JP7158358B2 - 樹脂シート - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂シートに関する。
耐熱性樹脂を主成分として含む樹脂シート(耐熱性樹脂シート)が知られている。特許文献1には、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と記載する)のシートが開示されている。特許文献2には、ポリイミドのシートが開示されている。耐熱性樹脂シートは、高温下での使用が想定される。
特開平3-197122号公報 特開平4-283246号公報
耐熱性樹脂シートは、例えば、対象物に配置して使用される。高温を経た後に、対象物に配置された状態から耐熱性樹脂シートを剥離することもある。耐熱性樹脂シートが厚さ方向の通気性を有さない場合、配置の際に対象物との間にかみ込んだ気泡が配置後にも残留したり、対象物に密着した状態からの剥離が困難となることがある。また、残留した気泡が高温により膨張して、対象物に悪影響を及ぼすこともある。耐熱性樹脂シートが厚さ方向の通気性を有する場合には、上記問題が生じにくくなる一方で、高温下での使用において収縮や変形が生じやすい。
本発明の目的は、耐熱性樹脂を主成分として含む樹脂シートであって、高温下での安定した使用が可能な樹脂シートの提供にある。
本発明は、
耐熱性樹脂を主成分として含み、
厚さ方向の通気性を有さず、
少なくとも一方の主面における面方向の通気度Aが1mL/分以上である樹脂シート、
を提供する。
ただし、前記通気度Aは、
外径47mm及び内径20mmのリング状の測定領域を前記主面に設定し、
厚さ方向に通気性を有さない部材の平滑面に対して前記測定領域の全体において前記主面が接するように前記シートを654.5gfの荷重で前記平滑面に押し付けるとともに、前記測定領域の内側を外側に比べて15kPa減圧したときに、
前記主面と前記平滑面との間を前記測定領域の外側から内側に向けて透過する毎分あたりの通気量により表される特性である。
本発明の樹脂シートは、厚さ方向の通気性を有さない。言い換えれば、樹脂シートは、厚さ方向の通気性をもたらす細孔や貫通孔を有していない。このため、高温下での使用における収縮や変形が抑制可能である。一方、本発明の樹脂シートは、少なくとも一方の主面に面方向の通気度Aを有している。このため、当該主面が対象物に面するように使用することで、例えば、配置による気泡のかみ込みが抑制されたり、対象物に密着した状態からの剥離性が向上する。したがって、本発明の樹脂シートは、高温下での安定した使用が可能である。
図1は、本発明の樹脂シートの一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の樹脂シートの一例における主面の状態を模式的に示す平面図である。 図3は、本発明の樹脂シートを使用する形態の一例を示す模式図である。 図4は、本発明の樹脂シートを使用する形態の別の一例を示す模式図である。 図5は、樹脂シートに対する面方向の通気度Aの評価方法を説明するための模式図である。 図6は、実施例で使用した表面加工用テンプレートを説明するための模式図である。 図7は、実施例及び比較例で作製した樹脂シートの最大高さRz及び面方向の通気度Aを示すグラフである。 図8は、実施例及び比較例で作製した樹脂シートの算術平均粗さRa及び面方向の通気度Aを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[樹脂シート]
本発明の樹脂シートの一例を図1に示す。図1に示す樹脂シート1は、耐熱性樹脂を主成分として含む。樹脂シート1は、単層である。樹脂シート1は、耐熱性樹脂に由来する耐熱性を有する。本明細書において「主成分」とは、含有率が最も大きい成分を意味する。主成分の含有率は、例えば50重量%以上であり、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、更には90重量%以上であってもよい。樹脂シート1は、耐熱性樹脂からなってもよい。
