JP7164490B2 - 分割型メカニカルシール - Google Patents

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本発明は、分割型メカニカルシールに関する。
回転機械のケーシングに固定されたシールカバー内に、回転軸と一体に回転可能な回転環と、回転不可能な固定環とを配置したメカニカルシールが知られている。シール面を形成する回転環と固定環は、摺動によって消耗するため、定期的に交換する必要がある。この交換時には、回転機械のモータを取り外す必要があるため、特に大型の立軸ポンプの場合にはコスト高になる。
特許文献1には、シールカバー、回転環、及び固定環を周方向に2分割して構成した分割型メカニカルシールが開示されている。この分割型メカニカルシールでは、回転軸に対するシールカバー、回転環及び固定環の着脱作業を、回転軸の径方向から行うことができるため、モータを取り外すことなく、消耗部品である回転環と固定環を交換できる。
米国特許第6485024号明細書
この種のメカニカルシールでは、コイルスプリングによって、回転環と固定環のうちの一方を他方に向けて付勢する必要があるが、コイルスプリングを圧縮状態で組み付ける作業は煩雑である。そして、特許文献1の分割型メカニカルシールでは、コイルスプリングを含む周辺部品の組立性について、何も考慮されていない。
本発明は、組立性を向上できる分割型メカニカルシールを提供することを課題とする。
本発明の第1態様は、環状体を周方向に分割した第1カバー部材と第2カバー部材を有し、回転機械のケーシングに固定され、前記回転機械の回転軸を貫通させるシールカバーと、前記ケーシングとは反対側に位置する前記シールカバーの外端に配置された環状のプレートと、環状体を周方向に分割した第1固定部材と第2固定部材を有し、周方向の回転が規制されて軸方向の移動が許容されるように、前記シールカバー内に配置された固定環と、環状体を周方向に分割した第1回転部材と第2回転部材を有し、前記回転軸と一体に回転するように、前記シールカバー内の前記ケーシングと前記固定環の間に配置された回転環と、前記固定環を付勢して前記回転環に当接させるコイルスプリングと、前記プレートと前記固定環の間に位置するように、前記シールカバーから内向きに突出し、前記プレートが固定された留め金とを備え、前記留め金は、前記コイルスプリングを貫通させる貫通孔を有し、前記コイルスプリングは、前記貫通孔を貫通して前記プレートと前記固定環の間に配置され、前記プレートに一端が当接している、分割型メカニカルシールを提供する。
この分割型メカニカルシールによれば、留め金がコイルスプリング用の貫通孔を備えるため、プレートを留め金に固定するまでは、コイルスプリングの付勢力が固定環に作用することはない。よって、ケーシングに対する分割型メカニカルシールの組立性を向上できる。また、プレートを留め金に固定することで、コイルスプリングによって回転環に当接するように固定環を付勢できる。
前記プレートは、環状体を周方向に分割した第1プレート部材と第2プレート部材を有し、前記第1プレート部材と前記第2プレート部材の両面は平面状である。
前記回転環に対して前記固定環とは反対側に配置され、前記回転軸に固定されて前記回転環を保持するシートホルダを備え、前記シートホルダには、前記第1プレート部材と前記第2プレート部材の内周部を差し込む溝が形成されている。この態様によれば、シートホルダの溝に内周部を差し込んだプレートをケーシングに当てることで、ケーシングにおける定位置にシートホルダを位置決めして回転軸に固定できる。つまり、プレートを配置用の治具として使用できる。よって、ケーシングに対する分割型メカニカルシートの組立性を効果的に向上できる。
前記シートホルダは、環状体を周方向に分割した第1保持部材と第2保持部材を有し、記第1保持部材は前記第1回転部材を取付状態に支持する支持部材を備え、前記第2保持部材は前記第2回転部材を取付状態に支持する支持部材を備える。この態様によれば、回転軸に取り付ける保持部材と回転部材をサブアッセンブリ化できるため、メカニカルシールの組立性を向上できる。
前記第1保持部材及び前記第2保持部材はそれぞれ、前記回転軸が延びる方向から見て円弧状をなし、前記プレートの外側へ延伸する延伸部を有し、前記第1保持部材の前記延伸部に、前記第1固定部材、前記第1回転部材、及び前記第1プレート部材が組み付けられ、前記第2保持部材の前記延伸部に、前記第2固定部材、前記第2回転部材、及び前記第2プレート部材が組み付けられている。この態様によれば、メカニカルシールを構成する全ての半割部品を一体に組み付けることができるため、メカニカルシールの組立性を更に向上できる。
前記第1固定部材と前記第2固定部材、及び前記第1回転部材と第2回転部材は、対称形状であり、前記第1プレート部材と前記第2プレート部材は非対称形状である。この態様によれば、固定環及び回転環の分割面の位置と、プレートの分割面の位置とを、周方向の異なる位置に配置できる。よって、プレートによって固定環と回転環を押し込む際、第1プレート部材と第2プレート部材が離間することで、第1固定部材と第2固定部材及び第1回転部材と第2回転部材が一緒に、離間することを防止できる。その結果、分割型メカニカルシールの組立性を向上できる。
前記留め金は、環状体を周方向に分割した第1連結部材と第2連結部材を有し、前記第1連結部材の分割面及び前記第2連結部材の分割面には、これらの連結するピンを取り付ける取付部が設けられている。この態様によれば、プレートによって固定環と回転環を押し込む際、一対の連結部材が離間することを防止できる。その結果、分割型メカニカルシールの組立性を向上できる。
前記プレートは、外向きに突出する一対の把手を有する。この態様によれば、コイルスプリングの付勢力に抗して、プレートを留め金に向けて容易に押し付けることができる。よって、分割型メカニカルシールの組立性を向上できる。
前記固定環と前記コイルスプリングの他端との間に配置され、前記コイルスプリングの付勢力によって前記固定環を前記回転環に向けて押圧する押金を備える。この態様によれば、押金を介してコイルスプリングの付勢力を回転環に対して均等に付与できる。
前記押金は、前記プレートを貫通したボルトが仮止めされるボルト穴を備える。この態様によれば、ボルトによってプレートに押金を仮止めすることで、固定環に付勢力が作用しないようにコイルスプリングを保持できる。つまり、留め金、コイルスプリング、プレート、及び押金をサブアッセンブリ化して取り扱うことができる。よって、分割型メカニカルシールの組立性を効果的に向上できる。
前記プレート及び前記留め金を貫通して前記押金に連結されたドライブピンを備え、前記ドライブピンは、前記プレートの外側に配置され、前記プレートに形成された孔よりも大きい頭部を有し、前記ドライブピンの全長は、前記プレートに対する前記押金の移動を許容する長さである。この場合、前記プレートと前記留め金の間、又は前記プレートと前記ドライブピンの前記頭部との間に着脱可能に配置され、前記押金を前記プレートの方へ近づけるスペーサを備える。また、前記プレートと前記留め金の間に、前記押金を前記プレートの方へ近づけるスプリングを備える。これらの態様によれば、固定環に付勢力が作用しないようにコイルスプリングを保持できる。
前記押金は、環状体を周方向に分割した第1押圧部材と第2押圧部材を有し、前記第1押圧部材は前記第1固定部材を取付状態に支持する支持部材を備え、前記第2押圧部材は前記第2固定部材を取付状態に支持する支持部材を備える。この態様によれば、ケーシングに取り付ける押金と固定環をサブアッセンブリ化できるため、メカニカルシールの組立性を向上できる。
前記第1カバー部材の分割面には、前記第2カバー部材の分割面との間をシールするガスケットが配置され、前記ケーシングと前記シールカバーの間には、環状体を周方向に分割した第1パッキンと第2パッキンを有するシールパッキンが配置されており、前記第1パッキンは前記第1カバー部材に配置され、両端が前記第1カバー部材の前記分割面からそれぞれ突出し、前記第2パッキンは前記第2カバー部材に配置され、両端が前記第2カバー部材の前記分割面からそれぞれ後退している。この態様によれば、第1パッキンの両端が第1カバー部材の分割面から突出し、第2パッキンの両端が第2カバー部材の分割面から後退しているため、第1カバー部材の配置後に第2カバー部材を配置するだけで、第1パッキンに撓みや折れ曲がりを生じさせることなく、正規の姿勢でシートパッキンを配置できる。よって、分割型メカニカルシールの組立性を向上できる。また、ガスケットを配置した第1カバー部材には、分割面から両端が突出する第1パッキンが配置されているため、ガスケットの端部を第1パッキンによって確実に覆うことができる。よって、ガスケットがケーシング側に突出しないように、ガスケットを正規の位置に保持できる。その結果、ケーシングとシールカバー間の液密性を確保でき、液漏れを効果的に防止できる。
また、本発明の第2態様は、環状体を周方向に分割した第1カバー部材と第2カバー部材を有し、回転機械のケーシングに固定され、前記回転機械の回転軸を貫通させるシールカバーと、周方向の回転が規制されて軸方向の移動が許容されるように、前記シールカバー内に配置された固定環と、前記回転軸と一体に回転するように、前記シールカバー内の前記ケーシングと前記固定環の間に配置され、付勢によって前記固定環が当接された回転環と、前記第1カバー部材の分割面に配置され、前記第2カバー部材の分割面との間をシールするガスケットと、環状体を周方向に分割した第1パッキンと第2パッキンを有し、前記ケーシングと前記シールカバーの間をシールするシールパッキンとを備え、前記第1パッキンは前記第1カバー部材に配置され、両端が前記第1カバー部材の前記分割面からそれぞれ突出し、前記第2パッキンは前記第2カバー部材に配置され、両端が前記第2カバー部材の前記分割面からそれぞれ後退している、分割型メカニカルシールを提供する。
本発明の分割型メカニカルシールでは、プレートを留め金に固定するまでは、コイルスプリングの付勢力が固定環に作用しないため、組立性を向上できる。
本発明の第1実施形態に係る分割型メカニカルシールの平面図。 図1のA-O-B線断面図。 図1のC-O-D線断面図。 図1のE-O-F線断面図。 図4の一部を拡大した断面図。 図5Aの変形例を示す断面図。 留め金の断面図。 シートパッキンを配置したシールカバーの底面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の一工程を示す断面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す断面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す断面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す断面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す断面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す平面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す断面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す平面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す断面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す断面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す断面図。 分割型メカニカルシールの組立作業の変形例を示す断面図。 プレートの第1変形例を示す平面図。 図20のプレートの重心位置とスプリング荷重の関係を示す側面図。 プレートの第2変形例を示す平面図。 プレートの第3変形例を示す平面図。 プレートの第4変形例を示す平面図。 プレートの第5変形例を示す平面図。 プレートの第6変形例を示す平面図。 第2実施形態に係る分割型メカニカルシールの断面図。 第3実施形態に係る分割型メカニカルシールの断面図。 図28の分割型メカニカルシールの組立作業の一工程を示す断面図。 図28の分割型メカニカルシールの組立作業の他の一工程を示す断面図。 第4実施形態に係る分割型メカニカルシールの組立作業の一工程を示す断面図。 図31の組付治具を示す断面図。 第5実施形態に係る分割型メカニカルシールの断面図。 図33の一部を示す分解断面図。 図33の他の一部を示す分解断面図。 図33の分割型メカニカルシールの組立作業の一工程を示す断面図。 第6実施形態に係る分割型メカニカルシールの断面図。 図37の分割型メカニカルシールの組立作業の一工程を示す断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1から図4は、本発明の第1実施形態に係る分割型メカニカルシール(以下「メカニカルシール」と略す。)10を示す。このメカニカルシール10は、回転機械(例えば立軸ポンプ)のケーシング1の内部の液体(例えば揚水)が外部(大気側)に漏出することを防ぐために、ケーシング1における回転軸2が貫通される部分に配置される。図2では、メカニカルシール10の下側がケーシング1内に連通している。以下の説明では、図2において下側を内部側といい、図2において上側を外部側ということがある。
