JP7190841B2 - SiCインゴットの製造方法及びSiCウェハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、SiC単結晶、SiCインゴットの製造方法及びSiCウェハの製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界が1桁大きく、バンドギャップが3倍大きい。また、炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて熱伝導率が3倍程度高い等の特性を有する。炭化珪素(SiC)は、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。
半導体等のデバイスには、SiCウェハ上にエピタキシャル膜を形成したSiCエピタキシャルウェハが用いられる。SiCウェハ上に化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)によって設けられたエピタキシャル膜が、SiC半導体デバイスの活性領域となる。
そのため、割れ等の破損が無く、欠陥の少ない、高品質なSiCウェハが求められている。なお、本明細書において、SiCエピタキシャルウェハはエピタキシャル膜を形成後のウェハを意味し、SiCウェハはエピタキシャル膜を形成前のウェハを意味する。
例えば、特許文献1には、ウェハの反り量及び結晶方位のズレ量を所定の範囲内にすることで、SiCウェハ上に形成されるエピタキシャル膜が良好となることが記載されている。
また特許文献2には、ウェハ面内の成長面方位のずれを所定の範囲内とすることで、良質なエピタキシャル薄膜が得られることが記載されている。
特開2011-219296号公報 特開2011-16721号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のように、所定の方向における格子ズレの程度を制御したのみでは、基底面転位(BPD)の発生を充分に抑制することができない場合があった。基底面転位(BPD)は、SiCウェハのキラー欠陥の一つであり、基底面において生じるすべりが発生の原因の一つであると考えられている欠陥である。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、基底面転位(BPD)の発生を抑制できるSiC単結晶を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の方向に沿って切断した切断面における原子配列面(格子面)の湾曲量の絶対値ではなく、複数の切断面における原子配列面(格子面)の湾曲量の相対値を小さくしたSiC単結晶を用いて結晶成長を行うと、結晶成長部分に基底面転位(BPD)の発生が抑制されることを見出した。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるSiC単結晶は、平面視中心を通り<1-100>方向に沿って切断した切断面における原子配列面の湾曲量と、平面視中心を通り前記<1-100>方向に垂直な<11-20>方向に沿って切断した切断面における原子配列面の湾曲量と、の差が60μm以下である。
(2)上記態様にかかるSiC単結晶において、平面視中心を通り[1-100]方向を基準に30°ずつ回した6辺に沿って切断したそれぞれの切断面における原子配列面の湾曲量の最大値と最小値の差が、60μm以下であってもよい。
(3)上記態様にかかるSiC単結晶において、任意の切断面において原子配列面が同一方向に湾曲していてもよい。
(4)上記態様にかかるSiC単結晶において、前記原子配列面の単位長さあたりの湾曲量の最大値と最小値の差が4μm/cm以下であってもよい。
(5)上記態様にかかるSiC単結晶において、平面視の直径が140mm以上であってもよい。
(6)第2の態様にかかるSiCインゴットの製造方法は、上記態様にかかるSiC単結晶を種結晶とし、前記種結晶上にSiC単結晶を結晶成長させる。
(7)第3の態様にかかるSiCウェハの製造方法は、上記態様にかかるSiCインゴットの製造方法で作製されたSiCインゴットをスライスする。
上記態様にかかるSiC単結晶を用いて結晶成長を行うと、結晶成長部内において基底面転位(BPD)の発生を抑制できる。