樹脂シート1は、厚さ方向の通気性を有さない。本明細書において「厚さ方向の通気性を有さない」とは、日本工業規格(以下、「JIS」と記載する)L1096:2010に定められた通気性測定B法(ガーレー形法)に準拠して求めた空気透過度(ガーレー通気度)により表示して、厚さ方向の通気度が1万秒/100mLを超えることを意味する。樹脂シート1は、通常、当該シートの双方の主面2A,2Bを接続する細孔及び/又は貫通孔を有さない。樹脂シート1は、典型的には、非多孔質の母材から構成される無孔シートである。
樹脂シート1の一方の主面2Aにおける面方向の通気度Aは、1mL/分以上である。通気度Aは、2mL/分以上、5mL/分以上、9mL/分以上、15mL/分以上、更には30mL/分以上であってもよい。通気度Aの上限は、例えば100mL/分以下である。樹脂シート1の他方の主面2Bは、上記各範囲にある面方向の通気度Aを有していてもいなくてもよい。本発明の樹脂シートでは、少なくとも一方の主面における面方向の通気度Aが上記各範囲にある。
通気度Aは、外径47mm及び内径20mmのリング状の測定領域を当該主面に設定し、測定領域の全体において上記主面が平滑面に接するように樹脂シート1を654.5gfの荷重で上記平滑面に押し付けるとともに、測定領域の内側を外側に比べて15kPa減圧したときに、上記主面と平滑面との間を測定領域の外側から内側に向けて透過する毎分あたりの通気量により表される特性である。樹脂シート1を押し付ける平滑面は、例えば、JIS B0601:2001に定められた算術平均粗さRa(以下、「算術平均粗さRa」と記載する)が0.1μm以下の面である。また、平滑面は、厚さ方向の通気性を有さない部材の表面であると共に、通気度Aの評価時に変形することなく、かつ評価対象のシートと接着又は粘着しない面である。平滑面は、例えば、通気度Aの評価時に変形しないだけの十分な厚さを有する樹脂板又は金属板の表面である。樹脂板の例は、アクリル板及びポリカーボネート板である。金属板の例は、ステンレス板である。上記荷重は、主面の表面形状を過度に変形させることなく通気度Aを評価するのに十分な荷重である。
なお、溶融成形、キャスト成形等の一般的な成形手法により製造された樹脂シートの各主面における面方向の通気度Aは、通常、0mL/分である。また、後述の実施例に示すように、主面の表面粗さ、例えば算術表面粗さRa、が大きい場合に、当該主面における面方向の通気度Aが自動的に1mL/分以上になるわけではない。
樹脂シート1に含まれる耐熱性樹脂は、典型的には、150℃以上の融点を有する樹脂である。耐熱性樹脂の融点は、160℃以上、200℃以上、更には300℃以上であってもよい。耐熱性樹脂の例は、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイドである。
耐熱性樹脂は、好ましくはフッ素樹脂である。言い換えると、樹脂シート1は、好ましくはフッ素樹脂シートである。フッ素樹脂は、一般に、高い耐熱性及び剥離性を有する。また、フッ素樹脂は、ポリイミド等の他の耐熱性樹脂に比べて柔らかい。このため、後述の表面加工による通気度Aの付与を、より確実かつ効率的に実施できる。
フッ素樹脂の例は、PTFE、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)である。フッ素樹脂は、好ましくはPTFEである。PTFEは、耐熱性及び剥離性に特に優れている。フッ素樹脂シート1は、フッ素樹脂以外の成分を含んでいなくてもよいし、フッ素樹脂以外の成分を実質的に含まなくてもよい。本明細書において「実質的に含まない」とは、含有率が0.1重量%未満、好ましくは0.01重量%未満であることを意味する。
1mL/分以上の通気度Aを有する主面2Aの表面粗さは、JIS B0601:2001に定められた最大高さRz(以下、「最大高さRz」と記載する)により表示して、例えば30μm以下であり、25μm以下、23μm以下、20μm以下、18μm以下、15μm以下、13μm以下、10μm以下、9μm以下、更には8μm以下であってもよい。最大高さRzの下限は、例えば2μm以上である。他方の主面2Bが、上記各範囲にある最大高さRzを有していてもよい。
