JP7199182B2 - 超音波測定装置及び超音波測定方法 - Google Patents
超音波測定装置及び超音波測定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7199182B2 JP7199182B2 JP2018165286A JP2018165286A JP7199182B2 JP 7199182 B2 JP7199182 B2 JP 7199182B2 JP 2018165286 A JP2018165286 A JP 2018165286A JP 2018165286 A JP2018165286 A JP 2018165286A JP 7199182 B2 JP7199182 B2 JP 7199182B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid
- received
- ultrasonic
- received signal
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Description
ここで、目視又は打音では浸水の有無を測定できない機器に対する上記判定としては、電磁波を用いた方法が挙げられる。しかしながら、柱上開閉器に対する上記判定は、金属箱の内部に対する判定であるため、電磁波を用いることは困難であり、超音波を用いた技術が期待されている。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る超音波測定装置1の構成例を示す図である。
超音波測定装置1は、超音波を用いて、金属箱2の内部における水10の有無の判定を行う。図1に示す超音波測定装置1では、上記水10の有無の判定に加え、水深の推定も行う。なお図1では、金属箱2の内部を図示し、金属箱2が浸水している場合を示し、dは水深を表している。以下では、液体が水10である場合を示すが、その他の液体でもよい。また以下では、超音波測定装置1の測定対象が金属箱2である場合を示すが、これに限らず、測定対象は、箱等のように液体を留めておくことが可能な形状であり、且つ、当該液体が接する部分に板状部が存在する物体であればよい。
この超音波測定装置1は、図1に示すように、送信探触子11、受信探触子12、送信部13、受信部14及び信号処理部15を備えている。また図1に示す超音波測定装置1では、送信部13、受信部14及び信号処理部15が、送受信器16に内包されている。
受信探触子12は、金属箱2の底面に送信探触子11と間隙を設けて取付けられ、超音波を金属箱2の底面から受信して電気信号に変換する超音波探触子である。
受信部14は、受信探触子12により得られた電気信号を受信信号として受信する。この際、受信部14は、必要に応じて受信信号を増幅してもよい。
格納部152は、受信部14により受信された受信信号を格納する。また、格納部152は、液体有無判定部154による判定結果を示す情報及び液体深さ推定部155による推定結果を示す情報も適宜格納する。
読出部153は、格納部152に格納されている受信信号を読出す。
なおここでは、表示部156が超音波測定装置1の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、表示部156は超音波測定装置1の外部に設けられていてもよい。
信号処理部15は、例えば、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等のCPU(Central Processing Unit)内蔵のコンピュータを用いて実現可能である。また、信号処理部15は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のLSI(Large Scale Integrated circuit)を用いて実現されてもよい。
実施の形態1に係る超音波測定装置1では、図1に示すように、送信探触子11が金属箱2の底面の内部に超音波を送信する。これにより、金属箱2の底面の内部で、超音波(板波)が伝搬する。この超音波は、継続時間が有限なパルス波である。その後、受信探触子12によりこの超音波が受信される。ここで、超音波が金属箱2の底面の内部だけを伝搬する経路を第1経路(図1の符号101で示される経路)とする。
なお、図4Cに示すように、第2経路を伝搬した超音波は1つだけとは限らず、複数の超音波が伝搬することが考えられる。これは、超音波が水面と金属箱2の底面との間で反射を繰返して伝搬するためである。図4Cでは、符号401で示されるように、第2経路を伝搬した超音波が3つ存在している。
図5はシミュレーションで用いた送信探触子11の応答特性を示す図である。図5に示すように、送信探触子11の中心周波数は0.5MHzで比較的広帯域なものとした。なお、中心周波数を0.5MHzとした理由は、金属箱2の外部に厚さ400μm程度の塗膜が有る場合でも対応可能とするためである。また、送信探触子11の中心周波数は0.5MHzであるため、水中での超音波の波長は約3mmとなる。
図6に示すように、超音波は、周波数によって位相速度が変化する。シミュレーションでは中心周波数を0.5MHzとしているので、この場合にはA0モードの位相速度が約2450m/sとなる。そこで、以下では、位相速度が2450m/sの板波を用いた場合について検討することとする。
シミュレーション条件を図7に示す。図7に示すように、金属箱2の底面に送信探触子11と受信探触子12とを対向させて設置し、送信探触子11と受信探触子12との間の距離を100mmとした。また、金属箱2の底面の内側及び外側には塗膜701,702があるとした。塗膜701の厚さは50μmとし、塗膜702の厚さは400μmとした。
図8Aに示すように、水10が無い場合(d=0mm)には、受信信号は1つとなり、簡単な受信波形となる。なお、図4Aでは振幅がプラス側だけの受信信号として模擬的に示したが、実際には図8Aに示すような交流波形となる。
また、例えば図8Cの場合(d=1.6mm)には、受信信号が、水10が無い場合と同様の振幅となっている。これは、第1経路を伝搬した超音波と第2経路を伝搬した超音波とが位相干渉で強め合う条件となっているためである。
また、例えば図8D、図8Eの場合(d=2.4mm、d=3.0mm)には、受信信号は複雑な受信波形となっている。
すなわち、水深が水中での超音波の波長(約3mm)以下又は同程度である場合には、受信信号の波形は複雑になることが分かる。
また、図8Gの場合(d=7.0mm)には、第1経路を伝搬した超音波と第2経路を伝搬した超音波とが明確に分離してくる。また、図8Gでは、第2経路を伝搬した超音波は1つだけではなく、複数有ることが分かる。図8Gにおいて、符号801が第1経路を伝搬した超音波を示し、符号802が第2経路を伝搬した超音波を示している。
