以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図7を参照して、第1実施形態による緩み止め具100について説明する。
図1に示す緩み止め具100は、第1継手部材と、第1継手部材に形成されたねじ部に締結される第2継手部材と、を含む配管継手の緩み止めを行うように構成されている。まず、緩み止め具100が取り付けられる配管継手について説明する。
(配管継手)
図2に示すように、配管継手は、別々の配管2の端部同士を接続するための接続部品である。配管継手は、たとえば、ユニオン継手1である。ユニオン継手1は、ユニオンねじ50と、ユニオン鍔60と、ユニオンナット70とを含む。ユニオン継手1は、特許請求の範囲の「配管継手」の一例である。ユニオンねじ50は、特許請求の範囲の「第1継手部材」の一例であり、ユニオンナット70は、特許請求の範囲の「第2継手部材」の一例である。本明細書において、ナットは、雌ねじが形成された開口部を有し、外周部に工具と回転方向に係合するための係合面が形成された部材のことである。
ユニオンねじ50は、概略円筒状の部材である。ユニオンねじ50の内周部に、接続する一方の配管2の端部が取り付けられる。たとえばユニオンねじ50の内周面に雌ねじが形成されている。ユニオンねじ50の内周面の雌ねじが、配管2の端部の雄ねじと螺合する。なお、ユニオンねじ50と配管2とを固定するための構造は、特に限定されない。ユニオンねじ50の軸方向の一端部(ユニオン鍔60側の端部)には、半径方向外側に突出するフランジ部51が形成されている。フランジ部51の外周面に、ユニオンナット70と螺合するねじ部52が形成されている。ねじ部52は雄ねじである。ユニオンねじ50の他端側(配管2側)の外周面には、工具と回転方向に係合するための係合面53が形成されている。図3の例では、ユニオンねじ50は、六角ナットである。つまり、ユニオンねじ50は、回転中心軸に対して両側に設けられた係合面53の対を、3組(合計6面)備えている。ユニオンねじ50は、二面幅W11を有する。二面幅は、対向する2つの係合面53の間の距離である。
図2に示すように、ユニオン鍔60は、概略円筒状の部材である。ユニオン鍔60の内周部に、接続する他方の配管2の端部が取り付けられる。たとえばユニオン鍔60の内周面に雌ねじが形成されている。ユニオン鍔60の内周面の雌ねじが、配管2の端部の雄ねじと螺合する。なお、ユニオン鍔60と配管2とを固定するための構造は、特に限定されない。ユニオン鍔60の軸方向の他端部(ユニオンねじ50側の端部)には、半径方向外側に突出するフランジ部61が形成されている。ユニオン鍔60は、たとえば外周面に係合面62が形成された六角ナットである。つまり、ユニオン鍔60は、3対で合計6面(図5参照)の係合面62を備えている。
ユニオンナット70は、概略円筒状のナットである。ユニオンナット70は、ユニオンねじ50に形成されたねじ部52に螺合する。ユニオンナット70は、ユニオン鍔60のフランジ部61を、ユニオンねじ50との間に挟み込んで締め付けることにより、ユニオンねじ50とユニオン鍔60とを締結する。ユニオンナット70の他端側の内周面に、ねじ部52に螺合する雌ねじ部71が形成されている。ユニオンナット70の一端側には、半径方向内側に突出するリブ72が形成されている。リブ72は、リブ72とユニオンねじ50との間にユニオン鍔60のフランジ部61を挟んで固定するように設けられている。ユニオンナット70の外周面には、工具と回転方向に係合するための係合面73が形成されている。図3の例では、ユニオンナット70は、八角ナットである。つまり、ユニオンナット70は、回転中心軸に対して両側に設けられた係合面73の対を、4組(合計8面)備えている。ユニオンナット70は、二面幅W13を有する。ユニオンナット70の二面幅W13は、ユニオンねじ50の二面幅W11よりも大きい。
ユニオン継手1は、工具を用いて、ユニオンねじ50とユニオンナット70とを締め付ける方向に相対回転されることにより、ユニオンねじ50とユニオンナット70(リブ72)との間にユニオン鍔60(フランジ部61)を挟み込んだ状態で締結される。これにより、ユニオンねじ50に取り付けられた一方の配管2と、ユニオン鍔60に取り付けられた他方の配管2とが連結される。ユニオンねじ50とユニオン鍔60との間には、パッキン、Oリングまたはガスケットなどのシール部材が挟み込まれることがある。
ユニオン継手1によって接続された配管2は、液体、気体または気液混合状態の流体を流通させる。一例として、配管2は、たとえばステンレスなどの金属製の配管であり、装置または設備の温度調整のための蒸気と冷却水とが混在する流体を流通させる。このような配管2では、流体の温度変化に起因する流体(この場合、特に蒸気)の膨張および収縮が配管2の振動を発生させる。また、配管2自体にも熱膨張、収縮が生じて、配管2が振動する。これらの配管2の振動がユニオン継手1に伝わることにより、ユニオンねじ50とユニオンナット70との締結箇所が緩む。つまり、ユニオンねじ50とユニオンナット70とが相対回転し、ユニオンねじ50とユニオンナット70とが互いに離れる方向(緩み方向)に相対移動する。