1mL/分以上の通気度Aを有する主面2Aの表面粗さは、算術平均粗さRaにより表示して、例えば6μm以下であり、5μm以下、4μm以下、3μm以下、更には2μm以下であってもよい。算術平均粗さRaの下限は、例えば0.3μm以上である。他方の主面2Bが、上記各範囲にある算術平均粗さRaを有していてもよい。
主面2Aは、1又は複数の溝により構成される溝部を有していてもよい。溝部は、樹脂シート1が平滑面に押し付けられた状態において、主面2Aと平滑面との間を透過する空気の透過経路となりうる。溝部は、一方又は双方の端部において樹脂シート1の周に接続された少なくとも1つの溝を有していてもよい。溝部は、双方の端部が樹脂シート1の周に接続された少なくとも1つの溝を有していてもよい。この場合、より大きな通気度Aが達成される及び/又は樹脂シート1における通気度Aの均一性が向上する等の効果が得られる。樹脂シート1の主面の形状が多角形である場合、溝部は、多角形の1つの辺と、当該辺とは異なる1又は2以上の辺とを接続する少なくとも1つの溝を有していてもよい。溝部は、主面2Aの全体に拡がっていてもよい。この場合、樹脂シート1における通気度Aの均一性を向上できる。溝部を構成する各溝の幅は、例えば10~200μmであり、20~50μmであってもよい。溝部を構成する各溝の深さは、例えば2~30μmであり、10~30μmであってもよい。ただし、ある1つの溝に関し、幅及び/又は深さは当該溝の全体において一定でなくてもよい。また、溝部を構成する各溝の幅及び深さは同一でなくてもよく、溝部は、幅及び/又は深さの異なる複数の溝を有していてもよい。溝部を構成する溝は、主面2A上を直線状に延びていても、非直線状、例えば曲線状、に延びていてもよい。他方の主面2Bが上記溝部を有していてもよい。
溝部は、主面2A及び/又は主面2Bにおいて格子状に配列した溝を有していてもよい。当該溝部を主面2Aに有する樹脂シート1の一例を図2に示す。図2の樹脂シート1の主面2Aは、正方格子状に配列した複数の溝3から構成される溝部4を有している。各溝3は、その双方の端部において樹脂シート1の周5に接続している。溝部4は、主面2Aの全体に拡がっている。溝3が配列する格子は、正方格子に限定されない。溝3は、例えば、長方格子、斜方格子、六方格子、菱形格子、中心矩形格子等の各種の格子状に配列していてもよい。格子状に配列した溝3において、隣接する溝3の中心線間距離であるピッチP1は、例えば50~1000μmであり、200~1000μmであってもよい。
樹脂シート1の厚さは、例えば10~500μmであり、20~300μm、30~200μm、更には50~100μmであってもよい。
樹脂シート1の形状は、例えば、正方形及び長方形を含む多角形、円形、楕円形、並びに帯状である。ただし、樹脂シート1の形状は、上記例に限定されない。多角形、円形及び楕円形の樹脂シート1は枚葉としての流通が、帯状の樹脂シート1は、巻芯に巻回した巻回体(ロール)としての流通が、それぞれ可能である。帯状である樹脂シート1の幅及び帯状である樹脂シート1を巻回した巻回体の幅は、自由に設定できる。
図1の樹脂シート1は、単層である。ただし、樹脂シート1の主面2A及び/又は主面2B上には、他の層が配置されていてもよい。
[樹脂シートの製造方法]
樹脂シート1は、例えば、以下の方法により製造できる。
最初に、耐熱性樹脂を主成分として含む前駆シートを準備する。前駆シートは、溶融成形及びキャスト成形といった一般的なシート成形法により作製できる。
一例として、PTFEを主成分として含む前駆シート(PTFE前駆シート)の作製法を説明する。
最初に、PTFE粉末(モールディングパウダー)を金型に導入し、金型内の粉末に対して所定の圧力を所定の時間加えて予備成形する。予備成形は常温で実施してもよい。金型の内部空間の形状は、後述の切削旋盤による切削を可能とするために円柱状が好ましい。この場合、円柱状の予備成形品及びPTFEブロックが得られる。次に、予備成形品を金型から取り出し、PTFEの融点(327℃)以上の温度で所定の時間焼成して、PTFEブロックを得る。次に、PTFEブロックを所定の厚さに切削して、切削シート(スカイブシート)であるPTFE前駆シートを得る。円柱状のPTFEブロックでは、ブロックを回転させながら連続的に表面を切削する切削旋盤の利用が可能となる。このため、PTFE前駆シートが効率的に得られる。また、切削旋盤によれば、形成するPTFE前駆シートの厚さの制御が比較的容易であると共に、帯状のPTFE前駆シートを得ることもできる。
