JP6058817B2 - エンジンの動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気弁または排気弁のバルブ作用角を変えることが可能なエンジンの動弁装置に関するものである。
従来、4サイクルエンジンの吸気弁や排気弁を駆動する動弁装置としては、カム軸の回転を往復運動に変えて吸気弁または排気弁に伝達するロッカーアームを備えたものがある。ロッカーアームは、カム軸と平行なロッカーシャフトに揺動自在に支持されている。
この種の動弁装置においては、例えば特許文献1に記載されているように、カム軸とロッカーアームとの間に介在された押圧部材をロッカーアームの長手方向に移動させることによって、吸気弁や排気弁のバルブリフト量とバルブ開閉時期を連続的に変更できることが知られている。特許文献1に開示されている押圧部材は、ロッカーシャフトにリンク機構を介して連結されている。
このリンク機構は、ロッカーシャフトに揺動可能に支持された制御アームと、この制御アームの揺動端部にロッカーシャフトと平行な軸線を中心として揺動自在に支持された補助アームとによって構成されている。押圧部材は、補助アームの揺動端部に設けられている。制御アームは、アクチュエータによって駆動されて揺動する。
特許文献1に記載されている動弁装置においては、制御アームの揺動に伴って押圧部材がロッカーアームの長手方向に移動する。押圧部材がカム軸の回転方向の前方に向けて移動することにより、バルブ開閉時期が遅角され、カム軸の回転方向の後方に向けて移動することによってバルブ開閉時期が進角される。また、押圧部材がロッカーアームの揺動端側に向けて移動することにより、ロッカーアームのレバー比が小さくなってバルブリフト量が相対的に少なくなる。押圧部材がロッカーアームの基端側、すなわちロッカーシャフト側に移動することにより、ロッカーアームのレバー比が大きくなってバルブリフト量が相対的に多くなる。
特開2001−164911号公報
特許文献1に開示された従来の動弁装置では、押圧部材が移動して吸気弁または排気弁の開く時期が例えば早くなった場合、バルブが閉じる時期も早くなる。このため、この動弁装置において、バルブ作用角は、押圧部材が移動したとしても変化することはない。バルブ作用角とは、吸気弁または排気弁が開いている期間に相当するカム軸の回転角である。
バルブ作用角は、エンジンの回転速度が相対的に高いときは、出力増大を図るために、大きいことが望ましい。また、バルブ作用角は、エンジンの回転速度が相対的に低いときは、燃焼が安定するように、小さいことが望ましい。
しかしながら、特許文献1に記載されている従来の動弁装置では、バルブ作用角を変える機能を有していないから、バルブ作用角を運転状態に適合した大きさに制御することはできないという問題があった。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、バルブ作用角の大きさを制御可能なエンジンの動弁装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係るエンジンの動弁装置は、吸気弁駆動用カムまたは排気弁駆動用カムを有し、シリンダヘッドに回転自在に支持されたカムシャフトと、前記シリンダヘッドに前記カムシャフトと平行に設けられたロッカーシャフトと、前記ロッカーシャフトを中心として揺動自在に構成され、吸気弁または排気弁をバルブスプリングのばね力に抗して押圧する押圧片が揺動端部に設けられた第1のロッカーアームと、前記ロッカーシャフトを中心として揺動自在に構成された制御アームと、前記制御アームの揺動端部に前記ロッカーシャフトと平行な軸線を中心として揺動自在に支持された第2のロッカーアームと、前記第2のロッカーアームの揺動端部に設けられ、前記カムと前記押圧片との間に挟まれた状態で前記カムに沿って移動可能な押圧部材と、前記制御アームの一方への揺動を規制する固定ストッパと、前記制御アームの他方への揺動を規制する可動ストッパとを備え、前記可動ストッパは、前記制御アームの揺動可能な角度が0になる第1の位置と、前記制御アームの揺動可能な角度が予め定めた角度となる第2の位置との間で移動可能に形成され、前記可動ストッパの位置が前記第1の位置以外の状態において、前記押圧部材が前記カムのベース円部に接触している状態でこの押圧部材にカムの回転力が伝達されることによって、前記制御アームが揺動可能な範囲の一端となる初期位置に揺動し、前記押圧部材が前記カムのノーズ部に接触している状態で前記バルブスプリングのばね力により押されることによって、前記制御アームが揺動可能な範囲の他端となる最終位置に揺動するものである。
本発明によれば、制御アームが初期位置に位置している状態で吸気弁または排気弁が開き、制御アームが最終位置に位置している状態で吸気弁または排気弁が閉じる。吸気弁または排気弁が開く時期と、吸気弁または排気弁が閉じる時期との間隔であるバルブ作用角は、可動ストッパの位置に対応して増減する。
