JP6868334B2 - 鋳物砂 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳物砂に関する。
鋳造により製品(鋳物)を作製するには、まず、鋳型を造形した後、その鋳型に溶解した材料(例えば、金属など)を流し込み、所要の形状に形成する。
そのような鋳型として、鋳物砂にバインダーおよび硬化剤を添加し、バインダーを硬化させることにより造形される砂型が知られている。
そして、砂型に用いられる鋳物砂として、例えば、天然珪砂および人工砂の混合砂に、硬化剤が混練された鋳物砂が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−240799号公報
しかし、特許文献1に記載の鋳物砂にバインダーを添加しても、バインダーを十分に硬化させることができず、砂型の造形不良が生じる場合がある。
そこで、本発明の目的は、砂型の造形不良を抑制できる鋳物砂を提供することにある。
本発明[1]は、砂と、前記砂を被覆する樹脂硬化物を含有する表面改質層と、を有する、鋳物砂を含んでいる。
このような構成によれば、樹脂硬化物が砂を被覆しているので、鋳物砂に硬化剤を添加しても、砂を被覆する樹脂硬化物により、硬化剤が砂と接触することを抑制できる。
しかるに、硬化剤が砂と接触すると、砂に含有される成分により、硬化剤の活性能が低下してしまう場合がある。この場合、硬化剤が添加された鋳物砂にバインダーを添加しても、バインダーを十分に硬化させることができず、砂型の造形不良が生じるという不具合がある。
一方、上記の構成によれば、樹脂硬化物を含有する表面改質層により、硬化剤と砂との接触が抑制されているので、鋳物砂に硬化剤を添加しても、硬化剤の活性能が、砂に含有される成分により、低下することを抑制できる。
そのため、鋳物砂に硬化剤およびバインダーを添加すると、バインダーを確実に硬化させることができ、砂型の造形不良を抑制することができる。
本発明[2]は、前記樹脂硬化物は、フラン樹脂である、[1]に記載の鋳物砂を含んでいる。
このような構成によれば、フラン樹脂が砂を被覆しているので、鋳物砂に硬化剤を添加しても、砂を被覆するフラン樹脂により、硬化剤が砂と接触することを抑制できる。
本発明[3]は、前記表面改質層に付着する硬化剤を備える、[1]または[2]に記載の鋳物砂を含んでいる。
このような構成によれば、硬化剤が表面改質層に付着しているので、硬化剤が付着する鋳物砂にバインダーを添加すると、硬化剤とバインダーとを効率よく接触させることができる。そのため、バインダーを確実に硬化させることができ、ひいては、砂型の造形不良を確実に抑制することができる。
本発明の鋳物砂によれば、砂型の造形不良を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態としての鋳物砂の概略構成図である。 図2Aは、図1に示す鋳物砂を用いる砂型の製造方法の一実施形態を説明するための説明図であって、鋳物砂を層状に形成して、第1鋳物砂層を形成する工程を示す。 図2Bは、図2Aに続いて、第1鋳物砂層にバインダーを添加する工程を示す。 図2Cは、図2Bに続いて、第1鋳物砂層上に、再度、鋳物砂を層状に形成して、第2鋳物砂層を形成する工程を示す。 図2Dは、図2Cに続いて、第2鋳物砂層にバインダーを添加する工程を示す。 図2Eは、図2Dに続いて、鋳物砂の層形成およびバインダーの添加を順次繰り返し、砂型を形成する工程を示す。 図2Fは、図2Eに続いて、鋳物砂の層においてバインダーが添加されていない部分を除去し、砂型を取り出す工程を示す。 図3Aは、各実施例および各比較例における、抗折力試験を説明するための説明図であって、試験柱の斜視図を示す。図3Bは、図3Aに示す試験柱が、試験装置に挟持されている状態を示す。
1.鋳物砂
本発明の鋳物砂は、複数の粒子の集合であり、各粒子が、図1に示すように、砂2および表面改質層3を有している。そこで、図1では、便宜上、鋳物砂のうち1つの粒子を鋳物砂1として示している。
鋳物砂1は、砂2および表面改質層3を有している。
砂2の粒子径(砂一粒子の粒子径:単一粒子径)は、例えば、1μm以上、好ましくは、53μm以上、さらに好ましくは、75μm以上、例えば、1700μm以下、好ましくは、300μm以下である。なお、砂の各粒子の粒子径は、粒度分布測定装置により測定される。
なお、複数の鋳物砂において、砂の粒子径は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。複数の鋳物砂において砂の粒子径が互いに異なる場合、砂の粒度構成(粒度分布)は、各砂の粒子径が上記の範囲内であれば、特に制限されない。
また、砂が、粒子径が53μm未満の砂(以下、PANとする。)を含む場合、PANの含有割合は、砂全量に対して、例えば、0質量%を超過し、例えば、10質量%以下、好ましくは、0.5質量%以下である。
このような砂としては、例えば、天然珪砂、人工砂およびそれらの混合砂が挙げられる。
