JP4104731B2 - 吸盤貼着シート、吸盤貼着体および吸盤貼着シートの製造方法 - Google Patents

吸盤貼着シート、吸盤貼着体および吸盤貼着シートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸盤形状を有するシート状の貼着物、並びに当該シート状の貼着物を構成する吸盤貼着体、並びに当該シート状の貼着物を構成する離型シート、および当該シート状の貼着物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステッカー、ラベルなどの貼着材のうち多くのものは、被着体から容易に脱落することがないように強度の保持力が要求されている。
【0003】
その一方で、貼着材のうち貼着後の剥離を目的とするものは、上記同様、強度の保持力が要求されるとともに、それと相反する性能である、「剥離時における被着体への傷防止性」および「粘着剤の凝集剥離防止性」が要求されている。更に、「剥離後の貼着材が再利用可能」であることが望まれている。
【0004】
そこで、上記相反する要求性能を同時に満たすものとして、シート、フィルムなどの基材上に、スクリーン印刷にて吸盤形状を設置する吸盤貼着シートの製造方法が開示されている(特開平6−238845号)。
【0005】
上記手段により製造される吸盤貼着シートは、吸盤の吸着力により、掲示板、窓ガラスなどの被着体に貼着させるものである。この吸盤の吸着力は、水平および垂直方向に適度な保持力を有する一方、貼着面に空気を進入させようとする動作、即ち、吸盤貼着シートの四隅のうちの一端をつかみ剥離しようとする力には弱いという性質を有するものである。従って、「剥離時における被着体への傷防止性」を満足するものであり、また、強度の粘着力を有する粘着剤を使用する必要がないことから、「粘着剤の凝集剥離防止性」、「剥離後の貼着材が再利用可能」などの要求性能を満足し得るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平6−238845号に開示されている吸盤貼着シートは、吸盤形状をスクリーン印刷によって設置するものであるため、数々の問題があった。
【0007】
第一に、スクリーン印刷により形成される吸盤形状では、強度の吸着力を得ることができず、被着体から不用意に脱落してしまうという問題があった。即ち、吸盤の吸着力は、吸盤と被着体を対向し押さえつけ、吸盤形状を構成する凸部に囲まれる部分(以下、「空洞室」という)の空気を逃がすことによる減圧効果により達成される。従って、空洞室の容積を大きくすれば、強度の吸着力を得ることができる。空洞室の容積は、主として吸盤形状を構成する凸部の高さによって調整される。しかし、凸部の高さを増大しようとしても、スクリーン印刷ではインク厚を持たせることが難しく、仮にインク厚を持たせたところで、今度は被着体と吸盤を保持する基材シートの間隔が広がり、被着体から脱落しやすくなってしまう。また、被着体に対し凸部を強く押し込めば、空洞室が効果的に減圧され、強度の吸着力を得ることができるが、凸部の下方が可撓性に欠ける基材であるため、被着体に対し凸部を押し込みにくいものである。
【0008】
第二に、スクリーン印刷においては、印刷の際、印刷対象となる基材を停止する必要があることから、生産効率に劣るという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記第一の課題を解決すべく鋭意研究した結果、吸盤形状を構成する凸部に加え、その下方にも吸盤素材を一面に形成することにより、吸盤形状を構成する凸部の高さを増大しなくとも吸着力が向上することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明にかかる吸盤貼着シート4は、凹部11によって全面を囲まれた独立した平坦部12を多数有する表面形状を一方の面に有する離型シート1の当該面上に、前記表面形状に対応する面を有する樹脂層2、および被転写シート3が順次積層されてなり、前記樹脂層2は粘着性を有しない可撓性樹脂からなるとともに、前記平坦部に対して離型シートとは反対側に厚みを有するように形成されてなり、前記離型シート1と樹脂層2を剥離可能に構成したことを特徴とするものである。
【0011】
このような構成を採用するため、離型シート1を剥離して使用する場合には、樹脂層2の凸部51の下方の吸盤素材がクッションの役割を果たし、従来品以上に凸部51の沈み込みが可能となり、空洞室が効果的に減圧され、強固な吸着力を得ることができる。また、吸盤形状を構成する凸部51の高さを増大させないことから、貼着後に被着体から不用意に脱落することがない。
