JP7373873B2 - チャイルドシート - Google Patents

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Description

本発明はチャイルドシートに関し、例えば自動車に取り付けて使用される場合に適用して好適なものである。
従来、チャイルドシートは、例えば自動車等の車両に乳幼児を乗せる場合に、当該車両のシートに取り付けて使用されるものが広く普及している。また多くのチャイルドシートには、着座した幼児を当該チャイルドシートに拘束するためのシートベルトが設けられている。このシートベルトは、例えば幼児の両肩付近に設けられた肩ベルト等を当該幼児の股付近に設けられた股ベルトに接続することにより、当該チャイルドシートに対し当該幼児を良好に拘束し得るようになっている。
このようなシートベルトは、不使用時に、重力の作用により肩ベルトが垂れ下がった状態となる。このためチャイルドシートでは、乳幼児を着座させる際に、当該肩ベルトを一時的に持ち上げ、或いは乳幼児を着座させた後に当該肩ベルトを当該乳幼児の背後から引き出す等の繁雑な作業が必要となってしまう。
そこで、チャイルドシートとして、肩ベルトの下側に、前斜め上方に向けて突出した棒状の跳ね上げ部を設け、シートベルトの不使用時に当該肩ベルトを跳ね上げることにより、乳幼児の乗降を容易に行わせるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2019-26147号公報(図1等)
しかし、かかる構成のチャイルドシートでは、跳ね上げ部により肩ベルトが上方へ跳ね上げられたとしても、左右方向の間隔が拘束時とほぼ同等であるため、乳幼児の頭部と干渉する可能性が高い。このためチャイルドシートでは、乳幼児の乗降時に肩ベルトを左右に広げる等、煩雑な作業が必要となってしまう、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、乳幼児の乗降を容易に行い得るチャイルドシートを提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明のチャイルドシートにおいては、乳幼児が着座した場合に該乳幼児の背部を支える背部支持体と、背部支持体における着座した乳幼児の肩部近傍に設けられ、当該背部支持体を貫通する挿通孔と、挿通孔に挿通され、乳幼児の背部を背部支持体に拘束するベルトと、背部支持体における挿通孔の近傍から、乳幼児が着座する側に向けて突設され、弾性変形が可能な弾性体と、弾性体の長手方向に沿った仮想的な中心軸を表す弾性体軸線に対し、ベルトの長手方向に沿った仮想的な中心線を表すベルト仮想中心線を、乳幼児から見た前側が左右方向の外側へ向かうように傾斜させた状態で、ベルトと弾性体とを連動させるベルト連動部とを設けるようにした。
本発明は、ベルト連動部により、弾性体軸線に対しベルト中心線を傾斜させた状態で、弾性体とベルトとを連動させることができる。このため本発明は、背部支持体に対し弾性体を乳幼児の前側へ向けるように設けた場合に、ベルトの前側を左右方向の外側へ向けて広げた状態とすることができる。さらに本発明は、ベルトを締めた場合に弾性体を弾性変形させ、当該ベルトを乳幼児の体に合わせた形状に変形させて良好に拘束することもできる。
本発明によれば、乳幼児の乗降を容易に行い得るチャイルドシートを実現できる。
図1は、チャイルドシートの構成を示す略線的斜視図である。 図2は、チャイルドシート本体の構成を示す略線的斜視図である。 図3は、背もたれ基体部及び背もたれ変位部の構成を示す略線的斜視図である。 図4は、背もたれ変位部の構成を示す略線的斜視図である。 図5は、シートベルト群の構成を示す略線的断面図である。 図6A、図6Bは、バネ部材の構成を示す略線的斜視図である。 図7は、バネ部材の構成を示す略線図である。 図8は、バネ部材の断面形状を示す略線的断面図である。 図9は、肩ベルトカバーの構成を示す略線図である。 図10は、肩ベルトカバーの構成を示す略線的断面図である。 図11は、背もたれ部の左前側部分の構成を示す略線的断面図である。 図12A、図12Bは、非拘束状態における肩ベルト、肩ベルトカバー及びバネ部材の様子を示す略線図である。 図13A、図13Bは、拘束状態における肩ベルト、肩ベルトカバー及びバネ部材の様子を示す略線図である。 図14は、仮想的なチャイルドシートにおける背もたれ部の左前側部分の構成を示す略線的断面図である。 図15は、仮想的なチャイルドシートにおける背もたれ部の左前側部分の構成を示す略線的断面図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.チャイルドシートの構成]
図1は、本実施の形態によるチャイルドシート1の全体を示す略線的な斜視図である。チャイルドシート1は、大きく分けて、十分な強度を有するチャイルドシート本体2と、該チャイルドシート本体2において乳幼児と接する部分の表面を覆うカバー3と、乳幼児を着座状態に拘束するシートベルト群4とにより構成されている。
本明細書中では、各構成部材の説明において、チャイルドシート1に着座する乳幼児から見た場合の前方向、後方向、上方向及び下方向を、それぞれ「前」、「後」、「上」及び「下」と称する。また、チャイルドシート1に着座する乳幼児を正面から見た場合の左方向及び右方向を、それぞれ「左」及び「右」と称する。なお、以降の各図においては、構造を明確に示すために、カバー3を省略している。また一部の図においては、説明の都合上、シートベルト群4も省略している。
[1-1.チャイルドシート本体の構成]
