以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
以下の実施の形態では、画像形成装置がMFPである場合について説明する。画像形成装置はMFPである場合の他、プリンター、複写機、またはファクシミリなどであってもよい。
[第1の実施の形態]
始めに、本実施の形態における画像形成システムの構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの構成を示す概念図である。
図1を参照して、本実施の形態における画像形成システムは、MFP100a(画像形成装置の一例)、100b、および100c(以降、MFP100a、100b、100cを纏めて、MFP100と記すことがある)と、装着型デバイス200aおよび200b(以降、装着型デバイス200aおよび200bを纏めて、装着型デバイス200と記すことがある)と、PC(Personal Computer)300と、管理サーバー400などを備えている。MFP100の各々と、装着型デバイス200の各々と、PC300と、管理サーバー400とは、ネットワーク501を通じて相互に接続されており、相互に通信を行う。特に装着型デバイス200の各々は、ネットワーク501に接続されたアクセスポイント502との間で無線通信を行うことにより、他の機器との間で相互に無線通信を行う。
ネットワーク501は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などである。ネットワーク501は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のプロトコルを用いて各種機器を接続する。ネットワーク501に接続された機器は、お互いに各種データのやり取りが可能となっている。なお、画像形成システムは、ネットワーク501に接続された上述以外の機器を備えていてもよい。
ユーザーU1およびU2は、MFP100を使用可能なユーザーである。装着型デバイス200aおよび200bの各々は、それぞれユーザーU1およびU2によって装着されている。
MFP100は、ユーザーから印刷ジョブの実行指示を受け付けた場合に、そのユーザーが装着している装着型デバイス200を通じてそのユーザーに力覚を与えることにより、印刷物を出力するMFP100までそのユーザーを誘導する。
装着型デバイス200は、装着したユーザーに対して、強度および方向で規定される力覚を与える。
PC300は、MFP100で実行する印刷ジョブの入力を受け付ける。PC300は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、通信部、および操作表示部などを含んでいる。
管理サーバー400は、MFP100のユーザーを管理する。管理サーバー400は、CPU、ROM、RAM、HDD、および通信部などを含んでいる。管理サーバー400は、装着型デバイス200を装着したユーザーの位置および加速度の情報を装着型デバイス200から繰り返し取得しており、MFP100は必要に応じてユーザーの位置および加速度の情報を管理サーバー400から取得してもよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるMFP100の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、MFP100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、記憶装置104と、通信部105と、ルート選択部106と、力覚情報決定部107と、印刷実行部108と、操作パネル109と、消耗品検知部110などを含んでいる。CPU101には、ROM102、RAM103、記憶装置104、通信部105、ルート選択部106、力覚情報決定部107、印刷実行部108、操作パネル109、および消耗品検知部110の各々がバスを介して接続されている。
CPU101は、スキャンジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、およびプリントジョブなどの各種ジョブについて、MFP100全体の制御を行う。またCPU101は、ROM102に記憶された制御プログラムを実行する。
ROM102は、たとえばフラッシュROMである。ROM102には、CPU101が実行する各種プログラムと、各種固定データとが格納されている。ROM102は、書換え不可能なものであってもよい。
RAM103は、CPU101のメインメモリである。RAM103は、CPU101が各種プログラムを実行するときに必要なデータや画像データを一時的に記憶するためなどに用いられる。
記憶装置104は、たとえばHDDよりなっており、装着型デバイス200との連携のための制御ソフトウェア151のプログラムや、後述するマップ情報152などの各種情報を記憶している。
通信部105は、CPU101からの指示に従って、TCP/IPなどの通信プロトコルによって、他の機器との通信を行う。
ルート選択部106は、装着型デバイス200を装着したユーザーがMFP100に向かう経路を決定する。
力覚情報決定部107は、装着型デバイス200を装着したユーザーに対して装着型デバイス200が与える力覚の強度および方向(ユーザーを引っ張る力の大きさと方向)を決定する。
