JP2020063319A - 剥離ライナー及びこれを用いた粘着フィルム、剥離ライナーの製造方法 - Google Patents

剥離ライナー及びこれを用いた粘着フィルム、剥離ライナーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】剥離ライナー及びこれを用いた粘着フィルム、剥離ライナーの製造方法の提供。【解決手段】基材フィルム2の一方の表面に、複数の球状の微粒子6をランダムに分散させて配置する工程と、微粒子6を分散させた基材フィルム2の表面をシート状の保持材1で覆った状態で加熱しながら圧力を加えることにより、微粒子6の半球面の一部を基材フィルム2に埋め込むとともに、微粒子6と保持材1とを密着させる工程と、保持材1を微粒子6と共に基材フィルム2aから除去することにより、基材フィルム2aの表面に、微粒子6に対応した曲面形状の凹部3を形成させる工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、剥離ライナー及びこれを用いた粘着フィルム、剥離ライナーの製造方法に関する。
樹脂製の支持体を有する粘着フィルムは、物品の保護、装飾、固定や光学用途等に広く用いられている。物品の装飾や電子機器の部材保護、光学用途等に用いられる場合、粘着フィルムの機能としては、施工の際には貼り直しが容易で且つ空気の噛み込み(いわゆる「エアー噛み」)が生じにくいことが求められる。
下記の特許文献1には、粘着剤層と接触する面に格子状の隆起部を設けた剥離ライナー及びこれを用いた粘着フィルムが開示されている。この粘着フィルムでは、粘着剤層の接着面に、隆起部に対応した溝が形成されるので、物品に貼り付けた後、当該溝を通して接着部分から速やかに空気を抜くことができる。
特開2006−70273号公報
特許文献1に記載の粘着フィルムにおいて、柔軟性の高い支持体を用いた場合や、支持体が薄い場合等には、剥離ライナーの隆起部に起因して支持体の表面の凹凸が大きくなることがある。この凹凸は、粘着フィルムから剥離ライナーを剥がした後も保持されるため、粘着フィルムを被着体に貼付した際に美観を損ねる可能性がある。
特許文献1に記載の剥離ライナーにおいて、隆起部はエンボス加工により形成される。支持体表面の凹凸を小さくするためには、剥離ライナーの離型面に形成される凹凸を微細化することが考えられるが、エンボス加工で用いられるエンボスロール自体の加工精度の問題があり、エアー噛みの発生を抑えつつ隆起部の幅や間隔を微細化するのは現実的に難しい。
本発明は、エアー噛みの発生が抑えられるとともに、貼付後に美観が損なわれにくい粘着フィルムの作製に用いられる剥離ライナーを容易に製造することを目的とする。
本発明者らは、剥離ライナーの離型面に半球状の凹部を多数形成することで、エアー噛みの発生を抑えつつ、粘着フィルムの支持体表面に凹凸が出にくくできるのではないかと考えた。ここで、エンボス加工により剥離ライナーの離型面に半球状の凹部を形成するためには、半球状の凸部が二次元状に配置されたエンボスロールを作製しなければならないが、金属製のエンボスロールに半球状の凸部をエッチング等により形成するのは、四角錐台を形成するのに比べて困難であった。また、レーザーによりエンボスロールを加工する場合でも、最小スポット径は5μm程度であるため、凸部の直径が200μm以下である場合、現実的なコストで滑らかな表面を有する凸部を形成することは困難であった。
そこで、本発明者らは、検討を重ね、微粒子を剥離ライナーの基材フィルムに埋め込んで凹部を形成させた後でこの微粒子を除去することにより、所望のサイズの半球状凹部を現実的なコストで剥離ライナーに精度良く形成できることを見出し、本発明を完成した。
上記の課題を解決可能な本発明の剥離ライナーの製造方法は、
基材フィルムの一方の表面に、複数の球状の微粒子をランダムに分散させて配置する工程と、
前記微粒子を分散させた前記基材フィルムの表面をシート状の保持材で覆った状態で加熱しながら圧力を加えることにより、前記微粒子の半球面の一部を前記基材フィルムに埋め込むとともに、前記微粒子と前記保持材とを密着させる工程と、
前記保持材を前記微粒と共に前記基材フィルムから除去することにより、前記基材フィルムの表面に、前記微粒子に対応した曲面形状の凹部を形成させる工程
とを含むことを特徴とする。
又、本発明は、上記の特徴を有した剥離ライナーの製造方法において、前記凹部を形成させる工程の後、前記基材フィルム上に、前記凹部の内面形状に沿った剥離剤層を形成する工程をさらに備えることを特徴とするものである。
又、本発明は、上記の特徴を有した剥離ライナーの製造方法において、前記微粒子の平均粒径が、20μm以上200μm以下であることを特徴とするものである。
