JP2004197933A - 継手 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】継手は、フランジ11が螺合接続された継手本体12と、継手本体12の先端部に外挿される配管継手13とから構成されている。配管継手13の先端部には配管接続部36が設けられ、該配管接続部36はその第2軸線38が継手本体12の第1軸線37に対して一定の傾斜角度θで傾斜して配置されている。そして、継手本体12の先端部外周面に周設された第1環状溝23及び配管継手13の基端部内周面に周設された第2環状溝31にCリング34が遊嵌されることにより配管継手13が継手本体12の第1軸線37回りに回転するようになっている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば床に取り付けられ、床上の水道配管等と床下の配管との間を接続するための継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の継手としては、以下に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、壁裏の配管と壁表の水栓とを接続する水栓継手において、壁面には継手本体が取り付けられ、該継手本体には配管接続部としての筒状接続体が設けられているタイプのものである。筒状接続体の先端部には配管接続部が設けられ、該配管接続部は継手本体の軸線と直交する方向に配置されている。また、筒状接続体は継手本体に対してその軸線方向と直交する方向に回転可能に支持されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000―230259号公報 (第2頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の継手本体は壁面に取り付けられ、配管は継手本体の軸線方向と直交する方向に取り付けられる。このため、主として配管の重力による全ての曲げ応力が筒状接続体を介して継手本体に加わるため、継手を長期にわたって使用する際には継手本体に損傷を与えるおそれがある。
【0005】
仮に、この継手本体を床面に取り付けた場合には、地面に沿って延びる配管を筒状接続体の先端部位置まで立ち上げて、無理な力を加えた状態で水平に延びる配管接続部に挿入する必要がある。このため、床下の空間が狭いときには配管の接続が困難であり、しかも配管はその挿入部分に無理な力が加わっている状態で接続される。また、筒状接続体の配管接続部に対してその軸線方向と直交する方向に配管による曲げ応力が加わる。従って、長期にわたって使用する際には継手の筒状接続体、さらには継手本体及び配管に損傷を与えるおそれがある。
【0006】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、配管の接続を容易に行うことができるとともに、継手本体及び配管の損傷を抑制することができる継手を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の継手は、支持壁に設けられた貫通孔に貫通して設置され、一端部に管体接続部を有し、他端部に第1連結部を有する継手本体と、一端部に第1連結部と連結可能な第2連結部を有し、他端部に配管接続部を有する配管継手とからなり、支持壁の裏面側で、前記配管継手を回転機構により継手本体の軸線回りに回転自在に保持し、かつ配管継手の配管接続部の軸線が継手本体の軸線に対して一定の傾斜角度で傾斜して配置されているものである。
【0008】
請求項2に記載の発明の継手は、請求項1に記載の発明において、前記傾斜角度は30〜60°に設定されているものである。
請求項3に記載の発明の継手は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記回転機構は、第1連結部に周設された第1環状溝と第2連結部に周設され、第1環状溝に対向する第2環状溝とにCリングを嵌着することにより構成されているものである。
【0009】
請求項4に記載の発明の継手は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記継手本体の一端にはフランジが設けられ、該フランジを固定手段により支持壁に固定するように構成されているものである。
【0010】