そこで、第1実施形態の緩み止め具100は、図1に示したように配管継手(ユニオン継手1)に取り付けられて、配管継手の緩み止めを行う。以下、緩み止め具100の具体的な構成例について説明する。また、各図(図2参照)において、ユニオン継手1の回転軸方向をZ方向とし、Z方向のうちユニオンねじ50側をZ1方向とし、Z方向のうちユニオン鍔60側をZ2方向とする。図3に示したように、Z方向から見て互いに直交する2方向をそれぞれX方向およびY方向とする。ユニオンねじ50の緩み方向はZ1方向であり、ユニオンナット70の緩み方向はZ2方向である。
第1実施形態の緩み止め具100は、図1に示したように、第1規制部10と、第2規制部20と、を備える。また、第1実施形態の緩み止め具100は、第1規制部10と第2規制部20とを接続する接続部30をさらに備えている。
〈第1規制部〉
第1規制部10は、ユニオンねじ50に取り付けられる。図1、図4および図5に示すように、第1規制部10は、直線状に延びる柱状部11を有する。柱状部11は、ユニオンねじ50が間に配置されるように、間隔を隔てて2つ設けられている。柱状部11は、ユニオンねじ50に対して回転軸方向と直交する方向(Y方向)の両側に配置されている。
第1規制部10は、ユニオンねじ50の外周面と回転方向に係合する一対の係合面12を有している。係合面12は、柱状部11のうち、ユニオンねじ50の外周面(係合面53)と対向する面である。2つの柱状部11の各係合面12は、Y方向に互いに対向している。一対の係合面12の間隔D1(図5参照)は、ユニオンねじ50の二面幅W11に略一致するように設定されている。このため、2つの柱状部11の各々においてY方向に互いに対向する2つの係合面12の間に、ユニオンねじ50の外周面(係合面53)が挟まれるように配置される。これにより、緩み止め具100の全体が、第1規制部10においてユニオンねじ50と一体的に回転するように係合している。
また、図6に示すように、柱状部11は、ユニオンねじ50の回転軸方向における緩み方向側の側面54と対向するように配置される。具体的には、2つの柱状部11は、それぞれ、ユニオンねじ50のフランジ部51の側面54と対向する規制面13を有する。このため、図7に示すように、ユニオンねじ50が緩み方向(Z1方向)に移動する場合、第1規制部10の規制面13とユニオンねじ50のフランジ部51(側面54)とが接触する。
図4に示すように、柱状部11は、接続部30から垂直に立ち上がるように延びている。2つの柱状部11は、接続部30が配置された一方側から、ユニオンねじ50を横切って、接続部30とは反対側の他方側の位置までX方向に延びている。そして、2つの柱状部11の先端部同士を接続するように、抜止部材40が着脱可能に取り付けられる。
具体的には、一方の柱状部11には、貫通孔が形成されている。他方の柱状部11には、ねじ孔が形成されている。抜止部材40は、一方の柱状部11の貫通孔を通過して、他方の柱状部11のねじ孔に螺合するねじ軸(ボルト)である。抜止部材40は、ユニオンねじ50に対して、接続部30とは反対側に配置されている。抜止部材40が取り付けられた状態では、ユニオンねじ50は、第1規制部10(2つの柱状部11)と、接続部30と、抜止部材40とに囲まれる。この結果、緩み止め具100がユニオン継手1から抜け落ちることが防止される。抜止部材40を第1規制部10から取り外すことにより、緩み止め具100をユニオン継手1から脱着することが可能である。
〈第2規制部〉
図1に示すように、第2規制部20は、第1規制部10に対して回転軸方向(Z方向)に離れて配置されている。
第2規制部20は、直線状に延びる柱状部21(図5参照)を有する。2つの柱状部21は、接続部30側から、ユニオン鍔60を横切って、接続部30とは反対側の位置までX方向に延びている。図5に示すように、柱状部21は、ユニオン鍔60が間に配置されるように、Y方向に間隔を隔てて2つ設けられている。2つの柱状部21の間隔D2は、ユニオン鍔60の外形寸法以上である。図5の例では、2つの柱状部21の間隔D2は、ユニオン鍔60の二面幅W12に略一致する。したがって、第2規制部20は、ユニオン鍔60の外周面と回転方向に係合する。
図6に示すように、第2規制部20(柱状部21)は、ユニオンナット70の緩み方向側(Z2方向側)の側面74に対向するように設けられている。また、第2規制部20は、ユニオンナット70が第1規制部10と第2規制部20との間に配置されるように設けられている。そして、柱状部21は、ユニオンナット70の側面74(Z2方向側の端面)と対向する規制面22を有する。このため、図7に示すように、ユニオンナット70が緩み方向(Z2方向)に移動する場合、第2規制部20の規制面22とユニオンナット70の側面74とが接触する。
第1規制部10(柱状部11)および第2規制部20(柱状部21)は、回転軸方向の間隔D3を固定可能である。第1実施形態の緩み止め具100では、第1規制部10、第2規制部20および接続部30が一体形成されている。そのため、第1規制部10および第2規制部20の回転軸方向の間隔D3は、所定の大きさに固定されている。第1規制部10と第2規制部20との間隔D3とは、柱状部11の規制面13と、柱状部21の規制面22との回転軸方向(Z方向)の間隔である。第1規制部10の規制面13は、第1規制部10(柱状部11)のうち第2規制部20側の側面であり、第2規制部20の規制面22は、第2規制部20(柱状部21)のうち第1規制部10側の側面である。