【0012】
更に、上記吸盤貼着シート4を完成すると同時に、上記吸盤貼着シート4を構成する吸盤貼着体5および離型シート1を完成するに至った。
【0013】
また、上記第二の課題を解決すべく鋭意研究した結果、上記吸盤貼着シート4を効率よく生産することができる製造方法を完成するに至った。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の離型シート1について説明する。
【0015】
本発明の離型シート1は、一方の面が凹部11によって囲まれた独立した平坦部12を多数有する表面形状からなることを特徴とし、後述する吸盤貼着シート4を構成するものである。また、後述する吸盤貼着体5を形成する際の型となる役割を有するものである。
【0016】
凹部11は、後述する吸盤貼着体5の凸部51を形作る役割を有するものであり、基材をエンボス加工処理することによって形成される。
【0017】
基材としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムや紙などが使用される。
【0018】
エンボス加工処理は、圧接された金属製彫刻ロールと弾性ロールとの間をエンボス加工する面を金属ロール側に通すことによって行われる。その際、金属製彫刻ロール上に設けられたエンボスの形状が基材の一方の面に転写される。但し、エンボスの形状をそのまま転写することは困難であり、エンボス形状の表面が平面的なものであっても、図4および図5に示すように、転写された形状の底部は丸みを帯びているのが一般的である。このような丸みを有することから、ここから形作られる吸盤貼着体5は強度の吸着力を有することとなるが、詳しくは後述する。
【0019】
凹部11の形状は、円輪形、楕円形、多角形、蜂の巣形、網目形など特に限定されるものではないが、少なくともその内側に平坦部12を有することが必要である。ここで、凹部11の深さにより、当該離型シート1から形作られる吸盤貼着体5の吸着力が決定される。なお、凹部11の深さは、10〜100μmであることが好ましい。10μm以上とすることにより、吸盤貼着体5に十分な大きさの空洞室を形成し、十分な吸着力を与えることができ、100μm以下とすることにより、被着体と吸盤貼着体5の基準平坦面53の間隔が広がり過ぎることによる不用意な脱落を防止することができるからである。
【0020】
また、離型シート1の凹部11が形成された面は、当該面上に塗布される樹脂を硬化した後、当該樹脂を剥離することができる性能が必要である。かかる剥離性能を得ることを目的として、上述した基材上にシリコーン系離型剤、フッ素系離型剤などの離型剤により離型処理をすることは何ら差し支えない。
【0021】
次に、本発明の吸盤貼着シート4の製造方法について説明する。
【0022】
第一に、上述した離型シート1を作製する。
【0023】
第二に、上述した離型シート1の凹部11を有する面上に、吸盤素材となる可撓性を有する樹脂を塗料化したものを、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ブレードコーターなどの適当な塗布装置で塗布する。
【0024】
ここで用いられる樹脂は、離型シート1上に塗布され、当該樹脂上に被転写シート3を貼り合わせ、当該樹脂を硬化した後に樹脂層2(吸盤貼着体5)となるものである。従って、硬化後の樹脂自体が十分な可撓性を有することが好ましいが、硬化後の樹脂自体に十分な可撓性がなくとも、可塑剤を配合し十分な可撓性を有するようになったものであってもよい。また、樹脂は粘着性を有しないもの、あるいは粘着性を有するものであってもよいが、粘着性を有するものである場合、剥離時に被着体を傷つけることがなく、粘着剤の凝集剥離を起こさないものであることが好ましい。
【0025】
このような樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂などの有機溶剤可溶性樹脂のうちの1種または2種以上、若しくは紫外線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂などが使用され、可塑剤には、ジエチルフタレート、ジオクチルテレフタレート、ジオクチルフタレート、エポキシ化アマニ油などの1種若しくは2種以上が使用される。
【0026】
