JP7338150B2 - パウチ - Google Patents
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Description
三角形状の4つの面により囲まれた第1の収容部と、
前記4つの面のうち2つの面が共有する一辺に沿って形成された仕切りシール部を介して配置された第2の収容部と、を有し、
前記2つの面以外の他の2つの面が共有する一辺に沿って形成された底部シール部が、前記仕切りシール部と交差する方向に配置されていることを特徴とするパウチを提供する。
<1.パウチの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るパウチの作成過程において2枚の積層フィルムを貼り合わせた状態を示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係るパウチを構成するフィルムを示す分解図である。図3は、本発明の一実施形態に係るパウチを示す正面図である。図4は、本発明の一実施形態に係るパウチを示す側面図である。図1に示した作成過程におけるパウチは、内容物が充填される前の状態(内容物が充填されていない状態)のパウチを示したものである。図1に示した状態では、正面視において四角形状であり、正方形に近い長方形状である積層フィルムが2枚重ね合わせられて、シール部により貼り合わされた状態となっている。本実施形態において、四角形状とは、四隅が直角の形状だけでなく、四角形の各隅が面取りされて、外に凸の円弧状となったものも含む概念である。本発明において、パウチは、内容物が充填されていない状態のパウチに限らず、内容物が充填されている状態のパウチも含む概念である。
本実施形態のパウチは、図2に示すように、四角形状の表面フィルム1と、表面フィルム1と同一形状の裏面フィルム2の2つの積層フィルムで構成されている。本実施形態のパウチは、表面フィルム1、裏面フィルム2の2枚のフィルムが所定の箇所において所定のシール温度によりヒートシール(熱融着)されることにより形成される。
本実施形態のパウチは、内容物の充填前は、図1に示すように、第1側部シール部5aと、第2側部シール部5bと、仕切りシール部7と、区分シール部8と、を備え、上部シール予定部4aに開口部15b、15cが形成され、底部シール予定部6aに開口部15aが形成されている。上縁16に沿った上部シール予定部4aは、内容物の充填前は、ヒートシールされておらず、充填後にヒートシールされて上部シール部となる部分である。下縁17に沿った底部シール予定部6aは、内容物の充填前は、ヒートシールされておらず、充填後に底部シール部となる部分である。図1においては、ヒートシールされた各シール部に対応する領域を網掛けして示している。第1側部シール部5a、第2側部シール部5bは、いずれも、表面フィルム1と裏面フィルム2がヒートシールされて接合されたものである。第1側部シール部5aは、第1側縁(図1における左端)を含むように形成されており、第2側部シール部5bは、第2側縁(図1における右端)を含むように形成されている。第1側部シール部5a、第2側部シール部5bのシール幅W1は、表面フィルム1、裏面フィルム2の側縁どうしを結ぶ方向(図1の左右方向)が110mm、表面フィルム1、裏面フィルム2の上縁16と下縁17を結ぶ方向(図1の上下方向)が140mmである場合、すなわち積層フィルムのサイズが110mm×140mmである場合、3mm以上15mm以下とすることが好ましい。なお、シール幅W1は、シール部が延びる方向と直交する方向における幅である。
本実施形態では、区分シール部8と重なる上縁16に開封手段14が形成されている。本実施形態では、開封手段14は、切り込みであり、上部シール予定部4aと区分シール部8が重なる部分に設けられている。開封手段14は切り欠きであってもよく、フィルムの一部または全部を貫通する傷痕群であってもよい。あるいは、開封手段14は、上縁16から区分シール部8を通って下縁17に向かって延びる易開封線であってもよい。表面フィルム1、裏面フィルム2を構成する積層フィルムは、後述するように少なくとも基材層とシーラント層を備えているが、易開封線は、基材層を貫通し、且つ、シーラント層を貫通しないハーフカット線としてもよい。ハーフカット線は、刃物を用いて形成してもよいし、レーザー加工により形成してもよい。また、ハーフカット線は、連続的に延びる線であってもよいし、断続的に延びる線であってもよい。また、ハーフカット線は、上縁16から下縁17に至るように設けてもよい。これらに限定されず、開封手段14は、開封を容易にするための構造を備えていればよい。
