JP6043206B2 - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents
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Description
上記第一及び第二の発明において、より具体的には、アーム位置補正機構は、一方のアームの側面に凹設されてそのアームのピン穴の開口の正面から揺動方向に延びる案内溝を備え、掛止部は案内溝の端部に形成されていることが好ましい。ピンを掛止部及びピン穴に導き易くなるからである。
バルブスプリング9,9は、左側のバルブ7に対して設けられた左側のバルブスプリング9と右側のバルブ7に対して設けられた右側のバルブスプリング9とからなる。各バルブスプリング9は、バルブ7を閉じる方向に付勢するためのバネであって、シリンダヘッドとバルブ7との間に取り付けられている。
カム10は、内燃機関の回転に従い回転するカムシャフト19に設けられた断面形状が真円形のベース円11と、該ベース円11から突出したノーズ12とから構成されている。
入力アーム20は、カム10に駆動されるこで揺動するアームであって、長さ方向中間部が左右方向に延びるロッカシャフト29に揺動可能に軸支されている。そして、後端部の上面が第一ロストモーションスプリング23の下端にロストモーションリフタ24を介して当接している。その第一ロストモーションスプリング23は、入力アーム20をカム10に付勢して、連結状態及び非連結状態で入力アーム20をカム10に追従させるためのバネである。また、この入力アーム20の後部の両側面には、ピン穴25,25が凹設されている。
出力アーム30,30は、入力アーム20の左側に設けられた左側の出力アーム30と、右側に設けられた右側の出力アーム30とからなる。各出力アーム30は、入力アーム20に連結されると入力アーム20と共に揺動することでバルブ7を駆動する。各出力アーム30は、長さ方向中間部がロッカシャフト29に揺動可能に軸支され、前部の下面が介在アーム37を介してバルブ7に当接している。その介在アーム37は、後端部がラッシュアジャスタ39によって揺動可能に支持され、長さ方向中間部に出力アーム30の前部の下面に当接するローラ38が回転可能に支持され、前端部の下面がバルブ7に当接している。
作用角可変装置40は、カム10と入力アーム20との間に介装されており、ノーズ12が当接するノーズ当接時の入力アーム20の位置を揺動方向に変位させることで、連結状態でのバルブ7の作用角を変更する。この作用角可変装置40は、ロッカシャフト29を周方向の両側に回動させる回動装置(図示略)と、下端部がロッカシャフト29に固定されてロッカシャフト29と共に回動する第一リンク41と、上端部が第一リンク41の上端部に相対回動可能に軸着され、長さ方向中間部にカム10に当接する入力ローラ43が回転可能に軸支され、下端部に入力アーム20の先端部の上面に当接する出力ローラ44が回転可能に軸支された第二リンク42とを含み構成されている。そして、回動装置(図示略)でロッカシャフト29を回動させることにより、第一リンク41及び第二リンク42を介してノーズ当接時の入力アーム20の位置を揺動方向に変位させて、バルブ7,7の作用角を連続的に変更する。
切換装置50,50は、入力アーム20と左側の出力アーム30とに跨って設けられた左側の切換装置50と、入力アーム20と右側の出力アームとに跨って設けられた右側の切換装置50とからなる。各切換装置50は、入力アーム20と出力アーム30とを連結することでバルブ7を駆動する連結状態に切り換え、その連結を解除することでバルブ7の駆動を休止する非連結状態に切り換える。各切換装置50は、次に示すピン51と、変位装置52とを含み構成されている。
アーム位置補正機構60は、次に示す課題を解決するための機構である。すなわち、作用角可変装置40でノーズ当接時の入力アーム20の位置を揺動方向に変位させると、ベース円11が当接するベース円当接時の入力アーム20の位置も揺動方向に変位する。よって、ベース円当接時の入力アーム20のピン穴25の位置が定まらない。そのため、非連結状態では両ピン穴25,35の位置がベース円当接時に揃わなくなる。そのため、ピン25,35が非連結位置から連結位置に変位し難くなる。なぜなら、ベース円当接時以外のノーズ当接時のタイミングで両ピン穴25,35の位置が揃っても、そのタイミングは一瞬であるため、その一瞬の間にピン51が変位するのは難しいからである。
