JP7153586B2 - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のバルブを駆動するとともに、その駆動状態を内燃機関の運転状況に応じて変更する可変動弁機構に関する。
本出願人は、先に、図7及び図8に示す内燃機関の可変動弁機構51を提案した(特許文献1)。この可変動弁機構51は、カムシャフト52に、カム53と第一螺旋溝54と第二螺旋溝55とが設けられ、カムシャフト52と平行に延びるロッカシャフト56に、ロッカアーム本体57が揺動可能に支持され、ロッカアーム本体57に、ロッカシャフト56と平行に延びるローラ軸58が設けられ、ローラ軸58に、カム53が当接しうるローラ59がロッカシャフト長方向に変位可能に支持され、2つの螺旋溝54,55に択一的に係入する第一係入アーム61及び第二係入アーム62とローラ59の両側面を抱持するローラガイド63(摺接部)とを含むリンクアーム60が、ロッカシャフト長方向に変位可能に設けられている。そして、リンクアーム60全体を回動装置により回動中心の回りに回動させて、第一係入アーム61を第一螺旋溝54に係入させるか又は第二係入アーム62を第二螺旋溝55に係入させるかを選択することにより、選択した螺旋溝54,55に沿ってリンクアーム60及びローラ59をロッカシャフト長方向に変位させて、該ローラ59に前記カム53が当接するか又は当接しないかを切り替える機構である。
リンクアーム60の回動装置は、ロッカシャフト56の内部に設けられた油圧経路の油圧によりロッカシャフト56からの突出量が増してリンクアーム60を押圧する油圧ピン65と、リンクアーム60を逆方向に押すリターンスプリング66とを含み構成されているが、油圧以外の駆動力を用いる回動装置(例えば電磁ソレノイド)とすることもできる。
特開2014-224496号公報
前記可変動弁機構51の作動試験を繰り返したところ、図8(a)に示すように、第一係入アーム61が、第一螺旋溝54に係入するときに該螺旋溝54で弾かれて押し出される不具合が発生することがあった。この不具合を防ぐには、回動装置の駆動力(前記例では油圧)を増大したり、回動装置とは別に第一係入アーム61の係入を保持する外部保持機構を新設したりする必要があった。
なお、図8(b)に示すように、第二係入アーム62が第二螺旋溝55に係入するときには、前記第一係入アーム61のような不具合は発生しなかった。
そこで、本発明の目的は、リンクアームの2つの係入アームが各螺旋溝で弾かれて押し出されることを無くして、係入アームの回動装置の駆動力増大や外部保持機構の新設を不要にすることにある。
本発明者が、上記不具合を検討したところ、2つの係入アーム61,62の回動中心からの長さを、軽量化の観点から短く設定していたことに起因することを見出した。
すなわち、図8(a)に示すように、係入時の第一係入アーム61と第一螺旋溝54の溝底との第一接触点を、回動中心から第一接触点付近へ延びる第一接線と第一螺旋溝54との第一接点よりも、回動中心から見て近い、第一螺旋溝54の回転方向上流側に配置していた。これにより、第一接触点で第一係入アーム61に働く第一螺旋溝54の回転による摺接力は、係入アーム61を回動中心から離れる方向に引っ張る力と、係入アーム61を螺旋溝54から押し出す力とを発生させることが判明した。
なお、図8(b)に示すように、係入時の第二係入アーム62と第二螺旋溝55の溝底との第二接触点も、回動中心から第二接触点付近へ延びる第二接線と第二螺旋溝55との第二接点よりも、回動中心から見て近い、第二螺旋溝55の回転方向下流側に配置していたが、この第二接触点では第二係入アーム62を第二螺旋溝55に引き込む力を発生させていた。
本発明は、上記検討を基礎にし、さらに検討を重ねて至ったものであり、
カムシャフトにカムと第一螺旋溝と第二螺旋溝とがカムシャフトと共に回転するように設けられ、
カムシャフトと平行に延びるロッカシャフトに、ロッカアーム本体が揺動可能に支持され、
ロッカアーム本体は、ロッカシャフトと平行に延びるローラ軸を含み、
ローラ軸に、カムが当接しうるローラがロッカシャフト長方向に変位可能に支持され、