Z方向において、第1規制部10と第2規制部20との間隔D3は、ユニオンナット70の長さL1以上である。また、回転軸方向において、第1規制部10と第2規制部20との間隔D3は、締結状態におけるユニオンねじ50の側面54と、ユニオンナット70の側面74との間隔D11以上である。このため、緩み止め具100がユニオン継手1に取り付けられた状態で、第1規制部10と第2規制部20との間にユニオンナット70が配置される。
なお、図5および図6では、間隔D3と間隔D11と長さL1とが略一致するように示しており、図7では便宜的に、間隔D11が長さL1よりも大きいように図示している。緩み止め具100の取り付けを容易にするために、図7のように、間隔D3は間隔D11(長さL1)よりも若干大きく設定されうる。
図7に示したように、ユニオン継手1に緩みが生じる場合、ユニオンねじ50とユニオンナット70とが緩み方向に相対移動するため、ユニオンねじ50の側面54と、ユニオンナット70の側面74との間隔D11が拡大する。ユニオンねじ50の側面54と、ユニオンナット70の側面74との間隔D11が、第1規制部10と第2規制部20との間隔D3(規制面13と規制面22との間隔)に一致するまで拡大すると、ユニオンねじ50とユニオンナット70とはそれ以上緩み方向に相対移動することができなくなる。つまり、ユニオン継手1がさらに緩むことが防止される。このような構成により、第1規制部10と第2規制部20とは、ユニオンねじ50およびユニオンナット70の緩み方向への移動を規制するように構成されている。
〈接続部〉
図1に戻り、接続部30は、第1規制部10と第2規制部20とを接続している。言い換えると、第1規制部10および第2規制部20が、それぞれ、接続部30から延びるように形成されている。第1実施形態では、接続部30は、矩形の平板状形状を有する。接続部30は、Z1方向側の辺の両端部(接続部30の2箇所の隅部)において、それぞれ第1規制部10の柱状部11と接続されている。そして、接続部30は、Z2方向側の辺の両端部(2箇所の隅部)において、それぞれ第2規制部20の柱状部21と接続されている。
また、第1実施形態では、緩み止め具100は、ユニオンナット70の外周面と当接してユニオンナット70の回転を係止する回転係止部45を備えている。回転係止部45は、具体的には、雄ねじ部材である。接続部30には、ユニオンナット70の外周の係合面73と対向する位置に、ねじ孔31が形成されている。回転係止部45は、接続部30のねじ孔31に螺合することにより、接続部30に取り付けられている。接続部30と第1規制部10とが一体形成されているため、回転係止部45は、第1規制部10に対して固定されている。
接続部30のねじ孔31は、接続部30を厚み方向に貫通している。回転係止部45は、接続部30からユニオンナット70の外周面に向けて突出するように取り付けられている。回転係止部45を回転させることにより、回転係止部45のユニオンナット70側への突出量を調整することができる。図4に示すように、回転係止部45の突出量は、緩み止め具100がユニオン継手1に取り付けられた状態で、回転係止部45の先端部がユニオンナット70の係合面73に当接するように調整される。これにより、回転係止部45は、ユニオンナット70の回転を規制するように設けられている。
上記の通り、第1規制部10が、係合面12によってユニオンねじ50と回転方向に係合しているので、緩み止め具100は、ユニオンねじ50と一体的に回転する。そして、回転係止部45が、ユニオンナット70の回転を規制するので、ユニオンねじ50とユニオンナット70とは、緩み止め具100によって、相対的な回転が規制されている。このため、第1実施形態の緩み止め具100は、ユニオンねじ50とユニオンナット70との回転軸方向(Z方向)の緩み移動を規制するとともに、ユニオンねじ50とユニオンナット70との緩み回転を規制している。
緩み止め具100は、2つの第1規制部10が対向するY方向(高さ方向)の外形寸法(抜止部材40を除外する)が、ユニオン継手1の最大外形(ユニオンナット70の最大外径)と概ね一致するように形成されている。つまり、緩み止め具100は、第1規制部10および第2規制部20がユニオンナット70を間に挟むように設けられており、ユニオン継手1のうち外径が最も大きいユニオンナット70の外周面(係合面73)の周囲を囲むように緩み止め具100を形成する必要がないため、Y方向の外形寸法が抑制されている。
緩み止め具100は、第1規制部10が延びる方向(X方向)の外形寸法が、ユニオン継手1の最大外形(ユニオンナット70の最大外径)よりも大きい。緩み止め具100は、回転係止部45が取り付けられる接続部30の部分が、ユニオンナット70の外周面(係合面73)とX方向に対向するため、幅方向(X方向)の外形寸法がユニオン継手1の最大外径よりも大きくなっている。
