JP7190876B2 - 消火栓装置 - Google Patents
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Description
消火栓扉としては、例えば、特許文献1に開示された消火栓装置の消火栓扉のように下辺を回動軸として、略180°回動するものがある。
そして、上記の目的を達成するため、特許文献1においては、シリンダーダンパーの一端を筐体内における開口部の下方の底部近傍に傾動可能に設置し、他端側をリンクを介して消火栓扉の裏面側に連結するという構造を採用している。
特許文献1のものは、消火栓扉が閉止した状態では、シリンダーダンパーが筐体の内方に向けて傾斜する姿勢になっており(特許文献1の図3参照)、消火栓扉が全開した状態では、シリンダーダンパーは、ほぼ直立した姿勢になっている(特許文献1の図5参照)。
したがって、シリンダーダンパーは、消火栓扉の開閉に伴って傾斜した状態から直立した状態へと傾動動作をする。
前記ダンパー機構は、一端側がリンクを介して前記消火栓扉の裏面に連結され、他端側が前記一端側よりも上方にある前記筐体内部の構造物に回動可能に連結され、前記消火栓扉の開放時には、前記一端側が前記開口部から筐体外に突出されるシリンダーダンパーによって構成したことを特徴とするものである。
前記ダンパー機構は、
一端が前記消火栓扉の裏面に、前記消火栓扉の回動軸と平行な軸回りに回動可能に連結された第1リンクと、
一端が前記筐体内部の構造物に、前記消火栓扉の回動軸と平行な軸回りに回動可能に連結され、他端が前記第1リンクの他端側に前記消火栓扉の回動軸と平行な軸回りに回動可能に連結された第2リンクと、
一端が前記第1リンクまたは前記第2リンクの他端側に前記消火栓扉の回動軸と平行な軸回りに回動可能に連結され、他端が前記筐体内部の構造物における前記一端よりも上方にある部位に、前記消火栓扉の回動軸と平行な軸回りに回動可能に連結されたシリンダーダンパーと、を備えてなることを特徴とするものである。
前記消火栓扉が閉じた状態において、前記第1リンクの軸線の向きが前記消火栓扉の回動軸よりも筐体外側方向に設定され、かつ前記第2リンクにおける他端の回動支点が、前記第2リンクの一端側の回動支点と前記シリンダーダンパーの他端の回動支点を結ぶ直線よりも筐体外側に配置されていることを特徴とするものである。
本実施の形態に係る消火栓装置1は、図1、図2に示すように、消火用ホース3を収納する筐体5と、筐体5の前面パネル7に設けられて消火用ホース3を引き出すための開口部9と、開口部9の下辺部を回動軸として下方に向けて大きく回動させて開放する消火栓扉11と、消火栓扉11の開放を緩慢にするダンパー機構13とを備えたものである。なお、本実施の形態の消火栓扉11は160°以上回動するものであるが、本発明の消火栓扉の回動角度はこれに限定されるものではなく、90°以上回動する消火栓扉であれば適用することができる。
以下、各構成を詳細に説明する。
筐体5は、図1、図2に示すように、矩形の箱状からなり、筐体5内には内巻きに巻き回された消火用ホース3を収納するホース収納部15が設けられ、またホース収納部15の右側に、メンテナンス弁等を有する配管系統17が設けられている。
ホース収納部15は、筐体5の内壁上面から内壁下面に至る対向する一対の側壁18によって区画された空間によって構成されている。
筐体5の前面パネル7には、消火用ホース3を引き出すための開口部9が設けられており、この開口部9に消火栓扉11が設けられている。
なお、筐体5内には、図1に示すように、ホース収納部15に隣接して消火器19を収納する消火器収納部21が設けられている。
消火栓扉11は板状の金属板から構成された横長の矩形状をしており、上述のように前面パネル7の開口部9に開閉可能に取り付けられている。
消火栓扉11は、下辺両端に回動軸(蝶番23)が設けられ、開口部9を閉鎖状態から、下辺を回動軸として開くことができ、全開状態では、図2に示すように、下辺の回動角度が160°以上(本例では略180°)となる。
また、消火栓扉11には、開放の際に操作する取っ手24と、取っ手24によって出没するラッチ26が設けられている。
ダンパー機構13は、第1リンク31と第2リンク33とシリンダーダンパーとしてのオイルダンパー35によって構成されている(図3参照)。なお、第1リンク31、第2リンク33の各回動支点(連結点)は消火栓扉11の回動軸と平行な軸回りに回動可能になっているが、以下の説明では、説明が冗長になるのを避けるために単に回動可能と表記する。
第2リンク33は、一端が筐体内部の構造物であるホース収納部15の側壁18に回動可能に連結され、他端が第1リンク31の他端側に回動可能に連結されている。
オイルダンパー35は、シリンダーロッド37の先端が第1リンク31及び第2リンク33の他端側に回動可能に連結され、他端が筐体5内部の構造物であるホース収納部15の側壁18であって、シリンダーロッド37の先端側よりも上方にある部位に回動可能に連結されている。
本体41内は、ピストン43により第1オイル室45と第2オイル室47とに画成されるが、ピストン43には、第1オイル室45と第2オイル室47とを連通するように第1オリフィス49及び、第1オリフィス49より大径の第2オリフィス51が形成されている。