第一螺旋溝と第二螺旋溝に択一的に係入する第一係入アームと第二係入アームと、ローラを抱持するローラガイドとを含むリンクアームが、ロッカシャフト長方向に変位可能に設けられ、
第一係入アームと第二係入アームを回動装置により回動中心の回りに回動させて、第一係入アームを第一螺旋溝に係入させるか又は第二係入アームを第二螺旋溝に係入させるかを選択することにより、選択した螺旋溝に沿ってリンクアーム及びローラをロッカシャフト長方向に変位させて、該ローラに前記カムが当接するか又は当接しないかを切り替える内燃機関の可変動弁機構において、
前記係入時の第一係入アームと第一螺旋溝の溝底との第一接触点は、前記回動中心から第一接触点付近へ延びる第一接線と第一螺旋溝との第一接点から、前記回動中心から見て第一接点よりも遠い、第一螺旋溝の回転方向下流側へ60度の所までの範囲内に配置されており、
前記係入時の第二係入アームと第二螺旋溝の溝底との第二接触点は、前記回動中心から第二接触点付近へ延びる第二接線と第二螺旋溝との第二接点から、前記回動中心から見て第二接点よりも近い、第二螺旋溝の回転方向下流側へ60度の所までの範囲内に配置されていること、及び、
第一接触点は、第一接点よりも第一螺旋溝の回転方向下流側へ6度以上離れており、
第二接触点は、第二接点よりも第二螺旋溝の回転方向下流側へ6度以上離れていること
を特徴とする。
[作用]
第一接触点が第一接点に配置されていると、第一係入アームの回動中心からの長さは長くなるものの、第一接触点で第一係入アームに働く第一螺旋溝の回転による摺接力は、第一係入アームを回動中心から離れる方向に引っ張る力のみを発生させ、第一係入アームを第一螺旋溝から押し出す力や第一螺旋溝に引き込む力はキャンセルされる。
また、第一接触点が、前記回動中心から見て第一接点よりも遠い、第一螺旋溝の回転方向下流側へ60度の所(好ましくは45度の所)までに配置されていると、第一係入アームの回動中心からの長さはさらに長くなるものの、第一接触点で第一係入アームに働く第一螺旋溝の回転による摺接力は、第一係入アームを回動中心から離れる方向に引っ張る力と、第一係入アームを第一螺旋溝に引き込む力とを発生させる。
第二接触点が第二接点に配置されていると、第二係入アームの回動中心からの長さは長くなるものの、第二接触点で第二係入アームに働く第二螺旋溝の回転による摺接力は、第二係入アームを回動中心に向かう方向に押す力のみを発生させ、第二係入アームを第二螺旋溝から押し出す力や第二螺旋溝に引き込む力はキャンセルされる。
また、第二接触点が、前記回動中心から見て第二接点よりも近い、第二螺旋溝の回転方向下流側へ60度の所(好ましくは45度の所)までに配置されていると、第二係入アームの回動中心からの長さが短くなるとともに、第二接触点で第二係入アームに働く第二螺旋溝の回転による摺接力は、第二係入アームを回動中心に向かう方向に押す力と、第二係入アームを第二螺旋溝に引き込む力とを発生させる。
本発明によれば、リンクアームの2つの係入アームが各螺旋溝で弾かれて押し出されることを無くして、係入アームの回動装置の駆動力増大や外部保持機構の新設を不要にすることができる。
図1は実施例の可変動弁機構を前上からみた斜視図である。 図2は同可変動弁機構を後下からみた斜視図である。 図3は図2の矢示III 部の内部を示す部分斜視図である。 図4は同機構のローラを第一カムが当接する位置に変位させた状態を示し、(a)は正面図、(b)はIVb-IVb断面図である。 図5は同機構のローラを第二カムが当接する位置に変位させた状態を示し、(a)は正面図、(b)はVb-Vb断面図である。 図6は同機構の作用を説明する断面図であり、(a)は図4(b)の要部拡大図、(b)は図5(b)の要部拡大図である。 図7は従来例の可変動弁機構の斜視図である。 図8は同機構の作用を説明する断面図である。
1.ロッカアーム本体
ロッカアーム本体は、直接バルブを駆動するものでもよいし、間接的にバルブを駆動する(例えば、ロッカアーム本体が第2ロッカアームを押圧し、第2ロッカアームがバルブを駆動する)ものでもよい。
ローラ軸に支持するローラの数は、1つでも複数でもよい。