天然珪砂は、石英(二酸化珪素:SiO)を主成分とするシリカ砂である。
人工砂は、公知の方法(例えば、焼結法、溶融法、火炎溶融法など)により製造された人工砂である。
混合砂は、天然珪砂と人工砂との混合物である。
天然珪砂の含有割合は、混合砂全量に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、例えば、90質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
人工砂の含有割合は、混合砂全量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、40質量%以上、例えば、99質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。
このような砂のなかでは、好ましくは、人工砂が挙げられる。
人工砂としては、例えば、酸化アルミニウム砂(アルミナ砂)、ムライト砂、ムライト−ジルコン砂などが挙げられる。人工砂は、単独使用または2種類以上併用することができる。このような人工砂のなかでは、好ましくは、ムライト砂が挙げられる。
ムライト砂は、酸化アルミニウム(アルミナ)と二酸化珪素(シリカ)との混合組成化合物(アルミノケイ酸塩)を主成分としている。
酸化アルミニウムの含有割合は、ムライト砂全量に対して、例えば、50質量%以上、好ましくは、60質量%以上、さらに好ましくは、65質量%以上、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
二酸化珪素の含有割合は、ムライト砂全量に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、15質量%以上、例えば、45質量%以下、好ましくは、40質量%以下、さらに好ましくは、30質量%以下である。
このようなムライト砂は、例えば、特開昭61−63333号公報に記載の方法や、特開2003−251434号公報に記載の方法により調製することができる。
また、ムライト砂は、市販品を用いることもでき、例えば、エスパール(山川産業社製)、セラビーズ(伊藤忠セラテック社製)などが挙げられる。
また、人工砂は、長石を含んでいてもよい。
長石は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含有するアルミノケイ酸塩である。
このような長石としては、例えば、カリ長石(KO・Al・6SiO)、ソーダ長石(NaO・Al・6SiO)が挙げられる。
長石の含有割合は、人工砂の全量に対して、例えば、0質量%を超過し、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下である。
表面改質層3は、砂2を被覆する樹脂硬化物を含有している。
樹脂硬化物は、樹脂組成物(後述)が硬化した硬化物であって、硬化反応が完了しており、例えば、加熱しても、それ以上硬化反応が進行しないものである。
樹脂硬化物は、例えば、樹脂酸硬化物、樹脂熱硬化物などが挙げられる。
樹脂酸硬化物は、酸硬化性樹脂組成物(後述)が硬化したものであって、例えば、フラン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
樹脂熱硬化物は、熱硬化性樹脂組成物(後述)が硬化したものであって、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。
このような樹脂硬化物のなかでは、好ましくは、樹脂酸硬化物、耐熱性の観点からさらに好ましくは、フラン樹脂が挙げられる。
表面改質層3の厚みは、例えば、0.01μm以上、好ましくは、0.1μm以上、例えば、10μm以下、好ましくは、1μm以下である。
また、表面改質層3は、樹脂硬化物以外の成分、例えば、未硬化の樹脂組成物を含有してもよいが、樹脂硬化物の含有割合は、表面改質層3に対して、例えば、80質量%以上、好ましくは、90質量%以上、例えば、100質量%以下である。
また、鋳物砂1は、表面改質層3を被覆するように、表面改質層3の周面に配置される硬化剤層4を備えている。
硬化剤層4は、表面改質層3の表面に付着する硬化剤からなる。硬化剤は、バインダー(後述)を硬化せるものであって、酸成分を含有している。
酸成分としては、例えば、脂肪族スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸など)、芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸など)、無機酸(例えば、硫酸、リン酸、塩酸など)、カルボン酸(例えば、マレイン酸、シュウ酸など)などが挙げられる。このような酸成分は、単独使用または2種類以上併用することができる。
このような酸成分のなかでは、好ましくは、芳香族スルホン酸および無機酸が挙げられ、さらに好ましくは、パラトルエンスルホン酸および硫酸、とりわけ好ましくは、パラトルエンスルホン酸および硫酸の併用が挙げられる。