図2は、本実施の形態によるチャイルドシート本体2の全体を示す略線的な斜視図である。チャイルドシート本体2は、大きく分けて、主に座面を形成する座部11と、主に乳幼児の上半身を支える背もたれ部12とにより構成されている。さらに、背もたれ部12は、座部11に固定された背もたれ基体部13と、該背もたれ基体部13の前側において上下方向のスライド(変位)が可能な背もたれ変位部14とにより構成されている。
因みに、本実施の形態によるチャイルドシート本体2は、座部11と背もたれ部12との分離及び再結合が容易に行い得るように構成されている。このため、チャイルドシート本体2は、例えば不使用時に車両のトランク等に収納される場合に、座部11と背もたれ部12とを分離して適宜組み合わせることにより、省スペース化を図るようになっている。
図3は、本実施の形態による背もたれ部12を、背もたれ基体部13及び背もたれ変位部14に分離した状態を示す略線的な斜視図である。また、図4は、背もたれ変位部14を図3と異なる角度から見た状態を示す略線的な斜視図である。
背部基体としての背もたれ基体部13は、全体として上下方向に長く、左右方向にやや短く、前後方向にさらに短い直方体状に構成されており、左右の両辺における上側部分に、前方へ突出した部分が形成されている。この背もたれ基体部13は、その大部分が樹脂材料で構成されており、主に前側や内側の面を形成する部品と、主に後側や外側を形成する部品との組み合わせにより、その内部に空間が形成されている。また、背もたれ基体部13の下部には、座部11と係合するための係合部21が形成されている。
背もたれ基体部13の前面である背もたれ基体前面部22は、概ね平坦な平面状に形成されており、左右の中央付近における上側の約2/3の範囲に、前後方向に貫通する背もたれ基体前面孔23が形成されている。また、背もたれ基体前面部22における背もたれ基体前面孔23の下側や左右両側には、通気性を確保する複数の通気孔が設けられている。
さらに、背もたれ基体部13の内部には、複数のスライドレール24が左右方向に所定の間隔を空けながら並ぶように設けられている。各スライドレール24は、上下方向に長く、前後方向に短く、左右方向に薄い棒状若しくは薄板状に形成されている。各スライドレール24の後辺には、複数個の係合溝25が上下方向に沿って並ぶように配置されている。各係合溝25は、左右方向から見て半円状にえぐられたような形状となっている。
背部支持体としての背もたれ変位部14は、上側の約1/3の範囲を占める頭保護部31と、下側の約2/3の範囲を占める背支持部32と、該背支持部32の後側に設けられた係合機構部33とにより構成されている。
頭保護部31は、後側に位置する薄板状の基板31Aと、該基板31Aの前側に取り付けられた保護材31Bとにより構成されている。基板31Aは、背支持部32の上側に位置する板状の中央部分に対して、その左辺部分から左斜め前側へ延設された左側部分と、該中央部分のその右辺部分から右斜め前側へ延設された右側部分とにより構成されている。この基板31Aは、所定の樹脂材料によって背支持部32と一体に製造された成形部品であり、十分な厚さを有することにより、十分な強度を有している。保護材31Bは、例えば発泡スチロールやスポンジ材等によって構成されており、十分な厚さを有すると共に、十分な耐衝撃性を有している。
背支持部32は、上下方向に長く左右方向にやや短く前後方向に薄い板状に形成されており、前後方向に貫通する複数の孔部や、通気性を確保する複数の通気孔等が形成されている。具体的に、背支持部32には、乳幼児の首部分と対向する首部対向箇所32Nの近傍に、ベルト挿通孔41(41L及び41R)、ベルト収納孔42(42L及び42R)、バネ部材取付孔43(43L及び43R)等が設けられている。
各ベルト挿通孔41は、首部対向箇所32Nの左右両側、すなわち着座した乳幼児における両肩の近傍にそれぞれ位置しており、シートベルト群4のうち一部のベルト(詳しくは後述する)が挿通される。説明の都合上、以下では、ベルト挿通孔41を単に挿通孔とも呼ぶ。各ベルト収納孔42は、ベルト挿通孔41の下側に位置している。このベルト収納孔42は、上下方向に関してベルト挿通孔41の近傍から背支持部32の下端近傍に至る広い範囲に形成されている。
各バネ部材取付孔43は、ベルト挿通孔41の左右それぞれにおける外側に隣接する位置に設けられている。このバネ部材取付孔43は、前側から見た形状が長方形状であり、背支持部32の前面32Fから後方向へ進むに連れて下方へ進行するように傾斜している。
係合機構部33(図4)は、2個のシャフトガイド51、係合シャフト52、操作伝達部53、引掛部54、付勢部55及びシャフト連動体56等により構成されている。各シャフトガイド51は、背支持部32の後面における左右それぞれにおいて、ベルト挿通孔41及びバネ部材取付孔43の間に後方向に向けて立設されている。このシャフトガイド51は、前後方向に長く、上下方向に短く、左右方向に薄い板状に形成されており、後辺の中央付近に前方向に向けて細長くえぐられた溝部51Dが形成されている。
係合シャフト52は、十分な長さを有する細長い円柱状の金属部材である。この係合シャフト52は、左右のシャフトガイド51における溝部51Dにそれぞれ挿入されており、中心軸を左右方向に沿わせた姿勢となっている。このため、係合シャフト52は、外力が加えられた場合、溝部51D内において、上下方向に殆ど変位することなく、前後方向へ変位することができる。換言すれば、係合シャフト52は、シャフトガイド51により、上下方向への変位が規制される一方、前後方向へ容易に変位し得るようになっている。
操作伝達部53は、全体として上下方向に細長い棒状に構成されている。この操作伝達部53は、頭保護部31及び背支持部32の後側における左右方向の中央付近において、背もたれ変位部14の上側における約半分の範囲に渡って配置されている。また、操作伝達部53は、頭保護部31及び背支持部32により移動可能に支持されており、前後方向及び左右方向の位置を維持したまま、上下方向へ所定の範囲内で変位することができる。