PTFE前駆シートは、以下の方法により作製してもよい。
最初に、PTFE分散液を表面に塗布する基材シートを準備する。基材シートは、例えば、樹脂、金属、紙及びこれらの複合材料から構成される。基材シートにおけるPTFE分散液を塗布する表面には、基材シートからのPTFEシートの剥離を容易にするための剥離処理が施されていてもよい。剥離処理には公知の方法を適用できる。次に、基材シートの表面にPTFE分散液の塗布膜を形成する。PTFE分散液の塗布には、公知の各種のコーターを使用できる。浸漬により、基材シートの表面にPTFE分散液を塗布してもよい。次に、形成した塗布膜を乾燥及び焼成してPTFEシートを形成する。次に、形成したPTFEシートを基材シートから剥離して、キャストシートであるPTFE前駆シートを得る。この方法では、基材シートに対するPTFE分散液の塗布厚みによって、PTFE前駆シートの厚さを制御できる。
PTFE前駆シートの作製法は、上記例に限定されない。
次に、前駆シートの少なくとも一方の主面に対して通気度Aを付与する表面加工を実施する。表面加工では、平滑面に押し付けられた状態において当該平滑面との間の空気の透過経路となりうる表面形状が、主面に与えられる。表面加工の例は、擦り(scratch)加工、レーザーの照射等によるエッチング加工、及び、特定の表面形状を押圧面に有するテンプレートを上記主面に押し当ててプレスするプレス加工である。なお、フッ素樹脂等の比較的柔らかい樹脂の前駆シートである場合は、表面加工すべき主面とは反対側の主面にテンプレートを押し当ててプレスしてもよい。ただし、表面加工の方法は、上記例に限定されない。
擦り加工は、例えば、擦り部材によって上記主面を擦ることで実施できる。擦り部材の例は、やすり、紙やすり、砥石、スチールウール及びこれらの部材から構成された擦り面を有するシート、ディスク、ベルト等である。ただし、擦り部材は上記例に限定されない。
エッチング加工は、例えば、レーザー等のエネルギー線の照射、レジスト等のマスキングを利用した化学エッチングにより実施できる。ただし、エッチング加工の方法は上記例に限定されない。
プレス加工に使用するテンプレートは、例えば、金属、樹脂、ガラス及びこれらの複合材料により構成される。テンプレートとして、上述した擦り部材を利用することも可能である。なお、格子状に配列した溝3を有する溝部4を主面に有する樹脂シート1の形成には、当該溝部に対して補完的な表面形状、例えば、線状に延びる凸部が格子状に配列した表面形状、を押圧面に有するテンプレートを使用できる。
[樹脂シートの使用]
樹脂シート1の使用態様の一例を図3に示す。図3では、樹脂シート1は、フィルム12と積層された状態で巻回体(ロール)11に巻回されている。樹脂シート1は、フィルム12の保護シートとして使用されている。通気度Aにより、例えば、樹脂シート1をフィルム12に積層する際及び/又はフィルム12と共に巻回する際の気泡のかみ込みが抑制される。また、巻回体11からの繰り出し及び/又は繰り出した後の樹脂シート1の剥離をより安定して実施できる。
フィルム12は、例えば、金属又は樹脂から構成される。なお、樹脂のフィルム12では、フィルムへの成形後にアウトガスが発生することがある。アウトガスは、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン及びアクリル樹脂のフィルム12において発生しやすい。巻回後に発生したアウトガスは、隣接するフィルム12間に残留して、フィルム12の変形や凹み等の原因となりうる。樹脂シート1をフィルム12と積層して巻回することで、巻回後に発生したアウトガスをより確実に外部に放出できる。また、巻回体11を加熱してアウトガスを予め外部に放出させる脱ガス処理の実施を視野に入れることもできる。
