JP4515016B2 - 粘着シート - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着剤層表面に凹凸を設けた粘着シートに関する。特に、被着体に貼り付け時に空気を抱き込み難い「空気抜け容易性」を有する粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に粘着シートの粘着剤層表面は平坦面であり、その為に、被着体に粘着シートを貼り付けるときは、注意して貼らないと空気を抱き込み易い。この様な場合、粘着剤層表面を凹凸面とした粘着シートを使用すれば、粘着剤層表面の凸部と凸部との間に空気の逃げ道ができるので、空気の抱き込みは改善する。この様に粘着剤層表面が凹凸を有し空気を抱き込み難い性質(本明細書では、これを「空気抜け容易性」と称することにする。)を備えている粘着シートとしては、例えば、特許第2994411号公報、実用新案登録第2503717号公報等に開示の粘着シートが挙げられる。例えば、実用新案登録第2503717号公報で開示する粘着シートでは、図4の斜視図で示す粘着シート30の如く、基材シート31上の粘着剤層32の表面の凹凸形状として、その凸部形状が、下端部の外径dが0.3mmで高さhが20μmの凸部32aを、縦横に間隔1mmで散在する様に配列した形状等を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4の様に、隣接する凸部32a間の凹部32bの幅が広いと、粘着シートを被着体に貼着した後には、該凹部32bは粘着剤層と被着体とが接触していない空間(空気抜け層)として残ることになる。この為、貼着後に、凸部の配置がそのまま模様として見えてしまい、美観を損ねるという外観上の問題があった。特に、被着体が透明ガラス等の場合、或いは、基材シートが樹脂シート等で薄い場合等では、前記模様が目立ち易かった。それは、透明ガラスの場合には、特に被着体側から容易に見えてしまい、また、被着体と粘着シートとが共に不透明の場合では、粘着シートの表側面に粘着シートを通して現出する微妙な凹凸として見えてしまうからであった。
【0004】
すなわち、本発明の課題は、貼着時の「空気抜け容易性」を粘着剤層表面の凹凸により確保すると共に、該凹凸による模様が見えてしまい美観を損ねることがない様にすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の粘着シートでは、基材シート上に粘着剤層が設けられた粘着シートにおいて、前記基材シートは、印刷が施されてなり、前記粘着剤層はその表面から外方に突出する多数の凸状体を有し、互いに隣接する凸状体間には溝状の谷部を有し、凸状体の頂上部分から谷部の谷底部分にかけての垂直断面形状が滑らかな連続曲線を成し、且つ谷部の谷底部分が、谷部入口部分である凸状体の肩部分に比べてより尖った形状で、且つ凸状体の高さhと、該凸状体の高さhの半分である1/2hの高さに於ける幅、或いは水平面内で谷部が占める面積が1/2となる高さに於ける幅を溝状の谷部の幅wとしたとき、w≦hである、構成とした。
【0006】
この様な構成とすることで、粘着剤層表面に凸状体によって形成される凹凸によって、空気抜け容易性が確保される。しかもその上、凸状体頂上の部分から谷部の谷底部分にかけての垂直断面形状を滑らかな連続曲線形状とし、更に谷部の幅wを凸状体の高さh以下(つまり同等又はそれ未満)とし、且つ、谷底部分を谷部入口部分(凸状体の肩部分)よりも尖った形状としてあるので、貼着時に粘着シートを被着体に押しつける圧力で、谷部の両側の凸状体を谷部に向かってせり出させて、谷部内の空気を谷底部分も含めて容易に抜きながら谷部を消滅させる事ができる。また、仮に谷部が残ったとしても(凸状体の高さも含めた粘着剤層の厚みはせいぜい数十μmオーダーであるので)、谷底部分に空気を抱き込み難く、しかも谷部は極小さくなる。従って、貼着後の粘着剤層表面の凹凸は残り難く、また、仮に残ったとしても谷部は僅かとなり、粘着剤層の表面凹凸が貼着後に美観を損ねるのを防げる。
【0007】
また、本発明の粘着シートは、上記構成に於いて更に、前記凸状体が平坦な天面部を有し、該天面部の面積が1〜100mm 2 である構成とした
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
〔概要〕
