JP7156427B2 - エレベータの制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、乗りかご内の総荷重を検出又は算出することが可能なエレベータの制御技術に関する。
エレベータには、圧縮バネなどの弾性体により、乗りかごを吊すための主ロープの端部がヒッチ部にて弾性的に支持されたものが存在する。そして、そのようなエレベータの制御技術の1つとして、当該弾性体の変位量をロードセルなどの検出部で検出し、その変位量の検出値に基づいて乗りかご内の総荷重を算出する技術が存在する。しかし、上記のエレベータにおいては、ヒッチ部にかかる主ロープの重量が乗りかごの位置に応じて変化するため、乗りかご内の実際の総荷重に変化がなくても、弾性体の変位量は、乗りかごの位置に応じて変化してしまう。このため、総荷重の算出値も、乗りかごの位置に応じて変化してしまう、という問題があった。そこで、例えば特許文献1には、総荷重の算出値を、乗りかごの位置に応じて補正することにより、乗りかごの位置が変化することによる影響を総荷重の算出値から排除しようとする技術が提案されている。
特開2012-162348号公報
一方、本発明者らは、上述した問題を解決するための技術として、上記特許文献1に開示された技術とは別の技術を提案している。具体的には、本発明者らは、乗りかごへの乗車又は当該乗りかごからの降車を利用者が行うごとに、その乗りかごに生じた荷重変化量を上記弾性体の変位量に基づいて検出し、乗車時に得た荷重変化量の検出値の絶対値を加算する演算と、降車時に得た荷重変化量の検出値の絶対値を減算する演算とにより、乗りかご内の総荷重を算出する技術を提案している。
また、本発明者らは、そのような技術を開発する過程で、別の問題があることを見出した。具体的には、本発明者らは、同一人物が乗りかごの乗降を行う場合であっても、荷重変化量の検出値の絶対値が乗車時と降車時とで相違することがあり、そのような相違も総荷重の算出値に影響を及ぼし得る、という問題があることを見出した。
尚、本発明者らが提案する上記技術は、乗りかごの床下に設けられた防振ゴムの変位量を検出して乗りかご内の総荷重を算出する技術にも適用することができ、その場合にも上記と同様の問題が起こり得る。
そこで本発明の目的は、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず、乗車時と降車時とで乗りかごに生じる荷重変化量の検出値の絶対値が相違することがある場合でも、そのような相違による影響を総荷重の算出値から排除できる技術を提供することである。
本発明に係る制御システムは、第1検出部と、演算処理部と、乗車履歴と、補正処理部と、を備える。第1検出部は、乗りかごに生じた荷重変化量を検出する。乗りかごに利用者が乗車するごとに第1検出部で得られる荷重変化量の検出値の絶対値を第1荷重変化量とし、且つ、乗りかごから利用者が降車するごとに第1検出部で得られる荷重変化量の検出値の絶対値を第2荷重変化量として、演算処理部は、第1荷重変化量の加算と第2荷重変化量の減算とにより、乗りかご内の総荷重を算出する。ここで、「検出値の絶対値」という文言は、絶対値を求めるための演算が必須であることを意図したものではなく、検出値が正の値である場合には、絶対値を求めるための演算を行わずに、その検出値をそのまま当該検出値の絶対値として使用する場合を含み得ることを意図したものである。乗車履歴には、第1検出部で得られる第1荷重変化量のうちの少なくとも一部が記録される。補正処理部は、演算処理部での減算に用いられる第2荷重変化量を、乗車履歴に基づいて補正する。
上記制御システムによれば、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量と第2荷重変化量とが互いに相違することがある場合でも、降車時の演算(減算)に用いられる第2荷重変化量が、乗車履歴内の第1荷重変化量に基づいて補正されるため、補正後の第2荷重変化量は、乗車時の演算(加算)で用いられた第1荷重変化量に一致した値又はそれに近い値になりやすくなる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量と第2荷重変化量との差が、当該第2荷重変化量の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重の算出値には差が蓄積されにくくなる。
上記制御システムにおいて、乗車履歴には、第1検出部で得られる第1荷重変化量のうちの最大値と最小値とが記録されてもよい。そのような構成において、補正処理部は、演算処理部での減算に用いられる第2荷重変化量を、乗車履歴内の最大値より大きい場合には当該最大値と同じ値に補正し、乗車履歴内の最小値より小さい場合には当該最小値と同じ値に補正してもよい。
この構成によれば、第2荷重変化量のうちの、乗車履歴内の最大値及び最小値をそれぞれ上限値及び下限値とする所定範囲から外れたものが、乗車履歴内の最大値又は最小値と同じ値に補正されることになる。従って、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第2荷重変化量が第1荷重変化量から大きく外れることがある場合でも、降車時の演算(減算)に用いられる第2荷重変化量は全て、上記所定範囲内に収まることになる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量と第2荷重変化量との差が、当該第2荷重変化量の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重の算出値には差が蓄積されにくくなる。また、乗車履歴には、最大値及び最小値の2つの情報を記録するだけでよいため、乗車履歴を保存しておく記憶部においてメモリ容量が小さくて済む。
上記制御システムにおいて、乗車履歴には、乗りかごに利用者が乗車するごとに第1検出部で得られる第1荷重変化量が記録されてもよい。そのような構成において、補正処理部は、演算処理部での減算に用いられる第2荷重変化量を、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量のうちの最大のものより大きい場合には当該最大のものと同じ値に補正し、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量のうちの最小のものより小さい場合には当該最小のものと同じ値に補正してもよい。
この構成によれば、第2荷重変化量のうちの、乗車履歴内の最大の第1荷重変化量及び最小の第1荷重変化量をそれぞれ上限値及び下限値とする所定範囲から外れたものが、乗車履歴内の最大又は最小の第1荷重変化量と同じ値に補正されることになる。従って、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第2荷重変化量が第1荷重変化量から大きく外れることがある場合でも、降車時の演算(減算)に用いられる第2荷重変化量は全て、上記所定範囲内に収まることになる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量と第2荷重変化量との差が、当該第2荷重変化量の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重の算出値には差が蓄積されにくくなる。
また、上記構成において、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量のうちの第2荷重変化量の補正に用いられたもの(即ち、補正に用いられた時点で最大又は最小であったもの)が、乗車履歴から削除されていってもよい。ここで、上記構成においては、乗りかごに利用者が乗車するごとに第1荷重変化量が乗車履歴に記録されるため、乗車時に得られた第1荷重変化量は何れも、乗車履歴に一旦記録されることになる。従って、上記のように乗車履歴から第2荷重変化量の補正に用いられたものが削除されていくことにより、当該補正の都度、乗車履歴内の最大又は最小の第1荷重変化量が更新され、その結果として上記所定範囲が狭められていく。そして、その後の降車時の演算(減算)では、更新後の乗車履歴が参照されるため、当該演算に用いられる第2荷重変化量が、狭められた所定範囲内に収められることになる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量と第2荷重変化量との差が、補正によって更に小さくなりやすく、総荷重の算出値には差がより蓄積されにくくなる。
