JP7168018B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
多々提案されている。
[1] 炭素系導電性粒子、有機硫黄化合物を実質的に含有しない伸縮性高分子バインダー、溶剤を少なくとも有する伸縮性導体組成物形成用ペースト。
[2] 炭素系導電性粒子、有機硫黄化合物を実質的に含有しない伸縮性高分子バインダーを少なくとも有する伸縮性導体組成物からなる伸縮性導体シートにおいて、該伸縮性導体シートの破断伸び率が50%以上であることを特徴とする伸縮性導体シート。
[3] 前記炭素系導電性粒子が、BET比表面積が1000平方m/g以上の炭素系粒子を4質量%以上含有する事を特徴とする前記[2]に記載の伸縮性導体シート
[4] 銀を含む素材に近接して用いられる事を特長とする[2]または[3]に記載の伸縮性導体シート。
[5] 前記銀を含む素材が、少なくとも銀粒子と、有機硫黄化合物を実質的に含有しない伸縮性高分子バインダーを含む伸縮性導体組成物であることを特長とする[2]から[4]のいずれかに記載の伸縮性導体シート。
[6] 前記銀を含む素材が、少なくとも銀粒子と、水不溶性硫酸塩の粒子、有機硫黄化合物を実質的に含有しない伸縮性高分子バインダーを含む伸縮性導体組成物であることを特長とする[2]から[5]のいずれかに記載の伸縮性導体シート。
[7] 前記伸縮性導体形成用ペーストの溶剤を除いた成分に含まれる有機硫黄化合物の総量が、硫黄換算にて500ppm以下である事を特長とする[1]に記載の伸縮性導体形成用ペースト。
[8] 前記伸縮性導体シートに含まれる有機硫黄化合物の総量が、硫黄換算にて500ppm以下である事を特長とする[2]から[6]のいずれかに記載の伸縮性導体シート。
[9] 前記[2]から[6]のいずれかに記載の伸縮性導体シートを、生体の皮膚または粘膜に接触する部位に用いた事を特長とする生体情報計測用プローブ。
[10] 伸縮性導体シートの面方向の直交する2つの方向においていずれも元の長さの40%伸張した際の伸長方向における伸張時の比抵抗の変化率が±10%未満であることを特徴とする伸縮性導体シート。
[11] 以下の捻り試験の捻りサイクルを100回繰り返した後のシートの比抵抗が、初期比抵抗の3.0倍以内であることを特徴とする前記[2]から[6]、[8]のいずれかに記載の伸縮性導体シート。
[捻り試験:試料:幅10mm、長さ100mm(試料の長手方向の片端固定、他の片端の回転による捻り)捻りサイクル:正方向10回転(3600°)捻り、初期状態への戻
り、負方向10回転(-3600°)捻り、初期状態への戻り]
[10] 前記有機硫黄化合物を実質的に含有しない伸縮性高分子バインダーが、硫黄元素を含まない界面活性剤と、硫黄元素を含まない連鎖移動剤の存在化での、ブタジエンを少なくとも含む単量体の、水系重合物である事を特長とする前記[1]に記載の伸縮性導体組成物形成用ペースト。
[11] 前記有機硫黄化合物を実質的に含有しない伸縮性高分子バインダーが、硫黄元素を含まない界面活性剤と、硫黄元素を含まない連鎖移動剤の存在化での、ブタジエンを少なくとも含む単量体の、水系重合物である事を特長とする[2]から[8]のいずれかに記載の伸縮性導体シート。
[12] 前記[11]に記載の伸縮性導体シートを、生体の皮膚または粘膜に接触する部位に用いた事を特長とする生体情報計測用プローブ。
かかる遊離した硫黄成分は、近接した位置に銀が存在すると非導体である硫化銀を形成する。したがって銀を含む製品の近傍で、かつ人体に密接して使用される材料においては、硫黄成分のコントロールが重要である。
物が付着する。これらの付着量は蛍光X線分析による元素比率にてバリウム元素100に対して0.5~50であることが好ましく、2~30であることがさらに好ましい。