本実施形態にかかるSiC単結晶の一例を平面視した図である。 本実施形態にかかるSiC単結晶を平面視中央を通り、[1-100]方向に沿って切断した切断面の断面模式図である。 本実施形態にかかるSiC単結晶を平面視中央を通り、[11-20]方向に沿って切断した切断面の断面模式図である。 原子配列面の湾曲量の測定方法を具体的に説明するための図である。 原子配列面の湾曲量の測定方法を具体的に説明するための図である。 原子配列面の湾曲量の測定方法を具体的に説明するための図である。 原子配列面の湾曲量の測定方法を具体的に説明するための図である。 複数のXRDの測定点から原子配列面の曲率半径を求めた例を示す。 原子配列面の湾曲量の測定方法の別の例を具体的に説明するための図である。 原子配列面の湾曲量の測定方法の別の例を具体的に説明するための図である。 所定のSiC単結晶上に単結晶を結晶成長した際に、結晶成長部内に含まれるBPD密度の関係を示した図である。 本実施形態にかかるSiC単結晶の原子配列面を模式的に示した図である。 方向によって原子配列面の湾曲方向が異なるSiC単結晶の原子配列面を模式的に示した図である。 昇華法に用いられる製造装置の一例の模式図である。 実験例1に係るSiC種結晶において、複数のXRDの測定点から原子配列面の曲率半径を求めるための図である。 実験例1に係る成長後SiC単結晶において、複数のXRDの測定点から原子配列面の曲率半径を求めるための図である。 実験例2に係るSiC種結晶において、複数のXRDの測定点から原子配列面の曲率半径を求めるための図である。 実験例2に係る成長後SiC単結晶において、複数のXRDの測定点から原子配列面の曲率半径を求めるための図である。 実験例1に係るSiC種結晶の格子面の相対位置を測定した測定値を示した図である。 実験例1に係る成長後のSiC単結晶の格子面の相対位置を測定した測定値を示した図である。 実験例2に係るSiC種結晶の格子面の相対位置を測定した測定値を示した図である。 実験例2に係る成長後のSiC単結晶の格子面の相対位置を測定した測定値を示した図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材質、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「SiC単結晶」
図1は、本実施形態にかかるSiC単結晶の一例を平面視した図である。また図2は、本実施形態にかかるSiC単結晶を平面視中央を通り、[1-100]方向に沿って切断した切断面の断面模式図である。図2において上側が[000-1]方向、すなわち<0001>方向に垂直に切断をした時にカーボン面(C面、(000-1)面)が現れる方向である。さらに、図3は、本実施形態にかかるSiC単結晶を平面視中央を通り、図2に示す[1-100]と直交する[11-20]方向に沿って切断した切断面の断面模式図である。図3においても上側が[000-1]方向、すなわち<0001>方向に垂直に切断をした時にカーボン面(C面、(000-1)面)が現れる方向である。図2と図3では、<000-1>方向と、その<1-100>と直交する<11-20>方向とを代表する方向として、それぞれ[1-100]方向と[11-20]方向とを選んで図示した。また以下の説明においても、[1-100]方向と[11-20]方向とを用いて説明する。
結晶方位及び面は、ミラー指数として以下の括弧を用いて表記される。()と{}は面を表す時に用いられる。()は特定の面を表現する際に用いられ、{}は結晶の対称性による等価な面の総称(集合面)を表現する際に用いられる。一方で、<>と[]は方向を表す特に用いられる。[]は特定の方向を表現する際に用いられ、<>は結晶の対称性による等価な方向を表現する際に用いられる。
SiC単結晶1は、複数の原子Aが整列してなる単結晶である。そのため図2及び図3に示すように、SiC単結晶の切断面をミクロに見ると、複数の原子Aが配列した原子配列面2が形成されている。切断面における原子配列面2は、切断面に沿って配列する原子Aを繋いで得られる切断方向と略平行な方向に延在する線として表記される。
切断面における原子配列面2の形状は、SiC単結晶1の最表面の形状によらず、凸形状、凹形状となっている場合がある。SiC単結晶1の平面視中央における原子位置と、SiC単結晶1の端部における原子位置との差を湾曲量とすると、原子配列面2の形状が中央部に向かって窪んだ凹形状の場合、湾曲量は正の値をとる。これに対し、原子配列面2の形状が中央部に向かって突出した凸形状の場合、湾曲量は負の値をとる。湾曲量は、図2及び図3に示すように切断面(測定方向)によって異なることが多い。