本発明の粘着シートは、その或る一形態を概念的に例示する図1の断面図で示される粘着シート10の如く、基材シート1上に粘着剤層2が設けらており、該粘着剤層2は、その表面から外方(図面上方)に突出する多数の凸状体2aを有し、互いに隣接する凸状体2a間には溝状の谷部2bを有する。しかも、凸状体2aの頂上部分から谷部の谷底部分にかけての垂直断面形状が滑らかな連続曲線を成し、且つ谷部の谷底部分2bvが、谷部入口部分である凸状体の肩部分2asに比べてより尖った形状で、且つ谷部の幅wと、凸状体2aの高さhとの関係が、w≦hとなる様な表面凹凸形状としてある。
なお、本発明の粘着シート10としては、更に、好ましくは、図面の如く、粘着剤層2の表面上には、粘着剤層2表面の凹凸形状とは逆凹凸形状の離型面を有する離型シート3を積層した構成とする。
【0010】
〔粘着剤層の表面凹凸形状〕
先ず、谷部の谷底が、尖った形状とは、曲率半径の大小で表すことができる。すなわち、図2の断面図で概念的に示す如く、(垂直断面形状に於ける)谷底部分の曲率半径Rvが、谷部の入口部分である凸状体の肩部分の曲率半径Rsよりも小さい事(Rv<Rs)である。曲率半径を計る位置は、谷底部分ではその中心で最も深い部分であり鉛直方向の半径となる位置とすれば良く、肩部分は、凸状体2aの頂上部分から凸状体乃至は谷部分の斜面へ至る部分の中間位置、具体的には曲率半径の方向が水平面から上(離型シート側)に45度の方向となる位置とすれば良い。
【0011】
次に、凸状体の高さhとは、注目する(垂直)断面において、凸状体の底部(=谷部の谷底)と、凸状体の頂上との高低差である。
一方、谷部の幅wとは、谷部の側面に斜面を有する場合では、図2で示す如く、凸状体2aの高さh(=谷部2bの深さ)の半分である1/2hの高さに於ける幅で代表させると良い。なお、水平面内で、谷部が占める面積が1/2となる高さに於ける幅で代表させる事も可能である。なお、凸状体の頂上部分から谷部の谷底部分にかけての垂直断面形状は滑らかな連続曲線とするので、谷部の側面には少なくとも斜面を有することになるが、側面の一部に垂直面があっも良い。
但し、谷底に近くなる程幅が漸減する様な側面(斜面)として垂直面が無い方が、谷底部分の空気をより逃がし易い点で好ましい。
【0012】
図3は、粘着剤層の表面凹凸形状について、その垂直断面形状として肩部分から谷底部分に至る形状において、本発明に該当する形状(図中「OK」)と、該当しない形状(図中「NG」)との幾つかを概念的に例示する断面図である。
【0013】
図3(A)の形状は、該当(OK)形状の一例であり、谷底部分での曲率半径Rvが肩部分の曲率半径Rsより若干小さい(同程度)場合であり、また、凸状体の頂上部分に平坦な天面部を有する場合でもある。
図3(B)の形状は、該当(OK)形状の一例であり、谷底部分での曲率半径Rvが肩部分の曲率半径Rsより小さい場合である。
図3(C)の形状は、該当(OK)形状の一例であり、Rv<Rsではあるが、谷(或いは凸状体)の側面が、その一部に垂直面を有する形状である。
図3(D)の形状は、非該当(NG)形状の一例であり、肩部分から側面にかけては滑らかな曲線であるが、谷底が或る広さを持った平坦面を有する結果、全体としては滑らかな曲線では無い場合である。
図3(E)の形状は、非該当(NG)形状の一例であり、谷底部分から側面にかけては滑らかな曲線であるが、肩部分が折れ曲がっており、全体としては滑らかな曲線では無い場合である。
図3(F)の形状は、非該当(NG)形状の一例であり、谷底部分での曲率半径Rvが肩部分の曲率半径Rsより逆に大きい場合である。
なお、図3(A)〜(F)は、尖った形状を主体として概念的に例示するものであり、凸状体の頂上部分に関しては平坦の場合で例示し、谷部(或いは凸状体)の側面に関しては直線部分を含む場合で例示したが、本発明に該当する場合において、頂上部分及び側面部分はこれら形状に限定されるものではない。
【0014】
粘着剤層の表面凹凸形状を、上述した如き特定形状に規定することで、幅に対して深くした谷部は、貼着時に粘着シートを被着体に押しつける圧力で、谷部の両側の凸状体を谷部に向かってせり出させて、谷底部分に空気を残さない様にして、谷部を消滅させることができる。また、仮に谷部が残ったとしても谷底部分の空気は残さずに谷部を極小さくできる。この結果、粘着剤層の表面凹凸形状は貼着後には残らないか或いは残り難く極僅かとなり、粘着剤層の表面にあった凹凸の残存によって、美観を損ねるのを防げる様になる。
【0015】
