JP7155693B2 - 画像形成装置及びプログラム - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、前記画像形成手段による画像の出力に要する時間を推定する第1の推定手段と、推定された前記時間内にユーザが移動可能な範囲を推定する第2の推定手段と、を更に有し、前記決定手段は、推定された前記経路のうち前記範囲に含まれない区間を対象として自装置を配置する位置を決定する、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記画像形成手段による画像の出力に要する時間を推定する第1の推定手段と、推定された前記時間内にユーザが移動可能な範囲を、予め定めた時間毎に推定する第2の推定手段と、を更に有し、前記決定手段は、推定された前記経路と前記範囲の外縁との交点を、予め定めた時間毎に、自装置を配置する位置として決定する、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記画像形成手段による画像の出力に要する時間を推定する第1の推定手段と、推定された前記時間内にユーザが移動可能な範囲を、予め定めた時間毎に推定する第2の推定手段と、を更に有し、前記決定手段は、推定された前記経路が前記範囲内に含まれる場合、当該経路に対応する終点位置を、自装置を配置する位置として決定する、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、ユーザが所持する情報端末の位置、又は、自装置が配置されている空間に設置されたカメラで撮像された画像から認証されたユーザの現在の位置を、ユーザの現在の位置として取得する手段を更に有し、前記決定手段は、ユーザの現在の位置が、推定された前記経路上に存在しない場合、ユーザの現在の位置を、自装置を配置する位置として決定する、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、画像の形成を指示したユーザの移動ベクトルを検知する検知手段を更に有し、前記決定手段は、画像の形成を指示したユーザに対応する前記履歴が存在しない場合、前記移動ベクトルを用いてユーザが移動する経路を推定し、推定された経路に基づいて自装置を配置する位置を決定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記決定手段は、決定された位置を画面に表示する、請求項1~6のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記決定手段は、推定された移動経路、又は、使用頻度が高い前記始点位置から使用頻度が高い前記終点位置に至る経路を表示する、請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、画像形成装置を制御するコンピュータに、画像の形成の指示に伴い実行されたユーザの移動の始点位置と終点位置の履歴を取得する機能と、取得された前記履歴に基づいてユーザが移動する経路を推定し、推定された経路に基づいて前記画像形成装置を配置する位置を決定する機能と、前記決定する機能によって決定された位置に、前記画像形成装置を移動させる機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項2記載の発明によれば、画像の形成を指示したユーザ毎の移動の距離の短縮を実現できる。
請求項3記載の発明によれば、画像の形成を指示したユーザ毎の移動の距離の短縮を実現できる。
請求項4記載の発明によれば、画像の形成を指示したユーザ毎の移動の距離の短縮を実現できる。
請求項5記載の発明によれば、画像の形成を指示したユーザの現在の位置に画像を配送できる。
請求項6記載の発明によれば、決定に用いる履歴の情報が少ない場合でもユーザが移動する距離を短縮できる。
請求項7記載の発明によれば、決定された配置の位置をユーザが確認できる。
請求項8記載の発明によれば、配置の位置を決定する過程で使用する情報をユーザが確認できる。
請求項9記載の発明によれば、画像形成装置の使用とは関係のない移動の履歴も含めて画像形成装置の配置を求める場合に比して、画像の形成を指示したユーザ毎の移動の距離の短縮を実現できる。
<実施の形態1>
本実施の形態では、自走式の印刷装置を使用する場合について説明する。
図1は、自走式の印刷装置10を配置する空間1の例を説明する図である。
図1では、空間1の一例として、印刷装置10を使用する複数人が所在する部屋を想定している。
ただし、印刷装置10を配置する空間1は、部屋のように壁で囲まれている必要はない。例えば空間1は、仕切り、書架などによって物理的に区切られていてもよい。なお、空間1は、物理的に区切られている必要もない。例えば人為的に定めた仮想の境界で囲まれた範囲として管理されるのでもよい。
なお、印刷装置10を配置する空間は、複数人が所在する部屋に限る趣旨ではなく、印刷装置10の使用者は1人でもよい。
図1の場合、各出入り口には、扉2が取り付けられている。図1の場合、扉2の一例として開き戸を表している。なお、扉2は必須ではない。
図1では、部屋の外部を表していないが、出入り口1A、1B、1Cは、同じ建物内の他の部屋、廊下、建物の外につながっていてもよい。
図1の場合、部屋には、16台の机20が配置されており、4台ずつ4つの島に分かれている。本実施の形態の場合、各机20には、1名のユーザが対応付けられている。もっとも、特定の座席がユーザに割り当てられていなくてもよい。
また、部屋には、複数のユーザによって共用される丸型の机22が1つ配置されている。
また、部屋には、アクセスポイント25が配置されている。アクセスポイント25の数は、1つに限らない。アクセスポイント25は、例えばユーザが操作する作業端末21から受信された印刷の指示を無線で自走式の印刷装置10に伝達する。作業端末21とアクセスポイント25とは、無線に限らず、ケーブルで接続されていてもよい。
本実施の形態の場合、ユーザは、携帯可能な情報端末30を所持している。情報端末30は、例えば無線通信が可能な端末や無線通信が可能なタグでもよい。無線通信の方式には、例えば無線LAN(Local Area Network)規格の1つであるWi-Fi規格がある。スマートフォンやWi-Fiタグは、情報端末30の一例である。