又、本発明は、上記の特徴を有した剥離ライナーの製造方法において、前記微粒子の平均粒径が、30μm以上100μm以下であることを特徴とするものである。
更に、本発明は、基材フィルムを備えた剥離ライナーでもあり、当該剥離ライナーにおいては、前記基材フィルムの一方の表面に、内面が半球面の少なくとも一部により構成される凹部が複数形成されており、前記凹部の平均開口径が20μm以上200μm以下であり、前記凹部の平均深さが10μm以上100μm以下であり、前記凹部が、ランダムに配置されていることを特徴とする。
又、本発明は、上記の特徴を有した剥離ライナーにおいて、前記基材フィルムの表面に形成された前記凹部の面積が占める割合が、35%以上85%以下であることを特徴とするものである。
又、本発明は、上記の特徴を有した剥離ライナーにおいて、前記基材フィルムの前記凹部が形成された表面を覆う離型剤層をさらに備え、前記離型剤層が、前記凹部の内面形状に沿った曲面形状を有していることを特徴とするものである。
又、本発明は、上記の特徴を有した剥離ライナーにおいて、前記凹部の平均開口径が30μm以上100μm以下であることを特徴とするものである。
更に、本発明は、上記の剥離ライナーと、前記剥離ライナーの前記凹部が形成された離型面上に形成された粘着剤層と、前記粘着剤層上に積層されたフィルム状の支持体とを備え、前記粘着剤層の前記剥離ライナー側の面には、前記凹部に対応した半球体の少なくとも一部に対応する形状を有した凸部が複数形成されていることを特徴とする粘着フィルムでもある。
本発明によれば、剥離ライナーに設けられた凹部の内面が曲面により構成されているので、粘着フィルムから剥離ライナーを剥がして被着体に貼着させた際に、被着体と粘着剤層との初期の接触面積を小さくすることができ、貼り直しを容易に行うことができる。一方で、所定時間経過後には、凸部が変形して広がることにより、被着体に対する所望の粘着力を確保することができる。又、粘着剤層と被着体との間にある空気を、凸部間の空間から効果的に排出できるとともに、芯材の透明性が高い場合であっても、所定時間経過後には、従来の粘着フィルムに比べて凸部の形状が残りにくく、これにより、被着体の美観を損ねにくいという効果が発揮される。
上記の作用効果により、本発明の剥離ライナーは、印刷用粘着フィルムや、ガラス等に貼付される拡散フィルム、部材の保護用フィルム等として用いられる粘着フィルムを作製するのに有用である。
(a)〜(e)は、本明細書に開示された剥離ライナーの製造方法を示す断面図である。 本明細書に開示された剥離ライナーの、凹部を通る断面を1000倍に拡大した顕微鏡写真図である。 図2に示す剥離ライナーを離型面側から見た平面図である。 本明細書に開示された剥離ライナーを用いて作製される粘着フィルムの構成を示す断面図である。 粒子径が異なる2種類の微粒子を用いて製造された剥離ライナー(マットフィルム60、150)から得られた粘着フィルムの、セパレータシリコーン面(剥離ライナーの離型面)及び粘着面の表面状態を示す顕微鏡写真である。 (a)は、110℃でエンボス加工された膜厚50μmのPETフィルムの表面状態を示す顕微鏡写真であり、(b)は、150℃でエンボス加工された膜厚50μmのPETフィルムの表面状態を示す顕微鏡写真である。 エア抜け性試験の結果を示す図である。
以下に、本発明の剥離ライナーの製造方法について説明する。
図1(a)〜(e)は、本明細書に開示された剥離ライナーの製造方法の一例を示す断面図である。
まず、図1(a)、(b)に示すように、まず樹脂フィルム11と、樹脂フィルム上に設けられた熱可塑性樹脂からなるラミネート層13とを有する基材フィルム2を準備し、次いで、基材フィルム2の一方の表面側に、公知の方法により、複数の球状の微粒子6をランダム(不規則)に分散させ配置する。なお、基材フィルム2は、2つ以上の樹脂層により構成されていてもよいが、単一の層で構成されていてもよい。
図1(a)に示す例では、樹脂フィルム11の厚さは10μm以上1000μm以下程度であってもよく、ラミネート層13の厚さは10μm以上100μm以下程度であってもよい。また、微粒子6の平均粒径は例えば20μm以上200μm以下とすることができる。微粒子6の構成材料は、硬質の樹脂であってもよいし、ガラスや金属、金属化合物等の無機物であってもよい。ラミネート層13が設けられる場合、微粒子6は、少なくともラミネート層13が変形可能になる温度において形状が安定していることが好ましい。