鎖延長剤として用いられるジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-ヘキシル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール及び1,9-ノナンジオール等の脂肪族グリコールが挙げられる。又はトリメチロールプロパンやトリエタノールアミンの様な低分子量トリオール、ジエチルアミンや4,4’-ジアミノジフェニルメタン等のジアミン化合物、或いはトリメチロールプロパンを挙げることが出来る。これらの中でも特に1,6-ヘキサンジオールが好ましい。
本発明における有機硫黄成分は、硫黄換算にて500ppm以下である事が好ましく、さらに250ppm以下である事が好ましく、120ppm以下である事が、なお好ましい。有機硫黄成分は蛍光X線分析にて比較的容易に定量することが可能である。
本発明では第一の伸縮性導体、第二の伸縮性導体のおのおの独立の破断伸度が65%以上である事が好ましく80%以上である事がさらに好ましく、110%以上である事がなおさらに好ましい。
本発明の伸縮性導体シートの製造方法として、第一の伸縮性導体、第二の伸縮性導体を構成する各々の組成物に含有される材料に、さらに柔軟性樹脂成分を溶解分散することの出来る溶剤とを配合し、スラリー状、ないしペーストに加工した後、支持体に順次塗布乾燥、ないし同時塗布乾燥することでシート化する製造方法を例示できる。
本発明において、柔軟性樹脂バインダーの溶融粘度が比較的低い場合には、溶剤を用いずに、導電性フィラーと柔軟性樹脂バインダーを溶融混連して組成物とし、溶融押出で二層構成の伸縮性導体シートを得ることも可能である。
第一の伸縮性導体層の厚さは第一、第二あわせた伸縮性導体シートの厚さが24~48μmの場合には伸縮性導体シートの総厚さの半分以上であることが好ましい。また総厚さが48μm以上の場合には、伸縮性導体シートの総厚さの1/3以上であることが好ましい。
ホットメルト接着層の厚さは好ましくは5~200μm、さらに好ましくは12~150μm、さらに好ましくは20~120μmである。
ムの少なくとも片面に離型処理を行ったフィルムを用いることが出来る。離型処理にはフッ素樹脂コーティング、シリコーン樹脂コーティング、あるいはフッ素プラズマ処理などを例示することができる。また未処理のポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、シリコーン樹脂シート、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなど、接着性に乏しい素材からなるフィルムないしシートを用いることも出来る。もちろんこれら難接着フィルムにさらに表面処理をしても良い。
本発明の離型フィルムの厚さは15~190μmが好ましく、24~130μmがさらに好ましく、40~105μmがさらに好ましい。離型フィルムの厚さが所定の範囲に無い場合、積層されている伸縮性導体シート部分のみにスリットを入れる場合に、スリットが不十分であったり、あるいは離型フィルムまで裁断してしまう可能性がある。
図4を用いて本発明の好ましい電気配線形成方法を説明する。図4の1が本発明のホットメルト接着層と離型フィルムを有する伸縮性導体シートである。図4の2において、ホットメルト接着層側からスリットを入れ、ホットメルト接着層と第一、第二の伸縮性導体層に切り込みを入れる。スリットは離型フィルムに達しても良いが、離型フィルムを切断しないように注意が必要である。
図4の3において、スリットを入れた中央部を離型フィルム上に残し、外側の部分を不要部として剥離除去している。図4の4において布帛を重ね、布帛側ないし離型フィルム側から、あるいは両側から加熱、好ましくは加圧と加熱を同時に行い、ホットメルト接着層と布帛を接着させる。この際に、離型フィルムは透明性を有するため、離型フィルムを通して布帛の位置を確認できるため、位置決めを正確に行うことが出来る。伸縮性導体側のパターン形成は離型フィルム上でスリットにより行われるため、布帛側が既に衣服に加工されており、電気配線が縫い目を跨ぐ場合においても、なんら問題なく電気配線を形成
可能である。図4の5において離型フィルムを剥離し、電気配線付きの布帛を得る。
