JP7184202B2 - プレス成形品の製造方法、プレス成形品、およびプレス成形装置 - Google Patents

プレス成形品の製造方法、プレス成形品、およびプレス成形装置 Download PDF

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Description

本開示は、プレス成形品の製造方法、プレス成形品、およびプレス成形装置に関する。
複数の部材から構成される構造において、複数の部材間を連結するため、所定形状の構造部材が用いられる。かかる構造部材は、部材間で荷重を伝達することが求められる。そのため、構造部材の縦壁から立設し、他の部材と面接触して取り付けられるフランジが設けられる場合がある。
上記構造部材の例として、いわゆる鞍型形状の部材が挙げられる。かかる鞍型形状の部材では、縦壁から立設した床フランジ部と縦フランジ部とが、他の部材と面接触している。特に、鞍型形状の部材では、荷重伝達能力を向上するため、床フランジ部と縦フランジ部とが連続した連続フランジを有する場合がある。例えば、特許文献1(国際公開WO2013/154114号)、特許文献2(特許第5958644号公報)、特許文献3(特許第5569661号公報)、及び特許文献4(特許第6265315号公報)には、自動車の車体下部構造において、サイドシルとフロアパネルを連結する鞍型形状のフロアクロスメンバが、連続フランジを有することが記載されている。
一方、部材間を連結するための構造部材のその他の例として、天板の三方に縦壁が形成された、いわゆる袋状部分を有する構造部材がある。図39Aに示すように、袋状部分を有する構造部材10では、天板部11の三方の周縁部から周壁部13が形成されている。周壁部13の鉛直方向(図39Aに示すZ方向)の下端から、床フランジ部15が延在されている。また、周壁部13の周方向の端部から、側縦フランジ部17が延在されている。
図39Bに示すように、構造部材10の床フランジ部15は、一の部材20の天板21と面接触して取り付けられる。また、側縦フランジ部17は、他の部材30の縦壁31と面接触して取り付けられる。この結果、構造部材10によって、一の部材20と他の部材30とが連結され、荷重が伝達される。
ここで、図39Aに示すように、従来の袋状部分を有する構造部材10では、床フランジ部15と、側縦フランジ部17との間は、連続しておらず、切り欠き19が形成されていた。この理由として、従来、袋状部分を有する構造部材を成形する際、絞り成形を用いて連続フランジを成形しようとすると、床フランジ部15と側縦フランジ部17の間の部位に、しわが集中して発生し、外観不良等の問題を生じるおそれがあったことが挙げられる。一方、切り欠き19を有する構造部材10は、しわの問題は生じないものの、荷重伝達能力および剛性の向上には、改善の余地を残していた。
そのため、袋状部分を有する構造部材において、荷重伝達能力および剛性を向上するため、鞍型形状の構造部材のように連続フランジを実現することが求められている。ここで、上述した、絞り成形に伴って生じる連続フランジでのしわの問題を回避するため、例えば、上記特許文献4に記載のように、曲げプレス成形を用いて、縦壁部とフランジ部を成形することも考えられる。
しかしながら、上記特許文献4に記載の技術では、床フランジ部に相当する部分を予め成形しておき、縦壁部を天板部から曲げ成形している(特許文献4、図28参照)。そのため、袋状部分を絞りプレス成形する際に必要なブランク縁部の挟持ができず、当該技術では、袋状部分を有する、連続フランジのプレス成形品を実現できないといった問題があった。
そこで、本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、いわゆる袋状部分を有するプレス成形品において、床フランジ部と側縦フランジ部との間の部位に生じるしわの集中を抑制することが可能な新規かつ優れたプレス成形品の製造方法、プレス成形品、およびプレス成形装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本開示のある観点によれば、天板部と、天板部の三方の周縁部に沿って形成され、天板部の延在方向と交差する方向に、当該周縁部から延在された、周壁部と、周壁部の延在方向と交差する方向に、周壁部の天板部と連続した端部と反対側の端部から外方へ延在された床フランジ部と、周壁部の周方向の端部から外方へ延在された側縦フランジ部と、側縦フランジ部と床フランジ部との間に連続する傾斜壁である傾斜フランジ部と、を含む、プレス成形品を、第1プレス成形と第2プレス成形とを含んで製造する方法であって、第1プレス成形は、第1ホルダと第1ダイとで金属板の床フランジ部になる箇所を挟持した状態で、第1ホルダと第1ダイとで挟持された金属板を、第1パンチに対して相対移動させて、金属板に周壁部を絞り成形すること、第1パンチに設けられた第1パンチ凸形成部に金属板が当接することで、傾斜フランジ部に成形される凸形状の凸フランジ部を金属板に曲げ成形すること、第1パンチに金属板が当接することで、側縦フランジ部のうち傾斜フランジ部側の端部よりも傾斜フランジ部と反対側に位置する側縦フランジ本体部と、床フランジ部のうち傾斜フランジ部側の端部よりも傾斜フランジ部と反対側に位置する床フランジ本体部とを少なくとも金属板に曲げ成形すること、を含む加工を金属板に施すことにより、金属板から中間成形品を形成し、第2プレス成形は、中間成形品に対し、第2ダイと第2パンチとで凸フランジ部を傾斜フランジ部に曲げ成形することを含む、プレス成形品の製造方法が提供される。
上記プレス成形品の製造方法において、プレス成形品は、天板部の延在方向と交差する方向であって周壁部の延在された方向と反対の方向に、天板部における周壁部の形成されていない端部から延在されて、側縦フランジ部と連続した中央縦フランジ部をさらに含み、第1プレス成形において、絞り成形がされる前に、第1パッドと第1パンチとで金属板に、周壁部の形成されていない端部側の天板部と周壁部との間の稜線部と、中央縦フランジ部と側縦フランジ部との間の連続した部位と、を成形してもよい。
上記プレス成形品の製造方法において、第1プレス成形は、第1プレス成形した後の側面視で少なくとも一つの段差形状を有する凸フランジ部を金属板に曲げ成形することを含んでいてもよい。
上記プレス成形品の製造方法において、第1プレス成形は、第1パンチに金属板が当接することで、側縦フランジ部と、床フランジ部とを金属板に曲げ成形することを含んでいてもよい。
上記プレス成形品の製造方法において、第1プレス成形は、第1パンチに金属板が当接することで、側縦フランジ部のうち側縦フランジ本体部と、側縦フランジ本体部と凸フランジ部とを繋ぐ第1予備稜線と、床フランジ部のうち床フランジ本体部と、床フランジ本体部と凸フランジ部とを繋ぐ第2予備稜線とを金属板に曲げ成形することを含み、第2プレス成形は、中間成形品に対し、第2ダイと第2パンチとで、第1予備稜線を側縦フランジ部の一部とする曲げ成形、及び第2予備稜線を床フランジ部の一部とする曲げ成形の少なくともいずれか一方を行うことを含んでいてもよい。
上記プレス成形品の製造方法において、第2プレス成形は、第2ダイと第2パンチとで、第1予備稜線を側縦フランジ部の一部に曲げ成形し、第2予備稜線を床フランジ部の一部に曲げ成形することを含んでいてもよい。
上記プレス成形品の製造方法において、プレス成形品は、傾斜フランジ部と側縦フランジ部との間に形成された上フランジ稜線部と、傾斜フランジ部と床フランジ部との間に形成された下フランジ稜線部とを含み、第1プレス成形は、凸フランジ部において、上フランジ稜線部になる箇所又は下フランジ稜線部になる箇所の少なくとも一方を、平坦形状にしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本開示の他の観点によれば、天板部と、天板部の三方の周縁部に沿って形成され、天板部の延在方向と交差する方向に、当該周縁部から延在された、周壁部と、周壁部の延在方向と交差する方向に、周壁部の天板部と連続した端部と反対側の端部から外方へ延在された床フランジ部と、周壁部の周方向の端部から外方へ延在された側縦フランジ部と、側縦フランジ部と床フランジ部との間に連続する傾斜壁である傾斜フランジ部と、を含む、プレス成形品が提供される。
上記プレス成形品において、床フランジ部、側縦フランジ部、及び傾斜フランジ部を含み、プレス成形品の周囲に形成されたフランジが、プレス成形品の全周に亘って連続していてもよい。
上記プレス成形品において、傾斜フランジ部は、側面視したときの線長が、天板部と床フランジ部との間の距離の10%以上70%以下とされていてもよい。
また、上記課題を解決するために、本開示の他の観点によれば、天板部と、天板部の三方の周縁部に沿って形成され、天板部の延在方向と交差する方向に、当該周縁部から延在された、周壁部と、周壁部の延在方向と交差する方向に、周壁部の天板部と連続した端部と反対側の端部から外方へ延在された床フランジ部と、周壁部の周方向の端部から外方へ延在された側縦フランジ部と、側縦フランジ部と床フランジ部との間に連続する傾斜壁である傾斜フランジ部と、を含む、プレス成形品を得るためのプレス成形装置であって、金属板の一の面の床フランジ部となる領域に当接する部分を有する第1ホルダと、金属板の他の面の床フランジ部となる領域に当接する部分と、第1ホルダとの間で金属板を挟持する部分と、金属板の周壁部となる領域に当接する部分とを有する第1ダイと、第1パンチと、を含み、第1パンチは、金属板の一の面の周壁部となる領域に当接して、第1ダイとともに金属板に対して周壁部を絞り成形する第1パンチ周壁形成部と、金属板の一の面の傾斜フランジ部となる領域に当接して、第1ダイとともに金属板に対して凸フランジ部を曲げ成形する第1パンチ凸形成部と、金属板の一の面の側縦フランジ部となる領域に当接して、第1ダイとともに金属板に対して側縦フランジ部のうち傾斜フランジ部側の端部よりも傾斜フランジ部と反対側に位置する側縦フランジ本体部を少なくとも曲げ成形する第1パンチ縦フランジ形成部と、金属板の一の面の床フランジ部となる領域に当接して、第1ダイとともに金属板に対して床フランジ部のうち傾斜フランジ部側の端部よりも傾斜フランジ部と反対側に位置する床フランジ本体部を少なくとも曲げ成形する第1パンチ床フランジ形成部とを有し、プレス成形装置は、凸フランジ部の他の面に当接する斜面を含む第2ダイと、第2パンチと、をさらに含み、第2パンチは、凸フランジ部の一の面側に設けられ、第2ダイとの間で凸フランジ部を挟持することにより、凸フランジ部から傾斜フランジ部を曲げ成形する第2パンチ斜面部を有する、プレス成形装置が提供される。
上記プレス成形装置において、第1パンチ縦フランジ形成部は、側縦フランジ部を曲げ成形する形状を有し、第1パンチ床フランジ形成部は、床フランジ部を曲げ成形する形状を有していてもよい。
上記プレス成形装置において、第1パンチ縦フランジ形成部は、側縦フランジ部のうち側縦フランジ本体部と、側縦フランジ本体部と凸フランジ部とを繋ぐ第1予備稜線を金属板に曲げ成形する形状を有し、第1パンチ床フランジ形成部は、床フランジ部のうち床フランジ本体部と、床フランジ本体部と凸フランジ部とを繋ぐ第2予備稜線を金属板に曲げ成形する形状を有し、第2パンチは、第2ダイとで第1予備稜線を側縦フランジ部の一部に曲げ成形する第1曲げ成形部、及び、第2ダイとで第2予備稜線を床フランジ部の一部に曲げ成形する第2曲げ成形部の少なくともいずれか一方を有していてもよい。
以上、説明したように本開示によれば、いわゆる袋状部分を有するプレス成形品において、床フランジ部と側縦フランジ部との間の部位に生じる、しわの集中を抑制することが可能な新規かつ優れたプレス成形品の製造方法、プレス成形品、およびプレス成形装置が提供される。
