JP7153883B1 - 電力変換装置及び基板間接続部 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化や振動等に起因する電気接点部の経時的な特性低下を抑制することができる電力変換装置及び基板間接続部を提供する。【解決手段】電力変換装置1は、第1の基板と、第2の基板と、第1の基板及び第2の基板を電気的かつ機械的に接続する複数の第1基板間接続部と、を備える。第1基板間接続部は、オス型嵌合部材とメス型嵌合部材と、を有する。メス型嵌合部材の第1挟持部及び第2挟持部は、それぞれ、他方に向かって凸状に屈曲する第1接点形成部及び第2接点形成部と、第1接点形成部及び第2接点部の基端側に連設され、他方に向かって凹凸状に屈曲する第1バネ部及び第2バネ部と、を有する。第1接点形成部及び第2接点形成部により差込部が挟持されることにより、電気接点部が形成され、第1バネ部及び第2バネ部は、独立して変形可能である。【選択図】図6

Description

本発明は、電力変換装置と、それに用いられる基板間接続部に関する。
電気自動車などに搭載される電力変換装置には、DC/DCコンバーターやインバーターなどの回路構成が実装された複数の回路基板が設けられている。このような電力変換装置には、例えば車両への搭載性の観点から小型化が要求されている。
従来、複数の回路基板を積層することにより、複数の回路基板上の実装面積を維持しつつ、電力変換装置の小型化を図る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、各々の回路基板に設けられたコネクターなどの嵌合部を嵌合させることにより、回路基板間の電気的な接続を行うことが開示されている。
特開2000-14128号公報
しかしながら、電力変換装置では、温度変化や振動等に起因して、回路基板間に介在する基板間接続部の嵌合部材や嵌合部材間の接続状態に劣化や変形が生じ、電気接点部の特性が経時的に低下する虞がある。
本開示の目的は、温度変化や振動等に起因する電気接点部の経時的な特性低下を抑制することができる電力変換装置及び基板間接続部を提供することである。
本開示に係る電力変換装置は、
第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板及び前記第2の基板の間に介在し、前記第1の基板及び前記第2の基板を電気的かつ機械的に接続する複数の第1基板間接続部と、を備え、
複数の前記第1基板間接続部は、それぞれ、
略平板形状の差込部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか一方に配置されるオス型嵌合部材と、
嵌合方向に沿って延在し、前記嵌合方向に直交する挟持方向に互いに対向する第1挟持部及び第2挟持部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか他方に配置されるメス型嵌合部材と、を有し、
前記第1挟持部は、
先端側に配置され、前記第2挟持部に向かって凸状に屈曲する第1接点形成部と、
前記第1接点形成部の基端側に連設され、前記第2挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第1バネ部と、を有し、
前記第2挟持部は、
先端側に配置され、前記第1挟持部に向かって凸状に屈曲する第2接点形成部と、
前記第2接点形成部の基端側に連設され、前記第1挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第2バネ部と、を有し、
前記第1接点形成部及び前記第2接点形成部により前記差込部が挟持されることにより、電気接点部が形成され、
前記第1バネ部及び前記第2バネ部は、独立して前記嵌合方向に伸縮可能である。
本開示に係る電力変換装置は、
第1の基板と、
第2の基板と、
第3の基板と、
前記第1の基板及び前記第2の基板の間に介在し、前記第1の基板及び前記第2の基板を電気的かつ機械的に接続する複数の第1基板間接続部と、
前記第2の基板及び前記第3の基板の間に介在し、前記第2の基板及び前記第3の基板を電気的かつ機械的に接続する複数の第2基板間接続部と、を備え、
複数の前記第1基板間接続部及び複数の前記第2基板間接続部は、それぞれ、
略平板形状の差込部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか一方、又は前記第2の基板及び前記第3の基板のいずれか一方に配置されるオス型嵌合部材と、
嵌合方向に沿って延在し、前記嵌合方向に直交する挟持方向に互いに対向する第1挟持部及び第2挟持部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか他方、又は前記第2の基板及び前記第3の基板のいずれか他方に配置されるメス型嵌合部材と、を有し、
前記第1挟持部は、
先端側に配置され、前記第2挟持部に向かって凸状に屈曲する第1接点形成部と、
前記第1接点形成部の基端側に連設され、前記第2挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第1バネ部と、を有し、
前記第2挟持部は、
先端側に配置され、前記第1挟持部に向かって凸状に屈曲する第2接点形成部と、
前記第2接点形成部の基端側に連設され、前記第1挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第2バネ部と、を有し、
前記第1接点形成部及び前記第2接点形成部により前記差込部が挟持されることにより、電気接点部が形成され、
前記第1バネ部及び前記第2バネ部は、独立して前記嵌合方向に伸縮可能である。
本開示に係る基板間接続部は、
第1の基板と第2の基板の間に介在し、前記第1の基板及び前記第2の基板を電気的かつ機械的に接続する基板間接続部であって、
略平板形状の差込部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか一方に配置されるオス型嵌合部材と、
嵌合方向に沿って延在し、前記嵌合方向に直交する挟持方向に互いに対向する第1挟持部及び第2挟持部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか他方に配置されるメス型嵌合部材と、を有し、
前記第1挟持部は、
先端側に配置され、前記第2挟持部に向かって凸状に屈曲する第1接点形成部と、
前記第1接点形成部の基端側に連設され、前記第2挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第1バネ部と、を有し、
