JP2017036752A - 回転速度検出装置付ハブユニット軸受 - Google Patents

回転速度検出装置付ハブユニット軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】キャップによる密封性を十分に確保すると共に、回転速度検出の信頼性を高めた回転速度検出装置付ハブユニット軸受を提供する。【解決手段】センサユニット28aを構成するセンサ29aの外周面と、貫通孔25bを構成する小径孔部51及び大径孔部52の内周面との間に、発泡シール部材26を、径方向の締め代を有する状態で挟持している。更に、センサユニット28aを構成する取付フランジ32と、貫通穴25bを構成する段差面54との間に、発泡シール部材26を、軸方向の締め代を有する状態で挟持している。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車輪(従動輪)を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、車輪の回転速度を検出する、回転速度検出装置付ハブユニット軸受に関する。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に、ハブユニット軸受を使用する。又、アンチロックブレーキシステム(ABS)又はトラクションコントロールシステム(TCS)を制御する為には、車輪の回転速度を検出する必要がある。この為、ハブユニット軸受に回転速度検出装置を組み込んだ回転速度検出装置付ハブユニット軸受により、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、車輪の回転速度を検出する事が、広く行われている。
この様な目的で使用される回転速度検出装置付ハブユニット軸受の従来構造の1例として、特許文献1には、図3に示す様な構造が記載されている。この従来構造の回転速度検出装置付ハブユニット軸受1は、静止輪である外輪2の内径側に、回転輪であるハブ3を、回転自在に支持している。
外輪2は、内周面に複列の外輪軌道4a、4bを、外周面に静止側フランジ5を、それぞれ有している。外輪2は、使用状態で、懸架装置を構成する図示しないナックルに支持固定されて回転しない。
ハブ3は、ハブ本体6と内輪7とを組み合わせて成るもので、外周面に複列の内輪軌道8a、8bを有し、外輪2の内径側に外輪2と同心に支持されている。ハブ本体6の外周面の軸方向中間部に軸方向外側列の内輪軌道8aを直接形成すると共に、軸方向内端寄り部分に形成した小径段部9に、外周面に軸方向内側列の内輪軌道8bを形成した内輪7を外嵌固定している。そして、ハブ本体6の軸方向内端部を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部10により、内輪7の軸方向内端面を抑え付けている。ハブ本体6の軸方向外端部で、外輪2の軸方向外端開口部よりも軸方向外方に突出した部分には、車輪を支持する為の回転側フランジ11を設けている。尚、軸方向に関して内とは、懸架装置に組み付けた状態で車体の幅方向中央寄りとなる側を言い、各図の右側となる。一方、軸方向に関して外とは、車体の幅方向外寄りとなる側を言い、各図の左側となる。
各外輪軌道4a、4bと各内輪軌道8a、8bとの間には、それぞれ複数個ずつの転動体12を設け、外輪2の内径側に、ハブ3を回転自在に支持している。
内輪7の外周面の軸方向内端部には、エンコーダ13を外嵌固定している。エンコーダ13は、磁性金属板を断面略L字形で全体を円環状に形成した支持環14と、支持環14の軸方向内側の側面に添着したエンコーダ本体16とを組み合わせて成る。エンコーダ本体16は、フェライト粉末を混入したゴム磁石等の永久磁石により全体を円輪状に形成したもので、エンコーダ本体16の被検出面である軸方向内側面には、S極とN極とが交互に且つ等間隔で配置されている。
外輪2の軸方向外端開口部とハブ本体6の軸方向中間部外周面との間に、シールリング17を設置すると共に、外輪2の軸方向内端開口部にキャップ19を装着している。これにより、各転動体12及びエンコーダ13を設置した内部空間18の軸方向両端開口部を密封し、内部空間18内に封入したグリースが外部空間に漏洩したり、又は外部空間に存在する異物が、内部空間18内に侵入したりする事を防止している。