上記制御システムにおいて、乗車履歴には、乗りかごに利用者が乗車するごとに第1検出部で得られる第1荷重変化量が記録されてもよい。このような構成において、補正処理部は、乗りかごから利用者が降車するごとに、演算処理部での減算に用いられる第2荷重変化量を、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量のうちの最も近いものと同じ値に補正してもよい。
この構成において、降車時の演算(減算)に用いられる第2荷重変化量と、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量のうちの当該第2荷重変化量に最も近いものとは、同一人物について乗降時に第1検出部で得られたものである可能性が高い。従って、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量と第2荷重変化量とが互いに相違することがある場合でも、第2荷重変化量は、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量のうちの最も近いものと同じ値に補正されることにより、同一人物について得られた第1荷重変化量と同じ値に補正されやすくなる。このため、補正後の第2荷重変化量は、乗車時の演算(加算)で用いられた第1荷重変化量に一致しやすくなる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量と第2荷重変化量との差が、当該第2荷重変化量の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重の算出値には差が蓄積されにくくなる。
上記制御システムにおいて、乗車履歴には、乗りかごに利用者が乗車するごとに、第1検出部で得られる第1荷重変化量と、乗車時の停止階にて登録された行先階と、が互いに対応付けられた状態で記録されてもよい。このような構成において、補正処理部は、乗りかごから利用者が降車するごとに、演算処理部での減算に用いられる第2荷重変化量を、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量のうちの、降車時の停止階に一致する行先階が対応付けられているものを参照して補正してもよい。
この構成によれば、乗車履歴において、乗車時の停止階にて登録された行先階を第1荷重変化量に対応付けておくことにより、第2荷重変化量の補正の際に参照する乗車履歴の範囲を、降車時の停止階を用いて絞ることが可能になる。具体的には、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量の中から、降車時の停止階に一致する行先階が対応付けられているものを、第2荷重変化量の補正に適したもの(即ち、同一人物について得られた第1荷重変化量である可能性の高いもの)として選択することが可能になる。
このように第2荷重変化量の補正で参照する乗車履歴の範囲が絞られることにより、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量と第2荷重変化量とが互いに相違することがある場合でも、第2荷重変化量は、同一人物について得られた第1荷重変化量と同じ値に補正されやすくなる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量と第2荷重変化量との差が、当該第2荷重変化量の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重の算出値には差が蓄積されにくくなる。
上記制御システムは、乗りかごへの乗車又は当該乗りかごからの降車を利用者が行うごとに当該利用者の背丈を検出する第2検出部、を更に備えていてもよい。このような構成において、乗車履歴には、乗りかごに利用者が乗車するごとに、第1検出部で得られる第1荷重変化量と、第2検出部で得られる背丈の検出値と、が互いに対応付けられた状態で記録されてもよい。また、補正処理部は、乗りかごから利用者が降車するごとに、演算処理部での減算に用いられる第2荷重変化量を、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量のうちの、降車時に第2検出部で得られた背丈の検出値と一致する検出値が対応付けられているものを参照して補正してもよい。
この構成によれば、乗車履歴において、乗車時に得られた背丈の検出値を第1荷重変化量に対応付けておくことにより、第2荷重変化量の補正の際に参照する乗車履歴の範囲を、降車時に得られる背丈の検出値を用いて絞ることが可能になる。具体的には、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量の中から、降車時に得られた背丈の検出値と一致する検出値が対応付けられているものを、第2荷重変化量の補正に適したもの(即ち、同一人物について得られた第1荷重変化量である可能性の高いもの)として選択することが可能になる。
このように第2荷重変化量の補正で参照する乗車履歴の範囲が絞られることにより、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量と第2荷重変化量とが互いに相違することがある場合でも、第2荷重変化量は、同一人物について得られた第1荷重変化量と同じ値に補正されやすくなる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量と第2荷重変化量との差が、当該第2荷重変化量の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重の算出値には差が蓄積されにくくなる。
上記制御システムにおいて、乗車履歴に含まれている第1荷重変化量のうちの、補正処理部での第2荷重変化量の補正に用いられたものが、乗車履歴から削除されてもよい。
この構成によれば、第2荷重変化量の補正において、それまでの補正にて使用されたことがある第1荷重変化量が誤って再度使用されてしまうといったことが防止される。また、乗りかごから利用者が降車するごとに、必ず、第2荷重変化量の補正を行い、且つ、当該補正に使用した第1荷重変化量を乗車履歴から削除していくことにより、乗りかごが空になったときには、乗車履歴も空になり、当該乗車履歴内にあった第1荷重変化量が全て、第2荷重変化量の補正に用いられることになる。従って、補正後の第2荷重変化量の総和(即ち、降車時の演算(減算)に用いられた第2荷重変化量の総和)が、乗車履歴内にあった第1荷重変化量の総和(即ち、乗車時の演算(加算)に用いられた第1荷重変化量の総和)に一致することになる。よって、乗りかごが空になったときの総荷重の算出値が、利用者が乗車していないときの実際の値(ゼロ)に近づきやすくなる。
本発明によれば、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず、乗車時と降車時とで乗りかごに生じる荷重変化量の検出値の絶対値(即ち、第1荷重変化量と第2荷重変化量)が相違することがある場合でも、そのような相違による影響を総荷重の算出値から排除できる。
エレベータの全体構成を示した概念図である。 (A)エレベータの各階における乗場の構成を示した概念図、及び(B)乗りかご内の構成を示した概念図である。 第1実施形態で用いられる乗車履歴を例示した概念図である。 第1実施形態で実行される算出処理を示したフローチャートである。 第1実施形態で実行される補正処理を示したフローチャートである。 (A)第2実施形態で用いられる乗車履歴を例示した概念図、及び(B)当該乗車履歴についての更新後の状態を示した概念図である。 第2実施形態で実行される算出処理を示したフローチャートである。 第2実施形態で実行される補正処理を示したフローチャートである。 (A)第3実施形態で用いられる乗車履歴を例示した概念図、及び(B)当該乗車履歴についての更新後の状態を示した概念図である。 (A)第4実施形態で用いられる乗車履歴を例示した概念図、及び(B)当該乗車履歴についての更新後の状態を示した概念図である。 第5実施形態に係る制御システムが適用されたエレベータの乗場の構成を示した概念図である。 (A)第5実施形態で用いられる乗車履歴を例示した概念図、及び(B)当該乗車履歴についての更新後の状態を示した概念図である。
[1]エレベータの全体構成
図1は、エレベータの全体構成を示した概念図である。また、図2(A)は、エレベータの各階における乗場の構成を示した概念図であり、図2(B)は、エレベータの乗りかご1内の構成を示した概念図である。これらの図に示されるように、エレベータは、駆動機構2と、検出装置3と、登録装置4と、表示装置5と、エレベータ制御装置6と、を備える。以下、各部の構成について具体的に説明する。