2.鋳物砂の製造方法
このような鋳物砂1を調製するには、まず、上記した砂と、樹脂組成物とを準備する(準備工程)。
樹脂組成物は、硬化することにより、上記の樹脂硬化物となる硬化性樹脂組成物であって、例えば、酸硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物などが挙げられる。
酸硬化性樹脂組成物は、酸存在下において、150℃未満で、完全硬化状態(Cステージ)となることができる樹脂組成物であって、例えば、フラン樹脂組成物、フェノール樹脂組成物などが挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物は、加熱(例えば、250℃以上)によって、完全硬化状態(Cステージ)となることができる樹脂組成物であって、例えば、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、レゾール型フェノール樹脂組成物などが挙げられる。
このような樹脂組成物のなかでは、好ましくは、酸硬化性樹脂組成物、耐熱性の観点からさらに好ましくは、フラン樹脂組成物が挙げられる。
フラン樹脂組成物は、フラン樹脂前駆体を含有している。
フラン樹脂前駆体としては、例えば、フルフリルアルコール、フラン樹脂プレポリマーなどが挙げられる。
フラン樹脂プレポリマーとしては、例えば、フルフリルアルコールの単独重合体、フルフリルアルコールとアルデヒド化合物との共重合体、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド化合物との共重合体(尿素変性フラン樹脂プレポリマー)、フルフリルアルコールとフルフラールとの共重合体などが挙げられる。フラン樹脂プレポリマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
このようなフラン樹脂プレポリマーのなかでは、好ましくは、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド化合物との共重合体(尿素変性フラン樹脂プレポリマー)が挙げられる。
アルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザール、パラホルムアルデヒドなどが挙げられ、好ましくは、パラホルムアルデヒドが挙げられる。
このようなフラン樹脂前駆体としては、フルフリルアルコールおよびフラン樹脂プレポリマーのいずれか一方を単独で使用することができるが、好ましくは、フルフリルアルコールおよびフラン樹脂プレポリマーが併用される。
フラン樹脂前駆体の含有割合は、フラン樹脂組成物の全量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、50質量%以上、さらに好ましくは、60質量%以上、例えば、95質量%以下である。
また、フラン樹脂組成物がフルフリルアルコールおよびフラン樹脂プレポリマーを含有する場合、フルフリルアルコールの含有割合は、フラン樹脂組成物の全量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上、例えば、99質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。フラン樹脂プレポリマーの含有割合は、フラン樹脂組成物全量に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、45質量%以上、例えば、90質量%以下、好ましくは、65質量%以下である。
また、フラン樹脂プレポリマーの含有割合は、フルフリルアルコール100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、100質量部以上、例えば、300質量部以下、好ましくは、150質量部である。
また、フラン樹脂組成物は、上記成分に加えて、溶媒、架橋剤、さらに必要に応じて、硬化促進剤などを含有することができる。
溶媒としては、例えば、水、アセトン、酢酸エチル、アルコールなどが挙げられ、好ましくは、水が挙げられる。
溶媒の含有割合は、フラン樹脂組成物全量に対して、例えば、0.01質量%以上、好ましくは、1質量%以上、例えば、50質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。
架橋剤としては、例えば、シランなどが挙げられる。
架橋剤の含有割合は、フラン樹脂組成物全量に対して、例えば、0.01質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、例えば、20質量%以下、好ましくは、3質量%以下である。
硬化促進剤としては、例えば、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスヒドロキシメチルフランなどが挙げられる。
次いで、砂に樹脂組成物を添加し、撹拌混合する。