キャップ19は、合成樹脂を射出成形する事により造られた有底円筒状のキャップ本体20と、金属板をプレス成形する事により断面L字形で全体を円環状に形成した嵌合環21とを備えている。キャップ本体20は、円筒部22と、円筒部22の軸方向内端開口部を塞いだ底部23とから成る。円筒部22の先端部の内径側部分には、嵌合環21が固定(モールド)されている。又、底部23の径方向外寄り部分には、他の部分に比べて軸方向内方に膨出した(軸方向厚さ寸法が大きくなった)取付部24が設けられている。取付部24のうち、エンコーダ13(エンコーダ本体16)の被検出面と軸方向に対向する部分には、軸方向に貫通した貫通孔25が形成されている。そして、取付部24のうちで、貫通孔25から外れた部分には、内周面に雌ねじが形成されたナット27が、インサート成形により埋め込まれている。
キャップ19には回転速度を検出する為のセンサユニット28が支持固定されている。センサユニット28は、合成樹脂を射出成形して成るもので、センサ29と、キャップ19に固定する為の取付フランジ部32とを備えている。センサ29は、ホール素子、磁気抵抗素子等の磁気検出素子を検出部に設けたもので、エンコーダ13の被検出面の特性変化に対応して出力信号を変化させる。センサ29を貫通孔25内に挿入した状態で、取付フランジ部32に形成した通孔を挿通したボルト34の雄ねじ部を、ナット27の雌ねじ部に螺合する事により、キャップ19(取付部24)に対してセンサユニット28を固定している。そして、センサ29の外周面の軸方向中間部分に形成した周溝にOリング30を装着する事により、貫通孔25とセンサ29との隙間を密封している。
以上の様な構成を有する従来構造の回転速度検出装置付ハブユニット軸受1によれば、ハブ3に固定した車輪を、外輪2を固定した懸架装置に対して回転自在に支持できる。又、車輪の回転に伴ってハブ3と共にエンコーダ13が回転すると、エンコーダ13の被検出面に対向したセンサ29の検出部の近傍を、エンコーダ13の被検出面に存在するN極とS極とが交互に通過して、センサ29の特性が変化する。センサ29の特性が変化する周波数は、ハブ3(車輪)の回転速度に比例するので、センサユニット28の出力信号を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。
但し、上述した様な従来構造の場合には、次の様な問題を生じる可能性がある。即ち、取付フランジ部32をボルト34により締結する際の連れ周りトルクにより、センサ29と貫通孔25とが偏芯する。従って、偏芯量がOリング30の締め代の範囲内に収まる様に、センサ29と貫通孔25の径寸法を精度良く管理する必要がある。又、Oリング30を装着する周方向の溝をセンサ29に成形する為には、センサユニット28をラジアルドロー成形により射出成形する必要がある。従って、射出成形時に多数個取りが出来なくて生産効率が悪く、更に、成形金型の合わせ部(センサ29の外周面)に浸水の原因となる段差面やバリが発生しない様に、成形金型を高精度に製造、管理する必要があり、センサユニット28のコストアップの要因となる。
従来構造の他の例としては、図4に示す様に、Oリング31を装着する段部35をキャップ19aの側に設ける構成により、多数個取りが可能、且つ合わせ面が無いアキシャルドロー成形により、センサユニット28aを射出成形する事ができる。但し、図4に示す様なキャップ19aでは、下記に述べる工法上の理由により、貫通孔25aの軸方向内端開口部に、Oリング31を設置する断面矩形の段部35を設ける必要がある。