(メカニカルシールの概要)
図2から図4に示すように、メカニカルシール10は、シートホルダ12、シート(回転環)27、及びワッシャ(固定環)36を備え、これらはシールカバー47(封止液室49)内に配置されている。シールカバー47内には留め金62と押金76が更に配置され、かつシールカバー47の外部側の端部(外端)はプレート84によって覆われている。また、シールカバー47内には、押金76を介してワッシャ36をシート27に向けて付勢するコイルスプリング96が配置されている。
シートホルダ12は、シート27を回転軸2と一体に回転させるために設けられており、ケーシング1の近傍に位置するように回転軸2に固定されている。シート27は、シートホルダ12の外部側に、周方向の回転が規制された状態で配置されている。ワッシャ36は、シート27の外部側に、周方向の回転が規制されて軸方向の移動が許容された状態で配置されている。
シールカバー47は、回転軸2が貫通される貫通孔48と、環状の封止液室49とを備え、ケーシング1に固定されている。留め金62は、シールカバー47とプレート84を固定するために設けられており、プレート84の内部側に配置されている。押金76は、コイルスプリング96の付勢力によってワッシャ36をシート27に向けて押圧するために設けられており、留め金62とワッシャ36の間に配置されている。
このメカニカルシール10は、シート27とワッシャ36によって、ケーシング1内に連通した封止液室49から、大気に連通した回転軸2側(径方向内側)への液体の流出を防ぐインサイド型である。回転軸2が回転すると、シートホルダ12とシート27が一体に回転し、シート27とワッシャ36が摺接する。これにより、シート27とワッシャ36の摺接部分であるシール面44によって、封止液室49から回転軸2に向けた液体の流動を阻止し、外部への液体の漏出を防止する。
本実施形態のメカニカルシール10は、シートホルダ12、シート27、ワッシャ36、シールカバー47、留め金62、押金76、及びプレート84を、周方向に2分割した全分割型である。つまり、シートホルダ12は、第1保持部材13Aと第2保持部材13Bを備える環状体である。シート27は、第1回転部材28Aと第2回転部材28Bを備える環状体である。ワッシャ36は、第1固定部材37Aと第2固定部材37Bを備える環状体である。シールカバー47は、第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bを備える環状体である。留め金62は、第1連結部材63Aと第2連結部材63Bを備える環状体である。押金76は、第1押圧部材77Aと第2押圧部材77Bを備える環状体である。プレート84は、第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bを備える環状体である。
このような全分割型のメカニカルシール10では、留め金62からプレート84を取り外し、ケーシング1からシールカバー47を径方向外向きに取り外すことで、内部のシート27とワッシャ36の取り外しと取り付けが可能である。よって、回転機械のモータを取り外すことなく、消耗部品であるシート27、ワッシャ36、コイルスプリング96等を交換できる。
(シートホルダの詳細)
シートホルダ12を構成する第1保持部材13Aと第2保持部材13Bは、回転軸2の軸方向から見て半円環形状に形成されている。図1に示すように、これらの分割面14は、図1において左右(第1方向)に延びている。図2を参照すると、第1保持部材13Aと第2保持部材13Bは、図示しないピンをピン穴15に配置することで位置決めされ、図示しないボルトをボルト穴16に締め付けることで一体に固定されている。また、第1保持部材13Aの分割面14にはシール溝が設けられ、このシール溝に第2保持部材13Bの分割面14との間をシールするガスケット17が配置されている。
図2から図4に示すように、第1保持部材13Aと第2保持部材13Bの内周には周方向に延びる凹溝が形成されており、この凹溝に回転軸2との間をシールするシール部材18が配置されている。シール部材18は、無端状のOリングを用いてもよいし、一端と他端に連結構造を設けた連結式シールリングを用いてもよい。図3を参照すると、第1保持部材13Aと第2保持部材13Bには、これらを回転軸2に位置決めするためのセットボルト19を配置するボルト孔20がそれぞれ設けられている。これにより、シートホルダ12は、回転軸2に対する周方向と軸方向の移動が規制される。
第1保持部材13Aと第2保持部材13Bの外部側には、回転軸2の軸線に沿って内部側に窪む取付凹部21が設けられている。取付凹部21には、シート27の周方向の回転を阻止するピン22を配置する凹部が形成されている。図4及び図8を参照すると、第1保持部材13Aと第2保持部材13Bの外周には、第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bの半円状の内周部91を、径方向外側から差し込んで位置決めする位置決め溝23が設けられている。
(シートの詳細)
シート27を構成する第1回転部材28Aと第2回転部材28Bは、回転軸2の軸方向から見て半円環形状に形成されている。図1に示すように、これらの分割面29は、図1において上下(第2方向)に延びている。図2から図4を参照すると、第1回転部材28Aと第2回転部材28Bの外周には、段部30が設けられている。段部30の外面と取付凹部21の内面との間には、シール部材18と同様のシール部材31が配置されている。このシール部材31の弾性力によって、第1回転部材28Aと第2回転部材28Bが円環状に保持され、取付凹部21内にシート27がフローティング状態で保持されている。
図3を参照すると、第1回転部材28Aと第2回転部材28Bには、シートホルダ12に配置したピン22が配置される係止溝32が設けられている。係止溝32にピン22を係止することで、シート27は、シートホルダ12に対して、周方向に回転不可能かつ軸方向に移動可能な状態で保持される。
(ワッシャの詳細)
ワッシャ36を構成する第1固定部材37Aと第2固定部材37Bは、回転軸2の軸方向から見て半円環形状に形成されている。図1に示すように、これらの分割面38は、図1において左右(第1方向)に延びている。図2から図4を参照すると、第1固定部材37Aと第2固定部材37Bの外周には、シールカバー47との間をシールするシール部材39が配置されている。シール部材18と同様のシール部材39の弾性力によって、第1固定部材37Aと第2固定部材37Bが円環状に保持されている。
第1固定部材37Aと第2固定部材37Bには、内部側に向けて突出し、シート27に当接してシール面44を形成する凸部40が設けられている。図2を参照すると、第1固定部材37Aと第2固定部材37Bの外部側には、周方向に間隔をあけて係止溝41が設けられている。この係止溝41にドライブピン93の先端の係止部94が挿入係止されることで、ワッシャ36は、周方向の回転が規制され、回転軸2の軸方向の移動が許容された状態で保持される。
(シールカバーの詳細)
シールカバー47を構成する第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bは、回転軸2の軸方向から見て半円環状に形成されている。図1に示すように、これらの分割面51は、図1において上下(第2方向)に延びている。図4を参照すると、第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bは、図示しないピンをピン穴52に配置することで位置決めされ、図示しないボルトをボルト穴53に締め付けることで締結されている。また、第1カバー部材50Aの分割面51にはシール溝が設けられ、このシール溝に第2カバー部材50Bの分割面51との間をシールするガスケット54が配置されている。
図1及び図3を参照すると、第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bには、ケーシング1に固定するための貫通孔55が設けられている。貫通孔55は、回転軸2の軸線に沿って貫通しており、シールカバー47全体として90度間隔で周方向の4箇所に設けられている。貫通孔55を通してケーシング1のボルト穴1aにボルト56を締め付けることで、シールカバー47がケーシング1に固定される。
図1及び図2を参照すると、第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bには、留め金62を固定するための貫通孔57が、外部側の端部近傍に設けられている。貫通孔57は、回転軸2の軸線と直交するように径方向に貫通しており、シールカバー47全体として90度間隔で周方向の4箇所に設けられている。
図1及び図4を参照すると、第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bには、シールカバー47と回転軸2の軸線を一致させる芯出し用の貫通孔58が外部側の端部近傍に設けられている。貫通孔58は、回転軸2の軸線と直交するように径方向に貫通しており、シールカバー47全体として90度間隔で周方向の4箇所に設けられている。
図1及び図3を参照すると、第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bには、シール面44を通して内部側から外部側へ漏出した液体を排出するドレン孔59が、外部側の端部近傍に設けられている。ドレン孔59は、シール面44よりも外部側に設けられ、シールカバー47を径方向に貫通しており、シールカバー47全体として90度間隔で周方向の4箇所に設けられている。
(留め金の詳細)
留め金62を構成する第1連結部材63Aと第2連結部材63Bは、回転軸2の軸方向から見て半円環状に形成されている。図1に示すように、これらの分割面64は、図1において上下(第2方向)に延びている。図2及び図6を参照すると、第1連結部材63Aと第2連結部材63Bには、シールカバー47の貫通孔57に対応するボルト穴65が、径方向の外側から内側へ向けて設けられている。貫通孔57を通して4箇所のボルト穴65にボルト66を締め付けることで、留め金62は、シールカバー47に固定され、シールカバー47から径方向内向きに突出している。
図4及び図6を参照すると、第1連結部材63Aと第2連結部材63Bには、シールカバー47の貫通孔58に対応するようにボルト孔67が設けられている。ボルト孔67は、貫通孔58と連通し、径方向に貫通している。図5Aに示すように、貫通孔58を通してボルト68をボルト孔67に締め付け、回転軸2に当接するようにボルト68の締付量を調整することで、シールカバー47の軸線と回転軸2の軸線とを一致させることができる。或いは、図5Bに示すように、回転軸2との間に定められた狭い隙間が形成される全長のボルト68を用い、貫通孔58を通してボルト68をボルト孔67に完全に締め付けることで、シールカバー47の軸線と回転軸2の軸線とを一致させることができる。なお、芯出し後の定常時には、ボルト68は取り外される。
図3及び図6を参照すると、第1連結部材63Aと第2連結部材63Bには、プレート84を固定するためのボルト孔69と、プレート84に押金76を係着するための貫通孔70とが設けられている。ボルト孔69と貫通孔70は、回転軸2の軸方向に貫通しており、留め金62全体として90度間隔で周方向の4箇所にそれぞれ設けられている。