本開示の第一実施形態に係るプレス成形品の構成例を示す斜視図である。 第一実施形態に係るプレス成形品の構成例を示す側面図である。 第一実施形態に係る第1金型の構成例を模式的に説明する斜視図である。 第一実施形態に係る第2金型の構成例を模式的に説明する斜視図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する斜視図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する端面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する端面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する端面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形完了後の様子を模式的に示す斜視図である。 第一実施形態に係る第1プレス成形後の中間成形品の構成例を示す側面図である。 第一実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態に係る第3プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第3プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態に係る第3プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第3プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態に係る第3プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第一実施形態に係る第3プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第一実施形態の補足説明図である。 第一実施形態の一の変形例に係る中間成形品の側面図である。 第一実施形態の他の変形例に係る中間成形品の側面図である。 第一実施形態の一の変形例に係るプレス成形品の斜視図である。 第一実施形態の他の変形例に係るプレス成形品の斜視図である。 第一実施形態のその他の変形例に係るプレス成形品の斜視図である。 比較例として、シミュレーション結果を示す図である。 比較例として、シミュレーション結果を示す図である。 実施例として、シミュレーション結果を示す図である。 第二実施形態に係る中間成形品の構成例を示す斜視図である。 第二実施形態に係る中間成形品の構成例を示す側面図である。 第二実施形態に係る第1金型の構成例を模式的に説明する斜視図である。 第二実施形態に係る第2金型の構成例を模式的に説明する斜視図である。 第二実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第二実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第二実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第二実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第二実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第二実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第二実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第二実施形態に係る第1プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第二実施形態に係る第1プレス成形完了後の様子を模式的に示す斜視図である。 第二実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第二実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第二実施形態に係る第2プレス成形工程におけるオフセット量を模式的に説明する側面図である。 第二実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第二実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第二実施形態に係る第2プレス成形工程における予備稜線の折り曲げを模式的に説明する側面図である。 参考例として、第2プレス成形工程における予備稜線の折り曲げを模式的に説明する部分拡大図である。 第二実施形態に係る第2プレス成形工程における予備稜線の折り曲げを模式的に説明する部分拡大図である。 第二実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する平面図である。 第二実施形態に係る第2プレス成形工程を模式的に説明する側面図である。 第二実施形態の補足説明図である。 実施例として、シミュレーション結果を示す図である。 従来の構造部材の斜視図である。 従来の構造部材が部材間に取り付けられた状態の斜視図である。
[第一実施形態]
はじめに、本開示の好適な第一実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.プレス成形品100の構成>
まず、図1Aを参照しながら、本開示の第一実施形態に係るプレス成形品100の概略構成について説明する。図1Aは、第一実施形態に係るプレス成形品100の斜視図である。図1Aに示すように、第一実施形態に係るプレス成形品100は、いわゆる袋状部分101を有する構造部材である。ここで、袋状部分101とは、天板の周縁に沿って形成され、少なくとも天板の三方が縦壁によって覆われた形状をいい、曲げ成形によって形成された一対の対向する縦壁のみを有するハット形状を含まない趣旨である。プレス成形品100は、部材間を連結することで、両部材間での荷重を伝達する。
プレス成形品100は、金属板(図2において後述するブランク1に相当)をプレス成形することによって形成される。プレス成形に関する詳細は後述する。プレス成形品100は、鋼板から形成される。特に、プレス成形品100は、高張力鋼板から形成される。また、ブランク1の板厚は、0.8mm以上であればよく、プレス成形品100の強度、剛性によって適宜設定され得る。また、ブランク1の形状、および成形後のプレス成形品100の寸法(X、Y、Z方向の距離)は、プレス成形品100の強度、剛性によって適宜設定され得る。
図1Aに示すようにプレス成形品100は、天板部110と、周壁部120と、床フランジ部140と、側縦フランジ部170と、傾斜フランジ部190とを有している。プレス成形品100の袋状部分101は、主に天板部110と周壁部120とによって形成される。また、プレス成形品100は、使用状態において、床フランジ部140によって図示しない一の部材と面接触して、接合されるとともに、側縦フランジ部170を含む縦フランジ部160によって図示しない他の部材と面接触して、接合されている。
[天板部]
天板部110は、プレス成形品100において、図1Aに示すX-Y平面に沿って延在された平面状の部位である。天板部110は、平面視(図1AにおけるZ方向視)で、X方向に沿った長辺を有する略矩形状である。天板部110は、袋状部分101の一部を構成する。
[周壁部]
周壁部120は、天板部110の三方の周縁部に沿って形成され、天板部110の延在方向と交差する方向に、当該周縁部から延在されている。周壁部120は、袋状部分101の一部を構成する。具体的には、図1Aに示すように、周壁部120は、天板部110のX方向の一端と天板部110のY方向の両端とを含む周縁部から屈曲されて、Z方向に延在されている。
周壁部120は、天板部110のX方向の一端と連続した中央縦壁部121と、天板部110のY方向の両端のそれぞれと連続する側縦壁部123とを有する。また、周壁部120は、中央縦壁部121と側縦壁部123とを連結する稜線縦壁部125とを有する。中央縦壁部121と側縦壁部123とが、稜線縦壁部125によって連結されていることで、プレス成形品100の剛性が向上し、ねじれや圧壊に対する抵抗力が増すとともに、荷重伝達能力が向上する。
天板部110と周壁部120との間には、所定の曲率半径を有する天板稜線部130が形成される。具体的には、天板部110と中央縦壁部121との間には、中央天板稜線部131が形成される。また、天板部110と側縦壁部123との間には、側天板稜線部133が形成される。天板稜線部130の曲率半径は、プレス成形時の加工性、プレス成形品100の強度、剛性によって適宜設定される。
中央天板稜線部131と側天板稜線部133の間には、天板コーナ部135が形成される。また、天板コーナ部135は、稜線縦壁部125と天板部110とを連結する。中央天板稜線部131と側天板稜線部133とが、天板コーナ部135によって、連結されることで、プレス成形品100の剛性が向上し、ねじれや圧壊に対する抵抗力が増すとともに、荷重伝達能力が向上する。
[床フランジ部]
床フランジ部140は、周壁部120の延在方向と交差する方向に、周壁部120の天板部110と連続した端部と反対側の端部から外方へ延在されている。具体的には、図1Aに示すように、床フランジ部140は、周壁部120のZ方向の端部であって、天板部110とは反対側の端部から、袋状部分101の形成する内部空間に対して外方へ、X-Y平面に沿って延在されている。床フランジ部140は、中央縦壁部121と連続した中央床フランジ部141と、側縦壁部123と連続した側床フランジ部143とを有する。また、床フランジ部140は、中央床フランジ部141と、側床フランジ部143とを連結する稜線床フランジ部145を有する。
中央床フランジ部141と、側床フランジ部143とが、稜線床フランジ部145によって、連結されることで、プレス成形品100の剛性が向上し、ねじれや圧壊に対する抵抗力が増すとともに、荷重伝達能力が向上する。
周壁部120と床フランジ部140との間には、床フランジ稜線部150が形成される。具体的には、中央縦壁部121と中央床フランジ部141との間には、中央床フランジ稜線部151が形成される。また、側縦壁部123と側床フランジ部143との間には、側床フランジ稜線部153が形成される。
中央床フランジ稜線部151と側床フランジ稜線部153との間には、床フランジコーナ部155が形成される。また、床フランジコーナ部155は、稜線縦壁部125と床フランジ部140の稜線床フランジ部145とを連結する。床フランジコーナ部155によって各部位が連結されていることで、プレス成形品100の剛性が向上し、ねじれや圧壊に対する抵抗力が増すとともに、荷重伝達能力が向上する。
[側縦フランジ部]
側縦フランジ部170は、周壁部120の周方向の端部から外方へ延在されている。具体的には、図1Aに示すように、側縦フランジ部170は、側縦壁部123における、中央縦壁部121が設けられた側と反対側の端部から、袋状部分101の形成する内部空間に対して外方へ、Y方向に沿って延在されている。側縦フランジ部170と、側縦壁部123との間には、側縦フランジ稜線部171が形成される。
[傾斜フランジ部]
傾斜フランジ部190は、側縦フランジ部170と床フランジ部140との間に連続する傾斜壁である。具体的には、図1Aに示すように、傾斜フランジ部190は、床フランジ部140の側床フランジ部143と側縦フランジ部170との間において、Y方向視でX方向とZ方向に対して傾斜している。傾斜フランジ部190の延在方向と、図1Aに示すX方向との成す角度(傾斜角度)が小さいほど、側縦フランジ部170の面積が大きくなることから、プレス成形品100の荷重伝達能力や剛性が向上する。例えば、傾斜フランジ部190の傾斜角度は、約30~45度に設定される。
傾斜フランジ部190によって、床フランジ部140と側縦フランジ部170とが連続することで、プレス成形品100の荷重伝達能力および剛性が向上する。また、後述するように、傾斜フランジ部190は、床フランジ部140と側縦フランジ部170との間に凸形状の凸フランジ部51が形成された後、この凸フランジ部51が圧し潰されることにより形成される。このため、傾斜フランジ部190において、しわが分散して存在し、しわの集中が抑制される。
傾斜フランジ部190と側縦壁部123との間には、傾斜フランジ稜線部191が形成される。傾斜フランジ稜線部191によって、傾斜フランジ部190と、側縦壁部123とが連続し、傾斜フランジ部190が、袋状部分101と連続するので、プレス成形品100の荷重伝達能力および剛性が向上する。
また、傾斜フランジ部190と側床フランジ部143との間には、下フランジ稜線部192が形成される。さらに、下フランジ稜線部192、傾斜フランジ稜線部191、側床フランジ稜線部153、および側縦壁部123の間には、下フランジコーナ部193が形成される。
また、傾斜フランジ部190と側縦フランジ部170との間には、上フランジ稜線部194が形成される。さらに、上フランジ稜線部194、傾斜フランジ稜線部191、側縦フランジ稜線部171、および側縦壁部123の間には、上フランジコーナ部195が形成される。
下フランジ稜線部192および上フランジ稜線部194が設けられることにより、傾斜フランジ部190と、側床フランジ部143および側縦フランジ部170との間が、所定の曲率半径をもって連続する。この結果、プレス成形品100の荷重伝達能力が向上する。
さらに、下フランジコーナ部193と上フランジコーナ部195が設けられることにより、傾斜フランジ稜線部191が、側床フランジ稜線部153および側縦フランジ稜線部171と、連続する。このように、傾斜フランジ稜線部191を介して、傾斜フランジ部190が、他の部位と連続することで、プレス成形品100の荷重伝達能力および剛性が向上する。
また、傾斜フランジ部190は、図1Bに示すように、側面視したときの傾斜フランジ部190の線長Lが、プレス成形品100の高さH(天板部110と床フランジ部140との間の距離)に対して、10%以上70%以下となる様に設定されている。ここで、傾斜フランジ部190の線長Lは、プレス成形品100を側面視(図1Bに示すY方向視)した場合に、後述する上フランジ稜線部194と下フランジ稜線部192との間の傾斜フランジ部190に沿った距離である。
一例として、プレス成形品100の高さHが、50mm程度である場合、傾斜フランジ部190の線長Lは、5mm以上35mm以下程度の範囲とされている。
傾斜フランジ部190の線長Lが、プレス成形品100の高さHに対して、70%以下とされることで、プレス成形品100の荷重伝達能力が向上する。すなわち、傾斜フランジ部190の線長Lが短くなることで、側縦フランジ部170又は側床フランジ部143が、図示しない他の部材と接触する面積を増やすことができる。他の部材との接触面積が増えることで、プレス成形品100の剛性、荷重伝達能力が向上する。また、傾斜フランジ部190又は縦フランジ部160の単位面積当たりに負荷される荷重が低減され、プレス成形品100、およびプレス成形品100を介して連結されている2つの部材(図示省略)にかかるモーメントも抑制される。また、接触面積が増えることで、プレス成形品100が図示しない他の部材と溶接される場合には、溶接面積も増やすことができる。
