JP6572776B2 - センサユニット付軸受キャップ及び転がり軸受ユニット - Google Patents

センサユニット付軸受キャップ及び転がり軸受ユニット Download PDF

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Description

この発明は、転がり軸受ユニットを構成する外輪の軸方向端部開口を塞ぐ為に使用する軸受キャップにセンサユニットを支持固定して成る、センサユニット付軸受キャップ、及び、このセンサユニット付軸受キャップを備えた転がり軸受ユニットの改良に関する。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の車輪支持用の転がり軸受ユニットと、ABS等の制御に必要な車輪の回転速度を検出する為の回転速度検出装置とを互いに組み合わせて成る、回転速度検出装置付の転がり軸受ユニットが、従来から広く使用されている。
図14は、この様な回転速度検出装置付の転がり軸受ユニットの従来構造の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。この回転速度検出装置付の転がり軸受ユニット1は、使用時に懸架装置に支持固定された状態で回転しない外輪2の内径側に、使用時に図示しない車輪を支持した状態でこの車輪と共に回転するハブ3を、複数個の転動体4、4を介して、回転自在に支持している。前記外輪2の外周面には、前記懸架装置を構成する図示しないナックルに結合固定する為の固定側フランジ5が設けられている。又、前記ハブ3の外周面の軸方向外端寄り(軸方向に関して「外」とは、車両への組み付け状態で車体の幅方向外側を言い、図1、2、4、6、8、10、12、14の左側。反対に、車体の幅方向中央側となる、図1、2、4、6、8、10、12、14の右側を、軸方向に関して「内」と言う。本明細書及び特許請求の範囲の全体で同じ。)部分には、車輪を支持固定する為の回転側フランジ6が設けられている。
又、前記外輪2の内周面と前記ハブ3の外周面との間で前記各転動体4、4を設置した空間の軸方向外端開口は、シールリング7により塞いでいる。これに対し、前記外輪2の軸方向内端部には、有底円筒状の軸受キャップ8を装着して、この外輪2の軸方向内端開口を塞いでいる。この軸受キャップ8は、合成樹脂製で、全体を有底円筒状に構成されたキャップ本体9と、このキャップ本体9にモールド固定された金属板製の金属環10から構成されており、円筒状の嵌合筒部11と、この嵌合筒部11の軸方向内端開口を塞ぐ底板部12とを備えている。そして、前記嵌合筒部11の先半部(軸方向外半部)を構成する前記金属環10を、前記外輪2の軸方向内端部外周面に締り嵌めで外嵌固定する事により、この外輪2の軸方向内端開口を塞ぐ状態で、この外輪2の軸方向内端部に装着されている。
前記ハブ3の軸方向内端部には、回転速度検出装置を構成する、円環状のエンコーダ13を、このハブ3と同心に支持固定している。このエンコーダ13の被検出面(軸方向内側面)には、S極とN極とが円周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されている。又、前記軸受キャップ8を構成する前記底板部12には、回転速度検出装置を構成する、合成樹脂製のセンサホルダ14に図示しないセンサを保持して成るセンサユニット15を支持固定している。この為に、前記底板部12のうちで、軸方向に関して前記エンコーダ13の被検出面の一部と対向する部分に、軸方向に貫通するホルダ挿入孔16を形成すると共に、このホルダ挿入孔16に隣接した部分に、ボルト挿通孔17を形成している。又、前記底板部12の軸方向外側面のうちで、このボルト挿通孔17の開口周縁部に、ナット18を熱かしめ固定している。そして、前記センサホルダ14を構成する、その先端部にホール素子等の磁気検出素子及び波形成形回路を組み込んだICから成る前記センサをモールド固定(包埋)した、棒状(円柱状又は四角柱状等)のホルダ本体部19を、前記ホルダ挿入孔16内に挿入している。更に、このホルダ本体部19の基端部に設けられた取付フランジ部20及び前記ボルト挿通孔17を挿通したボルト21を、前記ナット18に螺合している。これにより、前記センサホルダ14を前記軸受キャップ8に支持固定している。
以上の様な回転速度検出装置付の転がり軸受ユニット1の使用時には、前記外輪2の外周面に固設した固定側フランジ5を懸架装置に対して、図示しないボルトにより結合固定すると共に、前記ハブ3の外周面に固設した回転側フランジ6に車輪を、この回転側フランジ6に設けたスタッドボルトにより固定する事で、懸架装置に対して車輪を回転自在に支持する。この状態で車輪が回転すると、前記ホルダ本体部19の先端部に保持されたセンサの近傍を、前記エンコーダ13の被検出面に配置されたS極とN極とが交互に通過する。この結果、このセンサの検出部内を流れる磁束の密度が変化し、その出力信号を変化させる。この様にしてセンサの出力信号が変化する周波数は、前記車輪の回転数に比例する。従って、この出力信号を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。
但し、上述した様な従来構造の第1例の場合には、次の様な問題を生じる可能性がある。即ち、前記軸受キャップ8を構成する底板部12を軸方向に貫通したホルダ挿入孔16に、前記ホルダ本体部19を挿入する構成を採用している為、このホルダ挿通孔16を通じて、前記軸受キャップ8の内部(底板部12の軸方向外側)の空間に、泥水等の異物が侵入する可能性がある。又、前記ホルダ挿入孔16だけでなく、前記ボルト挿通孔17に就いても、前記底板部12を軸方向に貫通している為、前記センサホルダ14を前記軸受キャップ8に支持固定する以前の状態で、前記両孔16、17を通じて、この軸受キャップ8の内部の空間に異物が侵入する可能性がある。
