JP2012171777A - 吊り装置 - Google Patents

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英樹 富田
Koichi Tsuji
光一 辻
Kenji Kurihara
賢二 栗原
Akitsugu Sonoda
旭胤 園田
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Abstract

【課題】単一のカムを用いた簡易な構成で誤動作防止を図るとともに、安全確実に吊り荷を把持、運搬、開放できる吊り装置を提供する。
【解決手段】昇降装置53に吊り下げられた天板6と、前記天板に対し回転自在に取付けられ、曲線溝31が周囲に形成された円筒状のカム機構1と、前記曲線溝に形成された係合部と係合するカムフォロア4と、上端が前記昇降装置に取付けられ、下端に前記カムフォロアを取付けたカムフォロア支持部材4aと、前記カム機構の下部に取付けられ、凹部及び凸部が周囲に交互に等間隔で形成された円筒状のストッパ2と、一端が吊り荷12に係脱自在に係合され、他端が前記凹部または凸部に係合する複数のフック3と、前記天板に取付けられた複数のフック支持部材14と、前記フックにリンク結合され、吊り荷に対し接離自在に設けられたパット19とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、吊り荷を搬送するのに好適な吊り装置に関する。
原子力廃棄物などが貯蔵された容器などの吊り荷を把持、吊り上げ、搬送、並びに開放する場合、通常、遠隔自動操作によって行われている。吊り荷の把持及び開放動作については、フックで吊り荷を直接吊る吊り装置を、クレーン等の昇降装置でさらに吊り、クレーン等の昇降動作及びこの昇降動作によって吊り装置を吊り荷に着床させ床面から受ける反力を利用することにより行われている。
従来、このような吊り装置として、クレーン等で吊られたシャフトと一体的に設けられた1つのセンターカムを用い、シャフトの上下動に伴い円筒体に設けられたピン部がセンターカムに形成された連続状の曲線溝を一方向に移動し、円筒体が回転することによって爪の開閉動作を行うものがある。(特許文献1)
また、搬送中に障害物などに接触した場合、吊り荷を開放させない誤動作防止機構を備えた吊り装置がある。これは、吊り荷を把持した状態において、障害物などとの接触による一回目の着床ではクレーンの昇降動作により吊り荷を開放しないようにするため、カムを2セット用い、回転する一方のカムが二回動作すると一回動作する他方のカムを組合せ、1回の誤動作を防止するものである。(特許文献2)
特公昭62−61513号公報 実開平3−82378号公報
図15に示すように、特許文献2で示した従来の吊り装置は、カム溝100、カムローラ105を有する回転カム機構109、上向き凹部106、カムローラ104、カム面107を有する開閉カム機構110、上部筒体101、下部筒体103、センタ軸102、リンク108、その他図示しない支持ブロック、コイルスプリングを備えた回転リングなどの部材を備えている。
吊り荷の把持、開放については、吊り装置の着床、吊り上げの操作毎にセンタ軸102が1ピッチ回転し、この1ピッチの回転によってフック3が開位置から閉位置に変わるように、開閉カム機構110の上下の移動限界位置を設定しておき、これら両限界位置を1ピッチ毎に交互に設定しておけば着床毎にフック3の開閉を繰り返すことができる。
誤動作防止機構は、一方の限界位置を複数ピッチ分連続させて設定しておくことにより、吊り荷を把持した後、複数回センタ軸102と上部筒体101との相対上下移動を経て開位置となるようにし、一旦閉位置となった後は途中で障害物に接触して着床状態になったとしてもフックが開かないようにすることができる。