図1に示した状態から、収容部に内容物を充填し、上部シール予定部4a、底部シール予定部6aにヒートシールすることによりシール部を形成して、密封する。収容およびヒートシールの順序としては、どのような順序であってもよいが、ここでは、先に上部シール部側をシールする場合について説明する。まず、図1に示したように、上縁16を上方に向けた状態で、開口部15b、15cを介して第2収容部12a、12bにそれぞれ内容物を充填する。そして、上縁16に沿ってヒートシールを行い、上部シール部4を形成する。上部シール部4のシール幅W4は、積層フィルムのサイズが110mm×140mmである場合、3mm以上15mm以下とすることが好ましい。なお、シール幅W4は、上部シール部4が延びる方向(長手方向:図3における左右方向)と直交する方向における幅である。
本実施形態のパウチにおける収容部としては、相対的に容積の大きい第1の収容部である第1収容部11と、相対的に容積の小さい第2の収容部である第2収容部12a、12bがある。第1収容部11は、三角形状の4つの面により囲まれて形成されている。第2収容部12a、12bは、第1収容部11と仕切りシール部7を介した位置に配置されている。第1収容部11は、第1側部シール部5aの内縁と、第2側部シール部5bの内縁と、底部シール部6の内縁と、仕切りシール部7の縁と、で画成されている。第2収容部12aは、第1側部シール部5aの内縁と、上部シール部4の内縁と、仕切りシール部7の縁と、区分シール部8の縁と、で画成されている。第2収容部12bは、第2側部シール部5bの内縁と、上部シール部4の内縁と、仕切りシール部7の縁と、区分シール部8の縁と、で画成されている。
内容物は、混ぜ合わせて有益なものであれば、特に限定されず、液状のもの、固形状のもの等、様々な態様のものが対象となる。仕切りシール部7が剥離して、第2収容部12a、12bから第1収容部11に入り込ませることを想定しているためである。特に、本実施形態に係るパウチを1次包材として用いる内容物が適している。最も容積の大きい第1収容部11に食材、第1収容部11と仕切りシール部7を介した第2収容部12a、12bにそれぞれ調味料を収容することが考えられる。より具体的な例としては、第1収容部11に食材である「じゃこ」、第2収容部12aに醤油、第2収容部12bに「ごま」を収容する。この例に限定されず、容積の小さい第2収容部12a、12bには、からし、唐辛子パウダー、納豆など、容積の大きい第1収容部11に収容された食材に混ぜ合わせられる様々な調味料等を収容することができる。
第1収容部11に内容物が充填された状態の図3、図4、図5に示すパウチにおいて、第2収容部12aに外側から指で押圧して力を加える。すると、第2収容部12a内の空気が圧縮されて内部の圧力が高まり、上部シール部4、第1側部シール部5a、仕切りシール部7、区分シール部8を押す力が働く。上部シール部4、第1側部シール部5a、区分シール部8におけるシール強度は、仕切りシール部7におけるシール強度よりも強い。そのため、このように第2収容部12aから仕切りシール部7に圧力を加え続けると、やがて、最もシール強度の弱い仕切りシール部7が剥離し始め、最終的に仕切りシール部7のシール幅全体に亘って剥離し、第1収容部11と第2収容部12aが連通する。第1収容部11と第2収容部12aが連通すると、第2収容部12aに加わっている圧力により、仕切りシール部7により生じた開口から、第2収容部12a内の内容物が第1収容部11に押し出される。
パウチの表面・裏面は、積層フィルムである表面フィルム1・裏面フィルム2により構成することができる。本実施形態では、積層フィルムは、少なくとも、外側から、基材層、シーラント層を含む積層体である。例えば、積層フィルムは、外側から順に、基材層、印刷層、他の層、シーラント層を積層して形成されている。印刷層、他の層は必須ではない。シーラント層は、パウチの最内面を構成する層である。パウチが、熱に対する耐性を必要とされる場合は、基材層は、耐熱性をもつ材料からなることが好ましい。基材層の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルムなどを用いることができる。厚みは、10μm~50μm程度である。基材層は、二軸延伸されていることが好ましい。本実施形態では、液体や粘性体を内容物として吐出するため、ポリエチレンテレフタレート等よりも比較的軟質なナイロン等の方が好ましい。