上述の様な事情に鑑みて、例えば特許文献2には、図15〜16に示す様な、軸受キャップ8aの構造が開示されている。この従来構造の第2例の軸受キャップ8aは、合成樹脂製で、全体を有底円筒状に構成されたキャップ本体9aと、このキャップ本体9aにモールド固定された金属板製の金属環10a及びナット18aから構成されており、円筒状の嵌合筒部11aと、この嵌合筒部11aの軸方向内端開口を塞ぐ底板部12aとを備えている。そして、このうちの底板部12aに、センサホルダ14aを構成するホルダ本体部19aの先端部を挿入する為の、軸方向内側面側のみが開口した有底のホルダ挿入孔16aを設けている。又、前記底板部12aのうちで、前記ホルダ挿入孔16aに隣接する部分に、前記ナット18aをインサート成形により保持している。尚、図示の構造の場合には、前記底板部12aのうち、前記ホルダ挿入孔16aの周囲部分(及び前記ナット18aの周囲部分)の軸方向寸法を、残部の軸方向寸法よりも大きくする事により、このホルダ挿入孔16aの内側に前記ホルダ本体部19aをがたつきなく内嵌支持できる様にしている。
以上の様な構成を有する従来構造の第2例の場合には、前記ホルダ挿入孔16aを、前記底板部12aを軸方向に貫通しない有底孔としている為、このホルダ挿入孔16aを通じて、泥水等の異物が前記軸受キャップ8aの内部に侵入する事を防止できる。更に、前記ナット18aを設けた部分に関しても、前記底板部12aを軸方向に貫通しない構造としている為、異物の進入を防止できる。
ところが、上述した従来構造の第2例の場合には、前記ホルダ挿入孔16aの内側に侵入した異物を、効率良く排出する事が困難である。
即ち、従来構造の第2例の場合には、前記ホルダ挿入孔16aの内周面の断面形状(輪郭形状)を、前記ホルダ本体部19aの外周面形状に合致した円形状ではなく、前記ホルダ挿入孔16aの内側にこのホルダ本体部19aを挿入した際に、このホルダ本体部19aの周囲の円周方向4箇所に断面略半円形状の隙間22、22が形成される形状(花弁形状)としている。これにより、これら各隙間22、22を利用して、前記ホルダ挿入孔16aの内側に侵入した異物を外部に排出する様にしている。但し、前記各隙間22、22は何れも、軸方向内方のみが開口した軸方向に長い形状を有している為、これら各隙間22、22を通じて異物を完全に排出する事は困難であり、水分だけが排出されて内部に泥が堆積する可能性がある。又、内部に堆積した泥や内部に残留した水分の氷結によって、前記ホルダ本体部19aの先端部を損傷したり、前記ホルダ挿入孔16aの底部を損傷したりする可能性もある。
特開平11−142424号公報 国際公開第2014/044261号
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、軸受キャップの底板部のうち、センサホルダのホルダ本体部を挿入する部分である、キャップ凹部の内側に侵入した異物を効果的に排出する事ができる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のセンサユニット付軸受キャップ及び転がり軸受ユニットのうち、センサユニット付軸受キャップは、軸受キャップと、センサユニットとを備える。
このうちの軸受キャップは、軸方向内端部にエンコーダを支持したハブを、その内径側に複数個の転動体を介して回転自在に支持した外輪の軸方向内端開口を塞ぐ状態で、この外輪の軸方向内端部に装着される。
又、前記センサユニットは、センサと、このセンサを保持した状態で前記軸受キャップに支持固定されたセンサホルダとを備える。
又、前記軸受キャップは、前記外輪の軸方向内端部に嵌合固定される嵌合筒部と、この嵌合筒部の内径側(例えば、軸方向端部開口)を塞ぐ合成樹脂製の底板部(塞ぎ板部)と、この底板部のうちで、軸方向に関して前記エンコーダの一部と対向する部分を含む部分に、軸方向内側面側のみが開口する状態で設けられたキャップ凹部とを備える。これと共に、このキャップ凹部の内周面のうち、使用時に下方(好ましくは下端)に位置する部分に、このキャップ凹部の開口部に向かう程使用時に下方となる側に向かう方向に傾斜した傾斜面部が設けられている。
又、前記センサホルダは、前記センサを保持したホルダ本体部と、このホルダ本体部のうち、前記センサを保持した部分よりも軸方向内側に位置する部分に一体に結合された取付フランジ部とを備えており、前記キャップ凹部のうち、使用時に下方(好ましくは下端)に位置する部分から外れた部分であって、且つ、使用時に前記エンコーダの一部と軸方向に対向する部分に、前記ホルダ本体部のうち前記センサを保持した部分を挿入すると共に、前記取付フランジ部の軸方向外側面を、前記底板部の軸方向内側面に当接させている。
更に、前記キャップ凹部の開口部は、使用時に下方(好ましくは下端)に位置する部分のうちの少なくとも一部分が前記取付フランジ部により塞がれる事なく開放されていると共に、それ以外の部分がこの取付フランジ部により塞がれている。
又、上述の様な本発明のセンサユニット付軸受キャップを実施する場合には、前記キャップ凹部の底面から軸方向内側に突出すると共にこのキャップ凹部の内周面から離隔した状態で、又は、前記底板部のうち前記キャップ凹部と隣接する部分に、ナットを保持(例えばインサート成形によりモールド固定)し且つ前記底板部を軸方向に貫通しない、ナット保持部を設ける事ができる。そして、前記取付フランジ部の一部を挿通したボルトの雄ねじ部を前記ナットの雌ねじ部に螺合させる事に基づいて、前記センサホルダを前記軸受キャップに支持固定する事ができる。
前記キャップ凹部の底面から軸方向内側に突出すると共にこのキャップ凹部の内周面から離隔した状態で前記ナット保持部を設ける場合には、前記底板部のうちで、前記キャップ凹部の底部を構成する部分のうち、前記ホルダ本体部の軸方向外側面と軸方向に対向する部分が薄肉部になっていると共に、前記ナット保持部を設けた部分(このナット保持部の軸方向外端部を結合した部分)が、この薄肉部よりも軸方向厚さ寸法が大きい厚肉部になっている構成を採用する事ができる。この様な構成を採用すれば、前記薄肉部の軸方向厚さ寸法を小さくする事により、前記エンコーダと前記センサとの間の軸方向距離を短くする事に基づいて、このセンサの出力強度を大きくすると共に、前記厚肉部の軸方向厚さ寸法を大きくする事により、前記ナット保持部の支持強度を確保する事が容易となる。
