JP2008184962A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

内燃機関の可変動弁機構 Download PDF

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Abstract

【課題】カムシャフトの位置を高くすることなく、切替機構と回転カムとが干渉するのを避ける。
【解決手段】可変動弁機構9のロッカアーム20が、回転カム10に当接する入力部材21と、入力部材21に対して相対変位可能に設けられ、バルブ7に当接する出力部材26、相対変位が不能となるように入力部材21と出力部材26とを相互に連結した連結状態とその連結を解除した連結解除状態との間で切替を行うことにより、バルブ7の開閉量を変更する切替機構31とを含み構成されている。この切替機構31は、入力部材21又は出力部材26に設けられたピン穴32と、ピン穴32に一端を往復可能にを挿入された連結ピン35と、連結ピンを駆動する油圧を供給する油路45とを含み構成されている。そして、ピン穴32の全体が、回転カム10のカムノーズの軌跡Lからはずれるよう、回転カムの端面10eの側方に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の運転状態に応じてバルブ特性を制御する動弁機構に関する。
この種の可変動弁機構には、回転カムとバルブとの間に介在されたロッカアームを操作することにより、バルブの開閉量を変更するものがある。例えば、図6(a)に示す従来例1の可変動弁機構90のように、外側に設けられたアウタアーム93と、該アウタアーム93の内側に設けられたインナアーム94とからなるロッカアーム92を備え、切替機構96によって、アウタアーム93とインナアーム94とを連結した連結状態と該連結を解除した連結解除状態との間で切替を行うことにより、バルブの開閉量を変更するもの(特許文献1)等が知られている。
ところが、上記切替機構96を構築するには油圧機構や連結機構などを設ける必要があり、切替機構96が全体として大型なものとなってしまう。そのため、回転カム10が、図6(b)に示すように、切替機構96と非常に干渉しやすいという問題があった。
そこで、図6(b)に矢印で示すように、カムシャフト10xの位置を高くすることで、切替機構96から離間することにより、その干渉を避けるなどしていた。
米国特許出願公開2004/0074459号明細書
ところが、より安定したバルブ特性を得るには、可変動弁機構をよりコンパクトにする必要があり、上記のようにカムシャフトの位置を高くすることは好ましくない。
そこで、本発明の目的は、カムシャフトの位置を高くすることなく、切替機構と回転カムとが干渉するのを避けることにある。
上記目的を達成するために、本発明の可変動弁機構は、回転カムとバルブとの間に揺動可能に介装されたロッカアームを操作することにより前記バルブの開閉量を変更する可変動弁機構において、ロッカアームは、回転カムに当接する入力部材と、該入力部材に対して相対変位可能に設けられ、バルブに当接する出力部材と、相対変位が不能となるように入力部材と出力部材とを相互に連結した連結状態とその連結を解除した連結解除状態との間で切替を行うことにより、バルブの開閉量を変更する切替機構とを含み構成され、切替機構は、入力部材又は出力部材に設けられたピン穴と、該ピン穴に一端を往復可能に挿入された連結ピンと、該連結ピンを駆動する油圧を供給する油路とを含み構成され、ピン穴の全体が、回転カムの軌跡からはずれるよう、回転カムの端面の側方に設けられたことを特徴とする。ただし、側方とは、回転カムの軸方向側をいう。また、側方には、回転カムの径方向へずらした位置も含むものとする。
上記可変動弁機構においては、特に限定されないが、次の(1)〜(4)を好ましい態様として例示できる。
(1)ピン穴が、回転カムの径方向に長く形成されたものである態様。
(2)ピン穴が、回転カムの両端面の側方に、一対に設けられたものである態様。
(3)油路が、入力部又は出力部の内部に設けられたものである態様。
(4)油圧が、ロッカアームの基端部の下方に設けられたラッシュアジャスタから供給されるものである態様。
請求項1記載の発明によれば、回転カムが、ピン穴やピン等と干渉せずに済むため、カムシャフトの位置を高くする必要がない。従って、全体のコンパクト化に貢献することになり、より安定したバルブ特性が得られる。
上記効果に加え、請求項2記載の発明によれば、狭い部分であっても、ピン穴を形成しやすい。
さらに、請求項3記載の発明によれば、切替機構の安定性を向上できる。
また、請求項4記載の発明によれば、新しく部品点数を増やすことなく油路を形成できる。
本発明の可変動弁機構9は、回転カム10とバルブ7との間に揺動可能に介装されたロッカアーム20を操作することによりバルブ7の開閉量を変更するものである。そのロッカアーム20は、回転カム10に当接する入力部材21と、入力部材21に対して相対変位可能に設けられ、バルブ7に当接する出力部材26、相対変位が不能となるように入力部材21と出力部材26とを相互に連結した連結状態とその連結を解除した連結解除状態との間で切替を行うことにより、バルブ7の開閉量を変更する切替機構31とを含み構成されている。この切替機構31は、入力部材21又は出力部材26に設けられたピン穴32と、ピン穴32に一端を往復可能にを挿入された連結ピン35と、連結ピン35を駆動する油圧を供給する油路45とを含み構成されている。そして、ピン穴32の全体が、回転カム10のカムノーズの軌跡Lからはずれるよう、回転カムの端面10eの側方に設けられている。
本実施例の図1〜図4に示す可変動弁機構9は、内燃機関の運転状況に応じてバルブの開閉量を変化させる機構である。この可変動弁機構9は、同一のシリンダ(図示略)に対して設けられた二本の吸気用のバルブ7のうち一本に対して取り付けられており、該バルブ7と内燃機関が稼動するのに従って回転駆動される回転カム10との間に介装されたロッカアーム20を操作することによって、内燃機関の稼動に従い該一本のバルブ7を駆動する駆動状態(図3参照)とその駆動を停止する駆動停止状態(図4参照)との間で切替を行うものである。
回転カム10は、シリンダヘッド(図示略)の上方に回転可能に設置されたカムシャフト10xに形成されており、基本部分となるベース円部11と、該ベース円部11から突出したカムノーズ12とを含み構成されている。そして、該回転カム10の外周面には、ロッカアーム20を押圧するカム面10sが形成されている。また、回転カムの端面10eは、両側とも同様カムシャフト10xに直交する面となっている。
ロッカアーム20は、各バルブ7に一つずつ設けられている。このロッカアーム20は、回転カムのカム面10s当接し、下方に押圧される入力部材21と、該入力部材21に対して相対変位可能に設けられ、バルブ7に当接する出力部材26と、相対変位が不能となるように入力部材21と出力部材26とを相互に連結した連結状態とその連結を解除した連結解除状態との間で切替を行うことにより、バルブ7の開閉量を変更する切替機構31とを含み構成されている。
入力部材21は、回転カム10に押圧されるローラ23と、ローラ23を軸着するシャフト24と、シャフト24を支持するフレーム22とを備え構成される。
