JP7155520B2 - パウチ - Google Patents
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Description
少なくとも3枚以上のフィルムが順に重ねられて、隣接するフィルム間に少なくとも2つ以上の収容部が形成されたパウチであって、
各収容部は、各フィルム間の3周縁を接合する注出側シール部と、2つの側部シール部により形成されており、
前記注出側シール部の長手方向に沿った開封予定線における1つの収容部(第1収容部11a)を形成する側部シール部の内縁間の距離(D1)が、他の収容部(第2収容部11b)を形成する側部シール部の内縁間の距離(D2)と異なることを特徴とするパウチを提供する。
さらに、他のフィルムが前記3枚以上のフィルムのいずれか1枚のフィルムに重ねられて、さらにもう1つの収容部(第3収容部11c)が形成されたパウチであって、
前記もう1つの収容部は、前記他のフィルムと前記3枚以上のフィルムのいずれか1枚のフィルムの間の3周縁を接合する注出側シール部と、2つの側部シール部により形成されており、
前記開封予定線における前記もう1つの収容部を形成する側部シール部の内縁間の距離(D3)が、前記1つの収容部を形成する側部シール部、前記他の収容部を形成する側部シール部のいずれの内縁間の距離とも異なることを特徴とする。
側縁と前記開封予定線が交差する位置に開封手段が形成されていることを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態に係るパウチを示す正面図である。図2は、本発明の一実施形態に係るパウチを示す背面図である。本来、本発明のパウチには、正面、背面の別はなく、どちらを正面、背面としてもよいが、説明の便宜上、図1における状態を正面、図2における状態を背面として説明していく。図3は、図1、図2におけるA-A線における断面図である。図4は、図2におけるB-B線における断面図である。図1~図4に示したパウチは、内容物が充填される前の状態(内容物が充填されていない状態)のパウチを示したものである。図1~図4および後述する図面において、フィルムやシール部のサイズや厚みの比率、厚み同士の比率等は、説明の便宜上、誇張して示してある部分もあり、実際の比率とは異なっている。本実施形態のパウチは、正面視において長方形状(正方形状も含む概念)である。本実施形態において、長方形とは、四隅が直角の長方形だけでなく、長方形の四隅が面取りされて、外に凸の円弧状となったものも含む概念である。本発明において、パウチは、内容物が充填されていない状態のパウチに限らず、内容物が充填されている状態のパウチも含む概念である。
本実施形態のパウチは、図1~図4に示すように、各フィルムの下縁17を含む底部に底部シール部5を備え、各フィルムの両側部に第1側部シール部6a、6a、第2側部シール部6b、6b、第3側部シール部6c、6cを備え、上縁16を含む上部に第1開口部15a、第2開口部15b、第3開口部15cが形成されている。以降、説明の便宜上、第1側部シール部6a、6a、第2側部シール部6b、6b、第3側部シール部6c、6cを総称して側部シール部6、6と呼び、図面においても側部シール部6と示す部分もある。同様に、第1開口部15a、第2開口部15b、第3開口部15cを総称して開口部15と呼び、図面においても開口部15と示す部分もある。
第1面フィルム1と第2面フィルム2は、同一サイズである両フィルムの上部を除く3周縁をヒートシールすることにより、底部シール部5、第2側部シール部6b、6b、第3側部シール部6c、6cにおいて接合されている。
第2面フィルム2と第3面フィルム3は、同一サイズである両フィルムの上部を除く3周縁をヒートシールすることにより、底部シール部5、第3側部シール部6c、6cにおいて接合されている。
第1側部シール部6a、6a、第2側部シール部6b、6bは、側縁18を含んではいないが、側縁18を含んだ側部シール部6、6の一部であり、それぞれ第1収容部11a、第2収容部11bの側部を接合したシール部である。
本実施形態では、第3側部シール部6cに開封手段12が形成されている。この開封手段12は、側縁18から切り込まれた切り込みである。切り込みの長さは、任意の長さとすることができるが、側縁18から1mm以上5mm以下であることが好ましい。切り込みは、第1面フィルム1、第2面フィルム2、第3面フィルム3、基礎面フィルム4の4枚のフィルムを全て貫通している。開封手段12は切り欠きであってもよい。切り込みや切り欠きを総称してノッチと呼ぶこともある。また、開封手段12は、切り込みや切り欠き等のノッチに代えて、フィルムの一部または全部を貫通する傷痕群であってもよい。
