JP2005337825A - 電波を利用した水位測定装置及び水位測定方法 - Google Patents

電波を利用した水位測定装置及び水位測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】周波数の変動幅を大きくすることなく、かつ、演算量を増大させることなく、より分解能の高い水位測定装置を実現する。
【解決手段】A/D変換されたデータ系列に、二次関数を含む多項式で近似できる程度までゼロ系列を挿入してから、離散フーリエ変換し、これにより得られた振幅値のうち最大値付近の3つの値を用いて、二次関数の連立多項式を演算してビート信号の周波数を近似する。
【選択図】図3

Description

本発明は、治水や防水分野における河川やダムの水位を、電波を利用して測定する水位測定装置及び水位測定方法に関する。
治水や防水の分野では、河川やダムの水位を測定(監視)する水位測定装置が用いられている。この水位測定装置には、フロート式、圧力式、超音波式等がある。フロート式や圧力式の水位測定装置は、構造がシンプルであるが、装置が水と接触するため、流木等により破壊されることがある。また、超音波式の水位測定装置は、水と接触することなく水位を測定することができ、流木等により破壊されることはないが、大気を媒質としているため、気象条件の影響により測定値にバラツキが発生し、その補正は困難である。
流木等により破壊されず、さらに大気の影響を受けずに水位を測定することができる水位測定装置として、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式の電波を利用した水位測定装置が提案されている(特許文献1)。このFMCW方式は、周波数変調した連続波信号を送信波として被測定物に対して送信し、被測定物で反射して戻ってきた受信波と、送信波と、をミキシングしてビート信号を生成し、ビート信号の周波数から被測定物までの距離を測定する方式である(特許文献2)。このビート信号はアナログ信号である。従って、ビート信号の周波数の値を求めるには、ビート信号をA/D変換し、これにより生成されたデータ系列を離散フーリエ変換し、離散フーリエ変換により得られた周波数のうち、振幅値が最大となる周波数の値を算出する必要がある。
ここで、離散フーリエ変換されたビート信号の周波数は、離散値である。このため、実際のビート信号の周波数(アナログ値)と、離散フーリエ変換後に算出される周波数(デジタル値)と、の間に誤差が発生し、水位の測定値に誤差が発生する。電波を利用した水位測定装置の分解能は、送信波の周波数の最大変動幅に依存しているため、変動幅を大きくすれば分解能をより高くすることができる。また、分解能をより高くするために、離散フーリエ変換をする前に、ビート信号のデータ系列の後段に0(ゼロ)からなるデータ系列(これを「ゼロ系列」と呼ぶ)を挿入し、このゼロ系列が挿入されたデータ系列を離散フーリエ変換することにより、算出される振幅値を増やし、前述した最大の振幅値が得られる周波数の測定分解能を高める方式がある(特許文献3)。
特開2000−55716号公報 特開2003−240842号公報 特開2001−42033号公報
しかしながら、従来の電波を利用した水位測定装置では、高い分解能で水位を測定することは困難であった。前述したように、電波を利用した水位測定装置は、送信波の周波数の変動幅を大きくとれば分解能を高くすることができる。しかしながら、電波法による法的制約もあり、水位測定装置に要求される分解能(数cm程度の分解能)を実現することは困難である。
また、前述したようにビート信号の処理の際に、A/D変換されたデータ系列の後段にゼロ系列を挿入してから、離散フーリエ変換することにより、分解能の高い測定が可能となるが、分解能を高めるためには、データ系列の後段に多くのゼロからなるデータを挿入しなければならならず、演算量が増大する。
本発明は、以上のような課題に対してなされたものであり、送信波の周波数の変動幅を大きくすることなく、かつ、演算量を増大させることなく、より分解能の高い水位測定装置を実現することにある。
本発明の構成は、アンテナから水面に対し、周波数が一定の範囲で時間に対して変移する電波を送信する送信系と、アンテナを介し、水面で反射した電波を受信する受信系と、送信した電波の周波数と、受信した電波の周波数と、の差分の周波数成分を検出する手段と、差分の周波数成分を既定のサンプル数でA/D変換し、データ系列を生成する手段と、データ系列を演算することにより、アンテナから水面までの距離を測定する演算手段と、を備え、演算手段は、データ系列の後段に、サンプル数以上の数のゼロからなるゼロ系列を挿入する回路と、後段にゼロ系列が挿入されたデータ系列を離散フーリエ変換する回路と、離散フーリエ変換されたデータ系列の振幅値のうち少なくとも3つの値を用いて二次関数を含む多項式の連立方程式を演算する回路と、振幅値がピークとなる差分の周波数の値を導出することにより、アンテナから水面までの距離を測定する回路と、を備えることを特徴とする。