したがって、本発明によれば、バルブ作用角の大きさを制御可能なエンジンの動弁装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を示す断面図である。 図2は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の側面図である。図2においては、図1の破断位置をI−I線によって示し、図5の破断位置をV−V線によって示してある。 図3は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置のロッカーアーム部分の分解斜視図である。 図4は、押圧部材のローラと第1のロッカーアームの断面図である。 図5は、押圧部材の連結軸と第1のロッカーアームの断面図である。 図6は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図6は、可動ストッパが第1の位置に位置付けられている状態を示す。 図7は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図7は、可動ストッパが第2の位置に位置付けられている状態を示す。 図8は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置のカム回転角とバルブリフト量との関係を示すグラフである。 図9は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図9は、吸気弁が開くときの状態を示す。 図10は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図10は、押圧部材に作用する推力の方向が逆転するときの状態を示す。 図11は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図11は、押圧部材が推力によって移動している状態を示す。 図12は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図12は、押圧部材の移動が終了した状態を示す。 図13は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図13は、吸気弁のバルブリフト量が最大になるときの状態を示す。 図14は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図14は、吸気弁が閉じるときの状態を示す。 図15は、第1の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図15は、制御アームが初期位置に戻るときの状態を示す。 図16は、第2の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図16は、可動ストッパが第2の位置に位置している状態を示す。 図17は、第2の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図17は、可動ストッパが第1の位置に位置している状態を示す。 図18は、第2の実施の形態によるエンジンの動弁装置のカム回転角とバルブリフト量との関係を示すグラフである。 図19は、第2の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図19は、吸気弁が開くときの状態を示す。 図20は、第2の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図20は、押圧部材に作用する推力の方向が逆転するときの状態を示す。 図21は、第2の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図21は、押圧部材が推力によって移動している状態を示す。 図22は、第2の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図22は、押圧部材の移動が終了した状態を示す。 図23は、第2の実施の形態によるエンジンの動弁装置の要部を拡大して示す断面図である。図23は、吸気弁が閉じるときの状態を示す。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係るエンジンの動弁装置の一実施の形態を図1〜図15によって詳細に説明する。
図1に示すエンジンの動弁装置1は、多気筒エンジンのシリンダヘッド2に設けられたカムシャフト3の回転を往復運動に変えて吸気弁4を駆動するものである。本発明に係る動弁装置1は、このような吸気弁4を駆動するものに限定されることはなく、排気弁5を駆動するものとして構成することができる。
カムシャフト3は、図示していないクランクシャフトの回転が伝動機構を介して伝達されることにより回転する。この実施の形態によるカムシャフト3は、図1において時計方向に回転する。カムシャフト3は、シリンダヘッド2に回転自在に支持されたカムシャフト本体6と、このカムシャフト本体6に設けられた吸気弁駆動用カム7とを備えている。
このカム7は、ベース円部7aとノーズ部7bとを含み、吸気弁4毎に設けられている。ベース円部7aは、吸気弁4が閉じているときに使用され、ノーズ部7bは、吸気弁4を開閉するときに使用される。ベース円部7aは、カムシャフト本体6と同一軸線上に位置する円柱の一部となる形状に形成されている。ノーズ部7bは、ベース円部7aから径方向の外側へ断面山形状に突出する形状に形成されている。