粘着剤層の表面凹凸形状としては、上述した特定形状とする以外は、特に制限は無い。但し、谷部は少なくとも貼着時は空気抜け層として、空気を逃がす道を作る必要がある事から、散発的に点在していたのでは、用を成さない。この為、谷部は、空気の逃げ道が出来る様に水平面内で連続している、つまり「溝状」を成す必要がある。谷部の連続性は、最低限、貼着時に空気が逃げ得る程度の距離(少なくとも5mm以上、より好ましくは10mm以上)は連続しているのが好ましいが、連続部分の終端での空気の抱き込みを回避する点で、より好ましくは、粘着シートの全水平面に亘って端から端まで連続しているのが良い。
【0016】
次に、凸状体2aの水平面での水平断面形状は、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等の正多角形を含む多角形、円形、楕円形、或いは有限幅で無限長又は有限長の線形状(直線や曲線)等である。凸状体の垂直断面形状は、近似的に(凸状体頂上部分から谷部の谷底部分まで滑らかに連続曲線とするので、例えば台形では厳密にはそうならないが、これらの角を丸めた様な形状という意味での例示として)、台形、半円形、半楕円形、三角形等である。また、各凸状体の水平面での水平断面形状は、不揃いであっても良い。
また、凸状体の水平面内での配置は、格子状等と規則的に配列しても良いし、不規則に配置しても良い。
一方、谷部の形状は、凸状体の形状及びその配置に応じた形状となる。
【0017】
ところで、凸状体2aの具体的な大きさは、用途によるが、通常、その高さhは、3〜50μm、より好ましくは10〜100μmである。高さhが10μm未満、特に3μm未満であると十分な空気抜け容易性を確保できず、逆に100μm超過であると、たとえ、滑らかで深さが深く尖った谷部を設けたとしても、粘着剤層面の凹凸が貼着後も残り美観を損ない易い。
【0018】
また、凸状体が、垂直断面形状が台形の例えば四角錐台状に基く類似形状の場合では、その頂上部分に平坦な天面部2dを有する形状とすることができる(図1参照)。その場合には、天面部があまりに広いと、せっかく谷部によって空気抜け容易性を確保できたとしも、天面部内に於いて空気が残留し易くなる。この為、この様な平面を成す天面部を凸状体がその頂上部分に有する場合には、該天面部の面積を100mm2以下とするのが好ましい。平坦な天面部の面積を100mm2以下とすれば、該天面部に於いても、空気抜け容易性を確保できる。なお、天面部が正方形の場合、100mm2とは、丁度10mm角の正四角形となる。一方、平坦な天面部の場合の該面積の下限は、通常1mm2程度である。該面積が1mm2未満となると、粘着剤層の被着体との接着力(粘着力)が小さくなり過ぎる傾向があるからである。
【0019】
なお、凸状体の頂上部分が、外方に凸の湾曲した三次元曲面である場合には、凸状体には「平坦な天面部」は存在しない。この様な場合には、その頂上の主要部分(例えば、凸状体の高さhの半分2/h以上の部分が占める部分)の水平断面積が100mm2以上であっても、湾曲している為に空気は抜け易く、空気抜け容易性の点では問題になり難い。但し、その分、谷部(空気抜け層)の容積は増加するので、たとえ、貼着時の圧力で谷部容積が減少するにしても、貼着後の粘着シート表面へは凹凸が現出し易くなる傾向となる。
【0020】
次に、谷部の具体的な大きさとして、その幅は、凸状体の高さhとの大小関係から、通常、3〜10μm、より好ましくは10〜100μmとなる。例えば、凸状体の高さhが30μmであれば、谷部の幅wは25μm等とする。
なお、谷部は溝状を呈するが、凸状体の形状及びその配置如何によっては(例えば凸状体として、円錐台をその底部が縦横方向の凸状体同士で一部重なる様に正方格子状に配列した場合等)、谷部が呈する溝の幅は、全ての水平面内の方向で(任意の垂直断面で)均一幅とはならず不均一となる。また、凸状体の高さh(谷の深さ)も、全ての水平面内の方向で(任意の垂直断面で)、不均一となる。
【0021】
また、粘着剤層2が有する多数の凸状体2aは、図1の断面図で例示する粘着シート10の如く、谷部2bの谷底2bvの下側(基材シート1側)にも粘着剤層部分があっても良い。谷底2bvよりも下側の粘着剤層部分を基層2cとすれば、粘着剤層2は、基層2cと該基層2c上の凸状体2aとから構成される。
