JP7170275B2 - 吊上げ装置 - Google Patents
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Description
より詳しくは、荷物等の被吊り体を吊る時に、クレーン(例えばホイスト クレーン)等の巻き下げ巻き上げ装置で巻き下げ、巻き上げされる線体(例えばワイヤーロープ)の下端に取り付けられて使用される吊り上げ装置であって、被吊り体を吊る吊り部材(フックや爪等)の開閉を、ワイヤーロープの上下動に連動させて作動させるようにした吊上げ装置に関するものである。
図22(a)は被吊り体の一例であるステム40の平面図と正面図である。
ステム40には、吊用の係合部として、吊金具41が設けてある。
図22(b)はステム40に製品Bを入れて、ステム40の上部にある吊り金具41の場所にフック42を差し込んだ状態の図である。
図22(c)はステム40に製品Bを入れて二段積みにした状態図でフック42が高い位置になるためステム40からフック42を外しにくいことを表している。
図22(d)に示すように、ステム40に入れた製品(図示省略)を、例えば乾燥炉Cの中に入れた状態では、フック42をステム40から外しにくいという問題がある。また、玉掛け用のワイロープRでの作業も、とても危険な作業である。
被吊り体を吊る時に、巻き下げ巻き上げ装置で巻き下げ、巻き上げされることで上下動する線体の下側に取り付けられて使用される吊り上げ装置であって、
線体の下動により被吊り体の上部に着座する着座体と、
この着座体に開閉可能に取り付けられ、開閉動作により、前記被吊り体が備える係合部と係脱する吊り部材と、
前記着座体に対し相対的に上下動可能に取り付けられ、着座体に対して相対的に上動したとき前記吊り部材を前記係合部との係合位置方向へ作動させ、着座体に対して相対的に下動したとき前記吊り部材を脱係合位置方向へ作動させる可動体と、
前記可動体において軸回りに回転可能に設けられ、軸と直交する方向に離間した第1,第2面に第1,第2カム面を有するカム回転子と、前記可動体において、前記カム回転子の第1,第2カム面に当接することで、可動体の移動の範囲を規定するとともにカム回転子を所定ピッチ毎に回転させる第1,第2作動子と、前記カム回転子に設けられ、第2作動子の前記第2カム面よりも第1カム面側への移動を許す第2作動子受け入れ溝とを有するロック・アンロック機構であって、
(1)
第2カム面に第2作動子を当接させることで、着座体に対する可動体の移動を阻止して吊り部材を脱係合位置に保持する初期状態(ロック状態)
(2)
線体の下動で着座体が被吊り体上に着座した後の着座体に対する可動体の下動で、第1作動子を第1カム面に当接させてカム回転子を回動させ、カム回転子の第2作動子受け入れ溝へ向けての第2作動子の移動を可能とするロック解除状態(アンロック状態)
(3)
線体(11)の上動で、第2作動子が第2作動子受け入れ溝に入るように可動体が移動し、吊り部材を係合位置へ移動させる吊り上げ可能状態および着座体が被吊り体上から離間する吊り上げ状態
(4)
線体の下動で、着座体が被吊り体上に着座した後、第2作動子が第2作動子受け入れ溝から抜け出すように可動体が移動し、第1作動子が第1カム面に当接することでカム回転子が回動して第2作動子受け入れ溝が第2作動子から回転方向においてずれるとともに吊り部材が脱係合位置に移動する被吊り体解放状態
(5)
線体の上動で、(1)の初期状態へ戻す動作
を繰り返すロック・アンロック機構と、
を備えていることを特徴とする。
この吊り下げ装置(以下本装置ともいう)が、初期状態のとき、着座体に対する可動体の移動が阻止されるので、吊り部材はロック状態となる。
すると、第1作動子がカム回転子の第1カム面に当接してカム回転子を回動させ、カム回転子は、その第2作動子受け入れ溝へ向けての第2作動子の第1カム面側への移動を可能とするロック解除状態(アンロック状態)となる。
これによって、吊り部材が被吊り体の係合部から外れるとともに開いた状態となり(脱係合位置となり)、第1作動子がカム回転子の第1カム面に当接することでカム回転子が回動して第2作動子受け入れ溝が第2作動子から回転方向においてずれることで、その後の可動体の着座体に対する移動が規制され、吊り部材が脱係合位置に保持されて(ロック状態となり)、被吊り体が解放された状態となる。
被吊り体を吊る時に、巻き下げ巻き上げ装置で巻き下げ、巻き上げされることで上下動する線体の下端に取り付けられて使用される吊り上げ装置であって、
線体の下動により被吊り体の上部に着座する着座体と、
この着座体に開閉可能に取り付けられ、開閉動作により、前記被吊り体が備える係合部と係脱する吊り部材と、