印刷実行部108は、印刷ジョブを実行する。印刷実行部108は、おおまかに、トナー像形成部、定着装置、および用紙搬送部などで構成される。印刷実行部108は、たとえば電子写真方式で用紙に画像を形成する(プリントする)。印刷実行部108は、いわゆるタンデム方式で4色の画像を合成し、用紙にカラー画像を形成可能に構成される。トナー像形成部は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について設けられた感光体と、感光体からトナー像が転写(1次転写)される中間転写ベルトと、中間転写ベルトから用紙に画像を転写(2次転写)する転写部と、各色のトナーを収容するトナーボトルなどで構成される。定着装置は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを有する。定着装置は、加熱ローラーと加圧ローラーとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行なう。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。用紙搬送部は、給紙ローラー、搬送ローラー、およびそれらを駆動するモーターなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセットから給紙して、MFP100の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙をMFP100の筐体から排紙トレイなどに排出する。
操作パネル109(操作部の一例)は、タッチパネルディスプレイなどからなる表示部と、ハードウェアキーおよびタッチパネルディスプレイに表示されたソフトウェアキーなどからなる入力部とを含んでいる。操作パネル109は、各種入力をユーザーから受け付け、各種設定項目やメッセージなどをユーザーに対して表示する。
消耗品検知部110は、MFP100が搭載している印刷に用いる消耗品の消耗(残量)を検知する。
図3は、本発明の第1の実施の形態における装着型デバイス200の構成を示すブロック図である。
図3を参照して、装着型デバイス200は、力覚提示デバイスであり、CPU201と、ROM202と、RAM203と、記憶装置204と、通信部205と、位置/姿勢取得部206と、力覚提示部207とを含んでいる。CPU201には、ROM202、RAM203、記憶装置204、通信部205、位置/姿勢取得部206、および力覚提示部207の各々がバスを介して接続されている。
CPU201は、装着型デバイス200全体の動作を制御する。CPU201は、制御プログラムに基づいて処理を行う。
ROM202は、CPU201が実行する制御プログラムなどを記憶する。
RAM203はCPU201の作業用のメモリであり、各種情報を一時的に記憶する。
記憶装置204は、各種情報を記憶している。
通信部205は、ネットワーク501上のアクセスポイント502を通じて、MFP100などの他の機器との間で各種の情報を送受信する。
位置/姿勢取得部206は、加速度センサー、地磁気センサー、およびGPS(Global Positioning System)受信機などにより構成されている。位置/姿勢取得部206は、装着型デバイス200の位置および方向(姿勢)の情報を取得する。以降、装着型デバイス200の位置および方向の情報を、その装着型デバイス200を装着しているユーザーの位置および方向の情報として記すことがある。また、位置/姿勢取得部206は、装着しているユーザー200による自機の移動の方向および加速度を検知する。
力覚提示部207は、装着型デバイス200を装着しているユーザーに対して力覚を与える。
図4は、MFP100aがマップ情報152として記憶している地図を模式的に示す図である。
図4を参照して、マップ情報152とは、MFP100a自身が配置されている場所の周辺においてユーザーが通行可能な通路を示す地図の情報である。ここでのマップ情報152は、MFP100自身が設置されている部屋RMのレイアウトである。具体的には、部屋RMには、複数の机DKと、MFP100a、100b、および100cと、MFP100の消耗品(たとえばトナーボトルや感光体など)の交換対象が保管されている位置である保管場所SRとが設置されている。MFP100aは部屋RMにおける図4中右上部に配置されており、MFP100bは部屋RMにおける図4中左側中央部に配置されており、MFP100cは部屋RMにおける図4中左下部に配置されている。保管場所SRは部屋RMにおける図4中左上部に配置されている。部屋RMにおける何も配置されていない領域は、ユーザーが通行可能な通路PHとなっている。
マップ情報152は、MFP100の管理者などによって入力されたものであってもよいし、装着型デバイス200から取得したユーザーの位置情報に基づいてMFP100または管理サーバー400が作成したものであってもよい。
続いて、本実施の形態における画像形成システムの動作について説明する。本実施の形態では、MFP100aが受け付けた印刷ジョブをMFP100a自身が実行することを前提としている。
図5は、本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの動作を示すブロック図である。
図5を参照して、ユーザーU1は、PC300にインストールされた印刷アプリケーション351を通じて、MFP100aに対して印刷ジョブの実行指示を行う。PC300は、PC300の通信部301を通じてMFP100aの通信部105に、印刷ジョブの実行指示を送信する(「1.印刷指示」)。
MFP100aは、PC300から印刷ジョブを受信すると、印刷実行部108を用いて、受信した印刷ジョブの印刷を開始する(「2.印刷開始」)。
管理サーバー400は、ユーザー情報451を記憶している。ユーザー情報451は、MFP100のユーザーの各々と、そのユーザーが装着している装着型デバイス200との関連性を示す情報である。
次にMFP100aは、通信部105を通じて、印刷ジョブを実行したユーザーU1が装着している装着型デバイス200aの情報の宛先(IPアドレスなど)を管理サーバー400から取得する(「3.装着型デバイス情報取得」)。なお、ユーザー情報451は、MFP100の記憶装置104に記憶されていてもよい。
次にMFP100aは、通信部105を通じて、装着型デバイス200aに対して、ユーザーU1の位置および方向の情報を要求する(「4.位置/姿勢要求」)。
装着型デバイス200aは、通信部205を通じて、MFP100aからの要求を受信すると、位置/姿勢取得部206を用いて、ユーザーU1の位置および方向の情報を取得し(「5a.位置/姿勢取得」)、通信部205を通じて、取得した位置および方向の情報をMFP100aに送信する(「5b.位置/姿勢情報送信」)。なお、装着型デバイス200aは、少なくともユーザーU1の位置の情報をMFP100aに送信すればよい。
