以下では、本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
本明細書及び/又は請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、バッテリボックスと、前記バッテリボックスに着脱可能に取り付けられるバッテリを備えていてもよい。前記バッテリボックスは、トップカバーと、前記バッテリボックスに取り付けられた前記バッテリを覆う形状を有しており、前記トップカバーに対して回動軸周りに回動可能なバッテリカバーを備えていてもよい。前記作業機では、前記バッテリカバーが開いた開放状態において、前記バッテリボックスを上方から平面視した時に、前記バッテリカバーと前記トップカバーが少なくとも部分的に重なり合っていてもよい。前記作業機では、前記バッテリカバーが閉じた閉鎖状態において、前記バッテリボックスを上方から平面視した時に、前記バッテリカバーと前記トップカバーが少なくとも部分的に重なり合っていてもよい。
上記の構成によれば、バッテリカバーが開いた開放状態においても、バッテリカバーが閉じた閉鎖状態においても、バッテリボックスを上方から平面視したときに、バッテリカバーとトップカバーが部分的に重なり合っているので、バッテリボックスに上方から水がかかった場合でも、バッテリカバーとトップカバーの隙間から水が侵入することを防止することができる。バッテリボックスに取り付けられたバッテリに水がかかることを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記作業機では、前記開放状態において、前記バッテリボックスを上方から平面視した時に、前記バッテリボックスに取り付けられた前記バッテリと前記バッテリカバーが重なり合っていてもよい。
上記の構成によれば、バッテリカバーが開いた開放状態においても、バッテリカバーがバッテリの上方を覆っているので、バッテリボックスに上方から水がかかった場合であっても、バッテリに水がかかることを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バッテリカバーの上部に、前記回動軸に沿って伸びる凹部が形成されていてもよい。
上記の構成によれば、バッテリカバーの上部に付着した水が、バッテリカバーの外面を伝って流れるように、凹部によって案内することができるので、バッテリに水がかかることを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バッテリボックスは、前記バッテリボックスの内部であって、前記バッテリよりも上方に配置された水受けをさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、バッテリボックスに上方からかかった水が、バッテリボックスの内部に侵入した場合であっても、水受けによって受け止められるので、バッテリに水がかかることを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記トップカバーの上面と、前記バッテリカバーの上面が、水平面に対して傾斜していてもよい。
上記の構成によれば、バッテリボックスに上方から水がかかった場合に、水をトップカバーの上面やバッテリカバーの上面を伝わせて下方に滴下させることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バッテリは、他の電気機器でも使用可能である。
上記の構成によれば、作業機と他の電気機器でバッテリを共用することができ、ユーザの利便性を向上することができる。
(実施例)
本実施例の運搬車2は、作業機の一種である手押し式の運搬車である。運搬車2は、図1に示す車台ユニット4に、図39に示す第1荷台ユニット300、図45に示す第2荷台ユニット400、図49に示す第3荷台ユニット500、図52に示す第4荷台ユニット600、および図54に示す第5荷台ユニット700のうちの1つを着脱可能に取り付けることで構成されている。別の実施形態では、運搬車2は、車台ユニット4に、第1荷台ユニット300、第2荷台ユニット400、第3荷台ユニット500、第4荷台ユニット600、および第5荷台ユニット700のうちの1つを着脱不能に取り付けられていてもよい。なお、以下の説明では、第1荷台ユニット300、第2荷台ユニット400、第3荷台ユニット500、第4荷台ユニット600、および第5荷台ユニット700のうち、車台ユニット4に取り付けられたものを、単に荷台ユニット800ともいう。
(車台ユニット4)
図1に示すように、車台ユニット4は、ハンドルユニット6と、バッテリボックス8と、車台フレーム10と、前輪ユニット12と、後輪ユニット14を備えている。
(ハンドルユニット6)
図2に示すように、ハンドルユニット6は、ハンドルベース16と、右側ハンドル18と、左側ハンドル20を備えている。ハンドルベース16は、ベースパイプ21と、右側チャネル22と、左側チャネル24と、角パイプ26と、ベースプレート28と、右側取付金具30と、左側取付金具32を備えている。ベースパイプ21と、右側チャネル22と、左側チャネル24と、角パイプ26と、ベースプレート28と、右側取付金具30と、左側取付金具32は、いずれも鋼材からなる。ベースパイプ21の断面形状は、略円形状である。ベースパイプ21は、左右方向に伸びる中央部21aと、中央部21aの右端から下方に屈曲した右側支持部21bと、中央部21aの左端から下方に屈曲した左側支持部21cを備えている。右側チャネル22は、前後方向および上下方向に沿ったウェブ22aと、ウェブ22aの前端から左方に屈曲した前側フランジ22bと、ウェブ22aの後端から左方に屈曲した後側フランジ22cを備えている。ベースパイプ21の右側支持部21bは、右側チャネル22の上部の左側で、右側チャネル22に溶接されている。左側チャネル24は、前後方向および上下方向に沿ったウェブ24aと、ウェブ24aの前端から右方に屈曲した前側フランジ24bと、ウェブ24aの後端から右方に屈曲した後側フランジ24cを備えている。ベースパイプ21の左側支持部21cは、左側チャネル24の上部の右側で、左側チャネル24に溶接されている。角パイプ26は、左右方向に伸びている。角パイプ26の右端は、右側チャネル22の上下方向の中央部近傍の左側で、右側チャネル22に溶接されている。角パイプ26の左端は、左側チャネル24の上下方向の中央部近傍の右側で、左側チャネル24に溶接されている。ベースプレート28は、上下方向および左右方向に沿った壁部28aと、壁部28aの下端から後方に向けて屈曲した床部28bを備えている。壁部28aの上端は、ベースパイプ21の中央部21aの下面に溶接されている。床部28bの下面は、角パイプ26の上面に溶接されている。右側取付金具30は、右側チャネル22の下端に溶接されている。左側取付金具32は、左側チャネル24の下端に溶接されている。図1に示すように、ハンドルベース16は、右側取付金具30が車台フレーム10のフレームプレート130にネジ止めされ、左側取付金具32が車台フレーム10のフレームプレート130にネジ止めされることで、車台フレーム10に対して固定される。
図2に示すように、右側ハンドル18は、パイプ34と、チャネル36と、グリップ38と、スイッチボックス40と、デッドマンレバー42を備えている。パイプ34と、チャネル36は、いずれも鋼材からなる。パイプ34は、上下方向に伸びる支持部34aと、支持部34aの上端から後方に屈曲したハンドル部34bを備えている。チャネル36は、前後方向および上下方向に沿ったウェブ36aと、ウェブ36aの前端から右方に屈曲した前側フランジ36bと、ウェブ36aの後端から右方に屈曲した後側フランジ36cを備えている。パイプ34は、チャネル36の右側で、チャネル36に溶接されている。グリップ38と、スイッチボックス40と、デッドマンレバー42は、パイプ34のハンドル部34bに取り付けられている。
左側ハンドル20は、パイプ44と、チャネル46と、グリップ48と、ブレーキレバー49を備えている。パイプ44と、チャネル46は、いずれも鋼材からなる。パイプ44は、上下方向に伸びる支持部44aと、支持部44aの上端から後方に屈曲したハンドル部44bを備えている。チャネル46は、前後方向および上下方向に沿ったウェブ46aと、ウェブ46aの前端から左方に屈曲した前側フランジ46bと、ウェブ46aの後端から左方に屈曲した後側フランジ46cを備えている。パイプ44は、チャネル46の左側で、チャネル46に溶接されている。グリップ48と、ブレーキレバー49は、パイプ44のハンドル部44bに取り付けられている。
右側ハンドル18は、グリップボルト50,52を介して、ハンドルベース16に固定されている。左側ハンドル20は、グリップボルト54,56を介して、ハンドルベース16に固定されている。グリップボルト50,52,54,56はそれぞれ、頭部50a,52a,54a,56aと、軸部50b,52b,54b,56bを備えている。図3に示すように、ハンドルベース16の右側チャネル22のウェブ22aには、貫通孔22d,22eが上下方向に並んで形成されている。図4に示すように、右側チャネル22のウェブ22aの左面には、貫通孔22d,22eに対応する位置に、ナット58,60が溶接されている。同様に、ハンドルベース16の左側チャネル24のウェブ24aには、貫通孔24d,24eが上下方向に並んで形成されている。図3に示すように、左側チャネル24のウェブ24aの右面には、貫通孔24d,24eに対応する位置に、ナット62,64が溶接されている。図5に示すように、右側ハンドル18のチャネル36のウェブ36aには、上下方向に伸びる長孔36dが形成されている。図6に示すように、左側ハンドル20のチャネル46のウェブ46aには、上下方向に伸びる長孔46dが形成されている。
図2に示すように、右側ハンドル18をハンドルベース16に固定する際には、グリップボルト50の軸部50bを、右側ハンドル18の長孔36dと、ハンドルベース16の貫通孔22dを貫通させて、ナット58に螺合させるとともに、グリップボルト52の軸部52bを、右側ハンドル18の長孔36dと、ハンドルベース16の貫通孔22eを貫通させて、ナット60に螺合させる。これによって、右側ハンドル18のチャネル36のウェブ36aの左面が、ハンドルベース16の右側チャネル22のウェブ22aの右面に当接した状態で、グリップボルト50,52の頭部50a,52aとナット58,60によって、右側ハンドル18のチャネル36とハンドルベース16の右側チャネル22が挟持される。これによって、右側ハンドル18をハンドルベース16に対して固定することができる。なお、以下の説明では、グリップボルト50,52とナット58,60を総称して、右側挟持機構51ともいう。また、グリップボルト52とナット60を、右側回転規制機構53ともいう。右側回転規制機構53は、右側ハンドル18がハンドルベース16に対して、グリップボルト50を回動軸として回動してしまうことを規制する。
同様に、左側ハンドル20をハンドルベース16に固定する際には、グリップボルト54の軸部54bを、左側ハンドル20の長孔46dと、ハンドルベース16の貫通孔24dを貫通させて、ナット62に螺合させるとともに、グリップボルト56の軸部56bを、左側ハンドル20の長孔46dと、ハンドルベース16の貫通孔24eを貫通させて、ナット64に螺合させる。これによって、左側ハンドル20のチャネル46のウェブ46aの右面が、ハンドルベース16の左側チャネル24のウェブ24aの左面に当接した状態で、グリップボルト54,56の頭部54a,56aとナット62,64によって、左側ハンドル20のチャネル46とハンドルベース16の左側チャネル24が挟持される。これによって、左側ハンドル20をハンドルベース16に対して固定することができる。なお、以下の説明では、グリップボルト54,56とナット62,64を総称して、左側挟持機構55ともいう。また、グリップボルト56とナット64を、左側回転規制機構57ともいう。左側回転規制機構57は、左側ハンドル20がハンドルベース16に対して、グリップボルト54を回動軸として回動してしまうことを規制する。
右側ハンドル18は、グリップボルト50,52を緩めた状態で、ハンドルベース16に対して上下方向に移動可能である。右側ハンドル18は、ハンドルベース16に対する上下方向の位置を所望の位置に調整した状態で、グリップボルト50,52を締め付けることで、調整後の位置でハンドルベース16に対して固定することができる。同様に、左側ハンドル20は、グリップボルト54,56を緩めた状態で、ハンドルベース16に対して上下方向に移動可能である。左側ハンドル20は、ハンドルベース16に対する上下方向の位置を所望の位置に調整した状態で、グリップボルト54,56を締め付けることで、調整後の位置でハンドルベース16に対して固定することができる。仮に、右側ハンドル18と左側ハンドル20が一体となっており、ハンドルベース16に対する上下方向の位置を一体的に調整する構成とした場合、一体となった右側ハンドル18と左側ハンドル20の重量が大きいため、ハンドルベース16に対する上下方向の位置の調整に大きな労力を要する。これに対して、本実施例の運搬車2では、右側ハンドル18と左側ハンドル20が別体となっており、それぞれ個別にハンドルベース16に対する上下方向の位置を調整可能である。この場合、個々の右側ハンドル18と左側ハンドル20の重量はそれほど大きくないため、ハンドルベース16に対する上下方向の位置の調整に要する労力を軽減することができる。
図3に示すように、ハンドルベース16の右側チャネル22のウェブ22aには、右方向に突出する弾性係合片22fが形成されている。図4に示すように、ハンドルベース16の左側チャネル24のウェブ24aには、左方向に突出する弾性係合片24fが形成されている。右側チャネル22の弾性係合片22fと左側チャネル24の弾性係合片24fは、上下方向の位置が略同一である。図5に示すように、右側ハンドル18のチャネル36のウェブ36aには、右側チャネル22の弾性係合片22fに対応して、複数の係合孔36eが形成されている。複数の係合孔36eは、上下方向に所定間隔で並んで配置されている。図6に示すように、左側ハンドル20のチャネル46のウェブ46aには、左側チャネル24の弾性係合片24fに対応して、複数の係合孔46eが形成されている。複数の係合孔46eは、上下方向に所定間隔で並んで配置されている。右側ハンドル18の複数の係合孔36eのそれぞれと、左側ハンドル20の複数の係合孔46eのそれぞれは、上下方向の位置が略同一である。右側ハンドル18は、弾性係合片22fが複数の係合孔36eのうちの1つに入り込んだ状態で、ハンドルベース16に対して固定することができる。同様に、左側ハンドル20は、弾性係合片24fが複数の係合孔46eのうちの1つに入り込んだ状態で、ハンドルベース16に対して固定することができる。弾性係合片22fが入り込む係合孔36eと、弾性係合片24fが入り込む係合孔46eを対応させることで、ハンドルベース16に対する右側ハンドル18の上下方向の取付位置と、ハンドルベース16に対する左側ハンドル20の上下方向の取付位置を、略同一とすることができる。例えば、複数の係合孔36eのうち最も上にあるものに弾性係合片22fを入り込ませた状態で、右側ハンドル18をハンドルベース16に対して固定するとともに、複数の係合孔46eのうち最も上にあるものに弾性係合片24fを入り込ませた状態で、左側ハンドル20をハンドルベース16に対して固定することによって、図1に示すように、右側ハンドル18と左側ハンドル20の両方を、ハンドルベース16に対して最も低い位置で固定することができる。あるいは、複数の係合孔36eのうち最も下にあるものに弾性係合片22fを入り込ませた状態で、右側ハンドル18をハンドルベース16に対して固定するとともに、複数の係合孔46eのうち最も下にあるものに弾性係合片24fを入り込ませた状態で、左側ハンドル20をハンドルベース16に対して固定することによって、図7に示すように、右側ハンドル18と左側ハンドル20の両方を、ハンドルベース16に対して最も高い位置で固定することができる。以下では、弾性係合片22fと複数の係合孔36eを総称して、右側位置決め機構23ともいい、弾性係合片24fと複数の係合孔46eを総称して、左側位置決め機構25ともいう。
なお、右側ハンドル18は、弾性係合片22fが複数の係合孔36eのうちの何れにも入り込んでいない状態で、グリップボルト50,52を締め付けて、ハンドルベース16に対して固定することもできる。この場合、弾性係合片22fはチャネル36のウェブ36aに押圧されて左側に弾性変形した状態で維持される。同様に、左側ハンドル20は、弾性係合片24fが複数の係合孔46eのうちの何れにも入り込んでいない状態で、グリップボルト54,56を締め付けて、ハンドルベース16に対して固定することもできる。この場合、弾性係合片24fはチャネル46のウェブ46aに押圧されて右側に弾性変形した状態で維持される。
なお、別の実施形態では、右側ハンドル18のハンドル部34bは、支持部34aの上端から右方または左方に屈曲していてもよく、左側ハンドル20のハンドル部44bは、支持部44aの上端から右方または左方に屈曲していてもよい。また、さらに別の実施形態では、右側ハンドル18と左側ハンドル20は、例えばU字ハンドルのように、一体的に形成されていてもよい。
