JP7189444B2 - ロック装置及び支持装置 - Google Patents

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Description

本発明はロック装置及び支持装置に関する。
特許文献1に従来のロック装置が開示されている。このロック装置は、基体と、基体に変位可能に支持された可動体との間に設けられている。可動体は、第1方向に変位して保持位置を通過可能、かつ第1方向とは逆向きの第2方向に変位して保持位置を通過可能である。ロック装置は、可動体を保持位置に保持するためのものである。
具体的には、基体は、建物等の出入り口を構成している。可動体は、その出入り口を開閉する両開きドアである。ロック装置は、基体に設けられたソレノイド式のロックピンをドアに設けられた嵌合凹部に嵌合させることによって、可動体を保持位置に保持するようになっている。
特開2007-211452号公報
しかし、上記従来のロック装置では、ロックピンが嵌合凹部に嵌合する際のこじれや、ロックピンと嵌合凹部とに作用する衝撃等により、可動体を保持位置に保持する保持性能が低下するおそれがある。そして、万が一、ロックピンの嵌合凹部に対する嵌合が不充分となる不具合が発生すると、ユーザがその不具合を認知し難く、可動体が突然、保持位置から第1方向に変位したり、第2方向に変位したりする可能性がある。このため、上記従来のロック装置では、可動体の保持性能の低下を抑制し、安全性を一層向上させることが求められている。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、可動体の保持性能の低下を抑制し、安全性を一層向上させることが可能なロック装置及び支持装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のロック装置は、基体と、前記基体に変位可能に支持され、第1方向に変位して保持位置を通過可能、かつ前記第1方向とは逆向きの第2方向に変位して前記保持位置を通過可能な可動体との間に設けられ、前記可動体を前記保持位置に保持するためのロック装置であって、
前記基体及び前記可動体の一方に固定されるストライカと、
前記基体及び前記可動体の他方に固定されるベース部材と、
第1軸心周りに揺動可能に前記ベース部材に支持され、外周縁からそれぞれ前記第1軸心の径内方向に凹むように形成された第1凹部及び第2凹部を有し、第1位置と、第2位置と、前記第1位置と前記第2位置との間に位置する中立位置とを揺動によって通過可能なラッチと、
前記ラッチを前記第1位置で固定する第1固定状態と、前記ラッチを前記第2位置で固定する第2固定状態と、前記ラッチの揺動を許容する解除状態とに切り替わるラッチ固定手段と、
前記ラッチを前記中立位置に向けて付勢する付勢部材とを備え、
前記ラッチが前記中立位置にある状態では、前記可動体が前記第1方向に変位するときに前記ストライカが前記第1凹部に進入可能、かつ、前記可動体が前記第2方向に変位するときに前記ストライカが前記第2凹部に進入可能であり、
前記第1凹部に進入した前記ストライカによって前記ラッチが前記中立位置から前記第1位置に揺動して前記ラッチ固定手段が前記解除状態から前記第1固定状態に切り替わることにより、前記第1凹部が前記ストライカを前記第1方向及び前記第2方向において当て止め、さらに、前記ラッチ固定手段が前記解除状態に切り替わることにより、前記ストライカが前記第1凹部から離脱可能となり、
前記第2凹部に進入した前記ストライカによって前記ラッチが前記中立位置から前記第2位置に揺動して前記ラッチ固定手段が前記解除状態から前記第2固定状態に切り替わることにより、前記第2凹部が前記ストライカを前記第1方向及び前記第2方向において当て止め、さらに、前記ラッチ固定手段が前記解除状態に切り替わることにより、前記ストライカが前記第2凹部から離脱可能となるように構成され、
前記ベース部材に設けられ、緩衝基部、第1緩衝部及び第2緩衝部を有する緩衝手段をさらに備え、
前記緩衝基部は、前記可動体が前記保持位置にあるときに前記ストライカに当接し、
前記第1緩衝部は、前記緩衝基部に隣接する位置に設けられ、前記可動体が前記保持位置から前記第1方向に変位するとき、及び前記可動体が前記保持位置に向かって前記第2方向に変位するときに、前記ストライカに当接し、
前記第2緩衝部は、前記緩衝基部に前記第1緩衝部とは反対側から隣接する位置に設けられ、前記可動体が前記保持位置から前記第2方向に変位するとき、及び前記可動体が前記保持位置に向かって前記第1方向に変位するときに、前記ストライカに当接し、
前記第1軸心方向に沿って見て、前記可動体が前記保持位置にあるときに前記緩衝基部が前記ストライカに当接する基点を規定し、前記第1軸心と前記基点とを通過する第1仮想線を規定し、前記ストライカの軌跡に沿って延びて前記基点を通過する第2仮想線を規定すると、
前記第1緩衝部は、前記基点から前記第1方向に沿って前記第2仮想線の一方に向かうにつれて、前記第1軸心に接近するように傾斜する部分を含み、
前記第2緩衝部は、前記基点から前記第2方向に沿って前記第2仮想線の他方に向かうにつれて、前記第1軸心から離間するように傾斜した後、前記第1軸心に接近するように傾斜する部分を含んでいることを特徴とする。
本発明のロック装置では、可動体が第1方向又は第2方向に変位するときに、揺動するラッチの第1凹部又は第2凹部が選択的にストライカを第1方向及び第2方向において当て止めて、可動体を保持位置に確実性高く保持する。この際、緩衝手段の緩衝基部、第1緩衝部及び第2緩衝部によって、ストライカがラッチの第1凹部又は第2凹部に進入する際の衝撃を弱めることができるので、異音の発生を抑制できる。また、可動体が保持位置にある状態で緩衝手段の緩衝基部がストライカに当接することによって、ストライカの第1方向及び第2方向のがたつきを抑制できる。これにより、このロック装置では、ラッチがこじれ難く、ラッチとストライカとに作用する衝撃にも高い耐久性を発揮できる。
また、このロック装置では、万が一、ラッチの第1凹部又は第2凹部によるストライカの保持が不充分となる不具合が発生する場合でも、山の無い下り傾斜形状である第1緩衝部によって、可動体が第1方向に変位することを許容する一方、山形状である第2緩衝部によって、可動体が第2方向に変位することを規制する。つまり、このロック装置では、上記の不具合が発生する場合でも、可動体が突然、保持位置から第1方向に変位したり、第2方向に変位したりするのではなく、第1方向のみに変位し、保持位置に保持されない。その結果、ラッチの第1凹部又は第2凹部によるストライカの保持が不充分となる不具合をユーザが安全性高く認知できる。
したがって、本発明のロック装置では、可動体の保持性能の低下を抑制し、安全性を一層向上させることができる。
緩衝基部、第1緩衝部及び第2緩衝部は、弾性変形可能な軟質材料製の一体形成品であることが望ましい。この場合、第2緩衝部の抵抗力を第1緩衝部の抵抗力よりも大きく設定することを容易に実現しつつ、緩衝手段の部品点数を削減できるので、製造コストを低廉化できる。
緩衝手段は、第1仮想線に沿って進退可能にベース部材に支持され、緩衝基部、第1緩衝部及び第2緩衝部が形成された変位部材と、ベース部材と変位部材との間に設けられ、緩衝基部が第1仮想線に沿って第1軸心の径外方向に変位するように変位部材を付勢する弾性部材と、を有していることが望ましい。この場合、変位部材と弾性部材との役割分担によって、緩衝手段がラッチとストライカとに作用する衝撃を好適に抑制できるとともに、第2緩衝部の抵抗力を第1緩衝部の抵抗力よりも大きく設定することを容易に実現できる。例えば、変位部材を金属や樹脂等の硬質の材料で構成したり、樹脂コーティングされた金属部材等、複数の硬質の材料の複合構成としたりすることで、変位部材がストライカとの当接によって摩耗や変形することを抑制できる。また、弾性部材がストライカと当接せず、ラッチとストライカとに作用する衝撃を直接受けないので、弾性部材の破損を抑制できる。その結果、このロック装置は、耐久性の向上を実現できる。
変位部材は、第1軸心と平行な第2軸心周りに揺動可能にベース部材に支持されていることが望ましい。そして、第1軸心方向に沿って見て、第2軸心は、第1仮想線に対して第2仮想線の他方に位置し、かつ、第2仮想線に対して第1軸心側に位置していることが望ましい。この場合、変位部材が揺動する構成によって、変位部材の簡素化を実現できる。また、この場合、第1軸心と第2軸心とを近づけて配置できるので、ロック装置の小型化及び軽量化を実現できる。
1つのロック装置が可動体における第1方向及び第2方向と略直交する幅方向の一端側に設けられ、別のロック装置が可動体における幅方向の他端側に設けられていることが望ましい。この場合、可動体における幅方向の両端に作用する一対のロック装置により、可動体が保持位置にあるとき、及び可動体が保持位置から第1方向又は第2方向に変位するときに、可動体の捩れを抑制できる。
本発明の支持装置は、基体と、
前記基体に変位可能に支持され、第1方向に変位して保持位置を通過可能、かつ前記第1方向とは逆向きの第2方向に変位して前記保持位置を通過可能な可動体と、
前記基体と前記可動体との間に設けられ、前記可動体を前記保持位置に保持するためのロック装置とを備えた支持装置であって、
前記ロック装置は、
前記基体及び前記可動体の一方に固定されるストライカと、
前記基体及び前記可動体の他方に固定されるベース部材と、
第1軸心周りに揺動可能に前記ベース部材に支持され、外周縁からそれぞれ前記第1軸心の径内方向に凹むように形成された第1凹部及び第2凹部を有し、第1位置と、第2位置と、前記第1位置と前記第2位置との間に位置する中立位置とを揺動によって通過可能なラッチと、
