JP2004272461A - 硬貨処理装置 - Google Patents

Abstract

【課題】各金種の釣銭を容易にレジスター機にセットすることができ、金種毎に相違する釣銭の枚数を必要数だけ準備できるようにする。
【解決手段】各硬貨収納部７９〜８４の出金カセット７７の長手方向における幅を、レジスター機１２ａ〜１２ｄに金種毎に設けられた各釣銭収納部の幅と同じ幅にしておき、釣銭管理装置１７に出金カセット７７を装着して各硬貨集積部５７〜６２から繰り出された各金種の硬貨を硬貨収納部７９〜８４金種毎に収納し、この出金カセット７７をレジスター機１２ａ〜１２ｄまで運んで、出金カセット７７から各金種の硬貨をレジスター機１２ａ〜１２ｄの釣銭収納部に移し変える。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨を入金計数して収納し、収納した硬貨を出金する硬貨処理装置に関するもので、特にレジスター機への現金のセット時に使用する出金カセットを備えた硬貨処理装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
商品の販売や有償サービスの提供を行う店舗においては、代金の清算に必要となる釣銭準備金を管理するために硬貨処理装置が備えられている。
一般に、店舗にはレジスター機が配置され、レジ係等の代金清算業務の担当者は、顧客から代金として受領した現金をレジスター機に収納すると共に、釣銭として必要な現金をレジスター機から取り出して顧客に渡すようにしている。
【０００３】
釣銭の大半は硬貨であり、釣銭切れが発生して代金清算業務が滞ることがないようにするために、釣銭準備金としてすべての金種の硬貨、つまり一円硬貨、五円硬貨、十円硬貨、五十円硬貨、百円硬貨、及び五百円硬貨を事前に計数し、仕分けして前記レジスター機に収納するようにしている。
この場合、１枚づつバラバラになっている所謂バラ硬貨を計数して管理するのは手間がかかる作業であるため、前記硬貨処理装置を使用して釣銭準備金を管理することが行われる。
【０００４】
すなわち、硬貨処理装置で所定額の釣銭準備金を払い出したり、業務終了時等にレジスター機に残った釣銭準備金を硬貨処理装置に入金したり、計数するようにしている。
従来のこの種の硬貨処理装置は、複数金種のバラ硬貨を一括して入金処理することが可能となっており、また必要額の釣銭準備金の払い出しにおいても複数金種のバラ硬貨を混合して払い出すことができるようになっている（（例えば、特許文献１参照））。
【０００５】
尚、硬貨を金種別に仕分けした払い出す装置としては、同一金種の硬貨を所定枚数づつ、例えば５０枚づつ包装した棒金と称される形態で払い出す装置が知られている。
例えば、金融機関等においては業務用の両替機が配置され、この業務用の両替機は入金された紙幣に対して、一般的に棒金の形態で払い出しが行われる。
【０００６】
【特許文献１】
特開平２００１−１９５６３１公報（段落
【００１７】〜
【００２７】、図１）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の硬貨処理装置では、釣銭準備金としての複数金種のバラ硬貨を払い出す場合、各金種の硬貨が混合して払い出されるため、釣銭準備金をレジスター機にセットする場合、硬貨を各金種毎に手作業で仕分けしなければならず、手間がかかるという問題がある。
【０００８】
また、硬貨を棒金の状態で払い出す装置を使用した場合、硬貨を手作業で仕分けする必要はなくなるが、棒金は各金種毎に硬貨とも５０枚づつ等に包装ものであるため、レジスター機にセットする釣銭準備金としては不向きである。
すなわち、レジスター機にセットする釣銭準備金は金種によって必要枚数が異なり、また金種ごとに必要な枚数も店舗毎に異なるが、それを考慮しないと、業務中にある金種の硬貨が不足したり、逆にある金種の硬貨が大量に残ることになる。一般的には、一円硬貨、十円硬貨、及び百円硬貨は釣銭として比較的多くの枚数を必要とし、五円硬貨、五十円硬貨、及び五百円硬貨はあまり多くの枚数を必要としないが、棒金の場合各金種とも一律に一定枚数払い出されるため、金種毎に相違する枚数の硬貨を準備できないという問題がある。
本発明はこのような問題を解決することを課題とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、複数金種の硬貨を金種毎に硬貨集積部に集積し、各硬貨集積部から各金種の硬貨を繰り出してレジスター機にセットする釣銭として払い出す硬貨処理装置において、該装置に着脱可能に設けられ、該装置に装着した状態で前記各硬貨集積部から繰り出された各金種の硬貨を金種毎に収納する複数の硬貨収納部を有する出金カセットを備え、前記各硬貨収納部の出金カセットの長手方向における幅を、前記レジスター機に金種毎に設けられた各釣銭収納部の幅と同じ幅にしたことを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明による硬貨処理装置の実施の形態について説明する。
図１は第１の実施の形態を示す要部斜視図で、この図１を説明する前に図２及び図３について説明する。
【００１１】
図２は実施の形態の店舗設置例を示す図である。
図２において１１は店舗で、この店舗１１には、売上を集計し、売上金を保管するためのレジスター機１２ａ〜１２ｄが配設されるが、その数は図示した４台に限らず、店舗の規模等により１台あるいは２台以上の任意の数に設定することが可能である。
【００１２】
また、店舗１１は、例えばコンビニエンスストアや、スーパーマーケット、百貨店等の商店、あるいはレストラン、喫茶店等の飲食店が対象として考えられるが、商品の販売や有償サービスの提供を行う店舗であれば、いかなる店舗であってもよい。
前記レジスター機１２ａ〜１２ｄは、店舗を訪れた顧客が商品を購入したり、サービスを受けてその代金の清算を行う際、レジ係等の担当者が操作して各商品やサービスの代金を売上として入力することにより合計売上額を集計し、かつ顧客から代金として受け取った現金を収納するための装置である。
【００１３】
この場合、顧客に釣銭を支払う必要があれば、レジ係等の担当者はレジスター機１２ａ〜１２ｄのドロア（引出）内から釣銭としての現金を取り出し、釣銭で顧客に渡す。
レジスター機１２ａ〜１２ｄのドロアには硬貨の金種毎に仕切られた釣銭収納部が設けられいて、各釣銭収納部に硬貨が金種別に収納されており、これら各釣銭収納部はドロアの手前側に横一列に配置されていて、釣銭である硬貨を容易に取り出せるようになっている。
【００１４】
尚、レジスター機１２ａ〜１２ｄは、所謂ＰＯＳ（Ｐｏｉｎｔ ｏｆ Ｓａｌｅｓ）システムにおけるＰＯＳ端末として機能するものであってもよい。
その場合、売上額だけでなく、顧客が購入した商品やサービス毎に商品項目等の売上情報も前記レジスター機１２ａ〜１２ｄに入力される。
そして、これらのレジスター機１２ａ〜１２ｄに入力された売上情報や売上額を集計するためのストアコンピュータ１３が店舗に設置される。
【００１５】
