以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る精算機10を第1収受部100側から見た斜視図である。図2は、図1に示した精算機10を第2収受部200側から見た斜視図である。精算機10は、第1収受部100、第2収受部200及び収納部500を備えている。第1収受部100は、第1投入口110、第1投入口120及び第1払出口130を有している。第2収受部200は、第2投入口210、第2投入口220及び第2払出口230を有している。収納部500は、第1収納部300及び第2収納部400を有している。
第1投入口110と第2投入口210は、第1収納部300を挟んで互いに反対側にある。第1投入口110及び第2投入口210のそれぞれには、硬貨を投入可能である。第1投入口110からの硬貨及び第2投入口210からの硬貨は、いずれも第1収納部300の内部に収納される。
第1投入口120と第2投入口220は、第2収納部400を挟んで互いに反対側にある、第1投入口120及び第2投入口220のそれぞれには、紙幣を投入可能である。第1投入口120からの紙幣及び第2投入口220からの紙幣は、いずれも第2収納部400の内部に収納される。
第1払出口130と第2払出口230は、第1収納部300を挟んで互いに反対側にある。第1払出口130及び第2払出口230のそれぞれからは、硬貨を払出し可能である。第1払出口130からの硬貨及び第2払出口230からの硬貨は、いずれも第1収納部300の内部から供給される。
なお、第1投入口120及び第2投入口220のそれぞれからは、紙幣を払出し可能である。第1投入口120からの紙幣及び第2投入口220からの紙幣は、いずれも第2収納部400の内部から供給される。
一例において、第1収受部100は第1のユーザによって使用され、第2収受部200は第2のユーザによって使用される。一例において、第1のユーザ及び第2のユーザは、それぞれ、顧客及び店員である。この例において、顧客は、硬貨を第1投入口110に投入することができ、紙幣を第1投入口120に投入することができ、硬貨を第1払出口130から受け取ることができ、紙幣を第1投入口120から受け取ることができる。一方、店員は、硬貨を第2投入口210に投入することができ、紙幣を第2投入口220に投入することができ、硬貨を第2払出口230から受け取ることができ、紙幣を第2投入口220から受け取ることができる。
図3(a)は、第1投入口110の第1例を示す平面図であり、図3(b)は、第2投入口210の第1例を示す平面図である。図4(a)は、図3(a)のA-A´断面図であり、図4(b)は、図3(b)のB-B´断面図である。第1投入口110は、第1開口112及び第2開口114を有している。第2投入口210は、第1開口212を有している。
図3及び図4に示す例では、第1の大きさを有する第1物体が第1投入口110を通過可能であり、第1の大きさよりも大きい第2の大きさを有する第2物体が第1投入口110を通過不可能である。これに対して、第1物体は第2投入口210を通過可能であり、第2物体は第2投入口210を通過可能である。第1物体は、例えば硬貨であり、第2物体は、例えば、硬貨以外の物(例えば、人間の指)である。このように、第1投入口110は、硬貨よりも大きな物を通過させない。すなわち、第1投入口110は、複数の物体の中から硬貨を選択的に通過させることができる。これに対して、第2投入口210は、硬貨の落下を妨げる部材を有していない。
より具体的には、第1物体は第1投入口110の第1開口112を通過可能であり、第2物体は第1投入口110の第1開口112を通過可能である。これに対して、第1物体は第1投入口110の第2開口114を通過可能であり、第2物体は第1投入口110の第2開口114を通過不可能である。言い換えると、第1投入口110の第2開口114は、複数の物体の中から硬貨を選択的に通過させるスリットとして機能している。一方、第1物体は第2投入口210の第1開口212を通過可能であり、第2物体は第2投入口210の第1開口212を通過可能である。さらに、第2収受部200は、第1収受部100の第2開口114に相当するスリットを有していない。
第1収受部100は、複数の延伸部材116を有している。第2開口114は、互いに隣接する2つの延伸部材116によって画定されている。互いに隣接する2つの延伸部材116は、幅dの間隙(すなわち、第2開口114)を挟んで互いに対向している。一例において、幅dは、硬貨の直径よりも狭く、例えば20mm未満である。この例においては、第2開口114の大きさは、人間の指よりも相当に小さい。このため、第1収受部100の使用者が誤って第2開口114よりも奥に指を入れることが防止される。
図4に示す例において、延伸部材116の両側面は、延伸部材116の上端から下端に向かうにつれて外側に向けて傾いている。より具体的には、延伸部材116の断面形状は、角の丸まった三角形である。このため、延伸部材116上に硬貨が載ったとしても、硬貨は速やかに下方に落下する。
さらに、図4に示す例において、互いに隣接する延伸部材116のうち一方の上端は、他方の上端よりも高い位置にある。このため、互いに隣接する延伸部材116を硬貨が跨ったとしても、硬貨は速やかに下方に落下する。
一例において、第1投入口110は顧客によって使用され、第2投入口210は店員によって使用される。顧客は精算機10の使用に慣れていないため、精算機の投入口の奥に誤って指を入れてしまうことがある。一方店員は、硬貨を補充するために精算機を用いることがあり、硬貨を補充する場合は、投入口に一度に多くの硬貨を投入したいとういうニーズが存在する。