前記ラッチを前記第1位置で固定する第1固定状態と、前記ラッチを前記第2位置で固定する第2固定状態と、前記ラッチの揺動を許容する解除状態とに切り替わるラッチ固定手段と、
前記ラッチを前記中立位置に向けて付勢する付勢部材とを備え、
前記ラッチが前記中立位置にある状態では、前記可動体が前記第1方向に変位するときに前記ストライカが前記第1凹部に進入可能、かつ、前記可動体が前記第2方向に変位するときに前記ストライカが前記第2凹部に進入可能であり、
前記第1凹部に進入した前記ストライカによって前記ラッチが前記中立位置から前記第1位置に揺動して前記ラッチ固定手段が前記解除状態から前記第1固定状態に切り替わることにより、前記第1凹部が前記ストライカを前記第1方向及び前記第2方向において当て止め、さらに、前記ラッチ固定手段が前記解除状態に切り替わることにより、前記ストライカが前記第1凹部から離脱可能となり、
前記第2凹部に進入した前記ストライカによって前記ラッチが前記中立位置から前記第2位置に揺動して前記ラッチ固定手段が前記解除状態から前記第2固定状態に切り替わることにより、前記第2凹部が前記ストライカを前記第1方向及び前記第2方向において当て止め、さらに、前記ラッチ固定手段が前記解除状態に切り替わることにより、前記ストライカが前記第2凹部から離脱可能となるように構成され、
前記ロック装置は、前記ベース部材に設けられ、緩衝基部、第1緩衝部及び第2緩衝部を有する緩衝手段をさらに備え、
前記緩衝基部は、前記可動体が前記保持位置にあるときに前記ストライカに当接し、
前記第1緩衝部は、前記緩衝基部に隣接する位置に設けられ、前記可動体が前記保持位置から前記第1方向に変位するとき、及び前記可動体が前記保持位置に向かって前記第2方向に変位するときに、前記ストライカに当接し、
前記第2緩衝部は、前記緩衝基部に前記第1緩衝部とは反対側から隣接する位置に設けられ、前記可動体が前記保持位置から前記第2方向に変位するとき、及び前記可動体が前記保持位置に向かって前記第1方向に変位するときに、前記ストライカに当接し、
前記第1軸心方向に沿って見て、前記可動体が前記保持位置にあるときに前記緩衝基部が前記ストライカに当接する基点を規定し、前記第1軸心と前記基点とを通過する第1仮想線を規定し、前記ストライカの軌跡に沿って延びて前記基点を通過する第2仮想線を規定すると、
前記第1緩衝部は、前記基点から前記第1方向に沿って前記第2仮想線の一方に向かうにつれて、前記第1軸心に接近するように傾斜する部分を含み、
前記第2緩衝部は、前記基点から前記第2方向に沿って前記第2仮想線の他方に向かうにつれて、前記第1軸心から離間するように傾斜した後、前記第1軸心に接近するように傾斜する部分を含んでいることを特徴とする。
本発明の支持装置では、上述したロック装置の作用効果により、可動体の保持性能の低下を抑制し、安全性を一層向上させることができる。
本発明のロック装置及び支持装置によれば、可動体の保持性能の低下を抑制し、安全性を一層向上させることができる。
図1は、実施例1のロック装置が適用される支持装置の模式側面図である。 図2は、実施例1のロック装置が適用される支持装置の模式正面図である。 図3は、実施例1のロック装置の斜視図であって、可動体を保持位置に保持する状態を示す図である。 図4は、実施例1のロック装置の部分斜視図であって、保持位置に保持された可動体と、緩衝手段との相対関係を説明する図である。 図5は、実施例1のロック装置の一部を分解して示す側面図である。 図6は、実施例1のロック装置に係り、前向きに変位するストライカが中立位置にあるラッチに接近する状態を示す側面図である。 図7は、図6と同様の側面図であって、第1凹部に進入したストライカによってラッチが第1位置に揺動してラッチ固定手段が第1固定状態に切り替わった状態を示す図である。 図8は、図6と同様の側面図であって、ラッチ固定手段が解除状態に切り替わることにより、ストライカが第1凹部から離脱する状態を示す図である。 図9は、図6と同様の側面図であって、後向きに変位するストライカが中立位置にあるラッチに接近する状態を示す側面図である。 図10は、図6と同様の側面図であって、第2凹部に進入したストライカによってラッチが第2位置に揺動してラッチ固定手段が第2固定状態に切り替わった状態を示す図である。 図11は、図6と同様の側面図であって、ラッチ固定手段が解除状態に切り替わることにより、ストライカが第2凹部から離脱する状態を示す図である。 図12は、実施例2のロック装置の斜視図であって、可動体を保持位置に保持する状態を示す図である。 図13は、実施例2のロック装置の部分斜視図であって、保持位置に保持された可動体と、緩衝手段との相対関係を説明する図である。 図14は、実施例2のロック装置に係り、バックプレートと、緩衝手段の変位部材及び弾性部材とを分解して示す側面図である。 図15は、実施例2のロック装置に係り、前向きに変位するストライカが中立位置にあるラッチと、緩衝手段の変位部材とに接近する状態を示す側面図である。 図16は、図15と同様の側面図であって、第1凹部に進入するストライカと、第1位置に向けて揺動する途中のラッチと、緩衝手段の変位部材との相対関係を説明する側面図である。 図17は、図15と同様の側面図であって、第1凹部に進入したストライカと、第1位置に揺動したラッチと、緩衝手段の変位部材との相対関係を説明する側面図である。 図18は、図15と同様の側面図であって、第1凹部から離脱するストライカと、第1位置から中立位置とは反対側に揺動したラッチと、緩衝手段の変位部材との相対関係を説明する側面図である。 図19は、図15と同様の側面図であって、後向きに変位するストライカが中立位置にあるラッチと、緩衝手段の変位部材とに接近する状態を示す側面図である。 図20は、図15と同様の側面図であって、第2凹部に進入したストライカと、第2位置に揺動したラッチと、緩衝手段の変位部材との相対関係を説明する側面図である。 図21は、図15と同様の側面図であって、第2凹部から離脱する途中のストライカと、第2位置から中立位置とは反対側に向けて揺動する途中のラッチと、緩衝手段の変位部材との相対関係を説明する側面図である。 図22は、図15と同様の側面図であって、第2凹部から離脱するストライカと、第2位置から中立位置とは反対側に揺動したラッチと、緩衝手段の変位部材との相対関係を説明する側面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例1のロック装置1は、本発明のロック装置の具体的態様の一例である。ロック装置1は、基体8、可動体5及び解除操作部6と共に、支持装置9に備えられている。支持装置9は、本発明の支持装置の具体的態様の一例である。
本実施例では、支持装置9は、家屋や工場設備等の屋内や屋外に設置される構造物に適用されている。基体8は、構造物の一部を構成しており、上面8A及び側面8Bを有している。上面8Aは、略水平に延びる平坦面である。側面8Bは、上面8Aの一端縁から下向きに略垂直に延びる平坦面である。
以下の説明では、基体8の側面8Bに対面する荷役作業者が見る先にある側、すなわち図1の紙面右側を前方と規定し、基体8の側面8Bに対面する状態で支持装置9を見たときに左に来る側、すなわち図1の紙面奥側を左方と規定する。そして、図2以降の各図に示す前後、左右及び上下の各方向は、全て図1に対応させて表示する。
<支持装置の全体構成>
図1及び図2に示すように、支持装置9において、基体8は、左右方向において互いに対向する第1壁81及び第2壁82を有している。第1壁81と第2壁82とは、基体8の上面8Aの後端縁に隣接する位置から上向きに突出し、かつ前後方向に延びている。
本実施例では、基体8の上面8A上において荷物の移送が行われる場合について説明する。第1壁81と第2壁82とは、荷物の搬出入を行うための荷役ゲート8Gを区画している。
可動体5は、略矩形平板部材である。可動体5の左右の側面には、軸心X5を中心とする一対の揺動軸5S、5Sが設けられている。軸心X5は、基体8の上面8Aの後端縁から前方かつ上方に若干ずれた位置で左右方向に延びている。両揺動軸5S、5Sは、左右方向において互いに離間するように突出する円柱軸である。左方の揺動軸5Sは、第1壁81の後方かつ下方の角部に揺動可能に支持されている。右方の揺動軸5Sは、第2壁82の後方かつ下方の角部に揺動可能に支持されている。こうして、可動体5は、基体8の第1壁81及び第2壁82によって、軸心X5周りに揺動可能に支持されている。
図1に実線で示す可動体5の位置P1は、保持位置である。可動体5は、保持位置P1にある状態で、軸心X5から略垂直に起立して荷役ゲート8Gを閉鎖する。図2~図4に示す可動体5の位置も、保持位置P1である。
図1に二点鎖線で示す可動体5の位置P2は、展開位置である。可動体5は、展開位置P2にある状態で、軸心X5から後向きに略水平に延びる。この状態で、可動体5は、荷役ゲート8Gを開放するとともに、基体8の側面8Bよりも後方に片持ち梁状に突出する。これにより、荷役ゲート8Gを経由して荷物を搬出入する際に、展開位置P2にある可動体5を利用して、その荷物を好適に移送できる。
図1に二点鎖線で示す可動体5の位置P3は、収容位置である。可動体5は、収容位置P3にある状態で、軸心X5から前向きに略水平に延びる。この状態で、可動体5は、荷役ゲート8Gを開放するとともに、基体8の上面8Aに重なる。これにより、荷役ゲート8Gを経由して荷物を搬出入する際に、収容位置P3にある可動体5がその荷物の移送の邪魔になり難い。