原子配列面2の湾曲量はX線回折(XRD)により測定する。測定する面は測定する方向に応じて決定される。測定方向を[hkil]とすると、測定面は(mh mk mi n)の関係を満たす必要がある。ここで、mは0以上の整数であり、nは自然数である。例えば、[11-20]方向に測定する場合は、m=0、n=4として(0004)面、m=2、n=16として(22-416)面等が選択される。一方で、[11-20]方向に測定する場合は、m=0、n=4として(0004)面、m=3、n=16として(3-3016)面等が選択される。すなわち測定面は、測定方向によって異なる面であってもよく、原子配列面は必ずしも同じ面とはならなくてもよい。上記関係を満たすことで、結晶成長時に及ぼす影響の少ないa面又はm面方向の格子湾曲をc面方向の格子湾曲と誤認することを防ぐことができる。また測定はC面、Si面のいずれの面を選択してもよいが、一つのサンプルにおいて測定方向は変更しない。
X線回折データは、所定の方向に沿って中心、端部、中心と端部との中点の5点において取得する。原子配列面2が湾曲している場合、X線の回折方向が変わるため、中心とそれ以外の部分とで出力されるX線回折像のピークのω角の位置が変動する。この回折ピークの位置変動から原子配列面2の曲率半径を求めることができ、湾曲量を求めることができる。
(原子配列面の湾曲量の測定方法の具体的な説明)
ここで、SiC単結晶(インゴット)をスライスしたウェハ20の外周端部分のXRDの測定値から原子配列面の湾曲の大きさを測定する方法について具体的に説明する。
図4に平面視中心を通り原子配列面の測定の方向、例えば[1-100]方向に沿って切断した切断面を模式的に示す。ウェハ20の半径をrとすると、断面の横方向の長さは2rとなる。また図4にウェハ20における原子配列面22の形状も図示している。図4に示すように、ウェハ20自体の形状は平坦であるが、原子配列面22は湾曲している場合がある。図4に示す原子配列面22は左右対称であり、凹型に湾曲している。この対称性は、インゴットの製造条件が通常中心に対して対称性があることに起因する。なお、この対称性とは、完全対称である必要はなく、製造条件の揺らぎ等に起因したブレを容認する近似としての対称性を意味する。
次いで、図5に示すように、XRDをウェハ20の両外周端部に対して行い、測定した2点間のX線回折ピーク角度の差Δθを求める。このΔθが測定した2点の原子配列面22の傾きの差になっている。X線回折測定に用いる回折面は、上述のように切断面にあわせて適切な面を選択する。
次に、図6に示すように、得られたΔθから湾曲した原子配列面22の曲率半径を求める。図6には、ウェハ20の原子配列面22の曲面が円の一部であると仮定して、測定した2箇所の原子配列面に接する円Cを示している。図6から幾何学的に、接点を両端とする円弧を含む扇型の中心角φは、測定したX線回折ピーク角度の差Δθと等しくなる。原子配列面22の曲率半径は、当該円弧の半径Rに対応する。円弧の半径Rは以下の関係式で求められる。
Figure 0007190841000001
そして、この円弧の半径Rとウェハ20の半径rとから、原子配列面22の湾曲量dが求められる。図7に示すように、原子配列面22の湾曲量dは、円弧の中心からウェハ20に下した垂線の距離を、円弧の半径から引いたものに対応する。円弧の中心からウェハ20に下した垂線の距離は、三平方の定理から算出され、以下の式が成り立つ。なお、本明細書では曲率半径が正(凹面)の場合の湾曲量dを正の値とし、負(凸面)の場合の湾曲量dを負の値と定義する。
Figure 0007190841000002
上述のように、XRDのウェハ20の両外側端部の測定値だけからRを測定することもできる。一方で、この場合、測定箇所に局所的な歪等が存在した場合、形状を見誤る可能性もある。その為、複数箇所でX線回折ピーク角度の測定を行って、単位長さ辺りの曲率を以下の式から換算する。
Figure 0007190841000003