第1側部シール部6a、6a、第2側部シール部6b、6b、第3側部シール部6c、6cは、それぞれパウチの両側部に形成される。図2に示すように、両側部に形成される第1側部シール部6a、6a間の開封予定線KL上における距離をD1、両側部に形成される第2側部シール部6b、6b間の開封予定線KL上における距離をD2、両側部に形成される第3側部シール部6c、6c間の開封予定線KL上における距離をD3とすると、D1<D2<D3の関係となっている。すなわち、D1が最小でD3が最大である。これらの距離D1、D2、D3は、それぞれ注出側シール部である底部シール部5の長手方向に沿った開封予定線KLにおける1つの収容部を形成する側部シール部の内縁間の距離となる。これらの距離D1、D2、D3は、開封予定線KLから切断することにより形成される第1収容部11aの注出口、第2収容部11bの注出口、第3収容部11cの注出口を形成する切れ目の長さでもある。このため、第1収容部11aの注出口、第2収容部11bの注出口、第3収容部11cの注出口の断面積は、それぞれD1、D2、D3に応じた大きさとなる。すなわち、第1収容部11aの注出口の断面積が最小で、第3収容部11cの注出口の断面積が最大となる。
第1開口部15a、第2開口部15b、第3開口部15cを充填口として、内容物が収容された後、図1、図2において7´(一点鎖線より上方の部分)と示されている上部シール予定部に上部シール部7が形成され、パウチが封止される。上部シール部7は、側部シール部6、6間に亘って、それぞれ隣接するフィルム同士を接合して形成される。各収容部11は、上部シール部7により封止されることになる。
内容物は、第1収容部11aに収容される第1内容物と、第2収容部11bに収容される第2内容物、第3収容部11cに収容される第3内容物がある。第1内容物、第2内容物、第3内容物としては、内容物の種別は限定されず、様々な種別のもの収容することができる。ただし、本実施形態のパウチに用いる内容物の態様としては、液状物であることが好ましい。液状物としては、様々な粘性のものを用いることができ、粘性に応じて注出口の断面積が異なる収容部のうち、最適な収容部に収容することができる。例えば、3種の内容物をそれぞれ粘性の高い順に第1内容物、第2内容物、第3内容物として、注出口の断面積の狭い順である第1収容部11a、第2収容部11b、第3収容部11cに収容する。すると、粘性の高いもの程狭い注出口から注出されるため、3つの内容物が適度に混ざり合い、好適な混合物を得ることができる。また、粒状体を含むものは、比較的広い注出口の収容部に収容することが好ましい。
本実施形態のパウチは、4枚の積層フィルムにより構成されている。本実施形態では、積層フィルムは、第3面フィルム3、基礎面フィルム4用の第1の積層フィルムと、第1面フィルム1、第2面フィルム2用の第2の積層フィルムを用いる。第1の積層フィルムは、少なくとも、外側から、基材層、シーラント層を含む積層体である。例えば、第1の積層フィルムは、外側から順に、基材層、印刷層、他の層、シーラント層を積層して形成されている。印刷層、他の層は必須ではない。シーラント層は、パウチの最内面を構成する層である。パウチが熱に対する耐性を必要とされる場合は、基材層は、耐熱性をもつ材料からなることが好ましい。基材層の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルムなどを用いることができる。厚みは、10μm~50μm程度である。基材層は、二軸延伸されていることが好ましい。
幅方向の長さ2L(=L+L)の連続する第1の積層フィルムを、製袋機の第1軸より繰り出す。続いて、第1の積層フィルムと幅方向の長さが等しく、長さ2L(=L+L)の連続する第2の積層フィルムを、第1の積層フィルムのシーラント層側と重なるようにして、両端部が揃うように位置合わせして製袋機の第2軸より繰り出す。ここでのLは、図1、図2に示した各フィルムの長さLに対応している。そして、第2の積層フィルムが内側、第1の積層フィルムが外側となるように、所定の位置において三角板で2つ折りする。所定の位置としては、第1の積層フィルムと第2の積層フィルムの揃えられた端部から長さLの位置、すなわち幅方向における中央の位置とする。これにより、第1の積層フィルムは、幅方向の長さLの2つの部分に分けられ、第2の積層フィルムも、幅方向の長さLの2つの部分に分けられる。この状態で、折り畳まれた第2の積層フィルムの間にプレートを挟み込み、第1の積層フィルムの一方の側(後に基礎面フィルム4となる側)から所定範囲のヒートシールを行う。これにより、両側部において基礎面フィルム4と第1面フィルム1が接合される。図6は、この時点における第3面フィルム3側から見た背面図である。図6において網掛けされている部分が側部シール部6、6である。この時点では、側部シール部6、6内での区分はない。