可動体5は、展開位置P2から前向きに揺動して保持位置P1を通過し、収容位置P3に到達することが可能となっている。また、可動体5は、収容位置P3から後向きに揺動して保持位置P1を通過し、展開位置P2に到達することが可能となっている。
図1及び図2に示すように、ロック装置1は、基体8の第1壁81における後方かつ上方の角部と、可動体5の左側面における軸心X5から遠い端部との間、及び基体8の第2壁82における後方かつ上方の角部と、可動体5の右側面における軸心X5から遠い端部との間に、1個ずつ設けられている。
解除操作部6は、基体8の側面8Bの上端縁側に配置されている。解除操作部6は、基体8の側面8Bから後向きに突出する操作レバー6Aを有している。解除操作部6は、伝達ケーブル6Cを介して左右のロック装置1、1に連結されている。
解除操作部6が操作されていない状態で、左右のロック装置1、1は、展開位置P2から前向きに揺動して保持位置P1に到達する可動体5を保持位置P1に保持するとともに、収容位置P3から後向きに揺動して保持位置P1に到達する可動体5を保持位置P1に保持するようになっている。ロック装置1の具体的構成については後で説明する。
荷役作業者によって解除操作部6の操作レバー6Aが操作されると、その操作が伝達ケーブル6Cを介して左右のロック装置1、1に伝達される。その結果、左右のロック装置1、1が可動体5を保持位置P1に保持しなくなるので、可動体5は、保持位置P1から展開位置P2又は収容位置P3に揺動可能となる。
こうして、支持装置9では、荷役作業者が作業内容に応じて解除操作部6を適宜操作して、可動体5を展開位置P2、保持位置P1又は収容位置P3に揺動させることで、作業を好適に実施可能となっている。
<ロック装置の具体的構成>
次に、ロック装置1の具体的構成について詳しく説明する。図3及び図4に示すように、左方のロック装置1と右方のロック装置1とは、構成部品が全て同じであって、構成部品のうちの緩衝手段40のみについて、他の構成部品に対する組み付け姿勢を左方のロック装置1と右方のロック装置1とで異なるように変更したものである。
左右のロック装置1、1が支持装置9に適用された状態において、右方のロック装置1における緩衝手段40を除く構成部品の姿勢は、左方のロック装置1における緩衝手段40を除く構成部品を反転させた姿勢と同じである。その一方、緩衝手段40の姿勢は、左方のロック装置1と右方のロック装置1とで同じである。
このため、以下の説明では、主に左方のロック装置1について説明を行い、右方のロック装置1の説明については適宜省略する。図面についても、図5以降の各図において左方のロック装置1を図示し、右方のロック装置1の図示は省略する。
左右のロック装置1、1において、可動体5が展開位置P2から揺動して保持位置P1を通過する前向きの方向は、本発明の「第1方向」の一例である。可動体5が収容位置P3から揺動して保持位置P1を通過する後向きの方向は、本発明の「第2方向」の一例である。
図2~図4に示すように、左右のロック装置1、1はそれぞれ、ストライカ4を備えている。ストライカ4は、鋼製丸棒が略U字形状に折り曲げ加工等されてなる。
左方のロック装置1のストライカ4は、可動体5の左側面における軸心X5から遠い端部に固定されている。右方のロック装置1のストライカ4は、可動体5の右側面における軸心X5から遠い端部に固定されている。
図3~図5に示すように、左右のロック装置1、1はそれぞれ、ベースプレート91、バックプレート92、ラッチ10、ラッチ固定手段20、捩じりコイルバネ19及び緩衝手段40を備えている。ベースプレート91及びバックプレート92は、本発明の「ベース部材」の一例である。捩じりコイルバネ19は、本発明の「付勢部材」の一例である。
ベースプレート91、バックプレート92、ラッチ10、ラッチ固定手段20、捩じりコイルバネ19及び緩衝手段40の形状等についての以下の説明では、前後方向及び左右方向について、左方のロック装置1を基準とする。
ベースプレート91及びバックプレート92はそれぞれ、肉厚の鋼板がプレス加工及び折り曲げ加工等されてなる。
図5に示すように、ベースプレート91には、2つの取付穴91Hが形成されている。前方の取付穴91Hは、ベースプレート91の前端部を左右方向に貫通している。後方の取付穴91Hは、ベースプレート91の後端部を左右方向に貫通している。
ベースプレート91の上端縁側、かつ前後方向の中間の位置には、ラッチ支持軸10Sの一端部が固定されている。ラッチ支持軸10Sは、左右方向に延びる第1軸心X10を中心とする円柱軸である。
ベースプレート91の下端縁側、かつ前後方向において前方の取付穴91Hに近い位置には、ラチェット支持軸30Sの一端部が固定されている。ラチェット支持軸30Sは、左右方向に延びる軸心X30を中心とする円柱軸である。
図3及び図5に示すように、バックプレート92には、2つの取付穴92Hが形成されている。前方の取付穴92Hは、バックプレート92の前端部を左右方向に貫通している。後方の取付穴92Hは、バックプレート92の後端部を左右方向に貫通している。
バックプレート92における前端部と後端部との間には、屈曲部93A、93B及び対向部93が形成されている。屈曲部93Aは、バックプレート92の後端部から右向きに屈曲している。屈曲部93Bは、バックプレート92の前端部から右向きに屈曲している。対向部93は、屈曲部93A、93Bのそれぞれの右端部に接続している。対向部93は、前後方向及び上下方向に延びる略平板形状である。
対向部93におけるラッチ支持軸10Sに対応する位置には、結合穴93Cが左右方向に貫通するように形成されている。対向部93におけるラチェット支持軸30Sに対応する位置には、結合穴93Dが左右方向に貫通するように形成されている。
図3に示すように、ラッチ支持軸10Sの他端部を結合穴93Cに挿入して加締め加工を行うとともに、ラチェット支持軸30Sの他端部を結合穴93Dに挿入して加締め加工を行う。これにより、ベースプレート91とバックプレート92とが結合される。この状態で、ベースプレート91及びバックプレート92のそれぞれの前後の端部が重なり、各取付穴91Hと各取付穴92Hとが一致する。また、この状態で、バックプレート92の対向部93は、ベースプレート91に対して離間する状態でベースプレート91と対向する。
左方のロック装置1のベースプレート91及びバックプレート92は、各取付穴91H、92Hに図示しない止めネジが挿入されて、その止めネジが第1壁81に捻じ込まれることによって、バックプレート92がベースプレート91に対して右方に位置する状態で、基体8の第1壁81に固定されている。
右方のロック装置1のベースプレート91及びバックプレート92も同様にして、バックプレート92がベースプレート91に対して左方に位置する状態で、基体8の第2壁82に固定されている。
図3及び図5に示すように、バックプレート92の対向部93には、バネ規制部99、台座94及びアウターチューブ保持部96が形成されている。
バネ規制部99は、対向部93の中央を貫通する略矩形状の開口93Hの上端縁から下向きに突出する小片が左向きに屈曲されてなる。バネ規制部99は、ラッチ支持軸10Sの真下に配置されている。
台座94は、対向部93の上端縁から上向きに突出する小片が左向きに屈曲され、さらに、その左向きに突出する部分の前後の端部が上向きに屈曲されてなる。台座94は、ラッチ支持軸10Sの真上に配置されている。
図6~図11では、バックプレート92の図示を省略しているため、バネ規制部99及び台座94も図示されていない。
図3及び図5に示すように、アウターチューブ保持部96は、対向部93の下端縁から下向きかつ前向きに傾斜するように突出している。アウターチューブ保持部96は、図3に示すブラケット96Aを一体に有している。アウターチューブ保持部96は、ブラケット96Aによって、伝達ケーブル6Cを進退可能に収容するアウターチューブ6Tの一端を保持している。
ラッチ10は肉厚の鋼板からなり、複数の切り欠きを有する略円盤形状である。ラッチ10は、ラッチ支持軸10Sに挿通されることにより、第1軸心X10周りに揺動可能にベースプレート91及びバックプレート92に支持されている。
図5に示すように、ラッチ10には、バネ当接部18が設けられている。バネ当接部18は、ラッチ10の右面から右向きに突出する角柱である。バネ当接部18は、第1軸心X10の径方向において、第1軸心X10とラッチ10の外周縁との中間の位置に配置されている。
捩じりコイルバネ19は、一端部19A、他端部19B及びコイル部19Cを有している。捩じりコイルバネ19は、コイル部19Cがラッチ支持軸10Sに挿通された状態で、ラッチ10とバックプレート92との間に配置されている。捩じりコイルバネ19の一端部19A及び他端部19Bは、コイル部19Cから下向きに突出している。
捩じりコイルバネ19の一端部19Aの中間部は、バネ当接部18に後から当接可能である。捩じりコイルバネ19の一端部19Aの下端は、バネ規制部99に後から当接可能である。
捩じりコイルバネ19の他端部19Bの中間部は、バネ当接部18に前から当接可能である。捩じりコイルバネ19の他端部19Bの下端は、バネ規制部99に前から当接可能である。
図5に示すラッチ10の位置は、中立位置である。図6及び図9に示すラッチ10の位置も、中立位置である。
図7に示すラッチ10の位置は、中立位置から図7の紙面の時計方向に揺動した位置であって、第1位置である。図8に示すラッチ10の位置は、第1位置から図8の紙面の時計方向に揺動した位置である。
図10に示すラッチ10の位置は、中立位置から図10の紙面の反時計方向に揺動した位置であって、第2位置である。図11に示すラッチ10の位置は、第2位置から図11の紙面の反時計方向に揺動した位置である。