引掛部54は、台形の外周部分に類似した形状となっており、保護者が指先を引っ掛けて上方向へ力を加え得るようになっている。この引掛部54は、操作伝達部53の上端に取り付けられると共に、該操作伝達部53に対して左右方向に沿った回動軸を中心として回動し得るように構成されている。
付勢部55は、上下方向に沿ったコイルスプリングであり、操作伝達部53の下側に配置されている。この付勢部55は、上端が操作伝達部53に接続され、下端が背支持部32に接続されると共に、自然状態からやや伸張されている。このため、付勢部55は、操作伝達部53を常に下方向へ付勢している。
シャフト連動体56は、操作伝達部53の下端近傍における後側に設けられており、該操作伝達部53と一体に上下方向に変位し得るようになっている。このシャフト連動体56は、全体として直方体状に形成されると共に、左右方向に貫通する挿通孔56Hが穿設されている。挿通孔56Hは、前上側と後下側とを結ぶ斜め方向に沿って形成されており、係合シャフト52が挿通されている。
かかる構成により、係合機構部33は、引掛部54が操作されていない場合、付勢部55の作用により、操作伝達部53及びシャフト連動体56を変位可能な範囲内で下側に位置させる。このとき、係合シャフト52は、シャフト連動体56の挿通孔56H内において前上側に位置し、且つシャフトガイド51の溝部51D内における前側に位置する。すなわち、係合機構部33は、図4に示した状態となる。
一方、係合機構部33は、保護者により引掛部54に対して上方向へ向かう力が加えられると、該引掛部54と連動して操作伝達部53及びシャフト連動体56が上方向へ変位する。このとき、係合シャフト52は、シャフト連動体56の挿通孔56H内を移動して後下側に位置し、且つシャフトガイド51の溝部51D内を移動して後側に位置する。
その後、係合機構部33は、引掛部54に力が加えられなくなると、付勢部55の作用により操作伝達部53を下方向へ引っ張り、該操作伝達部53及びシャフト連動体56を、変位可能な範囲内で下側に位置させる。これにより、係合シャフト52は、再びシャフト連動体56の挿通孔56H内において前上側に位置し、シャフトガイド51の溝部51D内における前側に位置する。
すなわち、係合機構部33は、引掛部54に対し上方向に向かう力が加えられるか否かに応じて、操作伝達部53及びシャフト連動体56を上下方向に変位させ、係合シャフト52を溝部51D内で前後方向に変位させることができる。
背もたれ部12(図2)は、その製造時に、背もたれ変位部14を背もたれ基体部13の前側から後方へ変位させて当接させる。さらに、背もたれ部12は、背もたれ変位部14の係合機構部33におけるシャフトガイド51やシャフト連動体56等を、背もたれ基体部13の背もたれ基体前面孔23内に入り込ませる。このとき、背もたれ変位部14は、図示しないスライドガイドをスライドレール24の左右に近接又は当接させることにより、背もたれ基体部13に対する左右方向への移動が規制される。
続いて、背もたれ部12は、背もたれ基体前面部22の後側において、係合シャフト52が、スライドレール24の後側を通り、且つシャフトガイド51の溝部51D内及びシャフト連動体56の挿通孔56H内を通るように挿通される。これにより、背もたれ変位部14は、背もたれ基体部13に対する前後方向への移動が規制される。
このように組み立てられた背もたれ部12は、係合機構部33の引掛部54が操作されていない場合、係合シャフト52を溝部51D内の前側に位置させると共に、スライドレール24における何れかの係合溝25に係合させる。これにより、背もたれ部12は、背もたれ基体部13に対する背もたれ変位部14の位置を固定する。すなわち、チャイルドシート1は、背もたれ変位部14の頭保護部31により、着座している乳幼児の頭部を良好に保護することができる。
一方、背もたれ部12は、係合機構部33の引掛部54が上方向に引っ張られると、係合シャフト52を溝部51D内の後側に位置させると共に、スライドレール24の係合溝25から外れた状態とする。これにより背もたれ変位部14は、背もたれ基体部13のスライドレール24に沿って上下方向へ変位することが可能となる。
さらに、背もたれ部12は、引掛部54に加えられていた力が解放されると、その時点における背もたれ変位部14の位置又はその直近の位置において、係合シャフト52をスライドレール24の係合溝25に係合させ、該背もたれ変位部14の位置を固定する。
このようにして、チャイルドシート1は、着座させる乳幼児の体型に応じて、背もたれ基体部13に対する背もたれ変位部14の位置(高さ)を調節させ、頭保護部31等を適切な位置(高さ)に合わせることができる。
因みに、背もたれ部12は、背もたれ変位部14における背支持部32の前面32Fが、概ね正面を向いているものの、詳細にはやや斜め上側を向いた状態となっている。すなわち前面32Fは、その法線が前方向からわずかに斜め上側へ傾いたような傾斜面となる。
[1-2.シートベルト群及びカバーの構成]
シートベルト群4(図1)は、複数のベルトや部品の組み合わせにより構成されており、その一部がチャイルドシート本体2に取り付けられ、又は組み込まれている。このシートベルト群4は、股ベルト61、肩ベルト62(62L及び62R)、引締ベルト63といった複数のベルトや、バックル64、タング65(65L及び65R)及び肩ベルトカバー66等の部品により構成されている。このうち、股ベルト61、肩ベルト62及び引締ベルト63の各ベルトは、それぞれ繊維を所定の方式で織ることにより、所定の幅及び厚さを有すると共に十分な長さを有する紐状に構成されており、柔軟性を有すると共に十分な引張強度を有している。