前記着座体に対し相対的に上下動可能に取り付けられ、着座体に対して相対的に上動したとき前記吊り部材を前記係合部との係合位置方向へ作動させ、着座体に対して相対的に下動したとき前記吊り部材を脱係合位置方向へ作動させる可動体と、
前記可動体において鉛直軸回りに回転可能に設けられ、上面および下面にカム面を有するカム回転子と、前記着座体において、前記カム回転子の上下に設けられ、カム回転子のカム面に当接することで、可動体30の上下動の範囲を規定するとともにカム回転子を所定ピッチ毎に回転させる上下の作動子と、前記カム回転子33に設けられ、上作動子の前記上カム面よりも下方への移動を許す上作動子受け入れ溝とを有するロック・アンロック機構であって、
(1)上カム面に上作動子を当接させることで、着座体に対する可動体の上動を阻止して吊り部材を脱係合位置に保持する初期状態(ロック状態)
(2)線体の下動で着座体が被吊り体上に着座した後の着座体に対する可動体の下動で、下作動子を下カム面に当接させてカム回転子を回動させ、カム回転子の上作動子受け入れ溝へ向けての相対的な上作動子の下方への移動を可能とするロック解除状態(アンロック状態)
(3)線体の上動で、上作動子が上作動子受け入れ溝に入るように可動体が上動し、吊り部材を係合位置へ移動させる吊り上げ可能状態および着座体が被吊り体上から離間する吊り上げ状態
(4)線体の下動で、着座体が被吊り体上に着座した後、上作動子が上作動子受け入れ溝から抜け出すように可動体が下動し、下作動子が下カム面に当接することでカム回転子が回動して上作動子受け入れ溝が上作動子から回転方向においてずれるとともに吊り部材が脱係合位置に移動する被吊り体解放状態
(5)線体の上動で、(1)の初期状態への戻し動作
を繰り返すロック・アンロック機構と、
を備えていることを特徴とする。
前記カム回転子は45度ピッチで回動する構成とすることができる。
このように構成すると、カム回転子の構造を簡素化することができる。
カム回転子の上下のカム面はそれぞれ連続した山形の傾斜面からなり、その谷部に前記上作動子または下作動子の受け入れ溝が傾斜面に連なって形成されている構成とすることができる。
このように構成すると、カム回転子および上下の作動子の円滑な作動を得ることができる。
被吊り体の上部中央には、前記係合部で形成された穴が設けられ、
着座体には、被吊り体の穴に挿通される先細の垂下体が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、着座体を被吊り体の上部に着座させる際、被吊り体の穴に着座体の垂下体を挿通させることで、被吊り体に対する着座体の位置合わせを容易に行うことができる。
被吊り体40を吊る時に、巻き下げ巻き上げ装置(図示しないクレーン等)で巻き下げ、巻き上げされることで上下動する線体11の下端に取り付けられて使用される吊り上げ装置である。
図1において、43は図示しないクレーン等によって昇降されるフックであり、このフック43により、吊り金具12および一対の線体11,11を介して本実施形態の吊り上げ装置10が吊られている。
吊り部材23の上部は側面視(図2参照)で二股状になっており、その二股部を跨ぐように架設された上記係合ピン25が、カム穴付きアーム27のカム穴(長穴)27bに移動可能に入っている。カム穴27bは正面視(図1)でハの字形であり末広がりである。
したがって、上カム面33aの傾斜面33dに上作動子31が当接して傾斜面33dを押圧すると、カム回転子33は45度回転し、下カム面33bの傾斜面33eに下作動子32が当接して傾斜面33eを上方へ押圧すると、やはりカム回転子33は45度回転する。
下作動子32も、平面視で点対称状に1対(2個)設けられている。
このため、下作動子32は受け入れ溝33cに下方から進入可能であるが、上作動子31は、受け入れ溝33cの上端部で上カム面33aの谷部33fに当接し、受け入れ溝33cには進入できないようになっている。
この吊り下げ装置(以下本装置ともいう)10が、初期状態のとき、着座体20に対する可動体30の上動が阻止されるので、吊り部材23はロック状態となる。
すると、図7(a)に示す状態から、図8(c1)(c2)に示すように、上作動子31がカム回転子33の上カム面33aに当接してカム回転子33を45度回動させ、カム回転子33は、その下作動子受け入れ溝33cへ向けての下作動子32の上方への移動を可能とするロック解除状態(アンロック状態)となる(図8(c2))。
これによって、吊り部材23のピン25が長穴27bでガイドされ、吊り部材23が回動してフック部23aが被吊り体40の係合部41から外れるとともに、開いた状態となる(脱係合位置となる)。