(実施例1)
最初に、積層フィルムを準備した。具体的には、まず、厚みが12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(VMPET)フィルムにグラビア印刷層(GR)を形成した後、接着剤層を介してグラビア印刷層の面と厚み15μmの透明蒸着ナイロン(ONY)フィルムを貼り合わせた。続いて、接着剤層を介して透明蒸着ナイロンフィルムと厚み30μmのイージーピールフィルムを貼り合わせた。これにより、VMPET/印刷層(GR)/接着剤層(DL)/ONY/接着剤層(DL)/イージーピールフィルム、が順に積層された積層フィルムを表面フィルム1、裏面フィルム2用の包装材料として形成した。ナイロンフィルムは、二軸延伸され、上縁から下縁に向かう方向に区分シール部8と重なる位置にハーフカットが形成されたものを用いた。接着剤層は、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との硬化物である。イージーピールフィルムとして、三井・デュポン ポリケミカル(株)製:ロック&ピールを用いた。
積層フィルムの構成を、ポリエチレンテレフタレート(PET)12μm/グラビア印刷層(GR)/ポリエチレン(PE)13μm/アルミニウム箔(ALM)6μm/アンカーコート(AC)/ポリエチレン(PE)13μm/イージーピールフィルム30μmとした。最も外側の基材層であるポリエチレンテレフタレートに、開封手段14となるミシン目を形成した。それ以外は、実施例1と同様にしてパウチを作成した。
積層フィルムの構成を、VMPET12μm/印刷層(GR)/接着剤層(DL)/ONY15μm/接着剤層(DL)/イージーピールフィルム30μm、とした。内側の第2基材層であるナイロン(ONY)は上縁16から下縁17に向かって延伸されたものを用いた。それ以外は、実施例1と同様にしてパウチを作成した。
実施例1~3のいずれの場合も、第2収容部12a、12bに外側から指で押圧して力を加えると、仕切りシール部7が剥離し、それぞれ第1収容部11と連通させた。そして、仕切りシール部7に生じた開口から、第2収容部12a、12b内の内容物が第1収容部11に押し出された。
2・・・裏面フィルム
4・・・上部シール部
4a・・・上部シール予定部
5a・・・第1側部シール部
5b・・・第2側部シール部
6・・・底部シール部
6a・・・底部シール予定部
7・・・仕切りシール部
7a・・・仕切りシール部7の下縁17寄りの縁
8・・・区分シール部
11・・・第1収容部
12a、12b・・・第2収容部
14・・・開封手段
15a、15b、15c・・・開口部
16・・・上縁
17・・・下縁
17a、17b、17c、17d・・・下端
W1・・・第1側部シール部5a、第2側部シール部5bのシール幅
W2・・・仕切りシール部7のシール幅
W3・・・区分シール部8のシール幅
W4・・・上部シール部4のシール幅
W5・・・底部シール部6のシール幅
Claims (4)
- 三角形状の4つの面により囲まれた第1の収容部と、
前記4つの面のうち2つの面が共有する一辺に沿って形成された仕切りシール部を介して配置された第2の収容部と、を有し、
前記2つの面以外の他の2つの面が共有する一辺に沿って形成された底部シール部が、前記仕切りシール部と交差する方向に配置されており、
前記仕切りシール部から前記第2の収容部側に延びる区分シール部をさらに有し、当該区分シール部により区分されて、前記第2の収容部を複数有し、
前記第2の収容部を介して前記仕切りシール部と対向する上部シール部に沿った縁であって、前記区分シール部を延伸した位置に、開封を容易にするための開封手段が形成されていることを特徴とするパウチ。 - 前記仕切りシール部のシール強度は、前記第2の収容部を画成する他のシール部のシール強度よりも弱いことを特徴とする請求項1に記載のパウチ。
- 前記仕切りシール部のシール強度は、5N/15mm以上25N/15mm以下であり、前記第2の収容部を画成する他のシール部のシール強度は、25N/15mm超であることを特徴とする請求項2に記載のパウチ。
- 前記パウチを形成するフィルムは、互いに対向する面にシーラント層を有する積層フィルムで構成されており、当該積層フィルムは、シール温度によりシール強度が異なるものであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のパウチ。
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