MFP100aは、通信部105を通じて、ユーザーU1の位置および方向の情報を受信すると、ルート選択部106を用いて、ユーザーU1の位置からMFP100aの位置までの経路を決定する(「6.ルート決定」)。
MFP100aの位置は、予め記憶装置104に記憶されていてもよいし、MFP100aがGPS受信機などの位置情報取得部を含んでいる場合には、その位置情報取得部を用いて取得してもよい。またMFP100aは、マップ情報152を記憶していない場合には、ネットワーク501上の外部サーバー(管理サーバー400など)に、MFP100aの周辺のマップ情報やユーザーU1の過去の移動履歴を要求してもよい。
次にMFP100aは、力覚情報決定部107を用いて、ユーザーU1の印刷ジョブが完了するまでの時間(以降、対象となる印刷ジョブが完了するまでの時間を「印刷完了時間」と記すことがある)を予測する(「7a.印刷完了時間予測」)。印刷完了時間は、印刷ジョブのデータ量やページ数などに応じて予測される。本実施の形態では、ユーザーU1の印刷ジョブは直ちに実行させるので、ユーザーU1の印刷ジョブの印刷完了時間は、ユーザーU1の印刷ジョブの所要時間と等しくなる。
次にMFP100aは、ルート選択部106にて決定した経路に沿ってユーザーU1がMFP100aの位置まで移動するのに要する時間(以降、「移動時間」と記すことがある)を予測する(「7b.移動時間予測」)。
続いてMFP100aは、力覚情報決定部107を用いて、予測した印刷完了時間と移動時間とに基づいて、MFP100aへユーザーU1を導く力覚の強度を決定する。またMFP100aは、力覚情報決定部107を用いて、ルート選択部106にて決定した経路に沿った方向に、MFP100aへユーザーU1を導く力覚の方向を決定する(「7c.力覚強度/方向導出」)。MFP100aは、経路とユーザーU1の姿勢の情報から、ユーザーU1から見た進行方向を算出する。
次にMFP100aは、通信部105を通じて、決定した強度および方向で規定される力覚をユーザーU1に対して与える指示を、装着型デバイス200aに送信する(「8.力覚方向/強度送信」)。これにより、ユーザーU1の誘導が開始される。
装着型デバイス200aは、MFP100aからの指示に従って、力覚提示部207を用いて、ユーザーU1に対して力覚(力覚刺激)を与える(「9.力覚刺激」)。
その後、画像形成システムは、ユーザーU1がMFP100aに到着するまで(MFP100aが取得するユーザーU1の位置の情報がMFP100aの位置の一定範囲内を示すまで)、上記項目4〜9の動作を繰り返すことで、ユーザーU1の誘導を行う。
具体的には、MFP100aは、ユーザーU1が存在する位置の情報を必要なタイミングで繰り返し取得し、取得した情報を取得する度に、移動時間の予測を更新する。MFP100aは、移動時間の予測を更新する度に、予測した印刷完了時間と、予測した移動時間とに基づいて力覚の強度を更新する。MFP100aは、ユーザーU1の位置の情報を取得する度に、力覚の方向を更新する。MFP100aは、力覚の強度および方向のうち少なくとも一方が変更された場合に、変更後の強度および方向で規定される力覚をユーザーU1に対して与える指示を装着型デバイス200aに送信する。
図6は、本発明の第1の実施の形態における経路の決定方法を説明する図である。
図6を参照して、ルート選択部106は、ユーザーU1の位置からMFP100aの位置までの経路を以下の方法により決定してもよい。ルート選択部106は、マップ情報152の地図上にユーザーU1の位置PTをプロットする。なお、図6において位置PTに付された矢印はユーザーU1の向き(姿勢)である。次にルート選択部106は、通路PHに沿った位置PTからMFP100aまでの最短の経路RT1を決定する。また、ユーザーU1の過去の移動履歴をMFP100aが取得した場合には、ルート選択部106は、その移動履歴に基づいて、ユーザーU1が通る頻度の高い通路PHを優先的に経路RT1に含めるようにしてもよい。
またルート選択部106は、消耗品検知部110が消耗品の消耗を検知したときは、ユーザーU1に消耗品の交換を促すために、保管場所SRを経由してMFP100aに向かう経路RT2を決定してもよい。この場合、予測される移動時間には保管場所SRで交換対象を取得する時間が含められてもよい。
図7〜図9は、本発明の第1の実施の形態における力覚の強度の決定方法を説明する図である。
図7〜図9を参照して、これらのグラフでは、縦軸がMFP100aまでの距離、横軸が印刷を実行してからの経過時間となっている。力覚情報決定部107は、基本的には、ユーザーU1の位置からMFP100aの位置までの距離DTと、ユーザーU1の印刷ジョブの印刷完了時間Tpとの関係が線L1に沿って変化するように力覚の強度を決定する。これにより、印刷完了時刻ちょうどにユーザーU1がMFP100aに到着するようになる。具体的には、力覚情報決定部107は、力覚の強度を決定する際に、以下の方法により力覚の強度を決定してもよい。
1.予測した印刷完了時間よりも予測した移動時間の方が長い場合(図7中点B1で示す場合)には、MFP100aから印刷物が出力された後で、ユーザーU1がMFP100aに遅れて到着する可能性が高い。この場合には、図7中矢印AR1で示すようにユーザーU1を急いで移動させるために、MFP100aへユーザーU1を導く力覚の強度は相対的に大きい値に決定されてもよい。
2.予測した印刷完了時間よりも予測した移動時間の方が短い場合(図7中点B2で示す場合)には、MFP100aから印刷物が出力される前に、ユーザーU1がMFP100aに到着する可能性が高い。この場合には、図7中矢印AR2で示すようにユーザーU1をゆっくり移動させるために、MFP100aへユーザーU1を導く力覚の強度は相対的に小さい値に決定される。またこの場合には、MFP100aへユーザーU1を導く力覚の方向が変わらないときは、MFP100aへユーザーU1を導く力覚の強度はゼロに決定されてもよい。