本発明の他の構成は、アンテナから水面に対し、周波数が一定の範囲で時間に対して変移する電波を送信する工程と、アンテナを介し、水面で反射した電波を受信する工程と、送信した電波の周波数と、受信した電波の周波数と、の差分の周波数成分を検出する工程と、差分の周波数成分を既定のサンプル数でA/D変換し、データ系列を生成する工程と、データ系列の後段に、サンプル数以上の数のゼロからなるゼロ系列を挿入する工程と、後段にゼロ系列が挿入されたデータ系列を離散フーリエ変換する工程と、離散フーリエ変換されたデータ系列の振幅値のうち少なくとも3つの値を用いて二次関数を含む多項式の連立方程式を演算し、振幅値がピークとなる差分の周波数の値を導出する工程と、振幅値がピークとなる差分の周波数の値から、アンテナから水面までの距離を測定する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の他の構成は、前記アンテナから水面までの距離の測定を、複数回繰り返したのち平均値を算出することを特徴とする。
A/D変換されたデータ系列に、二次関数を含む多項式で近似できる程度までゼロ系列を挿入してから、離散フーリエ変換し、これにより得られた振幅値のうち最大値付近の3つの値を用いて、二次関数を含む多項式を演算してビート信号の周波数を近似することにより、周波数の変動幅を大きくすることなく、かつ、演算量を増大させることなく、より分解能の高い水位測定装置を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る電波を利用した水位測定装置の構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る電波を利用した水位測定装置から送信される送信波と、受信される受信波の時間に対する周波数の変移を示すグラフである。また、図3は、本実施形態に係るデータ系列を離散フーリエ変換した周波数スペクトラムを示すグラフである。以下、図面を用いて、本実施形態に係る電波を利用した水位測定装置について詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る電波を利用した水位測定装置の構成を説明する。図1において、電波を利用した水位測定装置1は、送信系に、発振源3、カプラ4、サーキュレータ5、アンテナ6を備え、受信系に、サーキュレータ5、アンテナ6を備え、さらに、ミキサ7、A/D変換部8、及び演算部9を備えている。アンテナ6は、水面に対して電波を送信し、反射してきた電波を受信できるよう、水面の鉛直上方に設置されている。なお、アンテナ6は、送受信波の伝搬距離を同一とするため送受信共用であることが望ましいが、分離していても良い。また、図1に示した電波を利用した水位測定装置1は、その内部では、伝送される電波に遅延が発生しない、もしくは、遅延が補正されているものとする。以下、図1から図4を用いて、本実施形態の電波を利用した水位測定装置1の動作について詳細に説明する。
図1において、発振源3は、周波数がf〜f+B[Hz]の範囲で、時間T[sec]に対して線形的に変移する送信波(電波)を発生させ、これを出力する。カプラ4は、発振源3から出力された送信波を、サーキュレータ5と、ミキサ7とに分岐して出力する。カプラ4からサーキュレータ5に入力された送信波は、アンテナ6を介して、水面に輻射される。アンテナ6から輻射された送信波は、水面で反射し、受信波としてアンテナ6で受信される。この受信波は、送信波に対して、水面までの距離R[m]を往復して伝搬する時間分δt[sec]だけ遅延する。そして、この受信波は、サーキュレータ5を介してミキサ7に入力される。
ミキサ7に入力された受信波は、発振源3から出力された送信波との間で、ミキシングされる。図2に、ミキサ7に入力される送信波と受信波の様子を示す。図2は、送信波と受信波の周波数変移の様子を示したグラフであり、横軸が時間、縦軸が周波数である。発振源3から出力される送信波は、周波数f〜f+B[Hz]の範囲で時間T[sec]に対して線形的に変移する。ここで、ミキサ7に入力される受信波は、前述したように送信波に対して、水面までの距離R[m]を往復して伝搬した分の時間δt[sec]だけ遅延して入力される。一方、ミキサ7に入力される送信波は、受信波に対して周波数δf[Hz]だけ(時間δt[sec]の分だけ)変移している。従って、ミキサ7からは、送信波の周波数と、受信波の周波数と、の差分の周波数δf[Hz]のビート信号が、出力される。ここで、送信波の周波数変動幅をB[Hz]、変動時間をT[sec]とすると、電波が水面で反射して往復する時間は、