図8に、複数のXRDの測定点から原子配列面の曲率半径を求めた例を示す。図8の横軸はウェハ中心からの相対位置であり、縦軸はウェハ中心回折ピーク角に対する各測定点の相対的な回折ピーク角度を示す。図8は、ウェハの[1-100]方向を測定し、測定面を(3-3016)とした例である。測定箇所は5カ所で行った。5点はほぼ直線に並んでおり、この傾きから、dθ/dr=8.69×10-4deg/mmが求められる。この結果を上式に適用することでR=66mの凹面であることが計算できる。そして、このRとウェハの半径r(75mm)から、原子配列面の湾曲量dが42.6μmと求まる。
ここまで原子配列面の形状が凹面である例で説明したが、凸面の場合も同様に求められる。凸面の場合は、Rはマイナスとして算出される。
(原子配列面の湾曲量の別の測定方法の説明)
原子配列面の湾曲量は、別の方法で求めてもよい。図9に平面視中心を通り原子配列面の測定の方向、例えば[1-100]方向に沿って切断した切断面を模式的に示す。図9では、格子配列面22の形状が凹状に湾曲している場合を例に説明する。
図9に示すように、ウェハ20の中心とウェハ20の中心から距離xだけ離れた場所の2箇所で、X線回折の回折ピークを測定する。インゴットの製造条件の対称性からウェハ20の形状は、近似として左右対称とすることができ、原子配列面22はウェハ20の中央部で平坦になると仮定できる。そのため、図10に示すように測定した2点における原子配列面22の傾きの差をΔθとすると、原子配列面22の相対的な位置yは以下の式で表記できる。
Figure 0007190841000004
中心からの距離xの位置を変えて複数箇所の測定をすることで、それぞれの点でウェハ中心と測定点とにおける原子配列面22の相対的な原子位置を求めることができる。
この方法は、それぞれの測定箇所で原子配列面における原子の相対位置が求められる。そのため、ウェハ20全体において原子配列面22の相対的な原子位置をグラフとして示すことができ、原子配列面22のならびを感覚的に把握するために有益である。
一方で、それぞれの点における測定は、それぞれ1か所での測定値に基づくものであるため、回折条件によっては部分的に測定しにくい位置(特にウェハの一方の端部近く)が生じる場合があり、また結晶性が悪い部分があると誤差を含みやすい場合がある。その為、現状の測定技術では、この方法は原子配列面22の反りの大きさを測定する方法として用いるよりも、原子配列面の並びを感覚的に把握するための参考値を得る際に用いることが好ましい。
本実施形態にかかるSiC単結晶1は、平面視中心を通り<1-100>方向に沿って切断した切断面における原子配列面2の湾曲量d1と、平面視中心を通り<1-100>方向と垂直な<11-20>方向に沿って切断した切断面における原子配列面2の湾曲量d2と、の差が60μm以下である。湾曲量d1と湾曲量d2との差は、40μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
図11は、所定のSiC単結晶上に単結晶を結晶成長した際に、結晶成長部内に含まれるBPD密度の関係を示した図である。図11(a)は、平面視中心を通り[1-100]方向に沿って切断した切断面における原子配列面2の湾曲量d1の絶対値と、結晶成長部内に含まれるBPD密度との関係を示した図である。図11(b)は、平面視中心を通り[11-20]方向に沿って切断した切断面における原子配列面2の湾曲量d2の絶対値と、結晶成長部内に含まれるBPDの密度との関係を示した図である。図11(c)は湾曲量d1と湾曲量d2の相対値と、結晶成長部内に含まれるBPDの密度を示した図である。
図11に示すSiC単結晶は、昇華法により作製され、直径は16cmであった。種結晶上には、SiC単結晶を約20mm結晶成長させた。BPD密度は、KOHエッチングを用いて求めた。
図11(a)及び図11(b)に示すように、湾曲量d1、d2とBPDとの間には相関が確認されない。そのため、湾曲量d1、d2の絶対値が小さいSiC単結晶を用いた場合に、BPDの発生頻度が必ず低下するわけではない。すなわち湾曲量d1、d2の絶対値は、BPDの密度の指標としては十分に機能していない。
これに対し図11(c)に示すように、湾曲量d1と湾曲量d2の相対値と、BPDとの間には相関がみられる。湾曲量d1と湾曲量d2の相対値が大きくなると、BPDの発生頻度が高まる傾向にある。換言すると、湾曲量d1と湾曲量d2との差が所定の範囲内であるSiC単結晶を用いると、BPDの密度を低減できる。