本発明の絶縁カバー層は好ましくは、柔軟な高分子材料である。柔軟な高分子材料としては所謂ゴム、エラストマーと呼ばれる材料を使用できる。本発明のかかるゴム、エラストマーとしては、導電層を形成するための樹脂材料を使用することができる。
本発明の絶縁カバー層は繰り返し10%以上の伸縮が可能なストレッチャビリティを有する事が好ましい。また本発明の絶縁カバー層は50%以上の破断伸度を有する事が好ましい。さらに本発明の絶縁カバー層は引っ張り弾性率が10~500MPaであることが好ましい。
本発明の絶縁カバー層用の材料が、液体状態ないしスラリー状態を介することが困難な場合、例えば溶融押出、プレス成形で、フィルムまたはシート状に加工し、しかるべき形状に外形加工した後に基材に接着剤などで貼り付けることも可能である。
布帛が織物の場合、例えば平織、綾織、朱子織、等を例示できる。布帛が編み物の場合、例えば平編み、およびその変形、鹿の子編、アムンゼン編、レース編、アイレット編、添え糸網、パイル編、リブ網、リップル編、亀甲編、ブリスター編、ミラノ・リブ編、ダブ
ルピケ編、シングル・ピケ編み、斜文編、ヘリボーン編、ポンチローマ編、バスケット編、トリコット編、ハーフ・トリコット編、サテントリコット編、ダブルトリコット編、クインズコード編、ストライプ・サッカー編、ラッセル編、チュールメッシュ編、およびこれらの変形・組み合わせを例示できる。布帛はエラストマー繊維などからなる不織布であっても良い。
得られた樹脂材料をNMR分析して得られた組成比から、モノマーの質量比による質量%に換算した。
<ムーニー粘度>
島津製作所製 SMV-300RT「ムーニービスコメータ」を用いて測定した。
堀場製作所製の光散乱式粒径分布測定装置LB-500を用いて測定した。
<弾性率、破断伸度>
樹脂材料、ペースト材料については、各材料を離型シート上に乾燥厚さ100±10μmとなるようにコーティングし、所定の条件で乾燥硬化させた後、離型シートごとISO 527-2-1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。シート材料についてはシートを同様にダンベル型に打ち抜き試験片とした。離型シートが付属している場合には、測定時に離型シートから各材料のシートを剥離して評価した。さらに布帛に接着されている場合には布帛ごと引っ張り試験を実施した。なお、布帛に接着されている場合において、布帛が伸縮性導体シートより十分に大きな破断伸度を有していると見なされる場合には、引っ張り試験器のクリップ間の抵抗値をテスターにてモニターしながら試験を行い、導通がなくなった時点で判断したと判断した。引っ張り試験は、ISO 527-1に規定された方法で行った。
布帛に接着された伸縮性導体シートを10mm×80mmとなるように切り取り試験片とした。伸張させる部分が有効長さ50mmとなるようにクリップで挟み、クリップ間の初期抵抗値を測定し、W0=10mm、L0=50mmとして、次式にて初期皮膜抵抗を求めた。
初期皮膜抵抗=初期抵抗値×(W0/L0)
次いで皮膜を50%伸張させ(1.5倍長)、伸張時の抵抗値と、試験片中央部のシート幅W50をノギスで測定し、L50=75mmとして次式にて伸張時皮膜抵抗を求めた。
伸張時皮膜抵抗=伸張時の抵抗値×(W50/L50)
<抵抗値の測定>
配線の抵抗値をアジレントテクノロージ社製ミリオームメーターを用いて測定した。
皮膜抵抗測定と同じ方法にて作成した試験片を用い、JIS L0844準拠の方法にて、機械洗濯を、洗濯ネットあり、5回加速法(5回連続洗濯後、1回陰干し)にて30回行い、外観変化の観察(特にクラックの有無)と試験片の長さ方向の初期の抵抗値に対する30回洗濯後の抵抗値の上昇率(%)を求めた。なお初期抵抗値の1000倍以上の値に達した場合には「断線」と判断した。洗剤は、アタックの粉末タイプを用いた。
<汗耐久性>
皮膜抵抗測定と同じ方法にて作成した試験片を用い、まず50%伸張を繰り返し100回行った後に、JIS L 0848:2004に規定される人口汗液に試験片を1時間浸漬し、引き上げた試験片を30℃80%RHの環境に48時間放置し、試験後の外観変化(主に銀の変色:黒ずみの有無)と初期の抵抗値に対する試験後の抵抗値の上昇率を求めた。