2.リンクアーム
前記のとおり、第一接触点は、第一接点よりも第一螺旋溝の回転方向下流側へ6度以上離れており、第二接触点は、第二接点よりも第二螺旋溝の回転方向下流側へ6度以上離れていることとする。各部材の寸法・組付のバラツキがあっても、2つの係入アームが各螺旋溝に確実に引き込まれるようにするためであり、また、その引込力を一定以上の大きさにするためである。
一方、第一接触点を、第一接点よりも第一螺旋溝の回転方向下流側へ60度の所を超えて離したり、第二接触点を、第二接点よりも第二螺旋溝の回転方向下流側へ60度の所を超えて離したりすることは、2つの係入アームの配置を困難にする。よって、前記のとおり、いずれの接触点についても「好ましくは45度の所」までである。
リンクアームが、回動装置により回動する2つの係入アームを含む回動部材と、回動装置により回動しないローラガイドを含む非回動部材とに、分割形成されていることが好ましい。リンクアームの回動部分の慣性質量を低減でき、また回動部分がローラと摺接しないようにでき、もって回動装置が要する駆動力を低減できるからである。
3.回動装置
回動装置としては、特に限定されないが、電磁ソレノイド、油圧機構、電動モータ機構等を用いたものを例示できる。
4.ローラに前記カムが当接しないときの態様
ローラに前記カムが当接しないときの態様としては、ローラに別のカムも当接しない態様、ローラに別のゼロリフトの円カムが当接する態様、ローラに別のノーズプロフィールのカムが当接する態様とを例示できる。次に説明する実施例は、ローラに別のノーズプロフィールのカムが当接する態様である。
次に、本発明の実施例を図1~図6を参照して説明する。なお、実施例の各部の構造、形状、数等は例示であり、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更できる。
本実施例の可変動弁機構1は、
カムシャフト2にカム3と第一螺旋溝5と第二螺旋溝7とがカムシャフト2と共に回転するように設けられ、
カムシャフト2と平行に延びるロッカシャフト9に、ロッカアーム本体10が揺動可能に支持され、
ロッカアーム本体10は、ロッカシャフト9と平行に延びるローラ軸15を含み、
ローラ軸15に、カム3が当接しうるローラ16がロッカシャフト長方向に変位可能に支持され(第1ロッカアーム本体10とローラ16とにより第1ロッカアームが構成される)、
第一螺旋溝5と第二螺旋溝7に択一的に係入する第一係入アーム23と第二係入アーム24と、ローラ16の両側面を抱持するローラガイド31とを含むリンクアーム20が、ロッカシャフト長方向に変位可能に設けられ、
第一係入アーム23と第二係入アーム24を回動装置40により回動中心Cの回りに回動させて、第一係入アーム23を第一螺旋溝5に係入させるか又は第二係入アーム24を第二螺旋溝7に係入させるかを選択することにより、選択した螺旋溝5,7に沿ってリンクアーム20及びローラ16をロッカシャフト長方向に変位させて、該ローラ16に前記カム3が当接するか又は当接しないかを切り替える機構である。
さらに、本実施例の可変動弁機構1は、第1ロッカアームが直接バルブVを押圧するのではなく、第1ロッカアームが第2ロッカアーム45を介して間接的にバルブVを押圧するように構成されている。
カムシャフト長方向と、ロッカシャフト長方向と、ローラ軸長方向は、いずれも図1、図4(a)及び図5(a)での左右方向であって同一である。そこで、以下では、これらの図で左に向かう方向を軸長方向d1といい、右に向かう方向を軸長方向d2という。図2及び図3では左右反対である。
[カム等]
カムシャフト2には、軸長方向d1側から軸長方向d2側へ順に、駆動カムとしての第一カム3及び第二カム4と、カムレール溝としての第一螺旋溝5、円環溝6及び第二螺旋溝7と、駆動カムとしての第一カム3及び第二カム4とが、並んで設けられている。カムシャフト2の断面内に、カムシャフト2の回転方向を矢印で示す。
2つの第一カム3は、断面形状が円形のベース円と、ベース円から突出した相対的に低リフトのノーズとからなり、主に低速回転域で使用されるものである。