このストアコンピュータ１３はレジスター機１２ａ〜１２ｄとＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗａｏｒｋ）１４を介して接続され、レジジター機１２ａ〜１２ｄに売上情報や売上額が入力される毎に、該売上情報や売上額を収集して店舗全体としての売上情報や売上額を集計するものとなっている。
更に、ストアコンピュータ１３は、公衆網等の通信回線１５を介して本部コンピュータ１６に接続されており、この本部コンピュータ１６には別の複数の店舗１１にそれぞれ設置されているストアコンピュータ１３も通信回線１５を介して接続されていて、各店舗の売上情報や売上額等をストアコンピュータ１３から収集し、すべての店舗の売上情報や売上額等を集計するものとなっている。
【００１６】
これにより、本部コンピュータ１６は各店舗１１の商品の在庫状況を把握し、新たに仕入れる商品の品目、数量等を算出することができ、更に、本部コンピュータ１６によって集計されたり、算出された情報は店舗指導に等において利用することができる。
１７は店舗１１設置された硬貨処理装置としての釣銭管理装置で、この釣銭管理装置１７はレジスター機１２ａ〜１２ｄにセットする釣銭準備金を収納し、管理するようになっている。
【００１７】
すなわち、店舗１１における営業に必要な数日分の釣銭準備金が釣銭管理装置１７内に集積されていて、店舗の担当者は必要に応じて釣銭管理装置１７から必要額の釣銭準備金を出金し、レジスター機１２ａ〜１２ｄにセットするものとなっている。
また、担当者はレジスター機１２ａ〜１２ｄに業務終了時等に残った釣銭準備金を回収して釣銭管理装置１７に入金する。
【００１８】
そして、回収した釣銭準備金が入金されると釣銭管理装置１７は、その釣銭準備金の計数を行い、始めに出金した釣銭準備金と回収した釣銭準備金との差額に基づいて清算処理を行う。
尚、釣銭準備金の管理は各レジスター機単位で行うことができ、各レジスター機１２ａ〜１２ｄ毎に釣銭準備金の清算及び管理を行うことができる。
【００１９】
また、釣銭管理装置１７は通信回線１８を介して監視センタ１９に接続されており、この監視センタ１９は通信回線１８を介して釣銭管理装置１７の稼働状況を収集し、釣銭準備金が不足した場合の補充（入金）や、釣銭管理装置１７が強盗等に襲われた場合の監視等を行う。
店舗１１で必要な釣銭準備金としては、一円硬貨、五円硬貨、十円硬貨、五十円硬貨、百円硬貨、及び五百円硬貨や、千円紙幣、２千円紙幣、及び五千円紙幣がある。
【００２０】
硬貨の金種は６種類あり、準備する枚数も金種によっては一般的なレジスター機１台について５０〜１００枚となり管理に手間がかかるが、紙幣の場合は、一般的なレジスター機１台につき、千円は１０〜２０枚程度、二千円及び五千円は数枚準備すればよいので手間がかかることはない。
そのため、釣銭管理装置１７のコストを安価にするためには、釣銭準備金としての紙幣は人手で管理し、硬貨のみを釣銭管理装置１７で管理することが望ましい。
【００２１】
このようなことから、本実施の形態では、釣銭管理装置１７が硬貨のみを管理する場合について説明する。
図示したように釣銭管理装置１７は、レジスター機１２ａ〜１２ｄから回収した硬貨や新たに釣銭管理装置１７に補充する硬貨を入金するための入金口２１、正当な硬貨として判別することができない場合等に、その硬貨を返却するためのリジェクト口２２、及び釣銭管理装置１７に保管されている釣銭準備金から必要な額をレジスター機１２ａ〜１２ｄにセットするために払い出す出金口２３を有している。
【００２２】
また、これらの処理を実行し、釣銭管理装置１７を操作するために、釣銭管理装置１７の前面にはＣＲＴや液晶ディスプレイ、あるいはＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）ディスプレイ等による表示部２４、ファンクションキーやテンキー等によって操作キー部２５、担当者が所持しているＩＤカードを受け入れるためのカード受入口２６、及び入金、出金、清算等の結果を印刷したレシートを発行するためのレシート口２７が設けられている。
【００２３】
尚、表示部２４及び操作キー部２５はタッチパネルとして一体的に構成されていてもよい。
図３は釣銭管理装置１７の構成を示す機能ブロック図である。
この図に示したように釣銭管理装置１７は、制御部３１、データ記憶部３２、表示制御部３３、操作制御部３４、カード読取部３５、伝送部３６、監視部３７、硬貨処理部３８を有している。
【００２４】
ここで制御部３１は、ＣＰＵ、ＭＰＵ等の演算手段及び各種Ｉ／Ｆ（インターフェイス）部を備えるマイクロコンピュータ等から成り、釣銭管理装置１７全体の動作を統括して制御するものである。
また、データ記憶部３２は磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段を備えており、釣銭管理のための各種のデータを記憶するために用いられる。
【００２５】
表示制御部３３は、表示部２４の動作を制御し、表示部２４に釣銭管理装置１７の操作の案内、計数結果等を表示させるように機能する。
操作制御部３４は操作キー部２５のキーの入力を受信し、入力信号を制御部３１に出力する。
カード読取部３５はカード受入口に挿入されたＩＤカードに記録されているデータを読み取るもので、伝送部３６は釣銭管理装置１７の稼働状況や硬貨集積部５７〜６２に集積している硬貨の残高等のデータを通信回線１８を介して監視センタ装置１９に送信するものである。
【００２６】
監視部３７は釣銭管理装置１７が強盗等に襲われてこじ開けられたり、異常な振動が発生した場合、それらを検出するもので、検出結果は伝送部３６に通知され、通信回線１８を介して監視センタ１９に送信される。
硬貨処理部３８は、入金口２１から投入された硬貨を計数して集積したり、集積してある硬貨を計数して払い出す機能を有するもので、以下に図１を用いて説明する。
【００２７】
図１に示したように硬貨処理部３８は入金ホッパ４１を有し、釣銭管理装置１７の入金口２１から一括して投入された硬貨は入金ホッパ４１で受けられる。
この入金ホッパ４１の下部（底部）には、硬貨を１枚づつ分離して繰り出す分離繰出部４２が配置され、この分離繰出部４２により入金ホッパ４１から入金搬送路４３に硬貨が１枚づつ繰り出される。
【００２８】
入金搬送路４３の入口部には、第１のセンサ４４が配置されいて、入金搬送路４３に繰り出された硬貨を検出するものとなっており、この第１のセンサ４４の検出結果に従って、分離繰出部４２の硬貨繰り出し動作の制御が行われる。
すなわち、第１のセンサ４４により硬貨が入金搬送路４３上に繰り出されたことを検出すると、分離繰出部４２の硬貨繰り出し動作が一時停止させられ、次に繰り出される硬貨との間隔を一定にする。
【００２９】
また、分離繰出部４２が硬貨繰り出し動作を行っても、第１のセンサ４４によって硬貨が入金搬送路４３上に繰り出されたことを検出しない場合は、硬貨詰まりと判断し、分離繰出部４２が硬貨詰まり解除の動作を行うように制御される。
