JP7149504B2 - 量子コンピューティング・マシンのための高ハードウェア効率変分量子固有値ソルバを実現するためのシステム、方法、量子コンピューティング・デバイスおよびコンピュータ・プログラム - Google Patents

量子コンピューティング・マシンのための高ハードウェア効率変分量子固有値ソルバを実現するためのシステム、方法、量子コンピューティング・デバイスおよびコンピュータ・プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7149504B2
JP7149504B2 JP2020515955A JP2020515955A JP7149504B2 JP 7149504 B2 JP7149504 B2 JP 7149504B2 JP 2020515955 A JP2020515955 A JP 2020515955A JP 2020515955 A JP2020515955 A JP 2020515955A JP 7149504 B2 JP7149504 B2 JP 7149504B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
state
quantum
qubit
trial
computer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020515955A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020534607A (ja
Inventor
カンダーラ、アブヒナヴ
アントニオ、メッツァカーポ
テメ、ポール、クリスタン
舞花 瀧田
ガンベッタ、ジェイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
International Business Machines Corp
Original Assignee
International Business Machines Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by International Business Machines Corp filed Critical International Business Machines Corp
Publication of JP2020534607A publication Critical patent/JP2020534607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7149504B2 publication Critical patent/JP7149504B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06NCOMPUTING ARRANGEMENTS BASED ON SPECIFIC COMPUTATIONAL MODELS
    • G06N10/00Quantum computing, i.e. information processing based on quantum-mechanical phenomena
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F17/00Digital computing or data processing equipment or methods, specially adapted for specific functions
    • G06F17/10Complex mathematical operations
    • G06F17/11Complex mathematical operations for solving equations, e.g. nonlinear equations, general mathematical optimization problems
    • G06F17/12Simultaneous equations, e.g. systems of linear equations
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F17/00Digital computing or data processing equipment or methods, specially adapted for specific functions
    • G06F17/10Complex mathematical operations
    • G06F17/18Complex mathematical operations for evaluating statistical data, e.g. average values, frequency distributions, probability functions, regression analysis

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Analysis (AREA)
  • Data Mining & Analysis (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Computational Mathematics (AREA)
  • Mathematical Optimization (AREA)
  • Pure & Applied Mathematics (AREA)
  • Computing Systems (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

本出願は、一般には量子コンピューティングに関し、より詳細には、量子コンピューティング・マシンのための高ハードウェア効率変分量子固有値ソルバの実装に関する。
量子コンピューティングは、フェルミオンをフェルミ・ディラック統計によって特徴づけられる粒子であると定義する、素粒子物理学を使用する。これらの粒子は、パウリの排他原理に従う。フェルミオンは、すべてのクォークおよびレプトンと、すべてのバリオンと、多くの原子および原子核などの奇数個のこれらの粒子からなる複合粒子とを含む。フェルミオンは、ボース・アインシュタイン統計に従うボソンとは異なる。フェルミオンは、電子などの素粒子である場合もあり、または陽子などの複合粒子である場合もある。合理的な相対論的な場の量子論におけるスピン統計定理によると、整数スピンを有する粒子はボソンであり、一方、半整数スピンを有する粒子はフェルミオンである。
スピン特性に加えて、フェルミオンは、保存バリオンまたはレプトン量子数も有する。したがって、スピン統計関係と通常呼ばれているものは、実際にはスピン統計量子数関係である。パウリの排他原理の結果として、任意の時点で1つのフェルミオンのみが特定の量子状態を占有することができる。複数のフェルミオンが同じ空間的確率分布を有する場合、スピンなどの各フェルミオンの少なくとも1つの特性は異なっていなければならない。フェルミオンは、通常、物質と関連付けられ、それに対してボソンは一般にフォース・キャリア粒子であるが、素粒子物理学の現状では、この2つの概念の区別は曖昧である。弱く相互作用するフェルミオンは、極限状態ではボソン挙動を示すことがある。低温では、フェルミオンは非荷電粒子の場合は超流動を示し、荷電粒子の場合は超伝導を示す。陽子および中性子などの複合フェルミオンは、身の回りの物質の重要なビルディング・ブロックである。量子コンピューティング・マシンは、粒子のこのような特性を使用して計算コストの高い様々な問題を解く。
量子コンピューティングは、例えば、暗号、分子モデリング、材料科学、凝縮体物理学、および様々なその他の分野でのその応用を基に登場し、それによって現在では、計算高速化のための既存の高性能コンピューティング資源の限界を伸ばしている。量子コンピューティング・マシンの核心には、キュービット(すなわち量子ビット)の利用があり、キュービットはとりわけ、電子のスピン状態(すなわち「1」=↑と「0」=↓)、光子の偏光状態(すなわち「1」=Hと「0」=V)、または、非線形インダクタとして動作するジョセフソン接合と並列のキャパシタからなる超伝導共振器であるトランズモンの基底状態(「0」)と第1励起状態(「1」)など、2つの量子力学的状態(例えば高状態と低状態)を有する古典的ビット(すなわち、デジタル・ビット「0」または「1」)に類似するものとみなされている。キュービットは古典的な「1」と「0」の情報を記憶することができるが、キュービットは「1」状態と「0」状態の重ね合わせとして情報を記憶する能力も示す。
問題空間の次元が指数関数的に増大する量子コンピューティング・マシンの場合、特定の演算子の固有値を求めるのは扱いにくい問題である場合がある。したがって、当技術分野では、上記の問題に対処する必要がある。
第1の観点から見ると、本発明は、複数のキュービットを含む量子コンピュータを使用する変分量子固有値ソルバ(variational quantum Eigenvalue solver(VQE))のための試行状態を生成するシステムであって、コンピュータ実行可能命令を含むメモリ・デバイスと、上記メモリに結合され、上記量子コンピュータを使用して上記VQEのための試行状態を生成するために上記コンピュータ実行可能命令を実行するように構成されたプロセッサとを含み、上記生成は、特定の試行状態のために上記キュービットから取り込むサンプルの数Sを選択することであって、上記サンプルはキュービット状態の測定値を含む、上記選択することと、上記量子コンピュータの上記キュービットにハミルトニアンをマッピングすることと、任意の単一キュービット回転とエンタングラ動作とのインターリーブされたシーケンスを使用して、上記量子コンピュータの上記キュービットの少なくともサブセット間のエンタングル相互作用を規定するエンタングラを上記量子コンピュータに設定することと、上記量子コンピュータから、上記ハミルトニアンのパウリ項に関連付けられた後回転後の上記キュービット状態を読み出すことであって、上記キュービット状態は上記パウリ項の期待値を表し、上記読み出しは選択された上記サンプル数Sについて実行される、上記読み出すことと、上記ハミルトニアンの上記パウリ項の測定された上記期待値を使用して推定エネルギー状態を計算することと、上記推定エネルギー状態が期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、上記VQEのための新たな試行状態を計算し、上記新たな試行状態を使用して上記推定エネルギーの計算を繰り返すこととを含むシステムを提供する。
