JP7162043B2 - 車両用シートベルト装置 - Google Patents
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Description
バックルは、リング状のゴムバンドに挿通されるとともにスリット状のバックル挿通部に挿通されてバックル収納凹部に収納されている。
この発明は、バックルの位置を初期位置に保持することができる車両用シートベルト装置を提供することを目的とする。
図1に示すように車両の車室内には、フロアパネル1の上面側にシート2が設置されている。シート2は、シートバック3とシートクッション4と有し、シートバック3の前面とシートクッション4の上面とを対向させて、折畳み収納可能に構成されている。また、シート2は、着座状態の乗員を拘束するシートベルト装置5を有している。なお、図1では、説明の便宜のため、シートクッション4を仮想線(二点鎖線)で描いている。
シートベルト装置5は、バックル8をフロアパネル1に連結するウェビング9を有している。
ウェビング9は、シートベルト6とほぼ同等の屈曲可能な布製材料で構成されている。ウェビング9は、基端側9aがフロアパネル1にアンカ部材を介して固定されている。また、ウェビング9の先端側9bは、シートバック3とシートクッション4との間を通って、シート2の座面上方に引き出されてバックル8に連結されている。
そして、固定バンド部材10は、一端部が下縁部3aに、他端部が凹部3b周縁にそれぞれ縫製によって固定されている。これにより、固定バンド部材10は、シートバック3の下端付近にバックル8を保持する(図4参照)。
本実施形態の補助バンド部材11のループの大きさは、バックル8およびウェビング9が挿通された状態(図4参照)でバックル8が抜け落ちない程度に設定されている。
また、補助バンド部材11の幅方向寸法は、固定バンド部材10の幅方向寸法と同程度若しくは狭く形成されている。このため、補助バンド部材11は、固定バンド部材10によって覆われて外部からは見えにくい。さらに補助バンド部材11は、例えば、固定バンド部材10と比較して伸縮性の少ない布製材料で構成されている。
そして、バックル8を連結したウェビング9が補助バンド部材11のループ内に挿通されてバックル8が初期位置(図1参照)に保持されるように構成されている。
そして、縫製部9eの縫製端部9cは、ウェビング9の中間部に位置してバックル8の方向へ段差状の端面を対向させている。
また、補助バンド部材11は、バックル8と縫製端部9cとの間に配置されている。このため、補助バンド部材11の側縁11cは、縫製端部9cの端面と対向して設けられている。
例えば、補助バンド部材11がウェビング9の先端側9bから基端側9aに向けてスライド移動しようとする。この場合、縫製端部9cの段差の端面に、側縁11cが当接して、補助バンド部材11のスライド移動を停止させることができる。
また、図2に示すように、固定バンド部材10は、ウェビング9を挿通して連結するバックル8を保持する補助バンド部材11を備えている。
詳しくは、バックル8が補助バンド部材11に挿通されたウェビング9の先端側9bに連結されている。補助バンド部材11は、シートバック3の座面に沿う固定バンド部材10に設けられている。
このため、シート2を折畳み動作させてもバックル8がウェビング9とともに追従して位置ずれが生じない。よって、シートバック3とシートクッション4との間からフロアパネル1の上にバックル8が脱落することがない。
そして、シート2を着座状態に戻すと、バックル8は、シートバック3の下縁部3aの初期位置に戻る。
また、バックル8が固定バンド部材から脱落すると、シート2に隠れて所在が分かりにくい。そして、脱落したバックル8は、シート2の座面上に引き上げなければ、タング7と連結させることができない。
本実施形態の車両用シートベルト装置では、シート2を着座状態に戻すとバックル8が初期位置となり噛み込まない。このため、バックル8の視認性が良好で、直ちにバックル8を引出してタング7に連結させることが可能となり、使用利便性が良好である。
このため、固定バンド部材10の長手方向のうち、狙った位置にバックル8を保持させることができる。
さらに、ゴム製材料で構成される固定バンド部材10と比較して伸縮性の少ない布製材料で補助バンド部材11が構成されている。このため、ループ径寸法が拡開することがない。したがって、さらにバックル8が補助バンド部材11のループから抜け落ちにくくなる。
そして、図4に示すようにバックル8を車両前方Fあるいは斜め上方に引き上げると、固定バンド部材10が伸長する。この際、補助バンド部材11のループ状部は拡開せずに保持状態を維持する。よって、補助バンド部材11のウェビング9を挿通している位置がウェビング9に沿って基端側9aに移動しにくい。