請求項5に記載の発明の継手は、支持壁に設けられた貫通孔に貫通して、又は臨むように設置され、一端部に管体接続部を有し、他端部に第1連結部を有する継手本体と、一端部に第1連結部と連結可能な第2連結部を有し、他端部に配管接続部を有する配管継手とからなり、支持壁の裏面側で、前記配管継手を回転機構により継手本体の軸線回りに回転自在に保持し、かつ配管継手の配管接続部の軸線が継手本体の軸線に対して一定の傾斜角度で傾斜して配置されるとともに、前記継手本体の外面には取付部が設けられ、該取付部を位置決め部材により支持壁を支持する支持部材に取り付けるように構成されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、継手は基端にフランジ11が螺合接続された継手本体12と、該継手本体12に連結される配管継手13とから構成されている。
【0012】
まず、継手本体12について説明する。略円筒状をなす継手本体12は、支持壁としての床板14に設けられた貫通孔15に貫通させて設置されている。継手本体12の外周面は先端部の外径が基端部の外径よりも小さい段差状に形成されており、その段差部分が第1当接面16となっている。該第1当接面16よりも基端側の外周面には第1雄ねじ部17が螺刻され、フランジ11の中心に螺刻された第1雌ねじ部18と螺合されることにより、継手本体12の基端部にフランジ11が取り付けられている。
【0013】
フランジ11は円盤状をなし、その周縁部には複数の第1挿通孔19が貫通形成されており、該第1挿通孔19に第1固定ねじ20を挿通して床板14にねじ込むことによってフランジ11が床板14に固定されている。つまり、前記第1挿通孔19と第1固定ねじ20とによりフランジ11の固定手段が構成されている。継手本体12の基端部内周面には第2雌ねじ部21が螺刻され、図示しない水道配管等の管体に螺合可能な管体接続部となっている。
【0014】
前記第1当接面16よりも先端側には第1連結部22が形成されており、該第1連結部22の外周面には第1環状溝23が周方向に凹設されている。第1環状溝23よりも先端側の外周面には第1収容溝24が周設され、該第1収容溝24にはゴム材料製の断面楕円形状をなす第1シールリング25が嵌着されている。
【0015】
次に、配管継手13について説明する。この配管継手13は、中間部で折曲されて断面J字状に形成された配管継手本体26と、配管継手本体26の先端部に螺合接続される押し輪27とから構成されている。配管継手本体26の折曲部28の内周面には円環状の第2当接面29が形成されており、第2当接面29よりも基端側の内周面には基端部の軸線、つまり継手本体12の第1軸線37に直交する平面上に円環状の第3当接面52が形成されている。そして、この第3当接面52を境界として、第3当接面52よりも基端側には前記第1連結部22と連結可能な第2連結部30が形成されている。該第2連結部30の略中央部内周面には第2環状溝31が周方向に凹設されている。この第2環状溝31と第2連結部30の基端内周縁との間には、図2に示すように、基端内周縁から延びるストレート面32と、このストレート面32から内方に向かうに従い縮径するテーパ面33とが形成されている。
【0016】
図1に示すように、第2環状溝31と前記継手本体12の第1環状溝23には、Cリング34が僅かに遊びのある状態で嵌着され、第1環状溝23及び第2環状溝31とCリング34とによって回転機構が構成されている。図2に示すように、Cリング34はばね性を有する金属材料を左右対称に円弧状に湾曲させることにより、先端部間に開口部を有するC形状に形成されている。
【0017】
図1及び図3に示すように、前記第2当接面29を境界として、第2当接面29よりも配管継手本体26の先端側には配管としての樹脂パイプ35が接続される配管接続部36が形成されている。樹脂パイプ35の端部には一端に鍔を有し、円筒状をなすインコア51が内挿されており、樹脂パイプ35の変形を防止するようになっている。この配管接続部36は、その第2軸線38が継手本体12の第1軸線37に対して一定の傾斜角度θで傾斜して配置されており、この傾斜角度θは、好ましくは30〜60°、さらに好ましくは40〜50°に設定されている。
【0018】
この傾斜角度θが30°未満では、床下の空間が狭いときには、配管継手本体26の配管接続部36の先端部と地盤53との距離が狭まるため、配管接続部36に樹脂パイプ35を挿入し難くなる。一方、60°を越えると、樹脂パイプ35に加わる力の分力として継手本体12の第1軸線37と直交する方向の力が増大する。このため、継手を長期にわたって使用する際には継手本体12や樹脂パイプ35が損傷を受けるおそれがある。
【0019】
図1に示すように、配管継手13の先端部内周面には第3雌ねじ部39が螺刻され、略円筒状をなす押し輪27の先端部外周面に螺刻された第2雄ねじ部40が螺合されることにより、配管接続部36の先端部に押し輪27が取付けられる。該押し輪27の中心には、挿入孔41が貫通形成されており、先端部内周面には挿入孔側端縁42から配管接続部36の第2軸線38方向内方に向かうに従い縮径する面取り部43が設けられている。
【0020】