入金搬送路４３上に繰り出された硬貨は、この入金搬送路４３上を搬送され、入金搬送路４３において第１のセンサ４４の下流側に配置された検銭部４５を通過する。
【００３０】
この検銭部４５は、通過する硬貨の外径寸法、孔の有無、磁気的な材質検知等によって硬貨の金種等を判別し、金種が確定した硬貨は入金可能な正当な硬貨ととして計数する。
また、硬貨についている傷や錆等により正しく判別できなかったり、分離繰出で一定間隔に繰り出されず、複数硬貨が連なって繰り出されることにより正しく判別できなかったり、あるいは硬貨以外のものであるために金種が判別できなかった場合、検銭部４５はリジェクトすべき硬貨と判別する。
【００３１】
検銭部４５を通過した硬貨は入金搬送路４３から区分搬送路４６へと搬送される。
区分搬送路４６の入り口には、第２のセンサ４７が配置されており、検銭部４５からこの第２のセンサ４７までは、入金すべき正当な硬貨だけでなく、リジェクトすべき硬貨等も搬送されるので、これらの正当な硬貨やリジェクトすべき硬貨等が確実に搬送されたことを第２のセンサ４７で検出する。
【００３２】
区分搬送路４６における第２のセンサ４７の下流側には、第１のブレードとしてリジェクトブレード４８が配置されており、検銭部４５がリジェクトすべきと判別した硬貨等が到達したときは、リジェクトブレード４８が動作してリジェクトシュート４９を開放動作させ、これにより区分搬送路４６上を搬送されるリジェクトすべき硬貨等をリジェクトシュート４９で誘導して、釣銭管理装置１７のリジェクト口２２から放出する。
【００３３】
検銭部４５の判別で金種が確定した正当な硬貨が到達した場合、リジェクトブレード４８はリジェクトシュート４９を閉鎖動作させ、これにより区分搬送路４６上を搬送される硬貨をリジェクトシュート４９上を通過させて、更に下流に搬送されるようにする。
リジェクトシュート４９の下流側には、第３のセンサ（通過センサ）５０が配設されており、金種が確定した正当な硬貨は検銭部４５で判別結果が出力されてから所定時間経過後にこの第３のセンサ５０によって検出され、通過が確認される。
【００３４】
この第３のセンサ５０を通過した硬貨は、検銭部４５で判別された金種に従って区分搬送路４６上で区分され、後述する硬貨集積部に集積される。
ここでは、日本で通常に流通している６種類の硬貨、すなわち一円硬貨、五円硬貨、十円硬貨、五十円硬貨、百円硬貨、及び五百円硬貨を区分する場合について説明する。
【００３５】
第３のセンサ５０の下流側には、最も径の小さい一円硬貨を落下させるための穴５１が形成されており、この穴５１は一円硬貨の外径より大きく、次に小さい五十円硬貨の外径より小さく設定されていて、６種類の硬貨のうち一円硬貨だけが穴５１から落下するようになっている。
一円硬貨以外の硬貨は、落下することなく穴５１を通過し、区分搬送路４６上を更に下流側に搬送される。
【００３６】
穴５１の下流側には第２のブレードとしての選別ブレード５２が配置されており、この選別ブレード５２により十円硬貨だけが選別されて落下するようになっている。
すなわち、検銭部４５で十円と判別された硬貨が第３のセンサ５０を通過すると、所定時間経過後に選別ブレード５２が開放動作し、区分搬送路４６から十円硬貨が落下するようになっている。
【００３７】
この選別ブレード５２の下流側には穴５３が形成されており、この穴５３は五十円硬貨の外径より大きく、次に大きい五円硬貨の外径より小さく設定されていて、五十円硬貨だけが選別されて穴５３から落下するものとなっている。
また、穴５３の下流側には穴５４が形成されており、該穴５４は五円硬貨の外径より大きく、次に大きい百円硬貨の外径より小さく設定されていて、五円硬貨だけを選別して穴５３から落下させることが可能となっている。
【００３８】
この穴５４の下流側には穴５５が形成されており、該穴５５は百円硬貨の外径より大きく、五百円硬貨の外径より小さく設定されていて、百円硬貨だけを選別して穴５５から落下できるようにしている。
更に、この穴５５の下流側には穴５６が形成されており、該穴５６は五百円硬貨の外径より大きく設定されていて、五百円硬貨はこの穴５６から落下するものなっている。
【００３９】
このように本実施の形態においては、区分搬送路４６に十円硬貨を選別するための選別ブレード５２を１個所配置し、他の五種類の金種の硬貨を選別するために、硬貨の径の小さい順番、すなわち一円硬貨、五十円硬貨、五円硬貨、百円硬貨、五百円硬貨の順にそれぞれ対応する大きさの穴５１、５３〜５６を区分搬送路４６に形成することで、六種類の硬貨を区分搬送路４６から落下させ、これにより硬貨を金種別に仕分けすることができるようにすると共に、高価な選別ブレード５２の使用数を減らすようにしている。
【００４０】
区分搬送路４６から落下させた各金種の硬貨は六個の硬貨集積部５７〜６２に集積される。
この六個の硬貨集積部５７〜６２は区分搬送路４６の下側に搬送方向に向かって右側と左側に分かれて配置されており、本実施の形態では、搬送方向に向かって右側には上流側から一円硬貨集積部５７、五円硬貨集積部５８、五十円硬貨集積部５９、及び五百円硬貨集積部６０が順に配置され、また搬送方向に向かって左側には上流側から十円硬貨集積部６１、百円硬貨集積部６２が順に配置されている。
【００４１】
ところで、一般的に釣銭としては、十円硬貨と百円硬貨が大量に使用される。
一円硬貨も使用量は多いが、十円硬貨や百円硬貨と比較すると量は少なく、また外径も小さいので、十円硬貨や百円硬貨集積部６１，６２に比べて一円硬貨の硬貨集積部５７は小さくても充分な枚数を集積させることができる。
そのため、区分搬送路４６に向かって左側に十円硬貨と百円硬貨の二種類の硬貨集積部６１，６２を配置することによって、他の金種の硬貨集積部の２倍以上の集積容量を確保することができるようにしている。
【００４２】
これらの硬貨集積部５７〜６２と区分搬送路４６とはシュートによって連結されている。
すなわち、区分搬送路４６の一円硬貨を落下させるための穴５１と一円硬貨集積部５７とは一円シュート６３によって連結され、穴５１を通過した一円硬貨は一円シュート６３を通って硬貨集積部５７に上方から放出されて集積される。
【００４３】
同様に五円硬貨集積部５８は五円シュート６４によって穴５４と連結され、十円硬貨集積部６１は十円シュート６５によって選別ブレード５２の開放部と連結され、五十円硬貨集積部５９は五十円シュート６６によって穴５３と連結され、百円硬貨集積部６２は百円シュート６７によって穴５５と連結され、五百円硬貨集積部６０は五百円シュート６８によって穴５６と連結されている。
【００４４】
そして、これらのシュートのうち、五円シュート６４と五十円シュート６６とは互いに交差して配置されている。
これは、五円硬貨集積部５８と五十円硬貨集積部５９が隣同志であって、区分搬送路４６の選別用の穴も五十円硬貨用の穴５３と五円硬貨用の穴５４が隣同志であることから、五円シュート６４と五十円シュート６６とを交差させるだけの簡単な構造で五十円硬貨と五円硬貨をそれぞれ五円硬貨集積部５８と五十円硬貨集積部５９に集積させることができる。