吸気弁4は、1気筒当たり2本設けられている。これらの吸気弁4は、シリンダヘッド2の吸気ポート11を開閉する弁体4aと、この弁体4aからシリンダヘッド2の動弁室12内に延びるバルブステム4bとによって構成されている。バルブステム4bは、シリンダヘッド2にバルブステムガイド13によって移動自在に支持されている。バルブステム4bの先端部とシリンダヘッド2との間には、吸気弁4を閉じる方向に付勢するバルブスプリング14が設けられている。バルブステム4bの先端部には、キャップ状のシム4cが設けられている。
吸気ポート11は、シリンダヘッド2の内部で二又状に分岐する形状に形成されている。この吸気ポート11の上流端は、シリンダヘッド2の側部に開口し、吸気ポート11の下流端は、それぞれ燃焼室15に開口している。燃焼室15の中央部には点火プラグ16が設けられている。
動弁装置1は、吸気弁4のバルブ作用角と、開閉時期およびバルブリフト量などを変えることができるもので、2つのアーム部材(第1のロッカーアーム21と第2のロッカーアーム22)を吸気弁4毎に備えている。バルブ作用角とは、吸気弁4が開いてから閉じるまでのカムシャフト3の回転角である。
第1のロッカーアーム21は、吸気弁4を押すための押圧片23を有し、その基部のボス部23aを介して後述するロッカーシャフト24を中心として揺動自在に構成されている。ロッカーシャフト24は、シリンダヘッド2にカムシャフト3と平行に設けられている。この実施の形態による第1のロッカーアーム21は、ロッカーシャフト24からシリンダヘッド2の外側方{ロッカーシャフト24の軸線およびシリンダの軸線CL(図1参照)と直交する方向}に延びており、ロッカーシャフト24に揺動自在に支持されている。押圧片23は、第1のロッカーアーム21の揺動端部に設けられている。すなわち、この第1のロッカーアーム21が図1において時計方向に揺動することにより、押圧片23がバルブスプリング14のばね力に抗して吸気弁4を押す。
ロッカーシャフト24は、第1のロッカーアーム21の他に制御アーム25を揺動自在に支持している。制御アーム25は、ロッカーシャフト24からカムシャフト3に向けて延びる形状に形成されており、ロッカーシャフト24を中心として揺動自在に構成されている。
この実施の形態による制御アーム25は、ロッカーシャフト24に揺動自在に支持されている。この制御アーム25におけるロッカーシャフト24に支持される基部には、後述する固定ストッパ26に当接する第1の当接面27と、後述する可動ストッパ28に当接する第2の当接面29とが形成されている。
制御アーム25の揺動端部(先端部)には、支軸30を介して第2のロッカーアーム22が揺動自在に支持されている。支軸30は、ロッカーシャフト24と平行に制御アーム25に設けられている。すなわち、第2のロッカーアーム22は、制御アーム25の揺動端部にロッカーシャフト24と平行な軸線を中心として揺動自在に支持されている。
この実施の形態による第2のロッカーアーム22は、図2および図3に示すように、制御アーム25の両側にそれぞれ設けられている。第2のロッカーアーム22の揺動端部には、カムシャフト3のカム7と第1のロッカーアーム21との間に挟まれて押圧力を伝達する押圧部材31が設けられている。
この実施の形態による押圧部材31は、図2および図3に示すように、一対の第2のロッカーアーム22,22どうしの間に架け渡された連結軸32と、この連結軸32の中央部に回転自在に支持されたローラ33とを含んでいる。このローラ33は、カム7に接触して回転する。
連結軸32の両端は、第2のロッカーアーム22に固着されている。また、この連結軸32は、図2に示すように、第2のロッカーアーム22とローラ33との間で一部が露出部32aとして露出する長さに形成されている。
この露出部32aは、第1のロッカーアーム21の押圧片23に形成されているレール34に接触する。この露出部32aは、ローラ33を挟む位置にそれぞれあるために、押圧片23には2つのレール34が設けられている。すなわち、連結軸32の両端部が押圧片23に接触する。この実施の形態においては、これらのレール34によって、請求項4記載の発明でいう「押圧片における押圧部材が接触する部位」が構成されている。
押圧片23における2つのレール34の間には、図2および図3に示すように、凹溝35が形成されている。この凹溝35は、図4に示すように、ローラ33が押圧片23に接触することを防ぐためのものである。この凹溝35は、連結軸32(露出部32a)がレール34に接触する状態でローラ33との間に隙間が形成される形状に形成されている。押圧片23におけるレール34を挟んで凹溝35とは反対側には、第2のロッカーアーム22との干渉を避けるための凹溝36が形成されている。
上述したレール34における連結軸32が接触する部分の形状は、図5に示すように、断面円弧状である。すなわち、レール34の断面形状は、カムシャフト3の軸線方向から見て、ローラ33がカム7のベース円部7aに接触する状態(吸気弁4のリフト量が0になる状態)において、カムシャフト3の軸心Cを中心とする半径Rの円弧状である。このため、押圧部材31は、ローラ33がベース円部7aに接触する状態において、カム7と押圧片23との間に挟まれた状態でカム7に沿って移動可能である。