キャップ19aを構成する、合成樹脂製で有底円筒状のキャップ本体20aは、図5に示す様な、アキシャルドロー成形により造られる。アキシャルドロー成形を行う為の金型装置は、固定型37と可動型36とを備え、固定型37に対して可動型36を軸方向に遠近動させる事に基づいて、キャップ本体20aの成形用空間38(キャビティ)の形成(型締め)及び開放(型開き)を行う。尚、ナット27は、キャップ本体20aの成形と同時に、キャップ本体20aに対してモールド固定される。通常、固定型37は、キャップ本体20aの成形用空間38を基準として軸方向外側に配置され、キャップ本体20aの内径側の表面を成形する為の型形状を有すると共に、金型装置の冷却用流体を流す為の内部流路と、成形品であるキャップ本体20aを固定型37から外す為のエジェクターピンとを備えている。一方、可動型36は、成形用空間38を基準として軸方向内側に配置され、キャップ本体20aの外径側の表面を成形する為の型形状を有すると共に、成形用空間38内に溶融樹脂を供給する為のゲートを備えている。キャップ本体20aの成形を行う過程で、ゲートから成形用空間38内に供給された溶融樹脂が冷却・固化する際に、キャップ本体20aは、樹脂の成形収縮により固定型37に係止される。この状態で、固定型37に対し可動型36を軸方向に遠ざける事によって成形用空間38を開放すると、通常、キャップ本体20aは固定型37の側に残る。固定型37の側に残ったキャップ本体20aは、エジェクターピンで押される事により、固定型37から外され、シュート、コンベア、籠等の規定の位置に落下する。
しかしながら、図4に示した構造のキャップ19aの様に、取付部24aを軸方向に貫通する貫通孔25aがある場合には、成形用空間38を開放する際に、キャップ本体20aが固定型37の側に残らなくなる可能性がある。
即ち、貫通孔25aを、可動型36により成形した場合には、樹脂の成形収縮により発生する、可動型36に対する貫通孔25aの内周面の係止力が強くなる。この結果、成形用空間38を開放する際に、キャップ本体20aが可動型の側に残ってしまったり、或いは、キャップ本体20aが規定外の位置に落下したりして、生産ラインの障害になる可能性がある。
従って、図5に示す様に、貫通孔25aを固定型37により成形し、固定型37と可動型36との合わせ面は、段部35の位置に配置する。この為、段部35と貫通孔25aとの間には偏芯が不可避である為、段部35にOリング31を装着する場合、Oリング31の締め代は軸方向のみに付与される。この様な構造の場合、図4の鎖線で誇張して示す様に、Oリング31の軸方向反発力によりセンサユニット28aの取り付けフランジ部32が持ち上げられ、ボルト34から離れた側の密封性が不完全になる虞がある。
特開2005−009527号公報 特開平11−064356号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、キャップによる密封性を十分に確保すると共に、回転速度検出の信頼性を高めた回転速度検出装置付ハブユニット軸受を、低コストで提供すべく発明したものである。
上記課題を解決する為に、本発明の回転速度検出装置付ハブユニット軸受は、複列の外輪軌道を内周面に有する外輪と、複列の内輪軌道及び車輪を支持する為の回転側フランジを、外周面に有するハブと、前記各外輪軌道と前記各内輪軌道との間に、転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記ハブの軸方向内端部に支持されたエンコーダと、前記外輪の軸方向内端部に装着されて、前記外輪の軸方向内端開口部を密封する合成樹脂製のキャップと、前記キャップのうちで軸方向に前記エンコーダと対向する部分に形成された貫通孔と、前記エンコーダの被検出面に対向して前記貫通孔の内側に挿入されるセンサと、前記キャップに結合される取付フランジ部とを有するセンサユニットと、を備えている。
特に、本発明の回転速度検出装置付ハブユニット軸受は、発泡性のシール材から成る発泡シール部材が、前記貫通孔に内嵌されており、前記発泡シール部材が、円筒部と、前記円筒部の軸方向内端部から径方向外方に折れ曲がった鍔部と、を備え、前記貫通孔が、小径孔部と、軸方向内端開口部に形成された大径孔部と、を備え、前記貫通孔と前記センサとの間に、前記発泡シール部材が、径方向の締め代を有する状態で挟持されている。
更に、前記貫通孔が、前記小径孔部と前記大径孔部とを繋ぐ段差面を備え、前記鍔部が、前記段差面と前記取付フランジ部との間に、軸方向の締め代を有する状態で挟持されている。
更に、前記発泡シール部材が、低反発ウレタンから成る。