<駆動機構>
駆動機構2(図1参照)は、昇降路内での乗りかご1の昇降を可能にするための機構であり、電動機21と、当該電動機21の動力で回転する綱車22と、当該綱車22に架けられた主ロープ23と、当該主ロープ23の片方の端部23aを支持するヒッチ部24Aと、主ロープ23のもう片方の端部23bを支持する支持部24Bと、釣合重り25と、乗りかご1を支持するプーリ26Aと、釣合重り25を支持するプーリ26Bと、を含んでいる。ここで本実施形態では、圧縮バネなどの弾性体(不図示)がヒッチ部24Aに設けられており、当該弾性体により、主ロープ23の端部23aがヒッチ部24Aにて弾性的に支持されている。また、綱車22の回転による主ロープ23の巻上げに伴ってプーリ26A及び26Bが上下逆方向に同じ距離だけ移動するように、主ロープ23のうちの綱車22とヒッチ部24Aとの間の部分にプーリ26Aが架けられ、主ロープ23のうちの綱車22と支持部24Bとの間の部分にプーリ26Bが架けられている。
このような駆動機構2によれば、電動機21の動力で綱車22が回転することにより、プーリ26A及び26Bが上下逆方向に移動し、それに伴って、プーリ26Aに支持された乗りかご1が、プーリ26Bに支持された釣合重り25と釣り合った状態で昇降路内を昇降する。
<検出装置>
検出装置3(図1参照)は、第1検出部31を含んでいる。ここで、第1検出部31は、乗りかご1への乗車又は当該乗りかご1からの降車を利用者が行うごとに、その乗りかご1に生じた荷重変化量Wを検出する。具体的には、第1検出部31は、ロードセルや距離センサ(近接センサを含む)などのセンサであり、乗りかご1に生じた荷重変化量Wを上記弾性体の変位量に基づいて検出する。尚、第1検出部31は、乗りかご1に生じた荷重変化量Wを検出できるものであれば、ヒッチ部24Aに設けられた弾性体の変位量に基づいて荷重変化量Wを検出するものに限らず、乗りかご1の床下に設けられた防振ゴムなどの弾性体の変位量に基づいて荷重変化量Wを検出するものなどに適宜変更されてもよい。
以下では、乗りかご1に利用者が乗車するごとに第1検出部31で得られる荷重変化量Wの検出値Wdの絶対値を「第1荷重変化量Wd1」とする。また、乗りかご1から利用者が降車するごとに第1検出部31で得られる荷重変化量Wの検出値Wdの絶対値を「第2荷重変化量Wd2」とする。ここで、「検出値Wdの絶対値」という文言は、絶対値を求めるための演算が必須であることを意図したものではなく、検出値Wdが正の値である場合には、絶対値を求めるための演算を行わずに、その検出値Wdをそのまま当該検出値Wdの絶対値として使用する場合を含み得ることを意図したものである。
<登録装置及び表示装置>
登録装置4(図2(A)及び(B)参照)は、各階の乗場に設置された呼びボタン41と、乗りかご1内に設置された行先階ボタン42と、を含んでいる。また、表示装置5(図2(A)参照)は、各階の乗場に設置されている。表示装置5には、乗りかご1内の混雑状況を利用者に伝えるべく、乗りかご1内の混雑度(例えば、乗りかご1内での床面積に対する利用者の占有面積の割合など)が、数字、色、画像などの手段で表示される。尚、表示装置5には、混雑状況の他に、乗りかご1の位置や登録済みの行先階などの様々な情報が表示されてもよい。
<エレベータ制御装置>
エレベータ制御装置6(図1参照)は、乗りかご1の動作を制御する装置であり、記憶部61と制御部62とを有する。記憶部61は、ROMやRAMなどのメモリであり、当該記憶部61には、エレベータの制御に必要な各種情報が保存される。本実施形態では、エレベータの制御に必要な情報の1つとして、乗車履歴Drが記憶部61に保存される。
ここで、乗車履歴Drは、後述する補正処理(第2荷重変化量Wd2の補正)にて参照されるデータであり、乗車時に第1検出部31で得られた第1荷重変化量Wd1のうちの少なくとも一部が記録されたものである。尚、乗車履歴Drの詳細については、後述する具体的な実施形態の箇所で説明する。
制御部62は、CPUなどの処理装置であり、乗りかご1内の混雑状況を利用者に伝えるための制御処理を実行する。具体的には、制御部62は、乗りかご1内の総荷重Wtを算出する算出処理と、総荷重Wtの算出値に基づいて乗りかご1内の混雑状況を表示装置5に表示する表示処理と、を実行する。以下、これらの処理について具体的に説明する。
算出処理は、例えば乗りかご1が何れかの階に着床して乗降可能な状態になるごと(即ち、戸開が完了するごと)に実行される。そして算出処理では、演算処理と、補正処理と、が実行される。
演算処理では、制御部62は、乗りかご1に利用者が乗車するごとに第1検出部31で得られる第1荷重変化量Wd1の加算と、乗りかご1から利用者が降車するごとに第1検出部31で得られる第2荷重変化量Wd2の減算とにより、乗りかご1内の総荷重Wtを算出する。
本発明者らは、このように乗りかご1内の総荷重Wtを算出する技術を提案する一方で、その技術には、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが互いに相違することがあり、そのような相違が総荷重Wtの算出値に影響を及ぼし得る、という問題があることを見出した。そこで、本発明者らは、そのような相違による影響を総荷重Wtの算出値から排除するべく、上記演算処理に加えて、乗車履歴Drを用いた補正処理を更に実行することを提案する。
補正処理では、制御部62は、降車時の演算(減算)に使用する第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Drに基づいて補正する。具体的には、制御部62は、演算処理にて第2荷重変化量Wd2を減算する場合には、適宜、その演算の前に、当該第2荷重変化量Wd2を乗車履歴Drに基づいて補正する。
このような補正処理によれば、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが互いに相違することがある場合でも、降車時の演算(減算)に用いられる第2荷重変化量Wd2が、乗車履歴Dr内の第1荷重変化量Wd1に基づいて補正されるため、補正後の第2荷重変化量Wd2は、乗車時の演算(加算)で用いられた第1荷重変化量Wd1に一致した値又はそれに近い値になりやすくなる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2との差が、当該第2荷重変化量Wd2の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重Wtの算出値には差が蓄積されにくくなる。即ち、第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが相違することによる影響が、総荷重Wtの算出値から排除されやすくなる。
表示処理では、制御部62は、算出処理で得た総荷重Wtの算出値に基づいて、乗りかご1内の混雑度(例えば、乗りかご1内での床面積に対する利用者の占有面積の割合など)を算出し、算出した当該混雑度を、表示装置5に、数字、色、画像などの手段を用いて表示する。この表示処理は、算出処理が完了したとき(例えば、乗りかご1の戸閉が完了したとき)に実行されてもよいし、算出処理の中で演算処理にて総荷重Wtの算出値が得られるごとに実行されてもよい。
本実施形態では、演算処理、補正処理、及び表示処理はそれぞれ、制御部62内に構成される演算処理部62A、補正処理部62B、及び表示処理部62Cによって実行される(図1参照)。具体的には、これらの処理部は、制御部62である処理装置(CPUなど)にプログラムを実行させることによってソフトウェアで構成されるものであり、そのようなプログラムは、記憶部61に保存されている。そして、当該プログラムは、携帯可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリなど)に読取可能な状態で保存され、当該記憶媒体から読み出されたものが記憶部61に保存されてもよいし、他のサーバなどにダウンロード可能に保存され、当該サーバからダウンロードされたものが記憶部61に保存されてもよい。尚、上記の処理部は、エレベータ制御装置6内に制御部62を回路で構築することによってハードウェアで構成されてもよい。
そして、このようなエレベータにおいて、本発明に係る制御システムの一実施形態が、検出装置3と、エレベータ制御装置6と、によって構成される。以下、このような制御システムで実行される制御処理(主に算出処理)の、より具体的な幾つかの実施形態について説明する。