次に、図1(b),(c)に示すように、基材フィルム2の、微粒子6が分散した状態で配置された方の表面をシート状の保持材1で覆い、この状態で加熱しながらこのフィルム積層体の両側から圧力を加えることにより、微粒子6を、一部が突出した状態で基材フィルム2に埋め込むとともに、微粒子6と保持材1とを密着させる。以下、図1(c)に示されるように、微粒子6により凹部が形成された基材フィルム2を「基材フィルム2a」と表記する。
微粒子6を埋め込む際の加熱温度は、少なくとも基材フィルム2aの表面部分の材質の軟化温度以上であればよい。例えば、樹脂フィルム11がポリエチレンテレフタレート(PET)により構成され、ラミネート層13がポリエチレンにより構成されている場合には、加熱温度を70℃以上110℃以下程度にすればよい。加熱温度が低すぎるとラミネート層13に微粒子6が埋め込まれにくくなり、加熱温度が高すぎると基材フィルム2aにカール等の変形が生じやすくなる。加熱時間には特に限定はなく、微粒子6が十分に埋め込まれるのに十分な時間であればよいが、少なくとも1分以上であればよい。
尚、微粒子6を埋め込む際の圧力については、上記の加熱温度にて微粒子6の半球面の一部を基材フィルム2に埋め込むことが可能な圧力であればよく、適宜選択できる。
また、ラミネート層13が設けられている場合、微粒子6はラミネート層13の最深部まで埋め込まれている必要はなく、ラミネート層13の厚みの上限は任意であってよい。ラミネート層13の厚みに関わらず、微粒子6のラミネート層13内に埋め込まれている部分が平均粒径の1/2以下であれば、基材フィルム2aから微粒子6が突出する部分を大きくできるので、後の工程で微粒子6を除去しやすくすることができる。ラミネート層13の厚みが例えば微粒子6の厚みの1/3以上であれば、十分な深さの凹部をラミネート層内13に形成することができる。
保持材1は、加熱後に微粒子6との間に生じる密着力が、基材フィルム2a−微粒子6間に生じる密着力よりも大きくなるような材料により構成されていればよい。保持材1は、例えばホットメルト接着剤を含侵させた不織布や織物であってもよいし、加熱により軟化する樹脂フィルムであってもよい。
次に、図1(d)に示すように、保持材1を微粒子6と共に基材フィルム2aから除去することにより、基材フィルム2aの表面に微粒子6に対応した曲面形状の凹部3を形成させる。尚、本発明では、表面に微粒子6が密着した図1(d)の保持材1を、樹脂フィルム11上に熱可塑性樹脂からなるラミネート層13が設けられた図1(a)の基材フィルム2と積層して加熱・加圧することにより、図1(d)の基材フィルム2aを製造するのに再使用することもできる。
次に、図1(e)に示すように、基材フィルム2aの凹部3が形成された表面上に公知の離型剤を塗布し、乾燥させることにより、離型剤層9を備えた剥離ライナー10を作製することができる。離型剤層9は、少なくとも凹部3の内面形状に対応できる(凹部3が維持される)厚さで形成すればよく、例えば0.01μm以上2μm以下程度の厚さであってもよい。なお、離型剤層9を形成しなくても基材フィルム2aが十分な離型性能を有している場合には、本工程を省略してもよい。
以上の工程を含む本発明の製造方法によれば、現実的なコストで容易に半球状の凹部3が形成された剥離ライナー10を形成することができる。また、凹部3の平均開口径が200μm以下の場合であっても凹部3を精度良く形成することが可能になる。使用する微粒子6の平均粒径及び埋込み具合を変更するだけで凹部3の開口径及び深さを容易に変更することも可能である。離型剤層9が十分に薄い場合、凹部3の平均開口径は、微粒子6の平均粒径に近い値となる。凹部3の平均開口径は、例えば20μm以上200μm以下であってもよく、30μm以上100μm以下(凹部3の深さは15μm以上50μm以下)であってもよい。凹部3の平均開口径が20μm以上であれば、基材フィルム2aから保持材1を剥離しやすくできる。凹部3の平均開口径が200μm以下であれば、作製された剥離ライナー10を用いた粘着フィルムを被着体に貼り付けた際の表面凹凸をより目立ちにくくすることができる。凹部の平均開口径を30μm以上100μm以下とすることで、拡散フィルムとして使用可能な粘着フィルムを作製できる剥離ライナー10を製造することができる。
以上の方法によれば、複数の凹部3の配置をランダムにすることができ、図1(b)に示す工程で、基材フィルム2上に分散させる微粒子6の密度を調整することで、凹部3の密度(単位面積あたりの凹部の数)を所望の値にすることができる。
なお、剥離ライナー10の離型面に公知の方法で粘着剤層を形成した後、支持体と貼り合わせることにより、粘着フィルムを作製することができる。この方法によれば、特殊な粘着剤や支持体を用いなくても、エアー噛みの発生が抑えられ、支持体の表面に剥離ライナーに起因する凹凸が現れにくい粘着フィルムを作製することができる。