つまり、ラッチ10は、第1位置と、第2位置と、第1位置と第2位置との間に位置する中立位置とを揺動によって通過可能である。
なお、右方のロック装置1では、図7の前後方向が逆向きとなり、図7に示すラッチ10の位置が第2位置となる。また、右方のロック装置1では、図10の前後方向が逆向きとなり、図10に示すラッチ10の位置が第1位置となる。
図3及び図4では、左方のロック装置1のラッチ10と、右方のロック装置1のラッチ10とが第2位置にある。
左方のロック装置1において、ラッチ10が図5等に示す中立位置にある状態では、バネ当接部18は、ラッチ支持軸10Sの真下、かつバネ規制部99の真上に位置している。捩じりコイルバネ19は、一端部19Aがバネ当接部18及びバネ規制部99に後から当接し、他端部19Bがバネ当接部18及びバネ規制部99に前から当接することにより、ラッチ10を中立位置に保持する。
図7及び図8に示すように、ラッチ10が中立位置から図7等の紙面の時計方向に揺動すると、バネ当接部18及び捩じりコイルバネ19の一端部19Aも、ラッチ10と共に揺動する。その一方、捩じりコイルバネ19の他端部19Bは、バネ規制部99に当接したまま変位しない。これにより、捩じりコイルバネ19は復元力を蓄えて、ラッチ10を図7等の紙面の反時計方向に、すなわち中立位置に向けて付勢する。
図10及び図11に示すように、ラッチ10が中立位置から図10等の紙面の反時計方向に揺動すると、バネ当接部18及び捩じりコイルバネ19の他端部19Bも、ラッチ10と共に揺動する。その一方、捩じりコイルバネ19の一端部19Aは、バネ規制部99に当接したまま変位しない。これにより、捩じりコイルバネ19は復元力を蓄えて、ラッチ10を図10等の紙面の時計方向に、すなわち中立位置に向けて付勢する。
図5に示すように、ラッチ10は、ラッチ凹部11、ラッチ凹部12、第1被嵌合部21及び第2被嵌合部22を有している。第1被嵌合部21及び第2被嵌合部22は、ラッチ固定手段20の一部を構成している。
左方のロック装置1では、ラッチ凹部11が本発明の「第1凹部」の一例であり、ラッチ凹部12が本発明の「第2凹部」の一例である。右方のロック装置1では、ラッチ凹部12が本発明の「第1凹部」の一例であり、ラッチ凹部11が本発明の「第2凹部」の一例である。
ラッチ凹部11、ラッチ凹部12、第1被嵌合部21及び第2被嵌合部22は、ラッチ10の外周縁からそれぞれ第1軸心X10の径内方向に凹むように形成されている。
第1被嵌合部21は、第1軸心X10を挟んでラッチ凹部11とは反対側に配置されている。第2被嵌合部22は、第1軸心X10を挟んでラッチ凹部12とは反対側に配置されている。
ラッチ凹部11及びラッチ凹部12は、第1軸心X10方向、すなわち左右方向に沿って見て、略U字形状に深く切り欠かれている。第1被嵌合部21及び第2被嵌合部22は、左右方向に沿って見て、略矩形状に浅く切り欠かれている。
左方のロック装置1では、ラッチ10が中立位置にある状態で、ラッチ凹部11がラッチ10の後方かつ上方の部分に配置され、ラッチ凹部12がラッチ10の前方かつ上方の部分に配置され、第1被嵌合部21がラッチ10の前方かつ下方の部分に配置され、第2被嵌合部22がラッチ10の後方かつ下方の部分に配置されている。
図示は省略するが、右方のロック装置1では、ラッチ10が中立位置にある状態で、ラッチ凹部11がラッチ10の前方かつ上方の部分に配置され、ラッチ凹部12がラッチ10の後方かつ上方の部分に配置され、第1被嵌合部21がラッチ10の後方かつ下方の部分に配置され、第2被嵌合部22がラッチ10の前方かつ下方の部分に配置されている。
ラッチ10の外周縁には、摺接面15が形成されている。摺接面15は、第1軸心X10を中心とする円弧であり、第1被嵌合部21から第2被嵌合部22まで延びている。
ラッチ10の外周縁には、さらに第1摺接面15A及び第2摺接面15Bが形成されている。第1摺接面15Aは、第1被嵌合部21からラッチ凹部12まで湾曲しながら延びている。第2摺接面15Bは、第2被嵌合部22からラッチ凹部11まで湾曲しながら延びている。
ラッチ固定手段20は、上述した第1被嵌合部21及び第2被嵌合部22と、ラチェット30及び捩じりコイルバネ39とを有している。ラッチ固定手段20は、以下に説明するように、図7に示す第1固定状態と、図10に示す第2固定状態と、図5、図6、図8、図9及び図11に示す解除状態とに切り替わることが可能である。
ラチェット30は、肉厚の鋼板からなる略レバー形状の部材である。ラチェット30は、ラチェット支持軸30Sに挿通されることにより、軸心X30周りに揺動可能にベースプレート91及びバックプレート92に支持されている。
ラチェット30におけるラチェット支持軸30Sよりも下方かつ前方に位置する部分には、バネ係止穴30Hが貫通するように形成されている。ラチェット30は、ラチェット支持軸30Sから後方に延びた後、下向きに屈曲しており、その下端部にケーブル係止部36が形成されている。ケーブル係止部36には、伝達ケーブル6Cの一端が係止されている。
ラチェット30は、嵌合凸部31を有している。嵌合凸部31は、ラチェット30におけるラチェット支持軸30Sよりも後方、かつケーブル係止部36よりも上方に位置する部分からラッチ10の外周縁に向かって上向きに突出するように形成されている。嵌合凸部31は、左右方向に沿って見て、第1被嵌合部21及び第2被嵌合部22に整合する略矩形状である。
捩じりコイルバネ39は、一端部39A、他端部39B及びコイル部39Cを有している。捩じりコイルバネ39は、コイル部39Cがラチェット支持軸30Sに挿通された状態で、ラチェット30とバックプレート92との間に配置されている。捩じりコイルバネ39の一端部39A及び他端部39Bは、コイル部39Cから下向きかつ前向きに突出している。
図3に示すように、捩じりコイルバネ39の一端部39Aは、バックプレート92の屈曲部93Bに当て止まっている。図5に示すように、捩じりコイルバネ39の他端部39Bは、ラチェット30のバネ係止穴30Hに係止されている。
ラチェット30は、図4、図7及び図10に示す第3位置と、図5、図6、図8、図9及び図11に示す第4位置との間で揺動可能である。ラチェット30は、捩じりコイルバネ39によって、第3位置に向けて付勢されている。
解除操作部6が操作されていない状態で、ラチェット30の嵌合凸部31がラッチ10の第1被嵌合部21に対向することにより、図7に示すように、ラチェット30が捩じりコイルバネ39に付勢されて第3位置に揺動し、嵌合凸部31が第1被嵌合部21に嵌合する。これにより、左方のロック装置1において、ラッチ固定手段20がラッチ10を第1位置で固定する第1固定状態に切り替わる。
また、解除操作部6が操作されていない状態で、ラチェット30の嵌合凸部31がラッチ10の第2被嵌合部22に対向することにより、図4及び図10に示すように、ラチェット30が捩じりコイルバネ39に付勢されて第3位置に揺動し、嵌合凸部31が第2被嵌合部22に嵌合する。これにより、左方のロック装置1において、ラッチ固定手段20がラッチ10を第2位置で固定する第2固定状態に切り替わる。
なお、図4に示すように、右方のロック装置1においては、嵌合凸部31が第1被嵌合部21に嵌合することにより、ラッチ固定手段20がラッチ10を第2位置で固定する第2固定状態に切り替わる。また、図示は省略するが、右方のロック装置1においては、嵌合凸部31が第2被嵌合部22に嵌合することにより、ラッチ固定手段20がラッチ10を第1位置で固定する第1固定状態に切り替わる。
荷役作業者によって解除操作部6の操作レバー6Aが操作されると、伝達ケーブル6Cの一端が下向きに変位する。これにより、ラチェット30は、捩じりコイルバネ39の付勢力に抗して図5等に示す第4位置に揺動し、嵌合凸部31が第1被嵌合部21及び第2被嵌合部22から離間する。これにより、ラッチ固定手段20は、ラッチ10の揺動を許容する解除状態に切り替わる。
ラチェット30は、図5等に示す第4位置では、ラッチ10の揺動を許容する。解除操作部6が操作されなくなっても、嵌合凸部31が第1被嵌合部21及び第2被嵌合部22に対向していなければ、嵌合凸部31が摺接面15、第1摺接面15A又は第2摺接面15Bに当て止まるので、ラチェット30が図5等に示す第4位置に維持される。そして、嵌合凸部31が摺接面15、第1摺接面15A又は第2摺接面15Bに摺接することにより、ラチェット30は、ラッチ10の揺動を許容する。
図3~図5に示すように、緩衝手段40は、バックプレート92の台座94上に固定されている。緩衝手段40は、例えば、ゴム、エラストマ、軟質樹脂等の弾性変形可能な軟質材料によって構成されたブロック形状の一体形成品である。
緩衝手段40は、緩衝基部43、第1緩衝部41及び第2緩衝部42を有している。緩衝基部43は、緩衝手段40における前後方向の中間部分であって、ラッチ支持軸10Sの真上に位置している。
第1緩衝部41は、緩衝基部43に前方から隣接する位置に設けられ、緩衝基部43に一体に形成されている。第2緩衝部42は、緩衝基部43に第1緩衝部41とは反対側から、すなわち後方から隣接する位置に設けられ、緩衝基部43に一体に形成されている。
図7及び図10に示すストライカ4の位置は、可動体5が保持位置P1にある状態に対応している。ストライカ4は、図7及び図10の紙面よりも下方に位置する軸心X5周りに大きな円弧状の軌跡を描いて、図7及び図10の紙面の左右方向に変位する。
緩衝手段40の緩衝基部43は、可動体5が保持位置P1にあるときにストライカ4に下から当接して圧縮変形するようになっている。この際、緩衝基部43は、図7及び図10に示す第1位置及び第2位置にあるラッチ10におけるラッチ凹部11、12の底部と重なっている。