しかしながら、この従来装置では、誤動作防止機構のためのカムを2セット設けると共に、両カムを貫通するセンタ軸などの部品を必要とし、装置が大型化すると共に構造が複雑になる問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、単一のカムを用いた簡易な構成で誤動作防止を図るとともに、安全確実に吊り荷を把持、運搬、開放できる吊り装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明に係る吊り装置は、昇降装置に吊り下げられた天板と、前記天板に対し回転自在に取付けられ、曲線溝が周囲に形成された円筒状のカム機構と、前記曲線溝に形成された係合部と係合するカムフォロアと、上端が前記昇降装置に取付けられ、下端に前記カムフォロアを取付けたカムフォロア支持部材と、前記カム機構の下部に取付けられ、凹部及び凸部が周囲に形成された円筒状のストッパと、一端が吊り荷に係脱自在に係合され、他端が前記凹部または凸部に係合する複数のフックと、前記天板に取付けられた複数のフック支持部材と、前記フックにリンク結合され、吊り荷に対し接離自在に設けられたパットとを備え、前記ストッパの凹部と凸部は交互に等間隔で形成された吊り装置において、前記係合部は、前記凹部と対応する位置に少なくとも一つ、前記凸部と対応する位置に二つ以上形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、一つのカム機構により、吊り荷の搬送中に障害物などに接触した場合、吊り荷を開放させない誤動作防止が可能な吊り装置を提供することができる。
第1実施形態に係る吊り装置の把持時の構成図。 第1実施形態に係る吊り装置の着床時の構成図。 第1実施形態に係る吊り装置のフック解放時(吊り上げ開始時)の構成図。 第1実施形態に係る吊り装置におけるカム機構の曲線溝及びストッパの凹凸部の平面展開図。 第1実施形態に係る吊り装置のストッパの平面図。 (a)は第1実施形態に係る吊り装置におけるカム機構の回転前のストッパとフックの位置関係を示す平面図、(b)は第1実施形態に係る吊り装置におけるカム機構の144度回転時のストッパとフックの位置関係を示す平面図、(c)は第1実施形態に係る吊り装置におけるカム機構の252度回転時のストッパとフックの位置関係を示す平面図。 第1実施形態に係る吊り装置にひずみゲージを設けた構成図。 (a)は第2実施形態に係る吊り装置に設けた吊り荷解放手段の作用前を示す平面図、(b)は第2実施形態に係る吊り装置に設けた吊り荷解放手段の作用後を示す平面図。 (a)は第3実施形態に係る吊り装置に設けた吊り荷解放手段の作用前を示す構成図、(b)は第3実施形態に係る吊り装置に設けた吊り荷解放手段の作用前を示す平面図。 (a)は第3実施形態に係る吊り装置に設けた吊り荷解放手段の作用後を示す構成図、(b)は第3実施形態に係る吊り装置に設けた吊り荷解放手段の作用後を示す平面図。 (a)は第4実施形態に係る吊り装置に設けた吊り荷解放手段の作用前を示す構成図、(b)は第4実施形態に係る吊り装置に設けた吊り荷解放手段の作用後を示す平面図。 第5実施形態に係る吊り装置の全体構成図。 第6実施形態に係る吊り装置のカム機構の曲線溝及びストッパの凹凸部の平面展開図。 (a)は第6実施形態に係る吊り装置におけるカム機構の回転前のストッパとフックの位置関係を示す平面図、(b)は第6実施形態に係る吊り装置におけるカム機構の90度回転時のストッパとフックの位置関係を示す平面図、(c)は第6実施形態に係る吊り装置におけるカム機構の180度回転時のストッパとフックの位置関係を示す平面図。 従来の吊り装置の構成図。
以下に述べる各実施形態においては、各図は複数本のフックを備えた吊り装置における1本のフックについて図示しているが、吊り装置全体の基本構成は、フック3、フック支持部材14、リンク18が例えば、3本以上の複数セット、天板6、天板52、カム機構1、ストッパ2、カムフォロア4、カムフォロア支持部材4a、パット19などは1セットで構成されている。
(第1実施形態)
本発明の吊り装置に係る第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1において、吊り装置は、天井などに設けられたレール上を走行するクレーンなどの昇降装置53に、円形などの天板6、第2天板52を介して昇降自在に吊り下げられている。両天板6,52間は天板支持部材51により連結されている。