また、凹部3の平均開口径が30μm以上100μm以下の剥離ライナー10を用いることで、被着体に貼着した後の粘着フィルムのヘイズを10%以上40%以下にすることができる。このため、粘着剤や支持体にマット剤等を混入させたり、支持体の表面を粗化処理する等しなくても、拡散フィルムとして機能する粘着フィルムを作製することが可能となる。粘着フィルムのヘイズ値は、凹部3の平均開口径が大きくなる程小さくなるが、これは凹部3の平均開口径が大きくなると、凸部15と被着体との接触面積が大きくなるとともに、凸部15の密度が小さくなるためであると考えられる。従って、本実施形態に係る方法によれば、粘着フィルムの構成材料を変更することなく、ヘイズ値の異なる拡散フィルムを作製できる。
以下、本発明の剥離ライナー及び粘着フィルムの構成について説明する。
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る剥離ライナー10は、内面が曲面により構成された凹部3が複数形成されたシート状の基材フィルム2aを備えている。凹部3の内面は、例えば、離型面を上面とする向きにおいて、下向きの半球面の少なくとも一部により構成されている。
基材フィルム2aは、単独の樹脂フィルムのみで構成されていてもよいが、複数の樹脂フィルムの積層体や、紙と樹脂フィルムとの積層体であってもよい。また、基材フィルム2aの離型面又は背面に離型処理や帯電防止処理等が施されていてもよい。図4に示す例では、基材フィルム2aは、樹脂フィルム11と、樹脂フィルム11上に積層され、樹脂フィルム11よりも低いガラス転移温度(Tg)を持つ樹脂により構成されたラミネート層13とを有している。ポリエチレン等の低いTgを有するラミネート層13が設けられている場合、凹部3の形成を容易にすることができる。
基材フィルム2aとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム及びナイロンフィルム等の合成高分子フィルムから選ばれた1つ又はこれらから選ばれた2つ以上のフィルムの積層体が挙げられる。基材フィルム2aはまた、グラシン紙や上質紙等の表面にポリエチレンフィルム等の樹脂フィルムを積層させた積層体であってもよい。
また、剥離ライナー10の離型面においては、基材フィルム2aの主面を覆う離型剤層9が設けられている。離型剤層9は、例えば、公知のシリコーン系離型剤やフッ素系離型剤等の硬化物により形成される。離型剤層9の膜厚は、凹部3の内面形状に対応できる厚さであれば特に限定されないが、例えば、0.01μm以上10μm以下程度であることが好ましい。
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る粘着フィルムは、剥離ライナー10の離型面上に形成された粘着剤層5と、粘着剤層5の剥離ライナー10に接する面と反対側の面上に形成された支持体7とを備えている。粘着剤層5の剥離ライナー10と接触する面(言い換えれば、支持体7とは反対側の面)には、凹部3の形状が転写され、凹部3に対応した半球体の少なくとも一部で構成された凸部15が形成されている。
複数の凹部3の開口径及び深さはほぼ均一であってもよいが、凹部3ごとにランダムであってもよい。凹部3の内面が半球面の一部で構成されている場合、当該半球の半径をR(μm)とすると、当該凹部3の深さはR(μm)以下であり、凹部3の開口径は2R(μm)以下となる。
基材フィルム2aの膜厚は、例えば5μm以上500μm以下程度であってもよい。凹部3の平均深さは、基材フィルム2aの膜厚以下であり、例えば2μm以上500μm以下程度であってもよい。複数の凹部3の配置様式は、図3に示すように、ランダムに配置されている。
基材フィルム2aのMD方向(Machine Direction、機械軸方向)に隣接及びTD方向(Transverse Direction、横幅方向)において、互いに隣接する凹部3間の距離が所定の範囲内であれば、粘着フィルムを被着体に貼り付ける際に、粘着剤層5と被着体との間に形成される空間から空気を均一に抜きやすくなる。
複数の凹部3が剥離ライナー10の離型面に配置されている場合、凹部3間のピッチは、例えばMD方向で6μm以上1500μm以下程度、TD方向で6μm以上1500μm以下程度としてもよい。
凹部3の開口径は、2μm以上1000μm以下であることが好ましく、20μm以上200μm以下であればより好ましい。これにより、粘着フィルムを被着体に貼り付ける際のエアー噛みの発生を低減しやすくなる。凹部3の開口径が20μm以上であると、剥離ライナー10が剥離しやすくなり、取り扱いやすくなる。