図2及び図6を参照すると、第1連結部材63Aと第2連結部材63Bには、ドライブピン93を貫通させる貫通孔71と、コイルスプリング96を貫通させる貫通孔72とが設けられている。ドライブピン93の貫通孔71は、回転軸2の軸方向に貫通しており、留め金62全体として180度間隔で周方向の2箇所に設けられている。コイルスプリング96の貫通孔72は、回転軸2の軸方向に貫通しており、留め金62全体として22.5度間隔で周方向の16箇所に設けられている。
図6に最も明瞭に示すように、ボルト孔69と貫通孔70,71,72は、回転軸2の軸線から径方向の同一位置で、周方向の異なる角度位置に形成されている。シールカバー47に固定するボルト穴65は、コイルスプリング96を配置する所定の貫通孔72に連通している。芯出し用のボルト孔67は、ボルト孔69と貫通孔70,71,72のいずれにも連通することなく、周方向の異なる角度位置に形成されている。
(押金の詳細)
押金76を構成する第1押圧部材77Aと第2押圧部材77Bは、回転軸2の軸方向から見て半円環状に形成されている。図1に示すように、これらの分割面78は、図1において上下(第2方向)に延びている。図2及び図3を参照すると、第1押圧部材77Aと第2押圧部材77Bには、ドライブピン93を貫通させる貫通孔79と、プレート84に係着するためのボルト穴80とが設けられている。
ドライブピン93の貫通孔79は、回転軸2の軸方向に貫通しており、留め金62の貫通孔71と対応する2箇所に設けられている。プレート84を係着するボルト穴80は、回転軸2の軸方向に延びており、押金76全体として90度間隔で周方向の4箇所に設けられている。なお、ボルト穴80は、ワッシャ36が位置する端が閉じられた有底筒状である。
(プレートの詳細)
プレート84を構成する第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bは、回転軸2の軸方向から見て半円環状に形成されている。図1に示すように、これらの分割面86は、図1において上下(第2方向)に延びている。第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bの両面、つまり外部側の面と内部側の面は、凹凸が無い平面状である。第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bには、対向位置から径方向外向きに突出する把手87がそれぞれ設けられている。把手87は、分割面86に対して直交する向きに突出している。
図2及び図3を参照すると、第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bには、ドライブピン93を貫通させる貫通孔88、留め金62を固定するための貫通孔89、及び押金76を係着するための貫通孔90が設けられている。これらは、回転軸2の軸方向に貫通している。ドライブピン93の貫通孔88は、プレート84全体として180度間隔で周方向の2箇所に設けられている。留め金62用の貫通孔89と押金76用の貫通孔90とは、プレート84全体として90度間隔で周方向の4箇所にそれぞれ設けられている。
(組立状態の詳細)
図2に示すように、ドライブピン93が配置されるプレート84の貫通孔88、留め金62の貫通孔71、押金76の貫通孔79、及びワッシャ36の係止溝41は、回転軸2の軸方向に一致するように、周方向の同じ角度位置に設けられている。貫通孔88,71,79の順で貫通されたドライブピン93の係止部94が、ワッシャ36の係止溝41に係止される。これにより、ドライブピン93によって、回転軸2を中心としたワッシャ36の周方向の移動が規制される。
図3に示すように、ボルト99が配置されるプレート84の貫通孔90、留め金62の貫通孔70、及び押金76のボルト穴80は、回転軸2の軸方向に一致するように、周方向の同じ角度位置に設けられている。貫通孔90,70の順で貫通されたボルト99が、押金76のボルト穴80に締め付けられる。これにより、ボルト99によって、プレート84に対して押金76が仮止めされる。
この仮止め状態では、コイルスプリング96は、留め金62の貫通孔72を貫通することで、プレート84と押金76の間に圧縮状態で保持される。よって、コイルスプリング96の付勢力がワッシャ36に加わることはない。また、留め金62、押金76、プレート84、及びコイルスプリング96をサブアッセンブリ化できる。なお、ボルト99は、組付後の定常時には取り外される。
引き続いて図3に示すように、ボルト98を配置するプレート84の貫通孔89、及び留め金62のボルト孔69は、回転軸2の軸方向に一致するように、周方向の同じ角度位置に設けられている。プレート84の貫通孔89を貫通したボルト98が留め金62のボルト孔69に締め付けられる。これにより、ボルト98によって留め金62とプレート84が締結される。なお、押金76には、ボルト98用の貫通孔もボルト孔も設けられていない。
図2に示すように、コイルスプリング96は、留め金62の貫通孔72を貫通することで、一端がプレート84に当接し、他端が押金76に当接し、これらを離間する方向へ付勢している。これにより、押金76は、コイルスプリング96の付勢力によって、ワッシャ36をシート27に向けて押圧する。つまり、コイルスプリング96は、押金76を介してワッシャ36をシート27に向けて付勢している。押金76は環状体であるため、コイルスプリング96による局部的な押圧力を分散し、ワッシャ36の周方向全体を均等に押圧できる。よって、周方向において、シート27に対してワッシャ36を均等に圧接できる。
図2から図4を参照すると、シールカバー47とケーシング1の間には、シートパッキン102が配置されている。図7を併せて参照すると、シートパッキン102は、周方向に分割した第1パッキン103Aと第2パッキン103Bを備える環状体である。第1パッキン103Aと第2パッキン103Bは、中心から離れた位置で直線上に分割(切断)された非対称形状である。
第1パッキン103Aは、半円環よりも周方向の長さが長い円弧状であり、第1カバー部材50Aに配置されている。第2パッキン103Bは、半円環よりも周方向の長さが短い円弧状であり、第2カバー部材50Bに配置されている。第1パッキン103Aの両端104aは、第1カバー部材50Aの分割面51からそれぞれ突出している。第2パッキン103Bの両端104bは、第2カバー部材50Bの分割面51からそれぞれ後退している。
組立時には、第1カバー部材50Aの配置後に第2カバー部材50Bを配置する。これにより、第1パッキン103Aの突出部分の上に第2カバー部材50Bを配置できる。また、第1パッキン103Aに撓みや折れ曲がりを生じさせることなく、正規の姿勢でシートパッキン102を配置できる。よって、メカニカルシール10の組立性を向上できる。また、前述のように、第1カバー部材50Aの分割面51には、ガスケット54が配置されている。このガスケット54の内部側の端は、分割面51から両端が突出した第1パッキン103Aによって予め覆われている。よって、ガスケット54がケーシング1側に突出しないように、ガスケット54を正規の位置に保持できる。その結果、ケーシング1とシールカバー47間の液密性を確保でき、液漏れを効果的に防止できる。
ここで、従来のシートパッキンは半円環状に形成され、一対のパッキンの両端のうち、一方がカバー部材の分割面から突出し、他方がカバー部材の分割面から後退するように配置されていた。この場合、第1パッキンの突出部分を第2カバー部材の下面に配置し、第2パッキンの突出部分を第1カバー部材の下面に配置する必要があるため、後から配置する方を定位置に配置することが困難であった。特に、シートパッキンでガスケットの端部を覆うことができなかった場合には、ガスケットとケーシングの間に隙間が生じて液密性を確保できないことがあった。
これに対して本実施形態のシートパッキン102は、第1パッキン103Aの両端104aが第1カバー部材50Aの分割面51から突出し、第2パッキン103Bの両端104bが第2カバー部材50Bの分割面51から後退しているため、前述のように、第1カバー部材50Aを先に配置するだけで、シートパッキン102でガスケット54を確実に覆うことができる。よって、シートパッキン102の配置不良を防止しつつ、効果的に液密性を確保できる。
(メカニカルシールの組立方法)
ケーシング1にメカニカルシール10を組み付ける場合、まず、図8に示すように、保持部材13A,13Bの位置決め溝23に、第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bの内周部91を差し込む。そして、サブアッセンブリ化した保持部材13A,13Bとプレート部材85A,85Bを、回転軸2に対して径方向外側から配置するとともに、保持部材13A,13Bと回転軸2の間にシール部材18を配置する。
続いて、ボルト穴16にボルトを緩く締めて、第1保持部材13Aと第2保持部材13Bを仮止めする。また、第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bを回転機械のケーシング1の端面に当接させ、第1保持部材13Aと第2保持部材13Bを回転軸2の定位置に位置決めする。
この状態で、ボルト穴16にボルトを締め付けて第1保持部材13Aと第2保持部材13Bを締結し、セットボルト19をボルト孔20に取り付ける。これにより、ケーシング1における定位置にシートホルダ12を位置決めして回転軸2に固定できる。このように、分割された第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bを配置用の治具として使用できる。よって、ケーシング1に対するシートホルダ12の組立性を向上できる。
次に、図9に示すように、シートホルダ12の取付凹部21にシール部材31を配置し、シートホルダ12上に第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bを載置する。続いて、分割面29にグリスを塗布した第1回転部材28Aと第2回転部材28Bを回転軸2の外周に配置し、これらを第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bの上に載置する。続いて、第1回転部材28Aと第2回転部材28Bの軸方向の位置を合わせて分割面29の段差を無くし、これらをグリスの粘着力によって一体化する。続いて、分割面38にグリスを塗布した第1固定部材37Aと第2固定部材37Bを回転軸2の外周に配置し、これらをシート27上に載置する。続いて、第1固定部材37Aと第2固定部材37Bの軸方向の位置を合わせて分割面38の段差を無くし、これらをグリスの粘着力によって一体化する。
続いて、図10に示すように、シートホルダ12とシート27の間から第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bを取り外し、ワッシャ36とシート27を自重によってシール部材31上に配置する。
次に、図11に示すように、取り外した第1プレート部材85Aに第1連結部材63A、第1押圧部材77A、及びコイルスプリング96をボルト98,99によって一体化し(第1サブアッセンブリ)、第2プレート部材85Bに第2連結部材63B、第2押圧部材77B、及びコイルスプリング96をボルト98,99によって一体化する(第2サブアッセンブリ)。そして、図12に示すように、第1サブアッセンブリと第2サブアッセンブリを回転軸2の外周に配置し、ワッシャ36の上に載置する。
次に、ボルト98,99を取り外し、図13に示すように、第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bを90度回転させて、留め金62の分割面64とプレート84の分割面86を直交させる。この状態で、ボルト98,99を再び留め金62と押金76に締め付けることで、第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bによって、連結部材63A,63B、押圧部材77A,77B、及びコイルスプリング96を1個のサブアッセンブリとして一体化する。
次に、把手87を持ってプレート84を内部側へ押す。これにより、図14に示すように、シール部材31を弾性的に変形させながら、シート27をシートホルダ12の取付凹部21内に挿入する。この際、押金76は、ボルト99とコイルスプリング96の付勢力によってプレート84に対して弾性的に支持されるため、プレート84の操作力を効率的にシート27に伝達できる。