【００４５】
このように本実施の形態では、区分搬送路４６での硬貨の選別を、硬貨の外径の違いを利用した穴により行うことを基本とし、十円硬貨のみはブレードにより選別を行うものとしている。
そして、硬貨集積部を区分搬送路４６の搬送方向に向かって左右に配置している。
【００４６】
これにより、釣銭として使用量の多い十円硬貨、百円硬貨の集積容量を大きくすると共に、簡単なシュート構造で区分搬送路４６の選別部と連結して、安価でかつ信頼性の高い金種別集積構造を実現している。
一円硬貨集積部５７、五円硬貨集積部５８、五十円硬貨集積部５９、五百円硬貨集積部６０、十円硬貨集積部６１、及び百円硬貨集積部６２の下部（底部）には、それぞれに対応する硬貨繰出部６９〜７４が設けられている。
【００４７】
すなわち、一円硬貨集積部５７の下部には一円硬貨繰出部６９が配設され、五円硬貨集積部５８の下部には五円硬貨繰出部７０が配設されている。
同様に、五十円硬貨集積部５９の下部には五十円硬貨繰出部７１、五百円硬貨集積部６０の下部には五百円硬貨繰出部７２、十円硬貨集積部６１の下部には十円硬貨繰出部７３、百円硬貨集積部６２の下部には百円硬貨繰出部７４がそれぞれ配設されている。
【００４８】
尚、図１には十円硬貨繰出部７３と百円硬貨繰出部７４は図示していないが、後述する図４に示している。
各硬貨集積部５７〜６２から出金が必要な場合は、これらの硬貨繰出部６９〜７４により各硬貨集積部５７〜６２から硬貨が１枚づつ繰り出され、後述する出金カセットを介して必要枚数払い出される。
【００４９】
硬貨繰出部６９〜７４の下側には、硬貨繰出部６９〜７４に沿って出金ガイド板７５が配置されており、硬貨繰出部６９〜７４により硬貨集積部５７〜６２から繰り出された硬貨はこの出金ガイド板７５上に放出される。
出金ガイド板７５は、回転軸７６を中心に回動して位置７５ａから位置７５ｂに角度変化し、それぞれの硬貨繰出部６９〜７４により放出された硬貨を必要な方向に案内するものである。
【００５０】
この出金ガイド板７５の下側には、出金カセット７７及び硬貨回収用の回収箱７８が隣接するように並べて配置されており、出金ガイド板７５が位置７５ａにある場合は、硬貨繰出部６９〜７４により放出された硬貨は出金カセット７７の方向に案内されて収納され、出金ガイド板７５が位置７５ｂに切替えられた場合は、硬貨繰出部６９〜７４により放出された硬貨は出金カセット７７の方向に案内されて収納されるようになっている。
【００５１】
出金カセット７７内は硬貨の金種の数に仕切られ、これにより図１に示すように手前から金種の順番に一円硬貨収納部７９、五円硬貨収納部８０、十円硬貨収納部８１、五十円硬貨収納部８２、百円硬貨収納部８３、及び五百円硬貨収納部８４が形成されていて、これら一円硬貨収納部７９、五円硬貨収納部８０、十円硬貨収納部８１、五十円硬貨収納部８２、百円硬貨収納部８３、及び五百円硬貨収納部８４の出金カセット７７の長手方向における各々の幅は、レジスター機１２ａ〜１２ｄのドロアに設けられている金種毎の各釣銭収納部の幅と同じになっている。
【００５２】
前記のように硬貨集積部５７〜６２は、右側に一円硬貨集積部５７、五円硬貨集積部５８、五十円硬貨集積部５９、及び五百円硬貨集積部６０が配置されており、また左側に十円硬貨集積部６１、百円硬貨集積部６２が配置されている。
このように二列に並んだ硬貨集積部５７〜６０と６１及び６２との間の下部に出金ガイド板７５が配置されている。
【００５３】
ここで、十円硬貨繰出部７３と百円硬貨繰出部７４の位置について説明する。図４は図１の一部を取り除いて示した斜視図で、一円硬貨集積部５７、五円硬貨集積部５８、五十円硬貨集積部５９、並びに一円硬貨繰出部６９、五円硬貨繰出部７０、五十円硬貨繰出部７１を省略して、十円硬貨集積部６１、百円硬貨集積部６２、及び十円硬貨繰出部７３及び百円硬貨繰出部７４の配置が分かるようにしている。
【００５４】
図に示したように、十円硬貨集積部６１に集積されている十円硬貨は、十円硬貨繰出部７３によって１枚づつ繰り出され、矢印Ａで示した方向に放出される。
放出された十円硬貨は、出金ガイド板７５上に落下し、この出金ガイド板７５により矢印Ｆ方向に案内されて出金カセット７７の十円硬貨収納部８１に収納される。
【００５５】
同様に、百円硬貨集積部６２に集積されている百円硬貨は、百円硬貨繰出部７４によって１枚づつ繰り出され、矢印Ｂで示した方向に放出される。
放出された百円硬貨は、出金ガイド板７５上に落下し、この出金ガイド板７５により矢印Ｈ方向に案内されて出金カセット７７の百円硬貨収納部８３に収納される。
【００５６】
また、五百円硬貨集積部６０に集積されている五百円硬貨は五百円硬貨繰出部７２によって１枚づつ繰り出されて矢印Ｃで示した方向に放出され、放出された五百円硬貨は、出金ガイド板７５上に落下し、この出金ガイド板７５により矢印Ｉ方向に案内されて出金カセット７７の五百円硬貨収納部８４に収納される。
図４で省略した一円硬貨集積部５７、五円硬貨集積部５８、五十円硬貨集積部５９、及び五百円硬貨集積部６０に収納されている一円硬貨、五円硬貨、五十円硬貨も同様である。
【００５７】
すなわち、一円硬貨集積部５７、五円硬貨集積部５８、五十円硬貨集積部５９から一円硬貨繰出部６９、五円硬貨繰出部７０、五十円硬貨繰出部７１により１枚づつ繰り出された一円硬貨、五円硬貨、五十円硬貨は出金ガイド板７５上に落下し、この出金ガイド板７５によりそれぞれ矢印Ｄ、Ｅ、Ｇ方向に案内されて出金カセット７７の一円硬貨収納部７９、五円硬貨収納部８０、及び五十円硬貨収納部８２にそれぞれ収納される。
【００５８】
尚、出金ガイド板７５は、硬貨の流れを分かり易くするために、１枚の板として示しているが、各金種の硬貨を矢印Ｄ〜Ｉで示した方向に案内にするので、矢印Ｄ〜Ｉの各方向間に仕切板を設けて、各金種の硬貨を出金カセット７７の該当する硬貨収納部７９〜８４へ確実に案内できるようにしてある。
一方、例えば、釣銭管理装置１７の清算をするため、各金種別の硬貨集積部５７〜６２に収納されている硬貨をすべて回収箱７８に収納する場合には、出金ガイド板７５が回転軸７６を中心に位置７５ａから位置７５ｂまで回転する。
【００５９】
そして、金種別の硬貨集積部５７〜６２に集積されている硬貨が、それぞれの硬貨繰出部６９〜７４により１枚づつ繰り出されて出金ガイド板７５に上に放出され、この出金ガイド板７５により矢印Ｄ〜Ｉと逆の方向、つまり搬送方向に向かって左側に案内されて回収箱７８に収納される。
図５及び図６は出金カセット７７の斜視図、図７は回収箱７８を示す斜視図である。
【００６０】
図５に示したように、出金カセット７７には取手８５が設けられ、この取手８５を持って釣銭管理装置１７の出金口２３から引き出せるようになっている。
また、出金カセット７７には鍵９９を備える蓋８６が取りつけられていて、出金口２３から引き出した後、図６に示すように蓋８６を閉じることにより収納した硬貨を落下させずに持ち運ぶことができるようなっている。
【００６１】
回収箱７８も、図７に示したように取手８７を備えていて、この取手８７を持って釣銭管理装置１７の出金口２３から引き出せるようになっている。
