JP7164262B1 - 塗布装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非円形状をしたワークの外周端面に対して、該ワークの厚さ以下の塗り幅で膜形成液を精度良く塗布することができる塗布装置を提供すること。【解決手段】回転機構部20が、ワーク2と、ワーク2の外形と同一形状をした倣い型22とが同一回転軸中心で同期回転可能に構成され、塗布機構部30が、倣い型22の外周端面22aに押し当てられた状態で、倣い型22とともに回転可能な押当ローラ31と、ワーク2の外周端面2aに押し当てられた状態で、ワーク2とともに回転しながらワーク2の外周端面2aに膜形成液3を塗布する塗布ローラ33を含む塗布部32と、同一外径を有する押当ローラ31と塗布ローラ33とを同期回転させる回転伝達機構40とを装備する。【選択図】図2

Description

本発明は塗布装置に関し、より詳細には、非円形状のレンズなど、様々な形状をしたワークの外周端面に膜形成液を塗布することができる塗布装置に関する。
カメラや顕微鏡などの光学機器の製造工程には、これら光学機器に用いられるレンズへの入射光がレンズ面やレンズ外周面などに反射して発生するフレアやゴーストなどの現象を防止するために、レンズの外周部分に反射防止用の塗料(例えば、黒色系の塗料)を塗布する工程が含まれている。この塗布工程は墨塗工程とも言われている。
前記光学機器に用いられるレンズには大小さまざまなサイズや形状のものがあるため、前記墨塗工程の自動化は容易ではなく、また、前記墨塗工程では、高い塗布精度が要求されるため、熟練作業者が筆や刷毛などの器具を用いた手作業で塗布する場合も多く、作業効率を高めることが難しいという課題があった。
係る課題に鑑み、前記塗布工程の効率化を図るための塗布装置が、例えば、下記の特許文献1、2に開示されている。
特許文献1記載の塗布装置は、墨などの塗布材料を円板状のロールの外周面に塗布し、該ロールに塗布された塗布材料を円板状の転写ロールの外周面に転写し、そして転写ロールに転写された塗布材料をレンズの外周面に塗布する構成となっている。
しかしながら、特許文献1記載のロール転写方式の塗布装置では、小判型レンズなどの円形でない形状をした光学素子に対しては、前記塗布材料を一工程で全周に塗布することができないという課題があった。
そこで、係る課題を解決するために、特許文献2記載の塗布装置では、小判型レンズを保持する吸着筒に、前記小判型レンズの外径形状と同形状のカムが固定され、前記小判型レンズの外周位置に多孔質材料で形成された塗布チップが設けられ、前記カムに当接する位置にカムフォロアが設けられている。そして、前記カムフォロアは、カムベースを介して、下ばねにより押圧された下スライドテーブルに取り付けられ、該下スライドテーブルの上に、上ばねにより押圧された上スライドテーブルが設けられ、該上スライドテーブルの上に、チップホルダを介して前記塗布チップが取り付けられている。
特許文献2記載の塗布装置によれば、前記カムと前記カムフォロアと前記下スライドテーブルと前記下ばねとにより、前記小判型レンズの回転に同期して、前記塗布チップからレンズ塗布面までの距離を調整することができ、円形でない前記小判型レンズの外周面に対する塗布を自動化することができるとしている。
[発明が解決しようとする課題]
近年、上記したカメラや顕微鏡などの光学レンズの他に、レンズ部分に様々な情報を表示する、所謂、スマートグラス(メガネ型のウェアラブルデバイス)などの非円形状をした薄形レンズの外周端面に遮光材を精度良く塗布することができる装置の開発が要望されている。
例えば、特許文献2記載の塗布装置を用いて、前記薄形レンズの外周端面に前記遮光材を塗布することを想定した場合、特許文献2記載の塗布装置では、多孔質材料で形成された前記塗布チップが前記薄型レンズの外周面に押し付けられて前記遮光材が塗布されることとなる。
特許文献2記載の塗布装置を用いた場合、多孔質材料で形成された前記塗布チップが前記薄型レンズの外周面に押し付けられるため、前記薄形レンズの外周端面だけでなく外周縁部にまで前記遮光材が塗布されることとなり、前記薄型レンズの外周端面にだけ、換言すれば、レンズの厚さ以下の塗り幅で前記遮光材を精度良く塗布することができないという課題があった。
特開平6-142577号公報 特開平11-156260号公報
課題を解決するための手段及びその効果
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、被塗布対象となるワークが非円形状の薄形レンズなどであっても、前記ワークの形状に応じて、前記ワークの外周端面にだけ膜形成液を精度良く塗布することができる塗布装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明に係る塗布装置(1)は、
ワークを回転させる回転機構部と、
該回転機構部により回転される前記ワークの外周端面に膜形成液を塗布する塗布機構部とを備えた塗布装置であって、
前記回転機構部が、
前記ワークと、該ワークの外形と略同一形状をした倣い型とが同一の回転軸中心で同期回転可能に構成され、
前記塗布機構部が、
前記倣い型の外周端面に押し当てられた状態で、前記倣い型とともに回転可能な押当ローラと、
前記ワークの外周端面に押し当てられた状態で、前記ワークとともに回転しながら前記ワークの外周端面に前記膜形成液を塗布する塗布ローラを含む塗布部と、
略同一外径を有する前記押当ローラと前記塗布ローラとを同期回転させる回転伝達機構とを備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(1)によれば、前記回転機構部によって、略同一外形を有する前記ワークと前記倣い型とが同一の回転軸中心で同期回転可能に構成されている。また、前記塗布機構部によって、前記押当ローラが前記倣い型の外周端面に、前記塗布ローラが前記ワークの外周端面にそれぞれ押し当てられた状態で、略同一外径を有する前記押当ローラと前記塗布ローラとを前記回転伝達機構により同期回転させることが可能となっている。したがって、前記倣い型と前記押当ローラとの回転動作と、前記ワークと前記塗布ローラとの回転動作を同期させることができる。
そして、前記倣い型を設けることによって、前記ワークの形状に応じて(換言すれば、前記ワークの形状を問わず)、前記ワークの外周端面に前記塗布ローラを回転させながら接触させることが可能となり、前記塗布ローラから前記ワークの外周端面に前記ワークの厚さ以下の塗り幅で前記膜形成液を精度良く塗布することができる。
また、前記ワークが薄型で、ひびや割れ等の損傷しやすいものであっても、前記倣い型を設けることによって、前記ワークの外周端面に対する前記塗布ローラの押し当て力が制限されるため、前記ワークの損傷も防止できる。
また本発明に係る塗布装置(2)は、上記塗布装置(1)において、
前記塗布機構部が、
前記倣い型の回転に伴う、前記倣い型の回転中心から前記倣い型と前記押当ローラとの接点までの距離の変化に同期させながら、前記倣い型の外周端面に倣うように前記押当ローラの位置を調整可能とする倣い位置調整機構を備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(2)によれば、前記倣い型の回転に伴い、前記倣い型の回転中心から前記倣い型と前記押当ローラとの接点までの距離が変化する場合(例えば、前記ワーク及び前記倣い型が非円形状のものである場合)であっても、前記倣い位置調整機構によって、前記押当ローラが前記倣い型の外周端面に押し当てられた状態で回転するように、前記距離の変化に同期して、前記押当ローラの位置が正確に調整されることとなる。
また、この動作に同期して、前記塗布ローラが前記ワークの外周端面に押し当てられた状態で回転するように、前記距離の変化に同期して、前記塗布ローラの位置も正確に調整されることとなる。
したがって、前記ワークが、円形状のものだけでなく、非円形状のものであっても、前記ワークの外周端面に対して、該ワークの厚さ以下の塗り幅で前記膜形成液を精度良く塗布することができる。
また本発明に係る塗布装置(3)は、上記塗布装置(2)において、
前記倣い位置調整機構が、
前記押当ローラ、前記塗布部、及び前記回転伝達機構が動作可能に取り付けられた取付部材を、前記倣い型の回転中心と前記押当ローラの回転中心とを結ぶ直線に沿った第1の方向に移動可能とする移動機構と、
該移動機構に取り付けられた前記取付部材を前記第1の方向に押圧調整可能とする押圧調整部とを含んで構成されていることを特徴としている。
上記塗布装置(3)によれば、前記移動機構により、前記取付部材が前記第1の方向に移動可能に構成され、また、前記押圧調整部により、前記移動機構に取り付けられた前記取付部材が前記第1の方向に押圧調整可能に構成されている。
したがって、前記押当ローラ、前記塗布部、及び前記回転伝達機構が一体化された状態で、かつ前記倣い型の外周形状に倣うように前記押当ローラが前記倣い型に押し当てられた状態で、前記取付部材を前記第1の方向に移動させることができる。これにより、塗布動作中に、前記押当ローラ及び前記塗布ローラの回転軸のずれが発生することを防止でき、前記塗布ローラを前記ワークの外周形状に倣うように前記ワークに押し当てる動作の精度を一層高めることができる。
また本発明に係る塗布装置(4)は、上記塗布装置(1)~(3)のいずれかにおいて、
前記塗布機構部が、前記塗布ローラを前記ワークの外周端面に押圧する力を調整する塗布ローラ押圧部を備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(4)によれば、前記塗布ローラ押圧部によって、前記塗布ローラが前記ワークの外周端面を押圧する力が適度に調整されることとなり、前記ワークの外周端面に前記膜形成液を一定の押圧力で塗布することができる。
また本発明に係る塗布装置(5)は、上記塗布装置(4)において、
前記塗布ローラ押圧部が、
前記ワークの回転中心と前記塗布ローラの回転中心とを結ぶ直線に沿った第2の方向に付勢力可変な状態で配置される弾性部材を含んで構成されていることを特徴としている。
上記塗布装置(5)によれば、前記弾性部材により、前記ワークに対する前記塗布ローラの押圧力が前記倣い型に対する前記押当ローラの押圧力よりも小さくなるように調整することができる。したがって、前記ワークの外周端面に前記塗布ローラが軽く押し当てられた状態で、前記ワークの外周端面に前記膜形成液を所望の塗り幅や塗り厚で精度良く塗布することができる。また、前記ワークの損傷防止効果も高めることができる。
また本発明に係る塗布装置(6)は、上記塗布装置(1)~(5)のいずれかにおいて、
前記回転伝達機構が、
前記押当ローラの回転を伝達する第1伝達機構と、
該第1伝達機構からの回転を伝達する第2伝達機構と、
該第2伝達機構からの回転を前記塗布ローラに伝達する第3伝達機構とを含み、
前記第1伝達機構が、
前記押当ローラの回転軸とともに回転する第1回転伝達部を含み、
前記第2伝達機構が、
前記第1回転伝達部と同期回転する第2回転伝達部が一端側に、該第2回転伝達部と同期回転する第3回転伝達部が他端側に取り付けられた第1回転伝達軸を含み、
前記第3伝達機構が、
前記塗布ローラの回転軸に取り付けられ、前記第3回転伝達部と同期回転する第4回転伝達部と、
前記第1回転伝達軸を中心に前記塗布ローラを揺動可能な形態で、前記塗布ローラの回転軸を支持する揺動腕部とを含んで構成されていることを特徴としている。
上記塗布装置(6)によれば、前記押当ローラの回転が、前記第1回転伝達部、前記第2回転伝達部、前記第1回転伝達軸、前記第3回転伝達部、及び前記第4回転伝達部を介して、前記塗布ローラに同期して伝達されるとともに、前記塗布ローラが前記第1回転伝達軸を中心にして前記揺動腕部により揺動可能な形態で支持された構成となっている。
係る構成により、前記押当ローラの回転が前記塗布ローラに同期して伝達される構成で、かつ前記ワークの外周端面に前記塗布ローラを押し当てる力の調整が容易な構成を実現できる。
また本発明に係る塗布装置(7)は、上記塗布装置(1)~(6)のいずれかにおいて、
前記塗布部が、
前記膜形成液を前記塗布ローラの外周端面に供給する液供給部と、
前記ワークの厚み以下の塗り幅を形成するための塗り溝を備え、前記塗布ローラの外周端面に当接可能に配設される液掻取部とを備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(7)によれば、前記液供給部から前記塗布ローラの外周端面に前記膜形成液が供給され、前記塗布ローラの回転に伴い、前記液掻取部により前記塗り溝の部分を除く部分の前記膜形成液が掻き取られて、前記塗布ローラの外周端面に前記塗り溝の形状をした線状の膜形成液が精度良く塗布されることとなる。
したがって、前記線状の膜形成液が塗布された前記塗布ローラの外周端面の部分を前記ワークの外周端面に押し当てた状態で、前記ワークと前記塗布ローラとを連れ回り方向に回転させることにより、前記ワークの外周端面に前記線状の膜形成液が転写される。
前記塗り溝が前記ワークの厚み以下の塗り幅を形成する形状であるので、前記ワークの外周端面に前記膜形成液を前記ワークの厚み以下の塗り幅で精度良く塗布することができる。
また本発明に係る塗布装置(8)は、上記塗布装置(1)~(7)のいずれかにおいて、
前記回転機構部が、
前記ワークを保持する保持部と、
前記倣い型が着脱可能に取り付けられる倣い型取付部とを備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(8)によれば、前記ワークが前記保持部に保持されるとともに、前記倣い型が前記倣い型取付部に着脱可能に構成されている。したがって、前記ワークの取り換えが容易に行えるとともに、前記ワークの種類に応じて、これらワークの外形と略同一形状の前記倣い型を取り付けることができる。したがって、1つの装置で、形状が異なる多種類のワークの外周端面への塗布を繰り返し行うことができ、汎用性の高い装置を実現できる。
また本発明に係る塗布装置(9)は、上記塗布装置(8)において、
前記回転機構部が、
前記保持部と前記倣い型取付部とを連結する第1回転軸と、
該第1回転軸と同軸上で連結され、駆動部からの回転駆動力により回転可能に構成された第2回転軸とを含み、