基材フィルム2aの一方の主面のうち、凹部3の面積が占める割合は、35%以上85%以下程度であることが好ましい。凹部3の面積が占める割合が35%以上であることで、粘着フィルムを被着体に貼り付けた際の粘着剤層5と被着体との接触面積を十分に確保できることとなるので、所定の粘着力を確保することができる。
また、凹部3が基材フィルム2aの主面に細密充填された場合、凹部3の面積が基材フィルム2aの主面に占める面積の割合は90.6%となる。しかし、本実施形態の粘着フィルムは、凹部3がランダムに配置されており、凹部3の面積が基材フィルム2aの主面に占める面積の割合は85%以下となっている。これにより、粘着フィルムを被着体に貼り付けた際に、互いに隣接する凸部15間に十分な隙間を形成でき、エアー噛みを起こしにくくなっている。
粘着剤層5の凸部15を含む膜厚は特に限定されないが、10μm以上500μm以下程度としてもよい。粘着フィルムを携帯機器に用いる部材保護用フィルム等として用いる場合には、粘着剤層5の膜厚を例えば10μm以上100μm以下程度として、フィルム全体の厚みを薄くしてもよい。
支持体(芯材)7としては、PETフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム及びナイロンフィルム等高分子材料により構成されたフィルムを用いることができる。支持体7の膜厚は、例えば2μm以上500μm以下である。電子機器に用いられる粘着フィルムにおいては、支持体7の膜厚は2μm以上100μm以下程度としてもよい。
なお、図4に示す例では、粘着剤層5の支持体7に接する部分(図4における上側部分)が支持体7の一方の面によって覆われており、粘着剤層5の剥離ライナー10側部分に複数の凸部15が設けられているが、十分な粘着力を確保することができれば凸部15のみで粘着剤層5を構成してもよい。
また、凹部3の平均開口径が30μm以上100μm以下であれば、粘着フィルムのヘイズを10%以上40%以下程度にできるので、粘着フィルムを拡散フィルムとして機能させることができる。
上記の構成を有した本発明の粘着フィルムの場合、粘着剤層5と被着体との間の空気が凸部15間の空間から効果的に排出できる。又、凹部3の内面が、半球面であれば剥離ライナー10の製造が容易になり、凹部3の開口径が、20μm以上200μm以下であり、凹部3の深さが、10μm以上100μm以下である場合、エンボス等の他の方法に比べて精度良く凹部3の加工ができる。
〔本発明の剥離ライナーの製造例〕
まず、膜厚が75μmのPETフィルム上に膜厚が50μmのポリエチレン層が形成された基材フィルムを準備した。この基材フィルム上に、平均粒径(レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により測定)が直径60μmのガラス製微粒子を分散させた。次に、保持材を基材フィルム上にかぶせて、100℃、2分間、フィルムの上下から圧力を加えて微粒子をポリエチレン層に埋め込んだ。冷却後、保持材と共に微粒子を基材フィルムから除去した。続いて、基材フィルムの凹部が形成された表面にシリコーン系離型剤を塗布後乾燥させることにより、図1及び図3に示される構成を有した本発明の剥離ライナー(マットフィルム60)を作製した。直径60μmの微粒子を用いて作製された「マットフィルム60」における凹部の開口径は約50〜60μmで、深さは20〜30μm程度(直径の1/2以下)であり、凹部の面積が占める割合は42.5%であった。
なお、凹部の占める面積は、顕微鏡によって1000倍に拡大した所定範囲の画像から、目視により算出した。すなわち、所定範囲の剥離ライナーにおいて、凹部の面積が占める割合は、画像から求めた凹部の平均径と、所定の範囲に含まれる凹部の個数とから求めた凹部の合計面積を、剥離ライナーの所定範囲の面積で除することによって求めた。
〔実施例1:本発明の粘着フィルムの製造例〕
剥離ライナーとして、上記で製造した剥離ライナー(マットフィルム60)を使用し、この剥離ライナーの凹部形成面に、コーターを用いて乾燥後の膜厚が40μmになるように市販のアクリル系粘着剤を塗工し、乾燥させることにより粘着剤層を形成し、この粘着剤層面に市販のポリプロピレン(PP)フィルム(フタムラ化学製「FOS40」、厚み40μm)を貼り合わせ、本発明の粘着フィルム(実施例1)を製造した。
〔比較例1〕
剥離ライナーとして、ポリエチレンラミネートを施した上質紙(シリコーン離型剤層有り)に、エンボス加工により65メッシュの格子状凸部が形成された上質紙ベース剥離ライナー1(日栄化工製、商品名:マトリクス剥離紙)を準備した。この剥離ライナー1の格子サイズは250μmで、凸部の幅は160μmで、凸部の高さは約20μmである。
