JP6546812B2 - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents
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Description
[i]駆動状態と休止状態とに切り替えるのみで、駆動状態におけるバルブのリフト量は変更しない態様。
[ii]駆動状態と休止状態とに切り替えるのに加え、駆動状態におけるバルブのリフト量をも変更する態様。
カム10は、図6等に示すように、左右に延びるカムシャフト15に設けられている。そのカムシャフト15は、図4等に示すように、カムハウジング5に取り付けられている。そのカムハウジング5は、シリンダヘッドに突設されたカムサポート5cと、カムサポート5cの上に取り付けられたカムキャップ5a及びブロック5bとを含み構成されている。そして、カムサポート5cとカムキャップ5aとでカムシャフト15を回転可能に支持している。そのカムシャフト15は、内燃機関が2回転する毎に1回転する。そして、カム10は、ベース円11と、ベース円11から突出したノーズ12とを備えている。そして、カムシャフト15には、従来例1,2に示すような、出力アーム30に当接する断面形状が円形の休止用カムは設けられていない。そして、ブロック5bは、図1等に示すように、両アーム20,30の後部の左方に設けられている。そして、ブロック5bは、右側に開口した係止ピン穴6を備えている。
入力アーム20は、図8等に示すように、筒状の基部がロッカシャフト19に挿通されることでロッカシャフト19に揺動可能に支持されている。そのロッカシャフト19は、左右に延びるパイプ状のシャフトである。そして、入力アーム20の基部から先方に突出した先部にカム10に当接するローラ21が回転可能に取り付けられている。そして、入力アーム20の基部から後方に突出した後部に、図4等に示すように、入力アーム20をカム10に付勢するロストモーション機構29が当接している。そのロストモーション機構29は、ボディ29a及びリフタ29cと、ボディ29a内に設置されてリフタ29cを入力アーム20の後部に付勢するロストモーションスプリング29bとを備えている。そして、入力アーム20の後部には、図8等に示すように、左右に延びる筒状の格納ピン22が、入力アーム20の後部の左側面から左方に突出する形で取り付けられている。その格納ピン22の筒穴が、入力側ピン穴25を構成している。そして、格納ピン22の突出部(左部)の下面が、当接部23を構成している。そして、入力アーム20の基部には、左側面から右方に凹む切欠28が、外周面から内周面に到達する形で設けられている。なお、以下では、図4a等に示すように、カム10のベース円11がローラ21に当接する時を「ベース円時」といい、図4b等に示すように、カム10のノーズ12がローラ21に当接する時を「ノーズ時」という。
出力アーム30は、図7等に示すように、第一アーム30Aと第二アーム30B,30Bとに分割形成されている。第一アーム30Aは、入力アーム20の左側方に設けられており、筒状の基部がロッカシャフト19に外嵌されることでロッカシャフト19に揺動可能に支持されている。そして、第一アーム30Aの基部には、図8等に示すように、右方に突出して入力アーム20の基部の内周面とロッカシャフト19の外周面との間に入り込むスリーブ31が突設されている。そして、スリーブ31の内周面には、左方に進むに従い揺動方向の一方に旋回する一方向捩れの第一ヘリカルスプライン34aが設けられている。そして、スリーブ31には、外周面から内周面にまで貫通した貫通孔38が設けられている。そして、第一アーム30Aの基部から後方に突出した後部には、図1等に示すように、左右方向に貫通した出力側ピン穴35が設けられている。その出力側ピン穴35の右端部は、他の部分よりも径が大きい大径部35aとなっている。そして、第一アーム30Aの後部の右側面には、図8等に示すように、休止状態におけるベース円時等に入力アーム20の当接部23(格納ピン22の突出部の下面)が当接する被当接部32が突設されている。そして、第一アーム30Aの後部の左側面には、被係止突起33aとピン当接突起33bとが突設されている。
リフト量変更装置40は、図8等に示すように、スライダギア43とコントロールシャフト41とアクチュエータ(図示略)とを備えている。スライダギア43は、筒状の部材であって、出力アーム30(第一アーム30A及び第二アーム30B,30B)の内周面とロッカシャフト19の外周面との間に介装されている。そして、スライダギア43は、外周面に第一ヘリカルスプライン34aと噛み合う第一用ヘリカルスプライン43aと、第二ヘリカルスプライン34b,34bと噛み合う第二用ヘリカルスプライン43b,43bとを備えている。そして、コントロールシャフト41は、左右に延びるシャフトであって、パイプ状のロッカシャフト19の内側に左右方向D1,D2にスライド可能に挿入されている。そのコントロールシャフト41は、係合ピン(図示略)を介してスライダギア43に、左右方向D1,D2に一緒に変位する形で係合している。