JP2020183706A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents
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Abstract
Description
カムシャフト(2)に、カム(3)と2つの螺旋溝(5,7)とが設けられ、
カムシャフト(2)と平行に延びるロッカシャフト(9)に、カム(3)が当接しうるローラ(16)を含むロッカアーム(10)が揺動可能に支持され、
2つの螺旋溝(5,7)に択一的に係入する2つの係入アーム(23,24)を含むリンクアーム(20)が、ロッカシャフト長方向に変位可能に設けられ、
2つの係入アーム(23,24)を回動装置(40)により回動させて、一方の係入アーム(23)を一方の螺旋溝(5)に係入させるか又は他方の係入アーム(24)を他方の螺旋溝(7)に係入させるかを選択することにより、選択した螺旋溝(5,7)に従ってリンクアーム(20)がロッカシャフト長方向に変位し、該変位に基づいてローラ(16)がロッカシャフト長方向に変位して、ローラ(16)に前記カム(3)が当接するか又は当接しないかを切り替える内燃機関の可変動弁機構において、
ロッカアーム(10)は、ロッカシャフト(9)にロッカシャフト長方向に変位可能に支持され、
ローラ(16)は、ロッカアーム(10)のロッカシャフト長方向に対向する一対の第一対向面(f1,f1)に所定のクリアランスをおいて挟まれた状態で、ロッカアーム(10)に設けられたローラ軸(15)に回転可能に軸着され、
リンクアーム(20)は、ロッカアーム(10)のロッカシャフト長方向に対向する一対の第二対向面(f2,f2)に所定のクリアランスをおいて挟まれていることを特徴とする。
ロッカアームが含むローラの数は、1つでも複数でもよいが、左右バランス上は左右2つが好ましい。
ロッカアームは、複数のバルブを駆動するものでもよいし、1つのバルブを駆動するものでもよい。
ロッカアームは、直接バルブを駆動するものでもよいし、間接的にバルブを駆動する(例えば、ロッカアームが第2ロッカアームを押圧し、第2ロッカアームがバルブを駆動する)ものでもよい。
リンクアームは、特に限定されないが、上記左右2つのローラの間に、一対の第二対向面が形成されたものが好ましい。
回動装置としては、特に限定されないが、電磁ソレノイド、油圧機構、電動モータ機構等によるものを例示できる。
ローラに前記カムが当接しないときの態様としては、ローラに別のカムも当接しない態様、ローラに別のゼロリフトの円カムが当接する態様、ローラに別のノーズプロフィールのカムが当接する態様とを例示できる。次に説明する実施例は、ローラに別のノーズプロフィールのカムが当接する態様である。
図1〜図5に示す実施例の可変動弁機構1は、
カムシャフト2に、カム3と2つの螺旋溝5,7とが設けられ、
カムシャフト2と平行に延びるロッカシャフト9に、カム3が当接しうるローラ16を含むロッカアーム10が揺動可能に支持され、
2つの螺旋溝5,7に択一的に係入する2つの係入アーム23,24を含むリンクアーム20が、ロッカシャフト長方向に変位可能に設けられ、
2つの係入アーム23,24を回動装置40により回動させて、一方の係入アーム23を一方の螺旋溝5に係入させるか又は他方の係入アーム24を他方の螺旋溝7に係入させるかを選択することにより、選択した螺旋溝5,7に従ってリンクアーム20がロッカシャフト長方向に変位し、該変位に基づいてローラ16がロッカシャフト長方向に変位して、ローラ16に前記カム3が当接するか又は当接しないかを切り替える機構であって、
ロッカアーム10は、ロッカシャフト9にロッカシャフト長方向に変位可能に支持され、
ローラ16は、ロッカアーム10のロッカシャフト長方向に対向する一対の第一対向面f1,f1に所定のクリアランスをおいて挟まれた状態で、ロッカアーム10に設けられたローラ軸15に回転可能に軸着され、
リンクアーム20は、ロッカアーム10のロッカシャフト長方向に対向する一対の第二対向面f2,f2に所定のクリアランスをおいて挟まれていることを特徴とする。