複数の内容物を、それぞれ各収容部11に充填し、底部シール部5により封止した状態で、最終消費者に届けられる商品として完成し、市場に流通し、店舗等に陳列される。消費者は、開封時には、開封手段12から各フィルムを引き裂き、開封手段12の上側と下側を逆方向に引っ張る。そして、開封予定線KLの下側の部分を切り取って除去する。このときの状態を図9に示す。これにより、全ての収容部が開封され、各内容物を注出可能な状態となる。図9に示したように、上部シール部7を上にした状態(注出口を下方に向けた状態)で、パウチの前面、背面から押したり、絞ったりして各収容部に圧力を加えることにより、各内容物が注出される。
最初に、第1の積層フィルムを準備した。具体的には、まず、厚みが12μmの透明蒸着PETフィルムに印刷層を形成した後、接着剤層を介して印刷層の面と厚み20μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを貼り合わせた。これにより、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート/印刷層/接着剤層/直鎖状低密度ポリエチレンが順に積層された第1の積層フィルムを第3面フィルム3、基礎面フィルム4用の包装材料として形成した。接着剤層は、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との硬化物である。
2・・・第2面フィルム
3・・・第3面フィルム
4・・・基礎面フィルム
5・・・底部シール部(注出側シール部)
6・・・側部シール部
6a・・・第1側部シール部
6b・・・第2側部シール部
6c・・・第3側部シール部
7・・・上部シール部(充填側シール部)
7´・・・上部シール予定部
11a・・・第1収容部
11b・・・第2収容部
11c・・・第3収容部
12・・・開封手段
15a・・・第1開口部
15b・・・第2開口部
15c・・・第3開口部
16・・・上縁
17・・・下縁
D1・・・第1側部シール部6a、6a間の開封予定線KL上における距離(注出口を形成する切れ目の長さ)
D2・・・第2側部シール部6b、6b間の開封予定線KL上における距離
D3・・・第3側部シール部6c、6c間の開封予定線KL上における距離
KL・・・開封予定線
L・・・各フィルムの長さ
W・・・各フィルムの幅
Claims (3)
- 少なくとも3枚以上のフィルムが順に重ねられて、隣接するフィルム間に少なくとも2つ以上の収容部が形成されたパウチであって、
各収容部は、各フィルム間の3周縁を接合する注出側シール部と、2つの側部シール部により形成されており、
前記側部シール部は、接合する前記フィルムの枚数により複数の部分側部シール部に区分されており、
前記注出側シール部の長手方向に沿った開封予定線と重なる位置において、接合する前記フィルムの枚数が少ない部分側部シール部の内縁間の距離が、接合する前記フィルムの枚数がより多い部分側部シール部の内縁間の距離より小さいことを特徴とするパウチ。 - さらに、他のフィルムが前記3枚以上のフィルムのいずれか1枚のフィルムに重ねられて、さらにもう1つの収容部が形成されたパウチであって、
前記もう1つの収容部は、前記他のフィルムと前記3枚以上のフィルムのいずれか1枚のフィルムの間の3周縁を接合する前記注出側シール部と、2つの前記側部シール部により形成されており、
前記部分側部シール部は、前記3枚以上のフィルムと前記重ねられた1枚のフィルムの数に応じて区分されており、
前記開封予定線と重なる位置において、前記部分側部シール部の内縁間の距離は、接合する前記フィルムの枚数が少ない順に小さいことを特徴とする請求項1に記載のパウチ。 - 前記フィルムのうち、他のフィルムの間に挟まれたフィルムは、両面にシーラント層を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパウチ。
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