ここで湾曲量d1と湾曲量d2との差が小さいということは、複数の切断面における原子配列面2の形状が類似していることを意味する。例えば、図12に示すように[1-100]方向に沿って切断した切断面における原子配列面2及び[11-20]方向に沿って切断した切断面における原子配列面2のいずれも凹形状の場合は、湾曲量d1及び湾曲量d2のいずれも正の値となる。すなわち例えば、湾曲量d1をα、湾曲量d2をβとすると、これらの差分はα-βとなる。
これに対し例えば、図13に示すように[11-20]方向に沿って切断した切断面における原子配列面2が凹形状であり、[1-100]方向に沿って切断した切断面における原子配列面2が凸形状の場合は、湾曲量d1は正の値、湾曲量d2は負の値をとる。そのため例えば、湾曲量d1をα、湾曲量d2を-βとすると、これらの差分はα+βとなる。
湾曲量d1と湾曲量d2の正負が異なると、これらの間の差分は相対的に大きくなる。そのため、湾曲量d1と湾曲量d2の正負は同じであることが好ましい。すなわち、[1-100]方向に沿って切断した切断面における原子配列面2と、[11-20]方向に沿って切断した切断面における原子配列面2とは、同一方向に湾曲していることが好ましい。
また原子配列面2の形状をより類似させるためには、2方向における切断面だけでなくより複数の切断面における原子配列面2の形状を類似させることが好ましい。SiC単結晶1の結晶構造は六方晶である。そのため、中心に対して対称な6方向に沿って切断した切断面における湾曲量の相対値が所定の値内であれば、原子配列面2の形状はより類似する。
具体的には、平面視中心を通り[1-100]方向を基準に30°ずつ回した6辺に沿って切断したそれぞれの切断面における原子配列面2の湾曲量の最大値と最小値の差を60μm以下とすることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく20μm以下であることがさらに好ましい。またこれらの切断面における原子配列面2の形状は同一方向に湾曲していることが好ましい。
また原子配列面2の湾曲量の最大値と最小値の差は、任意の切断面同士の間でも60μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。また任意の切断面における原子配列面2は、同一方向に湾曲していることが好ましい。
また特定の原子配列面2の湾曲量の絶対値とBPD密度とは、上述のように直接的な相関は見られないが、相対値の値を小さくする観点から原子配列面2の湾曲量の絶対値も小さい方が好ましい。具体的には、原子配列面2の単位長さあたりの湾曲量の最大値と最小値の差が4μm/cm以下であることが好ましい。ここで、「単位長さあたりの湾曲量」とは、湾曲量をSiC単結晶の直径で割った値を意味する。
またSiC単結晶1の平面視の直径は140mm以上であることが好ましく、150mm以上であることがさらに好ましい。
SiC単結晶1のサイズが大きくなると、中央部と端部とで結晶成長の条件に違いが生じ、適切な結晶を成長させる難易度は高くなる。例えば、4インチのSiC単結晶1と、6インチのSiC単結晶1とは、単に相似形で形状が大きくなっただけではなく、結晶成長の難易度は格段に高まる。換言すると、SiC単結晶1のサイズが大きくなればなるほど、BPDの発生しにくい状態から結晶成長を始めることが求められる。すなわち、平面視の直径が大きいSiC単結晶1ほど、所定の条件を満たすことにより、BPDを抑制する価値が高まる。
またSiC単結晶1の厚みは、500μm以上であることが好ましい。SiC単結晶1の厚みが500μm以上であれば、SiC単結晶1自体の反りを抑制できる。SiC単結晶1自体が反ると、原子配列面2の湾曲量を正確に見積もることが難しくなる。SiC単結晶1の反り量としては、任意の方向に5μm以下であることが好ましい。ここでSiC単結晶1の反り量とは、平坦面にSiC単結晶1を載置した際に、SiC単結晶1の平坦面側の載置面から平坦面に向けて下した垂線の距離の最大値を指す。
上述のように、本実施形態にかかるSiC単結晶を用いて結晶成長を行うと、結晶成長部分に基底面転位(BPD)の発生を抑制できる。
「SiC単結晶、SiCインゴット及びSiCウェハの製造方法」
SiC単結晶の製造方法の一つとして、昇華法が知られている。昇華法は、原料を加熱することによって生じた原料ガスを単結晶(種結晶)上で再結晶化し、大きな単結晶(インゴット)を得る方法である。