第1の実施形態にかかる精算機10によれば、第1投入口110が、スリットとして機能する第2開口114を有しているため、精算機10の使用に慣れていない顧客が精算機10を使用しても、顧客が誤って第1投入口110の奥に指を入れることが防止される。一方、第2収受部200は、第1収受部100の第2開口114に相当するスリットを有していないため、店員は、第2投入口210に一度に多くの硬貨を投入することができ、硬貨を補充する作業の効率が上がる。このように、精算機10は、顧客及び店員のそれぞれにとって使いやすい投入口を有する。
図5(a)は、第1投入口110の第2例を示す平面図であり、図5(b)は、第2投入口210の第2例を示す平面図である。図6(a)は、図5(a)のA-A´断面図であり、図6(b)は、図5(b)のB-B´断面図である。第1投入口110は、第1開口112を有している。第1開口112は、第1収受部100から露出している。第2投入口210は、第1開口212を有している。第1開口212は、第2収受部200から露出している。
図5及び図6に示す例では、上記した第1物体が第1投入口110の第1開口112を通過可能であり、上記した第2物体が第1投入口110の第1開口112を通過不可能である。言い換えると、第1投入口110の第1開口112は、複数の物体の中から硬貨を選択的に通過させるスリットとして機能している。これに対して、第1物体が第2投入口210の第1開口212を通過可能であり、第2物体が第2投入口210の第1開口212を通過可能である。このため、第2投入口210(第1開口212)は、効率よく硬貨を通過させることができる。
第1開口112の形状は、長手方向を有しており、具体的には、一例において、2.0mm以上5.0mm以下の幅及び25.0mm以上30.0mm以下の長さを有している。この例において、第1開口112の大きさは相当に小さく、具体的には、複数の硬貨を一度に第1開口112に投入することはほぼ不可能である。また、第1収受部100の使用者は、第1開口112よりも奥に指を入れることができない。
図7(a)及び図7(b)は、紙幣Bの投入方向の一例を説明する図である。
第2投入口220には、第1投入口120に投入される紙幣Bの向いている向きと異なる向きで紙幣Bを投入可能である。具体的には、第1投入口120に紙幣Bを投入する際の水平方向に対する投入角度(第1角度)θ1と第2投入口220に紙幣Bを投入する際の水平方向に対する投入角度(第2角度)θ2が異なる。図7(a)に示す例では、第1投入口120には、水平方向に対して上方から紙幣Bを投入している。一方、図7(b)に示す例では、第2投入口220には、水平方向に沿って紙幣Bを投入している。なお、水平方向に沿って紙幣Bを投入しているため、図7(b)においては第2角度θ2が図示されていない。
一例において、第1角度θ1は、0°より大きく90°以下である。第2角度θ2は、0°以上10°以下である。図7(a)及び図7(b)に示す例では、第1角度θ1は、第2角度θ2よりも大きい。第1角度θ1は、実質的に90°であってもよい。一方、第2角度θ2は、実質的に0°であってもよい。
図7(a)に示す例では、紙幣Bは、紙幣Bの短手方向に沿って第1投入口120に投入されている。一般に、紙幣Bの短手方向に沿って紙幣Bを挿入する場合方が、紙幣Bの長手方向に沿って挿入する場合に比べて入金スピードが向上する。ただし、紙幣Bは、紙幣Bの長手方向に沿って第1投入口120に投入されてもよい。図7(b)に示す例では、紙幣Bは、紙幣Bの短手方向に沿って第2投入口220に投入されている。ただし、紙幣Bは、紙幣Bの長手方向に沿って第2投入口220に投入されてもよい。
一例において、第1投入口120は顧客によって使用され、第2投入口220は店員によって使用される。第1投入口120には、水平方向に対して上方から紙幣Bを投入可能である。例えば精算機10の使用に慣れていない顧客にとっては、水平方向に対して上方から紙幣を投入する方が、水平方向に投入するよりも投入しやすい。一方、精算機10の使用に慣れている店員にとっては、紙幣Bを水平方向に投入することによって入金操作の効率が上がることが多い。また、水平方向に投入することによって紙面を見ながら投入することができるので、紙幣Bの向きをそろえて投入することができる。このよう、精算機10は、顧客及び店員のそれぞれにとって使いやすい投入口を有する。
図8(a)及び図8(b)は、紙幣Bの投入方向の一例を説明するための図である。
図8(a)に示す例では、第1投入口120には、紙幣Bの紙面を水平方向に対して垂直にした状態で紙幣Bの長手方向に沿って紙幣Bを投入する。一方、図8(b)に示す例では、第2投入口220には、紙幣Bの紙面を水平にした状態で紙幣Bの短手方向に沿って紙幣Bを投入する。
図9(a)及び図9(b)は、紙幣Bの投入方向の一例を説明するための図である。
図9(a)に示す例では、第1投入口120には、紙幣Bの紙面を水平にした状態で紙幣Bの長手方向に沿って紙幣Bを投入する。一方、図9(b)に示す例では、第2投入口220には、紙幣Bの紙面を水平にした状態で紙幣Bの短手方向に沿って紙幣Bを投入する。
図10及び図11は、第1投入口110及び第2投入口210の動作の一例を説明するための図である。図10及び図11に示す例において、第1収受部100はシャッタ118を有しており、第2収受部200はシャッタ218を有している。制御器612がシャッタ118の開閉及びシャッタ218の開閉を制御している。
図10に示すように、第1タイミングにおいて、制御器612は、シャッタ118を開かせ、シャッタ218を閉じさせている。これにより、第1投入口110は、第1タイミングで開いており、第2投入口210は、第1タイミングで閉じている。言い換えると、第1収受部100は、第1タイミングにおいて、硬貨を収受可能であり、第2収受部200は、第1タイミングにおいて、硬貨を収受不可能である。
図11に示すように、第2タイミングにおいて、制御器612は、シャッタ118を閉じさせ、シャッタ218を開かせている。これにより、第1投入口110は、第2タイミングで閉じており、第2投入口210は、第2タイミングで開いている。言い換えると、第1収受部100は、第2タイミングにおいて、硬貨を収受不可能であり、第2収受部200は、第2タイミングにおいて、硬貨を収受可能である。