また、傾斜フランジ部190の線長Lが長く、側縦フランジ部170又は側床フランジ部143が他の部材と接触する面積が十分確保できない場合と比較して、プレス成形品100に対するモーメントの発生も抑制される。具体的には、例えば、側縦フランジ部170の上部側(天板部110側)のみが、図示しない他の部材(例えば、サイドシル等)と接合されているとする。この場合、プレス成形品100には、サイドシルからの荷重の作用する箇所と支持箇所(接合部分)との間にずれが生じ、結果としてプレス成形品100にモーメントが生じ得る。そこで、上述の通り、線長Lの長さを所定の範囲内とすることで、かかるモーメントの発生を抑制し、プレス成形品100の変形をより効果的に抑制できる。
また、傾斜フランジ部190の線長Lが、プレス成形品100の高さHに対して、10%以上とされることで、荷重伝達能力を確保しながら、上フランジ稜線部194及び下フランジ稜線部192を大きくすることなく、傾斜フランジ部190の成形性を向上させることができる。また、プレス成形品100が傾斜フランジ部190を介して図示しない他の部材と溶接される場合には、溶接面積が確保される。
換言すれば、傾斜フランジ部190の線長Lが、プレス成形品100の高さHに対して、70%よりも大きい場合、プレス成形品100に要求される荷重伝達能力、剛性が満足されず、例えば、他部材を連結するプレス成形品100としての機能を奏することが困難となる。一方、傾斜フランジ部190の線長Lが、プレス成形品100の高さHに対して、10%よりも小さい場合、傾斜フランジ部190における平面部分の成形が困難となる。
[中央縦フランジ部]
プレス成形品100は、さらに中央縦フランジ部180を有してもよい。側縦フランジ部170と中央縦フランジ部180とを含んで縦フランジ部160が構成される。プレス成形品100は、縦フランジ部160によって、図示しない他の部材と面接触してもよい。
中央縦フランジ部180は、天板部110の延在方向と交差する方向であって周壁部120の延在された方向と反対の方向に、天板部110における周壁部120の形成されていない端部から延在されて、側縦フランジ部170と連続している。具体的には、図1Aに示すように、天板部110の中央縦壁部121が設けられた側と反対側の端部から、Z方向に沿って延在されている。また、中央縦フランジ部180と、側縦フランジ部170との間には、稜線縦フランジ部181が形成される。
中央縦フランジ部180と天板部110との間には、中央縦フランジ稜線部183が形成される。中央縦フランジ稜線部183と側縦フランジ稜線部171との間には、縦フランジコーナ部185が形成される。また、縦フランジコーナ部185は、側天板稜線部133と稜線縦フランジ部181とを連結する。
中央縦フランジ部180と、側縦フランジ部170とが、稜線縦フランジ部181によって、連結されることで、プレス成形品100の剛性が向上し、ねじれや圧壊に対する抵抗力が増すとともに、荷重伝達能力が向上する。
さらに、中央縦フランジ部180と、側縦フランジ部170とが、稜線縦フランジ部181によって、連結されることにより、床フランジ部140、側縦フランジ部170、および中央縦フランジ部180が、連続的に形成される。この結果、プレス成形品100による一の部材と他の部材との間での荷重伝達能力が向上する。さらに、中央縦フランジ部180は、種々の稜線部、コーナ部を介して、天板部110を含む袋状部分101および側縦フランジ部170と連結されている。これにより、プレス成形品100の荷重伝達能力および剛性がより向上する。
以上説明したプレス成形品100において、床フランジ部140、側縦フランジ部170、中央縦フランジ部180及び傾斜フランジ部190を含み、プレス成形品100の周囲に形成されたフランジは、プレス成形品100の全周に亘って連続している。つまり、フランジを形成する床フランジ部140、側縦フランジ部170、中央縦フランジ部180及び傾斜フランジ部190は、プレス成形品100の全周に亘って連続している。したがって、プレス成形品100の剛性が向上する。
(中間成形品)
続いて、第一実施形態に係るプレス成形品100の成形に際して、予備的に成形される中間成形品について説明する。中間成形品(図9Bに示す中間成形品50に相当)は、プレス成形品100の袋状部分101に相当する形状と、凸フランジ部51と、を含む形状を有している。凸フランジ部51は、側床フランジ部143に相当する部位と、側縦フランジ部170に相当する部位との間に設けられている。詳細は後述するが、中間成形品50に対して、さらにプレス成形が行われ、凸フランジ部51が平坦化されることで、凸フランジ部51から傾斜フランジ部190が形成され、傾斜フランジ部190を有するプレス成形品100が成形される。以上、第一実施形態に係るプレス成形品100の概略構成について説明した。
<2.金型>
次に、図2、図3を参照しながら、第一実施形態に係る金型について説明する。図2は、第一実施形態に係る第1金型200の構成を模式的に説明するための図である。また、図3は、第一実施形態に係る第2金型300の構成を模式的に説明するための図である。なお、図2、図3に示した金型の構成は、あくまで模式的なものであり、実際の金型そのものを示すものではない。
第一実施形態に係る金型は、第1金型200と、第2金型300とを含んでいる。プレス成形品100の製造方法について詳細は後述するが、第1金型200を用いた第1プレス成形によって、ブランク1に対して床フランジ部140と側縦フランジ部170との間に相当する箇所に凸フランジ部51を有する中間成形品50が形成される。さらに、第2金型300を用いた第2プレス成形によって、かかる凸フランジ部51を平坦にして、凸フランジ部51から傾斜フランジ部190を形成し、傾斜フランジ部190を有するプレス成形品100が形成される。
[第1金型]
第1金型200は、第1プレス成形において、ブランク1を所定の形状を有する中間成形品(図9Bで説明する中間成形品50に相当)へと予備的に成形するために用いられる。具体的には、図2に示すように、第1金型200は、第1ホルダ210と、第1ダイ230と、第1パンチ250とを含んで構成される。
[第1ホルダ]
第1ホルダ210は、ブランク1の一の面に対して図2におけるZ方向に沿って当接する。例えば、第1金型200が鉛直方向に相対移動する場合、第1ホルダ210は、ブランク1の下面に対して当接する。第1ホルダ210は、ブランク1の外周縁部の内、プレス成形品100の床フランジ部140となる領域に当接する部分を有する。また、第1ホルダ210は、後述する第1ダイ230との間でブランク1を挟持する部分を有する。
第1ホルダ210は、一例として、X-Y平面に沿って延在されたホルダ平面部211を有し、かかるホルダ平面部211の内、ブランク1の位置に対応する部位に、半円状に切り欠かれた切欠部213を有している。切欠部213は、後述する第1パンチ250における、プレス成形品100の袋状部分101を形成する部位との干渉を避けることが可能な大きさで設けられている。
[第1ダイ]
第1ダイ230は、ブランク1の他の面に対して図2におけるZ方向に沿って当接する。例えば、第1金型200が鉛直方向に相対移動する場合、第1ダイ230は、ブランク1の上面に対して当接する。第1ダイ230は、ブランク1の外周縁部の内、プレス成形品100の床フランジ部140となる領域に当接する部分と、第1ホルダ210との間でブランク1を挟持する部分とを有する。また、第1ダイ230は、ブランク1の内、プレス成形品100の周壁部120となる領域に当接する部分を有する。
第1ダイ230は、一例として、第1ダイ平面部231と、第1ダイ平面部231の略中央から立設された第1ダイ周壁形成部233と、第1ダイ平面部231のX方向端部に設けられた第1ダイ凸形成部235と、第1ダイ凸形成部235のX方向端部に設けられた第1ダイ縦フランジ形成部237とを有する。
第1ダイ平面部231は、第1ホルダ210との間でブランク1の外周縁部を挟持する。第1ダイ周壁形成部233は、第1ダイ平面部231の略中央から立設された周壁状の部位である。第1ダイ周壁形成部233は、後述する第1パンチ250との間で、ブランク1を絞り成形することで、周壁部120を形成する。
第1ダイ凸形成部235は、ブランク1を上面から保持し、ブランク1に凸形状である凸フランジ部51を形成する。第1ダイ凸形成部235は、第1ダイ周壁形成部233のY方向の両側方に設けられ、第1ダイ平面部231から所定の高さを有する段差形状を有している。第1ダイ縦フランジ形成部237は、第1ダイ凸形成部235から立設された壁面であり、後述する第1パンチ250との間で、ブランク1を曲げ成形することで、側縦フランジ部170含む縦フランジ部160を形成する。
[第1パンチ]
第1パンチ250は、ブランク1の一の面に対して図2におけるZ方向に沿って当接する。例えば、第1金型200が鉛直方向に相対移動する場合、第1パンチ250は、ブランク1の下面に対して当接する。第1パンチ250は、ブランク1の一の面の周壁部120となる領域に当接して、第1ダイ230とともにブランク1に対して周壁部120を形成する絞り成形を行う部分を有する。また、第1パンチ250は、ブランク1の一の面の傾斜フランジ部190となる領域に当接して、他の面に向かって突出する凸形状である凸フランジ部51を形成する曲げ成形を施す凸部である第1パンチ凸形成部253を有している。
第1パンチ250は、一例として、第1パンチ周壁形成部251と、第1パンチ凸形成部253と、第1パンチ縦フランジ形成部255とを有する。第1パンチ周壁形成部251は、ブランク1の袋状部分101となる領域の下面に当接する、台形状の部分である。つまり、第1パンチ周壁形成部251は、ブランク1の一の面の周壁部120となる領域に当接して、第1ダイ230とともにブランク1に対して周壁部120を絞り成形する部分である。第1パンチ周壁形成部251の外面に沿って、ブランク1が絞り成形されることにより、プレス成形品100の袋状部分101が形成される。
第1パンチ凸形成部253は、第1パンチ周壁形成部251のY方向の両側方に設けられた段差形状の部分である。つまり、第1パンチ凸形成部253は、ブランク1の一の面の傾斜フランジ部190となる領域に当接して、第1ダイ230とともにブランク1に対して凸フランジ部51を曲げ成形する部分である。第1パンチ凸形成部253は、第1ダイ凸形成部235との間で、ブランク1を挟持し、曲げ成形することで、凸形状である凸フランジ部51を形成する。第1パンチ縦フランジ形成部255は、第1パンチ周壁形成部251と第1パンチ凸形成部253との端部に連続して設けられた壁状の部分である。第1パンチ縦フランジ形成部255は、第1ダイ縦フランジ形成部237との間でブランク1を挟持して、プレス成形品100の縦フランジ部160を形成する。
[第1パッド]
さらに、第1金型200は、第1パッド270を有してもよい。第1パッド270は、ブランク1の他の面に対して図2におけるZ方向に沿って当接する。例えば、第1金型200が鉛直方向に相対移動する場合、第1パッド270は、ブランク1の上面に対して当接する。第1パッド270は、第1パッド天板押さえ部271と、第1パッド稜線形成部273と、第1パッド縦フランジ形成部275とを有する。第1パッド天板押さえ部271は、ブランク1の内、プレス成形品100の天板部110に当接する舌片状の部位である。第1パッド天板押さえ部271は、第1パンチ250との間で、ブランク1を挟持する。
第1パッド稜線形成部273は、第1パッド天板押さえ部271のX方向端部において、Y方向の両側部に設けられた部位である。第1パッド稜線形成部273は、第1パッド天板押さえ部271の平面位置からZ方向でブランク1側へ向かって延出されたX方向視で円弧形状を有し、さらに、かかる円弧形状の先端からY方向の外方へ向かって屈曲された部位を有している。第1パッド稜線形成部273は、第1パッド天板押さえ部271における第1パッド縦フランジ形成部275側の端部側に設けられる。すなわち、第1パッド稜線形成部273は、側天板稜線部133の内、縦フランジ部160側の一部を形成する。第1パッド縦フランジ形成部275は、第1パッド天板押さえ部271と第1パッド稜線形成部273とのX方向端部から立設された壁状の部位である第1パッド縦フランジ形成部275は、第1パンチ250との間でブランク1を挟持し、プレス成形品100の縦フランジ部160を成形する。
[第2金型]
引き続き、第一実施形態に係る金型の第2金型300について説明する。第2金型300は、第1プレス成形において予備的に成形された中間成形品50を、第2プレス成形によってプレス成形品100として成形するために用いられる。ここで、中間成形品50とは、第2プレス成形によってプレス成形品100に成形される前の製品を指すものであり、第一実施形態に係るプレス成形品100が最終的な製品になることを示唆する趣旨ではない。具体的には、図3に示すように、第2金型300は、第2ダイ310と、第2パンチ330とを含んで構成される。
[第2ダイ]
第2ダイ310は、中間成形品50の他の面に対して図3におけるZ方向から当接する。例えば、第2金型300が鉛直方向に相対移動する場合、第2ダイ310は、中間成形品50の上面に対して当接する。また、第2ダイ310は、凸フランジ部51の他の面に当接する斜面を含んでいる。