但し、図示は省略するが、基層2cを省略した構成としても良い。しかし、基層を省略した場合は、隣接する凸状体同士が基層で連結していないので、貼着後、粘着シートが不要になり粘着シートを剥離する際に、粘着剤層(凸状体)の一部が、粘着シートから脱落して被着体側に残って綺麗に剥がし難いという問題が起こることもある。この点で、基層2c上に凸状体2aを設けた構成の粘着剤層2とするのが好ましい。なお、凸状体の高さhには、基層2cの厚みは含まない。注目する断面における凸状体の高さhと、凸状体底部から基材シートまでの基層2cとの合計が粘着剤層2(全体)の厚さとなる。
【0022】
なお、粘着剤層(全体)の厚さは、用途に応じたものとすれば良く、基層2cを設ける場合は該基層も含めて、10μm〜200μm程度である。厚さが10μm未満であると、接着力(粘着力)が不十分となり、逆に200μm超過ではコスト高となる。なお、基層2c部分のみの厚さは、凸状体部分の(最大)高さにもよるが、通常、粘着剤層の厚みの3〜5割程度とする。また、基層の部分の粘着剤は、凸状体の部分の粘着剤と通常は同一材料で同時に形成するが、異なる材料で構成しても良い。
【0023】
〔粘着剤層の材料及び形成法〕
粘着剤層2は、その表面に上述した如き表面凹凸形状を有するものであるが、この様な粘着剤層の形成に用いる粘着剤としては、従来公知のものを用途に応じて適宜使用すれば良い。例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤である。
【0024】
また、上述所望の凹凸形状を表面に有する粘着剤層を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、該凹凸形状とは逆凹凸形状の離型面を有する離型シートを用意して、該離型シート上に粘着剤層を、ロールコート等の公知の塗工法等によって形成するのが、該凹凸形状を容易に形成できる点で好ましい一方法である。基材シートは、離型シート上に粘着剤層を形成して積層シートとした後、この積層シートの粘着剤層面に対して基材シートを貼り付けて積層することで、所望の粘着シートが得られる。
【0025】
〔離型シート〕
次に、離型シート3としては、その離型面が平坦面の離型シートでも、使用することはできる(粘着剤層表面に所望の凹凸形状を形成した後で離型シートを積層する場合で、粘着剤層の谷部と離型シート間には空気が存在する)。しかし、離型シートとしては、粘着剤層表面の凹凸形状に対応した(該凹凸形状とは逆)凹凸形状を離型面に有する離型シートを用いるのが、好ましい。これによって、前記した如く、離型シート上に粘着剤層を塗工法等で形成することで、該粘着剤層表面に所望の凸状体及び谷部による表面凹凸形状を容易に形成できる。しかも、粘着シートの保存時、或いは流通時や使用時等に於いて、凸状体による粘着剤層の表面凹凸が潰れず、その形状維持も容易となる。
【0026】
この様な離型面に所望の凹凸形状を設けた離型シートとしては、離型シートとして従来公知のシートに、エンボス加工等の従来公知の賦形手段を適用することで得られる。なお、肩部分よりも谷底部分をより尖った形状とするには、レジスト、露光、エッチング条件、サンドブラスト、レーザー加工、切削加工等の公知の賦形条件を調整すれば良い。
【0027】
例えば、離型シートの材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート等の樹脂シートや紙等のシートに、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、或いは、ワックス等の離型剤を添加した樹脂等で離型層を積層したもの、或いは、ポリオレフィン系樹脂等のそれ自体が離型性を有する樹脂シート等である。
なお、離型シートの厚みは、用途に応じたものとすれば良く、例えば20〜300μm程度である。
【0028】
離型シートの離型面を、所望の凹凸形状とするには、従来公知のエンボス加工を適用すれば良いが、エンボス加工としては、例えば、加熱されたシートにエンボス版としてエンボスローラを押圧して賦形する方法が代表的である。この他、樹脂シートや紙上への樹脂層の溶融塗工法による成膜時に、その冷却ローラの表面をエンボス面としたエンボスローラを用いる成膜同時賦形法等でも良い。或いは、樹脂層を溶融塗工法に代えて、紫外線や電子線等で硬化する電離放射線硬化性樹脂を用いてその塗工・硬化と同時に、硬化物としての樹脂層に賦形する方法でも良い。また、スクリーン印刷等の公知の印刷法を利用した盛上げ印刷等によって、離型面に所望の凹凸形状を賦形しても良い。