前記第2挟持部は、
先端側に配置され、前記第1挟持部に向かって凸状に屈曲する第2接点形成部と、
前記第2接点形成部の基端側に連設され、前記第1挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第2バネ部と、を有し、
前記第1接点形成部及び前記第2接点形成部により前記差込部が挟持されることにより、電気接点部が形成され、
前記第1バネ部及び前記第2バネ部は、独立して前記嵌合方向に伸縮可能である。
本開示の電力変換装置及び基板間接続部によれば、温度変化や振動等に起因する電気接点部の経時的な特性低下を抑制することができる。
図1は、実施の形態に係る電力変換装置における複数の回路基板の層状構造の一例を示す概略の模式的断面図である。 図2は、オス型嵌合部材の一例の概略構成を示す展開模式図である。 図3は、オス型嵌合部材の他の一例の概略構成を示す展開模式図である。 図4は、メス型嵌合部材の一例の概略構成を示す展開模式図である。 図5は、メス型嵌合部材の他の一例の概略構成を示す展開模式図である。 図6は、基板間接続部における結合構造の一例を示す概略模式図である。 図7は、基板間接続部における結合構造の他の一例を示す概略模式図である。 図8は、基板間接続部における結合構造の他の一例を示す概略模式図である。 図9は、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の結合工程を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本開示における電力変換装置及び基板間接続部の実施形態について説明する。なお、本開示は、以下に説明する実施の形態に限るものではない。
実施の形態に係る電力変換装置1は、一例として、電気自動車などに搭載され、電源(外部電源)から供給される交流電力を所定の電圧の直流電力へ変換し、変換後の直流電力をリチウムイオンバッテリーなどのバッテリーへ出力する車載充電器に設けられる。このような電力変換装置1は、DC/DCコンバーターやインバーターなどの回路構成が実装された、複数の回路基板を搭載する。
<電力変換装置1の全体構成>
図1は、実施形態に係る電力変換装置1における回路基板の層状構造の一例を模式的に示す断面図である。図1では、電力変換装置1が備える複数の回路基板のうちの第1の基板PCB1、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3について例示している。
図1に示すように、電力変換装置1は、第1の基板PCB1、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3を備え、各基板間には、基板間接続部Bが介在している。以下において、第1の基板PCB1と第2の基板PCB2との間に介在する基板間接続部Bを「第1基板間接続部B1」と称し、第2の基板PCB2と第3の基板PCB3との間に介在する基板間接続部Bを「第2基板間接続部B2」と称する。
第1の基板PCB1、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3は、それぞれプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)である。プリント回路基板には、例えば、銅の配線パターンがガラスエポキシ絶縁基材上に形成されたいわゆるガラスエポキシ基板、又は、銅板やアルミニウム板上に絶縁層を設け、その上に銅の配線パターンが形成された放熱性の高い金属複合基板を適用できる。プリント回路基板上の金属の一部を、水冷されている架台と熱交換可能に接触させてもよい。この場合、プリント回路基板に実装された電子部品の温度上昇を抑制することができる。なお、金属を母材とするプリント回路基板の場合、樹脂を母材とするプリント回路基板に比較して冷却効率が向上する。
なお、電力変換装置1が備える複数の回路基板のうちの一部の基板だけをプリント回路基板で構成してもよい。例えば、第1の基板PCB1、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3のうちの少なくとも1つの基板をプリント回路基板とすることができる。
第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2は、これらの間に介在する複数の第1基板間接続部B1により、電気的かつ機械的に接続される。第1基板間接続部B1は、例えば、24個設けられる。
また、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3は、これらの間に介在する複数の第2基板間接続部B2により、電気的かつ機械的に接続される。第2基板間接続部B2は、例えば、6個設けられる。
第1基板間接続部B1及び第2基板間接続部B2は、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfにより構成される。オス型嵌合部材Bmは、差し込む側のブレード状のコネクターであり、プラグ(plug)と称される。オス型嵌合部材Bmは、平栓刃と表現することもできる。メス型嵌合部材Bfは、差し込まれる側のコネクターであり、レセプタクル(Receptacle)と称される。メス型嵌合部材Bfは、ブレード受けバネと表現することもできる。
一例として、第1の基板PCB1の第2の基板PCB2側の主面には、複数のオス型嵌合部材Bmが配置される。第2の基板PCB2の両主面には、複数のメス型嵌合部材Bfが配置される。第3の基板PCB3の第2の基板PCB2側の主面には、複数のオス型嵌合部材Bmが配置される。
第1の基板PCB1は、例えば、第1基板間接続部B1を介して、第2の基板PCB2から供給された電力に応じた電力をバッテリーなどへ出力する。また、第1の基板PCB1は、第4の基板PCB4に電気的に接続され、第4の基板PCB4とともに基板ユニットXを構成している。第4の基板PCB4は、第1の基板PCB1等と同様のプリント回路基板である。
なお、第1の基板PCB1は、図示しないトランスユニットと、複数(例えば、12個)の基板間接続部Bを介して接続されてもよい。また、基板ユニットXにおいて、第1の基板PCB1及び第4の基板PCB4を、複数の基板間接続部Bにより結合してもよい。つまり、実施形態で開示する基板間接続部Bの構造は、基板ユニットXなどのユニット内の基板間の接続、基板ユニット間の接続、又は基板ユニットと基板ユニット外の基板との間の接続に適用することができる。