第2ダイ310は、一例として、第2ダイ平面部311と、第2ダイ平面部311の略中央に設けられた第2ダイ周壁保持部313と、平面部のX方向端部に設けられた第2ダイ斜面部315と、第2ダイ斜面部315から連続した第2ダイ縦フランジ形成部317とを有する。第2ダイ平面部311は、後述する第2パンチ330との間で中間成形品50における床フランジ部140に相当する部位を挟持する。第2ダイ周壁保持部313は、第2ダイ平面部311の略中央から立設された周壁状の部位である。第2ダイ周壁保持部313は、後述する第2パンチ330との間で、中間成形品50の周壁部120に相当する部位を挟持する。
第2ダイ斜面部315は、中間成形品50の凸フランジ部51を上面から押圧し、プレス成形品100に傾斜フランジ部190を形成する。第2ダイ斜面部315は、第2ダイ周壁保持部313のY方向の両側方に設けられ、第2ダイ平面部311から立設された傾斜壁である。第2ダイ縦フランジ形成部317は、第2ダイ斜面部315から立設された壁面であり、後述する第2カム370との間で、プレス成形品100の側縦フランジ部170を含む縦フランジ部160を形成する。
[第2パンチ]
第2パンチ330は、中間成形品50の一の面に対して図3におけるZ方向から当接する。例えば、第2金型300が鉛直方向に相対移動する場合、第2パンチ330は、中間成形品50の下面に対して当接する。第2パンチ330は、中間成形品50の凸フランジ部51の一の面側に設けられ、第2ダイ310との間で凸フランジ部51を挟持することにより、傾斜フランジ部190を曲げ成形する。
第2パンチ330は、一例として、第2パンチ平面部331と、第2パンチ周壁保持部333と、第2パンチ斜面部335と、第2パンチ縦フランジ形成部337とを有する。第2パンチ平面部331は、X-Y平面に沿って延在され、第2ダイ310との間で中間成形品50における床フランジ部140に相当する箇所を挟持する。第2パンチ周壁保持部333は、第2パンチ平面部331の略中央部に設けられ、中間成形品50における袋状部分101に相当する領域の下面に当接する、台形状の部分である。
第2パンチ斜面部335は、第2パンチ周壁保持部333の図3におけるY方向の両側方に設けられ、第2パンチ平面部331から立設された傾斜壁である。第2パンチ斜面部335は、第2ダイ斜面部315との間で、中間成形品50の凸フランジ部51を挟持することで、傾斜フランジ部190を形成する。つまり、第2パンチ斜面部335は、凸フランジ部51の一の面側に設けられ、第2ダイ310との間で凸フランジ部51を挟持することにより、凸フランジ部51から傾斜フランジ部190を曲げ成形する部分である。第2パンチ縦フランジ形成部337は、第2パンチ周壁保持部333のX方向端部に連続して設けられた壁状の部分である。第2パンチ縦フランジ形成部337は、後述する第2パッド350との間で中間成形品50における縦フランジ部160に相当する箇所を挟持する。
また、第2金型300は、さらに第2パッド350を有してもよい。第2パッド350は、第2パッド天板押さえ部351と、第2パッド縦フランジ形成部353を有する。第2パッド天板押さえ部351は、舌片状の部分であり、中間成形品50における天板部110に相当する箇所を、第2パンチ周壁保持部333との間で挟持する。第2パッド縦フランジ形成部353は、第2パッド天板押さえ部351のX方向端部から立設された壁状の部分であり、第2パンチ縦フランジ形成部337との間で、中間成形品50における縦フランジ部160に相当する箇所を挟持する。
また、第2金型300は、さらに第2カム370を有してもよい。第2カム370は、中間成形品50に対して図3におけるX方向から当接する。第2カム370は、第2ダイ縦フランジ形成部317との間で、中間成形品50の縦フランジ部160に相当する箇所を挟持し、プレス成形品100の縦フランジ部160の形状を所定の寸法とする。
また、第一実施形態に係る金型は、さらに第3金型400を有してもよい。第3金型400は、複数のカムからなる。第2金型300による第2プレス成形後、第3金型400のカムが所定個所に当接することで、プレス成形品100の各部の形状が精度よく仕上げられる。第3金型400の詳細については、後述する。以上、第一実施形態に係る金型について説明した。
(プレス成形装置)
第一実施形態に係る金型は、プレス成形装置500に備えられた状態で、プレス成形に用いられる。図2および図3に示すように、かかるプレス成形装置500は、金型を用いて、プレス成形を行うための一般的な駆動機構511~516、および図示しない制御機構、検出機構等を有していればよく、特に限定されない。例えば、金型は、駆動機構511~516としての油圧シリンダ機構によって駆動されることで移動可能とされる。また、金型、ブランク1の位置は、検出機構としてのレーザセンサによって検出される。さらに、制御機構としての機能は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の協働によって実現される。制御機構は、油圧シリンダ機構、レーザセンサ等からの出力、および入力装置からの入力に基づいて、プレス成形装置におけるプレス成形工程を制御する。また、制御機構520は、金型の位置、移動速度、および動作タイミング等を制御する。
<3.製造方法>
次に、図4A~図16Bを参照しながら、第一実施形態に係るプレス成形品100の製造方法の一例について説明する。第一実施形態に係るプレス成形品100の製造方法は、第1プレス成形と、第2プレス成形とを含んでいる。図4A~図8Bは、第一実施形態における第1プレス成形工程を模式的に説明するための図である。第1プレス成形では、プレス成形品100の周壁部120を含む袋状部分101が絞り成形によって概ね成形されるとともに、側縦フランジ部170と床フランジ部140との間に、凸フランジ部51が曲げ成形によって成形される。以下、図4A~図8Bを参照しながら、第1プレス成形について説明する。
(第1プレス成形)
具体的には、図4Bに示すように、まず、ブランク1が第1ホルダ210と第1ダイ230とで挟持される。ここで、ブランク1は、図4Aに示すように、平面視(図4AにおけるZ方向視)で、略円形状の板材であり、X方向の最長長さは、170mm程度であり、Y方向の最長長さは、200mm程度とされている。第1ホルダ210と第1ダイ230は、ブランク1において、プレス成形品100の床フランジ部140になる箇所を挟持する。具体的には、ホルダ平面部211と第1ダイ平面部231とによって、ブランク1の外周縁部が挟持される。
次に、図5Bに示すように、第1ホルダ210と第1ダイ230とで挟持されたブランク1が、第1パンチ250に対して相対的に移動されて、第1パンチ250とブランク1とが当接する。具体的には、ブランク1の略中央部と、第1パンチ周壁形成部251の上壁面とが、当接する。また、図5Aに示すように、ブランク1のX方向端部1Aが、第1パンチ縦フランジ形成部255と当接し、変形される。
また、第1金型200が、第1パッド270を有する実施形態の場合には、第1パッド270が、絞り成形に先行して、ブランク1に当接する。これにより、プレス成形品100における、周壁部120の形成されていない端部側の天板部110と周壁部120との間の稜線部である、側天板稜線部133の一部が形成される。また、プレス成形品100の中央縦フランジ部180と側縦フランジ部170との間の連続した部位が成形される。つまり、第1プレス成形において、絞り成形がされる前に、第1パッド270と、第1パンチ250とによって、側天板稜線部133の一部と、中央縦フランジ稜線部183および縦フランジコーナ部185が形成される。
具体的には、図5Aに示すように、第1パッド稜線形成部273と、第1パンチ周壁形成部251との間で、ブランク1が挟持されて、側天板稜線部133の一部が形成される。また、第1パッド縦フランジ形成部275が、ブランク1のX方向端部1Aに当接する。これにより、図5Bに示すように、第1パッド縦フランジ形成部275と、第1パンチ縦フランジ形成部255との間で、ブランク1が挟持され、部分的にブランク1が曲げ成形されて、中央縦フランジ部180およびその周辺部位の形成が開始される。
ここで、第1パッド270による側天板稜線部133、および中央縦フランジ部180の成形について、図6A~図6Dを参照しながら、より詳しく説明する。図6Aは、第1パッド270による成形の様子を模式的に説明する図である。また、図6B~図6DにおけるA-A’端面図であり、第1パッド270による成形の様子を模式的に説明する図である。
図6Aに示すように、第1ダイ230と第1パンチ250とによる絞り成形の前に、第1パッド270が、ブランク1の上面に先行して当接される。このとき、図6Bに示すように、まず、第1パッド稜線形成部273の先端部が、ブランク1に当接する。
さらに、第1パッド270がZ方向に移動されると、図6Cに示すように、第1パッド稜線形成部273と第1パンチ周壁形成部251との間で、ブランク1が挟持され、側天板稜線部133の一部が曲げ成形される。このとき、ブランク1のY方向中間部では、ブランク1の余肉が生じている(図6Cの点線領域B参照)。すなわち、第1パッド稜線形成部273と第1パンチ250によってブランク1のY方向の両端が挟持された結果、Y方向の中央部での撓みが生じている。
さらに、第1パッド270をZ方向に移動させると、図6Dに示すように、側天板稜線部133が曲げ成形される。また、このとき、図5Bに示すように、第1パッド稜線形成部273と第1パンチ周壁形成部251との間で、中央縦フランジ部180および稜線縦フランジ部181も曲げ成形される。これらの部位が曲げ成形されることにより、引っ張り歪の集中が抑制され、最終的に形成される稜線縦フランジ部181における歪の集中が抑制される。
また、稜線縦フランジ部181の形成において、図6Cで示したブランク1の余肉が材料流動によって、第1パッド270と第1パンチ250との間での曲げ成形に利用されるので、稜線縦フランジ部181における引っ張り歪の集中がより抑制される。このように、第1パッド270を絞り成形前に先行してブランク1に当接させることで、稜線縦フランジ部181での歪の集中が抑制される結果、割れの発生が抑制される。以上、第1パッド270による側天板稜線部133および、中央縦フランジ部180ならびに、その周辺部位の成形について説明した。
続いて、図7Aに示すように、第1ホルダ210と第1ダイ230とで挟持されたブランク1が、第1パンチ250に対してさらに相対的に移動されて、周壁部120が絞り成形によって形成され始める。具体的には、図7Bに示すように、ブランク1の略中央部が、第1ダイ周壁形成部233と第1パンチ周壁形成部251との間で挟持されながら、絞り成形される。このとき、まず、天板稜線部130が絞り成形される。絞り成形で天板稜線部130が形成されるため、天板稜線部130に隣接する箇所のしわの発生が抑制される。実際に、図7Aに示すように、絞り成形に伴い、天板稜線部130から、天板部110および周壁部120にかけて、ブランク1の板厚が一様に減少しており、しわの発生が抑制されている。
また、第1金型200が、第1パッド270を有する実施形態の場合には、第1パッド270が、第1ホルダ210及び第1ダイ230とともに、第1パンチ250に対して相対移動する。図6Cで説明したように、第1パッド稜線形成部273は、第1パンチ250との間で、側天板稜線部133を形成する。また、ブランク1のX方向端部が、第1パッド縦フランジ形成部275と、第1パンチ縦フランジ形成部255とによって挟持されて、曲げ成形されることにより、中央縦フランジ稜線部183が形成される。また、第1ホルダ210と第1ダイ230とによる絞り成形の間、第1パッド天板押さえ部271は、ブランク1の略中央部を上方から保持する。最終的に、第1パッド天板押さえ部271は、第1パンチ周壁形成部251の上壁面との間でブランク1の略中央を挟持する。
図8Aおよび図8Bに示すように、第1ホルダ210と第1ダイ230とで挟持されたブランク1が、第1パンチ250に対してさらに相対的に移動されて、周壁部120が成形される。また、ブランク1が第1パンチ凸形成部253に当接されることで、凸形状の凸フランジ部51が曲げ成形される。具体的には、ブランク1が、第1パンチ250に対して相対移動されることで、ブランク1の一部が、第1ダイ凸形成部235と第1パンチ凸形成部253との間に挟持されて、少なくとも一つの段差形状に変形されることにより、凸フランジ部51が形成される。凸フランジ部51の段差形状の高さは、ブランク1の板厚、引っ張り強度に基づいて、傾斜フランジ部190が形成可能な程度に適宜設定される。
図9Aは、第1プレス成形完了後の様子を模式的に示す説明図である。図9Bは、第1プレス成形後の中間成形品50の一例を示す側面図である。図9Aおよび図9Bに示すように、第1プレス成形終了後、ブランク1は、袋状部分101に相当する形状と凸フランジ部51とを含む中間成形品50に成形される。第1金型200から取り出された中間成形品50は、第2プレス成形に用いられる。
なお、第1プレス成形において、中間成形品50の天板部110、周壁部120、床フランジ部140、または側縦フランジ部170を含む縦フランジ部160に相当する部位の成す角度は、大きく鈍角となる様に形成されてもよい。これにより、成形時の歪の集中を緩和することができる。この場合、第2プレス成形、または第3プレス成形において、プレス成形品100における各部位の成す角度が、所定の角度となるように成形が行われる。
(第2プレス成形)