このように、第1実施形態の緩み止め具100は、配管継手の外周面を取り囲むように設けられる従来の緩み止め具と比べて、少なくとも2つの柱状部11が対向する方向(Y方向)における外形寸法を抑制することが可能である。
(緩み止め具の取付方法)
次に、第1実施形態の緩み止め具100の取り付け方法を説明する。まず、抜止部材40を緩み止め具100から取り外しておく。次に、第1規制部10および第2規制部20の各先端部をユニオン継手1側に向けて、緩み止め具100をユニオン継手1に対して回転軸方向と直交する方向(X方向)に近づけ、緩み止め具100をユニオン継手1に取り付ける。具体的には、第1規制部10の間にユニオンねじ50が配置され、第2規制部20の間にユニオン鍔60が配置され、第1規制部10と第2規制部20との間にユニオンナット70が配置されるように、緩み止め具100がユニオン継手1に取り付けられる。これにより、ユニオンねじ50とユニオンナット70との緩み方向への相対移動が規制される。
2つの柱状部11の先端部が共にユニオンねじ50をX方向に跨ぎ越えた状態で、抜止部材40が取り付けられる。抜止部材40が2つの柱状部11の先端部の間を接続することによって、緩み止め具100がユニオンねじ50と係合してユニオン継手1からの緩み止め具100の脱落が防止される。また、回転係止部45の先端部がユニオンナット70の外周の係合面73に当接するように、回転係止部45の突出量が調節される。これにより、ユニオンねじ50とユニオンナット70との相対回転が規制される。
以上により、ユニオン継手1に対する緩み止め具100の取り付けが完了する。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、ユニオンねじ50の回転軸方向における緩み方向側の端面と対向するように配置される第1規制部10と、ユニオンナット70の緩み方向側の端面に対向する第2規制部20と、を設ける。そして、第1規制部10および第2規制部20を、回転軸方向の間隔D3が固定され、ユニオンねじ50およびユニオンナット70の緩み方向への移動を規制するように構成する。これにより、ユニオンねじ50およびユニオンナット70が緩んで互いに離れる方向に相対移動すると、ユニオンねじ50の緩み方向(Z1方向)への移動が第1規制部10によって規制され、ユニオンナット70の緩み方向(Z2方向)への移動が第2規制部20によって規制される。つまり、第1規制部10および第2規制部20の間にユニオンねじ50およびユニオンナット70を挟みこむことによって、ユニオンねじ50およびユニオンナット70の間隔D11が間隔D3以上に拡大しないように規制できる。この構成によれば、ユニオンねじ50およびユニオンナット70と緩み止め具100とが回転軸方向(Z方向)に係合するので、緩み止め具100が回転軸方向に移動してユニオン継手1との係合が解除されることを抑制できる。また、それぞれの規制部(第1規制部10および第2規制部20)と、継手部材(ユニオンねじ50およびユニオンナット70)とが回転軸方向に係合するので、緩み止め具100を継手部材の外形に対して一回り以上大きく形成する必要がない。そのため、特に配管継手の半径方向(Y方向)において、緩み止め具100のサイズが大型化することを抑制できる。これらにより、全体のサイズを大型にすることなく、ユニオン継手1に対する係合が解除されることを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1規制部10に一対の係合面12を設けるとともに、ユニオンナット70の外周面(係合面73)と当接してユニオンナット70の回転を係止する回転係止部45を設ける。これにより、第1規制部10がユニオンねじ50と回転方向に係合し、かつ、ユニオンナット70の回転が回転係止部45により規制されるので、ユニオンねじ50とユニオンナット70との相対回転を規制できる。この結果、ユニオンねじ50およびユニオンナット70が互いに離れる方向に相対移動することを第1規制部10および第2規制部20によって規制するだけでなく、ユニオンねじ50およびユニオンナット70が互いに緩む方向に回転することを規制することができる。その結果、ユニオン継手1の緩み止めをより確実に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1規制部10と第2規制部20とを接続する接続部30を設け、第1規制部10、第2規制部20および接続部30が一体形成する。これにより、第1規制部10と第2規制部20とが別々に設けられるのではなく、接続部30を介して単一部材として形成される。そのため、たとえば別体で設けられた第1規制部10と第2規制部20とをボルトなどにより連結する場合と比べて、緩み止め具100の部品点数を削減することができ、緩み止め具100の構成を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ユニオンねじ50と、ユニオン鍔60と、ユニオンナット70とを含むユニオン継手1の緩み止め具100を構成し、第1規制部10がユニオンねじ50に取り付けられ、ユニオンナット70が第1規制部10と第2規制部20との間に配置されるように構成する。