第2の基板PCB2は、第1及び第2基板間接続部B1、B2を介して、第3の基板PCB3から供給された電力に応じた電力を第1の基板PCB1へ出力する。
第3の基板PCB3は、第2基板間接続部B2を介して、例えば、外部電源から供給された電力に応じた電力を第2の基板PCB2へ出力する。
本実施の形態のように、電力変換装置1の複数の回路基板が3層以上の層状構造を形成する場合、中間層を形成する基板(ここでは、第2の基板PCB2)には、オス型嵌合部材Bm又はメス型嵌合部材Bfが両主面に配置される。
オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfは、それぞれ、金属材料により形成される。一例として、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfは、銅、真鍮を含む銅合金、アルミニウムあるいはアルミニウム合金により形成される。また、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの表面領域のうちの一部あるいは全部に、導体めっきが施されている。導体めっきとしては、例えば、錫めっき、銀めっき又は金めっきを適宜利用可能である。
ここで、錫は、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの下地に使用されるニッケルと合金化しやすい性質を有する。周囲温度が高くなると、錫及びニッケルの合金化及び酸化が進行し、抵抗値が1[mΩ]以上となる。一方で、銀や金は、ニッケルとの合金化及び酸化は進行しにくい。したがって、電気接点部Pの品質を確保する上では、銀めっき又は金めっきが有利である。
また、オス型嵌合部材Bmとメス型嵌合部材Bfとの間の接触抵抗が大きいと、温度上昇が生じ、電気接点部Pの界面において酸化が進行し、ひいては電気接点部Pの特性が低下する虞がある。そこで、本実施の形態では、オス型嵌合部材Bmとメス型嵌合部材Bfとの接触部位における接触抵抗が1[mΩ]以下となるように調整されている。具体的には、基板間接続部Bにおける、オス型嵌合部材Bmの差込部11と、メス型嵌合部材Bfの第1挟持部21及び第2挟持部22の凸部との間の接触抵抗が1[mΩ]以下となるように調整されている。
電力変換装置1の基板間接続部Bにおける接触抵抗の低減化は、基板間接続部Bにおける発熱や電力ロスの抑制、メス型嵌合部材Bfの形状や材料に関する自由度の向上などに寄与する。
オス型嵌合部材Bmと、メス型嵌合部材Bfとの間の接触抵抗の大きさは、「接触圧力(接圧)」、「材料(表面の錫めっきなど)」及び「接触面積」によって規定される。本実施の形態では、一例として、メス型嵌合部材Bfにおける第1挟持部21及び第2挟持部22の弾性力、すなわち、接触圧力をすることにより、接触抵抗を1[mΩ]以下に調整する。換言すれば、メス型嵌合部材Bfは、接触抵抗が1[mΩ]以下になるように、第1挟持部21及び第2挟持部22の弾性力(接触圧力)が設計されている。なお、第1挟持部21及び第2挟持部22の弾性力は、例えば、メス型嵌合部材Bfの材料(母材)と、その形状(厚み、弾性部の幅など)とに依存する。
<オス型嵌合部材Bm>
図2は、図1に示すオス型嵌合部材Bmの一例であるオス型嵌合部材Bm1の概略構成を示す展開模式図である。図2は図2A~図2Eを含み、図2Aはオス型嵌合部材Bm1を差込部11の先端側から見た平面図、図2Bは左側面図、図2Cは右側面図、図2Dは正面図、図2Eは背面図である。
図2A~図2Eに示すように、オス型嵌合部材Bm1は、差込部11及び基板接続部12を有する。オス型嵌合部材Bm1は、例えば、1枚の金属板材の切削加工及び曲げ加工によって形成される。
差込部11は、メス型嵌合部材Bfと嵌合して電気接点部Pを形成する部分であり、略平板形状を有する。差込部11の先端部11aは、面取りされており、先端側に向かうほど厚さが小さくなっている。これにより、差込部11をメス型嵌合部材Bfに挿入し易くなる。
基板接続部12は、プリント回路基板(例えば、第1の基板PCB1)に接続される部分であり、差込部11の基端側に設けられている。基板接続部12は、プリント回路基板上の所定の位置に、はんだ接合され、差込部11とプリント回路基板上の配線との間を電気的に接続する。基板接続部12は、例えば、切込み13によって分割された部分を、それぞれ互い違いに、差込部11に対して略垂直方向に屈曲することにより形成される。
なお、基板接続部12の数(差込部11の基端側の分割数)は、2つ以上で任意に変更可能である。例えば、差込部11の長さが長い程、基板接続部12の数は多いことが好ましい。また、図2A~図2Eに示す基板接続部12は、プリント回路基板にはんだにより表面実装される場合を想定しているが、基板接続部12は、表面実装以外の方法で、プリント回路基板と接合されてもよい。例えば、基板接続部12をプリント回路基板に差し込み、フローはんだによりプリント回路基板と接合してもよい。
図3は、図1に示すオス型嵌合部材Bmの他の一例であるオス型嵌合部材Bm2の概略構成を示す展開模式図である。図3は図3A~図3Eを含み、図3Aはオス型嵌合部材Bm2を差込部11の先端側から見た平面図、図3Bは左側面図、図3Cは右側面図、図3Dは正面図、図3Eは背面図である。
図3A~図3Eに示すオス型嵌合部材Bm2は、差込部11にくびれ部14を有する点が、図2A等に示すオス型嵌合部材Bm1と異なる。くびれ部14は、例えば、湾曲形状を呈するように幅方向に凹み、長手方向に関して対称に形成されている。くびれ部14は、例えば、金属板材の切削加工によって形成される。くびれ部14は、最もくびれた部分の幅W1(図7参照)が、先端部11aの幅W2(図7参照)よりも小さければよく、例えば、くびれ部6の形状は、図3B等に示すものに限定されない。
<メス型嵌合部材Bf>
図4は、図1に示すメス型嵌合部材Bfの一例であるメス型嵌合部材Bf1の概略構成を示す展開模式図である。図4は図4A~図4Eを含み、図4Aはメス型嵌合部材Bf1を挟持部21、22の先端側から見た平面図、図4Bは左側面図、図4Cは右側面図、図4Dは正面図、図4Eは背面図である。
図4A~図4Eに示すように、メス型嵌合部材Bf1は、第1挟持部21、第2挟持部22、基板接続部23、及び連結部24、25を有する。メス型嵌合部材Bf1は、例えば、1枚の金属板材の切削加工及び曲げ加工によって形成される。
基板接続部23は、プリント回路基板(例えば、第2の基板PCB2)に接続される部分であり、平面視で略矩形状に形成されている。基板接続部23は、プリント回路基板上の所定の位置に、はんだ接合され、第1挟持部21及び第2挟持部22とプリント回路基板上の配線との間を電気的に接続する。