又、この様な構成を採用する場合には、次の構成Aや構成Bを採用する事ができる。
(構成A)前記薄肉部を前記厚肉部よりも、前記底板部の径方向外側に位置させると共に、前記薄肉部と前記厚肉部との間に、この厚肉部からこの薄肉部の側に向かうに従って軸方向厚さ寸法が小さくなる、肉厚変化部を設ける構成。
この様な構成Aを採用すれば、前記軸受キャップを射出成形により造る場合であって、且つ、前記底板部のうち、前記肉厚変化部よりも径方向内側に位置する部分(例えば、この底板部の中心付近に位置する部分)に射出成形用のゲートを設ける場合に、このゲートから注入した溶融樹脂を、前記厚肉部から前記肉厚変化部を通じて前記薄肉部に送り込む事ができる。そして、この際に、前記溶融樹脂の流路を、前記肉厚変化部で絞る事により、この溶融樹脂の分子の方向や、この溶融樹脂に混入している強化繊維(例えばグラスファイバー)の方向を、揃う方向に変化させる事ができる。この為、成形後の前記薄肉部の反り等の変形を抑えられる。
(構成B)前記キャップ凹部の底面に、前記ホルダ本体部の軸方向外端部をがたつきなく内嵌した嵌合凹部が設けられていると共に、前記底板部のうちで、前記キャップ凹部の底部を構成する部分のうち、前記嵌合凹部の底部のみが、前記薄肉部になっている構成。
この様な構成Bを採用すれば、使用時に転がり軸受ユニットが振動した場合でも、前記ホルダ本体部の軸方向外端部が前記軸受キャップに対して振動する事を抑えられる為、この様な振動によって、前記ホルダ本体部に保持された前記センサの出力信号に誤差が生じる事を抑えられる。
又、この様な構成Bを採用する場合には、前記嵌合凹部の内周面のうち、使用時に下方(好ましくは下端)に位置する部分に、この嵌合凹部の開口部に向かう程使用時に下方となる側に向かう方向に傾斜した第二傾斜面部を設ける事ができる。この様な構成を採用すれば、前記嵌合凹部内で生じた結露(水分)を、重力の作用により、前記第二傾斜面部に沿って、前記嵌合凹部の外部に排出する事ができる。
又、本発明のセンサユニット付軸受キャップを実施する場合には、前記底板部の軸方向内側面のうち、前記キャップ凹部の周囲部分(例えば上方や下方)で、前記取付フランジ部と干渉しない部分に、このキャップ凹部の軸方向内端開口部よりも軸方向内側に突出した庇部を設ける事ができる。
一方、本発明の転がり軸受ユニットは、例えば自動車の車輪(従動輪)を回転自在に支持する為のもので、外輪と、ハブと、複数個の転動体と、エンコーダと、軸受キャップと、センサユニットとを備える。
このうちの外輪は、内周面に単列又は複列の外輪軌道を有する。
又、前記ハブは、外周面に単列又は複列の内輪軌道を有し、使用時に回転する。
又、前記各転動体は、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に、転動自在に設けられている。これら各転動体としては、玉、円すいころ、円筒ころ、球面ころ、ニードル等を使用する事ができる。
又、前記エンコーダは、前記ハブの軸方向内端部に、このハブと同心に支持固定され、その特性を円周方向に関して交互に且つ等ピッチで変化させたものである。
又、前記軸受キャップは、前記外輪の軸方向内端開口を塞ぐ状態で、この外輪の軸方向内端部に装着されている。
又、前記センサユニットは、前記軸受キャップに支持固定されている。
特に、本発明の転がり軸受ユニットの場合には、前記軸受キャップに前記センサユニットを支持固定して成るセンサユニット付軸受キャップとして、請求項1に記載したセンサユニット付軸受キャップを使用している。
上述の様に構成する本発明のセンサユニット付軸受キャップ及び転がり軸受ユニットによれば、外部の異物をキャップ凹部内に侵入しにくくできると共に、このキャップ凹部内に異物が侵入した場合でも、この異物を外部に効果的に排出する事ができる。
即ち、本発明の場合、軸受キャップを構成する底板部に設けたキャップ凹部の開口部は、使用時に下方に位置する部分のうちの少なくとも一部分のみが開放されており、それ以外の部分はセンサホルダを構成する取付フランジ部により塞がれている。つまり、前記キャップ凹部の開口部のうち、前記取付フランジ部により塞がれずに開放されている部分は、使用時に下方に位置する部分のうちの少なくとも一部分に限られ、狭くなっている為、ラビリンス効果により、外部の異物を前記キャップ凹部内に侵入しにくくできる。又、このキャップ凹部の開口部のうち、使用時に下方に位置する部分のうちの少なくとも一部分(開放されている部分)を通じて、このキャップ凹部内に異物が侵入したとしても、この侵入した異物は、このキャップ凹部内の上部(センサホルダを構成するホルダ本体部を挿入した部分)に向けて移動する事を、重力の作用により有効に防止される。又、本発明の場合には、前記キャップ凹部の内周面のうち、使用時に下方に位置する部分に、このキャップ凹部の開口部に向かう程使用時に下方となる側に向かう方向に傾斜した傾斜面部が設けられている。この為、このキャップ凹部内に侵入した異物を、重力の作用により、前記傾斜面部に沿って、このキャップ凹部の開口部に向け移動させ、この開口部の開放部分を通じて、外部に効果的に排出する事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、回転速度検出装置付の転がり軸受ユニットの断面図。 同じくセンサユニット付軸受キャップを取り出して示す断面図。 同じく図2の右方から見た図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2に相当する図。 同じく図3に相当する図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図2の右上部に相当する図。 同じく図6の右方から見た図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、図4の右上部に相当する図。 