前記保持部と、前記第1回転軸と、前記第2回転軸とには、前記保持部に前記ワークを吸着保持させるための吸引路が形成されていることを特徴としている。
上記塗布装置(9)によれば、前記回転機構部が、前記第1回転軸と前記第2回転軸とが同軸上で連結される構成となっているので、前記倣い型取付部への前記倣い型の着脱が容易に行えることとなり、また、前記吸引路が形成されているので、前記保持部に前記ワークを吸着保持させることができ、前記ワークの着脱も容易に行うことができる。
また本発明に係る塗布装置(10)は、上記塗布装置(1)~(9)のいずれかにおいて、前記押当ローラの外周長さが、前記倣い型の外周長さよりも長いことを特徴としている。
上記塗布装置(10)によれば、前記押当ローラの外周長さが、前記倣い型の外周長さよりも長いので、前記倣い型が一回転しても、前記押当ローラの回転は一回転未満となる。したがって、前記押当ローラが一回転する間に、換言すれば、前記塗布ローラが一回転する間に、前記ワークの外周端面の全周に膜形成液を塗布することができる。
また本発明に係る塗布装置(11)は、上記塗布装置(1)~(5)のいずれかにおいて、前記回転伝達機構が、
前記塗布ローラと略同一外径を有する第5回転伝達部を備え、該第5回転伝達部と前記塗布ローラとを同一回転軸中心で同期回転可能にする第4伝達機構と、
前記押当ローラと前記第5回転伝達部とを同期回転可能にする第5伝達機構とを備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(11)によれば、前記第5伝達機構により前記押当ローラと前記第5回転伝達部とが同期回転し、該第5回転伝達部の回転が、前記第4伝達機構を介して前記塗布ローラに同期して伝達される。そのため、前記第5伝達機構と前記第4伝達機構とによって、前記押当ローラと前記塗布ローラとを確実に同期回転させることができる。したがって、前記押当ローラとともに回転する前記倣い型の回転動作、及び前記塗布ローラとともに回転する前記ワークの回転動作も同期させることができる。
また本発明に係る塗布装置(12)は、上記塗布装置(11)において、
前記第5伝達機構が、
前記押当ローラとともに回転可能な第6回転伝達部と、
該第6回転伝達部と略同一外径を有し、前記第5回転伝達部とともに回転可能な第7回転伝達部と、
前記第6回転伝達部と前記第7回転伝達部とを同期回転可能とする第2回転伝達軸とを備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(12)によれば、前記第2回転伝達軸を介して前記第6回転伝達部と前記第7回転伝達部とが同期回転することにより、前記押当ローラと前記第5回転伝達部とが同期回転し、該第5回転伝達部の回転が、前記第4伝達機構により前記塗布ローラに同期して伝達される。したがって、シンプルな構成で前記押当ローラと前記塗布ローラとを精度良く同期回転させることが可能となる。
また本発明に係る塗布装置(13)は、上記塗布装置(12)において、
前記第2回転伝達軸が、可撓性を有する軸を含んで構成されている、又は自在継手を含んで構成されていることを特徴としている。
上記塗布装置(13)によれば、前記第2回転伝達軸が、可撓性を有する軸を含んで、又は自在継手を含んで構成されているので、塗布動作時において、前記押当ローラと前記塗布ローラとの回転軸方向に多少のズレ(偏心)が生じた場合であっても、そのズレを吸収しながら前記押当ローラと前記塗布ローラとを精度良く同期回転させることが可能となる。
また本発明に係る塗布装置(14)は、上記塗布装置(12)又は(13)において、
前記回転伝達機構が、
前記第6回転伝達部とともに回転可能な第8回転伝達部と、
該第8回転伝達部を回転駆動させる駆動部とを備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(14)によれば、前記駆動部により前記第8回転伝達部を回転駆動させることにより、前記第8回転伝達部の回転力が、前記第6回転伝達部を介して前記押当ローラに伝達される。また、前記第8回転伝達部の回転力が、前記第6回転伝達部、前記第2回転伝達軸、前記第7回転伝達部を介して前記第5回転伝達部に伝達され、さらに、前記第5回転伝達部から前記第4伝達機構を介して前記塗布ローラに伝達される。
したがって、前記駆動部の回転駆動力が、前記押当ローラと前記塗布ローラとに伝達されて、前記押当ローラと前記塗布ローラとを精度良く同期回転させることができる。
また本発明に係る塗布装置(15)は、上記塗布装置(14)において、
前記倣い型、前記押当ローラ、前記第5回転伝達部、前記第6回転伝達部、前記第7回転伝達部、及び前記第8回転伝達部の各外周面に、噛み合わせ可能な歯形が形成されていることを特徴としている。
上記塗布装置(15)によれば、前記倣い型、前記押当ローラ、前記第5回転伝達部、前記第6回転伝達部、前記第7回転伝達部、及び前記第8回転伝達部の各外周面に、噛み合わせ可能な歯形が形成されているので、同期タイミングのズレを少なくして、同期精度を高めることができる。
また本発明に係る塗布装置(16)は、上記塗布装置(11)において、
前記第5伝達機構が、
前記押当ローラとともに回転可能な第6回転伝達部と、
該第6回転伝達部と略同一外径を有し、前記第5回転伝達部とともに回転可能な第7回転伝達部と、
該第6回転伝達部を回転駆動させる第1駆動部と、
該第7回転伝達部を回転駆動させる第2駆動部とを備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(16)によれば、前記第1駆動部の回転駆動力が前記第6回転伝達部を介して前記押当ローラに伝達され、前記第2駆動部の回転駆動力が前記第7回転伝達部を介して前記第5回転伝達部に伝達され、該第5回転伝達部の回転が、前記第4伝達機構により前記塗布ローラに同期して伝達される。したがって、前記第1駆動部と前記第2駆動部との回転駆動を同期させる構成により前記押当ローラと前記塗布ローラとを精度良く同期回転させることが可能となる。
また本発明に係る塗布装置(17)は、上記塗布装置(16)において、
前記倣い型、前記押当ローラ、前記第5回転伝達部、前記第6回転伝達部、及び前記第7回転伝達部の各外周面に、噛み合わせ可能な歯形が形成されていることを特徴としている。
上記塗布装置(17)によれば、前記倣い型、前記押当ローラ、前記第5回転伝達部、前記第6回転伝達部、及び前記第7回転伝達部の各外周面に、噛み合わせ可能な歯形が形成されているので、同期タイミングのズレを少なくして、同期精度を高めることができる。
また本発明に係る塗布装置(18)は、上記塗布装置(11)において、
前記第5伝達機構が、
前記押当ローラとともに回転可能な第6回転伝達部と、
該第6回転伝達部と略同一外径を有し、前記第5回転伝達部とともに回転可能な第7回転伝達部と、
前記第6回転伝達部とともに回転可能な第8回転伝達部と、
該第8回転伝達部を回転駆動させる第1駆動部と、
前記第7回転伝達部とともに回転可能な第9回転伝達部と、
該第9回転伝達部を回転駆動させる第2駆動部とを備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(18)によれば、前記第1駆動部の回転駆動力が前記第8回転伝達部と前記第6回転伝達部を介して前記押当ローラに伝達され、前記第2駆動部の回転駆動力が前記第9回転伝達部と前記第7回転伝達部を介して前記第5回転伝達部に伝達され、該第5回転伝達部の回転が、前記第4伝達機構により前記塗布ローラに同期して伝達される。したがって、前記第1駆動部と前記第2駆動部との回転駆動を同期させる構成により前記押当ローラと前記塗布ローラとを精度良く同期回転させることが可能となる。
また本発明に係る塗布装置(19)は、上記塗布装置(18)において、
前記倣い型、前記押当ローラ、前記第5回転伝達部、前記第6回転伝達部、前記第7回転伝達部、前記第8回転伝達部、及び前記第9回転伝達部の各外周面に、噛み合わせ可能な歯形が形成されていることを特徴としている。
上記塗布装置(19)によれば、前記倣い型、前記押当ローラ、前記第5回転伝達部、前記第6回転伝達部、前記第7回転伝達部、前記第8回転伝達部、及び前記第9回転伝達部の各外周面に、噛み合わせ可能な歯形が形成されているので、同期タイミングのズレを少なくして、同期精度を高めることができる。
また本発明に係る塗布装置(20)は、上記塗布装置(1)~(5)のいずれかにおいて、
前記回転伝達機構が、
前記押当ローラを回転駆動させる第1駆動部と、
前記塗布ローラを回転駆動させる第2駆動部とを備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(20)によれば、前記第1駆動部の回転駆動力が前記押当ローラに伝達され、前記第2駆動部の回転駆動力が前記塗布ローラに伝達される。そのため、前記第1駆動部と前記第2駆動部との回転駆動を同期させることによって、前記押当ローラと前記塗布ローラとを確実に同期回転させることができる。したがって、前記押当ローラとともに回転する前記倣い型の回転動作、及び前記塗布ローラとともに回転する前記ワークの回転動作も同期させることができる。
また本発明に係る塗布装置(21)は、上記塗布装置(11)~(20)のいずれかにおいて、前記倣い型が、外周に曲線部を有する形状であり、
前記押当ローラの半径が、前記倣い型の前記曲線部のうちの最小の曲率半径以下に設定されていることを特徴としている。
上記塗布装置(21)によれば、前記押当ローラの半径が、前記倣い型の前記曲線部のうちの最小の曲率半径以下に設定されているので、前記倣い型が曲がり具合の異なる複数の前記曲線部を有する形状であっても、前記押当ローラを前記倣い型の全ての前記曲線部に押し当てた状態で精度良く倣わせることができる。したがって、前記押当ローラと略同一外径を有する前記塗布ローラで、前記倣い型と略同一形状を有する(すなわち、曲がり具合の異なる複数の前記曲線部を有する)前記ワークの外周端面に前記膜形成液を精度良く塗布することができる。
また本発明に係る塗布装置(22)は、上記塗布装置(21)において、
前記倣い型に押当ローラ案内部が取り付けられ、
該押当ローラ案内部が、前記倣い型の前記曲線部に沿って前記押当ローラを案内可能に構成されていることを特徴としている。
上記塗布装置(22)によれば、前記押当ローラ案内部を備えることにより、前記倣い型の前記曲線部が曲がり具合の大きい形状であっても、前記倣い型の前記曲線部に沿って、前記押当ローラを前記曲線部に押し当てた状態で確実に案内することができる。これにより、前記ワークが曲がり具合の大きな曲線部を有する形状であっても、前記塗布ローラにより前記ワークの外周端面に前記膜形成液を精度良く塗布することができる。
また本発明に係る塗布装置(23)は、上記塗布装置(11)~(22)のいずれかにおいて、前記回転機構部が、
前記ワークを保持する保持部と、
一端側に前記保持部を取付け可能な保持部取付部と、他端側に前記倣い型を取付け可能な倣い型取付部とを備えた第3回転軸と、
該第3回転軸を回転自在に支持する支持部とを含み、
前記保持部と前記第3回転軸とには、前記保持部に前記ワークを吸着保持させるための吸引路が形成されていることを特徴としている。
上記塗布装置(23)によれば、前記第3回転軸が前記支持部に回転自在に支持され、前記第3回転軸の一端側に前記保持部取付部、他端側に前記倣い型取付部が設けられているので、前記保持部と前記倣い型との着脱が容易に行える。また、前記吸引路が形成されているので、前記保持部に前記ワークを吸着保持させることができ、前記ワークの着脱が容易に行える。
また本発明に係る塗布装置(24)は、上記塗布装置(11)~(23)のいずれかにおいて、前記塗布ローラの外周端面の厚さが、前記ワークの外周端面の厚さ以下であり、
前記塗布部が、
前記塗布ローラの外周端面に前記膜形成液を供給する液供給部と、
前記塗布ローラの外周端面に当接可能に配設される液伸展部と、
前記塗布ローラの外周縁部に当接可能に配設される液掻取部と、
を備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(24)によれば、前記液供給部、前記液伸展部、及び前記液掻取部を備えることにより、前記膜形成液が前記塗布ローラの外周端面からはみ出すことなく、前記外周端面にのみ、前記膜形成液を塗り広げながら付着させることができる。そして、前記塗布ローラの外周端面の厚さが、前記ワークの外周端面の厚さ以下であるので、前記塗布ローラの外周端面から前記ワークの外周端面に綺麗に転写しながら塗布することができる。
また本発明に係る塗布装置(25)は、上記塗布装置(24)において、
前記液伸展部は、前記塗布ローラの外周端面との当接面に、前記塗布ローラの回転方向に形成された複数の微小溝を備えていることを特徴としている。
上記塗布装置(25)によれば、前記液伸展部が、前記塗布ローラの外周端面との当接面に、前記複数の微小溝を備えているので、前記塗布ローラの外周端面に前記膜形成液を薄く均一に塗り広げながら付着させることができる。前記ワークの外周端面への塗布も一層綺麗に行うことができる。
本発明の実施の形態(1)に係る塗布装置の要部構成を示す平面図である。 図1におけるII-II線要部断面図である。 図1におけるIII-III線要部断面図である。 ワークの一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるb-b線断面図である。 倣い型の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるb-b線断面図である。 (a)~(c)は、実施の形態(1)に係る塗布装置による塗布動作中における倣い型と押当ローラとの動作を説明するための模式図である。 (a)~(d)は、実施の形態(1)に係る塗布装置による塗布動作中におけるワークと塗布ローラとの動作を説明するための模式図である。 実施の形態(2)に係る塗布装置の要部構成を示す平面図である。 図8におけるIX-IX線要部断面図である。 塗布動作時のIX-IX線要部断面図である。 図10におけるXI-XI線要部断面図である。 図10におけるXII-XII線要部断面図である。 図10におけるXIII-XIII線要部断面図である。 ワークの一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるb-b線断面図である。 倣い型の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるb-b線断面図である。 (a)~(c)は、実施の形態(2)に係る塗布装置による塗布動作中における倣い型と押当ローラとの動作を説明するための模式図である。 (a)~(e)は、実施の形態(2)に係る塗布装置による塗布動作中におけるワークと塗布ローラとの動作を説明するための模式図である。 別の実施の形態に係る塗布装置の要部構成を示す断面図である。 さらに別の実施の形態に係る塗布装置の要部構成を示す断面図である。