(右側ハンドル18)
図5に示すように、右側ハンドル18において、スイッチボックス40は、グリップ38よりも前方に設けられている。また、デッドマンレバー42は、グリップ38の上方に設けられている。
スイッチボックス40は、ケーシング66と、操作パネル68と、警音ボタン70と、操作レバー72と、尾灯74を備えている。ケーシング66は、樹脂製の部材である。操作パネル68は、ケーシング66の上面に設けられている。操作パネル68は、主電源ボタン68a、主電源表示灯68b、前進/後退切替ボタン68c、前進表示灯68d、後退表示灯68e、速度切替ボタン68f、速度インジケータ68gを備えている。主電源ボタン68aは、ユーザが運搬車2の主電源のオン/オフを切替操作するためのボタンである。主電源表示灯68bは、運搬車2の主電源がオンの場合に点灯し、運搬車2の主電源がオフの場合に消灯する。前進/後退切替ボタン68cは、ユーザが運搬車2の前進モード/後退モードを切替操作するためのボタンである。前進モードにおいては、運搬車2は、後述するモータ150(図1参照)を駆動して、後述する右前輪140および左前輪142(図1参照)を順方向に回転させ、後退モードにおいては、運搬車2はモータ150を駆動して、右前輪140および左前輪142を逆方向に回転させる。前進表示灯68dは、運搬車2が前進モードで動作する際に点灯し、後退モードで動作する際に消灯する。後退表示灯68eは、運搬車2が後退モードで動作する際に点灯し、前進モードで動作する際に消灯する。速度切替ボタン68fは、ユーザが運搬車2の走行速度を切替操作するためのボタンである。本実施例の運搬車2では、走行速度を多段階で(例えば3段階で)切替可能である。運搬車2は、速度切替ボタン68fで設定された走行速度に応じて、モータ150を駆動する際のモータ150の回転速度を制御する。速度インジケータ68gは、速度切替ボタン68fによって設定された運搬車2の走行速度に応じて、点灯する窓の個数を変化させる。図8に示すように、ケーシング66の内部であって、操作パネル68の下方には、操作基板76が収容されている。操作基板76は、主電源ボタン68a、前進/後退切替ボタン68c、速度切替ボタン68fに対するユーザからの操作を検出するスイッチ(図示せず)や、主電源表示灯68b、前進表示灯68d、後退表示灯68e、速度インジケータ68gを点灯/消灯するためのLED(図示せず)等を備えている。
図5に示すように、警音ボタン70は、ケーシング66の側面であって、操作パネル68よりも左方に設けられている。警音ボタン70は、ユーザが後述するブザー124(図13参照)の鳴動操作を行うためのボタンである。運搬車2は、ユーザが警音ボタン70を操作した場合に、ブザー124を鳴動させて警告音を発生させる。なお、運搬車2がブザー124以外のスピーカ(図示せず)を備えている場合には、運搬車2は、ユーザによる警音ボタン70の操作に応じて、スピーカから所定の音楽または音声を出力する構成としてもよい。
操作レバー72は、樹脂製の部材である。図8に示すように、操作レバー72は、支持部72aと、操作片72bと、検出片72cを備えている。支持部72aと、操作片72bと、検出片72cは、一体的に形成されている。支持部72aと検出片72cは、ケーシング66の内部に収容されている。操作片72bは、ケーシング66の後面に形成された開口66aを介して、ケーシング66の内部から外部に突出している。支持部72aは、ケーシング66に対して、左右方向に伸びる回動軸72d周りに回動可能に支持されている。ケーシング66の内部において、検出片72cの近傍には、駆動スイッチ78が収容されている。ユーザによって、操作片72bが上方に押し込み操作されると、操作片72b、支持部72a、検出片72cが、回動軸72d周りに一体的に回動して、図9に示すように、検出片72cによって駆動スイッチ78が押圧される。また、ケーシング66の内部には、操作片72bが下方に移動する方向のトルクを操作レバー72に付与する圧縮バネ(図示せず)が収容されている。ユーザが、操作片72bから手を離すと、圧縮バネの付勢力によって、操作片72b、支持部72a、検出片72cが、回動軸72d周りに一体的に回動して、図8に示すように、検出片72cが駆動スイッチ78から離反する。なお、操作片72bの周囲において、ケーシング66の開口66aは、ベローズカバー80によって覆われている。ベローズカバー80によって、ケーシング66の外部から開口66aを介してケーシング66の内部に異物が侵入することが防止されている。
操作パネル68は、ケーシング66の上面に配置されている。警音ボタン70は、ケーシング66の側面に配置されている。また、操作レバー72は、ケーシング66の後部に配置されている。このような構成とすることで、ユーザはグリップ38を右手で把持したまま、右手の指によって操作パネル68、警音ボタン70、操作レバー72の操作を行うことができる。
尾灯74は、ケーシング66の後面であって、操作レバー72よりも下方に設けられている。尾灯74は、後述する右前照灯156および左前照灯158がオンの場合に点灯し、オフの場合に消灯する。尾灯74は、運搬車2の後方を照明し、高視認部として機能する。図8に示すように、ケーシング66の内部であって、尾灯74の前方には、尾灯基板82が収容されている。尾灯基板82は、尾灯74を点灯/消灯するためのLED(図示せず)等を備えている。尾灯74は、例えば、面発光するLEDによって点灯/消灯してもよい。尾灯74は、グリップ38よりも前方に配置されているので、例えば運搬車2が後方へ移動している時に、後方の障害物と衝突してしまう場合であっても、グリップ38が先に障害物と衝突するので、尾灯74が障害物と衝突して破損してしまうことを防止することができる。
尾灯74の明るさは、夜間の作業者の安全の観点から、夜間後方100mの距離から尾灯74の点灯を視認できる程度の明るさであることが望ましい。また、尾灯74が発光する色は、赤を含む色、具体的には、橙色、赤色等であることが望ましい。夜間後方100mの距離から視認できる程度の明るさとしては、例えば、LEDを用いる場合、JISC9502に規定された自転車の尾灯の基準(特に、尾灯の光度および/または光線の色についての基準)を満たすものであればよい。
運搬車2は、運搬車2の起動に連動して尾灯74を点灯する構成としてもよい。運搬車2は、尾灯74を点灯させてもよいし、点滅させてもよい。例えば、運搬車2は、通常時は尾灯74を点灯させており、加速度センサ(図示せず)等によって運搬車2の減速状態を検出した場合に、尾灯74を点滅させる構成としてもよい。あるいは、運搬車2は、通常時は尾灯74を消灯しており、光センサ(図示せず)等で周囲が暗くなったことを検出した場合に、尾灯74を点灯させる構成としてもよい。また、振動センサ(図示せず)等でモータ150の駆動を検出可能としておき、周囲が暗くなり、かつモータ150が駆動した場合に、尾灯74を点灯させる構成としてもよい。あるいは、運搬車2は、後述するバッテリパック112(図14参照)の残量が少ない場合には、モータ150や荷台ユニット800等への電力供給を停止した状態で、尾灯74への電力供給を継続する構成としてもよい。
また、運搬車2は、尾灯74の代わりに、ケーシング66の後面に反射材(図示せず)を備えていてもよい。反射材は、光を受けて反射することで、運搬車2の後方を照明し、高視認部として機能する。反射材は、再帰性反射材を備えていてもよい。反射材は、夜間後方100mの距離から、車の前照灯などで光を照射したときに、反射光を視認可能な性能を有することが望ましい。また、反射材が反射する光の色は、赤を含む色、具体的には、橙色、赤色等であることが望ましい。あるいは、尾灯74に反射材を組み合わせたものを用いて、後方からの視認性をより向上してもよい。この場合、尾灯74と反射材は一体化されていてもよい。
図10に示すように、車台ユニット4を後方から平面視したときに、車台ユニット4の左右方向の中心から尾灯74の左右方向の中心までの距離Dは、150mm以上であり、好ましくは200mm以上であり、例えば約250mmである。例えば、距離Dが150mm以上の場合、右側ハンドル18と左側ハンドル20の間の間隔が300mm以上となり、標準的な成人の腰幅よりも広くなる。また、距離Dが200mm以上の場合、右側ハンドル18と左側ハンドル20の間の間隔が400mm以上となり、標準的な成人の肩幅よりも広くなる。距離Dは、右側ハンドル18および左側ハンドル20の形状に基づく作業者の姿勢を考慮して、上記の標準的な腰幅や肩幅を基準として選定することができる。このような構成とすることで、ユーザが右側ハンドル18と左側ハンドル20を把持して運搬車2の後方に立っている状態でも、尾灯74がユーザの身体で遮られることなく、ユーザよりも後方から尾灯74を視認することができる。なお、車台ユニット4の左右方向の中心とは、ユーザが右側ハンドル18と左側ハンドル20を把持して運搬車2の後方に立っている場合に、ユーザの胴体の左右方向の中心に対応する位置であればよく、例えば、右前輪140の左右方向の中心と左前輪142の左右方向の中心の間の中央の位置であってもよいし、右後輪238の左右方向の中心と左後輪258の左右方向の中心の間の中央の位置であってもよいし、ハンドルユニット6の左右方向の中心の位置であってもよいし、右側ハンドル18のグリップ38の左右方向の中心と左側ハンドル20のグリップ48の左右方向の中心の間の中央の位置であってもよい。なお、尾灯74は、ユーザが右側ハンドル18と左側ハンドル20を把持して運搬車2の後方に立っている状態で、ユーザよりも後方から視認可能な位置であれば、スイッチボックス40以外の、車台ユニット4の他の位置に設けられていてもよい。例えば、尾灯74は、ハンドルベース16の右側チャネル22や左側チャネル24に設けられていてもよい。あるいは、尾灯74は、右側ハンドル18のチャネル36や、グリップ38の後端面に設けられていてもよい。あるいは、尾灯74は、左側ハンドル20のチャネル46や、グリップ48の後端面に設けられていてもよい。あるいは、尾灯74は、後述する後輪ユニット14の後輪フレーム225において、右後輪238の近傍の箇所や、左後輪258の近傍の箇所に設けられていてもよい。尾灯74がこれらの箇所に設けられている場合も、夜間後方100mの距離から点灯を視認可能であることが望ましい。
図8、図9に示すように、ケーシング66はさらに、第1リンク部材84と、第2リンク部材86と、デッドマンスイッチ88を収容している。第1リンク部材84は、所定のスライド方向(図8、図9の矢印参照)にスライド可能に、ケーシング66に保持されている。図11に示すように、第1リンク部材84は、上端から下端まで略直線状に伸びる支持ビーム84aと、支持ビーム84aの中間部から右方向に伸びた後、上方に向けて屈曲する補助ビーム84bと、支持ビーム84aの下端から右方向に伸びるピン84cを備えている。図8、図9に示すように、支持ビーム84aは、操作レバー72よりも左側で、ケーシング66の内部の上部から下部に伸びている。補助ビーム84bは、第1リンク部材84の可動範囲において、上方に位置するグリップ38や、下方に位置する操作レバー72と干渉しない形状に形成されている。第2リンク部材86は、左右方向に伸びる回動軸86a周りに回動可能に、ケーシング66に保持されている。第2リンク部材86の後端には、長孔86bが形成されている。第1リンク部材84のピン84cは、第2リンク部材86の長孔86bに入り込んでいる。第1リンク部材84がスライド方向にスライドすると、ピン84cが長孔86bの側壁に対して摺動しながら長孔86bの側壁を押圧することで、第2リンク部材86は回動軸86a周りに回動する。デッドマンスイッチ88は、第2リンク部材86に形成された突起86cに対向して配置されている。第2リンク部材86の後端が上方に移動するように第2リンク部材86が回動すると、突起86cがデッドマンスイッチ88を押圧し、第2リンク部材86の後端が下方に移動するように第2リンク部材86が回動すると、突起86cがデッドマンスイッチ88から離反する。第2リンク部材86は、図示しない捩りバネによって、後端が上方に移動する回動方向に付勢されている。第2リンク部材86の前端には、ケーブルホルダ86dが設けられている。ケーシング66の前下部には、デッドマンケーブル90が挿入されている。デッドマンケーブル90は、インナケーブル90aと、インナケーブル90aの周囲を覆うアウタケーブル90bを備えている。アウタケーブル90bは、ケーシング66に保持されている。インナケーブル90aは、ケーブルホルダ86dに保持されている。
図5に示すように、デッドマンレバー42は、グリップ38の上面に沿う形状に形成されている。デッドマンレバー42は、樹脂製の部材である。デッドマンレバー42の後端は、グリップ38の後端に、左右方向に伸びる回動軸42aを介して回動可能に保持されている。デッドマンレバー42の前端は、第1リンク部材84の上端に摺動可能に保持されている。
ユーザがグリップ38を把持すると、デッドマンレバー42はユーザの掌によって下方に押し込まれる。この場合、第1リンク部材84がスライド方向に沿って下方に移動し、第2リンク部材86は後端が下方に向かう回動方向に回動する。これによって、図9に示すように、デッドマンケーブル90のインナケーブル90aがアウタケーブル90bに対して相対的に引き出される。また、第2リンク部材86の突起86cが、デッドマンスイッチ88から離反する。この状態から、ユーザがグリップ38から手を離すと、捩りバネの付勢力によって第2リンク部材86は後端が上方に向かう回動方向に回動するとともに、第1リンク部材84がスライド方向に沿って上方に移動する。これによって、図8に示すように、デッドマンケーブル90のインナケーブル90aがアウタケーブル90bに対して相対的に押し込まれる。また、第2リンク部材86の突起86cが、デッドマンスイッチ88を押圧する。さらに、デッドマンレバー42の前端が上方に押し上げられる。
なお、第1リンク部材84、第2リンク部材86は、図62に示すように構成されていてもよい。図62に示す構成では、第1リンク部材84のピン84cが、支持ビーム84aの下端から左方向に伸びている。また、第1リンク部材84は、ピン84cに回動可能に保持されたローラ84dと、支持ビーム84aの下端から右方向に突出するブロック84eを備えている。図62に示す構成では、第2リンク部材86には、長孔86bや突起86cは形成されていない。第1リンク部材84のローラ84dは、第2リンク部材86の後端近傍において、第2リンク部材86の上面に当接している。
図62に示す第1リンク部材84、第2リンク部材86を用いる構成では、図63、図64に示すように、ケーシング66の内部の空間が内壁66bによって左右に区画されている。内壁66bには長孔66cが形成されている。長孔66cの長手方向は、第1リンク部材84のスライド方向に沿っている。図63に示すように、内壁66bよりも右側の空間には、第1リンク部材84の支持ビーム84aおよびブロック84eと、デッドマンスイッチ88が配置されている。第1リンク部材84のピン84cは長孔66cを貫通している。図64に示すように、内壁66bよりも左側の空間には、第1リンク部材84のローラ84dと、第2リンク部材86と、デッドマンケーブル90が配置されている。
図62-図64に示す構成において、ユーザによってデッドマンレバー42が下方に押し込まれると、第1リンク部材84がスライド方向に沿って下方に移動し、ローラ84dが第2リンク部材86の後端近傍の上面を転動しながら押圧する。これによって、第2リンク部材86は回動軸86a周りに回動し、第2リンク部材86の前端が上方に移動して、デッドマンケーブル90のインナケーブル90aがアウタケーブル90bに対して相対的に引き出される。また、第1リンク部材84がスライド方向に沿って下方に移動することで、第1リンク部材84のブロック84eが、デッドマンスイッチ88を押圧する。この状態から、ユーザがデッドマンレバー42から手を離すと、図示しない捩りバネの付勢力によって第2リンク部材86は前端が下方に向かい後端が上方に向かう回動方向に回動する。これによって、デッドマンケーブル90のインナケーブル90aがアウタケーブル90bに対して相対的に押し込まれる。また、第2リンク部材86の上面によってローラ84dが上方に押し上げられることで、第1リンク部材84がスライド方向に沿って上方に移動し、第1リンク部材84のブロック84eが、デッドマンスイッチ88から離反する。さらに、デッドマンレバー42の前端が上方に押し上げられる。
ケーシング66の前端の下部には、信号ケーブル92が挿入されている。ケーシング66の内部の、操作基板76、警音ボタン70、駆動スイッチ78、尾灯基板82、デッドマンスイッチ88から伸びる配線は、信号ケーブル92を介して、ケーシング66の外部に引き出されている。
(左側ハンドル20)