股ベルト61は、その下端が乳幼児の股の前側に取り付けられると共に、その上端にバックル64が取り付けられている。肩ベルト62(62L及び62R)は、乳幼児の左右それぞれにおいて、肩の上側近傍と腰の外側とを結ぶように設けられており、タング65(65L及び65R)がそれぞれ挿通されている。また、各肩ベルト62には、肩ベルトカバー66(66L及び66R)がそれぞれ挿通されている。
図5はチャイルドシート本体2の模式的な断面図を示す。肩ベルト62L及び62Rは、乳幼児の肩近傍に位置する背もたれ変位部14のベルト挿通孔41(図3)からそれぞれ背もたれ基体部13の内部に引き込まれる。さらに、肩ベルト62L及び62Rは、背もたれ基体部13の内部において、1本の引締ベルト63と接続される。説明の都合上、以下では肩ベルト62を単にベルトとも呼ぶ。
引締ベルト63は、背もたれ基体部13の内部を下方へ進行して該背もたれ基体部13の下端近傍から外部へ引き出される。また、引締ベルト63は、座部11の後端近傍から該座部11の内部に入り、前方へ進んで該座部11の前端近傍から前方へ引き出される。
さらに、肩ベルト62及び引締ベルト63は、背もたれ基体部13及び座部11の内部において、長手方向に沿って摺動し得るように挿通されている。また座部11の前端近傍には、引締ベルト63を固定し、又は固定を解除するベルトストッパ68が設けられている。
このシートベルト群4は、乳幼児が着座した状態において、肩ベルト62L及び62Rを当該乳幼児の肩の上側ないし前側を通るように配置され、タング65L及び65Rが組み合わされた上でバックル64に挿入され、さらに引締ベルト63が前方へ引き出される。これにより、シートベルト群4は、乳幼児の肩から腰に至る範囲をチャイルドシート本体2の背もたれ部12に拘束でき、当該乳幼児を着座した状態に維持することができる。以下、このような状態を、拘束状態と呼ぶ。
また、チャイルドシート1では、例えば体格が比較的大きい幼児が着座する際に、シートベルト群4が使用されずに車両のシートベルトが使用される場合がある。このとき、チャイルドシート1では、肩ベルト62及び肩ベルトカバー66の一部分がベルト収納孔42(図3)へ挿入されることにより、背もたれ基体部13の内部に収納することができる。
カバー3(図1)は、布やスポンジ材等の組み合わせにより、部分ごとに分割された構成となっており、それぞれ十分な柔軟性を有している。また、カバー3は、複数の部分に分割されており、各部分がチャイルドシート本体2や後述するシートベルト群4に対して着脱可能に構成されている。
[2.バネ部材の構成]
図6A及び図6Bは、それぞれバネ部材70の全体を示す略線的な斜視図であり、互いに異なる方向から見た様子を表している。図7はバネ部材70の全体を示す略線的な左側面図である。図8は、図7におけるA1-A2断面を示す略線的な断面図である。
弾性体としてのバネ部材70は、全体として細長い棒状に形成されており、仮想的なバネ軸線X70(図7)に沿って、上側へ突出するように緩やかに湾曲した形状となっている。また、バネ部材70は、例えばTPE(Thermoplastic elastomer:熱可塑性樹脂ゴム弾性体)等の樹脂材料による成形部品であり、加えられる外力に応じて弾性変形する。因みに、図6A、図6B及び図7は、何れもバネ部材70に外力が加えられていない自然状態の形状を表している。また以下では、バネ軸線X70を弾性体軸線とも呼ぶ。
このバネ部材70は、前側の約5/6の範囲を占める突出部71と、後側の約1/6の範囲を占める差込部72とにより構成されている。突出部71は、図8に示したように、その断面が略楕円形であり、前端近傍が比較的細く、後方へ進むに連れて徐々に太くなっている。また、突出部71における最も後側の部分、すなわち、差込部72との境界部分は、その周囲と比較して、下方向及び左右両方向に向けて局所的に太くなっている。さらに、突出部71における差込部72との境界面である突出部側境界面71Sは、平面状に形成されているものの、その法線がバネ軸線X70の接線に対して約45度傾斜している。
差込部72は、上側の柱状部72Aと、下側の支持部72Bとにより構成されている。柱状部72Aは、全体としてバネ軸線X70に沿った四角柱状に形成されている。支持部72Bは、突出部側境界面71Sの後側に隣接するように配置された直方体状に形成されている。
[3.肩ベルトカバーの構成]
図9は、左側の肩ベルトカバー66Lにおける全体を示す略線的な平面図である。図10は、図9におけるB1-B2断面を示す略線的な断面図である。便宜上、図9における紙面手前側を上方向、その反対側を下方向とし、また図の下側を前方向とし、図の上側を後方向として説明する。
因みに、右側の肩ベルトカバー66R(図5)は、左側の肩ベルトカバー66Lと左右対称に構成されている。そこで、以下では、左側の肩ベルトカバー66Lを例に説明し、右側の肩ベルトカバー66Rの説明を省略する。
ベルト連動部としての肩ベルトカバー66は、複数の布やベルト状の材料等によって柔軟に構成されており、大きく分けてカバー本体部81及び取付ベルト部82を有している。カバー本体部81は、全体として前後方向に長く、左右方向に短く、上下方向に薄い直方体状若しくは薄板状に構成されている。
また、カバー本体部81は、図10に示したように、上下方向に関して上層81U、中層81M及び下層81Lの3層に分かれている。このカバー本体部81の内部には、中層81M及び下層81Lの間にベルト挿通空間83が形成されると共に、上層81U及び中層81Mの間にバネ部材収容空間84が形成されている。
ベルト挿通空間83は、中層81M及び下層81Lにおける左辺部分及び右辺部分が閉塞される一方、前辺近傍及び後辺近傍が開放されることによって形成されており、前後方向に貫通された空間となっている。このため、カバー本体部81は、ベルト挿通空間83に肩ベルト62Lを前後方向に沿って挿通させることができる。これを換言すれば、カバー本体部81は、ベルト挿通空間83の長手方向を表す仮想的なベルト挿通軸線X83(図9)に沿って、肩ベルト62Lをベルト挿通空間83に挿通させることができる。