2つの第二カム4は、断面形状が円形のベース円と、ベース円から突出した相対的に高リフトのノーズとからなり、主に高速回転域で使用されるものである。
円環溝6は、リンクアーム20を軸長方向d1,d2に変位不能に係止するための溝であって、軸長方向にずれない円環状の溝である。
第一螺旋溝5は、リンクアーム20を軸長方向一方d1に変位させるための溝であって、円環溝6よりも軸長方向一方d1側に設けられている。第一螺旋溝5は、その基端から所定の位置までは、カムシャフト2の回転方向の反対方向に軸長方向d1,d2にずれることなく延びており、該所定の位置からは、カムシャフト2の回転方向の反対方向に進むに従い軸長方向他方d2側に進む螺旋状に延びて円環溝6に合流している。この螺旋状に延びる部分は、第一及び第二カム3,4のベース円作用時に、第一係入アーム23の先端部が係入する位相に設けられている。
第二螺旋溝7は、リンクアーム20を軸長方向他方d2に変位させるための溝であって、円環溝6よりも軸長方向他方d2側に設けられている。第二螺旋溝7は、その基端から所定の位置までは、カムシャフト2の回転方向の反対方向に軸長方向d1,d2にずれることなく延びており、該所定の位置からは、カムシャフト2の回転方向の反対方向に進むに従い軸長方向一方d1側に進む螺旋状に延びて円環溝6に合流している。この螺旋状に延びる部分は、第一及び第二カム3,4のベース円作用時に、第二係入アーム24の先端部が係入する位相に設けられている。
[第1ロッカアーム]
第1ロッカアーム本体10は、図2等に示すように、側面視L字状をなし軸長方向に互いに離間した第一側壁部11及び第二側壁部12と、第一側壁部11と第二側壁部12の下部間を連結する下連結部13と、第一側壁部11と第二側壁部12との間に配されて下連結部13に支持された中間壁部14と、第一側壁部11から中間壁部14を経て第二側壁部12に架け渡されたローラ軸15とを含み構成されている。
第一側壁部11及び第二側壁部12の上部に形成された被支持穴にロッカシャフト9が通され、第一側壁部11及び第二側壁部12の前記L字状の中間コーナー部に前記ローラ軸15が位置し、下連結部13の下面は第二ロッカアーム45を押圧する押圧面となっている。第1ロッカアーム本体10は、ロッカシャフト周方向に揺動可能であるが、ロッカシャフト長方向(軸長方向d1,d2)には変位しないようになっている。
ローラ軸15には、2つのローラ16がローラ軸周方向に回転可能に且つローラ軸長方向(軸長方向d1,d2)にスライド変位可能に外嵌されている。一方のローラ16は第一側壁部11と中間壁部14の間にあり、他方のローラ16は第二側壁部12と中間壁部14の間にある。第1ロッカアーム本体10とローラ軸15とにより第1ロッカアームが構成されている。
[第2ロッカアーム]
第2ロッカアーム45は、一般的なローラロッカアームであって、長さ方向基端部がピボット46で支持され、長さ方向中間部にローラ47が回転可能に軸着され、長さ方向先端部にバルブVを押圧するバルブ押圧部48が形成されている。第2ロッカアーム45は第1ロッカアーム本体10の下方に2つ並んで設けられ、それぞれのローラ47が、揺動する第1ロッカアーム本体10の下連結部13の下面により押圧される。この押圧により第2ロッカアーム45は揺動し、バルブVを押圧する。
[リンクアーム]
リンクアーム20は、図2等に示すように、回動装置40により回動する2つの係入アーム23,24を含む回動部材21と、回動装置40により回動しないローラガイド31を含む非回動部材27とに、分割形成され、両部材が組み付けられてなる。
(回動部材)
回動部材21は、筒状基部22と、筒状基部22から、正面視で軸長方向に互いに離間し、側面視でV字をなするように、前方へ突出した第一係入アーム23及び下方へ突出した第二係入アーム24とを含み構成されている。
筒状基部22は、ロッカシャフト9に、ロッカシャフト周方向に回動可能に且つロッカシャフト長方向(軸長方向d1,d2)にスライド変位可能に外嵌されている。筒状基部22の上面には、板状の被押圧部25が設けられ、被押圧部25の前部又は後部が択一的に下方へ回動装置40により押圧されることにより、回動部材21が回動する。筒状基部22の後部には、ロッカシャフト長方向にもロッカシャフト周方向にも(後述するボルト36径よりも)大きい逃がし穴が形成され、この逃がし穴に後述するスリーブ39が通っている。