連結部24、25は、第1挟持部21及び第2挟持部22と基板接続部23とを連結する部分である。連結部24、25は、基板接続部23に対して、略垂直に折曲して形成される。
第1挟持部21は、所定の間隙を介して離間して並置される2つの第1挟持片21A、21Bを有する。第2挟持部22は、所定の間隙を介して離間して並置される2つの挟持片22A、22Bを有する。また、第1挟持部21及び第2挟持部22は、全体として、所定の間隙を介して互いに対向するように配置される。
具体的には、第1挟持片21A及び第2挟持片22Aは、それぞれ、連結部24に対して基部213、223を略垂直に折曲することにより、互いに対向して配置される。第1挟持片21A及び第2挟持片22Aは、先端側から基端側にわたって離間しており、その離間幅は先端側に向かって狭くなっている。
同様に、第1挟持片21B及び第2挟持片22Bは、それぞれ、連結部25に対して基部213、223を略垂直に折曲することにより、互いに対向して配置される。第1挟持片21B及び第2挟持片22Bは、先端側から基端側にわたって離間しており、その離間幅は先端側に向かって狭くなっている。
第1挟持部21と第2挟持部22の先端側の間隙により、受入部26が形成される。受入部26には、オス型嵌合部材Bmの差込部11が挿入される。第1挟持部21及び第2挟持部22は、オス型嵌合部材Bmの差込部11が挿入された状態において板バネとして機能し、差込部11を押圧して挟持する。
第1挟持部21は、第1挟持片21A、21Bのそれぞれにおいて、先端側に配置される第1接点形成部211と、第1接点形成部211の基端側に連接された第1バネ部212を有する。第2挟持部22は、第2挟持片22A、22Bのそれぞれにおいて、先端側に配置される第2接点形成部221と、第2接点形成部221の基端側に連接された第2バネ部222を有する。
第1接点形成部211は、第2挟持部22に向かって凸となる形状に屈曲して形成されている。また、第2接点形成部221は、第1挟持部21に向かって凸となる形状に屈曲して形成されている(図4D、図4E参照)。第1接点形成部211及び第2接点形成部221の屈曲部同士が最も近接し、屈曲部間の離間幅Rは、オス型嵌合部材Bmの差込部11の先端部11aの先端厚さよりも大きく、差込部11の板厚よりも小さく設定される。第1接点形成部211及び第2接点形成部221は、それぞれの屈曲部がオス型嵌合部材Bmの差込部11に接触することにより、差込部11との間に電気接点部Pを形成する。
第1接点形成部211及び第2接点形成部221の屈曲部の凸形状は、好ましくは、曲面形状である。これにより、オス型嵌合部材Bmの差込部11を挿入するときの抵抗が小さくなり、オス型嵌合部材Bmとメス型嵌合部材Bfを容易に嵌合させることができる。
なお、第1接点形成部211及び第2接点形成部221の曲面形状は、オス型嵌合部材Bmの差込部11と強固に接触して電気接点部Pを形成できる表面形状であればよい。例えば、金属板材を滑らかに湾曲させてV字状又はU字状に形成してもよいし、第1接点形成部211及び第2接点形成部221の対向面に半球状の凸部を設けて形成してもよい。さらには、第1接点形成部211及び第2接点形成部221に、半球状の凸部を複数設けてもよい。
第1バネ部212は、第2挟持部22に向かって凹凸状に屈曲して形成されている。また、第2バネ部222は、第1挟持部21に向かって凹凸状に屈曲して形成されている。
なお、第1バネ部212及び第2バネ部222の形状は、温度変化や振動等によって生じうる相対的な上下動作を吸収できる形状であればよく、屈曲部の数などは特に限定されない。
メス型嵌合部材Bf1においては、第1挟持片21A、21Bの数と、第2挟持片22A、22Bの数が同じであり、第1挟持片21A、21Bと第2挟持片22A、22Bが、差込部11に向かう方向において、対向して配置されている。
温度変化や振動等によって電気接点部Pに生じうる相対的な回転動作及び上下動作は、いずれの方向にも生じる可能性があるが、上述した構成により、このような回転動作及び上下動作を吸収することができる。
なお、第1挟持片21A、21B及び第2挟持片22A、22Bの数は、図4A等に示すものに限定されず、例えば、片側に3つ以上設けられてもよい。
メス型嵌合部材Bf1において、第1挟持部21と第2挟持部22は離間して配置されている。また、第1挟持部21における第1挟持片21A、21B同士も離間して配置され、第2挟持部22における第2挟持片22A、22B同士も離間して配置されている。すなわち、2つの第1バネ部212と2つの第2バネ部222は、それぞれ、差込部11との接触状態に応じて独立して変形可能となっている。したがって、電気接点部Pに対する回転動作や上下動作を効率よく吸収することができる。つまり、電気接点部Pに対する回転動作や上下動作に追従して、第1バネ部212又は第2バネ部222が変形することで、電気接点部Pの接触状態が維持される。
図5は、図1に示すメス型嵌合部材Bfの一例であるメス型嵌合部材Bf2の概略構成を示す展開模式図である。図5は図5A~図5Eを含み、図5Aはメス型嵌合部材Bf2を挟持部21、22の先端側から見た平面図、図5Bは左側面図、図5Cは右側面図、図5Dは正面図、図5Eは背面図である。
図5A~図5Eに示すメス型嵌合部材Bf2は、図4A~図4Eで示したメス型嵌合部材Bf1と対比して、第1挟持部21及び第2挟持部22における挟持片の配置関係が異なる。
具体的には、第1挟持部21は、3つの第1挟持片21A~21Cを有しており、第2挟持部22は、2つの第2挟持片22A、22Bを有している。第1挟持片21Cは、例えば、基板接続部23に対して基部214を略垂直に折曲することにより、第1挟持片21A、21Bの間に配置される。また、第1挟持片21A~21Cと、第2挟持片22A、22Bとは、対向方向において、互い違いに交互に配置されている。これにより、オス型嵌合部材Bmの差込部11が強固に保持され、極めて安定した嵌合接続が実現される。
<オス型嵌合部材Bmとメス型嵌合部材Bfの結合構造(基板間接続部Bの構造)>
図6は、基板間接続部Bにおける結合構造の一例を示す概略模式図である。図6は図6A~図6Cを含み、図6A~図6Cでは、図2A等に示すオス型嵌合部材Bm1と図4A等に示すメス型嵌合部材Bf1とを結合した基板間接続部Bを示している。
図6Aは、基板間接続部Bの右側面図、図6Bは正面図、図6Cは図6Bの矢印方向から見た電気接点部Pの断面模式図である。