この種のセンサには、例えばIMES(Indoor MEssaging System)に準拠するセンサやビーコン測位センサがある。
IMESに準拠するセンサは、いわゆるGPS(Global Positioning System)電波を受信するセンサの一種である。
ビーコン測位センサは、BLE(Bluetooth Low Energy)と呼ばれる通信方式で受信される信号の強度の判別を通じて自装置の位置を推定する。
RFIDタグの場合、出入り口1A、1B、1Cに設けられている読み取り装置との通信により、ユーザ個人の認証と通過が記録される。
また、床面に磁場を発生するマットが配置されている場合、マットから発生される磁場に埋め込まれているマットの識別子をRFIDタグで検知し、不図示のアンテナに対して自装置の識別子を付加して送信することにより、ユーザ個人の認証と空間内の位置が記録される。
もっとも、ユーザの位置を検知する技術は、情報端末30の所持を必須とはしない。例えば空間1に配置されたカメラで撮像された画像を処理して、ユーザの特定とユーザの移動経路の特定を実行してもよい。
車輪12Fは、装置本体11の前方側に取り付けられている。車輪12L及び12Rは、装置本体11の左右両側面に取り付けられている。
ユーザインタフェース13は、ユーザに対する情報の提供とユーザによる指示の入力に用いられる。図1の場合、ユーザインタフェース13は、装置本体11の天面に取り付けられている。
ここでの印刷装置10は、画像形成装置の一例であるとともに、画像形成装置を配置する位置を決定する機能を有する情報処理装置の一例でもある。
図2は、実施の形態1で使用する印刷装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
印刷装置10は、プログラムの実行を通じて装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)111と、BIOS(Basic Input Output System)やファームウェア等のプログラムを記憶するROM112と、プログラムの実行領域として使用されるRAM(Random Access Memory)113と、を有している。
CPU111、ROM112、RAM113は、コンピュータとして機能する。
ここでの画像処理部115、画像形成部116、給紙機構117は、印刷手段の一例である。
印刷装置10には、原稿を光学的に読み取るスキャン機能、FAX文書を送受信するFAX機能、原稿から光学的に読み取った画像を印刷するコピー機能が設けられていてもよい。
また、印刷装置10には、車輪12L、12R、12Fを駆動して、自由な走行を可能にする自走機構120が設けられている。
本実施の形態における自走機構120は、車輪12L及び12Rを駆動するモータと、車輪12Fの向きを制御する操舵機構とを有している。
車輪12L及び12Rの回転により、装置本体11は前進又は後進する。また、車輪12Fの向きにより、装置本体11の進行方向が切り替えられる。もっとも、車輪12L及び12Rの回転量や回転方向を制御することにより、移動の向きや速度を調整してもよい。ここでの自走機構120は、移動手段の一例である。
また、印刷装置10には、外部との通信に用いられる通信インターフェース(通信IF)121が設けられている。
前述した各部は、バス122や不図示の通信線を通じて互いに接続されており、これらの配線を介してデータの受け渡しを実行する。
図3に示す機能は、CPU111によるプログラムの実行を通じて実現される。
図3では、プログラムの実行を通じて実現される機能のうち、印刷装置10の配置の位置を決定する機能を表している。
印刷装置10は、印刷ジョブが発行された位置を取得する印刷ジョブ発行位置取得部131と、空間1(図1参照)のレイアウト情報を取得する空間レイアウト取得部132と、自装置を配置する空間1内の位置を決定する配置位置決定部133と、空間1内におけるユーザの現在の位置を取得するユーザ現在位置取得部134と、自装置の移動を制御する移動制御部135と、印刷ジョブで指定された印刷の実行を制御する印刷制御部136と、を有している。
ここでの印刷ジョブは、「画像の形成の指示」の一例である。
印刷ジョブが発行された時点におけるユーザの位置を取得する手法は1つに限らない。
例えば印刷ジョブを発行した作業端末21(図1参照)の位置を用いてもよいし、印刷ジョブを発行したユーザに関連付けられている机20(図1参照)の位置を用いてもよいし、印刷ジョブを発行したユーザが所持する情報端末30の位置を用いてもよいし、空間1(図1)に設置されたカメラが撮像した画像から特定されたユーザの位置を用いてもよい。
ここで、情報端末30の位置を用いるのは、作業端末21が可搬型の場合、空間1内の位置が不定になるからである。もっとも、情報端末30の機能が作業端末21に内蔵されている場合には、情報端末30の位置と作業端末21の位置のいずれを用いてもよい。
レイアウト情報には、印刷装置10(図1参照)を配置する位置や移動の経路の決定に必要となる空間1の形状や寸法、空間1内における机20や机22(図1参照)の配置、机20や机22の寸法、印刷装置10の移動が可能な通路などの情報が含まれる。
なお、レイアウト情報は、印刷装置10が、自装置の移動の履歴から学習してもよい。
本実施の形態の場合、ユーザ現在位置取得部134は、ユーザが携帯する情報端末30の位置情報を逐次更新することにより取得する。もっとも、前述したように、カメラで撮像した画像の処理結果を用いるなどして、印刷ジョブを発行したユーザが移動する位置を特定してもよい。
なお、移動制御部135には、不図示のLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)センサの出力信号を使用し、移動経路上に位置する障害物を回避する機能を設けてもよい。
本実施の形態の場合、印刷制御部136は、印刷ジョブを受け付けると、印刷ジョブで指定された設定の内容に基づいて印刷を開始する。
印刷制御部136は、自装置の移動を開始する前に印刷を完了させてもよい。換言すると、印刷制御部136による印刷の完了後に、移動制御部135による移動が開始されてもよい。また、自装置の移動中も印刷ジョブで指定された印刷を実行してもよい。また、印刷ジョブを発行したユーザの元に移動した後に印刷を開始してもよい。