以下、本発明に係る塗布装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例を示しており、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態(1)に係る塗布装置の要部構成を示す平面図である。図2は、図1におけるII-II線断面を概略的に示す要部断面図であり、図3は、図1におけるIII-III線断面を概略的に示す要部断面図である。なお、図2、3においては、図示の便宜上、断面を示すハッチングは省略している。
塗布装置10は、ワーク2の外周端面2a(図2)に膜形成液3を外周端面2aにだけ精度良く塗布することを可能にする装置である。塗布装置10は、ワーク2を回転させる回転機構部20と、回転機構部20により回転されるワーク2の外周端面2aに膜形成液3を塗布する塗布機構部30とを備えている。回転機構部20と塗布機構部30とは、支持台11に配設されている。
本実施の形態では、被塗布対象であるワーク2がスマートグラス用の非円形状をした薄型レンズである場合を想定しているが、ワーク2の種類、形状、大きさなどは、これに限定されるものではない。適用対象となるワーク2には、円形、非円形を問わず、ガラス、レンズ、ミラー、フィルム、プラスチックなどの樹脂、金属、又は電子回路基板などの薄板形状をした各種部材が含まれ得る。
回転機構部20は、ワーク2を保持する保持部21と、ワーク2の外形と同一形状をした倣い型22が取り付けられる倣い型取付部23とを備え、保持部21に保持されたワーク2と倣い型取付部23に取り付けられた倣い型22とが同一の回転軸(A軸)中心で同期回転可能に構成されている。
回転機構部20は、保持部21と倣い型取付部23とを連結する第1回転軸24と、第1回転軸24と同軸(A軸)上で連結され、駆動部27からの回転駆動力により回転可能に構成された第2回転軸25とを含んで構成されている。駆動部27は、例えば、サーボモータなどの高精度の回転モータで構成され、駆動部27の回転駆動力がベルトプーリー機構27aを介して第2回転軸25に伝達される構成となっている。第2回転軸25は、例えば、ボールベアリングなどの軸受に取り付けられている。なお、駆動部27による第2回転軸25の回転制御は、一定の回転速度で回転制御を行ってもよいし、倣い型22の形状に応じて、回転速度を変化させる回転制御を行ってもよい。
また、保持部21と、第1回転軸24と、第2回転軸25とには、保持部21にワーク2を吸着保持させるための吸引路26が形成され、第2回転軸25の下端部分には、図示しない真空ポンプやエジェクタなどの真空装置が接続され、該真空装置によって吸引動作が可能となっている。したがって、保持部21は、ワーク2を吸着保持するテーブルとして機能する。また、図示しないハンドリングロボットなどの産業用ロボットを使用して、ワーク2が保持部21の上面に、倣い型22と平面視で重なる向きに精度良く位置決め配置される構成となっている。
倣い型22は、倣い型取付部23に着脱可能に構成されており、本実施の形態では、倣い型22の回転中心部分に第2回転軸25が挿着される構成となっている。倣い型22は、例えば、金属製であり、ワーク2の外形と同一形状に成型されたものである。
塗布機構部30は、押当ローラ31(図2、図3)と、塗布ローラ33を含む塗布部32と、回転伝達機構40(図2、図3)と、倣い位置調整機構50と、塗布ローラ押圧部60とを含んで構成されている。
押当ローラ31は、倣い型22の外周端面22aに押し当てられた状態で、回転機構部20による倣い型22の回転に従ってB軸中心で回転するように、押当ローラ回転軸41aに軸支されている。押当ローラ31は、例えば、金属製であり、所定の硬度を有するとともに、倣い型22と連れ回りで回転させることが可能となるように、外周面は所定の表面粗さを備えている。
塗布ローラ33は、ワーク2の外周端面2aに押し当てられた状態で、膜形成液3をワーク2の厚さ以下の塗り幅で、D軸中心で回転しながら塗布するように、塗布ローラ回転軸43aに軸支されている。塗布ローラ33は、例えば、金属製であるが、他の硬質部材で構成されてもよい。
押当ローラ31と塗布ローラ33とは、平面視円形状に形成され、同一の外径形状を有している。また、押当ローラ31は、好ましくはその外周長さが倣い型22の外周長さよりも長くなるように、外径サイズが設計されている。係る構成によれば、押当ローラ31と同一外径の塗布ローラ33が、一回転する間にワーク2の外周端面2aの全周に膜形成液3を塗布することが可能となる。
また、塗布部32は、塗布ローラ33の外周面近傍に配設された液供給部34と、液掻取部35と、液受け部36(図2、図3)とを備えている。
液供給部34は、膜形成液3を塗布ローラ33の外周端面33aに供給する機構、例えば、図示しない液保持部から供給されてくる膜形成液3を外周端面33aに吐出するノズル部などを含む機構で構成されている。
液掻取部35は、ワーク2の厚み以下の塗り幅を形成するための塗り溝35a(図3)を備え、塗布ローラ33の外周端面33aに当接可能に配設される掻取板(スクレーパ)などを含む機構で構成されている。液掻取部35で掻き取られた余分な膜形成液3が、液受け部36に回収されるようになっている。なお、液供給部34から塗布ローラ33の外周端面33aに供給された膜形成液3が液掻取部35で掻き取られるように、塗布ローラ33の回転方向に応じて液供給部34と液掻取部35との配置順序が設計されている。
回転伝達機構40は、押当ローラ31の回転を塗布ローラ33に同期して伝達する機構を備えたものである。回転伝達機構40は、好ましくは押当ローラ31の回転を伝達する第1伝達機構41(図2、図3)と、第1伝達機構41からの回転を伝達する第2伝達機構42と、第2伝達機構42からの回転を塗布ローラ33に伝達する第3伝達機構43とを含んで構成されている。
第1伝達機構41は、押当ローラ31とともに回転する押当ローラ回転軸41aと、押当ローラ回転軸41aに取り付けられた第1歯車41bとを含んで構成されている。押当ローラ回転軸41aは、例えば、ボールベアリングなどの軸受に取り付けられている。
第2伝達機構42は、鉛直方向に配設された回転伝達軸(第1回転伝達軸)42aと、回転伝達軸42aの下端側(一端側)に取り付けられた第2歯車42bと、回転伝達軸42aの上端側(他端側)に取り付けられ第3歯車42cとを含んで構成されている。
第2歯車42bは、第1歯車41bと同期回転(連れ回り回転)するように、第1歯車41bに噛合され、第3歯車42cは、第2歯車42bと同期回転するように回転伝達軸42aに取り付けられている。回転伝達軸42aは、例えば、ボールベアリングなどの軸受に取り付けられている。
第3伝達機構43は、塗布ローラ33とともに回転する塗布ローラ回転軸43aと、塗布ローラ回転軸43aに取り付けられた第4歯車43bと、回転伝達軸42aを中心に塗布ローラ33を揺動可能な形態で、塗布ローラ回転軸43aを軸支する揺動腕部43cとを含んで構成されている。第4歯車43bは、第3歯車42cと同期回転(連れ回り回転)するように、第3歯車42cに噛合されている。塗布ローラ回転軸43aは、例えば、ボールベアリングなどの軸受に取り付けられている。なお、回転伝達軸42aを1本で構成する形態の他に、揺動腕部43cの回転軸部分が別の回転軸で構成され、回転伝達軸42aを2本の回転軸に分けて同軸回転する構成としてもよい。
本実施の形態では、第1歯車41bと第2歯車42bが、第1回転伝達部と第2回転伝達部の一例であり、第3歯車42cと第4歯車43bが、第3回転伝達部と第4回転伝達部の一例である。なお、第1歯車41b、第2歯車42b、第3歯車42c、第4歯車43bには、歯車が噛み合わされたときの歯面間の隙間、所謂バックラッシ(backlash)が極力小さい歯車、より好ましくはバックラッシ無しの歯車を使用することが同期回転の精度を高める観点から好ましい。
また、別の構成例では、第1歯車41b及び第2歯車42bが歯付プーリーと歯付ベルトを用いた機構で構成されてもよいし、同様に、第3歯車42c及び第4歯車43bが歯付プーリーと歯付ベルトを用いた機構で構成されてもよい。この場合も歯付プーリーと歯付ベルトのバックラッシが極力小さいもの、より好ましくはバックラッシ無しのものを使用することが好ましい。
倣い位置調整機構50は、倣い型22の回転に伴う、倣い型22の回転中心(A軸)から倣い型22と押当ローラ31との接点E(図6)までの距離AEの変化に同期させながら、倣い型22の外周端面22aに倣うように押当ローラ31の位置を調整可能とする機構である。
本実施の形態において、倣い位置調整機構50は、移動機構51と、取付部材押圧部52とを含んで構成されている。
移動機構51は、押当ローラ31、塗布部32、及び回転伝達機構40が動作可能に取り付けられた取付部材44を、倣い型22の回転中心(A軸)と押当ローラ31の回転中心(B軸)(図2、図3)とを結ぶ直線AB(図6)に沿った第1の方向D1に移動可能とする機構である。
本実施の形態において、移動機構51は、支持台11の上に所定間隔を設けて配設された2つの直動案内機構を含んで構成されている。
移動機構51を構成する2つの直動案内機構は、第1の方向D1に配設されたガイドレール51aと、ガイドレール51a上を移動するスライダー51bとをそれぞれ備えており、スライダー51bの上に、取付部材44のベース部が取り付けられている。
取付部材押圧部52は、移動機構51に取り付けられた取付部材44を第1の方向D1に往復動作可能に押圧力を調整するものである。本実施の形態において、取付部材押圧部52は、支持台11に配設されたエアシリンダを含んで構成されており、該エアシリンダのピストンロッド52aが第1の方向D1に向けて配設され、ピストンロッド52aの先端部が取付部材44のベース部に取り付けられている。
取付部材押圧部52としてエアシリンダを用いることにより、倣い型22の回転に伴うA軸とB軸との距離の変化に応じて、押当ローラ31を倣い型22の外周端面22aに倣うように押し付けるときの力が緩和又は吸収されやすい構成となり、押当ローラ31を倣い型22の外周形状に倣うように押し付ける動作をより滑らかに行うことが可能となる。
塗布ローラ押圧部60は、塗布ローラ33をワーク2の外周端面2aに押圧する力を調整可能とするものである。
本実施の形態において、塗布ローラ押圧部60は、揺動腕部43cの側面のうち、回転機構部20が配設された側とは反対側の側面に配設されている。塗布ローラ押圧部60は、ワーク2の回転中心(A軸)と塗布ローラ33の回転中心(D軸)とを結ぶ直線ADに沿った第2の方向D2(図2)に付勢力可変な状態で配置される弾性部材61と、弾性部材61が取り付けられる取付部材62とを含んで構成され、取付部材62が、取付部材44の上部に取り付けられている。弾性部材61は、圧縮コイルバネで構成されているが、板バネなどの各種のバネ部材の他、空気バネ、ゴムなどの弾性体で構成してもよい。
次に実施の形態(1)に係る塗布装置10を用いて、ワーク2の外周端面2aに膜形成液3を塗布する動作について説明する。
図4は、ワーク2の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるb-b線断面図である。ワーク2は、スマートグラス用のガラスレンズであり、例えば、横幅Wが50~60mm程度、縦幅VWが30~50mm程度、厚さtが0.5mm~1mm程度の非円形レンズで構成されている。ワーク2の形状は、ここでは略楕円形状であるが、略逆台形形状、又は略スクエア形状などであってもよい。
図5は、倣い型22の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるb-b線断面図である。
倣い型22は、ワーク2の外形と同一形状を有している。倣い型22の中心部分には、回転機構部20の第2回転軸25に挿着するための挿着孔22bが形成され、また、挿着孔22bの周辺部には、ボルト等の固定具の取付穴22cが形成され、倣い型22は、前記固定具を用いて倣い型取付部23に着脱可能となっている。
倣い型22は、ワーク2の種類(形状)毎に用意されるものである。倣い型22は、好ましくは金属部材で成型されたものであり、倣い型22は、押当ローラ31を位置ずれ(滑り)が生じることなく連れ回り回転可能なように、所定の硬度を有し、外周面は所定の表面粗さを備えている。倣い型22の厚さは、押当ローラ31の厚さと同程度にすることが好ましい。
まず、塗布動作を開始するにあたって、塗布装置10の保持部21にワーク2が設置される。ワーク2は、例えば、ハンドリングロボットなどにより保持部21の上面に設置されて、保持部21に吸着された状態で保持される。このとき、ワーク2の回転中心が倣い型22の回転中心(第1回転軸24及び第2回転軸25の回転中心(A軸))と一致するように、かつ、ワーク2の向きが倣い型22の向きと一致するように(平面視でワーク2と倣い型22との外周全体が重なり合うように)、ワーク2が保持部21に設置される。
なお、図1~図3は、塗布動作中の状態を示しているが、ワーク2の着脱時においては、倣い型22と押当ローラ31とが所定距離(例えば、10mm程度)離れた状態となるように、倣い位置調整機構50を駆動させて、取付部材44を所定位置に退避させることが可能となっている。
保持部21の上面の所定位置にワーク2が設置されると、次に、倣い位置調整機構50を構成する移動機構51及び取付部材押圧部52を駆動させて、倣い型22に押当ローラ31が押し当てられた状態となるように取付部材44を移動させる。