同じく図8の右方から見た図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図2に相当する図。 同じく図3に相当する図。 本発明の実施の形態の第6例を示す、図2に相当する図。 同じく図3に相当する図。 従来構造の第1例の回転速度検出装置付の転がり軸受ユニットを示す断面図。 従来構造の第2例に関する軸受キャップを取り出して示す端面図。 同じく図15のA−A断面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜3により説明する。本例の特徴は、外輪2の軸方向内端開口を塞ぐ為の軸受キャップ8bとセンサユニット15bとを組み合わせて成る、センサユニット付軸受キャップの構造を工夫した点にある。その他の部分の構成及び作用効果に就いては、前述した従来構造の場合と基本的には同じであるので、以下、本例の特徴部分及び先に説明しなかった部分を中心に説明する。
本例の回転速度検出装置付の転がり軸受ユニット1aは、従動輪である車輪をナックル等の懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出するもので、静止輪である外輪2の内径側に、回転輪であるハブ3を、複数個の転動体4、4を介して、回転自在に支持している。
前記外輪2は、外周面に懸架装置を構成する図示しないナックルに結合固定する為の固定側フランジ5を、内周面に複列の外輪軌道23a、23bを、それぞれ有している。又、前記ハブ3は、ハブ本体24と内輪25とを、かしめ部26により結合固定して成るもので、外周面に複列の内輪軌道27a、27bを有し、前記外輪2の内径側に、この外輪2と同心に支持されている。又、前記ハブ本体24の軸方向外端部で、前記外輪2の軸方向外端開口よりも軸方向外方に突出した部分には、車輪を支持する為の回転側フランジ6が設けられている。前記各外輪軌道23a、23bと前記各内輪軌道27a、27bとの間には、それぞれ前記各転動体4、4が複数個ずつ設けられている。尚、図示の例では、これら各転動体4、4として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、円すいころを使用する場合もある。
前記外輪2及び前記ハブ3を構成するハブ本体24は、S53C等の中炭素鋼製であり、少なくとも前記各軌道23a、23b、27aの表面に、高周波焼き入れ等の硬化処理が施されている。一方、前記ハブ3を構成する内輪25及び前記各転動体4、4は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼製であり、例えば、ずぶ焼き入れによる硬化処理が施されている。
前記ハブ3を構成する内輪25の軸方向内端部には、回転速度検出装置を構成する、円環状のエンコーダ13aが、前記ハブ3と同心に支持固定されている。このエンコーダ13aは、支持環28と、エンコーダ本体29とから構成されている。このうちの支持環28は、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼板や防錆処理が施されたSPCC等の冷間圧延鋼板に、プレス加工を施す事により、断面L字形で全体を円環状に形成されており、支持円筒部30と、この支持円筒部30の軸方向内端部から径方向外方に折れ曲がる状態で設けられた支持円輪部31とを備える。そして、このうちの支持円筒部30の軸方向外端部が、前記内輪25の軸方向内端部に締り嵌めで外嵌固定されている。又、前記エンコーダ本体29は、フェライト粉末等の磁性体を混入したゴム磁石又はプラスチック磁石等の永久磁石により全体を円輪状に造られたもので、前記支持円輪部31の軸方向内側面に添着固定されている。被検出面である、このエンコーダ本体29の軸方向内側面には、S極とN極とが円周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されている。この様な被検出面は、前記ハブ3と同心に、且つ、前記ハブ本体24の軸方向内端部に形成されたかしめ部26の軸方向内端面よりも軸方向内方に配置されている。
又、前記外輪2の内周面と前記ハブ3の外周面との間で前記各転動体4、4を設置した空間の軸方向外端開口を、シールリング7により塞いでいる。これに対し、前記外輪2の軸方向内端部には、有底円筒状の軸受キャップ8bを装着して、この外輪2の軸方向内端開口を塞いでいる。又、この軸受キャップ8bには、使用状態で、回転速度検出装置を構成する、センサユニット15bが支持固定されている。このセンサユニット15bは、合成樹脂製のセンサホルダ14bと、センサ32とを含んで構成されている。このうちのセンサホルダ14bは、先端部(軸方向外端部。図1〜2の左端部)に前記センサ32をモールド固定(包埋)した円柱状(棒状)のホルダ本体部19bと、このホルダ本体部19bの基端(軸方向内端。図1〜2の右端)寄り部分に設けられた(一体に結合された)取付フランジ部20bとを備えている。又、前記センサ32は、ホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子及び波形成形回路を組み込んだICから成るもので、前記ホルダ本体部19bの先端部にモールド固定されている。
前記軸受キャップ8bは、合成樹脂製で有底円筒状に構成されたキャップ本体9bと、このキャップ本体9bにそれぞれ保持された、金属環10b、Oリング33、及び、ナット18bから構成されており、略円板状の底板部(塞ぎ板部)12bと、この底板部12bの軸方向外側面の径方向外端部から軸方向外側に突出する状態で設けられた略円筒状の嵌合筒部11bとを備える。この嵌合筒部11bの軸方向内端開口は、前記底板部12bにより塞がれている。
前記キャップ本体9bは、例えばポリアミド66樹脂に、グラスファイバーを適宜加えた繊維強化ポリアミド樹脂材料を、射出成形する事により造られている。又、必要に応じて、ポリアミド樹脂に、非晶性芳香族ポリアミド樹脂(変性ポリアミド6T/6I)、低吸水脂肪族ポリアミド樹脂(ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド610樹脂、ポリアミド612樹脂)を適宜加える事で、より耐水性を向上させても良い。又、本例の場合、前記金属環10b、及び、前記ナット18bは、前記キャップ本体9bの射出成形時にモールド固定する事により、このキャップ本体9bに固定されている。