そして、この上質紙ベース剥離ライナー1の表面に、上記実施例1と同様にして、粘着剤層(40μm)を形成し、上記のPPフィルム(40μm)を貼り合わせ、粘着フィルム(比較例1)を作製した。
〔比較例2〕
剥離ライナーとして、ポリエチレンラミネートを施した上質紙(シリコーン離型剤層有り)に、エンボス加工により65メッシュの格子状凸部が形成された上質紙ベース剥離ライナー2を準備した。この剥離ライナー2の格子サイズは330μmで、凸部の幅は60μmで、凸部の高さは約14μmである。
そして、この上質紙ベース剥離ライナー2の表面に、上記実施例1と同様にして、粘着剤層(40μm)を形成し、上記のPPフィルム(40μm)を貼り合わせ、粘着フィルム(比較例2)を作製した。
〔比較例3〕
剥離ライナーとして、市販のPET製剥離ライナー(東洋紡製E7002,厚み38μm、離型面は平坦)を準備し、この剥離ライナーの表面に、上記実施例1と同様にして、粘着剤層(40μm)を形成し、上記のPPフィルム(40μm)を貼り合わせ、粘着フィルム(比較例3)を作製した。
〔実施例2:本発明の粘着フィルムの製造例〕
剥離ライナーとして、上記実施例1と同じ剥離ライナー(マットフィルム60)を使用し、この剥離ライナーの凹部形成面に、コーターを用いて乾燥後の膜厚が40μmになるように市販のアクリル系粘着剤を塗工し、乾燥させることにより粘着剤層を形成し、この粘着剤層面に市販の透明ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(リケンテクノス製「ツヤFC025」、厚み50μm)を貼り合わせ、本発明の粘着フィルム(実施例2)を製造した。
〔比較例4〕
剥離ライナーとして、上記比較例1と同じ上質紙ベース剥離ライナー1を使用し、この剥離ライナー1の表面に、上記実施例2と同様にして、粘着剤層(40μm)を形成し、上記のPVCフィルム(50μm)を貼り合わせ、粘着フィルム(比較例4)を作製した。
〔比較例5〕
剥離ライナーとして、上記比較例2と同じ上質紙ベース剥離ライナー2を使用し、この剥離ライナー2の表面に、上記実施例2と同様にして、粘着剤層(40μm)を形成し、上記のPVCフィルム(50μm)を貼り合わせ、粘着フィルム(比較例5)を作製した。
〔比較例6〕
剥離ライナーとして、上記比較例3と同じPET製剥離ライナーを使用し、この剥離ライナーの表面に、上記実施例2と同様にして、粘着剤層(40μm)を形成し、上記のPVCフィルム(50μm)を貼り合わせ、粘着フィルム(比較例6)を作製した。
上記実施例1,2及び比較例1〜6の粘着フィルムの層構成を以下に要約する。
実施例1:PPフィルム/アクリル系粘着剤層/マットフィルム60
比較例1:PPフィルム/アクリル系粘着剤層/上質紙ベース剥離ライナー1
比較例2:PPフィルム/アクリル系粘着剤層/上質紙ベース剥離ライナー2
比較例3:PPフィルム/アクリル系粘着剤層/PET製剥離ライナー
実施例2:PVCフィルム/アクリル系粘着剤層/マットフィルム60
比較例4:PVCフィルム/アクリル系粘着剤層/上質紙ベース剥離ライナー1
比較例5:PVCフィルム/アクリル系粘着剤層/上質紙ベース剥離ライナー2
比較例6:PVCフィルム/アクリル系粘着剤層/PET製剥離ライナー
以下の表1には、当該表1に記載される方法にて測定された、上記実施例1,2及び比較例1〜6の粘着フィルムについての粘着力及び、基材表面の表面粗さが示されている。
上記表1に示された実施例1と比較例1〜3との比較、実施例2と比較例4〜6との比較から、半球状凹部を設けた剥離ライナーを用いると、従来の格子状凸部を設けた剥離ライナーを用いる場合よりも粘着フィルムの支持体表面(粘着剤層とは逆の表面)を平坦にすることができ、表面粗さについては、剥離面が平坦な剥離ライナーを用いる場合と同等であることが分かった。特に、実施例2と比較例4〜6から、支持体が柔らかいポリ塩化ビニルフィルム等である場合には、支持体表面を平坦にでき、美観を向上させることができる。
SUSに対する粘着力測定については、実施例1、2共に初期粘着力、24時間での粘着力が同じ厚さ・種類の粘着剤層を用いた比較例に比べて低いことが分かった。
〔微粒子の粒子径を変化させて製造した粘着フィルムの粘着力及び光学特性測定〕
前記の「マットフィルム60」の他に、前記製造方法と同様の方法により、直径150μmの微粒子を用いて剥離ライナー「マットフィルム150」を製造した。
この「マットフィルム150」における凹部の開口径は約80〜120μmで、深さは40〜60μm程度(直径の1/2以下)で、凹部の面積が占める割合は44.7%であった。
