離を短くできるので、磁気センサ9の出力強度を高められる。
その上、環状凹部Mを設けた円盤部2の形状により、環状凹部M以外の肉厚を厚くできるので、保護カバー1の剛性を高められる。
また、肉盗み部7は、図13のように、環状凹部Mと干渉しないように設定するのが望ましい。肉盗み部7が環状凹部Mと干渉すると、応力集中を招くからである。
以上のようなセンサホルダ部4を有する保護カバー1の製造方法によれば、突出部6の内方側の面に備えたゲートGから、合成樹脂の溶融材料Pを射出成形金型IMのキャビティ内に高速で注入しても、溶融材料PはゲートGに向かって突出する柱部Hに当たって方向が変わり(図9(b)参照)、金型IMの壁面に沿って溶融材料Pが流れる。それにより、溶融材料Pをキャビティ内の開放領域に高速で注入する場合のようなジェッティングは発生しない。
したがって、ジェッティングの屈曲した蛇行流動によって樹脂が折り重なる接触点が形成されて小規模なウェルドが発生することがない。
よって、射出成形品であるセンサホルダ部4を有する保護カバー1の強度が低下することがなく、保護カバー1の外観不良及び多様な内部不良が引き起こされることもなく、保護カバー1の品質が安定する。
その上、射出成形金型IMに、柱部H,I(図9(a)及び図8参照)を備えることにより、合成樹脂の溶融材料Pが均一に流れやすくなるとともに、成形体の固化時間を短縮できるので成形サイクルを短くできる。
1A 繊維強化合成樹脂製本体
1B 金属製環体
2 円盤部
3 円筒部
4 センサホルダ部
4A センサ取付穴
5 仕切壁
6 突出部
7,8 肉盗み部
9 磁気センサ
10 ナット
10A 周溝
11 軸受
12 内輪
12A 内輪軌道面
13 外輪
13A 外輪軌道面
14 転動体
15 シール部材
16 磁気エンコーダ
17 支持部材
18 固定型
19 可動型
20 支持軸
A 軸受装置
B 取付ボルト
C センサ取付穴の中心
C1 外方
C2 内方
d ゲート(痕)の径
G ゲート
GM ゲート痕
H,I 柱部
IM 射出成形金型
J 傾斜面
L センサ取付穴の中心とゲートの中心との距離
M 円環状凹部
O ゲートの中心
P 合成樹脂の溶融材料
R 円弧部の半径
r センサ取付穴の面取部も含めた入口半径
T ゲート痕の周囲の肉厚(ゲートと柱部との間隔)
Claims (3)
- 外周面に内輪軌道面が形成された内輪、及び内周面に外輪軌道面が形成された外輪、並びに、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面間を転動する転動体を有する軸受と、
前記軸受の内方側端部に位置して前記内輪に固定された、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べてなる磁気エンコーダと、
前記磁気エンコーダの磁極に対向して前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサと
を含む軸受装置に用いる、
前記軸受の内方側端部を密封するように前記外輪に取り付ける、カップ状の保護カバーであって、
前記保護カバーは、
合成樹脂製の円盤部と、
前記円盤部から内方へ突出する、合成樹脂製のセンサホルダ部と、
前記円盤部から内方へ突出して前記センサホルダ部に繋がる、合成樹脂製の突出部と
を含み、
合成樹脂の射出成形により成形されたものであり、
前記円盤部には、前記磁気エンコーダ及び前記磁気センサ間を仕切る、他の部分よりも薄肉の仕切壁が形成されており、
前記突出部の内方側の面に、前記射出成形によるゲート痕があり、
前記突出部の外方側の面に、前記ゲート痕に近づくように内方へ延びる肉盗み部を設けてなり、
前記突出部の前記ゲート痕の周囲の肉厚Tは、前記ゲート痕の径をdとして、
d≦T≦3dであり、
前記センサホルダ部が有する、前記磁気センサを挿入するセンサ取付穴の中心と、前記ゲート痕の中心との距離L(mm)は、
前記センサ取付穴の面取部も含めた入口半径r(mm)、及び前記突出部の円弧部の中心からの半径R(mm)に対して、r+R+3≦L≦r+R+20であることを特徴とする、
センサホルダ部を有する保護カバー。 - 請求項1に記載のセンサホルダ部を有する保護カバーを備えた軸受装置。
- 外周面に内輪軌道面が形成された内輪、及び内周面に外輪軌道面が形成された外輪、並びに、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面間を転動する転動体を有する軸受と、
前記軸受の内方側端部に位置して前記内輪に固定された、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べてなる磁気エンコーダと、
前記磁気エンコーダの磁極に対向して前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサと
を含む軸受装置に用いる、
前記軸受の内方側端部を密封するように前記外輪に取り付ける、カップ状の保護カバーの製造方法であって、
前記保護カバーは、
合成樹脂製の円盤部と、
前記円盤部から内方へ突出する、合成樹脂製のセンサホルダ部と、
前記円盤部から内方へ突出して前記センサホルダ部に繋がる、合成樹脂製の突出部と
を含み、
前記円盤部には、前記磁気エンコーダ及び前記磁気センサ間を仕切る、他の部分よりも薄肉の仕切壁が形成されたものであり、
前記保護カバーを成形する射出成形金型は、
前記突出部の内方側の面に位置するゲートと、
前記突出部の外方側の面に、前記ゲートに近づくように内方へ延びる肉盗み部を設けるように、前記ゲートに向かって突出する柱部と
を備え、
前記射出成形金型を閉じて、前記金型のキャビティ内に前記ゲートから合成樹脂の溶融材料を注入して固化させる射出成形工程と、
前記射出成形金型を開いて、固化した成形品を取り出す成形品取出し工程と、
を含み、
前記射出成形金型を閉じた状態で、前記ゲートと前記柱部との間隔Tは、
前記ゲートの径をdとして、
d≦T≦3dであり、
前記センサホルダ部が有する、前記磁気センサを挿入するセンサ取付穴の中心と、前記ゲートの中心との距離L(mm)は、
前記センサ取付穴の面取部も含めた入口半径r(mm)、及び前記突出部の円弧部の中心からの半径R(mm)に対して、r+R+3≦L≦r+R+20であることを特徴とする、
センサホルダ部を有する保護カバーの製造方法。
Priority Applications (3)
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