図5(a)に示す連結状態から非連結状態に切り換えるときには、図5(b)に示すように、油圧室53の油圧が上がる(ONになる)ことで、内ピン51bが油圧で入力アーム20側に押圧され、それにより、内ピン51bの先端部が出力アーム30のピン穴35から退出して外ピン51aの内側に退入する。これにより、非連結状態に切り換わり、入力アーム20が出力アーム30に対して相対揺動(空振)可能になる。その後、更に、図5(c)に示すように、ピン51全体が油圧で入力アーム20側に押圧されることで、ピン51の先端部が案内溝61から退出して入力アーム20のピン穴25に退入する。これにより、ピン51が掛止部62に引っ掛からなくなる。
図5(c)に示す非連結状態から連結状態に切り換えるときには、図6(a)に示すように、油圧室53の油圧が下がる(OFFになる)ことで、ピン51が第一リターンスプリング56の復元力で出力アーム30側に変位してピン51の先端部が入力アーム20のピン穴25から出力アーム30側に突出して案内溝61に係入する。その後、図6(b)に示すように、ピン51は案内溝61に沿って変位して外ピン51aの先端部の側面がノーズ当接時の終り前に掛止部62に引っ掛かる。これにより、その後のベース円当接時を含む期間の間、出力アーム30が入力アーム20と共に揺動方向に変位するようになる。この間、両ピン穴25,35は揃う(軸線が一直線上に並ぶ)ので、このとき、図6(c)に示すように、内ピン51bの先端部が外ピン51aの内側から進出して出力アーム30のピン穴35に進入する。これにより、連結状態に切り換わり、出力アーム30が入力アーム20と共に揺動してバルブ7を駆動するようになる。
[A]作用角可変装置40でバルブ7,7のリフト量を連続的に増減できるのに加え、切換装置50でバルブを駆動する連結状態とバルブの駆動を休止する非連結状態とに切り換えることもできる。そのため、燃費の向上に繋がる。
[変更例1]実施例の第二ロストモーションスプリング33の変わりに、図7に示すように、出力アーム30の後端部の下面に下方から当接する第二ロストモーションスプリング33’を設けてもよい。
8 バルブスプリング
9 可変動弁機構
10 カム
11 ベース円
12 ノーズ
20 入力アーム
23 第一ロストモーションスプリング
25 入力アームのピン穴
30 出力アーム
33 第二ロストモーションスプリング
35 出力アームのピン穴
40 作用角可変装置
50 切換装置
51 ピン
51a 外ピン
52b 内ピン
60 アーム位置補正機構
61 案内溝
62 掛止部
Claims (5)
- カム(10)に駆動されることで揺動する入力アーム(20)と、
入力アーム(20)に連結されると入力アーム(20)と共に揺動することでバルブ(7)を駆動する出力アーム(30)と、
入力アーム(20)と出力アーム(30)との両アーム(20,30)のピン穴(25,35)を跨ぐ連結位置にピン(51)が配される連結状態にすることでバルブ(7)を駆動する状態に切り換え、両ピン穴(25,35)を跨がない非連結位置にピン(51)が配される非連結状態にすることでバルブ(7)の駆動を休止する状態に切り換える切換装置(50)と、
カム(10)と入力アーム(20)との間に介装されて、カム(10)のノーズ(12)が当接するノーズ当接時の入力アーム(20)の位置を揺動方向に変位させることで、連結状態でのバルブ(7)の作用角を変更する作用角可変装置(40)と、
作用角可変装置(40)でノーズ当接時の入力アーム(20)の位置を揺動方向に変位させると、カム(10)のベース円(11)が当接するベース円当接時の入力アーム(20)の位置も揺動方向に変位することで、ベース円当接時の入力アーム(20)のピン穴(25)の位置が定まらないために非連結状態では両ピン穴(25,35)の位置がベース円当接時に揃わなくなり、もってピン(51)が非連結位置から連結位置に変位し難くなるのを防ぐためのアーム位置補正機構(60)とを含み構成され、