図８はリジェクトブレード４８の構成を示す斜視図である。
図に示したように硬貨は区分搬送路４６上を図の手前側から奥に向かって搬送される。
【００６２】
リジェクトブレード４８は軸９０により回動可能に指示され、区分搬送路４６に設けられたリジェクト穴９１を開閉するものとなっている。
通常リジェクトブレード４８は、軸９０に設けられた回転ハンドル９０ａの一端に取り付けられたばね９２によりリジェクト穴９１を開放するように付勢されているが、検銭部４５で受け入れるべき正当な硬貨であると判別された場合、マグネットを備える電磁石式アクチュエータ９３が駆動され、ばね９２に抗して回転ハンドル９０ａ他端を下方へ吸引するので、軸９０がばね９２の付勢による回転方向と反対方向に回動し、リジェクトブレード４８がリジェクト穴９１を閉止する。
【００６３】
これにより区分搬送路４６上を搬送されてきた硬貨はリジェクトブレード４８上を通過し、区分搬送路４６の下流側に搬送されてゆく。
このように検銭部４５の判別結果に従ってリジェクトブレード４８が動作するが、このリジェクトブレード４８により正当な硬貨とリジェクトすべき硬貨が正しく区分されたか否かが第２のセンサ４７及び第３のセンサ５０によって確認される。
【００６４】
この第２のセンサ４７及び第３のセンサ５０は図１にて説明したようにリジェクトブレード４８の前後に配置されており、次に、これら検銭部４５及び第２のセンサ４７及び第３のセンサ５０の出力と、電磁石式アクチュエータ９３によるリジェクトブレード４８の動作の関係を図９により説明する。
図９はリジェクトブレード４８の動作を示すタイムチャートである。
【００６５】
まず、検銭部４５に送られてきた硬貨について、検銭部４５が受け入れるべき正当な硬貨（第１の硬貨とする）であると判断した場合、その判別結果を示す信号１０１を出力し、そして、この第１の硬貨が第２のセンサ４７を通過すると、第２のセンサ４７は通過信号１０２を出力する。
この通過信号１０２に同期して電磁石式アクチュエータ９３のマグネットがパルス１０３で励磁され、これによりリジェクトブレード４８がリジェクト穴９１を閉止して、第１の硬貨は区分搬送路４６の下流側に搬送される。
【００６６】
第１の硬貨が第２のセンサ４７を通過した後、所定時間内に第３のセンサ５０を通過すると、この第３のセンサ５０が通過信号を出力するので、リジェクトブレード４８は正当な硬貨である第１の硬貨を正しく区分することができたことがわかる。
次に、検銭部４５に送られてきた硬貨について、検銭部４５が受け入れるべき正当な硬貨でなく、リジェクトする硬貨（第２の硬貨とする）であると判断した場合は、その判別結果を示す信号１０５を出力する。
【００６７】
ここでは、第２の硬貨はリジェクトすると判別されたので、電磁石式アクチュエータ９３のマグネットは励磁されず、そのためリジェクトブレード４８はリジェクト穴９１を開放し、これにより第２の硬貨はリジェクト穴９１から落下して区分搬送路４６の下流側には搬送されないことになる。
従って、第１の硬貨は第２のセンサ４７を通過した後、所定時間が経過しても第３のセンサ５０を通過しないので、第３のセンサ５０は信号を出力しなことになる。
【００６８】
このようにして正当な硬貨と、それ以外のリジェクトする硬貨とが正しく区分されたか否かを確認することができる。
本実施の形態において、硬貨を搬送する搬送手段は、入金搬送路４３と区分搬送路４６とで構成されている。
この入金搬送路４３と区分搬送路４６はそれぞれ独立しており、それぞれ独立した駆動装置により駆動される搬送ベルトにより硬貨を搬送面に押しつけて、圧接させながら搬送するものとなっている。
【００６９】
次に、上述した構成による第１の実施の形態の作用について説明する。
例えば、店舗１１の開店前には、前日にレジスター機１２ａ〜１２ｄのドロア内の現金は空にしてあるものとし、開店前のレジスター機１２ａ〜１２ｄに釣銭準備金をセットするものとする。
そこで、開店時の担当者が、自分が所持しているＩＤカードを釣銭管理装置１７のカード受入口２６に挿入すると、ＩＤカードに記録されいる情報をカード読取部３５で読み取り、その読み取り内容から担当者を認識して、表示部２４に担当のレジスター機を指定するように誘導する画面を表示する。
【００７０】
担当者は自分の担当であるレジスター機を操作キー部２５のキーを押下して指定する。ここではレジスター機１２ａを指定したものとする。
このレジスター機の指定により表示部２４には「セット出金」、「個別出金」等を指定する取扱いメニュー画面が表示される。
ここで、「セット出金」とは、各金種の硬貨が事前に設定された指定枚数だけそれぞれ払いだされるモードを指し、開店前に新たにレジスター機１２ａ〜１２ｄに釣銭準備金をセットする場合に指定するもので、この「セット出金」には、「セット出金１」と「セット出金２」が設けられており、例えば、通常は「セット出金１」を利用するが、休日のように繁忙が予想される特定日や、営業中の案棒状況によって、各金種の硬貨の枚数を「セット出金１」より多く設定した「セット出金２」を指定することが可能となっている。
【００７１】
「個別出金は」、各金種の硬貨の枚数を担当者がその都度指定して払い出すようにしたモードであり、営業の途中で釣銭が不足して補充する場合等に主に利用される。
いま担当者が、この取扱いメニュー画面をみて担当者が操作キー部２５のキーを押下して「セット出金１」を指定すると、それに対応する払い出し枚数の確認画面が表示部２４に表示される。
【００７２】
この場合、「セット出金１」で設定されている硬貨の払い出し枚数は、一円硬貨が２０枚、五円硬貨が１０枚、十円硬貨が３０枚、五十円硬貨が１０枚、百円硬貨が４５枚、五百円硬貨が７枚等となっている。
尚、当日が休日等の繁忙日であって、担当者が「セット出金２」を押下した場合は、「セット出金１」とは異なる設定の枚数が表示される。
【００７３】
表示部２４に表示された払い出し枚数でよい場合、担当者が操作キー部２５のキーを押下して払い出しの開始を指定すると、釣銭管理装置１７は、「セット出金１」で設定されている硬貨の払い出し枚数の内訳に従った払い出し動作を開始する。
この動作では、表示部２４に払い出し中である旨の表示が行われ、硬貨処理部３８では出金ガイド板７５を位置７５ａにした後、一円硬貨集積部５７、五円硬貨集積部５８、五十円硬貨集積部５９、五百円硬貨集積部６０、十円硬貨集積部６１、及び百円硬貨集積部６２に集積されている硬貨を、それぞれ対応する一円硬貨繰出部６９、五円硬貨繰出部７０、五十円硬貨繰出部７１、五百円硬貨繰出部７２、十円硬貨繰出部７３、及び百円硬貨繰出部７４により１枚づつ繰り出し、設定された枚数分の硬貨を出金カセット７７の一円硬貨収納部７９、五円硬貨収納部８０、十円硬貨収納部８１、五十円硬貨収納部８２、百円硬貨収納部８３、五百円硬貨収納部８４にそれぞれ収納する。
【００７４】
その後、今回の払い出し処理の内容が制御部３１によりデータ記憶部３２に記憶され、そして表示部２４に出金カセット７７の抜き取りを促す旨の表示が行われる。