図6A、図6Bに示すように、メス型嵌合部材Bf1は第1の基板PCB1に実装され、オス型嵌合部材Bm1は第2の基板PCB2に実装されている。メス型嵌合部材Bf1の第1挟持部21及び第2挟持部22により、オス型嵌合部材Bm1の差込部11が挟持されることで、第1の基板PCB1と第2の基板PCB2とが電気的に接続される。
また、図6Cに示すように、オス型嵌合部材Bm1とメス型嵌合部材Bf1との電気接点部Pでは、第1挟持部21が形成する電気接点部P1と、第2挟持部22が形成する電気接点部P2とが、差込部11を挟んで対向して配置される。また、メス型嵌合部材Bf1の第1接点形成部211及び第2接点形成部221の表面と、オス型嵌合部材Bm1の差込部11の表面とが接点接続される。第1接点形成部211及び第2接点形成部221の表面は、差込部11に向かって凸形状となっているため、差込部11の表面を押圧して強固に接触する。基板間接続部Bは、例えば、ピン形状の差込部を有するオス型嵌合部材を用いて実現される従来の結合構造に比較して、オス型嵌合部材Bm1とメス型嵌合部材Bf1との間の接触圧力が大きくなるので、電気接点部Pの接触抵抗を低減することができる。
また、電気接点部Pの周辺に生じる振動等の変動に応じて、第1挟持部10及び第2挟持部11の第1バネ部212及び第2バネ部222が独立して変形する。したがって、振動等に伴う上下動作を吸収することができ、極めて安定した電気接点部Pを実現することができる。
図7は、基板間接続部Bにおける結合構造の他の一例を示す概略模式図である。図7は図7Aおよび図7Bを含み、図7A、図7Bでは、図3A等に示すオス型嵌合部材Bm2と図4A等に示すメス型嵌合部材Bf1とを結合した基板間接続部Bを示している。図7Aは、基板間接続部Bの右側面図、図7Bは正面図である。
図7A、図7Bに示す基板間接続部Bにおいて、オス型嵌合部材Bm2の差込部11には、くびれ部14が形成されている。くびれ部14以外の構成は、図6A~図6Cに示した基板間接続構造と同じである。オス型嵌合部材Bm2とメス型嵌合部材Bf1によって形成される電気接点部Pも、図6Cと全く同一であるため図示を省略する。
図7Aに示すように、オス型嵌合部材Bm2の差込部11にくびれ部14が設けられている場合、くびれ部14における最小幅W1は、メス型嵌合部材Bf1の第1挟持部21の幅W2よりも小さく設定される。
電気接点部Pにおいて、基板間接続部Bの延在方向(上下方向)を回転軸とする回転方向に振動などが生じた場合、くびれ部14の捻れにより回転動作量が低減される。したがって、図7A、図7Bに示す基板間接続部Bは、図6A~図6Cで示したバネ構造による上下方向の振動吸収効果に加えて、電気接点部Pの周辺に発生する回転方向の振動を効率的に吸収でき、極めて安定した電気接点部Pを実現することができる。
図8は、基板間接続部Bにおける結合構造の他の一例を示す概略模式図である。図8は図8A~図8Cを含み、図8A~図8Cでは、図3A等に示すオス型嵌合部材Bm2と図5A等に示すメス型嵌合部材Bf2とを結合した基板間接続部Bを示している。図8Aは、基板間接続部Bの右側面図、図8Bは正面図、図8Cは図8Bの矢印方向から見た電気接点部Pの断面模式図である。
図8Cに示すように、メス型嵌合部材Bf2とオス型嵌合部材Bm2が形成する電気接点部Pでは、第1挟持部21が形成する電気接点部P1と、第2挟持部22が形成する電気接点部P2とが、交互に配置される。つまり、第1挟持片21A~21Cの中心線C1~C3は、第2挟持片22A、22Bの中心線C4、C5と重ならない。換言すれば、差込部11を挟んで、第1挟持片21A、21Cの間の間隙と第2挟持片22Aが対向し、第1挟持片21B、21Cの間隙と第2挟持片22Bが対向している。
このような位置関係により、それぞれ電気接点部P1、P2における接触圧力の方向に対する反力が生じない。また、それぞれの電気接点部P1、P2を形成する第1接点形成部211及び第2接点形成部212の凸形状により、差込部2の表面が押し込まれる。
これにより、基板間接続部Bにおいて、オス型嵌合部材Bm2とメス型嵌合部材Bf2との間の接触圧力大きくなるので、電気接点部Pの接触抵抗を大幅に低減することができる。さらに、電気接点部Pにおいて、差込部11と第1の挟持部21及び第2の挟持部22とが強固に結合されているため、振動や温度変化に起因して電気接点部Pの周辺に発生する変動の影響を受けにくくなる。
図9は、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの結合工程を示す図である。図9は図9A~図9Cを含み、図9Aは、オス型嵌合部材Bmとメス型嵌合部材Bfが嵌合される直前の状態、図9Bは、オス型嵌合部材Bmの先端部11aがメス型嵌合部材Bfの受入部26に差し込まれた状態、図9Cは、オス型嵌合部材Bmとメス型嵌合部材Bfとの嵌合が完了し、電気接点部Pを形成した状態を示している。
図9Aに示すように、オス型嵌合部材Bmの先端部11aの先端厚さTは、メス型嵌合部材Bfの受入部26の離間幅Rより小さく設定される。オス型嵌合部材Bmの挿入を進めると、図9Bに示すように、差込部11の先端部11aが第1挟持部21及び第2挟持部22に接触した状態となる。オス型嵌合部材Bmの挿入をさらに進めると、差込部11が第1挟持部21及び第2挟持部22に接触して、第1挟持部21及び第2挟持部22の間の間隔を押し広げるように挿入され、図9Cの状態に至る。図9Cに示す状態において、オス型嵌合部材Bmの差込部11と、メス型嵌合部材Bfの第1挟持部21及び第2挟持部22と間に電気接点部Pが形成される。
差込部11の先端部11aの先端厚さTは、受入部26の離間幅Rより小さいため、図9Aに示す挿入初期段階に発生しうる挿入ズレに対する許容量が大きくなり、ひいては、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfをプリント回路基板に接合する際の実装精度の許容量が大きくなる。したがって、電力変換装置1の組み立て工程における管理工数を緩和できる。
また、図9Bに示すようにオス型嵌合部材Bmが、メス型嵌合部材Bfに初めて接触する際、差込部11の先端部11aの傾斜部が第1挟持部21及び第2挟持部22に接触することになる。そのため、接触点への挿入ダメージを軽減することができる。例えば、差込部11の先端部11aの先端厚さTが、受入部26の離間幅Rと同じか、あるいは大きい場合、先端部11aの先端が第1挟持部21及び第2挟持部22の表面に衝突することとなり、メス型嵌合部材Bfの電気接点部Pとなる表面、あるいはその近傍の表面が損傷する虞がある。一例として、第1挟持部21及び第2挟持部22の表面に形成されていためっきがはがれるといった不具合が発生する虞がある。これに対して、本実施の形態では、差込部11の先端部11aの先端面が、第1挟持部21及び第2挟持部22の表面に衝突しにくくなるため、挿入時にメス型嵌合部材Bfが受けるダメージは小さく、図9Cの挿入完了の状態において、電気的に良好な電気接点部Pを形成することができる。