この押圧部材31がロッカーシャフト24から離間する方向に移動することにより、第1のロッカーアーム21のレバー比が小さくなる。また、押圧部材31がロッカーシャフト24に接近する方向に移動することにより、第1のロッカーアーム21のレバー比が大きくなる。
上述した固定ストッパ26は、制御アーム25の第1の当接面27と対向する位置に位置付けられ、シリンダヘッド2に移動できないように設けられている。固定ストッパ26は、シリンダヘッド2とは別体の部材によって形成することができるし、シリンダヘッド2の一部によって形成することもできる。
この固定ストッパ26は、図1において反時計方向となる制御アーム25の一方への揺動を規制する。すなわち、固定ストッパ26は、第1のロッカーアーム21のレバー比が大きくなる方向への制御アーム25の揺動を規制する。
この実施の形態による動弁装置1においては、固定ストッパ26によって制御アーム25の一方への揺動が規制された状態で第1のロッカーアーム21のレバー比が最大になる。このように第1のロッカーアーム21のレバー比が最大になる制御アーム25の位置をこの実施の形態においては「初期位置」という。制御アーム25は、図1に示す状態において、揺動可能な範囲の一端である初期位置に移動する。図1に示す状態とは、回転しているカム7のベース円部7aに押圧部材31が接触し、この押圧部材31にカム7の回転力が伝達されて制御アーム25が第2のロッカーアーム22によって図1の左方へ押される状態である。
可動ストッパ28は、図示していないアクチュエータに支持された状態で制御アーム25の第2の当接面29と対向する位置に配置されており、制御アーム25の他方への揺動を規制する。すなわち、可動ストッパ28は、第1のロッカーアーム21のレバー比が小さくなる方向への制御アーム25の揺動を規制する。
アクチュエータは、例えば油圧や電力によって可動ストッパ28を駆動するものを用いることができる。この実施の形態による可動ストッパ28は、アクチュエータによって駆動されることにより、図6に示す第1の位置と、図1および図7に示す第2の位置との間で任意の位置に移動する。
第1の位置は、制御アーム25の揺動可能な角度が0になる位置である。第2の位置は、制御アーム25の揺動可能な角度が予め定めた角度θ(図7参照)となる位置である。この実施の形態による動弁装置1においては、第2の位置に移動した可動ストッパ28によって制御アーム25の他方への揺動が規制される状態で第1のロッカーアーム21のレバー比が最小になる。
このように第1のロッカーアーム21のレバー比が最小になる制御アーム25の位置をこの実施の形態においては「最終位置」という。
この実施の形態による可動ストッパ28は、図1、図6および図7に示すように、制御アーム25と対向する部分にボール37を備えている。このボール37は、可動ストッパ28の穴38に圧縮コイルばね39とともに挿入されている。穴38は、可動ストッパ28における制御アーム25と対向する端面に形成されている。圧縮コイルばね39は、ボール37を穴38から出る方向に付勢している。すなわち、ボール37は、圧縮コイルばね39のばね力で制御アーム25の第2の当接面29に押し付けられ、制御アーム25を揺動方向の一方に付勢している。
制御アーム25が圧縮コイルばね39のばね力で付勢される方向は、第1の当接面27が固定ストッパ26に当接する方向である。この実施の形態によるボール37は、図7に示すように、可動ストッパ28が第2の位置に移動した状態であっても制御アーム25の第2の当接面29を押している。このため、制御アーム25は、図1および図7に示すように、押圧部材31がカム7のベース円部7aに接触する状態において、押圧部材31と第2のロッカーアーム22がカム7の回転から受ける図の左方への力と、圧縮コイルばね39のばね力とによって押されて初期位置に揺動する。この実施の形態においては、これらのボール37と圧縮コイルばね39とによって、請求項3記載の発明でいう「ばね部材」が構成されている。
このように構成された動弁装置1において、吸気弁4のバルブリフト量は、図8に示すように変化する。図8に示す実線は、可動ストッパ28が第1の位置に移動して制御アーム25が初期位置に固定されている場合(図6)のバルブリフト量の変化を示す。図8に示す破線は、可動ストッパ28を第2の位置に位置付けるとともに、制御アーム25を最終位置に仮に固定した場合(図12)のバルブリフト量の変化を示す。図8に示す一点鎖線は、可動ストッパ28を第1の位置と第2の位置との間の中間位置に位置付けるとともに、制御アーム25を最終位置に仮に固定した場合のバルブリフト量の変化を示す。
図8から判るように、可動ストッパ28が第1の位置に移動することによって、実線で示すように、バルブリフト量が最大になる。また、可動ストッパ28が第2の位置に移動した状態で、制御アーム25を可動ストッパ28に接触する最終位置に固定した場合は、破線で示すように、バルブリフト量が最小になるとともに、バルブ開閉時期が実線で示す場合と比べて早くなる。
次に、この実施の形態による動弁装置1の動作を図7、図9〜図15によって説明する。