また、上記樹脂は、凸部51の下方に一面に形成され、凸部51のクッションとなる役割を有する。従って、離型シート1の平坦部12に対し、乾燥後の厚さが10μm以上となるよう肉厚に形成することが好ましい。
【0027】
第三に、離型シート1の凹部11を有する面に塗布された樹脂上に、被転写シート3を貼り合わせる。
【0028】
ここで被転写シート3は、離型シート1に比べ樹脂に対する接着力が大きいものが好適に使用される。このようなものとして、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムや紙などがあげられるが、必要に応じてこれらのものに易接着処理などすることは何ら差し支えない。また、離型シート1と同様、硬化後の樹脂から剥離可能としておいてもよい。
【0029】
第四に、熱処理若しくは紫外線照射などにより、塗布された樹脂を硬化させる。
【0030】
上記第一から第四の作業により、本発明の吸盤貼着シート4を効率よく連続的に製造することができる。
【0031】
このようにして製造される本発明の吸盤貼着シート4は、一方の面が凹部11によって囲まれた独立した平坦部12を多数有する表面形状からなる離型シート1の当該面上に、前記表面形状に対応した面を有する樹脂層2、被転写シート3を順次積層してなる吸盤貼着シート4であって、前記離型シート1と樹脂層2を剥離可能に構成したことを特徴とするものである。ここでいう樹脂層2は、上記樹脂を硬化して形成される層であり、後述する吸盤貼着体5に対応するものである。
【0032】
離型シート1と樹脂層2を剥離可能に構成する方法としては、▲1▼離型シート1のもととなる基材自体を離型効果のある材料とする、▲2▼離型シート1の凹部11を有する面をシリコーン系離型剤などで離型処理する、▲3▼樹脂層2の材料である樹脂自体に離型効果を持たせる、などの方法があげられる。
【0033】
上記のようにして製造された吸盤貼着シート4から離型シート1を剥離し、更に被転写シート3を剥離すれば、本発明の吸盤貼着体5を得ることができる。
【0034】
本発明の吸盤貼着体5は、可撓性を有する樹脂から構成される吸盤貼着体5であって、前記吸盤貼着体5は、その基準平坦面53から突出した凸部51により囲まれた独立した平坦部52を多数有することを特徴とし、上記吸盤貼着シート4を構成するものである。
【0035】
可撓性を有する樹脂は、上記樹脂層2を構成する樹脂と同様のものである。
【0036】
凸部51の形状は、上述した離型シート1の凹部11に対応して形成されるものであり、円輪形、楕円形、多角形、蜂の巣形、網目形など特に限定されるものではないが、少なくともその内側に平坦部52を有することが必要である。
【0037】
この凸部51によって形成される空洞室の容積により、吸盤の吸着力が決定される。具体的には、吸盤の空洞室の容積が大きいほど大きな吸着力を得ることができる。但し、空洞室の容積を広げるべく、いたずらに凸部51の高さを増大しても、一時的に強度な吸着力を得ることはできるが、長期間に渡って保持することができず、使用に耐えないものである。
【0038】
本発明の吸盤貼着体5においては、凸部51の下方にも可撓性を有する樹脂を構成することから、吸盤貼着体5全体が十分な可撓性を有し、凸部51に力を加えた際は、凸部51の下方の樹脂がクッションの役割を果たし、空洞室の容積が従来のものと比べ減少しやすく、強度な吸着力を得ることができる。更に、上述したように、離型シート1の凹部11の底部が丸みがかっている関係上、そこから形作られる吸盤貼着体5の凸部51の頂上部も丸みがかったものであることを特徴とする(図2、図3)。従って、その頂上付近は変形しやすく、空洞室の容積を容易に減少させることができ、強度な吸着力を得ることができる。また、凸部51の高さを増大させないことから、長期間に渡る保持が可能なものである。
【0039】
一方、スクリーン印刷においては、凸部51の下方に吸盤素材を形成することができず、また、凸部51の頂上付近は略平らに形成されるため(図6、図7)、空洞室の容積が減少しづらく、強度の吸着力を得ることができない。
【0040】
更に、本発明の吸盤貼着体5は、上述したように強度な吸着力、および長期的な保持力を有する一方、吸盤貼着体5の四隅のうちの一端をつかみ剥離しようとすれば、被着体から容易に剥離することができ、剥離時に被着体を傷つけることがない。また、吸盤素材が凝集剥離を起こすことがなく、剥離後の再利用も可能なものである。
【0041】