このように、実施の形態に係る電力変換装置1は、第1の基板PCB1と、第2の基板PCB2と、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2の間に介在し、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2を電気的かつ機械的に接続する複数の第1基板間接続部B1と、を備える。複数の第1基板間接続部B1は、それぞれ、略平板形状の差込部11を有し、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2のいずれか一方に配置されるオス型嵌合部材Bmと、互いに対向する第1挟持部21及び第2挟持部22を有し、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2のいずれか他方に配置されるメス型嵌合部材Bfと、を有する。第1挟持部21は、先端側に配置され、第2挟持部22に向かって凸状に屈曲する第1接点形成部211と、第1接点形成部211の基端側に連設され、第2挟持部22に向かって凹凸状に屈曲する第1バネ部212と、を有し、第2挟持部22は、先端側に配置され、第1挟持部21に向かって凸状に屈曲する第2接点形成部221と、第2接点形成部221の基端側に連設され、第1挟持部21に向かって凹凸状に屈曲する第2バネ部212と、を有する。第1接点形成部211及び第2接点形成部221により差込部11が挟持されることにより、電気接点部Pが形成され、第1バネ部212及び第2バネ部222は、独立して変形可能である。
また、実施の形態に係る基板間接続部Bは、第1の基板PCB1と第2の基板PCB2の間に介在し、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2を電気的かつ機械的に接続する基板間接続部であって、略平板形状の差込部11を有し、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2のいずれか一方に配置されるオス型嵌合部材Bmと、互いに対向する第1挟持部21及び第2挟持部22を有し、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2のいずれか他方に配置されるメス型嵌合部材Bfと、を有する。第1挟持部21は、先端側に配置され、第2挟持部22に向かって凸状に屈曲する第1接点形成部211と、第1接点形成部211の基端側に連設され、第2挟持部22に向かって凹凸状に屈曲する第1バネ部212と、を有し、第2挟持部22は、先端側に配置され、第1挟持部21に向かって凸状に屈曲する第2接点形成部221と、第2接点形成部221の基端側に連設され、第1挟持部21に向かって凹凸状に屈曲する第2バネ部212と、を有する。第1接点形成部211及び第2接点形成部221により差込部11が挟持されることにより、電気接点部Pが形成され、第1バネ部212及び第2バネ部222は、独立して変形可能である。
電力変換装置1及び基板間接続部Bによれば、温度変化や振動等に伴い電気接点部Pに生じうる上下方向の動作をバネ構造により効率よく吸収することができる。したがって、電気接点部Pにおける良好な結合状態を長期にわたって保持することができ、電気接続部Pの経時的な特性低下を抑制することができる。
具体的には、使用環境や電流のオンオフによる温度変化によって、電気接点部の界面において酸化が進行し、ひいては電気接点部の特性が低下する虞がある。また、繰り返される温度変化による寸法変動によって、基板間接続部の構成部材に微小変形が生じ、接続を保持するコネクター等の接圧が低下したり、構成部材間に生じる摺動現象によって接点が劣化したりして、電気接点部の特性が低下する虞がある。さらには、基板間接続部には、温度変化による寸法変動のみならず、使用環境下での装置振動による寸法変動によっても同様の不具合が発生する虞がある。電力変換装置1及び基板間接続部Bによれば、このような不具合が生じるのを防止することができる。
また、電力変換装置1において、プリント回路基板間の結合構造を構成する際、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの表面実装の容易さから、電力変換装置1の組み立ての工数を低減することができる。
さらには、オス型嵌合部材Bmの差込部11の幅を適宜設定することができるため、差込部11の幅を広くすることにより、オス型嵌合部材Bm1とメス型嵌合部材Bf1を嵌合する際の位置精度の許容量を拡大することができ、ひいては、オス型嵌合部材Bm1とメス型嵌合部材Bf1の実装精度の許容量の拡大に繋がり、電力変換装置1の組み立ての管理工数を緩和することができる。
また、電力変換装置1において、接点形成部211、221は、凸の曲面形状を有する。これにより、オス型嵌合部材Bmの差込部11を、メス型嵌合部材Bfの受入部26に滑らかに挿入することができる。
また、電力変換装置1において、第1挟持部21は、互いに離間して配置される複数の第1挟持片21A、21Bを有し、第2挟持部22は、互いに離間して配置される複数の第2挟持片22A、22Bを有する。第1挟持片21A、21Bの第1バネ部212及び第2挟持片22A、22Bの第2バネ部222は、それぞれ、独立して変形可能である。
これにより、温度変化や振動等に伴い電気接点部Pに生じうる上下方向の変動だけでなく、回転方向の変動も効率よく吸収することができる。したがって、電気接点部Pにおける良好な結合状態を長期にわたって保持することができ、経時的な特性低下を抑制することができる。
また、電力変換装置1において、第1挟持片21A、21B及び第2挟持片22A、22Bは、差込部11に向かう方向において、対向して配置されている。この場合、メス型嵌合部材Bfは対称構造となるので、設計及び製造を簡素化でき、また、プリント回路基板に実装する際に取り付ける向きを注意しなくてすむ。
また、電力変換装置1において、第1挟持片21A~21C及び第2挟持片22A、22Bは、差込部11に向かう方向において、互い違いに配置されている。これにより、オス型嵌合部材Bmの差込部11が強固に保持され、極めて安定した嵌合接続が実現される。
また、電力変換装置1において、差込部11は、幅方向に凹んで形成されたくびれ部11aを有し、くびれ部11aの幅W1は、第1挟持部21A、21B及び第2挟持部22A、22Bのうち大きい方の幅W2よりも小さい。