上述の様に構成する本発明によれば、キャップによる密封性を十分に確保すると共に、回転速度検出の信頼性を高めた回転速度検出装置付ハブユニット軸受を提供することができる。
即ち、センサの外周面と、貫通孔の内周面との間に、環状の発泡シール部材を径方向及び軸方向に締め代を有する状態で挟持している。この為、センサの変位に追従して発泡シール部材の形状が変形する為、センサの外周面と貫通孔の内周面との間部分を通じて、水等の異物が、転動体やエンコーダを設置した内部空間に侵入する事を有効に防止できる。従って、本発明によれば、キャップによる密封性を十分に確保できる。
又、低反発ウレタンなどの発泡シール材は制振効果が高いので、路面からの振動がハブユニット軸受に加わった場合でも、センサが振動して回転速度検出装置の精度が低下する事を防止できる。
第1実施形態を示す、回転速度検出装置付ハブユニット軸受の部分断面図。 第2実施形態を示す、回転速度検出装置付ハブユニット軸受の部分断面図。 従来構造の回転速度検出装置付ハブユニット軸受を示す断面部。 他の従来構造を示す、回転速度検出装置付ハブユニット軸受の部分断面図。 キャップの製造工程を説明する為に示す、金型の部分断面図。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係わる回転速度検出装置付ハブユニット軸受を示している。本実施形態の特徴は、外輪2の軸方向内端開口部を塞ぐキャップ19b(キャップ本体20b)に対する、センサユニット28aの取付構造を工夫した点にある。
その他の部分の構成及び作用効果に就いては、前述した従来構造の場合と基本的には同じであるので、重複する図示及び説明は省略又は簡略にし、以下、本実施形態の特徴部分及び先に説明しなかった部分を中心に説明する。
本実施形態の回転速度検出装置付ハブユニット軸受は、従動輪である車輪をナックル等の懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、車輪の回転速度を検出するものであり、静止輪である外輪2の内径側に、回転輪であるハブ3を、複数個の転動体12(図3参照)を介して、回転自在に支持している。
外輪2及びハブ3を構成するハブ本体6は、S53C等の中炭素鋼製で、少なくとも各軌道4a、4b、8a(図3参照)の表面に、高周波焼き入れ等の硬化処理が施されている。一方、ハブ3を構成する内輪7及び転動体12は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼製であり、例えばずぶ焼き入れによる硬化処理が施されている。尚、使用する転動体12としては、図3に示した様な玉に限定されず、重量が嵩む自動車用として使用する場合には、転動体12として、円すいころを使用する事もできる。
内輪7の外周面の軸方向内端部には、エンコーダ13が外嵌固定されている。エンコーダ13は、支持環14と、エンコーダ本体16とから構成されている。支持環14は、磁性金属板にプレス加工を施す事により、断面略L字形で全体を円環状に形成されている。支持環14は、筒状の嵌合筒部43と、嵌合筒部43の軸方向内端部から径方向内方に折れ曲がる状態で設けられた円輪部15とを備えており、嵌合筒部43の軸方向外側部分を、内輪7の軸方向内端部に圧入している。エンコーダ本体16は、フェライト粉末等の磁性体を混入したゴム磁石又はプラスチック磁石等の永久磁石により全体を円輪状に形成したもので、軸方向に着磁すると共に、着磁の向きを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。この様なエンコーダ本体16を、円輪部15の軸方向内側面に添着した状態で、エンコーダ本体16の軸方向内側面(被検出面)を、ハブ本体6の軸方向内端部に形成されたかしめ部10の軸方向内端面よりも軸方向内方に位置させている。