図9に示すように、水深が浅い場合には、振幅は複雑な特性を示す。これは上述したように、第1経路を伝搬した超音波と第2経路を伝搬した超音波とが位相干渉するためである。一方、水深が深くなり、4mm以上となると、受信信号の振幅はほとんど変化しない。
このように、受信信号の振幅だけでは、水深を推定する以前に、水10の有無を判定すること自体が困難である。例えば、d=0mmの場合とd=1.6mmの場合とでは受信信号の振幅はほとんど同じであり、両者を振幅のみで識別することは非常に困難である。
以下、実施の形態1における信号処理部15の動作例について、図10を参照しながら説明する。なお、送信探触子11は超音波を金属箱2の底面に送信し、受信探触子12はこの超音波を金属箱2の底面から受信して電気信号に変換し、受信部14はこの電気信号を受信信号として受信し、格納部152はこの受信信号を格納している。
図12に、受信信号が1つであり、受信信号の継続時間が基準値より短い場合と長い場合の例を示す。図12において、符号1201は基準値を表している。図12Bがシミュレーションで求めたd=2.0mmでの受信信号であり、受信信号の継続時間が基準値よりも長くなっている。このような場合は、水面からの反射波が受信信号に影響を及ぼしているので、液体有無判定部154は水10が有ると判定できる。なお、基準値の開始位置は受信信号の立上がり部分とし、これは超音波の群速度及び送信探触子11と受信探触子12との間の距離に基づいて決められる。
図14に示すように、d=1.6mm程度までは水深の増加に伴いピーク周波数は低下していく。一方、d=1.8mmになると急激に増加するが、これは位相が周期性を有しているためである。また、d=1.8mmからd=2.6mm程度までは水深の増加に伴いピーク周波数は低下していく。
液体深さ推定部155は、この特性を用いることで、水深を推定することが可能である。例えば、液体深さ推定部155は、尾引き部分の周波数スペクトルを求め、ピーク周波数が0.4MHzだった場合には図14から「水深1.3mm」と求めることができる。
受信信号が1つであり、且つ、受信信号の継続時間が基準値より短い場合には、2つのケースが考えられる。1つは、図12Aに示したように、水10が無い場合である。もう1つは、水10は有るが、第2経路を伝搬した超音波が受信探触子12で受信されない場合である。後者の一例を、図15に示す。図15に示すように、水10が大量に浸入していると、受信探触子12の位置によっては水面からの反射波が受信探触子12の位置よりも遠くに戻ってくる場合があり、この場合、第2経路を伝搬した超音波は受信探触子12では受信できない。図15において、符号1501が第1経路を表し、符号1502が第2経路を表している。また、金属箱2が傾斜して、送信探触子11及び受信探触子12から見ると水面が傾斜しているような場合にも、水面からの反射波が所望の方向に戻らず、第2経路を伝搬した超音波が受信探触子12では受信されない場合がある。これも、「水10は有るが、第2経路を伝搬した超音波が受信探触子12では受信されない場合」に含まれる。
Claims (8)
- 板状部に超音波を送信する送信探触子と、
前記板状部から超音波を受信して電気信号に変換する受信探触子と、
前記受信探触子により得られた電気信号を受信信号として受信する受信部と、
前記受信部により受信された受信信号の数、及び、当該受信信号の継続時間と基準値との差に基づいて、前記板状部に接する液体の有無を判定する液体有無判定部と
を備えた超音波測定装置。 - 前記液体有無判定部は、前記受信部により受信された受信信号の数が複数であると判定した場合に、前記板状部に接する液体が有ると判定する
ことを特徴とする請求項1記載の超音波測定装置。 - 前記液体有無判定部は、受信信号の数が複数ではないと判定した場合、当該受信信号の継続時間が基準値より長い場合に、前記板状部に接する液体が有ると判定する
ことを特徴とする請求項2記載の超音波測定装置。 - 前記液体有無判定部は、受信信号の数が複数ではないと判定し且つ当該受信信号の継続時間が基準値より長くは無いと判定した場合、当該受信信号の振幅が閾値より小さい場合に、前記板状部に接する液体が有ると判定する
ことを特徴とする請求項3記載の超音波測定装置。 - 前記受信部により受信された受信信号の周波数スペクトルに基づいて、前記板状部に接する液体の深さを推定する液体深さ推定部を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか1項記載の超音波測定装置。 - 前記液体深さ推定部は、前記液体有無判定部により受信信号の数が複数ではないと判定され且つ液体が有ると判定された場合に、当該受信信号の周波数スペクトルからピーク周波数を算出し、当該ピーク周波数から当該液体の深さを推定する
ことを特徴とする請求項5記載の超音波測定装置。 - 前記受信部により受信された受信信号及び前記液体有無判定部による判定結果を示す情報を表示する表示部を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの何れか1項記載の超音波測定装置。 - 板状部に超音波を送信する送信探触子と、前記板状部から超音波を受信して電気信号に変換する受信探触子と、前記受信探触子により得られた電気信号を受信信号として受信する受信部とを備えた超音波測定装置による超音波測定方法であって、
液体有無判定部が、前記受信部により受信された受信信号の数、及び、当該受信信号の継続時間と基準値との差に基づいて、前記板状部に接する液体の有無を判定するステップを有する
ことを特徴とする超音波測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018165286A JP7199182B2 (ja) | 2018-09-04 | 2018-09-04 | 超音波測定装置及び超音波測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018165286A JP7199182B2 (ja) | 2018-09-04 | 2018-09-04 | 超音波測定装置及び超音波測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020038119A JP2020038119A (ja) | 2020-03-12 |
JP7199182B2 true JP7199182B2 (ja) | 2023-01-05 |
Family
ID=69737817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018165286A Active JP7199182B2 (ja) | 2018-09-04 | 2018-09-04 | 超音波測定装置及び超音波測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7199182B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014196996A (ja) | 2013-03-08 | 2014-10-16 | 三菱電機株式会社 | 液体検知方法および液体検知装置 |