吊り装置は、天板6、カム機構1、ストッパ2、カムフォロア4、カムフォロア支持部材4a、フック3、フック支持部材14、パット19、リンク18などからなっている。
カム機構1は、天板6に固定されたカム機構支持部材5aに対してベアリング5により回転自在に取り付けられ、円筒状の周側面全周にカムフォロア4が係合して移動する曲線溝31が刻設されている。
ストッパ2はカム機構1の下部に形成され、カム機構1より高さの低い円筒状の形状をなし、カム機構1と同軸で一体的に回転するように、一体形成あるいはカム機構1に固定されており、その周側面全周には図5に示すように、ストッパ凹部8、ストッパ凸部9が交互に等間隔に設けられている。
フック3は、水平部を有する略C字状で、吊り荷12のフランジ13を把持しやすいように、一端の先端部には切り欠きが設けられ、他端の先端部には、カム機構1と同期して回転するストッパ2の凹部8または凸部9に係脱自在なフック突部3aが設けられている。
フック支持部材14は、フック3を回動自在に支持するため、一端がフック3の水平部にピン7を介して軸支するとともに、他端は天板6に固定され、フック3と当接する部分には左右対称に傾斜面14aが形成され、フックの回動が適正な範囲となるように規制している。
カムフォロア支持部材4aは、下端にカムフォロア4がボルトなどにより固定され、上方部は、天板6及び第2天板52を遊嵌状態で貫通し、先端は昇降装置53に固定されているので、昇降装置53の昇降動作に伴って、カムフォロア4は相対的に上下移動することによって、カム機構1を回転させる。
リンク18は、フック3とパット19を軸支し、パット19の吊り荷12への接触、離反とフック3の回動がスムーズに行えるようにしている。
パット19は、吊り荷上面に接離自在に設けられ、吊り装置の全重量が、吊り荷12に掛かった時にフック3を閉方向に移動させ、フランジ13から離れる際、自重によりフック3を開方向に移動させる。
図4は、カム機構1の曲線溝31に形成された複数の係合部と、ストッパ2のストッパ凸部8及びストッパ凹部9とを対応付けた平面展開図を示している。
具体的には、同図において、凸部8及び凹部9は等間隔に定ピッチで配置され、例えば凸部8が72度毎に配置されている。
一方、カム機構1の周方向に連続して形成され、フック3の開閉状態を決定する曲線溝31には、カムフォロア4が係合するための係合部A〜Dが形成されている。係合部A〜Dは一定でない異なるピッチ間隔、例えば、係合部Aから係合部Bは144度、同Bから同C及びCからDの間隔は108度に設定されている。
つまり、図4から明らかなように、係合部A、Bはストッパ凸部8と同一垂線上に位置するように配置されているが、係合部Cはストッパ凹部9と同一垂線状に位置するように配置されており、係合部A〜Dはストッパ凸部8及びストッパ凹部9とは異なる配置状態としている。
次に、上記吊り装置を用いたフック3による吊り荷12の把持、開放の基本動作について、図1から図6を参照して説明する。
図1は、吊り装置がフック3を吊り荷12のフランジ13に係合させて、吊り荷12を吊り上げている状態を示している。
この状態では、カムフォロア4がカム機構1の0度の位相に位置する係合部Aにあるとし(図4)、フック3とストッパ2との関係は、フック突部3aがストッパ凸部8と接触し(図6(a))、フック3が吊り荷を把持している。
この時、パット19が自重により下がろうとするため、パット19とリンク18により軸支されたフック3は開方向に移動しようとする。しかし、ストッパ凸部8がフック突部3aとカム機構1の周方向に対して同位相で接触し、フック3が閉状態を維持することによって、フック3がフランジ13を把持し続けることができる。
図1の状態から、衝突などの想定外の事象によって吊り荷が下降、着床した場合、フックが誤って開動作することを防止することについて説明する。
衝突など想定外の下降動作があった場合、カム機構1は例えば144度まで回転し、カムフォロア4は、係合部Eを経由して144度の位相に位置する係合部Bに移動し(図4)、フック3とストッパ2との関係は、フック突部3aはストッパ凸部8と接触し、把持状態を維持することができる(図6(b))。