[2]具体的な実施形態
[2-1]第1実施形態
図3は、本実施形態で用いられる乗車履歴Drを例示した概念図である。本実施形態では、第1検出部31で得られる第1荷重変化量Wd1のうちの最大値Wmaxと最小値Wminとが、乗車履歴Drに記録される。
具体的には、エレベータの運行が開始された初期の段階において、乗車履歴Drに最大値Wmax及び最小値Wminが何れも記録されていない場合には、第1検出部31で得られた第1荷重変化量Wd1がそのまま乗車履歴Drに記録される。そして、乗車履歴Drに第1荷重変化量Wd1が2つ記録された時点で、そのうちの大きいほうの値が最大値Wmaxに設定され、小さいほうの値が最小値Wminに設定される。その後、第1検出部31で第1荷重変化量Wd1が検出された場合には、当該第1荷重変化量Wd1が乗車履歴Dr内の最大値Wmaxより大きい場合に、その第1荷重変化量Wd1によって乗車履歴Dr内の最大値Wmaxが更新され、当該第1荷重変化量Wd1が乗車履歴Dr内の最小値Wminより小さい場合に、その第1荷重変化量Wd1によって乗車履歴Dr内の最小値Wminが更新される。
そして補正処理では、制御部62は、降車時の演算(減算)に使用する第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Dr内の最大値Wmaxより大きい場合には当該最大値Wmaxと同じ値に補正し、乗車履歴Dr内の最小値Wminより小さい場合には当該最小値Wminと同じ値に補正する。
以下、本実施形態で実行される算出処理について、図4に示されたフローチャートを用いて具体的に説明する。
算出処理が開始されると、制御部62は、先ず、総荷重変数Xを記憶部61から読み出す(ステップS100)。ここで、総荷重変数Xは、乗りかご1内の総荷重Wtの算出値が格納される変数であり、当該総荷重変数Xには、演算処理(ステップS110又はS130)にて総荷重Wtの新たな算出値が得られるごとに、その新たな算出値が格納される。そして、算出処理にて総荷重変数Xに最後に格納された値は、記憶部61に保存され(ステップS142)、次の算出処理が開始されたときに、ステップS100にて読み出される。
次に、制御部62は、第1検出部31で得られた荷重変化量Wの検出値Wdの絶対値(|Wd|)が所定値W0以上であるか否かを判断する(ステップS101)。ここで、所定値W0は、第1検出部31で荷重変化量Wが検出された場合に、それが利用者の乗降によって生じたものであるのか、或いは、それ以外の要因(例えば、乗りかご1の振動など)で生じたものであるのかを区別するための基準値である。従って、制御部62は、ステップS101にて「所定値W0以上である(Yes)」と判断した場合には、その判断を以て、乗りかご1において利用者の乗降があったと判断できる。そして、制御部62は、ステップS101にて「所定値W0以上である(Yes)」と判断できるまで(即ち、乗りかご1において利用者の乗降があるまで)、ステップS101を繰り返し実行する。
制御部62は、ステップS101にて「所定値W0以上である(Yes)」と判断した場合には、ステップS101での判断に用いた検出値Wdが正と負のどちらの値であるのかを判断する(ステップS102)。ここで、乗りかご1に利用者が乗車した場合には、乗りかご1内の荷重が増えるため、荷重変化量Wの検出値Wdは正の値のほうへ振れることになる。よって、制御部62は、ステップS102にて「正の値である」と判断した場合には、その判断を以て、乗りかご1に利用者が乗車したと判断できる。一方、乗りかご1から利用者が降車した場合には、乗りかご1内の荷重が減るため、荷重変化量Wの検出値Wdは負の値のほうへ振れることになる。よって、制御部62は、ステップS102にて「負の値である」と判断した場合には、その判断を以て、乗りかご1から利用者が降車したと判断できる。
そこで、制御部62は、ステップS102にて「正の値である」と判断した場合には、ステップS101での判断に用いた検出値Wdを第1荷重変化量Wd1として、その第1荷重変化量Wd1を総荷重変数Xに加算することにより、乗りかご1内の総荷重Wtを算出する(ステップS110)。
また、制御部62は、ステップS110での演算(加算)に使用した第1荷重変化量Wd1を用いて乗車履歴Drを更新する。具体的には、制御部62は、先ず、第1荷重変化量Wd1が乗車履歴Dr内の最大値Wmaxより大きいか否かを判断する(ステップS111)。そして、制御部62は、ステップS111にて「大きい(Yes)」と判断した場合には、その第1荷重変化量Wd1を用いて乗車履歴Dr内の最大値Wmaxを更新する(ステップS112)。
また、制御部62は、ステップS111にて「大きくない(No)」と判断した場合には、第1荷重変化量Wd1が乗車履歴Dr内の最小値Wminより小さいか否かを更に判断する(ステップS113)。そして、制御部62は、ステップS113にて「小さい(Yes)」と判断した場合には、その第1荷重変化量Wd1を用いて乗車履歴Dr内の最小値Wminを更新する(ステップS114)。尚、ステップS111及びS113は、前後を逆にして実行されてもよい。
尚、図4に示されてはいないが、エレベータの運行が開始された初期の段階において、乗車履歴Drに最大値Wmax及び最小値Wminが何れも記録されていない場合には、制御部62は、ステップS110の実行後に、当該ステップS110での演算(加算)に使用した第1荷重変化量Wd1をそのまま乗車履歴Drに記録する。そして、制御部62は、乗車履歴Drに第1荷重変化量Wd1を2つ記録できた時点で、そのうちの大きいほうの値を最大値Wmaxに設定し、小さいほうの値を最小値Wminに設定する。
制御部62は、ステップS102にて「負の値である」と判断した場合には、ステップS101での判断に用いた検出値Wdの絶対値(|Wd|)を第2荷重変化量Wd2として、当該第2荷重変化量Wd2の補正(ステップS120)を行った後に、補正後の第2荷重変化量Wd2を総荷重変数Xから減算して乗りかご1内の総荷重Wtを算出する(ステップS130)。
ステップS120では、制御部62は、乗車履歴Drに基づいて第2荷重変化量Wd2を補正する(補正処理)。本実施形態では、制御部62は、第2荷重変化量Wd2のうちの、乗車履歴Dr内の最大値Wmax及び最小値Wminをそれぞれ上限値及び下限値とする所定範囲から外れたものを、乗車履歴Dr内の最大値Wmax又は最小値Wminと同じ値に補正する。以下、具体的に説明する。
図5は、本実施形態で実行される補正処理を示したフローチャートである。補正処理が開始されると、制御部62は、第2荷重変化量Wd2が乗車履歴Dr内の最大値Wmaxより大きいか否かを判断する(ステップS121)。そして、制御部62は、ステップS121にて「大きい(Yes)」と判断した場合には、第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Dr内の最大値Wmaxと同じ値に補正し(ステップS122)、その後、ステップS130(図4)での演算処理へ移行する。
また、制御部62は、ステップS121にて「大きくない(No)」と判断した場合には、第2荷重変化量Wd2が乗車履歴Dr内の最小値Wminより小さいか否かを判断する(ステップS123)。そして、制御部62は、ステップS123にて「小さい(Yes)」と判断した場合には、第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Dr内の最小値Wminと同じ値に補正し(ステップS124)、その後、ステップS130(図4)での演算処理へ移行する。尚、ステップS121及びS123は、前後を逆にして実行されてもよい。
一方、制御部62は、ステップS121にて「大きくない(No)」と判断し、且つ、ステップS123にて「小さくない(No)」と判断した場合には、制御部62は、第2荷重変化量Wd2を補正せずに、ステップS130(図4)での演算処理へ移行する。
そして制御部62は、上述したステップS101(図4)からの一連の処理を、ステップS141にて乗りかご1の戸閉が完了したと判断できるまで繰り返し実行する。また、制御部62は、当該一連の処理を繰り返し実行する過程で、総荷重Wtの算出値が利用者1人分の重量よりも十分に小さい値になった場合や、乗りかご1内の行先階ボタン42で登録された行先階Fdについて未達のものがなくなった場合には、乗りかご1が空になったと判断して、乗車履歴Drから、そこに記録されている最大値Wmax及び最小値Wminを削除してもよい。