外輪2の軸方向内端部に装着されたキャップ19bは、キャップ本体20bと、嵌合環21aとから構成されている。キャップ本体20bは、例えばポリアミド66樹脂に、グラスファイバーを適宜加えたポリアミド樹脂混合材料を、射出成形する事により造られている。ポリアミド樹脂に、非晶性芳香族ポリアミド樹脂(変性ポリアミド6T/6I)、低吸水脂肪族ポリアミド樹脂(ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド610樹脂、ポリアミド612樹脂)を適宜加えれば、より耐水性を向上させる事ができる。この様にして造られるキャップ本体20bは、有底円筒状で、外輪2の軸方向内端部に内嵌固定される円筒部22aと、円筒部22aの軸方向内端開口部を塞いだ底部23aとを備える。円筒部22aの軸方向中間部には、軸方向外側面を外輪2の軸方向内端面に突き当てた、突き当て鍔部46が設けられている。
円筒部22aの先半部には、キャップ本体20bの射出成形時にモールドする事により、嵌合環21aが固定されている。嵌合環21aは、SPCC等の冷間圧延鋼板にプレス加工を施す事により、断面略L字形で全体を円環状に形成されている。嵌合環21aは、円筒状の嵌入筒部47と、嵌入筒部47の軸方向内端部から径方向外方に向けて直角に折れ曲がった円輪状の外向フランジ部48とから構成されている。嵌入筒部47の内径側は樹脂(円筒部22a)で覆われており、外向フランジ部48は、突き当て鍔部46の内部に配置(モールド)されている。又、突き当て鍔部46の軸方向外側面の径方向内半部には、凹溝49が全周に亙り形成されており、凹溝49の底部は、外向フランジ部48の軸方向外側面により構成されている。凹溝49内には、断面円形状でゴム製のOリング50が装着されている。そして、キャップ19bを外輪2に装着した状態で、嵌入筒部47が、外輪2の軸方向内端部に締り嵌めで内嵌固定(金属嵌合)され、突き当て鍔部46の軸方向外側面の径方向外半部が、外輪2の軸方向内端面に突き当てられる。この状態で、Oリング50が、外向フランジ48の軸方向外側面と外輪2の軸方向内端面との間で軸方向に圧縮された状態で挟持される。
キャップ本体20bを構成する底部23aの径方向外寄り部分には、他の部分に比べて軸方向内方に膨出した取付部24bが設けられている。取付部24bのうち、エンコーダ13(エンコーダ本体16)の被検出面と軸方向に対向する部分には、軸方向に貫通した貫通孔25bが形成されている。貫通孔25bは、段付き孔であり、軸方向外端部乃至中間部に設けられた小径孔部51と、軸方向内端開口縁部に設けられた大径孔部52と、小径孔部51と大径孔部52との間部分(小径孔部51と大径孔部52とを繋ぐ部分)に設けられた段差面54とを有している。小径孔部51及び大径孔部52の内径は、軸方向に亘りそれぞれ一定である円筒面としている。段差面54は、円輪状で、取付部24bの軸方向内側面のうちで、貫通孔25bの開口縁部に、軸方向外方に凹んだ状態で設けられている。
この様な貫通孔25bを備えたキャップ19bは、図5に示した様な1対の金型のうち、小径孔部51と合致する外周面形状を有する金型挿入部を固定型に備え、大径孔部52と合致する外周面形状を有する金型挿入部を可動型に備えた装置を使用して、射出成形(アキシャルドロー成形)により形成する。
キャップ本体20bの貫通孔25bの内側に、断面L字形で全体を円環状に形成した発泡シール部材26を、軸方向内側から挿入している。発泡シール部材26は、肉厚が0.5〜3mmで、低反発ウレタン等の発泡性のシール材をモールド成形する事により造られている。又、発泡シール部材26は、円筒部39と、円筒部39の軸方向内端部から径方向外方に折れ曲がった鍔部40とを有している。
自由状態での円筒部39の外径寸法は、貫通孔25bを構成する小径孔部51の内径寸法よりも僅かに大きい。この為、円筒部39は、小径孔部51の内側に、径方向の締め代を有する状態で圧入される。更に、自由状態での鍔部40の外径寸法は大径孔部52の内径寸法よりも僅かに大きい為、鍔部40は、大径孔部52の内側に、径方向の締め代を有する状態で圧入される。
又、鍔部40の肉厚(軸方向幅)は、大径孔部52の軸方向深さ寸法(段差面54と、取付部24bの軸方向内側面との距離)よりも僅かに大きい。この為、発泡シール部材26を貫通孔25bの内側に挿入(鍔部40を大径孔部52の内側に配置)して、鍔部40の軸方向外側面が段差面54に突き当てられた状態で、鍔部40の軸方向内側面は、取付部24bの軸方向内側面よりも軸方向内側に突出している。