図7に示すように、左右方向に沿って見て、可動体5が保持位置P1にあるときに緩衝基部43がストライカ4に当接する基点B1を規定し、第1軸心X10と基点B1とを通過する第1仮想線K1を規定し、ストライカ4の軌跡に沿って延びて基点B1を通過する第2仮想線K2を規定する。
左右方向に沿って見て、第1緩衝部41の上面は、基点B1から第1方向に沿って第2仮想線K2の一方、すなわち前方に向かうにつれて、第1軸心X10に接近するように下向きに傾斜する部分を含んでいる。つまり、第1緩衝部41は、山の無い下り傾斜形状である。
第1緩衝部41は、図7及び図8に示すように、可動体5が保持位置P1から第1方向、すなわち前向きに揺動するときに、ストライカ4に当接して圧縮変形が徐々に減少するようになっている。また、第1緩衝部41は、図9及び図10に示すように、可動体5が保持位置P1に向かって第2方向、すなわち後向きに揺動するときに、ストライカ4に当接して圧縮変形が徐々に増加するようになっている。
図7に示すように、左右方向に沿って見て、第2緩衝部42の上面は、基点B1から第2方向に沿って第2仮想線K2の他方、すなわち後方に向かうにつれて、第1軸心X10から離間するように上向きに傾斜した後、第1軸心X10に接近するように下向きに傾斜する部分を含んでいる。つまり、第2緩衝部42は、山形状である。
第2緩衝部42は、図10及び図11に示すように、可動体5が保持位置P1から第2方向、すなわち後向きに揺動するときに、ストライカ4に当接して圧縮変形が急激に増加した後、圧縮変形が急激に減少するようになっている。また、第2緩衝部42は、図6及び図7に示すように、可動体5が保持位置P1に向かって第1方向、すなわち前向きに揺動するときに、ストライカ4に当接して圧縮変形が急激に増加した後、圧縮変形が急激に減少するようになっている。
なお、本実施例では、緩衝手段40の上面には、薄い金属板40Fが緩衝基部43、第1緩衝部41及び第2緩衝部42の凹凸や傾斜に沿うように貼り付けられている。緩衝基部43、第1緩衝部41及び第2緩衝部42は、金属板40Fを介在させた状態で、ストライカ4に当接するようになっている。なお、金属板40Fを省略することもできる。
<可動体の揺動に伴うロック装置の動作>
次に、可動体5の揺動に伴うロック装置1の動作について詳しく説明する。以下の説明では、主に左方のロック装置1について説明を行い、右方のロック装置1の説明については適宜省略する。
可動体5が図1に示す展開位置P2又は収容位置P3にある状態では、左右のロック装置1、1において、ラッチ10は中立位置にある。
左方のロック装置1において、ラッチ10が中立位置にある状態では、可動体5が展開位置P2から保持位置P1に向けて前向きに揺動するのに伴って、図6に示すように、前向きに変位するストライカ4がラッチ凹部11に進入可能である。また、この状態では、可動体5が収容位置P3から保持位置P1に向けて後向きに揺動するのに伴って、図9に示すように、後向きに変位するストライカ4がラッチ凹部12に進入可能である。
図示は省略するが、右方のロック装置1において、ラッチ10が中立位置にある状態では、前向きに変位するストライカ4がラッチ凹部12に進入可能、かつ、後向きに変位するストライカ4がラッチ凹部11に進入可能である。図3及び図4に示す右方のロック装置1では、後向きに変位するストライカ4がラッチ凹部11に進入した状態となっている。
<可動体が展開位置から保持位置に向けて前向きに揺動する場合>
図6に示すように、左方のロック装置1において、前向きに変位するストライカ4がラッチ凹部11に進入すると、そのストライカ4に押されてラッチ10が図6に示す中立位置から図7に示す第1位置に揺動する。このため、ラッチ固定手段20が図6に示す解除状態から図7に示す第1固定状態に切り替わる。その結果、ラッチ凹部11がストライカ4を前後から当て止める。
この際、図示は省略するが、右方のロック装置1においても、ラッチ凹部12がストライカ4を前後から当て止める。こうして、左右のロック装置1、1は、可動体5を保持位置P1に保持する。
また、この際、左右のロック装置1、1において、緩衝手段40の第2緩衝部42は、前向きに変位するストライカ4に当接して圧縮変形が急激に増加した後、圧縮変形が急激に減少することにより、強い抵抗力を発揮して衝撃を吸収する。そして、緩衝手段40の緩衝基部43は、可動体5が保持位置P1にある状態でストライカ4に当接して圧縮変形することによって、ストライカ4のがたつきを抑制する。金属板40Fは、ストライカ4と緩衝手段40との間に介在して、ストライカ4の滑りを良くするとともに、緩衝手段40全体を効率良く圧縮させることにより、必要な抵抗力を安定して得られる。
可動体5が保持位置P1に保持された状態で、荷役作業者によって解除操作部6の操作レバー6Aが操作されると、左右のロック装置1、1において、ラッチ固定手段20が解除状態に切り替わってラッチ10の揺動を許容する。
これにより、左方のロック装置1において、ストライカ4がラッチ凹部11から離脱可能となる。この際、図示は省略するが、右方のロック装置1においても、ストライカ4がラッチ凹部12から離脱可能となる。
左方のロック装置1において、ストライカ4が図7に示す位置から前向きに変位する場合、図8に示すように、ラッチ10が図8の紙面の時計方向に揺動して、ストライカ4がラッチ凹部11から前方に離脱する。この際、図示は省略するが、右方のロック装置1においても、ストライカ4がラッチ凹部12から前方に離脱する。
すると、左右のロック装置1、1において、緩衝手段40の第1緩衝部41は、前向きに変位するストライカ4に当接して圧縮変形が徐々に減少することにより衝撃を吸収する。ストライカ4は、第1緩衝部41の弱い抵抗力を受けながらスムーズに前方に変位できる。ストライカ4が前方に離脱した後、ラッチ10は、捩じりコイルバネ19に付勢されて図6に示す中立位置に復帰する。
左方のロック装置1において、ストライカ4が図7に示す位置から後向きに変位する場合、図6に示すように、ラッチ10が図6の紙面の反時計方向に揺動して中立位置に復帰しようとする。この際、図示は省略するが、右方のロック装置1においても、ラッチ10が中立位置に復帰しようとする。
すると、左右のロック装置1、1において、緩衝手段40の第2緩衝部42は、後向きに変位するストライカ4に当接して圧縮変形が急激に増加することにより、強い抵抗力を発揮する。ストライカ4は、第2緩衝部42の強い抵抗力を受けて、後向きに変位することが規制される。ユーザが第2緩衝部42の強い抵抗力に抗して可動体5を後向きに動かすと、ストライカ4が第2緩衝部42の山のピークを越える。第2緩衝部42の抵抗力は、ユーザの利便性を低下させない程度に適宜設定される。その後、第2緩衝部42は、さらに後向きに変位するストライカ4に当接して圧縮変形が急激に減少することにより、衝撃を吸収する。ストライカ4が後方に離脱した後、ラッチ10は、捩じりコイルバネ19に付勢されて図6等に示す中立位置に復帰する。
<可動体が収容位置から保持位置に向けて後向きに揺動する場合>
図9に示すように、左方のロック装置1において、後向きに変位するストライカ4がラッチ凹部12に進入すると、そのストライカ4に押されてラッチ10が図9に示す中立位置から図10に示す第2位置に揺動する。このため、ラッチ固定手段20が図9に示す解除状態から図10に示す第2固定状態に切り替わる。その結果、ラッチ凹部12がストライカ4を前後から当て止める。
この際、図3及び図4に示すように、右方のロック装置1においても、ラッチ凹部11がストライカ4を前後から当て止める。こうして、左右のロック装置1、1は、可動体5を保持位置P1に保持する。
また、この際、左右のロック装置1、1において、緩衝手段40の第1緩衝部41は、後向きに変位するストライカ4に当接して圧縮変形が徐々に増加することにより衝撃を吸収する。そして、緩衝手段40の緩衝基部43は、可動体5が保持位置P1にある状態でストライカ4に当接して圧縮変形することによって、ストライカ4のがたつきを抑制する。金属板40Fは、ストライカ4と緩衝手段40との間に介在して、ストライカ4の滑りを良くするとともに、緩衝手段40全体を効率良く圧縮させることにより、必要な抵抗力を安定して得られる。
可動体5が保持位置P1に保持された状態で、荷役作業者によって解除操作部6の操作レバー6Aが操作されると、左右のロック装置1、1において、ラッチ固定手段20が解除状態に切り替わってラッチ10の揺動を許容する。
これにより、左方のロック装置1において、ストライカ4がラッチ凹部12から離脱可能となる。この際、図示は省略するが、右方のロック装置1においても、ストライカ4がラッチ凹部11から離脱可能となる。
左方のロック装置1において、ストライカ4が図10に示す位置から後向きに変位する場合、図11に示すように、ラッチ10が図11の紙面の反時計方向に揺動して、ストライカ4がラッチ凹部12から後方に離脱しようとする。この際、図示は省略するが、右方のロック装置1においても、ストライカ4がラッチ凹部11から後方に離脱しようとする。
すると、左右のロック装置1、1において、緩衝手段40の第2緩衝部42は、後向きに変位するストライカ4に当接して圧縮変形が急激に増加することにより、強い抵抗力を発揮する。ストライカ4は、第2緩衝部42の強い抵抗力を受けて、後向きに変位することが規制される。ユーザが第2緩衝部42の強い抵抗力に抗して可動体5を後向きに動かすと、ストライカ4が第2緩衝部42の山のピークを越える。その後、第2緩衝部42は、さらに後向きに変位するストライカ4に当接して圧縮変形が急激に減少することにより、衝撃を吸収する。ストライカ4が後方に離脱した後、ラッチ10は、捩じりコイルバネ19に付勢されて図6等に示す中立位置に復帰する。