他の観点から見ると、本発明は、複数のキュービットを含む量子コンピュータを使用する変分量子固有値ソルバ(VQE)のための試行状態を生成する方法であって、上記生成は、特定の試行状態のために上記キュービットから取り込むサンプルの数Sを選択することであって、上記サンプルはキュービット状態の測定値を含む、上記選択することと、上記量子コンピュータの上記キュービットにハミルトニアンをマッピングすることと、上記量子コンピュータの上記キュービットの少なくともサブセット間のエンタングル相互作用を規定するエンタングラを上記量子コンピュータに設定することとであって、上記設定することは、任意の単一キュービット回転とエンタングラ動作とのインターリーブされたシーケンスを使用する、上記設定することと、上記量子コンピュータから、パウリ項に関連付けられた後回転後のキュービット状態の測定値を読み出すことであって、上記読み出しは選択された上記サンプル数Sについて実行される、上記読み出すことと、上記パウリ項の上記測定値を使用して推定エネルギー状態を計算することと、上記推定エネルギー状態が期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、上記VQEのための新たな試行状態を計算し、上記新たな試行状態を使用して上記推定エネルギーの計算を繰り返すこととを含む方法を提供する。
他の観点から見ると、本発明は、量子コンピューティング・デバイスであって、複数のキュービットと、各共振器が対応するキュービットのための制御信号を受信し、対応する上記キュービットのキュービット状態を表す読み出し信号を送信するように構成された、上記キュービットのそれぞれに対応する複数の共振器とを含み、上記量子コンピューティング・デバイスは、変分量子固有値ソルバ(VQE)のための試行状態を生成し、上記生成は、上記共振器によって、試行状態を準備する制御パルスを受信することと、上記試行状態を準備するために任意の単一キュービット回転とエンタングラ動作とのインターリーブされたシーケンスを使用して、上記キュービットの少なくともサブセット間のエンタングル相互作用を規定するエンタングラを設定することと、上記共振器によって、ハミルトニアンのパウリ項に関連付けられた後回転後のキュービット状態を読み出すことであって、上記読み出しが推定エネルギー状態を計算するための選択されたサンプル数Sについて実行される、上記読み出すことと、上記推定エネルギー状態が期待エネルギー状態で集束しないことに応答して、上記VQEのための新たな試行状態に更新するために制御信号を受信することとを含む、量子コンピューティング・デバイスを提供する。
他の観点から見ると、本発明は、複数のキュービットを含む量子コンピュータを使用する変分量子固有値ソルバ(VQE)のために試行状態を生成するためのコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム製品は、処理回路によって読み取り可能であって、本発明のステップを実行する方法を実行するために前記処理回路による実行のための命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む、コンピュータ・プログラム製品を提供する。
他の観点から見ると、本発明は、コンピュータ可読媒体に記憶され、デジタル・コンピュータの内部メモリにロード可能なコンピュータ・プログラムであって、前記プログラムがコンピュータ上で実行されると、本発明のステップを実行するためのソフトウェア・コード部分を含む、コンピュータ・プログラムを提供する。
1つまたは複数の実施形態によると、例示のシステムは、コンピュータ実行可能命令を含むメモリ・デバイスを含む。システムは、メモリに結合されたプロセッサをさらに含む。プロセッサは、複数のキュービットを含む量子コンピュータを使用する変分量子固有値ソルバ(VQE)のための試行状態を生成するために、コンピュータ実行可能命令を実行する。試行状態の生成は、特定の試行状態のためにキュービットから取り込むサンプルの数Sを選択することを含み、サンプルは、キュービットの状態の測定値を含む。試行状態の生成は、試行状態に従って量子コンピュータのキュービットにハミルトニアンをマッピングすることをさらに含む。試行状態の生成は、量子コンピュータにおいてエンタングラを設定することをさらに含み、エンタングラは量子コンピュータのキュービットの少なくともサブセット間の相互作用を規定する。試行状態の生成は、量子コンピュータから、パウリ項に関連付けられた後回転の後のキュービット状態を読み出すことをさらに含み、読み出しは、選択されたサンプル数Sについて行われる。試行状態の生成は、ハミルトニアンの各パウリ項のS個の測定値を使用して、推定エネルギー状態を計算することをさらに含む。試行状態の生成は、推定エネルギー状態が期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、VQEのための新たな試行状態を計算することと、その第2の試行状態を使用して推定エネルギーの計算を繰り返すこととをさらに含む。
1つまたは複数の実施形態によると、複数のキュービットを含む量子コンピュータを使用する変分量子固有値ソルバ(VQE)のための試行状態を生成する例示の方法が、特定の試行状態のためにキュービットから取り込むサンプルの数Sを選択することをさらに含み、サンプルは、キュービット状態の測定値である。試行状態の生成は、量子コンピュータのキュービットにハミルトニアンをマッピングすることをさらに含む。試行状態の生成は、量子コンピュータにおいてエンタングラを設定することを含み、エンタングラは、量子コンピュータのキュービットの少なくともサブセット間のエンタングル相互作用を規定する。試行状態の生成は、量子コンピュータから、ハミルトニアンのパウリ項に関連付けられた後回転の後のキュービット状態を読み出すことをさらに含み、読み出しは、選択されたサンプル数Sについて行われる。試行状態の生成は、ハミルトニアンの各パウリ項のS個の測定値を使用して推定エネルギー状態を計算することをさらに含む。試行状態の生成は、推定エネルギー状態が期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、VQEのための新たな試行状態を計算することと、新たな試行状態を使用して推定エネルギーの計算を繰り返すこととをさらに含む。
1つまたは複数の実施形態によると、例示の量子コンピューティング・デバイスは複数のキュービットを含む。量子コンピューティング・デバイスは、キュービットのそれぞれに対応する複数の共振器をさらに含み、各共振器は、対応するキュービットのための制御信号を受信し、対応するキュービットのキュービット状態の測定のための読み出し信号を受信する。量子コンピューティング・デバイスは、量子デバイスにおいてキュービットを結合する共振器をさらに含む。量子コンピューティング・デバイスは、変分量子固有値ソルバ(VQE)のための試行状態を生成する。試行状態の生成は、共振器によって、試行状態に関連付けられた制御パルスを受信することを含む。試行状態の生成は、試行状態に従ってエンタングラを設定することをさらに含み、エンタングラはキュービットの少なくともサブセット間の相互作用を規定する。試行状態の生成は、共振器によって、パウリ項に関連付けられた後回転後のキュービット状態を読み出すことをさらに含み、読み出しは、推定エネルギー状態を計算するために選択されたサンプル数Sについて行われる。試行状態の生成は、推定エネルギー状態が期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、VQEのための新たな試行状態に従ってエンタングラを更新するために制御信号を受信することをさらに含む。
その他の特徴および利点も、本発明の技術により実現される。本発明のその他の実施形態および態様についても、本明細書で詳細に説明し、特許請求される本発明の一部とみなされる。本発明を、利点および特徴とともによりよく理解することができるように、説明および図面を参照されたい。
次に、本発明について、例示のみを目的として、以下の図面に示すような好ましい実施形態を参照しながら説明する。
従来技術による、ハミルトニアンに関連する計算を実行するように構成された古典コンピュータであって、本発明の好ましい実施形態を実装可能な古典コンピュータの一例を示す図である。 従来技術による、ハミルトニアンに関連する古典コンピュータの出力を実行するように構成され、本発明の好ましい実施形態を実装可能な量子コンピュータの一例を示す図である。 従来技術による量子コンピュータであって、本発明の好ましい実施形態を実装可能な量子コンピュータのブロック図を示す図である。 1つまたは複数の実施形態による、試行状態準備およびエネルギー推定のための量子回路を示す図である。 1つまたは複数の実施形態による例示のパルス・シーケンスを示す図である。 1つまたは複数の実施形態による、量子コンピューティング・マシンを使用する高ハードウェア効率の変分量子固有値ソルバを実行する例示の方法のフローチャートを示す図である。 例示の事例におけるパラメータのキャリブレーションを示す例示のプロットを示す図である。 1つまたは複数の実施形態による、改良VQEを使用する分子構造応用例の例示の最適化を示す図である。 既知の値による1つまたは複数の実施形態による、試行状態を使用する改良VQEを使用した結果の比較を示す図である。
量子力学において、ハミルトニアンはほとんどの場合、系の全エネルギーに対応する演算子である。ハミルトニアンは、通常、Hで示され、
Figure 0007149504000001