本実施の形態の場合、配置位置決定部133は、印刷ジョブを発行したユーザについて過去の移動の履歴を取得するユーザ移動履歴取得部141と、新たな印刷ジョブが発行された位置と取得された過去の移動の履歴とに基づいて新たな印刷ジョブを発行したユーザの移動の経路を推定するユーザ移動経路推定部142と、新たに発行された印刷ジョブの実行に必要な時間を推定する印刷必要時間推定部143と、推定された時間内でユーザが移動することが可能な範囲を推定する時間内ユーザ移動範囲推定部144と、自機の移動先を決定する自装置移動先決定部145と、決定された移動先に自装置を移動させるための経路を決定する自装置移動経路決定部146と、印刷ジョブが発行された後のユーザの位置の変化から移動ベクトルを検知するユーザ移動ベクトル検知部147と、を有している。
ただし、配置位置決定部133は、これらの機能部の全てを有する必要はない。
配置位置決定部133は、画像形成装置を配置する位置を決定する決定手段の一例である。
この機能の実行により、印刷ジョブの発行と関係のないユーザの移動の記録は排除される。このため、印刷装置10の配置を決定する際の予測の精度の向上が期待される。
本実施の形態の場合、印刷ジョブが発行された位置を示す始点位置と、印刷物の受け取り後のユーザの移動先を示す終点位置との組が、ハードディスク装置114に記録されている。
従って、ユーザ移動履歴取得部141は、画像の形成の指示に伴い実行されたユーザの移動の始点位置と終点位置の情報を取得する取得手段の一例である。
また、取得の条件として、現在時刻から予め定めた期間だけ過去の時点に記録された履歴に限定してもよい。この場合、移動先の推定に、最近のユーザの移動の傾向が反映され易くなる。なお、過去の履歴ほど重み付けを小さくし、最近の履歴ほど重みを大きくしても、移動先の推定に最近のユーザの移動の傾向が反映され易くなる。
また、取得の条件として、現在時刻を含む時間帯の履歴に限定してもよい。特定の時間帯に実行された印刷ジョブと移動先との相関が高い場合、移動先の推定の精度が高くなる。
また、取得の条件として、今回の印刷ジョブと指定された設定の内容が共通する履歴に限定してもよい。印刷ジョブの設定の内容によって移動先を絞り込むことで移動先の推定の精度が高くなる。例えば部数が多い場合には会議室に向かうので出入り口1Aが移動先になる可能性が高く、カラー印刷が多い場合には外出先で使用されるので出入り口1Bが使用先になる可能性が高い場合に有用である。
本実施の形態の場合、移動先は、空間1の範囲内で管理される。例えば出入り口1Aからユーザが外に移動した場合、出入り口1Aが移動先として記録される。
図5には、図1との対応部分に対応する符号を付している。図中の記号Sは、印刷ジョブが発行された始点位置を示し、記号Eは移動先の位置を示している。図5の場合、移動先は出入り口1Aである。
なお、実線で示す矢印は、印刷ジョブを発行したユーザAが印刷装置10の位置で印刷物を受け取るまでの経路と、印刷装置10の位置から出入り口1Aに至るまでの経路とを表している。
本実施の形態の場合、実線の矢印で示す移動の経路は記録されず、始点位置と終点位置だけが印刷ジョブに関連付けられて記録される。
図5の場合、印刷装置10は、特定の位置に停止したまま使用されている。
図6には、図5との対応部分に対応する符号を付している。
図6に示す例は、空間1の内側で、予め定めた時間以上、ユーザが停止した位置を移動先とする例を示している。
図6の場合、ユーザAは、印刷ジョブを発行した後、印刷装置10の位置に移動して印刷物を受け取り、その後、ユーザXの位置に移動している。ここで、ユーザAは、ユーザXの位置で予め定めた時間以上停止しているため、移動先として記録されている。
なお、予め定めた時間以上ユーザが停止した位置には、印刷装置10の位置を含めない。すなわち、印刷ジョブを発行した後のユーザAの移動中に予め定めた時間以上停止した位置が検知された場合でも、検知された位置が印刷装置10の位置とみなされる場合には、移動先としては記録されない。
本実施の形態では、予め定めたY秒の間にユーザが移動した距離がZセンチメートル以内である場合、ユーザが停止しているとみなす。
本実施の形態の場合、ユーザ移動経路推定部142は、取得された移動の履歴に基づいて、ユーザの移動先と発行位置から移動先に至る経路を推定する。
印刷ジョブを発行したユーザについての移動の履歴が存在する場合、ユーザ移動履歴取得部141によって取得された移動の履歴に基づいて移動先が推定される。本実施の形態の場合、推定には、予め定めた規則を使用する。例えば出現の頻度が高い移動先に推定する。また例えば予め与えられた規則に基づいて取得された履歴を解析し、移動先を推定する。ここでの規則は、予め与えられる規則、外部から与えられる規則、学習により更新される規則のいずれでもよい。
印刷ジョブを発行したユーザについての移動の履歴が存在しないか、移動の履歴のサンプル数が少ない場合、ユーザ移動経路推定部142は、ユーザが移動する方向を検知して移動先を推定してもよい。本実施の形態では、ユーザ移動ベクトル検知部147が検知する移動ベクトルを使用し、移動ベクトルの方向にある出入り口を移動先として推定する。
この経路上で印刷物を受け取ることができれば、ユーザが移動先に至るまでの距離の短縮が実現される。
ここでのユーザの移動の経路は、印刷装置10(図1参照)を配置する位置を決定する際に使用される。
前述したように、印刷ジョブが発行された位置は、印刷ジョブを発行したユーザの座席の位置に限らない。例えば印刷ジョブを発行した作業端末21について取得された空間1内の位置を使用してもよいし、印刷ジョブが発行された時点における情報端末30の空間1内の位置を使用してもよい。
印刷必要時間推定部143は、第1の推定手段の一例である。
本実施の形態の場合、時間内ユーザ移動範囲推定部144は、推定された時間内にユーザが移動可能な範囲を推定する。印刷装置10をユーザの移動する経路上に先回りさせるためである。
時間内ユーザ移動範囲推定部144は、第2の推定手段の一例である。
本実施の形態における自装置移動先決定部145は、自装置の移動が開始された後も、移動先の決定処理を逐次実行し、移動先を更新する。ユーザの移動先や移動が推定とは異なる可能性があるためである。
例えば印刷ジョブを発行した後も、ユーザが自席からしばらく移動しない場合には、印刷装置10の移動先は推定された範囲よりもユーザの座席寄りに再決定される。