図6に示すように、左側ハンドル20において、ブレーキレバー49には、ブレーキケーブル94が接続されている。ブレーキケーブル94は、インナケーブル94aと、インナケーブル94aの周囲を覆うアウタケーブル94bを備えている。ブレーキレバー49は、図示しない捩りバネの付勢力によって、下方に向けて押し下げられている。ユーザがブレーキレバー49を押し上げ操作すると、ブレーキケーブル94のインナケーブル94aがアウタケーブル94bに対して相対的に引き出される。ユーザがブレーキレバー49から手を離すと、捩りバネの付勢力によってブレーキレバー49が押し下げられて、ブレーキケーブル94のインナケーブル94aがアウタケーブル94bに対して相対的に押し込まれる。
(バッテリボックス8)
図12、図13に示すように、バッテリボックス8は、ケーシング100と、トップカバー102と、フロントカバー104と、バッテリカバー106を備えている。ケーシング100、トップカバー102、フロントカバー104、バッテリカバー106は、樹脂製の部材である。ケーシング100は、箱型形状を有している。ケーシング100の上面には、トップカバー102が取り付けられている。トップカバー102は、略平板形状を有しており、前方から後方に向かうにつれて上方から下方に向かうように傾斜している。ケーシング100の前面には、フロントカバー104が取り付けられている。フロントカバー104は、略平板形状を有しており、前後方向に対して略直交している。バッテリボックス8は、ハンドルユニット6のベースプレート28の床部28b(図2参照)に載置した状態で、フロントカバー104をベースプレート28の壁部28a(図2参照)にネジ止めすることで、ハンドルユニット6に対して固定される。
図14に示すように、ケーシング100の内部には、制御基板108が収容されている。また、ケーシング100の後面には、複数のバッテリ取付部110が設けられている。複数のバッテリ取付部110には、複数のバッテリパック112が着脱可能に取り付けられている。複数のバッテリパック112は、例えば、それぞれ、リチウムイオン電池セル(図示せず)等の二次電池セルを内蔵しており、充電器(図示せず)によって充電可能である。複数のバッテリパック112は、それぞれ、例えば、定格電圧が18Vであり、定格容量が6.0Ahである。複数のバッテリパック112は、それぞれ、運搬車2以外の電気機器、例えば電動ドライバ等の電動工具や、電動芝刈機等の電動作業機でも使用可能である。図15に示すように、本実施例の運搬車2では、複数の(例えば4つの)バッテリパック112を、第1のグループの(例えば左側の2つの)バッテリパック112aと、第2のグループの(例えば右側の2つの)バッテリパック112bに分類している。本実施例の運搬車2は、第1のグループのバッテリパック112aを直列接続したものを運搬車2の電源として使用する状態と、第2のグループのバッテリパック112bを直列接続したものを運搬車2の電源として使用する状態の間で、切り替え可能である。
図12に示すように、バッテリカバー106は、バッテリカバー106の上端に設けられたヒンジ106aを介して、ケーシング100に取り付けられている。バッテリカバー106はケーシング100に対して、左右方向に伸びる回動軸106b周りに回動可能である。図12、図13に示すように、バッテリカバー106は、上方から下方に向かうにつれて前方から後方に向かうように傾斜した上側傾斜面106cと、上側傾斜面106cから連続的に形成されており、上方から下方に向かうにつれて後方から前方に向かうように傾斜した下側傾斜面106dと、下側傾斜面106dから連続的に形成されており、上下方向に対して略直交する底面106eと、上側傾斜面106c、下側傾斜面106d、底面106eの右端を接続する右側面106fと、上側傾斜面106c、下側傾斜面106d、底面106eの左端を接続する左側面106gを備えている。上側傾斜面106cの上部には、前方に向けて陥凹した凹面106hが形成されており、ヒンジ106aは凹面106hに設けられている。図14に示すように、バッテリカバー106は、バッテリカバー106をケーシング100に対して閉じた状態とした時に、複数のバッテリ取付部110に取り付けられた複数のバッテリパック112の周囲を覆っている。この状態では、トップカバー102の上面と、バッテリカバー106の上面が、水平面に対して傾斜しているので、トップカバー102やバッテリカバー106の上面に水が付着した場合でも、水はトップカバー102の上面やバッテリカバー106の上面を伝って、バッテリボックス8の下方へ滴下する。
図15、図16に示すように、バッテリカバー106をケーシング100に対して開いた状態では、複数のバッテリパック112は、所定のスライド方向(図16の矢印参照)にスライドさせることで、複数のバッテリ取付部110に対して着脱可能である。バッテリカバー106は、バッテリカバー106をケーシング100に対して開いた時に、複数のバッテリパック112のスライド動作と干渉しない位置に配置される。このため、複数のバッテリパック112を着脱する際に、開いたバッテリカバー106が邪魔になることがない。
図14、図16に示すように、バッテリカバー106の回動軸106bは、トップカバー102の下方に配置されており、トップカバー102の後端は、回動軸106bよりも後方まで伸びている。このため、図14に示すように、バッテリカバー106をケーシング100に対して閉じた状態で、バッテリボックス8を上方から見た時に、バッテリカバー106とトップカバー102は部分的に重なり合っている。また、図16に示すように、バッテリカバー106をケーシング100に対して開いた状態で、バッテリボックス8を上方から見た時に、バッテリカバー106とトップカバー102は部分的に重なり合っている。このような構成とすることで、トップカバー102やバッテリカバー106の外面に水が付着した場合でも、バッテリ取付部110に取り付けられたバッテリパック112に水が滴下することを抑制することができる。なお、トップカバー102の後端において、ヒンジ106aに対応する箇所には、ヒンジ106aの上方を覆う庇102aが形成されている。これによって、ヒンジ106aに水滴が付着してバッテリカバー106の回動動作に影響を及ぼすことを抑制することができる。
図15、図16に示すように、複数のバッテリ取付部110の上面には、側壁110aによって周囲を囲われた水受け110bが形成されている。このため、仮に複数のバッテリ取付部110の上面に水が滴下した場合でも、バッテリ取付部110に取り付けられたバッテリパック112に水が到達することを抑制することができる。
図15に示すように、ケーシング100の後面に、シール部材114が取り付けられていてもよい。シール部材114は、例えばゴム製のOリングであって、複数のバッテリ取付部110の周囲を囲うように配置されている。バッテリカバー106の内部には、シール部材114に対応して、リブ116が形成されている。バッテリカバー106をケーシング100に対して閉じた状態では、リブ116がシール部材114に当接して押圧する。これによって、バッテリカバー106がケーシング100に対して閉じた状態において、バッテリカバー106の内部に水が侵入することを防止することができる。
バッテリカバー106は、図示しない捩りバネによって、ケーシング100に対して閉じる方向に付勢されている。また、運搬車2においては、バッテリカバー106に作用する重力が、バッテリカバー106をケーシング100に対して閉じる方向の力として作用する。バッテリカバー106には、ユーザが操作可能なラッチ部材118が設けられている。ラッチ部材118は、バッテリカバー106が閉じられた状態において、ケーシング100の下部に形成されたラッチ受け100aに係合することで、バッテリカバー106が閉じられた状態で保持することができる。
図12に示すように、トップカバー102には、操作パネル120が設けられている。操作パネル120は、電池残量インジケータ120a、電源切替ノブ120b、照明点灯ボタン120c、表示切替ボタン120d、荷台操作スイッチ120eを備えている。電池残量インジケータ120aは、複数のバッテリ取付部110のそれぞれに対応して設けられており、複数のバッテリ取付部110に取り付けられた複数のバッテリパック112のそれぞれの電池残量に応じて、点灯する窓の個数を変化させる。電源切替ノブ120bは、運搬車2の電源を、第1のグループのバッテリパック112aとするか、第2のグループのバッテリパック112bとするか、ユーザが切替操作するためのノブである。照明点灯ボタン120cは、後述する右前照灯156および左前照灯158のオン/オフをユーザが切替操作するためのボタンである。表示切替ボタン120dは、電池残量インジケータ120aによる電池残量の表示のオン/オフをユーザが切替操作するためのボタンである。荷台操作スイッチ120eは、例えばモーメンタリ型のロッカースイッチであって、荷台ユニット800に対するユーザの操作を受け入れるためのスイッチである。図14、図16に示すように、ケーシング100の内部であって、操作パネル120の下方には、操作基板(図示せず)、電源切替スイッチ122が収容されている。操作基板は、電池残量インジケータ120aを点灯/消灯するためのLED(図示せず)や、照明点灯ボタン120cや表示切替ボタン120dに対するユーザからの操作を検出するスイッチ(図示せず)を備えている。電源切替スイッチ122は、電源切替ノブ120bに対するユーザからの操作を検出する。
図13に示すように、フロントカバー104の右上部には、ブザー124が設けられている。ブザー124は、ユーザが右側ハンドル18の警音ボタン70を押下すると鳴動し、警告音を発生させる。また、ケーシング100の下面には、スイッチボックス40とバッテリボックス8を接続する信号ケーブル92(図8、図9参照)や、バッテリボックス8と後述する右前照灯156および左前照灯158(図17参照)を接続する給電ケーブル156a(図17参照)や、バッテリボックス8とモータ150を接続する図示しない電力ケーブルや、バッテリボックス8と荷台ユニット800を接続する図示しない電力ケーブルが挿入されている。
図15に示すように、ケーシング100の後面には、キー126を着脱可能なキー取付部128が設けられている。キー126はキー取付部128に対して抜き差しすることで着脱可能である。キー126がキー取付部128から取り外された状態では、複数のバッテリパック112から後述するモータ150への電力の供給が遮断される。キー126がキー取付部128に取り付けられた状態では、複数のバッテリパック112からモータ150への電力の供給が許容される。
(車台フレーム10)
図1に示すように、車台フレーム10は、フレームプレート130と、右側フレームパイプ132と、左側フレームパイプ134と、中央フレームパイプ136を備えている。フレームプレート130と、右側フレームパイプ132と、左側フレームパイプ134と、中央フレームパイプ136は、いずれも鋼材からなる。フレームプレート130は、長辺が左右方向に沿っており、短辺が前後方向に沿っている、略長方形状のフロアプレート130aと、フロアプレート130aの前端から下方に屈曲した前側フランジ130bと、フロアプレート130aの後端から下方に屈曲した後側フランジ130c(図36、図38参照)を備えている。フレームプレート130の下面には、図示しない複数の補強リブが、前側フランジ130bから後側フランジ130cまでの間で、前後方向および左右方向に沿って配置されている。フレームプレート130には、後輪ユニット14が取り付けられている。右側フレームパイプ132と左側フレームパイプ134は、後端がフレームプレート130に溶接されており、前方に向けて伸びている。右側フレームパイプ132と左側フレームパイプ134の間隔は、後方から前方に向かうにつれて広がっている。右側フレームパイプ132の前端と左側フレームパイプ134の前端には、前輪ユニット12が取り付けられている。中央フレームパイプ136は、前輪ユニット12の近傍に配置されており、右端が右側フレームパイプ132に溶接されており、左端が左側フレームパイプ134に溶接されている。右側フレームパイプ132には、バッテリボックス8と右前照灯156および左前照灯158を接続する給電ケーブル156a(図17参照)や、バッテリボックス8とモータ150を接続する図示しない電力ケーブルを保護するケーブルカバー138が取り付けられている。
(前輪ユニット12)
図17に示すように、前輪ユニット12は、右前輪140と、左前輪142と、右前輪ブレーキ144と、左前輪ブレーキ146と、ブレーキイコライザ148と、モータ150と、ギヤボックス152と、デッドマンブレーキ154と、右前照灯156と、左前照灯158を備えている。右前輪140は、右側駆動シャフト160(図21、図22参照)を介して、ギヤボックス152に接続している。右側駆動シャフト160は、右側アクスルケース162内を左右方向に伸びており、図示しないベアリングを介して右側アクスルケース162に回転可能に支持されている。右側アクスルケース162は、右側フレームパイプ132に溶接された右側ブラケット164を介して、右側フレームパイプ132に保持されている。左前輪142は、左側駆動シャフト166(図21、図22参照)を介して、ギヤボックス152に接続している。左側駆動シャフト166は、左側アクスルケース168内を左右方向に伸びており、図示しないベアリングを介して左側アクスルケース168に回転可能に支持されている。左側アクスルケース168は、左側フレームパイプ134に溶接された左側ブラケット170を介して、左側フレームパイプ134に保持されている。なお、右側アクスルケース162、右側ブラケット164、左側アクスルケース168、左側ブラケット170は、いずれも鋼材からなる。
右前輪ブレーキ144は、ディスクロータ172と、ブレーキキャリパ174を備えている。ディスクロータ172は、右前輪140よりも左側に配置されており、ハブ140aを介して右前輪140に固定されている。ブレーキキャリパ174は、ディスクロータ172に対応して配置されている。ブレーキキャリパ174は、右側ブラケット164に保持されている。ブレーキキャリパ174には、右側ブレーキケーブル176が接続されている。右側ブレーキケーブル176は、インナケーブル176aと、インナケーブル176aの周囲を覆うアウタケーブル176bを備えている。ブレーキキャリパ174は、右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aがアウタケーブル176bに対して相対的に引き込まれると、図示しない一対のブレーキパッドによってディスクロータ172の外縁近傍を挟持することで、ディスクロータ172に摩擦力を作用させて、右前輪140にブレーキをかける。右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aがアウタケーブル176bに対して相対的に押し出されると、一対のブレーキパッドがディスクロータ172から離反して、右前輪140のブレーキが解除される。右前輪ブレーキ144は、上記のようないわゆるディスクブレーキであってもよいし、他の種類のブレーキ、例えばドラムブレーキであってもよいし、バンドブレーキであってもよい。
左前輪ブレーキ146は、ディスクロータ178と、ブレーキキャリパ180を備えている。ディスクロータ178は、左前輪142よりも右側に配置されており、ハブ142aを介して左前輪142に固定されている。ブレーキキャリパ180は、ディスクロータ178に対応して配置されている。ブレーキキャリパ180は、左側ブラケット170に保持されている。ブレーキキャリパ180には、左側ブレーキケーブル182が接続されている。左側ブレーキケーブル182は、インナケーブル182aと、インナケーブル182aの周囲を覆うアウタケーブル182bを備えている。ブレーキキャリパ180は、左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aがアウタケーブル182bに対して相対的に引き込まれると、図示しない一対のブレーキパッドによってディスクロータ178の外縁近傍を挟持することで、ディスクロータ178に摩擦力を作用させて、左前輪142にブレーキをかける。左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aがアウタケーブル182bに対して相対的に押し出されると、一対のブレーキパッドがディスクロータ178から離反して、左前輪142のブレーキが解除される。左前輪ブレーキ146は、上記のようないわゆるディスクブレーキであってもよいし、他の種類のブレーキ、例えばドラムブレーキであってもよいし、バンドブレーキであってもよい。
(ブレーキイコライザ148)