バックル8の車両前方Fへの引き上げをやめると、バックル8は、固定バンド部材10の弾性反力で初期位置に復帰する。この際、バックル8は、補助バンド部材11のループ内に保持されている。このため、従来のよう抜け落ちたバックル8がシートバック3とシートクッション4との間に挟み込まれる虞がない。
このため、補助バンド部材11がウェビング9の先端側9bから基端側9aに向けてスライド移動しようとしても、縫製端部9cの段差に側縁11cが当接して停止する。したがって、補助バンド部材11はスライド移動できず、バックル8の保持位置を所望の位置に安定させて配置できる。
詳しくは、固定バンド部材10は、一端部が下縁部3aに、他端部が凹部3b周縁にそれぞれ縫製されて、シートバック3の側縁に向かうにつれて上方に位置するように所定の角度で傾斜して固定されている。
たとえば、本実施形態では、約25度で上昇するように設定されているが特にこれに限らない。例えば約5度~85度、好ましくは、約20度~70度等どのような角度で固定バンド部材10を傾斜させてもよい。
また、固定バンド部材10は、下縁部3aから上方へ傾斜して、凹部3b周縁に至るまで補助バンド部材11によってバックル8が保持される領域を下縁部3aから離間させて上方に設定できる。
このため、バックル8の配置位置の選択の自由度が増大して、さらに使用利便性を向上させることができる。
補助バンド部材21は、帯状の補助バンド部材21および固定バンド部材10の一部側面によってループ状部が形成されている。そして、図4に示す実施形態と同様にバックル8を連結したウェビング9を挿通可能な大きさにループが設定されている。
このため、変形例の補助バンド部材21は、固定バンド部材10とともに、ウェビング9を挿通可能な大きさで、かつバックル8を所望の初期位置に保持できる大きさのループ状部を容易に設定できる。他の構成および作用効果については、実施形態の車両用シートベルト装置と同一乃至均等であるので説明を省略する。
たとえば、他端部がシートバック3の左右何れかの側縁部に縫製されて傾斜した状態で固定されていてもよい。すなわち、固定バンド部材10の配置や角度および固定方法が特に実施形態に限定されるものではなく、シートバック3の下縁部3aから傾斜して設けられているものであればよい。
また、例えば、後部座席の天井から延び出て、中央に着座する乗員が使用するシートベルトの先端部が固定されるいわゆるコネクトバックルに適用してもよい。
2 シート
3 シートバック
3a下縁部
4 シートクッション
5 シートベルト装置
7 タング
8 バックル
9 ウェビング
9a 基端側
9b 先端側
10 固定バンド部材
11 補助バンド部材
Claims (5)
- シートバックおよびシートクッションを有してフロアに設置されるシートと、
前記シートバックの下縁部に配置され、シートベルトのタングが連結されるバックルと、
基端側がフロアに固定され、先端側が前記シートバックと前記シートクッションの間を通って前記バックルに連結されたウェビングと、
前記シートバックの下端側に設けられて、伸縮性を有する固定バンド部材と、
前記固定バンド部材の前記シートバック側に設けられて前記バックルを連結したウェビングが挿通されるとともに、前記固定バンド部材と前記シートバックとの間に配置される補助バンド部材と、
を備えることを特徴とする車両用シートベルト装置。 - 前記補助バンド部材は、ループ状であることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートベルト装置。
- 前記ウェビングの縫製端部が、前記バックル側へ向くように前記ウェビングの中間部の外側面に配置され、
前記補助バンド部材は、前記縫製端部と前記バックルとの間に配置されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用シートベルト装置。 - 前記固定バンド部材は、前記シートバックの下縁部からシートバックの側縁部に向かって上昇するように傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用シートベルト装置。
- 前記補助バンド部材は、前記固定バンド部材に両端部が接続される帯状部材を有している、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用シートベルト装置。
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