第1タイミングは、精算機10が第1動作モードで動作している場合に、第1投入口110から投入された硬貨を搬送路が搬送するタイミングである。第2タイミングは、精算機10が第2動作モードで動作している場合に、第2投入口220から投入された硬貨を搬送路が搬送するタイミングである。
動作モードは、精算機10が備える制御部(不図示)により切り替えられる。
例えば、第1動作モードは顧客が精算処理を行う際に使用するモードである。また、第2動作モードは、店員が精算機10内に硬貨又は紙幣を補充する際に使用するモードである。店員が精算機10内の硬貨又は紙幣を回収する際に使用するモード(第3動作モード)があってもよい。なお、精算機10の動作モードは、ここに記載したモードに限られない。
一例において、第1タイミングは、精算機10が第1動作モードで動作している場合に第1のユーザ(例えば、顧客)が第1投入口110に投入した硬貨を搬送路が搬送するタイミングである。一方、第2タイミングは、精算機10が第2動作モードで動作している場合に第2のユーザ(例えば、店員)が第2投入口210に投入した硬貨を搬送路が搬送するタイミングである。これにより、第1投入口110及び第2投入口210に同一タイミングで硬貨が投入されることが防止される。図14及び図15を用いて後述するように、第1投入口110と第2投入口210に同一タイミングで硬貨が投入されることが好ましくないことがある。図10及び図11に示す例では、第1投入口110と第2投入口210に同一タイミングで硬貨が投入されることが好ましくない場合に、第1収受部100及び第2収受部200が好適に動作している。
図12及び図13は、第1投入口120及び第2投入口220の動作の一例を説明するための図である。図12及び図13に示す例において、第1収受部100はシャッタ128を有しており、第2収受部200はシャッタ228を有している。制御器614がシャッタ128の開閉及びシャッタ228の開閉を制御している。
図12に示すように、第1タイミングにおいて、制御器614は、シャッタ128を開かせ、シャッタ228を閉じさせている。これにより、第1投入口120は、第1タイミングで開いており、第2投入口220は、第1タイミングで閉じている。言い換えると、第1収受部100は、第1タイミングにおいて、紙幣を収受可能であり、第2収受部200は、第1タイミングにおいて、紙幣を収受不可能である。
図13に示すように、第2タイミングにおいて、制御器614は、シャッタ128を閉じさせ、シャッタ228を開かせている。これにより、第1投入口120は、第2タイミングで閉じており、第2投入口220は、第2タイミングで開いている。言い換えると、第1収受部100は、第2タイミングにおいて、紙幣を収受不可能であり、第2収受部200は、第2タイミングにおいて、紙幣を収受可能である。
一例において、第1タイミングは、精算機10が第1動作モードで動作している場合に、第1のユーザ(例えば、顧客)が第1投入口120に投入した紙幣を搬送路が搬送するタイミングである。一方、第2タイミングは、精算機10が第2動作モードで動作している場合に、第2のユーザ(例えば、店員)が第2投入口220に投入した紙幣を搬送路が搬送するタイミングである。これにより、第1投入口120及び第2投入口220に同一タイミングで紙幣が投入されることが防止される。図20及び図21を用いて後述するように、第1投入口120と第2投入口220に同一タイミングで紙幣が投入されることが好ましくないことがある。図12及び図13に示す例では、第1投入口120と第2投入口220に同一タイミングで紙幣が投入されることが好ましくない場合に、第1収受部100及び第2収受部200が好適に動作している。
図14及び図15は、第1投入口110及び第2投入口210に投入された硬貨の搬送方法の第1例を説明するための図である。第1収納部300は、複数の収納庫302及び搬送路310を有している。
複数の収納庫302は、互いに異なる種類の硬貨を収納する。図14及び図15に示す例において、第1収納部300は、日本国で使用されることを予定している。このため、第1収納部300は、6つの収納庫302、すなわち、1円硬貨用の収納庫302、5円硬貨用の収納庫302、10円硬貨用の収納庫302、50円硬貨用の収納庫302、100円硬貨用の収納庫302及び500円硬貨用の収納庫302を有している。
搬送路310は、第1投入口110及び第2投入口210の双方に通じている。図14及び図15に示す例において、搬送路310は、ベルト312、複数のピン314及び複数のローラ316を有している。複数のピン314は、ベルト312に取り付けられており、ベルト312に沿って等間隔に並んでいる。複数のローラ316は、ベルト312を回転させている。硬貨は、搬送路310内でピン314によって押されている。これにより、硬貨は、搬送路310に沿って移動している。
図14に示すように、搬送路310は、精算機10が第1動作モードで動作している場合に第1投入口110側から硬貨を搬送する。図15に示すように、搬送路310は、精算機10が第2動作モードで動作している場合に第2投入口210側から硬貨を搬送する。このように、図14及び図15に示す例では、第1投入口110から投入された硬貨を搬送するための搬送路及び第2投入口210から投入された硬貨を搬送するための搬送路を共通化し、精算機10の動作モードによって搬送方向を変えている。このため、第1収納部300の部品点数が少ないものになっている。これにより、第1収納部300の大きさが大きくなることが抑制されている。
第1タイミング(図14)において、第2投入口210は、図10に示したように、閉じていてもよい。この場合、第1タイミング(すなわち、搬送路310が第1投入口110側から硬貨を搬送しているタイミング)に、第2投入口210から搬送路310に硬貨が供給されることを防止することができる。なお、第1タイミング(図14)において、第1投入口110は、図10に示したように、開いている。これにより、第1投入口110から搬送路310に硬貨を供給することができる。