なお、エンボス版に所望の凹凸形状を設ける方法は、機械的な切削法、レーザ加工法等の公知の形成方法によれば良い。
【0029】
〔基材シート〕
基材シート1としては、従来公知のものを用途に応じて適宜採用すれば良い。例えば、樹脂シート、金属箔、或いは、紙、不織布、織布、突板等の繊維質シート等、或いは、これら2種以上の積層シートや、樹脂含浸不織布等の様な複合シート等からなるシートである。なお、樹脂シートは、透明(無着色、着色)、不透明、半透明等のシートを用いる。なお、基材シートの厚みは、用途に応じたものとすれば良く、例えば、5〜500μm程度、通常は20〜300μm程度である。
【0030】
なお、粘着シートには、必要に応じて適宜、絵柄や凹凸等による模様、印字、コード、記号、画像等による可視或いは不可視情報を、公知の印刷・塗工手段等により施した構成としても良い。通常、これらは基材シートの片面(表面或いは裏面)、或いは両面に対して施される。絵柄等の模様を施したものは、建材用途にて化粧シートとして使用され得る。なお、模様とする絵柄には、全面着色等の全面ベタ模様もある。また、不可視情報とは、例えば、蛍光インキや赤外線吸収インキの印刷等による紫外線や赤外線照射にて判読可能な模様や文字等の情報等である。
【0031】
また、粘着シートには、必要に応じて、各種機能性を付与した構成としても良い。機能性としては、例えば、耐摩耗性、耐擦傷性、耐汚染性、防曇性、反射防止性、帯電防止性、断熱性、抗菌性、電磁波シールド性等である。これらは、その機能に応じて、樹脂シート等の基材シート中に、それに必要な物質を添加するか、基材シート上に該物質或いは該物質を添加したインキや塗液等の層を形成する等して実現する。例えば、耐摩耗性や耐擦傷性等は、シリカ等の耐摩剤を、樹脂シート中に添加するか、該耐摩剤を含む塗液で基材シート表面に塗工形成するる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
【0033】
〔実施例1〕
図1及び図3(B)の如き粘着シート10を次の様にして作製した。
先ず、離型シートとして、厚み150μmのポリプロピレン系樹脂シートの離型面とする面に対して、エンボスローラを用いて、所望の粘着剤層表面凹凸形状と逆凹凸形状の凹凸を形成して、離型シート3を得た。離型シートの離型面には、水平断面形状が縦横約5mmで角を丸めた正方形で深さが30μmの凹部(粘着剤層で凸状体2aとなる)と、この凹部と凹部との間(粘着剤層で溝状の谷部2bとなる)には、半分の深さ部分での幅が15μmで正方格子を成す峰状の凸部を全面に有し、凸部の峰中央部分から凹部中央部分にかけて、その断面形状は滑らかな連続曲線を無し、峰及び凹部の中央部共に丸みを帯びた形状である。
【0034】
次に、上記離型シート3の凹凸が形成された離型面に対して、粘度1Pa・s(1000cps)のアクリル系2液型粘着剤を、離型面の凹部を完全に充填し、更にその上に粘着剤層として20μmの厚さになる様に塗布し、120℃で1分間乾燥して粘着剤層2を形成して、離型シートと粘着剤層とが積層された積層シートを得た。
【0035】
そして、上記積層シートの粘着剤層2の面に、基材シート1として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシートをラミネータを用いて貼り合わせて、図1の断面図の如き、所望の粘着シート10を得た。
【0036】
この粘着シートの粘着剤層2は、厚さ20μmの基層2cの上(離型シート側)に、水平断面形状が縦横約5mmで頂上部が面積25mm2の平坦で角が若干丸みを帯びた正方形の天面部を成し高さhが30μmで垂直断面が図1の如き角を丸めた台形状の四角錐体の凸状体2aを、正方格子状に多数配置した表面凹凸形状を有する。また、縦横で隣接する凸状体の間には、全面に走る溝状の谷部2bを有するが、凸状体の天面部から谷部の谷底までは、図3(B)の断面図の様に、その断面形状が滑らかな連続曲線を呈し、谷部は谷底に近いほど幅が狭くなる傾斜した側面を有し、h/2の部分に於ける幅wが15μmで、谷底部分は凸状体の肩部分より尖っているが丸みを帯び平坦部分が無い形状をしている。
【0037】
〔実施例2〕
実施例1に於いて、エンボス時の離型シートの離型面の凹凸形状を変更して、次の如き表面形状の粘着剤層とした他は、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。凸状体は天面部の大きさを縦横6mm(面積36mm2)で、高さhを50μm、谷部は幅wを40μmに変更。