第一係入アーム23は、その先端部が第一螺旋溝5ないし円環溝6に係入可能に形成されている。第二係入アーム24は、その先端部が第二螺旋溝7ないし円環溝6に係入可能に形成されている。
前記係入時の第一係入アーム23と第一螺旋溝5の溝底との第一接触点A1は、前記回動中心Cから第一接触点A1付近へ延びる第一接線L1と第一螺旋溝5との第一接点B1から、前記回動中心Cから見て第一接点B1よりも遠い、第一螺旋溝5の回転方向下流側へ(回転角で)60度の所までの範囲内に配置される必要があり、図示例では、第一接点B1よりも第一螺旋溝5の回転方向下流側へ6.5度離れた所に配置されている。
前記係入時の第二係入アーム24と第二螺旋溝7の溝底との第二接触点A2は、前記回動中心Cから第二接触点A2付近へ延びる第二接線L2と第二螺旋溝7との第二接点B2から、前記回動中心Cから見て第二接点B2よりも近い、第二螺旋溝7の回転方向下流側へ(回転角で)60度の所までの範囲内に配置される必要があり、図示例では、第二接点B2よりも第二螺旋溝7の回転方向下流側へ25.5度離れた所に配置されている。
(非回動部材)
非回動部材27は、回動部材21の筒状基部22が嵌入する嵌入空間をおいて離れた第一筒状部28及び第二筒状部29と、第一筒状部28と第二筒状部29の後部間を連結する後連結部30と、第一筒状部28と第二筒状部29からそれぞれ下方へ突出した2つのローラガイド31とを含み構成されている。
第一筒状部28及び第二筒状部29は、ロッカシャフト9に、ロッカシャフト長方向(軸長方向d1,d2)にスライド変位可能に外嵌されている。
第一筒状部28及び第二筒状部29の後ろには、係合段部34が設けられている。後連結部30には、ロッカシャフト長方向(軸長方向d1,d2)に延びる長孔が形成され、この長孔に後述するスリーブ39が通っている。
ローラガイド31は、ローラ16の両側面を緩く(ローラ16を回転可能に)抱持するものである。一方のローラガイド31は第一側壁部11と中間壁部14との間にあって同間よりも幅狭であり、他方のローラガイド31は第二側壁部12と中間壁部14との間にあって同間よりも幅狭である。また、リンクアーム20の左右長は第一側壁部11と第二側壁部12との間よりも短いので、リンクアーム20は軸長方向d1,d2に変位可能となっている。
(組み付け)
非回動部材27の嵌入空間に回動部材21の筒状基部22が、ロッカシャフト長方向に相対変位しないように嵌入されて、リンクアーム20が出来上がり、このリンクアーム20が第1ロッカアーム本体10の第一側壁部11と第二側壁部12との間に入れられるとともに、ローラ嵌入空間にローラ16が嵌入された状態で、上述のとおり、第一側壁部11、第二側壁部12、第一筒状部28、第二筒状部29及び筒状基部22にロッカシャフト9が通されている。
そして、スリーブ39が、非回動部材27の長孔と回動部材21の逃がし穴とを通されてロッカシャフト9に当てられ、該スリーブ39にボルト36が通されてロッカシャフト9に交差状に螺着されている。このスリーブ39と長孔と逃がし穴の大小関係により、非回動部材27はロッカシャフト周方向に回動不能且つロッカシャフト長方向に変位可能となっており、回動部材21はロッカシャフト周方向に回動可能かつロッカシャフト長方向に変位可能となっている。
また、スリーブ39の下端とボルト36の頭部との間には、板バネからなる弾性部材37が挟着されている。弾性部材37と後連結部30の後面との間には隙間があり、非回動部材27のロッカシャフト長方向の変位を許容している。弾性部材37は軸長方向d1,d2両側に延出し、各延出端部は、リンクアーム20が軸長方向d1,d2に変位し終わったときに各係合段部34に係合する抑制部を構成している。この係合により、リンクアーム20の不要の変位が抑制される。
[回動装置]