δt = Tδf/B ・・・ (1)
で表される。従って、電波の伝搬速度をc[m/sec]とすると、水面までの距離R[m]は、
R = cTδf/2B ・・・ (2)
を算出することにより求まる。
前述したように、ミキサ7から出力されるビート信号は、アナログ信号である。従って、演算部9で、周波数δf[Hz]から距離R[m]を算出するためには、ビート信号をデジタル信号(データ系列)に変換し、これを算出する必要がある。ミキサ7から出力されたビート信号は、A/D変換部8に入力され、既定のサンプル数でA/D変換される。一例として、既定のサンプル数を256個とする。従って、ビート信号は、256個のデータからなるデータ系列として出力される。ここで、A/D変換により生成された256個のデータ系列は、演算部9に入力され、前述したビート信号の周波数δf[Hz]が演算され、アンテナ6から水面までの距離(水位)が算出される。以下、演算部9の処理について、詳細に説明する。
前述したように、ビート信号をA/D変換したデータ系列を、そのまま離散フーリエ変換すると、測定分解能が低い。従って、特許文献3に開示されているように、データ系列の後段に0(ゼロ)からなるゼロ系列を挿入する。これにより、ゼロ系列が挿入されたデータ系列を離散フーリエ変換した際の分解能を高めることができる。なお、このゼロ系列のデータ数は、データ系列のデータ数以上に挿入しなければならない。これは、後述する二次関数を含む多項式によって、ビート信号の周波数を算出するために必要な数である。後述する二次関数を含む多項式では、その周波数スペクトラムのピーク値付近の3点の振幅値を用いればビート信号の周波数を算出することができる。
また、ゼロ系列を挿入したデータ系列のデータ数が、基の(A/D変換された)データ系列のデータ数に比べて、多いほど測定分解能は向上する。しかし、演算部9の処理速度や、メモリ使用量の観点から、ゼロ系列が挿入されたデータ系列のデータ数は、基のデータ系列のデータ数の4乃至8倍程度が望ましい。ここでは一例として、基のデータ系列の後段に、ゼロが1,792個のゼロ系列を挿入し、2,048個のデータ系列にする。これにより、ゼロ系列が挿入されたデータ系列のデータ数は、基のデータ系列の8倍になる。このため、ゼロ系列が挿入されたデータ系列を離散フーリエ変換すると、基のデータ系列を離散フーリエ変換したときに比べて、その周波数スペクトラムの離散的周波数間隔Δfは、式(3)のようにM倍データ系列が拡張されただけ、分解能が高くなる。
Δf = 1/MT ・・・ (3)
なお、本実施形態では、前述したようにM=8である。
次に、このゼロ系列が挿入されたデータ系列を離散フーリエ変換する。しかし、このままでは、前述した256個の基のデータ系列の両端に不連続な箇所(短い周期の方形波)が存在する。従って、このまま離散フーリエ変換すると、実際の周波数以外の箇所にも不要な周波数成分(振幅値)が算出されてしまう。これを避けるため、ゼロ系列が挿入されたデータ系列に窓関数を乗じて、不連続成分を減少させる。一例として、窓関数に、ハニング窓関数を用いる。なお、データ数N[−]におけるハニング窓は、
= 0.5×(1−cos(2πn/N)) 、n=0,1,2,・・・N−1
・・・ (4)
で与えられている。ここで、nはデータ系列につけられた通し番号である。本実施形態では、基のデータ系列にのみ窓関数が乗じられれば良いため、N=256である。従って、ゼロ系列が挿入されたデータ系列に、窓関数を乗じると、窓関数が乗じられたデータ系列xが算出される。
・・・ (5)
ここで、aは、基のデータ系列である。これにより、窓関数が乗じられたデータ系列xは、データ系列aの両端が滑らかに0(ゼロ)に近づいていくため、離散フーリエ変換により、不要な周波数成分を算出することがなくなる。なお、本実施形態では、基のデータ系列にゼロ系列を挿入してから窓関数で乗じたが、基のデータ系列に窓関数を乗じてからゼロ系列を挿入しても同様な効果が得られる。
次に、窓関数が乗じられたデータ系列を離散フーリエ変換する。窓関数を乗じたデータ系列を離散フーリエ変換したビート信号の周波数スペクトラムの様子を図3に示す。図3は、横軸が周波数、縦軸が振幅値である。この周波数スペクトラムの頂点の振幅値のピーク周波数fが求めるべきビート信号の周波数(送信波と受信波の差分の周波数)である。ゼロ系列が挿入されたデータ系列は、挿入されていない基のデータ系列に比べ、その周波数スペクトラム上に8倍の分解能で振幅値が算出される。ここで、データ系列によって算出される振幅値を実線で、ゼロ系列が挿入されたデータ系列によって算出される振幅値を破線で、それぞれ表す。この振幅値を用いて、後述する二次関数を含む多項式を演算することにより、ビート信号の周波数スペクトラムの振幅値がピークとなるピーク周波数f[Hz]を算出する。