前記軸受キャップ8bを構成する嵌合筒部11bは、軸方向に関して、先端部(軸方向外端部、図1〜2の左端部)に設けられた小径筒部34と、基端部(軸方向内端部、図1〜2の右端部)及び中間部に設けられた大径筒部35とを、段差面36により連続させた、段付き円筒状に構成されている。又、本例の場合、前記小径筒部34を、前記金属環10bにより構成している。この金属環10bは、ステンレス鋼板や冷間圧延鋼板等から造られており、断面L字形で、金属環円筒部37と、この金属環円筒部37の軸方向内端部から径方向外方に折れ曲がる状態で設けられた金属環円輪部38とを備えている。このうちの金属環円筒部37は、前記大径筒部35の外部に露出しているのに対し、前記金属環円輪部38は、この大径筒部35の内部に埋め込まれている。又、前記段差面36の内径側部分を、前記金属環円輪部38の軸方向外側面に隣接する状態で配置された、前記Oリング33用の係止溝とし、この係止溝にこのOリング33を係止している。
又、前記底板部12bは、全体を略円板状に構成されている。この様な底板部12bのうち、円周方向一部分{使用状態で、図1〜3に示す様に、上半部の前後方向(図3の左右方向)中央部に位置する部分}に、他の部分よりも軸方向厚さ寸法が大きくなった(軸方向内側に向けて膨出した)筒状のコネクタ部39が設けられている。このコネクタ部39の外周面の軸方向から見た形状は、図3に示す様に、径方向(図3の上下方向)に伸長する長円形状である。又、このコネクタ部39の径方向内側には、このコネクタ部39の軸方向内側面側にのみ開口した有底のキャップ凹部40が設けられている。このキャップ凹部40の内周面(前記コネクタ部39の内周面)の軸方向から見た形状も、図3に示す様に、径方向(図3の上下方向)に伸長する長円形状である。前記軸受キャップ8bを前記外輪2の軸方向内端部に装着した状態で、前記キャップ凹部40の上端部は、軸方向に関して、前記エンコーダ13a(エンコーダ本体29)の被検出面の一部と対向する位置に存在する。又、前記キャップ凹部40の前後方向幅寸法は、前記センサホルダ14bを構成するホルダ本体部19bの外径寸法よりも十分に大きくなっており、前記キャップ凹部40の上端部にこのホルダ本体19bを緩く挿入できる様になっている。又、このキャップ凹部40の内周面のうち、下端に位置する部分は、このキャップ凹部40の開口部(軸方向内側)に向かう程下方に向かう方向に傾斜した傾斜面部41となっている。
又、前記キャップ凹部40の内側には、このキャップ凹部40の底面の下端寄り部分から軸方向内側に突出した、円筒状のナット保持部42が設けられている。このナット保持部42の外周面と前記キャップ凹部40の内周面とは互いに離隔している。つまり、これらナット保持部42の外周面とキャップ凹部40の内周面との間には、全周に亙り隙間が設けられている。又、前記ナット保持部42の内径側は、前記底板部12bを軸方向に貫通する貫通孔にはなっておらず、このナット保持部42の内径側には、前記ナット18bが、インサート成形によりモールド固定されている。このナット18bは、軸方向外端部に底部を設けた有底円筒状の袋ナットであり、内周面に雌ねじ部43が形成されていると共に、外周面の軸方向複数箇所に係合凹溝44、44が形成されている。そして、これら各係合凹溝44、44内に前記ナット保持部42を構成する合成樹脂の一部を侵入させている。又、本例の場合、このナット保持部42の軸方向内端面と前記ナット18bの軸方向内端面とは、前記コネクタ部39の軸方向内端面と同一仮想平面上に位置している。
尚、本例の場合、前記ナット18bを、軸方向に貫通しない構造(袋ナット)としている為、インサート成形時に、このナット18bを、雄ねじ部と螺合させずに済み、インサート成形の作業性を向上できる。一方、ナットを、軸方向に貫通した構造とした場合には、このナットの内側に合成樹脂が入り込まない様に、雄ねじ部と螺合した状態で、インサート成形を行う。尚、前記ナット保持部42の内径側に前記ナット18bを保持固定する方法は、インサート成形に限らず、例えば圧入等、従来から知られた各種方法を採用できる。
又、本例の場合には、前記底板部12bのうちで、前記キャップ凹部40の底部を構成する部分のうち、前記ホルダ本体部19bの軸方向外側面と軸方向に対向する部分を含む上端部が、薄肉部50になっており、前記ナット保持部42を設けた部分(このナット保持部42の軸方向外端部を結合した部分)を含む下端部及び中間部が、前記薄肉部50よりも軸方向厚さ寸法が大きい厚肉部51になっており、これら薄肉部50と厚肉部51との間に挟まれた部分が、この厚肉部51からこの薄肉部50の側に向かうに従って軸方向厚さ寸法が小さくなった、肉厚変化部52になっている。この様な薄肉部50、厚肉部51、及び肉厚変化部52を設ける為に、本例の場合には、前記底板部12bの軸方向外側面を、全体的に軸方向に直交する単一平面状に形成し、且つ、前記底板部12bの軸方向内側面のうち、前記厚肉部51に対応する部分を前記薄肉部50に対応する部分よりも軸方向内側に位置させると共に、前記肉厚変化部52に対応する部分を、前記厚肉部51から前記薄肉部50の側に向かうに従って軸方向外側に向かう方向に傾斜した傾斜面53としている。
上述の様な構成を有する軸受キャップ8bは、前記嵌合筒部11bのうちの小径筒部34(金属環円筒部37)を前記外輪2の軸方向内端部に締り嵌めで内嵌固定する事により、この外輪2の軸方向内端開口を塞ぐ状態で、この外輪2の軸方向内端部に装着される。又、この状態で、前記段差面36を、この外輪2の軸方向内端面に突き当てる事により、この外輪2に対する前記軸受キャップ8bの軸方向に関する位置決めが図られる。これと共に、前記Oリング33を、この外輪2の軸方向内端面と前記金属環円輪部38の軸方向外側面との間で弾性的に圧縮する事により、これら両側面同士の間部分がシールされる。そして、前記底板部12bのうちで、前記キャップ凹部40の上端部に対応する部分が、前記エンコーダ13a(エンコーダ本体29)の被検出面に対し近接対向する。