3.予測した印刷完了時間よりも予測した移動時間の方が所定の時間(第1の時間の一例)以上長い場合には、MFP100aから印刷物が出力されてから所定の時間が経過した後で、ユーザーU1がMFP100aに遅れて到着する可能性が高い。この場合には、
予測した印刷完了時間と予測した移動時間との差が所定の時間以下となるまで、印刷実行部108は、ユーザーU1の印刷ジョブよりも、MFP100aが実行する他の印刷ジョブ(ユーザーU1の印刷ジョブよりも後にMFP100aが受信した印刷ジョブ)を優先的に実行してもよい。第1の時間としては、大きな強度の力覚を与えてユーザーU1をMFP100aに急がせたとしても、ユーザーU1のMFP100aへの到着時刻が、印刷完了の時刻よりも大きく遅れる時間が設定されることが好ましい。
4.予測した印刷完了時間よりも予測した移動時間の方が所定の時間(第2の時間の一例)以上長い場合(図8中点B3で示す場合)には、MFP100aから印刷物が出力されてから所定の時間が経過した後で、ユーザーU1がMFP100aに遅れて到着する可能性が高い。この場合には、ユーザーU1の印刷ジョブの実行が保留されてもよい。そして、図8中矢印AR3aで示すようにユーザーU1が装着型デバイス200による誘導に従ってある程度移動し、予測した印刷完了時間と予測した移動時間との差が所定の時間以下となった後で、図8中矢印AR3bで示すように印刷ジョブが開始されてもよい。第2の時間としては、大きな強度の力覚を与えてユーザーU1をMFP100aに急がせたとしても、ユーザーU1のMFP100aへの到着時刻が、印刷完了の時刻よりも大きく遅れる時間が設定されることが好ましい。
5.MFP100aがユーザーU1からの印刷ジョブを受け付けた場合において、MFP100aの操作パネル109が他のユーザーからの操作を受け付けているとき(図9中点B4aの場合)は、図9中矢印AR4で示すように、操作パネル109が受け付けた操作に基づくMFP100aの動作(印刷ジョブやコピージョブなど)が完了するまで、印刷実行部108は印刷の実行およびユーザーU1の誘導が保留されてもよい。また、操作パネル109が受け付けた操作に基づくMFP100aの動作が完了した後(図9中点B4bの場合)に、印刷完了時間が予測され、ユーザーU1の誘導が開始されてもよい。
図10および図11は、本発明の第1の実施の形態におけるMFP100aの動作を示すフローチャートである。
図10を参照して、MFP100aのCPU101は、電源がオンされると、印刷ジョブを受信したか否かを判別する(S101)。印刷ジョブを受信したと判別するまで、CPU101は、ステップS101の処理を繰り返す。
ステップS101において、印刷ジョブを受信したと判別した場合(S101でYES)、CPU101は、印刷ジョブを実行したユーザーの装着型デバイス200の宛先を取得し(S103)、印刷ジョブを実行したユーザーがMFP100aに到着したか否かを判別する(S105)。
ステップS105において、印刷ジョブを実行したユーザーがMFP100aに到着したと判別した場合(S105でYES)、CPU101は処理を終了する。
ステップS105において、印刷ジョブを実行したユーザーがMFP100aに到着しないと判別した場合(S105でNO)、CPU101は、印刷ジョブを実行したユーザーの位置および方向(姿勢)の情報を取得し(S107)、印刷ジョブを実行したユーザーが移動する経路を決定する(S109)。続いてCPU101は、移動時間Tmを予測し(S111)、印刷完了時間Tpを予測し(S113)、図11のステップS115の処理へ進む。
図11を参照して、ステップS115において、CPU101は、予測した移動時間Tmが予測した印刷所要時間Tpよりも大きいか否かを判別する(S115)。
ステップS115において、予測した移動時間Tmが予測した印刷所要時間Tpよりも大きいと判別した場合(S115でYES)、CPU101は、受け付けた印刷ジョブの優先度を他のジョブよりも下げ(S117)、強い力覚刺激を与える指示を装着型デバイス200に送信し(S119)、図10のステップS103の処理へ進む。
ステップS115において、予測した移動時間Tmが予測した印刷所要時間Tp以下であると判別した場合(S115でNO)、CPU101は、受け付けた印刷ジョブの実行を開始済みであるか否かを判別する(S121)。
ステップS121において、受け付けた印刷ジョブの実行を開始済みであると判別した場合(S121でYES)、CPU101は、印刷ジョブの実行を開始し(S123)、弱い力覚刺激を与える指示を装着型デバイス200に送信し(S125)、図10のステップS103の処理へ進む。
本実施の形態によれば、MFP100aは、印刷ジョブを実行したユーザーU1に対して、予想した印刷完了時間および移動時間に基づいて規定された最適な力覚刺激を、装着型デバイス200aを通じて与える。これにより、ユーザーU1は、装着型デバイス200aの誘導によって、印刷物が出力されるタイミングに応じた適切なタイミングでMFP100aに到着し、出力された印刷物を取得することができ、利便性を向上することができる。
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、他のユーザーU2の印刷ジョブを実行中のMFP100aに対して、ユーザーU1が印刷ジョブの実行指示を行う場合の画像形成システムの動作について説明する。MFP100aは、第1の実施の形態で説明した方法で、装着型デバイス200bを通じてユーザーU2をMFP100aに誘導中であるものとする。
図12は、本発明の第2の実施の形態における画像形成システムの動作を示すブロック図である。
図12を参照して、MFP100aは、印刷実行部108を用いて、他のユーザーU2の印刷ジョブを実行中である(「0.印刷中」)。ユーザーU1は、PC300にインストールされた印刷アプリケーション351を通じて、MFP100aに対して印刷ジョブの実行指示を行う。PC300は、PC300の通信部301を通じてMFP100aの通信部105に、印刷ジョブの実行指示を送信する(「1.印刷指示」)。