また、図11(c1)(c2)に示すように、上作動子31がカム回転子33の上カム面33aに当接することでカム回転子33が45度回動して下作動子受け入れ溝33cが下作動子32から回転方向においてずれることで、その後の可動体30の着座体20に対する上動が規制され(図7参照)、吊り部材23が脱係合位置に保持されて(ロック状態となり)、被吊り体40が解放された状態となる。
また、次のような作用効果も得られる。
カム回転子の回動ピッチは例えば22.5度ピッチとすることも可能ではある。
しかし、そうすると、カム面の山数が増えて構造が煩雑化する。
これに対し、この実施の形態では、カム回転子33は、45度ピッチで回動する構成となっているので、カム回転子の構造を簡素化することができる。
この実施の形態の吊り上げ装置が上述した吊り上げ装置と主に異なっている点は、被吊り体の係合部に対し、吊り部材を内側から係脱させるようにした点にあり、そのために、着座体と可動体との相対的な作動関係が逆になっている点にある。また、カム回転子33を上下逆にして用いている。
また、図13に示すように、この実施の形態の吊上げ装置10’で吊られる被吊り体44の係合部45はリング状となっている。
以下、詳しく説明する。
図12において、54はアイナットであり、このアイナット54を介して本実施形態の吊り上げ装置10’が吊られている。
ケーシング66には、上下の蓋体66b、66cが設けられている。
なお、図12等において、63dは爪63の開く範囲を規定するストッパである。
この吊り下げ装置10’が、初期状態のとき、着座体60に対する可動体70の上動が阻止されるので、吊り部材63はロック状態となる。
すると、図17に示す状態から、図18に示すように、下作動子62がカム回転子73の下カム面73bに当接してカム回転子73を45度回動させ、カム回転子73は、その上作動子受け入れ溝73cへ向けての相対的な上作動子61の下方への移動を可能とするロック解除状態(アンロック状態)となる(図18)。
これによって、吊り部材63のピン65が爪開閉金具67の長穴67aでガイドされ、吊り部材63が回動して被吊り体44の係合部45から外れるとともに、閉じた状態となる(脱係合位置となる)。
また、下作動子62がカム回転子73の下カム面73bに当接することでカム回転子73が45度回動して上作動子受け入れ溝73cが上作動子71から回転方向においてずれることで、その後の可動体70の着座体60に対する上動が規制され、吊り部材63が脱係合位置に保持されて(ロック状態となり)、被吊り体44が解放された状態となる。
また、次のような作用効果も得られる。
11,51: 線体
14、53: 垂下体
20,60: 着座体
23,63(a、b、c): 吊り部材
30L,70L: ロック・アンロック機構
30,70: 可動体
31,61: 上作動子
32,62: 下作動子
33,73: カム回転子
33a、33b、73a、73b: カム面
33c、73c: 受け入れ溝
40,44: 被吊り体
41、45: 係合部
Claims (5)
- 被吊り体(40)を吊る時に、巻き下げ巻き上げ装置で巻き下げ、巻き上げされることで上下動する線体(11)の下側に取り付けられて使用される吊り上げ装置であって、
線体(11)の下動により被吊り体(40)の上部に着座する着座体(20)と、
この着座体(20)に開閉可能に取り付けられ、開閉動作により、前記被吊り体(40)が備える係合部(41)と係脱する吊り部材(23)と、
前記着座体(20)に対し相対的に上下動可能に取り付けられ、着座体(20)に対して相対的に上動したとき前記吊り部材(23)を前記係合部(41)との係合位置方向へ作動させ、着座体(20)に対して相対的に下動したとき前記吊り部材(23)を脱係合位置方向へ作動させる可動体(30)と、
前記可動体(30)において軸回りに回転可能に設けられ、軸と直交する方向に離間した第1,第2面に第1,第2カム面(33a、33b)を有するカム回転子(33)と、前記可動体(30)において、前記カム回転子(33)の第1,第2カム面に当接することで、可動体(30)の移動の範囲を規定するとともにカム回転子(33)を所定ピッチ毎に回転させる第1,第2作動子(31,32)と、前記カム回転子(33)に設けられ、第2作動子(32)の前記第2カム面(33b)よりも第1カム面側への移動を許す第2作動子受け入れ溝(33c)とを有するロック・アンロック機構(30L)であって、
(1)
第2 カム面(33b)に第2作動子(32)を当接させることで、着座体(20)に対する可動体(30)の移動を阻止して吊り部材(23)を脱係合位置に保持する初期状態(ロック状態)
(2)