左方のロック装置1において、ストライカ4が図10に示す位置から前向きに変位する場合、図9に示すように、ラッチ10が図9の紙面の時計方向に揺動して中立位置に復帰しようとする。この際、図示は省略するが、右方のロック装置1においても、ラッチ10が中立位置に復帰しようとする。
すると、左右のロック装置1、1において、緩衝手段40の第1緩衝部41は、前向きに変位するストライカ4に当接して圧縮変形が徐々に減少することにより衝撃を吸収する。ストライカ4は、第1緩衝部41の弱い抵抗力を受けながらスムーズに前方に変位できる。ストライカ4が前方に離脱した後、ラッチ10は、捩じりコイルバネ19に付勢されて図6等に示す中立位置に復帰する。
<作用効果>
実施例1のロック装置1では、可動体5が展開位置P2から保持位置P1に向けて前向きに、又は収容位置P3から保持位置P1に向けて後向きに揺動するときに、揺動するラッチ10のラッチ凹部11又はラッチ凹部12が選択的にストライカ4を前後から当て止めて、可動体5を保持位置P1に確実性高く保持する。この際、緩衝手段40の緩衝基部43、第1緩衝部41及び第2緩衝部42によって、ストライカ4がラッチ10のラッチ凹部11又はラッチ凹部12に進入する際の衝撃を弱めることができるので、異音の発生を抑制できる。また、可動体5が保持位置P1にある状態で緩衝手段40の緩衝基部43がストライカ4に当接することによって、ストライカ4の前後方向のがたつきを抑制できる。これにより、このロック装置1では、ラッチ10がこじれ難く、ラッチ10とストライカ4とに作用する衝撃にも高い耐久性を発揮できる。
また、このロック装置1では、万が一、ラッチ10のラッチ凹部11、12によるストライカ4の保持が不充分となる不具合、例えば、ラチェット30の動きが悪くなって第3位置への揺動が不充分となり、嵌合凸部31が第1被嵌合部21又は第2被嵌合部22に嵌合できない不具合等が発生する場合でも、山の無い下り傾斜形状である第1緩衝部41によって、可動体5が前向きに揺動することを許容する一方、山形状である第2緩衝部42によって、可動体5が後向きに揺動することを規制する。つまり、このロック装置1では、上記の不具合が発生する場合でも、可動体5が突然、保持位置P1から後向きに揺動したり、前向きに揺動したりするのではなく、前向きのみに揺動し、保持位置P1に保持されない。その結果、ラッチ10のラッチ凹部11、12によるストライカ4の保持が不充分となる不具合をユーザが安全性高く認知できる。
したがって、実施例1のロック装置1では、可動体5の保持性能の低下を抑制し、安全性を一層向上させることができる。実施例1の支持装置9でも、実施例1のロック装置1と同様に、可動体5の保持性能の低下を抑制し、安全性を一層向上させることができる。
また、このロック装置1では、緩衝基部43、第1緩衝部41及び第2緩衝部42は、弾性変形可能な軟質材料製の一体形成品である。これにより、このロック装置1では、第2緩衝部42の抵抗力を第1緩衝部41の抵抗力よりも大きく設定することを容易に実現しつつ、緩衝手段40の部品点数を削減できるので、製造コストを低廉化できる。
さらに、このロック装置1では、1つのロック装置1が可動体5の左端側に設けられ、別のロック装置1が可動体5の右端側に設けられている。これにより、このロック装置1では、可動体5が保持位置P1にあるとき、及び可動体5が保持位置P1から後向き、又は前向きに揺動するときに、左右一対の緩衝手段40が可動体5に対して均等に作用するので、可動体5の捩れを抑制できる。
(実施例2)
図12~図22に示すように、実施例2のロック装置2では、実施例1に係るバックプレート92の代わりにバックプレート292を採用している。また、ロック装置2では、実施例1に係る緩衝手段40の代わりに、変位部材245及び引っ張りコイルバネ249を有する緩衝手段240を採用している。引っ張りコイルバネ249は、本発明の「弾性部材」の一例である。実施例2のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
図12及び図13に示すように、1つのロック装置2が可動体5の左端側に設けられ、別のロック装置2が可動体5の右端側に設けられている。
図12~図14に示すように、左方のロック装置2と右方のロック装置2とは、構成部品が全て同じであって、構成部品のうちの緩衝手段240、より詳しくは変位部材245及び引っ張りコイルバネ249のみについて、他の構成部品に対する組み付け姿勢を左方のロック装置2と右方のロック装置2とで異なるように変更したものである。
左右のロック装置2、2が支持装置9に適用された状態において、右方のロック装置2における緩衝手段240を除く構成部品の姿勢は、左方のロック装置2における緩衝手段240を除く構成部品を反転させた姿勢と同じである。その一方、緩衝手段240の姿勢は、左方のロック装置2と右方のロック装置2とで同じである。
このため、以下の説明では、主に左方のロック装置2について説明を行い、右方のロック装置2の説明については適宜省略する。図面についても、図14以降の各図において左方のロック装置2を図示し、右方のロック装置2の図示は省略する。
図12及び図14に示すように、ロック装置2において、バックプレート292には、実施例1に係るバックプレート92の2つの取付穴92H及び屈曲部93A、93Bがほぼ同一構成で形成されている。
また、バックプレート292には、実施例1に係るバックプレート92の対向部93の一部の形状を変更した対向部293が形成されている。対向部293は、屈曲部93A、93Bのそれぞれの右端部に接続している。対向部293は、前後方向及び上下方向に延びる略平板形状である。
対向部293におけるラッチ支持軸10S及びラチェット支持軸30Sに対応する位置には、実施例1に係る対向部93の結合穴93C、93Dがほぼ同一構成で形成されている。
ラッチ支持軸10S、ラチェット支持軸30S及びベースプレート91と、バックプレート292とを結合する構成は、実施例1と同様である。また、左右のロック装置2、2のベースプレート91及びバックプレート292を基体8の第1壁81及び第2壁82に固定する構成も、実施例1と同様である。
また、対向部293には、実施例1に係る対向部93のバネ規制部99及びアウターチューブ保持部96がほぼ同一構成で形成されている。なお、対向部293には、実施例1に係る対向部93の台座94が設けられていない。
バックプレート292において、バネ規制部99が捩じりコイルバネ19の一端部19A及び他端部19Bを規制する構成は、実施例1と同様である。また、バックプレート292において、アウターチューブ保持部96が伝達ケーブル6Cを収容するアウターチューブ6Tの一端を保持する構成も、実施例1と同様である。
さらに、対向部293には、結合穴295A、295B、ストッパ295C、295D及びバネ係止部295E、295Fが形成されている。
結合穴295Aは、結合穴93Cよりも屈曲部93A側に位置して左右方向に貫通するように形成されている。結合穴295Bは、結合穴93Cよりも屈曲部93B側に位置して左右方向に貫通するように形成されている。
ストッパ295Cは、バネ規制部99よりも屈曲部93A側に位置して開口93Hの上端縁から右向きに屈曲されてなる。ストッパ295Dは、バネ規制部99よりも屈曲部93B側に位置して開口93Hの上端縁から右向きに屈曲されてなる。
バネ係止部295Eは、対向部293における屈曲部93Aの下方に位置する端縁から右向きに屈曲されてなる。バネ係止部295Fは、対向部293における屈曲部93Bの下方に位置する端縁から右向きに屈曲されてなる。
図14に示すように、バックプレート292において、結合穴93Cの中心である第1軸心X10を通過して鉛直方向に延びる基準線K23を規定する。左右方向に沿って見て、結合穴295A、ストッパ295C及びバネ係止部295Eと、結合穴295B、ストッパ295D及びバネ係止部295Fとは、基準線K23を対称軸とする線対称となっている。
緩衝手段240において、変位部材245は、中間部245C、一端部245A及び他端部245Bを有している。中間部245Cには、挿通穴245Hが左右方向に貫通するように形成されている。一端部245Aは、中間部245Cから下向きに延びている。他端部245Bは、中間部245Cから前向きに上り傾斜した後に屈曲し、前向きに下り傾斜している。本実施例では、変位部材245は、金属部材であって、他端部245Bが樹脂コーティングされている。
変位部材245の一端部245Aの下端には、バネ係止穴245Jが形成されている。変位部材245の他端部245Bには、緩衝基部243、第1緩衝部241及び第2緩衝部242が形成されている。
左方のロック装置2において、図12に示す支持軸245Sが図14に示す変位部材245の挿通穴245Hに挿通され、さらに、図14に示す結合穴295Aに加締め固定されることにより、変位部材245は、図15~図22に示すように、第1軸心X10と平行な第2軸心X245周りに揺動可能にバックプレート292に支持されている。
また、左方のロック装置2において、引っ張りコイルバネ249の一端は、変位部材245のバネ係止穴245Jに係止され、引っ張りコイルバネ249の他端は、バックプレート292のバネ係止部295Fに係止されている。これにより、変位部材245は、引っ張りコイルバネ249によって、図15等の紙面の反時計方向に揺動するように付勢されている。そして、変位部材245は、図12及び図14に示すストッパ295Cに当て止まることにより、図15、図18、図19及び図22に示す位置に保持される。