ローラ23は、その中心を回動自在にシャフト24に支えられている。ローラ23の外周面は、回転カム10のカム面10sと当接している。また、シャフト24にはロストモーションスプリング25が取り付けられており、ローラ23を常にカム面10sへ付勢している。
フレーム22は、長方形状の二枚の板から形成されている。この板は、二枚とも平行に設けられており、その長さ方向(P方向)の一端を、一つのバルブ7のステムエンドと当接するシャフト6に揺動可能に支持されている。その他端には、この板どうしを回転カム10のシャフト方向(X方向)に連結するアーム22aが形成されている。アーム22aの下部は、後述する連結ピン35の係合部材37を入り込ませるための空間部Sとなっている。
出力部材26は、入力部材21を外から挟むように平行に設けられた長方形状の二枚の板27と、その長さ方向(Q方向)の一端どうしを連結する基端部28とを備え構成される。また、その他端は、前記同様シャフト6に、揺動可能に支持されている。
基端部28は、上部が平らな略板状の部位であり、そのX方向両端には上方に突出したハウジング29が間隔をおいて一体に設けられている。この一対のハウジング29は、回転カムのカムノーズの軌跡Lからはずれるよう、回転カムの両端面の側方(X方向)に設けられており、前記間隔はカム10の厚さTより大きいものである。基端部28の下方には、ラッシュアジャスタ5が取り付けられている。このラッシュアジャスタ5は、支点として出力部材26の揺動を調整している。
切替機構31は、各ハウジング29に一つずつQ方向に貫通して形成された一対のピン穴32と、ピン穴32に一端を往復可能に挿入された連結ピン35と、ピン穴32に油圧を供給する油路45とを含み構成されている。
ピン穴32は、Q方向の一端側であってピンの挿入口となる大径部32aと、Q方向の他端側であってピンの突出口となり大径部より径の小さい小径部32bと、それらの径差により生じた隔壁である係止壁部32cとから構成されている。
連結ピン35は、ピン穴32に基端をQ方向へ往復可能に挿通された一対の往復ピン36と、その先端どうしをX方向に連結しかつ入力部材21のアーム22aに下方から係合したりアーム22aから離間したりする係合部材37とから構成される。
往復ピン36は、ピン穴32の各径に対応した大径部36a及び小径部36bと、ピン穴32の係止壁部32cに係止される被係止壁部36cとから構成される。ただし、往復ピンの小径部36bは、ピン穴の小径部32bより長く形成されている。従って、往復ピンの小径部36bをピン穴32へ挿入していくと、被係止壁部36cが係止壁部32cに当接して係止されるが、そのときピンの小径部36bは、先端36eをピン穴32から突出させている。
係合部材37は、前記突出した先端36eにカシメて固定されている。この係合部材37は、その中間部の上部がへこんだ凹部Hに形成することで、前記アーム22aの空間部Sに入り込めるようになっている。また、係合部材37にはリターンスプリング41が取り付けられており、このスプリング41が係合部材37をアーム22a側へ付勢している。
油路45は、出力部材の基端部28の内部において、ラッシュアジャスタ5の上部からピン穴の係止壁部32cへ向けて形成されたオイルOの供給路である。この油路45を利用して、ピン穴32の係止壁部32cとピンの被係止壁部36cとの間にオイルOを供給すると、油圧によりピンの被係止壁部36cがピン穴32の係止壁部32cから離間し、往復ピン36が退出方向へ押しやられる。
上記のように構成された可変動弁機構9は、ラッシュアジャスタ5からオイルOを供給しないとき(油圧オフ時)及び供給するとき(油圧オン時)の各時において、次のように作用する。
(1)油圧オフ時
図3(a)、(b)に示すように、連結ピン35に油圧が働かないときには、連結ピン35は、リターンスプリング41により入力部材21側へ付勢されている。すなわち、連結ピン35の係合部材37に形成された凹部Hが、入力部材21のアーム22aの空間部Sに入り込んだ状態(連結状態)となる。ところで、往復ピン36の先端は係合部材37に固定され、基端はピン穴32に係止されることにより、往復ピン36はハウジング29及び出力部材26に対し、Q方向以外には相対移動ができない。従って、回転カム10のカムノーズ12により入力部材21が下方に押圧されると、同時に連結ピン35も押圧され、出力部材26も押圧される。そして、図3(c)に示すように、押圧された出力部材26がバルブ7を駆動する。
(2)油圧オン時
図4(a)、(b)に示すように、連結ピン35に働く油圧がリターンスプリング41の付勢力を超えると、連結ピン35は、入力部材21とは逆側へ押圧される。すなわち、係合部材37の凹部Hが、空間部SからQ方向に完全に離間した状態(連結解除状態)となる。従って、回転カム10のカムノーズ12により入力部材21が下方に押圧されても、入力部材21は空振りをする。そのとき、図4(c)に示すように、出力部材26は押圧されずバルブ7は停止する。
本実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
・ピン穴32、連結ピン35及びハウジング29が、回転カム10のカムノーズの軌跡Lからはずれるように回転カムの端面10eの側方設けられたことにより、回転カム10と干渉しない。そのため、カムシャフト10xの位置を高くする必要が無く、従来の切替機構を有する可変動弁機構に比べ、コンパクトになり、安定したバルブ特性が得られる。
・ピン穴がQ方向に長く形成されているため、幅の狭い又は厚さの薄い出力部材26に対しても、ピン穴32を形成しやすい。
・連結ピン35が、係合部材37をもって出力部材26に係合するため、より安定して係合される。
・二つの連結ピン35を用いて状態を切替するため、切替機構がより安定する。
・出力部材26の内部に油路45を形成するため、新らしく部品を追加することなく油圧機構を実現できる。
・既存のラッシュアジャスタ5を利用してオイルOを供給しているため、新らしく部品を追加することなく油圧機構を実現できる。
[変更例1]
図5は、本実施例の変更例1に係る可変動弁機構50を示している。この例では、前記バルブに当接するシャフト51を延長し、二つのバルブ7を同一のシャフト51で駆動している。なお、その他の構成は前記実施例と同様であり、前記実施例の効果を併せ持っている。
この変更例によると、シャフト51を延長するという簡単な変更を行うだけで、一つのロッカアーム20により二つのバルブ7を同時に駆動することができる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
本発明に係る可変動弁機構の実施例を示す斜視図である。 同実施例のロッカアームを示す分解斜視図である。 同実施例の連結状態を示した、(a)は断面図、(b)及び(c)は正面図である。 同実施例の連結解除状態を示した、(a)は断面図、(b)及び(c)は正面図である。 同実施例の変更例を示す斜視図である。 従来例を示した(a)は斜視図、(b)は正面図である。
符号の説明
7 バルブ
9 可変動弁機構
10 回転カム
10e 端面
20 ロッカアーム
21 入力部材
26 出力部材
31 切替機構
32 ピン穴
35 連結ピン
45 油路
L カムノーズの軌跡