弾性体収容空間としてのバネ部材収容空間84は、中層81M及び上層81Uにおける左辺部分、右辺部分及び前端部分が閉塞される一方、後辺近傍における左側の約1/3の範囲のみが開放されている。また、カバー本体部81には、中層81M及び下層81Lを貫通すると共に上下から挟むようにして、スナップボタン85及び86がそれぞれ取り付けられている。スナップボタン85は、左右方向のほぼ中央であって後辺から前方へ前後長の1/4程度進んだ箇所に設けられている。スナップボタン86は、左右方向のほぼ中央であって前辺の近傍に設けられている。
さらに、カバー本体部81には、中層81M及び上層81Uを縫い合わせる縫い目87及び88が設けられている。縫い目87は、カバー本体部81における左後頂点の近傍とスナップボタン86の近傍とを結んでおり、前後方向に対し傾斜した直線状に形成されている。縫い目88は、カバー本体部81における後辺の中央からやや右寄りの箇所と、スナップボタン86の近傍とを結んでおり、縫い目87とほぼ平行な直線状に形成されている。
このように、バネ部材収容空間84は、縫い目87及びスナップボタン86により左側の範囲が規制されると共に、縫い目88及びスナップボタン85により右側の範囲の一部が規制されている。このため、カバー本体部81は、縫い目87に沿うようにして、バネ部材収容空間84にバネ部材70の突出部71を収容することができる。これを換言すれば、カバー本体部81は、縫い目87と概ね平行な、仮想的なバネ部材収容軸線X84(図9)にバネ部材70の長手方向を沿わせるようにして、該バネ部材70をバネ部材収容空間84に収容することができる。
取付ベルト部82(図9)は、カバー本体部81における下層81Lの下面における、後端近傍に取り付けられている。この取付ベルト部82は、後端近傍が折り返された1本のベルト状の材料により構成されており、後端近傍に縫い目91が設けられることにより、後端側に取付挿通空間92が形成されている。取付挿通空間92は、左右方向に貫通された空間となっている。また、カバー本体部81における下層81Lの下面における、取付ベルト部82よりも前側の部分には、所定の滑り止め部材89(図10)が設けられている。
[4.肩ベルトカバーの取付及びバネ部材による保持]
次に、背もたれ部12(図2等)に対する肩ベルトカバー66の取付と、バネ部材70による該肩ベルトカバー66及び肩ベルト62の保持について、それぞれ説明する。
背もたれ部12は、上述したように、その製造時に、背もたれ基体部13及び背もたれ変位部14(図3及び図4)が組み合わされる。このとき、背もたれ部12では、左右それぞれにおいて、背もたれ変位部14の前側から肩ベルトカバー66の取付ベルト部82がベルト挿通孔41に挿通され、さらに取付挿通空間92に係合シャフト52が挿通される。
また、背もたれ部12では、シートベルト群4(図1及び図5)が組み込まれる際に、左右それぞれにおいて、肩ベルト62が肩ベルトカバー66のベルト挿通空間83(図10)に挿通された上で、ベルト挿通孔41に挿通される。
かかる構成により、チャイルドシート1では、背もたれ部12に対して肩ベルト62の前側が上下方向や左右方向に変位して様々な状態に変形する際に、該肩ベルト62と一体に肩ベルトカバー66も変形させること、すなわち両者を連動させることができる。
因みに、肩ベルト62は、図5を参照しながら説明したように、ベルト挿通孔41から前方向へ引き出すことが可能となっている。一方、肩ベルトカバー66は、取付挿通空間92に係合シャフト52が挿通されているため、前方向へ引き出すことができなくなっている。
例えば、チャイルドシート1が取り付けられた自動車が前進中に急ブレーキをかけた場合、当該チャイルドシート1では、着座している乳幼児が、慣性力の作用により、肩ベルト62と共に前方向へ飛び出そうとする。しかし、このチャイルドシート1では、肩ベルトカバー66の滑り止め部材89が乳幼児の肩部分との間に大きな摩擦力を作用させるため、当該乳幼児を着座させた状態に維持することができる。
これに加えて、チャイルドシート1では、左右それぞれにおいて、背もたれ部12にバネ部材70(図6A、図6B等)が1本ずつ取り付けられる。具体的にバネ部材70は、突出部71の大部分が先端側から肩ベルトカバー66のバネ部材収容空間84に収容された上で、差込部72が背もたれ変位部14のバネ部材取付孔43に挿入される。これにより、チャイルドシート1では、バネ部材70の突出部71と肩ベルトカバー66とを一体に変形させること、すなわち両者を連動させることができる。因みに、バネ部材70は、保護者により、バネ部材取付孔43に対し容易に着脱させることができる。
ここで、図11は、背もたれ部12における左前側の部分を中心に表した模式的な断面図である。また背もたれ部中心線C12は、背もたれ部12における左右方向の中心を表す仮想的な直線である。さらに、肩ベルト中心線X62は、肩ベルト62における長手方向に沿った仮想的な中心線である。説明の都合上、以下では肩ベルト中心線X62をベルト中心線とも呼ぶ。
バネ部材70は、外力が加えられていない自然状態において、バネ軸線X70が左右方向に関し中央を向くと共に、上下方向に関し前斜め上方向を向いた形状となる。肩ベルトカバー66は、バネ部材収容空間84にバネ部材70が収容されているため、バネ部材収容軸線X84をバネ軸線X70とほぼ一致させている。また、肩ベルトカバー66は、ベルト挿通空間83に肩ベルト62が挿通されているため、ベルト挿通軸線X83を肩ベルト中心線X62とほぼ一致させている。