ここで、この作業前にプレート部材85A,85Bの取付位置を変更していない場合、連結部材63A,63B、押圧部材77A,77B、及びプレート部材85A,85Bは分割された2個のサブアッセンブリとなっている。この状態で把手87を持って押込作業を行う場合、2個のサブアッセンブリが離れる向きに倒れるため、シート27をシートホルダ12の取付凹部21内に押し込むことはできない。このような不都合を防止するために、押込作業は、プレート84の分割面86と留め金62の分割面64とが直交するように、プレート部材85A,85Bの取付位置を変更して行われる。
次に、図15に示すように、ボルト98,99を取り外して、留め金62の分割面64とプレート84の分割面86が平行に位置するように、第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bの取付位置を戻し、再びボルト98,99を取り付ける。これにより、第1連結部材63A、第1押圧部材77A及び第1プレート部材85Aからなる第1サブアッセンブリと、第2連結部材63B、第2押圧部材77B及び第2プレート部材85Bからなる第2サブアッセンブリとする。
次に、図16に示すように、回転軸2から第1サブアッセンブリと第2サブアッセンブリを取り外し、ワッシャ36の外周の分割部分(分割面38の径方向外端)を手で確認する。そして、段差やズレが存在する場合、ワッシャ36とシート27を接触させた状態でワッシャ36を押さえ付けて、分割面38を一致させる。続いて、ワッシャ36の外周にシール部材39を配置する。
次に、図17に示すように、取り外した第1サブアッセンブリと第2サブアッセンブリを、第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bに装着する。つまり、シールカバー47の貫通孔57を通して、ボルト66を留め金62のボルト穴65に締め付けることで、第1サブアッセンブリを第1カバー部材50Aに固定し、第2サブアッセンブリを第2カバー部材50Bに固定する。
次に、ボルト98を緩めてプレート84と留め金62の間の距離を定められた組立時の位置に調整する。また、第1カバー部材50Aにガスケット54と第1パッキン103Aを配置し、第2カバー部材50Bに第2パッキン103Bを配置した後、貫通孔58を通して芯出し用のボルト68をボルト孔67に取り付ける。この状態で、図18に示すように、第1サブアッセンブリと第2サブアッセンブリを一体化した第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bを、回転軸2の外周に配置する。
次に、ボルト穴53にボルトを締め付けて、第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bを締結した後、芯出し用のボルト68によって、回転軸2と第1カバー部材50A及び第2カバー部材50Bとの位置を調整する(図5A及び図5B参照)。続いて、貫通孔55を通してボルト56をボルト穴1aに締め付けて、シールカバー47をケーシング1に締結する(図3参照)。
最後に、芯出し用のボルト68を取り外すとともに、仮止め用のボルト99を取り外し、プレート84と留め金62の間の距離が0(ゼロ)になるまでボルト98を締付ける。これにより、回転機械に対するメカニカルシール10の組み付けが完了する。
なお、図19に示すように、カバー部材50A,50Bは、サブアッセンブリ化することなく、単独で回転軸2の外周に配置してもよい。この場合、シールカバー47をケーシング1に配置した後、連結部材63A,63B、押圧部材77A,77B及びプレート部材85A,85Bからなるサブアッセンブリを回転軸2の外周に配置する。その後、ボルト56によってシールカバー47をケーシング1に締結する。
このようにすれば、治具としてのプレート部材85A,85Bの配置前の状態では、プレート部材85A,85Bによってシールカバー47の外部側が塞がれないため、ワッシャ36の外部側端面を目視できる。よって、ワッシャ36の分割面38の外部側の組立精度を確認できる。また、ドライブピン93を配置するワッシャ36の係止溝41及び押金76の貫通孔79の位置を目視できる。よって、これらを容易に直線上に配置できるため、組立性を更に向上できる。
以上のように、本実施形態のメカニカルシール10では、留め金62がコイルスプリング96を貫通させる貫通孔72を備えるため、留め金62にプレート84を固定するまでは、コイルスプリング96の付勢力がワッシャ36に作用することはない。また、組立時、コイルスプリング96の付勢力をワッシャ36に伝達する押金76は、ボルト99によってプレート84に仮止めされ、これらの間にコイルスプリング96を保持できる。そして、ボルト99を取り外すことで、コイルスプリング96によって押金76を介してワッシャ36をシート27に付勢できる。よって、ボルト99を取り外すまでは、ワッシャ36にコイルスプリング96の付勢力が作用しないため、ケーシング1に対する分割型メカニカルシール10の組立性を効果的に向上できる。
第1プレート部材85Aと第2プレート部材85Bは平面状であり、シートホルダ12と、シート27及びワッシャ36とを回転軸2に装着する際、位置決め用の冶具として使用できる。また、プレート84は一対の把手87を備えるため、コイルスプリング96の付勢力に抗して、プレート84を留め金62に向けて容易に押し付けることができる。よって、メカニカルシール10の組立性をより効果的に向上できる。
しかも、シールカバー47とケーシング1の間には、両端104aが第1カバー部材50Aの分割面51から突出する第1パッキン103Aと、両端104bが第2カバー部材50Bの分割面51から後退する第2パッキン103Bとが配置されている。よって、第1カバー部材50Aの配置後に第2カバー部材50Bを配置するだけで、第1パッキン103Aに撓みや折れ曲がりがない正規の姿勢でシートパッキン102を配置できる。よって、分割型メカニカルシール10の組立性を向上できる。
また、ガスケット54を配置した第1カバー部材50Aには、分割面51から両端が突出する第1パッキン103Aが配置されているため、ガスケット54の端部を第1パッキン103Aによって確実に覆うことができる。よって、ガスケット54がケーシング1側に突出しないように、ガスケット54を正規の位置に保持できる。その結果、ケーシング1とシールカバー47の間の液密性を確保でき、液漏れを効果的に防止できる。
なお、メンテナンス時、メカニカルシール10を分解する際には、ボルト99によって押金76をプレート84に締結、又はボルト98を取り外すことで、ワッシャ36にコイルスプリング96の付勢力が作用しない状態にできる。よって、ケーシング1から第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bを取り外す作業、及びシート27とワッシャ36を含む消耗部品の交換作業を容易に行うことができる。
(プレートの変形例)
プレート84は図20から図26に示す変形例のようにしてもよい。これらのプレート84は、前記第1実施形態と同様に、第1プレート部材110Aと第2プレート部材110Bを備える。これらのプレート部材110A,110Bは、図13に示すように留め金62に対する取付位置を変更することなく、図14に示すようにシート27をシートホルダ12の取付凹部21内に配置できるように構成している。
(プレートの第1変形例)
図20に示す第1変形例のプレート84のプレート部材110A,110Bは、周方向に分割されたプレート本体(環状体)111を備える。プレート本体111の分割面112a,112bは、プレート本体111の中心線Lに沿って平行に延びている。プレート本体111には、ドライブピン93を配置する貫通孔88、留め金62を固定するボルト98を配置する貫通孔89、及び押金76を仮止めするボルト99を配置する貫通孔90が、前記第1実施形態と同様に設けられている。また、プレート部材110A,110Bは半円状の内周部91をそれぞれ備える。
プレート部材110A,110Bには、外方へ突出する一対の把手113がそれぞれ設けられている。把手113は、中心線Lに沿ってプレート部材110A,110Bから外方へ突出するアーム部(第1部分)114a、アーム部114aの先端から中心線Lに向けて直交方向に突出する連結部(第2部分)114b、及び連結部114bの先端から中心線Lに沿って外方へ突出する把持部(第3部分)114cを備える。第1プレート部材110Aと第2プレート部材110Bの把持部114cは、互いに重なり合うように構成されている。
図20に破線で示すように、プレート84には、コイルスプリング96が周方向に等間隔で当接する。図21を併せて参照すると、複数のコイルスプリング96の分布荷重を集中荷重に置き換えたときの重心位置Gpは、コイルスプリング96の配置によって規定される。複数のコイルスプリング96による重心位置Gpに対して、アーム部114aは、幅方向の中心線Hcが外側に位置するように、プレート本体111から突出している。アーム部114aの幅方向は、分割面112a,112bに対して直交する方向である。コイルスプリング96による重心位置Gpの外側とは、分割面112a,112bから離れる向きである。つまりアーム部114aは、コイルスプリング96による重心位置Gpに対して、分割面112a,112bから離れる向きに間隔をあけて設けられている。但し、アーム部114aは、幅方向の中心線Hcとコイルスプリング96による重心位置Gpとが一致するように、プレート本体111から突出させてもよい。
この第1変形例のプレート84では、シート27をシートホルダ12の取付凹部21内に配置する際、分割面112a,112bが留め金62の分割面64と平行に位置する取付状態で、回転軸2の軸方向に押し込む。この際、プレート部材110A,110Bの把持部114cを重ね合わせた状態で把持するため、プレート部材110A,110Bが離間することはない。また、重心位置Gpから外側へ離れた位置にアーム部114aが設けられているため、一対のプレート部材110A,110Bは平面状に維持される。よって、コイルスプリング96の付勢力のバラツキを無くし、その付勢力をプレート本体111で確実に受け止めることができる。その結果、サブアッセンブリ化した留め金62、押金76、プレート84、及びコイルスプリング96によって、シート27をシートホルダ12の取付凹部21内に作業性よく押し込むことができる。このように、留め金62に対するプレート部材110A,110Bの取付位置を変更する必要がないため、メカニカルシール10の組立性をより効果的に向上できる。
(プレートの第2変形例)
図22に示す第2変形例のプレート84のプレート部材110A,110Bは、分割面112a,112bをプレート本体111の中心線Lに対して左右に間隔をあけて配置した点で、第1変形例と相違する。つまり、第2変形例のプレート84は、回転軸2の軸線を通る中心線Lに対して、左右非対称な第1プレート部材110Aと第2プレート部材110Bを備える。詳しくは、図22において上側の分割面112aは、中心線Lよりも第1プレート部材110Aの方へ偏った位置に設けられ、図22において下側の分割面112bは、中心線Lよりも第2プレート部材110Bの方へ偏った位置に設けられている。
この第2変形例のプレート84では、分割面112a,112bが、留め金62と押金76の分割面64,78に対して周方向の異なる位置に配置される。よって、組立作業時、シートホルダ12に向けてワッシャ36とシート27を押し付ける際に、第1プレート部材110Aと第2プレート部材110Bが離間することで、第1連結部材63Aと第2連結部材63B及び第1押圧部材77Aと第2押圧部材77Bが、一緒に離間することを抑制できる。よって、留め金62と押金76に対して取付位置を変更する必要がない。その結果、メカニカルシール10の組立性をより効果的に向上できる。
(プレートの第3変形例)
図23に示す第3変形例のプレート84のプレート部材110A,110Bは、幅方向の中心線Hcとコイルスプリング96による重心位置Gpとが一致するように、プレート本体111から把手113のアーム部114a突出させた点で、第2変形例と相違する。また、図23において上側の分割面112aは、第2プレート部材110Bのアーム部114aに沿って位置し、図23において下側の分割面112bは、第1プレート部材110Aのアーム部114aに沿って位置する点で、第2変形例と相違する。そして、この第3変形例では、第2変形例と同様の作用及び効果を得ることができる。