この状態では、昇降装置が下降すると、先ずパットが吊り荷に着床し、その後フック下端が吊り荷に着床する。その後吊り荷12が床面に着床すると、吊り装置の全重量が吊り荷12にかかる。この時、床面からの反力を受けてパット19は上方に押し上げられると共に、フック3はピン7を中心に反時計回り方向に回動し、フック突部3aとストッパ凸部8が非接触状態になる。
次に、昇降装置を上昇させると、カムフォロア4が移動し、曲線溝31と接触することによりカム機構1が回転し、図2に示す状態となる。
その後、目的位置まで吊り荷を運搬した後は、昇降装置を上昇させることにより、カム機構1は例えば252度まで回転し、カムフォロア4は、係合部Fを経由して252度の位相に位置する係合部Cに移動し、フック3とストッパ2との関係は、フック突部3aとストッパ凹部9との位相が一致し、フック3は開方向に動作する。(図6(c))
この状態では、最初にカムフォロア4が移動し、曲線溝31と接触することによりカム機構1が回転し、ストッパ凹部9とフック突部3aが同位相になり、フック3とストッパ2は干渉しなくなる。そして、更に昇降装置の上昇を続けるとパット19がフランジ13から離れ自重により下降するため、フック3は開方向に移動する。この場合、フック3とストッパ2は干渉しないため、フック3は全開となり図3に示す状態となる。
よって、衝突などの想定外の事象によって吊り荷が下降、着床した場合でも、フックが誤って開動作することを防止することができる。
その後、図3の状態から吊り荷を吊上げる場合は、昇降装置を再度昇降させることにより、カム機構1は、カムフォロア4がカム機構1の0度の位相に位置する係合部D(A)に戻り、フック3は再び把持状態となる。
なお、図4のE,F,Gは、吊り荷の着床時に、カムフォロア4が一時的に停止する位置である。
以上説明したように、本第1実施形態によれば、円筒状のカム機構1と一体的に回転するストッパ2の凸部8及び凹部9が等間隔に形成され、カム機構1に設けられた曲線溝31には、カムフォロア4が係合する複数の係合部A〜Dが形成され、係合部A,B,Dの3箇所が凸部8と、係合部Cが凹部9とそれぞれ同一垂線上で係合するようにしたので、単一のカム機構1により、吊り装置を小型軽量化できる。
すなわち、フック突部3aがストッパ凸部8と係合する場合はフックが把持状態、フック突部3aがストッパ凹部9と係合する場合はフックが開放状態に設定することにより、クレーンの昇降動作毎に、カムフォロア4がE,F,Gの位置を経由して、ピッチ間隔の異なる係合部A、B、Cの各係合部と係合しながら移動することに伴って、フック突部3aがストッパ2と係合する係合位置が順次変更されるので、把持状態にあるフック3の開放操作の前にフック3の把持状態を維持でき、衝突などの想定外の昇降動作による誤開動作を防止することができる。
また、フック開放操作の前にフックの吊り荷に対する把持確認をすることができ、安全確実な吊り荷の運搬が可能となる。
(第2実施形態)
本第2実施形態は、カム機構1やフック3が摩擦抵抗などのために、回転あるいは開動作できず、フック3が把持状態から開放状態にならず、吊り荷を開放できない場合の対策として、カム機構を強制的に上昇移動させる吊り荷開放手段を設けたものである。
図8(a),(b)において、吊り装置は、上記第1実施形態の吊り装置に加えて、外部より上下操作可能であって、天板6を介して設置された垂直シャフト11を有している。垂直シャフト11はカム機構支持部材5aに固定され、天板6とカム機構1との間には隙間32が設けられている。
このような構成を採用することにより、目的地まで運搬された吊り荷が、カム機構1やフック3の摩擦抵抗のために、回転あるいは開動作できない場合、吊り荷を強制的に開放するために、天板6とカム機構1間の隙間32がなくなるまで、外部より垂直シャフト11を上昇装置39などで上昇させる。カム機構1及びストッパ2もそれに伴い上昇するため、図8(b)に示すように、フック3がストッパ2より解除され、この状態で吊り装置を上昇させることにより、吊り荷を開放することができる。