すなわち、肩ベルトカバー66は、バネ部材70のバネ軸線X70に対し、肩ベルト62の肩ベルト中心線X62を常に傾斜させた状態に維持することができる。これにより、チャイルドシート1は、バネ部材70に外力が加えられていない場合、水平面上において、バネ軸線X70を前後方向に沿わせ、肩ベルト中心線X62の前側が背もたれ部中心線C12から離れる方向へ傾斜させた状態とする。
そうすると、チャイルドシート1では、図12A及び図12Bに示すように、シートベルト群4が使用されていない状態において、左側の肩ベルト62L等の前側部分を後側よりも左上側に位置させると共に、右側の肩ベルト62R等の前側部分を後側よりも右上側に位置させる。これを換言すれば、チャイルドシート1では、左右の肩ベルト62等が、前側へ進むに連れて、斜め上方向へ向かいながら、左右方向の外側へ開いていくような形状となる。以下、この状態を非拘束状態と呼ぶ。
一方、チャイルドシート1は、シートベルトを締めた拘束状態とする場合、図5に示したように、左右のタング65L及び65Rが組み合わされた上でバックル64に挿入され、さらに引締ベルト63が前方へ引き出される。
このとき、チャイルドシート1では、図13A及び図13Bに示すように、肩ベルト62及び肩ベルトカバー66の前側部分が左右の中央に引き寄せられる。これに伴い、各バネ部材70は、肩ベルトカバー66からバネ部材収容空間84を介して力を受けることになり、前側へ進むに連れて、左右の内側且つ下側へ向けて撓むように変形した形状となる。
[5.効果等]
以上の構成において、本実施の形態によるチャイルドシート1は、左右それぞれにおいて、バネ部材70の差込部72が背もたれ部12の背もたれ変位部14に設けられたバネ部材取付孔43に挿入される。また、チャイルドシート1は、左右それぞれにおいて、肩ベルトカバー66のベルト挿通空間83に肩ベルト62が挿通されると共に、バネ部材収容空間84に各バネ部材70の突出部71が収容される。
各バネ部材70は、突出部71の先端を、左右方向に関してほぼ中央を向けた状態となる(図11及び図12A)。一方、肩ベルトカバー66は、突出部71が収容されているバネ部材収容空間84のバネ部材収容軸線X84を、ベルト挿通軸線X83に対して傾斜させている(図9及び図11)。
このため、チャイルドシート1は、非拘束状態(図12A及び図12B)において、バネ部材70の前端が左右方向に関してほぼ中央を向いた状態となり、肩ベルトカバー66及び肩ベルト62を、前方へ進むに連れて左右の外方へ広がるように支持できる。これにより、チャイルドシート1は、肩ベルト62等を持ち上げて左右に広げる作業を保護者に行わせることなく、また肩ベルト62等を乳幼児の頭部と干渉させることなく、容易に且つ円滑に乗降させることができる。
また、チャイルドシート1は、拘束状態(図13A及び図13B)において、肩ベルト62等の前側を左右の中央へ引き寄せられた状態となり、これに応じてバネ部材70の前端を左右の中央側且つ下側へ向けて撓ませる。このため、チャイルドシート1は、バネ部材70を用いない従来のチャイルドシート(図示せず)と同様に、シートベルト群4を乳幼児の体に適切に密着させることができ、当該乳幼児を良好に着座させた状態に維持できる。
ところで、チャイルドシートとしては、本実施の形態によるチャイルドシート1と異なる構成により、肩ベルト62等の前側を左右に広げることも考えられる。その一例として、肩ベルトカバー66(図9)においてバネ部材収容軸線X84をベルト挿通軸線X83と平行とするようにバネ部材収容空間84を形成し、背もたれ変位部14に対しバネ部材70の前端を左右方向の外側へ向ける、といった構成が考えられる。
図14は、比較用のチャイルドシート101における、図11と対応する模式的な断面図である。このチャイルドシート101は、ベルト挿通孔41と係合機構部33との間にバネ部材取付孔43を配置し、且つ後端部を後斜め内側に向けるように配置した構成となっている。
一般に、チャイルドシートでは、乳幼児の肩幅等に合わせて、ベルト挿通孔41の左右方向に関する位置が必然的に決まっている。また、チャイルドシートでは、背もたれ部12(図3及び図4)において、背もたれ基体部13に対する背もたれ変位部14の位置(高さ)を調節可能とし、且つ必要な強度を確保するため、係合機構部33がある程度の大きさとなる。
そうすると、チャイルドシート101のような構成では、バネ部材取付孔43がどうしても係合機構部33と干渉するため、背もたれ基体部13に対する背もたれ変位部14の位置(高さ)を円滑に調節することや、十分な強度を確保することが困難となってしまう。
図15は、比較用のチャイルドシート201における、図11及び図14と対応する模式的な断面図である。このチャイルドシート201は、チャイルドシート1と同様に、ベルト挿通孔41に対し左右方向の外側にバネ部材取付孔43を配置しているものの、該バネ部材取付孔43の後端部を後斜め内側に向けている。
このチャイルドシート201のような構成では、バネ部材70を適切な角度に傾けようとする場合、バネ部材取付孔43がベルト挿通孔41と干渉し、或いは該バネ部材70が頭保護部31の保護材31Bと干渉してしまう。
このように、バネ部材70のバネ軸線X70を前後方向に対して傾斜させる場合、チャイルドシート101及び201のように、バネ部材取付孔43が係合機構部33やベルト挿通孔41と干渉し、或いは該バネ部材70が保護材31Bと干渉する恐れがあった。
これに対し、本実施の形態によるチャイルドシート1は、図11に示したように、バネ部材取付孔43をベルト挿通孔41に対し左右方向の外側に配置すると共にその後端部を左右方向の中央に向けるようにした。
これにより、チャイルドシート1は、バネ部材取付孔43を係合機構部33やベルト挿通孔41と干渉させることや、バネ部材70を頭保護部31の保護材31Bと干渉させることを確実に回避できる。また、チャイルドシート1は、バネ部材取付孔43を左右の中央に向けた孔とすれば良いため、左右方向に関して占有する範囲を最小限に抑えることができる。