(プレートの第4変形例)
図24に示す第4変形例のプレート84のプレート部材110A,110Bは、第1変形例から第3変形例と同様に、外方へ突出する一対の把手113を備える。把手113は、中心線Lに沿ってプレート本体111から外向きに突出する基部115aと、中心線Lに沿って基部115aから外方へ突出する把持部115bを備える。第1プレート部材110Aの把持部115bと第2プレート部材110Bの把持部115bとは、互いに重なり合うように構成されている。
プレート部材110A,110Bには、コイルスプリング96が当接する部分の径方向外側に、分割面112a,112bに対して直交する向きに延びるスリット116が設けられている。このスリット116によって、把持部115bを把持してプレート84を操作する時に、操作力がプレート本体111に直接伝わることを防止している。スリット116は、分割面112a,112bから、複数のコイルスプリング96による重心位置Gpと対応する位置にかけて設けられている。分割面112a,112bと交差する方向の基部115aの横幅は、スリット116の全長よりも広い。基部115aの外端とスリット116の外端との間の部分は、アーム部115cを構成する。アーム部115cの幅方向の中心線Hcは、複数のコイルスプリング96による重心位置Gpよりも外側に位置している。
この第4変形例のプレート84では、スリット116によって、複数のコイルスプリング96による重心位置Gpから外側へ離れた位置にアーム部115cが形成されている。よって、シート27をシートホルダ12の取付凹部21内に配置する際、第1変形例のプレート84と同様に、プレート部材110A,110Bを離間させることなく、プレート本体111を平面状に維持できる。よって、コイルスプリング96の付勢力のバラツキを無くし、その付勢力をプレート本体111で確実に受け止めることができる。その結果、サブアッセンブリ化した留め金62、押金76、プレート84、及びコイルスプリング96によって、シート27をシートホルダ12の取付凹部21内に作業性よく押し込むことができる。
(プレートの第5変形例)
図25に示す第5変形例のプレート84のプレート部材110A,110Bは、左右非対称の分割面117,118を備える。また、第5変形例のプレート部材110A,110Bは、第4変形例と同様に、基部115aと把持部115bを有する一対の把手113を備える。
図25において上側の分割面117は、第1部分117aから第5部分117eを備える。第1部分117aは、中心線Lに沿ってプレート本体111の内周から外向きに延びている。第2部分117bは、コイルスプリング96が当接する部分の外側において、中心線Lから第1プレート部材110Aの方へ、中心線Lに対して直交する向きに延びている。第3部分117cは、中心線Lに沿って第2部分117bの先端から外向きに延びている。第4部分117dは、第3部分117cの先端から中心線Lにかけて、中心線Lに対して直交する向きに延びている。第5部分117eは、中心線Lに沿って第4部分117dの先端からプレート本体111の外周にかけて外向きに延びている。また、第2プレート部材110Bには、第4部分117dに対して直線上に連続するスリット119aが設けられている。
図25において下側の分割面118は、第1部分118aから第5部分118eを備える。第1部分118aは、中心線Lに沿ってプレート本体111の内周から外向きに延びている。第2部分118bは、コイルスプリング96が当接する部分の外側において、中心線Lから第2プレート部材110Bの方へ、中心線Lに対して直交する向きに延びている。第3部分118cは、中心線Lに沿って第2部分118bの先端から外向きに延びている。第4部分118dは、第3部分118cの先端から中心線Lにかけて、中心線Lに対して直交する向きに延びている。第5部分118eは、中心線Lに沿って第4部分118dの先端からプレート本体111の外周にかけて外向きに延びている。また、第1プレート部材110Aには、第4部分118dに対して直線上に連続するスリット119bが設けられている。
分割面117,118の第3部分117c,118cは、複数のコイルスプリング96による重心位置Gpと対応する位置に設けられている。スリット119a,119bは、第3部分117c,118cから反対側の重心位置Gpと対応する位置にかけて設けられている。これにより、基部115aの外端と第3部分117c,118cの間、及び基部115aの外端とスリット117c,118cの外端との間には、アーム部115cが形成されている。
また、分割面117の第2部分117bから第4部分117dによって、第1プレート部材110Aには溝135aが設けられ、第2プレート部材110Bには溝135aに嵌合する突片136aが設けられている。また、分割面118の第2部分118bから第4部分118dによって、第2プレート部材110Bには溝135bが設けられ、第1プレート部材110Aには溝135bに嵌合する突片136bが設けられている。
この第5変形例のプレート84では、非対称形状の分割面117,118によって、溝135a,135bと突片136a,136bが形成され、これらの嵌合によって、プレート部材110A,110B間の位置ズレを防止できる。よって、シート27をシートホルダ12の取付凹部21内に配置する際、プレート部材110A,110Bを離間させることなく、プレート本体111を平面状に維持できるため、コイルスプリング96の付勢力のバラツキを無くし、その付勢力をプレート本体111で確実に受け止めることができる。その結果、サブアッセンブリ化した留め金62、押金76、プレート84、及びコイルスプリング96によって、シート27をシートホルダ12の取付凹部21内に作業性よく押し込むことができる。
(プレートの第6変形例)
図26に示す第6変形例のプレート84のプレート部材110A,110Bは、分割面117,118によって形成される溝135a,135bと突片136a,136bを円弧状とした点で、第5変形例と相違する。
詳しくは、分割面117,118の第2部分117b,118bは、コイルスプリング96が当接する部分の外側において、内周部91と同心円弧状となるように形成されている。分割面117,118の第4部分117d,118dは、第2部分117b,118bと同心円弧状となるように形成されている。分割面117,118の第3部分117c,118cは、第2部分117b,118bと第4部分117d,118dを連続する接円弧状に形成されている。
このように構成した第6変形例のプレート84は、溝135a,135bと突片136a,136bの嵌合によって、プレート部材110A,110B間の位置ズレを防止できる。よって、第5変形例のプレート84と同様の作用及び効果を得ることができる。
(第2実施形態)
図27は第2実施形態のメカニカルシール10を示す。この第2実施形態では、シールカバー47を、ケーシング1の方に配置する第1カバー120と、留め金62を固定する第2カバー125とに、分割して構成した点で第1実施形態と相違する。
第1カバー120は、周方向に分割された第1カバー部材121Aと第2カバー部材121Bを備える。これらには、第1実施形態と同様に、締結用のピン穴52とボルト穴53が形成されている。第1カバー部材121Aの分割面122には、第2カバー部材121Bの分割面122との間をシールするガスケット54が配置されている。また、カバー部材121A,121Bには、第1実施形態と同様のパッキン103A,103Bが配置され、このシートパッキン102によって第1カバー120とケーシング1の間がシールされている。
第2カバー125は、周方向に分割された第1カバー部材126Aと第2カバー部材126Bを備える。これらの分割面127は、第1カバー120の分割面122に対して同一平面状に配置されている。第2カバー125とワッシャ36の間にはシール部材39が配置されている。第1カバー部材126Aと第2カバー部材126Bには、第1実施形態のカバー部材50A,50Bと同様に、留め金62を固定するための貫通孔57と、芯出し用のボルト68を配置する貫通孔58(図4参照)とが設けられている。
第1カバー部材121A,126Aと第2カバー部材121B,126Bは、位置決めピン130によって係着されている。また、第2カバー125の第1カバー部材126Aと第1カバー120の第1カバー部材121Aとの間、及び第2カバー125の第2カバー部材126Bと第1カバー120の第2カバー部材121Bとの間は、シートパッキン132によってシールされている。シートパッキン132は、シートパッキン102と同様に、分割面122,127から両端が突出した第1パッキン133Aと、分割面122,127から両端が後退した第2パッキン133Bとを備える。
また、第2実施形態のシールカバー47では、第2カバー125を回転機械のケーシング(例えば軸受カバー)に固定することで、第1カバー120が一緒にケーシング1に位置決めされる。但し、第1カバー部材121A,126Aと第2カバー部材121B,126Bに、第1実施形態に示す貫通孔55(図3参照)を回転軸2の軸線に沿って貫通して設け、第1カバー120と第2カバー125を一緒にボルト56によってケーシング1に締結してもよい。
このようにした第2実施形態のメカニカルシール10は、第1実施形態と同様に、2分割されたプレート84を治具として使用しつつ、ケーシング1に対して組み立てられる。よって、第1実施形態と同様に、メカニカルシール10の組立性をより効果的に向上できる。
(第3実施形態)
図28から図30は、第3実施形態に係るメカニカルシール10を示す。図28を参照すると、第3実施形態のメカニカルシール10では、ドライブピン93によって、留め金62、押金76、プレート84、及びコイルスプリング96がサブアッセンブリ化されており、仮止め用のボルト99(図3参照)は用いていない。図30を参照すると、組付時、プレート84に対して留め金62と押金76は、スペーサ140によって定位置に位置決めされ、留め金62を構成する連結部材63A,63Bは、ピン142によって一体化される。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図28に示すように、ドライブピン93は、プレート84(プレート部材85A,85B)及び留め金62(連結部材63A,63B)を貫通し、押金76(押圧部材77A,77B)に連結されている。ドライブピン93には押金76に連結される連結部93aが設けられ、この連結部93aの先端が、ワッシャ36(固定部材37A,37B)の係止溝41に挿入係止される係止部94を構成する。本実施形態の連結部93aはネジ部によって構成されているが、押金76の貫通孔79に圧入される構成であってもよい。なお、連結部93aがネジ部からなる場合、押金76の孔79はネジ孔によって構成される。ドライブピン93と係止部94を別部品によって構成し、連結部93aに係止部94を一体に取り付けてもよい。
ドライブピン93は、回転軸2の軸方向から見た形状がプレート84の貫通孔88よりも大きく、プレート84の外部側に配置される頭部93bを備える。図28及び図30に示すように、連結部93aから頭部93b(係止部94)までのドライブピン93の全長(連結部93aと頭部93bの間隔)は、プレート84に対する押金76の移動を許容する長さに設定されている。図28に示す組立状態では、コイルスプリング96の付勢により、プレート84に固定された留め金62から押金76が離れ、押金76がワッシャ36に押し付けられている。この状態でドライブピン93の頭部93bはプレート84から離れている。
図30に示すように、スペーサ140は、組付時に取り付けられ、定常時には取り外される治具である。スペーサ140は、ボルト98及びドライブピン93の直径よりも大きく、頭部93bの外径よりも小さい幅の挿通溝140aを備える。挿通溝140aは、回転軸2が延びる方向から見てU字形状であり、スペーサ140の上面から下面まで厚さ方向に貫通している。また、スペーサ140には、取り外す際に工具を差し込むための差込孔140bが設けられている。