これにより、第1規制部10と第2規制部20とによって、ユニオンねじ50とユニオンナット70との緩み止めを効果的に行える。また、ユニオン継手では、ユニオンねじ50およびユニオン鍔60の外周側にユニオンナット70が配置されるため、ユニオンねじ50の外形に比べてユニオンナット70の外形が大きくなる。そのため、それぞれの継手部材に対して回転軸方向(Z方向)に取り付けられるタイプの従来の緩み止め具では、外形の大きいユニオンナット70に取り付けた部材がZ方向に移動すると、ユニオンねじ50を通り抜けて脱落する可能性がある。これに対して、第1規制部10と第2規制部20との間にユニオンナット70が配置される上記構成では、ユニオンねじ50の外形とユニオンナット70との外形が相違する場合でも、緩み止め具のユニオン継手1に対する係合が解除されることを抑制することができる。
[第1実施形態による緩み止め具の変形例]
(参考例)
上記第1実施形態では、第1規制部10と第2規制部20と接続部30とが一体形成される例を示したが、図8(A)および(B)に示す参考例による緩み止め具200では、第1規制部10と第2規制部20と接続部130とが別体で形成されている。
緩み止め具200は、2つの柱状部11が形成された第1規制部10と、2つの柱状部21が形成された第2規制部20と、第1規制部10と第2規制部20とを接続する接続部130とを備えている。
第2規制部20には、2つの柱状部11と、2つの柱状部11の間を連結する連結部111とが一体形成されている。連結部111は、2つの柱状部11の同じ側の端部同士を連結している。柱状部11は、連結部111から直線状に延びている。これにより、第1規制部10は、回転軸方向から見た場合、片側が開放されたU字状またはC字状の形状を有する。
柱状部11は、上記第1実施形態と同様に、ユニオンねじ50の外周の係合面53と係合する係合面12と、ユニオンねじ50のフランジ部51の側面54と緩み方向に対向する規制面13と、を含む。
第2規制部20には、2つの柱状部21と、2つの柱状部21の間を連結する連結部121とが一体形成されている。連結部121は、2つの柱状部21の同じ側の端部同士を連結している。柱状部21は、連結部121から直線状に延びている。これにより、第2規制部20は、回転軸方向から見た場合、片側が開放されたU字状(またはC字状)の形状を有する。柱状部21は、上記第1実施形態と同様に、ユニオンナット70の側面74と緩み方向に対向する規制面22を含む。
図8の例では、接続部130は、ボルトである。第1規制部10および第2規制部20の各々には、回転軸方向に向かい合う位置に、ボルトを通すための貫通孔が形成されている。接続部130は、第1規制部10および第2規制部20の各貫通孔に挿入され、ナット101によって抜け止めされている。接続部130は、U字状の第1規制部10および第2規制部20の各々における四隅の位置に設けられている。接続部130に螺合するナット101の回転量を調節することによって、第1規制部10と第2規制部20との間の回転軸方向の間隔D3を調節することが可能である。このため、緩み止め具200は、ユニオンナット70の回転軸方向の長さL1(図7参照)が異なる各種サイズのユニオン継手1に適用可能である。
(変形例)
図1に示した第1実施形態の緩み止め具100では、緩み止め具100の各表面が平坦面で、全体として角形形状を有している例を示した。このような形状の緩み止め具100は、たとえば切削加工などの機械加工によって形成することができる。一方、図9(A)および(B)に示す変形例による緩み止め具300は、鋳造により形成するのに適した形状を有する。
図9では、緩み止め具300の接続部30の外表面が、円弧状などの丸みを帯びた形状に形成されている。また、接続部30の規制部(第1規制部10および第2規制部20)側の内表面が、六角ナットの外周面に対応したV字形状に形成されている。つまり、図9の緩み止め具300は、図1に示した緩み止め具100と比べて、直角に屈曲した部分が削減されており、鋳造によっても容易に形成できるように構成されている。
緩み止め具は、この変形例のように構成されていてもよい。
[第2実施形態]
次に、図10~図15を参照して、第2実施形態の緩み止め具400について説明する。この第2実施形態では、第1規制部10の2つの柱状部11の間隔D1および第1規制部10と第2規制部20との間隔D3が固定されている上記第1実施形態とは異なり、間隔D1および間隔D3がそれぞれ調節可能な例について説明する。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いて説明を省略する。
図10に示すように、第2実施形態の緩み止め具400は、それぞれ別部材として形成された第1規制部10と、第2規制部20と、を備える。
(第1規制部)
第2実施形態では、第1規制部10は、一対の取付部材311(311a、311b)と、一対の取付部材311の間を接続する第1接続部材312とを含む。一方の取付部材311aおよび他方の取付部材311bは、ユニオンねじ50が間に配置されるように、間隔を隔てて設けられている。