アーム位置補正機構(60)は、入力アーム(20)及び出力アーム(30)の一方のアーム(30)に設けられた掛止部(62)を含み、ノーズ当接時の終わり前に、非連結状態で掛止部(62)に他方のアーム(20)から突出したピン(51)の先端部が引っ掛かることで、出力アーム(30)を入力アーム(20)と共に変位するようにし、もって非連結状態で出力アーム(30)の位置を入力アーム(20)の位置に揃うように変位させることで、非連結状態のベース円当接時の両ピン穴(25,35)の位置を揃えるものである
内燃機関の可変動弁機構。 - アーム位置補正機構(60)は、一方のアーム(30)の側面に凹設されてそのアーム(30)のピン穴(35)の開口の正面から揺動方向に延びる案内溝(61)を備え、掛止部(62)は案内溝(61)の端部に形成された請求項1記載の内燃機関の可変動弁機構。
- カム(10)に駆動されることで揺動する入力アーム(20)と、
入力アーム(20)に連結されると入力アーム(20)と共に揺動することでバルブ(7)を駆動する出力アーム(30)と、
入力アーム(20)と出力アーム(30)との両アーム(20,30)のピン穴(25,35)を跨ぐ連結位置にピン(51)を変位させることでバルブ(7)を駆動する連結状態に切り換え、両ピン穴(25,35)を跨がない非連結位置にピン(51)を変位させることでバルブ(7)の駆動を休止する非連結状態に切り換える切換装置(50)と、
カム(10)と入力アーム(20)との間に介装されて、カム(10)のノーズ(12)が当接するノーズ当接時の入力アーム(20)の位置を揺動方向に変位させることで、連結状態でのバルブ(7)の作用角を変更する作用角可変装置(40)と、
作用角可変装置(40)でノーズ当接時の入力アーム(20)の位置を揺動方向に変位させると、カム(10)のベース円(11)が当接するベース円当接時の入力アーム(20)の位置も揺動方向に変位することで、ベース円当接時の入力アーム(20)のピン穴(25)の位置が定まらないために非連結状態では両ピン穴(25,35)の位置がベース円当接時に揃わなくなり、もってピン(51)が非連結位置から連結位置に変位し難くなるのを防ぐために、非連結状態で出力アーム(30)の位置を入力アーム(20)の位置に揃うように変位させることで非連結状態のベース円当接時の両ピン穴(25,35)の位置を揃えるアーム位置補正機構(60)とを含み構成され、
アーム位置補正機構(60)は、入力アーム(20)及び出力アーム(30)の一方のアーム(30)のピン穴(35)の開口よりも揺動方向側の該一方のアーム(30)の側面に設けられた掛止部(62)を含み、非連結状態で掛止部(62)に他方のアーム(20)のピン穴(25)から突出したピン(51)の先端部が引っ掛かることで、出力アーム(30)を入力アーム(20)と共に変位するようにして非連結状態のベース円当接時の両ピン穴(25,35)の位置を揃えるものであり、
ピン(51)は、筒状の外ピン(51a)と、外ピン(51a)の内側に設けられた内ピン(51b)とを含み構成され、他方のアーム(20)のピン穴(25)から突出した外ピン(51a)の先端部が掛止部(62)に引っ掛かってから、外ピン(51a)の内側から内ピン(51b)が進出することで内ピン(51b)の先端部が一方のアーム(30)のピン穴(35)に進入する
内燃機関の可変動弁機構。 - アーム位置補正機構(60)は、一方のアーム(30)の側面に凹設されてそのアーム(30)のピン穴(35)の開口の正面から揺動方向に延びる案内溝(61)を備え、掛止部(62)は案内溝(61)の端部に形成された請求項3記載の内燃機関の可変動弁機構。
- バルブ(7)を閉じる方向に付勢するバルブスプリング(9)と、入力アーム(20)をカム(10)に付勢する第一ロストモーションスプリング(23)と、出力アーム(30)をバルブ(7)に付勢する、バルブスプリング(9)及び第一ロストモーションスプリング(23)のいずれよりも弱い第二ロストモーションスプリング(33)とを備えた請求項1〜4のいずれか一項に記載の可変動弁機構。
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