これにより、電気接点部Pにおいて、上下方向を回転軸とする回転方向に振動などが生じた場合に、くびれ部14の捻れにより回転動作量が低減される。したがって、電気接点部Pの周辺に発生する回転方向の振動を効率的に吸収でき、極めて安定した電気接点部Pを実現することができる。
また、電力変換装置1において、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfは、それぞれ、金属材料により形成される。
好ましくは、金属材料は、銅、真鍮を含む銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金である。
また、金属材料の表面領域のうちの一部あるいは全部の領域に、導体めっきが施されていることが好ましい。
さらには、導体めっきは、錫めっき、銀めっき、又は金めっきである。
これにより、温度上昇による電気接点部Pの劣化を抑制でき、電気接点部Pの品質を確保することができる。
また、電量変換装置1において、電気接点部Pにおける差込部11と第1接点形成部211及び第2接点形成部221との間の接触抵抗が1mΩ以下である。これにより、接触抵抗に起因する温度上昇を抑制することができる。
また、電力変換装置1は、第3の基板PCB3と、第2の基板PCB2と第3の基板PCB3との間に介在し、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3を電気的かつ機械的に接続する複数の第2基板間接続部B2と、をさらに備え、第2基板間接続部B2は、第1基板間接続部B1と同様の構成を有する。これにより、3以上の基板間において良好な電気的接続構造を実現することができる。
また、電力変換装置1において、第1の基板PCB1、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3は、3層の層状構造を形成し、層状構造の中間層を形成する第2の基板PCB2は、両面に、オス型嵌合部材Bm又はメス型嵌合部材Bfが配置される。これにより、層状構造の基板間を容易に嵌合接続することができる。
以上、本発明者による開示を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、オス型嵌合部材Bmの差込部11の幅と、メス型嵌合部材Bfの第1挟持部21及び第2挟持部22を構成する挟持片の本数は、任意に設定可能である。メス型嵌合部材Bfの挟持片の数を増やすことで、電気接点部Pにおける接点数を増大することができ、さらに接触抵抗を低減することができる。
また、メス型嵌合部材Bfにおける電気接点部Pを形成する挟持片の凸形状は、任意に設定することができる。例えば、凸表面の曲面半径を緩やかにした場合、接点部の接触面積を増大することができ、接触抵抗を低減することができる。
また、オス型嵌合部材Bm1及びメス型嵌合部材Bf1は、結合する基板間の距離などに応じて、所望の長さに適宜に設定することができる。
また、実施の形態では、第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3に複数のオス型嵌合部材Bmを配置し、第2の基板PCB2の両主面に複数のメス型嵌合部材Bfを配置する場合について例示しているが、これに限らない。
例えば、第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3に複数のメス型嵌合部材Bfを配置し、第2の基板PCB2の両主面に複数のオス型嵌合部材Bmを配置してもよい。また例えば、第2の基板PCB2の一方の主面に複数のオス型嵌合部材Bmを配置するとともに、他方の主面に複数のメス型嵌合部材Bfを配置する構成としてもよい。また例えば、第1の基板PCB1、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3のそれぞれにおいて、1つの主面にオス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfを混在させた構成としてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本開示によれば、回路基板間を電気的に接続する基板間接続部において、温度変化や振動等に起因して発生する電気接点部における不具合を解消することができる。そして、複数の回路基板を信頼性の高い基板間接続部を利用して積層することができるため、特に、電力変換装置の小型化に好適である。
1 電力変換装置
11 差込部
11a 先端部
12 基板接続部
13 切込み
21 第1挟持部
21A、21B 第1挟持片
211 第1接点形成部
212 第1バネ部
22 第2挟持部
22A、22B 第2挟持片
221 第2接点形成部
222 第2バネ部
23 基板接続部
24、25 連結部
26 受入部
PCB1 第1の基板
PCB2 第2の基板
PCB3 第3の基板
B 基板間接続部
B1 第1基板間接続部
B2 第2基板間接続部
Bm、Bm1、Bm2 オス型嵌合部材
Bf、Bf1、Bf2 メス型嵌合部材

Claims (14)

  1. 第1の基板と、
    第2の基板と、
    前記第1の基板及び前記第2の基板の間に介在し、前記第1の基板及び前記第2の基板を電気的かつ機械的に接続する複数の第1基板間接続部と、を備え、
    複数の前記第1基板間接続部は、それぞれ、
    略平板形状の差込部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか一方に配置されるオス型嵌合部材と、
    嵌合方向に沿って延在し、前記嵌合方向に直交する挟持方向に互いに対向する第1挟持部及び第2挟持部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか他方に配置されるメス型嵌合部材と、を有し、
    前記第1挟持部は、
    先端側に配置され、前記第2挟持部に向かって凸状に屈曲する第1接点形成部と、
    前記第1接点形成部の基端側に連設され、前記第2挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第1バネ部と、を有し、
    前記第2挟持部は、
    先端側に配置され、前記第1挟持部に向かって凸状に屈曲する第2接点形成部と、
    前記第2接点形成部の基端側に連設され、前記第1挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第2バネ部と、を有し、