第2タイミング(図15)において、第1投入口110は、図11に示したように、閉じていてもよい。この場合、第2タイミング(すなわち、搬送路310が第2投入口210側から硬貨を搬送しているタイミング)に、第1投入口110から搬送路310に硬貨が供給されることを防止することができる。なお、第2タイミング(図15)において、第2投入口210は、図11に示したように、開いている。これにより、第2投入口210から搬送路310に硬貨を供給することができる。
図14及び図15に示す例では、第1投入口110に投入された硬貨は、センサ320aによって検出される。具体的には、第1投入口110からの硬貨は、ピッカローラ322a及びベルト324aによって搬送路310に送られる。硬貨は、第1投入口110と搬送路310の間においてセンサ320aを通過する。センサ320aは、第1投入口110に投入された硬貨の枚数及び種類を検出する。
同様にして、第2投入口210に投入された硬貨は、センサ320bによって検出される。具体的には、第2投入口210からの硬貨は、ピッカローラ322b及びベルト324bによって搬送路310に送られる。硬貨は、第2投入口210と搬送路310の間においてセンサ320bを通過する。センサ320bは、第2投入口210に投入された硬貨の枚数及び種類を検出する。
第1投入口110に投入された硬貨の金額及び第2投入口210に投入された硬貨の金額は、合算器622によって合算される。具体的には、合算器622は、センサ320aの検出結果及びセンサ320bの検出結果に基づいて、第1投入口110に投入された硬貨の金額と第2投入口210に投入された硬貨の金額を合算する。例えば、精算機10が第1動作モードで動作している場合に顧客が第1投入口110から投入した硬貨の金額と、精算機10が第2動作モードで動作している場合に店員が第2投入口210から投入(補充)した硬貨の金額とが合算されることにより、精算機10内の硬貨の合計金額を把握することができる。さらに、合算器622は、第1投入口110に払い出された硬貨の金額及び第2投入口210に払い出された硬貨の金額も合算可能である。なお、合算器622は、例えばプロセッサ、より具体的には例えばCPU(Central Processing Unit)である。
複数の硬貨は、複数のブレード330によって種類別に分類される。具体的には、複数のブレード330のそれぞれは、複数の収納庫302のそれぞれと重なっている。各ブレード330は、開閉可能となっている。ブレード330が閉じている場合、硬貨は、ブレード330の上方を通過することができる。ブレード330が開いている場合、硬貨は、ブレード330の直下の収納庫302に落下することができる。複数のブレード330のうちのいずれのブレード330を開くかは、センサ320aの検出結果又はセンサ320bの検出結果に基づいて制御されている。
なお、不正な硬貨(例えば、変形した硬貨又は偽造硬貨)は、ブレード332a又はブレード332bによって搬送路310から排出される。具体的には、ブレード332a及びブレード332bは、開閉可能となっている。ブレード332aが閉じている場合、第1投入口110からの硬貨は、ブレード332aの上方を通過することができる。ブレード332bが閉じている場合、第2投入口210からの硬貨は、ブレード332bの上方を通過することができる。ブレード332aが開いている場合、硬貨は、ブレード332aの下方に落下して搬送路310から排出される。ブレード332bが開いている場合、硬貨は、ブレード332bの下方に落下して搬送路310から排出される。ブレード332aの開閉は、センサ320aの検出結果に基づいて制御されており、ブレード332bの開閉は、センサ320bの検出結果に基づいて制御されている。
図16(a)及び図16(b)は、図14及び図15に示した第1収納部300において収納庫302から第1払出口130又は第2払出口230に硬貨を払い出す方法の一例を説明するための図である。第1収納部300は、払出路350及び可動板352を有している。払出路350は、収納庫302の下方にあり、言い換えると、収納庫302と重なっている。可動板352は、開閉可能である。
図16(a)に示す例において、可動板352は、収納庫302と払出路350とが互いに遮断されるように閉じている。硬貨は、ローラ340によって収納庫302から送り出され、可動板352の上方を通過している。このようにして、硬貨は、第1払出口130に払い出される。
図16(b)に示す例において、可動板352は、収納庫302と払出路350とが互いに繋がるように開いている。硬貨は、ローラ340によって収納庫302から送り出され、払出路350に向けて落下する。硬貨は、例えばベルトによって払出路350に沿って搬送される。このようにして、硬貨は、第2払出口230から払い出される。
図16(a)及び図16(b)に示す例では、収納庫302内の硬貨を第2払出口230に払い出すための搬送路(すなわち、払出路350)が収納庫302の下方にある。このため、第1払出口130と第2払出口230の間の距離を短くすることができる。このようにして、精算機10の大きさが大きくなることが抑制されている。
図17及び図18は、第1投入口110及び第2投入口210に投入された硬貨の搬送方法の第2例を説明するための図である。図17及び図18に示す例においても、図14及び図15に示した例と同様にして、搬送路310は、精算機10が第1動作モードで動作している場合に(図17)第1投入口110側から硬貨を搬送し、精算機10が第2動作モードで動作している場合に(図18)第2投入口210側から硬貨を搬送する。