MFP100aは、PC300からユーザーU1の印刷ジョブを受信すると、印刷実行部108を用いて、MFP100が印刷を実行中であるという状態を確認する(「2.状態確認」)。
次にMFP100aは、通信部105を通じて、印刷ジョブを実行したユーザーU1が装着している装着型デバイス200aの情報の宛先を管理サーバー400から取得する(「3.装着型デバイス情報取得」)。
次にMFP100aは、通信部105を通じて、装着型デバイス200aに対して、ユーザーU1の位置および方向の情報を要求する(「4.位置/姿勢要求」)。
装着型デバイス200aは、通信部205を通じて、MFP100aからの要求を受信すると、位置/姿勢取得部206を用いて、ユーザーU1の位置および方向の情報を取得し(「5a.位置/姿勢取得」)、通信部205を通じて、取得した位置および方向の情報をMFP100aに送信する(「5b.位置/姿勢情報送信」)。
MFP100aは、ユーザーU1の位置および方向の情報を通信部105で受信すると、ルート選択部106を用いて、ユーザーU1の位置からMFP100aの位置までの経路を決定する(「6.ルート決定」)。
次にMFP100aは、力覚情報決定部107を用いて、ユーザーU1の印刷ジョブの印刷完了時間を予測する(「7a.印刷完了時間予測」)。
ここで、MFP100aがユーザーU2の印刷ジョブを実行中である場合には、ユーザーU1の印刷ジョブが、ユーザーU2の印刷ジョブの完了を待って実行される。このため、ユーザーU1の印刷ジョブの印刷完了時間は、ユーザーU1の印刷ジョブの実行を開始できるまでの時間(ユーザーU2の印刷ジョブの印刷完了時間に相当)と、ユーザーU1の印刷ジョブの所要時間との和となる。また、図9を用いて説明したように、MFP100aの操作パネル109が他のユーザーからの操作を受け付けている場合には、ユーザーU1の印刷ジョブの印刷完了時間は無限大と予測される。
次にMFP100aは、ルート選択部106にて決定した経路に沿ってユーザーU1がMFP100aまで移動するのに要する時間を予測する(「7b.移動時間予測」)。
続いてMFP100aは、力覚情報決定部107を用いて、予測した印刷完了時間と移動時間とに基づいて、MFP100aへユーザーU1を導く力覚の強度を決定する。またMFP100aは、力覚情報決定部107を用いて、ルート選択部106にて決定した経路に沿った方向に、MFP100aへユーザーU1を導く力覚の方向を決定する(「7c.力覚強度/方向導出」)。
次にMFP100aは、制御ソフトウェア151を用いて、予測した印刷完了時間が予測した移動時間以下になっているか否かを判断する(「8a.誘導開始判定」)。予測した印刷完了時間が予測した移動時間以下になっている場合に、MFP100aはユーザーU1の誘導を開始し、項目9の動作を実行する。
またMFP100aは、ユーザーU2の印刷ジョブが完了した場合に、ユーザーU1の印刷ジョブの実行を開始する(「8b.印刷開始」)。
次にMFP100aは、通信部105を通じて、決定した強度および方向で規定される力覚をユーザーU1に対して与える指示を、装着型デバイス200aに送信する(「9.力覚方向/強度送信」)。これにより、ユーザーU1の誘導が開始される。
装着型デバイス200aは、MFP100aからの指示に従って、力覚提示部207を用いて、ユーザーU1に対して力覚(力覚刺激)を与える(「9.力覚刺激」)。
その後、画像形成システムは、ユーザーU1がMFP100aに到着するまで(MFP100aが取得するユーザーU1の位置の情報がMFP100aの位置の一定範囲内を示すまで)、上記項目4〜7、9、および10の動作を繰り返すことで、ユーザーU1の誘導を行う。
なお、MFP100aが装着型デバイス200aに指示を送信する前に、ユーザーU1がMFP100aへの移動を開始したことを示す情報を装着型デバイス200aから取得した場合(ユーザーU1が誘導を待たずに移動を開始した場合)、ユーザーU1の移動を妨げる方向(たとえばMFP100aに向かう方向とは反対の方向)の力覚を与える指示を装着型デバイス200aに送信してもよい。この場合MFP100aは、ユーザーU2の装着型デバイス200bに対しては、誘導の際に決定した強度よりも強い強度の力覚をユーザーU2に対して与える指示を送信してもよい。
図13および図14は、本発明の第2の実施の形態におけるMFP100aの動作を示すフローチャートである。
図13を参照して、MFP100aのCPU101は、電源がオンされると、印刷ジョブを受信したか否かを判別する(S201)。印刷ジョブを受信したと判別するまで、CPU101は、ステップS201の処理を繰り返す。
ステップS201において、印刷ジョブを受信したと判別した場合(S201でYES)、CPU101は、受信した印刷ジョブよりも前のジョブが完了しているか否かを判別する(S203)。
ステップS203において、受信した印刷ジョブよりも前のジョブが完了していると判別した場合(S203でYES)、CPU101は、印刷ジョブを開始し(S205)、ステップS207の処理へ進む。一方、ステップS203において、受信した印刷ジョブよりも前のジョブが完了していないと判別した場合(S203でNO)、CPU101はステップS207の処理へ進む。
ステップS207において、CPU101は、印刷ジョブを実行したユーザーの装着型デバイス200の宛先を取得し(S207)、印刷ジョブを実行したユーザーがMFP100aに到着したか否かを判別する(S209)。
ステップS209において、印刷ジョブを実行したユーザーがMFP100aに到着したと判別した場合(S209でYES)、CPU101は処理を終了する。
ステップS209において、印刷ジョブを実行したユーザーがMFP100aに到着しないと判別した場合(S209でNO)、CPU101は、ステップS211、S213、およびS215の処理を経る。ステップS211、S213、およびS215の処理の各々は、図10におけるステップS107、S109、およびS111の処理の各々と同様であるため、その説明は繰り返さない。