Claims (4)

  1. 回転カムとバルブとの間に揺動可能に介装されたロッカアームを操作することにより前記バルブの開閉量を変更する可変動弁機構において、
    前記ロッカアームは、前記回転カムに当接する入力部材と、該入力部材に対して相対変位可能に設けられ、前記バルブに当接する出力部材と、前記相対変位が不能となるように前記入力部材と前記出力部材とを相互に連結した連結状態とその連結を解除した連結解除状態との間で切替を行うことにより、前記バルブの開閉量を変更する切替機構とを含み構成され、
    前記切替機構は、前記入力部材又は出力部材に設けられたピン穴と、該ピン穴に一端を往復可能に挿入された連結ピンと、該連結ピンを駆動する油圧を供給する油路とを含み構成され、
    前記ピン穴の全体が、前記回転カムの軌
    跡からはずれるよう、前記回転カムの端面の側方に設けられたことを特徴とする可変動弁機構。
  2. 前記ピン穴が、前記回転カムの径方向に長く形成されたものである請求項1記載の可変動弁機構。
  3. 前記ピン穴が、前記回転カムの両端面の側方に、一対に設けられたものである請求項1及び2記載の可変動弁機構。
  4. 前記油路が、前記入力部材又は出力部材の内部に形成されたものである請求項1〜3記載の可変動弁機構。
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