図14は、昇華法に用いられる製造装置の一例の模式図である。製造装置100は、坩堝10とコイル20とを有する。坩堝10とコイル20との間には、コイル20の誘導加熱により発熱する発熱体(図視略)を有してもよい。
坩堝10は、原料Gと対向する位置に設けられた結晶設置部11を有する。坩堝10は、内部に結晶設置部11から原料Gに向けて拡径するテーパーガイド12を有してもよい。図14では、理解を容易にするために、原料G、種結晶5及び種結晶から成長したSiCインゴット6を同時に図示している。
コイル20に交流電流を印加すると、坩堝10が加熱され、原料Gから原料ガスが生じる。発生した原料ガスは、テーパーガイド12に沿って結晶設置部11に設置された種結晶5に供給される。種結晶5に原料ガスが供給されることで、種結晶5の主面にSiCインゴット6が結晶成長する。種結晶5の結晶成長面は、カーボン面、又は、カーボン面から10°以下のオフ角を設けた面とすることが好ましい。
種結晶5は、本実施形態にかかるSiC単結晶1に対応する。種結晶5は、既に作製されたSiCインゴットの一部を切り出して用いる。そのため種結晶5は、既に作製されたSiCインゴットの中から所定の条件に合うものを選択することができる。
そこで種結晶5として、平面視中心を通り[1-100]方向に沿って切断した切断面における原子配列面の湾曲量と、平面視中心を通り[11-20]方向に沿って切断した切断面における原子配列面の湾曲量と、の差が60μm以下のSiCインゴットから切り出したものを用いる。
種結晶5から成長するSiCインゴット6は、種結晶5の結晶情報の多くを引き継ぐ。そのため格子湾曲の異方性が小さい種結晶5を選択することで、種結晶5から結晶成長したSiCインゴット6の格子湾曲の異方性も小さく抑えることができる。
種結晶5上に成長するSiC単結晶の原子配列面の湾曲量を60μm以下とするためには、原子配列面の湾曲量が60μm以下の種結晶5を選択することができ、40μm以下の種結晶を選択することが好ましく、20μm以下の種結晶を選択することがより好ましい。原子配列面の湾曲量が60μmよりも一定量以上小さい種結晶を用いると、より確実に湾曲量が60μm以下のSiC単結晶を得ることができる。
また種結晶5は、RAF法(repeated a-face method)法で作製したシードを用いることが好ましい。RAF法とは、a面成長を少なくとも1回以上行った後に、c面成長を行うという方法である。RAF法を用いると、螺旋転位、積層欠陥及びBPDの少ないSiC単結晶を作製できる。これはa面成長を行った後のSiC単結晶が有する螺旋転位、積層欠陥及びBPDは、c面成長した後のSiC単結晶に引き継がれないためである。
また種結晶5の厚みは1mm以上とすることが好ましく、2mm以上とすることがより好ましい。種結晶5の厚みが厚ければ、種結晶5自体が湾曲することを避けることができる。種結晶5が湾曲すると、種結晶5上に成長するSiCインゴット6は、種結晶5自体の湾曲及び種結晶5内の原子配列面2の湾曲の影響を受ける。すなわち、種結晶5の原子配列面2が所定の湾曲面を有していても、その湾曲面がSiCインゴット6に引き継がれなくなる場合がある。
次いで、準備した種結晶5を結晶設置部11に接着剤等を用いて固定する。接着剤は、接着剤の表面形状に異方性が少ないものを用いることが好ましく、貼り付け前後で種結晶5を特定の方向に変形させないものが好ましい。接着剤が異方性を有すると、結晶成長後の冷却時に接着剤の異方性の影響により成長後のSiCインゴット6内に応力が加わり、原子配列面が変形する場合がある。
そして、坩堝10を加熱し、原料Gを昇華させる。周方向の異方性が生じないように、結晶設置部11を原料Gに対して相対的に周方向に回転させることが好ましい。回転速度は、0.1rpm以上とすることが好ましい。また成長時の成長面における温度変化は少なくすることが好ましい。成長面の温度変化を小さくすることで、種結晶5の原子配列面2の形状がSiCインゴット6に引き継がれる。
上述のように、種結晶5の原子配列面2は所定の条件を満たすため、SiCインゴット6内におけるBPDの発生は抑制される。そのため、BPD密度の少ない良質なSiCインゴット6を得ることができる。また得られたSiCインゴット6の原子配列面2も所定の条件を満たすため、一部を切り出し、再度、種結晶5として用いることができる。