樹脂組成物の添加割合は、砂100質量部に対して、例えば、0.005質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上、例えば、3質量部以下、好ましくは、0.30質量部以下、さらに好ましくは、0.20質量部未満、とりわけ好ましくは、0.15質量部以下、特に好ましくは、0.075質量部以下である。
樹脂組成物の添加割合が上記下限以上であると、砂を樹脂により確実に被覆することができる。樹脂組成物の添加割合が上記上限以下であると、硬化剤(後述)を添加したときに、スケール(過剰な樹脂組成物の硬化物)が発生することを抑制でき、かつ、樹脂により被覆された砂(鋳物砂)同士が、所望せずに接着され、凝集体を形成することを抑制できる。
また、樹脂組成物がフラン樹脂組成物である場合、樹脂組成物の添加割合が上記上限以下であると、フラン樹脂前駆体の重合反応(後述)において、水の生成を抑制でき、鋳物砂の水分量の低減を図ることができ、かつ、砂型の強度の向上を図ることができる。
砂と樹脂組成物との撹拌において、撹拌温度は、例えば、0℃以上、好ましくは、20℃以上、例えば、150℃以下、好ましくは、35℃以下である。撹拌時間は、撹拌対象物(砂と樹脂組成物との混合物)が1kgである場合、例えば、1秒以上、好ましくは、30秒以上、例えば、15分以下、好ましくは、2分以下である。なお、撹拌時間は、撹拌対象物がNkgである場合、上記のN倍となる。
これによって、砂および樹脂組成物が、均一となるように混合され、樹脂組成物が、砂の各粒子の周囲を取り囲むように被覆する。
次いで、樹脂組成物が混合された砂に、硬化剤を添加して、撹拌混合する。
硬化剤は、対応する樹脂組成物を硬化(完全硬化状態に)させるものであって、対応する樹脂組成物の種類によって適宜選択される。
例えば、樹脂組成物がフラン樹脂組成物である場合、硬化剤は、上記したバインダー(後述)を硬化させる硬化剤、つまり、上記の酸成分を含有する硬化剤が選択される。
なお、本実施形態では、樹脂組成物がフラン樹脂組成物であり、硬化剤が、バインダー(後述)を硬化させる硬化剤(硬化剤層4)と兼用される場合について詳述する。
硬化剤の酸成分として、好ましくは、芳香族スルホン酸および無機酸が挙げられ、さらに好ましくは、パラトルエンスルホン酸および硫酸、とりわけ好ましくは、パラトルエンスルホン酸および硫酸の併用が挙げられる。
硬化剤は、酸成分が無機酸を含有する場合、酸成分を溶解する水をさらに含有している。
この場合、酸成分の濃度は、硬化剤全量に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、10質量%以上、例えば、99質量%以下、好ましくは、70質量%以下である。
また、酸成分がパラトルエンスルホン酸および硫酸の併用である場合、パラトルエンスルホン酸の濃度は、硬化剤全量に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、10質量%以上、例えば、80質量%以下、好ましくは、70質量%以下である。また、硫酸の濃度は、硬化剤全量に対して、例えば、0.01質量%以上、好ましくは、0.1質量%以上、例えば、10質量%以下、好ましくは、1質量%以下である。
硬化剤の添加割合は、砂100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは、0.10質量部以上、さらに好ましくは、0.10質量部を超過、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.30質量部以下、さらに好ましくは、0.20質量部未満、とりわけ好ましくは、0.175質量部以下である。
硬化剤の添加割合が上記下限以上上記上限以下であると、砂型の強度の向上を確実に図ることができる。とりわけ、硬化剤がパラトルエンスルホン酸を含有する場合、パラトルエンスルホン酸が潮解性を有しているため、硬化剤の添加割合が上記上限以上であると、砂型が水分を吸収しやすく、砂型の強度が低下してしまう。
また、樹脂組成物がフラン樹脂組成物であり、硬化剤が酸成分を含有している場合、酸成分の酸当量(プロトンとして電離する水素原子の当量)は、フラン樹脂前駆体の水酸基1当量に対して、例えば、0.001当量以上、好ましくは、0.01当量以上、例えば、10当量以下、好ましくは、1当量以下である。
砂と硬化剤との撹拌において、撹拌温度の範囲は、例えば、上記の撹拌温度の範囲と同一である。撹拌時間は、例えば、上記の撹拌時間の範囲と同一である。
そして、樹脂組成物が添加された砂に硬化剤が添加されると、図1に示すように、砂の各粒子を被覆する樹脂組成物が、硬化剤と接触して、樹脂硬化物となる。これによって、樹脂硬化物からなる表面改質層3が形成される。
また、本実施形態において、硬化剤は、触媒として作用し、樹脂組成物の硬化後、樹脂硬化物の表面に押し出される。これによって、硬化剤が、表面改質層3の表面に付着して、硬化剤層4を形成する。