詳しくは、その係合ピン(図示略)は、ロッカシャフト19に貫設された左右に延びる長孔(図示略)を挿通しており、一端部はコントロールシャフト41に対して、それと一緒に左右方向D1,D2に変位するように係合しており、他端部はスライダギア43に対して、左右方向D1,D2にはそれと一緒に変位し、周方向には相対揺動を許容するように係合している。その係合ピン(図示略)は、入力アーム20の切欠28及び出力アーム30の貫通孔38から取り付けられる。そして、アクチュエータ(図示略)は、コントロールシャフト41を左右方向D1,D2に変位させるすることで、スライダギア43を出力アーム30に対して左右方向D1,D2に変位させる。それにより、ヘリカルスプラインの噛み合いで、第一アーム30Aに対する第二アーム30B,30Bの揺動方向の相対角度を変更する。それにより、駆動状態におけるバルブ7のリフト量を変更する。そして、基準点でのリフト量の調整は、第一アーム30Aと入力アーム20との間や、各第二アーム30B,30Bとカムハウジング5,5との間等に、所望の厚さのシム47,48,49を介装することで、第一アーム30A及び第二アーム30B,30Bを左右に位置調整することにより行う。
切替係止装置50は、図1等に示すように、切替ピン51と介在ピン52と係止ピン53との3本のピン51,52,53と、3本のピン51,52,53を左右方向D1,D2に変位させる変位装置56とを備えている。そして、切替係止装置50の切替ピン51を含む部分が、バルブ7,7を駆動する駆動状態とその駆動を休止する休止状態とに切り替える切替装置50Aを構成している。そして、切替係止装置50の係止ピン53を含む部分が、休止状態の時には出力アーム30をカムハウジング5に係止し、駆動状態の時にはその係止を解除する係止装置50Bを構成している。
[A]休止状態の時には切替係止装置50(係止ピン53)で第一アーム30Aを保持区間M内に保持するため、第一アーム30Aの休止位置が固定されると共に、休止状態の時に出力アーム30がバタつかない。
[C]駆動状態から休止状態への切替え(連結解除)は、必ずベース円時直前から直後までの期間(被係止突起33aの位置が係止穴53aの位置と揃う期間)内に行われるため、ノーズ時の真最中に連結が解除されることがない。そのため、それにより、出力アーム30がバルブスプリング8の付勢力で跳ね上がってしまうことがない。
[D]休止状態では、ベース円時直前から直後までの当接状態の時に出力アーム30が入力アーム20と一緒に揺動するため、当接状態での出力アーム30に対する入力アーム20の位置決め精度が向上する。そのため、当接状態の時に入力側ピン穴25と出力側ピン穴35とを確実に揃えることができ、そうすることで、3本のピン51,52,53を確実に変位させることができる。そのため、休止状態から駆動状態への切替え(連結)を確実に行える。
[F]駆動状態のノーズ時の後半(戻り方向への揺動時)(図2b及びそれ以前)には、入力アーム20の当接部23が出力アーム30の被当接部32を押圧するので、切替ピン51は両アーム20,30から荷重(連結力)を受けない。そのため、切替ピン51の負担が小さくなる。
[G]駆動状態(低圧)及び休止状態(高圧)のいずれの状態においても、油圧室58の油圧により、係止ピン53の右端面で第一アーム30Aを入力アーム20の左側面に付勢するので、第一アーム30Aと入力アーム20との隙間を自動でなくすことができる。
[H]切替係止装置50により、駆動状態と休止状態とに切り替えるのに加えて、リフト量変更装置40により、駆動状態におけるバルブ7のリフト量をも変更するため、よりエンジン性能が向上する。
[変更例1]
実施例1〜3では、カムサポート5c及びカムキャップ5aとは別に設けたブロック5bに、係止ピン穴6を設けているが、ブロック5bを廃止して、カムサポート5c又はカムキャップ5aに係止ピン穴6を設けるようにしてもよい。
2 可変動弁機構(実施例2)
3 可変動弁機構(実施例3)
5 カムハウジング
7 バルブ
10 カム
11 ベース円
12 ノーズ
15 カムシャフト
20 入力アーム
23 当接部
30 出力アーム
30A 第一アーム
30B 第二アーム
32 被当接部
40 リフト量変更装置
50 切替係止装置
50A 切替装置
50B 係止装置
51 切替ピン
52 介在ピン
53 係止ピン
56 変位装置
D1 左方(一方向)
D2 右方(他方向)
P1 連結位置
P2 非連結位置
Q1 非係止位置
Q2 係止位置
M 保持区間
Claims (4)
- カムハウジング(5)に回転可能に支持されて内燃機関の回転に従い回転するカムシャフト(15)に設けられたカム(10)と、カム(10)に駆動されて揺動する入力アーム(20)と、バルブ(7)を開く開弁区間とバルブ(7)を閉じる閉弁区間とに揺動可能に設けられた出力アーム(30)と、入力アーム(20)と一緒に出力アーム(30)が揺動するように両アーム(20,30)を連結することで、バルブ(7)を駆動する駆動状態に切り替え、その連結を解除することで、バルブ(7)の駆動を休止する休止状態に切り替える切替装置(50A)とを備えた内燃機関の可変動弁機構において、