複数の収納庫302は、複数の収納庫302a及び複数の収納庫302bを含んでいる。複数の収納庫302aは、第1収受部100と複数の収納庫302bの間にある。複数の収納庫302bは、第2収受部200と複数の収納庫302aの間にある。一例において、収納庫302aには、第1投入口110からの硬貨が収納され、収納庫302bには、第2投入口210からの硬貨が収納される。さらに、一例において、第1払出口130からの硬貨は、ローラ340a(ローラ340)によって収納庫302aから供給され、第2払出口230からの硬貨は、ローラ340b(ローラ340)によって収納庫302bから供給される。このようにして、図17及び図18に示す例では、硬貨を収納する領域が大きくなっている。
図19は、第1投入口110及び第2投入口210に投入された硬貨の搬送方法の第3例を説明するための図である。
図19に示す例では、第1投入口110からの硬貨は、搬送路310(搬送路310a)によって搬送され、収納庫302aに収納される。第2投入口210からの硬貨は、搬送路310(搬送路310b)によって搬送され、収納庫302bに収納される。
搬送路310aは、第1投入口110に通じており、第2投入口210に通じていない。搬送路310bは、第2投入口210に通じており、第1投入口110に通じていない。このため、搬送路310a及び搬送路310bは、互いに独立して動作することができる。このため、第1投入口110及び第2投入口210に同じタイミングで硬貨を投入することができる。なお、精算機10が第1動作モードで動作している場合に搬送路310aにより第1投入口110側から硬貨又は紙幣を搬送し、精算機10が第2動作モードで動作している場合に搬送路310bにより第2投入口210側から硬貨又は紙幣を搬送してもよい。
図20及び図21は、第1投入口120及び第2投入口220に投入された紙幣の搬送方法の第1例を説明するための図である。第2収納部400は、複数の収納庫402及び搬送路410を有している。
複数の収納庫402は、互いに異なる種類の紙幣を収納する。図20及び図21に示す例において、第2収納部400は、日本国で使用されることを予定している。このため、第2収納部400は、3つの収納庫402、すなわち、1000円札用の収納庫402、5000円札用の収納庫402及び10000円札用の収納庫402を有している。
搬送路410は、第1投入口120及び第2投入口220の双方に通じている。さらに、搬送路410は、複数の収納庫402のそれぞれに通じている。搬送路410は、例えばローラによって紙幣を搬送する。図20に示すように、搬送路410は、精算機10が第1動作モードで動作している場合に第1投入口120側から紙幣をする。図21に示すように、搬送路410は、精算機10が第2動作モードで動作している場合に第2投入口220側から紙幣を搬送する。このように、図20及び図21に示す例では、第1投入口120から投入された紙幣を搬送するための搬送路及び第2投入口220から投入された紙幣を搬送するための搬送路を共通化し、精算機10の動作モードによって搬送方向を変えている。このため、第2収納部400の部品点数が少ないものになっている。これにより、第2収納部400の大きさが大きくなることが抑制されている。
第1タイミング(図20)において、第2投入口220は、図12に示したように、閉じていてもよい。この場合、第1タイミング(すなわち、搬送路410が第1投入口120側から紙幣を搬送しているタイミング)に、第2投入口220から搬送路410に紙幣が供給されることを防止することができる。なお、第1タイミング(図20)において、第1投入口120は、図12に示したように、開いている。これにより、第1投入口120から搬送路410に紙幣を供給することができる。
第2タイミング(図21)において、第1投入口120は、図13に示したように、閉じていてもよい。この場合、第2タイミング(すなわち、搬送路410が第2投入口220側から紙幣を搬送しているタイミング)に、第1投入口120から搬送路410に硬貨が供給されることを防止することができる。なお、第2タイミング(図21)において、第2投入口220は、図13に示したように、開いている。これにより、第2投入口220から搬送路410に紙幣を供給することができる。
図20及び図21に示す例では、第1投入口120に投入された紙幣は、センサ420aによって検出される。具体的には、第1投入口120からの紙幣は、収納庫402に収納される前にセンサ420aを通過する。センサ420aは、第1投入口120に投入された紙幣の枚数及び種類を検出する。
同様にして、第2投入口220に投入された紙幣は、センサ420bによって検出される。具体的には、第2投入口220からの紙幣は、収納庫402に収納される前にセンサ420bを通過する。センサ420bは、第2投入口220に投入された紙幣の枚数及び種類を検出する。
第1投入口120に投入された紙幣の金額及び第2投入口220に投入された紙幣の金額は、合算器624によって合算される。具体的には、合算器624は、センサ420aの検出結果及びセンサ420bの検出結果に基づいて、第1投入口120に投入された紙幣の金額と第2投入口220に投入された紙幣の金額を合算する。例えば、精算機が第1動作モードで動作している場合に顧客が第1投入口120から投入した紙幣の金額と、精算機10が第2モードで動作している場合に店員が第2投入口220から投入(補充)した硬貨の金額とが合算されることにより、精算機10内の紙幣の合計金額を把握することができる。さらに、合算器624は、第1投入口120に払い出された紙幣の金額及び第2投入口220に払い出された紙幣の金額を合算可能である。なお、合算器624は、例えばプロセッサ、より具体的には例えばCPU(Central Processing Unit)である。