図3に示すように、ゼロ系列が挿入されたデータ系列を離散フーリエ変換した周波数スペクトラムは、単一周波数f[Hz]しかもたない方形波をフーリエ変換した際のシンク関数sin(πfT)/fに近づき、滑らかな形状になる。隣り合う周波数同士の間隔が狭くなっているため、ビート信号の周波数スペクトラムが、周波数軸上でどのように変化しているか推測することが可能になる。
前述したシンク関数sin(πfT)/fは、最大値付近で方物線に近似させることができる。従って、ゼロ系列が挿入されたデータ系列を離散フーリエ変換した周波数スペクトラムを、その周波数スペクトラムの頂点付近で、二次関数に近似させることができる。すなわち、
y = y−m(x−x ・・・ (6)
になるように未知数y、m、xを決定すればよい。ここで、xは、図3に示す周波数f[Hz]に対応するデータ系列の番号であり、xが求めるべきビート信号の周波数f[Hz]に対応するデータ系列の番号(離散的な値の間に存在する厳密な値)である。従って、xを算出し、このxと、式(3)に示したΔfとを乗算することにより、式(7)に示すように、ビート信号の周波数fが求まる。
= x・Δf ・・・ (7)
式(6)の未知数が3つであることより、離散的な周波数成分が最大となる点を挟む3点のみに注目して、式(6)の方程式を解けばよい。データ系列を離散フーリエ変換し、これにより得られた振幅値のうち最大値をymax、振幅値が最大値ymaxのときの周波数データをxmaxとする。また、xmax周辺の周波数スペクトラムxmax−1、xmax+1の振幅値をy、yとすると、ビート信号の周波数周波数スペクトラム上の振幅値y、ymax、yは、
= −a(xmax−1)+b(xmax−1)+c ・・・ (8a)
max = −axmax +bxmax+c ・・・ (8b)
= −a(xmax+1)+b(xmax+1)+c ・・・ (8c)
で表すことができる。
ここで、式(6)に示した二次関数を、
y = y−m(x−x
= −ax+bx+c ・・・ (9)
のように二次関数を含む多項式にすると、
y = y−m(x−x
= −ax+bx+c
= −a(x−(b/2a))+c+b/4a ・・・ (10)
とすることができる。これにより、
= c+b/a ・・・ (11)
= a ・・・ (12)
= b/2a ・・・ (13)
が得られる。
ここで、前述した式(8a)〜(8c)の連立方程式のxmaxを0とし、式(14a)〜(14c)のように式を変形させる。
= −a’−b’+c’ ・・・ (14a)
max = c’ ・・・ (14b)
= −a’+b’+c’ ・・・ (14c)
この式(14a)〜(14c)を演算することにより、
a’ = y−ymax−(y−y)/2 ・・・ (15a)
b’ = (y−y)/2 ・・・ (15b)
c’ = ymax ・・・ (15c)
が得られる。ここで、xmaxを0のしたときの、振幅がピークとなるデータ系列の番号をx’とすると、式(13)を変形して、
’ = b’/2a’ ・・・ (16)
が得られる。ここで、式(16)に式(15a)、(15b)を代入すると、
’ = (y+y)/2(y+y−2ymax) ・・・ (17)
が得られる。ここで、x’は、前述したように、xmaxを0としたときの振幅がピークとなるデータ系列の番号(0からの差分)である。従って、求めるべきxは、
= xmax+x’ ・・・ (18)
から求めることができる。
これにより、求めるべきビート信号の周波数fに対応するデータ系列の番号xは、式(17)を、式(18)に代入することにより、
= xmax+(y+y)/2(y+y−2ymax) ・・・ (19)
が得られる。この式(19)を、式(6)に代入することにより、
= (xmax+(y+y)/2(y+y−2ymax))/MT
・・・ (20)
が得られ、離散的な値の間に存在する厳密な値に近似させることができる。算出されたピーク周波数f[Hz]により、水位測定装置1から水面までの距離R[m]は、
R = cfT/2B ・・・ (21)
で表される。すなわち、電波を利用した水位測定装置1が、水深距離Lに設置されているとすると、水位は、
L = L−cfT/2B ・・・ (22)
で表される。
