JP7165473B2 - 硬化性樹脂組成物、これを用いたドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有する電子部品 - Google Patents
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Description
上記事情に鑑み、本発明の目的は、解像性、保存安定性および反射特性の全てにおいて優れ、アンダーカットの発生が少ない硬化皮膜を形成することが可能な硬化性樹脂組成物、これを用いたドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有する電子部品を提供することにある。
(A)カルボキシル基含有樹脂、
(B)硫黄原子を含有するヒンダードフェノール系の酸化防止剤、
(C-1)ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、および(C-2)モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、および
(D)酸化チタン、
を含み、
前記(B)硫黄原子を含有するヒンダードフェノール系の酸化防止剤が、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して1質量部から10質量部の範囲にあることを特徴とする、硬化性樹脂組成物により達成されることを見出した。
本発明の硬化性樹脂組成物は(A)カルボキシル基含有樹脂を含有する。
(A)カルボキシル基含有樹脂は、光重合性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有樹脂であるか、または、後述する光重合性モノマーをさらに含有することにより、光硬化性とすることができる。このうち、エチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂およびエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。このうち、特に、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂が、アルカリ現像を行う感光性の組成物として、更にはエッチング耐性、感度、解像性の面からより好ましい。そして、その不飽和二重結合は、アクリル酸もしくはメタアクリル酸、または、それらの誘導体由来のものが好ましい。
(B)硫黄原子を含有するヒンダードフェノール系の酸化防止剤は、1個以上の硫黄原子と、1個以上のヒンダードフェノールを含むであり、その具体例としては、
(B)硫黄原子を含有するヒンダードフェノール系の酸化防止剤は、硫黄原子を含有するフェノール系の酸化防止剤である。(B)硫黄原子を含有するヒンダードフェノール系の酸化防止剤の具体例としては、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4-ビス(オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、
2,2’-チオジエチルビス[3-(3,5-ジ‐tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等を挙げることができる。なお、これらの市販品としては、Irganox1520L、Irganox565(いずれもBASFジャパン株式会社製)、K-NOX565、K-NOX1520、K-NOX1726(いずれも三洋貿易株式会社製)を挙げることができる。
(B)硫黄原子を含有するヒンダードフェノール系の酸化防止剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)硫黄原子を含有するヒンダードフェノール系の酸化防止剤の配合量(総量)は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、1~10質量部、好ましくは4~8質量部であることが好ましい。このような配合量とすることにより、硬化性樹脂組成物の保存安定性と、耐変色性を確保することができ、かつ、アンダーカットの発生が減少し、解像性が向上する。
光重合開始剤として、2種類のアシルフォスフィンオキサイド、すなわち(C-1)ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤および(C-2)モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を使用する。
本発明に用いられる(C-1)ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6-トリメチルベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。中でもビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(IGM Resins B.V.社製、商品名;Omnirad819)が入手しやすく実用的である。
本発明に用いられる(C-2)モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2-メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。中でも2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(IGM Resins B.V.社製、Omnirad TPO H)が入手しやすく実用的である。
光重合開始剤の配合量が0.5質量部以上とすることにより、光硬化性が十分とされるため、硬化性樹脂組成物の基板に対する密着性が向上する。一方、35質量部以下とすることにより硬化性樹脂組成物表面での光吸収が過度に激しくなる傾向を抑制し、深部硬化性を確保することができる。2種類のアシルフォスフィンオキサイドの配合比率は、1対9~9対1が好ましい。この配合比率の範囲内であれば、併用による効果を得ることできる。