続いて、図10A~図13Bを参照しながら、第一実施形態に係る製造方法の第2プレス成形について説明する。図10A~図13Bは、第一実施形態における第2プレス成形工程を模式的に説明するための図である。第2プレス成形では、凸フランジ部51が、曲げ成形によって、傾斜フランジ部190に成形される。以下、図10A~図13Bを参照しながら、第2プレス成形について説明する。
まず、図10Aおよび図10Bに示すように、中間成形品50が、第2金型300と接触する。具体的には、中間成形品50における周壁部120に相当する部位の内周面と、第2パンチ周壁保持部333の外周面とが接触する。さらに、第2パッド天板押さえ部351が、中間成形品50の天板部110に相当する部位に当接する。中間成形品50は、第2パッド天板押さえ部351によって押し下げられ、第2パンチ周壁保持部333にガイドされて、第2パンチ330に対して相対移動する。
次に、図11Aおよび図11Bに示すように、中間成形品50が、第2パッド天板押さえ部351によって、押し下げられた結果、中間成形品50の床フランジ部140に相当する部位が、第2パンチ平面部331に当接する。また、中間成形品50の袋状部分101の内周面が、第2パンチ周壁保持部333の外周面に当接する。これによって、第2金型300内に、中間成形品50が保持される。このとき、中間成形品50の凸フランジ部51が、第2パンチ斜面部335の上方側に位置している。
続いて、図12Aおよび図12Bに示すように、第2ダイ310が、中間成形品50に向かってZ方向に沿って移動する。第2ダイ平面部311は、第2パンチ平面部331との間で、中間成形品50の床フランジ部140に相当する部位を挟持する。また、第2ダイ周壁保持部313は、第2パンチ周壁保持部333との間で、中間成形品50の周壁部120に相当する部位を挟持する。第2ダイ斜面部315は、第2パンチ斜面部335との間で凸形状の凸フランジ部51を押圧し、平坦な形状に曲げ成形を行う。この結果、床フランジ部140と側縦フランジ部170との間に連続する傾斜壁である、傾斜フランジ部190が形成される。
ここで、例えば、凸形状の凸フランジ部51を形成することを経ずに、当初から平坦な傾斜壁を形成しようすると、傾斜壁の端部(側面視(Y方向視)した場合のX方向端部)において、肉厚が偏る(しわが集中する)ことを本開示者らは知見した。これは、平坦形状を直接、形成しようとすると、プレス成形中の材料流動によって、傾斜壁の端部へ圧縮歪が集中し、より多くのしわが寄ってしまうことが原因と考えられる。そこで、本開示者らが、鋭意検討したところ、一旦、凸形状である凸フランジ部51を形成し、当該凸フランジ部51を潰すことでしわを分散し、しわの集中を抑制できることを見出した。具体的には、中間成形品50の凸フランジ部51を押圧して、平坦な形状にすることで、プレス成形品100の傾斜フランジ部190におけるしわの集中が抑制される。特に、プレス成形品100が、高張力鋼板から成る場合、凸フランジ部51を押圧して傾斜フランジ部190とすることで、しわの集中を抑制することができる。
続いて、図13Aおよび図13Bに示すように、第2カム370がX方向に沿って中間成形品50の縦フランジ部に当接する(図13中の矢印参照)。つまり、第2カム370が、第2パンチ縦フランジ形成部337との間で、中間成形品50の縦フランジ部160に相当する部位を挟持する。以上、第一実施形態に係るプレス成形品100の製造方法における、第1プレス成形、および第2プレス成形について説明した。なお、第一実施形態に係るプレス成形品100の製造方法は、第1プレス成形、第2プレス成形の他、プレス成形品100を製造するために必要な種々の追加工程を含み得る。
(第3プレス成形)
また、第一実施形態に係るプレス成形品100の製造方法は、第3プレス成形を含んでもよい。第3プレス成形は、第2プレス成形の後に、プレス成形品100の稜線部分の曲率半径を小さくし、形状精度を高めるために行われる工程である。図14A~図16Bは、第一実施形態に係るプレス成形品100の製造方法の第3プレス成形を説明する模式図である。以下、図14A~図16Bを参照しながら、第3のプレス成形について説明する。
図14Aおよび図14Bに示すように、プレス成形品100が、第3金型400内に配置される。第3金型400は、第3パッド410、第3パンチ430、第3中央縦壁カム450、および第3側縦壁カム470を有している。第3パンチ430は、プレス成形品100の袋状部分101を内側から支持するとともに、床フランジ部140、縦フランジ部を支持している。第3パッド410は、プレス成形品100の天板部110を上方から押さえることが可能である。また、第3中央縦壁カム450は、プレス成形品100の中央縦壁部121および稜線縦壁部125に対向し、第3側縦壁カム470は、プレス成形品100の側縦壁部123に対向している。
図15Aおよび図15Bに示すように、第3パッド410と第3パンチ430とによってプレス成形品100が保持される。続いて、図16Aおよび図16Bに示すように、第3中央縦壁カム450、および第3側縦壁カム470が、プレス成形品100に向かって移動する(図16中の矢印参照)。この結果、第3中央縦壁カム450、および第3側縦壁カム470と、第3パンチ430との間で、プレス成形品100が挟持され、プレス成形品100の各部位における曲率半径が、第3プレス成形前よりも小さくなる。これによって、プレス成形品100が所定の形状とされる。以上、第一実施形態に係るプレス成形品100の製造方法について説明した。
なお、第一実施形態について、図17を参照しながら、以下の通り補足する。
第一実施形態において、第1パンチ250は、ブランク1の一の面の傾斜フランジ部190となる領域に当接して、第1ダイ230とともにブランク1に対して凸フランジ部51を曲げ成形する第1パンチ凸形成部253と、ブランク1の一の面の側縦フランジ部170となる領域に当接して、第1ダイ230とともにブランク1に対して側縦フランジ部170のうち傾斜フランジ部190側の端部170Aよりも傾斜フランジ部190と反対側に位置する側縦フランジ本体部170Bを少なくとも曲げ成形する第1パンチ縦フランジ形成部255と、ブランク1の一の面の床フランジ部140となる領域に当接して、第1ダイ230とともにブランク1に対して床フランジ部140のうち傾斜フランジ部190側の端部140Aよりも傾斜フランジ部190と反対側に位置する床フランジ本体部140Bを少なくとも曲げ成形する第1パンチ床フランジ形成部257とを有する。
また、第一実施形態において、第1パンチ縦フランジ形成部255は、側縦フランジ部170のうち傾斜フランジ部190側の端部170A、及び、側縦フランジ本体部170Bを含む、側縦フランジ部170の全体を曲げ成形する形状を有している。また、第一実施形態において、第1パンチ床フランジ形成部257は、床フランジ部140のうち傾斜フランジ部190側の端部140A、及び、床フランジ本体部140Bを含む、床フランジ部140の全体を曲げ成形する形状を有している。
第2ダイ310は、凸フランジ部51の他の面に当接する斜面312を含む。第2パンチ330は、凸フランジ部51の一の面側に設けられ、第2ダイ310との間で凸フランジ部51を挟持することにより、凸フランジ部51から傾斜フランジ部190を曲げ成形する第2パンチ斜面部335を有する。
そして、第一実施形態において、第1プレス成形は、第1パンチ250に設けられた第1パンチ凸形成部253にブランク1が当接することで、傾斜フランジ部190に成形される凸形状の凸フランジ部51をブランク1に曲げ成形すること、第1パンチ250にブランク1が当接することで、側縦フランジ部170のうち傾斜フランジ部190側の端部170Aよりも傾斜フランジ部190と反対側に位置する側縦フランジ本体部170Bと、床フランジ部140のうち傾斜フランジ部190側の端部140Aよりも傾斜フランジ部190と反対側に位置する床フランジ本体部190Bとを少なくともブランク1に曲げ成形すること、を含む加工をブランク1に施すことにより、ブランク1から中間成形品50を形成する。
この第1プレス成形は、第1パンチ250にブランク1が当接することで、側縦フランジ部170のうち傾斜フランジ部190側の端部170A、及び、側縦フランジ本体部170Bを含む、側縦フランジ部170と、床フランジ部140のうち傾斜フランジ部190側の端部140A、及び、床フランジ本体部140Bを含む、床フランジ部140とを、ブランク1に曲げ成形することを含む。
また、第一実施形態において、第2プレス成形は、中間成形品50に対し、第2ダイ310と第2パンチ330とで凸フランジ部51を傾斜フランジ部190に曲げ成形することを含む。
(作用効果)
第一実施形態によれば、プレス成形品100において、床フランジ部140と側縦フランジ部170とが、傾斜フランジ部190によって連続している。また、床フランジ部140、および側縦フランジ部170が、袋状部分101から延在されて、連続している。これにより、プレス成形品100の剛性が向上し、ねじれや圧壊に対する抵抗力が増すとともに、荷重伝達能力も向上する。
さらに、第一実施形態によれば、プレス成形品100における、床フランジ部140と側縦フランジ部170との間が連続した部位において、凸フランジ部51を形成した後、傾斜フランジ部190を形成するので、肉厚の偏りをなくすことができる。すなわち、一旦、凸フランジ部51を形成した後、当該凸フランジ部51を平坦化することで、プレス中の材料流動によって傾斜フランジ部190の端部にしわが集中することを抑制し、傾斜フランジ部190のしわを分散できる。この結果、袋状部分101を有するプレス成形品100に絞り成形を適用する場合でも、床フランジ部140と側縦フランジ部170との間に発生するしわの集中を抑制できる。
また、第一実施形態によれば、絞り成形によって、プレス成形品100の周壁部120を含む袋状部分101が形成される。また、曲げ成形によって、凸フランジ部51と、側縦フランジ部170を含む縦フランジ部160が形成される。このように、曲げ成形のみでは実現できなかった、袋状部分101を有するとともに、床フランジ部140と側縦フランジ部170とが連続するプレス成形品100を、絞り成形と曲げ成形の組み合わせによって成形することが実現される。
また、第一実施形態によれば、凸フランジ部51は、側面視で段差形状を有している。凸フランジ部51が段差形状を有していることで、凸フランジ部51の側面視での線長が十分確保され、第2プレス成形中のしわの分散が効果的に行われる。以上、本開示の第一実施形態について説明した。
<変形例1>
続いて、本開示の第一実施形態のいくつかの変形例について、図18、19を参照しながら説明する。いくつかの変形例では、上記実施形態と比較して、中間成形品50の凸フランジ部51の形状が相違する。図18は、一の変形例に係る中間成形品50の側面図である。図18に示すように、本変形例では、凸フランジ部51は、側面視(図18におけるY方向視)で円弧形状を有している。これにより、第1プレス成形における凸フランジ部51の形成が容易になるとともに、しわの集中の抑制効果を確保できる。
また、図19は、他の変形例に係る中間成形品50の側面図である。図19に示すように、本変形例では、凸フランジ部51は、側面視で複数の段差形状を有している。これにより、凸フランジ部51の側面視での線長がより長く確保され、しわの分散がより効果的に行われる。また、段差形状の数を調整することで、床フランジ部140と側縦フランジ部170の間の距離の変化にも対応しやすくなる。なお、上記した変形例において、凸フランジ部51の形状以外の構成は、上記実施形態と共通するので、説明は省略する。
<変形例2>
続いて、本開示の第一実施形態のいくつかの変形例について、図20~図22を参照しながら説明する。いくつかの変形例では、上記実施形態と比較して、プレス成形品100の形状が相違する。図20は、一の変形例に係るプレス成形品100Aの斜視図である。図20に示すように、本変形例のプレス成形品100Aは、周壁部120において、中央縦壁部121Aが、平面視(図20に示すZ方向視)で円弧状に形成されている。これにより、袋状部分101の成形が簡便に行える。また、プレス成形品100Aと周辺部品との干渉を抑制することが可能となる。
また、図21は、他の変形例に係るプレス成形品100Bの斜視図である。図21に示すように、本変形例のプレス成形品100Bは、縦フランジ部の一部が切りかかれた形状を有している。具体的には、プレス成形品100Bは、稜線縦フランジ部181および縦フランジコーナ部185を有さず、当該部位で不連続となっている。これにより、中央縦フランジ部180、および側縦フランジ部170の成形が容易になる。
また、図22は、その他の変形例に係るプレス成形品100Cの斜視図である。図22に示すように、本変形例のプレス成形品100Cは、傾斜フランジ部190と側縦フランジ部170を含む縦フランジ部160とが一体となって形成されている。傾斜フランジ部190と側縦フランジ部170とが一体とされることで、図示しない他の部材と縦フランジ部160を全面締結させた場合のプレス成形品100の荷重伝達能力がより向上する。また、傾斜フランジ部190におけるしわを分散させることができる、しわの集中がより抑制される。なお、上記した変形例において、プレス成形品100A、100B、100Cの形状以外の構成は、上記実施形態と共通するので、説明は省略する。
本開示に係る製造方法、プレス成形品100およびプレス成形装置の効果を確認するため、第一実施形態に係る製造方法を適用して成形されたプレス成形品100のしわによる影響の抑制に関する特性評価を行った。