ステップS215の処理に続いて、印刷ジョブの所要時間Tsを予測し(S217)、印刷ジョブの実行を開始できるまでの時間Tiを予測する(S219)。なお、印刷完了時間Tpは、所要時間Tsと時間Tiとの和に相当する。印刷ジョブの実行後には、時間Tiはゼロとなり、所要時間Tsは印刷完了時間Tpと等しくなる。
図14を参照して、ステップS219の処理に続いて、CPU101は、予測した移動時間Tmが、予測した所要時間Tsと時間Tiとの和よりも大きいか否かを判別する(S221)。
ステップS221において、予測した移動時間Tmが、予測した所要時間Tsと時間Tiとの和よりも大きいと判別した場合(S221でYES)、CPU101は、強い力覚刺激を与える指示を装着型デバイス200に送信し(S223)、図13のステップS203の処理へ進む。
ステップS221において、予測した移動時間Tmが、予測した所要時間Tsと時間Tiとの和以下であると判別した場合(S221でNO)、CPU101は、印刷ジョブの実行を開始済みであるか否かを判別する(S225)。
ステップS225において、印刷ジョブの実行を開始済みであると判別した場合(S225でYES)、CPU101は、弱い力覚刺激を与える指示を装着型デバイス200に送信し(S227)、図13のステップS203の処理へ進む。一方、ステップS225において、印刷ジョブの実行を開始済みでないと判別した場合(S225でNO)、CPU101は、図13のステップS203の処理へ進む。
なお、上述以外の画像形成システムの構成および動作は、第1の実施の形態の場合の構成および動作と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、MFP100aは、他の印刷ジョブを実行中にユーザーU1の印刷ジョブを受信した場合に、前の印刷ジョブが完了するまでの時間に基づいて、ユーザーU1の印刷ジョブの印刷完了時間を予測する。これにより、ユーザーU1は、MFP100aが他の印刷ジョブを実行中である場合に印刷の実行指示を行った場合にも、自らの印刷物が出力されるタイミングに応じた適切なタイミングでMFP100aに到着し、出力された印刷物を取得することができる。
[第3の実施の形態]
本実施の形態では、MFP100aに対して実行指示が行われた印刷ジョブを他のMFP100bで実行させる場合の画像形成システムの動作について説明する。
図15は、本発明の第3の実施の形態における画像形成システムの動作を示すブロック図である。
図15を参照して、ユーザーU1は、PC300にインストールされた印刷アプリケーション351を通じて、MFP100aに対して印刷ジョブの実行指示を行う。PC300は、PC300の通信部301を通じてMFP100aの通信部105に、印刷ジョブの実行指示を送信する(「1.印刷指示」)。
MFP100aは、PC300から印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブを実行したユーザーU1が装着している装着型デバイス200aの情報の宛先を管理サーバー400から取得する(「2.装着型デバイス情報取得」)。
次にMFP100aは、印刷実行部108を用いて、自機で実行しているジョブの状況を確認する(「3.ジョブ状況確認」)。本実施の形態では、MFP100aは他の印刷ジョブを実行中であり、ユーザーU1の印刷ジョブを直ちに実行できないことを確認する。この場合MFP100aは、ユーザーU1の印刷ジョブを実行せずに記憶装置104に一旦保存する。
次にMFP100aは、通信部105を通じて、装着型デバイス200aに対して、ユーザーU1の位置および方向の情報を要求する(「4.位置/姿勢要求」)。
装着型デバイス200aは、通信部205を通じて、MFP100aからの要求を受信すると、位置/姿勢取得部206を用いて、ユーザーU1の位置および方向の情報を取得し(「5a.位置/姿勢取得」)、通信部205を通じて、取得した位置および方向の情報をMFP100aに送信する(「5b.位置/姿勢情報送信」)。
MFP100aは、ユーザーU1の印刷ジョブを直ちに実行できない場合に、MFP100aの通信部105を通じて、MFP100aと接続された他のMFPであって、印刷ジョブを即座に実行可能な他のMFPを検索する。印刷ジョブを即座に実行可能なMFPであるMFP100bは、MFP100bの通信部105を通じて、自身の宛先をMFP100aに応答する(「6.利用可能なMFPを探索/応答)。
次にMFP100aは、MFP100aの通信部105を通じて、MFP100bに対して、MFP100bが配置されている位置(座標)の情報と、MFP100bの印刷性能の情報とを要求し、これらの情報をMFP100bの通信部105から取得する(「7.座標、印刷性能情報要求/取得」)。なお、管理サーバー400がMFP100bに関する情報を記憶している場合には、MFP100aはMFP100bに関する情報を管理サーバー400から取得してもよい。
続いてMFP100aは、ルート選択部106を用いて、ユーザーU1の位置からMFP100aまでの経路と、ユーザーU1の位置からMFP100bまでの経路とを決定する(「8a.ルート決定」)。ユーザーU1の位置からMFP100bの位置までの経路は、MFP100bの位置の情報に基づいて決定される。
次にMFP100aは、制御ソフトウェア151を用いて、決定した経路に沿ってユーザーU1がMFP100aまで移動するのに要する時間(MFP100aまでの移動時間)と、決定した経路に沿ってユーザーU1がMFP100bまで移動するのに要する時間(MFP100bまでの移動時間)とを予測する。またMFP100aは、ユーザーU1の印刷ジョブをMFP100aで実行した場合の印刷完了時間(MFP100aでの印刷完了時間)と、ユーザーU1の印刷ジョブをMFP100bで実行した場合の印刷完了時間(MFP100bでの印刷完了時間)とを算出する(「8b.移動時間および印刷完了時間導出」)。MFP100bでの印刷完了時間は、MFP100bの印刷性能の情報に基づいて算出される。