図11に示すように、一方の取付部材311aは、X方向に直線状に延びる角柱形状を有する。取付部材311aの長さは、ユニオンねじ50の外径よりも大きい。取付部材311aは、ユニオンねじ50の両外側まで延びている。取付部材311aにおいて、ユニオンねじ50の両外側の位置に、第1接続部材312がそれぞれ取り付けられている。図12に示すように、取付部材311aは、ユニオンねじ50の回転軸方向における緩み方向側の側面54と対向するように配置される。すなわち、取付部材311aは、ユニオンねじ50のフランジ部51の側面54と対向する規制面13を有する。また、取付部材311aは、ユニオンねじ50の外周面(係合面53)と回転方向に係合する係合面12を有する。
図11に示すように、他方の取付部材311bは、X方向に直線状に延びる角柱型の柱状部313を有する。取付部材311bの柱状部313の長さは、ユニオンねじ50の外径よりも大きい。取付部材311bは、ユニオンねじ50の両外側まで延びている。取付部材311bにおいて、ユニオンねじ50の両外側の位置に、第1接続部材312がそれぞれ取り付けられている。図12に示すように、取付部材311bは、ユニオンねじ50の回転軸方向における緩み方向側の側面54と対向するように配置される。すなわち、取付部材311bは、ユニオンねじ50のフランジ部51の側面54と対向する規制面13を有する。また、取付部材311bは、ユニオンねじ50の外周面(係合面53)と回転方向に係合する係合面12を有する。取付部材311aの係合面12と、取付部材311bの係合面12とは、共に平坦面であり、互いに向かい合っている。
図11に示したように、取付部材311aと取付部材311bとが、第1接続部材312によって接続されている。第1接続部材312は、一対の取付部材311の間隔D1を調節可能に構成されている。第1接続部材312は、ボルトである。各第1接続部材312は、取付部材311aに形成された貫通孔を通って、取付部材311bに形成されたねじ孔に螺合している。第1接続部材312を回転させることにより、第1接続部材312のねじ孔内への進入量を調節することができる。これにより、取付部材311aと取付部材311bとの間隔D1が、第1接続部材312によって調節できる。そのため、第2実施形態の緩み止め具400は、ユニオンねじ50の二面幅W11が異なる各種サイズのユニオン継手1に適用可能である。
取付部材311aおよび取付部材311bは、間にユニオンねじ50を挟み込んだ状態で、第1接続部材312によって互いに連結される。取付部材311aおよび取付部材311bの各係合面12は、ユニオンねじ50の外周面の向かい合う2つの係合面53とそれぞれ当接する。そのため、取付部材311aと取付部材311bとの間隔D1は、ユニオンねじ50の二面幅W11に一致する。第1規制部10は、ユニオンねじ50を挟んだ取付部材311aおよび取付部材311bが第1接続部材312によって締結されることにより、ユニオンねじ50に固定状態で取り付けられる。このとき、ユニオンねじ50は、取付部材311aおよび取付部材311bと、2つの第1接続部材312とによって、周囲を取り囲まれる。第1接続部材312は、緩み止め具400の抜止部材としても機能する。
なお、図12に示したように、取付部材311bには、回転係止部45を取り付けるためのねじ孔が形成された支持部314が形成されている。支持部314は柱状部313の端部から、ユニオンナット70の外周面と向かい合う位置まで回転軸方向(Z方向)に突出している。そのため、図示しないが、取付部材311bは、Y方向から見た平面視ではL字状形状に形成されている。
(第2規制部)
図10および図13に示すように、第2規制部20は、第1規制部10とは別部材として設けられた規制部材321と、規制部材321を第1規制部10に接続する第2接続部材322とを含む。
規制部材321と第2接続部材322とは、2つずつ設けられている。一方の規制部材321aは、第2接続部材322を介して、取付部材311aのX方向の端部に取り付けられている。他方の規制部材321bは、第2接続部材322を介して、取付部材311bのうち規制部材321aとは反対側の端部に取り付けられている。
各規制部材321は、ユニオンナット70の緩み方向側の側面74に対向する規制面22(図15参照)を有する。規制面22が、第1規制部10に対して回転軸方向に離れて配置されている。具体的には、図12に示すように、各規制部材321は、第1規制部10に対して回転軸方向(Z方向)に接続され、回転軸方向に延びている。各規制部材321は、ユニオンナット70の外周側から回り込んでユニオンナット70の緩み方向側の側面74に対向する位置まで延びるフック形状を有する。つまり、各規制部材321は、ユニオンナット70の外周面に沿って回転軸方向に延びる軸部323と、軸部323の先端から側方に突出する突出部324とを含むフック形状を有する。フック形状の規制部材321の先端部である突出部324に、ユニオンナット70の側面74と対向する規制面22が形成されている。
第2接続部材322は、回転軸方向(Z方向)における、第1規制部10に対する規制部材321の位置を調節可能に構成されている。また、第2接続部材322は、回転軸方向と平行に延びる軸部材であり、規制部材321を中心軸周りに回転可能に保持している。