図18に示すように、ブレーキイコライザ148は、中央ブラケット184と、第1リンク部材186と、第2リンク部材188を備えている。中央ブラケット184は鋼材からなる、第1リンク部材186と、第2リンク部材188は、いずれもアルミ材からなる。中央ブラケット184は、中央フレームパイプ136の中央近傍に溶接されている。第1リンク部材186と、第2リンク部材188は、上下方向に伸びる回動軸190を介して、中央ブラケット184に回動可能に保持されている。第1リンク部材186は、回動軸190から右前方に伸びる入力アーム186aと、回動軸190から右後方に伸びる出力アーム186bを備えている。入力アーム186aの先端には、左側ハンドル20のブレーキレバー49から伸びるブレーキケーブル94のインナケーブル94aが連結されている。出力アーム186bの先端には、右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aが連結されている。第2リンク部材188は、回動軸190から右前方に伸びる入力アーム188aと、回動軸190から左後方に伸びる出力アーム188bを備えている。入力アーム188aの先端には、左側ハンドル20のブレーキレバー49から伸びるブレーキケーブル94のアウタケーブル94bが連結されている。出力アーム188bの先端には、左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aが連結されている。右側ブレーキケーブル176のアウタケーブル176bと、左側ブレーキケーブル182のアウタケーブル182bは、いずれも、中央ブラケット184に固定されている。なお、別の実施形態では、第1リンク部材186と、第2リンク部材188は、左右方向または前後方向に伸びる回動軸を介して、中央ブラケット184に回動可能に保持されていてもよい。
第1リンク部材186における、回動軸190から入力アーム186aの先端までの距離と、回動軸190から出力アーム186bの先端までの距離と、入力アーム186aと出力アーム186bが成す角度は、それぞれ、第2リンク部材188における、回動軸190から入力アーム188aの先端までの距離と、回動軸190から出力アーム188bまでの距離と、入力アーム188aと出力アーム188bが成す角度と、略同一である。
図19に示すように、左側ハンドル20のブレーキレバー49がユーザによって押し上げ操作されていない場合、第1リンク部材186によって、右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aはアウタケーブル176bに対して相対的に押し込まれており、第2リンク部材188によって、左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aはアウタケーブル182bに対して相対的に押し込まれている。この状態では、右前輪140と、左前輪142は、ブレーキが解除されている。
図20に示すように、左側ハンドル20のブレーキレバー49がユーザによって押し上げ操作されると、ブレーキケーブル94のインナケーブル94aがアウタケーブル94bに対して相対的に引き込まれる。これによって、第1リンク部材186は、入力アーム186aが右方向に移動する方向に回動し、出力アーム186bが左方向に移動するので、右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aがアウタケーブル176bに対して相対的に引き出される。それと同時に、第2リンク部材188は、入力アーム188aが左方向に移動する方向に回動し、出力アーム188bが右方向に移動するので、左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aがアウタケーブル182bに対して相対的に引き出される。これによって、右前輪140と、左前輪142に、それぞれブレーキがかけられる。
右前輪ブレーキ144と左前輪ブレーキ146の間での調整誤差や、右側ブレーキケーブル176および左側ブレーキケーブル182の経年劣化に起因して、右側ブレーキケーブル176と左側ブレーキケーブル182を同じ引き出し量としても、右前輪ブレーキ144と左前輪ブレーキ146で異なる動作となる場合がある。例えば、ブレーキケーブル94のインナケーブル94aがアウタケーブル94bに対して相対的に引き込まれたときに、右前輪ブレーキ144ではブレーキパッドがディスクロータ172に当接し、左前輪ブレーキ146ではブレーキパッドがディスクロータ178に当接しない場合がある。このような状態から、ブレーキケーブル94のインナケーブル94aがアウタケーブル94bに対してさらに相対的に引き込まれると、第1リンク部材186はそれ以上回動しないものの、第2リンク部材188がさらに回動するので、左前輪ブレーキ146でもブレーキパッドをディスクロータ178に当接させることができる。このように、本実施例のブレーキイコライザ148によれば、第1リンク部材186と第2リンク部材188のそれぞれの回動動作によって、右側ブレーキケーブル176と左側ブレーキケーブル182に作用する張力の不均衡を吸収することができ、右前輪ブレーキ144にかかる制動力と左前輪ブレーキ146にかかる制動力を平衡させることができる。
なお、ブレーキイコライザ148は、図56に示すような構成としてもよい。図56に示す構成では、ブレーキイコライザ148は、中央ブラケット184と、第1リンク部材802と、第2リンク部材804を備えている。第1リンク部材802の前端と、第2リンク部材804の前端は、上下方向に伸びる回動軸806を介して、中央ブラケット184に回動可能に保持されている。第1リンク部材802の後端には、左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aが連結されている。第2リンク部材804の後端には、右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aが連結されている。右側ブレーキケーブル176のアウタケーブル176bと、左側ブレーキケーブル182のアウタケーブル182bは、いずれも、中央ブラケット184に固定されている。第1リンク部材802の中央近傍には、ブレーキケーブル94のインナケーブル94aが連結されている。第2リンク部材804の中央近傍には、ブレーキケーブル94のアウタケーブル94bが連結されている。第1リンク部材802における、回動軸806からインナケーブル94aの保持位置までの距離と、回動軸806からインナケーブル182aの保持位置までの距離は、それぞれ、第2リンク部材804における、回動軸806からアウタケーブル94bの保持位置までの距離と、回動軸806からインナケーブル176aの保持位置までの距離と、略同一である。
左側ハンドル20のブレーキレバー49がユーザによって押し上げ操作されていない場合、第1リンク部材802によって、左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aはアウタケーブル182bに対して相対的に押し込まれており、第2リンク部材804によって、右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aはアウタケーブル176bに対して相対的に押し込まれている。この状態では、右前輪140と、左前輪142は、ブレーキが解除されている。
左側ハンドル20のブレーキレバー49がユーザによって押し上げ操作されると、ブレーキケーブル94のインナケーブル94aがアウタケーブル94bに対して相対的に引き込まれる。これによって、第1リンク部材802は右方向に回動するので、左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aがアウタケーブル182bに対して相対的に引き出される。それと同時に、第2リンク部材804は左方向に回動するので、右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aがアウタケーブル176bに対して相対的に引き出される。これによって、右前輪140と、左前輪142に、それぞれブレーキがかけられる。図56に示す構成によっても、第1リンク部材802と第2リンク部材804のそれぞれの回動動作によって、右側ブレーキケーブル176と左側ブレーキケーブル182に作用する張力の不均衡を吸収することができ、右前輪ブレーキ144にかかる制動力と左前輪ブレーキ146にかかる制動力を平衡させることができる。
あるいは、ブレーキイコライザ148は、図57に示すような構成としてもよい。図57に示す構成では、ブレーキイコライザ148は、中央ブラケット184と、第1リンク部材808と、第2リンク部材810を備えている。第1リンク部材808は、上下方向に伸びる回動軸812を介して、中央ブラケット184に回動可能に保持されている。第2リンク部材810は、上下方向に伸びる回動軸814を介して、中央ブラケット184に回動可能に保持されている。第1リンク部材808の後端には、右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aが連結されている。第2リンク部材810の後端には、左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aが連結されている。右側ブレーキケーブル176のアウタケーブル176bと、左側ブレーキケーブル182のアウタケーブル182bは、いずれも、中央ブラケット184に固定されている。第1リンク部材808の前端には、ブレーキケーブル94のインナケーブル94aが連結されている。第2リンク部材810の前端には、ブレーキケーブル94のアウタケーブル94bが連結されている。第1リンク部材808における、回動軸812からインナケーブル94aの保持位置までの距離と、回動軸812からインナケーブル176aの保持位置までの距離は、それぞれ、第2リンク部材810における、回動軸814からアウタケーブル94bの保持位置までの距離と、回動軸814からインナケーブル182aの保持位置までの距離と、略同一である。
左側ハンドル20のブレーキレバー49がユーザによって押し上げ操作されていない場合、第1リンク部材808によって、右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aはアウタケーブル176bに対して相対的に押し込まれており、第2リンク部材810によって、左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aはアウタケーブル182bに対して相対的に押し込まれている。この状態では、右前輪140と、左前輪142は、ブレーキが解除されている。
左側ハンドル20のブレーキレバー49がユーザによって押し上げ操作されると、ブレーキケーブル94のインナケーブル94aがアウタケーブル94bに対して相対的に引き込まれる。これによって、第1リンク部材808は、前端が右方向に移動する方向に回動し、後端が左方向に移動するので、右側ブレーキケーブル176のインナケーブル176aがアウタケーブル176bに対して相対的に引き出される。それと同時に、第2リンク部材810は、前端が左方向に移動する方向に回動し、後端が右方向に移動するので、左側ブレーキケーブル182のインナケーブル182aがアウタケーブル182bに対して相対的に引き出される。これによって、右前輪140と、左前輪142に、それぞれブレーキがかけられる。図57に示す構成によっても、第1リンク部材808と第2リンク部材810のそれぞれの回動動作によって、右側ブレーキケーブル176と左側ブレーキケーブル182に作用する張力の不均衡を吸収することができ、右前輪ブレーキ144にかかる制動力と左前輪ブレーキ146にかかる制動力を平衡させることができる。
(モータ150)
図21に示すように、モータ150は、ステータ192と、ロータ194と、モータケース196を備えている。モータ150は、例えば、ブラシレスDCモータである。ステータ192とロータ194は、モータケース196に収容されている。モータケース196は、アルミ材からなる。ステータ192は、モータケース196に固定されている。ロータ194は、モータシャフト198に固定されている。モータシャフト198は、左右方向に伸びており、ベアリング198a、198bを介して、モータケース196に回転可能に保持されている。モータシャフト198の左端は、ギヤボックス152に接続している。モータシャフト198の右端は、モータケース196の外部に突出しており、デッドマンブレーキ154に接続している。モータ150は、図示しない電力ケーブルを介して、バッテリボックス8に接続されている。モータ150には、バッテリパック112から電力が供給される。モータ150の動作は、制御基板108によって制御される。
(ギヤボックス152)
ギヤボックス152は、ギヤケース200と、中間シャフト202と、クラッチ機構206と、差動機構208を備えている。ギヤケース200は、アルミ材からなる。右側アクスルケース162と、左側アクスルケース168と、ギヤケース200は、ネジ止めされて固定されている。また、ギヤケース200には、モータケース196がネジ止めされて固定されている。さらに、ギヤケース200は、図示しない支持ブラケットを介して、中央フレームパイプ136の中央ブラケット184にネジ止めされて固定されている。
中間シャフト202は、左右方向に伸びており、ベアリング202a、202bを介してギヤケース200に回転可能に保持されている。中間シャフト202は、第1ギヤ203と、第2ギヤ204と、ドグクラッチ205を備えている。第1ギヤ203は、中間シャフト202に固定されている。第1ギヤ203は、モータシャフト198に設けられたスパーギヤ198cと噛み合っている。第1ギヤ203は、右方向に陥凹した係合凹部203aを備えている。第2ギヤ204は、中間シャフト202に対して、左右方向に移動不能であり、かつ回転可能に保持されている。ドグクラッチ205は、第2ギヤ204に対して、左右方向に移動可能であり、かつ回転不能に保持されている。ドグクラッチ205は、右方向に突出しており、第1ギヤ203の係合凹部203aに係合可能な係合凸部205aと、外周面を周方向に伸びる係合溝205bを備えている。
クラッチ機構206は、クラッチレバー210と、支持ブラケット212と、ロッド214と、セレクタ216を備えている。クラッチレバー210と支持ブラケット212は、ギヤケース200の外部に設けられている。支持ブラケット212は、ギヤケース200にネジ止めされて固定されている。クラッチレバー210は、回動軸210a周りに回動可能に、支持ブラケット212に保持されている。クラッチレバー210は、カム面210bを備えている。ロッド214は、左右方向に伸びており、ギヤケース200を内部から外部に貫通している。ロッド214は、左右方向にスライド可能に、ギヤケース200に保持されている。ロッド214の左端は、クラッチレバー210のカム面210bに対向して配置されている。ロッド214の右端には、セレクタ216が固定されている、セレクタ216は、ドグクラッチ205の係合溝205bに係合している。ロッド214は、図示しない圧縮バネによって、ギヤケース200に対して左方向に付勢されている。このため、ロッド214の左端は、常にクラッチレバー210のカム面210bに当接している。クラッチレバー210のカム面210bは、クラッチレバー210を支持ブラケット212に対して押し倒した状態(図21参照)では、ロッド214が左側に移動し、クラッチレバー210を支持ブラケット212に対して引き起こした状態(図22参照)では、ロッド214が右側に移動する形状を有している。
差動機構208は、リングギヤ208aと、ピニオンケース208bと、ピニオンシャフト208cと、ピニオンギヤ208dと、右側駆動ギヤ208eと、左側駆動ギヤ208fを備えている。リングギヤ208aは、中間シャフト202の第2ギヤ204に噛み合っている。ピニオンケース208bは、リングギヤ208aにネジ止めされて固定されており、リングギヤ208aと一体的に回転する。リングギヤ208aは、ベアリング208gを介してギヤケース200に回転可能に保持されており、ピニオンケース208bは、ベアリング208hを介してギヤケース200に回転可能に保持されている。ピニオンシャフト208cは、ピニオンケース208bに回転可能に保持されている。ピニオンギヤ208dは、ピニオンシャフト208cに固定されている。右側駆動ギヤ208eは、右側駆動シャフト160に固定されており、ピニオンギヤ208dと噛み合っている。左側駆動ギヤ208fは、左側駆動シャフト166に固定されており、ピニオンギヤ208dと噛み合っている。
図21に示すように、クラッチ機構206のクラッチレバー210が押し倒された状態では、ロッド214とセレクタ216は左方向に移動しており、ドグクラッチ205の係合凸部205aが第1ギヤ203の係合凹部203aから離反している。この状態では、第1ギヤ203が回転しても、第2ギヤ204は回転しない。このため、モータシャフト198からの動力は、差動機構208のリングギヤ208aに伝達されない。この場合、差動機構208は、右側駆動シャフト160および左側駆動シャフト166の一方が回転すると、右側駆動シャフト160および左側駆動シャフト166の他方を逆方向に同じ回転数で回転させる。
図22に示すように、クラッチ機構206のクラッチレバー210が引き起こされると、ロッド214とセレクタ216は右方向に移動し、ドグクラッチ205の係合凸部205aが第1ギヤ203の係合凹部203aに係合する。この状態では、第1ギヤ203が回転すると、第2ギヤ204も回転する。このため、モータシャフト198からの動力が、中間シャフト202を介して、差動機構208のリングギヤ208aに伝達する。この場合、差動機構208は、リングギヤ208aに伝達された動力に応じて、右側駆動シャフト160と左側駆動シャフト166それぞれ回転させる。