キャップ19bに対して、車輪の回転速度を検出する為のセンサユニット28aを支持固定している。センサユニット28aは、磁気検出素子を有するセンサ29aと、キャップ19bに結合固定する為の取付フランジ部32とを備えている。センサ29aは、ポリアミド樹脂等の合成樹脂を射出成形して成るもので、先端部(軸方向外端部)に磁気検出素子を保持している。センサ29aは、貫通孔25bに挿入された状態にある発泡シール部材26の内径寸法よりも僅かに大きな外径寸法を有する円柱状(棒状)に形成されている。
この様なセンサ29aは、軸方向内側から発泡シール部材26の内径側に挿入された状態で、取付フランジ部32に形成した通孔を挿通したボルト34の雄ねじ部33を、ナット27の雌ねじ部57に螺合する事により、キャップ19b(取付部24b)に対して固定される。
センサユニット28aをキャップ19bに支持固定した状態で、センサ29aの軸方向外側面が、エンコーダ13aの被検出面に対向する。又、取付フランジ部32の軸方向外側面と貫通孔25aに形成された段差面54との間で、発泡シール部材26の鍔部40が軸方向の締め代を有する状態で挟持される。更に、センサ29aの外周面と貫通孔25bの内周面との間に、発泡シール部材26(円筒部39及び鍔部40)が径方向の締め代を有する状態で挟持されている。尚、センサ29aの先端部に、発泡シール部材26の径方向の締め代以上の面取りを形成する事により、センサ29aが発泡シール部材26の内部に容易に挿入可能としている。又、この様な発泡シール部材26の自由状態での内径寸法は、センサユニット28aを構成するセンサ29aの外径寸法よりも小さく、センサ29aの周囲に外嵌した状態での円筒部39の外径寸法は、小径孔部51の内径寸法よりも大きい。
特に本実施形態の場合には、発泡シール部材26による密封性を十分に確保すると共に、回転速度検出の信頼性を高めた回転速度検出装置付ハブユニット軸受を、コストアップする事なく提供する事ができる。
即ち、センサユニット28aを構成するセンサ29aの外周面と、貫通孔25bを構成する小径孔部51及び大径孔部52の内周面との間に、発泡シール部材26を、径方向の締め代を有する状態で挟持している。更に、センサユニット28aを構成する取付フランジ32と、貫通穴25bを構成する段差面54との間に、発泡シール部材26を、軸方向の締め代を有する状態で挟持している。従って、センサ29bの外周面と貫通孔25bの内周面との間部分を通じて、水等の異物が転動体12やエンコーダ13を設置した内部空間18に侵入する事を有効に防止できる。従って、キャップ19bによる密封性を十分に確保できる。
低反発ウレタン等の発泡性のシール材によりシール部材を形成しているので、センサ29a及び貫通孔25bの形状のばらつきや、センサ29aと貫通孔25bとの偏芯量に合わせて、発泡シール部材26が体積変化を含む変形をして、密封性を確保している。又、発泡性のシール部は容易に変形する為、図4に示した様な、センサユニット28aの変形が起きにくく、変形が起きた場合でも、センサユニット28aの変形に応じて発泡シール部材26も変形し、密封状態を維持できる。
又、車輪を支持するハブユニット軸受は、懸架装置のスプリングよりも路面側(所謂バネ下)にある部品であり、車輪からの振動、衝撃等が直接加わる。低反発ウレタンなどの発泡性のシール材は制振効果が高いので、ハブユニット軸受に路面からの振動が加わった際、センサ29aが振動するのを抑制し、速度信号に誤差が生ずる事を防止して、回転速度検出の信頼性を高める事ができる。
尚、発泡性のシール材で発泡シール部材26をモールド成形する場合、同一金型によるシール部材の製造量が多いほどコスト的に有利になる為、センサ29aの外径寸法が同一の場合には発泡シール部材26を共用する事が好ましい。従って、発泡シール部材26の軸方向寸法は、センサ29aの軸方向外側面から取付フランジ部32の軸方向外側面までの距離よりも短くしている。この為、センサ29aの形状に応じて、図1の様に、発泡シール部材26の軸方向寸法が、貫通孔25bの軸方向寸法より短くなり、貫通孔25bの軸方向外側部分には発泡シール材26が存在しない場合がある。一方、後述する第2実施形態では、図2に示す様に、発泡シール部材26の軸方向寸法が、貫通孔25bの軸方向寸法より長くなり、貫通孔25bの軸方向外端開口部から発泡シール材26が突出する場合もある。或は、発泡シール部材26の軸方向寸法が、貫通孔25bの軸方向寸法と等しくなり、貫通孔25bの軸方向外端開口部と発泡シール材26の軸方向外側面とが同一面になる場合もある。