配管接続部36の内周部において、第3雌ねじ部39よりも基端側には、内周全体にわたって係止段部44が形成されている。この係止段部44と押し輪27の先端面との間には、樹脂パイプ35の抜け止め保持手段としての一対のロックリング45が、その間に円環状のスペーサ46を介装した状態で挟着されている。これらロックリング45は、ステンレス鋼等の金属材料製の円環状をなすベースリング47と、ベースリング47から内方へ同一長さで一定の角度をもって突出する複数の規制片48とからそれぞれ構成されている。
【0021】
そして、配管継手13内に接続された樹脂パイプ35に引き抜き力が作用したときには、両ロックリング45の各規制片48の先端が樹脂パイプ35の外周面にそれぞれ食い込むことにより、樹脂パイプ35は配管接続部36内に抜け止め保持されるようになっている。このため、継手は、配管接続部36内に樹脂パイプ35を挿入する作業のみで樹脂パイプ35を挿着することができるワンタッチ継手として構成されている。
【0022】
また、配管接続部36の内周面において、前記係止段部44と第2当接面29との間には一対の第2収容溝49が周方向に沿って凹設され、各第2収容溝49にはゴム材料製の断面円形状をなす第2シールリング50がそれぞれ嵌着されている。そして、配管接続部36内に樹脂パイプ35が接続されたときには、樹脂パイプ35の外周面に各第2シールリング50の内周面がそれぞれ密接されることにより、樹脂パイプ35の外周面と配管接続部36の内周面との間がシールされるようになっている。
【0023】
次に、第1実施形態の継手の作用について以下に記載する。
さて、図2に示すように、継手を組み立てる場合には、予め継手本体12にフランジ11を螺合接続させた後、床板14に設けられた貫通孔15に継手本体12をその先端部からフランジ11の下面が床板14に当接するまで挿入する。次いで、フランジ11に設けられた複数の第1挿通孔19に第1固定ねじ20を通してフランジ11を床板14に固定する。そして、第1環状溝23にCリング34の開口部を側方から押し付ける。すると、Cリング34の開口部がその弾性力によって拡げられ、Cリング34をさらに側方へ押し込むことにより第1環状溝23にCリング34が嵌着される。
【0024】
次に、継手本体12の下方から、配管継手13の第2連結部30を継手本体12の第1連結部22に外挿する。このとき、まず、第1連結部22の第1環状溝23に嵌着されたCリング34が第2連結部30の基端部内周面に形成されたストレート面32内に収容され、次いでテーパ面33に案内され、第2環状溝31に嵌着される。そして、第2連結部30の基端面が継手本体12の第1当接面16に、第1連結部22の先端面が第2連結部30の第3当接面52に当接するまで第2連結部30を第1連結部22に外挿する。
【0025】
図1に示すように、第2連結部30の基端面が第1当接面16に、第1連結部22の先端面が第3当接面52に当接したときには、第1シールリング25によって継手本体12の外周面と配管継手13本体の内周面との間がシールされる。また、前記Cリング34は第1環状溝23及び第2環状溝31に対して遊嵌状態で保持されているため、Cリング34を介して配管継手13が継手本体12の第1軸線37回りに自在に回転する。
【0026】
続いて、図3に示すように、インコア51が内挿された状態の樹脂パイプ35を配管継手13に接続するときには、樹脂パイプ35の端部を押し輪27の挿入孔41に挿入し、インコア51の基端部が配管接続部36内の第2当接面29に当接するまで樹脂パイプ35を配管接続部36内に挿入する。
【0027】
施工後において、樹脂パイプ35に引き抜き力が作用したときには、両ロックリング45の各規制片48の先端が樹脂パイプ35の外周面に食い込むことにより、樹脂パイプ35は配管継手13内に抜け止め保持される。
【0028】
前記の第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態の継手は、配管継手本体26の配管接続部36の第2軸線38が継手本体12の第1軸線37に対して一定の傾斜角度θで傾斜して配置されている。また、継手本体12の第1環状溝23及び配管継手13の第2環状溝31に嵌着されたCリング34を介して配管継手13が継手本体12の第1軸線37回りに回転自在に回転する。このため、如何なる方向からも樹脂パイプ35を接続することができ、かつ樹脂パイプ35を前記傾斜角度θに合せて立ち上げて挿入することにより、樹脂パイプ35に無理な力を加える必要がない。従って、配管継手13への樹脂パイプ35の接続を容易に行うことができる。
【0029】