<有機硫黄成分の定量>
蛍光X線分析装置にてペーストの乾燥硬化物を分析して全硫黄成分を求め、有機硫黄成分の硫黄換算値とした。本発明の図表での表現において、特に断りの無い限り「硫黄成分」は有機硫黄成分の硫黄換算値とする。
<合成ゴム材料の重合>
攪拌機、水冷ジャケットを備えたステンレス鋼製の反応容器に
ブタジエン 61質量部
アクリロニトリル 39質量部
脱イオン水 270質量部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5質量部
ナフタレンスルホン酸ナトリウム縮合物 2.5質量部
t-ドデシルメルカプタン 0.3質量部
トリエタノールアミン 0.2質量部
炭酸ナトリウム 0.1質量部
を仕込み、窒素を流しながら浴温度を15℃に保ち、静かに攪拌した。次いで 過硫酸カリウム0.3質量部を脱イオン水19.7質量部に溶解した水溶液を30分間かけて滴下し、さらに20時間反応を継続した後、ハイドロキノン0.5質量部を脱イオン水19.5質量部に溶解した水溶液を加えて重合停止操作を行った。
次いで、未反応モノマーを留去させるために、まず反応容器内を減圧し、さらにスチームを導入して未反応モノマーを回収し、NBRからなる合成ゴムラテックス(L1)を得た。
得られたラテックスに食塩と希硫酸を加えて凝集・濾過し、樹脂に対する体積比20倍量の脱イオン水を5回に分けて樹脂を脱イオン水に再分散、濾過を繰り返すことで洗浄し、空気中にて乾燥して合成ゴム樹脂R01を得た。合成ゴム樹脂R01のニトリル量は39質量%、ムーニー粘度は51、弾性率は42MPaであった。
製造例1のアクリロニトリルとブタジエンに換えて、スチレン40質量部、ブタジエン60質量部を用いた以外は同様に操作し、合成ゴム樹脂R02を得た。合成ゴム樹脂R02のニトリル量は0質量%、ムーニー粘度は67、弾性率は51MPaであった。
(ポリウレタン樹脂製造例)
ポリウレタン樹脂組成物(A)の合成
1Lの4つ口フラスコにODX-2044(DIC製ポリエステルジオール)100部、鎖延長剤として1、6-ヘキサンジオール(宇部興産製)33部をエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート100部に入れ、マントルヒーターにセットした。攪拌シー
ルをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器、玉栓をフラスコにセットして50℃で30分攪拌して溶解した。T-100(東ソー製、イソシアネート)を58部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで90℃に昇温して4時間反応することによりポリウレタン樹脂組成物(A)を得た。得られた樹脂の還元粘度は0.81、ガラス転移温度は-20℃、ウレタン基濃度は3495eq/tであり、その塗膜物性は弾性率55MPa、伸度1180%であった。
[製造例4]
攪拌機、水冷ジャケットを備えたステンレス鋼製の反応容器に
ブタジエン 76質量部
アクリロニトリル 24質量部
脱イオン水 270質量部
日本乳化剤株式会社製 Antox EHD-PNA
(ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル) 1.0質量部
日本乳化剤株式会社製 Disrol AQ-3
(ポリアクリル酸ナトリウム塩) 2.0質量部
次亜リン酸カリウム 0.3質量部
トリエタノールアミン 0.2質量部
炭酸ナトリウム 0.1質量部
を仕込み、窒素を流しながら浴温度を15℃に保ち、静かに攪拌した。次いで 過硫酸カリウム0.3質量部を脱イオン水19.7質量部に溶解した水溶液を30分間かけて滴下し、さらに20時間反応を継続した後、ハイドロキノン0.5質量部を脱イオン水19.5質量部に溶解した水溶液を加えて重合停止操作を行った。
次いで、未反応モノマーを留去させるために、まず反応容器内を減圧し、さらにスチームを導入して未反応モノマーを回収し、NBRからなる合成ゴムラテックス(L3)を得た。