(第3実施形態)
本第3実施形態は、前記第2実施形態と同様に、フック3が把持状態から開放状態にならず、吊り荷12を開放できない場合の対策として、フック支持部材を強制的に水平移動させる吊り荷開放手段を設けたものである。
図9、図10において、吊り装置は、上記第1実施形態の吊り装置に加えて、フック支持部材14を天板6上に立設された支柱に対し装置中心軸側に水平方向に押し込み操作可能に設けられた水平シャフト20、天板6上に設けられ、吊り装置中心軸に対して回転可能な第1プレート21、吊り装置に固定された第2プレート22、水平シャフト20に係合自在で、第1プレート21の上側に固定された第1ブラケット23、第1プレート21の下側に固定された第2ブラケット24、第1プレート21と第2プレート22の間に設置された第2ベアリング25、フック支持部材14を通常は吊り装置の中心軸側に押し込むための第1スプリング26などで構成されている。
このような構成を採用することにより、外部より水平シャフト20を吊り装置中心軸側に押し込むことにより、第1ブラケット23が固定されている第1プレート21が回転し始める。第2ブラケット24は第1プレート21に固定されているため、同時に回転し、フック支持部材14に接触し、フック支持部材14を吊り装置中心軸側に押し込んでいる第1スプリング26に抗してフック支持部材14を強制的に径方向外側へ移動させることにより、フック3がフランジ13から外れ、吊り荷12を開放することができる。
この場合、吊り装置本体を分解・破損することなくフック3の開放が可能であり、簡易な構成のため、遠隔操作で水平シャフト20の位置合わせ、及び押し込み操作による開放操作が確実に行える。
なお、吊り荷12の開放の方法としては、全てのフック支持部材14を径方向外側へ移動させた後、吊り装置を上昇させる方法と、複数のフック支持部材のうち、隣り合う一部のフック支持部材14を径方向外側へ移動させ、吊り装置を水平移動させてから上昇させる方法がある。ここで、後者の方法の場合、残りの正常なフック3の動作が維持されるため、吊り荷12の把持、開放動作を継続することも可能である。
(第4実施形態)
本第4実施形態は、前記第3実施形態と同様に、フック3が把持状態から開放状態にならず、吊り荷を開放できない場合の対策として、フック支持部材を強制的に水平移動させる吊り荷開放手段を設けたものである。
図11において吊り装置は、上記第1実施形態の吊り装置に加えて、鉛直方向下向きに押し込み可能で下面に傾斜面を有するゲート27、ゲート27に対し接触した状態で設置される第2スプリング29、第2スプリング29を固定するための第3プレート28、フック支持部材14を通常は吊り装置の中心軸側に押し込むための第3スプリング30より構成される。
このような構成を採用することにより、外部よりゲート27を鉛直方向下向きに押し込むことにより、ゲート27の傾斜部が、フック支持部材14の上部に接触し、フック支持部材14を吊り装置中心軸側に押し込んでいる第3スプリング30に抗してフック支持部材14を径方向外側へ強制的に移動させる。その結果、フック3がフランジ13から外れ、吊り荷12を開放することができる。そして、ゲート27の押し込み完了時、第2スプリング29が、ゲート27上部の切欠き部にはまることで、ゲート27は上部方向への動きが固定され、吊り荷12の開放状態が維持することができる。
また、第3実施形態と同様に、吊り装置本体を分解・破損することなくフック3の開放が可能であり、簡易な構成のため、遠隔操作でゲート27の位置合わせ、及び押し込み操作による開放操作が確実に行える。
(第5実施形態)
本第5実施形態は、吊り荷の運搬作業などが放射線等によりケーブルなどの機材の劣化、もしくはノイズを考慮しなくてはならない環境下においても、吊り装置の把持・開放状態を検出、判定することができる検出システムに係るものである。