この動弁装置1において、制御アーム25の揺動可能な範囲は、可動ストッパ28の位置に応じて変化する。制御アーム25は、可動ストッパ28が第1の位置にあるときは、固定ストッパ26と可動ストッパ28とによって揺動が規制されて固定される。この場合のバルブリフト量は、図8中に実線で示すように変化する。すなわち、カム回転角が図8に示すA°であるときに吸気弁4が開き、カム回転角がB°であるときに吸気弁4が閉じる。
制御アーム25は、可動ストッパ28が第1の位置から第2の位置側に移動することにより、揺動可能になる。このように揺動可能な状態にある制御アーム25は、図7に示すように、押圧部材31がカム7のベース円部7aに接触しているときに、カム7の回転力によって図7において左方に押される。この場合の制御アーム25は、固定ストッパ26によって揺動が規制されるまで揺動し、揺動可能な範囲の一端となる初期位置に移動する。
制御アーム25が初期位置に位置している状態でカム7が回転することにより、図9に示すように、押圧部材31とカム7との接触点P1がベース円部7aからノーズ部7b側に移る。このとき、押圧部材31は、バルブスプリング14のばね力で押されている第1のロッカーアーム21と、カム7とに挟まれている。図9において、接触点P1を通る接線L1は、連結軸32と第1のロッカーアーム21との接触点P2を通る接線L2に対して傾斜している。これらの接線L1と接線L2との間隔は、連結軸32からロッカーシャフト24に向かうにしたがって次第に広くなっている。このため、押圧部材31には、カム7と第1のロッカーアーム21とによって挟まれることにより生じる推力Fが作用する。このときの推力Fは、図9中に矢印で示すように、押圧部材31をロッカーシャフト24に接近する方向へ押す力である。
しかし、このときは、制御アーム25の揺動が固定ストッパ26によって規制されているために、押圧部材31は、推力Fが加えられているにもかかわらず、移動することができない。
この状態になると、押圧部材31が第1のロッカーアーム21をバルブスプリング14のばね力に抗して押し、吸気弁4が開く。このとき、吸気弁4は、制御アーム25が初期位置に位置している状態で開く。このため、この場合の吸気弁4が開くときのカム回転角は、図8に示すA°である。
このように吸気弁4が開いた後、カム回転角が図8中の予め定めたC°に達するまでの間、すなわちノーズ部7bの先端部分がローラ33を押す状態になるまでの間は、バルブリフト量が図8中の実線からなるバルブリフトカーブに示すように増大する。
カム回転角がC°に達したときとは、図10に示すように、カム7のノーズ部7bの先端部分がローラ33を押すときであって、接線L2に対する接線L1の傾斜方向がそれまでとは逆方向になるときである。図10に示す接線L1と接線L2との間隔は、連結軸32からロッカーシャフト24に向かうにしたがって次第に狭くなっている。このため、押圧部材31をロッカーシャフト24から離間する方向へ押す推力Fが発生する。すなわち、カム回転角がC°に達することにより、押圧部材31に作用する推力Fの方向が逆転する。
押圧部材31がこの推力Fによって押されると、図10〜図12に示すような一連の動きで、制御アーム25が圧縮コイルばね39のばね力に抗して揺動する。このときに制御アーム25が揺動する方向は、図10〜図12において時計方向である。この制御アーム25は、第2の当接面29が可動ストッパ28に当接するまで揺動する。制御アーム25の揺動が可動ストッパ28によって規制されることにより、制御アーム25が最終位置に位置付けられる。(図12)
すなわち、この実施の形態による動弁装置1は、押圧部材31がカム7のノーズ部7bの先端部分に接触している状態でバルブスプリング14のばね力により押されることによって、制御アーム25が揺動可能な範囲の他端(最終位置)に揺動するものである。制御アーム25は、吸気弁4が開いている状態で、初期位置から最終位置に揺動する。
このように制御アーム25が最終位置に揺動することによって、押圧部材31がカム7に対してカム7の回転方向の後方に移動する。すなわち、カムの回転位相が実質的に進むことになる。カム回転角が図8においてC°に達した後のバルブリフト量は、図8中の破線からなるバルブリフトカーブに示すように変化する。
制御アーム25は、ローラ33がカム7のノーズ部7bによって押されている間はバルブスプリング14のばね力で最終位置に保持される。すなわち、制御アーム25は、カム7が更に回転し、カム7のノーズ部7bの頂点がローラ33を押す状態(図13参照)を経て、ローラ33がベース円部7aに接触する状態(図14参照)になるまで最終位置に保持される。
ローラ33とカム7との接触点P1がノーズ部7bとベース円部7aとの境界に達することによって、吸気弁4が閉じる。吸気弁4は、制御アーム25が最終位置に位置している状態で閉じる。すなわち、吸気弁4は、図8においてカム回転角がD°であるときに閉じる。カム回転角D°は、制御アーム25が初期位置に固定されている状態で吸気弁4が閉じるときのカム回転角B°より小さい。
ローラ33がベース円部7aに接触する状態になると、上述したようにカム7の回転力でローラ33が押され、図15に示すように、制御アーム25が同図において反時計方向に揺動し、図7に示す初期位置に戻る。