休止状態の時には出力アーム(30)をカムハウジング(5)に係止することで、出力アーム(30)を閉弁区間内における所定の保持区間(M)内に保持し、駆動状態の時にはその係止を解除する係止装置(50B)を備え、
出力アーム(30)は、駆動状態では入力アーム(20)に連結される第一アーム(30A)と、第一アーム(30A)と共に揺動してバルブ(7)を駆動する第二アーム(30B)とに分割形成され、
第一アーム(30A)に対する第二アーム(30B)の揺動方向の相対角度を変更することで駆動状態におけるバルブ(7)のリフト量を変更するリフト量変更装置(40)を備え、
係止装置(50B)による出力アーム(30)の係止は、第一アーム(30A)をカムハウジング(5)に係止することで行うことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 - カムハウジング(5)に回転可能に支持されて内燃機関の回転に従い回転するカムシャフト(15)に設けられたカム(10)と、カム(10)に駆動されて揺動する入力アーム(20)と、バルブ(7)を開く開弁区間とバルブ(7)を閉じる閉弁区間とに揺動可能に設けられた出力アーム(30)と、入力アーム(20)と一緒に出力アーム(30)が揺動するように両アーム(20,30)を連結することで、バルブ(7)を駆動する駆動状態に切り替え、その連結を解除することで、バルブ(7)の駆動を休止する休止状態に切り替える切替装置(50A)とを備えた内燃機関の可変動弁機構において、
休止状態の時には出力アーム(30)をカムハウジング(5)に係止することで、出力アーム(30)を閉弁区間内における所定の保持区間(M)内に保持し、駆動状態の時にはその係止を解除する係止装置(50B)を備え、
切替装置(50A)と係止装置(50B)とは、切替係止装置(50)内に組み込まれ、
切替係止装置(50)は、両アーム(20,30)を連結する連結位置(P1)とその連結を解除する非連結位置(P2)とに変位可能に設けられた切替ピン(51)と、出力アーム(30)をカムハウジング(5)に係止する係止位置(Q2)とその係止を解除する非係止位置(Q1)とに変位可能に設けられた係止ピン(53)と、切替ピン(51)と係止ピン(53)との間に介装された介在ピン(52)と、変位装置(56)とを備え、
変位装置(56)は、切替ピン(51)と介在ピン(52)と係止ピン(53)とを玉突きで一方向(D1)に変位させることで、切替ピン(51)を連結位置(P1)に配すると共に、係止ピン(53)を非係止位置(Q1)に配し、玉突きで前記一方向(D1)とは反対の他方向(D2)に変位させることで、切替ピン(51)を非連結位置(P2)に配すると共に、係止ピン(53)を係止位置(Q2)に配するものであり、
切替係止装置(50)の切替ピン(51)を含む部分が、切替装置(50A)を構成し、切替係止装置(50)の係止ピン(53)を含む部分が、係止装置(50B)を構成したことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 - 切替装置(50A)と係止装置(50B)とは、切替係止装置(50)内に組み込まれ、
切替係止装置(50)は、両アーム(20,30)を連結する連結位置(P1)とその連結を解除する非連結位置(P2)とに変位可能に設けられた切替ピン(51)と、出力アーム(30)をカムハウジング(5)に係止する係止位置(Q2)とその係止を解除する非係止位置(Q1)とに変位可能に設けられた係止ピン(53)と、切替ピン(51)と係止ピン(53)との間に介装された介在ピン(52)と、変位装置(56)とを備え、
変位装置(56)は、切替ピン(51)と介在ピン(52)と係止ピン(53)とを玉突きで一方向(D1)に変位させることで、切替ピン(51)を連結位置(P1)に配すると共に、係止ピン(53)を非係止位置(Q1)に配し、玉突きで前記一方向(D1)とは反対の他方向(D2)に変位させることで、切替ピン(51)を非連結位置(P2)に配すると共に、係止ピン(53)を係止位置(Q2)に配するものであり、
切替係止装置(50)の切替ピン(51)を含む部分が、切替装置(50A)を構成し、切替係止装置(50)の係止ピン(53)を含む部分が、係止装置(50B)を構成した請求項1記載の内燃機関の可変動弁機構。 - 係止装置(50B)による出力アーム(30)の保持は、保持区間(M)内での出力アーム(30)の揺動を許容するものであり、
休止状態では、カム(10)のノーズ(12)が作用するノーズ時における、カム(10)のベース円(11)が作用するベース円時の直前に、入力アーム(20)に設けられた当接部(23)が出力アーム(30)に設けられた被当接部(32)に揺動方向側から当接し、その当接をしている状態である当接状態は、ベース円時を経たベース円時の直後まで続き、当接状態の時には、出力アーム(30)が入力アーム(20)と一緒に保持区間(M)内で揺動するように構成され、
切替装置(50A)による休止状態から駆動状態への切替えは、当接状態の時に両アーム(20,30)を連結することで行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
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