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態を示している。本実施形態の場合には、センサユニット28bを構成するセンサ29bの軸方向中間部に、軸方向外側に向かうに従い小径となる傾斜面30を設けている。これにより、センサ29bの先端部分(軸方向外側部)の外径寸法を、貫通孔25bに挿入された状態の発泡シール部材26の内径寸法よりも小さくしている。
本構成により、貫通孔25b(発泡シール部材26)へのセンサ29bの挿入を、円滑に行う事ができる。その他の構成及び作用効果に就いては、前述した第1実施形態の場合と同様である。
本発明の回転速度検出装置付ハブユニット軸受は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、車輪の回転速度を検出する為に利用可能である。
1 回転速度検出装置付ハブユニット軸受
2 外輪
3 ハブ
4a、4b 外輪軌道
5 静止側フランジ
6 ハブ本体
7 内輪
8、8a 内輪軌道
9 小径段部
10 かしめ部
11 回転側フランジ
12 転動体
13 エンコーダ
14 支持環
15 円輪部
16 エンコーダ本体
17 シールリング
18 内部空間
19、19a、19b キャップ
20、20a、20b キャップ本体
21、21a 嵌合環
22、22a 円筒部
23、23a 底部
24、24a、24b 取付部
25、25a、25b 貫通孔
26 発泡シール部材
27 ナット
28、28a、28b センサユニット
29、29a、29b センサ
30 傾斜面
31 Oリング
32 取付フランジ部
33 雄ねじ部
34 ボルト
35 段部
36 可動型
37 固定型
38 成形用空間(キャビティ)
39 円筒部
40 鍔部
46 突き当て鍔部
47 嵌入筒部
48 外向フランジ部
49 凹溝
50 Oリング
51 小径孔部
52 大径孔部
54 段差面
57 雌ねじ

Claims (3)

  1. 複列の外輪軌道を内周面に有する外輪と、
    複列の内輪軌道及び車輪を支持する為の回転側フランジを、外周面に有するハブと、
    前記各外輪軌道と前記各内輪軌道との間に、転動自在に設けられた複数個の転動体と、
    前記ハブの軸方向内端部に支持されたエンコーダと、
    前記外輪の軸方向内端部に装着されて、前記外輪の軸方向内端開口部を密封する合成樹脂製のキャップと、
    前記キャップのうちで軸方向に前記エンコーダと対向する部分に形成された貫通孔と、
    前記エンコーダの被検出面に対向して前記貫通孔の内側に挿入されるセンサと、前記キャップに結合される取付フランジ部とを有するセンサユニットと、
    を備えた回転速度検出装置付ハブユニット軸受であって、
    発泡性のシール材から成る発泡シール部材が、前記貫通孔に内嵌されており、
    前記発泡シール部材が、円筒部と、前記円筒部の軸方向内端部から径方向外方に折れ曲がった鍔部と、を備え、
    前記貫通孔が、小径孔部と、軸方向内端開口部に形成された大径孔部と、を備え、
    前記貫通孔と前記センサとの間に、前記発泡シール部材が、径方向の締め代を有する状態で挟持されている事を特徴とする回転速度検出装置付ハブユニット軸受。
  2. 前記貫通孔が、前記小径孔部と前記大径孔部とを繋ぐ段差面を備え、
    前記鍔部が、前記段差面と前記取付フランジ部との間に、軸方向の締め代を有する状態で挟持されている、請求項1に記載した回転速度検出装置付ハブユニット軸受。
  3. 前記発泡シール部材が、低反発ウレタンから成る、請求項2に記載した回転速度検出装置付ハブユニット軸受。
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