または
Figure 0007149504000002

でも示される。ハミルトニアンのスペクトルは、系の全エネルギーを測定するときの1組の可能な結果である。ハミルトニアンは、系の時間発展と密接に関係するため、量子理論のほとんどの定式化において根本的な重要性を持つ。
量子情報処理は、従来の古典的ハードウェアにとっては難し過ぎるとみなされている特定の計算問題を解く可能性を持っている。量子コンピュータに特に適している計算タスクは、量子力学系のシミュレーションである。ここでの中心的な応用例は、例えば量子化学、材料科学、および原子物理学で見られる、強く相互作用するフェルミオン系のシミュレーションである。量子コンピュータ上でフェルミオン自由度を表すためには、フェルミオン・モードを量子計算の基本論理単位であるキュービットにマッピングする必要がある。なお、フェルミオン・シミュレーションは、量子コンピューティングの1つの可能な応用例に過ぎず、他の応用例としては、量子磁石および組合せ最適化問題などの量子スピン系があることに留意されたい。
しかし、物理的フェルミオン系は、パリティの保存に従い、場合によってはさらに強い粒子数の保存に従うことが知られている。ハミルトニアンまたはハミルトニアンの態様がキュービット・シミュレーションにおけるキュービットにコード化される。シミュレーションは、キュービットを有する量子コンピュータ上で実行される。キュービットとは、量子コンピュータにおける1つの物理的な量子ハードウェアであり、キュービットは超伝導量子デバイスであることに留意されたい。ハミルトニアンでは、キュービットは物理キュービットを表す項として使用される。
量子コンピュータへの入力は、シミュレーションされる系をコード化するために使用されるハミルトニアン(またはハミルトニアンの項)である。出力は、量子コンピュータから測定されたエネルギーである。量子アルゴリズムは、特定の問題を解くために量子コンピュータに送られるステップ・バイ・ステップ命令の有限列である。本明細書では、実験者は入力ハミルトニアンの基底状態エネルギーの推定値を得ることに関心がある。したがって、この入力ハミルトニアンは、量子コンピュータ上の量子シミュレーションのための1組の入力データをもたらす。
図1のコンピュータ100は、1組のキュービットに対する量子ハミルトニアンのコード化と、量子コンピュータでは実行されない任意のその他の(準備)計算とを実行するようにプログラムされ、構成される。1つまたは複数のソフトウェア・アプリケーション160が、プロセッサ110がそれらのソフトウェア・アプリケーション160を実行することができるように、コンピュータ命令でプログラムされている。コンピュータ100上でそれぞれの準備計算を実行した後、次に、出力(すなわち出力ハミルトニアン)が、図2の量子コンピュータ200に適用され、量子コンピュータ200上で実行される。コンピュータ100上でいくつかの計算を行うフィードバック・ループ(往復プロセス)があってもよく、それらは次に量子コンピュータ200に供給され、量子コンピュータ200によって使用される。量子コンピュータ200は、例示のみを目的としたものであり、量子コンピュータの厳密な構造であることを意図したものではない。当業者にはわかるように、図1に示す古典コンピュータは、パルスの判断などを実行し、図2のコンピュータ200はその出力を実行する。
図2は、本発明の実施形態により、コンピュータ100からの出力を処理することができる量子コンピュータ200(量子ハードウェア)の一例である。量子プロセッサは、非量子デバイスには利用不可能な(重ね合わせ、エンタングルメント、量子トンネル現象などの)量子物理学的現象を利用することができるコンピューティング・デバイスである。量子プロセッサは、超伝導量子プロセッサの形態をとることができる。超伝導量子プロセッサは、複数のキュービットと、関連付けられたローカルのバイアス・デバイス、例えば2つ以上の超伝導キュービットを含む。キュービットの一例は、磁束キュービットである。超伝導量子プロセッサは、キュービット間に伝達結合をもたらす結合デバイス(すなわち「カップラ」)も採用することができる。
キュービットの数、キュービットの相互作用、およびキュービットの構成はすべて、例示を目的とし、限定を意図したものではない。キュービット(および図示されていない読み出し共振器)は、様々な異なる構成で構築することができ、図2は限定を意図したものではない。一般に、量子コンピュータは、ディヴィンチェンツォの基準を満たす量子力学の法則に従う任意の物理システムである。これらの基準は、量子コンピュータとみなされるべき量子力学システムについて要件を設定する。基準には、(1)十分に特性化されたキュービットを備えたスケーラブルな物理システムと、(2)キュービットの状態を単純な基準状態に初期設定することができることと、(3)長く妥当なデコヒーレンス時間と、(4)量子ゲートの「ユニバーサル」な組と、(5)キュービット固有の測定能力と、(6)静止キュービットと飛行キュービットとを相互転換する能力と、(7)指定位置間で飛行キュービットを忠実に伝送する能力とが含まれる。
図2の量子コンピュータ200は、制御プログラムとしての入力205と、制御信号210と、キュービット215と、読み出し信号220と、出力としての測定データ225とを示している。これらの要件を満たす量子力学システムとして、量子コンピュータ200は、一連の量子ゲートを適用し、測定演算を適用するために、(例えばハミルトニアンの項、態様などに従って)入力205情報として制御信号210を受信するように構成される。異なるキュービット215間の量子ゲートは、それらのキュービットの相互作用230を介して媒介される。測定演算子は、システム、すなわち量子コンピュータ200を制御する実験者が読み取ることができる(測定データ225としての)古典的信号を生じさせる。
次に図1に戻ると、実施例が、コンピュータ100、例えば、結果を量子コンピュータ200に入力することができるように、本明細書に記載の1組のキュービットに対して量子ハミルトニアンのコード化のために(当業者にはわかるように様々な数学計算を含む)アルゴリズムを実行するように構成された任意の種類のコンピュータ・システムを示している。コンピュータ100は、複数のコンピュータにわたる分散コンピュータ・システムとすることができる。本明細書に記載されている様々な方法、手続き、モジュール、流れ図、手段、アプリケーション、回路、要素および技法が、コンピュータ100の機能を組み込むかまたは利用するかあるいはその両方を行うこともできる。実際、本明細書に記載の例示の実施形態の要素を実装するためにコンピュータ100の機能を利用することができる。
一般に、ハードウェア・アーキテクチャの観点からは、コンピュータ100は、ローカル・インターフェース(図示せず)を介して通信可能に結合された、1つまたは複数のプロセッサ110と、コンピュータ可読記憶メモリ120と、1つまたは複数の入力または出力あるいはその両方の(I/O)デバイス170を含み得る。ローカル・インターフェースは、当技術分野で知られているように、例えば1つまたは複数のバスまたはその他の有線または無線接続とすることができるが、これらには限定されない。ローカル・インターフェースは、通信を可能にするための、コントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、および受信器などの追加の要素を有することができる。また、ローカル・インターフェースは、上記の構成要素間の適切な通信を可能にするために、アドレス接続、制御接続またはデータ接続あるいはその組合せを含むことができる。
プロセッサ110は、メモリ120に記憶することができるソフトウェアを実行するためのハードウェア・デバイスである。プロセッサ110は、コンピュータ100に関連付けられたいくつかのプロセッサのうちの、実質的に任意のカスタム・メイドまたは市販のプロセッサ、中央処理装置(CPU)、データ・シグナル・プロセッサ(DSP)、または補助プロセッサとすることができ、プロセッサ110は半導体ベースの(マイクロチップの形態の)マイクロプロセッサ、またはマクロプロセッサとすることができる。
コンピュータ可読メモリ120は、揮発性メモリ素子(例えば、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)などのランダム・アクセス・メモリ(RAM))、および不揮発性メモリ(例えば、ROM、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、テープ、コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、ディスク、ディスケット、カートリッジ、カセットなど)のうちのいずれか1つまたは組合せを含み得る。また、メモリ120は、電子、磁気、光学式またはその他の種類の記憶媒体あるいはその組合せを組み込むことができる。なお、メモリ120は、様々な構成要素が互いに遠隔にあるがプロセッサ110によってアクセス可能な、分散アーキテクチャを有することも可能である。
コンピュータ可読メモリ120内のソフトウェアは、1つまたは複数の別々のプログラムを含むことができ、そのそれぞれが論理機能を実装するための実行可能命令の順序付けられたリストを含む。メモリ120内のソフトウェアは、適合するオペレーティング・システム(O/S)150と、コンパイラ140と、ソース・コード130と、例示の実施形態の1つまたは複数のアプリケーション160とを含む。図のように、アプリケーション160は、例示の実施形態の要素、プロセス、方法、機能および動作を実装するための多くの機能構成要素を含む。
オペレーティング・システム150は、他のコンピュータ・プログラムの実行を制御することができ、スケジューリング、入出力制御、ファイルおよびデータ管理、メモリ管理、および通信制御および関連サービスの提供を行う。
アプリケーション160は、実行する1組の命令を含む、ソース・プログラム、実行可能プログラム(オブジェクト・コード)、スクリプト、またはその他の実体とすることができる。ソース・プログラムの場合、そのプログラムは、通常、O/S150と関連して正しく動作するように、メモリ120内に含まれ得るコンパイラ(コンパイラ140など)、アセンブラ、インタプリタなどにより変換される。また、アプリケーション160は、(a)データおよびメソッドのクラスを有するオブジェクト指向プログラミング言語、または(b)ルーチン、サブルーチンまたは関数あるいはその組合せを有する手続き型プログラミング言語として書くことができる。