本発明で用いる(D)酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタンでもアナターゼ型酸化チタンでもよいが、ルチル型チタンを用いることが好ましい。同じ酸化チタンであるアナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度が高く、白色顔料としてよく使用されるが、アナターゼ型酸化チタンは、光触媒活性を有するために、特にLEDから照射される光により、絶縁性樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対し、ルチル型酸化チタンは、白色度はアナターゼ型と比較して若干劣るものの、光活性を殆ど有さないために、酸化チタンの光活性に起因する光による樹脂の劣化(黄変)が顕著に抑制され、また熱に対しても安定である。このため、LEDが実装されたプリント配線板の絶縁層において白色顔料として用いられた場合に、高反射率を長期にわたり維持することができる。
酸化チタンは、特に熱による樹脂の劣化(黄変)の抑制効果が顕著であり、本発明においてより好適に用いられる。
この他、本発明の硬化性樹脂組成物には、更に必要に応じて、熱硬化性樹脂、光反応性モノマー、増粘剤、触媒、流動性改質剤、表面張力調整剤、密着性付与剤またはカプリング剤、界面活性剤、着色剤、紫外線吸収剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤およびレベリング剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類の少なくとも1種を、さらに配合することができる。さらに、上記(D)成分の他の無機フィラーを配合することもできる。これらの成分は、各成分(A)~(D)により得られる性能を損なわず、添加による所望の効果が得られる範囲で、適宜使用量を調節して使用される。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記各成分の他に、さらに光反応性モノマーを含むことができる。光反応性モノマーとしては、特に、(メタ)アクリレート((メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマー)を用いることができる。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
(メタ)アクリレート化合物は、単官能、多官能のいずれであってもよいが、活性エネルギー線照射、特に紫外線照射により光硬化して、樹脂成分を、アルカリ水溶液に不溶化し、または、不溶化を助けるものである。このような化合物としては、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが使用できる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーの例としては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;フェノキシアクリレートを含む単官能アクリレート等を、多官能(メタ)アクリレートモノマーの例としては、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。具体的には、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス-ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε-カプロラクトン付加物などの、多価アクリレート類;ビスフェノールAジアクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類及びメラミンアクリレート、及び前記アクリレートに対応する各メタアクリレート類の1種、又は複数以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(D)酸化チタン以外のフィラーとしては、公知の無機又は有機充填剤が使用できる。具体例としては、金属酸化物、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、ベーマイト、タルク等を、酸化チタンの反射率を損なわない範囲の量及び種類により配合することができる
増粘剤としては、ベントナイト、微紛シリカを含む公知慣用の増粘剤を、
シランカップリング剤としては、γ-クロロプロピルメトキシシラン等のハロゲン含有シランカップリング剤、ビニルエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン等のビニル基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイルイ含有シランカップリング剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のグリシジル基含有シランカップリング剤、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト含有シランカプリング剤、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤を挙げることができる。
光硬化性樹脂組成物の場合、塗布し、溶剤を揮発乾燥した後に得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線の照射)を行うことにより、露光部(活性エネルギー線により照射された部分)が硬化する。
I-I.評価ペーストの調製