得られたラテックスに食塩と希硫酸を加えて凝集・濾過し、樹脂に対する体積比20倍量の脱イオン水を5回に分けて樹脂を脱イオン水に再分散、濾過を繰り返すことで洗浄し、空気中にて乾燥して合成ゴム樹脂R07を得た。合成ゴム樹脂R07のニトリル量は24質量%、ムーニー粘度は45、弾性率は21MPaであった。また有機硫黄成分は20ppm以下であった。
表1に示す材料を用い、表2に示す配合比により導電ペーストを製造した。まず溶剤の半分量に樹脂成分を溶解し、得られた樹脂溶液に導電粒子、非導電粒子、溶剤の残量を加えて、均一に混合した後に三本ロールミルにて分散することにより導電ペーストとした。導電ペーストの配合組成とそれぞれの導電ペーストから得られる被膜の単独特性を結果を表2に示す。
厚さ75μmの離型PETフィルムに、第一の伸縮性導体用ペーストを、アプリケーターを用いて、乾燥膜厚が表3に示す厚さになるように塗布後、乾燥硬化し、次いで第二の伸縮性導体ペーストを同様に塗布後、乾燥硬化して、複層からなる伸縮性導体シートを得た。
得られた伸縮性導体の第二の伸縮性導体ペースト面に、エヌティーダブリュー株式会社 ポリウレタンホットメルトフィルム エセランSHM104-PUR(セパレートシート付き)を重ね、ゴムロール温度を120℃に調整したロールラミネート機にて接着し、接着性のある伸縮性導体シートを得た。
[型抜きと布帛への接着]
得られた接着性のある伸縮性導体シートを型抜機にセットし、ホットメルトフィルムのセパレートシート面側からトムソン刃にて、幅10mm、長さ80mmの長方形を型抜きし
た。トムソン刃の深さはホットメルトシートと第二の伸縮性導体層、第一の伸縮性導体層までとし、離型PETフィルムは打ち抜かずに残している。
次いで、前記型抜き後のシートから、幅10mm、長さ80mmの長方形以外の部分を剥離除去し、長方形部分に残っていたセパレートシートを剥がし、幅30mm、長さ100mmのグンセン株式会社製2-wayトリコット生地 KNZ2740を、伸縮性導体シートが中央に配置されるように重ね、プレス機にて、105℃、0.03MPaの圧力にて25秒間加圧して接着し、その後、離型PETフィルムを剥離して、トリコット生地に接着された伸縮性導体シートを得た。
実施例の伸縮性導体シートについては、いずれも良好な洗濯耐久性、汗耐久性を示している。特に有機硫黄成分を低く制御した実施例において耐汗性が優れていることが解る。比較例においては、いずれも汗耐久性試験後の抵抗値の上昇が著しいことが解る。これらの試料を切断して断面観察を行ったところ、汗耐久性試験後に抵抗値が上昇した試験片については第二の導体層が黄変ないし茶褐色に変色している部分が見られた。一方で抵抗値の上昇が認められない試料における第二の導体層の断面は、試験前の状態と同様、銀白色であった。これより抵抗値の上昇は、主に導電性を担う第二の導体層が酸化ないしは硫化された結果であると考えられる。
2.第二の伸縮性導体層
3.ホットメルト層
4.離型フィルム
5.布帛
6.下地層
7.カバーコート層
Claims (3)
- 離型シート、
第一の伸縮性導体層、及び
第二の伸縮性導体層を少なくともこの順番で有し、
前記第一の伸縮性導体層は、導電フィラーとしての炭素系粒子と、有機硫黄化合物を実質的に含有しない伸縮性高分子バインダーとを少なくとも有する伸縮性導体組成物からなり、
前記第一の伸縮性導体層は、破断伸び率が50%以上であり、厚さが12μm以上であり、
前記第一の伸縮性導体層に含まれる前記有機硫黄化合物の総量が、硫黄換算にて80ppm以下であり、
前記第二の伸縮性導体層は、導電フィラーとして金属系粒子を含み、
前記離型シートの可視光線透過率が30%以上であることを特徴とする積層体。 - 前記離型シートの厚さは15μm~190μmである請求項1に記載の積層体。
- 前記第一の伸縮性導体層と前記第二の伸縮性導体層の合計の厚さは、15μm~1500μmである請求項1または2に記載の積層体。
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