I/Oデバイス170は、例えば、マウス、キーボード、スキャナ、マイクロフォン、カメラなどであるがこれらには限定されない入力デバイス(または周辺装置)を含み得る。また、I/Oデバイス170は、例えばプリンタ、ディスプレイなどであるがこれらには限定されない出力デバイス(または周辺装置)も含み得る。最後に、I/Oデバイス170は、例えば、(遠隔デバイス、その他のファイル、デバイス、システムまたはネットワークにアクセスするための)ネットワーク・インターフェース・コントローラ(NIC)または変調器/復調器、無線周波数(RF)またはその他の送受信器、電話インターフェース、ブリッジ、ルータなどであるがこれらには限定されない、入力と出力の両方を伝達するデバイスをさらに含み得る。I/Oデバイス170は、インターネットまたはイントラネットなどの様々なネットワークを介して通信するための構成要素も含む。I/Oデバイス170は、Bluetooth接続および(例えばユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、シリアル・ポート、パラレル・ポート、FireWire、HDMI(R)(高精細度マルチメディア・インターフェース)などを介して)ケーブルを使用して、プロセッサ110と接続されるかまたは通信するか、あるいはその両方が可能である。
アプリケーション160がハードウェアで実装される例示の実施形態では、アプリケーション160は、それぞれ当技術分野で周知の以下の技術のうちのいずれか1つまたは組合せで実装可能である。すなわち、データ信号に対して論理関数を実施するための論理ゲートを有する個別論理回路、適切な組合せ論理ゲートを有する特殊用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル・ゲート・アレイ(PGA)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などである。
本発明によって提供される技術的解決策は、問題空間の次元が指数関数的に増大すると、特定の演算子の固有値を求めるのが扱いにくい問題となり得る量子コンピューティング・マシンの技術的課題を扱う。例えば、基本的目標が固定核によって生じる静電界における電子の動きの状態を判断することであり、多体相互作用フェルミオン・ハミルトニアンの基底状態エネルギーの値を求めることを含む、電子構造問題を考えてみる。量子コンピュータ上でのこのような問題を解くことは、問題を1組のキュービットに対する局所ハミルトニアン問題の特定のインスタンスとして置き換える、フェルミオンとキュービット演算子との間のマッピングに依存する。最大でk個のキュービットに作用する項からなるk-局所ハミルトニアンHが与えられる場合、その局所ハミルトニアン問題の解は、H|ΦG〉=EG|ΦG〉を満たす、その基底状態固有値Eおよび基底状態|ΦG〉を求めるということになる。k≧2の場合、この問題は量子マーリン・アーサー(Quantum Marlin Arthur(QMA))完全であることが知られている。なお、本明細書に記載の技術的解決策は、量子磁性など、電子構造問題以外の他の様々な技術的問題にも適用可能であることに留意されたい。
1つまたは複数の実施例では、電子構造問題などの技術的問題を扱うための技術的解決策は、目的ハミルトニアンの最低エネルギー状態を求めるために使用される、変分量子固有値ソルバ(VQE)を使用することを含む。1つまたは複数の実施例では、量子コンピュータ200を使用するVQEの実装形態は、実験的にアクセス可能な制御パラメータを使用して量子コンピュータ200のための試行状態を準備することと、準備した試行状態に関連付けられたエネルギーを測定することとを含む。測定されたエネルギーは次に、最適化ルーチンに供給されて、そのエネルギーを低下させる傾向がある制御パラメータの次の組を生成する。所望の精度で最低エネルギーが求まるまで、反復が行われる。
ユニタリ結合クラスタ(unitary couple cluster(UCC))仮説準備量子ハードウェアなど、試行状態を使用して上記のプロトコルを実装する技術的課題は、特にコヒーレンスと制御とに起因する制約を含む。例えば、UCC仮説は、単一励起および二重励起近似において考慮されるスピン軌道数に応じてその4乗に増加するいくつかの変動パラメータを有する。また、UCC仮説の実装は、トロッタおよびゲート誤差の影響を受けやすい。VQEの実装形態のその他の技術的課題には、多数のサンプルを必要とし、その結果、リセット方式がない場合には実験時間が不合理に増大することが含まれる。また、VQEを電子構造問題に適用するために必要な測定値の数は、ハミルトニアンの項の数に等しく、項の数は最も一般的な場合で、電子構造問題の場合、約Nスケールとなる。ここで、Nはスピン軌道の数である。これにより、さらに実験時間が増大する。
本明細書に記載の技術的解決策は、既存の量子ハードウェアの限られたコヒーレンスによる実装形態に適する高ハードウェア効率の試行状態準備を容易にすることによって、VQEを実装するために量子コンピュータ200を使用する上述のような技術的課題を扱う。また、技術的解決策は、コヒーレントなゲート誤差に影響されないVQEの実装を容易にする。1つまたは複数の実施形態では、本明細書に記載の技術的解決策は、全マイクロ波キュービット制御による固定周波数アーキテクチャを使用し、これによって、磁束雑音などの影響を受けやすい周波数調整可能構成要素がない状態で量子ハードウェアの量子コヒーレンスを最大化する。また、マイクロ波のみの単一キュービット・リセットを使用することによって、本明細書に記載の技術的解決策は、キュービットのコヒーレンスの維持を容易にする一方、総最適化時間を短縮する。本明細書に記載の技術的解決策は、さらに、ゲートの並列化を容易にし、それによって試行状態準備時間を短縮する。さらに、本明細書に記載の技術的解決策は、単一キュービット回転の固有の組により測定されたハミルトニアン項のグループ化を容易にし、それによって、取り込まれ、解析される測定値の総数の削減を容易にし、したがってシミュレーションの合計時間を短縮する。なお、当業者には明らかなように、本明細書に記載の技術的解決策は、上記で挙げたもののほかにも長所および利点を備えることに留意されたい。
本明細書に記載の技術的解決策は、利用可能な物理量子コンピュータ200に合わせて調整された量子ゲートによって試行状態がパラメータ化される、VQEのための高ハードウェア効率のUCC仮説準備の実装を容易にする。
図3に、1つまたは複数の実施形態による量子コンピュータのブロック図を示す。図3に示し、本明細書で説明する量子コンピュータ300の構造は、1つまたは複数の実施形態の説明のためのものであり、本明細書に記載の技術的解決策を限定するものではない。図のように、量子コンピュータ300は、ジョセフソン接合(JJ)ベースのトランズモン・キュービットなどの7個のキュービット215を含み、そのうちの6個は固定周波数トランズモン・キュービットであり、1個は中心磁束調節可能非対称トランズモン・キュービットである。他の実装例では、量子ハードウェアは異なる数のキュービットと、固定周波数キュービットと磁束調節可能キュービットとの異なる組合せとを含むことができる。
各キュービット215は、制御信号210の受信と読み出し信号220の受信のためのそのキュービット独自の個別の共平面導波路(CPW)共振器216を有する。キュービット215は、各読み出し線が一連の低温増幅器310、すなわち、高割り当て忠実度を実現するための、ジョセフソン・パラメトリック変換器(JPC1ないしJPC6)とその後段の高電子移動度トランジスタ320(HEMT;M1ないしM6)を有する、独立した読み出し共振器216を介した分散測定により読み出される。
1つまたは複数の実施形態では、キュービットは、減衰同軸線を介して配信されるマイクロ波パルスによってのみ制御される。単一キュービット・ゲートは特定のキュービットQの周波数fにおけるマイクロ波駆動によって実装され、エンタングル2キュービットCRゲートは、目的キュービットQの周波数ωで制御キュービットQcを駆動することによって実装され、ここで、6個以上のキュービットを有する図の例ではi、c、t∈{1;2;3;4;5;6}である。なお、異なる数のキュービットを有する量子ハードウェアを使用する他の例では、キュービット結合は、異なる数の制御ビットまたは目的キュービットあるいはその両方を使用することができる。
また、各キュービット215の状態が、その読み出し共振器周波数ωMiで測定される。反射読み出し信号は、まずJPC310で増幅され、周波数ωPiでポンピングされ、次に、例えば4KでHEMT320増幅器に通される。各キュービット215は対応する特性、なかでも、キュービット遷移(ω01/2π)、平均緩和時間(T)、平均コヒーレンス時間(T,T )、読み出し共振器周波数(ω/2π)、キュービット非調和性(δ/2π)、読み出し割り当て誤差(ε)を含む特性を有する。
また、大きなハミルトニアンの最適化に伴う長時間の間であっても試行状態準備のために使用されるゲートの安定性を維持するために、利用の過程において単一キュービット・ゲートおよび2キュービット・ゲートの振幅と位相とがキャリブレートされる。例えば、パルス振幅および位相のドリフトのタイム・スケールと大きさとを推定するために、6時間、10時間または任意のその他の期間など、所定期間にわたって定期的にゲートがキャリブレートされる。
また、量子コンピュータ300は、「量子バス」218と呼ばれる、キュービット間結合のための共用CPW共振器218を含む。なお、図3にはキュービット間結合を設ける2つの共振器が図示されているが、他の実施例では、このような結合を設けるためにこれより多くの共振器を使用してもよい。また、図3に示すように、量子バス218は、エンタングラUENT402を実装するために使用可能なマイクロ波専用交差共鳴(CR)ゲートなどの1つまたは複数の2キュービット・エンタングル・ゲートを可能にする。1つまたは複数の実施例では、エンタングラは、単一ビットゲートなどの異なる実装形態を含み得る。
1つまたは複数の実施例では、試行状態準備においてエンタングラUENTを構成するゲートは、目的キュービットQと共鳴関係にあるマイクロ波パルスによって制御キュービットQを駆動することによって実装される。単一キュービット回転の付加により、CRゲートを制御NOT(CNOT)を構築するために使用することができる。1つまたは複数の実施例では、エンタングル・ゲート位相はVQEの最適化のための追加の変動パラメータとすることができる。
図4に、1つまたは複数の実施形態による試行状態準備およびエネルギー推定のための量子回路を示す。図の例示の回路は、6キュービット用であるが、他の実施例では、量子回路は異なる数のキュービット、6より少ないかまたは多い数のキュービットを使用することができる。回路400は、単一キュービット215回転401と、回路400内のすべてのキュービット215をエンタングルするエンタングル・ユニタリ演算UENT402とのインターリーブされたシーケンスからなる。
エンタングラ402は、キュービット215のうちの1つまたは複数のキュービットをエンタングルする一連のゲートである。エンタングルメントは、キュービット215に供給される制御パルスによって配信される。例えば、量子コンピュータ300の超伝導ハードウェアのエンタングル相互作用は、エンタングラUENT=exp(-iH0τ)を生成するドリフト・ハミルトニアンHによって記述することができる。高ハードウェア効率の試行状態の場合、図4に示すように、これらは、
Figure 0007149504000003