この実施の形態による動弁装置1においては、制御アーム25が初期位置に位置している状態で吸気弁4が開き、制御アーム25が最終位置に位置している状態で吸気弁4が閉じる。制御アーム25の最終位置は、可動ストッパ28の位置に対応して変化する。このため、吸気弁4が開く時期と、吸気弁4が閉じる時期との間隔であるバルブ作用角は、可動ストッパ28の位置に対応して増減する。
この実施の形態において、可動ストッパ28が第1の位置に位置している状態のバルブ作用角α1は、図8に示すように、可動ストッパ28が第2の位置に位置している状態のバルブ作用角α2より大きくなる。また、可動ストッパ28が第1の位置と第2の位置との中間に位置している状態のバルブ作用角α3は、バルブ作用角α2より大きく、バルブ作用角α1より小さくなる。
したがって、この実施の形態によれば、バルブ作用角の大きさを制御可能なエンジンの動弁装置を提供することができる。
この実施の形態による固定ストッパ26は、上述したように、第1のロッカーアーム21のレバー比が大きくなる方向への制御アーム25の揺動を、レバー比が予め定めた最大値となる位置で規制するものである。可動ストッパ28は、第1のロッカーアーム21のレバー比が小さくなる方向への制御アーム25の揺動を規制するものである。この可動ストッパ28が移動する第2の位置は、第1のロッカーアーム21のレバー比が予め定めた最小値となる位置である。
この実施の形態においては、カム7のベース円部7aに押圧部材31が接触する状態で第1のロッカーアーム21のレバー比が大きくなる方向に押圧部材31が押され、制御アーム25が初期位置に位置付けられる。この場合、吸気弁4は、制御アーム25が初期位置に位置している状態で開き始める。すなわち、吸気弁4が開く時期は、可動ストッパ28の位置とは無関係に一定になる。
押圧部材31は、カム7のノーズ部7bに接触してバルブスプリング14のばね力によって押されている状態において、上述した推力Fの方向が逆転したとき(図8に示すカム回転角C°のとき)に、ロッカーシャフト24とは反対側へ移動する。この移動は、制御アーム25の揺動が可動ストッパ28によって規制されるまで行われる。押圧部材31がこのように移動することにより、吸気弁4が閉じる時期が早くなるとともに、第1のロッカーアーム21のレバー比が小さくなってバルブリフト量が減少する。
すなわち、この実施の形態によれば、可動ストッパ28が第1の位置に向けて移動して制御アーム25の揺動可能な範囲が狭くなることにより、第1のロッカーアーム21のレバー比が大きくなるとともに、バルブ作用角が大きくなる。レバー比が大きくなることは、バルブリフト量が多くなることを意味する。このため、エンジンの運転域が高速運転域にあるときに制御アーム25の揺動可能な範囲を狭くすることによって、エンジンの更なる出力向上が図られる。また、エンジンの運転域が低速運転域にあるときに制御アーム25の揺動可能な範囲が広くなることによって、燃焼が安定する。
したがって、この実施の形態によれば、低速運転時の安定性の向上と、高速運転時の出力向上とを両立可能なエンジンの動弁装置を提供することができる。
この実施の形態によるエンジンの動弁装置1は、制御アーム25を揺動方向の一方に付勢するためのボール37と圧縮コイルばね39とをさらに備えている。このため、押圧部材31がカム7のベース円部7aに接触しているときに制御アーム25が不必要に揺動することがない。すなわち、吸気弁4が開くときに制御アーム25が固定ストッパ26に衝突して当打音が発生することがない。また、初期位置に位置する制御アーム25と、固定ストッパ26との接触部分が不必要に接触、離間を繰り返すことを防ぐことができ、この接触部分が過度に摩耗することを防ぐことができる。したがって、この実施の形態によれば、長期間にわたって品質が高い状態を維持可能なエンジンの動弁装置を提供することができる。
この実施の形態によるエンジンの動弁装置1において、第1のロッカーアーム21の押圧片23における押圧部材31が接触する部位は、吸気弁4のリフト量が0になる状態において、カムシャフト3の軸心Cを中心とする断面円弧状に形成されている。
このため、この実施の形態によれば、押圧部材31がカム7のベース円部7aに接触する状態を保ちながら円滑に移動する。したがって、吸気弁4が閉じた後に制御アーム25が最終位置から初期位置に速やかに戻るから、エンジンの回転速度が高い場合であっても動作が安定するエンジンの動弁装置を提供することができる。
この実施の形態によるエンジンの動弁装置1において、吸気弁4は、1気筒当たり2本設けられている。第1のロッカーアーム21と、第2のロッカーアーム22と、制御アーム25とは、それぞれ吸気弁4毎に設けられている。押圧部材31は、吸気弁4毎の一対の第2のロッカーアーム22どうしの間に架け渡された連結軸32と、この連結軸32の中央部に回転自在に支持されたローラ33とを含んでいる。連結軸32の両端部が押圧片23に接触し、ローラ33がカム7に接触して回転する。
この実施の形態によるエンジンの動弁装置1によれば、押圧部材31がカム7に沿って移動するときは、連結軸32が第1のロッカーアーム21のレール34に接触しながら滑る。このため、バルブスプリング14のばね力で移動可能な押圧部材31を簡単な構造で実現でき、高い精度で形成することができる。