これに加えて、チャイルドシート1は、肩ベルトカバー66においてバネ部材収容軸線X84をベルト挿通軸線X83に対して傾斜させた(図9)。このため、チャイルドシート1は、シートベルト群4の不使用時に、バネ部材70を左右方向の中央に向けた状態としながら、肩ベルト62等の前側を左右の外方へ開くことができる。
また、チャイルドシート1は、背もたれ変位部14のバネ部材取付孔43に対し、バネ部材70を着脱可能に構成した。このため、チャイルドシート1は、例えば体格が比較的大きい乳幼児が着座して車両側のシートベルトを使用する場合、すなわちシートベルト群4を使用しない場合に、バネ部材70を取り外させることができる。これにより、チャイルドシート1では、シートベルト群4を使用しない場合におけるバネ部材70と乳幼児の肩部分との干渉を回避できる。
さらに、バネ部材70は、バネ軸線X70の突出部71を横切る断面の形状を楕円状とした(図8)。このためバネ部材70は、前端を上下に変位させる方向のみならず、左右に変位させる方向にも概ね同等に容易に撓むことができ、方向による撓みやすさの差異を殆ど持たせずに済む。これにより、チャイルドシート1では、シートベルト群4のタング65をバックル64に挿入するべく肩ベルト62等を左右の内側に引き寄せる際に、バネ部材70を容易に変形させ、肩ベルト62等を乳幼児の肩部分に密着させることができる。
また、バネ部材70は、差込部72に対して突出部71を左右方向に屈曲させることなく、左右対称な形状とした(図6A、図6B、図7及び図8)。このため、チャイルドシート1では、左右それぞれに設けるバネ部材70を、互いに同等の部品とすること、すなわち部品の共通化を図ることができる。これにより、チャイルドシート1では、保護者が背もたれ変位部14における左右のバネ部材取付孔43にバネ部材70をそれぞれ装着する際に、当該バネ部材70における左右の区別を気にさせることなく容易に取り付けさせることができる。
さらに、肩ベルトカバー66は、ベルト挿通空間83の上側にバネ部材収容空間84を配置した(図10)。このため、チャイルドシート1では、シートベルト群4を締めた際に、肩ベルト62と乳幼児の肩部分との間にバネ部材70を挟むことがなく、当該乳幼児に不快感を与えることがない。
以上の構成によれば、チャイルドシート1は、左右それぞれにおいて、背もたれ変位部14におけるベルト挿通孔41の外側にバネ部材取付孔43を設け、該バネ部材取付孔43に取り付けられるバネ部材70の前端を左右の中央に向けるようにした。また、チャイルドシート1は、左右それぞれにおいて、肩ベルトカバー66のバネ部材収容軸線X84をベルト挿通軸線X83に対して傾斜させるようにした。このため、チャイルドシート1は、各部を不必要に干渉させることなく、シートベルト群4を不使用の場合、肩ベルト62等を前方へ進むに連れて左右の外方へ広がるように支持でき、乳幼児を容易に且つ円滑に乗降させることができる。
[6.他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態においては、バネ部材70を樹脂材料による成形部品として構成する場合について述べた。しかし、本発明はこれに限らず、例えば金属等、他の種々の材料により構成しても良い。また、1本の棒状に限らず、例えばコイルバネのような螺旋状等、種々の形状としても良い。
また、上述した実施の形態においては、バネ部材70の断面を略楕円形とする場合について述べた(図8)。しかし、本発明はこれに限らず、バネ部材70の断面を略円形や略長方形、或いは略六角形状等、他の種々の形状としても良い。要は、上下方向に加えて左右方向にも容易に撓み得るような形状であれば良い。
さらに、上述した実施の形態においては、バネ部材70のバネ軸線X70を上側へ突出するように緩やかに湾曲させる場合について述べた(図6A、図6B及び図7)。しかし、本発明はこれに限らず、例えばバネ軸線X70を直線状としても良く、或いは複数の屈曲点においてそれぞれ屈曲された折れ線状とする等、種々の形状としても良い。
さらに、上述した実施の形態においては、背もたれ変位部14に対しバネ部材70を着脱可能に構成する場合について述べた。しかし、本発明はこれに限らず、例えば背もたれ変位部14にバネ部材70が固定された構成としても良く、或いは背もたれ変位部14に対しバネ部材70を上側や下側へ回動可能に構成し、不使用時に収納し得るようにしても良い。
さらに、上述した実施の形態においては、肩ベルトカバー66において、ベルト挿通空間83から独立したバネ部材収容空間84を設ける場合について述べた(図9及び図10)。しかし、本発明はこれに限らず、例えばベルト挿通空間83の内部にバネ部材70を挿通させるための空間を設けても良い。或いは、バネ部材収容空間84を形成せず、バネ部材70と肩ベルトカバー66側の所定の部材とを所定の部材によって係合させるようにしても良い。さらには、肩ベルトカバー66に対しバネ部材70を一体化して分離できないような構成としても良い。要は、ベルト挿通軸線X83に対しバネ軸線X70を傾斜させた状態を維持できれば良い。
さらに、上述した実施の形態においては、肩ベルトカバー66にベルト挿通空間83を形成して肩ベルト62を挿通させる場合について述べた。しかし、本発明はこれに限らず、例えば肩ベルトカバー66において、ベルト挿通空間83を省略すると共に所定のクリップを設け、当該クリップにより肩ベルト62の一部を挟むようにする等、種々の構成としても良い。要は、該肩ベルトカバー66を肩ベルト62と連動させることができれば良い。