によって与えられるZゲートとXゲートとの組合せとして実装される任意の単一キュービット・オイラー回転401とインターリーブされ、ここでqはキュービット215を示し、i=0、1、...dは深さ位置を指す。
状態|00...0〉からQキュービット試行状態が得られ、N個のオイラー回転と交互になったd個のエンタングラUENTを適用することによって、
Figure 0007149504000004

が与えられる。
キュービット215は基底状態|0〉に初期設定されるため、
Figure 0007149504000005

のZ回転の最初の組は実装されず、その結果、合計P=N(3d+2)個の独立した角度となる。なお、発展時間τとHにおける個別の結合は制御可能である。しかし、p個の制御角度を試行状態における変動パラメータのままにしておくことによって、固定位相UENTを使用する正確な最適化を判断するための技術的解決策が容易になる。本明細書に記載の技術的解決策によって使用される高ハードウェア効率手法は、特定の2つのキュービット・ゲートの正確な実装には依存せず、十分なエンタングルメントを生じさせる任意のUENTとともに使用することができる。これは、理論仮説に基づいて調整されたユニタリ演算子を近似する高忠実度量子ゲートを必要とするUCC試行状態に対する改良である。
図5に、1つまたは複数の実施形態による例示のパルス・シーケンスを示す。この実施例は、量子コンピュータ300のための6キュービット試行状態を準備するためのパルス・シーケンス500を示す。1つまたは複数の実施例では、Z回転は、制御ソフトウェアにおけるフレーム変化として実装され、X回転は、すべての単一キュービット回転について、100nsなどの所定存続期間の固定した合計時間を使用して、キャリブレートされたXπパルスの振幅を適切にスケーリングすることによって実装される。
また、UENT402は、2キュービット交差共鳴ゲートの構成物またはシーケンスとして実装される。1つまたは複数の実施形態では、CR共鳴ゲートは、目標キュービットQtと共鳴するマイクロ波パルスによって制御キュービットQcを駆動することによって実装されるCRc-tゲートとして実装される。また、CRc-tゲートのハミルトニアン・トモグラフィを使用して様々な相互作用項の強度と、最大エンタングルメントのゲート時間とを明らかにする。また、1つまたは複数の実施例では、2キュービット・ゲート時間(τ)が、最大対共起に対応するゲート位相の周囲の最小エネルギー誤差のプラトーを表す150nsなどの固定値に設定される。固定ゲート時間の使用は、最適化の結果の精度を損なわずにデコヒーレンスの影響を最小限にすることによって、量子回路400のパフォーマンスをさらに向上させる。
図4に戻って参照すると、1つまたは複数の実施形態では、各試行状態が準備された後、ハミルトニアンの個々のパウリ項の期待値を測定することによって、付随するエネルギーが推定される。これらの推定値は、有限サンプリング効果に起因する確率的揺らぎの影響を受ける。
また、1つまたは複数の実施例では、入力ハミルトニアンにおける異なるパウリ演算子のサンプリングのために試行状態準備後に異なる後回転410が適用される。次に、読み出しパルス420を使用してキュービットの状態が測定される。1つまたは複数の実施例では、パウリ演算子は、同じ後回転410を使用するテンソル積基底の組にグループ化される。このようなグループ化は、エネルギー揺らぎを低減し、それによって同じ合計サンプル数を維持し、このようにしてエネルギー推定の時間オーバーヘッドを減らす。
1つまたは複数の実施例では、エネルギー推定値は、次に、制御パラメータを更新するために同時摂動確率近似(simultaneous perturbation stochastic approximation(SPSA))に依存する勾配降下アルゴリズムによって使用される。SPSAアルゴリズムは、パラメータ空間pの次元に関係なく、2つのエネルギー測定値のみを使用して勾配を近似し、それによって、確率的揺らぎの存在下で、標準勾配降下法と同等の精度を達成する。したがって、技術的解決策は、複数のキュービットと、試行状態準備のための長い深度にわたる最適化を容易にし、それによって複数のパラメータ、例えばp=30にわたる最適化を容易にする。なお、SPSAはオプティマイザの一例に過ぎないことと、他の実施例では技術的解決策は異なる最適化アルゴリズムを使用して実装可能であることに留意されたい。
1つまたは複数の実施例では、量子コンピュータ300によって出力されるエネルギー状態を使用してコンピュータ100によって最適化アルゴリズムが実行される。コンピュータ100は制御パラメータを更新し、それにより、試行状態をさらに改良するために量子コンピュータ300に供給される次の試行状態を生成する。この往復プロセスは、推定エネルギーが収束するまで、または量子コンピュータ300の資源が飽和する(例えばデコヒーレンス限界、サンプリング時間)まで続く。
図6に、1つまたは複数の実施形態による、量子コンピューティング・マシンを使用して変分量子固有値ソルバを実行する例示の方法のフローチャートを示す。このフローチャートは、H、LiH、およびBeH2分子などの分子の基底状態エネルギーを求めるための、電子構造の分野におけるこの方法の例示の実装形態を使用して示されている。しかし、この方法は任意の他の分子にも適用可能であり、量子磁性またはその他の問題など、量子コンピューティング・マシンが適用可能な任意の他の技術的問題にも適用可能であるものと理解される。
610に示すように、この方法は、量子ハミルトニアン問題をキュービット・ハミルトニアンHにマッピングすることを含む。例えば、分子エネルギー推定の場合、考慮される分子ハミルトニアンがPYQUANTE(TM)などのソフトウェアを使用してSTO-3G基底で計算される。分子量子ハミルトニアンは任意の方法で計算可能であることが理解される。ハミルトニアンをキュービットにマッピングすることは、計算されたハミルトニアンに基づいてキュービット215のスピン軌道数を決定することを含む。例えば、分子ハミルトニアンでは、H2分子の場合、各原子が1つの1s軌道をもたらし、合計4つのスピン軌道となる。例えば、LiHおよびBeH2分子の場合、X軸を原子間軸として設定し、各H原子について軌道1s、Li原子およびBe原子について1s、2s、2pを考慮し、考慮した軌道のサブセットと強く相互作用しない2p軌道および2p軌道にゼロ充填を想定する。この軌道の選択により、LiHは合計8個のスピン軌道、BeH2は10個のスピン軌道となる。なお、他の実装例では、マッピングは上記の説明とは異なることに留意されたい。
ハミルトニアンは、第2量子化の記法を使用して以下のように表される。
Figure 0007149504000006

上式で、
Figure 0007149504000007

は、フェルミオン交換規則
Figure 0007149504000008

を満たすフェルミオン・モードαのフェルミオン形成(消滅)演算子である。ここで、M=4;8;10が、それぞれH2、LiHおよびBeH2のスピン軌道数であり、二体積分の化学表記法を使用すると、
Figure 0007149504000009

Figure 0007149504000010

となり、ここで、Ziは定義された核電荷であり、
Figure 0007149504000011

および
Figure 0007149504000012

は、核-電子間分離および電子-電子間分離であり、
Figure 0007149504000013

はα番目の軌道波関数であり、スピンはスピン軌道添字α、β、およびα、β、γ、δに保存されるものとみなす。また、LiHおよびBeH2の場合、マッピングは、H1が対角である基底でドレッシングされた内部1s軌道の完全な充填を考える。ここで、コンピュータ100は、以下のようにモードa’α=Σβαβαβについてボゴリューボフ変換を実装することができる。
Figure 0007149504000014
LiおよびBeの「ドレッシングされた」1sモードを、次に、
Figure 0007149504000015

の形態の一般状態に作用する有効ハミルトニアンを効率的に求めるために充填する。ここで、Ψβは一般正規化係数であり、1sσ={1s↑,1s↓}はLiおよびBeの内部1s軌道を指す。なお、この近似は、-ω’1sσ≫|u’αβγδ|∀σ、α、β、γ、δの場合、すなわち、高エネルギーの軌道と強く相互作用しないきわめて低エネルギーの軌道の場合に常に有効であることに留意されたい。仮説
Figure 0007149504000016

は、水素原子について1s軌道と、リチウムおよびベリリウムについて2sおよび2p、LiHおよびBeH2それぞれについて合計で6個および8個のスピン軌道に対する有効選別ハミルトニアンの定義を可能にする。この仮説によると、充填された軌道を含む一体フェルミオン項は、全エネルギー(ここでIは恒等作用素)
Figure 0007149504000017

へのシフトとして寄与することになり、一方、LiおよびBeの1s充填モードの組F、すなわちF={1s↑,1s↓}を含む二体相互作用の一部は、有効一体項またはエネルギー・シフト項となり、
Figure 0007149504000018

一方、F内の奇数モードを含む二体演算子は無視されることになる。
このようにして求めたフェルミオンのハミルトニアン
Figure 0007149504000019

をキュービット215にマッピングする。なお、これはBeH2分子とLiH分子に使用されるハミルトニアンの1つの特定の還元であることと、他の実装例では、ハミルトニアンは、異なる還元技術に基づいて異なる方式で表すことができることに留意されたい。1つまたは複数の実施例では、H2ハミルトニアンが、二進木マッピングを使用して4つのキュービットにマッピングされる。また、まず、M/2個のスピンアップ軌道、次に、M/2個のスピンダウン軌道を列挙することによってM個のスピン軌道を順序付ける。二進木マッピングを使用する場合、これによって2番目と4番目のキュービットにおいてキュービット・ハミルトニアン対角が生じ、これはそれらのキュービットにおいてコード化された全粒子およびスピン
Figure 0007149504000020