上記の2つの剥離ライナー(マットフィルム60及び150)を準備し、各剥離ライナーの凹部形成面に、コーターを用いて乾燥後の膜厚が40μmになるように市販のアクリル系粘着剤を塗工し、乾燥させることにより粘着剤層を形成し、この粘着剤層面に市販のポリエステルフィルム(東洋紡製E5001、厚み50μm)を貼り合わせ、2種類の粘着フィルムを製造した。
上記の各粘着フィルムについて、下記の表2に記載される測定方法により粘着力(20分値、24時間値)を測定し、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。
尚、芯材のポリエステルフィルム単体でのヘイズは2.2%であった。
上記表2の測定結果から、粘着力は凹部の開口径が大きい方が20分値及び24時間値ともにやや大きくなることが分かった。また、同じ支持体及び粘着剤を用いた場合であっても、凹部の開口径が変わることによってヘイズ値及び全光線透過率が変わることが確認された。
〔参考例:エンボス加工による剥離ライナーの作製〕
エンボス加工により、半球状の凹部が行列状に形成された剥離ライナーの作製を試みた。まず、レーザー加工及びサンドブラスト等の公知の方法を組み合わせて、表面に半球状の凸部が表面に多数形成された金属製のエンボス用テストピースの作製を試みた。凸部の底面径を60μm、凸部の高さを30μmにすることを目指したが、凸部の表面は段差が目立ち、凸部を精度良く半球状に加工することができなかった。
次に、作製されたテストピースを用いたエンボス加工により、厚さ38μm及び50μmのPETフィルムに半球状の凹部を形成することを試みた。エンボス加工の際のラインスピード(LS)は1m/min、圧力は9.8×10N(=1.0t)、温度は80℃〜180℃とした。PETフィルムのエンボス加工面の評価は、キーエンス社製デジタルマイクロスコープを用いて撮影した1000倍の拡大画像により行った。各温度条件でのエンボス加工の結果を以下の表3に示す。
表3に示す結果から、加工温度を150℃以上にすればPETフィルムの全面に凹部を形成させることができることが分かった。なお、PETフィルムを用いる場合、180℃が加工が可能な上限温度であった。
図5には、粒子径が異なる2種類の微粒子を用いて製造された剥離ライナー(マットフィルム60、150)から得られた粘着フィルムの、セパレータシリコーン面(剥離ライナーの離型面)及び、粘着面を顕微鏡観察した際の顕微鏡画像が示されており、これらの顕微鏡画像から、本発明の製造方法により製造された剥離ライナーを用いることによって形成された粘着剤層表面(粘着面)には、径が60〜120μmで、高さが径の1/2よりも小さい半球面状の凸部がランダムに配置されていることが確認された。
一方、図6(a)は、110℃でエンボス加工された厚さ50μmのPETフィルムのエンボス加工面を示す顕微鏡画像であり、図6(b)は、150℃でエンボス加工された厚さ50μmのPETフィルムのエンボス加工面を示す顕微鏡画像である。
図6(a)及び図6(b)に示すように、PETフィルムに形成される凹部の開口径はほぼ目標通り(約60μm)であったが、凹部の深さは1μm〜2μm程度であり、目標値である20μm〜30μmに遠く及ばないことが分かった。
以上の結果から、凸部の直径が200μm以下と小さい場合には、エンボス加工によって目標通りの半球面を有する凹部を形成するのが困難であることが確認できた。
〔エア抜け性の評価〕
本発明の製造方法により製造された剥離ライナーを備えた粘着フィルムと、エンボス加工された剥離ライナーを備えた粘着フィルムについて、以下の方法によりエア抜け性の比較試験を行った。
・試験方法
上述のマットフィルム60、150、エンボス加工により作製された参考例に係る剥離ライナー、上質紙ベースの剥離ライナー1、上質紙ベースの剥離ライナー2及び平坦な剥離面を有する剥離ライナー(東洋紡社製E7002、厚み38μm)のそれぞれの離型面上に厚さ40μmのアクリル系粘着剤を塗工し、乾燥させてから、支持体であるPVCフィルム(リケンテクノス製「ツヤFC025」、厚み50μm)を粘着面に貼り合わせた。
このようにして作製された粘着フィルムから30mm×50mmの試験片を切り出し、それぞれの試験片から剥離ライナーを剥がして試験片の四隅を樹脂板に貼り付けた。その後、スキージを用いて一方向に向かって試験片を押さえることで、樹脂板との間の空気を追い出した。
判定は目視によって行い、粘着フィルムと樹脂板との間に空気によって生じた凹凸が見られない場合(基材にエアの凹凸なし)は「優」とし、粘着フィルムと樹脂板との間に空気による小さい凹凸が見られた場合(基材にエアの凹凸あり)は「良」とし、粘着フィルムと樹脂板との間に空気による大きな凹凸が見られた場合(基材に大きな凹凸となってエアが残る)は「不良」とした。