【0038】
〔比較例1〕
実施例1に於いて、エンボス時の離型シートの離型面の凹凸形状を変更して、次の如き表面形状の粘着剤層とした他は、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。凸状体は天面部の大きさを縦横5mm(面積25mm2)で、高さhを20μm、谷部は幅wを30μmに変更。
【0039】
〔比較例2〕
実施例1に於いて、エンボス時の離型シートの離型面の凹凸形状を変更して、次の如き表面形状の粘着剤層とした他は、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。凸状体は天面部の大きさを縦横7mm(面積49mm2)で、高さhを30μm、谷部は幅wを50μmに変更。
【0040】
〔比較例3〕
実施例1に於いて、エンボス時の離型シートの離型面の凹凸形状を変更して、次の如き表面形状の粘着剤層とした他は、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。凸状体は天面部の大きさを縦横5mm(面積25mm2)で、高さhを40μm、谷部は幅wを35μm、谷部の尖り具合は図3(F)の如く、肩部分よりも緩く尖っていない形状に変更。
【0041】
〔性能評価〕
上記各実施例及び比較例の粘着シートを、それぞれ、透明ガラス板にゴム製スキージでしごいて空気を抜きながら貼り付けて、24時間放置後の、空気残りと面状態(粘着剤層の表面凹凸による模様の可視性)とを、目視観察して評価した。評価結果は、表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004515016
【0043】
表1の如く、各実施例はいずれも、空気残り無く空気抜け容易性は良好であり、また、面状態も良好で美観を損ねる事は無かった。しかしながら、比較例は、いずれも、空気抜け容易性と面状態と両方共に良好なものは無かった。すなわち、比較例1及び2は空気抜け容易性こそ良好であるものの、面状態が悪かった。また、谷底が尖って無く緩い形状の比較例3は、面状態は良好であるものの、若干空気が残り、空気抜け容易性は若干劣った。
【0044】
【発明の効果】
(1)本発明の粘着シートによれば、空気抜け容易性が確保される上、しかも、貼着後には、空気抜け容易性の為に設けた粘着剤層表面の凹凸は消滅乃至は極僅かとなり、該凹凸によって美観が損なわれるのを防げる。しかも、粘着剤層に設けた谷部の谷底部分も容易に空気を抜きながら谷部を消滅させる事ができる。従って、空気抜け容易性と美観の両立が図れる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による粘着シートを概念的に説明する断面図。
【図2】本発明による粘着剤層の表面凹凸形状を概念的に説明する断面図。
【図3】粘着剤層の表面凹凸形状について、該当/非該当を概念的に例示する断面図。
【図4】従来の粘着シートの一例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 基材シート
2 粘着剤層
2a 凸状体
2as 肩部分
2b 谷部
2bv 谷底部分
2c 基層
2d (平坦な)天面部
3 離型シート
10 粘着シート
30 粘着シート
31 基材シート
32 粘着剤層
32a 凸部
32b 凹部
h 凸状体の高さ(=谷部の深さ)
Rs 肩部分の曲率半径
Rv 谷底分の曲率半径
w 谷部の幅

Claims (2)

  1. 基材シート上に粘着剤層が設けられた粘着シートにおいて、
    前記基材シートは、印刷が施されてなり、前記粘着剤層はその表面から外方に突出する多数の凸状体を有し、互いに隣接する凸状体間には溝状の谷部を有し、凸状体の頂上部分から谷部の谷底部分にかけての垂直断面形状が滑らかな連続曲線を成し、且つ谷部の谷底部分が、谷部入口部分である凸状体の肩部分に比べてより尖った形状で、且つ凸状体の高さhと、該凸状体の高さhの半分である1/2hの高さに於ける幅、或いは水平面内で谷部が占める面積が1/2となる高さに於ける幅を溝状の谷部の幅wとしたとき、w≦hである、粘着シート。
  2. 前記凸状体が平坦な天面部を有し、該天面部の面積が1〜100mm2 であることを特徴とする請求項1記載の粘着シート。
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