内燃機関のシリンダヘッドのカムサポート27と、該カムサポート27の上にボルト29により取り付けられたカムキャップ28との間に、カムシャフト2が挿通しているとともに回転可能に支持されている。互いに離間した2つのカムサポート27の間において、カムシャフト2には、軸長方向d1側から軸長方向d2側へ順に、駆動カムとしての第一カム3及び第二カム4と、カムレール溝としての第二螺旋溝7、円環溝6及び第一螺旋溝5と、再び駆動カムとしての第一カム3及び第二カム4とが、並んで設けられている。
2つの第二カム4は、断面形状が円形のベース円と、ベース円から突出した相対的に低リフトかつ広作用角のノーズとからなり、主に低速回転域で使用されるものである。
シリンダヘッドのカムサポート27には、カムシャフト2と平行に延びるロッカシャフト9が挿通している。互いに離間した2つのカムサポート27の間において、ロッカシャフト9にはロッカアーム10が、ロッカシャフト周方向に揺動可能に、且つ、軸長方向d1,d2に変位可能に支持されている。
リンクアーム20は、図3等に示すように、筒状基部22と、筒状基部22から、正面視で軸長方向に互いに離間し、側面視でV字をなするように、前方へ突出した第一係入アーム23及び上方へ突出した第二係入アーム24とを含み構成されている。
ロッカアーム10の軸長方向d2側のスラスト位置は、右ロッカアーム12の基部14の右側面が右側のカムサポート27(又はカムキャップ28)の側面に当接することにより決まり、これが決まると同時にローラ16の軸長方向d2側のスラスト位置も決まる。言い換えれば、カムサポート27(又はカムキャップ28)の側面で、ロッカアーム10の軸長方向d2側のスラスト方向の片異端を規制する。
第二係入アーム24は、その先端部が第二螺旋溝7ないし円環溝6に係入可能に形成されている。
ロッカアーム10を軸長方向d1側のスラスト位置に付勢する付勢構造30は、左側のカムサポート27の背面にボルト32で取り付けられた板バネ31で付勢される凸状ラッチ33と、左ロッカアーム11の基部14に形成された、凸状ラッチ33が係入する凹状キャッチ34とからなる。
ロッカアーム10を軸長方向d2側のスラスト位置に付勢する付勢構造30は、右側のカムサポート27の背面にボルト32で取り付けられた板バネ31で付勢される凸状ラッチ33と、右ロッカアーム12の基部14に形成された、凸状ラッチ33が係入する凹状キャッチ34とからなる。
各凸状ラッチ33は、板バネ31の途中部を変形させて形成されているが、板バネ31に取り付けられたものでもよい。
回動装置40は、図2、図4等に示すように、被押圧部25の下部を前方へ押圧してリンクアーム20を軸周方向一方r1に回動させるための第一電磁ソレノイド41と、被押圧部25の上部を前方へ押圧してリンクアーム20を軸周方向他方r2に回動させるための第二電磁ソレノイド42とからなる。各電磁ソレノイド41,42は、ONによりロッドを繰出してリンクアーム20を押圧し、OFFによりロッドを退入させて前記押圧を解除する。
[1]ローラ16を第二カム4が当接する位置に変位させるとき
第二電磁ソレノイド42をONにして、被押圧部25の上部を前方へ押圧し、図4(b)に実線で示すように、リンクアーム20を軸周方向他方r2に回動させる。このリンクアーム20の回動により、第二係入アーム24の先端部が第二螺旋溝7に係入し、第一係入アーム23の先端部が円環溝6から退出する。前記のとおり、第二螺旋溝7の螺旋状に延びる部分はベース円作用時に第二係入アーム24が係入する位相にあるので、図1、図2及び図5(a)に示すように、リンクアーム20はカムシャフト2の回転に伴いベース円作用時に第二螺旋溝7に沿って軸長方向他方d2に変位し、ロッカアーム10及びローラ16を押して同様に変位させる。その結果、2つのローラ16は2つの第二カム4が当接する(且つ第一カム3が当接しない)位置に変位し、第二係入アーム24が円環溝6に入ることでリンクアーム20の左右方向位置が保持される。また、上記のとおり、ロッカアーム10のスラスト位置がロッカアーム10とカムサポート27との当接により決まり、付勢構造30によりロッカアーム10はスラスト位置に付勢される。