そして、樹脂パイプ35は継手本体12の第1軸線37に対して一定の傾斜角度θをもって接続される。このため、樹脂パイプ35はその挿入部分に無理な力を受けることなく保持されるとともに、接続された樹脂パイプ35の応力や重力が継手本体12に及ぼす曲げ応力が緩和される。従って、継手本体12及び樹脂パイプ35の損傷を抑制することができる。
【0030】
・ また、前記傾斜角度θは、好ましくは30〜60°、さらに好ましくは40〜50°に設定されている。このため、樹脂パイプ35を配管継手13の配管接続部36に接続する際には無理な力を加えることなく挿入でき、かつ接続後も樹脂パイプ35には無理な力が加わらない。従って、樹脂パイプ35が配管継手13から外れたりする等の不具合を効果的に抑制し、樹脂パイプ35を安定して保持することができる。
【0031】
・ さらに、本実施形態の継手は、第1連結部22に設けられた第1環状溝23及び第2連結部30に設けられた第2環状溝31にCリング34が遊嵌されている。このため、Cリング34を介して配管継手13を継手本体12の第2軸線38回りに容易に回転させることができる。
【0032】
・ 加えて、継手本体12の基端にはフランジ11が螺合接続され、その第1挿通孔19に第1固定ねじ20を挿通することによりフランジ11が床板14に固定されるようになっている。すなわち、床板14との接触面積が十分に確保された状態でフランジ11が固定されるため、継手本体12を床板14に対して強固に固定することができる。
【0033】
・ 配管継手13の第2連結部30の基端内周縁と第2環状溝31との間にはテーパ面33が形成されている。このため、継手本体12と配管継手13とを接続する際には、継手本体12の第1連結部22の第1環状溝23に嵌着されたCリング34は第1環状溝23に安定して保持された状態で配管継手13の第2連結部30の第2環状溝31に円滑に案内されて嵌着される。従って、第1環状溝23及び第2環状溝31からのCリング34の抜け出しを防止することができる。
【0034】
・ 押し輪27の先端部内周面には挿入孔側端縁42から配管継手本体26の第2軸線38方向内方に向かうに従い縮径する面取り部43が設けられている。このため、該面取り部43が樹脂パイプ35の挿入案内の役割を成し、樹脂パイプ35を配管継手13内に容易に挿入することができる。
【0035】
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図4(a)、(b)及び図5に示すように、継手本体12外面の前記第1軸線37方向略中央部には断面横L字状に形成された一対の取付部61が突設されている。各々の取付部61には各一対の第2挿通孔62が透設されている。また、図4(b)及び図5に示すように、両取付部61間には、これらを繋ぐように補強リブ63が設けられている。
【0036】
そして、図5に示すように、前記第2挿通孔62に位置決め部材としての第2固定ねじ64を挿通し、その先端部を支持部材としての根太65にねじ込むことにより、継手本体12が根太65に位置決めされるようになっている。継手本体12が根太65に位置決めされた状態で、前記取付部61により、根太65に対向する継手本体12の外面と根太65との間には空間部66が形成されている。
【0037】
図5に示すように、継手本体12の基端部にはナット部67が設けられ、その内周にはインサート成形により図示しない雌ねじが形成されている。そして、このナット部67にスパナ等を係合することにより、継手本体12と水道配管等との螺合及びその解除が容易に行われるようになっている。
【0038】
次に、第2実施形態の継手の作用について以下に記載する。
図5に示すように、床下に継手を配設する場合には、まず継手本体12の基端面を根太65の上面の位置に合わせるとともに、取付部61の外面を根太65に押し当てる。次いで、各第2挿通孔62に第2固定ねじ64を挿通し、その先端部を根太65にねじ込む。次に、上記第1実施形態と同様に、継手本体12の下方から配管継手13の第2連結部30を継手本体12の第1連結部22に外挿するとともに、樹脂パイプ35を配管継手13に接続する。
【0039】
このとき、配管継手13を回転させる場合には、前記空間部66により配管継手13と根太65との接触が防止される。続いて、継手本体12の基端側の開口部が床板14の貫通孔15に連通するように床板14を根太65の上面に貼り付ける。
【0040】
前記の第2実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態の継手は、前記第1実施形態と同様に、配管継手13への樹脂パイプ35の接続を容易に行うことができるとともに、継手本体12及び樹脂パイプ35の損傷を抑制することができる。
【0041】