後述の表2に示す割合(単位:質量部)で各成分を配合、撹拌して3本ロールミルにて分散させて、それぞれ本発明の組成物(実施例1~9)および比較組成物(比較例1~4)(いずれもペースト状態(以下評価ペーストともいう))を得た。実施例1~9、比較例1~4共に、下記の保存安定性試験評価の判定値が30μm以下になるようにペーストを撹拌・調整した。得られた評価ペーストについて、以下の評価試験を行った。
エリクセン社製グラインドメーター(最大目盛り:50μm、最小目盛り:0μm、区間:5μm刻み)とスクレーパーを用い、各評価ペーストの分散度を下記の方法にて確認した。すなわち、
まず試験者に対して最小メモリが手前になるように、グラインドゲージを置き、メモリの最大値より少し上のところに評価ペーストを置いた。
次に最大メモリより少し上に、溝に対して垂直になる様にスクレーパーを置き、その角度を維持したまま、手前にスクレーパーを一定の速度で引き動かした。
次に、グラインドゲージの各区間に発生した粒の個数をカウントし、5個以上確認された範囲の最大値の読み値を分散度(初期値)とした。
下表1に、判定例を示して判定方法を説明する。
これらは、測定法を示す例であり、必ずしも下記の実施例、比較例のいずれかと対応するものではないが、本発明の各実施例および比較例についても同様の試験を行い初期値を定めた。
さらに、各評価ペーストを遮光可能なプラスチック容器に入れ、25℃の環境下に90日間保管し、90日経過後の評価ペーストの分散度を上記のグラインドメーターにて測定した。初期値と、90日経過後の測定値を、下記の基準にて比較した。
なお、この評価では、90日間経過後に、組成物の粒子が5粒以上発生している最大粒径区間(どの区間にも5粒以上の粒子の発生が確認できない場合は、最小区間)を認定し、下記のように初期値との比較に用いた。初期値からの変化した区間数が小さいほど、粒子の凝集が抑制されていること、すなわち保存安定性が高いことを示す。
◎:90日経過後のペーストの分散度(区間)が初期値から不変
〇:90日経過後のペーストの分散度(区間)が初期値から1区間(初期値との差:5μm)変化
△:90日経過後のペーストの分散度(区間)が初期値から2区間(初期値との差:10μm)変化
×:90日経過後のペーストの分散度(区間)が初期値から3区間以上(初期値との差:15μm以上) 変化
バフ研磨により前処理した銅張積層板基板に対し、実施例1~9および比較例1~4の各組成物を、スクリーン印刷により、膜厚30μmにて施した。このように組成物を塗布した各基板を、80℃に調整された熱風循環式乾燥炉に30分間載置し、組成物を乾燥させた。乾燥後の各組成物の膜厚は20μmであった。
乾燥後の上記組成物の上面(露出面)を、ライン/スペースが30μm/30μm 、40μm/40μm、50μm/50μm、60μm/60μm、70μm/70μm、80μm/80μm、90μm/90μm、100μm/100μmのパターンが形成されたネガフィルムで被覆し、メタルハライドランプ光源の露光機(オーク製作所製HMW-680GW)を用いて600mJ/cm2にて露光した。
露光後の組成物を液温30℃、圧力0.2MPaにて1質量%の炭酸ナトリウムにて60秒間現像した。
上記処理後の評価基板Aについて、基板に残存している最小設計ライン幅を目視確認し、これにより以下の基準にて解像性の評価を行った。
◎:最小設計ライン幅70μm以下までラインが残っている
〇:最小設計ライン70μm超、80μmまでラインが残っている
△:最小設計ライン幅80μm超、90μmまでラインが残っている
×:設計ライン幅90μm超の場合でも、ラインが全く残っていない
バフ研磨により前処理した銅張積層板基板に対し、実施例1~9および比較例1~4の各組成物を、スクリーン印刷により、膜厚30μmにて施した。このように組成物を塗布した各基板を、80℃に調整された熱風循環式乾燥炉に30分間載置し、組成物を乾燥させた。乾燥後の各組成物の膜厚は20μmであった。
乾燥後の上記組成物に対し、上面からメタルハライドランプ光源の露光機(オーク製作所製、HMW-680GW)を用いて600mJ/cm2にて全面露光した。
露光後の組成物を液温30℃、圧力0.2MPaにて1質量%の炭酸ナトリウムにて60秒現像した。その後、150℃に調整された熱風循環式乾燥炉にて組成物を60分間乾燥させ(ポストキュア)、評価基板Bを得た。
上記評価基板Bを、最高温度270℃のはんだリフロー装置(ETC社製NIS-20シリーズ)に5回通し、コニカミノルタ社製分光測色計 CM-2600dを用いて、処理前後のL*a*b*を測定し、下記の式によりΔE*abを算出した。の基板の変化率ΔEを求めた。
(式中、L*1、a*1、b*1は、各々L*、a*、b*の初期値を表し、L*2、a*2、b*2は、各々リフロー処理後のL*、a*、b*の値を表す。)
すなわち、ΔE*abは、L*a*b*表色系において初期値と加速劣化後の差を算出したもので、数値が大きいほど、変色が大きいことを示す。下記基準による評価結果を表2に記載した なお、リフロー処理時のリフロー温度チャートを、図1に示す。
◎:ΔE*abが2未満
〇:ΔE*abが2以上3未満
△:ΔE*abが3以上4未満
×:ΔE*abが4以上
バフ研磨により前処理した銅張積層板基板に対し、実施例1~9および比較例1~4の各組成物を、スクリーン印刷により、膜厚30μmにて施した。このように組成物を塗布した各基板を、80℃に調整された熱風循環式乾燥炉に30分間載置し、組成物を乾燥させた。乾燥後の各組成物の膜厚は20μmであった。
乾燥後の上記組成物に対し、上面からメタルハライドランプ光源の露光機(オーク製作所製、HMW-680GW)を用いて600mJ/cm2にて全面露光した。
露光後の組成物を液温30℃、圧力0.2MPaにて1質量%の炭酸ナトリウムに60秒浸漬現像した。その後、150℃に調整された熱風循環式乾燥炉にて組成物を60分間乾燥させ(ポストキュア)、評価基板Cを得た。
上記にて作製した基板上に形成した塗膜の反射率をコニカミノルタ社製色差計CM-2600dにて測定し、XYZ標識系のY値を反射率とした。
◎:Y値が85%以上