かかる吸盤貼着体5の性能は、それを構成する吸盤貼着シート4においても得ることができる。例えば、吸盤貼着シート4から離型シート1を剥離したものは、被転写シート3上に吸盤貼着体5を有した構成であることから、強度な吸着力をもって被着体に貼着することができ、かつ容易に剥離することができる。
【0042】
なお、予め被転写シート3上に画像形成層、マット層などの所望の層を設けておき、吸盤貼着シート4を形成すること、あるいは吸盤貼着シート4を形成した後、被転写シート3上に所望の層を設けることは何ら差し支えない。例えば、画像形成層を設けた場合には、画像形成層に所望の画像を形成した後、吸盤貼着シート4から離型シート1を剥離し、所望の場所に掲示物として貼着することが可能である。また、マット層を設けた場合には、前記同様に離型シート1を剥離し、卓上に貼り付けマウスパッドとして使用することが可能である。
【0043】
また、樹脂層2を構成する樹脂として粘着性のあるものを採用した場合において、離型シート1だけでなく、被転写シート3と硬化後の樹脂の剥離を可能としておけば、表裏で保持力の異なる吸盤貼着体5を得ることができる。このような吸盤貼着体5は、離型シート1を剥離し所望の掲示物を貼着した後、被転写シート3を剥離し所望の場所に貼着すること、または所望の場所に吸盤貼着体5を貼着した後、所望の掲示物を貼着することなどができる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
【0045】
[実施例1]
坪量110g/m2 の上質紙に30μmのポリエチレンをラミネートした後、当該ポリエチレンに1辺3mmの格子状連続模様からなる凹部11を、深さ20μm、幅0.3mmになるようエンボス加工により形成した。次いで、エンボス加工面にシリコーン系離型剤を塗布し、離型シート1を得た(図4、図5)。
【0046】
[実施例2]
実施例1で作製した離型シート1上に、下記の処方の樹脂層用塗布液を乾燥後の平坦部12に対する膜厚が15μmとなるようバーコーター法により塗布し、当該樹脂上に厚さ100μmの片面が離型処理されたポリエステルフィルムからなる被転写シート3の離型処理面を貼り合わせた後、紫外線を照射して当該樹脂を硬化させ、吸盤貼着シート4を得た。
【0047】
<樹脂層用塗布液>
・紫外線硬化型樹脂 26部
(UV QVNスクリーンインキ:帝国インキ製造社)
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 17部
【0048】
このようにして得られた吸盤吸着シート4から、離型シート1および被転写シート3を剥離し、吸盤貼着体5を得た(図2、図3)。
【0049】
[実施例3]
実施例1で作製した離型シート1上に、実施例2と同様の樹脂層用塗布液を乾燥後の平坦部12に対する膜厚が15μmとなるようバーコーター法により塗布し、当該樹脂上に厚さ100μmの片面が易接着処理されたポリエステルフィルムからなる被転写シート3の易接着処理面を貼り合わせた後、紫外線を照射して当該樹脂を硬化させ、吸盤貼着シート4を得た。
【0050】
次に、上記吸盤貼着シート4の被転写シート3上に、下記の処方の画像形成層用塗布液を乾燥後の膜厚が8μmとなるように、バーコーター法により塗布、乾燥し、画像形成層を形成した。
【0051】
<画像形成層用塗布液>
・ポリビニルアルコール(鹸化度71〜75%) 6部
(ゴーセノールKP-06:日本合成化学工業社)
・ポリビニルアルコール(鹸化度98〜99%) 4部
(ゴーセノールNH-18:日本合成化学工業社)
・水 90部
・シリカ(サイリシア435:富士シリシア化学社) 10部
【0052】
[比較例1]
厚さ100μmの片面が易接着処理されたポリエステルフィルム6の易接着処理面に、UV QVNスクリーンインキ(帝国インキ製造社)を用い、1辺3mmの格子状連続模様からなる吸盤形状を、乾燥後の凸部51の高さが20μm、幅が0.3mmになるようスクリーン印刷した後、紫外線を照射して硬化させ、吸盤貼着シート4を得た(図6、図7)。
【0053】
実施例1の離型シート1は、後に示す実施例2および実施例3から明らかなように、吸着力に優れた吸盤貼着体5および吸盤貼着シート4を効率よく連続的に生産できるものであった。また、凹部11の底部の形状は丸みを帯びたものであった。
【0054】