より詳しくは、樹脂組成物がフラン樹脂組成物であり、フラン樹脂前駆体としてフルフリルアルコールを含有する場合、下記式(1)に示すように、フルフリルアルコールは、硬化剤の酸成分(HA)と接触することにより縮合重合して、樹脂硬化物であるフラン樹脂を形成する。
式(1):
Figure 0006868334
このようなフルフリルアルコールの縮合重合では、上記式(1)に示されるように、水が生成する。
硬化剤は、フルフリルアルコールの縮合重合により生成する水とともに、表面改質層3の表面に滲出する。これにより、硬化剤の酸成分が、表面改質層3の表面に付着する。
また、フラン樹脂前駆体(フルフリルアルコール)の縮合重合により生成する水や、硬化剤に含有される水は、蒸発により除去され、また、フラン樹脂に内包される。
また、砂がカリ長石やソーダ長石を含有している場合には、フラン樹脂前駆体(フルフリルアルコール)の縮合重合により生成する水や、硬化剤に含有される水の一部は、下記式(2)および式(3)に示すように、カリ長石およびソーダ長石と反応することにより除去される。
式(2):
Figure 0006868334
式(3):
Figure 0006868334
以上によって、砂2と、砂2を被覆する樹脂硬化物を含有する表面改質層3と、表面改質層3に付着する硬化剤(硬化剤層4)を備える鋳物砂1が調製される。
このような鋳物砂1の粒子径(鋳物砂一粒子の粒子径:単一粒子径)は、例えば、20μm以上、好ましくは、100μm以上、例えば、1710μm以下、好ましくは、1000μm以下、さらに好ましくは、212μm以下である。
なお、複数の鋳物砂において、鋳物砂の粒子径は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
このような鋳物砂は、種々の鋳型の造形に好適に用いられる。特に、3次元積層造形用、つまり、3Dプリンター用の鋳物砂として有用である。
2.砂型の製造方法
例えば、鋳物砂は、図2Aおよび図2Bに示すように、3次元積層造形装置6により、砂型30に製造される。
3次元積層造形装置6は、3D−CADデータから砂型を作製できる装置であって、造形ユニット7と、砂供給ユニット8と、バインダ供給ユニット9と、図示しない操作部とを備えている。
造形ユニット7は、ジョブボックス11と、ステージ12とを備えている。
ステージ12は、略平板形状を有しており、ジョブボックス11内に収容されている。ステージ12は、ジョブボックス11内において、上下方向に移動可能である。
砂供給ユニット8は、造形ユニット7に鋳物砂を供給するユニットであって、鋳物砂タンク15と、流動化剤タンク16と、混合タンク14と、リコータ13とを備えている。
鋳物砂タンク15は、上記の鋳物砂を収容している。
流動化剤タンク16は、流動化剤を収容している。
流動化剤は、沸点が35℃以上の高沸点有機溶媒であれば特に制限されず、例えば、不飽和脂肪酸(例えば、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸など)、飽和脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸など)、イソホロン、キシレン、シリコーンオイルなどが挙げられる。
このような流動化剤のなかでは、好ましくは、不飽和脂肪酸が挙げられ、さらに好ましくは、リノール酸が挙げられる。流動化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
混合タンク14は、供給管17を介して鋳物砂タンク15と連結されており、供給管18を介して流動化剤タンク16と連結されている。
リコータ13は、ステージ12に対して上方に間隔を空けて配置されており、供給管19を介して混合タンク14と連結されている。リコータ13は、鋳物砂を内部に貯留可能であり、かつ、貯留される鋳物砂を排出可能である。また、リコータ13は、ステージ12に対して平行に移動可能である。
バインダ供給ユニット9は、図2Bに示すように、造形ユニット7にバインダーを供給するユニットであって、バインダータンク21と、ジェットヘッド20とを備えている。
バインダータンク21は、バインダーを収容している。
バインダーとしては、例えば、上記したフラン樹脂組成物などが挙げられる。つまり、バインダーは、フラン樹脂前駆体を含有している。
バインダーが含有するフラン樹脂前駆体としては、好ましくは、フルフリルアルコールが挙げられ、さらに好ましくは、フルフリルアルコールの単独使用が挙げられる。
フラン樹脂前駆体の含有割合は、バインダーの全量に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、10質量%以上、さらに好ましくは、85質量%以上、例えば、100質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。
また、バインダーは、上記のフラン樹脂前駆体に加えて、硬化促進剤などを含有することができる。