続いて、MFP100aは、制御ソフトウェア151を用いて、MFP100aまでの移動時間、MFP100bまでの移動時間、MFP100aでの印刷完了時間、およびMFP100bでの印刷完了時間に基づいて、ユーザーU1の印刷ジョブをMFP100aで実行するかMFP100bで実行するかを決定する(「8c.装置決定」)。
具体的には、MFP100aは、MFP100aまでの移動時間とMFP100aでの印刷完了時間のうち大きい方の時間をMFP100aの所要時間とし、MFP100bまでの移動時間とMFP100bでの印刷完了時間のうち大きい方の時間をMFP100bの所要時間とし、これらを比較する。そして、MFP100aは、MFP100aの所要時間の方が短い場合にはMFP100aで実行すると決定し、MFP100bの所要時間の方が短い場合にはMFP100bで実行すると決定する。
以降の説明は、ユーザーU1の印刷ジョブをMFP100bで実行すると決定した場合の動作の説明である。ユーザーU1の印刷ジョブをMFP100aで実行すると決定した場合の動作は、第1の実施の形態の場合と同様であるため、その説明は繰り返さない。
次にMFP100aは、MFP100aの通信部105を通じて、ユーザーU1の印刷ジョブをMFP100bに送信する(「9a.印刷ジョブ転送」)。MFP100bは、通信部105を通じてユーザーU1の印刷ジョブを受信すると、印刷実行部108を用いて、受信した印刷ジョブの実行を開始する(「9b.印刷開始」)。
続いてMFP100aは、力覚情報決定部107を用いて、予測した印刷完了時間と移動時間とに基づいて、MFP100bへユーザーU1を導く力覚の強度を決定する。またMFP100aは、力覚情報決定部107を用いて、ルート選択部106にて決定した経路に沿った方向に、MFP100bへユーザーU1を導く力覚の方向を決定する(「10.力覚強度/方向導出」)。
次にMFP100aは、通信部105を通じて、決定した強度および方向で規定される力覚をユーザーU1に対して与える指示を、装着型デバイス200aに送信する(「11.力覚方向/強度送信」)。
装着型デバイス200aは、MFP100aからの指示に従って、力覚提示部207を用いて、ユーザーU1に対して力覚(力覚刺激)を与える(「12.力覚刺激」)。これにより、ユーザーU1のMFP100bへの誘導が開始する。
その後、画像形成システムは、ユーザーU1がMFP100bに到着するまで(MFP100aが取得するユーザーU1の位置の情報がMFP100bの位置の一定範囲内を示すまで)、上記項目4、5、および10〜12の動作を繰り返すことで、ユーザーU1の誘導を行う。
図16および図17は、本発明の第3の実施の形態におけるMFP100aの動作を示すフローチャートである。
図16を参照して、MFP100aのCPU101は、電源がオンされると、印刷ジョブを受信したか否かを判別する(S301)。印刷ジョブを受信したと判別するまで、CPU101は、ステップS301の処理を繰り返す。
ステップS301において、印刷ジョブを受信したと判別した場合(S301でYES)、CPU101は、印刷ジョブを実行したユーザーの装着型デバイス200の宛先を取得し(S303)、印刷を実行する装置である対象MFPにMFP100a(自機)を設定する(S305)。次にCPU101は、ユーザーが対象MFPに到着したか否かを判別する(S307)。
ステップS307において、印刷ジョブを実行したユーザーが対象MFPに到着したと判別した場合(S307でYES)、CPU101は処理を終了する。
ステップS307において、印刷ジョブを実行したユーザーが対象MFPに到着しないと判別した場合(S307でNO)、CPU101は、印刷ジョブを実行したユーザーの位置および方向(姿勢)の情報を取得し(S309)、印刷ジョブを実行したユーザーが対象MFPまで移動する経路を決定する(S311)。続いてCPU101は、対象MFPで印刷ジョブを実行した場合の印刷ジョブの所要時間Tsを予測し(S315)、対象MFPで印刷ジョブの実行を開始できるまでの時間Tiを予測する(S317)。
図17を参照して、ステップS317の処理に続いて、CPU101は、印刷ジョブの実行を開始済みであるか否かを判別する(S319)。
ステップS319において、印刷ジョブの実行を開始済みであると判別した場合(S319でYES)、CPU101は、ステップS341の処理へ進む。
ステップS319において、印刷ジョブの実行を開始済みでないと判別した場合(S319でNO)、CPU101は、ステップS321の判別処理を行うのが初回であり(ループ処理が初回であり)、かつ予測した時間Tiが所定の時間以上であるという条件を満たすか否かを判別する(S321)。
ステップS321において、ステップS321の判別処理を行うのが初回ではないと判別した場合、または予測した時間Tiが所定の時間以上であるという条件を満たさないと判別した場合(S321でNO)、CPU101は、ステップS323の処理へ進む。
ステップS321において、ステップS321の判別処理を行うのが初回であり、かつ予測した時間Tiが所定の時間以上であるという条件を満たすと判別した場合(S321でYES)、CPU101は、印刷ジョブを直ちに実行可能な他のMFPを検索し(S327)、MFPを発見したか否かを判別する(S329)。
ステップS329において、MFPを発見したと判別した場合(S329でYES)、CPU101は、発見したMFP100bの位置および印刷性能の情報を取得し(S331)、発見したMFP100bでの印刷完了時間Tnpと、発見したMFP100bまでの移動時間Tnmとを予測する(S333)。続いてCPU101は、MFP100aの所要時間(つまり、MFP100aでの印刷完了時間(Ti+Tp)とMFP100aまでの移動時間Tmとのうち大きい方の時間)が、MFP100bの所要時間(つまり、MFP100bでの印刷完了時間TnpとMFP100bまでの移動時間Tnmとのうち大きい方の時間)よりも大きいか否かを判別する(S335)。