実施例2の吸盤貼着体5は、凸部51の下方に吸盤素材を有するとともに、凸部51の頂上部が丸みを帯びていることから、空洞室が減圧されやすく吸着力に優れるものであった。また、被着体から容易に剥離することができ、剥離時に被着体を傷つけることがないとともに、樹脂が凝集剥離することがなく、剥離後の再利用も可能なものであった。この吸盤貼着体5の吸盤面を窓ガラスに貼着したところ、貼着から1ヶ月経過した後でも不用意に脱落することがなかった。
【0055】
実施例3の吸盤貼着シート4は、実施例2の吸盤貼着体5を被転写シート3上に有するものである。従って、離型シート1を剥離し、被着体に貼着する際、実施例2の吸盤貼着体5と同様の吸着性能および剥離性能を有するものであった。また、画像形成層に所望の画像を形成後、離型シート1を剥離することにより、所望の場所に掲示物として貼着することができた。
【0056】
また、実施例2および実施例3から明らかなように、本発明の吸盤貼着シート4の製造方法によれば、吸着力に優れた吸盤貼着シート4を効率よく製造することができた。
【0057】
比較例1の吸盤貼着シート4は、吸盤素材として実施例2と同様のものを使用し、実施例2とほぼ同様の吸盤形状をポリエステルフィルム6上に設けたものであるが、凸部51の下方は可撓性を有しないポリエステルフィルム6であり、また凸部51の頂上付近が平らであることから、実施例2のものに比べ空洞室が減圧されにくく、吸着力に劣るものであった。この吸盤貼着シート4を窓ガラスに貼着したところ、貼着から1週間経過した時点で脱落が確認された。
【0058】
【発明の効果】
本発明の吸盤貼着シート4およびそれを構成する吸盤貼着体5は、凸部51の下方にも吸盤素材である可撓性を有する樹脂を構成するとともに、凸部51の頂上付近が丸みを帯びていることから、空洞室を効果的に減圧することができ、強度の吸着力を有する。更に、強度の吸着力を凸部51の高さに頼っていないことから、被着体から不用意に脱落することがない。また、このような優れた吸着性能を発揮する一方、被着体から容易に剥離することができ、剥離時に被着体に傷を付けることがない。また、吸盤素材が凝集剥離を起こすことがなく、剥離後に再利用を図ることができる。
【0059】
本発明の離型シート1は、上記吸盤貼着シート4を構成するものであり、これを用いることにより、効率よく吸盤貼着シート4を製造することができる。
【0060】
本発明の吸盤貼着シート4の製造方法によれば、吸着力に優れた吸盤貼着シート4を効率よく連続的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の吸盤貼着シートの一実施例を示す断面図。
【図2】 本発明の吸盤貼着体の一実施例を示す断面図。
【図3】 本発明の吸盤貼着体の一実施例を示す斜視図。
【図4】 本発明の離型シートの一実施例を示す断面図。
【図5】 本発明の離型シートの一実施例を示す斜視図。
【図6】 従来の吸盤貼着シートを示す断面図。
【図7】 従来の吸盤貼着シートを示す斜視図。
【符号の説明】
1・・・・離型シート
11・・・凹部
12・・・平坦部
2・・・・樹脂層
3・・・・被転写シート
4・・・・吸盤貼着シート
5・・・・吸盤貼着体
51・・・凸部
52・・・平坦部
53・・・基準平坦面
6・・・・ポリエステルフィルム

Claims (3)

  1. 凹部11によって全面を囲まれた独立した平坦部12を多数有する表面形状を一方の面に有する離型シート1の当該面上に、前記表面形状に対応する面を有する樹脂層2、および被転写シート3が順次積層されてなり、前記樹脂層2は粘着性を有しない可撓性樹脂からなるとともに、前記平坦部に対して離型シートとは反対側に厚みを有するように形成されてなり、前記離型シート1と樹脂層2を剥離可能に構成したことを特徴とする吸盤貼着シート。
  2. 可撓性を有し、粘着性を有しない樹脂から構成される吸盤貼着体5であって、前記吸盤貼着体5は、その基準平坦面53から突出した凸部51により全面を囲まれた独立した平坦部52を多数有するとともに、前記基準平坦面の凸部とは反対側に厚みを有するように形成されてなることを特徴とする吸盤貼着体。
  3. 凹部11によって全面を囲まれた独立した平坦部12を多数有する表面形状を一方の面に有する離型シート1の当該面上に、吸盤素材となる可撓性を有し、粘着性を有しない樹脂を塗布し、前記表面形状に対応する面を有し、かつ前記平坦部に対して離型シートとは反対側に厚みを有するように形成されてなる樹脂層を形成し、当該樹脂上に被転写シート3を貼り合わせることを特徴とする吸盤貼着シートの製造方法。
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