硬化促進剤としては、例えば、レゾルシン、クレゾール、ヒドロキノン、フロログルシノール、メチレンビスフェノール、ビスヒドロキシメチルフランなどが挙げられ、好ましくは、レゾルシンが挙げられる。
硬化促進剤の含有割合は、バインダーの全量に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、例えば、30質量%以下、好ましくは、15質量%以下である。
ジェットヘッド20は、ステージ12に対して上方に間隔を空けて配置されており、供給管22を介してバインダータンク21と連結されている。ジェットヘッド20は、バインダーを排出可能であって、ステージ12に対して平行に移動可能である。ジェットヘッド20は、図示しない操作部と電気的に接続されている。
そして、3次元積層造形装置6では、図2Aに示すように、まず、鋳物砂タンク15に収容される鋳物砂が、供給管17を介して、混合タンク14に供給されるともに、流動化剤タンク16に収容される流動化剤が、供給管17を介して、混合タンク14に供給される。
これにより、鋳物砂に流動化剤が添加される。
流動化剤の添加割合は、鋳物砂100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上0.1質量部以下である。
そして、混合タンク14において、鋳物砂および流動化剤が撹拌混合され、鋳物砂の流動性が調整される。
なお、鋳物砂の流動性は、種々の要因に影響され、様々な指標により評価されるが、例えば、流動化剤が添加された鋳物砂は、スランプ試験におけるスランプコーンの直径(d)に対する、スランプの直径(D)の比(D/d)が、例えば、1以上、好ましくは、1.1以上、例えば、3.0以下、好ましくは、2.0以下、さらに好ましくは、1.5以下である。なお、スランプコーンの直径(d)に対する、スランプの直径(D)の比は、実施例において後述する方法により測定される。
次いで、流動化剤が添加された鋳物砂は、供給管19を介して、リコータ13に供給され、貯留される。
そして、リコータ13は、ステージ12に対して平行に移動するとともに、僅かに振動して、貯留する鋳物砂を、ステージ12上に層状となるように排出する。
これによって、ステージ12上に、鋳物砂が層状に形成され、第1鋳物砂層25(鋳物砂の層)が形成される。
第1鋳物砂層25の厚みは、例えば、100μm以上、好ましくは、200μm以上、例えば、400μm以下、好ましくは、300μm以下である。
次いで、図2Bに示すように、バインダータンク21に収容されるバインダーが、供給管22を介して、ジェットヘッド20に供給される。
そして、ジェットヘッド20は、図示しない操作部から入力される3D−CADデータに基づいて、第1鋳物砂層25のうち鋳型となる部分に、バインダーを添加して、第1添加部分26を形成する。
第1添加部分26では、添加されたバインダーが、鋳物砂の表面改質層に付着する硬化剤と接触し、硬化することにより、鋳物砂を互いに接着する。これによって、第1添加部分26が、バインダー硬化物により固められる。
つまり、本実施形態では、樹脂組成物を硬化する硬化剤が、バインダーを硬化する硬化剤としても兼用される。
次いで、図2Cに示すように、ステージ12が、第1鋳物砂層25の厚み分下降した後、リコータ13が、第1鋳物砂層25上に、再度、鋳物砂を層状に形成して、第2鋳物砂層27(鋳物砂の層)を形成する。その後、図2Dに示すように、ジェットヘッド20が、第2鋳物砂層27のうち鋳型となる部分に、バインダーを添加して、第2添加部分28を形成する。
同様に、図2Eに示すように、リコータ13による鋳物砂の層形成、および、ジェットヘッド20によるバインダーの添加を順次繰り返して、バインダーの添加部分(第1添加部分26、第2添加部分28など)を積層する。つまり、鋳物砂の層形成がn回繰り返された場合、第1添加部分26から第n添加部分が順次積層される。
なお、各鋳物砂の層の厚みの範囲は、上記の第1鋳物砂層25の厚みの範囲と同一である。
その後、図2Fに示すように、鋳物砂の層において、バインダーが添加されていない部分を除去する。
以上によって、砂型30が作製される。
このような砂型30は、砂と、樹脂硬化物を含有する表面改質層とを有する鋳物砂と、鋳物砂を互いに接着するバインダー硬化物とを含有している。
3.作用効果
鋳物砂1は、図1に示すように、砂2と、砂2を被覆する樹脂硬化物を含有する表面改質層3とを有しているので、鋳物砂1に硬化剤を添加しても、砂2を被覆する樹脂硬化物により、硬化剤が砂2と接触することを抑制できる。
しかるに、硬化剤が砂と接触すると、砂に含有される成分により、硬化剤の活性能が低下してしまう場合がある。
例えば、砂がカリ長石を含有する人工砂である場合、上記式(2)に示すように、カリ長石と水とが反応して、炭酸カリウムが生成する。
そして、硬化剤が酸成分(HA)を含有する場合、炭酸カリウムは、下記式(4)に示すように、酸成分と反応する。
式(4):
Figure 0006868334