又、本例の場合には、前記軸受キャップ8bに対し、前記センサホルダ14bを、次の様にして支持固定する。即ち、このセンサホルダ14bを構成する棒状のホルダ本体部19bを、前記キャップ凹部40の上端部に挿入する。これと共に、このホルダ本体部19bの外周面を、このキャップ凹部40の内周面の上端部に当接させる事により、このホルダ本体部19bの径方向の位置決めを図る。又、前記ホルダ本体部19bの基端寄り部分に設けた取付フランジ部20bの軸方向外側面を、前記コネクタ部39の軸方向内端面のうちの下端部以外の部分(上下方向の上端部及び中間部)と、前記ナット保持部42の軸方向内端面と、前記ナット18bの軸方向内端面とに当接させる。これにより、前記ホルダ本体部19bの軸方向の位置決めを図ると共に、前記キャップ凹部40の開口部のうち、下端部を前記取付フランジ部20bにより塞がれる事なく開放された開放部49とすると共に、この下端部以外の部分を、前記取付フランジ部20bにより塞がれた状態とする。そして、この状態で、この取付フランジ部20bに設けた通孔45を挿通した、図示しないボルトの先端部に設けた雄ねじ部を、前記ナット18bの雌ねじ部43に螺合させ、更に締め付ける。これにより、前記エンコーダ13a(エンコーダ本体29)の被検出面に対し、前記ホルダ本体部19bの先端部にモールド固定されたセンサ32を、前記底板部12bを介して軸方向に近接対向させる。
上述の様な構成を有する本例の回転速度検出装置付きの転がり軸受ユニット1aの場合にも、前述した従来構造の場合と同様に、従動輪である車輪を懸架装置に対して回転自在に支持できると共に、この車輪の回転速度を検出する事ができる。この為、ABSやTCSを適切に制御できる。
特に、本例の場合には、泥水等の異物を、前記キャップ凹部40内に侵入しにくくできると共に、このキャップ凹部40内にこの異物が侵入した場合でも、この異物を効果的に排出する事ができる。
即ち、本例の場合、前記軸受キャップ8bを構成する底板部12bに設けたキャップ凹部40の開口部は、下端部のみが開放された開放部49となっており、それ以外の部分はセンサホルダ14bを構成する取付フランジ部20bにより塞がれている。つまり、前記キャップ凹部40の開口部のうち、前記取付フランジ部20bにより塞がれずに開放されている部分は、下端部の開放部49に限られ、狭くなっている為、重力の作用とラビリンス効果とにより、外部の異物を前記キャップ凹部40内に侵入しにくくできる。又、このキャップ凹部40の開口部の開放部49を通じて、このキャップ凹部40内に異物が侵入したとしても、この侵入した異物は、このキャップ凹部40内の上部(前記センサホルダ14bを構成するホルダ本体部19bを挿入した部分)に向けて移動する事を、重力の作用により有効に防止される。更に、前記取付フランジ部20bの軸方向外側面と相手面(前記コネクタ部39の軸方向内端面、前記ナット保持部42の軸方向内端面、前記ナット18bの軸方向内端面)との当接部には、隙間が存在するとしても、微小隙間しか存在しない。この為、この当接部に泥水が降り掛かった場合でも、この当接部を通じて前記キャップ凹部40内に侵入する異物を、泥が濾された水分のみにとどめる事ができる。又、この様に侵入した水分は、重力の作用により、前記キャップ凹部40内の下端部に移動する。又、本例の場合には、前記キャップ凹部40の内周面のうち、下端に位置する部分に、このキャップ凹部40の開口部に向かう程下方に向かう方向に傾斜した傾斜面部41が設けられている。この為、このキャップ凹部40内に侵入した異物を、重力の作用により、前記傾斜面部41に沿って、このキャップ凹部40の開口部に向け移動させ、この開口部の開放部49を通じて、外部に効果的に排出する事ができる。この結果、前記キャップ凹部40から異物が排出されなかったり、水分だけが排出されて泥が堆積する事を有効に防止できる。又、内部に堆積した泥や内部に残留した水分の氷結によって、前記ホルダ本体部19bの先端部を損傷したり、前記キャップ凹部40の底部を損傷したりする事も有効に防止できる。
又、本例の場合には、前記底板部12bのうちで、前記キャップ凹部40の底部を構成する部分のうち、前記ホルダ本体部19bの軸方向外側面と軸方向に対向する部分を含む上端部が、薄肉部50になっており、前記ナット保持部42を設けた部分(このナット保持部42の軸方向外端部を結合した部分)を含む下端部及び中間部が、前記薄肉部50よりも軸方向厚さ寸法が大きい厚肉部51になっている。この為、前記薄肉部50の軸方向厚さ寸法を小さくする事により、前記エンコーダ13aの被検出面と前記センサ32との間の軸方向距離を短くする事に基づいて、このセンサ32の出力強度を大きくすると共に、前記厚肉部51の軸方向厚さ寸法を大きくする事により、前記ナット保持部42の支持強度を確保する事が容易となる。又、本例の場合には、前記薄肉部50と前記厚肉部51との間に挟まれた部分が、この厚肉部51からこの薄肉部50の側に向かうに従って軸方向厚さ寸法が小さくなった、肉厚変化部52になっている。この為、前記軸受キャップ8bを射出成形により造る場合であって、且つ、前記底板部12bのうち、前記肉厚変化部52よりも径方向内側に位置する部分(例えば、この底板部12bの中心付近に位置する部分)に射出成形用のゲートを設ける場合に、このゲートから注入した溶融樹脂を、前記厚肉部51から前記肉厚変化部52を通じて前記薄肉部50に送り込む事ができる。そして、この際に、前記溶融樹脂の流路を、前記肉厚変化部52で絞る事により、この溶融樹脂の分子の方向や、この溶融樹脂に混入している強化繊維(例えばグラスファイバー)の方向を、揃う方向に変化させる事ができる。この為、成形後の前記薄肉部50の反り等の変形を抑えられる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図4〜5により説明する。