JP7177426B2 - ステンレス鋼用電解研磨液 - Google Patents
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Description
項1.交流電流法又は交直重畳電流法によりステンレス鋼を電解研磨処理するための電解研磨液であって、
リン酸と、アミノカルボン酸化合物及び/又はその塩とを含有する、ステンレス鋼用電解研磨液。
項2.前記アミノカルボン酸化合物及び/又はその塩は、pHが0.6の水溶液における溶解度が、0.5質量%以上である、項1に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
項3.交流電流法、直流電流法又は交直重畳電流法によりステンレス鋼を電解研磨処理するための電解研磨液であって、
リン酸と、1,3-プロパンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸及びヒドロキシエチルイミノ二酢酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種のアミノカルボン酸化合物及び/又はその塩とを含有する、ステンレス鋼用電解研磨液。
項4.前記リン酸の含有量が20~80質量%であり、前記アミノカルボン酸化合物及び/又はその塩の含有量が0.01~30質量%である、項1~3のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
項5.さらに、硫酸カリウムを含有する、項1~4のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
項6.さらに、ゲル化剤を含有する、項1~5のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
項7.酸性である、項1~6のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
項8.ステンレス鋼表面の溶接スケール除去用である、項1~7のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
項9.項1~8のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液を用いて電解する、ステンレス鋼の電解研磨方法。
項10.表面の白濁化が抑制されたステンレス鋼の製造方法であって、
項1~8のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液を用いて電解する、製造方法。
本発明の第1の態様における電解研磨液は、交流電流法又は交直重畳電流法によりステンレス鋼を電解研磨処理するための電解研磨液であって、リン酸と、アミノカルボン酸化合物及び/又はその塩とを含有する。このような構成を採用することにより、溶接スケールの除去性能を十分に維持しつつもステンレス鋼表面の白濁化を効果的に抑制することができる。
リン酸を使用することで、ステンレス鋼の表面に発生した溶接スケールを溶解する力を向上させることができる。
本発明において使用するアミノカルボン酸化合物及び/又はその塩は、金属イオンを捕捉する非リン酸系キレート剤としての機能を有する。このように、リン酸系ではなく、非リン酸系のキレート剤としての機能を有する化合物を使用することで、ステンレス鋼の溶接スケールを除去するための電解研磨処理時に、表面に発生する白濁化を効果的に抑制することができる。このような観点から、本発明において使用するアミノカルボン酸化合物及び/又はその塩は、リンを含まない化合物が好ましい。
本発明の電解研磨液には、上記したリン酸と、アミノカルボン酸化合物及び/又はその塩以外にも、様々な成分を含ませることもできる。
本発明の電解研磨液は、ステンレス鋼表面の溶接スケールを除去するために使用されることが好ましい。この際、電解研磨処理中の白濁化を抑制することができる。
本発明の第2の態様における電解研磨液は、交流電流法、直流電流法又は交直重畳電流法によりステンレス鋼を電解研磨処理するための電解研磨液であって、リン酸と、1,3-プロパンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸及びヒドロキシエチルイミノ二酢酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種のアミノカルボン酸化合物及び/又はその塩とを含有する。
リン酸を使用することで、ステンレス鋼の表面に発生した溶接スケールを溶解する力を向上させることができる。
本発明において使用するアミノカルボン酸化合物及び/又はその塩は、1,3-プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、1,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸(DPTA-OH)及びヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)よりなる群から選ばれる少なくとも1種のアミノカルボン酸化合物及び/又はその塩であり、金属イオンを捕捉する非リン酸系キレート剤としての機能を有する。このように、リン酸系ではなく、非リン酸系のキレート剤としての機能を有する特定の化合物を使用することで、ステンレス鋼の溶接スケールを除去するための電解研磨処理時に、表面に発生する白濁化を効果的に抑制することができる。
本発明の電解研磨液には、上記したリン酸と、アミノカルボン酸化合物及び/又はその塩以外にも、様々な成分を含ませることもできる。
本発明の電解研磨液は、ステンレス鋼表面の溶接スケールを除去するために使用されることが好ましい。この際、電解研磨処理中の白濁化を抑制することができる。
SUS-N:(株)日本科学エンジニアリング製
ピロリン酸:大道製薬(株)製
オルトリン酸:ラサ工業(株)製
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA・2Na):(株)同仁化学研究所製
1.3-プロパンジアミン四酢酸(PDTA;キレストPD-4H):キレスト(株)製
ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(キレストPH-210):キレスト(株)製
ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA;キレストHA):キレスト(株)製
ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA;キレストPA):キレスト(株)製。
Claims (10)
- 交流電流法又は交直重畳電流法によりステンレス鋼を電解研磨処理するための電解研磨液であって、
リン酸と、アミノカルボン酸化合物及び/又はその塩とを含有する、ステンレス鋼用電解研磨液。 - 前記アミノカルボン酸化合物及び/又はその塩は、pHが0.6の水溶液における溶解度が、0.5質量%以上である、請求項1に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
- 前記アミノカルボン酸化合物が、1,3-プロパンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、及びニトリロ三酢酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
- 前記リン酸の含有量が20~80質量%であり、前記アミノカルボン酸化合物及び/又はその塩の含有量が0.01~30質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
- さらに、硫酸カリウムを含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
- さらに、ゲル化剤を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
- 酸性である、請求項1~6のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
- ステンレス鋼表面の溶接スケール除去用である、請求項1~7のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液を用いて交流電流法又は交直重畳電流法により電解する、ステンレス鋼の電解研磨方法。
- 表面の白濁化が抑制されたステンレス鋼の製造方法であって、請求項1~8のいずれか1項に記載のステンレス鋼用電解研磨液を用いて交流電流法又は交直重畳電流法により電解する、製造方法。
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