つまり、硬化剤中の酸成分が弱酸(KA)に変換されてしまい、硬化剤の活性能が低下してしまう。
なお、炭酸カリウムと、パラトルエンスルホン酸および硫酸との反応により生成する炭酸は、下記式(5)に示すように、水と二酸化炭素とに分解される。
式(5):
Figure 0006868334
また、砂が、天然珪砂や長石を含有しない人工砂であっても、酸成分を含有する硬化剤が砂と接触すると、それら砂に含有されるアルカリ分により、硬化剤の活性能が低下してしまう。
一方、鋳物砂1では、樹脂硬化物を含有する表面改質層3により、硬化剤と砂との接触が抑制されているので、硬化剤の活性能が、砂に含有される成分により、低下することを抑制できる。
そのため、鋳物砂1に硬化剤およびバインダーを添加すると、バインダーを確実に硬化させることができ、砂型の造形不良を抑制することができる。
また、フラン樹脂が砂2を被覆しているので、鋳物砂1に硬化剤を添加しても、硬化剤が砂2と接触することを確実に抑制できる。
また、硬化剤が表面改質層に付着しているので、硬化剤が付着する鋳物砂1にバインダーを添加すると、硬化剤とバインダーとを効率よく接触させることができる。そのため、バインダーを確実に硬化させることができ、ひいては、砂型の造形不良を確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、好ましくは、砂が人工砂である。
しかるに、砂が天然珪砂を含有する場合、その砂を用いて作製される砂型を、鋳鉄などの高温溶融金属鋳造に適用すると、天然珪砂の熱膨張性が大きいため、砂型にクラックが生じ、ベーニング不良が生じるという不具合がある。
一方、砂が人工砂である場合、その砂を用いて作製される砂型を高温溶融金属鋳造に適用しても、人工砂の熱膨張性が天然珪砂と比較して小さいため、砂型のクラックを抑制でき、ベーニング不良の発生を抑制できる。
さらに、天然珪砂は耐破砕性が低いため、天然珪砂を含有する鋳物砂の再利用は困難であるが、砂が人工砂である場合、人工砂の耐破砕性が天然珪砂と比較して高いため、鋳物砂のリサイクル性の向上を図ることができる。
5.変形例
上記の実施形態では、樹脂組成物を硬化する硬化剤が、バインダーを硬化する硬化剤としても兼用されているが、これに限定されない。
例えば、樹脂組成物が添加された砂に硬化剤を添加して、砂と、樹脂硬化物を含有する表面改質層とを有する鋳物砂を調製した後、その鋳物砂に、別途、硬化剤を添加し混合してもよい。これによっても、鋳物砂の表面改質層表面に硬化剤を付着させることができる。
また、上記の実施形態では、鋳物砂1が、表面改質層3の表面に付着する硬化剤(硬化剤層4)を備えているが、これに限定されず、鋳物砂1は、表面改質層3の表面に付着する硬化剤(硬化剤層4)を備えていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、表面改質層3の表面に付着する硬化剤が硬化剤層4を形成しているが、これに限定されず、硬化剤は、表面改質層3の表面の一部にのみ付着していてもよい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1
人工砂A(ムライト砂、商品名:エスパール#90L、山川産業社製)と、表1に示すフラン樹脂組成物(樹脂組成物)とを準備した。
人工砂Aの粒子径(単一粒子径)の範囲は、1μm〜300μm(モード径:150μm、AFS粒度指数:93.4)であり、人工砂Aは、カリ長石およびソーダ長石を含有していた。
次いで、人工砂A100質量部に、フラン樹脂組成物0.05質量部を添加して、35℃で30秒間撹拌混合した。なお、フラン樹脂組成物が混合された人工砂Aは、25kgであった。
その後、フラン樹脂組成物が混合された人工砂Aに、硬化剤0.15質量部を添加して、35℃を維持して7分間撹拌混合した。
硬化剤は、パラトルエンスルホン酸(酸成分)、硫酸(酸成分)および水を含有していた。パラトルエンスルホン酸の濃度は、硬化剤の全量に対して、67.5質量%、硫酸の濃度は、硬化剤の全量に対して、0.2質量%であった。
これによって、人工砂Aと、人工砂Aを被覆するフラン樹脂を含有する表面改質層と、表面改質層に付着する硬化剤とを備える鋳物砂を得た。
次いで、得られた鋳物砂100質量部に、リノール酸(流動化剤、濃度70質量%試薬)0.00375質量部を添加して、撹拌した。
なお、実施例1〜7および比較例1について、鋳物砂の処方を表2に示す。
実施例2
フラン樹脂組成物の添加量を0.10質量部に変更したこと、および、硬化剤の添加量を0.17質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、鋳物砂を調製した。
実施例3
フラン樹脂組成物の添加量を0.20質量部に変更したこと、硬化剤の添加量を0.20質量部に変更したこと、および、リノール酸の添加量を0.03質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、鋳物砂を調製した。