したがって、押圧部材31と第1のロッカーアーム21とが吸気弁4毎に設けられているにもかかわらず、1気筒当たり2本ある吸気弁4を高い精度で同期させて駆動することが可能になる。この結果、この実施の形態によれば、動作の信頼性が高いエンジンの動弁装置を提供することができる。
(第2の実施の形態)
本発明に係るエンジンの動弁装置は、図16〜図23に示すように構成することができる。これらの図において、前記図1〜図15によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
この実施の形態によるエンジンの動弁装置41は、第1の実施の形態で示したエンジンの動弁装置1と一部の構成が異なっているだけで、その他の構成は同一である。第1の実施の形態で示したエンジンの動弁装置1と相違する構成は、カムシャフト3の回転方向が逆方向であることと、ボール37と圧縮コイルばね39とからなるばね部材が固定ストッパ26に設けられていることである。
この実施の形態によるカムシャフト3は、図16において反時計方向に回転する。このため、押圧部材31は、カム7のベース円部7aに接触している状態において、カム7の回転力によってロッカーシャフト24とは反対側に押される。また、この実施の形態による制御アーム25は、押圧部材31がカム7のベース円部7aに接触する状態において、第2の当接面29が可動ストッパ28に当接することにより揺動が規制され、初期位置に位置付けられる。
可動ストッパ28が第2の位置に位置している状態で制御アーム25が初期位置に仮に固定されている場合、吸気弁4のバルブリフト量は、図18中に実線で示すように変化する。また、可動ストッパ28が図17に示すように第1の位置に位置付けられて制御アーム25の揺動が固定ストッパ26と可動ストッパ28とによって規制される場合、吸気弁4のバルブリフト量は図18中の破線で示すように変化する。
可動ストッパ28が第1の位置と第2の位置との間の中間位置に位置している状態で制御アーム25が初期位置に仮に固定されている場合、吸気弁4のバルブリフト量は図18中に一点鎖線で示すように変化する。
この実施の形態による動弁装置1において、吸気弁4が開く時期は、可動ストッパ28の位置に応じて変わる。可動ストッパ28が図17に示すように第1の位置に位置している場合は、図18においてカム回転角がa°であるときに吸気弁4が開き始める。この場合、吸気弁4は、カム回転角がb°であるときに閉じる。
可動ストッパ28が図16に示すように第2の位置に位置している場合は、図18においてカム回転角がa°より遅いc°であるときに吸気弁4が開く。カム回転角がc°から後述するd°に達するまでの間は、図19に示すように、押圧部材31にロッカーシャフト24から離間する方向に推力Fが作用している。
しかし、制御アーム25は可動ストッパ28によって揺動が規制されているために、推力Fによって押圧部材31が移動することはできない。この結果、カム7の回転に伴って押圧部材31がバルブスプリング14のばね力に抗して第1のロッカーシャフト24を押す。このため、吸気弁4が開いた後、カム回転角が図18中の予め定めたd°に達するまでの間、すなわち吸気弁4のバルブリフト量が最大になる状態を経て吸気弁4が閉じ始める状態になるまでの間は、バルブリフト量が図18中の実線からなるバルブリフトカーブに示すように変化する。
カム回転角がd°に達すると、図20に示すように、押圧部材31に加えられる推力Fの方向が逆転し、押圧部材31が推力Fによってロッカーシャフト24に接近する方向へ押される。このため、図20〜図22に示すような一連の動きで、制御アーム25が圧縮コイルばね39のばね力に抗して揺動する。このときに制御アーム25が揺動する方向は、図20〜図22において反時計方向である。この制御アーム25は、第1の当接面27が固定ストッパ26に当接するまで揺動する。制御アーム25の揺動が固定ストッパ26によって規制されることにより、制御アーム25が最終位置に位置付けられる。
このように制御アーム25が最終位置に揺動することによって、押圧部材31がカム7に対してカム7の回転方向の後方に移動する。このため、制御アーム25が最終位置に位置している状態で吸気弁4が閉じる時期は、制御アーム25が初期位置に位置している場合と比べて早くなる。すなわち、カム回転角が図18においてd°に達した後のバルブリフト量は、図18中の破線からなるバルブリフトカーブに示すように変化する。
制御アーム25は、ローラ33がカム7のノーズ部7bによって押されている間はバルブスプリング14のばね力で最終位置に保持される。すなわち、制御アーム25は、カム7が更に回転し、ローラ33がベース円部7aに接触する状態(図23参照)になるまで最終位置に保持される。
ローラ33とカム7との接触点P1がノーズ部7bとベース円部7aとの境界に達することによって、吸気弁4が閉じる。吸気弁4は、制御アーム25が最終位置に位置している状態で閉じる。すなわち、吸気弁4は、図18においてカム回転角がb°であるときに閉じる。カム回転角b°は、制御アーム25が初期位置に固定されている状態(バルブリフトカーブが図18の実線となる状態)で吸気弁4が閉じるときのカム回転角e°より小さい。