対称を有する。1つまたは複数の実施例では、LiHおよびBeH2ハミルトニアンについて、H2の場合のようにスピン軌道の総数が2の冪乗でない場合でも、M/2番目およびM番目のモードでコード化された2つの
Figure 0007149504000021

対称を有するパリティ・マッピングが使用される。また、以下の式により、系内の電子の総数mに基づいてM/2番目およびM番目のキュービットのZパウリ演算子に値が代入される。
Figure 0007149504000022

ここで、偶数(奇数)mのZの+1(-1)は、偶数(奇数)全電子パリティを意味する。ZM/2の値+1、-1および±1は、それぞれ、基底状態においてスピンアップを有する電子の総数が偶数、または奇数であるか、または偶数/奇数縮退があることを意味する。最後の場合、ZM/2に+1と-1の両方を同等に使用することができる。最後のキュービット逓減ハミルトニアンは、それぞれが、H2、LiHおよびBeH2について、それぞれ2個、25個および44個のテンソル積基底(TPB)の組を有する、2個、4個、6個のキュービットでサポートされる4個、99個および164個のパウリ項からなる。前述のように、ハミルトニアンは他の実装例では異なる方式でキュービットにマッピングされる。
ハミルトニアンHは、パリティ・マッピングを使用してキュービットにマッピングされる(例えば、図8の805参照)。マッピングされたハミルトニアンはパウリ項の和である。マイクロ波パルスを使用して、さらに、1つまたは複数の実施例ではマイクロ波のみを使用して、TPBにおける回転によって、TPBのパウリ項の集合の測定サンプルを測定することができる。例えば、可変振幅および位相によってマイクロ波パルスをパラメータ化して、パウリ演算子/項を表す。あるいは、1つまたは複数の実施例では、一定した振幅と変動する位相によってマイクロ波パルスをパラメータ化してパウリ演算子/項を表す。
図6のフローチャートに戻って参照すると、この方法は、ブロック620に示すように、量子回路400の深度dと、各TPBの組について測定するキュービット状態数Sと、最大制御更新数Nとを選択することをさらに含む。サンプル数Sは、所与の試行状態を使用する所与の測定の反復回数を指す。試行状態は、任意の回転を実行する単一キュービット・ゲートとエンタングラとのインターリーブされたシーケンスである。エンタングラは、最適化において使用されるすべてのキュービットをエンタングルする一連のゲートである。量子回路深度dは、試行状態準備において使用されるエンタングラの数である。ゲートは、波形と、振幅と、時間とによってパラメータ化されるマイクロ波パルス・シーケンスである。例えば、マイクロ波パルスは、変化する振幅と位相とによってパラメータ化することができる。あるいは、マイクロ波パルスは、一定した振幅と変動する位相とによってパラメータ化することができる。例えば、試行状態を表すために、マイクロ波パルスを介して送信される制御信号の振幅または位相あるいはその両方が、特定の対応する値に構成される。
また、この方法は、ブロック630に示すように、各TPBの組について、量子コンピュータ300を使用して試行状態に従って設定されるキュービット215の状態を読み出すことにより、マッピングされたハミルトニアンのキュービット状態のS個のサンプルを引き出すことを含む。量子コンピュータ300によってキュービット状態を判断することは、ブロック631に示すように、キュービット215を基底状態に初期設定することを含む。そのような初期設定のために、コンピュータ100が量子コンピュータにリセット信号を送信する。また、ブロック632に示すように、コンピュータ100は、キュービット215をそれぞれの初期試行状態に駆動するために制御信号210を送信する。また、量子コンピュータ300は、反復中にキュービット215をそれぞれの試行状態に駆動する。
1つまたは複数の実施例では、キュービットは、試行状態準備時間を短縮するためにゲートの並列化を採用して試行状態に設定される。例えば、キュービット215は、試行状態を表す対応するパルス・シーケンス500と同時に設定される。
また、ブロック633に示すように、TPBの組においてパウリ項に関連付けられた単一キュービット後回転410が実行される。後回転は、キュービット215にマッピングされたハミルトニアン演算子の期待値を計算するためのキュービット215からの信号220の読み出しを容易にする。前述のように、キュービット215にマッピングされた後は、すべての分子ハミルトニアンがQ個のキュービットでサポートされるT個のパウリ項の重み付き和として表され、
Figure 0007149504000023

ここで各
Figure 0007149504000024

は、Q個のキュービット上の単一キュービット・パウリ演算子X、Y、Zと恒等作用素Iとのテンソル積であり、hαは実係数である。
k番目の制御更新について
Figure 0007149504000025

によってエネルギー状態推定値が与えられる。これは、同じ初期状態を使用して各反復の測定結果を平均し、
Figure 0007149504000026

によってパラメータ化された量子ゲートを適用し、最後に個別のキュービットに対して射影測定を行うことによって行うことができる。ハミルトニアン演算子〈H〉およびその分散の直接測定を利用することはできないため、個々のパウリ演算子Pαをサンプリングし、α番目のパウリ演算子の測定結果から平均値と分散
Figure 0007149504000027

Figure 0007149504000028

とを推定する。次に、エネルギーおよびハミルトニアンの分散を以下のように求めることができる。
Figure 0007149504000029

Figure 0007149504000030
個々のパウリ項が別々にサンプリングされるため、平均エネルギーの分散Var[H]は〈ΔH〉とは異なる。例えば、Hの固有状態は〈ΔH〉=0を有するが、有限分散はVar[H]≠0である。平均の誤差は
Figure 0007149504000031

であり、ここで、hmax=maxα|hα|は最大パウリ係数の絶対値である。多数の試行状態およびパウリ演算子のサンプリングS時間はかなりの時間オーバーヘッドを生じさせる可能性があるため、異なるパウリ演算子を測定するために同じ状態準備を使用することによって、複数のサンプルの収集のためのこのようなオーバーヘッドを節減する。
したがって、1つまたは複数の実施例では、時間効率を向上させるために量子コンピュータ300が異なるパウリ項をグループ化する。Z基底における単一キュービットの分散読み出しの測定結果を相互に関係づけることによって個別のパウリ演算子を測定する。これは、各キュービット215に個別読み出し共振器216が設けられているために同時に行うことができる。目標複数キュービット・パウリ演算子が非対角単一キュービット・パウリ演算子を含む場合は、Z基底における測定の前に単一キュービット回転(後回転)が実行される。例えば、具体的には、Y(X)単一キュービット・パウリ演算子を測定するためにX(Y)軸に沿ってa-π/2(π/2)回転を行う。
また、サンプリング・オーバーヘッドを最小限にするために、T個のパウリ演算子Pαを、同じテンソル積基底における対角である項を有するA個の組S、S、...Sにグループ化する。所与のTPBの組におけるすべてのパウリ項を測定するのに必要な後回転が同じであり、固有状態準備を使用して同じ組内のすべてのパウリ演算子をサンプリングすることができる。しかし、これを行うことにより、同じTPBの組における共分散効果が全ハミルトニアンの分散に寄与する。
Figure 0007149504000032

上式で、smax=max|s|は、最大のTPBの組における要素の数である。誤差について、上式のように同じ測定総数TSを維持することによって、グループ化を用いるこの場合の平均の誤差は、
Figure 0007149504000033

によって与えられ、これを、単一パウリ項を個別にサンプリングする場合と比較することができる(上記)。共分散(正または負であり得る)による誤差の寄与とグループ化によってより少ないサンプルを使用することとのトレードオフをとる必要がある。また、エネルギーとハミルトニアン分散とを以下のように推定することができる。
Figure 0007149504000034

Figure 0007149504000035

ここで、Xi,αは、α番目のパウリ項に対するi番目の測定の結果である。また、S回の測定後の共分散行列要素を以下のように定義する。
Figure 0007149504000036
図6に戻って参照すると、この方法は、ブロック634に示すように、キュービットの状態を読み出すことをさらに含む。必要であれば、ブロック635に示すように、キュービット215がさらなる反復に備えてさらにリセットされる。リセットは、マイクロ波パルスのみの方式を使用して行われ、その際、コンピュータ100は、もっぱらリセットするキュービットのために量子コンピュータ300にリセット・マイクロ波パルスを送信する。リセット・マイクロ波パルスは、量子コンピュータ300の共振器に関連付けられた所定のパルスであり、使用する量子コンピュータ300に応じて異なり得る。方法は、ブロック630に示すように、TPBの組の数だけループする。同じ試行状態を使用してパウリ演算子の各組の期待値を求める。
また、ブロック640に示すように、キュービット状態を使用して、S個のサンプリングされたキュービット状態を使用してエネルギーを計算する。この方法は、ブロック660に示すように、N回の制御更新が完了したか否かを判断することを含む。N回の反復がまだ完了していない場合、この方法は、ブロック670に示すように、オプティマイザを使用して、現行の試行状態を使用して取り込まれたエネルギー推定値を解析し、エンタングルメントのために使用されているパルス・シーケンス410を修正することによって試行状態を最適化することを含む。例えば、最適化は、同時摂動確率近似(SPSA)のような勾配降下アルゴリズムなどの機械学習アルゴリズムを使用して行うことができる。最適化は、制御パルス(マイクロ波)401がそれに従ってキュービット215に送られる更新された角度を与える。
角度
Figure 0007149504000037