WO2017149658A1 (ja) | 2016-03-01 | 2017-09-08 | 三菱電機株式会社 | 超音波測定装置及び超音波測定方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58216918A (ja) * | 1982-06-11 | 1983-12-16 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 液体検知方法及びその検知装置 |
JPH07280775A (ja) * | 1994-04-13 | 1995-10-27 | Hokuriku Electric Power Co Inc:The | 超音波を用いた柱上変圧器及び柱上開閉器の浸水検出方法及び装置 |
JP3169534B2 (ja) * | 1995-07-27 | 2001-05-28 | 株式会社帝通電子研究所 | 浸水検出方法 |
JPH1183594A (ja) * | 1997-09-04 | 1999-03-26 | Ono Sokki Co Ltd | 測定装置 |
-
2018
- 2018-09-04 JP JP2018165286A patent/JP7199182B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014196996A (ja) | 2013-03-08 | 2014-10-16 | 三菱電機株式会社 | 液体検知方法および液体検知装置 |
WO2017149658A1 (ja) | 2016-03-01 | 2017-09-08 | 三菱電機株式会社 | 超音波測定装置及び超音波測定方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020038119A (ja) | 2020-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2843401A1 (en) | System and method for defect monitoring | |
CN111781276B (zh) | 基于分维数的钢轨超声导波缺陷识别与定位方法及装置 | |
CN111781275B (zh) | 基于李雅普诺夫指数的钢轨超声导波缺陷识别与定位方法及装置 | |
KR102204747B1 (ko) | 탄성파의 신호 에너지를 이용한 손상 탐지 방법 | |
RU2655478C1 (ru) | Способ измерения частотной зависимости коэффициента отражения звука от поверхности | |
JP7199182B2 (ja) | 超音波測定装置及び超音波測定方法 | |
JP5507267B2 (ja) | 減衰材の肉厚算出方法及びその装置 | |
JP2012247304A (ja) | 短時間信号のピークパワースペクトルを検出する方法及び装置 | |
JP5904339B2 (ja) | 液体検知方法および液体検知装置 | |
JP2009288164A (ja) | 振動監視装置および監視方法 | |
CN103748440A (zh) | 在考虑线性关系的情况下进行追踪 | |
JP3169534B2 (ja) | 浸水検出方法 | |
Kexel et al. | Ultrasonic data transmission across metal structures affected by environmental conditions | |
JP5614608B2 (ja) | 超音波によるコンクリート表面ひび割れの深さ測定方法 | |
CN202304777U (zh) | 一种工件厚度测量装置 | |
EP2354808B1 (en) | Object probing device, object probing program, and object probing method | |
JP4583898B2 (ja) | 超音波探傷装置 | |
JP2019066421A (ja) | 伝搬時間測定器、気体濃度測定装置、および伝搬時間測定プログラム | |
JP5708018B2 (ja) | アクティブソーナー装置 | |
JP2010286330A (ja) | 配管減肉の検査方法及びその方法に用いる検査装置 | |
JP4209689B2 (ja) | 超音波探傷装置 | |
JP2005337825A (ja) | 電波を利用した水位測定装置及び水位測定方法 | |
JP2020067369A (ja) | 距離/速度測定装置及び距離/速度測定プログラム | |
JP7236893B2 (ja) | 液体検知方法および液体検知装置 | |
Tanaka et al. | Doppler shift equation and measurement errors affected by spatial variation of the speed of sound in sea water |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20180905 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210803 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20210803 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20210803 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220525 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220531 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220725 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221011 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221102 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221220 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7199182 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |