JP7175822B2 - 砂組成物およびその製造方法と、鋳型の製造方法 - Google Patents
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Description
こうした問題を解決するために、近年、模型を用いなくても直接鋳型を製造することが可能な、3次元積層造形による鋳型の製造方法が提案されている。
3次元積層造形による鋳型の製造方法としては、耐火性粒状材料と液状の酸触媒とを含む混練砂を積層(リコーティング)し、その上にCADデータに基づいて酸硬化性粘結剤を印刷する操作を繰り返し、酸硬化性粘結剤が硬化した後に非印刷部分の混練砂を取り除く方法が知られている。
また、鋳型には、鋳造作業時に崩壊しないだけの強度が要求される。
本発明は、実用的な強度の鋳型を製造でき、かつ流動性に優れる砂組成物およびその製造方法と、鋳型の製造方法を提供することを目的とする。
[1]耐火性粒状材料と、酸触媒と、平均一次粒子径が5~500nmの無機微粒子とを含む、砂組成物。
[2]前記耐火性粒状材料100質量部に対して、前記無機微粒子の含有量が0.1~2.0質量部である、[1]に記載の砂組成物。
[3]前記耐火性粒状材料100質量部に対して、前記酸触媒の含有量が0.05~2.0質量部である、[1]または[2]に記載の砂組成物。
[4]前記無機微粒子が、シリカ、チタニアおよびアルミナからなる群より選ばれる1種以上である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の砂組成物。
[5]前記耐火性粒状材料の平均粒子径が50~600μmである、[1]~[4]のいずれか1つに記載の砂組成物。
[6]前記無機微粒子が下記条件(a)を満たす、[1]~[5]のいずれか1つに記載の砂組成物。
条件(a):無機微粒子の濃度が4質量%になるように溶媒と無機微粒子とを混合した分散液の25℃におけるpHが8.5以下である。ただし、無機微粒子が親水性の場合、溶媒は水であり、無機微粒子が疎水性の場合、溶媒は水とメタノールの混合溶媒(質量比1:1)である。
[7]前記酸触媒が、硫酸、リン酸、スルホン酸およびカルボン酸からなる群より選ばれる1種以上である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の砂組成物。
[8]3次元積層鋳型造形用である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の砂組成物。
[9][1]~[8]のいずれか1つに記載の砂組成物の製造方法であって、前記耐火性粒状材料と、前記酸触媒と、前記無機微粒子とを混合する、砂組成物の製造方法。
[10][1]~[8]のいずれか1つに記載の砂組成物の製造方法であって、加熱した耐火性粒状材料に前記酸触媒の溶液を添加し、さらに前記無機微粒子を添加する、砂組成物の製造方法。
[11][1]~[8]のいずれか1つに記載の砂組成物に、酸硬化性粘結剤を接触させて硬化させる、鋳型の製造方法。
本発明の砂組成物は、耐火性粒状材料と、酸触媒と、無機微粒子とを含むものである。砂組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
耐火性粒状材料としては、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、非晶質シリカ、アルミナ砂、ムライト砂等の天然砂;人工砂などの従来公知のものを使用できる。また、使用済みの耐火性粒状材料を回収したもの(回収砂)や再生処理したもの(再生砂)なども使用できる。
これら耐火性粒状材料は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
製造コストの観点では天然砂が好ましく、その中でも珪砂がより好ましい。熱により膨張しにくい観点では人工砂が好ましい。製造コストと耐熱性とのバランスを考慮し、天然砂と人工砂とを混合して用いてもよい。
耐火性粒状材料の平均粒子径は、レーザー回折法により測定した耐火性粒状材料の体積累計50%のメディアン径である。
酸触媒は、鋳型を製造するに際して粘結剤の役割を果たす酸硬化性粘結剤を硬化させる触媒である。
酸触媒としては、硫酸、リン酸、スルホン酸およびカルボン酸などが挙げられる。
スルホン酸としては、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。
カルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、シュウ酸、酢酸、安息香酸などが挙げられる。
これら酸触媒は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硬化剤としての性能に優れる点で、キシレンスルホン酸が好ましい。
無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ、ゼオライトや、カオリン、タルク、マイカ等の珪酸塩鉱物、さらには珪藻土などが挙げられる。
これら無機微粒子は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
砂組成物の製造時や鋳型の製造時に粉塵が舞いにくい点で、シリカ、チタニア、アルミナが好ましく、シリカがより好ましく、疎水性のシリカがさらに好ましい。
合成シリカとしては沈降法シリカ、シリカゲル等の湿式シリカ;ヒュームドシリカ(火炎加水分解法シリカ)、アーク法シリカ、プラズマ法シリカ、石英ガラス(火炎溶融シリカ)等の乾式シリカなどが挙げられる。
これらの中でも、容易に疎水化できる点で、合成シリカが好ましい。
無機微粒子としてアルミナを用いる場合、ヒュームドアルミナが好ましい。
表面処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
無機微粒子が疎水性のシリカであれば、砂組成物の流動性が向上する。加えて、耐火性粒状材料と後述の酸硬化性粘結剤との界面強度(接着強度)を高めることができ、その結果、鋳型の強度が高まる。
無機微粒子が疎水性のチタニアであれば、鋳型の強度を維持しつつ、親水性のチタニアに比べて少ない量で砂組成物の流動性を向上できる。
無機微粒子が疎水性のアルミナであれば、鋳型の強度を維持しつつ、砂組成物の流動性を向上できる。
無機微粒子の平均一次粒子径は、透過電子顕微鏡上で観察した画像から粒子径を測定し、個数平均した値である。また、無機微粒子の比表面積および比重が分かっている場合には、便宜上、以下の計算式により求めた値で代用することも可能である。
A[m2/g]=球の表面積/球の重量 ・・・(1)
球の表面積は4πr2[m2]であり、球の重量は球の体積(4/3πr3[m3])に密度を掛けた値であることから、これらを前記式(1)に代入すると、下記式(2)が成り立つ。
A[m2/g]=4πr2/(4/3πr3×B×103)=3/(r×B×103) ・・・(2)
前記式(2)は、下記式(3)に変換できる。
r[m]=3/(B×103×A) ・・・(3)
無機微粒子の一次粒子径を球の直径とみなし、球の直径をD[nm]とすると、前記式(3)より下記式(4)が成り立つ。
D[nm]=2×r×106=6×106/(B×103×A)=6×103/(B×A) ・・・(4)
無機微粒子の比表面積を前記式(4)のAに代入し、無機微粒子の比重を前記式(4)のBに代入して求められる直径D[nm]を無機微粒子の平均一次粒子径として代用する。
条件(a):無機微粒子の濃度が4質量%になるように溶媒と無機微粒子とを混合した分散液の25℃におけるpHが8.5以下である。ただし、無機微粒子が親水性の場合、溶媒は水であり、無機微粒子が疎水性の場合、溶媒は水とメタノールの混合溶媒(質量比1:1)である。
分散液のpHが高いほど酸触媒が消費され、酸触媒の効果が充分に発揮されず、鋳型の強度が低下する傾向にある。分散液のpHが高くても、酸触媒の量を増やせば酸触媒の消費を低減できるが、酸触媒の量が増えると注湯時にガスが発生して作業環境が悪化する。分散液のpHが8.5以下であれば、酸触媒の消費を抑制でき、強度の高い鋳型が得られる。
分散液のpHは7.5以下がより好ましく、7.0以下がさらに好ましく、6.0以下が特に好ましい。
なお、分散液のpHは、無機微粒子の濃度が4質量%になるように溶媒と無機微粒子を混合し、25℃で撹拌して安定した後にpHメータを用いて測定する。
無機微粒子が疎水性のシリカである場合、疎水性のシリカの含有量は、耐火性粒状材料100質量部に対して、0.1~1.0質量部が好ましく、0.3~0.9質量部がより好ましい。特に、平均一次粒子径が10~100nmである疎水性のシリカの含有量は、耐火性粒状材料100質量部に対して、0.2~0.7質量部が好ましい。
無機微粒子が疎水性のチタニアである場合、疎水性のチタニアの含有量は、耐火性粒状材料100質量部に対して、0.1~0.5質量部が好ましく、0.2~0.4質量部がより好ましい。
無機微粒子が疎水性のアルミナである場合、疎水性のアルミナの含有量は、耐火性粒状材料100質量部に対して、0.1~0.5質量部が好ましく、0.2~0.4質量部がより好ましい。
溶媒としては、水、アルコール、これらの混合物などが挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2プロパノールなどが挙げられる。
これらの中でも、溶媒としては水が好ましい。
なお、本明細書における、砂組成物に含まれる溶媒とは、一般には酸触媒溶液由来の溶媒をいう。
砂組成物は、例えば耐火性粒状材料と、酸触媒と、無機微粒子とを混合することで製造できる。混合工程では、耐火性粒状材料と、酸触媒と、無機微粒子とを同時に混合してもよい。また、耐火性粒状材料と酸触媒とを混合して混合物(1)を調製した後に、得られた混合物(1)と無機微粒子とを混合してもよいし、耐火性粒状材料と無機微粒子とを混合して混合物(2)を調製した後に、得られた混合物(2)と酸触媒とを混合してもよい。また、予め酸触媒と無機微粒子とを混合して混合物(3)を調製した後に、得られた混合物(3)と耐火性粒状材料とを混合してもよい。
酸触媒は、予め溶媒に溶解して用いるか、酸触媒が室温(25℃)で液体の場合は、酸触媒を溶媒で希釈して用いることが好ましい。
予め、酸触媒の溶液を調製しておく。溶媒としては先に例示した溶媒が挙げられる。酸触媒が室温(25℃)で液体の場合、前記溶媒で希釈して用いることが好ましい。
次いで、耐火性粒状材料を加熱する。加熱温度は、前記溶媒の沸点より高い温度が好ましく、通常は、100~150℃である。
次いで、加熱した耐火性粒状材料に酸触媒の溶液を添加する。加熱した耐火性粒状材料に酸触媒の溶液を添加すると、溶媒が揮発して酸触媒が耐火性粒状材料に残り、耐火性粒状材料に酸触媒が担持される。
次いで、酸触媒が担持された耐火性粒状材料に無機微粒子を添加し、砂組成物を得る。
溶媒を揮発させて製造した砂組成物を「触媒被覆砂(Catalyst Coated Sand(CCS))」ともいう。
上述したように、従来の3次元積層鋳型造形などに用いられる耐火性粒状材料と液状の酸触媒とを含む混錬砂は、湿態性を有するため流動性が低下しやすい。
しかし、本発明の砂組物であれば、耐火性粒状材料および酸触媒に加えて、特定の無機微粒子を特定量含むので、耐火性粒状材料や酸触媒の吸湿による凝集が特定の無機微粒子の存在により抑制される。
よって、本発明の砂組成物は、流動性に優れる。しかも、本発明の砂組成物より得られる鋳型は、実用的な強度を有する。
しかし、本発明の砂組成物であれば、砂組成物の保管や搬送時に加えて、鋳型製造時に空気に曝されても、特定の無機微粒子の存在により長時間にわたり流動性を維持できる。
鋳型の製造方法は、自硬性鋳型造型法を採用することができる。具体的には、本発明の砂組成物に、酸硬化性粘結剤を接触させて硬化させることで鋳型を製造する。
鋳型の製造方法としては、以下の態様が挙げられる。
本実施形態の鋳型の製造方法は、本発明の砂組成物と、酸硬化性粘結剤との混合物を鋳型造型用型に充填し、酸硬化性粘結剤を硬化させて鋳型を製造する方法である。
酸硬化性粘結剤は、耐火性粒状材料の粘結剤の役割を果たす。
酸硬化性粘結剤としては、フルフリルアルコール、フラン樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。これら酸硬化性粘結剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、フルフリルアルコール、フラン樹脂が好ましい。
フラン樹脂としては、フルフリルアルコールまたはフルフリルアルコールと尿素のいずれかとアルデヒド類との縮合物または共縮合物の1種または2種以上、並びにフルフリルアルコールとの混合物を主成分とし、必要に応じてフェノール類およびビスフェノール類の少なくとも一方とを含むものを用いることが好ましい。
ビスフェノール類としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールC、ビスフェノールS、ビスフェノールE、ビスフェノールZなどが挙げられる。これらビスフェノール類は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
窒素原子含有量は鋳型の初期強度および最終強度に影響を与えるものであり、窒素原子含有量が低い場合には鋳型の初期強度が高くなる傾向にあり、窒素原子含有量が高い場合には鋳型の最終強度が高くなる傾向にある。
従って、必要に応じて窒素原子含有量を適宜調節することが好ましく、窒素原子含有量が上記範囲内であれば、初期強度と最終強度が共に好ましい鋳型を得ることが可能である。
i)尿素、フルフリルアルコールおよびアルデヒド類を縮合させて得られる(共)縮合物(a)と、フルフリルアルコールと、必要に応じてフェノール類およびビスフェノール類の少なくとも一方との混合物。
ii)尿素とアルデヒド類の縮合物と、フルフリルアルコールと、必要に応じてフェノール類およびビスフェノール類の少なくとも一方との混合物。
i)の態様においては、フラン樹脂に占める(共)縮合物(a)の比率は5~90質量%であると好ましく、10~80質量%であるとより好ましい。フルフリルアルコールの比率は10~95質量%であると好ましく、20~90質量%であるとより好ましい。
ii)の態様においては、フラン樹脂に占める尿素とアルデヒド類の縮合物の比率は3~30質量%であると好ましく、5~20質量%であるとより好ましい。フルフリルアルコールの比率は70~97質量%であると好ましく、80~95質量%であるとより好ましい。
i)~ii)の態様においては、フラン樹脂に占めるフェノール類およびビスフェノール類の少なくとも一方の比率は、40質量%以下であると好ましく、1~30質量%であるとより好ましい。
まず、フラン樹脂の原料(フルフリルアルコール、アルデヒド類、尿素等)の一部に水酸化ナトリウム水溶液などを混合してアルカリ性とし、昇温してアルデヒド類との付加物を生成する。次に、塩酸等を用いて反応液を酸性にし、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合等の反応を進行させた後、再び反応液をアルカリ性にし、残りのフラン樹脂の原料と、必要に応じてシランカップリング剤とを混合して、フラン樹脂と、水と、任意でシランカップリング剤とを含む混合物を得る。得られた混合物をそのまま酸硬化性粘結剤として用いてもよい。
なお、ここで添加する塩酸は量が少ないため、硬化反応まで進行しない。また、未反応のフルフリルアルコールはフラン樹脂全体を低粘度にさせるための希釈剤の役割を果たし、硬化反応においては硬化物を構成する成分として樹脂化して硬化物となる。
シランカップリング剤としては、例えばN-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
酸硬化性粘結剤がシランカップリング剤を含む場合、シランカップリング剤の含有量は、酸硬化性粘結剤の固形分の総質量に対して、0.01~3質量%が好ましく、0.1~2質量%がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記下限値以上であれば、鋳型の強度を向上させる効果が充分得られる。鋳型の強度向上効果は、シランカップリング剤の含有量が増えるほど得られやすくなる傾向にあるが、増えすぎても効果は頭打ちになるだけである。よって、シランカップリング剤の含有量は3質量%以下が好ましい。
なお、酸硬化性粘結剤の固形分とは、100℃での不揮発分を示す。
硬化促進剤としては、レゾルシノール、ホルマリン、フルフラールなどが挙げられる。これらの中でも、鋳型造型時に発生するホルムアルデヒドを低減する効果も得られる点で、レゾルシノールが好ましい。
酸硬化性粘結剤が硬化促進剤を含む場合、硬化促進剤の含有量は、酸硬化性粘結剤の固形分の総質量に対して、1~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。硬化促進剤の含有量が上記下限値以上であれば、硬化速度が充分に速まる。硬化速度は、硬化促進剤の含有量が増えるほど得られやすくなる傾向にあるが、増えすぎても効果は頭打ちになるだけである。よって、硬化促進剤の含有量は20質量%以下が好ましい。
なお、ホルムアルデヒドを低減する観点では、レゾルシノール以外にも尿素、没食子酸、ピロガロールを用いてもよい。
酸硬化性粘結剤が水を含む場合、水の含有量は、酸硬化性粘結剤の総質量に対して1~35質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。
本実施形態の鋳型の製造方法は、本発明の砂組成物を層状に敷き詰める工程(以下、「工程(A)」ともいう。)と、層状に敷き詰められた砂組成物を目的の3次元積層鋳型造形物に対応して結合するように、前記層状に敷き詰められた砂組成物に酸硬化性粘結剤を選択的に射出して硬化させる工程(以下、「工程(B)」ともいう。)とを含み、工程(A)と工程(B)とを、目的の3次元積層鋳型造形物が造形されるまで繰り返すことで鋳型を製造する方法である。
酸硬化性粘結剤としては、第1の実施形態の説明において先に例示した酸硬化性粘結剤が挙げられる。
3次元積層装置としては、ブレード機構と、印刷ノズルヘッド機構と、造形テーブル機構とを備えるものが好ましい。さらに、各機構の動作を造形対象物の3次元データを用いて制御する制御部を備えていることが好ましい。
ブレード機構は、リコータを含み、金属ケースの底面または酸硬化性粘結剤で結合済みの造形部の上層に、砂組成物を所定の厚みで積層するものである。
印刷ノズルヘッド機構は、積層された砂組成物に対して酸硬化性粘結剤による印刷を行い、砂組成物を結合することによって1層毎の造形を行うものである。
造形テーブル機構は、1層の造形が終了すると1層分の距離だけ下降して、所定の厚みでの積層造形を実現するものである。
以上説明した本発明の鋳型の製造方法によれば、本発明の砂組成物を用いるので、実用的な強度の鋳型を製造できる。
しかも、本発明の砂組成物は流動性に優れるので、3次元積層鋳型造形により鋳型を製造する際にリコーティングしやすい。しかも、酸硬化性粘結剤が印刷されていない部分の砂組成物は非結合状態であり、流動性を維持しているので、ブラシや掃除機等で除去しやすい。
耐火性粒状材料として、溶融法により得られた人工砂(伊藤機工株式会社製、「アルサンドS#1000」、平均粒子径120μm、遊離水分0%)を用いた。
酸触媒として、キシレンスルホン酸60質量部と、水40質量部との混合物(濃度60質量%の酸触媒の溶液)を用いた。
無機微粒子として、以下に示すものを用いた。なお、親水性のシリカ(vi)と疎水性のシリカ(vii)以外の各無機微粒子の平均一次粒子径は、カタログ値を代用した。親水性のシリカ(vi)と疎水性のシリカ(vii)の平均一次粒子径は、製造メーカーが示す比表面積および比重を用いて、前記式(4)より求めた。
・親水性のシリカ(i):ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製の商品名「AEROSIL 200」、平均一次粒子径=12nm、前記分散液のpH=4.0~4.5)。
・親水性のシリカ(ii):ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製の商品名「AEROSIL VP SG40」、平均一次粒子径=80~100nm、前記分散液のpH=4.51)。
・疎水性のシリカ(iii):ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製の商品名「AEROSIL RX200」、平均一次粒子径=12nm、前記分散液のpH=5.5~8.5)。
・疎水性のシリカ(iv):ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製の商品名「AEROSIL RX50」、平均一次粒子径=40nm、前記分散液のpH=6.0~8.0)。
・疎水性のシリカ(v):ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製の商品名「AEROSIL VP RX40 S」、平均一次粒子径=80~100nm、前記分散液のpH=6.06)。
・親水性のシリカ(vi):沈降法シリカ(東ソー・シリカ株式会社製の商品名「Nipsil E-150J」、比表面積=100m2/g、比重=2、平均一次粒子径=30nm、前記分散液のpH=7.0)。
・疎水性のシリカ(vii):沈降法シリカ(東ソー・シリカ株式会社製の商品名「Nipsil SS-30P」、比表面積=110m2/g、比重=2、平均一次粒子径=27nm、前記分散液のpH=7.5)。
・親水性のチタニア(viii):ヒュームドチタニア(日本アエロジル株式会社製の商品名「AEROXIDE TiO2P90」、平均一次粒子径=14nm、前記分散液のpH=3.2~4.5)。
・疎水性のチタニア(ix):ヒュームドチタニア(日本アエロジル株式会社製の商品名「AEROXIDE TiO2NKT90」、平均一次粒子径=14nm、前記分散液のpH=3.0~4.0)。
・親水性のアルミナ(x):ヒュームドアルミナ(日本アエロジル株式会社製の商品名「AEROXIDE Alu C」、平均一次粒子径=13nm、前記分散液のpH=4.5~5.5)。
・疎水性のアルミナ(xi):ヒュームドアルミナ(日本アエロジル株式会社製の商品名「AEROXIDE Alu C805」、平均一次粒子径=13nm、前記分散液のpH=3.0~4.5)。
酸硬化性粘結剤として、フルフリルアルコール89.9質量部と、レゾルシノール10質量部と、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン0.2質量部との混合物を用いた。
(分散液のpHの測定)
疎水性のシリカ(v)について、以下のようにして分散液pHを測定した。残りの無機微粒子における分散液のpHは、カタログ値を代用した。
疎水性のシリカ(v)の濃度が4質量%になるように、水とメタノールの混合溶媒(質量比1:1)と、疎水性のシリカ(v)とを混合し、25℃で撹拌して安定した後にpHメータを用いて分散液のpHを25℃で測定した。
各実施例および比較例で得られたテストピースの曲げ強さをJACT試験法SM-1に記載の測定方法を用いて測定した。
スランプ試験に基づいて砂組成物の流動性を評価した。
スランプ試験には、上底の直径が58mm、下底の直径が85mm、高さが140mmであるスランプコーンを用いた。
スランプコーンに各実施例および比較例で得られた砂組成物を詰めた後、スランプコーンを静かに鉛直に引き上げたときの砂組成物の状態(崩壊具合)を目視にて確認し、以下の評価基準にて砂組成物の流動性を評価した。
◎:砂組成物がサラサラしている。
〇:砂組成物が僅かに凝集している。
△:砂組成物がやや凝集している。
×:砂組成物が凝集している。
スランプコーンに砂組成物を詰めた後、温度25℃、湿度50%の雰囲気下で24時間保存した。その後、スランプコーンを静かに鉛直に引き上げたときの砂組成物の状態(崩壊具合)を目視にて確認し、流動性の評価1と同様の評価基準にて砂組成物の流動性を評価した。
耐火性粒状材料100質量部に親水性のシリカ(i)を0.1質量部添加し、1分間撹拌して混合物を得た。得られた混合物に酸触媒の溶液を0.3質量部添加し、1分間撹拌して砂組成物を得た。得られた砂組成物において、耐火性粒状材料100質量部に対する酸触媒の含有量は0.18質量部であり、親水性のシリカ(i)の含有量は0.1質量部である。
得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表4および図4の(b)に示す。
得られた混練砂を、直ちに温度25℃、湿度50%の条件下、縦10mm、横60mm、深さ10mmの直方体の型が6個形成されたテストピース作製用木型に充填して硬化させ、硬化開始から180分経過後に6個のテストピースを取り出した(抜型時間180分)。
取り出した6個のテストピースを温度25℃、湿度50%の条件下、硬化開始から24時間放置した。
放置後の6個のテストピースのうち、3個のテストピースの曲げ強さを測定し、その平均値を求めた。結果を表1および図1に示す。
残りの3個のテストピースを温度100℃で20分間乾燥させた後、25℃まで冷却してから曲げ強さを測定し、その平均値を求めた。結果を表1および図1に示す。
親水性のシリカ(i)の添加量を0.2質量部に変更した以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表4および図4の(c)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表1および図1に示す。
親水性のシリカ(i)の添加量を0.3質量部に変更した以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価2に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表5および図5の(b)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表1および図1に示す。
耐火性粒状材料100質量部に酸触媒の溶液を0.3質量部添加し、1分間撹拌して砂組成物を得た。得られた砂組成物において、耐火性粒状材料100質量部に対する酸触媒の含有量は0.18質量部であり、無機微粒子の含有量は0質量部である。得られた砂組成物について、流動性の評価1、2に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表4、5および図4の(a)、図5の(a)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表1および図1に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iii)を用いた以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表4および図4の(d)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表2および図2に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iii)を用い、その添加量を0.2質量部に変更し以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表4および図4の(e)に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iii)を用い、その添加量を0.3質量部に変更し以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1、2に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表4、5および図4の(f)、図5の(c)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表2および図2に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iii)を用い、その添加量を0.4質量部に変更し以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表4および図4の(g)に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iii)を用い、その添加量を0.5質量部に変更し以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表2および図2に示す。
比較例1-1と同様にして砂組成物を調製した。