なお、右方のロック装置2においては、変位部材245及び引っ張りコイルバネ249が図14に二点鎖線で示す姿勢でバックプレートに組み付けられる。この際、図12に示す支持軸245Sが図14に二点鎖線で示す変位部材245の挿通穴245Hに挿通され、さらに、図14に示す結合穴295Bに加締め固定されることにより、変位部材245がバックプレート292に揺動可能に支持される。また、この際、引っ張りコイルバネ249の他端は、バックプレート292のバネ係止部295Eに係止される。
図15に示すように、左方のロック装置2においては、緩衝基部243は、変位部材245における山形状に屈曲する他端部245Bのピークよりも前方にずれた部分に形成されている。
第1緩衝部241は、緩衝基部243に前方から隣接する位置に設けられ、緩衝基部243に一体に形成されている。第2緩衝部242は、緩衝基部243に第1緩衝部241とは反対側から、すなわち後方から隣接する位置に設けられ、緩衝基部243に一体に形成されている。
図17及び図20に示すストライカ4の位置は、可動体5が保持位置P1にある状態に対応している。ストライカ4は、図17及び図20の紙面よりも下方に位置する軸心X5周りに大きな円弧状の軌跡を描いて、図17及び図20の紙面の左右方向に変位する。
変位部材245において、緩衝基部243は、可動体5が保持位置P1にあるときにストライカ4に下から当接し、引っ張りコイルバネ249の付勢力によってストライカ4に押圧されるようになっている。この際、変位部材245は、図17及び図20の紙面の時計方向に揺動している。また、緩衝基部243は、図17及び図20に示す第1位置及び第2位置にあるラッチ10におけるラッチ凹部11、12の底部と重なっている。
図17に示すように、左右方向に沿って見て、可動体5が保持位置P1にあるときに緩衝基部243がストライカ4に当接する基点B2を規定し、第1軸心X10と基点B2とを通過する第1仮想線K21を規定し、ストライカ4の軌跡に沿って延びて基点B2を通過する第2仮想線K22を規定する。
変位部材245は、第1仮想線K21に沿って進退可能にバックプレート292に支持されている。また、引っ張りコイルバネ249は、緩衝基部243が第1仮想線K21に沿って第1軸心X10の径外方向に変位するように変位部材245を付勢している。さらに、左右方向に沿って見て、第2軸心X245は、第1仮想線K21に対して第2仮想線K22の他方、すなわち後方に位置し、かつ、第2仮想線K22に対して第1軸心X10側に位置している。また、第2軸心X245は、上下方向において、第1軸心X10よりも下方に位置している。
左右方向に沿って見て、第1緩衝部241の上面は、基点B2から第1方向に沿って第2仮想線K22の一方、すなわち前方に向かうにつれて、第1軸心X10に接近するように下向きに傾斜する部分を含んでいる。つまり、第1緩衝部241は、山の無い下り傾斜形状である。
第1緩衝部241は、図17及び図18に示すように、可動体5が保持位置P1から第1方向、すなわち前向きに揺動するときに、ストライカ4に当接し、引っ張りコイルバネ249の付勢力によってストライカ4に押圧されるようになっている。また、第1緩衝部241は、図19及び図20に示すように、可動体5が保持位置P1に向かって第2方向、すなわち後向きに揺動するときに、ストライカ4に当接し、引っ張りコイルバネ249の付勢力によってストライカ4に押圧されるようになっている。ストライカ4が後向きに変位するにつれて、第1緩衝部241の抵抗力が徐々に大きくなる。
図17に示すように、左右方向に沿って見て、第2緩衝部242の上面は、基点B2から第2方向に沿って第2仮想線K22の他方、すなわち後方に向かうにつれて、第1軸心X10から離間するように上向きに傾斜した後、第1軸心X10に接近するように下向きに傾斜する部分を含んでいる。つまり、第2緩衝部242は、山形状である。
第2緩衝部242は、図19~図22に示すように、可動体5が保持位置P1から第2方向、すなわち後向きに揺動するときに、ストライカ4に当接し、引っ張りコイルバネ249の付勢力によってストライカ4に押圧されるようになっている。また、第2緩衝部242は、図15~図17に示すように、可動体5が保持位置P1に向かって第1方向、すなわち前向きに揺動するときに、ストライカ4に当接し、引っ張りコイルバネ249の付勢力によってストライカ4に押圧されるようになっている。図16、図17、図20及び図21に示すように、前向き又は後向きに変位するストライカ4が第2緩衝部242の山形状のピークを越えるときに、第2緩衝部242の抵抗力が最大となる。ストライカ4が第2緩衝部242の山形状のピークを越えるためには、ユーザが第2緩衝部242の強い抵抗力に抗して可動体5を動かす必要がある。第2緩衝部242の抵抗力は、ユーザの利便性を低下させない程度に適宜設定される。
<作用効果>
実施例2のロック装置2では、可動体5が展開位置P2から保持位置P1に向けて前向きに、又は収容位置P3から保持位置P1に向けて後向きに揺動するときに、揺動するラッチ10のラッチ凹部11又はラッチ凹部12が選択的にストライカ4を前後から当て止めて、可動体5を保持位置P1に確実性高く保持する。この際、緩衝手段240の変位部材245に形成された緩衝基部243、第1緩衝部241及び第2緩衝部242によって、ストライカ4がラッチ10のラッチ凹部11又はラッチ凹部12に進入する際の衝撃を弱めることができるので、異音の発生を抑制できる。また、可動体5が保持位置P1にある状態で緩衝手段240の緩衝基部243がストライカ4に当接することによって、ストライカ4の前後方向のがたつきを抑制できる。これにより、このロック装置2では、ラッチ10がこじれ難く、ラッチ10とストライカ4とに作用する衝撃にも高い耐久性を発揮できる。
また、このロック装置2では、万が一、ラッチ10のラッチ凹部11、12によるストライカ4の保持が不充分となる不具合が発生する場合でも、山の無い下り傾斜形状である第1緩衝部241によって、可動体5が前向きに揺動することを許容する一方、山形状である第2緩衝部242によって、可動体5が後向きに揺動することを規制する。つまり、このロック装置2では、上記の不具合が発生する場合でも、可動体5が突然、保持位置P1から後向きに揺動したり、前向きに揺動したりするのではなく、前向きのみに揺動し、保持位置P1に保持されない。その結果、ラッチ10のラッチ凹部11、12によるストライカ4の保持が不充分となる不具合をユーザが安全性高く認知できる。
したがって、実施例2のロック装置2では、実施例1のロック装置1と同様に、可動体5の保持性能の低下を抑制し、安全性を一層向上させることができる。実施例2のロック装置2が適用された支持装置9でも、実施例1と同様に、可動体5の保持性能の低下を抑制し、安全性を一層向上させることができる。
また、このロック装置2では、変位部材245と引っ張りコイルバネ249との役割分担によって、緩衝手段240がラッチ10とストライカ4とに作用する衝撃を好適に抑制できるとともに、第2緩衝部242の抵抗力を第1緩衝部241の抵抗力よりも大きく設定することを容易に実現できる。また、変位部材245は金属部材であって、他端部245Bが樹脂コーティングされているので、変位部材245がストライカ4との当接によって摩耗や変形することを抑制できる。さらに、引っ張りコイルバネ249がストライカ4と当接せず、ラッチ10とストライカ4とに作用する衝撃を直接受けないので、引っ張りコイルバネ249の破損を抑制できる。その結果、このロック装置2は、耐久性の向上を実現できる。
さらに、このロック装置2では、図17に示すように、変位部材245が第2軸心X245周りに揺動可能にバックプレート292に支持された構成によって、変位部材245の簡素化を実現できる。また、左右方向に沿って見て、第2軸心X245は、第1仮想線K21に対して第2仮想線K22の他方、すなわち後方に位置し、かつ、第2仮想線K22に対して第1軸心X10側に位置している。この構成により、第1軸心X10と第2軸心X245とを近づけて配置できるので、ロック装置2の小型化及び軽量化を実現できる。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施例1、2では、可動体5が基体8に揺動可能に支持されているが、この構成には限定されない。例えば、可動体は、基体に直動可能に支持されていてもよい。
実施例1、2では、ラッチ固定手段20は、1つのラチェット30を有しているがこの構成には限定されない。例えば、ラッチ固定手段は、ラッチに1つだけ設けられた被嵌合部と、第1位置に対応するようにベース部材に設けられた第1のラチェットと、第2位置に対応するようにベース部材に設けられた第2のラチェットとを有していてもよい。
実施例1、2では、ラチェット30が揺動するがこの構成には限定されない。ラチェットは、例えば直動してもよい。
実施例1、2では、ストライカ4が可動体5に固定され、ベースプレート91及びバックプレート92、292が基体8に固定されているがこの構成には限定されない。ストライカが基体に固定され、ベース部材が可動体に固定されている構成も本発明に含まれる。
実施例1の左右2つのロック装置1、1のそれぞれについて、上下の向きを実施例1とは逆にした構成も本発明に含まれる。実施例2についても同様である。
実施例1では、左右2つのロック装置1、1で可動体5を保持位置P1に保持するがこの構成には限定されない。例えば、左方のロック装置1を無くして右方のロック装置1のみで可動体5を保持位置P1に保持する構成や、その逆の構成も本発明に含まれる。また、可動体5における軸心X5から遠い位置で軸心X5と平行に延びる端縁に1つのストライカ4を設け、1つのロック装置1を保持位置P1に到達した可動体5の上方に位置するように基体8に設ける構成も本発明に含まれる。実施例2についても同様である。