この表示に従って担当者は出金カセット７７を釣銭管理装置１７の出金口２３から抜き取り、図示しないプリンタで枚数の内訳等が印刷され、レシート口２７から発行されるレシートを取り出す。
【００７５】
担当者はこのレシートを控えとして保管する。
出金カセット７７には図５で説明したように鍵９９を備えた蓋８６が取り付けられており、払いだされた硬貨が金種別に収納されている出金カセット７７の硬貨収納部７９〜８４は図６に示したように蓋８６を閉じると閉鎖されるので、出金カセット７７を持ち運んでも硬貨がこぼれ落ちることはない。
【００７６】
担当者が出金カセット７７をレジスター機１２ａまで運び、蓋８６を開いて硬貨をレジスター機１２ａのドロアにに設けられた金種毎の釣銭収納部に移し変える。
この場合、レジスター機１２ａのドロアに設けられた釣銭収納部は、ドロアの手前側に横一列に配置されており、そして本実施の形態における金種別に硬貨を収納した出金カセット７７の金種別の硬貨収納部７９〜８４も一列に配置されていて、硬貨収納部７９〜８４の幅はレジスター機１２ａの金種毎の釣銭収納部の幅と同じになっているので、出金カセット７７の開口部をレジスター機１２ａ〜１２ｄの釣銭収納部に向けて各金種の位置を合わせて傾け、出金カセット７７から簡単にレジスター機１２ａの釣銭収納部に金種毎の硬貨を一括して移し変えることができる。
【００７７】
レジスター機１２ｂ〜１２ｄもレジスター機１２ａと同様であり、レジスター機１２ｂ〜１２ｄに出金カセット７７から金種毎の釣銭を同様に移し変えることができる。
このようにすることで開店前の釣銭準備が完了し、そして開店後担当者はこの釣銭準備金を使用して顧客に対する代金清算業務を遂行する。
【００７８】
以上説明したように第１の実施の形態によれば、出金カセット７７の金種別の硬貨収納部７９〜８４を一列に配置し、硬貨収納部７９〜８４の幅はレジスター機１２ａ〜１２ｄの金種毎の釣銭収納部の幅と同じにしているので、出金カセット７７から簡単にレジスター機１２ａ〜１２ｄの釣銭収納部に硬貨を移し変える際に、出金カセット７７の開口部をレジスター機１２ａ〜１２ｄの釣銭収納部に向けて各金種の位置を合わせて傾けるだけの容易な操作で、それぞれの金種の硬貨を正しくかつ容易にレジスター機１２ａ〜１２ｄの釣銭収納部に一括して移し変えることができ、硬貨を金種毎に仕分けする手間をかけることなく、各金種の硬貨を容易にかつ確実にレジスター機１２ａ〜１２ｄにセットできるという効果が得られる。
【００７９】
また、出金カセット７７の各硬貨収納部７９〜８４にはバラの硬貨を硬貨を出金して収納させることができるので、釣銭として金種毎に相違する硬貨の枚数を必要数だけ準備することができるという効果も得られる。
図１０は本発明の第２の実施の形態を示す出金カセットの斜視図である。
この実施の形態における出金カセット７７は、その長手方向に沿って２分割した蓋８６ａ，８６ｂを有するものとし、この蓋８６ａ，８６ｂは中央部に設けた支点１０１を中心に回動可能とすることにより、蓋８６ａ，８６ｂがそれぞれ独立して開閉可能にしたものである。
【００８０】
この出金カセット７７も釣銭管理装置１７の硬貨処理部３８にセットすることで、第１の実施の形態と同様の手順により硬貨集積部５７〜６２から繰り出された釣銭準備金の硬貨を硬貨収納部７９〜８４に金種別に収納する。
尚、その際、出金カセット７７の蓋８６ａを開くことで、出金ガイド板７５により案内される硬貨を収納可能とする。
【００８１】
その後、担当者が出金カセット７７を硬貨処理部３８から取り外し、蓋８６ａを閉じてからレジスター機１２ａまで運び、硬貨をレジスター機１２ａのドロアに設けられた金種毎の釣銭収納部に移し変えるが、その際、蓋８６ａ，８６ｂのどちらを開くかにより、出金カセット７７内の硬貨の金種の並び方を、見かけ上左から金種の大きい順にも小さい順にもすることができる。
【００８２】
レジスター機１２ａ〜１２ｄのドロア内の釣銭収納部は横一列に配置されていて、一般的には左から金種の大きい順に硬貨を収納するか、または右から金種の大きい順に硬貨を収納するようになっている。
そのため、前記のように出金カセット７７の金種別の硬貨収納部７９〜８４に手前から金種の小さい順に硬貨が収納されているものとすると、硬貨をレジスター機１２ａのドロアに設けられた金種毎の釣銭収納部に右から金種の大きい順に硬貨を収納する場合は、出金カセット７７の蓋８６ａを開いて硬貨を一括して移し変え、左から金種の大きい順に硬貨を収納する場合は、出金カセット７７の向きを変えてから蓋８６ｂを開いて硬貨を一括して移し変えることにより、左から金種の大きい順に硬貨を収納する場合と、右から金種の大きい順に硬貨を収納する場合のいずれにも金種の並び方を合わせることが可能となる。
【００８３】
レジスター機１２ｂ〜１２ｄに対しても、レジスター機１２ａと同様に金種の並び方を合わせて移し変えることが可能である。
以上説明した第２の実施の形態によれば、出金カセット７７にその長手方向に沿って２分割した蓋８６ａ，８６ｂを設け、この蓋８６ａ，８６ｂを中央部に設けた支点１０１を中心にそれぞれ独立して開閉可能な構造としているため、蓋８６ａ，８６ｂのどちらかを開くことで硬貨をレジスター機１２ａ〜１２ｄのドロアに設けられた金種毎の釣銭収納部に左から金種の大きい順に硬貨を収納する場合と、右から金種の大きい順に硬貨が収納する場合のいずれにも金種の並び方を合わせて容易に硬貨の移し変えを行うことができるという効果が得られる。
【００８４】
また、この第２の実施の形態においても、出金カセット７７の各硬貨収納部７９〜８４にはバラの硬貨を硬貨を出金して収納させることができるので、釣銭として金種毎に相違する硬貨の枚数を必要数だけ準備することができるという効果も得られる。
図１１は本発明の第３の実施の形態を示す出金カセットの斜視図である。
【００８５】
この実施の形態は、出金カセット７７の金種別の硬貨収納部７９〜８４、つまり一円硬貨収納部７９、五円硬貨収納部８０、十円硬貨収納部８１、五十円硬貨収納部８２、百円硬貨収納部８３、及び五百円硬貨収納部８４にそれぞれ着脱自在な箱１０２を具備したものである。
この実施の形態では、出金カセット７７は硬貨収納部７９〜８４にそれぞれ箱１０２を装着した状態で釣銭管理装置１７の硬貨処理部３８にセットし、第１の実施の形態と同様の手順により硬貨集積部５７〜６２から繰り出された釣銭準備金の硬貨を硬貨収納部７９〜８４に装着した各箱１０２に金種別に収納する。
【００８６】
その後、担当者が出金カセット７７を硬貨処理部３８から取り外してレジスター機１２ａまで運び、硬貨をレジスター機１２ａのドロアに設けられた金種毎の釣銭収納部に移し変えるが、その際、各金種の硬貨は箱１０２単位で出金カセット７７から取り出し、対応する金種の釣銭収納部に移し変えて収納する。