倣い型22に押当ローラ31が押し当てられた状態になると、次に、回転機構部20の駆動部27が駆動され、駆動部27の回転駆動力により第2回転軸25及び第1回転軸24が所定速度で回転駆動され、倣い型22とワーク2とが同期回転し始める。
倣い型22が回転し始めると、倣い型22に押当てられている状態の押当ローラ31が、倣い型22に対して連れ回り方向に回転し始める。そして、押当ローラ31の回転が、回転伝達機構40(すなわち、押当ローラ回転軸41a、第1歯車41b、第2歯車42b、回転伝達軸42a、第3歯車42c、第4歯車43b、及び塗布ローラ回転軸43a)を介して塗布ローラ33に伝達されて、塗布ローラ33が押当ローラ31と同期回転し始める。
また、塗布ローラ33の回転と同期して、塗布部32の液供給部34から塗布ローラ33の外周端面33aに所定量の膜形成液3が供給され始め、供給された膜形成液3が液掻取部35により掻き取られて、塗布ローラ33の外周端面33aに膜形成液3が塗り溝35aの形状(塗り幅、塗り厚)をした線状に塗布されていく。そして塗布ローラ33の回転に従ってワーク2の外周端面2aに膜形成液3が塗布されていく。
図6は、塗布装置10による塗布動作中における倣い型22及び押当ローラ31の動作を説明するための模式図である。
図6(a)は、倣い型22に押当ローラ31が押し当てられた状態で、倣い型22が駆動部27からの回転動力により左回転し、押当ローラ31が、倣い型22の回転に従って連れ回りで回転(右回転)している一場面を示している。
図6(b)は、倣い型22が、図6(a)の状態から90度左回転したときの状態を示している。
図6(c)は、倣い型22が、図6(b)の状態からさらに90度左回転したときの状態を示している。
なお、図6の平面図において、矢印で示した回転方向は一例であり、図示した矢印の方向とは逆方向に回転させるように構成することも可能である。
図7は、塗布装置10による塗布動作中におけるワーク2及び塗布ローラ33の動作を説明するための模式図である。
図7(a)は、ワーク2に塗布ローラ33が押し当てられた状態で、ワーク2が駆動部27からの回転動力により左回転し、塗布ローラ33が、回転伝達機構40を介して伝達された押当ローラ31の回転に同期して回転(右回転)しながら、ワーク2の外周端面2aに膜形成液3を塗布している一場面を示している。
図7(b)は、ワーク2が、図7(a)の状態から90度左回転したときの状態を示している。
図7(c)は、ワーク2が、図7(b)の状態からさらに90度左回転したときの状態を示している。
図7(d)は、図7(c)に示した矢印X、Y方向から見た、ワーク2の側面及び塗布ローラ33の側面の状態を示している。
なお、図7(a)は、図6(a)に示した状態と同じタイミングの状態を示し、同様に、図7(b)は図6(b)に示した状態と同じタイミングの状態、図7(c)は図6(c)に示した状態と同じタイミングの状態を示している。
図6、図7に示すように、回転機構部20の回転駆動に伴い、倣い型22とワーク2とが同期回転する。
図6に示すように、倣い型22が非円形であるため、倣い型22の回転に伴い、倣い型22の回転中心(A軸)から倣い型22と押当ローラ31との接点E、E’、E’’までの距離AE、AE’、AE’’が変化していく。
図6(b)の状態では、距離AE’となり、距離AE’は、図6(a)に示す状態の距離AEよりも短くなる。そして、倣い型22の回転に伴う距離AEから距離AE’への変化に同期して、押当ローラ31の回転中心(B軸)の位置がBからB’に移動するように、倣い位置調整機構50によって取付部材44の位置が調整される。
また、図6(c)の状態では、距離AE’’となり、距離AE’’は、図6(b)に示す状態の距離AE’よりも長くなる。そして、倣い型22の回転に伴う距離AE’から距離AE’’への変化に同期して、押当ローラ31の回転中心(B軸)の位置が、B’からB’’に移動するように、倣い位置調整機構50に取付部材44の位置が調整される。
このように、倣い型22の回転に伴う、倣い型22の回転中心(A軸)から倣い型22と押当ローラ31との接点Eまでの距離AEの変化に同期させながら、押当ローラ31が倣い型22の外周端面22aに倣うように、押当ローラ31の位置が倣い位置調整機構50によって調整されるようになっている。
そして、倣い型22とワーク2とは、その回転中心が同軸(A軸)上にあり、かつ平面視で外周が互いに重なり合うように配置され、また、倣い位置調整機構50によって位置調整が行われる取付部材44には、押当ローラ31と塗布ローラ33とが同軸(B軸、D軸)上に配設されている。
そのため、図7に示すワーク2と塗布ローラ33との動作は、基本的に図6に示した倣い型22と押当ローラ31との動作と同期するようになっている。
すなわち、ワーク2の回転に伴う、ワーク2の回転中心(A軸)からワーク2と塗布ローラ33との接点Fまでの距離AFの変化に同期させながら、塗布ローラ33がワーク2の外周端面2aに倣うように、塗布ローラ33の位置(回転中心(D軸)の位置)が倣い位置調整機構50によって調整されるようになっている。
加えて、ワーク2と塗布ローラ33との動作では、塗布ローラ33をワーク2の外周端面2aに押し当てる力が塗布ローラ押圧部60の弾性部材61によって調整可能となっている。
すなわち、取付部材44には、押当ローラ31と塗布ローラ33とが基本的に同軸(B軸、D軸)上に配設されているが、塗布ローラ33は、揺動腕部43cによって回転伝達軸42aを中心に揺動可能な形態で軸支されている。但し、回転伝達軸42aに取り付けられた第3歯車42cと、塗布ローラ回転軸43aに取り付けられた第4歯車43bとが噛合されているので、塗布ローラ33の揺動範囲(角度)は小さな範囲に限られる。
揺動腕部43cが弾性部材61によって第2の方向D2(図2)に付勢力可変な状態で押圧された状態となっているので、塗布ローラ33がワーク2の外周端面2aに押し当てられるときの押圧力が弾性部材61によって緩和、又は吸収可能な構成となっている。
したがって、押当ローラ31が倣い型22の外周端面22aに押し当てられる力よりも弱い力でワーク2の外周端面2aに塗布ローラ33が押し当てられた状態で膜形成液3を塗布することが可能となる。
また、図7(d)に示すように、塗布ローラ33の外周端面33aに供給された膜形成液3は、液掻取部35によって塗り溝35a(図3)が形成されている部分以外は掻き取られて、塗り溝35aの形状(塗り幅、塗り厚)をした線状に塗布されることとなる。
線状に塗布された膜形成液3の塗り幅t1は、ワーク2の厚さt以下となるように構成され、また、膜形成液3の塗り厚は、例えば、遮光材であれば数十μm以下となるように、塗り溝35aのサイズが設計されている。塗り溝35aの形状は、ワーク2の種類や厚さ、膜形成液3の種類などに応じて設定される。なお、図7(d)では、塗布ローラ33の厚さが、ワーク2の厚さtよりも大きい構成例を示しているが、別の構成例では、塗布ローラ33の厚さが、ワーク2の厚さt以下の塗り幅t1の厚さで構成されてもよい。
そして、線状の膜形成液3が塗布された塗布ローラ33の外周端面33a部分がワーク2の外周端面2aに回転しながら押し当てられることにより、塗布ローラ33からワーク2の外周端面2aに、ワーク2の厚さt以下の塗り幅、且つ所定の塗り厚で膜形成液3が転写されて塗布されることとなる。
上記実施の形態(1)に係る塗布装置10によれば、回転機構部20によって、保持部21に保持されたワーク2と倣い型取付部23に取り付けられた倣い型22とを同一の回転軸(A軸)中心で同期回転させることができる。また、塗布機構部30によって、押当ローラ31を倣い型22に押し当てた状態で倣い型22の回転に従って押当ローラ31を回転させ、押当ローラ31の回転が回転伝達機構40により塗布ローラ33に同期して伝達される。したがって、塗布ローラ33が押当ローラ31と同期回転しながら、かつ塗布ローラ33が倣い型22と同期回転しているワーク2の外周端面2aに押し当てられた状態で、塗布ローラ33からワーク2の外周端面2aに膜形成液3がワーク2の厚さ以下の塗り幅で塗布されることとなる。
また、非円形状をした倣い型22の回転に伴い、倣い型22の回転中心(A軸)から倣い型22と押当ローラ31との接点Eまでの距離AEが変化する場合であっても、倣い位置調整機構50によって、押当ローラ31が倣い型22の外周端面22aに押し当てられた状態で回転するように、距離AEの変化に同期して、押当ローラ31の位置が調整されるとともに、塗布ローラ押圧部60によって、塗布ローラ33をワーク2の外周端面2aに押圧する力が調整されることとなる。
したがって、ワーク2が、円形状のものだけでなく、非円形状のものであっても、ワーク2の外周端面2aに対して、ワーク2の厚さt以下の塗り幅で膜形成液3を精度良く塗布することができる。
また、塗布装置10によれば、倣い位置調整機構50が、移動機構51と取付部材押圧部52とを含んで構成され、移動機構51により、取付部材44が第1の方向D1に移動可能に構成され、また、取付部材押圧部52により、移動機構51に取り付けられた取付部材44が第1の方向D1に押圧調整可能に構成されている。
したがって、押当ローラ31、塗布部32、及び回転伝達機構40が一体化された状態で、かつ倣い型22の外周形状に倣うように押当ローラ31が倣い型22に押し当てられた状態で、取付部材44を第1の方向D1に移動させることができる。これにより、塗布動作中に、押当ローラ31及び塗布ローラ33の回転軸(B軸とD軸)のずれが発生することを防止でき、塗布ローラ33をワーク2の外周端面2aに倣うようにワーク2に押し当てる動作の精度を一層高めることができる。
また、塗布装置10によれば、塗布ローラ押圧部60が、弾性部材61を備えているので、弾性部材61により、ワーク2に対する塗布ローラ33の押圧力が倣い型22に対する押当ローラ31の押圧力よりも小さくなるように調整(押圧力を緩和、又は吸収)することができる。したがって、ワーク2の外周端面2aに塗布ローラ33を軽く押し当てた状態で、膜形成液3をワーク2の外周端面2aに所望の塗り幅や塗り厚で精度良く塗布することができる。
また、塗布装置10によれば、押当ローラ31の回転が、回転伝達機構40を構成する第1歯車41b、第2歯車42b、回転伝達軸42a、第3歯車42c、及び第4歯車43bを介して、塗布ローラ33に同期して伝達されるとともに、塗布ローラ33が回転伝達軸42aを中心にして揺動腕部43cにより揺動可能な形態で軸支された構成となっている。係る構成により、押当ローラ31の回転が塗布ローラ33に同期して伝達される構成で、かつワーク2の外周端面2aに塗布ローラ33を押し当てる力の調整が容易な構成を実現できる。
また、塗布装置10によれば、塗布部32が、液供給部34と液掻取部35とを備えているので、液供給部34から塗布ローラ33の外周端面33aに膜形成液3が供給され、塗布ローラ33の回転に伴い、液掻取部35により塗り溝35aの部分を除く部分の膜形成液3が掻き取られて、塗布ローラ33の外周端面33aに塗り溝35aの形状をした線状の膜形成液3が精度良く塗布形成されることとなる。
したがって、線状の膜形成液3が塗布された塗布ローラ33の外周端面33aの部分をワーク2の外周端面2aに押し当てた状態で、ワーク2と塗布ローラ33とを連れ回り方向に回転させることにより、塗布ローラ33からワーク2の外周端面2aに線状の膜形成液3が転写されていき、ワーク2の外周端面2aに膜形成液3をワーク2の厚み以下の塗り幅で精度良く塗布することができる。
また、塗布装置10によれば、回転機構部20が、第1回転軸24と第2回転軸25とが同軸(A軸)上で連結される構成となっているので、倣い型取付部23への倣い型22の取り付けが容易に行えることとなり、また、吸引路26が形成されているので、保持部21にワーク2を吸着保持させることができる。
また、塗布装置10によれば、押当ローラ31と塗布ローラ33とが同一の外径形状を有するので、倣い型22とワーク2との回転に伴う押当ローラ31と塗布ローラ33との回転周期を同期させることができ、塗布ローラ33によるワーク2の外周端面2aへの塗布を精度良く行うことができる。
また、塗布装置10によれば、押当ローラ31の外周長さが、倣い型22の外周長さよりも長いので、倣い型22が一回転しても、押当ローラ31の回転は一回転未満となり、したがって、押当ローラ31が一回転する間に、ワーク2の外周端面2aに膜形成液3を塗布することができる。
また、塗布装置10によれば、倣い型22が、倣い型取付部23に着脱可能に構成されているので、ワーク2の種類毎に、これらワークの外形形状と同一形状の倣い型22を取り付けることができる。1つの装置で、形状が異なる多種類のワークの外周端面への塗布を行うことができ、汎用性の高い装置を実現できる。
なお、上記実施の形態(1)に係る塗布装置10では、駆動部27の回転伝達力がベルトプーリー機構27aを介して第2回転軸25に伝達される構成となっているが、駆動部27による駆動形態は、この形態に限定されない。
別の実施の形態では、駆動部27の回転伝達力がベルトプーリー機構や歯車を介して回転伝達機構40の回転伝達軸42aに伝達される構成としてもよい。または、第2歯車42bと第3歯車42cとを回転伝達軸42aで連結せずに、第2歯車42bの回転軸と第3歯車42cの回転軸とを、それぞれ個別の駆動部27で同期回転するように駆動制御する構成としてもよい。
図8は、実施の形態(2)に係る塗布装置の要部構成を示す平面図である。
図9は、図8におけるIX-IX線要部断面図であり、図10は、塗布動作時におけるIX-IX線要部断面図である。図11は、図10におけるXI-XI線要部断面図である。図12は、図10におけるXII-XII線要部断面図である。図13は、図10におけるXIII-XIII線要部断面図である。なお、図9~図13においては、図示の便宜上、断面を示すハッチングは省略している。また、図8では、ワークの記載を省略している。また、図1~3に示した塗布装置10と同一機能を有する構成部品には、同一符号を付し、ここではその説明を省略する。
塗布装置10Aは、ワーク2B(図9、10、12、13)の外周端面2aに膜形成液3を外周端面2aにだけ精度良く塗布することを可能にする装置である。