ステップS335において、MFP100aの所要時間がMFP100bの所要時間よりも大きいと判別した場合(S335でYES)、CPU101は、発見したMFP100bに対象MFPを変更し(S337)、発見したMFP100bに印刷ジョブを転送する(S339)。続いてCPU101は、誘導が必要であれば、対象MFPに誘導する指示を装着型デバイス200に送信し(S341)、図16のステップS303の処理へ進む。
ステップS329において、MFPを発見しないと判別した場合(S329でNO)、またはステップS335において、MFP100aの所要時間がMFP100bの所要時間以下であると判別した場合(S335でNO)、CPU101は、ステップS323の処理へ進む。
ステップS323において、CPU101は、対象MFPで印刷ジョブを開始可能であるか否かを判別する(S323)。
ステップS323において、対象MFPで印刷ジョブを開始可能であると判別した場合(S323でYES)、CPU101は、対象MFPでの印刷ジョブの実行を開始し(S325)、ステップS341の処理へ進む。一方、ステップS323において、対象MFPで印刷ジョブを開始可能でないと判別した場合(S323でYES)、CPU101は、ステップS341の処理へ進む。
なお、上述以外の画像形成システムの構成および動作は、第1の実施の形態の場合の構成および動作と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、印刷ジョブを迅速に実行できるMFP100から印刷物を出力することができるので、利便性を向上することができる。
[第4の実施の形態]
本実施の形態では、装着型デバイス200aを通じて印刷ジョブを実行したユーザーU1をMFP100aへ誘導する場合に、ユーザーU1が装着型デバイス200aによる誘導を拒否して、他の場所に行くことを望んでいる状況を想定している。このような状況において、MFP100aは、装着型デバイス200aによる誘導を拒否する動きを検知した場合に、ユーザーU1が接近するまでユーザーU1の印刷ジョブを保留する。
本実施の形態の前提として、装着型デバイス200aは、ユーザーU1をMFP100aへ誘導中に(力覚を与える指示をMFP100aから繰り返し受信している間)、位置/姿勢取得部206で検知した加速度をMFP100aに送信し続けるものとする。
図18は、本発明の第4の実施の形態において、ユーザーU1をMFP100aに誘導している場合のMFP100aの動作を示すフローチャートである。なお図18のフローチャートは、図17に示すステップS341の処理のサブルーチンとして実行されるものであってもよい。
図18を参照して、MFP100aのCPU101は、ユーザーU1の誘導を開始すると、装着型デバイス200aを通じてユーザーU1に与えた力覚の方向とは異なる方向の移動を装着型デバイス200aが検知したか否かを判別する(S401)。
ステップS401において、ユーザーU1に与えた力覚の方向とは異なる方向の移動を装着型デバイス200aが検知したと判別した場合(S401でYES)、装着型デバイス200aが検知した移動の加速度が規定値以上であるか否かを判別する(S403)。
ステップS403において、装着型デバイス200aが検知した移動の加速度が規定値以上であると判別した場合(S403でYES)、CPU101は、ユーザーU1がMFP100aへの誘導を拒否していると判断する。この場合CPU101は、印刷ジョブの実行を開始済みであるか否かを判別する(S405)。
ステップS405において、印刷ジョブの実行を開始済みであると判別した場合(S405でYES)、CPU101は、印刷ジョブの実行を停止する(S407)。次にCPU101は、印刷ジョブを実行したユーザーの位置および方向(姿勢)の情報を取得し(S409)、印刷ジョブを実行したユーザーが移動する経路を決定する(S411)。続いてCPU101は、移動時間Tmを予測し(S413)、印刷完了時間Tpを予測する(S415)。次にCPU101は、予測した移動時間Tmが予測した印刷所要時間Tp以下であるか否かを判別する(S417)。
ステップS417において、予測した移動時間Tmが予測した印刷所要時間Tp以下であると判別した場合(S417でYES)、CPU101は、印刷ジョブの実行を開始し(S421)、リターンする。一方、ステップS417において、予測した移動時間Tmが予測した印刷所要時間Tpより大きいと判別した場合(S417でNO)、CPU101は、ステップS409の処理へ進む。
ステップS401において、ユーザーU1に与えた力覚の方向とは異なる方向の移動を装着型デバイス200aが検知していないと判別した場合(S401でNO)、またはステップS403において、装着型デバイス200aが検知した移動の加速度が規定値未満であると判別した場合(S403でNO)、CPU101は誘導を続行し(S419)、リターンする。
なお、上述以外の画像形成システムの構成および動作は、第1の実施の形態の場合の構成および動作と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、ユーザーが装着型デバイス200による誘導を拒否して、他の場所に行くことを望んでいる場合に、そのユーザーがMFP100に接近するまで印刷ジョブを保留するので、利便性を向上することができる。
[その他]
画像形成装置は、たとえば画像形成装置から連続して異なるユーザーの印刷物を出力する場合などには、予測される印刷完了時刻よりも少し前の時刻に画像形成装置に到達するようにユーザーを誘導してもよい。また画像形成装置は、定着装置の温度が高温である場合などには、印刷物が冷却されてからユーザーに取得されるように、予測される印刷完了時刻よりもよりも少し後の時刻に画像形成装置に到達するようにユーザーを誘導してもよい。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピューターにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。