このような算出処理によれば、第2荷重変化量Wd2のうちの、乗車履歴Dr内の最大値Wmax及び最小値Wminをそれぞれ上限値及び下限値とする所定範囲から外れたものが、乗車履歴Dr内の最大値Wmax又は最小値Wminと同じ値に補正されることになる。従って、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第2荷重変化量Wd2が第1荷重変化量Wd1から大きく外れることがある場合でも、降車時の演算(ステップS130での減算)に用いられる第2荷重変化量Wd2は全て、上記所定範囲内に収まることになる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2との差が、当該第2荷重変化量Wd2の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重Wtの算出値には差が蓄積されにくくなる。即ち、第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが相違することによる影響が、総荷重Wtの算出値から排除されやすくなる。
また、乗車履歴Drには、最大値Wmax及び最小値Wminの2つの情報を記録するだけでよいため、乗車履歴Drを保存しておく記憶部61においてメモリ容量が小さくて済む。
[2-2]第2実施形態
図6(A)は、本実施形態で用いられる乗車履歴Drを例示した概念図である。本実施形態では、乗りかご1に利用者が乗車するごとに第1検出部31で得られる第1荷重変化量Wd1が、乗車履歴Drに記録される。尚、図6(A)では、乗車履歴Drとして、第1荷重変化量Wd1が大きいものから順にソートされたものが示されている。
補正処理では、制御部62は、降車時の演算(減算)に使用する第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの最大のものより大きい場合には当該最大のものと同じ値に補正し、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの最小のものより小さい場合には当該最小のものと同じ値に補正する。
そして、第2荷重変化量Wd2の補正が行われた場合には、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの当該補正に用いられたものが、乗車履歴Drから削除される(図6(B)参照)。即ち、本実施形態においては、乗りかご1に利用者が乗車するごとに第1荷重変化量Wd1が乗車履歴Drに記録されることにより、乗車時に得られた第1荷重変化量Wd1が何れも乗車履歴Drに一旦記録され、上述した補正の都度、乗車履歴Drから当該補正に用いられた第1荷重変化量Wd1が削除されることにより、乗車履歴Drが更新される。尚、図6(B)では、第1荷重変化量Wd1のうちの最大のもの(60kg)が削除され、2番目に大きかったもの(55kg)が新たに最大になった場合が示されている。
以下、本実施形態で実行される算出処理について、図7に示されたフローチャートを用いて具体的に説明する。尚、以下では、第1実施形態と異なる部分について説明する。
制御部62は、ステップS110の実行後、当該ステップS110での演算(加算)に使用した第1荷重変化量Wd1を乗車履歴Drに追加することにより、当該乗車履歴Drを更新する(ステップS201)。
ステップS120(補正処理)では、制御部62は、第2荷重変化量Wd2のうちの、乗車履歴Dr内の最大の第1荷重変化量Wd1及び最小の第1荷重変化量Wd1をそれぞれ上限値及び下限値とする所定範囲から外れたものを、乗車履歴Dr内の最大又は最小の第1荷重変化量Wd1と同じ値に補正する。以下、具体的に説明する。
図8は、本実施形態で実行される補正処理を示したフローチャートである。補正処理が開始されると、制御部62は、第2荷重変化量Wd2が乗車履歴Dr内の最大の第1荷重変化量Wd1より大きいか否かを判断する(ステップS211)。そして、制御部62は、ステップS211にて「大きい(Yes)」と判断した場合には、第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Dr内の最大の第1荷重変化量Wd1と同じ値に補正し(ステップS212)、その後、ステップS130(図7)での演算処理へ移行する。
また、制御部62は、ステップS211にて「大きくない(No)」と判断した場合には、第2荷重変化量Wd2が乗車履歴Dr内の最小の第1荷重変化量Wd1より小さいか否かを判断する(ステップS213)。そして、制御部62は、ステップS213にて「小さい(Yes)」と判断した場合には、第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Dr内の最小の第1荷重変化量Wd1と同じ値に補正し(ステップS214)、その後、ステップS130(図7)での演算処理へ移行する。尚、ステップS211及びS213は、前後を逆にして実行されてもよい。
一方、制御部62は、ステップS211にて「大きくない(No)」と判断し、且つ、ステップS213にて「小さくない(No)」と判断した場合には、制御部62は、第2荷重変化量Wd2を補正せずに、ステップS130(図7)での演算処理へ移行する。
制御部62は、ステップS130(図7)での演算処理(第2荷重変化量Wd2の減算)の実行後、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの、ステップS212又はS214での第2荷重変化量Wd2の補正に使用したものを乗車履歴Drから削除することにより、当該乗車履歴Drを更新する(ステップS220)。
このような算出処理によれば、第2荷重変化量Wd2のうちの、乗車履歴Dr内の最大の第1荷重変化量Wd1及び最小の第1荷重変化量Wd1をそれぞれ上限値及び下限値とする所定範囲から外れたものが、乗車履歴Dr内の最大又は最小の第1荷重変化量Wd1と同じ値に補正されることになる。従って、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第2荷重変化量Wd2が第1荷重変化量Wd1から大きく外れることがある場合でも、降車時の演算(ステップS130での減算)に用いられる第2荷重変化量Wd2は全て、上記所定範囲内に収まることになる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2との差が、当該第2荷重変化量Wd2の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重Wtの算出値には差が蓄積されにくくなる。即ち、第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが相違することによる影響が、総荷重Wtの算出値から排除されやすくなる。
また、本実施形態では、乗車時に得られた第1荷重変化量Wd1が何れも乗車履歴Drに一旦記録され、上述した第2荷重変化量Wd2の補正(ステップS212又はS214)の都度、当該補正に用いられた第1荷重変化量Wd1(即ち、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの、補正に用いられた時点で最大又は最小であったもの)が、乗車履歴Drから削除される。このように乗車履歴Drから第2荷重変化量Wd2の補正に用いられたものが削除されていくことにより、当該補正の都度、乗車履歴Dr内の最大又は最小の第1荷重変化量Wd1が更新され、その結果として上記所定範囲が狭められていく。そして、その後の降車時の演算(減算)では、更新後の乗車履歴Drが参照されるため、当該演算に用いられる第2荷重変化量Wd2が、狭められた所定範囲内に収められることになる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2との差が、補正によって更に小さくなりやすく、総荷重Wtの算出値には差がより蓄積されにくくなる。
[2-3]第3実施形態
図9(A)は、本実施形態で用いられる乗車履歴Drを例示した概念図である。本実施形態では、第2実施形態と同様、乗りかご1に利用者が乗車するごとに第1検出部31で得られる第1荷重変化量Wd1が、乗車履歴Drに記録される。尚、図9(A)では、乗車履歴Drとして、第1荷重変化量Wd1が大きいものから順にソートされたものが示されている。
補正処理では、制御部62は、乗りかご1から利用者が降車するごとに、降車時の演算(減算)に使用する第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの最も近いものと同じ値に補正する。