第1タイミング(図20)において、紙幣は、搬送路410を通じて収納庫402に収納される。複数の収納庫402のうち紙幣をいずれの収納庫402に収納するかは、センサ420aの検出結果に基づいて制御されている。第2タイミング(図21)において、紙幣は、搬送路410を通じて収納庫402に収納される。複数の収納庫402のうち紙幣をいずれの収納庫402に収納するかは、センサ420bの検出結果に基づいて制御されている。
図22及び図23は、第1投入口120又は第2投入口220に紙幣を払い出す方法の第1例を説明するための図である。図22及び図23に示す第2収納部400は、図20及び図21に示した第2収納部400と同様である。
図22に示すように、第3タイミングにおいて、収納庫402からの紙幣は、センサ430を通過し、センサ420aを通過し、第1投入口120から払い出される。収納庫402から払い出された紙幣は、センサ430によって検出される。具体的には、センサ430は、収納庫402から払い出された紙幣の枚数及び種類を検出する。
第3タイミング(図22)において、第2投入口220は、図12に示したように、閉じていてもよい。この場合、第3タイミング(すなわち、搬送路410が収納庫402から第1投入口120に向けて紙幣を搬送しているタイミング)に、第2投入口220から搬送路410に紙幣が供給されることを防止することができる。なお、第3タイミング(図22)において、第1投入口120は、図12に示したように、開いている。これにより、第1投入口120から紙幣を払い出すことができる。
図23に示すように、第4タイミングにおいて、収納庫402からの紙幣は、センサ430を通過し、折り返して再びセンサ430を通過し、センサ420bを通過し、第2投入口220から払い出される。言い換えると、第1投入口120から払い出される紙幣及び第2投入口220から払い出される紙幣は、共通のセンサ(すなわち、センサ430)によって検出されている。このため、第2収納部400の部品点数が少ないものになっている。これにより、第2収納部400の大きさが大きくなることが抑制されている。
第4タイミング(図23)において、第1投入口120は、図13に示したように、閉じていてもよい。この場合、第4タイミング(すなわち、搬送路410が収納庫402から第2投入口220に向けて紙幣を搬送しているタイミング)に、第1投入口120から搬送路410に紙幣が供給されることを防止することができる。なお、第4タイミング(図23)において、第2投入口220は、図13に示したように、開いている。これにより、第2投入口220から紙幣を払い出すことができる。
一例において、第3タイミングは、精算機10が第1動作モードで動作している場合に第1投入口120に紙幣を払い出すタイミングである。一方、第4タイミングは、精算機10が第3動作モード(店員が精算機10内の硬貨又は紙幣を回収する際に使用するモード)で動作している場合に第2投入口220に紙幣を払い出すタイミングである。これにより、第1投入口120及び第2投入口220に同一タイミングで紙幣が払い出されることが防止される。
図24は、第1投入口120及び第2投入口220に投入された紙幣の搬送方法及び第1投入口120及び第2投入口220に紙幣を払い出す方法の第2例を説明するための図である。
図24に示す例では、第1投入口120からの紙幣は、搬送路410(搬送路410a)によって搬送され、収納庫402(収納庫402a)に収納される。第1投入口120に投入された紙幣は、センサ420aによって検出される。第2投入口220からの紙幣は、搬送路410(搬送路410b)によって搬送され、収納庫402(収納庫402b)に収納される。第2投入口220に投入された紙幣は、センサ420bによって検出される。
さらに、図24に示す例では、収納庫402aからの紙幣は、搬送路410aによって搬送され、第1投入口120に払い出される。収納庫402aから払い出された紙幣は、センサ430(センサ430a)によって検出される。収納庫402bからの紙幣は、搬送路410bによって搬送され、第2投入口220に払い出される。収納庫402bから払い出された紙幣は、センサ430(センサ430b)によって検出される。
搬送路410aは、第1投入口120に通じており、第2投入口220に通じていない。搬送路410bは、第2投入口220に通じており、第1投入口120に通じていない。このため、搬送路410a及び搬送路410bは、互いに独立して動作することができる。このため、第1投入口120及び第2投入口220に同じタイミングで紙幣を投入することができる。さらに、第1投入口120及び第2投入口220に同じタイミングで紙幣を払い出すことができる。さらに、搬送路410aが第1投入口120から収納庫402aに紙幣を搬送している間に、搬送路410bが収納庫402bから第2投入口220に紙幣を搬送することができる。同様にして、搬送路410bが第2投入口220から収納庫402bに紙幣を搬送している間に、搬送路410aが収納庫402aから第1投入口120に紙幣を搬送することができる。
図25は、第1収受部100及び第2収受部200のそれぞれの向きの第1例を説明するための図である。図25に示す例において、第2収受部200は、精算機10の側面のうち、第1収受部100が設けられている側面と異なる側面に設けられている。具体的には、図1及び図2に示した例と同様にして、第2収受部200は、第1収受部110に略対向する位置に設けられている。また、例えば第2収受部は、第1収受部100の向いている方向と実質的に180°(例えば、170°以上190°以下)異なる方向を向いている。図25に示す精算機10は、顧客が店員の正面に立って精算処理を行う場合、好適に用いられる。
図26は、第1収受部100及び第2収受部200のそれぞれの向きの第2例を説明するための図である。図26に示す例において、第2収受部200は、第1収受部100の向いている方向と異なる方向を向いている。具体的には、第2収受部200は、精算機10の側面のうち第1収受部100が設けられた側面を含む平面に略直交する側面に設けられている。第2収受部200は、第1収受部100の向いている方向と実質的に90°(例えば、80°以上100°以下)異なる方向を向いている。図26に示す精算機10は、顧客が店員の側方に立って精算処理を行う場合、好適に用いられる。