(デッドマンブレーキ154)
図23に示すように、デッドマンブレーキ154は、ディスクロータ218と、ブレーキキャリパ220を備えている。ディスクロータ218は、モータ150のモータシャフト198の右端に固定されている。図23では図示を省略しているが、ディスクロータ218は、モータケース196に固定されたディスクカバー218a(図21、図22参照)によって周囲を覆われている。ブレーキキャリパ220は、ディスクロータ218に対応して配置されている。ブレーキキャリパ220は、モータケース196に保持されている。ブレーキキャリパ220には、右側ハンドル18から伸びるデッドマンケーブル90が接続されている。ブレーキキャリパ220は、図示しない戻しバネによって、図示しない一対のブレーキパッドを、ディスクロータ218の外縁近傍を挟持する方向に付勢している。このため、デッドマンケーブル90のインナケーブル90aがアウタケーブル90bに対して相対的に押し出されていると、一対のブレーキパッドがディスクロータ218の外縁近傍を挟持することで、ディスクロータ218に摩擦力を作用させて、モータシャフト198にブレーキをかける。デッドマンケーブル90のインナケーブル90aがアウタケーブル90bに対して相対的に引き込まれると、一対のブレーキパッドが戻しバネの付勢力に抗してディスクロータ218から離反して、モータシャフト198のブレーキが解除される。デッドマンブレーキ154は、上記のようないわゆるディスクブレーキであってもよいし、他の種類のブレーキ、例えばドラムブレーキであってもよいし、バンドブレーキであってもよい。
モータ150の動力によって右前輪140と左前輪142が回転している状態では、モータシャフト198は高回転数かつ低トルクで回転しており、右側駆動シャフト160と左側駆動シャフト166は低回転数かつ高トルクで回転している。このため、右前輪ブレーキ144で右前輪140にブレーキをかける場合や、左前輪ブレーキ146で左前輪142にブレーキをかける場合に比べて、デッドマンブレーキ154でモータシャフト198にブレーキをかける場合では、制動に要するトルクが小さいので、右前輪140や左前輪142の回転を確実に停止させることができる。
なお、モータ150と、ギヤボックス152と、デッドマンブレーキ154は、図58、図59に示す構成としてもよい。本構成では、モータシャフト198の右端は、モータケース196の外部に突出していない。また、モータシャフト198の左端には、ブレーキディスク850が固定されている。
図58、図59に示す構成では、ギヤボックス152は、ギヤケース200と、中継シャフト852と、差動機構208と、差動ロック機構854と、ブレーキ機構856を備えている。なお、本構成では、ブレーキディスク850とブレーキ機構856が、デッドマンブレーキ154を構成する。中継シャフト852は、左右方向に伸びており、ベアリング852a、852bを介してギヤケース200に回転可能に保持されている。中継シャフト852は、スパーギヤ852cと、スパーギヤ852dを備えている。スパーギヤ852cは、モータシャフト198に設けられたスパーギヤ198cと噛み合っている。スパーギヤ852dは、差動機構208のリングギヤ208aと噛み合っている。
差動ロック機構854は、ドグクラッチ858と、圧縮バネ860を備えている。ドグクラッチ858は、左側駆動シャフト166に対して左右方向にスライド可能であり、かつ左側駆動シャフト166と一体的に回転するように、左側駆動シャフト166に保持されている。ドグクラッチ858は、右方向に突出する係合凸部858aと、外周面を周方向に伸びる係合溝858bを備えている。なお、本構成では、差動機構208のリングギヤ208aに、ドグクラッチ858の係合凸部858aが係合可能な、係合凹部208iが形成されている。圧縮バネ860は、ドグクラッチ858をギヤケース200に対して、右方向に向けて(すなわちリングギヤ208aに近づく方向に向けて)付勢する。
ブレーキ機構856は、ロッド862と、ブレーキプレート864と、圧縮バネ866を備えている。ロッド862は、左右方向に伸びており、ギヤケース200を内部から外部に貫通している。ロッド862は、左右方向にスライド可能に、ギヤケース200に保持されている。ロッド862の左端には、デッドマンケーブル90のインナケーブル90aが連結されている。デッドマンケーブル90のアウタケーブル90bは、ギヤケース200に連結されている。ロッド862の右端には、ブレーキプレート864が固定されている。ブレーキプレート864には、ブレーキディスク850に対応して配置されたブレーキシュー864aと、ドグクラッチ858の係合溝858bに係合するセレクタ864bが設けられている。圧縮バネ866は、ブレーキプレート864をギヤケース200に対して、右方向に向けて(すなわちブレーキディスク850に近づく方向に向けて)付勢する。
図59に示すように、デッドマンケーブル90のインナケーブル90aがアウタケーブル90bに対して相対的に押し出されると、圧縮バネ866の付勢力によって、ロッド862とブレーキプレート864が右方向に移動し、ブレーキシュー864aがブレーキディスク850に押圧される。これによって、ブレーキディスク850に摩擦力が作用し、モータシャフト198にブレーキがかかる。また、ブレーキプレート864に設けられたセレクタ864bが右方向に移動することで、圧縮バネ860の付勢力によって、ドグクラッチ858が右方向に移動し、ドグクラッチ858の係合凸部858aがリングギヤ208aの係合凹部208iに係合する。この場合、差動機構208では、リングギヤ208aが左側駆動シャフト166に対して固定され、右側駆動シャフト160と左側駆動シャフト166は同じ方向に同じ回転数で回転するようになる。デッドマンブレーキ154によってモータシャフト198の回転が制動され、それによってリングギヤ208aの回転が制動されることで、右側駆動シャフト160と左側駆動シャフト166の回転も制動される。
図58に示すように、デッドマンケーブル90のインナケーブル90aがアウタケーブル90bに対して相対的に引き込まれると、ロッド862とブレーキプレート864が左方向に移動し、ブレーキシュー864aがブレーキディスク850から離反する。これによって、モータシャフト198のブレーキが解除される。また、ブレーキプレート864に設けられたセレクタ864bが左方向に移動することで、ドグクラッチ858が左方向に移動し、ドグクラッチ858の係合凸部858aがリングギヤ208aの係合凹部208iから離脱する。この場合、差動機構208は、モータシャフト198から中継シャフト852を介してリングギヤ208aに伝達された動力に応じて、右側駆動シャフト160と左側駆動シャフト166をそれぞれ回転させる。
(右前照灯156および左前照灯158)
図17に示すように、右前照灯156は、右側ブラケット164に保持されている。右前照灯156には、給電ケーブル156aを介して、バッテリボックス8に接続されている。左前照灯158は、左側ブラケット170に保持されている。左前照灯158は、中継ケーブル158aを介して、右前照灯156に接続されている。右前照灯156と左前照灯158には、バッテリパック112から電力が供給される。右前照灯156と左前照灯158の動作は、制御基板108によって制御される。
(後輪ユニット14)
図24、図25、図26に示すように、後輪ユニット14は、ベースプレート222と、ヒンジ224と、右側キャスター226と、左側キャスター228を備えている。ベースプレート222とヒンジ224は、いずれも鋼材からなる。ベースプレート222は、前後方向および左右方向に沿ったウェブ222aと、ウェブ222aの前端から下方に屈曲した前側フランジ222bと、ウェブ222aの後端から下方に屈曲した後側フランジ222cを備えている。ヒンジ224は、前後方向に伸びる支持パイプ224aと、上下方向および左右方向に沿った前側支持プレート224bと、上下方向および左右方向に沿った後側支持プレート224cを備えている。前側支持プレート224bは、略三角形状に形成されており、支持パイプ224aが中央を貫通した状態で、支持パイプ224aの前端近傍に溶接されている。後側支持プレート224cは、略三角形状に形成されており、支持パイプ224aが中央を貫通した状態で、支持パイプ224aの後端近傍に溶接されている。前側支持プレート224bの下端と、後側支持プレート224cの下端は、ベースプレート222のウェブ222aの上面に溶接されている。なお、以下の説明では、ベースプレート222とヒンジ224を合わせて、後輪フレーム225ともいう。
(右側キャスター226)
右側キャスター226は、センターピン230と、トッププレート232と、ブラケット234と、ホイールシャフト236と、右後輪238と、ロック機構240を備えている。
図27に示すように、センターピン230は、ベースプレート222のウェブ222aを上下方向に貫通している。センターピン230は、ベアリング230aを介して、トッププレート232に回動可能に保持されている。トッププレート232は、ベースプレート222のウェブ222aの下面にトッププレート232の上面が当接した状態で、ベースプレート222にネジ止めされて固定されている。ブラケット234は、リテーナ234aと、右側アーム234bと、左側アーム234cを備えている。リテーナ234aと、右側アーム234bと、左側アーム234cは、一体的に形成されている。センターピン230は、リテーナ234aを上下方向に貫通している。リテーナ234aは、センターピン230の下端に固定されている。リテーナ234aは、ベアリング234dを介して、トッププレート232に回動可能に保持されている。右側アーム234bは、リテーナ234aの右端から、後方下方に伸びている。左側アーム234cは、リテーナ234aの左端から、後方下方に伸びている。
図28に示すように、ホイールシャフト236は、左右方向に伸びている。ホイールシャフト236は、左側アーム234cの先端側から右側アーム234bの先端側まで貫通するボルト236aと、右側アーム234bの先端側からボルト236aに螺合するナット236bにより構成されている。ホイールシャフト236の右端は、右側アーム234bの先端に固定されており、ホイールシャフト236の左端は、左側アーム234cの先端に固定されている。右後輪238は、第1右後輪238aと第2右後輪238bを備えている。第1右後輪238aは、ベアリング238cを介して回転可能にホイールシャフト236に保持されている。第2右後輪238bは、ベアリング238dを介して回転可能にホイールシャフト236に保持されている。すなわち、第1右後輪238aと、第2右後輪238bは、互いに独立して、ホイールシャフト236の中心軸である回転軸RX2周りに回動可能である。第1右後輪238aと第2右後輪238bの径は、例えば200mmであり、第1右後輪238aと第2右後輪238bの幅は、例えば100mmである。第1右後輪238aと第2右後輪238bの間の間隔は、例えば6mm±2mmである。
なお、ホイールシャフト236は、図61に示すように、左側アーム234cの先端側から右側アーム234bの先端側まで貫通しており、内面に雌ネジが形成されたスリーブ236cと、右側アーム234bの先端側からスリーブ236cに螺合するボルト236dと、左側アーム234cの先端側からスリーブ236cに螺合するボルト236eにより構成されていてもよい。図28に示すように、ホイールシャフト236をボルト236aとナット236bで構成した場合、ナット236bをボルト236aに螺合させた時に、ナット236bからボルト236aの先端が突出してしまい、ブラケット234からの突出量が大きくなるとともに、製品の美観を損なうおそれがある。図61に示すように、ホイールシャフト236をスリーブ236cとボルト236d、236eで構成することによって、ブラケット234からの突出量を小さくするとともに、製品の美観を向上することができる。
右側キャスター226においては、トッププレート232に対して、ブラケット234と、ホイールシャフト236と、右後輪238が、センターピン230の中心軸である回動軸RX1周りに、一体的に回動する。このため、後輪ユニット14の進行方向に合わせて、右後輪238の進行方向を変化させることができる。
図34、図35に示すように、右側キャスター226を上方から平面視したときに、ホイールシャフト236の中心軸である回転軸RX2は、センターピン230の中心軸である回動軸RX1からオフセットして配置されている。右側キャスター226を上方から平面視したときの、回動軸RX1から回転軸RX2までの距離は、例えば50mm~60mmの範囲内であり、例えば55mmである。
図27に示すように、ロック機構240は、ロックピン242と、支持プレート244と、圧縮バネ246を備えている。ロックピン242は、略L字形状の棒状部材である。ロックピン242は、上下方向に伸びる第1軸部242aと、第1軸部242aの上端から屈曲した第2軸部242bを備えている。支持プレート244は、ベースプレート222のウェブ222aの上面にネジ止めされて固定されている。図29に示すように、支持プレート244は、ロックピン242の第1軸部242aが上下方向に貫通する貫通孔244aを備えている。支持プレート244の上端には、ロックピン242の第2軸部242bを第1の高さで保持する第1保持部244bと、ロックピン242の第2軸部242bを第1の高さよりも低い第2の高さで保持する第2保持部244cが形成されている。図27に示すように、圧縮バネ246は、ロックピン242を支持プレート244に対して下方に向けて付勢する。
図30、図31に示すように、トッププレート232には、ロックピン242の第1軸部242aが貫通する貫通孔232aが形成されている。ブラケット234のリテーナ234aには、ロックピン242の第1軸部242aが係合する係合溝234eが、所定の角度間隔で配置されている。図30に示すように、ロックピン242の第2軸部242bが支持プレート244の第1保持部244bで保持されている状態では、ロックピン242の第1軸部242aは、トッププレート232の貫通孔232aを貫通しているものの、ブラケット234の係合溝234eには係合していない。この状態では、トッププレート232に対する、ブラケット234と、ホイールシャフト236と、右後輪238の一体的な回動動作が許容される。この状態でのロックピン242の位置を、ロック解除位置ともいう。図31に示すように、ロックピン242の第2軸部242bが支持プレート244の第2保持部244cで保持されている状態では、ロックピン242の第1軸部242aは、トッププレート232の貫通孔232aを貫通しており、さらにブラケット234の係合溝234eに係合する。この状態では、トッププレート232に対する、ブラケット234と、ホイールシャフト236と、右後輪238の一体的な回動動作が禁止される。この状態でのロックピン242の位置を、ロック位置ともいう。運搬車2のユーザは、ロックピンの位置をロック位置とロック解除位置の間で切り替えることで、トッププレート232に対する、ブラケット234と、ホイールシャフト236と、右後輪238の一体的な回動動作を禁止する状態と許容する状態の間で切り替えることができる。
図32は、仮に右後輪238が単一の車輪238eのみを備えている場合について、右側キャスター226を上方から見た時の、センターピン230と、ホイールシャフト236と、車輪238eの位置関係を示している。例えば、右後輪238が段差Sに対して斜めに衝突した場合、図33に示すように、車輪238eの進行方向が段差Sに相対する方向となるように、ホイールシャフト236および車輪238eが回動すれば、段差Sを乗り越えることが容易となる。しかしながら、図32に示すような段差Sに対しては、車輪238eが段差Sから受ける力によるトルクTの方向が、上記の回動方向とは逆方向に作用するので、図60に示すように、段差Sに対して車輪238eの側面が当たるように車輪238eが回動してしまう。このように車輪238eが回動してしまうと、段差Sを乗り越えることができなくなってしまう。
これに対して、本実施例の運搬車2では、図34に示すように、右後輪238が第1右後輪238aと第2右後輪238bを備えている。例えば、右後輪238が段差Sに対して斜めに衝突した場合、図35に示すように、第1右後輪238aと第2右後輪238bの進行方向が段差Sに相対する方向となるように、第1右後輪238aと第2右後輪238bが回動すれば、段差Sを乗り越えることが容易となる。本実施例では、図34に示すような段差Sに対して、第2右後輪238bが受ける力によるトルクTの方向が、上記の回動方向と同じ方向に作用するので、段差Sを乗り越えやすくすることができる。
また、本実施例の運搬車2では、第1右後輪238aと、第2右後輪238bが、ホイールシャフト236に対して、それぞれ独立して回転可能である。このため、図34に示すように、右後輪238が段差Sに対して斜めに衝突し、例えば第2右後輪238bが段差Sに当接した場合には、段差Sに当接していない第1右後輪238aを第2右後輪238bに対して相対的に回転させることで、図35に示すように、右後輪238の進行方向を段差Sに相対する方向に容易に変えることができ、段差Sを容易に乗り越えることができる。