さらに、上述した実施の形態においては、肩ベルトカバー66にバネ部材収容空間84を設けてバネ部材70の突出部71を収容する場合について述べた(図9、図10、図12A、図12B、図13A及び図13B)。しかし、本発明はこれに限らず、例えば肩ベルトカバー66において、バネ部材収容空間84を省略し、スナップボタン85及び86と同様のスナップボタンをバネ部材収容軸線X84に沿った複数箇所に追加しても良い。バネ部材70には、各スナップボタンと対応する箇所に、該スナップボタンと係合するスナップ係合体をそれぞれ設ければ良い。この場合、バネ部材70のスナップ係合体と肩ベルトカバー66のスナップボタンとを係合させることにより、両者を連動させることができる。
さらに、上述した実施の形態においては、背もたれ部12において、背もたれ基体部13に対し背もたれ部12を上下方向にスライドし得る構成とする場合について述べた(図3及び図4)。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、背もたれ基体部13に対して背もたれ部12を複数箇所の何れかに着脱可能に構成しても良く、或いは、背もたれ基体部13に背もたれ部12が固定された(一体化された)構成としても良い。
さらに、上述した実施の形態においては、チャイルドシート本体2を、座部11と背もたれ部12との分離及び再結合が容易に行い得るように構成する場合について述べた(図3等)。しかし、本発明はこれに限らず、例えばチャイルドシート本体2を、座部11と背もたれ部12とが一体化された構成としても良い。
さらに、本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに、上述した実施の形態においては、背部支持体としての背もたれ変位部14と、挿通孔としてのベルト挿通孔41と、ベルトとしての肩ベルト62と、弾性体としてのバネ部材70と、ベルト連動部としての肩ベルトカバー66とによってチャイルドシートとしてのチャイルドシート1を構成する場合について述べた。しかし、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる背部支持体と、挿通孔と、ベルトと、弾性体と、ベルト連動部とによってチャイルドシートを構成しても良い。
本発明は、例えば自動車用のチャイルドシートで利用できる。
1……チャイルドシート、2……チャイルドシート本体、4……シートベルト群、11……座部、12……背もたれ部、13……背もたれ基体部、14……背もたれ変位部、22……背もたれ基体前面部、31……頭保護部、31B……保護材、32……背支持部、32N……首部対向箇所、33……係合機構部、41……ベルト挿通孔、42……ベルト収納孔、43……バネ部材取付孔、62……肩ベルト、66……肩ベルトカバー、70……バネ部材、71……突出部、72……差込部、81……カバー本体部、83……ベルト挿通空間、84……バネ部材収容空間、X62……肩ベルト中心線、X70……バネ軸線、X83……ベルト挿通軸線、X84……バネ部材収容軸線。

Claims (8)

  1. 乳幼児が着座した場合に該乳幼児の背部を支える背部支持体と、
    前記背部支持体における前記着座した前記乳幼児の肩部近傍に設けられ、当該背部支持体を貫通する挿通孔と、
    前記挿通孔に挿通され、前記乳幼児の前記背部を前記背部支持体に拘束するベルトと、
    前記背部支持体における前記挿通孔の近傍から、前記乳幼児が着座する側に向けて突設され、弾性変形が可能な弾性体と、
    前記弾性体の長手方向に沿った仮想的な中心軸を表す弾性体軸線に対し、前記ベルトの前記長手方向に沿った仮想的な中心線を表すベルト中心線を、前記乳幼児から見た前側が左右方向の外側へ向かうように傾斜させた状態で、前記ベルトと前記弾性体とを連動させるベルト連動部と
    を具えることを特徴とするチャイルドシート。
  2. 前記背部支持体は、前記乳幼児が前記着座した場合に当該乳幼児の首部と対向する首部対向箇所から前記挿通孔を挟んだ反対側に、前記弾性体が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシート。
  3. 前記弾性体は、自然状態において、前記着座した前記乳幼児を基準とした前記左右方向に関し、前記弾性体軸線を中央に向けるように設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシート。
  4. 前記弾性体は、前記背部支持体から前記乳幼児の前側へ向けて突出した部分において、前記弾性体軸線と直交する断面の形状が略円形又は略楕円形である
    ことを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシート。
  5. 前記弾性体は、前記背部支持体に対し着脱可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシート。
  6. 前記乳幼児が着座する座部と、該座部に取り付けられた背部基体と
    をさらに具え、
    前記背部支持体は、前記背部基体に取り付けられると共に、該背部基体に対する位置が変更可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシート。
  7. 前記ベルト連動部は、
    前記ベルトを挿通させるベルト挿通空間と、
    前記ベルト挿通空間の外側に設けられ、前記弾性体を収容する弾性体収容空間と
    を具えることを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシート。
  8. 前記ベルト連動部は、前記ベルトにより前記乳幼児を拘束している場合に、前記ベルト挿通空間を前記弾性体収容空間よりも当該乳幼児側に位置させる
    ことを特徴とする請求項7に記載のチャイルドシート。
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