図27は、第1収受部100及び第2収受部200のそれぞれの向きの第3例を説明するための図である。収納部500は、収納部500a及び収納部500bを有している。第1収受部100は、収納部500aに設けられており、第2収受部200は、収納部500bに設けられている。収納部500aと収納部500bは、互いに重なっており、具体的には、収納部500b上に収納部500aが重ねられている。ただし、収納部500a上に収納部500bが重ねられてもよい。さらに、第2収受部200は、第1収受部100と異なる方向を向いており、具体的には、第1収受部100と実質的に90°異なる方向を向いている。図26に示す例においても、搬送路は、第1収受部100の第1投入口及び第2収受部200の第2投入口の双方に通じている。
図28は、第1収受部100及び第2収受部200のそれぞれの向きの第4例を説明するための図である。精算機10は、複数の第1収受部100、すなわち第1収受部100a及び第1収受部100bを備えている。第1収受部100aと第1収受部100bは、互いに反対側に位置している。第2収受部200は、第1収受部100a及び第1収受部100bの双方と異なる方向を向いており、より具体的には、第1収受部100a及び第1収受部100bと実質的に90°異なる方向を向いている。図28に示す例では、一例において、店員が第2収受部200を用いることができ、一人の顧客が第1収受部100aを用いることができ、もう一人の顧客が第1収受部100bを用いることができる。
図29は、第1収受部100、第2収受部200及び収納部500の関係の一例を説明するための図である。図29に示す例において、収納部500は、筐体502及び本体504を有している。本体504は、筐体502から引き出し可能になっている。第1収受部100は、筐体502に取り付けられている。第2収受部200は、本体504に取り付けられている。このため、第1収受部100は、筐体502から引き出し不可能であり、第2収受部200は、筐体502から引き出し可能になっている。
一例において、第1収受部100は、顧客によって使用され、第2収受部200は店員によって使用される。店員は、本体504を検査することがある。このため、第2収受部200が筐体502から引き出し可能であることは、店員にとって好ましい。一方、顧客が本体504を検査することはほぼない。さらに、顧客が本体504に触れることが好ましくないことがある。このような場合、第1収受部100が筐体502から引き出し不可能であることは好ましい。
本実施形態によれば、第2収受部200は、第1収受部100の構成と異なる構成を有している。このため、顧客及び店員により精算機の異なる投入口から硬貨又は紙幣を投入することが可能となり、セルフPOSシステム又はセミセルフPOSシステムの運用効率を向上させることができる。より具体的には、精算機10がニアエンドやニアフルの状態になっても、店員側に設けられた投入口から硬貨又は紙幣を補充又は回収することができ、店員の移動の手間やセキュリティ上の問題が解消される。また、精算機10は、顧客及び店員が共通の精算機に硬貨又は紙幣を投入する場合に、顧客及び店員の双方にとって使いやすい構成を提供することができる。
(第2の実施形態)
図30は、第2の実施形態にかかる精算機10の構成を示す図である。精算機10は、第1収受部100、第2収受部200、搬送路310及び制御部700を備える。精算機100は、セルフPOSシステム又はセミセルフPOSシステムで用いられる精算機である。
第1収受部100は、第1投入口102を有する。第2収受部200は、第2投入口202を有する。
搬送路310は、第1投入口102及び前記第2投入口202の双方に通じており、精算機10が第1動作モードで動作している場合に第1投入口102側から硬貨又は紙幣を搬送し、精算機10が第2動作モードで動作している場合に第2投入口202側から硬貨又は紙幣を搬送する。
制御部700は、精算機10の動作モードを切り替える。また、制御部700は、第1の実施形態における制御器612及び制御器614の機能を有することができる。
ここで、精算機10の動作モードには、例えば顧客が精算処理を行う際に使用するモードと、店員が精算機10内に硬貨又は紙幣を補充する際に使用するモードがある。また、店員が精算機10内の硬貨又は紙幣を回収する際に使用するモードがあってもよい。なお、精算機10の動作モードは、ここに記載したモードに限られない。
本実施形態では、例えば顧客が第1収受部100を使用し、店員が第2収受部200を使用する。そして、例えば第1動作モードは顧客が精算処理を行う際に使用するモードであり、第2動作モードは店員が精算機10内に硬貨又は紙幣を補充する際に使用するモードである。
図31は、精算機10の動作モードの第1例を説明するための図である。精算機10は、複数の発光部、すなわち、発光部712及び発光部714を備えている。発光部712及び発光部714は、例えばLight emitting diodeにより実現される。発光部712は、第1収受部100側に位置しており、発光部714は、第2収受部200側に位置している。顧客が第1収受部100を使用し、店員が第2収受部200を使用する場合、顧客及び店員は、発光部712の発光状態及び発光部714の発光状態によって、精算機10の動作モードを判断することができる。