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表2および図2に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iv)を用いた以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表4および図4の(h)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表3および図3に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iv)を用い、その添加量を0.3質量部に変更した以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表4および図4の(i)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表3および図3に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iv)を用い、その添加量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表4および図4の(j)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表3および図3に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iv)を用い、その添加量を0.7質量部に変更した以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表3および図3に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iv)を用い、その添加量を0.9質量部に変更した以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表3および図3に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに疎水性のシリカ(iv)を用い、その添加量を1.1質量部に変更した以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表3および図3に示す。
比較例1-1と同様にして砂組成物を調製した。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表3および図3に示す。
なお、比較例1-1、2-1、3-1はそれぞれ別の日にテストピースの曲げ強さを測定したため、測定結果が異なる。
実施例1-1~1-3と比較例1-1は同じ日にテストピースの曲げ強さを測定した。
実施例2-1、2-3、2-5と比較例2-1は同じ日にテストピースの曲げ強さを測定した。
実施例3-1~3-6と比較例3-1は同じ日にテストピースの曲げ強さを測定した。
さらに、表5および図5の結果より、各実施例で得られた砂組成物は、時間が経過しても流動性に優れており、砂組成物の保管や搬送時に加えて、鋳型製造時に空気に曝されても流動性を維持できることが示された。
なお、実施例2-1~2-5、3-1~3-6において、砂組成物の製造時や鋳型の製造時に粉塵が舞いにくいことを確認した。
親水性のシリカ(i)の代わりに表6に示す量の親水性のシリカ(ii)を用いた以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表6および図7の(a)~(c)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表6および図6に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに表6に示す量の疎水性のシリカ(v)を用いた以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表6および図7の(d)~(f)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表6および図6に示す。
比較例1-1と同様にして砂組成物を調製した。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表6および図6に示す。
なお、比較例1-1、4-1はそれぞれ別の日にテストピースの曲げ強さを測定したため、測定結果が異なる。
実施例4-1~4-6と比較例4-1は同じ日にテストピースの曲げ強さを測定した。
親水性のシリカ(i)の代わりに表7に示す量の親水性のシリカ(vi)を用いた以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表7および図9の(a)、(b)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表7および図8に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに表7に示す量の疎水性のシリカ(vii)を用いた以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表7および図9の(c)~(e)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表7および図8に示す。
比較例1-1と同様にして砂組成物を調製した。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表7および図8に示す。