塗布装置10Aは、ワーク2Bを回転させる回転機構部20Aと、回転機構部20Aにより回転されるワーク2の外周端面2aに膜形成液3を塗布する塗布機構部30Aとを備えている。
図9、10に示すように、回転機構部20Aは、ワーク2Bと、ワーク2Bの外形と略同一形状をした倣い型22Aとが同一の回転軸(A軸)中心で同期回転可能に構成されている。
回転機構部20Aは、ワーク2Bを保持する保持部21Aと、第3回転軸28と、ハウジング部29とを備え、ハウジング部29には、第3回転軸28を回転自在に軸支するボールベアリングなどの軸受が設けられている。
図9、10に示すように、塗布機構部30Aは、押当ローラ31Aと、塗布ローラ33Aを含む塗布部32Aと、回転伝達機構70とを含んで構成されている。塗布機構部30Aは、さらに、倣い位置調整機構50A(図8、9)と、塗布ローラ押圧部60A(図8)とを含んで構成されている。
図8、9に示すように、塗布装置10Aの支持台11A上に、片持ち形式のブラケット(支持部材)12が固定されている。ブラケット12の腕部12aの一端側(先端側)の一側面側に、回転機構部20Aが取り付けられている。ブラケット12の腕部12aの他端側の一側面側に、第1摺動部13と、縦長の矩形形状をした第1取付板14とを介して塗布機構部30Aが取り付けられている。
第1摺動部13は、腕部12aの延設方向(水平方向)に塗布機構部30Aを往復移動可能とするものであり、例えば、リニアガイド13a及びスライダー13bなどを含む直動案内機構で構成されている。スライダー13bに第1取付板14が取り付けられ、第1取付板14に塗布機構部30Aが取り付けられている。
また、ブラケット12の腕部12aの一端側の他側面側に第2取付板15が取り付けられ、第2取付板15にエアシリンダ16が取り付けられている。エアシリンダ16のロッド16aが、腕部12aの他端側に向けて水平方向に往復移動可能となっている。エアシリンダ16は、図示しない制御部により、ロッド16aの進退動作を制御するための圧力調整が行われるようになっている。
エアシリンダ16のロッド16aの先端部が、継手17を介してL型連結具18の一端側に取り付けられている。なお、継手17には、偏心や偏角を吸収可能なフローティングジョイントを用いることが好ましい。
L型連結具18の他端側が、第1取付板14に取り付けられている。上記構成によって、エアシリンダ16のロッド16aの往復動作が制御されることにより、第1取付板14に取り付けられた塗布機構部30Aが、リニアガイド13aに沿って水平方向に往復移動可能となっている。
このように、実施の形態(2)に係る塗布装置10Aでは、エアシリンダ16、及び第1摺動部13を含んで、倣い位置調整機構50Aが構成されている。倣い位置調整機構50Aは、倣い型22Aの回転に伴う、倣い型22Aの回転中心(A軸)から倣い型22Aと押当ローラ31Aとの接点E(図16)までの変化に同期させながら、倣い型22Aの外周端面22aに倣うように押当ローラ31Aを含む塗布機構部30Aの位置を第3の方向D3(図8)に調整可能とする機構である。
第1摺動部13が移動機構の一例であり、エアシリンダ16が押圧調整部の一例である。
第1摺動部13は、押当ローラ31A、塗布部32A、回転伝達機構70が動作可能に取り付けられた第1取付板14を、倣い型22Aの回転中心(A軸)と押当ローラ31Aの回転中心(B軸)(図9、図10)とを結ぶ直線に沿った第3の方向D3に移動可能とする機構である。
押圧調整部がエアシリンダ16を含んで構成されているので、倣い型22Aの回転に伴いA軸とB軸との距離の変化に応じて、押当ローラ31Aを倣い型22Aの外周端面22aに倣うように押し付けるときの力が緩和又は吸収されやすい構成となっている。これにより、押当ローラ31Aを倣い型22Aの外周形状に倣うように押し付ける動作をより滑らかに行うことが可能となる。
回転機構部20Aを構成する第3回転軸28には、図9、10に示すように、一端側に保持部21Aを取付け可能な保持部取付部28a、他端側に倣い型22Aを取付け可能な倣い型取付部28bが設けられている。
保持部21Aと第3回転軸28とには、保持部21Aにワーク2Bを吸着保持させるための吸引路26が形成され、第3回転軸28の下端部に管継手などを介して、図示しない真空ポンプやエジェクタなどの真空装置が接続されて吸引動作可能に構成されている。
したがって、保持部21Aは、ワーク2Bを吸着保持するテーブルとして機能し、その上面には、吸着溝が放射状に形成されている。また、図示しないハンドリングロボットなどの産業用ロボットを使用して、ワーク2Bが保持部21Aの上面に、倣い型22Aと平面視で重なる向きに精度良く位置決め配置される構成となっている。
図9、10に示すように、倣い型22Aは、倣い型取付部28bに着脱可能に構成され、倣い型22Aの回転中心部分に第3回転軸28が挿着される孔が形成されている。倣い型22Aは、金属などの硬質部材でワーク2Bの外形と略同一形状に成型されたものである。倣い型22Aの外周面には、後述する押当ローラ31Aの外周面に形成された微小な歯形と噛み合う微小な歯形が形成されており、これら歯形のピッチ点をつないだ外形が、ワーク2Bの外形と同一形状になるように設計されている。また、倣い型22Aには、その外周の曲線部に沿って押当ローラ31Aを案内するための押当ローラ案内部22dが取り付けられている。
図9、10に示すように、塗布機構部30Aを構成する押当ローラ31Aは、倣い型22Aの外周端面22aに押し当てられた状態で、倣い型22Aとともに回転可能(連れ回り方向に回転可能)に構成され、B軸中心で回転するように、ローラ軸31bと一体化された構造となっている。
押当ローラ31Aの外周面には、倣い型22Aの外周面に形成された微小な歯形と噛み合う微小な歯形が形成されており、押当ローラ31Aは小径歯車として機能する。押当ローラ31A及びローラ軸31bは、例えば、金属製であるが、他の硬質材料で構成されてもよい。
図9、10に示すように、第1取付板14の下端部にハウジング部37が取り付けられ、ローラ軸31bは、ハウジング部37に設けられた軸受に回転自在に取り付けられている。また、押当ローラ31Aの上端部には、小径軸受31cが取り付けられている。小径軸受31cは、倣い型22Aの押当ローラ案内部22dを通過させるためのものであり、押当ローラ31Aの外径よりも少し大きい外径を有している。
図9、10に示すように、塗布ローラ33Aは、ワーク2Bの外周端面2aに押し当てられた状態で、ワーク2Bとともに連れ回り方向に回転しながらワーク2Bの外周端面2aに膜形成液3を塗布するためのものであり、ローラ軸33bと一体化された構造となっている。
塗布ローラ33Aの外周端面33aの厚さは、ワーク2Bの外周端面2aの厚さ以下、より好ましくは、外周端面2aの厚さ未満に設計されている。ワーク2Bは、薄型形状をしたものであり、その外周端面2aの厚さは、例えば、0.2mm以上1mm以下である。なお、ワーク2Bは、1mm以上の厚さを有するものであってもよい。塗布ローラ33A、ローラ軸33bは、例えば、金属製であるが、他の硬質材料で構成されてもよい。
塗布ローラ33Aと押当ローラ31Aとは略同一外径を有しており、より具体的には、塗布ローラ33Aと押当ローラ31Aのピッチ円(基準円)とが同一外径を有している。
押当ローラ31Aの半径は、好ましくは、倣い型22Aの外周の曲線部のうちの最小の曲率半径以下に設定されている。なお、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとは略同一外径を有しているので、塗布ローラ33Aの半径も、ワーク2Bの外周の曲線部のうちの最小の曲率半径以下に設定されることとなる。
係る構成によれば、倣い型22Aが曲がり具合の異なる曲線部を有する複雑な形状であっても、押当ローラ31Aを倣い型22Aの外周端面22aの全周にわたって精度良く倣わせることが可能となる。
そして、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとは略同一外径を有し、倣い型22Aとワーク2Bとは略同一形状をしているので、ワーク2Bが曲がり具合の異なる曲線部を有する複雑な形状であっても塗布ローラ33Aによりワーク2Bの外周端面2aの全周にわたって精度良く膜形成液3を塗布することが可能となる。
図9、10に示すように、回転伝達機構70は、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとを同期回転(この場合、同一回転方向に同一回転速度で回転)させるための機構を備えたものである。回転伝達機構70は、第4伝達機構71と第5伝達機構72とを含んで構成されている。
第4伝達機構71は、塗布ローラ33Aのローラ軸33bと回転軸を同一とする回転伝達軸71aと、回転伝達軸71aの下端側(一端側)に一体的に設けられた第5歯車(第5回転伝達部)71bとを含んで構成され、第5歯車71bと塗布ローラ33Aとを同一回転軸中心で同期回転可能にするものである。
第1取付板14の上端部には、水平方向に摺動可能な第2摺動部77を介してハウジング部76が取り付けられている。回転伝達軸71aは、ハウジング部76に設けられた軸受に回転自在に取り付けられ、その上端側(他端側)にローラ軸33bが取り付け可能な構成となっている。
第5歯車71bは、後述する第7歯車72bの外周面に形成された微小な歯形と噛み合う微小な歯形が形成されており、第5歯車71bは小径歯車として機能する。
第5歯車71bは、塗布ローラ33Aと略同一外径を有しており、より具体的には、塗布ローラ33Aと第5歯車71bのピッチ円(基準円)とが同一外径を有している。
第5伝達機構72は、ハウジング部37とハウジング部76との間に配設され、押当ローラ31Aと第5歯車71bとを同期回転(この場合、同一回転方向に同一回転速度で回転)させるための機構を備えたものである。
第5伝達機構72は、第6歯車(第6回転伝達部)72aと、第7歯車(第7回転伝達部)72bと、回転伝達軸(第2回転伝達軸)72cとを含んで構成されている。
第6歯車72aは、押当ローラ31Aとともに回転可能(連れ回り方向に回転可能)に配設されている。第6歯車72aの外周面には、押当ローラ31Aの外周面に形成された微小な歯形と噛み合う微小な歯形が形成されており、第6歯車72aは、大径歯車として機能する。
第7歯車72bは、第6歯車72aと略同一外径、すなわち同一のピッチ円(基準円)外径を有し、第5歯車71bとともに回転可能(連れ回り方向に回転可能)に配設されている。第7歯車72bの外周面には、第5歯車71bの外周面に形成された微小な歯形と噛み合う微小な歯形が形成されており、第7歯車72bは、大径歯車として機能する。
第6歯車72aと第7歯車72bとは、回転伝達軸72cにより同期回転可能に連結されている。回転伝達軸72cは、軸偏心を吸収するための可撓性を有する可撓性軸部72dを含んで構成されている。なお、この可撓性軸部72dに代えて、自在継手(ユニバーサルジョイントともいう)を含む軸部で構成してもよい。
回転伝達軸72cの下端側(一端側)は、ハウジング部37に設けられた軸受に回転自在に取り付けられ、その上端側(他端側)は、ハウジング部76に設けられた軸受に回転自在に取り付けられている。
また、回転伝達機構70は、第6歯車72aとともに回転可能(連れ回り方向に回転可能)な第8歯車(第8回転伝達部)73と、第8歯車73を回転駆動させる駆動モータ(駆動部)74とを備えている。駆動モータ74は、モータ取付板75に取り付けられ、駆動モータ74の回転軸74aが第8歯車73に取り付けられている。駆動モータ74は、例えば、サーボモータなどの高精度な回転モータで構成されている。
第8歯車73の外周面には、第6歯車72aの外周面に形成された微小な歯形と噛み合う微小な歯形が形成されている。
駆動モータ74の回転軸74aが回転駆動すると、第8歯車73が回転し、その回転力が第6歯車72aを介して押当ローラ31Aに伝達されて、押当ローラ31Aが回転する。また、同時に第8歯車73の回転力が第6歯車72a、回転伝達軸72c、第7歯車72bを介して第5歯車71bに伝達されて、第5歯車71bと塗布ローラ33Aとが同期回転する。このように、回転伝達機構70は、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとを同期回転させる構成となっている。
そして、押当ローラ31Aの回転力が倣い型22A、第3回転軸28に伝達されて、倣い型22Aとワーク2Bとが同期回転する。そして、押当ローラ31Aと同期回転する塗布ローラ33Aによってワーク2Bの外周端面2aに膜形成液3が塗布される。
なお、第8歯車73、第6歯車72a、押当ローラ31A、第7歯車72b、及び第5歯車71bの外周面に形成されている微小な歯形は、同じ形状となっている。これら歯形の形状は、例えば、並歯であり、モジュールは、例えば、0.1~0.8、好ましくは、0.2~0.4であり、圧力角は、例えば、20度であるが、これに限定されない。
図9、10に示すように、塗布部32Aは、塗布ローラ33Aの外周端面33aに膜形成液3を供給する液供給部34Aと、塗布ローラ33Aの外周端面33aに当接可能に配設されるバーコータ35Aと、塗布ローラ33Aの外周縁部33c(図17)に当接可能に配設されるスキージ35Bとを含んで構成されている。ローラ軸33bには、塗布ローラ33Aから垂れてくる余分な膜形成液3を受ける液受け部36Aが設けられている。
液供給部34Aは、ハウジング部76の上に配設される塗布ベース部34aと、塗布ベース部34aの上に配設される塗布スペーサ34bと、塗布スペーサ34bの上に配設される塗布ブロック34cとを含んで構成されている。
塗布ベース部34aは、上面に角丸四角形の液溜溝34aaと、先細り形状部34abとを備えている。先細り形状部34abの先端部が、塗布ローラ33Aの外周端面33aと略同じ円弧状に形成されている。
塗布スペーサ34bは、塗布ローラ33Aの厚さ未満の薄板で形成され、図13に示すように、略中央部に液溜溝34aaと同形状をした溝孔34baと、溝孔34baから延設された先細り形状のスリット孔34bbとが形成されている。スリット孔34bbの先端部が、塗布ローラ33Aの外周端面33aに当接可能な円弧状に形成されている。