このようにすることにより釣銭収納部が一列に配置されている場合は勿論のこと、それ以外の場合、例えばレジスター機１２ａのドロアに設けられた金種毎の釣銭収納部が複数列に配置されていたり、出金カセット７７の各硬貨収納部の幅（長さ）と、レジスター機１２ａの金種毎の釣銭収納部の幅（長さ）が異なっている等の理由により、出金カセット７７を傾けることによりレジスター機１２ａの釣銭収納部に一括して硬貨を移し変えることが困難な場合でも、箱１０２により硬貨をこぼすことなく１金種づつ個別に移し変えることが可能となる。
【００８７】
レジスター機１２ｂ〜１２ｄに対しても、レジスター機１２ａと同様に硬貨を移し変えることが可能である。
以上説明した第３の実施の形態によれば、出金カセット７７の硬貨収納部７９〜８４にそれぞれ箱１０２を装着して、釣銭管理装置１７の硬貨処理部３８により箱１０２に釣銭準備金の硬貨を金種別に収納するようにしているため、各金種の硬貨を箱１０２単位で出金カセット７７から取り出して、レジスター機１２ａの対応する金種の釣銭収納部に移し変えて収納するようにしているため、釣銭収納部が一列に配置されている場合は勿論のこと、出金カセット７７の各硬貨収納部の幅（長さ）と、レジスター機１２ａ〜１２ｄの金種毎の釣銭収納部の幅（長さ）が異なっている場合等にも、箱１０２により硬貨をこぼすことなく１金種づつ個別に容易に移し変えてセットすることが可能になるという効果が得られる。
【００８８】
また、この第３の実施の形態においても、出金カセット７７の各硬貨収納部７９〜８４にはバラの硬貨を出金して収納させることができるので、釣銭として金種毎に相違する硬貨の枚数を必要数だけ準備することができるという効果も得られる。
図１２は本発明の第４の実施の形態を示す出金カセットの斜視図である。
【００８９】
この実施の形態の出金カセット７７は硬貨収納部７９〜８４を設けない矩形の箱として形成されていて、レジスター機１２ａ〜１２ｄのドロア１０４と別体に形成した釣銭収納部１０３を装着できるようになっている。
この釣銭収納部１０３は、各金種の硬貨を金種毎に分けて収納できるように仕切り板で仕切られており、ドロア１０４にも装着可能となっている。
【００９０】
この実施の形態では、出金カセット７７に釣銭収納部１０３を装着した状態で釣銭管理装置１７の硬貨処理部３８にセットすることで、第１の実施の形態と同様の手順により硬貨集積部５７〜６２から繰り出された釣銭準備金の硬貨を釣銭収納部１０３に金種別に収納する。
その後、担当者が出金カセット７７を硬貨処理部３８から取り外してレジスター機１２ａまで運び、出金カセット７７から硬貨をレジスター機１２ａのドロアに移し変えるが、この場合出金カセット７７から釣銭収納部１０３を取り外してそのままレジスター機１２ａのドロアに移し変える。
【００９１】
レジスター機１２ｂ〜１２ｄに対しても、レジスター機１２ａと同様に硬貨を移し変えることが可能である。
以上説明した第４の実施の形態によれば、レジスター機１２ａ〜１２ｄのドロア１０４と別体に形成した釣銭収納部１０３を出金カセット７７に装着可能とし、釣銭管理装置１７でこの釣銭収納部１０３に硬貨を金種別の収納した後、この釣銭収納部１０３を出金カセット７７から硬貨をレジスター機１２ａ〜１２ｄに移し変えることができるので、移し替え作業を極めて簡単に行うことができるという効果が得られる。
【００９２】
無論、この第４の実施の形態においても、出金カセット７７の各硬貨収納部７９〜８４にはバラの硬貨を出金して収納させることができるので、釣銭として金種毎に相違する硬貨の枚数を必要数だけ準備することができるという効果も得られる。
図１３は本発明の第５の実施の形態を示す出金カセットの斜視図である。
【００９３】
この実施の形態は、出金カセット７７に第１の実施の形態及び第２の実施の形態と同様の硬貨収納部７９〜８４を設けた構造とし、そしてこれら硬貨収納部７９〜８４の開口部を塞ぐ蓋８６を出金カセット７７の長手方向にスライド可能としたものである。
この実施の形態では、出金カセット７７から蓋８６を取り外し状態で釣銭管理装置１７の硬貨処理部３８にセットし、第１の実施の形態と同様の手順により硬貨集積部５７〜６２から繰り出された釣銭準備金の硬貨を硬貨収納部７９〜８４に金種別に収納する。
【００９４】
その後、担当者が出金カセット７７を硬貨処理部３８から取り外し、蓋８６をスライドにより出金カセット７７に取り付けて、出金カセット７７をレジスター機１２ａまで運び、出金カセット７７から硬貨をレジスター機１２ａのドロアにに設けた釣銭収納部に移し変える。
その際、蓋８６が下側になるように出金カセット７７を裏返しにして、硬貨収納部７９〜８４をドロアの釣銭収納部に金種が対応するように位置合わせし、出金カセット７７から蓋８６をスライドさせて引き抜くことにより硬貨の移し替えを行う。
【００９５】
また、出金カセット７７の硬貨収納部７９〜８４とレジスター機１２ａのドロアの釣銭収納部が金種の位置ずれを生じているような場合は、蓋８６が下側になるように出金カセット７７を裏返しにして、最初の金種の硬貨収納部７９と釣銭収納部の位置を合わせ、１金種分だけ蓋８６をスライドして開くことによりその金種の硬貨を移し変え、その後、位置をずらして次の金種の硬貨収納部８０と釣銭収納部の位置を合わせてから１金種分だけ蓋８６をスライドして開くことにより次の金種の硬貨を移し変えるという動作を繰り返して硬貨の移し替えを行う。
【００９６】
レジスター機１２ｂ〜１２ｄに対しても、レジスター機１２ａと同様に硬貨を移し変えることが可能である。
以上説明した第５の実施の形態によれば、出金カセット７７に硬貨収納部７９〜８４の開口部を塞ぐ蓋８６をスライド可能に設けた構造としているため、硬貨をレジスター機１２ａのドロアの釣銭収納部に移し変える際、出金カセット７７を裏返しにして蓋８６をスライドにより引き抜くことで、硬貨のこぼれを生じることなく出金カセット７７の硬貨収納部７９〜８４からドロアの釣銭収納部に硬貨を容易に移し変えることができるという効果が得られる。
【００９７】
また、この第５の実施の形態においても、出金カセット７７の各硬貨収納部７９〜８４にはバラの硬貨を硬貨を出金して収納させることができるので、釣銭として金種毎に相違する硬貨の枚数を必要数だけ準備することができるという効果も得られる。
図１４は本発明の第６の実施の形態を示す出金カセットの断面図である。
【００９８】
この実施の形態は、出金カセット７７に第１の実施の形態及び第２の実施の形態と同様の硬貨収納部７９〜８４を設けた構造とし、出金カセット７７の底板１０５を各硬貨収納部毎に分割すると共に、分割したそれぞれの底板１０５を出金カセット７７の長手方向と直交する方向にスライド可能としたものである。
この実施の形態では、出金カセット７７を釣銭管理装置１７の硬貨処理部３８にセットし、第１の実施の形態と同様の手順により硬貨集積部５７〜６２から繰り出された釣銭準備金の硬貨を硬貨収納部７９〜８４に金種別に収納する。
【００９９】
その後、担当者が出金カセット７７を硬貨処理部３８から取り外し、レジスター機１２ａまで運び、出金カセット７７から硬貨をレジスター機１２ａのドロアに設けた釣銭収納部に移し変える。