〇:Y値が83%以上85%未満
△:Y値が81%以上83%未満
×:Y値が81%未満
バフ研磨により前処理した銅張積層板基板(銅厚35μm) のCu側に、実施例1~9および比較例1~4の各組成物を、スクリーン印刷により、膜厚30μmにて施した。このように組成物を塗布した各基板を、80℃に調整された熱風循環式乾燥炉に30分間載置し、組成物を乾燥させた。乾燥後の各組成物の膜厚は20μmであった。
乾燥後の上記組成物の上面(露出面)を、ライン/スペースが100μm/300μm の パターンが形成されたネガフィルムで被覆し、メタルハライドランプ光源の露光機(オーク製作所製、HMW-680GW)を用いて600mJ/cm2にて露光した。
露光後の組成物を液温30℃、圧力0.2MPaにて1質量%の炭酸ナトリウムにて60秒現像した。その後、150℃に調整された熱風循環式乾燥炉にて組成物を60分間乾燥させ(ポストキュア)た。このように、銅張積層板のCuライン間にSRダムが形成された評価基板Dを得た。
上記のように得られた評価基板Dを、丸本ストルアス社製 冷間埋込樹脂No.105/冷間埋込樹脂No.105用硬化剤で封止し、150℃にて30分間加熱して熱硬化させ、評価基板DのCu側をエポキシ樹脂により封止した。
このように封止された評価基板Dを、基板の水平面と直行する方向に切断し、塗膜断面を、倍率500倍のマイクロコープ(VHX-600)により観察し、以下の式に準じてアンダーカット率を算出し、以下の評価基準によりこれを評価した。
アンダーカット率(%)=(Bottom ÷ Top) ×100
(上記式中、Top(頂部)とは、塗膜断面の基材と接触していない部分の最大幅、Bottom(底部)とは塗膜断面の基材と接触している部分の最大幅を意味する)
◎:70%以上
〇:65%以上70%未満
△:60%以上65%未満
×:60%未満
アンダーカット率の数値が大きいほどアンダーカットの発生が少なく、組成物が深部まで均一に硬化していることを意味する。
評価ペーストの組成および各評価試験の結果を表2に示す。
*2 ビスフェノールF構造を有するカルボキシル基含有樹脂、Kayarad ZFR-1401H、(日本化薬株式会社製)、固形分62%、(酸価=100mgKOH/g)(表中の数値は固形分量を示す)、上記(7)のカルボキシル基含有樹脂に該当。
*3 IRGANOX 1035、BASFジャパン株式会社製、酸化防止剤、2,2’-チオジエチルビス[3-(3,5-ジ‐tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネーート]
*4 IRGANOX 1010、BASFジャパン株式会社製、酸化防止剤、ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
*5 Omnirad 819、IGM Resins B.V社製、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤
*6 Omnirad TPO H、IGM Resins B.V社製、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤
*7 Omnirad 907、IGM Resins B.V社製、α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤
*8 Omnirad 184、IGM Resins B.V社製、α-ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤
*9 TITONE R-62、堺化学工業株式会社製、SiO2・Al2O3処理二酸化チタン
社製)
*10 LMP-100、富士タルク工業株式会社製、タルク
*11 EPICLON(登録商標)850-s、DIC Corporation社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
*12 DPHA、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
*13 ラロマー(登録商標)LR8863、BASF SE社製,EO変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート
*14 DICY(粉砕品)、ジシアンジアミド、硬化剤
*15 メラミン(粉砕品)、触媒
*16 シリコン KS-66、信越化学工業株式会社製、オイルコンパウンド型消泡剤
*17 BYK(登録商標)-1791、ビックケミー・ジャパン製、非芳香族系消泡剤
*18 Disperbyk-111、ビックケミー・ジャパン製、無溶剤型湿潤分散剤
*19 カーボンブラック、MA-100、三菱ケミカル株式会社製
Claims (5)
- (A)カルボキシル基含有樹脂、
(B)硫黄原子を含有するヒンダードフェノール系の酸化防止剤、
(C-1)ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、および(C-2)モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、および
(D)酸化チタン、
を含み、
前記(B)硫黄原子を含有するヒンダードフェノール系の酸化防止剤が、下式(I)
- 前記(A)カルボキシル基含有樹脂が、芳香環を有さないカルボキシル基含有樹脂である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物から得られたドライフィルム。
- 請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項4に記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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