第2接続部材322は、ボルトである。図15に示したように、規制部材321には、規制部材321の軸部323を回転軸方向に貫通する貫通孔が形成されている。第2接続部材322は、規制部材321の貫通孔を通って、取付部材311aまたは取付部材311bのねじ孔に螺合している。
第2接続部材322を回転させることにより、第2接続部材322のねじ孔内への進入量を調節することができる。これにより、取付部材311aまたは取付部材311bと、規制部材321の規制面22との間隔D3(図12参照)が、第2接続部材322によって調節できる。そのため、第2実施形態の緩み止め具400は、ユニオンナット70の回転軸方向の長さL1(図7参照)が異なる各種サイズのユニオン継手1に適用可能である。
規制部材321aと取付部材311aとが、両者の間にユニオン継手1を挟み込んだ状態で、第2接続部材322によって互いに連結されている。図14に示すように、取付部材311aの規制面13がユニオンねじ50の緩み方向の側面54と当接し、図15に示すように、規制部材321aの規制面22がユニオンナット70の緩み方向の側面74と当接する。取付部材311aと規制部材321aとが第2接続部材322によって締め付けられることにより、間隔D3が小さくなり、ユニオンねじ50およびユニオンナット70が取付部材311aと規制部材321aとの間で締結される。
同様に、規制部材321bと取付部材311bとが、両者の間にユニオン継手1を挟み込んだ状態で、第2接続部材322によって互いに連結される。図14に示すように、取付部材311bの規制面13がユニオンねじ50の緩み方向の側面54と当接し、図15に示すように、規制部材321bの規制面22がユニオンナット70の緩み方向の側面74と当接する。取付部材311bと規制部材321bとが第2接続部材322によって締め付けられることにより、ユニオンねじ50およびユニオンナット70が取付部材311bと規制部材321bとの間で締結される。
このような構成により、第1規制部10および第2規制部20が、第2接続部材322によって回転軸方向(Z方向)の間隔D3を固定可能である。これにより、第1規制部10と第2規制部20とは、ユニオンねじ50およびユニオンナット70の緩み方向への移動を規制するように構成されている。
なお、各規制部材321は、貫通孔内に挿入された第2接続部材322を中心に、回転できる。このため、規制部材321を回転させて、突出部324がユニオン継手1の中心(回転中心軸)に向くように規制部材321の向きを調整できる。図13に示したように、緩み止め具100がユニオン継手1に取り付けられた状態で、2つの規制部材321は、それぞれユニオン継手1の中心に向けられる。これにより、第2接続部材322による締結力を、ユニオンナット70の側面74に対してバランスよく作用させることが可能である。
図13に示したように、回転係止部45は、上記の通り、取付部材311bの支持部314に形成されたねじ孔に螺合している。回転係止部45は、支持部314からユニオンナット70の外周面に向けて突出するように取り付けられている。回転係止部45の突出量は、回転係止部45の先端部がユニオンナット70の係合面73に当接するように調整される。これにより、回転係止部45は、ユニオンナット70の回転を規制するように設けられている。このため、第2実施形態の緩み止め具400は、ユニオンねじ50とユニオンナット70との回転軸方向(Z方向)の緩み移動を規制するとともに、ユニオンねじ50とユニオンナット70との緩み回転を規制している。
(緩み止め具の取付方法)
次に、第2実施形態の緩み止め具400の取り付け方法を説明する。まず、図10において、第1接続部材312を緩み止め具400から取り外しておく。第2規制部20は第1規制部10に取り付けられていてもよいが、その場合、第2接続部材322を予め弛めて間隔D3を大きくしておく。
次に、第1規制部10がユニオンねじ50に取り付けられる。すなわち、取付部材311aおよび311bが、ユニオンねじ50の両側に配置され、2つの第1接続部材312によって取付部材311aおよび311bが連結される。2つの第1接続部材312が締め付けられて、取付部材311aおよび311bが、ユニオンねじ50に固定される。このとき、取付部材311aおよび311bの各係合面12が、ユニオンねじ50の外周面のうち二面幅W11(図11参照)を構成する各係合面53とそれぞれ当接する。取付部材311aと取付部材311bとの間隔D1は、ユニオンねじ50の二面幅W11に一致する。
次に、規制部材321aが第2接続部材322周りに回転されて、規制面22がユニオンナット70の緩み方向の側面74と対向する位置(図13参照)に配置される。規制部材321aの第2接続部材322が締め付けられて、規制部材321aが第1規制部10(取付部材311a)に近づけられる。その結果、規制部材321aの規制面22がユニオンナット70の側面74に対して押圧される。同様に、規制部材321bが第2接続部材322周りに回転されて、規制面22がユニオンナット70の緩み方向の側面74と対向する位置に配置される。規制部材321bの第2接続部材322が締め付けられて、規制部材321bが第1規制部10(取付部材311b)に近づけられる。その結果、規制部材321bの規制面22がユニオンナット70の側面74に対して押圧される。これにより、ユニオンねじ50とユニオンナット70との緩み方向への相対移動が規制される。