(左側キャスター228)
右側キャスター226と同様に、左側キャスター228は、センターピン250と、トッププレート252と、ブラケット254と、シャフト256と、左後輪258と、ロック機構260を備えている。ブラケット254は、リテーナ254aと、右側アーム254bと、左側アーム254cを備えている。左後輪258は、第1左後輪258aと、第2左後輪258bを備えている。ロック機構260は、ロックピン262と、支持プレート264と、圧縮バネ266を備えている。左側キャスター228の構成は、右側キャスター226の構成を左右反転させたものと同様であるから、詳細な説明については省略する。
(後輪ユニット14と車台フレーム10の連結部分)
図36に示すように、後輪ユニット14は、前後方向に伸びる連結シャフト270を介して、車台フレーム10に連結されている。図37に示すように、車台フレーム10のフレームプレート130の下面には、連結パイプ272と、支持プレート274が溶接されている。連結パイプ272は、前後方向に沿って伸びており、前端が支持プレート274を貫通しており、後端が後側フランジ130cを貫通している。連結シャフト270は、頭部270aと軸部270bを備えている。連結シャフト270の軸部270bは、後輪ユニット14の支持パイプ224aに後方から挿入されて支持パイプ224aを貫通しており、さらに車台フレーム10の連結パイプ272を貫通している。連結シャフト270の前端は、連結ピン276によって支持プレート274に固定されている。
支持パイプ224aは連結シャフト270に対して摺動可能である。このため、図38に示すように、後輪ユニット14は連結シャフト270の中心軸である揺動軸PX周りに揺動可能に、車台フレーム10に保持されている。このような構成とすることによって、運搬車2が不整地を走行する際に、車台フレーム10に対して後輪ユニット14が揺動することで、路面に対する追従性を高めることができる。また、図10に示すように、車台ユニット4を後方から平面視したときに、後輪ユニット14の揺動軸PXは、右後輪238の上端と左後輪258の上端を通る直線Lよりも上方に配置されている。このため、最低地上高を確保できるとともに、運搬車2が走行する際の車台フレーム10の振動を抑制することができる。なお、図38に示すように、車台フレーム10の後側フランジ130cには、連結シャフト270よりも右側に配置された右側ストッパ面130dと、連結シャフト270よりも左側に配置された左側ストッパ面130eが形成されている。右側ストッパ面130dは、左方から右方に向かうにつれて下方から上方へ向かう形状を有している。右側ストッパ面130dは、右後輪238が上方に移動する方向に、後輪ユニット14が車台フレーム10に対して揺動する際に、車台フレーム10のフロアプレート130aと当接することで、後輪ユニット14の車台フレーム10に対する揺動角度を制限する。左側ストッパ面130eは、右方から左方に向かうにつれて下方から上方へ向かう形状を有している。左側ストッパ面130eは、左後輪258が上方に移動する方向に、後輪ユニット14が車台フレーム10に対して揺動する際に、車台フレーム10のフロアプレート130aと当接することで、後輪ユニット14の車台フレーム10に対する揺動角度を制限する。なお、別の実施形態では、後輪ユニット14は車台フレーム10に対して、揺動軸PX周りに揺動不能に車台フレーム10に保持されていてもよい。
本実施形態の車台ユニット4では、右前輪140および左前輪142は駆動輪であり、右後輪238および左後輪258は非駆動輪である。別の実施形態では、右前輪140および/または左前輪142が非駆動輪であってもよいし、右後輪238および/または左後輪258が駆動輪であってもよい。また、別の実施形態では、前輪ユニット12および後輪ユニット14の一方が1つの車輪のみを備えており、前輪ユニット12および後輪ユニット14の他方が複数の車輪を備えていてもよい。さらに別の実施形態では、車台ユニット4は、後輪ユニット14を備えておらず、前輪ユニット12が1つの駆動輪のみを備える構成としてもよい。さらに別の実施形態では、車台ユニット4は、右前輪140、左前輪142、右後輪238および左後輪258の代わりに、原動機によって駆動されるクローラを備えていてもよい。
本実施形態の車台ユニット4では、駆動輪を回転させる原動機はモータ150であり、モータ150はバッテリボックス8のバッテリパック112からの電力によって駆動する。別の実施形態では、駆動輪を回転させる原動機はエンジンであってもよい。さらに別の実施形態では、モータ150は、外部の電源からコードを介して供給される電力によって駆動してもよい。さらに別の実施形態では、モータ150は、ブラシレスモータ以外のモータ、例えばブラシ付きモータであってもよい。さらに別の実施形態では、モータ150は、個々の駆動輪に対応して設けられたインホイールモータであってもよい。
本実施形態の車台ユニット4は、作業者の右側および左側で上下方向に伸びており、それぞれの上端が後方に屈曲しており、それぞれの後端にグリップ38、48が設けられた、右側ハンドル18および左側ハンドル20を備えている。別の実施形態では、車台ユニット4は、作業者の右側および左側で支持部が上下方向に伸びており、それぞれの支持部の上端が左右方向に伸びるグリップ部によって連結している、いわゆるループ状のハンドルを備えていてもよい。この場合、尾灯74は、作業者の右側および左側の支持部に設けられていてもよいし、左右方向に伸びるグリップ部の左右方向の端部近傍に設けられていてもよい。あるいは、車台ユニット4は、左右方向の中央で支持部が上下方向に伸びており、支持部の上端が左右方向に伸びるグリップ部に連結している、いわゆるT字状のハンドルを備えていてもよい。この場合、尾灯74は、左右方向に伸びるグリップ部の左右方向の端部近傍に設けられていてもよい。
(第1荷台ユニット300)
図39、図40に示すように、第1荷台ユニット300は、荷台302と、右側ガード304と、左側ガード306と、前側ガード308と、後側ガード310と、第1アーム312と、第2アーム314と、アクチュエータ316と、支持台318を備えている。第1荷台ユニット300は、支持台318が車台ユニット4にネジ止めによって固定されている。第1荷台ユニット300は、アクチュエータ316の駆動によって、荷台302を支持台318に対して上下方向に移動可能である。
図39、図40、図41に示すように、荷台302は、荷台プレート320と、右側チャネル322と、左側チャネル324と、補強チャネル326と、右側ガード保持部328と、左側ガード保持部330と、前側ガード保持部332を備えている。荷台プレート320と、右側チャネル322と、左側チャネル324と、補強チャネル326と、右側ガード保持部328と、左側ガード保持部330と、前側ガード保持部332は、いずれも鋼材からなる。荷台プレート320は、前後方向および左右方向に沿っており、前後方向に長手方向を有する略長方形状のトッププレート320aと、トッププレート320aの右端から下方に屈曲した右側フランジ320bと、トッププレート320aの左端から下方に屈曲した左側フランジ320cと、トッププレート320aの前端から下方に屈曲した前側フランジ320dと、トッププレート320aの後端から下方に屈曲した後側フランジ320eを備えている。トッププレート320aの上面は、平坦な載置面を構成する。右側チャネル322と左側チャネル324は、トッププレート320aの下面に沿って、前側フランジ320dと後側フランジ320eの間を前後方向に伸びており、荷台プレート320に溶接されている。右側チャネル322は、左側に向けて開口した断面形状を有しており、左側チャネル324は、右側に向けて開口した断面形状を有している。補強チャネル326は、トッププレート320aの下面に沿って、右側フランジ320bと右側チャネル322の間、および、左側フランジ320cと左側チャネル324の間を左右方向に伸びており、荷台プレート320に溶接されている。右側ガード保持部328は、右側フランジ320bの右面に溶接されている。右側ガード保持部328は、補強チャネル326と右側フランジ320bの接続箇所の近傍に配置されている。左側ガード保持部330は、左側フランジ320cの左面に溶接されている。左側ガード保持部330は、補強チャネル326と左側フランジ320cの接続箇所の近傍に配置されている。前側ガード保持部332は、前側フランジ320dの前面に溶接されている。前側ガード保持部332は、右側チャネル322と前側フランジ320dの接続箇所の近傍、および左側チャネル324と前側フランジ320dの接続箇所の近傍に配置されている。
右側ガード304は、ガードパイプ304aと、支持パイプ304bを備えている。ガードパイプ304aと、支持パイプ304bは、いずれも鋼材からなる。ガードパイプ304aは、前後方向に伸びており、前端と後端で下方に向けて屈曲している。支持パイプ304bは、上下方向に伸びており、上端がガードパイプ304aの下面に溶接されている。左側ガード306は、ガードパイプ306aと、支持パイプ306bを備えている。ガードパイプ306aと、支持パイプ306bは、いずれも鋼材からなる。ガードパイプ306aは、前後方向に伸びており、前端と後端で下方に向けて屈曲している。支持パイプ306bは、上下方向に伸びており、上端がガードパイプ306aの下面に溶接されている。前側ガード308は、ガードパイプ308aと、支持パイプ308bを備えている。ガードパイプ308aと、支持パイプ308bは、いずれも鋼材からなる。ガードパイプ308aは、左右方向に伸びており、右端と左端で下方に向けて屈曲している。支持パイプ308bは、上下方向に伸びており、上端がガードパイプ308aの下面に溶接されている。後側ガード310は、ガードパイプ310aと、ガードプレート310bを備えている。ガードパイプ310aと、ガードプレート310bは、いずれも鋼材からなる。ガードパイプ310aは、左右方向に伸びており、右端と左端で下方に向けて屈曲しており、それぞれの先端が荷台プレート320の後側フランジ320eに固定されている。ガードプレート310bは、上下方向および左右方向に沿っており、左端および右端がガードパイプ310aに溶接されている。
図42に示すように、右側ガード保持部328は、略角筒形状を有しており、上側開口328aと下側開口328bを備えている。右側ガード保持部328の内側の空間は、左右方向の寸法が右側ガード304の支持パイプ304bの外径よりわずかに大きく、前後方向の寸法が右側ガード304の支持パイプ304bの外径の2倍よりも大きい。右側ガード保持部328の前下部には、前後方向および左右方向に沿った支持プレート328cが形成されている。支持プレート328cの後端には、上方に向けて屈曲したフランジ328dが形成されている。右側ガード保持部328の右面には、下側開口328bから連続的に形成された右側開口328eが形成されている。右側ガード304の支持パイプ304bの下端近傍には、抜け止めネジ304cが取り付けられている。抜け止めネジ304cは、支持パイプ304bを上方から右側ガード保持部328に差し込んだ状態で、右側開口328eを介して支持パイプ304bに取り付けられている。抜け止めネジ304cは、支持パイプ304bが右側ガード保持部328の上方に抜け出ようとする際に、右側開口328eの縁と係合することで、支持パイプ304bが右側ガード保持部328から抜け出ることを防止する。なお、右側ガード保持部328の内面には、支持パイプ304bとの接触による損傷を抑制するラバー328fが設けられている。
図42に示すように、支持パイプ304bの下端が支持プレート328cに当接している状態では、図39に示すように、右側ガード304は、ガードパイプ304aの上端がトッププレート320aの上面よりも高くなる位置で、右側ガード保持部328によって保持される。この状態では、荷台プレート320上に載置した荷物が右側から落ちてしまうことを、右側ガード304によって防止することができる。なお、図42に示す右側ガード304の状態を、第1状態ともいう。
図42に示す第1状態から、右側ガード304を上方に持ち上げて、後方に移動させた後に、下方に移動させると、図43に示すように、支持パイプ304bは右側ガード保持部328を貫通して、ガードパイプ304aの下面が右側ガード保持部328の上側開口328aの縁に当接する。この場合、図44に示すように、右側ガード304は、ガードパイプ304aの上端がトッププレート302aの上面よりも低くなる位置で、右側ガード保持部328によって保持される。この状態では、荷台プレート320上に荷物を積み下ろしする際に、右側ガード304が邪魔になることがなく、積み下ろしの作業性を向上することができる。なお、図43に示す右側ガード304の状態を、第2状態ともいう。図43に示す第2状態から、右側ガード304を上方に持ち上げて、前方に移動させた後に、下方に移動させると、図42に示す第1状態とすることができる。なお、本実施例の第1荷台ユニット300では、支持プレート328cの後端にフランジ328dが設けられているので、意図せずに右側ガード304が図42に示す第1状態から図43に示す第2状態になってしまうことがない。
本実施例によれば、右側ガード304を荷台プレート320に対して、左右方向に移動させることなく、前後方向と上下方向に移動させることで、右側ガード304の荷台プレート320に対する高さを変更することができる。例えば、図42に示す第1状態において、第1荷台ユニット300を上方から平面視したときの、右側ガード304と荷台プレート320の間隔は30mm±5mmであり、図43に示す第2状態において、第1荷台ユニット300を上方から平面視したときの、右側ガード304と荷台プレート320の間隔は30mm±5mmである。また、図42に示す第1状態から図43に示す第2状態に移行する際、および図43に示す第2状態から図42に示す第1状態に移行する際の、第1荷台ユニット300を上方から平面視したときの、右側ガード304と荷台プレート320の間隔変化は±5mmの範囲内である。このような構成とすることで、左右方向に広い作業スペースが取れない状況においても、右側ガード304の荷台プレート320に対する高さを変更することができる。また、図42に示す第1状態においても、図43に示す第2状態においても、右側ガード304と荷台プレート320の間にユーザの指が入る間隔が確保されているので、ユーザが右側ガード304を把持しやすくすることができる。
また、本実施例によれば、右側ガード304の荷台プレート320に対する角度を略変化させることなく、右側ガード304の荷台プレート320に対する高さを変更することができる。例えば、図42に示す第1状態において右側ガード304の荷台プレート320に対する角度は90度±3度であり、図43に示す第2状態において右側ガード304の荷台プレート320に対する角度は90度±3度である。また、図42に示す第1状態から図43に示す第2状態に移行する際、および図43に示す第2状態から図42に示す第1状態に移行する際の、右側ガード304の荷台プレート320に対する角度変化は±3度の範囲内である。このような構成とすることで、左右方向に広い作業スペースが取れない状況においても、右側ガード304の荷台プレート320に対する高さを変更することができる。
左側ガード保持部330は、右側ガード保持部328と同様の構成を備えている。図39に示す状態では、左側ガード306は、ガードパイプ306aの上端がトッププレート320aの上面よりも高くなる位置で、左側ガード保持部330によって保持される。この状態から、左側ガード306を上方に持ち上げた状態で、後方に移動させた後に、下方に移動させると、図44に示すように、左側ガード306は、ガードパイプ306aの上端がトッププレート302aの上面よりも低くなる位置で、左側ガード保持部330によって保持される。なお、図44に示す状態から、左側ガード306を上方に持ち上げて、前方に移動させた後に、下方に移動させると、図39に示す状態とすることができる。
前側ガード保持部332も、右側ガード保持部328と同様の構成を備えている。図39に示す状態では、前側ガード308は、ガードパイプ308aの上端がトッププレート320aの上面よりも高くなる位置で、前側ガード保持部332によって保持される。この状態から、前側ガード308を上方に持ち上げた状態で、左方に移動させた後に、下方に移動させると、図44に示すように、前側ガード308は、ガードパイプ308aの上端がトッププレート302aの上面よりも低くなる位置で、前側ガード保持部332によって保持される。なお、図44に示す状態から、前側ガード308を上方に持ち上げて、右方に移動させた後に、下方に移動させると、図39に示す状態とすることができる。