本実施の形態の場合、ユーザ移動ベクトル検知部147は、印刷ジョブを発行したユーザについて、印刷ジョブを発行した後の移動の履歴が存在しない場合や移動の履歴が少ない場合に用いられる。ユーザ移動ベクトル検知部147は、ユーザ現在位置取得部134によって取得されたユーザの位置の変化からユーザの移動ベクトルを検知する。
ユーザ移動ベクトル検知部147は、検知手段の一例である。
図7は、印刷ジョブを受け付けた自走式の印刷装置10で実行される処理動作の例を説明するフローチャートである。
図7に示す処理動作は、CPU111(図2参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。なお、図7に示す記号のSは、処理動作を構成する個々のステップを表している。
次に、CPU11は、受け付けた印刷ジョブを実行する(ステップ2)。この機能は、例えば印刷制御部136(図3参照)が実行する。
続いて、CPU11は、該当するユーザについて印刷ジョブの発行履歴があるか否かを判定する(ステップ3)。この機能は、配置位置決定部133(図3参照)が実行する。
配置位置決定部133としてのCPU11は、例えば印刷ジョブを発行したユーザが移動する蓋然性が高い移動先を、自装置を配置する位置に決定する。また、配置位置決定部133としてのCPU11は、例えば印刷ジョブを発行したユーザの移動の経路や印刷ジョブの実行に要する時間内にユーザが移動する範囲などを推定して、自装置を配置すべき位置を決定する。
ただし、始点位置と終点位置を組とする履歴の情報を利用できないので、配置位置決定部133は、ユーザ現在位置取得部134によって取得される印刷ジョブを発行したユーザについて検知される移動ベクトルを用いて自装置を配置すべき位置を決定する。
ステップ6で肯定結果が得られた場合、CPU11はステップ7に進み、ステップ6で否定結果が得られた場合、次の移動に備えるため処理を終了する。なお、ステップ6で否定結果が得られている間は、ユーザによる印刷物の受け取りを待機する仕組みとしてもよい。
この後、CPU11は、印刷ジョブが発行された位置と移動先を記録する(ステップ8)。この機能は、印刷ジョブ発行位置取得部131(図3参照)とユーザ現在位置取得部134によって実現される。
以下では、前述した機能を用いた処理動作の具体例を説明する。
図8は、印刷ジョブを発行したユーザの移動先が出入り口1Aと推定された場合の処理動作を説明する図である。
まず、印刷ジョブを受け付けた印刷装置10は、印刷ジョブが発行された位置を取得する。
図8の例の場合、印刷ジョブを発行したのはユーザAが操作する作業端末21である。このため、図8の場合には、始点位置としてユーザAが使用する机20の位置に記号Sが表示されている。
なお、作業端末21が持ち運び可能な端末である場合には、情報端末30を用いて特定される位置の情報や不図示のカメラで撮像された画像から特定されるユーザの位置が用いられる。
次に、印刷装置10は、印刷ジョブを発行したユーザAについて印刷ジョブの発行履歴があるか否かを判定する。この処理は、図7のステップ3に対応する。
この具体例では、履歴が存在する場合を想定する。従って、印刷装置10は、自装置を配置する位置の決定と、決定された位置への移動を実行する。この処理は、図7のステップ4に対応する。
図9に示す処理の内容は、図7におけるステップ4に対応する。
図9においても、記号のSはステップを示す。
まず、印刷装置10は、印刷ジョブを発行したユーザAに関連する印刷ジョブの発行履歴から今回の移動先を推定する(ステップ41)。この処理は、ユーザ移動履歴取得部141(図4参照)が実行する。
この具体例では、ユーザAの今回の移動先として出入り口1Aが特定できたものとして、出入り口1Aの位置に記号E(図8参照)を表している。
自装置を配置する位置が決定されると、印刷装置10は、出入り口1Aに至る移動経路を決定する(ステップ43)。この処理は、自装置移動経路決定部146(図4参照)が実行する。
移動経路が決定されると、印刷装置10は、決定された移動経路に沿って自装置を移動させる(ステップ44)。この処理は、移動制御部135(図3参照)が実行する。
図8の説明に戻る。
図8では、印刷装置10の移動の経路を破線で表している。
この例の場合、印刷装置10は、印刷物の受け取りが検知されると、印刷ジョブを発行したユーザAの移動先として出入り口1Aを記録する。勿論、印刷ジョブが発行された位置としてユーザAの机20の位置も記録される。
図10は、印刷ジョブを発行したユーザの移動先が他のユーザXの机20と推定された場合の処理動作を説明する図である。
図10には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
まず、印刷ジョブを受け付けた印刷装置10は、印刷ジョブが発行された位置を取得する。
図10の場合も、印刷ジョブを発行したのはユーザAが操作する作業端末21である。このため、図10の場合も、始点位置としてユーザAが使用する机20の位置に記号Sが表示されている。
次に、印刷装置10は、印刷ジョブを発行したユーザAについて印刷ジョブの発行履歴があるか否かを判定する。
図10では、印刷ジョブの発行履歴からユーザAの移動先としてユーザXの位置が推定されている。このため、図10では、ユーザXの机20の位置に記号Eが表されている。
ユーザの移動先が推定されると、印刷装置10は、自装置を配置する位置をユーザXの机20の位置に決定する。自装置を配置する位置が決定されると、印刷装置10は、ユーザXの机20の位置に至る移動経路を決定し、決定された移動経路に沿って自装置を移動させる。図中の破線は、印刷装置10の移動の経路を表している。
この例の場合、印刷装置10は、印刷物の受け取りが検知され、更に、ユーザXの位置でユーザAが予め定めた時間以上停止していると検知された場合、印刷ジョブを発行したユーザAの移動先としてユーザXの机20の位置を記録する。勿論、印刷ジョブが発行された位置としてユーザAの机20の位置も記録される。
図11には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図11の場合も、印刷ジョブを発行したのはユーザAが操作する作業端末21である。このため、図11の場合も、始点位置としてユーザAが使用する机20の位置に記号Sが表示されている。