そして、乗りかご1から利用者が降車するごとに、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの第2荷重変化量Wd2の補正に用いられたものが、乗車履歴Drから削除される(図9(B)参照)。即ち、本実施形態においては、乗りかご1への乗車又は当該乗りかご1からの降車を利用者が行うごとに、第1荷重変化量Wd1の追加又は削除によって乗車履歴Drが更新されていく。尚、図9(B)では、第1荷重変化量Wd1のうちの値が60kgであったものが削除された場合が示されている。
以下、本実施形態で実行される算出処理について具体的に説明する。尚、本実施形態での算出処理の説明には、第2実施形態での説明に用いた図7のフローチャートを用いることができる。以下では、図7を参照しつつ、第2実施形態と異なる部分について説明する。
ステップS120(補正処理)において、制御部62は、第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの最も近いものと同じ値に補正する。一例として、制御部62は、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1の中から、第2荷重変化量Wd2との差分の絶対値が最も小さいものを抽出し、当該第2荷重変化量Wd2の値を、抽出した第1荷重変化量Wd1と同じ値に置き換えることで補正する。
ここで、降車時の演算(減算)に用いられる第2荷重変化量Wd2と、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの当該第2荷重変化量Wd2に最も近いものとは、同一人物について乗降時に第1検出部31で得られたものである可能性が高い。従って、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが互いに相違することがある場合でも、第2荷重変化量Wd2は、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの最も近いものと同じ値に補正されることにより、同一人物について得られた第1荷重変化量Wd1と同じ値に補正されやすくなる。
そして、この補正処理は、乗りかご1から利用者が降車するごとに必ず実行されるため、ステップS220(降車時に乗車履歴Drを更新する処理。図7)では、乗りかご1から利用者が降車するごとに、必ず、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの第2荷重変化量Wd2の補正に用いられたものが、乗車履歴Drから削除される。
このような算出処理によれば、上述したように、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが互いに相違することがある場合でも、第2荷重変化量Wd2は、同一人物について得られた第1荷重変化量Wd1と同じ値に補正されやすくなる。このため、補正後の第2荷重変化量Wd2は、乗車時の演算(加算)で用いられた第1荷重変化量Wd1に一致しやすくなる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2との差が、当該第2荷重変化量Wd2の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重Wtの算出値には差が蓄積されにくくなる。即ち、第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが相違することによる影響が、総荷重Wtの算出値から排除されやすくなる。
また、本実施形態では、第2荷重変化量Wd2の補正(ステップS120)の都度、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの当該補正に用いられたものが、乗車履歴Drから削除される。従って、第2荷重変化量Wd2の補正において、それまでの補正にて使用されたことがある第1荷重変化量Wd1が誤って使用されてしまうといったことが防止される。
更に、本実施形態では、乗りかご1から利用者が降車するごとに、必ず、第2荷重変化量Wd2の補正が行われ、且つ、当該補正に用いられた第1荷重変化量Wd1が乗車履歴Drから削除される。このため、乗りかご1が空になったときには、乗車履歴Drも空になり、当該乗車履歴Dr内にあった第1荷重変化量Wd1が全て、第2荷重変化量Wd2の補正に用いられることになる。従って、補正後の第2荷重変化量Wd2の総和(即ち、降車時の演算(減算)に用いられた第2荷重変化量Wd2の総和)が、乗車履歴Dr内にあった第1荷重変化量Wd1の総和(即ち、乗車時の演算(加算)に用いられた第1荷重変化量Wd1の総和)に一致することになる。その結果として、乗りかご1が空になったときの総荷重Wtの算出値が、利用者が乗車していないときの実際の値(ゼロ)に近づきやすくなる。
よって、乗りかご1が空になったときには、総荷重Wtの算出値は、実際の値(ゼロ)に一致していなかったとしても、利用者1人分の重量よりも十分に小さい値(例えば、10kg以下の値)になりやすい。そこで、総荷重Wtの算出値が利用者1人分の重量よりも十分に小さい値になった場合には、乗りかご1が空になったと判断して、総荷重Wtの算出値をリセットすることができる。
[2-4]第4実施形態
図10(A)は、本実施形態で用いられる乗車履歴Drを例示した概念図である。本実施形態では、乗りかご1に利用者が乗車するごとに、第1検出部31で得られる第1荷重変化量Wd1と、乗車時の停止階にて乗りかご1内の行先階ボタン42で登録された全ての行先階Fdと、が互いに対応付けられた状態で、乗車履歴Drに記録される。より具体的には、乗車時の停止階にて登録された全ての行先階Fdの他に、それ以前の停止階にて登録された行先階Fdのうちの未達であるものも一緒に、第1荷重変化量Wd1に対応付けて乗車履歴Drに記録される。なぜなら、乗車時の停止階にて利用者が自身の行先階Fdを登録しようとしたときに、それ以前の停止階にて別の利用者によって登録済みになっている場合があり、そのような場合を考慮して、登録済みになっている行先階Fdも乗車時の停止階にて登録された行先階Fdとするためである。
このように、乗車履歴Drにおいて、乗車時の停止階にて登録された行先階Fdを第1荷重変化量Wd1に対応付けておくことにより、第2荷重変化量Wd2の補正の際に参照する乗車履歴Drの範囲を、降車時の停止階を用いて絞ることが可能になる。具体的には、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1の中から、降車時の停止階に一致する行先階Fdが対応付けられているものを、第2荷重変化量Wd2の補正に適したもの(即ち、同一人物について得られた第1荷重変化量Wd1である可能性の高いもの)として選択することが可能になる。
そして、上述したように第2荷重変化量Wd2の補正で参照する乗車履歴Drの範囲が絞られることにより、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが互いに相違することがある場合でも、第2荷重変化量Wd2は、同一人物について得られた第1荷重変化量Wd1と同じ値に補正されやすくなる。
そこで補正処理では、制御部62は、乗りかご1から利用者が降車するごとに、降車時の演算(減算)に使用する第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの、降車時の停止階に一致する行先階Fdが対応付けられているものを参照して補正する。このとき、参照できる第1荷重変化量Wd1が複数あった場合には、制御部62は、そのうちの第2荷重変化量Wd2に最も近いものを抽出し、当該第2荷重変化量Wd2の値を、抽出した第1荷重変化量Wd1と同じ値に置き換えることで補正する。
そして、乗りかご1から利用者が降車するごとに、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの第2荷重変化量Wd2の補正に用いられたものが、乗車履歴Drから削除される(図10(B)参照)。即ち、本実施形態においては、乗りかご1への乗車又は当該乗りかご1からの降車を利用者が行うごとに、1組の第1荷重変化量Wd1及び行先階Fdが追加又は削除されることによって乗車履歴Drが更新されていく。尚、図10(B)では、第1荷重変化量Wd1のうちの値が60kgであったものと、それに対応付けられている行先階Fd(1階)とが削除された場合が示されている。