本例は、前述した実施の形態の第1例の変形例であり、その特徴は、軸受キャップ8cを構成するキャップ本体9cの底板部12cに設けたコネクタ部39aの構造にある。即ち、本例の場合には、このコネクタ部39aの軸方向内端面のうちの下端部に、他の部分よりも軸方向内方に突出した庇部46を設けている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、路面から跳ね上がった泥水等の異物が、キャップ凹部40の開口部の開放部49に直撃する事を、前記庇部46により有効に防止できる。この為、前記キャップ凹部40内に泥水等の異物が、より侵入しにくくなる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図6〜7により説明する。本例は、前述した実施の形態の第1例の変形例であり、その特徴は、軸受キャップ8fを構成するキャップ本体9fの底板部12fのうち、キャップ凹部40の底部を構成する部分の構造にある。即ち、本例の場合には、このキャップ凹部40の底部を構成する部分の軸方向内側面の上端部に、センサホルダ14bを構成するホルダ本体部19bの軸方向外端部をがたつきなく内嵌した嵌合凹部54が設けられている。そして、本例の場合には、前記キャップ凹部40の底部を構成する部分のうち、前記嵌合凹部54の底部を構成する部分のみが薄肉部50aになっており、その他の部分が厚肉部51aになっている。又、本例の場合には、前記嵌合凹部54の内周面のうち、使用時に下端に位置する部分に、この嵌合凹部54の開口部に向かう程使用時に下方となる側に向かう方向に傾斜した第二傾斜面部55が設けられている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記ホルダ本体部19bの軸方向外端部が前記嵌合凹部54にがたつきなく内嵌されている為、車両(転がり軸受ユニット)が振動した場合でも、前記ホルダ本体部19bの軸方向外端部が前記軸受キャップ8fに対して振動する事を抑えられる。従って、この様な振動によって、前記ホルダ本体部19bに保持されたセンサ32の出力信号に誤差が生じる事を抑えられる。又、本例の場合には、前記嵌合凹部54の内周面のうち、使用時に下端に位置する部分に、前記第二傾斜面部55が設けられている為、前記嵌合凹部54内で生じた結露(水分)を、重力の作用により、前記第二傾斜面部55に沿って、前記嵌合凹部54の外部に排出する事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図8〜9により説明する。本例は、前述した実施の形態の第2例の変形例であり、その特徴は、軸受キャップ8gを構成するキャップ本体9gの底板部12gのうち、キャップ凹部40の底部を構成する部分の構造にある。即ち、本例の場合には、このキャップ凹部40の底部を構成する部分の構成として、上述した実施の形態の第3例と同様に、嵌合凹部54と第二傾斜面部55とを設ける構成を採用している。従って、本例の場合も、当該構成に関して、上述した実施の形態の第3例と同様の作用効果を得られる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第2例の場合と同様である。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図10〜11により説明する。本例は、前述した実施の形態の第1例の変形例であり、その特徴は、軸受キャップ8dを構成するキャップ本体9dの底板部12dに設けたコネクタ部39bの構造にある。即ち、本例の場合には、このコネクタ部39bに形成されたキャップ凹部40aが、このコネクタ部39bの上半部にのみ設けられている。本例の場合、このキャップ凹部40aは、センサユニット15cを構成するセンサホルダ14cのホルダ本体部19bをがたつきなく挿入した(図示の例では、軸方向から見た形状が円形状である)ホルダ挿入部47と、このホルダ挿入部47の下端部に連続する状態で設けられた、ホルダ非挿入部48とから成る。このホルダ非挿入部48の内面の下端部は、前記キャップ凹部40aの開口部(軸方向内側)に向かう程下方に向かう方向に傾斜した傾斜面部41aになっている。又、このホルダ非挿入部48の開口部の形状は、下辺(下底)の長さが上辺(上底)の長さよりも大きい略台形状になっている。又、このホルダ非挿入部48の開口部のうち、下半部の前後方向(図11の左右方向)両端部は、前記ホルダ挿入部47の開口部の前後方向両端縁よりも、前後方向に関して外側に張り出している。又、本例の場合、ナット18bは、前記コネクタ部39bの下半部にモールド固定されている。又、本例の場合、前記ホルダ本体部19bの基端寄り部分に設けられた取付フランジ部20cの軸方向外側面を、前記コネクタ部39bの軸方向内側面及び前記ナット18bの軸方向内端面に当接させた状態で、前記キャップ凹部40aの開口部のうち、前記ホルダ非挿入部48の開口部の前後方向両端部を前記取付フランジ部20cにより塞がれる事なく開放された開放部49a、49aとすると共に、それ以外の部分を、この取付フランジ部20cにより塞がれた状態としている。
以上の様な構成を有する本例の場合も、前記実施の形態第1例の場合と同様、泥水等の異物を、前記キャップ凹部40a内に侵入しにくくできると共に、このキャップ凹部40a内にこの異物が侵入した場合でも、この異物を前記両開放部49a、49aを通じて効果的に排出する事ができる。又、本例の場合には、前記実施の形態の第1例乃至第4例と比較して、ナット保持部42の径方向の肉厚が大きくなるので、このナット保持部42の強度が向上する。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第6例]