実施例4
フラン樹脂組成物の添加量を0.10質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、鋳物砂を調製した。
実施例5
硬化剤の添加量を0.20質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、鋳物砂を調製した。
実施例6
リノール酸を添加しなかったこと以外は、実施例3と同様にして、鋳物砂を調製した。
実施例7
人工砂Aを人工砂B(ムライト砂、商品名:セラビーズ#550、伊藤忠セラテック社製)に変更したこと、フラン樹脂組成物の添加量を0.24質量部に変更したこと、硬化剤の添加量を0.22質量部に変更したこと、および、リノール酸の添加量を0.06質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、鋳物砂を調製した。
なお、人工砂Bの粒子径(単一粒子径)の範囲は、75μm〜425μm(モード径:212μm、AFS粒度指数:56.1)であり、人工砂Bは、カリ長石およびソーダ長石を含有していた。
比較例1
フラン樹脂組成物を添加しなかったこと以外は、実施例7と同様にして、鋳物砂を調製した。つまり、鋳物砂は、人工砂Bを被覆する表面改質層を備えておらず、硬化剤が人工砂Bの表面に付着していた。
<硬化試験>
各実施例で得られた鋳物砂100質量部に、表1に示すバインダーを、表2に示す割合で添加した。
実施例1〜7の鋳物砂では、バインダーが硬化し、良好に固まった一方、比較例1の鋳物砂では、バインダーが十分に硬化せず、粘土状となった。その結果を表2に示す。
<スランプ試験>
特開2013−240799号公報に記載の方法に準拠して、スランプコーンの直径(d)に対する、スランプの直径(D)を測定した。
具体的には、開口部の直径(スランプコーンの直径)が50mm、底面部の直径が50mm、高さが100mmのスランプコーンを準備し、そのスランプコーンに、各実施例で得た鋳物砂を詰めて、開口部が下となるように、定板上に配置した。
そして、スランプコーンを定板から垂直に引き上げ、鋳物砂の広がり直径(スランプフロー)をフランプの直径とし、スランプコーンの直径(d)に対する、スランプの直径(D)の比(D/d)を算出した。その結果を表2に示す。
製造例1〜8
実施例1〜7および比較例1で得られた鋳物砂と、表1に示すバインダーとを、3次元積層造形装置(商品名:S−Print、ExOne社製)にセットし、リコータによる鋳物砂の層形成、および、ジェットヘッドによるバインダーの添加を順次繰り返して、バインダーの添加部分を積層して、砂型を調製した。
砂型造形を、下記の基準により評価した。
○:3D−CADデータ通り、砂型が作製された。
△:砂型の一部に、3D−CADデータからのズレが生じた。
×:バインダーが硬化せず、砂型を造形できなかった。
その結果を表2に示す。
<抗折力試験>
図3Aに示すように、製造例1〜8と同様にして、実施例1〜7および比較例1で得られた鋳物砂を用いて、一辺Dが22.4mm、長さLが147mmである正四角柱の試験柱を調製した。
その試験柱を、室温24℃、湿度45%の条件下で、表2に示す各時間放置した。
そして、図3Bに示すように、試験柱を、試験柱の長さ方向外側から挟み込むように、試験装置(Universal Strength Machine PFG、シンプソン社製)にセットした。
次いで、試験柱の一端を固定して、試験柱に対して他方側から、試験柱の長さ方向に沿って、試験柱に圧力を加えた。そして、試験柱が折れたときの圧力を抗折力とした。
その結果を、表2に示す。
Figure 0006868334
Figure 0006868334
1 鋳物砂
2 砂
3 表面改質層

Claims (5)

  1. (但し、再生砂を除く)と、
    前記砂を被覆する樹脂硬化物を含有する表面改質層と、
    前記表面改質層を被覆するように、前記表面改質層の周面に配置される硬化剤層と、
    を有することを特徴とする、鋳物砂(但し、再生砂を除く。)。
  2. 前記樹脂硬化物は、フラン樹脂であることを特徴とする、請求項に記載の鋳物砂。
  3. 前記フラン樹脂は、フラン樹脂前駆体としてフルフリルアルコールおよび尿素変性フラン樹脂プレポリマーを含むフラン樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする、請求項に記載の鋳物砂。
  4. 3次元積層造形用の鋳物砂であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の鋳物砂。
  5. 前記表面改質層は、前記砂の全周を被覆し、
    前記硬化剤層は、前記表面改質層の全周を被覆することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋳物砂。
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