次に、印刷装置10は、印刷ジョブを発行したユーザAについて印刷ジョブの発行履歴があるか否かを判定する。図10では、印刷ジョブの発行履歴からユーザAの移動先として会議用の机22の位置が推定された場合である。このため、図10では、会議用の机22の位置に記号Eが表されている。
ユーザの移動先が推定されると、印刷装置10は、自装置を配置する位置を会議用の机22の位置に決定する。自装置を配置する位置が決定されると、印刷装置10は、会議用の机22の位置に至る移動経路を決定し、決定された移動経路に沿って自装置を移動させる。図中の破線は、印刷装置10の移動の経路を表している。
この例の場合、印刷装置10は、印刷物の受け取りが検知され、更に、会議用の机22の位置でユーザAが予め定めた時間以上停止していると検知された場合、印刷ジョブを発行したユーザAの移動先として会議用の机22の位置を記録する。勿論、印刷ジョブが発行された位置としてユーザAの机20の位置も記録される。
図12は、印刷ジョブを発行したユーザが移動先に向かう経路上に印刷装置を配置する場合の処理動作を説明する図である。
図12には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
まず、印刷ジョブを受け付けた印刷装置10は、印刷ジョブが発行された位置を取得する。図12の場合も、印刷ジョブを発行したのはユーザAが操作する作業端末21である。このため、図12の場合も、始点位置としてユーザAが使用する机20の位置に記号Sが表示されている。
なお、円201は、ユーザAが印刷ジョブの実行に要する時間内に移動が可能な範囲を円201で表している。また、図12においては、推定された移動経路のうち、印刷ジョブの実行に要する時間内に移動できない範囲を破線で囲んで示している。
次に、印刷装置10は、印刷ジョブを発行したユーザAについて印刷ジョブの発行履歴があるか否かを判定する。この処理は、図7のステップ3に対応する。
この具体例では、履歴が存在する場合を想定する。従って、印刷装置10は、自装置を配置する位置の決定と、決定された位置への移動を実行する。この処理は、図7のステップ4に対応する。
図13には、図9に示すフローチャートとの対応部分に対応する符号を付して示している。
図13に示す処理の内容は、図7におけるステップ4に対応する。
図13においても、記号のSはステップを示す。
まず、印刷装置10は、印刷ジョブを発行したユーザAに関連する印刷ジョブの発行履歴から今回の移動先を推定する(ステップ41)。この処理は、ユーザ移動履歴取得部141(図4参照)が実行する。
この具体例では、印刷ジョブの発行履歴からユーザAの移動先として出入り口1Aの位置が推定されたものとして、出入り口1Aの位置に記号E(図12参照)を表している。
次に、印刷装置10は、ユーザ移動経路推定部142(図4参照)の機能を用いてユーザAが移動先に向かう際に使用すると推定される移動経路を推定する(ステップ52)。
また、印刷装置10は、時間内ユーザ移動範囲推定部144(図4参照)の機能を用いて印刷ジョブを発行したユーザAが印刷に要する時間内に移動が可能な範囲を推定する(ステップ53)。
図12においては、ユーザAが印刷ジョブの実行に要する時間内に移動が可能な範囲を円201で表している。図12に示すように、円201は、印刷ジョブが発行された位置を示す記号Sを中心とする。円201の半径は、印刷ジョブの実行に要する時間と、予め定めたユーザの移動の速度とによって定まる。
印刷装置10は、推定されたユーザAの移動経路上であり、かつ、円201に含まれない区間202(図12参照)を、自装置の配置の場所の候補とする。図12においては、区間202を破線で囲んで示している。
この具体例では、区間202に含まれる経路上のいずれかの位置が印刷装置10を配置する位置として決定される。
この区間202内でユーザAが印刷物を受け取れば、ユーザAの移動の距離が短くなるだけでなく、印刷物を受け取るまで待ち時間も短縮される。また、自席で印刷装置10を受け取る場合に比して、移動先である出入り口1Aから外に出るまでの時間も短縮される。
図14は、印刷ジョブを発行したユーザが移動先に向かう経路上に印刷装置を配置する場合の他の処理動作を説明する図である。
図14には、図12との対応部分に対応する符号を付して示している。
この具体例4は、推定されたユーザの移動経路とユーザの移動の範囲を与える円201の外縁との交点203を印刷装置10の移動先として決定する場合である。
従って、具体例4は、具体例3の一例である。従って、図13に示す手順に従って、処理動作が実行される。
この自装置を配置する位置を再計算する機能は、自装置移動先決定部145(図4参照)の機能の一部として用意されている。
この再計算の機能は、印刷ジョブを受け付けたときに決定した移動先にユーザAが到着していない場合や推定された場所とは異なる場所にユーザAが移動した場合にも利用が可能である。
なお、再計算は、移動先に到着する前に開始してもよい。例えば印刷装置10の移動が開始された後も、ユーザの現在の位置を逐次取得して移動先を修正してもよい。なお、再計算を実行する周期は、予め与えられてもよいし、予約者であるユーザが指定してもよい。例えば数秒に一度の周期で再計算を実行してもよい。この具体例の場合には、10秒毎に再計算が実行される。
図15は、印刷装置の移動先を再計算によって変更する場合の移動例を説明する図である。
図15には、図14との対応部分に対応する符号を付して示している。
図15の場合、印刷ジョブを受け付けた際に推定された移動先である交点203を破線で示し、新たな移動先を交点203Nで示す。
印刷装置10の新たな移動先を与える交点203Nは、例えば時間内ユーザ移動範囲推定部144(図4参照)と自装置移動先決定部145(図4参照)によって決定される。
仮に印刷ジョブを発行したユーザAが、印刷ジョブを発行した位置である自席を移動しなかった場合、新たな円201Nの半径は、徐々に小さい値に再計算される。
この場合、印刷装置10は、推定されたユーザAの移動経路に沿ってユーザAの机20に近づくように移動する。最終的に、印刷装置10は、印刷ジョブを発行したユーザAの机20に移動する。
図16は、印刷ジョブの実行に要する時間内に移動が可能な範囲内に、推定された移動の経路の全てが含まれる場合の移動例を説明する図である。
図16には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