線体(11)の下動で着座体(20)が被吊り体(40)上に着座した後の着座体(20)に対する可動体(30)の下動で、第1作動子(30)を第1カム面(33a)に当接させてカム回転子(33)を回動させ、カム回転子(33)の第2作動子受け入れ溝(33c)へ向けての第2作動子(32)の移動を可能とするロック解除状態(アンロック状態)
(3)
線体(11)の上動で、第2作動子(32)が第2作動子受け入れ溝(33c)に入るように可動体(30)が移動し、吊り部材(23)を係合位置へ移動させる吊り上げ可能状態および着座体(20)が被吊り体(40)上から離間する吊り上げ状態
(4)
線体(11)の下動で、着座体(20)が被吊り体(40)上に着座した後、第2作動子(32)が第2作動子受け入れ溝(33c)から抜け出すように可動体(30)が移動し、第1作動子(31)が第1カム面(33a)に当接することでカム回転子(33)が回動して第2作動子受け入れ溝(33c)が第2作動子(32)から回転方向においてずれるとともに吊り部材(23)が脱係合位置に移動する被吊り体解放状態
(5)
線体(11)の上動で、(1)の初期状態へ戻す動作
を繰り返すロック・アンロック機構(30L)と、
を備えていることを特徴とする吊上げ装置。 - 被吊り体(44)を吊る時に、巻き下げ巻き上げ装置で巻き下げ、巻き上げされることで上下動する線体(51)の下側に取り付けられて使用される吊り上げ装置であって、
線体(51)の下動により被吊り体(44)の上部に着座する着座体(60)と、
この着座体(60)に開閉可能に取り付けられ、開閉動作により、前記被吊り体(44)が備える係合部(45)と係脱する吊り部材(63)と、
前記着座体(60)に対し相対的に上下動可能に取り付けられ、着座体(60)に対して相対的に上動したとき前記吊り部材(63)を前記係合部(45)との係合位置方向へ作動させ、着座体(60)に対して相対的に下動したとき前記吊り部材(63)を脱係合位置方向へ作動させる可動体(70)と、
前記可動体(70)において鉛直軸回りに回転可能に設けられ、上面および下面にカム面(73a、73b)を有するカム回転子(73)と、前記着座体(60)において、前記カム回転子(73)の上下に設けられ、カム回転子(73)のカム面に当接することで、可動体(70)の上下動の範囲を規定するとともにカム回転子(73)を所定ピッチ毎に回転させる上下の作動子(61,62)と、前記カム回転子(73)に設けられ、上作動子(61)の前記上カム面(73a)よりも下方への移動を許す上作動子受け入れ溝(73c)とを有するロック・アンロック機構(70L)であって、
(1)
上カム面(73a)に上作動子(61)を当接させることで、着座体(60)に対する可動体(70)の上動を阻止して吊り部材(63)を脱係合位置に保持する初期状態(ロック状態)
(2)
線体(51)の下動で着座体(60)が被吊り体(44)上に着座した後の着座体(60)に対する可動体(70)の下動で、下作動子(62)を下カム面(73b)に当接させてカム回転子(73)を回動させ、カム回転子(73)の上作動子受け入れ溝(73c)へ向けての相対的な上作動子61の下方への移動を可能とするロック解除状態(アンロック状態)
(3)
線体(51)の上動で、上作動子61が上作動子受け入れ溝73cに入るように可動体(70)が上動し、吊り部材(63)を係合位置へ移動させる吊り上げ可能状態および着座体(60)が被吊り体(44)上から離間する吊り上げ状態
(4)
線体(51)の下動で、着座体(60)が被吊り体(44)上に着座した後、上作動子(61)が上作動子受け入れ溝(73c)から抜け出すように可動体(70)が下動し、下作動子(62)が下カム面(73b)に当接することでカム回転子(73)が回動して上作動子受け入れ溝(73c)が上作動子(61)から回転方向においてずれるとともに吊り部材(63)が脱係合位置に移動する被吊り体解放状態
(5)
線体(51)の上動で、(1)の初期状態へ戻す動作
を繰り返すロック・アンロック機構(70L)と、
を備えていることを特徴とする吊上げ装置。 - 請求項1において、
前記カム回転子は45度ピッチで回動することを特徴とする吊上げ装置。 - 請求項1において、
カム回転子の第1,第2カム面はそれぞれ連続した山形の傾斜面からなり、その谷部に前記第1作動子または第2作動子の受け入れ溝が傾斜面に連なって形成されていることを特徴とする吊上げ装置。 - 請求項1~4のうちいずれか一項において、
被吊り体の上部中央には、前記係合部で形成された穴が設けられ、
着座体には、被吊り体の穴に挿通される先細の垂下体が設けられていることを特徴とする吊上げ装置。
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