また、継手本体12の外面に設けられた取付部61を根太65に取り付けて継手本体12を位置決めし、次いでこの継手本体12に配管継手13を接続した状態で、床板14を所定位置に貼り付けることにより床下に配設されるようになっている。すなわち、床板14を貼り付ける前に継手の取付作業が行われる。このため、取付作業に要する空間が十分に確保された状態で、継手を床下に容易に配設することができる。
【0042】
・ 前記継手本体12が根太65に位置決めされた場合には、取付部61により根太65に対向する継手本体12の外面と根太65との間に空間部66が形成されるようになっている。このため、配管継手13を回転させる場合には、前記空間部66により配管継手13と根太65との接触が防止され、その結果、配管継手13をスムーズに回転させることができる。
【0043】
なお、上記両実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 両実施形態の第1連結部22と第2連結部30の各々にさらに環状溝を設け、該環状溝にCリング34を嵌着する構成を採用してもよい。
【0044】
・ 両実施形態の継手本体12の第1連結部22に配管継手13の第2連結部30を内挿する構成を採用してもよい。このように構成した場合、継手本体12の第1連結部22の内周面には第1環状溝23が設けられ、配管継手13の第2連結部30の外周面には第2環状溝31及び第1シールリング25が嵌着される第1収容溝24が設けられる。
【0045】
・ 両実施形態の継手の樹脂パイプ35の保持手段を次のように構成してもよい。即ち、配管継手本体26の配管接続部36の基端部内周面には、配管継手本体26の基端部に向かうに従い拡径するテーパ部が形成される。配管継手本体26と押し輪27との間には保持手段としての第2軸線38方向に延びる切り割りが形成され、その外周面に配管継手本体26のテーパ部に対応するテーパ部を有する押圧リングが介装されるとともに、押圧リングと押し輪27との間には座金が介装される。
【0046】
配管継手13に樹脂パイプ35を接続するときには、端部にインコア51が内挿された樹脂パイプ35を配管継手本体26内に挿入した後、スパナ等を用いて押し輪27を配管継手本体26に締付ける。このとき、押圧リングは、配管継手本体26のテーパ部によってガイドされることにより縮径しながら配管継手本体26内に押し込まれ、押圧リングの内周面が樹脂パイプ35の外周面に圧接することにより、樹脂パイプ35は配管継手13内に抜け止め保持される。
【0047】
・ 両実施形態の第1固定ねじ20及び第2固定ねじ64を釘等に変更してもよい。
・ 支持壁としては、実施形態の床板14以外に、壁板、天井板等であってもよい。
【0048】
・ 第1実施形態の第1固定ねじ20を省略し、図1に二点鎖線で示すように、フランジ11の外周に一定間隔をおいて嵌合凸部111を突設するとともに、床板14にフランジ収容凹部112を設け、その内周面に前記嵌合凸部111に嵌合する嵌合凹部113を形成する構成を採用してもよい。すなわち、嵌合凸部111と嵌合凹部113とによりフランジ11の固定手段が構成される。そして、前記フランジ収容凹部112において、嵌合凹部113が形成されていない箇所に嵌合凸部111を位置合わせした状態でフランジ11を回動し、その嵌合凸部111を嵌合凹部113に嵌合することによりフランジ11がロックされるようになっている。その結果、継手本体12は第1軸線37方向外方へのがたつきが抑制される。
【0049】
・ 図5に二点鎖線で示すように、第2実施形態の継手本体12の基端部を床板14の貫通孔15に貫通させ、前記ナット部67が床板14より上方に位置した状態で継手本体12を床下に配設する構成を採用してもよい。このように構成した場合、作業者が継手本体12の開口部を容易に視認することができ、その結果、床上の水道配管等を容易に接続することができる。
【0050】
また、継手本体12の基端部が床板14の貫通孔15内に位置した状態、又は継手本体12の基端面が根太65の上面よりも下方に位置した状態で継手本体12を床下に配設する構成に変更してもよい。
【0051】
・ 第2実施形態の第2固定ねじ64を省略し、根太65に取り付けられた位置決め部材としての締付けファスナーを用いて継手本体12を固定する構成を採用してもよい。この締付けファスナーは、半円環状をなし、一端部が根太65に固定され、他端部には係合部材が設けられている第1締付部と、同じく半円環状をなし、一端部が根太65に固定され、他端部には被係合部材が設けられている第2締付部とから構成される。そして、継手本体12を根太65に位置決めする場合には、まず両締付部間に継手本体12を配置し、前記係合部材を被係合部材に係合する。その結果、継手本体12は両締付部により締付けられた状態で根太65に強固に位置決めされる。
【0052】