・試験結果
図7は、エア抜け性試験の結果を示す図であり、スキージを用いて空気を追い出した後の各フィルムの外観が写真により示されている。同図に示すように、マットフィルム60を用いた粘着フィルムは、格子状の凹凸パターンが形成された剥離ライナー1、2を用いた粘着フィルムと同等の良好なエア抜け性を示すことが確認できた。また、マットフィルム150を用いた粘着フィルムでも、平坦な剥離面を有する剥離ライナーを用いる場合に比べてエア抜け性が改善されることが分かった。これに対し、凹部をエンボスによって形成された剥離ライナーを用いて作製された粘着フィルムでは、樹脂板との間から空気を十分に抜くことができなかった。
上記の評価結果から、本発明の製造方法により製造された剥離ライナーを備えた粘着フィルムは、粘着剤層の表面に形成された凸部によって、エンボス加工された剥離ライナーを備えた粘着フィルムよりも、優れたエア抜け性を有するものであることが確認された。
本発明の製造方法を用いて製造された剥離ライナーは、エアー噛みの発生が抑制され、貼付後の美観が損なわれにくく、印刷用粘着フィルムや、ガラス等に貼付される拡散フィルム、部材の保護用フィルム等として用いられる粘着フィルムの作製に有用である。
1 保持材(基材)
2 基材フィルム
2a 凹部が形成された基材フィルム
3 凹部
5 粘着剤層
6 微粒子
7 支持体(芯材)
9 離型剤層
10 剥離ライナー
11 樹脂フィルム
13 ラミネート層
15 凸部

Claims (9)

  1. 基材フィルムの一方の表面に、複数の球状の微粒子をランダムに分散させて配置する工程と、
    前記微粒子を分散させた前記基材フィルムの表面をシート状の保持材で覆った状態で加熱しながら圧力を加えることにより、前記微粒子の半球面の一部を前記基材フィルムに埋め込むとともに、前記微粒子と前記保持材とを密着させる工程と、
    前記保持材を前記微粒子と共に前記基材フィルムから除去することにより、前記基材フィルムの表面に、前記微粒子に対応した曲面形状の凹部を形成させる工程と
    を含むことを特徴とする剥離ライナーの製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法において、
    前記凹部を形成させる工程の後、前記基材フィルム上に、前記凹部の内面形状に沿った剥離剤層を形成する工程をさらに備えることを特徴とする剥離ライナーの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法において、
    前記微粒子の平均粒径が、20μm以上200μm以下であることを特徴とする剥離ライナーの製造方法。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の製造方法において、
    前記微粒子の平均粒径が、30μm以上100μm以下であることを特徴とする剥離ライナーの製造方法。
  5. 基材フィルムを備えた剥離ライナーであって、
    前記基材フィルムの一方の表面には、内面が半球面の少なくとも一部により構成される凹部が複数形成されており、
    前記凹部の平均開口径が20μm以上200μm以下であり、
    前記凹部の平均深さが10μm以上100μm以下であり、
    前記凹部が、ランダムに配置されていることを特徴とする剥離ライナー。
  6. 請求項5に記載の剥離ライナーにおいて、
    前記基材フィルムの表面に形成された前記凹部の面積が占める割合が、35%以上85%以下であることを特徴とする剥離ライナー。
  7. 請求項5又は6に記載の剥離ライナーにおいて、
    前記基材フィルムの前記凹部が形成された表面を覆う離型剤層をさらに備え、
    前記離型剤層が、前記凹部の内面形状に沿った曲面形状を有していることを特徴とする剥離ライナー。
  8. 請求項5〜7のうちいずれか1つに記載の剥離ライナーにおいて、
    前記凹部の平均開口径が30μm以上100μm以下であることを特徴とする剥離ライナー。
  9. 請求項5〜8のうちいずれか1つに記載の剥離ライナーと、
    前記剥離ライナーの前記凹部が形成された離型面上に形成された粘着剤層と、
    前記粘着剤層上に積層されたフィルム状の支持体とを備え、
    前記粘着剤層の前記剥離ライナー側の面には、前記凹部に対応した半球体の少なくとも一部に対応する形状を有した凸部が複数形成されていることを特徴とする粘着フィルム。
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