図12において、検出システムは、上記第1実施形態の吊り装置に加えて、天板6に接続された第1ワイヤエンコーダ16、パット19に接続された第2ワイヤエンコーダ17、第1ワイヤエンコーダ16に接続されその出力値をカウントする第1カウンタ40、第2ワイヤエンコーダ17に接続されその出力値をカウントする第2カウンタ41、両カウンタ40,41に接続され、両出力値を比較する比較器42、比較器42に接続され吊り装置の把持・開放状態を判定する判定装置43を備えている。
このような構成を採用することにより、通常吊り荷を開放する場合、フック3は、パット19の重量によりリンク18を介し開方向へ移動するが、吊り装置の開放状態及び把持状態における天板6とパット19間の垂直距離の差を算出し、算出値と所定値の乖離状況を見て、吊り装置の把持・開放状態を検出、判別することができる。また第1ワイヤエンコーダ16、第2ワイヤエンコーダ17のそれぞれの検出結果を記録することにより、カムフォロア4がカム機構1の曲線溝のどの係合部にあるかも判別することができる。
(第6実施形態)
本第6実施形態は、吊り荷12のフランジ13の径が異なる場合であっても吊り装置にて把持することができるようにしたものである。
図13において吊り装置の基本構成は、第1実施形態の吊り装置と同様である。図13は、カム機構33の曲線溝38に形成された複数の係合部と、ストッパ34のストッパ凸部及びストッパ凹部37とを対応付けた平面展開図を示している。
ストッパ凸部は高さの異なる2種類のストッパ小凸部35とストッパ大凸部36とからなっている。小凸部35,大凸部36及び凹部37は等間隔に定ピッチで配置され、例えば小凸部35,大凸部36及び凹部37が18度毎に配置されている。カム機構33の周方向に連続して形成され、フック3の開閉状態を決定する曲線溝38には、カムフォロア4が係合するための係合部A〜Eが設けられている。ここでは、これら係合部は一定ピッチ間隔、例えば、90度で形成されているが、位置Aから位置Fの間隔は54度、同Fから同G及び同Hから同Iの間隔は72度、同Gから同Hは108度に設定されている。つまり、図19から明らかなように、係合部A、Eはストッパ小凸部35と、係合部B、Dは凹部37と、係合部Cは大凸部36とそれぞれ同一垂線上に位置するように配置されており、係合部A〜Eはストッパ小凸部35,大凸部36及びストッパ凹部37とは異なる配置状態としている。
このような構成を採用することにより、カムフォロア4が図13に示すカム機構33の0度の位相の係合部Aに位置する場合、フック突部3aが図14(a)に示すストッパ小凸部35と接触し、フック3が把持状態にあるとする。一回目の昇降動作により、カム機構33は例えば90度まで回転し、カムフォロア4は係合部Bに位置し、図14(b)に示すストッパ凹部37とフック突部3aの位相が一致し、フック3は開方向に動作する。二回目の昇降動作により、カム機構33は例えば180度まで回転し、カムフォロア4は係合部Cに位置し、フック突部3aは、図14(c)に示すストッパ大凸部36と接触し把持状態となる。三回目の昇降動作により、カム機構33は例えば270度まで回転し、カムフォロア4は係合部Dに位置し、ストッパ凹部37とフック突部3aの位相が一致し、フック3は開方向に動作する。四回目の昇降操作で、カム機構33は0度に戻り、カムフォロア4は係合部E(A)に位置し、フック突部3aはストッパ小凸部35と接触しフック3は再び把持状態となる。
このような構成を採用することにより、カム機構33のクレーンの昇降動作毎に変わる位相により、カム機構33の周方向に対して交互に配置された、大きさの異なるストッパ小凸部35またはストッパ大凸部36がフック突部3aと接触するため、フランジ径が長い場合は開角度が大きく、短い場合は開角度が小さくなる、つまりフック3の開角度がその都度変更されるので、フランジ13の径が異なる吊り荷12に対しても、本吊り装置にて確実に把持することが可能となる。