塗布ブロック34cは、略中央部に液溜溝34aaと同形状をした筒状部34caと、先細り形状部34cbとを備えている。
塗布ブロック34cの先細り形状部34cbと、塗布ベース部34aの先細り形状部34abとは略同一形状を有しており、塗布スペーサ34bが塗布ベース部34aと塗布ブロック34cとの間に介装されることにより、スリット孔34bbの部分に液流路34d(図10、13)が形成される。
図13に示すように、液供給部34Aの液流路34dの先端開口部に、バーコータ35Aが配設される。バーコータ35Aの先端面、すなわち、塗布ローラ33Aの外周端面33aに当接させる面には、塗布ローラ33Aの回転方向に沿って形成された複数の微小溝が形成されている。
前記微小溝の溝間隔は、例えば、0.05mm~0.2mm、より好ましくは0.1mm前後に設計されている。バーコータ35Aは、塗布ローラ33Aの外周端面33aに塗布された膜形成液3のうち余分な膜形成液3を掻き取りながら薄膜状に伸展させるためのものであり、液伸展部の一例である。
また、塗布ベース部34aの先細り形状部34abと塗布ブロック34cの先細り形状部34cbとの各先端部にスキージ35Bがそれぞれ配設されている。図17に示すように、各スキージ35Bは、塗布ローラ33Aの外周形状と同じ円弧状に形成され、その先端部が、塗布ローラ33Aの上下面の外周縁部33cに当接可能な形態となっている。換言すれば、2つのスキージ35Bで塗布ローラ33Aの外周縁部を挟んだ形態となっている。スキージ35Bは、塗布ローラ33Aの外周縁部33cに付着した膜形成液3を掻き取って除去するためのものであり、液掻取部の一例である。
図8に示すように、塗布部32Aが取り付けられたハウジング部76と、第1取付板14との間には、第2摺動部77が配設されている。また、ハウジング部76と、第1取付板14との間には、弾性部材61Aと、弾性部材61Aの一端側が取り付けられた取付部材62Aとが取り付けられている。弾性部材61Aは、ワーク2Bの回転中心(A軸)と塗布ローラ33Aの回転中心(D軸)とを結ぶ直線に沿った第4の方向D4(図8)に付勢力可変な状態で配置されている。弾性部材61Aと取付部材62Aとを含んで塗布ローラ押圧部60Aが構成されている。塗布ローラ押圧部60Aにより、塗布ローラ33Aをワーク2Bの外周端面2aに押圧する力の微調整が可能となっている。
次に実施の形態(2)に係る塗布装置10Aを用いて、ワーク2Bの外周端面2aに膜形成液3を塗布する動作について説明する。
図14は、ワーク2Bの一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるb-b線断面図である。
ワーク2Bは、例えば、スマートグラス用のレンズであり、例えば、横幅と縦幅が40~60mm程度、外周端面2aの厚さtが0.2mm~1mm程度の非円形レンズである。ワーク2Bの形状は、この場合、曲率の大きい曲線部(曲線角部)を有する角丸三角形状である。なお、ワーク2Bの形状は、これに限定されることはなく、角丸逆台形形状、角丸矩形形状、角丸凸形状、その他のオーバル形状などであってもよい。
図15は、倣い型22Aの一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるb-b線断面図である。
倣い型22Aは、ワーク2Bの外形と略同一形状を有している。倣い型22Aの中心部分には、回転機構部20Aの第3回転軸28に挿着するための挿着孔22bが形成され、また、挿着孔22bの周辺部には、ボルト等の固定具の取付穴22cが形成され、倣い型22Aは、固定具を用いて倣い型取付部28bに着脱可能となっている。また、倣い型22Aの角丸部に押当ローラ案内部22dが取り付けられている。
倣い型22Aは、ワーク2Bの種類(形状)毎に用意されるものである。倣い型22Aは、押当ローラ31Aの外周面に形成された歯形と噛み合って、連れ回り回転可能なように、外周面に歯形が形成されている。これら歯形の形状は、押当ローラ31Aに形成された歯形と同形状、例えば、並歯であり、モジュールは、例えば、0.1~0.8、好ましくは、0.2~0.4であり、圧力角は、例えば、20度であるが、これに限定されない。倣い型22Aは、好ましくは金属部材で成型されたものであるが、他の硬質部材で成型されたものでもよい。
まず、塗布動作を開始するにあたって、塗布装置10Aの保持部21Aにワーク2Bが設置される。ワーク2Bは、例えば、ハンドリングロボットなどにより保持部21Aの上面に設置され、保持部21Aに吸着された状態で保持される。このとき、ワーク2Bの回転中心が倣い型22Aの回転中心(第3回転軸28の回転中心(A軸))と一致するように、かつ、ワーク2Bの向きが倣い型22Aの向きと一致するように(平面視でワーク2Bと倣い型22Aとの外周全体が重なり合うように)、ワーク2Bが保持部21Aに設置される。
なお、ワーク2Bの着脱時においては、図9に示すように、倣い型22Aと押当ローラ31Aとが所定距離離れた状態となるように、倣い位置調整機構50Aのエアシリンダ16を駆動させて、塗布機構部30Aを所定位置に退避させることが可能となっている。
保持部21Aの上面の所定位置にワーク2Bが設置されると、次に、倣い位置調整機構50Aを構成するエアシリンダ16を駆動させて、倣い型22Aに押当ローラ31Aが押し当てられた状態となるように塗布機構部30Aを移動させる。
倣い型22Aに押当ローラ31Aが押し当てられた状態になると、次に、塗布機構部30Aの駆動モータ74が駆動され、駆動モータ74の回転駆動力により第8歯車73が所定速度で回転し始める。それに伴い、第8歯車73と噛み合っている第6歯車72aが連れ回り方向に回転し、さらに第6歯車72aと噛み合っている押当ローラ31Aが連れ回り方向に回転し始める。
また、第6歯車72aが回転すると、その回転に同期して、第6歯車72aと回転伝達軸72cを介して連結された第7歯車72bが、第6歯車72aと同じ方向に回転し、さらに第7歯車72bと噛み合っている第5歯車71bが連れ回り方向に回転し始める。そして、第5歯車71bと回転伝達軸71aを介して連結された塗布ローラ33Aが、第5歯車71bと同一方向に回転し始める。
このように駆動モータ74からの回転駆動力の伝達により、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとが同期回転する。
そして、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとが回転し始めると、押当ローラ31Aと互いの歯形が噛み合っている状態の倣い型22Aが連れ回り方向に回転し始め、その回転と同期して、第3回転軸28を介して保持部21Aに保持されたワーク2Bが回転する。
塗布ローラ33Aの回転とともに、塗布部32Aの液供給部34Aから塗布ローラ33Aの外周端面33aに膜形成液3が供給され始め、供給された膜形成液3がバーコータ35A、スキージ35Bにより、余分な膜形成液3が掻き取られて、塗布ローラ33Aの外周端面33aにのみ膜形成液3が線状に塗布(付着)されていく。
そして、塗布ローラ33Aの外周端面33aに塗布された膜形成液3が、塗布ローラ33Aの外周端面33aに押し当てられた状態で連れ回り方向に回転しているワーク2Bの外周端面2aに転写されて塗布されていく。
図16は、塗布装置10Aによる塗布動作中における倣い型22Aと、押当ローラ31A、第6歯車72a、及び第8歯車73との動作を説明するための模式図である。
図16(a)は、倣い型22Aに押当ローラ31Aが押し当てられた状態で、第8歯車73が駆動モータ74からの回転動力により右回転し、第6歯車72aが第8歯車73の回転に従って連れ回りで回転(左回転)し、押当ローラ31Aが第6歯車72aの回転に従って連れ回りで回転(右回転)し、倣い型22Aが押当ローラ31Aの回転に従って連れ回り(左回転)している一場面を示している。
図16(b)は、倣い型22Aが、図16(a)の状態から約60度左回転したときの状態を示している。
図16(b)には図示していないが、押当ローラ案内部22d(図15)が押当ローラ31Aの上(小径軸受31c(図10)上)に位置し、押当ローラ案内部22dによって、倣い型22Aの曲線角部での押当ローラ31Aの位置が規制(位置ずれが防止)される構造となっている。
倣い型22Aが左回転し、倣い型22Aの曲線角部(角丸部)が押当ローラ31Aに近づくにつれて、倣い型22Aから押当ローラ31Aに左方向への押圧力が作用し、倣い位置調整機構50A(図8、9)によって、押当ローラ31A、第6歯車72a、及び第8歯車73(即ち、塗布機構部30A)が、左方向へ移動し、倣い位置調整が行われる。
図16(c)は、倣い型22Aが、図16(b)の状態からさらに60度左回転したときの状態を示している。
倣い型22Aがさらに左回転し、倣い型22Aの曲線角部が押当ローラ31Aから遠ざかるにつれて、倣い位置調整機構50A(図8、9)によって、押当ローラ31Aから倣い型22Aに右方向への押圧力が作用し、押当ローラ31A、第6歯車72a、及び第8歯車73(即ち、塗布機構部30A)が、右方向へ移動し、倣い位置調整が行われる。
なお、図16の平面図において、矢印で示した回転方向は一例であり、図示した矢印の方向とは逆方向に回転させるように構成することも可能である。
図17は、塗布装置10Aによる塗布動作中におけるワーク2Bと、塗布ローラ33A、第5歯車71b、第7歯車72bとの動作を説明するための模式図である。なお、図17(a)は、図16(a)に示した状態と同じタイミングの状態を示し、同様に、図17(b)は図16(b)に示した状態と同じタイミングの状態、図17(c)は図16(c)に示した状態と同じタイミングの状態を示している。
図17(a)は、ワーク2Bに塗布ローラ33Aが押し当てられた状態で、ワーク2Bの外周端面2aに膜形成液3を塗布している一場面を示している。
すなわち、第7歯車72bが、回転伝達軸72cを介して連結された第6歯車72aと同じ方向に回転(左回転)し、第5歯車71bが第7歯車72bに回転に従って連れ回りで回転(右回転)し、回転伝達軸71aを介して第5歯車71bと連結された塗布ローラ33Aが、第5歯車71bと同一方向に回転(右回転)しながら、ワーク2Bの外周端面2aに膜形成液3を塗布する。
図17(b)は、ワーク2Bが、図17(a)の状態から60度左回転したときの状態を示している。
ワーク2Bが左回転し、ワーク2Bの曲線角部(角丸部)が塗布ローラ33Aに近づくにつれて、ワーク2Bから塗布ローラ33Aに左方向への押圧力が作用し、倣い位置調整機構50A(図8、9)によって、塗布ローラ33A、第5歯車71b、及び第7歯車72b(即ち、塗布機構部30A)が、左方向へ移動し、倣い位置調整が行われる。同時に、塗布部32Aに設けられた塗布ローラ押圧部60A(図8)によって、ワーク2Bに対する塗布ローラ33Aを含む塗布部32Aの押圧力が微調整される。
図17(c)は、ワーク2Bが、図17(b)の状態からさらに60度左回転したときの状態を示している。
ワーク2Bがさらに左回転し、ワーク2Bの曲線角部が塗布ローラ33Aから遠ざかるにつれて、倣い位置調整機構50A(図8、9)によって、塗布ローラ33Aからワーク2Bに右方向への押圧力が作用し、塗布ローラ33A、第5歯車71b、及び第7歯車72b(即ち、塗布機構部30A)が、右方向へ移動し、倣い位置調整が行われる。同時に、塗布部32Aに設けられた塗布ローラ押圧部60A(図8)によって、ワーク2Bに対する塗布ローラ33Aを含む塗布部32Aの押圧力が微調整される。
図17(d)は、図17(c)に示した矢印X方向から見た塗布ローラ33Aの側面の状態、図17(e)は、図17(c)に示した矢印Y方向から見たワーク2Bの側面の状態を拡大して示している。
塗布ローラ33Aの外周端面33aに塗布された膜形成液3が、ワーク2Bの外周端面2aにのみ塗布されるようになっている。
図16、図17に示すように、塗布機構部30Aに設けられた駆動モータ74の回転駆動に伴い、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとが同期回転する。
図16に示すように、倣い型22Aが非円形であるため、倣い型22Aの回転に伴い、倣い型22Aの回転中心(A軸)から倣い型22Aと押当ローラ31Aとの接点E、E’、E’’までの距離AE、AE’、AE’’が変化していく。
図16(b)の状態では、距離AE’となり、距離AE’は、図16(a)に示す状態の距離AEよりも長くなる。そして、倣い型22Aの回転に伴う距離AEから距離AE’への変化に同期して、押当ローラ31Aの回転中心(B軸)の位置がBからB’に移動するように、倣い位置調整機構50A(図8、9)によって塗布機構部30Aの位置が調整される。
また、図16(c)の状態では、距離AE’’となり、距離AE’’は、図16(b)に示す状態の距離AE’よりも短くなる。そして、倣い型22Aの回転に伴う距離AE’から距離AE’’への変化に同期して、押当ローラ31Aの回転中心(B軸)の位置が、B’からB’’に移動するように、倣い位置調整機構50Aによって塗布機構部30Aの位置が調整される。
このように、倣い型22Aの回転に伴う、倣い型22Aの回転中心(A軸)から倣い型22Aと押当ローラ31Aとの接点Eまでの距離AEの変化に同期させながら、押当ローラ31Aが倣い型22Aの外周端面22aの形状に倣うように、押当ローラ31Aの位置が倣い位置調整機構50Aによって調整されるようになっている。
そして、倣い型22Aとワーク2Bとは、その回転中心が同軸(A軸)上にあり、かつ平面視で外周が互いに重なり合うように配置され、また、倣い位置調整機構50Aによって位置調整が行われる塗布機構部30Aには、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとが同軸(B軸、D軸)上に配設されている。
そのため、図17に示すワーク2Bと塗布ローラ33Aとの動作は、基本的に図16に示した倣い型22Aと押当ローラ31Aとの動作と同期するようになっている。
すなわち、ワーク2Bの回転に伴う、ワーク2Bの回転中心(A軸)からワーク2Bと塗布ローラ33Aとの接点Fまでの距離AFの変化に同期させながら、塗布ローラ33Aの外周端面33aに倣うように、塗布ローラ33Aの位置(回転中心(D軸)の位置)が倣い位置調整機構50Aによって調整されるようになっている。