樹脂シート1の使用態様の別の一例を図4に示す。図4では、樹脂シート1は、粘着テープ16と積層された状態で巻回体(ロール)13に巻回されている。粘着テープ16は、基材フィルム14及び粘着層15の積層体である。樹脂シート1は、粘着層15と接している。樹脂シート1における粘着層15に接する面は、例えば、通気度Aを有する主面2Aである。樹脂シート1は、粘着テープ16のセパレータとして使用されている。通気度Aにより、例えば、樹脂シート1を粘着テープ16に積層する際の気泡のかみ込みが抑制される。また、巻回体13から繰り出した後の樹脂シート1の剥離をより安定して実施できる。
粘着テープ16は、通常、巻回体13への巻回後にエージング処理される。エージング処理により、粘着層15の粘着性が安定する。その際、粘着層15からアウトガスが発生することがある。アウトガスは、隣接する粘着テープ16間に残留して、粘着層15の変形や凹み等の原因となりうる。樹脂シート1を粘着テープ16と積層して巻回することで、エージング処理時に発生したアウトガスをより確実に外部に放出できる。
樹脂シート1の用途及び使用方法は、上記例に限定されない。例えば、高温に晒される各種の用途に樹脂シート1を使用してもよい。また、ステージやテーブル上に配置して樹脂シート1を使用してもよい。
実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
最初に、実施例及び比較例の樹脂シートに対する特性の評価方法を示す。
[厚さ方向の通気度]
樹脂シートの厚さ方向の通気度(ガーレー通気度)は、JIS L1096:2010に定められた通気性測定B法(ガーレー形法)に準拠して求めた。
[面方向の通気度A]
樹脂シートの主面(評価面)における通気度Aは、測定冶具を使用して、以下のように求めた。通気度Aの評価方法について、図5を参照しながら説明する。
測定冶具として、外径47mm及び内径20mmのリング状のアクリル樹脂板52(厚さ2.0mm)、直径47mmの円板状のシリコーンゴムシート53(厚さ2.0mm及び重量4.5g)、並びに直径47mmの円柱状の重り54(ステンレス製、重量650g)を準備した。また、樹脂シートを直径47mmの円形に切り出し、これを試験片51とした。アクリル樹脂板52における試験片51と接する面(平滑面)の算術平均粗さRaは0.03μmであった。アクリル樹脂板52は、厚さ方向の通気性を有していなかった。
次に、互いの外周が一致するように、試験片51、シリコーンゴムシート53及び重り54をこの順にアクリル樹脂板52の上に配置した。試験片51は、評価面がアクリル樹脂板52に接するように配置した。シリコーンゴムシート53は、重り54及びゴムシート53自身による荷重を試験片51に対してできるだけ均等に加えるために配置した。次に、アクリル樹脂板52の中央に位置する貫通孔56の開口55(試験片51側とは反対側の面の開口55)に、ポンプに接続された吸引管を接続した。吸引管における開口55との接続部には圧力計が、吸引管におけるポンプと開口55との間には流量計が、それぞれ配置された。次に、ポンプを作動させて、貫通孔56内の圧力を外部の圧力(大気圧)に比べて15kPa低い減圧状態に保持する減圧試験を実施した。そして、試験時に吸引管を流れる毎分あたりの空気の流量を流量計により測定して得た値を、樹脂シートの評価面における通気度Aとした。なお、試験は常温(25℃)で実施した。また、減圧試験を開始した後、吸引管を流れる空気の流量が安定した後の測定値を、面方向の通気度Aとした。
[表面粗さ(Rz及びRa)]
樹脂シートの評価面の表面粗さ(最大高さRz及び算術平均粗さRa)は、JIS B0601:2001の規定に準拠した測定が可能である表面性状測定装置(東京精密製、SURFCOM1400D)により評価した。
(比較例1)
PTFE粉末(ダイキン工業製、ポリフロン PTFE M-12)を円筒状の金型に導入し、温度23℃、圧力60MPa及び圧力印加時間1時間の条件で予備成形した。次に、形成された予備成形品を金型から取り出し、375℃で3時間焼成して、高さ300mm、外径200mmの円柱状であるPTFEブロックを得た。次に、得られたPTFEブロックを切削旋盤により切削して厚さ50μmのPTFEシートを作製し、これを比較例1の樹脂シートとした。
(実施例1~3)