の更新の前ごとのエネルギー推定は、パラメータの数p=N(3d+2)に基づき、回路の深度dおよびキュービットの数Qとともに線形に増大する。パラメータの数が増えると、アルゴリズムの最適化構成要素のオーバーヘッドが増大する。k番目のステップにおけるエネルギー揺らぎεの存在によって最適化の精度も著しく低下することがある。また、量子ハードウェア300において、電子回路にパルス波形を取り込むことと、共振器およびキュービットのリセットと、キュービット読み出しの反復サンプリングとに伴う時間オーバーヘッドがある。オプティマイザは、統計変動に対して堅牢である必要があり、各反復に最小数のエネルギー測定値を使用する必要がある。SPSAは、有限差分勾配近似と同程度のコスト関数の最適化の精度がある一方、コスト関数評価の次数O(p)を低減し、量子制御および量子トモグラフィの状況で適用可能である。
1つまたは複数の実施例では、SPSA手法において、最適化のステップkごとに、p個の対称ベルヌーイ分布からのサンプル
Figure 0007149504000038

を、ゼロに集束する2つのシーケンスcおよびaからの予め定められた要素とともに使用する。
Figure 0007149504000039

における勾配を
Figure 0007149504000040

におけるエネルギー評価を使用して近似し、図7のプロット710に示すように以下のように構築する。
Figure 0007149504000041

この勾配近似は、
Figure 0007149504000042

における変数の数pにかかわらず、エネルギーの推定値を2つしか必要としない。次に、制御を
Figure 0007149504000043

のように更新する。
θの最適解
Figure 0007149504000044

への収束は、始点が問題の引力の領域にある場合、確率的揺らぎの存在下でも起こる。制御の始点が引力の領域にない場合は、収束は未解決の問題のままである。この場合、複数の競合する始点のような方策を採る。例えば、シーケンスc、aを以下のように選定する。
Figure 0007149504000045

Figure 0007149504000046
ここで、パラメータa、yは、上記の
Figure 0007149504000047

について定義した近似勾配に沿った最も円滑な降下を確実にするために、例えば{a,y}={0.602,0:101}のように予め定められる。cの値は、エネルギー揺らぎの大きさに対して勾配評価の堅牢さを調整するように調整される。1つまたは複数の実施例では、揺らぎが勾配近似に実質的に影響を与えないように、大きなエネルギー揺らぎは大きなcによる勾配評価を必要とする。この条件は、710に示すように以下のレジームにおいて有効である。
Figure 0007149504000048

言い換えると、エネルギー差がエネルギーの確率的揺らぎよりも大きい場合に、良好な勾配近似が得られ、パラメータcはこの条件を満たすようにヒューリスティックに選定される。例えば、デコヒーレンス雑音およびエネルギー揺らぎを含む状況での堅牢さを確保するためにc=10-1が使用され、一方、エネルギーが揺らぎなしに評価される数値最適化ではより小さいc=10-2係数が使用される。
次に、すべての角度i=1、2、...pについて、最適化の最初のステップで妥当な角度更新を、例えば
Figure 0007149504000049

のように実現するために、パラメータaを実験によりキャリブレートする。1つまたは複数の実施例では、これを実現するために以下に基づく逆公式が使用される。
Figure 0007149504000050
ここで、
Figure 0007149504000051

という表記法は、最初の勾配近似を生成する分布
Figure 0007149504000052

からの異なるサンプルの平均を示す。1つまたは複数の実施例では、異なる方向に平均することによって、
Figure 0007149504000053

の関数景観の平均傾斜を始点
Figure 0007149504000054

の近傍で測定することができ、それに応じて実験をキャリブレートすることができる。
例えば、図7は、LiH分子のエネルギー
Figure 0007149504000055

を、始点
Figure 0007149504000056

からの図示されている結合距離d=1で、異なるランダムな勾配近似について25回測定することによってキャリブレートされたパラメータaを示す例示のプロット720および730を含む。なお、この方法の実行による最適化時に、k番目の最適化された角度のエネルギーの値
Figure 0007149504000057

は測定せず、その代わりに値
Figure 0007149504000058

および
Figure 0007149504000059

のみを測定し、報告し、これらは新たな勾配近似値の生成に用いられる。基礎にある最適化された角度
Figure 0007149504000060

は、最適化の終わりにのみ測定し、最後の
Figure 0007149504000061

および
Figure 0007149504000062

を平均して、確率的揺らぎの影響をさらに最小化する。また、この最後の平均は、測定の誤差を少なくするために、最適化時に
Figure 0007149504000063

および
Figure 0007149504000064

を生成するために10個のサンプルではなくではなく10個のサンプルを使用して行っている。
図6のフローチャートに戻って参照すると、オプティマイザを使用して制御更新によりN回の反復を行った後、エネルギー集束がまだ起こらない場合、ブロック680に示すように、パラメータを所定の値だけ増加させる。例えば、サンプル数Sを増加させ、反復回数Nを増加させる。また、1つまたは複数の実施例では、量子回路400の深度dを増加させる。1つまたは複数の実施例では、深度dは、Nを所定の最大値まで増加させた後で、またはNを所定の回数だけ増加させた場合に、増加させる。
ブロック685に示すように、k番目の制御についてエネルギー
Figure 0007149504000065

が評価される。例えば、コンピュータ100が、エネルギー状態が集束しつつあるか否かを判断する。エネルギーが収束した場合、そのエネルギーがVQEの解として報告される。例えば、エネルギー状態の推定値が所定の期待値の所定の閾値内であることが、エネルギー推定値が収束に達したとみなされる。例えば、最良エネルギー推定値が化学的精度まで厳密な解に近い場合に、約0.0016ハートリーのエネルギー誤差を使用して収束とみなしてもよい。収束が検出された場合、使用されている試行状態を解として与えて、この方法の実行を停止してもよい。例えば、現行の分子構造の例における試行状態が、解析中の原子の粒子間の角度または距離あるいはその両方を示している。コンピュータ100と量子コンピュータ300との間のフィードバック・ループの最適化結果であるエネルギー推定値が収束した場合、この場合はパラメータd、NまたはSあるいはその組合せを増加させ、変化させてもエネルギー推定の最終回答は向上しない。したがって、この方法の実行は完了したとみなされる。
エネルギー推定値が収束していない場合、この方法は量子コンピュータ300の資源飽和が検出されるまで反復する。パラメータが増加させた後、この方法は、ブロック690に示すように、増加させた値が量子回路400において資源飽和を生じさせないことを検証することを含む。例えば、パラメータを増加させると、エネルギー状態の測定に付随するデコヒーレンスとキュービット状態を生成するためのサンプリング時間とが増大するため、所定のデコヒーレンス限界または所定のサンプリング時間あるいはその両方を使用して、パラメータを増加させる程度を制限してもよい。
飽和限界に達しない場合、この方法は、停止条件のうちの1つまたは複数の条件が満たされるまで本明細書に記載の動作を繰り返す。1つまたは複数の実施例では、キャリブレーション時間が監視され、キャリブレーション時間の存続期間が終わるたびに量子コンピュータ300が再キャリブレートされる。
図8に、1つまたは複数の実施形態による改良VQEを使用する分子構造応用例の例示の最適化を示す。図8のプロット805は、1つまたは複数の実施形態により、8個のスピン軌道を8個のキュービットにパリティ・マッピングし、フェルミオン・スピン・パリティ対称のキュービット逓減により6個のキュービットに減らされる様子を示している。バーは、各キュービット215におけるコード化されたスピン軌道のパリティを示す。例えば、このマッピングを使用して、BeH2スピン軌道ハミルトニアンの8スピン軌道ハミルトニアンをパリティ・マッピングによりマッピングし、H2の場合のように、スピン・パリティ対称に付随する2個のキュービットを除去して、これを8個のスピン軌道をコード化する6キュービット問題に縮小することができる。同様の手法を、LiHを4個のキュービットにマッピングするためにも使用することができる。このマッピングは、前述のそれぞれの結合距離におけるH2、LiHおよびBeH2のハミルトニアンのマッピングに基づく。
また、1.7Åの原子間距離についてBeH2ハミルトニアンを使用した最適化手順の結果を図8のプロット810に示す。提示されている結果は、d=1で、6個のキュービットに関連付けられた合計30のオイラー制御角(p=30)を使用したものである。プロット810の挿入図に、エネルギー推定値が更新されるときの30個のオイラー角の同時摂動を示す。この例示の事例では、H2、LiHおよびBeH2のポテンシャル・エネルギー面を得るために、異なる原子間距離の範囲について深度d=1で、それぞれ2個、4個および6個のキュービットを使用してそれぞれの分子ハミルトニアンの基底エネルギー状態を探索している。ここでは、各反復回kについて、10個のサンプル(S=10)を使用して各制御
Figure 0007149504000066