なお、比較例1-1、5-1はそれぞれ別の日にテストピースの曲げ強さを測定したため、測定結果が異なる。
実施例5-1~5-5と比較例5-1は同じ日にテストピースの曲げ強さを測定した。
親水性のシリカ(i)の代わりに表8に示す量の親水性のチタニア(viii)を用いた以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表8および図11の(a)~(c)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表8および図10に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに表8に示す量の疎水性のチタニア(ix)を用いた以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表8および図11の(d)~(f)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表8および図10に示す。
比較例1-1と同様にして砂組成物を調製した。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表8および図10に示す。
なお、比較例1-1、6-1はそれぞれ別の日にテストピースの曲げ強さを測定したため、測定結果が異なる。
実施例6-1~6-6と比較例6-1は同じ日にテストピースの曲げ強さを測定した。
親水性のシリカ(i)の代わりに表9に示す量の親水性のアルミナ(x)を用いた以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表9および図13の(a)~(c)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表9および図12に示す。
親水性のシリカ(i)の代わりに表9に示す量の疎水性のアルミナ(xi)を用いた以外は、実施例1-1と同様にして砂組成物を調製した。得られた砂組成物について、流動性の評価1に基づいてスランプ試験を行い、砂組成物の流動性を評価した。結果を表9および図13の(d)~(f)に示す。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表9および図12に示す。
比較例1-1と同様にして砂組成物を調製した。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様にして混錬砂およびテストピースを製造し、曲げ強さを測定した。結果を表9および図12に示す。
なお、比較例1-1、7-1はそれぞれ別の日にテストピースの曲げ強さを測定したため、測定結果が異なる。
実施例7-1~7-6と比較例7-1は同じ日にテストピースの曲げ強さを測定した。
Claims (8)
- 耐火性粒状材料と、酸触媒と、平均一次粒子径が5~500nmの無機微粒子とを含み、
前記耐火性粒状材料の平均粒子径が、50~600μmであり、
前記無機微粒子が、シリカ、チタニア、アルミナ、ゼオライト、珪酸塩鉱物および珪藻土からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む、砂組成物。 - 前記耐火性粒状材料100質量部に対して、前記無機微粒子の含有量が0.1~2.0質量部である、請求項1に記載の砂組成物。
- 前記耐火性粒状材料100質量部に対して、前記酸触媒の含有量が0.05~2.0質量部である、請求項1または2に記載の砂組成物。
- 前記無機微粒子が、シリカ、チタニアおよびアルミナからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の砂組成物。
- 前記無機微粒子が下記条件(a)を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の砂組成物。
条件(a):無機微粒子の濃度が4質量%になるように溶媒と無機微粒子とを混合した分散液の25℃におけるpHが8.5以下である。ただし、無機微粒子が親水性の場合、溶媒は水であり、無機微粒子が疎水性の場合、溶媒は水とメタノールの混合溶媒(質量比1:1)である。 - 前記酸触媒が、硫酸、リン酸、スルホン酸およびカルボン酸からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の砂組成物。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の砂組成物の製造方法であって、
前記耐火性粒状材料と、前記酸触媒と、前記無機微粒子とを混合する、砂組成物の製造方法。 - 請求項1~6のいずれか一項に記載の砂組成物に、酸硬化性粘結剤を接触させて硬化させる、鋳型の製造方法。
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