上面から下面までのスペーサ140の厚みは、図28に示す組立状態のプレート84と頭部93bの間の間隔よりも厚い。このスペーサ140を組付時に用いることにより、図30に示すように、コイルスプリング96の付勢力に抗して押金76を留め金62(プレート84)の方に近づけることができる。なお、図30では、スペーサ140は、プレート84と留め金62の間に配置されているが、頭部93bとプレート84の間に配置されてもよい。但し、留め金62をプレート84から離れた仮止め位置に位置決めするには、プレート84と留め金62の間にスペーサ140を配置することが好ましい。また、スペーサ140は、押金76を介してコイルスプリング96の付勢力がワッシャ36及びシール27に伝わる厚みであってもよい。
ピン142は、円柱状(図32参照)であり、図30に示す組付時に連結部材63A,63Bの分割面に取り付けられ、図28に示す定常時には取り外される。連結部材63A,63Bの分割面には、ピン142を取り付けるための取付部73が設けられている。取付部73は、分割面に対して直交方向に窪む円形状の凹部である。連結部材63A,63Bの軸線を一致させた状態で、第1連結部材63Aの取付部73と第2連結部材63Bの取付部73とは空間的に連通する。連通した取付部73に跨がってピン142を配置することで、一対の連結部材63A,63Bを連結し、プレート部材85A,85B、押圧部材77A,77B、及びコイルスプリング96を一緒に1個のアッセンブリとして一体化する。
図29を参照すると、第3実施形態のプレート部材85A,85Bの内周部91の直径は、回転軸2の直径よりも僅かに大きい。また、第3実施形態の保持部材13A,13Bには、プレート部材85A,85Bの内周部91を差し込む位置決め溝23は設けていない。さらに、図30を参照すると、保持部材13A,13Bには、シートホルダ12にシート27を押し込む際に使用される把手143を取り付ける取付穴(図示せず)が設けられている。この取付穴は、保持部材13A,13Bの外周面から径方向内向きに窪む凹部からなる。なお、把手143は、シートホルダ12に対するシート27の装着後、取り外される。
第3実施形態のメカニカルシール10をケーシング1及び回転軸2に組み付ける場合、図29に示すように、まず、プレート部材85A,85Bを配置用の治具として使用する。具体的には、プレート部材85A,85Bを回転軸2の周囲に配置してケーシング1の端面に当接させた後、その上にシール部材18と保持部材13A,13Bを配置し、保持部材13A,13Bをボルトによって締結する。また、セットボルト19(図3参照)によって保持部材13A,13Bを回転軸2に固定する。
続いて、第1実施形態と同様に、シートホルダ12上にプレート部材85A,85Bを載置し、その上に回転部材28A,28Bと固定部材37A,37Bを順番に載置する。そして、回転部材28A,28B及び固定部材37A,37Bそれぞれの分割面の段差を無くし、それぞれグリスの粘着力によって一体化する。その後、シートホルダ12とシート27の間からプレート部材85A,85Bを取り外し、ワッシャ36とシート27を自重によってシール部材31上に配置する。
次に、図30に示すように、取り外したプレート部材85A,85Bに対して、連結部材63A,63B、押圧部材77A,77B、及びコイルスプリング96をそれぞれ配置する。また、プレート84と留め金62の間にはスペーサ140を配置する。この状態で、スペーサ140を介してプレート84と留め金62をボルト98によって連結するとともに、ドライブピン93によってプレート84と押金76を係着する。
続いて、組み付けた第1サブアッセンブリ(第1プレート部材85A、第1連結部材63A、第1押圧部材77A及びコイルスプリング96)と、第2サブアッセンブリ(第2プレート部材85B、第2連結部材63B、第2押圧部材77B及びコイルスプリング96)を回転軸2の外周に配置する。そして、これらをピン142によって一体化し、1個のアッセンブリとしてワッシャ36の上に載置する。また、保持部材13A,13Bに把手143をそれぞれ装着する。
次に、回転軸2の軸方向に間隔をあけて位置する把手87,143を握るように操作することで、プレート84を内部側へ移動させる。この際、一対の連結部材63A,63Bがピン142によって一体化されているため、第1サブアッセンブリと第2サブアッセンブリとが離れる向きに倒れることを防止できる。これにより、シート27をシートホルダ12の取付凹部21内に押し込む作業性を向上できる。但し、この際にはスペーサ140を配置せずに一対のサブアッセンブリを用いてもよい。この場合、スペーサ140の厚み分コイルスプリング96の可動範囲を確保できるため、シート27の押込作業性を向上できる。
続いて、回転軸2から第1サブアッセンブリと第2サブアッセンブリを取り外し、連結部材63A,63Bからピン142を取り外す。そして、一対のサブアッセンブリをカバー部材50A,50Bにそれぞれ装着する。この際、スペーサ140によって留め金62は、プレート84に対して定められた仮止め位置に位置決めされているため、第1実施形態のような調整作業は不要である。
次に、第1実施形態と同様に、芯出し用のボルト68(図4参照)を取り付けたカバー部材50A,50Bを回転軸2の外周に配置し、これらをボルトによって締結する。その後、芯出し用のボルト68によって回転軸2に対するカバー部材50A,50Bの位置を調整し、ボルト56(図3参照)によってカバー部材50A,50Bをケーシング1に締結する。
最後に、芯出し用のボルト68とスペーサ140を取り外し、プレート84と留め金62の間の距離が0(ゼロ)になるまでボルト98を締め付ける。これにより、コイルスプリング96の付勢力によって、押金76を介してワッシャ36がシート27に付勢され、メカニカルシール10の組み付けが完了する。なお、第3実施形態のメカニカルシール10においても、カバー部材50A,50Bは、サブアッセンブリ化することなく単独で回転軸2の外周に配置してもよい。
以上のように、ドライブピン93は、押金76に連結される連結部93aと、プレート84の貫通孔88よりも大きい頭部93bとを備えるため、このドライブピン93を介して、プレート84、留め金62、押金76及びコイルスプリング96をサブアッセンブリ化して取り扱うことができる。また、このサブアッセンブリにスペーサ140を配置することで、ワッシャ36にコイルスプリング96の付勢力が作用しないように押金76を配置できる。よって、メカニカルシール10の組立性を向上できる。
ワッシャ36を介してシート27をシートホルダ12に押し込む際、ピン142によって一対の連結部材63A,63Bが離間することを防止できる。よって、操作力を効率的にシート27に伝えることができるため、この点でもメカニカルシール10の組立性を向上できる。但し、ピン142は、一対の連結部材63A,63Bのうち、一方に圧入によって一体に取り付け、他方に差し込む構成としてもよい。この場合、連結部材63A,63Bからピン142を取り外す作業が不要になるため、組立作業性をより向上できるとともに、取り外しに伴うケーシング1内へのピン142の脱落を防止できる。
(第4実施形態)
図31及び図32は、第4実施形態に係るメカニカルシール10を示す。図31を参照すると、第4実施形態のメカニカルシール10では、プレート84に把手87を設けずに、把手(アーム部材147)を備える組付治具145を留め金62に着脱可能に配置するようにした点で、第3実施形態と相違する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図32を参照すると、一対の連結部材63A,63Bには、第3実施形態と同様に、固定用のボルト66を配置するボルト穴65、芯出し用のボルト68(図4参照)を配置するボルト孔67、固定用のボルト98(図30参照)を配置するボルト孔69、ドライブピン93(図28参照)を貫通させる貫通孔71、コイルスプリング96を貫通させる貫通孔72、及びピン142を配置する取付部73が設けられ、仮止め用のボルト99(図3参照)を貫通させる貫通孔70は設けられていない。
連結部材63A,63Bには更に、組付治具145を配置するための配置穴74が、合計で6個設けられている。配置穴74は、連結部材63A,63Bの外側から内側へ窪む凹部からなり、分割面64に沿って平行に延びている。図32において上側の分割面64の方には、第1連結部材63Aに2個の配置穴74が間隔をあけて設けられ、第2連結部材63Bに1個の配置穴74が設けられている。図32において下側の分割面64の方には、第1連結部材63Aに1個の配置穴74が設けられ、第2連結部材63Bに2個の配置穴74が間隔をあけて設けられている。
組付治具145は、メカニカルシール10をケーシング1に組み付ける際に取り付けられ、メカニカルシール10の組付後には取り外されている。組付治具145は、連結部材63A,63Bがそれぞれ備える一対の分割面64のうち、一方と他方にそれぞれ着脱可能に配置される。個々の組付治具145は、ブロック状のベース部材146と、3本の棒状のアーム部材147とを備える。
アーム部材147は、連結部材63A,63Bの配置穴74と対応するように、ベース部材146に貫通して配置されている。図32において上側の分割面64の方では、2本のアーム部材147が第1連結部材63Aに装着され、1本のアーム部材147が第2連結部材63Bに装着される。図32において下側の分割面64の方では、1本のアーム部材147が第1連結部材63Aに装着され、2本のアーム部材147が第2連結部材63Bに装着される。
なお、組付治具145の構成は、図32に示す構成に限られず、必要に応じて変更が可能である。例えば、個々の組付治具145のアーム部材147(配置穴74を含む)の数は、2本であってもよいし、4本以上であってもよい。また、ベース部材146を用いることなく、アーム部材147のみによって構成してもよい。また、組付治具145を用いる場合、この組付治具145によって連結部材63A,63B(サブアッセンブリ)の離反を防止できるため、連結用のピン142は用いなくてもよい。
第4実施形態のメカニカルシール10をケーシング1及び回転軸2に組み付ける作業は、概ね第3実施形態と同様に行われる。第3実施形態との違いは、シート27をシートホルダ12内に押し込む工程であり、この工程は次のように行われる。
図31に示すように、プレート部材85A,85B、連結部材63A,63B、押圧部材77A,77B、及びコイルスプリング96を一対のサブアッセンブリとして組み付け、これらを回転軸2の外周に配置する。続いて、一対の連結部材63A,63Bをピン142によって連結した後、連結部材63A,63Bに一対の組付治具145を取り付ける。また、保持部材13A,13Bに把手143をそれぞれ取り付ける。そして、アーム部材147と把手143を握るように操作することで、連結部材63A,63Bを内部側へ移動させ、シート27をシートホルダ12の取付凹部21内に押し込む。この作業が終了すると、把手143、組付治具145、及びピン142を取り外す。
このようにした第4実施形態では、第3実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。また、シート27をシートホルダ12内に押し込む際、一対の組付治具145が用いられるため、第1サブアッセンブリと第2サブアッセンブリとが離れる向きに倒れることを確実に防止できる。
(第5実施形態)
図33から図36は、第5実施形態に係るメカニカルシール10を示す。図36を参照すると、第5実施形態のプレート84と留め金62の間には、これらを離間させるためのスプリング150が配置されている。また、シート27は支持部材153によってシートホルダ12内に支持され、ワッシャ36は支持部材157によって押金76に支持され、静止側の部品と回転側の部品がそれぞれサブアッセンブリ化されている(セミカートリッジ式)。なお、第5実施形態のプレート84には、第4実施形態と同様に把手87は設けられていない。また、第4実施形態に示す連結部材63A,63Bを連結するピン142及び組付治具145は用いられない。上述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図36を参照すると、留め金62にはスプリング150を配置するための配置部151が設けられている。この配置部151は、プレート84側に位置する留め金62の外面から、押金76側に位置する留め金62の内面に向けて、円形状に窪む凹部からなる。配置部151は、一致させた連結部材63A,63Bの軸線を中心として、周方向に等間隔で複数(例えば4個)設けられている。