具体的には、第一実施形態に係る製造方法を想定したシミュレーション計算を行い、計算結果のモデル形状における板厚減少率(板減率)によってしわの発生の目安とした。シミュレーション条件は、引張強度で440MPa級の板厚2.3mm程度の鋼板を用いたプレス成形とした。
図23~図25を参照しながら、シミュレーション結果について説明する。図23は、比較例1のシミュレーション結果を示す図である。比較例1は、プレス成形において、1工程で連続フランジに傾斜壁を形成した結果である。具体的には、第一実施形態に係る第2金型300に相当する金型を用いて、平板なブランク1をプレス成形した場合である。図23に示すように、比較例1に係るプレス成形品600では、傾斜フランジ部690の端部において、板材の巻き込みのような変形が発生した。
図24は、比較例2のシミュレーション結果を示す図である。比較例2は、プレス成形において、2工程に分けてプレス成形を行うものの、1工程目では凸形状ではなく傾斜壁を形成し、2工程目で連続フランジにさらに傾斜壁を形成した結果である。具体的には、第一実施形態に係る第1金型200に相当する金型で、第1パンチ250の凸フランジ形成部のみが、段差ではなく斜面であるものを用い、さらに第2金型300に相当する金型でプレス成形した場合である。図24に示すように、比較例2に係るプレス成形品700では、傾斜フランジ部790において、比較例1のような変形までは生じていないものの、板厚が大きく増加している部位があり、大きなしわが発生した。
図25は、実施例のシミュレーション結果を示す図である。図25に示すように、実施例に係るプレス成形品100では、傾斜フランジ部190において、板厚減少率が著しく変化した部位は見受けられず、しわが分散した。すなわち、本実施例によれば、しわの集中が抑制されることが示された。
[第二実施形態]
次に、本開示の好適な第二実施形態について詳細に説明する。第二実施形態は、第一実施形態に対し、次のように実施の形態が変更されている。
(中間成形品の変更点)
第二実施形態では、中間成形品の構成が第一実施形態と異なっている。すなわち、図26Aに示すように、中間成形品50は、プレス成形品100の袋状部分101に相当する部位57と、凸フランジ部51と、を含む形状を有している。凸フランジ部51は、側縦フランジ部170になる箇所58と、床フランジ部140になる箇所59と後述する第1予備稜線53及び第2予備稜線55を介して連続している。特に、凸フランジ部51は、側床フランジ部143になる箇所と第2予備稜線55を介して連続している。凸フランジ部51は、後述するように、プレス成形品100の傾斜フランジ部190として形成される。
中間成形品50は、図26Aに示すように、凸フランジ部51と側縦フランジ部170になる箇所58との間に第1予備稜線53を有している。第1予備稜線53は、凸フランジ部51と側縦フランジ部170とを連続する、所定の曲率半径を有するR形状部分である。また、中間成形品50は、凸フランジ部51と床フランジ部140になる箇所59との間に第2予備稜線55を有している。特に、第2予備稜線55は、凸フランジ部51と側床フランジ部143になる箇所との間に形成されている。第2予備稜線55は、凸フランジ部51と床フランジ部140とを連続する、所定の曲率半径を有するR形状部分である。
また、図26Bに示すように、凸フランジ部51において、プレス成形品100の上フランジ稜線部194に相当する部位51Aは、平坦な形状とされている。さらに、凸フランジ部51において、プレス成形品100の下フランジ稜線部192に相当する部位51Bは、平坦な形状とされている。
具体的には、凸フランジ部51の段差形状の平坦部分には、予備加工が施されていない。この結果、凸フランジ部51において、上フランジ稜線部194に相当する部位51A、または下フランジ稜線部192に相当する部位51Bが平坦な形状とされている。予備加工が施されていないことにより、中間成形品50がプレス成形品100として成形される際に、上フランジ稜線部194および下フランジ稜線部192の成形性が向上する。
詳細は後述するが、中間成形品50に対して、さらにプレス成形が行われ、凸フランジ部51が平坦化される。また、第1予備稜線53または第2予備稜線55が折り曲げられ、側縦フランジ部170の一部、または側床フランジ部と143の一部として成形される。この結果、傾斜フランジ部190を有するプレス成形品100が成形される。
<2.金型の変更点>
第二実施形態において、図27、図28に示される金型の基本的な構成は、第一実施形態と同様である。ただし、第二実施形態では、上述の中間成形品50を製造し得る点で第1金型200の構成が第一実施形態と異なる。また、第二実施形態では、上述の中間成形品50からプレス成形品100を製造し得る点で第2金型300の構成が第一実施形態と異なる。
すなわち、プレス成形品100の製造方法について詳細は後述するが、第1金型200を用いた第1プレス成形(予備成形)によって、ブランク1に対して側縦フランジ部170になる箇所58と床フランジ部140になる箇所59との間に凸フランジ部51を有する中間成形品50が形成される。さらに、第2金型300を用いた第2プレス成形によって、かかる凸フランジ部51を平坦にして傾斜フランジ部190を有するプレス成形品100が形成される。
第2金型の第2ダイ斜面部315は、中間成形品50の凸フランジ部51を上面から押圧し、プレス成形品100に傾斜フランジ部190を形成する。また、第2金型の第2ダイ斜面部315は、第1予備稜線53および第2予備稜線55を折り曲げて、側床フランジ部143の一部と側縦フランジ部170の一部とを成形する。第2ダイ斜面部315は、第2ダイ周壁保持部313のY方向の両側方に設けられ、第2ダイ平面部311から立設された傾斜壁である。第2ダイ縦フランジ形成部317は、第2ダイ斜面部315から立設された壁面であり、後述する第2カム370との間で、プレス成形品100の側縦フランジ部170を含む縦フランジ部160を形成する。
第2金型の第2パンチ330は、中間成形品50の一の面に対して図3におけるZ方向から当接する。例えば、第2金型300が鉛直方向に相対移動する場合、第2パンチ330は、中間成形品50の下面に対して当接する。第2パンチ330は、中間成形品50の凸フランジ部51の一の面側に設けられ、第2ダイ310との間で凸フランジ部51を挟持することにより、傾斜フランジ部190を曲げ成形する。また、第2パンチ330は、傾斜フランジ部190を成形するとともに、第2ダイ310との間で第1予備稜線53および第2予備稜線55を折り曲げて、側縦フランジ部170の一部および側床フランジ部143の一部を形成する。
<3.製造方法の変更点>
第二実施形態において、製造方法の基本的な工程は、第一実施形態と同様である(図2、図3参照)。ただし、第二実施形態では、上述の中間成形品50を製造し得る点で第1プレス成形が第一実施形態と異なる。また、第二実施形態では、上述の中間成形品50からプレス成形品100を製造し得る点で第2プレス成形が第一実施形態と異なる。
(第1プレス成形(予備成形))
具体的には、図29Bに示すように、まず、ブランク1が第1ホルダ210と第1ダイ230とで挟持される。ここで、ブランク1は、図29Aに示すように、平面視(図4AにおけるZ方向視)で、略円形状の板材であり、X方向の最長長さは、170mm程度であり、Y方向の最長長さは、200mm程度とされている。第1ホルダ210と第1ダイ230は、ブランク1において、プレス成形品100の床フランジ部140に相当する部位を挟持する。具体的には、ホルダ平面部211と第1ダイ平面部231とによって、ブランク1の外周縁部が挟持される。
次に、図30Bに示すように、第1ホルダ210と第1ダイ230とで挟持されたブランク1が、第1パンチ250に対して相対的に移動されて、第1パンチ250とブランク1とが当接する。具体的には、ブランク1の略中央部と、第1パンチ周壁形成部251の上壁面とが、当接する。また、図30Aに示すように、ブランク1のX方向端部1Aが、第1パンチ縦フランジ形成部255と当接し、変形される。
また、第1金型200が、第1パッド270を有する実施形態の場合には、第1パッド270が、絞り成形に先行して、ブランク1に当接する。これにより、プレス成形品100における、周壁部120の形成されていない端部側の天板部110と周壁部120との間の稜線部である、側天板稜線部133の一部が形成される。また、プレス成形品100の中央縦フランジ部180と側縦フランジ部170との間の連続した部位が成形される。つまり、第1プレス成形において、絞り成形がされる前に、第1パッド270と、第1パンチ250とによって、側天板稜線部133の一部と、中央縦フランジ稜線部183および縦フランジコーナ部185が形成される。
具体的には、図30Aに示すように、第1パッド稜線形成部273と、第1パンチ周壁形成部251との間で、ブランク1が挟持されて、側天板稜線部133の一部が形成される。また、第1パッド縦フランジ形成部275が、ブランク1のX方向端部1Aに当接する。これにより、図30Bに示すように、第1パッド縦フランジ形成部275と、第1パンチ縦フランジ形成部255との間で、ブランク1が挟持され、部分的にブランク1が曲げ成形されて、中央縦フランジ部180およびその周辺部位の形成が開始される。
ここで、第1パッド270による側天板稜線部133、および中央縦フランジ部180の成形は、第一実施形態と同様である(図6A~図6D参照)。
続いて、図31Aに示すように、第1ホルダ210と第1ダイ230とで挟持されたブランク1が、第1パンチ250に対してさらに相対的に移動されて、周壁部120が絞り成形によって形成され始める。具体的には、図31Bに示すように、ブランク1の略中央部が、第1ダイ周壁形成部233と第1パンチ周壁形成部251との間で挟持されながら、絞り成形される。このとき、まず、天板稜線部130が絞り成形される。絞り成形で天板稜線部130が形成されるため、天板稜線部130に隣接する箇所のしわの発生が抑制される。実際に、図31Aに示すように、絞り成形に伴い、天板稜線部130から、天板部110および周壁部120にかけて、ブランク1の板厚が一様に減少しており、しわの発生が抑制されている。
また、第1金型200が、第1パッド270を有する実施形態の場合には、第1パッド270が、第1ホルダ210及び第1ダイ230とともに、第1パンチ250に対して相対移動する。図6Cで説明したように、第1パッド稜線形成部273は、第1パンチ250との間で、側天板稜線部133を形成する。また、ブランク1のX方向端部が、第1パッド縦フランジ形成部275と、第1パンチ縦フランジ形成部255とによって挟持されて、曲げ成形されることにより、中央縦フランジ稜線部183が形成される。また、第1ホルダ210と第1ダイ230とによる絞り成形の間、第1パッド天板押さえ部271は、ブランク1の略中央部を上方から保持する。最終的に、第1パッド天板押さえ部271は、第1パンチ周壁形成部251の上壁面との間でブランク1の略中央を挟持する。
第1プレス成形では、図32Aおよび図32Bに示すように、第1ホルダ210と第1ダイ230とで挟持されたブランク1が、第1パンチ250に対してさらに相対的に移動されて、周壁部120が成形される。また、ブランク1が第1パンチ凸形成部253に当接されることで、凸形状の凸フランジ部51が曲げ成形される。具体的には、ブランク1が、第1パンチ250に対して相対移動されることで、ブランク1の一部が、第1ダイ凸形成部235と第1パンチ凸形成部253との間に挟持されて、段差形状に変形されることにより、凸フランジ部51が形成される。さらに、凸フランジ部51とともに、第1予備稜線53及び第2予備稜線55が形成される。凸フランジ部51の段差形状の高さは、ブランク1の板厚、引っ張り強度に基づいて、傾斜フランジ部190が形成可能な程度に適宜設定される。
図33は、第1プレス成形完了後の様子を模式的に示す説明図である。図33に示すように、第1プレス成形終了後、ブランク1は、袋状部分101に相当する部位57と凸フランジ部51とを含む中間成形品50に成形される。第1金型200から取り出された中間成形品50は、第2プレス成形に用いられる。
なお、第1プレス成形において、中間成形品50の天板部110、周壁部120、床フランジ部140、または側縦フランジ部170を含む縦フランジ部160に相当する部位の成す角度は、大きく鈍角となる様に形成されてもよい。これにより、成形時の歪の集中を緩和することができる。この場合、第2プレス成形、または第3プレス成形において、プレス成形品100における各部位の成す角度が、所定の角度となるように成形が行われる。
(第2プレス成形)
第2プレス成形では、中間成形品50が、第2プレス成形における準備として第2金型300に配置される。具体的には、中間成形品50は、第2パンチ330の所定位置に載置される。
具体的には、中間成形品50における周壁部120に相当する部位の内周面と、第2パンチ周壁保持部333の外周面とが接触する。さらに、第2パッド天板押さえ部351が、中間成形品50の天板部110に相当する部位に当接する。中間成形品50は、第2パッド天板押さえ部351によって押し下げられ、第2パンチ周壁保持部333にガイドされて、第2パンチ330に対して相対移動する。