図41に示すように、支持台318は、右側チャネル334と、左側チャネル336と、前側プレート338と、後側プレート340と、補強フレーム342を備えている。右側チャネル334と、左側チャネル336と、前側プレート338と、後側プレート340と、補強フレーム342は、いずれも鋼材からなる。右側チャネル334と左側チャネル336は、前後方向に伸びている。右側チャネル334は、左側に向けて開口した断面形状を有しており、左側チャネル336は、右側に向けて開口した断面形状を有している。前側プレート338は、右側チャネル334の前端と、左側チャネル336の前端に、それぞれ溶接されている。後側プレート340は、右側チャネル334の後端と、左側チャネル336の後端に、それぞれ溶接されている。図40に示すように、第1荷台ユニット300は、前側プレート338を前輪ユニット12の右側ブラケット164と左側ブラケット170にネジ止めするとともに、後側プレート340を車台フレーム10のフレームプレート130にネジ止めすることによって、車台ユニット4に固定されている。補強フレーム342は、左右方向に伸びており、右端において右側チャネル334に溶接されているとともに、左端において左側チャネル336に溶接されている。
図41に示すように、第1アーム312と第2アーム314は、左右方向を回動軸として回動可能に、互いに連結している。第1アーム312と第2アーム314は、いずれも鋼材からなる。第1アーム312の下端は、支持台318の右側チャネル334の前端近傍および左側チャネル336の前端近傍に、左右方向を回動軸として回動可能に保持されている。第1アーム312の上端は、ローラ312a、312bを備えている。ローラ312a、312bは、荷台302の右側チャネル322と左側チャネル324に保持されている。第2アーム314の上端は、荷台302の荷台プレート320の前端近傍に、左右方向を回動軸として回動可能に保持されている。第2アーム314の下端は、ローラ314a、314b(図40参照)を備えている。ローラ314a、314bは、支持台318の右側チャネル334と左側チャネル336に保持されている。第1アーム312には、補強フレーム344が溶接されている。
アクチュエータ316は、短縮動作と伸長動作が可能なリニアアクチュエータであり、例えば油圧シリンダである。アクチュエータ316の一端は、支持台318の補強フレーム342に、左右方向を回動軸として回動可能に保持されている。アクチュエータ316の他端は、第1アーム312の補強フレーム344に、左右方向を回動軸として回動可能に保持されている。アクチュエータ316は、図示しない電力ケーブルを介して、バッテリボックス8に接続されている。アクチュエータ316には、バッテリパック112から電力が供給される。アクチュエータ316の動作は、制御基板108によって制御される。アクチュエータ316が短縮動作すると、第1アーム312の上端が支持台318に近づく方向に第1アーム312が回動するとともに、第2アーム314の下端が荷台302に近づく方向に第2アーム314が回動することで、図39に示すように、荷台302は支持台318に対して下降する。アクチュエータ316が伸長動作すると、第1アーム312の上端が支持台318から遠ざかる方向に第1アーム312が回動するとともに、第2アーム314の下端が荷台302から遠ざかる方向に第2アーム314が回動することで、図40に示すように、荷台302は支持台318に対して上昇する。制御基板108は、ユーザが荷台操作スイッチ120eの上側を押している間は、アクチュエータ316を制御して伸長動作を実行させる。また、制御基板108は、ユーザが荷台操作スイッチ120eの下側を押している間は、アクチュエータ316を制御して短縮動作を実行させる。
(第2荷台ユニット400)
図45、図46、図47に示すように、第2荷台ユニット400は、バケット402と、バケット支持台404と、支持アーム406と、可動支持台408と、アクチュエータ410と、固定支持台412を備えている。第2荷台ユニット400は、固定支持台412が車台フレーム10にネジ止めによって固定されている。第2荷台ユニット400は、アクチュエータ410の駆動によって、図46に示すように、可動支持台408を固定支持台412に対して傾動させることができる。また、第2荷台ユニット400は、ユーザがバケット支持台404を可動支持台408に対して傾動させることで、図47に示すように、バケット402を固定支持台412に対してさらに傾動させることができる。
バケット402は、上方が開口した箱型形状を有している。図48に示すように、バケット支持台404は、ベースプレート416と、ベースパイプ418と、上側フレーム420と、下側フレーム422と、ハンドル424と、ラッチ機構426を備えている。ベースプレート416と、ベースパイプ418と、上側フレーム420と、下側フレーム422は、いずれも鋼材からなる。ベースプレート416は、前後方向および左右方向に沿って配置されている。ベースパイプ418は、バケット402の前下部の下面に沿って伸びているとともに、ベースプレート416の下面に沿って前後方向に伸びている。ベースパイプ418は、バケット402の前下部にネジ止めされているとともに、ベースプレート416にネジ止めされている。上側フレーム420は、バケット402の後下部の下面とベースプレート416の上面の間で、前後方向および上下方向に沿って配置されている。上側フレーム420は、バケット402の後下部にネジ止めされているとともに、ベースプレート416にネジ止めされている。下側フレーム422は、ベースプレート416の下面に沿って前後方向に伸びている。下側フレーム422は、ベースプレート416に溶接されている。ハンドル424は、バケット402より後方に配置されている。ハンドル424は、下側フレーム422にネジ止めされている。ラッチ機構426は、ハンドル424の下方に設けられている。ラッチ機構426は、ベースプレート416と下側フレーム422に固定されている。
可動支持台408は、右側フレーム428と、左側フレーム430と、前側フレーム432と、後側フレーム434と、ラッチ受け436を備えている。右側フレーム428と、左側フレーム430と、前側フレーム432と、後側フレーム434は、いずれも鋼材からなる。右側フレーム428と左側フレーム430は、前後方向に伸びている。右側フレーム428の前端と、左側フレーム430の前端は、バケット支持台404の下側フレーム422の前端に、左右方向を回動軸として回動可能に連結している。前側フレーム432は、右側フレーム428の前端近傍と左側フレーム430の前端近傍の間で左右方向に伸びている。前側フレーム432は、右側フレーム428と左側フレーム430に溶接されている。後側フレーム434は、右側フレーム428の後端と左側フレーム430の後端の間で左右方向に伸びている。後側フレーム434は、右側フレーム428と左側フレーム430に溶接されている。ラッチ受け436は、後側フレーム434の中央近傍に固定されている。ラッチ受け436は、バケット支持台404のラッチ機構426に対応する位置に配置されている。バケット支持台404が可動支持台408に対して、バケット支持台404の後端が可動支持台408の後端に近づく方向に傾動すると、ラッチ機構426がラッチ受け436に係合する。ラッチ機構426は、ラッチ解除ノブ426aを備えている。ラッチ機構426がラッチ受け436に係合している状態で、ユーザがラッチ解除ノブ426aを操作すると、ラッチ機構426とラッチ受け436の係合が解除される。
固定支持台412は、右側チャネル438と、左側チャネル440と、前側プレート442と、後側プレート444と、補強フレーム446を備えている。右側チャネル438と、左側チャネル440と、前側プレート442と、後側プレート444と、補強フレーム446は、いずれも鋼材からなる。右側チャネル438と左側チャネル440は、前後方向に伸びている。右側チャネル438は、左側に向けて開口した断面形状を有しており、左側チャネル440は、右側に向けて開口した断面形状を有している。前側プレート442は、右側チャネル438の前端と、左側チャネル440の前端に、それぞれ溶接されている。後側プレート444は、右側チャネル438の後端と、左側チャネル440の後端に、それぞれ溶接されている。図46、図47に示すように、第2荷台ユニット400は、前側プレート442を前輪ユニット12の右側ブラケット164と左側ブラケット170にネジ止めするとともに、後側プレート444を車台フレーム10のフレームプレート130にネジ止めすることによって、車台ユニット4に固定されている。補強フレーム446は、左右方向に伸びており、右端において右側チャネル438に溶接されているとともに、左端において左側チャネル440に溶接されている。
図48に示すように、支持アーム406の上端は、バケット支持台404の下側フレーム422の前端近傍に、左右方向を回動軸として回動可能に連結している。支持アーム406は、鋼材からなる。支持アーム406の下端は、ローラ406a、406bを備えている。ローラ406a、406bは、固定支持台412の右側チャネル438と左側チャネル440に保持されている。
アクチュエータ410は、短縮動作と伸長動作が可能なリニアアクチュエータであり、例えば油圧シリンダである。アクチュエータ410の一端は、固定支持台412の補強フレーム446に、左右方向を回動軸として回動可能に保持されている。アクチュエータ410の他端は、可動支持台408の前側フレーム432に、左右方向を回動軸として回動可能に保持されている。アクチュエータ410は、図示しない電力ケーブルを介して、車台ユニット4のバッテリボックス8に接続されている。アクチュエータ410には、バッテリパック112から電力が供給される。アクチュエータ410の動作は、制御基板108によって制御される。アクチュエータ410が短縮動作すると、可動支持台408が固定支持台412に対して、可動支持台408の後端が固定支持台412の後端に近づく方向に回動することで、図45に示すように、可動支持台408と、バケット支持台404は、固定支持台412に対して略平行な状態となる。アクチュエータ410が伸長動作すると、可動支持台408が固定支持台412に対して、可動支持台408の後端が固定支持台412の後端から離れる方向に回動することで、図46に示すように、可動支持台408と、バケット支持台404は、固定支持台412に対して傾斜した状態となる。制御基板108は、ユーザが荷台操作スイッチ120eの上側を押している間は、アクチュエータ410を制御して伸長動作を実行させる。また、制御基板108は、ユーザが荷台操作スイッチ120eの下側を押している間は、アクチュエータ410を制御して短縮動作を実行させる。なお、図46に示す状態から、ユーザがラッチ解除ノブ426aを操作してラッチ機構426とラッチ受け436の係合を解除し、さらにハンドル424を把持して前方に向けて回動させることで、図47に示すように、バケット支持台404を、可動支持台408に対して傾斜させた状態とすることができる。
(第3荷台ユニット500)
図49、図50に示すように、第3荷台ユニット500は、バケット502と、可動支持台504と、支持アーム506と、固定支持台508を備えている。第3荷台ユニット500は、固定支持台508が車台ユニット4にネジ止めによって固定されている。第3荷台ユニット500は、ユーザが可動支持台504を固定支持台508に対して傾動させることで、図50に示すように、バケット502を固定支持台508に対して傾斜させることができる。
バケット502は、上方が開口した箱型形状を有している。図51に示すように、可動支持台504は、ベースプレート510と、ベースパイプ512と、上側フレーム514と、下側フレーム516と、ハンドル518と、ラッチ機構520を備えている。ベースプレート510と、ベースパイプ512と、上側フレーム514と、下側フレーム516は、いずれも鋼材からなる。ベースプレート510は、前後方向および左右方向に沿って配置されている。ベースパイプ512は、バケット502の前下部の下面に沿って伸びているとともに、ベースプレート510の下面に沿って前後方向に伸びている。ベースパイプ512は、バケット502の前下部にネジ止めされているとともに、ベースプレート510にネジ止めされている。上側フレーム514は、バケット502の後下部の下面とベースプレート510の上面の間で、前後方向および上下方向に沿って配置されている。上側フレーム514は、バケット502の後下部にネジ止めされているとともに、ベースプレート510にネジ止めされている。下側フレーム516は、ベースプレート510の下面に沿って前後方向に伸びている。下側フレーム516は、ベースプレート510に溶接されている。ハンドル518は、バケット502より後方に配置されている。ハンドル518は、下側フレーム516にネジ止めされている。ラッチ機構520は、ハンドル518の下方に設けられている。ラッチ機構520は、ベースプレート510と下側フレーム516に固定されている。
固定支持台508は、右側チャネル522と、左側チャネル524と、前側プレート526と、後側プレート528と、補強フレーム530と、ラッチ受け532を備えている。右側チャネル522と、左側チャネル524と、前側プレート526と、後側プレート528と、補強フレーム530は、いずれも鋼材からなる。右側チャネル522と左側チャネル524は、前後方向に伸びている。右側チャネル522は、左側に向けて開口した断面形状を有しており、左側チャネル524は、右側に向けて開口した断面形状を有している。前側プレート526は、右側チャネル522の前端と、左側チャネル524の前端に、それぞれ溶接されている。後側プレート528は、右側チャネル522の後端と、左側チャネル524の後端に、それぞれ溶接されている。図49、図50に示すように、第3荷台ユニット500は、前側プレート526を前輪ユニット12の右側ブラケット164と左側ブラケット170にネジ止めするとともに、後側プレート528を車台フレーム10のフレームプレート130にネジ止めすることによって、車台ユニット4に固定されている。図51に示すように、補強フレーム530は、左右方向に伸びており、右端において右側チャネル522に溶接されているとともに、左端において左側チャネル524に溶接されている。ラッチ受け532は、後側プレート528の中央近傍に固定されている。ラッチ受け532は、可動支持台504のラッチ機構520に対応する位置に配置されている。可動支持台504が固定支持台508に対して、可動支持台504の後端が固定支持台508の後端に近づく方向に傾動すると、ラッチ機構520がラッチ受け532に係合する。ラッチ機構520は、ラッチ解除ノブ520aを備えている。ラッチ機構520がラッチ受け532に係合している状態で、ユーザがラッチ解除ノブ520aを操作すると、ラッチ機構520とラッチ受け532の係合が解除される。
支持アーム506の上端は、可動支持台504の下側フレーム516の前端近傍に、左右方向を回動軸として回動可能に連結している。支持アーム506は、鋼材からなる。支持アーム506の下端は、ローラ506a、506bを備えている。ローラ506a、506bは、固定支持台508の右側チャネル522と左側チャネル524に保持されている。
図49に示す状態から、ユーザがラッチ解除ノブ520aを操作してラッチ機構520とラッチ受け532の係合を解除し、さらにハンドル518を把持して前方に向けて回動させることで、図50に示すように、可動支持台504を、固定支持台508に対して傾斜させた状態とすることができる。
(第4荷台ユニット600)
図52、図53に示すように、第4荷台ユニット600は、荷台602と、可動支持台604と、支持アーム(図示せず)と、固定支持台606を備えている。第4荷台ユニット600は、固定支持台606が車台ユニット4にネジ止めによって固定されている。第4荷台ユニット600は、ユーザが可動支持台604を固定支持台606に対して傾動させることで、荷台602を固定支持台606に対して傾斜させることができる。
荷台602は、メインフレーム608と、右側ガード610と、左側ガード612と、前側ガード614を備えている。メインフレーム608は、フレームパイプ616と、フロアパイプ618と、補強パイプ620と、右側ガード保持パイプ622と、左側ガード保持パイプ624と、前側ガード保持パイプ626を備えている。フレームパイプ616と、フロアパイプ618と、補強パイプ620と、右側ガード保持パイプ622と、左側ガード保持パイプ624と、前側ガード保持パイプ626は、いずれも鋼材からなる。フレームパイプ616は、前後方向に長手方向を有し、左右方向に短手方向を有する、略長方形状に形成されている。フロアパイプ618は、フレームパイプ616と略同一平面内を前後方向に伸びており、前端と後端がフレームパイプ616に溶接されている。補強パイプ620は、フレームパイプ616とフロアパイプ618の下面に沿って左右方向に伸びており、フレームパイプ616とフロアパイプ618に溶接されている。右側ガード保持パイプ622は、メインフレーム608の右端近傍で、フレームパイプ616とフロアパイプ618の下面に沿って左右方向に伸びており、フレームパイプ616とフロアパイプ618に溶接されている。左側ガード保持パイプ624は、メインフレーム608の左端近傍で、フレームパイプ616とフロアパイプ618の下面に沿って左右方向に伸びており、フレームパイプ616とフロアパイプ618に溶接されている。前側ガード保持パイプ626は、メインフレーム608の前端近傍で、フロアパイプ618の下面に沿って前後方向に伸びており、フロアパイプ618に溶接されている。なお、フレームパイプ616の下面には、下方に向けて突出するフック616aが設けられている。ユーザは、荷台602に載置した荷物にロープをかける場合に、フック616aにロープを引っ掛けることができる。