以下、本実施形態で実行される算出処理について具体的に説明する。尚、本実施形態での算出処理の説明にも、第2実施形態での説明に用いた図7のフローチャートを用いることができる。以下では、図7を参照しつつ、第2実施形態と異なる部分について説明する。
ステップS201(乗車時に乗車履歴Drを更新する処理)において、制御部62は、第1荷重変化量Wd1と、そのときの停止階にて乗りかご1内の行先階ボタン42で登録された全ての行先階Fdと、を互いに対応付けた状態で乗車履歴Drに追加することにより、当該乗車履歴Drを更新する。より具体的には、制御部62は、そのときの停止階にて登録された全ての行先階Fdの他に、それ以前の停止階にて登録された行先階Fdのうちの未達であるものも一緒に、第1荷重変化量Wd1に対応付けて乗車履歴Drに記録する(図10(A)参照)。
ステップS120(補正処理)では、制御部62は、第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの、降車時の停止階に一致する行先階Fdが対応付けられているものを参照して補正する。このとき、参照できる第1荷重変化量Wd1が複数あった場合には、制御部62は、そのうちの第2荷重変化量Wd2に最も近いものを抽出し、当該第2荷重変化量Wd2の値を、抽出した第1荷重変化量Wd1と同じ値に置き換えることで補正する。
ステップS220(降車時に乗車履歴Drを更新する処理)では、制御部62は、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1及び行先階Fdの組合せのうちの、ステップS120での第2荷重変化量Wd2の補正に使用したものを乗車履歴Drから削除することにより、当該乗車履歴Drを更新する。
このような算出処理によれば、上述したように、第2荷重変化量Wd2の補正で参照する乗車履歴Drの範囲が絞られることにより、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが互いに相違することがある場合でも、第2荷重変化量Wd2は、同一人物について得られた第1荷重変化量Wd1と同じ値に補正されやすくなる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2との差が、当該第2荷重変化量Wd2の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重Wtの算出値には差が蓄積されにくくなる。即ち、第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが相違することによる影響が、総荷重Wtの算出値から排除されやすくなる。
また、本実施形態では、第2荷重変化量Wd2の補正(ステップS120)の都度、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1及び行先階Fdの組合せのうちの当該補正に用いられたものが、乗車履歴Drから削除される。よって、第3実施形態で説明したのと同様、第2荷重変化量Wd2の補正において、それまでの補正にて使用されたことがある第1荷重変化量Wd1が誤って使用されてしまうといったことが防止される。また、乗りかご1が空になったときの総荷重Wtの算出値が、利用者が乗車していないときの実際の値(ゼロ)に近づきやすくなる。そして、総荷重Wtの算出値が利用者1人分の重量よりも十分に小さい値になった場合には、乗りかご1が空になったと判断して、総荷重Wtの算出値をリセットすることができる。
[2-5]第5実施形態
図11は、本実施形態に係る制御システムが適用されたエレベータの乗場の構成を示した概念図である。図11に示されるように、検出装置3は、乗りかご1への乗車又は当該乗りかご1からの降車を利用者が行うごとに当該利用者の背丈Hを検出する第2検出部32を更に含んでいてもよい。本実施形態では、第2検出部32は、かごドアの戸当り端に設置された複数の光電センサで構成される。尚、第2検出部32は、乗降時における利用者の背丈Hを検出できるものであれば、そのような構成に限定されない様々な構成のものに適宜変更されてもよい。以下、このような制御システムで用いられる乗車履歴Dr、及び、当該制御システムで実行される算出処理について、具体的に説明する。
図12(A)は、本実施形態で用いられる乗車履歴Drを例示した概念図である。本実施形態では、乗りかご1に利用者が乗車するごとに、第1検出部31で得られる第1荷重変化量Wd1と、第2検出部32で得られる背丈Hの検出値Hdと、が互いに対応付けられた状態で、乗車履歴Drに記録される。
このように、乗車履歴Drにおいて、乗車時に得られた背丈Hの検出値Hdを第1荷重変化量Wd1に対応付けておくことにより、第2荷重変化量Wd2の補正の際に参照する乗車履歴Drの範囲を、降車時に得られる背丈Hの検出値Hdを用いて絞ることが可能になる。具体的には、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1の中から、降車時に得られた背丈Hの検出値Hdと一致する検出値Hdが対応付けられているもの、或いは、検出誤差などを考慮して、降車時に得られた背丈Hの検出値Hdとの差異が所定範囲内(例えば±3cm以内)である検出値Hdが対応付けられているものを、第2荷重変化量Wd2の補正に適したもの(即ち、同一人物について得られた第1荷重変化量Wd1である可能性の高いもの)として選択することが可能になる。
そして、上述したように第2荷重変化量Wd2の補正で参照する乗車履歴Drの範囲が絞られることにより、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが互いに相違することがある場合でも、第2荷重変化量Wd2は、同一人物について得られた第1荷重変化量Wd1と同じ値に補正されやすくなる。
そこで補正処理では、制御部62は、乗りかご1から利用者が降車するごとに、降車時の演算(減算)に使用する第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの、降車時に第2検出部32で得られた背丈Hの検出値Hdと一致する検出値Hdが対応付けられているものを参照して補正する。
そして、乗りかご1から利用者が降車するごとに、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの第2荷重変化量Wd2の補正に用いられたものが、乗車履歴Drから削除される(図12(B)参照)。即ち、本実施形態においては、乗りかご1への乗車又は当該乗りかご1からの降車を利用者が行うごとに、1組の第1荷重変化量Wd1及び背丈Hの検出値Hdが追加又は削除されることによって乗車履歴Drが更新されていく。尚、図12(B)では、第1荷重変化量Wd1のうちの値が60kgであったものと、それに対応付けられている背丈Hの検出値Hd(175cm)とが削除された場合が示されている。
以下、本実施形態で実行される算出処理について具体的に説明する。尚、本実施形態での算出処理の説明にも、第2実施形態での説明に用いた図7のフローチャートを用いることができる。以下では、図7を参照しつつ、第2実施形態と異なる部分について説明する。
ステップS201(乗車時に乗車履歴Drを更新する処理)において、制御部62は、第1荷重変化量Wd1と、そのときに得られた背丈Hの検出値Hdと、を互いに対応付けた状態で乗車履歴Drに追加することにより、当該乗車履歴Drを更新する。
ステップS120(補正処理)では、制御部62は、第2荷重変化量Wd2を、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1のうちの、降車時に第2検出部32で得られた背丈Hの検出値Hdと一致する検出値Hdが対応付けられているものを参照して補正する。具体的には、制御部62は、第2荷重変化量Wd2の値を、乗車履歴Drで参照した第1荷重変化量Wd1と同じ値に置き換えることで補正する。
ステップS220(降車時に乗車履歴Drを更新する処理)では、制御部62は、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1及び背丈Hの検出値Hdの組合せのうちの、ステップS120での第2荷重変化量Wd2の補正に使用したものを乗車履歴Drから削除することにより、当該乗車履歴Drを更新する。