次に、図34Aおよび図34Bに示すように、中間成形品50が、第2パッド天板押さえ部351によって、押し下げられた結果、中間成形品50の床フランジ部140に相当する部位が、第2パンチ平面部331に当接する。また、中間成形品50の袋状部分101の内周面が、第2パンチ周壁保持部333の外周面に当接する。これによって、第2金型300内に、中間成形品50が保持される。このとき、中間成形品50の凸フランジ部51が、第2パンチ斜面部335の上方側に位置している。
図34Cに示すように、凸フランジ部51は、第2パンチ斜面部335に対して離間している。具体的には、凸フランジ部51の第1予備稜線53と第2予備稜線55の頂点同士を結ぶ仮想線VLは、第2パンチ斜面部335との間に所定距離のオフセット量Tを有している。オフセット量Tは、一例として、1mm以上5mm以下である。
オフセット量Tが1mm以上とされることで、後述する第1予備稜線53および第2予備稜線55の折り曲げが実現される。すなわち、傾斜フランジ部190の周辺にしわが分散し、傾斜フランジ部190におけるしわ抑制の効果が向上する。一方、オフセット量Tが5mm以下とされることで、凸フランジ部51を傾斜フランジ部190に形成する際の加工性が向上する。換言すれば、オフセット量Tが5mmより大きい場合、凸フランジ部51を傾斜フランジ部190へ形成する際、潰し代が大きく、加工が困難になる場合があるが、オフセット量Tが所定値以下とされているので、加工がしやすくなる。
続いて、図35Aおよび図35Bに示すように、第2ダイ310が、中間成形品50に向かってZ方向に沿って移動する。第2ダイ平面部311は、第2パンチ平面部331との間で、中間成形品50の床フランジ部140になる箇所59を挟持する。また、第2ダイ周壁保持部313は、第2パンチ周壁保持部333との間で、中間成形品50の周壁部120に相当する部位57を挟持する。第2ダイ斜面部315は、第2パンチ斜面部335との間で凸形状の凸フランジ部51を押圧し、平坦な形状に曲げ成形を行う。この結果、床フランジ部140と側縦フランジ部170との間に連続する傾斜壁である、傾斜フランジ部190が形成される。
また、傾斜フランジ部190が形成される際、図35Cに示すように、凸フランジ部51の第1予備稜線53が、第2ダイ310と第2パンチ330とによって折り曲げられる(図35C中の矢印参照)。この結果、第1予備稜線53は、側縦フランジ部170の一部として形成される。具体的には、第1予備稜線53は、側縦フランジ部170のZ方向の一端部(傾斜フランジ部190側の部分)として形成される。
また、凸フランジ部51の第2予備稜線55が、第2ダイ310と第2パンチ330とによって折り曲げられる(図35C中の矢印参照)。この結果、第2予備稜線55は、側床フランジ部143の一部として形成される。具体的には、第2予備稜線55は、側床フランジ部143のX方向の一端部(傾斜フランジ部190側の部分)として形成される。
ここで、例えば、凸形状の凸フランジ部51を形成することを経ずに、当初から平坦な傾斜壁を形成しようすると、傾斜壁の端部(側面視(Y方向視)した場合のX方向端部)において、肉厚が偏る(しわが集中する)ことを本発明者らは知見した。これは、平坦形状を直接、形成しようとすると、プレス成形中の材料流動によって、傾斜壁の端部へ圧縮歪が集中し、より多くのしわが寄ってしまうことが原因と考えられる。そこで、本発明者らが、鋭意検討したところ、一旦、凸フランジ部51を形成し、当該凸フランジ部51を潰すことでしわを分散し、しわの集中を抑制できることを見出した。具体的には、中間成形品50の凸形状の凸フランジ部51を押圧して、平坦な形状にすることで、プレス成形品100の傾斜フランジ部190におけるしわの集中が抑制される。特に、プレス成形品100が、高張力鋼板から成る場合、凸フランジ部51を押圧して傾斜フランジ部190とすることで、しわの集中を抑制することができる。
さらに、発明者らが鋭意検討したところ、プレス成形品100の傾斜フランジ部190に相当する領域のみを中間成形品50における凸フランジ部51とする場合と比較して、傾斜フランジ部190に相当する領域よりも広い領域に対して加工を加えた方が、しわの集中をより抑制できることを発明者らは知見した。これは、上述したような凸フランジ部51を潰すことによるしわの分散において、その分散範囲を広げることで、傾斜フランジ部190における、しわの集中がさらに抑制されるためと考えられる。
図35D及び図35Eを参照しながら、第二実施形態に係るしわの抑制についてより具体的に説明する。図35Dは、参考例として、第2プレス成形工程における予備稜線の折り曲げを模式的に説明する部分拡大図である。図35Eは、第一実施形態に係る第2プレス成形工程における予備稜線の折り曲げを模式的に説明する部分拡大図である。まず、図35Dに示すように、プレス成形品100の傾斜フランジ部190に相当する領域のみを中間成形品50における凸フランジ部51にしたとする。この場合、凸フランジ部51が圧し潰されることにより、しわが傾斜フランジ部190において分散する。一方、凸フランジ部51に対して変形が加えられるため、変形中の材料流動は、傾斜フランジ部190に留まる。
一方、図35Eに示すように、側縦フランジ部170になる箇所58と凸フランジ部51との間に第1予備稜線53を設け、さらに床フランジ部140になる箇所59と凸フランジ部51の間に第2予備稜線55を設ける。この場合、中間成形品50に第1予備稜線53及び第2予備稜線55を設けることで、傾斜フランジ部190となる領域よりも広い領域が加工の対象となる。
つまり、側縦フランジ部170になる箇所58は、プレス成形品100の側縦フランジ部170よりも側面視(Y方向視)で短い線長とされ、プレス加工の際、第1予備稜線53が折り曲げられることで、側縦フランジ部170として形成される。また、床フランジ部140になる箇所59は、プレス成形品100の床フランジ部140よりも側面視(Y方向視)で短い線長とされ、プレス加工の際、第2予備稜線55が折り曲げられることで、床フランジ部140として形成される。このように、凸フランジ部51を押圧する際に、第1予備稜線53及び第2予備稜線55を折り曲げて、側縦フランジ部170及び側床フランジ部143として形成する。これにより、加工の範囲が広がるので、傾斜フランジ部190だけでなく、周辺の部位にもしわの分散範囲が広がることになる。この結果、プレス成形品100の傾斜フランジ部190における、しわがより抑制される。
続いて、図36Aおよび図36Bに示すように、第2カム370がX方向に沿って移動することで中間成形品50の縦フランジ部に当接する。つまり、第2カム370が、第2パンチ縦フランジ形成部337との間で、中間成形品50の縦フランジ部160に相当する部位を挟持する。以上、第二実施形態に係るプレス成形品100の製造方法における、第1プレス成形、および第2プレス成形について説明した。なお、第二実施形態に係るプレス成形品100の製造方法は、第1プレス成形、第2プレス成形の他、プレス成形品100を製造するために必要な種々の追加工程を含み得る。
なお、第二実施形態について、図37を参照しながら、以下の通り補足する。
第二実施形態において、第1パンチ250は、ブランク1の一の面の傾斜フランジ部190となる領域に当接して、第1ダイ230とともにブランク1に対して凸フランジ部51を曲げ成形する第1パンチ凸形成部253と、ブランク1の一の面の側縦フランジ部170となる領域に当接して、第1ダイ230とともにブランク1に対して側縦フランジ部170のうち傾斜フランジ部190側の端部170Aよりも傾斜フランジ部190と反対側に位置する側縦フランジ本体部170Bを少なくとも曲げ成形する第1パンチ縦フランジ形成部255と、ブランク1の一の面の床フランジ部140となる領域に当接して、第1ダイ230とともにブランク1に対して床フランジ部140のうち傾斜フランジ部190側の端部140Aよりも傾斜フランジ部190と反対側に位置する床フランジ本体部140Bを少なくとも曲げ成形する第1パンチ床フランジ形成部257とを有する。
また、第二実施形態において、第1パンチ縦フランジ形成部255は、側縦フランジ部170のうち側縦フランジ本体部170Bと、側縦フランジ本体部170Bと凸フランジ部51とを繋ぐ第1予備稜線53をブランク1に曲げ成形する形状を有する。また、第1パンチ床フランジ形成部257は、床フランジ部140のうち床フランジ本体部140Bと、床フランジ本体部140Bと凸フランジ部51とを繋ぐ第2予備稜線55をブランク1に曲げ成形する形状を有する。
第2ダイ310は、凸フランジ部51の他の面に当接する斜面312を含む。第2パンチ330は、凸フランジ部51の一の面側に設けられ、第2ダイ310との間で凸フランジ部51を挟持することにより、凸フランジ部51から傾斜フランジ部190を曲げ成形する第2パンチ斜面部335を有する。また、第2パンチ330は、第2ダイ310とで第1予備稜線53を側縦フランジ部170の一部に曲げ成形する第1曲げ成形部341、及び、第2ダイ310とで第2予備稜線55を床フランジ部140の一部に曲げ成形する第2曲げ成形部342の少なくともいずれか一方を有する。第2パンチ330は、第1曲げ成形部341及び第2曲げ成形部342の両方を有していてもよい。
そして、第二実施形態において、第1プレス成形は、第1パンチ250に設けられた第1パンチ凸形成部253にブランク1が当接することで、傾斜フランジ部190に成形される凸形状の凸フランジ部51をブランク1に曲げ成形すること、第1パンチ250にブランク1が当接することで、側縦フランジ部170のうち傾斜フランジ部190側の端部170Aよりも傾斜フランジ部190と反対側に位置する側縦フランジ本体部170Bと、床フランジ部140のうち傾斜フランジ部190側の端部140Aよりも傾斜フランジ部190と反対側に位置する床フランジ本体部140Bとを少なくともブランク1に曲げ成形すること、を含む加工をブランク1に施すことにより、ブランク1から中間成形品50を形成する。
この第1プレス成形は、第1パンチ250にブランク1が当接することで、側縦フランジ部170のうち側縦フランジ本体部170Bと、側縦フランジ本体部170Bと凸フランジ部51とを繋ぐ第1予備稜線53と、床フランジ部140のうち床フランジ本体部140Bと、床フランジ本体部140Bと凸フランジ部51とを繋ぐ第2予備稜線55とをブランク1に曲げ成形することを含む。
また、第二実施形態において、第2プレス成形は、中間成形品50に対し、第2ダイ310と第2パンチ330とで、第1予備稜線53を側縦フランジ部170の一部とする曲げ成形、及び第2予備稜線55を床フランジ部140の一部とする曲げ成形の少なくともいずれか一方を行うことを含む。第2プレス成形は、中間成形品50に対し、第2ダイ310と第2パンチ330とで、第1予備稜線53を側縦フランジ部170の一部とする曲げ成形、及び第2予備稜線55を床フランジ部140の一部とする曲げ成形の両方を行ってもよい。また、第2プレス成形は、中間成形品50に対し、第2ダイ310と第2パンチ330とで凸フランジ部51を傾斜フランジ部190に曲げ成形することを含む。
なお、プレス成形品100が、傾斜フランジ部190と側縦フランジ部170との間に形成された上フランジ稜線部194と、傾斜フランジ部190と床フランジ部140との間に形成された下フランジ稜線部192とを含む場合、第1プレス成形は、凸フランジ部51において、上フランジ稜線部194になる箇所又は下フランジ稜線部192になる箇所の少なくとも一方を、平坦形状にしてもよい。
(作用効果)
第二実施形態によれば、プレス成形品100において、床フランジ部140と側縦フランジ部170とが、傾斜フランジ部190によって連続している。また、床フランジ部140、および側縦フランジ部170が、袋状部分101から延在されて、連続している。これにより、プレス成形品100の剛性が向上し、ねじれや圧壊に対する抵抗力が増すとともに、荷重伝達能力も向上する。
さらに、第二実施形態によれば、プレス成形品100における、床フランジ部140と側縦フランジ部170との間が連続した部位において、凸フランジ部51を形成した中間成形品50を用いて、傾斜フランジ部190を形成するので、肉厚の偏りをなくすことができる。すなわち、一旦、凸形状を形成した中間成形品50に対して、当該凸形状を平坦化することで、プレス中の材料流動によって傾斜フランジ部190にしわが集中することを抑制し、傾斜フランジ部190のしわを分散できる。この結果、袋状部分101を有するプレス成形品100に絞り成形を適用する場合でも、床フランジ部140と側縦フランジ部170との間に発生するしわの集中を抑制できる。
また、中間成形品50の第1予備稜線53および第2予備稜線55が折り曲げられ、それぞれ側縦フランジ部170の一部および側床フランジ部143の一部として形成される。これにより、傾斜フランジ部190から、しわの分散する範囲が広がり、傾斜フランジ部190に生じるしわがより抑制される。さらに、傾斜フランジ部190における、しわの抑制効果が確保されるので、傾斜フランジ部190の線長を短くすることができ、プレス成形品100における荷重伝達能力がさらに向上する。
また、傾斜フランジ部190の長さLがプレス成形品100の高さHに対して比較的小さいプレス成形品100を第二実施形態に記載した製造方法で製造する場合は、オフセット量T(図34C参照。)を比較的大きく設定することができ、凸フランジ部51の第1予備稜線53と第2予備稜線55の間の領域を傾斜フランジ部190の領域に対して広く設定することができる。そのため、傾斜フランジ部190の成形に伴い生じるしわを、広い領域に分散させることができ、しわ分散効果が顕著になる。したがって、傾斜フランジ部190の長さLが高さHに対して小さいほど、第二実施形態に係るプレス成形品の製造方法の、第一実施形態に係るプレス成形品の製造方法に対する優位性が向上する。