回動装置40は、図4、図5等に示すように、被押圧部25の前部を下方へ押圧して回動部材21を軸周方向一方r1に回動させるための第一電磁ソレノイド41と、被押圧部25の後部を下方へ押圧して回動部材21を軸周方向他方r2に回動させるための第二電磁ソレノイド42とからなる。各電磁ソレノイド41,42は、ONによりロッドを繰出して回動部材21を押圧し、OFFによりロッドを退入させて前記押圧を解除する。
以上のように構成された実施例の可変動弁機構1の可変動弁動作を説明する。
[1]ローラ16を第一カム3が当接する位置に変位させるとき
図4に示すように、第一電磁ソレノイド41をONにして、被押圧部25の前部を下方へ押圧し、回動部材21を軸周方向一方r1に回動させる。このとき、非回動部材27は回動しないので、回動部材21の慣性質量は小さく、ローラガイド31とローラ16との接触は回動抵抗とならない。
この回動部材21の回動により、第一係入アーム23の先端部が第一螺旋溝5に係入し、第二係入アーム24の先端部が円環溝6から退出する。このとき、図6(a)に示すように、第一接触点A1が、回動中心Cから見て第一接点B1よりも遠い、第一螺旋溝5の回転方向下流側の所に配置されているため、第一接触点A1で第一係入アーム23に働く第一螺旋溝5の回転による摺接力は、第一係入アーム23を回動中心Cから離れる方向に引っ張る力と、第一係入アーム23を第一螺旋溝5に引き込む力とを発生させる。よって、第一係入アーム23が第一螺旋溝5で弾かれて押し出されることはない。
そして、前記のとおり、第一螺旋溝5の螺旋状に延びる部分はベース円作用時に第一係入アーム23が係入する位相にあるので、回動部材21はカムシャフト2の回転に伴いベース円作用時に第一螺旋溝5に沿って軸長方向一方d1に変位し、非回動部材27及びローラ16を押して同様に変位させる。その結果、2つのローラ16は2つの第一カム3が当接する(且つ第二カム4が当接しない)位置に変位し、第一係入アーム23が円環溝6に入ることでリンクアーム20及びローラ16の左右方向位置が保持される。
そして、第一カム3によりローラ16が押圧されて第1ロッカアーム本体10が揺動し、さらに第2ロッカアームが揺動し、バルブVが低リフト量でリフトされる。この動弁モードは、主に低速回転域で使用される。
[2]ローラ16を第二カム4が当接する位置に変位させるとき
図5に示すように、第二電磁ソレノイド42をONにして、被押圧部25の後部を下方へ押圧し、回動部材21を軸周方向他方r2に回動させる。このとき、非回動部材27は回動しないので、回動部材21の慣性質量は小さく、ローラガイド31とローラ16との接触は回動抵抗とならない。
この回動部材21の回動により、第二係入アーム24の先端部が第二螺旋溝7に係入し、第一係入アーム23の先端部が円環溝6から退出する。このとき、図6(b)に示すように、第二接触点A2が、回動中心Cから見て第二接点B2よりも近い、第二螺旋溝7の回転方向下流側の所に配置されているため、第二接触点A2で第二係入アーム24に働く第二螺旋溝7の回転による摺接力は、第二係入アーム24を回動中心Cに向かう方向に押す力と、第二係入アーム24を第二螺旋溝7に引き込む力とを発生させる。よって、第二係入アーム24が第二螺旋溝7で弾かれて押し出されることはない。
そして、前記のとおり、第二螺旋溝7の螺旋状に延びる部分はベース円作用時に第二係入アーム24が係入する位相にあるので、回動部材21はカムシャフト2の回転に伴いベース円作用時に第二螺旋溝7に沿って軸長方向他方d2に変位し、非回動部材27及びローラ16を押して同様に変位させる。その結果、2つのローラ16は2つの第二カム4が当接する(且つ第一カム3が当接しない)位置に変位し、第二係入アーム24が円環溝6に入ることでリンクアーム20及びローラ16の左右方向位置が保持される。
そして、第二カム4によりローラ16が押圧されて第1ロッカアーム本体10が揺動し、さらに第2ロッカアームが揺動し、バルブVが高リフト量でリフトされる。この動弁モードは、主に高速回転域で使用される。