このような算出処理によれば、上述したように、第2荷重変化量Wd2の補正で参照する乗車履歴Drの範囲が絞られることにより、乗降する利用者が同一人物であるにも拘わらず第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが互いに相違することがある場合でも、第2荷重変化量Wd2は、同一人物について得られた第1荷重変化量Wd1と同じ値に補正されやすくなる。よって、同一人物であっても生じ得る第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2との差が、当該第2荷重変化量Wd2の補正によって小さくなりやすく、その結果として総荷重Wtの算出値には差が蓄積されにくくなる。即ち、第1荷重変化量Wd1と第2荷重変化量Wd2とが相違することによる影響が、総荷重Wtの算出値から排除されやすくなる。
また、本実施形態では、第2荷重変化量Wd2の補正(ステップS120)の都度、乗車履歴Drに含まれている第1荷重変化量Wd1及び背丈Hの検出値Hdの組合せのうちの当該補正に用いられたものが、乗車履歴Drから削除される。よって、第3実施形態で説明したのと同様、第2荷重変化量Wd2の補正において、それまでの補正にて使用されたことがある第1荷重変化量Wd1が誤って使用されてしまうといったことが防止される。また、乗りかご1が空になったときの総荷重Wtの算出値が、利用者が乗車していないときの実際の値(ゼロ)に近づきやすくなる。そして、総荷重Wtの算出値が利用者1人分の重量よりも十分に小さい値になった場合には、乗りかご1が空になったと判断して、総荷重Wtの算出値をリセットすることができる。
[3]変形例
上述した制御システムは、乗りかご1を複数備えたエレベータにおいて、各乗りかご1内の総荷重Wtを算出する場合にも適用できる。この場合、エレベータ制御装置6は、乗りかご1に1つずつ対応させて設けられ、それらのエレベータ制御装置6が、群管理制御装置によって一元的に管理及び制御される。このようなエレベータの構成において、各乗りかご1内の混雑状況を利用者に伝えるためには、上述した制御処理(算出処理及び表示処理を含む)が、各乗りかご1のエレベータ制御装置6によって個別に実行されてもよいし、当該制御処理の一部又は全部が群管理制御装置にて纏めて実行されてもよい。
上述の実施形態及び変形例の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態又は変形例ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、上述の実施形態及び変形例からは、発明の対象として、エレベータの制御システムに限らず、それを構成する装置、制御処理、プログラムなどが個々に抽出されてもよいし、それらの一部が部分的に抽出されてもよい。
1 乗りかご
2 駆動機構
3 検出装置
4 登録装置
5 表示装置
6 エレベータ制御装置
H 背丈
W 荷重変化量
X 総荷重変数
21 電動機
22 綱車
23 主ロープ
23a、23b 端部
24A ヒッチ部
24B 支持部
25 釣合重り
26A、26B プーリ
31 第1検出部
32 第2検出部
41 呼びボタン
42 行先階ボタン
61 記憶部
62 制御部
62A 演算処理部
62B 補正処理部
62C 表示処理部
Dr 乗車履歴
Fd 行先階
Hd 検出値
W0 所定値
Wd 検出値
Wt 総荷重
Wd1 第1荷重変化量
Wd2 第2荷重変化量
Wmax 最大値
Wmin 最小値

Claims (6)

  1. 乗りかごに生じた荷重変化量を検出する第1検出部と、
    前記乗りかごに利用者が乗車するごとに前記第1検出部で得られる前記荷重変化量の検出値の絶対値を第1荷重変化量とし、且つ、前記乗りかごから利用者が降車するごとに前記第1検出部で得られる前記荷重変化量の検出値の絶対値を第2荷重変化量として、前記第1荷重変化量の加算と前記第2荷重変化量の減算とにより、前記乗りかご内の総荷重を算出する演算処理部と、
    前記第1検出部で得られる前記第1荷重変化量のうちの最大値と最小値とが記録される乗車履歴と、
    前記演算処理部での減算に用いられる前記第2荷重変化量を、前記乗車履歴内の前記最大値より大きい場合には当該最大値と同じ値に補正し、前記乗車履歴内の前記最小値より小さい場合には当該最小値と同じ値に補正する補正処理部と、
    を備える、エレベータの制御システム。
  2. 乗りかごに生じた荷重変化量を検出する第1検出部と、
    前記乗りかごに利用者が乗車するごとに前記第1検出部で得られる前記荷重変化量の検出値の絶対値を第1荷重変化量とし、且つ、前記乗りかごから利用者が降車するごとに前記第1検出部で得られる前記荷重変化量の検出値の絶対値を第2荷重変化量として、前記第1荷重変化量の加算と前記第2荷重変化量の減算とにより、前記乗りかご内の総荷重を算出する演算処理部と、
    前記乗りかごに利用者が乗車するごとに前記第1検出部で得られる前記第1荷重変化量が記録される乗車履歴と、
    前記演算処理部での減算に用いられる前記第2荷重変化量を、前記乗車履歴に含まれている前記第1荷重変化量のうちの最大のものより大きい場合には当該最大のものと同じ値に補正し、前記乗車履歴に含まれている前記第1荷重変化量のうちの最小のものより小さい場合には当該最小のものと同じ値に補正する補正処理部と、
    を備える、エレベータの制御システム。
  3. 乗りかごに生じた荷重変化量を検出する第1検出部と、
    前記乗りかごに利用者が乗車するごとに前記第1検出部で得られる前記荷重変化量の検出値の絶対値を第1荷重変化量とし、且つ、前記乗りかごから利用者が降車するごとに前記第1検出部で得られる前記荷重変化量の検出値の絶対値を第2荷重変化量として、前記第1荷重変化量の加算と前記第2荷重変化量の減算とにより、前記乗りかご内の総荷重を算出する演算処理部と、
    前記乗りかごに利用者が乗車するごとに前記第1検出部で得られる前記第1荷重変化量が記録される乗車履歴と、
    前記乗りかごから利用者が降車するごとに、前記演算処理部での減算に用いられる前記第2荷重変化量を、前記乗車履歴に含まれている前記第1荷重変化量のうちの最も近いものと同じ値に補正する補正処理部と、
    を備える、エレベータの制御システム。
  4. 乗りかごに生じた荷重変化量を検出する第1検出部と、
    前記乗りかごに利用者が乗車するごとに前記第1検出部で得られる前記荷重変化量の検出値の絶対値を第1荷重変化量とし、且つ、前記乗りかごから利用者が降車するごとに前記第1検出部で得られる前記荷重変化量の検出値の絶対値を第2荷重変化量として、前記第1荷重変化量の加算と前記第2荷重変化量の減算とにより、前記乗りかご内の総荷重を算出する演算処理部と、
    前記乗りかごに利用者が乗車するごとに、前記第1検出部で得られる前記第1荷重変化量と、乗車時の停止階にて登録された行先階と、が互いに対応付けられた状態で記録される乗車履歴と、
    前記乗りかごから利用者が降車するごとに、前記演算処理部での減算に用いられる前記第2荷重変化量を、前記乗車履歴に含まれている前記第1荷重変化量のうちの、降車時の停止階に一致する行先階が対応付けられているものを参照して補正する補正処理部と、
    を備える、エレベータの制御システム。
  5. 乗りかごに生じた荷重変化量を検出する第1検出部と、
    前記乗りかごへの乗車又は当該乗りかごからの降車を利用者が行うごとに当該利用者の背丈を検出する第2検出部と、
    前記乗りかごに利用者が乗車するごとに前記第1検出部で得られる前記荷重変化量の検出値の絶対値を第1荷重変化量とし、且つ、前記乗りかごから利用者が降車するごとに前記第1検出部で得られる前記荷重変化量の検出値の絶対値を第2荷重変化量として、前記第1荷重変化量の加算と前記第2荷重変化量の減算とにより、前記乗りかご内の総荷重を算出する演算処理部と、
    前記乗りかごに利用者が乗車するごとに、前記第1検出部で得られる前記第1荷重変化量と、前記第2検出部で得られる前記背丈の検出値と、が互いに対応付けられた状態で記録される乗車履歴と、
    前記乗りかごから利用者が降車するごとに、前記演算処理部での減算に用いられる前記第2荷重変化量を、前記乗車履歴に含まれている前記第1荷重変化量のうちの、降車時に前記第2検出部で得られた前記背丈の検出値と一致する検出値が対応付けられているものを参照して補正する補正処理部と、
    を備える、エレベータの制御システム。
  6. 前記乗車履歴に含まれている前記第1荷重変化量のうちの、前記補正処理部での前記第2荷重変化量の補正に用いられたものが、前記乗車履歴から削除される、請求項2~5の何れかに記載のエレベータの制御システム。
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