最後に得られたSiCインゴット6をスライスしてSiCウェハを作製する。切断する方向は、<0001>に垂直または0~10°のオフ角をつけた方向に切断し、C面に平行、またはC面から0~10°オフ角をつけた面をもつウェハを作製する。ウェハの表面加工は、(0001)面側すなわちSi面側に鏡面加工を施してもよい。Si面は、通常エピタキシャル成長を行う面である。SiCインゴット6はBPDが少ないため、BPDの少ないSiCウェハを得ることができる。キラー欠陥であるBPDが少ないSiCウェハを用いることで、高品質なSiCエピタキシャルウェハを得ることができ、SiCデバイスの歩留りを高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
(実験例1)
実験例1では、<1-100>方向(具体的には[1-100]方向)に沿った切断面における原子配列面と、その<1-100>に直交する<11-20>方向(具体的には[11-20]方向)に沿って切断した原子配列面と、が同一方向に湾曲した4H-SiC単結晶からなる種結晶を準備した。種結晶の直径は16cmとした。
この種結晶について、複数のXRDの測定点から原子配列面の曲率半径を求めた。X線回折測定の[1-100]方向及び[11-20]方向の測定結果をそれぞれ図15に示す。図15の横軸は種結晶の中心からの相対位置であり、縦軸は種結晶の中心回折ピーク角に対する各測定点の相対的な回折ピーク角度を示す。このX線回折測定結果から[1-100]方向においては曲率半径205m、湾曲量13.7μmの凹面、[11-20]方向においては曲率半径556m、湾曲量5.1μmの凹面と計算された。すなわち湾曲量はいずれの方向も正の値で、原子配列面2が中央部に向かって窪んだ凹形状であった。二つの測定方向における原子配列面2の湾曲量の差分は、8.6μmであった。
この種結晶を原子配列面が積層面に対して凹形状となるように、原料と対向する位置に設置した。そして坩堝を加熱し、原料を昇華させ、種結晶の積層面にSiC単結晶を約20mm結晶成長させ、SiCインゴットを得た。
SiCインゴットからウェハを作製し、BPD密度をKOHエッチングにより求めたところ、BPD密度は350個/cm-2であった。また得られたSiCインゴットから作製したウェハについて、[1-100]方向に沿って切断した切断面における原子配列面と[11-20]方向に沿って切断した切断面における原子配列面の形状及び湾曲量をSiC種結晶と同じ方法によりX線回折(XRD)で確認した。
このウェハについて、複数のXRDの測定点から原子配列面の曲率半径を求めた。X線回折測定の[1-100]方向及び[11-20]方向の測定結果を図16に示す。図16に示すように、得られたウェハ(SiCインゴット)は、種結晶と同様にいずれも同一方向に湾曲していた。[1-100]方向においては曲率半径180m、湾曲量15.6μmの凹面、[11-20]方向においては曲率半径1380m、湾曲量2.0μmの凹面と計算された。すなわち湾曲量はいずれの方向も正の値で、原子配列面2が中央部に向かって窪んだ凹形状であった。また二つの測定方向における原子配列面2の湾曲量の差分は、13.6μmであった。
上述のように、原子配列面が中央部に向かって窪んだ凹形状の種結晶を用いることにより、原子配列面が中央部に向かって窪んだ凹形状のSiCインゴット及びウェハが作製された。
また、実験例1の結晶について、別の測定法を用いて原子面配列を測定した。この別の方法とは、上述の(原子配列面の湾曲量の別の測定方法の説明)において説明した方法である。当該方法を用いて、実施例1と同じ種結晶とその種結晶から得られたウェハ(SiCインゴット)について[1-100]方向及び[11-20]方向における原子配列面の形状を測定した。その結果をそれぞれ、図19と図20に示す。得られたSiCインゴットは、種結晶と同様にいずれも同一方向に湾曲し、何れの湾曲量の差分が60μm以下であることが確認できた。
(実験例2)
実験例2では、<1-100>方向(具体的には[1-100]方向)に沿った切断面における原子配列面と、その<1-100>に直交する<11-20>方向(具体的には[11-20]方向)に沿って切断した原子配列面と、が異なる方向に湾曲した4H-SiC単結晶からなる種結晶を準備した。種結晶の直径は16cmとした。