なお、この具体例5も、具体例3の一例である。従って、図13に示す手順に従って、処理動作が実行される。
ただし、この具体例5の場合には、印刷ジョブを発行したユーザAについて推定された移動経路上のどこに印刷装置10を配置しても、ユーザAが印刷装置10の位置に到着した際に印刷が終了しておらず、印刷物を受け取ることができない。このような事象は、例えば印刷ジョブで指定された頁数が多い場合に起こり得る。
この具体例の場合、ユーザAは、出入り口1Aで、印刷装置10による印刷が終了するのを待機する。この例では、印刷物を受け取りまでの移動を停止して待機する時間が必要になるが、印刷物を受け取って出入り口1Aから外に出るまでに要する時間は短縮される。
図17は、印刷ジョブを受け付けた際に推定したユーザの移動先と実際の移動先が異なる場合を説明する図である。
図17には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図17の場合、ユーザAから印刷ジョブを受け付けた印刷装置10は、移動先として出入り口1Aの位置を推定している。このため、印刷装置10は、自装置を配置する位置として出入り口1Aの位置を決定し、移動を開始する。
ところが、印刷ジョブを発行したユーザが実際に向かったのは出入り口1Cである。図15では、ユーザAの移動の経路を実線の矢印で示している。もっとも、実線の矢印で示す経路はユーザAしか知ることができない。
図18は、具体例6で実行される処理動作の詳細を示すフローチャートである。
図18には、図13に示すフローチャートとの対応部分に対応する符号を付して示している。
図18に示す処理の内容は、図7におけるステップ4に対応する。
図18においても、記号のSはステップを示す。
この具体例の場合、自装置移動先決定部145は、例えば逐次取得されるユーザの現在の位置が、推定されたユーザの移動経路から外れているか否かを判定する機能を有している。
ただし、ユーザの現在の位置が推定されたユーザの移動経路から外れている場合、自装置移動先決定部145は、ユーザの現在の位置を自装置の新たな移動先に決定する(ステップ62)。
例えばユーザの現在の位置と推定されたユーザの移動経路とが予め定めた距離以上離れた場合、ユーザの現在の位置が推定されたユーザの移動経路から外れたと判定してもよい。
また例えば決定された自装置の移動先との間の距離が継続的に増える方向に変化する場合、ユーザの現在の位置が推定されたユーザの移動経路から外れたと判定してもよい。
図19には、図17との対応部分に対応する符号を付して示している。
図19の例では、印刷ジョブを発行したユーザAの現在の位置P(t1)を、印刷装置10の新たな移動先に定めた場合における印刷装置10の移動の経路を矢印220及び221で示している。ここで、t1は時刻を表している。すなわち位置P(t1)は時刻t1におけるユーザAの位置を表している。
なお、自装置の移動先を位置P(t1)に決定した後も、ユーザAの移動は続いている。図19の場合、時刻t2には、位置P(t2)に移動している。
よって、自装置移動先決定部145は、ユーザAを追跡するように新たに位置P(t2)を自装置の移動先に決定する。
この機能の実行により、印刷ジョブが発行された時点でのユーザの移動先の推定が外れた場合でも、印刷装置10は、印刷ジョブを発行したユーザに近づくように移動する。このため、推定が外れた場合でも、ユーザAの移動の距離は増えないか、増加が少なくなる。
図20は、印刷ジョブを発行したユーザの移動先の候補が複数ある場合における移動先の決定例を説明する図である。
図20には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
この具体例では、印刷ジョブを発行したユーザAについて今回の移動先を発行履歴から推定する処理の一例を説明する。
この具体例では、出現の頻度の偏りを利用して、印刷ジョブを発行したユーザAの移動先の推定の精度を高める手法を説明する。
図20の場合も、印刷ジョブを発行したのはユーザAが操作する作業端末21である。このため、図20の場合も、始点位置としてユーザAが使用する机20の位置に記号Sが表示されている。
図20では、ユーザAが使用する机20に設置された作業端末21から印刷ジョブが発行された場合を示している。
図21に示す処理の内容は、図9におけるステップ41に対応する。
図21においても、記号のSはステップを示す。
この処理は、ユーザ移動履歴取得部141(図4参照)が実行する。
図21の場合、ユーザ移動履歴取得部141は、印刷ジョブを発行したユーザに関連する印刷ジョブの発行履歴を取得する(ステップ71)。ここでは、ユーザAに関する発行履歴として始点位置と終了位置の組が複数取得される。
次に、ユーザ移動履歴取得部141は、今回の印刷ジョブが発行された位置と開始位置が同じ履歴を抽出する(ステップ72)。
この具体例の場合、開始位置がユーザAの机20の位置と同じ履歴が抽出される。従って、ユーザAの履歴でも、今回とは異なる位置が開始位置として記録されている履歴は除外される。
なお、作業端末21が据え置き型の場合には、作業端末21によって、印刷ジョブが発行された位置が特定される。従って、作業端末21が据え置き型の場合には、印刷ジョブを発行した作業端末21の違いで開始位置を区別してもよい。
次に、ユーザ移動履歴取得部141は、開始位置が同じユーザAの履歴を対象として、使用率が高い移動先を抽出して今回の移動先として推定する(ステップ73)。
図20の場合、出入り口1Bが移動先であった履歴は100回であり、出入り口1Cが移動先であった履歴は10回である。
この場合、ユーザ移動履歴取得部141は、移動の回数が多い出入り口1Bを今回の移動先として推定する。
図22は、印刷ジョブを発行したユーザの移動先の候補が複数ある場合における移動先の他の決定例を説明する図である。
図22には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
この具体例では、印刷ジョブを発行したユーザAについて今回の移動先を発行履歴から推定する処理の一例を説明する。
この具体例では、発行履歴の学習によって明らかになった時間帯ごとの移動先の傾向を活用して、印刷ジョブを発行したユーザAの移動先の推定の精度を高める手法を説明する。