スプリング150は、コイルスプリングであり、配置部151に圧縮状態で配置されている。また、プレート84に対して押金76は、ドライブピン93及びコイルスプリング96によって係着されている。これにより、留め金62にプレート84を固定するボルト98(図33参照)を取り外した状態では、図36に示すように、スプリング150の付勢力によって押金76をプレート84の方へ近づけることができる。より具体的には、スプリング150の付勢力によって、カバー部材50A,50Bに固定された連結部材63A,63Bに対して、プレート部材85A,85Bが離れる向きに移動する。これにより、ドライブピン93及びコイルスプリング96を介してプレート部材85A,85Bと一体化された押金76が、連結部材63A,63Bに近づく向きに移動する。
図33及び図34に示すように、シート27は、取付凹部21内に配置され、第1の支持部材153と第1のシール部材31とによって回転軸2の径方向の定位置に支持されている。なお、本実施形態のシール部材31は、Oリングを周方向に二分割した半円環状の第1部材と第2部材とで構成されている。これらの端面には、ボールジョイントのように互いに連結される連結構造を設けてもよい。
支持部材153は、弾性的に変形可能なゴム製であり、シート27を支持する支持部153aと、取付凹部21に取り付けるための取付部153bとを備える。シート27には支持部材153に係着するための位置決め溝154が設けられ、取付凹部21には支持部材153を取り付けるための取付穴155が設けられている。
支持部153aは、概ね半球状であり、取付凹部21における径方向内側の壁から突出し、シート27(回転部材28A,28B)の内周面の一部を支持する。位置決め溝154は、支持部153aの一部が嵌まることが可能な窪みであり、回転部材28A,28Bの内周にそれぞれ設けられ、回転部材28A,28Bの組立状態で円環状をなす。
取付部153bは、円柱状であり、支持部153aから突出し、取付凹部21におけるシート27との対向部分に取り付けられる。取付部153bの直径は、半球状の支持部153aの直径よりも小さい。取付穴155は、取付部153bが挿入される貫通した孔であり、取付凹部21の内周壁(径方向内側の部分)に設けられている。
図33及び図35に示すように、ワッシャ36は、第2の支持部材157と第2のシール部材39とによって回転軸2の径方向の定位置に支持されている。なお、本実施形態のシール部材39は、シール部材31と同様に、Oリングを周方向に二分割した半円環状の第1部材と第2部材とで構成されている。
支持部材157は、弾性的に変形可能なゴム製であり、ワッシャ36に圧入される支持部157aと、押金76に取り付けるための取付部157bとを備える。ワッシャ36には支持部材157を係着するための位置決め穴158が設けられ、押金76には支持部材157を取り付けるための取付穴159が設けられている。
支持部157aは、概ね球状であり、回転軸2の軸方向に沿って押金76(押圧部材77A,77B)から内部側へ突出し、ワッシャ36の外端の一部を支持する。位置決め穴158は、支持部157aが配置される窪み(凹部)であり、回転軸2の軸方向に沿ってワッシャ36の外部側の端面から内部側へ延びている。位置決め穴158の直径は、球状の支持部157aを嵌め込むことが可能な大きさである。
取付部157bは、円柱状であり、支持部157aから突出し、押金76におけるワッシャ36との対向部分に取り付けられる。取付部157bの直径は、球状の支持部157aの直径よりも小さい。取付穴159は、取付部157bが挿入される貫通した孔であり、回転軸2の軸方向に貫通するように押金76(押圧部材77A,77B)に設けられている。
第5実施形態のメカニカルシール10をケーシング1及び回転軸2に組み付ける場合、図36に示すように、一対の回転側半割ユニットと、一対の静止側半割ユニットとを組み立てる。その後、合計で4個の半割ユニットをケーシング1及び回転軸2に組み付ける。なお、各半割ユニットの組立方法の一例を以下に説明するが、これらの組立方法はこの限りではない。
回転側半割ユニットを組み立てる場合、まず、保持部材13A,13Bの取付凹部21内に支持部材153とシール部材31をそれぞれ配置し、これらの間に回転部材28A,28Bを圧入する。これにより、支持部材153とシール部材31の弾性によって、回転部材28A,28Bが保持部材13A,13Bにフローティング状態でそれぞれ保持される。
静止側半割ユニットを組み立てる場合、まず、連結部材63A,63Bとプレート部材85A,85Bとの間にスプリング150とスペーサ140をそれぞれ配置し、ボルト98によって連結部材63A,63Bとプレート部材85A,85Bをそれぞれ連結する。続いて、ボルト66(図33参照)によって連結部材63A,63Bをカバー部材50A,50Bにそれぞれ連結する。
次に、連結部材63A,63Bの貫通孔72にコイルスプリング96をそれぞれ配置した後、カバー部材50A,50B内に押圧部材77A,77Bをそれぞれ配置する。また、プレート部材85A,85Bを貫通させたドライブピン93を押圧部材77A,77Bに連結する。これにより、シールカバー47、留め金62、押金76、プレート84、及びコイルスプリング96を半割状態のサブユニットとする。
続いて、カバー部材50A,50Bにシール部材39を取り付けるとともに、押圧部材77A,77Bの内部側に支持部材157を取り付ける。その後、カバー部材50A,50B内に固定部材37A,37Bをそれぞれ配置し、これらを支持部材157に圧入する。これにより、支持部材157とシール部材39の弾性によって、カバー部材50A,50B内に固定部材37A,37Bがフローティング状態でそれぞれ保持される。
ケーシング1及び回転軸2への半割ユニットの取り付けは、次のように行われる。
まず、固定側半割ユニットの組立前に、プレート部材85A,85Bを用いて一対の回転側半割ユニットを組み付ける。具体的には、各実施形態と同様に、ケーシング1上に配置したプレート部材85A,85B上に回転側半割ユニットを配置し、ボルトによって一対の保持部材13A,13Bを締結する。なお、プレート部材85A,85Bとは別の専用のプレート(治具)を用いてもよい。
次に、一対の静止側半割ユニットを一対の回転側半割ユニットの外側にそれぞれ配置し、カバー部材50A,50Bの軸方向、周方向の位置合わせを行い、これらをボルトによって締結する。また、ボルト56(図3参照)によってカバー部材50A,50Bをケーシング1に締結する。
最後に、芯出し用のボルト68(図4参照)を取り外すとともにスペーサ140を取り外し、プレート84と留め金62の間の距離が0(ゼロ)になるまでボルト98を締め付ける。これにより、コイルスプリング96の付勢力によって、押金76を介してワッシャ36がシート27に付勢され、メカニカルシール10の組み付けが完了する。
以上のように、第5実施形態では、スペーサ140を取り外してプレート84を留め金62の定位置に固定するまでは、コイルスプリング96の付勢力がワッシャ36に作用しないため、組立性を向上できる。
各構成部品を組み付ける際、支持部材153によって保持部材13A,13Bと回転部材28A,28Bをサブアッセンブリ化できる。また、支持部材157によって押圧部材77A,77Bと固定部材37A,37Bをサブアッセンブリ化できる。しかも、この固定側には、押圧部材77A,77Bとドライブピン93を介して、プレート部材85A,85B、連結部材63A,63B、及びカバー部材50A,50Bも一体化できる。よって、メカニカルシール10の組立性を大幅に向上できる。
(第6実施形態)
図37及び図38は、第6実施形態に係るメカニカルシール10を示す。図38を参照すると、第6実施形態では、保持部材13A,13Bが延伸部163をそれぞれ備え、各延伸部163にメカニカルシール10を構成する全ての半割部品がそれぞれ組み付けられている(カートリッジ式)。なお、第6実施形態のプレート84には、第4実施形態と同様に把手87は設けられていない。また、第4実施形態に示す連結部材63A,63Bを連結するピン142、把手143及び組付治具145は用いられない。上述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図37及び図38に示すように、第6実施形態の保持部材13A,13Bは、シート27を配置する保持部162と、他の半割部品を配置する延伸部163と、プレート84の外側に位置する突出部164とを備え、これらが一体に形成されている。
保持部162は、第5実施形態の保持部材13A,13Bと概ね同じ構成である。この保持部162は、セットボルト19を配置するボルト孔20を備えていない点で、第5実施形態の保持部材13A,13Bと相違する。
延伸部163は、回転軸2が延びる方向から見て半円環状(円弧状)であり、保持部162から外部側へ延伸し、プレート84から外側へ突出している。延伸部163の内径は、回転軸2の外径と概ね同一である。延伸部163の外径は、回転軸2よりも大きく、シート27、ワッシャ36、押金76、留め金62、及びプレート84それぞれの内径よりも小さく、取付凹部21の内周壁の直径よりも小さい。図38を参照すると、延伸部163には、組立時にプレート84と留め金62の間に配置されるスペーサ140の先端を位置決めする位置決め溝163aが設けられている。
突出部164は、外部に突出した延伸部163の先端に設けられ、径方向外向きに突出している。突出部164の外径は、プレート84の内径よりも大きく、カバー47の外径よりも小さい。突出部164には、セットボルト19を配置するボルト孔164aと、振止ピン165を装着する装着孔164bとが設けられている。ボルト孔164aは、突出部164の外周面から内周面まで径方向に貫通して設けられ、セットボルト19の締め付けによって保持部材13A,13Bを回転軸2に位置決めする。装着孔164bは、留め金62(連結部材63A,63B)のボルト孔69と対応する角度位置に設けられ、回転軸2の軸線に沿って突出部164を貫通している。ボルト孔164aと装着孔164bは、周方向の角度位置が一致しないように設けられている。
振止ピン165は、図38に示す組立時に用いられ、図37に示す組立状態では取り外されている。図38において下側に位置する振止ピン165の下部は、ボルト孔69に螺合されるネジ部165aである。組立時に振止ピン165は、回転側である保持部材13A,13B及び回転部材28A,28Bに対して、固定側である固定部材37A,37B、押圧部材77A,77B、連結部材63A,63B、プレート部材85A,85B、及びカバー部材50A,50Bを位置決めし、径方向の移動を防止する。なお、振止ピン165は、その外周にゴム製部品を配置することで、フローティング状態で保持されるようにしてもよい。
第6実施形態のメカニカルシール10をケーシング1及び回転軸2に組み付ける場合、まず、固定側部品を第5実施形態と同様に一対の固定側サブアッセンブリとして組み立てるとともに、一対の回転側サブアッセンブリを組み立てる。そして、一対の回転側サブアッセンブリに対して、一対の固定側サブアッセンブリをそれぞれ組み付ける。その後、固定側と回転側を一体とした一対のアッセンブリをケーシング1及び回転軸2に組み付ける。
具体的には、まず、連結部材63A,63B、プレート部材85A,85B、スプリング150、及びスペーサ140をそれぞれ組み付けた後、これらをカバー部材50A,50Bに組み付ける。次に、カバー部材50A,50B内に押圧部材77A,77B及びコイルスプリング96を配置し、これらをドライブピン93によって組み付ける。続いて、カバー部材50A,50B内にシール部材39と支持部材157を組み付けた後、固定部材37A,37Bをそれぞれ組み付ける。これにより、固定側部品が一対のサブアッセンブリとして組み付けられる。
次に、保持部材13A,13Bの取付凹部21内に支持部材153とシール部材31をそれぞれ配置し、これらの間に回転部材28A,28Bを圧入する。これにより、回転側部品が一対のサブアッセンブリとして組み付けられる。その後、一対の固定側サブアッセンブリを一対の回転側サブアッセンブリの延伸部163の外側に配置する。そして、スペーサ140の先端を位置決め溝163aに差し込むとともに、装着孔164bを貫通させた振止ピン165をボルト孔69に螺合する。これにより、概ね半円筒形状の保持部材13A,13Bに対して、メカニカルシール10を構成する全ての半割部品がそれぞれ組み付けられ、2個のアッセンブリが形成される。