本発明の実施の形態の第6例に就いて、図12〜13により説明する。本例は、前述した実施の形態の第5例の変形例であり、その特徴は、軸受キャップ8eを構成するキャップ本体9eの底板部12eに設けたコネクタ部39cの構造にある。即ち、本例の場合には、このコネクタ部39cの軸方向内端面のうちの上端部に、このコネクタ部39cの上端縁に沿って、他の部分よりも軸方向内方に突出した庇部46aを設けている。そして、この庇部46aの下面(内周面)に、センサホルダ14cを構成する取付フランジ部20cの上端部を当接させる事により、この取付フランジ部20cの上下方向の位置決めを図っている。又、本例の場合には、前記コネクタ部39cに形成したキャップ凹部40bを構成する、ホルダ非挿入部48aの内面の下端部に設けた傾斜面部41bを、このキャップ凹部40bの開口部(軸方向内側)に向かう程下方に向かう方向に傾斜させると共に、前後方向(図13の左右方向)の中央部から両端部に向かう程下方に向かう方向に傾斜させた山折り形状の傾斜面(平面形状だけでなく、円筒状や円すい状の曲面でも良い。)としている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記庇部46aの存在に基づいて、前記センサホルダ14cの泥水等からの保護を図れる。又、前記キャップ凹部40b内に侵入した異物が、重力の作用により、前記傾斜面部41bに沿って、このキャップ凹部40bの開口部のうちの開放部49b、49bに移動し易くして、この異物をより効果的に排出する事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第5例の場合と同様である。
上述した実施の形態の各例では、軸受キャップを、合成樹脂製のキャップ本体と、金属製の金属環等、合成樹脂以外の材料から造られた部材を組み合わせた構造を例に挙げて説明したが、本発明を実施する場合、軸受キャップは、その全体が合成樹脂から造られていても良い。又、前記実施の形態の各例では、本発明の転がり軸受ユニットを、車輪支持用の転がり軸受ユニットに適用した場合に就いて説明したが、本発明の転がり軸受ユニットは、この様な用途に限定されず、例えば工作機械等、種々の用途に適用する事ができる。又、前述した実施の形態の各例の構造は、適宜組み合わせて実施する事ができる。
1、1a 転がり軸受ユニット
2 外輪
3 ハブ
4 転動体
5 固定側フランジ
6 回転側フランジ
7 シールリング
8、8a〜8g 軸受キャップ
9、9a〜9g キャップ本体
10、10a、10b 金属環
11、11a、11b 嵌合筒部
12、12a〜12g 底板部
13、13a エンコーダ
14、14a〜14c センサホルダ
15、15a〜15c センサユニット
16、16a ホルダ挿入孔
17 ボルト挿通孔
18、18a、18b ナット
19、19a、19b ホルダ本体部
20、20a〜20c 取付フランジ部
21 ボルト
22 隙間
23a、23b 外輪軌道
24 ハブ本体
25 内輪
26 かしめ部
27a、27b 内輪軌道
28 支持環
29 エンコーダ本体
30 支持円筒部
31 支持円輪部
32 センサ
33 Oリング
34 小径筒部
35 大径筒部
36 段差面
37 金属環円筒部
38 金属環円輪部
39、39a〜39c コネクタ部
40、40a、40b キャップ凹部
41、41a、41b 傾斜面部
42 ナット保持部
43 雌ねじ部
44 係合凹溝
45 通孔
46、46a 庇部
47 ホルダ挿入部
48 ホルダ非挿入部
49、49a、49b 開放部
50、50a 薄肉部
51、51a 厚肉部
52 肉厚変化部
53 傾斜面
54 嵌合凹部
55 第二傾斜面部

Claims (2)

  1. 軸方向内端部にエンコーダを支持したハブを、その内径側に複数個の転動体を介して回転自在に支持した外輪の軸方向内端開口を塞ぐ状態で、この外輪の軸方向内端部に装着される軸受キャップと、
    センサと、このセンサを保持した状態で前記軸受キャップに支持固定されたセンサホルダとを備えたセンサユニットと、
    を備え、
    前記軸受キャップは、前記外輪の軸方向内端部に嵌合固定される嵌合筒部と、この嵌合筒部の内径側を塞ぐ合成樹脂製の底板部と、この底板部のうちで、軸方向に関して前記エンコーダの一部と対向する部分を含む部分に、軸方向内側面側のみが開口する状態で設けられたキャップ凹部とを備えると共に、このキャップ凹部の内周面のうち、使用時に下方に位置する部分に、このキャップ凹部の開口部に向かう程使用時に下方となる側に向かう方向に傾斜した傾斜面部が設けられており、
    前記センサホルダは、前記センサを保持したホルダ本体部と、このホルダ本体部のうち、前記センサを保持した部分よりも軸方向内側に位置する部分に一体に結合された取付フランジ部とを備えており、前記キャップ凹部のうち、使用時に下方に位置する部分から外れた部分であって且つ使用時に前記エンコーダの一部と軸方向に対向する部分に、前記ホルダ本体部のうち前記センサを保持した部分を挿入すると共に、前記取付フランジ部の軸方向外側面を、前記底板部の軸方向内側面に当接させており、
    前記キャップ凹部の開口部は、使用時に下方に位置する部分のうちの少なくとも一部分が前記取付フランジ部により塞がれる事なく開放されていると共に、それ以外の部分がこの取付フランジ部により塞がれている、
    センサユニット付軸受キャップ。
  2. 内周面に外輪軌道を有し、使用時にも回転しない外輪と、外周面に内輪軌道を有し、使用時に回転するハブと、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、このハブの軸方向内端部にこのハブと同心に支持固定され、その特性を円周方向に関して交互に且つ等ピッチで変化させたエンコーダと、前記外輪の軸方向内端開口を塞ぐ状態で、この外輪の軸方向内端部に装着された軸受キャップと、この軸受キャップに支持固定されたセンサユニットと、を備えた転がり軸受ユニットであって、
    前記軸受キャップに前記センサユニットを支持固定して成るセンサユニット付軸受キャップが、請求項1に記載したセンサユニット付軸受キャップである事を特徴とする転がり軸受ユニット。
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