加えて、ワーク2Bと塗布ローラ33Aとの動作では、塗布ローラ33Aをワーク2Bの外周端面2aに押圧する力が塗布ローラ押圧部60A(図8)の弾性部材61Aによって調整可能となっている。
すなわち、塗布機構部30Aには、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとが基本的に同軸(B軸、D軸)上に配設されているが、塗布ローラ33Aを含む塗布部32Aは、第2摺動部77によってA軸とD軸とをつなぐ直線方向に摺動可能な形態で配設され、また、回転伝達軸72cは、可撓性軸部72d(図9、10)を備えている。但し、塗布ローラ33Aの摺動範囲(距離)はごく小さな範囲(数mm以下)に限られる。
塗布部32Aが弾性部材61Aによって第4の方向D4(図8)に付勢力可変な状態で押圧された状態となっているので、塗布ローラ33Aがワーク2Bの外周端面2aに押し当てられるときの押圧力が弾性部材61Aによって緩和又は吸収可能な構成となっている。
したがって、押当ローラ31Aが倣い型22Aの外周端面22aに押し当てられる力よりも弱い力でワーク2Bの外周端面2aに塗布ローラ33Aが押し当てられた状態で膜形成液3を塗布することが可能となる。
また、図17(d)に示すように、塗布ローラ33Aの外周端面33aに供給された膜形成液3は、バーコータ35A、スキージ35Bによって余分な膜形成液3が掻き取られて、外周端面33aにのみ薄膜状に伸展されることとなる。
塗布ローラ33Aの外周端面33aの厚さは、ワーク2Bの厚さt以下であるので、膜形成液3の塗り幅t1は、ワーク2Bの厚さt以下となる。また、膜形成液3の塗り厚は、例えば、遮光材であれば数十μm以下となるように、バーコータ35Aの微小溝の形状が設計されている。
そして、膜形成液3が塗布された塗布ローラ33Aの外周端面33a部分がワーク2Bの外周端面2aに回転しながら押し当てられることにより、塗布ローラ33Aからワーク2Bの外周端面2aに、ワーク2Bの厚さt以下の塗り幅、且つ所定の塗り厚で膜形成液3が転写されて塗布されることとなる。
上記実施の形態(2)に係る塗布装置10Aによれば、回転機構部20Aによって、略同一外形を有するワーク2Bと倣い型22Aとが同一の回転軸(A軸)中心で同期回転可能に構成されている。また、塗布機構部30Aによって、押当ローラ31Aが倣い型22Aの外周端面22aに、塗布ローラ33Aがワーク2Bの外周端面2aにそれぞれ押し当てられた状態で、回転伝達機構70により、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとを同期回転させることが可能となっている。そのため、押当ローラ31Aとともに回転する倣い型22Aの回転動作と、塗布ローラ33Aとともに回転するワーク2Bの回転動作とを同期させることができる。
また、非円形状をした倣い型22Aの回転に伴い、倣い型22Aの回転中心(A軸)から倣い型22Aと押当ローラ31Aとの接点Eまでの距離AE(図16)が変化する場合であっても、倣い位置調整機構50Aによって、押当ローラ31Aが倣い型22Aの外周端面22aに押し当てられた状態で回転するように、距離AEの変化に同期して、押当ローラ31Aの位置が正確に調整される。この動作に同期して、塗布ローラ33Aがワーク2Bの外周端面2aに押し当てられた状態で回転するように、距離AEの変化に同期して、塗布ローラ33Aの位置も正確に調整されることとなる。
したがって、ワーク2Bの外形と略同一形状をした倣い型22Aを設けることによって、ワーク2Bの形状に応じて(換言すれば、ワーク2Bの形状を問わず)、ワーク2Bの外周端面2aにだけ、すなわち、ワーク2Bの厚さ以下の塗り幅で膜形成液3を精度良く塗布することができる。
また、ワーク2Bが薄型で、ひびや割れ等の損傷しやすいものであっても、倣い型22Aを設けることによって、ワーク2Bの外周端面2aに対する塗布ローラ33Aの押し当て力が制限されるため、ワーク2Bの損傷も防止できる。
また、塗布装置10Aによれば、倣い位置調整機構50Aが、第1摺動部13と、エアシリンダ16とを含んで構成され、第1摺動部13により、塗布機構部30Aが取り付けられた第1取付板14が第3の方向D3に移動可能に構成されている。また、エアシリンダ16により、第1摺動部13に取り付けられた第1取付板14と塗布機構部30Aが第3の方向D3に押圧調整可能に構成されている。
したがって、押当ローラ31A、塗布部32A、及び回転伝達機構70が一体化された状態で、かつ倣い型22Aの外周形状に倣うように押当ローラ31Aを倣い型22Aに押し当てた状態で、第1取付板14を第3の方向D3に移動させることができる。これにより、塗布動作中に、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aの回転軸(B軸とD軸)のずれが発生することを防止でき、塗布ローラ33Aがワーク2Bの外周端面2aに倣うように塗布ローラ33Aをワーク2Bに押し当てる動作の精度を高めることができる。
また、塗布装置10Aによれば、塗布ローラ押圧部60Aが、弾性部材61Aと第2摺動部77と含んで構成されているので、弾性部材61Aと第2摺動部77とにより、塗布ローラ33Aをワーク2Bの外周端面2aに押圧する力を適度に調整することが可能となる。たとえば、ワーク2Bに対する塗布ローラ33Aの押圧力が倣い型22Aに対する押当ローラ31Aの押圧力よりも小さくなるように調整(押圧力を緩和、又は吸収)することができる。したがって、ワーク2Bの外周端面2aに塗布ローラ33Aを軽く押し当てた状態で、膜形成液3をワーク2Bの外周端面2aに、所望の塗り幅や塗り厚で精度良く塗布することができる。また、ワーク2Bの損傷防止効果も高めることができる。
また、塗布装置10Aによれば、第5伝達機構72により押当ローラ31Aと第5歯車71bとが同期回転し、第5歯車71bの回転が第4伝達機構71を介して塗布ローラ33Aに同期して伝達される。
そのため、第5伝達機構72と第4伝達機構71とによって、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとを同期回転させることが可能となっている。したがって、押当ローラ31Aとともに回転する倣い型22Aの回転動作と、塗布ローラ33Aとともに回転するワーク2Bの回転動作との同期精度を高めることができる。また、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとの配置間隔を第5伝達機構72と第4伝達機構71とによって調整することができる。
また、塗布装置10Aによれば、回転伝達軸72cを介して第6歯車72aと第7歯車72bとが同期回転することにより、第6歯車72aと噛み合っている押当ローラ31Aと第7歯車72bと噛み合っている第5歯車71bとが同期回転し、第5歯車71bの回転が、回転伝達軸71aを介して塗布ローラ33Aに同期して伝達される。したがって、シンプルな構成で押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとを同期回転させることが可能となる。
また、塗布装置10Aによれば、回転伝達軸72cが、可撓性を有する可撓性軸部72dを含んで構成されているので、押当ローラ31Aの回転中心(B軸)と塗布ローラ33Aの回転中心(D軸)との軸方向に多少のズレ(偏心)が生じた場合であっても、そのズレを吸収しながら押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとを精度良く同期回転させることが可能となる。
また、塗布装置10Aによれば、駆動モータ74により第8歯車73を回転駆動させることにより、第8歯車73の回転力が、第6歯車72aを介して押当ローラ31Aに伝達される。また、第8歯車73の回転力が、第6歯車72a、回転伝達軸72c、第7歯車72bを介して第5歯車71bに伝達され、さらに、第5歯車71bから回転伝達軸71aを介して塗布ローラ33Aに伝達される。したがって、駆動モータ74の回転駆動力が、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとに伝達されて、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとを精度良く同期回転させることができる。
また、塗布装置10Aによれば、倣い型22A、押当ローラ31A、第6歯車72a、第8歯車73、第7歯車72b、及び第5歯車71bの各外周面に、噛み合わせ可能な微小な歯形が形成されているので、回転動作の同期タイミングのズレを少なくして、同期精度を高めることができる。
また、塗布装置10Aによれば、押当ローラ31Aの半径が、倣い型22Aの曲線部(角丸部)のうちの最小の曲率半径以下に設定されているので、倣い型22Aが曲がり具合の異なる複数の曲線部を有する形状であっても、押当ローラ31Aを倣い型22Aの全ての曲線部に押し当てた状態で精度良く倣わせることができる。したがって、押当ローラ31Aと略同一外径を有する塗布ローラ33Aで、倣い型22Aと略同一外形を有する(すなわち、曲がり具合の異なる複数の曲線部を有する)ワーク2Bの外周端面2aに膜形成液3を精度良く塗布することができる。
また、塗布装置10Aによれば、倣い型22Aに押当ローラ案内部22dが設けられることにより、倣い型22Aの曲線部(角丸部など)が曲がり具合の大きい(曲率半径が小さい)形状であっても、倣い型22Aの前記曲線部に沿って、押当ローラ31Aを前記曲線部に押し当てた状態で確実に案内することができる。これにより、ワーク2Bが曲がり具合の大きな曲線部を有する形状であっても、塗布ローラ33Aによりワーク2Bの外周端面2aに膜形成液3を精度良く塗布することができる。
また、塗布装置10Aによれば、第3回転軸28がハウジング部29に回転自在に支持され、第3回転軸28の一端側に保持部取付部28a、他端側に倣い型取付部28bが設けられているので、保持部21Aと倣い型22Aとの着脱が容易に行える。また、第3回転軸28と保持部21Aに吸引路26が形成されているので、保持部21Aにワーク2Bを吸着保持させることができ、ワーク2Bの着脱が容易に行える。
また、塗布装置10Aによれば、液供給部34A、バーコータ35A、及びスキージ35Bを備えることにより、膜形成液3が塗布ローラ33Aの外周端面33aからはみ出すことなく、その外周端面33aにのみ、膜形成液3を伸展させながら付着させることができる。そして、塗布ローラ33Aの外周端面33aの厚さが、ワーク2Bの外周端面2aの厚さ以下であるので、塗布ローラ33Aの外周端面33aからワーク2Bの外周端面2aに膜形成液3を綺麗に転写しながら塗布することができる。
また、塗布装置10Aによれば、バーコータ35Aが、塗布ローラ33Aの外周端面33aとの当接面に、複数の微小溝を備えているので、塗布ローラ33Aの外周端面33aに膜形成液3を薄く均一に伸展させながら付着させることができ、塗布ローラ33Aから薄板形状をしたワーク2Bの外周端面2aに膜形成液3を均一に塗布することができる。
図18は、別の実施の形態に係る塗布装置10Bの要部構成を示す断面図である。なお、図18においては、図示の便宜上、断面を示すハッチングは省略している。また、図8~10に示した塗布装置10Aと同一機能を有する構成部品には、同一符号を付し、ここではその説明を省略する。
別の実施の形態に係る塗布装置10Bが上記した塗布装置10Aと相違する構成は、塗布機構部30Bを構成する回転伝達機構70Aの構成である。
塗布装置10Bでは、回転伝達機構70Aを構成する第5伝達機構72Aが、押当ローラ31Aとともに回転可能な第6歯車72aと、第6歯車72aと略同一外径を有し、第5歯車71bとともに回転可能な第7歯車72bと、第6歯車72aを回転駆動させる第1駆動モータ74Aと、第7歯車72bを回転駆動させる第2駆動モータ74Bとを備えている。
第6歯車72aは、ハウジング部37に回転自在に軸支された第6歯車軸72eに取り付けられている。第7歯車72bは、ハウジング部76に回転自在に軸支された第7歯車軸72fに取り付けられている。
また、第1取付板14に上下2つのモータ取付板75が取り付けられ、下部のモータ取付板75に第1駆動モータ74A、上部のモータ取付板75に第2駆動モータ74Bが取り付けられている。
ずなわち、塗布装置10Bでは、実施の形態(2)に係る塗布装置10Aの第5伝達機構72のように、第6歯車72aと第7歯車72bとを連結する回転伝達軸72cを設けずに、第1駆動モータ74Aと第2駆動モータ74Bとの回転軸74aの回転速度を同期制御して、第6歯車72aと第7歯車72bとの回転を同期させるようになっている。
塗布装置10Bによれば、第1駆動モータ74Aの回転駆動力が第6歯車72aを介して押当ローラ31Aに伝達され、第2駆動モータ74Bの回転駆動力が第7歯車72bを介して第5歯車71bに伝達され、第5歯車71bの回転が、第4伝達機構71により塗布ローラ33Aに同期して伝達される。したがって、第1駆動モータ74Aと第2駆動モータ74Bとの回転駆動を同期させる構成により押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとを精度良く同期回転させることができる。
図19は、さらに別の実施の形態に係る塗布装置10Cの要部構成を示す断面図である。なお、図19においては、図示の便宜上、断面を示すハッチングは省略している。また、図8~10に示した塗布装置10Aと同一機能を有する構成部品には、同一符号を付し、ここではその説明を省略する。
別の実施の形態に係る塗布装置10Cが上記した塗布装置10Aと相違する構成は、塗布機構部30Cを構成する回転伝達機構70Bの構成である。
塗布装置10Cでは、回転伝達機構70Bを構成する第5伝達機構72Bが、押当ローラ31Aとともに回転可能な第6歯車72aと、第6歯車72aと略同一外径を有し、第5歯車71bとともに回転可能な第7歯車72bと、第6歯車72aとともに回転可能な第8歯車73と、第8歯車73を回転駆動させる第1駆動モータ74Aと、第7歯車72bとともに回転可能な第9歯車(第9回転伝達部)78と、第9歯車78を回転駆動させる第2駆動モータ74Bとを備えている。