この種結晶について、複数のXRDの測定点から原子配列面の曲率半径を求めた。X線回折測定の[1-100]方向及び[11-20]方向の測定結果をそれぞれ図17に示す。このX線回折測定の結果から[1-100]方向においては曲率半径-150m、湾曲量-18.8μmの凸面、[11-20]方向においては曲率半径64m、湾曲量43.9μmの凹面と計算された。すなわち湾曲量が[1-100]方向においては負、[11-20]方向においては正と異なっており、原子配列面2が一方の切断面では凸形状、異なる切断面では凹形状のポテトチップス型(鞍型)の形状であった。二つの測定方向における原子配列面2の湾曲量の差分は、62.7μmであった。
そして、実験例1と同様に、実験例2の種結晶の積層面にSiC単結晶を約20mm結晶成長させ、SiCインゴットを得た。
得られたSiCインゴット内のBPD密度は6020個/cm-2と大きな値であった。また得られたSiCインゴットから作製したウェハについて、[1-100]方向及び[11-20]方向における原子配列面の形状を種結晶と同じ方法によりX線回折(XRD)で確認した。このSiCインゴットについて、複数のXRDの測定点から原子配列面の曲率半径を求めた。X線回折測定の[1-100]方向及び[11-20]方向の測定結果をその結果を図18に示す。このX線回折測定結果から[1-100]方向においては曲率半径―169m、湾曲量―16.6μmの凸面、[11-20]方向においては曲率半径59m、湾曲量47.7μmの凹面と計算された。すなわち湾曲量が[1-100]方向においては負、[11-20]方向においては正と異なっており、原子配列面2が一方の切断面では凸形状、異なる切断面では凹形状のポテトチップス型(鞍型)の形状であった。また二つの測定方向における原子配列面2の湾曲量の差分は、64.3μmであった。
また、実験例2の結晶についても、実施例1と同様に、(原子配列面の湾曲量の別の測定方法の説明)において説明した方法で、実験例2と同じ種結晶及びその種結晶から得られたウェハについて[1-100]方向及び[11-20]方向における原子配列面の形状を測定した。その結果をそれぞれ、図21と図22に示す。得られたウェハ及びSiCインゴットは、種結晶と同様に[1-100]原子配列面と[11-20]原子配列面の形状が異なる方向に湾曲していることが確認できた。
上述のように実験例2は、原子配列面が一方の切断面では凸形状、異なる切断面では凹形状のポテトチップス型(鞍型)の種結晶を用いた。そのため、得られたSiCインゴットにおける原子配列面の形状もポテトチップス型(鞍型)となり、二つの測定方向における原子配列面2の湾曲量の差分は60μm未満にはならなかった。そして、得られたSiCインゴット内のBPD密度は6020個/cm2と多くなった。
ここで、実験例1と実験例2との結果は、どの程度のBPD密度であればSiC単結晶として良好であり、どの程度のBPD密度だとSiC単結晶として不良であるということを示すものではない。SiC単結晶において認められるBPD密度は、要望される水準によって異なる。すなわち、実験例1及び実験例2で示しているのは、格子面の反りの相対値とBPD密度とに相関関係があることを示している。
1…SiC単結晶、2…原子配列面、5…種結晶、6…SiCインゴット、10…坩堝、11…結晶設置部、12…テーパーガイド、20…コイル、100…製造装置、A…原子、G…原料

Claims (4)

  1. 平面視中心を通り<1-100>方向に沿って切断した切断面における原子配列面の湾曲量と、平面視中心を通り前記<1-100>方向に垂直な<11-20>方向に沿って切断した切断面における原子配列面の湾曲量と、の差が60μm以下である、SiC単結晶を選択する工程と、
    前記SiC単結晶を種結晶とし、前記種結晶のC面((000-1)面)またはC面から0~10°オフ角をつけた面にSiC単結晶を結晶成長させる工程と、
    を含む、SiCインゴットの製造方法。
  2. 前記SiC単結晶の前記原子配列面の単位長さあたりの湾曲量の最大値と最小値の差が4μm/cm以下である、請求項1に記載のSiCインゴットの製造方法。
  3. 前記SiC単結晶の平面視の直径が140mm以上である、請求項1又は2に記載のSiCインゴットの製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載のSiCインゴットの製造方法で作製されたSiCインゴットをスライスするSiCウェハの製造方法。
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