また、第2固定ねじ64を省略し、根太65の外面に断面V字状の係合フックを設けるとともに、継手本体12の取付部61に前記係合フックに係合する断面逆V字状の係合突起を設ける構成に変更してもよい。すなわち、係合フック及び係合突起により継手本体12の位置決め部材が構成される。
【0053】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記配管継手の基端部内周面にはCリングを第1環状溝又は第2環状溝に案内するテーパ面が設けられている請求項3に記載の継手。この構成によれば、Cリングを第1環状溝又は第2環状溝内に円滑に案内して嵌着させることができる。
【0054】
・ 前記配管接続部の内周部には係止段部が形成され、先端部には押し輪が螺合接続され、係止段部と押し輪の先端面との間には樹脂パイプの抜け止め保持手段が介装され、前記押し輪の先端部内周面には面取り部が設けられている請求項3に記載の継手。この構成によれば、樹脂パイプを配管継手内に容易に挿入することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の継手によれば、配管の接続を容易に行うことができるとともに、継手本体及び配管の損傷を抑制することができる。
【0056】
請求項2に記載の発明の継手によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、配管を安定して保持することができる。
請求項3に記載の発明の継手によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、配管継手を容易に回転させることができる。
【0057】
請求項4に記載の発明の継手によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、継手本体を支持壁に対して固定することができる。
【0058】
請求項5に記載の発明の継手によれば、配管の接続を容易に行うことができるとともに、継手本体及び配管の損傷を抑制することができ、かつ支持壁の裏面側に容易に配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の継手を床板に固定した状態を示す側断面図。
【図2】床板への継手の固定を示す分解側断面図。
【図3】第1実施形態の継手に樹脂パイプを接続した状態を示す側断面図。
【図4】(a)は第2実施形態の継手本体を示す側面図、(b)は第2実施形態の継手本体を示す平面図。
【図5】第2実施形態の継手を床下に配設した状態を示す側断面図。
【符号の説明】
11…フランジ、12…継手本体、13…配管継手、14…支持壁としての床板、15…貫通孔、19…固定手段を構成する第1挿通孔、20…固定手段を構成する第1固定ねじ、22…第1連結部、23…回転機構を構成する第1環状溝、30…第2連結部、31…回転機構を構成する第2環状溝、34…回転機構を構成するCリング、36…配管接続部、37…第1軸線、38…第2軸線、θ…傾斜角度、61…取付部、64…位置決め部材としての第2固定ねじ。
Claims (5)
- 支持壁に設けられた貫通孔に貫通して設置され、一端部に管体接続部を有し、他端部に第1連結部を有する継手本体と、一端部に第1連結部と連結可能な第2連結部を有し、他端部に配管接続部を有する配管継手とからなり、
支持壁の裏面側で、前記配管継手を回転機構により継手本体の軸線回りに回転自在に保持し、かつ配管継手の配管接続部の軸線が継手本体の軸線に対して一定の傾斜角度で傾斜して配置されていることを特徴とする継手。 - 前記傾斜角度は30〜60°に設定されている請求項1に記載の継手。
- 前記回転機構は、第1連結部に周設された第1環状溝と第2連結部に周設され、第1環状溝に対向する第2環状溝とにCリングを嵌着することにより構成されている請求項1又は請求項2に記載の継手。
- 前記継手本体の一端にはフランジが設けられ、該フランジを固定手段により支持壁に固定するように構成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の継手。
- 支持壁に設けられた貫通孔に貫通して、又は臨むように設置され、一端部に管体接続部を有し、他端部に第1連結部を有する継手本体と、一端部に第1連結部と連結可能な第2連結部を有し、他端部に配管接続部を有する配管継手とからなり、
支持壁の裏面側で、前記配管継手を回転機構により継手本体の軸線回りに回転自在に保持し、かつ配管継手の配管接続部の軸線が継手本体の軸線に対して一定の傾斜角度で傾斜して配置されるとともに、前記継手本体の外面には取付部が設けられ、該取付部を位置決め部材により支持壁を支持する支持部材に取り付けるように構成されていることを特徴とする継手。
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