このような二次関数の多項式を用いてビート信号の周波数スペクトラムのピーク周波数fを算出するには、前述したように、その周波数スペクトラムの頂点付近の3つの値を用いることにより算出することができる。従って、ビート信号のピーク周波数fの測定分解能を向上させるために、従来行われていたような、周波数の変動幅B[Hz]を大きくする必要がない。また、データ系列の後段に挿入するゼロの数は、二次関数を含む多項式で近似できる程度挿入すれば良いため、演算量をそれほど増大させることなく水位測定装置の分解能を高めることができる。
さらに、測定精度をより向上させるために、一つの水位の測定結果を出力するまでに、数十回など規定回数の測定をして平均値を出力するのが望ましい。本実施形態で説明した電波を利用した水位測定装置は高分解能で水位を測定することができるが、平均化することによって、雑音の影響を抑えることができる。白色雑音による誤差の影響は、平均値を算出するときの繰り返し数の平方根に反比例する。例えば、50個の測定値を平均することにより、雑音の影響を約7分の1に抑えることができる。雑音の影響を抑えるために、平均値を算出するときは、50回の測定は、水位変動が無視できるくらいの時間(例えば1秒以内)に完了させるのが望ましい。
また、本実施形態で示した電波を利用した水位測定装置は、テレメータシステムに適用しても良い。測定された水位は、有線、または、無線回線を通して、中央の制御センター等に伝送される。対向側のテレメータシステムは、水位のデータを保存し、帳票作成、増水判定、災害の早期発見などが可能となり、防災業務により貢献することができる。
以上、説明したように、本実施形態に係る電波を利用した水位測定装置は、A/D変換されたデータ系列に、二次関数を含む多項式で近似できる程度までゼロ系列を挿入してから、離散フーリエ変換し、これにより得られた振幅値のうち最大値付近の3つの値を用いて、二次関数の連立多項式を演算してビート信号の周波数を近似することにより、周波数の変動幅を大きくすることなく、かつ、演算量を増大させることなく、より分解能の高い水位測定装置を実現することができる。
本実施形態に係る電波を利用した水位測定装置のブロック図である。 本発明の実施形態に係る電波を利用した水位測定装置から送信される電波と、受信される電波の時間に対する周波数の変移のグラフである。 本発明の実施形態に係るデータ系列を離散フーリエ変換した後の周波数と振幅値との関係を示すグラフである。
符号の説明
3 発振源、4 カプラ、5 サーキュレータ、6 アンテナ、7 ミキサ、8 A/D変換部、9 演算部。

Claims (3)

  1. アンテナから水面に対し、周波数が一定の範囲で時間に対して変移する電波を送信する送信系と、
    アンテナを介し、水面で反射した電波を受信する受信系と、
    送信した電波の周波数と、受信した電波の周波数と、の差分の周波数成分を検出する手段と、
    差分の周波数成分を既定のサンプル数でA/D変換し、データ系列を生成する手段と、
    データ系列を演算することにより、アンテナから水面までの距離を測定する演算手段と、
    を備え、
    演算手段は、
    データ系列の後段に、サンプル数以上の数のゼロからなるゼロ系列を挿入する回路と、
    後段にゼロ系列が挿入されたデータ系列を離散フーリエ変換する回路と、
    離散フーリエ変換されたデータ系列の振幅値のうち少なくとも3つの値を用いて二次関数を含む多項式の連立方程式を演算する回路と、
    振幅値がピークとなる差分の周波数の値を導出することにより、アンテナから水面までの距離を測定する回路と、
    を備えることを特徴とする電波を利用した水位測定装置。
  2. アンテナから水面に対し、周波数が一定の範囲で時間に対して変移する電波を送信する工程と、
    アンテナを介し、水面で反射した電波を受信する工程と、
    送信した電波の周波数と、受信した電波の周波数と、の差分の周波数成分を検出する工程と、
    差分の周波数成分を既定のサンプル数でA/D変換し、データ系列を生成する工程と、
    データ系列の後段に、サンプル数以上の数のゼロからなるゼロ系列を挿入する工程と、
    後段にゼロ系列が挿入されたデータ系列を離散フーリエ変換する工程と、
    離散フーリエ変換されたデータ系列の振幅値のうち少なくとも3つの値を用いて二次関数を含む多項式の連立方程式を演算し、振幅値がピークとなる差分の周波数の値を導出する工程と、
    振幅値がピークとなる差分の周波数の値から、アンテナから水面までの距離を測定する工程と、
    を含むことを特徴とする電波を利用した水位測定方法。
  3. 請求項2に記載の電波を利用した水位測定方法において、
    前記アンテナから水面までの距離の測定を、複数回繰り返したのち平均値を算出することを特徴とする電波を利用した水位測定方法。
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