また、第二実施形態によれば、絞り成形によって、プレス成形品100の周壁部120を含む袋状部分101が形成される。また、曲げ成形によって、凸フランジ部51と、側縦フランジ部170を含む縦フランジ部160が形成される。このように、曲げ成形のみでは実現できなかった、袋状部分101を有するとともに、床フランジ部140と側縦フランジ部170とが連続するプレス成形品100を、絞り成形と曲げ成形の組み合わせによって成形することが実現される。
また、第二実施形態によれば、凸フランジ部51は、側面視で段差形状を有している。凸フランジ部51が段差形状を有していることで、凸フランジ部51の側面視での線長が十分確保され、第2プレス成形中のしわの分散が効果的に行われる。
なお、第二実施形態において、中間成形品50に第1予備稜線53および第2予備稜線55の両方が設けられ、第1予備稜線53および第2予備稜線55が、それぞれ側縦フランジ部170および側床フランジ部143として形成される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間成形品50に第1予備稜線53または第2予備稜線55のいずれか一方が設けられ、第1予備稜線53または第2予備稜線55のいずれか一方が、それぞれ側縦フランジ部170および側床フランジ部143として形成されてもよい。以上、本発明の一の実施形態について説明した。
本発明に係る製造方法、プレス成形品100およびプレス成形装置の効果を確認するため、第二実施形態に係る製造方法を適用して成形されたプレス成形品100のしわによる影響の抑制に関する特性評価を行った。
具体的には、第二実施形態に係る製造方法を想定したシミュレーション計算を行い、計算結果のモデル形状における板厚減少率(板減率)によってしわの発生の目安とした。シミュレーション条件は、引張強度で440MPa級の板厚2.3mm程度の鋼板を用いたプレス成形とした。
図38は、実施例のシミュレーション結果を示す図である。図38に示すように、板厚減少率が著しく変化した部位は見受けられず、しわが分散した。すなわち、本実施例によれば、しわの集中が抑制されることが示された。また、板厚減少率が所定値以下となる領域が、参考例と比較して広くなっており、しわの集中がより抑制されることが示された。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、天板部110、周壁部120、床フランジ部140等が直交する例を示したが、本開示は、かかる例に限定されない。隣接する各部位の延在される方向は、直交される方向に限定されず、プレス成形品100に求められる強度、剛性によって適宜設定される。
また、上記実施形態において、天板部110、周壁部120、床フランジ部140等が、平面形状である例を示したが、本開示は、かかる例に限定されない。例えば、上記部位が、部分的な凹凸、曲面を有してもよく、また、部分的に開口を有してもよい。
また、上記実施形態において、プレス成形品100が、稜線部、コーナ部を有する例を示したが、本開示は、かかる例に限定されない。例えば、天板部110と周壁部120との間には、天板稜線部130が形成されず、天板部110と周壁部120が直接連結されるように構成してもよい。
なお、日本国特許特願2019-143704及び日本国特許特願2019-230803の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
1 ブランク(金属板)
50 中間成形品
51 凸フランジ部
53 第1予備稜線
55 第2予備稜線
100 プレス成形品
101 袋状部分
110 天板部
120 周壁部
130 天板稜線部
133 側天板稜線部
140 床フランジ部
143 側床フランジ部
150 床フランジ稜線部
160 縦フランジ部
170 側縦フランジ部
180 中央縦フランジ部
190 傾斜フランジ部
200 第1金型
210 ホルダ
230 第1ダイ
250 第1パンチ
253 第1パンチ凸形成部(凸部)
270 第1パッド
300 第2金型
310 第2ダイ
315 第2ダイ斜面部(斜面)
330 第2パンチ
350 第2パッド
370 第2カム
500 プレス成形装置

Claims (13)

  1. 天板部と、
    前記天板部の三方の周縁部に沿って形成され、前記天板部の延在方向と交差する方向に、当該周縁部から延在された、周壁部と、
    前記周壁部の延在方向と交差する方向に、前記周壁部の前記天板部と連続した端部と反対側の端部から外方へ延在された床フランジ部と、
    前記周壁部の周方向の端部から外方へ延在された側縦フランジ部と、
    前記側縦フランジ部と前記床フランジ部との間に連続する傾斜壁である傾斜フランジ部と、
    を含む、プレス成形品を、第1プレス成形と第2プレス成形とを含んで製造する方法であって、
    前記第1プレス成形は、
    第1ホルダと第1ダイとで金属板の前記床フランジ部になる箇所を挟持した状態で、前記第1ホルダと前記第1ダイとで挟持された前記金属板を、第1パンチに対して相対移動させて、前記金属板に前記周壁部を絞り成形すること、
    前記第1パンチに設けられた第1パンチ凸形成部に前記金属板が当接することで、前記傾斜フランジ部に成形される凸形状の凸フランジ部を前記金属板に曲げ成形すること、
    前記第1パンチに前記金属板が当接することで、前記側縦フランジ部のうち前記傾斜フランジ部側の端部よりも前記傾斜フランジ部と反対側に位置する側縦フランジ本体部と、前記床フランジ部のうち前記傾斜フランジ部側の端部よりも前記傾斜フランジ部と反対側に位置する床フランジ本体部とを少なくとも前記金属板に曲げ成形すること、
    を含む加工を前記金属板に施すことにより、前記金属板から中間成形品を形成し、
    前記第2プレス成形は、
    前記中間成形品に対し、第2ダイと第2パンチとで前記凸フランジ部を前記傾斜フランジ部に曲げ成形することを含む、
    プレス成形品の製造方法。
  2. 前記プレス成形品は、
    前記天板部の延在方向と交差する方向であって前記周壁部の延在された方向と反対の方向に、前記天板部における前記周壁部の形成されていない端部から延在されて、前記側縦フランジ部と連続した中央縦フランジ部をさらに含み、
    前記第1プレス成形において、前記絞り成形がされる前に、
    第1パッドと前記第1パンチとで前記金属板に、前記周壁部の形成されていない端部側の前記天板部と前記周壁部との間の稜線部と、前記中央縦フランジ部と前記側縦フランジ部との間の連続した部位と、を成形する、
    請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。
  3. 前記第1プレス成形は、前記第1プレス成形した後の側面視で少なくとも一つの段差形状を有する前記凸フランジ部を前記金属板に曲げ成形することを含む、
    請求項1又は2に記載のプレス成形品の製造方法。
  4. 前記第1プレス成形は、
    前記第1パンチに前記金属板が当接することで、前記側縦フランジ部と、前記床フランジ部とを前記金属板に曲げ成形することを含む、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のプレス成形品の製造方法。
  5. 前記第1プレス成形は、
    前記第1パンチに前記金属板が当接することで、前記側縦フランジ部のうち前記側縦フランジ本体部と、前記側縦フランジ本体部と前記凸フランジ部とを繋ぐ第1予備稜線と、前記床フランジ部のうち前記床フランジ本体部と、前記床フランジ本体部と前記凸フランジ部とを繋ぐ第2予備稜線とを前記金属板に曲げ成形することを含み、
    前記第2プレス成形は、
    前記中間成形品に対し、前記第2ダイと前記第2パンチとで、前記第1予備稜線を前記側縦フランジ部の一部とする曲げ成形、及び前記第2予備稜線を前記床フランジ部の一部とする曲げ成形の少なくともいずれか一方を行うことを含む、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のプレス成形品の製造方法。
  6. 前記第2プレス成形は、
    前記第2ダイと前記第2パンチとで、前記第1予備稜線を前記側縦フランジ部の一部に曲げ成形し、前記第2予備稜線を前記床フランジ部の一部に曲げ成形することを含む、
    請求項5に記載のプレス成形品の製造方法。
  7. 前記プレス成形品は、前記傾斜フランジ部と前記側縦フランジ部との間に形成された上フランジ稜線部と、前記傾斜フランジ部と前記床フランジ部との間に形成された下フランジ稜線部とを含み、
    前記第1プレス成形は、前記凸フランジ部において、前記上フランジ稜線部になる箇所又は前記下フランジ稜線部になる箇所の少なくとも一方を、平坦形状にする、
    請求項5又は6に記載のプレス成形品の製造方法。
  8. 天板部と、
    前記天板部の三方の周縁部に沿って形成され、前記天板部の延在方向と交差する方向に、当該周縁部から延在された、周壁部と、
    前記周壁部の延在方向と交差する方向に、前記周壁部の前記天板部と連続した端部と反対側の端部から外方へ延在された床フランジ部と、
    前記周壁部の周方向の端部から外方へ延在された側縦フランジ部と、
    前記側縦フランジ部と前記床フランジ部との間に連続する傾斜壁である傾斜フランジ部と、
    を含む、プレス成形品。
  9. 前記床フランジ部、前記側縦フランジ部、及び傾斜フランジ部を含み、前記プレス成形品の周囲に形成されたフランジが、前記プレス成形品の全周に亘って連続している、
    請求項8に記載のプレス成形品。
  10. 前記傾斜フランジ部は、側面視したときの線長が、前記天板部と前記床フランジ部との間の距離の10%以上70%以下とされる、
    請求項8又は9に記載のプレス成形品。
  11. 天板部と、
    前記天板部の三方の周縁部に沿って形成され、前記天板部の延在方向と交差する方向に、当該周縁部から延在された、周壁部と、
    前記周壁部の延在方向と交差する方向に、前記周壁部の前記天板部と連続した端部と反対側の端部から外方へ延在された床フランジ部と、
    前記周壁部の周方向の端部から外方へ延在された側縦フランジ部と、
    前記側縦フランジ部と前記床フランジ部との間に連続する傾斜壁である傾斜フランジ部と、
    を含む、プレス成形品を得るためのプレス成形装置であって、
    金属板の一の面の前記床フランジ部となる領域に当接する部分を有する第1ホルダと、
    前記金属板の他の面の前記床フランジ部となる領域に当接する部分と、前記第1ホルダとの間で前記金属板を挟持する部分と、前記金属板の前記周壁部となる領域に当接する部分とを有する第1ダイと、
    第1パンチと、
    を含み、
    前記第1パンチは、
    前記金属板の前記一の面の前記周壁部となる領域に当接して、前記第1ダイとともに前記金属板に対して前記周壁部を絞り成形する第1パンチ周壁形成部と、
    前記金属板の前記一の面の前記傾斜フランジ部となる領域に当接して、前記第1ダイとともに前記金属板に対して凸フランジ部を曲げ成形する第1パンチ凸形成部と、
    前記金属板の前記一の面の前記側縦フランジ部となる領域に当接して、前記第1ダイとともに前記金属板に対して前記側縦フランジ部のうち前記傾斜フランジ部側の端部よりも前記傾斜フランジ部と反対側に位置する側縦フランジ本体部を少なくとも曲げ成形する第1パンチ縦フランジ形成部と、
    前記金属板の前記一の面の前記床フランジ部となる領域に当接して、前記第1ダイとともに前記金属板に対して前記床フランジ部のうち前記傾斜フランジ部側の端部よりも前記傾斜フランジ部と反対側に位置する床フランジ本体部を少なくとも曲げ成形する第1パンチ床フランジ形成部とを有し、
    前記プレス成形装置は、
    前記凸フランジ部の前記他の面に当接する斜面を含む第2ダイと、
    第2パンチと、
    をさらに含み、
    前記第2パンチは、前記凸フランジ部の前記一の面側に設けられ、前記第2ダイとの間で前記凸フランジ部を挟持することにより、前記凸フランジ部から前記傾斜フランジ部を曲げ成形する第2パンチ斜面部を有する、
    プレス成形装置。
  12. 前記第1パンチ縦フランジ形成部は、前記側縦フランジ部を曲げ成形する形状を有し、
    前記第1パンチ床フランジ形成部は、前記床フランジ部を曲げ成形する形状を有する、
    請求項11に記載のプレス成形装置。
  13. 前記第1パンチ縦フランジ形成部は、前記側縦フランジ部のうち前記側縦フランジ本体部と、前記側縦フランジ本体部と前記凸フランジ部とを繋ぐ第1予備稜線を前記金属板に曲げ成形する形状を有し、
    前記第1パンチ床フランジ形成部は、前記床フランジ部のうち前記床フランジ本体部と、前記床フランジ本体部と前記凸フランジ部とを繋ぐ第2予備稜線を前記金属板に曲げ成形する形状を有し、
    前記第2パンチは、前記第2ダイとで前記第1予備稜線を前記側縦フランジ部の一部に曲げ成形する第1曲げ成形部、及び、第2ダイとで前記第2予備稜線を前記床フランジ部の一部に曲げ成形する第2曲げ成形部の少なくともいずれか一方を有する、
    請求項11に記載のプレス成形装置。
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