右側ガード610は、ガードパイプ628と、挿入パイプ630を備えている。ガードパイプ628と、挿入パイプ630は、いずれも鋼材からなる。ガードパイプ628は、前後方向に長手方向を有し、上下方向に短手方向を有する、略長方形状に形成されている。挿入パイプ630は、左右方向に伸びており、右端がガードパイプ628の下部に溶接されている。右側ガード610は、挿入パイプ630を右側ガード保持パイプ622に挿入することで、メインフレーム608に保持されている。右側ガード保持パイプ622は、右側ガード保持パイプ622に対する挿入パイプ630の位置を固定するグリップボルト622aを備えている。ユーザは、グリップボルト622aを緩めた状態で、メインフレーム608に対する右側ガード610の左右方向の位置を調整した上で、グリップボルト622aを締め付けることで、右側ガード610を所望の位置でメインフレーム608に固定することができる。
左側ガード612は、ガードパイプ632と、挿入パイプ634を備えている。ガードパイプ632と、挿入パイプ634は、いずれも鋼材からなる。ガードパイプ632は、前後方向に長手方向を有し、上下方向に短手方向を有する、略長方形状に形成されている。挿入パイプ634は、左右方向に伸びており、左端がガードパイプ632の下部に溶接されている。左側ガード612は、挿入パイプ634を左側ガード保持パイプ624に挿入することで、メインフレーム608に保持されている。左側ガード保持パイプ624は、左側ガード保持パイプ624に対する挿入パイプ634の位置を固定するグリップボルト624aを備えている。ユーザは、グリップボルト624aを緩めた状態で、メインフレーム608に対する左側ガード612の左右方向の位置を調整した上で、グリップボルト624aを締め付けることで、左側ガード612を所望の位置でメインフレーム608に固定することができる。
前側ガード614は、ガードパイプ636と、挿入パイプ638を備えている。ガードパイプ636と、挿入パイプ638は、いずれも鋼材からなる。ガードパイプ636は、左右方向に長手方向を有し、上下方向に短手方向を有する、略長方形状に形成されている。挿入パイプ638は、前後方向に伸びており、前端がガードパイプ636の下部に溶接されている。前側ガード614は、挿入パイプ638を前側ガード保持パイプ626に挿入することで、メインフレーム608に保持されている。前側ガード保持パイプ626は、前側ガード保持パイプ626に対する挿入パイプ638の位置を固定するグリップボルト626aを備えている。ユーザは、グリップボルト626aを緩めた状態で、メインフレーム608に対する前側ガード614の前後方向の位置を調整した上で、グリップボルト626aを締め付けることで、前側ガード614を所望の位置でメインフレーム608に固定することができる。
可動支持台604は、ベースプレート640と、下側フレーム642と、ハンドル644と、ラッチ機構646を備えている。ベースプレート640と、下側フレーム642と、ハンドル644と、ラッチ機構646の構成は、第3荷台ユニット500のベースプレート510と、下側フレーム516と、ハンドル518と、ラッチ機構520の構成と同様である。メインフレーム608の補強パイプ620は、ベースプレート640にネジ止めされている。
固定支持台606は、右側チャネル648と、左側チャネル650と、前側プレート652と、後側プレート654と、補強フレーム656と、ラッチ受け658を備えている。固定支持台606の構成は、第3荷台ユニット500の固定支持台508の構成と同様である。また、可動支持台604と固定支持台606の連結の態様は、第3荷台ユニット500の可動支持台504と固定支持台508の連結の態様と同様である。すなわち、第4荷台ユニット600は、第3荷台ユニット500と、大部分の部品が共通化されている。第4荷台ユニット600でも、第3荷台ユニット500と同様に、図52に示す状態から、ユーザがラッチ解除ノブ646aを操作してラッチ機構646とラッチ受け658の係合を解除し、さらにハンドル644を把持して前方に向けて回動させることで、可動支持台604を、固定支持台606に対して傾斜させた状態とすることができる。
(第5荷台ユニット700)
図54、図55に示すように、第5荷台ユニット700は、バケット702と、支持台704を備えている。第5荷台ユニット700は、支持台704が車台ユニット4にネジ止めによって固定されている。また、第5荷台ユニット700では、バケット702が支持台704に固定されておらず、ユーザはバケット702を支持台704に載置することもできるし、バケット702を持ち上げて支持台704から取り外すこともできる。
図54に示すように、バケット702は、上方が開口した箱型形状を有している。バケット702の前面下部には、貫通孔702aが形成されている。貫通孔702aには、キャップ706が着脱可能に取り付けられている。
図55に示すように、支持台704は、中央フレーム708と、右側チャネル710と、左側チャネル712と、前側プレート714と、後側プレート716と、右側ガード718と、左側ガード720を備えている。中央フレーム708と、右側チャネル710と、左側チャネル712と、前側プレート714と、後側プレート716は、いずれも鋼材からなる。中央フレーム708と、右側チャネル710と、左側チャネル712は、前後方向に沿って伸びている。前側プレート714は、中央フレーム708の前端と、右側チャネル710の前端と、左側チャネル712の前端に、それぞれ溶接されている。後側プレート716は、中央フレーム708の後端と、右側チャネル710の後端と、左側チャネル712の後端に、それぞれ溶接されている。図54に示すように、第5荷台ユニット700は、前側プレート714を前輪ユニット12の右側ブラケット164と左側ブラケット170にネジ止めするとともに、後側プレート716を車台フレーム10のフレームプレート130にネジ止めすることによって、車台ユニット4に固定されている。
右側ガード718は、ガードパイプ722と、補強パイプ724を備えている。ガードパイプ722と、補強パイプ724は、いずれも鋼材からなる。ガードパイプ722は、バケット702の右面に沿って前後方向に伸びている。ガードパイプ722は、バケット702の前端でバケット702の前面に沿って左下方に屈曲して、前側プレート714に接続しているとともに、バケット702の後端でバケット702の後面に沿って左下方に屈曲して、後側プレート716に接続している。補強パイプ724は、ガードパイプ722と右側チャネル710の間を接続している。
図55に示すように、左側ガード720は、ガードパイプ726と、補強パイプ728を備えている。ガードパイプ726と、補強パイプ728は、いずれも鋼材からなる。ガードパイプ726は、バケット702の左面に沿って前後方向に伸びている。ガードパイプ726は、バケット702の前端でバケット702の前面に沿って右下方に屈曲して、前側プレート714に接続しているとともに、バケット702の後端でバケット702の後面に沿って右下方に屈曲して、後側プレート716に接続している。補強パイプ728は、ガードパイプ722と左側チャネル712の間を接続している。
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、運搬車2(作業機の例)は、バッテリボックス8と、バッテリボックス8に着脱可能に取り付けられるバッテリパック112(バッテリの例)を備えている。バッテリボックス8は、トップカバー102と、バッテリボックス8に取り付けられたバッテリパック112を覆う形状を有しており、トップカバー102に対して回動軸周りに回動可能なバッテリカバー106を備えている。運搬車2では、バッテリカバー106が開いた開放状態において、バッテリボックス8を上方から平面視した時に、バッテリカバー106とトップカバー102が少なくとも部分的に重なり合っている。運搬車2では、バッテリカバー106が閉じた閉鎖状態において、バッテリボックス8を上方から平面視した時に、バッテリカバー106とトップカバー102が少なくとも部分的に重なり合っている。
上記の構成によれば、バッテリカバー106が開いた開放状態においても、バッテリカバー106が閉じた閉鎖状態においても、バッテリボックス8を上方から平面視したときに、バッテリカバー106とトップカバー102が部分的に重なり合っているので、バッテリボックス8に上方から水がかかった場合でも、バッテリカバー106とトップカバー102の隙間から水が侵入することを防止することができる。バッテリボックス8に取り付けられたバッテリパック112に水がかかることを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、運搬車2では、開放状態において、バッテリボックス8を上方から平面視した時に、バッテリボックス8に取り付けられたバッテリパック112とバッテリカバー106が重なり合っている。
上記の構成によれば、バッテリカバー106が開いた開放状態においても、バッテリカバー106がバッテリパック112の上方を覆っているので、バッテリボックス8に上方から水がかかった場合であっても、バッテリパック112に水がかかることを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリカバー106の上部に、回動軸に沿って伸びる凹面106h(凹部の例)が形成されている。
上記の構成によれば、バッテリカバー106の上部に付着した水が、バッテリカバー106の外面を伝って流れるように、凹面106hによって案内することができるので、バッテリパック112に水がかかることを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリボックス8は、バッテリボックス8の内部であって、バッテリパック112よりも上方に配置された水受け110bをさらに備えている。
上記の構成によれば、バッテリボックス8に上方からかかった水が、バッテリボックス8の内部に侵入した場合であっても、水受け110bによって受け止められるので、バッテリパック112に水がかかることを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、トップカバー102の上面と、バッテリカバー106の上面は、水平面に対して傾斜している。
上記の構成によれば、バッテリボックス8に上方から水がかかった場合に、水をトップカバー102の上面やバッテリカバー106の上面を伝わせて下方に滴下させることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリパック112は、他の電気機器でも使用可能である。
上記の構成によれば、運搬車2と他の電気機器でバッテリパック112を共用することができ、ユーザの利便性を向上することができる。
(変形例)
上記の実施例では、作業機の一例として運搬車2について説明したが、作業機は、芝刈機や耕運機、高圧洗浄機、パワーカッタ、チェンソー等の、他の種類の作業機であってもよい。例えば、作業機は、図65に示す芝刈機902であってもよい。芝刈機902は、地面に接地する車輪904と、ユーザが把持するハンドル906を備えており、ユーザがハンドル906を両手で把持して前方へ押し出すことで、前方へ向けて移動する。芝刈機902は、芝を刈る刈刃(図示せず)を回転させるモータ(図示せず)を備えている。モータは、バッテリパック908から供給される電力によって駆動する。バッテリパック908は、バッテリボックス910に着脱可能に取り付けられている。バッテリボックス910は、トップカバー912と、トップカバー912に対して回動軸912a周りに回動可能に取り付けられたバッテリカバー914を備えている。バッテリカバー914は、図65の矢印の方向に回動することで開かれる。バッテリカバー914は、閉じた状態において、バッテリボックス910に取り付けられたバッテリパック908を覆う形状を有している。バッテリカバー914が閉じた閉鎖状態において、バッテリボックス910を上方から平面視した時に、バッテリカバー914とトップカバー912は部分的に重なり合っており、バッテリカバー914とバッテリパック908も部分的に重なり合っている。バッテリカバー914が開いた開放状態において、バッテリボックス910を上方から平面視した時に、バッテリカバー914とトップカバー912は部分的に重なり合っている。
あるいは、作業機は、図66に示す芝刈機922であってもよい。芝刈機922は、地面に接地する車輪924と、ユーザが把持するハンドル926を備えており、ユーザがハンドル926を片手で把持して前方へ押し出すことで、前方へ向けて移動する。芝刈機922は、芝を刈る刈刃928を回転させるモータ(図示せず)を備えている。モータは、バッテリパック930から供給される電力によって駆動する。バッテリパック930は、バッテリボックス932に着脱可能に取り付けられている。バッテリボックス932は、トップカバー934と、トップカバー934に対して回動軸934a周りに回動可能に取り付けられたバッテリカバー936を備えている。バッテリカバー936は、図66の矢印の方向に回動することで開かれる。バッテリカバー936は、閉じた状態において、バッテリボックス932に取り付けられたバッテリパック930を覆う形状を有している。バッテリカバー936が閉じた閉鎖状態において、バッテリボックス932を上方から平面視した時に、バッテリカバー936とトップカバー934は部分的に重なり合っており、バッテリカバー936とバッテリパック930も部分的に重なり合っている。バッテリカバー936が開いた開放状態において、バッテリボックス932を上方から平面視した時に、バッテリカバー936とトップカバー934は部分的に重なり合っている。
あるいは、作業機は、図67に示すパワーカッタ942であってもよい。パワーカッタ942は、ユーザが一方の手で把持する前方グリップ944と、ユーザが他方の手で把持する後方グリップ946を備えており、ディスクブレード948の回転によってワークを切断する。パワーカッタ942は、ディスクブレード948を回転させるモータ(図示せず)を備えている。モータは、バッテリパック950、952から供給される電力によって駆動する。バッテリパック950、952は、バッテリボックス954に着脱可能に取り付けられている。バッテリボックス954は、トップカバー956と、トップカバー956に対して回動軸956a周りに回動可能に取り付けられたバッテリカバー958と、トップカバー956に対して回動軸956b周りに回動可能に取り付けられたバッテリカバー960を備えている。バッテリカバー958,960は、図67の矢印の方向に回動することで開かれる。バッテリカバー958,960は、閉じた状態において、バッテリボックス954に取り付けられたバッテリパック950,952を覆う形状を有している。バッテリカバー958,960が閉じた閉鎖状態において、パワーカッタ942を地面に載置して、バッテリボックス954を上方から平面視した時に、バッテリカバー958,960とトップカバー956は部分的に重なり合っており、バッテリカバー958,960とバッテリパック950,952も部分的に重なり合っている。バッテリカバー958,960が開いた開放状態において、パワーカッタ942を地面に載置して、バッテリボックス954を上方から平面視した時に、バッテリカバー958,とトップカバー956は部分的に重なり合っている。
あるいは、作業機は、図68に示す高圧洗浄機962であってもよい。高圧洗浄機962は、ユーザが把持するハンドル964と、水が流入する入水口966と、水が流出する出水口968と、入水口966からの水を加圧して出水口968へ送り出すポンプ(図示せず)と、ポンプを駆動するモータ(図示せず)を備えている。モータは、バッテリパック970から供給される電力によって駆動する。バッテリパック970は、バッテリボックス972に着脱可能に取り付けられている。バッテリボックス972は、トップカバー974と、トップカバー974に対して回動軸974a周りに回動可能に取り付けられたバッテリカバー976を備えている。バッテリカバー976は、図68の矢印の方向に回動することで開かれる。バッテリカバー976は、閉じた状態において、バッテリボックス972に取り付けられたバッテリパック970を覆う形状を有している。バッテリカバー976が閉じた閉鎖状態において、高圧洗浄機962を地面に載置して、バッテリボックス972を上方から平面視した時に、バッテリカバー976とトップカバー974は部分的に重なり合っており、バッテリカバー976とバッテリパック970も部分的に重なり合っている。バッテリカバー976が開いた開放状態において、高圧洗浄機962を地面に載置して、バッテリボックス972を上方から平面視した時に、バッテリカバー976とトップカバー974は部分的に重なり合っている。