その際、出金カセット７７の硬貨収納部７９〜８４をドロアの釣銭収納部に金種が対応するように位置合わせし、図１４（ａ）に示したように底板１０５を閉じた状態から出金カセット７７に設けられている図示しないレバーを操作して各硬貨収納部毎に底板１０５を図１４（ｂ）に示したようにスライドさせて開放することにより一金種づつ硬貨を釣銭収納部１０６に移し変える。
【０１００】
尚、図では十円用の硬貨収納部８０を例示しているが、他の硬貨収納部７９、及び８１〜８４も同様の構造である。
また、出金カセット７７の硬貨収納部７９〜８４とレジスター機１２ａのドロアの釣銭収納部が金種の位置ずれを生じているような場合は、最初の金種の硬貨収納部７９と釣銭収納部１０６の位置を合わせ、硬貨収納部７９の部分の底板１０５をスライドして開くことによりその金種の硬貨を移し変え、その後、位置をずらして次の金種の硬貨収納部８０と釣銭収納部１０６の位置を合わせてから、この金種の硬貨収納部８０の部分の底板１０５をスライドして開くことによりその金種の硬貨を移し変えるという動作を繰り返して硬貨の移し替えを行う。
【０１０１】
レジスター機１２ｂ〜１２ｄに対しても、レジスター機１２ａと同様に硬貨を移し変えることが可能である。
以上説明した第６の実施の形態によれば、出金カセット７７の底板１０５を硬貨収納部毎に分割すると共に、分割したそれぞれの底板１０５を出金カセット７７の長手方向と直交する方向にスライド可能とした構造としているため、硬貨をレジスター機１２ａのドロアの釣銭収納部に移し変える際、硬貨収納部毎に底板１０５をスライドさせて底を開放することで、硬貨のこぼれを生じることなく出金カセット７７の硬貨収納部７９〜８４からドロアの釣銭収納部に硬貨を容易に移し変えることができるという効果が得られる。
【０１０２】
また、この第６の実施の形態においても、出金カセット７７の各硬貨収納部７９〜８４にはバラの硬貨を硬貨を出金して収納させることができるので、釣銭として金種毎に相違する硬貨の枚数を必要数だけ準備することができるという効果も得られる。
尚、本発明は、上述した実施の形態の限定されるものではなく、種々変形させるとが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【０１０３】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の硬貨処理装置は、各硬貨集積部から硬貨を繰り出された各金種の硬貨を金種毎に収納する複数の硬貨収納部を有する出金カセットを備え、この出金カセットによりレジスター機に硬貨を移し変えるようにしているため、硬貨を金種毎に仕分けする手間をかけることなく、各金種の硬貨を釣銭として容易にかつ確実にレジスター機にセットできるという効果が得られる。
【０１０４】
また、出金カセットの各硬貨収納部にはバラの硬貨を硬貨を出金して収納させることができるので、釣銭として金種毎に相違する硬貨の枚数を必要数だけ準備できるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１の実施の形態を示す要部斜視図
【図２】実施の形態の店舗設置例を示す図
【図３】実施の形態の構成を示す機能ブロック図
【図４】図１の一部を取り除いて示した斜視図
【図５】出金カセットの斜視図
【図６】出金カセットの斜視図
【図７】回収箱を示す斜視図
【図８】リジェクトブレードの構成を示す斜視図
【図９】リジェクトブレードの動作を示すタイムチャート
【図１０】第２の実施の形態を示す出金カセットの斜視図
【図１１】第３の実施の形態を示す出金カセットの斜視図
【図１２】第４の実施の形態を示す出金カセットの斜視図
【図１３】第５の実施の形態を示す出金カセットの斜視図
【図１４】第６の実施の形態を示す出金カセットの断面図
【符号の説明】
２１ 入金口
４１ 入金ホッパ
４２ 分離繰出部
４３ 入金搬送路
４５ 検銭部
４６ 区分搬送路
５７〜６２ 硬貨集積部
６９〜７４ 硬貨繰出部
７５ 出金ガイド板
７７ 出金カセット
７８ 回収箱
７９〜８４ 硬貨収納部
８６ 蓋
８６ａ，８６ｂ 蓋
１０２ 箱
１０３ 釣銭収納部
１０４ ドロア

Claims (6)

1. 複数金種の硬貨を金種毎に硬貨集積部に集積し、各硬貨集積部から各金種の硬貨を繰り出してレジスター機にセットする釣銭として払い出す硬貨処理装置において、
   該装置に着脱可能に設けられ、該装置に装着した状態で前記各硬貨集積部から繰り出された各金種の硬貨を金種毎に収納する複数の硬貨収納部を有する出金カセットを備え、
   前記各硬貨収納部の出金カセットの長手方向における幅を、前記レジスター機に金種毎に設けられた各釣銭収納部の幅と同じ幅にしたことを特徴とする硬貨処理装置。
2. 請求項１記載の硬貨処理装置において、
   前記出金カセットに、各硬貨収納部の上面を覆う形状で前記出金カセットの長手方向に沿って２分割した蓋を設けると共に、それぞれの蓋を独立して開閉可能としたことを特徴とする硬貨処理装置。
3. 複数金種の硬貨を金種毎に硬貨集積部に集積し、各硬貨集積部から各金種の硬貨を繰り出してレジスター機にセットする釣銭として払い出す硬貨処理装置において、
   該装置に着脱可能に設けられ、金種毎に収納する複数の硬貨収納部を有すると共に、各硬貨収納部に取り外し可能な箱を設けて、該装置に装着した状態で前記各硬貨集積部から繰り出された各金種の硬貨を各硬貨収納部の箱に収納するようにした出金カセットを備えたことを特徴とする硬貨処理装置。
4. 複数金種の硬貨を金種毎に硬貨集積部に集積し、各硬貨集積部から各金種の硬貨を繰り出してレジスター機にセットする釣銭として払い出す硬貨処理装置において、
   該装置に着脱可能に設けられ、レジスター機の釣銭収納部を装着可能とし、この釣銭収納部を装着した状態で該装置に装着して前記各硬貨集積部から繰り出された各金種の硬貨を前記釣銭収納部に金種毎に収納するようにした出金カセットを備えたことを特徴とする硬貨処理装置。
5. 複数金種の硬貨を金種毎に硬貨集積部に集積し、各硬貨集積部から各金種の硬貨を繰り出してレジスター機にセットする釣銭として払い出す硬貨処理装置において、
   該装置に着脱可能に設けられ、該装置に装着した状態で前記各硬貨集積部から繰り出された各金種の硬貨を金種毎に収納する複数の硬貨収納部を有する出金カセットを備え、
   該出金カセットには、各硬貨収納部の上面を覆う形状で前記出金カセットの長手方向にスライドして開閉する蓋を設けたことを特徴とする硬貨処理装置。
6. 複数金種の硬貨を金種毎に硬貨集積部に集積し、各硬貨集積部から各金種の硬貨を繰り出してレジスター機にセットする釣銭として払い出す硬貨処理装置において、
   該装置に着脱可能に設けられ、該装置に装着した状態で前記各硬貨集積部から繰り出された各金種の硬貨を金種毎に収納する複数の硬貨収納部を有する出金カセットを備え、
   該出金カセットの底板を各硬貨収納部毎に分割して、分割したそれぞれの底板を前記出金カセットの長手方向と直交する方向にスライドして開閉するようにしたことを特徴とする硬貨処理装置。

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