なお、上記した実施形態1から6において、吊り装置のフック3にひずみゲージ10を設けることも可能である。(図7参照)この場合、ひずみゲージ10の抵抗値の変化により在荷を確認したり、また、複数本のフック3にそれぞれひずみゲージ10を設置することによって、単一のフックにより吊り荷を吊り上げる片吊りを検知することで、吊り装置の動作時に吊り荷の片吊り、フック3の異常を防止することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、例えば、各実施形態の組合わせを含めて様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,33…カム機構、2,34…ストッパ、3…フック、3a…フック突部、4…カムフォロア、4a…カムフォロア支持部材、5…ベアリング、5a…カム機構支持部材、6…天板、7…ピン、8…ストッパ凸部、9,37…ストッパ凹部、10…ひずみゲージ、11…垂直シャフト、12…吊り荷、13…フランジ、14…フック支持部材、14a…傾斜面、15…ストローク、16…第1ワイヤエンコーダ、17…第2ワイヤエンコーダ、18,108…リンク、19…パット、20…水平シャフト、21…第1プレート、22…第2プレート、23…第1ブラケット、24…第2ブラケット、25…第2ベアリング、26…第1スプリング、27…ゲート、28…第3プレート、29…第2スプリング、30…第3スプリング、31,38…曲線溝、32…隙間、35…ストッパ小凸部、36…ストッパ大凸部、39…上昇装置、40…第1カウンタ、41…第2カウンタ、42…比較器、43…判定装置、51…天板支持部材、52…第2天板、53…昇降装置、100…カム溝、101…上部筒体、102…センタ軸、103…下部筒体、104…第1カムローラ、105…第2カムローラ、106…上向き凹部、107…カム面、109…回転カム機構、110…開閉カム機構。

Claims (5)

  1. 昇降装置に吊り下げられた天板と、前記天板に対し回転自在に取付けられ、曲線溝が周囲に形成された円筒状のカム機構と、前記曲線溝に形成された係合部と係合するカムフォロアと、上端が前記昇降装置に取付けられ、下端に前記カムフォロアを取付けたカムフォロア支持部材と、前記カム機構の下部に取付けられ、凹部及び凸部が周囲に形成された円筒状のストッパと、一端が吊り荷に係脱自在に係合され、他端が前記凹部または凸部に係合する複数のフックと、前記天板に取付けられた複数のフック支持部材と、前記フックにリンク結合され、吊り荷に対し接離自在に設けられたパットとを備え、前記ストッパの凹部と凸部は交互に等間隔で形成された吊り装置において、
    前記係合部は、前記凹部と対応する位置に少なくとも一つ、前記凸部と対応する位置に二つ以上形成されたことを特徴とする吊り装置。
  2. 昇降装置に吊り下げられた天板と、前記天板に対し回転自在に取付けられ、曲線溝が周囲に形成された円筒状のカム機構と、前記曲線溝に形成された係合部と係合するカムフォロアと、上端が前記昇降装置に取付けられ下端に前記カムフォロアを取付けたカムフォロア支持部材と、前記カム機構の下部に取付けられ凹部及び凸部が周囲に形成された円筒状のストッパと、一端が吊り荷に係脱自在に係合され、他端が前記凹部または凸部に係合する複数のフックと、前記天板に取付けられた複数のフック支持部材と、前記フックにリンク結合され、吊り荷に対し接離自在に設けられたパットとを備え、前記ストッパの凹部と凸部は交互に等間隔で形成された吊り装置において、
    前記凸部は高さの異なる二種類の凸部からなるとともに、交互に等間隔で形成され、前記係合部は、前記凹部と対応する位置に二つ以上、前記二種類の凸部と対応する位置にそれぞれ一つ以上形成されたことを特徴とする吊り装置。
  3. 前記カム機構を強制的に上昇移動させる吊り荷開放手段を備えたことを特徴とする
    請求項1または2に記載の吊り装置。
  4. 前記フック支持部材を強制的に水平移動させる吊り荷開放手段を備えたことを特徴
    とする請求項1から3のいずれかに記載の吊り装置。
  5. 前記天板及びパットに設けられた位置検出手段、前記位置検出手段の検出値を比較する比較器、前記比較器の出力により吊り荷状態を判定する判定手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の吊り装置。
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