線状に延びる凸部61が正方格子状に配列した表面形状を有するステンレスシートをテンプレートとして準備した。テンプレートは、押圧面62の全体に上記表面形状を有していた(図6参照)。凸部61の幅は、0.02~0.03mmとした。隣り合う凸部61の中心線間距離であるピッチP2は、0.26mmとした。押圧面62からの凸部61の高さは、0.10mmとした。各々の凸部61の延びる方向は、テンプレートの一辺と45度で交差する方向とした。次に、比較例1で作製した樹脂シートの一方の主面に上記テンプレートを配置し、上記一方の主面に対してテンプレートを押圧するプレス加工を25℃で実施した。テンプレートは、プレス面に垂直な方向から見てシートの全体を覆うように配置した。また、テンプレートは、押圧面62が上記一方の主面に接するように、かつ各々の凸部61の延びる方向が樹脂シートの一辺と45度で交差するように配置した。テンプレートを押圧する圧力(プレス圧力)は、11.2MPa(実施例1)、33.4MPa(実施例2)及び55.6MPa(実施例3)とした。プレス加工時におけるテンプレートの配置面を、作製した樹脂シートの評価面とした。
(実施例4,5及び比較例2)
凸部61の幅を0.01~0.02mmに、ピッチP2を0.13mmに、押圧面62からの凸部61の高さを0.04mmに変更した以外は、実施例1~3と同様にして、比較例2、実施例4及び実施例5(それぞれ、プレス圧力11.2MPa、33.4MPa及び55.6MPa)の樹脂シートを得た。プレス加工時におけるテンプレートの配置面を、作製した樹脂シートの評価面とした。
樹脂シートの評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 0007158358000001
実施例1~5及び比較例1,2の各評価面について、最大高さRzを横軸に、通気度Aを縦軸にとったグラフを図7に示す。また、実施例1~5及び比較例1,2の各評価面について、算術平均粗さRaを横軸に、通気度Aを縦軸にとったグラフを図8に示す。図7,8に示すように、樹脂シートの評価面における通気度Aは、当該面の最大高さRz及び算術平均粗さRaから自動的に決定される特性ではないことが確認された。
本発明の樹脂シートは、例えば、高温に晒される各種の用途に使用できる。
1 樹脂シート
2A,2B 主面
3 溝
4 溝部
5 周

Claims (3)

  1. 対象物に配置した状態で加熱された後、前記対象物から剥離される剥離性樹脂シートであって、
    フッ素樹脂である耐熱性樹脂を主成分として含み、
    厚さ方向の通気性を有さず、
    少なくとも一方の主面における面方向の通気度Aが1mL/分以上であり、
    前記少なくとも一方の主面が、1又は複数の溝により構成される溝部を有し、
    前記溝部は、一方又は双方の端部において前記樹脂シートの周に接続された少なくとも1つの前記溝を有すると共に、前記主面において格子状に配列した前記溝を有し、
    前記格子状に配列した前記溝において、隣接する前記溝の中心線間距離が260μm以下である剥離性樹脂シート。
    ただし、前記通気度Aは、
    外径47mm及び内径20mmのリング状の測定領域を前記主面に設定し、
    厚さ方向に通気性を有さない部材の平滑面に対して前記測定領域の全体において前記主面が接するように前記シートを654.5gfの荷重で前記平滑面に押し付けるとともに、前記測定領域の内側を外側に比べて15kPa減圧したときに、
    前記主面と前記平滑面との間を前記測定領域の外側から内側に向けて透過する毎分あたりの通気量により表される特性である。
  2. 前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンである請求項に記載の剥離性樹脂シート。
  3. 前記主面の表面粗さが、JIS B0601:2001に定められた算術平均粗さRaにより表示して、10μm以下である請求項1に記載の剥離性樹脂シート。
JP2019185528A 2019-10-08 2019-10-08 樹脂シート Active JP7158358B2 (ja)

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