これらのアッセンブリをケーシング1及び回転軸2に組み付ける場合、まず、回転軸2の外側に一対のアッセンブリを配置し、ボルトによって一対の保持部材13A,13Bを締結する。続いて、カバー部材50A,50Bをケーシング1の端面に当接させ、カバー部材50A,50Bとケーシング1の周方向の位置合わせを行う。そして、ボルトによってカバー部材50A,50Bを締結した後、芯出し用のボルト68(図4参照)によって回転軸2とカバー部材50A,50Bの位置を調整する。その後、ボルト56(図3参照)によってカバー部材50A,50Bをケーシング1に締結するとともに、セットボルト19によって保持部材13A,13Bを回転軸2に固定する。
最後に、芯出し用のボルト68、スペーサ140、及び振止ピン165を取り外し、プレート84と留め金62の間の距離が0(ゼロ)になるまでボルト98を締め付ける。これにより、コイルスプリング96の付勢力によって、押金76を介してワッシャ36がシート27に付勢され、メカニカルシール10の組み付けが完了する。
以上のように、第6実施形態では、スペーサ140を取り外してプレート84を留め金62の定位置に固定するまでは、コイルスプリング96の付勢力がワッシャ36に作用しないため、組立性を向上できる。また、本実施形態では、延伸部163を備える保持部材13A,13Bに対してそれぞれ、メカニカルシール10を構成する全ての半割部品を一体に組み付けることができるため、メカニカルシール10の組立性を大幅に向上できる。
なお、本発明の分割型メカニカルシール10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、第1実施形態では、シート27、ワッシャ36、シールカバー47、及びプレート84を周方向に分割した環状体として構成すれば、シートホルダ12、留め金62、及び押金76は非分割の環状体として構成してもよい。第2実施形態では、シールカバー47のうち、第1カバー120を周方向分割した環状体として構成すれば、第2カバー125は非分割の環状体として構成してもよい。但し、プレート84を組立用の治具として用いない場合、プレート84も非分割の環状体として構成してもよい。また、留め金62は、シールカバー47の外部側(第2実施形態では第2カバー125)に一体に設けてもよい。さらに、第3実施形態から第6実施形態のシールカバー47も、第2実施形態のように第1カバーと第2カバーに分割してもよい。第3実施形態及び第4実施形態のメカニカルシール10に、押金76に対してプレート84を離間させるスプリング150を用いてもよい。
1…ケーシング
1a…ボルト穴
2…回転軸
10…分割型メカニカルシール
12…シートホルダ
13A…第1保持部材
13B…第2保持部材
14…分割面
15…ピン穴
16…ボルト穴
17…ガスケット
18…シール部材
19…セットボルト
20…ボルト孔
21…取付凹部
22…ピン
23…位置決め溝
27…シート(回転環)
28A…第1回転部材
28B…第2回転部材
29…分割面
30…段部
31…シール部材
32…係止溝
36…ワッシャ(固定環)
37A…第1固定部材
37B…第2固定部材
38…分割面
39…シール部材
40…凸部
41…係止溝
44…シール面
47…シールカバー
48…貫通孔
49…封止液室
50A…第1カバー部材
50B…第2カバー部材
51…分割面
52…ピン穴
53…ボルト穴
54…ガスケット
55…貫通孔
56…ボルト
57…貫通孔
58…貫通孔
59…ドレン孔
62…留め金
63A…第1連結部材
63B…第2連結部材
64…分割面
65…ボルト穴
66…ボルト
67…ボルト孔
68…ボルト
69…ボルト孔
70…貫通孔
71…貫通孔
72…貫通孔
73…取付部
74…配置穴
76…押金
77A…第1押圧部材
77B…第2押圧部材
78…分割面
79…貫通孔
80…ボルト穴
84…プレート
85A…第1プレート部材
85B…第2プレート部材
86…分割面
87…把手
88…貫通孔
89…貫通孔
90…貫通孔
91…内周部
93…ドライブピン
93a…連結部
93b…頭部
94…係止部
96…コイルスプリング
98…ボルト
99…ボルト
102…シートパッキン
103A…第1パッキン
103B…第2パッキン
104a,104b…端
110A…第1プレート部材
110B…第2プレート部材
111…プレート本体
112a,112b…分割面
113…把手
114a…アーム部
114b…連結部
114c…把持部
115a…基部
115b…把持部
115c…アーム部
116…スリット
117…分割面
117a…第1部分
117b…第2部分
117c…第3部分
117d…第4部分
117e…第5部分
118…分割面
118a…第1部分
118b…第2部分
118c…第3部分
118d…第4部分
118e…第5部分
119a,119b…スリット
120…第1カバー
121A…第1カバー部材
121B…第2カバー部材
122…分割面
125…第2カバー
126A…第1カバー部材
126B…第2カバー部材
127…分割面
130…位置決めピン
132…シートパッキン
133A…第1パッキン
133B…第2パッキン
135a,135b…溝
136a,136b…突片
140…スペーサ
140a…挿通溝
140b…差込孔
142…ピン
143…把手
145…組付治具
146…ベース部材
147…アーム部材
150…スプリング
151…配置部
153…支持部材
153a…支持部
153b…取付部
154…位置決め溝
155…取付穴
157…支持部材
157a…支持部
157b…取付部
158…位置決め穴
159…取付穴
162…保持部
163…延伸部
163a…位置決め溝
164…突出部
164a…ボルト孔
164b…装着孔
165…振止ピン
165a…ネジ部

Claims (16)

  1. 環状体を周方向に分割した第1カバー部材と第2カバー部材を有し、回転機械のケーシングに固定され、前記回転機械の回転軸を貫通させるシールカバーと、
    前記ケーシングとは反対側に位置する前記シールカバーの外端に配置された環状のプレートと、
    環状体を周方向に分割した第1固定部材と第2固定部材を有し、周方向の回転が規制されて軸方向の移動が許容されるように、前記シールカバー内に配置された固定環と、
    環状体を周方向に分割した第1回転部材と第2回転部材を有し、前記回転軸と一体に回転するように、前記シールカバー内の前記ケーシングと前記固定環の間に配置された回転環と、
    前記固定環を付勢して前記回転環に当接させるコイルスプリングと、
    前記プレートと前記固定環の間に位置するように、前記シールカバーから内向きに突出し、前記プレートが固定された留め金と
    を備え、
    前記留め金は、前記コイルスプリングを貫通させる貫通孔を有し、
    前記コイルスプリングは、前記貫通孔を貫通して前記プレートと前記固定環の間に配置され、前記プレートに一端が当接している、分割型メカニカルシール。
  2. 前記プレートは、環状体を周方向に分割した第1プレート部材と第2プレート部材を有し、
    前記第1プレート部材と前記第2プレート部材の両面は平面状である、請求項1に記載の分割型メカニカルシール。
  3. 前記回転環に対して前記固定環とは反対側に配置され、前記回転軸に固定されて前記回転環を保持するシートホルダを備え、
    前記シートホルダには、前記第1プレート部材と前記第2プレート部材の内周部を差し込む溝が形成されている、請求項2に記載の分割型メカニカルシール。
  4. 前記シートホルダは、環状体を周方向に分割した第1保持部材と第2保持部材を有し、
    前記第1保持部材は前記第1回転部材を取付状態に支持する支持部材を備え、前記第2保持部材は前記第2回転部材を取付状態に支持する支持部材を備える、請求項3に記載の分割型メカニカルシール。
  5. 前記第1保持部材及び前記第2保持部材はそれぞれ、前記回転軸が延びる方向から見て円弧状をなし、前記プレートの外側へ延伸する延伸部を有し、
    前記第1保持部材の前記延伸部に、前記第1固定部材、前記第1回転部材、及び前記第1プレート部材が組み付けられ、
    前記第2保持部材の前記延伸部に、前記第2固定部材、前記第2回転部材、及び前記第2プレート部材が組み付けられている、請求項4に記載の分割型メカニカルシール。
  6. 前記第1固定部材と前記第2固定部材、及び前記第1回転部材と第2回転部材は、対称形状であり、
    前記第1プレート部材と前記第2プレート部材は非対称形状である、請求項2から5のいずれか1項に記載の分割型メカニカルシール。
  7. 前記留め金は、環状体を周方向に分割した第1連結部材と第2連結部材を有し、
    前記第1連結部材の分割面及び前記第2連結部材の分割面には、これらの連結するピンを取り付ける取付部が設けられている、請求項1から6のいずれか1項に記載の分割型メカニカルシール。
  8. 前記プレートは、外向きに突出する一対の把手を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の分割型メカニカルシール。
  9. 前記固定環と前記コイルスプリングの他端との間に配置され、前記コイルスプリングの付勢力によって前記固定環を前記回転環に向けて押圧する押金を備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の分割型メカニカルシール。
  10. 前記押金は、前記プレートを貫通したボルトが仮止めされるボルト穴を備える、請求項9に記載の分割型メカニカルシール。
  11. 前記プレート及び前記留め金を貫通して前記押金に連結されたドライブピンを備え、
    前記ドライブピンは、前記プレートの外側に配置され、前記プレートに形成された孔よりも大きい頭部を有し、
    前記ドライブピンの全長は、前記プレートに対する前記押金の移動を許容する長さである、請求項9に記載の分割型メカニカルシール。
  12. 前記プレートと前記留め金の間、又は前記プレートと前記ドライブピンの前記頭部との間に着脱可能に配置され、前記押金を前記プレートの方へ近づけるスペーサを備える、請求項11に記載の分割型メカニカルシール。
  13. 前記プレートと前記留め金の間に、前記押金を前記プレートの方へ近づけるスプリングを備える、請求項11又は12に記載の分割型メカニカルシール。
  14. 前記押金は、環状体を周方向に分割した第1押圧部材と第2押圧部材を有し、
    前記第1押圧部材は前記第1固定部材を取付状態に支持する支持部材を備え、前記第2押圧部材は前記第2固定部材を取付状態に支持する支持部材を備える、請求項9から13のいずれか1項に記載の分割型メカニカルシール。
  15. 前記第1カバー部材の分割面には、前記第2カバー部材の分割面との間をシールするガスケットが配置され、
    前記ケーシングと前記シールカバーの間には、環状体を周方向に分割した第1パッキンと第2パッキンを有するシールパッキンが配置されており、
    前記第1パッキンは前記第1カバー部材に配置され、両端が前記第1カバー部材の前記分割面からそれぞれ突出し、
    前記第2パッキンは前記第2カバー部材に配置され、両端が前記第2カバー部材の前記分割面からそれぞれ後退している、請求項1から14のいずれか1項に記載の分割型メカニカルシール。
  16. 環状体を周方向に分割した第1カバー部材と第2カバー部材を有し、回転機械のケーシングに固定され、前記回転機械の回転軸を貫通させるシールカバーと、
    周方向の回転が規制されて軸方向の移動が許容されるように、前記シールカバー内に配置された固定環と、
    前記回転軸と一体に回転するように、前記シールカバー内の前記ケーシングと前記固定環の間に配置され、付勢によって前記固定環が当接された回転環と、
    前記第1カバー部材の分割面に配置され、前記第2カバー部材の分割面との間をシールするガスケットと、
    環状体を周方向に分割した第1パッキンと第2パッキンを有し、前記ケーシングと前記シールカバーの間をシールするシールパッキンと
    を備え、
    前記第1パッキンは前記第1カバー部材に配置され、両端が前記第1カバー部材の前記分割面からそれぞれ突出し、
    前記第2パッキンは前記第2カバー部材に配置され、両端が前記第2カバー部材の前記分割面からそれぞれ後退している、分割型メカニカルシール。
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