第6歯車72aは、ハウジング部37に回転自在に軸支された第6歯車軸72eに取り付けられている。第7歯車72bは、ハウジング部76に回転自在に軸支された第7歯車軸72fに取り付けられている。
また、第1取付板14に上下2つのモータ取付板75が取り付けられ、下部のモータ取付板75に第1駆動モータ74A、上部のモータ取付板75に第2駆動モータ74Bが取り付けられている。
ずなわち、塗布装置10Cでは、実施の形態(2)に係る塗布装置10Aの第5伝達機構72のように、第6歯車72aと第7歯車72bとを連結する回転伝達軸72cを設けずに、第1駆動モータ74Aの回転軸74aと第2駆動モータ74Bの回転軸74aとの回転速度を同期制御して、第8歯車83及び第6歯車72aと、第9歯車78及び第7歯車72bとの回転を同期させるようになっている。
塗布装置10Cによれば、第1駆動モータ74Aの回転駆動力が第8歯車73と第6歯車72aを介して押当ローラ31Aに伝達され、第2駆動モータ74Bの回転駆動力が第9歯車78と第7歯車72bを介して第5歯車71bに伝達され、第5歯車71bの回転が、第4伝達機構71により塗布ローラ33Aに同期して伝達される。したがって、第1駆動モータ74Aと第2駆動モータ74Bとの回転駆動を同期させる構成により押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとを精度良く同期回転させることができる。
また、さらに別の実施の形態に係る塗布装置では、ローラ軸31b又は押当ローラ31Aを第1駆動モータ74Aで回転駆動させ、第4伝達機構71の回転伝達軸71a又は第5歯車71bを第2駆動モータ74Bで回転駆動させて、押当ローラ31Aと塗布ローラ33Aとを同期回転させる構成としてもよい。
本発明は、スマートグラス、AR又はVRゴーグルなどに使用される薄型レンズ、スマートフォンなどの携帯情報端末、スマートウォッチ、その他のウェアラブル端末などに使用される薄型ディスプレイ、カバーレンズ(カバーガラス)などを取り扱う電子機器産業等の分野において幅広い利用が可能である。
2、2B ワーク
2a 外周端面
3 膜形成液
10、10A、10B、10C 塗布装置
11、11A 支持台
12 ブラケット
12a 腕部
13 第1摺動部
13a リニアガイド
13b スライダー
14 第1取付板
15 第2取付板
16 エアシリンダ
16a ロッド
17 継手
18 L型連結具
20、20A 回転機構部
21、21A 保持部
22、22A 倣い型
22a 外周端面
22b 挿着孔
22c 取付穴
22d 押当ローラ案内部
23 倣い型取付部
24 第1回転軸
25 第2回転軸
26 吸引路
27 駆動部
27a ベルトプーリー機構
28 第3回転軸
28a 保持部取付部
28b 倣い型取付部
29 ハウジング部
30、30A、30B、30C 塗布機構部
31、31A 押当ローラ
31b ローラ軸
31c 小径軸受
32、32A 塗布部
33、33A 塗布ローラ
33a 外周端面
33b ローラ軸
33c 外周縁部
34、34A 液供給部
34a 塗布ベース部
34aa 液溜溝
34ab 先細り形状部
34b 塗布スペーサ
34ba 溝孔
34bb スリット孔
34c 塗布ブロック
34ca 筒状部
34cb 先細り形状部
34d 液流路
35 液掻取部
35A バーコータ(液伸展部)
35B スキージ(液掻取部)
35a 塗り溝
36、36A 液受け部
37 ハウジング部
40 回転伝達機構
41 第1伝達機構
41a 押当ローラ回転軸
41b 第1歯車(第1回転伝達部)
42 第2伝達機構
42a 回転伝達軸(第1回転伝達軸)
42b 第2歯車(第2回転伝達部)
42c 第3歯車(第3回転伝達部)
43 第3伝達機構
43a 塗布ローラ回転軸
43b 第4歯車(第4回転伝達部)
43c 揺動腕部
44 取付部材
50、50A 倣い位置調整機構
51 移動機構
51a ガイドレール
51b スライダー
52 取付部材押圧部
60、60A 塗布ローラ押圧部
61、61A 弾性部材
62、62A 取付部材
70、70A、70B 回転伝達機構
71 第4伝達機構
71a 回転伝達軸
71b 第5歯車(第5回転伝達部)
72、72A、72B 第5伝達機構
72a 第6歯車(第6回転伝達部)
72b 第7歯車(第7回転伝達部)
72c 回転伝達軸(第2回転伝達軸)
72d 可撓性軸部
72e 第6歯車軸
72f 第7歯車軸
73 第8歯車(第8回転伝達部)
74 駆動モータ(駆動部)
74A 第1駆動モータ(第1駆動部)
74B 第2駆動モータ(第2駆動部)
74a 回転軸
75 モータ取付板
76 ハウジング部
77 第2摺動部
78 第9歯車(第9回転伝達部)
D1 第1の方向
D2 第2の方向
D3 第3の方向
D4 第4の方向

Claims (25)

  1. ワークを回転させる回転機構部と、
    該回転機構部により回転される前記ワークの外周端面に膜形成液を塗布する塗布機構部とを備えた塗布装置であって、
    前記回転機構部が、
    前記ワークと、該ワークの外形と略同一形状をした倣い型とが同一の回転軸中心で同期回転可能に構成され、
    前記塗布機構部が、
    前記倣い型の外周端面に押し当てられた状態で、前記倣い型とともに回転可能な押当ローラと、
    前記ワークの外周端面に押し当てられた状態で、前記ワークとともに回転しながら前記ワークの外周端面に前記膜形成液を塗布する塗布ローラを含む塗布部と、
    略同一外径を有する前記押当ローラと前記塗布ローラとを同期回転させる回転伝達機構とを備えていることを特徴とする塗布装置。
  2. 前記塗布機構部が、
    前記倣い型の回転に伴う、前記倣い型の回転中心から前記倣い型と前記押当ローラとの接点までの距離の変化に同期させながら、前記倣い型の外周端面に倣うように前記押当ローラの位置を調整可能とする倣い位置調整機構を備えていることを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
  3. 前記倣い位置調整機構が、
    前記押当ローラ、前記塗布部、及び前記回転伝達機構が動作可能に取り付けられた取付部材を、前記倣い型の回転中心と前記押当ローラの回転中心とを結ぶ直線に沿った第1の方向に移動可能とする移動機構と、
    該移動機構に取り付けられた前記取付部材を前記第1の方向に押圧調整可能とする押圧調整部とを含んで構成されていることを特徴とする請求項2記載の塗布装置。
  4. 前記塗布機構部が、
    前記塗布ローラを前記ワークの外周端面に押圧する力を調整する塗布ローラ押圧部を備えていることを特徴とする請求項2記載の塗布装置。
  5. 前記塗布ローラ押圧部が、
    前記ワークの回転中心と前記塗布ローラの回転中心とを結ぶ直線に沿った第2の方向に付勢力可変な状態で配置される弾性部材を含んで構成されていることを特徴とする請求項4記載の塗布装置。
  6. 前記回転伝達機構が、
    前記押当ローラの回転を伝達する第1伝達機構と、
    該第1伝達機構からの回転を伝達する第2伝達機構と、
    該第2伝達機構からの回転を前記塗布ローラに伝達する第3伝達機構とを含み、
    前記第1伝達機構が、
    前記押当ローラの回転軸とともに回転する第1回転伝達部を含み、
    前記第2伝達機構が、
    前記第1回転伝達部と同期回転する第2回転伝達部が一端側に、該第2回転伝達部と同期回転する第3回転伝達部が他端側に取り付けられた第1回転伝達軸を含み、
    前記第3伝達機構が、
    前記塗布ローラの回転軸に取り付けられ、前記第3回転伝達部と同期回転する第4回転伝達部と、
    前記第1回転伝達軸を中心に前記塗布ローラを揺動可能な形態で、前記塗布ローラの回転軸を支持する揺動腕部とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載の塗布装置。
  7. 前記塗布部が、
    前記膜形成液を前記塗布ローラの外周端面に供給する液供給部と、
    前記ワークの厚み以下の塗り幅を形成するための塗り溝を備え、前記塗布ローラの外周端面に当接可能に配設される液掻取部とを備えていることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載の塗布装置。
  8. 前記回転機構部が、
    前記ワークを保持する保持部と、
    前記倣い型が着脱可能に取り付けられる倣い型取付部とを備えていることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載の塗布装置。
  9. 前記回転機構部が、
    前記保持部と前記倣い型取付部とを連結する第1回転軸と、
    該第1回転軸と同軸上で連結され、駆動部からの回転駆動力により回転可能に構成された第2回転軸とを含み、
    前記保持部と、前記第1回転軸と、前記第2回転軸とには、前記保持部に前記ワークを吸着保持させるための吸引路が形成されていることを特徴とする請求項8記載の塗布装置。
  10. 前記押当ローラの外周長さが、前記倣い型の外周長さよりも長いことを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載の塗布装置。
  11. 前記回転伝達機構が、
    前記塗布ローラと略同一外径を有する第5回転伝達部を備え、該第5回転伝達部と前記塗布ローラとを同一回転軸中心で同期回転可能にする第4伝達機構と、
    前記押当ローラと前記第5回転伝達部とを同期回転可能にする第5伝達機構とを備えていることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載の塗布装置。
  12. 前記第5伝達機構が、
    前記押当ローラとともに回転可能な第6回転伝達部と、
    該第6回転伝達部と略同一外径を有し、前記第5回転伝達部とともに回転可能な第7回転伝達部と、
    前記第6回転伝達部と前記第7回転伝達部とを同期回転可能とする第2回転伝達軸とを備えていることを特徴とする請求項11記載の塗布装置。
  13. 前記第2回転伝達軸が、可撓性を有する軸を含んで構成されている、又は自在継手を含んで構成されていることを特徴とする請求項12記載の塗布装置。
  14. 前記回転伝達機構が、
    前記第6回転伝達部とともに回転可能な第8回転伝達部と、
    該第8回転伝達部を回転駆動させる駆動部とを備えていることを特徴とする請求項12記載の塗布装置。
  15. 前記倣い型、前記押当ローラ、前記第5回転伝達部、前記第6回転伝達部、前記第7回転伝達部、及び前記第8回転伝達部の各外周面に、噛み合わせ可能な歯形が形成されていることを特徴とする請求項14記載の塗布装置。
  16. 前記第5伝達機構が、
    前記押当ローラとともに回転可能な第6回転伝達部と、
    該第6回転伝達部と略同一外径を有し、前記第5回転伝達部とともに回転可能な第7回転伝達部と、
    該第6回転伝達部を回転駆動させる第1駆動部と、
    該第7回転伝達部を回転駆動させる第2駆動部とを備えていることを特徴とする請求項11記載の塗布装置。
  17. 前記倣い型、前記押当ローラ、前記第5回転伝達部、前記第6回転伝達部、及び前記第7回転伝達部の各外周面に、噛み合わせ可能な歯形が形成されていることを特徴とする請求項16記載の塗布装置。
  18. 前記第5伝達機構が、
    前記押当ローラとともに回転可能な第6回転伝達部と、
    該第6回転伝達部と略同一外径を有し、前記第5回転伝達部とともに回転可能な第7回転伝達部と、
    前記第6回転伝達部とともに回転可能な第8回転伝達部と、
    該第8回転伝達部を回転駆動させる第1駆動部と、
    前記第7回転伝達部とともに回転可能な第9回転伝達部と、
    該第9回転伝達部を回転駆動させる第2駆動部とを備えていることを特徴とする請求項11記載の塗布装置。
  19. 前記倣い型、前記押当ローラ、前記第5回転伝達部、前記第6回転伝達部、前記第7回転伝達部、前記第8回転伝達部、及び前記第9回転伝達部の各外周面に、噛み合わせ可能な歯形が形成されていることを特徴とする請求項18記載の塗布装置。
  20. 前記回転伝達機構が、
    前記押当ローラを回転駆動させる第1駆動部と、
    前記塗布ローラを回転駆動させる第2駆動部とを備えていることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載の塗布装置。
  21. 前記倣い型が、外周に曲線部を有する形状であり、
    前記押当ローラの半径が、前記倣い型の前記曲線部のうちの最小の曲率半径以下に設定されていることを特徴とする請求項11記載の塗布装置。
  22. 前記倣い型に押当ローラ案内部が取り付けられ、
    該押当ローラ案内部が、前記倣い型の前記曲線部に沿って前記押当ローラを案内可能に構成されていることを特徴とする請求項21記載の塗布装置。
  23. 前記回転機構部が、
    前記ワークを保持する保持部と、
    一端側に前記保持部を取付け可能な保持部取付部と、他端側に前記倣い型を取付け可能な倣い型取付部とを備えた第3回転軸と、
    該第3回転軸を回転自在に支持する支持部とを含み、
    前記保持部と前記第3回転軸とには、前記保持部に前記ワークを吸着保持させるための吸引路が形成されていることを特徴とする請求項11記載の塗布装置。
  24. 前記塗布ローラの外周端面の厚さが、前記ワークの外周端面の厚さ以下であり、
    前記塗布部が、
    前記塗布ローラの外周端面に前記膜形成液を供給する液供給部と、
    前記塗布ローラの外周端面に当接可能に配設される液伸展部と、
    前記塗布ローラの外周縁部に当接可能に配設される液掻取部と、
    を備えていることを特徴とする請求項11記載の塗布装置。
  25. 前記液伸展部は、前記塗布ローラの外周端面との当接面に、前記塗布ローラの回転方向に形成された複数の微小溝を備えていることを特徴とする請求項24記載の塗布装置。

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