また、回転係止部45(図13参照)の先端部がユニオンナット70の外周の係合面73に当接するように、回転係止部45の突出量が調節される。これにより、ユニオンねじ50とユニオンナット70との相対回転が規制される。
以上により、ユニオン継手1に対する緩み止め具400の取り付けが完了する。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、緩み止め具400の全体のサイズを大型にすることなく、ユニオン継手1に対する係合が解除されることを抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、第1規制部10に、一対の取付部材311と、一対の取付部材311の間を接続する第1接続部材312とを設け、一対の取付部材311の間隔D1を調節可能なように第1接続部材312を構成する。これにより、第1接続部材312によって一対の取付部材311の間隔D1を調整することによって、任意の外径寸法(任意の二面幅W11)のユニオンねじ50に対して第1規制部10を取り付けることができる。このため、ユニオンねじ50の外径寸法の種類に応じて多種類の寸法の緩み止め具400を準備することなく、容易に第1規制部10を取り付けることができる。また、既に配管に取り付けられている任意サイズのユニオン継手1に対して、事前に寸法確認などを行わなくても、直ちに第1規制部10を取り付けることができるので、緩み止め具100の利便性を向上させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、第2規制部20に、第1規制部10とは別部材として設けられた規制部材321と、規制部材321を第1規制部10に接続する第2接続部材322とを設け、回転軸方向(Z方向)における、第1規制部10に対する規制部材321の位置を調節可能に第2接続部材322を構成する。これにより、第2接続部材322によって第1規制部10と規制部材321との間隔D3(規制面13と規制面22との間隔)を調整することによって、ユニオンナット70の回転軸方向における長さ寸法L1が任意であっても、ユニオンナット70の長さ寸法L1に応じた位置に第2規制部20を配置することができる。このため、ユニオンナット70の長さ寸法L1の種類に応じて多種類の寸法の緩み止め具400を準備することなく、第2規制部20を適切な位置に配置することができる。また、既に配管に取り付けられている任意サイズのユニオン継手1に対して、事前に寸法確認などを行わなくても、直ちに第2規制部20を配置することができるので、緩み止め具100の利便性を向上させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、規制部材321を、ユニオンナット70の外周側から回り込んでユニオンナット70の側面74に対向する位置まで延びるフック形状に形成し、第2接続部材322により、規制部材321を中心軸周りに回転可能に保持する。これにより、フック形状の規制部材321をユニオンナット70の側面74に引っ掛けるように配置するだけで、簡単に、ユニオン継手1に対する第2規制部20の配置を完了することができる。そして、規制部材321が回転するので、ユニオンナット70の形状およびユニオンねじ50に締結された状態の回転角度に依存することなく、容易に第2規制部20を配置することができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、配管継手としてユニオン継手1の緩み止め具について説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1継手部材と第2継手部材とがねじ部を介して締結されるタイプの配管継手であれば、ユニオン継手以外の配管継手の緩み止め具に適用できる。
また、上記第1および第2実施形態では、第1規制部10に一対の係合面12を設けてユニオンねじ50と回転方向に係合するように構成し、かつ、ユニオンナット70の回転を係止する回転係止部45を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1規制部10に係合面を形成しなくてもよいし、回転係止部を設けなくてもよい。つまり、本発明では、第1規制部10と第2規制部20との間でユニオンねじ50とユニオンナット70との回転軸方向(Z方向)の緩み移動を規制できればよく、ユニオンねじ50とユニオンナット70の緩み回転を規制しなくてもよい。
また、上記第2実施形態では、第2規制部20を構成する規制部材321(321aおよっび321b)が、第2接続部材322を中心に回転可能に保持された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、規制部材321が第2接続部材322を中心に回転可能でなくてもよい。