図22の場合も、印刷ジョブを発行したのはユーザAが操作する作業端末21である。このため、図22の場合も、始点位置としてユーザAが使用する机20の位置に記号Sが表示されている。
図23に示す処理の内容も、図9におけるステップ41に対応する。
図23においても、記号のSはステップを示す。
この具体例の場合、図22に示したように、ユーザ毎に時間帯毎の移動先の代表的な位置が学習されている。
このため、ユーザ移動履歴取得部141は、今回の印刷ジョブが発行された時間が含まれる時間帯を特定する(ステップ81)。例えば印刷ジョブが発行された時間が13時32分の場合、13時から14時の時間帯を特定する。この具体例では、1時間刻みで時間帯を管理しているが、時間帯は30分単位で管理してもよいし、15分単位や5分単位で管理してもよい。また、2時間など1時間を越える時間単位で管理してもよい。
例えば図22の例であれば、13時32分は、13時から15時の時間帯に含まれている。図22の場合、13時から15時の時間帯に印刷ジョブを発行したユーザAは、印刷ジョブの実行後に出入り口1Cに移動することが多い。
このため、図22では、出入り口1Cに記号Eが示されている。
例えば印刷ジョブを発行したユーザに関連する印刷ジョブの履歴の中から、今回の印刷ジョブが発行された位置と開始位置が同じであり、更に、印刷ジョブが発行された時間から予め定めた範囲内に含まれる履歴を抽出してもよい。
その後、抽出された履歴の中で、出現の頻度が高い移動先を、今回の印刷ジョブに対するユーザAの移動先として推定してもよい。
図24は、印刷ジョブを発行したユーザの移動先の候補が複数ある場合における移動先の他の決定例を説明する図である。
図24には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
この具体例でも、印刷ジョブを発行したユーザAについて今回の移動先を発行履歴から推定する処理の一例を説明する。
この具体例では、発行履歴の学習によって明らかになった設定の内容ごとの移動先の傾向を活用して、印刷ジョブを発行したユーザAの移動先の推定の精度を高める手法を説明する。
図24の場合、ユーザAは、モノクロで5部以上の印刷を指示する場合には会議用の机22に移動する傾向が認められ、カラーで10部未満の印刷を指示する場合には出入り口1Bに移動する傾向が認められ、カラーで5部未満の印刷を指示する場合には出入り口1Cに移動する傾向が認められる。
図25に示す処理の内容も、図9におけるステップ41に対応する。
図25においても、記号のSはステップを示す。
この処理も、ユーザ移動履歴取得部141(図4参照)が実行する。
この具体例の場合、図24に示したように、ユーザ毎に印刷ジョブで指定された設定の内容に応じて移動先の代表的な位置が学習されている。
このため、ユーザ移動履歴取得部141は、今回の印刷ジョブで指定された設定の内容が合致する分類を特定する(ステップ91)。例えば今回の印刷ジョブで指定された設定の内容がモノクロで10部の印刷である場合、モノクロで5部以上の印刷を対象とする分類を特定する。
例えば図24の例であれば、モノクロで5部以上の印刷を指定したユーザAは、印刷ジョブの実行後に会議用の机22に移動することが多い。
このため、図24では、会議用の机22に記号Eが示されている。
例えば印刷ジョブを発行したユーザに関連する印刷ジョブの履歴の中から、今回の印刷ジョブが発行された位置と開始位置が同じであり、更に、印刷ジョブで指定された設定が同じ又は類似する履歴を抽出してもよい。どの程度の違いを類似とみなすかは、ユーザの設定による。例えば部数の違いが2部以内であれば類似とみなしてもよい。
その後、抽出された履歴の中で、出現の頻度が高い移動先を、今回の印刷ジョブに対するユーザAの移動先として推定してもよい。
前述の具体例では、少なくない数の印刷ジョブの発行履歴を利用できる場合を想定しているため、運用を開始した直後のように印刷ジョブの発行履歴が少ない場合には利用することができない。
そこで、この具体例では、印刷ジョブの発行履歴が少ない状況でも利用が可能な手法について説明する。
図26には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図26の場合も、印刷ジョブの発行者はユーザAと仮定している。
この具体例では、ユーザAについて取得される現在の位置の変化から移動ベクトルを計算し、ユーザAの移動先を推定する手法を使用する。
図27は、具体例10で実行される処理動作の詳細を示すフローチャートである。
図27に示す処理の内容は、図7におけるステップ5に対応し、図9との対応部分に対応する符号を付して示している。
図27においても、記号のSはステップを示す。
まず、ユーザ移動経路推定部142は、印刷ジョブを発行したユーザの現在の位置の変化から移動ベクトルを検知し、検知された移動ベクトルを用いて移動経路を推定する(ステップ101)。図26では、移動ベクトルV1、V2が検知されている。
ユーザの現在の位置は、ユーザ現在位置取得部134(図3参照)から与えられる。
この具体例の場合、移動ベクトルは、予め定めた時間毎に検知される。例えば1秒毎に計算される。
ユーザ移動経路推定部142は、検知された移動ベクトルを用いてユーザAが移動する経路を推定する。
図26の例では、ユーザAは、印刷装置10の初期位置に向かって移動していると推定される。
自装置を配置する位置が決定されると、印刷装置10は、出入り口1Aに至る移動経路を決定する(ステップ43)。この処理は、自装置移動経路決定部146(図4参照)が実行する。
移動経路が決定されると、印刷装置10は、決定された移動経路に沿って自装置を移動させる(ステップ44)。この処理は、移動制御部135(図3参照)が実行する。
図26の例では、移動ベクトルV2の矢印の先の位置Pが印刷装置10を配置する位置として決定されており、この位置Pで印刷物が受け渡されている。
その後、ユーザAが出入り口1Aから空間1の外に出ると、出入り口1Aが今回の印刷ジョブに対応する移動先として、印刷ジョブが発行された位置と共に記録される。
本実施の形態では、据え置き型の印刷装置を使用する場合について説明する。
図28は、据え置き型の印刷装置10Aを配置する空間1の例を説明する図である。印刷装置10Aは、画像形成装置の一例である。
図28には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