ローラ33がベース円部7aに接触する状態になると、カム7の回転力でローラ33が押され、制御アーム25が図16に示す初期位置に戻る。
この実施の形態による動弁装置1においては、制御アーム25が可動ストッパ28の位置に対応した初期位置に位置している状態で吸気弁4が開く。吸気弁4は、制御アーム25の揺動が固定ストッパ26によって規制されて制御アーム25が最終位置に位置している状態で閉じる。このため、吸気弁4が閉じる時期は、可動ストッパ28の位置に影響を受けることはなく、常に一定になる。
この実施の形態による動弁装置1においても、バルブ作用角は、可動ストッパ28の位置に対応して増減する。この実施の形態においては、可動ストッパ28が第1の位置に位置している状態のバルブ作用角α1は、図18に示すように、可動ストッパ28が第2の位置に位置している状態のバルブ作用角α2より大きくなる。また、可動ストッパ28が第1の位置と第2の位置との中間に位置している状態のバルブ作用角α3は、バルブ作用角α2より大きく、バルブ作用角α1より小さくなる。
したがって、この実施の形態においても、第1の実施の形態を採るときと同等の効果が得られる。
1…動弁装置、2…シリンダヘッド、3…カムシャフト、4…吸気弁、5…排気弁、7…吸気弁駆動用カム、14…バルブスプリング、21…第1のロッカーアーム、22…第2のロッカーアーム、23…押圧片、24…ロッカーシャフト、25…制御アーム、26…固定ストッパ、28…可動ストッパ、31…押圧部材。

Claims (5)

  1. 吸気弁駆動用カムまたは排気弁駆動用カムを有し、シリンダヘッドに回転自在に支持されたカムシャフトと、
    前記シリンダヘッドに前記カムシャフトと平行に設けられたロッカーシャフトと、
    前記ロッカーシャフトを中心として揺動自在に構成され、吸気弁または排気弁をバルブスプリングのばね力に抗して押圧する押圧片が揺動端部に設けられた第1のロッカーアームと、
    前記ロッカーシャフトを中心として揺動自在に構成された制御アームと、
    前記制御アームの揺動端部に前記ロッカーシャフトと平行な軸線を中心として揺動自在に支持された第2のロッカーアームと、
    前記第2のロッカーアームの揺動端部に設けられ、前記カムと前記押圧片との間に挟まれた状態で前記カムに沿って移動可能な押圧部材と、
    前記制御アームの一方への揺動を規制する固定ストッパと、
    前記制御アームの他方への揺動を規制する可動ストッパとを備え、
    前記可動ストッパは、前記制御アームの揺動可能な角度が0になる第1の位置と、前記制御アームの揺動可能な角度が予め定めた角度となる第2の位置との間で移動可能に形成され、
    前記可動ストッパの位置が前記第1の位置以外の状態において、
    前記押圧部材が前記カムのベース円部に接触している状態でこの押圧部材にカムの回転力が伝達されることによって、前記制御アームが揺動可能な範囲の一端となる初期位置に揺動し、
    前記押圧部材が前記カムのノーズ部に接触している状態で前記バルブスプリングのばね力により押されることによって、前記制御アームが揺動可能な範囲の他端となる最終位置に揺動するエンジンの動弁装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの動弁装置において、
    前記固定ストッパは、前記第1のロッカーアームのレバー比が大きくなる方向への制御アームの揺動を、前記レバー比が予め定めた最大値となる位置で規制するものであり、
    前記可動ストッパは、前記レバー比が小さくなる方向への前記制御アームの揺動を規制するものであり、
    前記可動ストッパが移動する前記第2の位置は、前記レバー比が予め定めた最小値となる位置であることを特徴とするエンジンの動弁装置。
  3. 請求項1または請求項2記載のエンジンの動弁装置において、
    前記制御アームを揺動方向の一方に付勢するばね部材をさらに備えたことを特徴とするエンジンの動弁装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか1つに記載のエンジンの動弁装置において、
    前記押圧片における前記押圧部材が接触する部位は、吸気弁または排気弁のリフト量が0になる状態において、前記カムシャフトの軸心を中心とする断面円弧状に形成されていることを特徴とするエンジンの動弁装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちいずれか1つに記載のエンジンの動弁装置において、
    前記吸気弁または排気弁は、1気筒当たり2本設けられ、
    前記第1のロッカーアームと、前記制御アームと、前記第2のロッカーアームは、それぞれ吸気弁毎または排気弁毎に設けられ、
    前記押圧部材は、前記吸気弁毎または排気弁毎に設けられている一対の第2のロッカーアームどうしの間に架け渡された連結軸と、この連結軸の中央部に回転自在に支持されたローラとを含み、
    前記連結軸の両端部が前記押圧片に接触し、
    前記ローラが前記カムに接触して回転するものであることを特徴とするエンジンの動弁装置。
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