以上のとおり、本実施例によれば、リンクアーム20の2つの係入アーム23,24が各螺旋溝5,7で弾かれて押し出されることを無くすことができるので、回動装置40の駆動力増大や外部保持機構の新設を不要にすることができる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することができる。
(1)第二ロッカアーム45を省略し、第1ロッカアーム本体10により直接バルブVを押圧するように構成すること。
1 可変動弁機構
2 カムシャフト
2 リンクアーム
3 第一カム
4 第二カム
5 第一螺旋溝
6 円環溝
7 第二螺旋溝
9 ロッカシャフト
10 第一ロッカアーム本体
15 ローラ軸
17 ローラ
20 リンクアーム
21 回動部材
23 第一係入アーム
24 第二係入アーム
25 被押圧部
27 非回動部材
31 ローラガイド
40 回動装置
41 第一電磁ソレノイド
42 第二電磁ソレノイド
45 第二ロッカアーム
d1 軸長方向一方
d2 軸長方向他方
r1 軸周方向一方
r2 軸周方向他方

Claims (3)

  1. カムシャフト(2)にカム(3)と第一螺旋溝(5)と第二螺旋溝(7)とがカムシャフト(2)と共に回転するように設けられ、
    カムシャフト(2)と平行に延びるロッカシャフト(9)に、ロッカアーム本体(10)が揺動可能に支持され、
    ロッカアーム本体(10)は、ロッカシャフト(9)と平行に延びるローラ軸(15)を含み、
    ローラ軸(15)に、カム(3)が当接しうるローラ(16)がロッカシャフト長方向に変位可能に支持され、
    第一螺旋溝(5)と第二螺旋溝(7)に択一的に係入する第一係入アーム(23)と第二係入アーム(24)と、ローラ(16)を抱持するローラガイド(31)とを含むリンクアーム(20)が、ロッカシャフト長方向に変位可能に設けられ、
    第一係入アーム(23)と第二係入アーム(24)を回動装置(40)により回動中心(C)の回りに回動させて、第一係入アーム(23)を第一螺旋溝(5)に係入させるか又は第二係入アーム(24)を第二螺旋溝(7)に係入させるかを選択することにより、選択した螺旋溝(5,7)に沿ってリンクアーム(20)及びローラ(16)をロッカシャフト長方向に変位させて、該ローラ(16)に前記カム(3)が当接するか又は当接しないかを切り替える内燃機関の可変動弁機構において、
    前記係入時の第一係入アーム(23)と第一螺旋溝(5)の溝底との第一接触点(A1)は、前記回動中心(C)から第一接触点(A1)付近へ延びる第一接線(L1)と第一螺旋溝(5)との第一接点(B1)から、前記回動中心(C)から見て第一接点(B1)よりも遠い、第一螺旋溝(5)の回転方向下流側へ60度の所までの範囲内に配置されており、
    前記係入時の第二係入アーム(24)と第二螺旋溝(7)の溝底との第二接触点(A2)は、前記回動中心(C)から第二接触点(A2)付近へ延びる第二接線(L2)と第二螺旋溝(7)との第二接点(B2)から、前記回動中心(C)から見て第二接点(B2)よりも近い、第二螺旋溝(7)の回転方向下流側へ60度の所までの範囲内に配置されていること、及び、
    第一接触点(A1)は、第一接点(B1)よりも第一螺旋溝(5)の回転方向下流側へ6度以上離れており、
    第二接触点(A2)は、第二接点(B2)よりも第二螺旋溝(7)の回転方向下流側へ6度以上離れていること
    を特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. リンクアーム(20)が、回動装置(40)により回動する、第一係入アーム(23)及び第二係入アーム(24)を含む回動部材(21)と、回動装置(40)により回動しない、ローラガイド(31)を含む非回動部材(27)とに、分割形成されている請求項記載の内燃機関の可変動弁機構。
  3. 回動装置(40)は、電磁ソレノイド(41,42)を用いたものである請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁機構。
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