さらに、フリーピストン55が、ピストン43と相対して第1オイル室45を画成するように本体41内を摺動するように配設されている。そして、付勢手段としての高圧ガス57がフリーピストン55の第1オイル室45と反対側に充填されている。
消火栓扉11を閉じた状態では、図3(a)に示すように、オイルダンパー35は縮退したシリンダーロッド37を下方に向けて、略垂直な状態で筐体5内に収納されている。このとき、第1リンク31と第2リンク33は、図3(a)に示すように、それぞれの一端側の高さ位置がほぼ同じ位置として、ハの字の姿勢になっている。
すなわち、オイルダンパー35は、消火栓扉11の閉止状態から全開状態に至るまで、シリンダーロッド37が開口部9から突出する方向に傾動する動きをして、全開状態ではシリンダーロッド37の先端が開口部9から最も突出した状態になる。
本発明の消火栓装置1のように、下辺を回動軸として下方に向けて開放する消火栓扉11を備えたものの場合、仮にオイルダンパー35が無ければ、消火栓扉11の開放時にラッチ(図示なし)を外して上辺側を少し前方に移動させると、消火栓扉11が自身の重みで勢いよく開放するため危険である。
オイルダンパー35は、このような消火栓扉11の開放時において、操作者が支持しなくても、消火栓扉11の開放動作を緩慢にして危険を防止するというものである。
この意味では、第1リンク31、第2リンク33、オイルダンパー35の配置関係を厳格に規定する必要がないとも言える。
そこで、本実施の形態では、このような動作を可能にしたダンパー機構13を有する消火栓装置1について説明する。
図5は、消火栓扉11が閉じた状態(図3(a))における第1リンク31、第2リンク33、オイルダンパー35の配置関係を示しており、aは消火栓扉11の回動支点、bは第1リンク31の一端側(消火栓扉11との連結端側)の回動支点、cは第1リンク31、第2リンク33の他端側及びオイルダンパー35のシリンダーロッド37の先端の回動支点、dは第2リンク33の一端側(ホース収納部15の側壁18側)の回動支点、eはオイルダンパー35の本体41の他端側(ホース収納部15の側壁18側)の回動支点、である。
この状態で、操作者がラッチ26を外して消火栓扉11の開放が可能な状態になると、シリンダーロッド37が伸長する方向に力が作用する。このとき、第1リンク31、第2リンク33、オイルダンパー35の配置関係が上述した関係(図5(a)(b)参照)にあると、シリンダーロッド37の伸長によって第1リンク31及び第2リンク33に作用する力の方向が、消火栓扉11を開放する方向と一致する。このため、消火栓扉11はラッチが外れると、高圧ガス57の作用によるロッドの伸長によって、操作者が開放操作をせずとも自動的に開放が開始し、それ以後は、オイルダンパー35の作用によって緩慢な開放動作となる。
もっとも、この場合には、操作者がラッチを外した後、扉を開放方向に誘導することで、消火栓扉11の開放を行うことはできる。
3 消火用ホース
5 筐体
7 前面パネル
9 開口部
11 消火栓扉
13 ダンパー機構
15 ホース収納部
17 配管系統
18 側壁
19 消火器
21 消火器収納部
23 蝶番
24 取っ手
25 消火ノズル
26 ラッチ
27 ノズル固定部
29 操作レバー
31 第1リンク
33 第2リンク
35 オイルダンパー
37 シリンダーロッド
39 オイル
41 本体
43 ピストン
45 第1オイル室
47 第2オイル室
49 第1オリフィス
51 第2オリフィス
53 逆止弁
55 フリーピストン
57 高圧ガス
Claims (2)
- 消火用ホースを収納する筐体と、該筐体の前面パネルに設けられて前記消火用ホースを引き出すための開口部と、該開口部の下辺部を回動軸として下方に向けて回動させて開放する消火栓扉と、該消火栓扉の開放を緩慢にするダンパー機構とを備えた消火栓装置であって、
前記ダンパー機構は、
一端が前記消火栓扉の裏面に、前記消火栓扉の回動軸と平行な軸回りに回動可能に連結された第1リンクと、
一端が前記筐体内部の構造物に、前記消火栓扉の回動軸と平行な軸回りに回動可能に連結され、他端が前記第1リンクの他端側に前記消火栓扉の回動軸と平行な軸回りに回動可能に連結された第2リンクと、
一端が前記第1リンクまたは前記第2リンクの他端側に前記消火栓扉の回動軸と平行な軸回りに回動可能に連結され、他端が前記筐体内部の構造物における前記一端よりも上方にある部位に、前記消火栓扉の回動軸と平行な軸回りに回動可能に連結されたシリンダーダンパーと、を備えてなることを特徴とする消火栓装置。 - 前記シリンダーダンパーは、シリンダーロッドが縮んだときに該シリンダーロッドを伸長する方向に付勢する付勢手段を有し、
前記消火栓扉が閉じた状態において、前記第1リンクの軸線の向きが前記消火栓扉の回動軸よりも筐体外側方向に設定され、かつ前記第2リンクにおける他端の回動支点が、前記第2リンクの一端側の回動支点と前記シリンダーダンパーの他端の回動支点を結ぶ直線よりも筐体外側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の消火栓装置。
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