図28が前提とする空間1のレイアウトは、実施の形態1の場合と同じである。
本実施の形態における印刷装置10Aには、印刷の機能に加え、例えば画像を光学的に読み取る、いわゆるスキャン機能、FAX文書を送受信する機能、光学的に読み取った画像を印刷する、いわゆるコピー機能が設けられる。また、印刷装置10Aには、綴じ処理、仕訳処理などの後処理機構が備えられていてもよい。
作業端末21Aは、プログラムの実行を通じて装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)211と、BIOS(Basic Input Output System)等のプログラムを記憶するROM212と、プログラムの実行領域として使用されるRAM(Random Access Memory)213と、を有している。
CPU211、ROM212、RAM213は、コンピュータとして機能する。
前述した各部は、バス218や不図示の通信線を通じて互いに接続されており、これらの配線を介してデータの受け渡しを実行する。
図30に示す機能は、CPU211によるプログラムの実行を通じて実現される。
なお、図30は、プログラムの実行を通じて実現される機能のうち、印刷装置10Aを配置する位置を決定する機能について表している。
このため、図30には、図3及び図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
ここでの配置位置決定部133Aは、印刷ジョブを発行した後のユーザの移動の履歴を取得するユーザ移動履歴取得部141と、移動の履歴に基づいて印刷装置10Aを配置する位置を決定する位置決定部151と、を有している。
また例えば位置決定部151は、各印刷ジョブの開始位置と終了位置について移動経路を推定し、推定された移動経路の重複が多い位置を、印刷装置10Aを配置する位置に決定してもよい。
また例えば位置決定部151は、各印刷ジョブのうち使用頻度が高い開始位置から使用頻度が高い終了位置に至る移動経路を推定し、推定された移動経路を推奨される印刷装置10Aの位置として決定してもよい。
なお、全てのユーザの履歴を同等に扱う必要はなく、優先度が高いユーザの重みを大きくし、優先度が低いユーザの重みを小さくして移動経路を推定してもよい。例えば印刷の頻度が高いユーザの優先度を高めてもよい。
図31に示す例は、印刷ジョブの発行後のユーザの移動先として、出入り口1Aが最も多い場合である。
このように、移動先となる頻度が高い位置に印刷装置10Aを配置することで全ユーザの統計上の移動距離が短縮される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に記載の範囲に限定されない。上述の実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
Claims (9)
- 画像を形成する画像形成手段と、
画像の形成の指示に伴い実行されたユーザの移動の始点位置と終点位置の履歴を取得する取得手段と、
取得された前記履歴に基づいてユーザが移動する経路を推定し、推定された経路に基づいて自装置を配置する位置を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された位置に、自装置を移動させる移動手段と、
を有する、画像形成装置。 - 前記画像形成手段による画像の出力に要する時間を推定する第1の推定手段と、
推定された前記時間内にユーザが移動可能な範囲を推定する第2の推定手段と、
を更に有し、
前記決定手段は、推定された前記経路のうち前記範囲に含まれない区間を対象として自装置を配置する位置を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段による画像の出力に要する時間を推定する第1の推定手段と、
推定された前記時間内にユーザが移動可能な範囲を、予め定めた時間毎に推定する第2の推定手段と、
を更に有し、
前記決定手段は、推定された前記経路と前記範囲の外縁との交点を、予め定めた時間毎に、自装置を配置する位置として決定する、請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段による画像の出力に要する時間を推定する第1の推定手段と、
推定された前記時間内にユーザが移動可能な範囲を、予め定めた時間毎に推定する第2の推定手段と、
を更に有し、
前記決定手段は、推定された前記経路が前記範囲内に含まれる場合、当該経路に対応する終点位置を、自装置を配置する位置として決定する、請求項1に記載の画像形成装置。 - ユーザが所持する情報端末の位置、又は、自装置が配置されている空間に設置されたカメラで撮像された画像から認証されたユーザの現在の位置を、ユーザの現在の位置として取得する手段を更に有し、
前記決定手段は、ユーザの現在の位置が、推定された前記経路上に存在しない場合、ユーザの現在の位置を、自装置を配置する位置として決定する、請求項1に記載の画像形成装置。 - 画像の形成を指示したユーザの移動ベクトルを検知する検知手段を更に有し、
前記決定手段は、画像の形成を指示したユーザに対応する前記履歴が存在しない場合、前記移動ベクトルを用いてユーザが移動する経路を推定し、推定された経路に基づいて自装置を配置する位置を決定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記決定手段は、決定された位置を画面に表示する、請求項1~6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記決定手段は、推定された移動経路、又は、使用頻度が高い前記始点位置から使用頻度が高い前記終点位置に至る経路を表示する、請求項7に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置を制御するコンピュータに、
画像の形成の指示に伴い実行されたユーザの移動の始点位置と終点位置の履歴を取得する機能と、
取得された前記履歴に基づいてユーザが移動する経路を推定し、推定された経路に基づいて前記画像形成装置を配置する位置を決定する機能と、
前記決定する機能によって決定された位置に、前記画像形成装置を移動させる機能と、
を実現させるためのプログラム。
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