実施例2では、変位部材245が揺動するがこの構成には限定されず、変位部材が直動してもよい。
本発明は、例えば、家屋や工場設備等の屋内や屋外に設置される構造物に利用可能である。また、本発明は、例えば、自動車、産業車両、バス、鉄道、船舶等を含む移動体に利用可能である。
1、2…ロック装置
9…支持装置
8…基体
P1…保持位置
5…可動体
4…ストライカ
91、92、292…ベース部材(91…ベースプレート、92、292…バックプレート)
X10…第1軸心
10…ラッチ
11、12…第1凹部(ラッチ凹部)
11、12…第2凹部(ラッチ凹部)
20…ラッチ固定手段
19…付勢部材(捩じりコイルバネ)
40、240…緩衝手段
43、243…緩衝基部
41、241…第1緩衝部
42、242…第2緩衝部
B1、B2…基点
K1、K21…第1仮想線
K2、K22…第2仮想線
245…変位部材
249…弾性部材(引っ張りコイルバネ)
X245…第2軸心

Claims (6)

  1. 基体と、前記基体に変位可能に支持され、第1方向に変位して保持位置を通過可能、かつ前記第1方向とは逆向きの第2方向に変位して前記保持位置を通過可能な可動体との間に設けられ、前記可動体を前記保持位置に保持するためのロック装置であって、
    前記基体及び前記可動体の一方に固定されるストライカと、
    前記基体及び前記可動体の他方に固定されるベース部材と、
    第1軸心周りに揺動可能に前記ベース部材に支持され、外周縁からそれぞれ前記第1軸心の径内方向に凹むように形成された第1凹部及び第2凹部を有し、第1位置と、第2位置と、前記第1位置と前記第2位置との間に位置する中立位置とを揺動によって通過可能なラッチと、
    前記ラッチを前記第1位置で固定する第1固定状態と、前記ラッチを前記第2位置で固定する第2固定状態と、前記ラッチの揺動を許容する解除状態とに切り替わるラッチ固定手段と、
    前記ラッチを前記中立位置に向けて付勢する付勢部材とを備え、
    前記ラッチが前記中立位置にある状態では、前記可動体が前記第1方向に変位するときに前記ストライカが前記第1凹部に進入可能、かつ、前記可動体が前記第2方向に変位するときに前記ストライカが前記第2凹部に進入可能であり、
    前記第1凹部に進入した前記ストライカによって前記ラッチが前記中立位置から前記第1位置に揺動して前記ラッチ固定手段が前記解除状態から前記第1固定状態に切り替わることにより、前記第1凹部が前記ストライカを前記第1方向及び前記第2方向において当て止め、さらに、前記ラッチ固定手段が前記解除状態に切り替わることにより、前記ストライカが前記第1凹部から離脱可能となり、
    前記第2凹部に進入した前記ストライカによって前記ラッチが前記中立位置から前記第2位置に揺動して前記ラッチ固定手段が前記解除状態から前記第2固定状態に切り替わることにより、前記第2凹部が前記ストライカを前記第1方向及び前記第2方向において当て止め、さらに、前記ラッチ固定手段が前記解除状態に切り替わることにより、前記ストライカが前記第2凹部から離脱可能となるように構成され、
    前記ベース部材に設けられ、緩衝基部、第1緩衝部及び第2緩衝部を有する緩衝手段をさらに備え、
    前記緩衝基部は、前記可動体が前記保持位置にあるときに前記ストライカに当接し、
    前記第1緩衝部は、前記緩衝基部に隣接する位置に設けられ、前記可動体が前記保持位置から前記第1方向に変位するとき、及び前記可動体が前記保持位置に向かって前記第2方向に変位するときに、前記ストライカに当接し、
    前記第2緩衝部は、前記緩衝基部に前記第1緩衝部とは反対側から隣接する位置に設けられ、前記可動体が前記保持位置から前記第2方向に変位するとき、及び前記可動体が前記保持位置に向かって前記第1方向に変位するときに、前記ストライカに当接し、
    前記第1軸心方向に沿って見て、前記可動体が前記保持位置にあるときに前記緩衝基部が前記ストライカに当接する基点を規定し、前記第1軸心と前記基点とを通過する第1仮想線を規定し、前記ストライカの軌跡に沿って延びて前記基点を通過する第2仮想線を規定すると、
    前記第1緩衝部は、前記基点から前記第1方向に沿って前記第2仮想線の一方に向かうにつれて、前記第1軸心に接近するように傾斜する部分を含み、
    前記第2緩衝部は、前記基点から前記第2方向に沿って前記第2仮想線の他方に向かうにつれて、前記第1軸心から離間するように傾斜した後、前記第1軸心に接近するように傾斜する部分を含んでいることを特徴とするロック装置。
  2. 前記緩衝基部、前記第1緩衝部及び前記第2緩衝部は、弾性変形可能な軟質材料製の一体形成品である請求項1記載のロック装置。
  3. 前記緩衝手段は、前記第1仮想線に沿って進退可能に前記ベース部材に支持され、前記緩衝基部、前記第1緩衝部及び前記第2緩衝部が形成された変位部材と、
    前記ベース部材と前記変位部材との間に設けられ、前記緩衝基部が前記第1仮想線に沿って前記第1軸心の径外方向に変位するように前記変位部材を付勢する弾性部材と、を有している請求項1記載のロック装置。
  4. 前記変位部材は、前記第1軸心と平行な第2軸心周りに揺動可能に前記ベース部材に支持され、
    前記第1軸心方向に沿って見て、前記第2軸心は、前記第1仮想線に対して前記第2仮想線の前記他方に位置し、かつ、前記第2仮想線に対して前記第1軸心側に位置している請求項3記載のロック装置。
  5. 1つの前記ロック装置が前記可動体における前記第1方向及び前記第2方向と略直交する幅方向の一端側に設けられ、別の前記ロック装置が前記可動体における前記幅方向の他端側に設けられている請求項1乃至4のいずれか1項記載のロック装置。
  6. 基体と、
    前記基体に変位可能に支持され、第1方向に変位して保持位置を通過可能、かつ前記第1方向とは逆向きの第2方向に変位して前記保持位置を通過可能な可動体と、
    前記基体と前記可動体との間に設けられ、前記可動体を前記保持位置に保持するためのロック装置とを備えた支持装置であって、
    前記ロック装置は、
    前記基体及び前記可動体の一方に固定されるストライカと、
    前記基体及び前記可動体の他方に固定されるベース部材と、
    第1軸心周りに揺動可能に前記ベース部材に支持され、外周縁からそれぞれ前記第1軸心の径内方向に凹むように形成された第1凹部及び第2凹部を有し、第1位置と、第2位置と、前記第1位置と前記第2位置との間に位置する中立位置とを揺動によって通過可能なラッチと、
    前記ラッチを前記第1位置で固定する第1固定状態と、前記ラッチを前記第2位置で固定する第2固定状態と、前記ラッチの揺動を許容する解除状態とに切り替わるラッチ固定手段と、
    前記ラッチを前記中立位置に向けて付勢する付勢部材とを備え、
    前記ラッチが前記中立位置にある状態では、前記可動体が前記第1方向に変位するときに前記ストライカが前記第1凹部に進入可能、かつ、前記可動体が前記第2方向に変位するときに前記ストライカが前記第2凹部に進入可能であり、
    前記第1凹部に進入した前記ストライカによって前記ラッチが前記中立位置から前記第1位置に揺動して前記ラッチ固定手段が前記解除状態から前記第1固定状態に切り替わることにより、前記第1凹部が前記ストライカを前記第1方向及び前記第2方向において当て止め、さらに、前記ラッチ固定手段が前記解除状態に切り替わることにより、前記ストライカが前記第1凹部から離脱可能となり、
    前記第2凹部に進入した前記ストライカによって前記ラッチが前記中立位置から前記第2位置に揺動して前記ラッチ固定手段が前記解除状態から前記第2固定状態に切り替わることにより、前記第2凹部が前記ストライカを前記第1方向及び前記第2方向において当て止め、さらに、前記ラッチ固定手段が前記解除状態に切り替わることにより、前記ストライカが前記第2凹部から離脱可能となるように構成され、
    前記ロック装置は、前記ベース部材に設けられ、緩衝基部、第1緩衝部及び第2緩衝部を有する緩衝手段をさらに備え、
    前記緩衝基部は、前記可動体が前記保持位置にあるときに前記ストライカに当接し、
    前記第1緩衝部は、前記緩衝基部に隣接する位置に設けられ、前記可動体が前記保持位置から前記第1方向に変位するとき、及び前記可動体が前記保持位置に向かって前記第2方向に変位するときに、前記ストライカに当接し、
    前記第2緩衝部は、前記緩衝基部に前記第1緩衝部とは反対側から隣接する位置に設けられ、前記可動体が前記保持位置から前記第2方向に変位するとき、及び前記可動体が前記保持位置に向かって前記第1方向に変位するときに、前記ストライカに当接し、
    前記第1軸心方向に沿って見て、前記可動体が前記保持位置にあるときに前記緩衝基部が前記ストライカに当接する基点を規定し、前記第1軸心と前記基点とを通過する第1仮想線を規定し、前記ストライカの軌跡に沿って延びて前記基点を通過する第2仮想線を規定すると、
    前記第1緩衝部は、前記基点から前記第1方向に沿って前記第2仮想線の一方に向かうにつれて、前記第1軸心に接近するように傾斜する部分を含み、
    前記第2緩衝部は、前記基点から前記第2方向に沿って前記第2仮想線の他方に向かうにつれて、前記第1軸心から離間するように傾斜した後、前記第1軸心に接近するように傾斜する部分を含んでいることを特徴とする支持装置。
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