一例において、第1動作モード(図30を用いて説明した例では、第1投入口102側から硬貨又は紙幣が搬送されているモード)では、発光部712から光を発し、発光部714からは光を発せず、第2動作モード(図30を用いて説明した例では、第2投入口202側から硬貨又は紙幣が搬送されているモード)では、発光部712からは光を発せず、発光部714から光を発するようにする。この例においては、顧客は、顧客に近い側の発光部(すなわち、発光部712)から光が発せられている場合は、第1収受部100を使用可能であると判断することができる。また、顧客又は店員は、第1収受部100が使用中であることを知ることができる。一方、店員は、店員に近い側の発光部(すなわち、発光部714)から光が発せられている場合は、第2収受部200を使用可能であると判断することができる。また、顧客又は店員は、第2収受部200が使用中であることを知ることができる。
図32は、精算機10の動作モードの第2例を説明するための図である。精算機10は、複数の表示部、すなわち、表示部722及び表示部724を備えている。表示部722は、第1収受部100側に位置しており、表示部724は、第2収受部200側に位置している。顧客が第1収受部100を使用し、店員が第2収受部200を使用する場合、顧客及び店員は、表示部722の表示状態及び表示部724の表示状態によって、精算機10の動作モードを判断することができる。
図33は、図32に示した表示部722及び表示部724の画像の一例を説明するための図である。図33において、精算機10(図32)は、第1動作モード(図30を用いて説明した例では、第1投入口102側から硬貨又は紙幣が搬送されているモード)にある。図33に示すように、表示部722は、第1収受部100(図32)が使用可能であることを意味する画像を表示し、表示部724は、第2収受部200(図32)が使用不可能であることを意味する画像を表示する。顧客は、表示部722に表示された画像に基づいて、第1収受部100が使用可能であることを判断することができる。一方、店員は、表示部724に表示された画像に基づいて、第2収受部200が使用不可能であることを判断することができる。表示部722及び表示部724において、第1収受部100又は第2収受部200が使用中であることを表示することもできる。また、顧客又は店員の双方が視認可能な位置に共通の表示部を設け、第1収受部100又は第2収受部200のいずれかが使用可能又は使用中であることを表示してもよい。
本実施形態の精算機10では、第1投入口102から投入された硬貨又は紙幣を搬送するための搬送路310及び第2投入口202から投入された硬貨又は紙幣を搬送するための搬送路310を共通化し、精算機10の動作モードによって搬送方向を変えている。これにより、顧客及び店員により精算機10の異なる投入口から硬貨又は紙幣を投入することが可能となり、セルフPOSシステム又はセミセルフPOSシステムの運用効率を向上させることができる。より具体的には、精算機10がニアエンドやニアフルの状態になっても、店員側に設けられた投入口から硬貨又は紙幣を補充又は回収することができ、店員の移動の手間やセキュリティ上の問題が解消される。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
1.第1投入口を有する第1収受部と、
第2投入口を有する第2収受部とを備え、
前記第2収受部は、前記第1収受部の構成と異なる構成を有しており、
前記第2投入口には、前記第1投入口に投入可能な硬貨又は紙幣の枚数よりも多くの枚数の硬貨又は紙幣を同時に投入可能である精算機。
2.付記1に記載の精算機であって、
前記第1投入口には、硬貨を投入可能であり、
前記第2投入口には、硬貨を投入可能であり、
第1の大きさを有する第1物体が前記第1投入口及び前記第2投入口を通過可能であり、
前記第1の大きさよりも大きい第2の大きさを有する第2物体が前記第1投入口を通過不可能である。
3.付記2に記載の精算機であって、
前記第1投入口は、第1開口と、前記第1開口よりも開口面積の小さい第2開口と、を有し、
前記第1物体が前記第2開口を通過可能であり、
前記第2物体が前記第2開口を通過不可能である。
4.付記3に記載の精算機であって、
前記第1収受部は、間隔を空けて設けられた複数の延伸部材を有し、
前記第2開口は、互いに隣接する延伸部材によって画定されている。
5.付記4に記載の精算機であって、
前記複数の延伸部材の各々の断面は、上端から下方へ向かって幅が広くなる形状である。
6.付記4又は5に記載の精算機であって、
前記複数の延伸部材のうちの互いに隣接する延伸部材は、上端の高さ方向の位置が異なる。
7.付記2に記載の精算機であって、
前記第1投入口は、第1開口を有し、
前記第2投入口は、前記第1開口よりも開口面積の大きい第3開口を有し、
前記第1物体が前記第1開口を通過可能であり、
前記第2物体が前記第1開口を通過不可能である。
8.付記1に記載の精算機であって、
前記第1投入口には、紙幣を投入可能であり、
前記第2投入口には、紙幣を投入可能であり、
前記第2投入口には、前記第1投入口に投入される紙幣の向いている向きと異なる向きで紙幣を投入可能である。
9.付記8に記載の精算機であって、
前記第1投入口に紙幣を投入する際の水平方向に対する投入角度と前記第2投入口に紙幣を投入する際の水平方向に対する投入角度が異なる。
10.付記8に記載の精算機であって、
前記第1投入口には、紙幣の長手方向に沿って紙幣を投入可能であり、
前記第2投入口には、前記長手方向に垂直な方向に沿って紙幣を投入可能である。
11.付記1に記載の精算機であって、
第1タイミングでは、第1収受部が硬貨又は紙幣を収受可能であり、
第2タイミングでは、第2収受部が硬貨又は紙幣を収受可能である。
12.付記11に記載の精算機であって、
前記第1収受部は、前記第1投入口を介して硬貨又は紙幣を収受可能であり、
前記第2収受部は、前記第2投入口を介して硬貨又は紙幣を収受可能であり、
第1タイミングでは第1投入口が開いており、
第2タイミングでは第2投入口が開いている。
13.付記1~12のいずれか一項に記載の精算機であって、
前記第2収受部は、該精算機の側面のうち前記第1収受部が設けられている側面と異なる側面に設けられている。