第一電磁ソレノイド41をONにして、被押圧部25の下部を前方へ押圧し、図4(b)に2点鎖線で示すように、リンクアーム20を軸周方向一方r1に回動させる。このリンクアーム20の回動により、第一係入アーム23の先端部が第一螺旋溝5に係入し、第二係入アーム24の先端部が円環溝6から退出する。前記のとおり、第一螺旋溝5の螺旋状に延びる部分はベース円作用時に第一係入アーム23が係入する位相にあるので、図5(b)に示すように、リンクアーム20はカムシャフト2の回転に伴いベース円作用時に第一螺旋溝5に沿って軸長方向一方d1に変位し、ロッカアーム10及びローラ16を押して同様に変位させる。その結果、2つのローラ16は2つの第一カム3が当接する(且つ第二カム4が当接しない)位置に変位し、第一係入アーム23が円環溝6に入ることでリンクアーム20の左右方向位置が保持される。また、上記のとおり、ロッカアーム10のスラスト位置がロッカアーム10とカムサポート27との当接により決まり、付勢構造30によりロッカアーム10はスラスト位置に付勢される。
(ア)ロッカアーム10及びローラ16のスラスト位置を、螺旋溝5,7及び係入アーム23,24とは別の少数の部材(ロッカアーム10自身とカムサポート27又はカムキャップ28)により決めて、螺旋溝5,7及び係入アーム23,24の耐久性を高めるとともに、同部材が少数であることにより、スラスト位置の精度を向上させてばらつきを低減できる。また、同部材が少数であることは、同部材の公差詰めの緩和によるコスト低減も可能にする。
(イ)2つのどちらの係入アームも螺旋溝に係入しないタイミングで、リンクアームが意図しない位置に変位しないようにすることができる。
(ウ)従来例のような(ロッカアームとは別部品である)ローラの側面を抱持するローラガイドをリンクアームと共に軸長方向に変位するように設ける必要がないため、構造が簡略化する。
(エ)ロッカアームに設けるローラ軸をローラ幅と実質的に同等にまで短くすることができる。このようにローラ軸が短いと、ローラに荷重が入力された際に、ローラ軸のたわみが小さいため、機構剛性が向上する。
(1)第一カム3及び第二カム4をそれぞれ1つにし、ローラ16を1つにすること。
2 カムシャフト
3 第一カム
4 第二カム
5 第一螺旋溝
6 円環溝
7 第二螺旋溝
9 ロッカシャフト
10 ロッカアーム
11 左ロッカアーム
12 右ロッカアーム
13 連結部
14 基部
15 ローラ軸
16 ローラ
17 側壁部
18 底部
20 リンクアーム
22 筒状基部
23 第一係入アーム
24 第二係入アーム
25 被押圧部
V バルブ
f1 第一対向面
f2 第二対向面
Claims (1)
- カムシャフト(2)に、カム(3)と2つの螺旋溝(5,7)とが設けられ、
カムシャフト(2)と平行に延びるロッカシャフト(9)に、カム(3)が当接しうるローラ(16)を含むロッカアーム(10)が揺動可能に支持され、
2つの螺旋溝(5,7)に択一的に係入する2つの係入アーム(23,24)を含むリンクアーム(20)が、ロッカシャフト長方向に変位可能に設けられ、
2つの係入アーム(23,24)を回動装置(40)により回動させて、一方の係入アーム(23)を一方の螺旋溝(5)に係入させるか又は他方の係入アーム(24)を他方の螺旋溝(7)に係入させるかを選択することにより、選択した螺旋溝(5,7)に従ってリンクアーム(20)がロッカシャフト長方向に変位し、該変位に基づいてローラ(16)がロッカシャフト長方向に変位して、ローラ(16)に前記カム(3)が当接するか又は当接しないかを切り替える内燃機関の可変動弁機構において、
ロッカアーム(10)は、ロッカシャフト(9)にロッカシャフト長方向に変位可能に支持され、
ローラ(16)は、ロッカアーム(10)のロッカシャフト長方向に対向する一対の第一対向面(f1,f1)に所定のクリアランスをおいて挟まれた状態で、ロッカアーム(10)に設けられたローラ軸(15)に回転可能に軸着され、
リンクアーム(20)は、ロッカアーム(10)のロッカシャフト長方向に対向する一対の第二対向面(f2,f2)に所定のクリアランスをおいて挟まれていることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
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Citations (4)
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