    前記第1接点形成部及び前記第2接点形成部により前記差込部が挟持されることにより、電気接点部が形成され、
    前記第1バネ部及び前記第2バネ部は、独立して前記嵌合方向に伸縮可能である、
    電力変換装置。
  2. 前記第1接点形成部及び前記第2接点形成部は、凸の曲面形状を有する、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第1挟持部は、互いに離間して配置される複数の第1挟持片を有し、
    前記第2挟持部は、互いに離間して配置される複数の第2挟持片を有し、
    前記第1挟持片の前記第1バネ部及び前記第2挟持片の前記第2バネ部は、それぞれ、独立して前記嵌合方向に伸縮可能である、
    請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. 前記第1挟持片及び前記第2挟持片は、前記挟持方向において、対向して配置されている、
    請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記第1挟持片及び前記第2挟持片は、前記挟持方向において、互い違いに配置されている、
    請求項3に記載の電力変換装置。
  6. 前記差込部は、前記嵌合方向及び前記挟持方向に直交する幅方向に凹んで形成されたくびれ部を有し、
    前記くびれ部の幅は、前記第1挟持部及び前記第2挟持部のうち大きい方の幅よりも小さい、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  7. 前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材は、それぞれ、金属材料により形成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  8. 前記金属材料は、銅、真鍮を含む銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金である、請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 前記金属材料の表面領域のうちの一部あるいは全部の領域に、導体めっきが施されている、請求項7又は8に記載の電力変換装置。
  10. 前記導体めっきは、錫めっき、銀めっき、又は金めっきである、請求項9に記載の電力変換装置。
  11. 前記電気接点部における前記差込部と前記第1接点形成部及び前記第2接点形成部との間の接触抵抗が1mΩ以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  12. 第1の基板と、
    第2の基板と、
    第3の基板と、
    前記第1の基板及び前記第2の基板の間に介在し、前記第1の基板及び前記第2の基板を電気的かつ機械的に接続する複数の第1基板間接続部と、
    前記第2の基板及び前記第3の基板の間に介在し、前記第2の基板及び前記第3の基板を電気的かつ機械的に接続する複数の第2基板間接続部と、を備え、
    複数の前記第1基板間接続部及び複数の前記第2基板間接続部は、それぞれ、
    略平板形状の差込部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか一方、又は前記第2の基板及び前記第3の基板のいずれか一方に配置されるオス型嵌合部材と、
    嵌合方向に沿って延在し、前記嵌合方向に直交する挟持方向に互いに対向する第1挟持部及び第2挟持部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか他方、又は前記第2の基板及び前記第3の基板のいずれか他方に配置されるメス型嵌合部材と、を有し、
    前記第1挟持部は、
    先端側に配置され、前記第2挟持部に向かって凸状に屈曲する第1接点形成部と、
    前記第1接点形成部の基端側に連設され、前記第2挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第1バネ部と、を有し、
    前記第2挟持部は、
    先端側に配置され、前記第1挟持部に向かって凸状に屈曲する第2接点形成部と、
    前記第2接点形成部の基端側に連設され、前記第1挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第2バネ部と、を有し、
    前記第1接点形成部及び前記第2接点形成部により前記差込部が挟持されることにより、電気接点部が形成され、
    前記第1バネ部及び前記第2バネ部は、独立して前記嵌合方向に伸縮可能である、
    電力変換装置。
  13. 前記第1の基板、前記第2の基板及び前記第3の基板は、3層の層状構造を形成し、
    前記層状構造の中間層を形成する前記第2の基板は、両面に、前記オス型嵌合部材又は前記メス型嵌合部材が配置される、
    請求項12に記載の電力変換装置。
  14. 第1の基板と第2の基板の間に介在し、前記第1の基板及び前記第2の基板を電気的かつ機械的に接続する基板間接続部であって、
    略平板形状の差込部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか一方に配置されるオス型嵌合部材と、
    嵌合方向に沿って延在し、前記嵌合方向に直交する挟持方向に互いに対向する第1挟持部及び第2挟持部を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか他方に配置されるメス型嵌合部材と、を有し、
    前記第1挟持部は、
    先端側に配置され、前記第2挟持部に向かって凸状に屈曲する第1接点形成部と、
    前記第1接点形成部の基端側に連設され、前記第2挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第1バネ部と、を有し、
    前記第2挟持部は、
    先端側に配置され、前記第1挟持部に向かって凸状に屈曲する第2接点形成部と、
    前記第2接点形成部の基端側に連設され、前記第1挟持部に向かって凹凸状に屈曲する第2バネ部と、を有し、
    前記第1接点形成部及び前記第2接点形成部により前記差込部が挟持されることにより、電気接点部が形成され、
    前記第1バネ部及び前記第2バネ部は、独立して前記嵌合方向に伸縮可能である、
    基板間接続部。
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