での
Figure 0007149504000067

および
Figure 0007149504000068

におけるエネルギー推定値について勾配が近似される。挿入図は、試行状態準備を制御する30のオイラー角の同時最適化を示している。最後の所定数の角度更新、例えば最後の25回の角度更新を平均した角度
Figure 0007149504000069

を使用して、最終エネルギー推定値が求められる。1つまたは複数の実施例では、10個というより多数のサンプルによって確率的揺らぎの影響を軽減して、より正確なエネルギー推定値を得るために、最後の所定数の角度更新が使用される。
図9に、既知の値による1つまたは複数の実施形態による試行状態を使用する改良VQEの使用の結果の比較を示す。図9のプロットa、bおよびcは、H2(プロットa)、LiH(プロットb)、およびBeH2(プロットc)の複数の原子間距離についての分子構造モデリングの結果の比較を示す。量子コンピュータ300からの結果を、深度d=1の回路を使用した数値シミュレーションの結果と比較している。また、図9において、各プロットの上部挿入図は、各分子モデリングに使用したキュービットと、UENTを構成する交差共鳴ゲートを強調して示している。例えばH2分子の場合、キュービットQ2とQ4の間の交差共鳴(CR)ゲートがエンタングラUENTを構成し、LiH分子の場合、キュービット対Q2-Q4、Q2-Q1およびQ1-Q3間のCRゲートがエンタングラUENTを構成し、BeH2分子の場合、キュービット対Q2-Q4、Q2-Q1、Q1-Q3、Q4-Q5、およびQ6-Q5間のCRゲートがエンタングラUENTを構成する。各プロットの下部挿入図は、一律の縮尺では描かれていない分子構造を表す図である。3つの分子すべてについて、厳密な曲線からの実験結果の偏差は、確率的シミュレーションによって十分に説明される。
したがって、本明細書に記載の技術的解決策は、量子ハードウェア上でアクセス可能なゲートに依存する高ハードウェア効率の試行状態準備の使用を容易にする。1つまたは複数の実施例では、本明細書に記載の技術的解決策は固定周波数超伝導キュービット・アーキテクチャを使用する。例えば、試行状態準備は、マイクロ波パルスのみを使用して実装される試行状態準備のために固定周波数単一キュービットとエンタングルメント量子ゲートを使用することができる。マイクロ波パルスは、可変振幅および位相によってパラメータ化することができる。あるいは、マイクロ波パルスは、一定振幅と変動する位相とによってパラメータ化することもできる。本明細書に記載の技術的解決策は、さらに、試行状態準備のための量子ゲートの並列化の使用も容易にする。例えば、本明細書に記載の技術的解決策は、量子ハードウェアにおける異なるキュービットでの単一キュービット後回転の固有の組の使用について説明し、回転は、同じテンソル積基底の組に属する複数のハミルトニアン項の測定のためにマイクロ波パルスを使用して実装される。本明細書に記載の技術的解決策は、さらに、マイクロ波のみのキュービット・リセット方式の使用を容易にする。
したがって、本明細書に記載の技術的解決策は、量子シミュレーションのためのVQEの使用を改良し、それによって、超伝導量子プロセッサに基づく高ハードウェア効率の試行状態を生成し、使用することによって、計算技術自体の改良も実現する。本明細書に記載の技術的解決策は、UCCにおけるユニタリの完全パラメータ化を含む典型的な解決策とは異なり、近未来量子ハードウェア上で実装可能であるため、本明細書に記載の技術的解決策は、さらに、量子シミュレーションのためのVQEの応用も改良する。また、本明細書に記載の技術的解決策は、ハミルトニアンのシミュレーションのために効率的な方式のフェルミオンのキュービットへのマッピング(例えば、8つのハミルトニアンを6個のキュービットにマッピング)を容易にし、それによって使用する量子コンピュータの効率を向上させる。効率は、テンソル積基底(TPB)において対角であるパウリ演算子をグループ化することによる測定方式の使用によってさらに向上させられる。
本発明の様々な実施形態の説明を例示のために示したが、これらは網羅的であること、または開示されている実施形態に限定することを意図したものではない。記載されている実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用されている用語は、実施形態の原理、実際の適用、または市場に見られる技術に優る技術的改良を最もよく説明するために、または当業者が本明細書で開示されている実施形態を理解することができるように選定された。
本発明は、任意の可能な統合の技術詳細度のシステム、方法またはコンピュータ・プログラム製品あるいはその組合せとすることができる。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるためのコンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体(または複数の媒体)を含み得る。
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持し、記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光学式ストレージ・デバイス、電磁気ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、またはこれらの任意の適合する組合せであってよいが、これらには限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには以下のものが含まれる。すなわち、可搬コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、可搬コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピィ・ディスク、パンチカードまたは命令が記録された溝内の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、およびこれらの任意の適合する組合せが含まれる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体とは、電波またはその他の自由に伝播する電磁波、導波路またはその他の伝送媒体を伝播する電磁波(例えば光ファイバ・ケーブルを通る光パルス)、または電線を介して伝送される電気信号などの、一過性の信号自体であると解釈すべきではない。
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、または、ネットワーク、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、または無線ネットワークあるいはこれらの組合せを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、交換機、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバあるいはこれらの組合せを含み得る。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体への記憶のために転送する。
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、インストラクション・セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の構成データ、または、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語、または同様のプログラム言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソース・コードまたはオブジェクト・コードとすることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして全体がユーザのコンピュータ上でまたは一部がユーザのコンピュータ上で、または一部がユーザのコンピュータ上で一部がリモート・コンピュータ上で、または全体がリモート・コンピュータまたはサーバ上で実行されてもよい。後者の場合、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む、任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または接続は(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行ってもよい。実施形態によっては、本発明の態様を実行するために、例えばプログラマブル・ロジック回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路が、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用して電子回路をパーソナライズすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
本発明の態様について、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品を示すフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら説明する。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の図の各ブロックおよび、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装可能であることはわかるであろう。
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサにより実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックで規定されている機能/動作を実装する手段を形成するようなマシンを実現するように、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、またはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに供給することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックで規定されている機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、またはその他の装置あるいはこれらの組合せに対して特定の方式で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶することもできる。
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、その他のプログラマブル装置またはその他のデバイス上で実行される命令がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックで規定されている機能/動作を実装するように、コンピュータ、その他のプログラマブル装置、またはその他のデバイス上で一連の動作ステップが実行されるようにするために、コンピュータ、その他のプログラマブル・データ処理装置、またはその他のデバイスにロードされてもよい。
図面中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能および動作を示す。なお、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、規定されている論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、または部分を表すことがある。別の実装形態では、ブロックに記載されている機能は、図に記載されている順序とは異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には実質的に並行して実行されてよく、またはそれらのブロックは場合によっては逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の図の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の図のブロックの組合せは、規定されている機能または動作を実行する特殊目的ハードウェア・ベースのシステムによって実装可能であるか、または特殊目的ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実施することができることもわかるであろう。

Claims (21)

  1. 複数のキュービットを含む量子コンピュータを使用する変分量子固有値ソルバ(VQE)のための試行状態を生成するシステムであって、
    コンピュータ実行可能命令を含むメモリ・デバイスと、
    前記メモリ・デバイスに結合され、前記量子コンピュータを使用して前記VQEのための試行状態を生成するために前記コンピュータ実行可能命令を実行するように構成されたプロセッサと、ここで、前記試行状態は、波形と、振幅と時間とによってパラメータ化されるマイクロ波パルスを使用して生成される、
    を備えており、前記生成は、
    特定の試行状態のために前記キュービットから取り込むサンプルの数Sを選択することであって、前記サンプルはキュービット状態の測定値を含む、前記選択することと、
    前記量子コンピュータの前記キュービットにハミルトニアンをマッピングすることと、
    任意の単一キュービット回転とエンタングラ動作とのインターリーブされたシーケンスを使用して、前記量子コンピュータの前記キュービットの少なくともサブセット間のエンタングル相互作用を規定するエンタングラを前記量子コンピュータに設定することと、
    前記量子コンピュータから、前記ハミルトニアンのパウリ項に関連付けられた後回転後の前記キュービット状態を読み出すことであって、前記キュービット状態は前記パウリ項の期待値を表し、前記読み出しは選択された前記サンプル数Sについて実行される、前記読み出すことと、
    前記ハミルトニアンの前記パウリ項の測定された前記期待値を使用して推定エネルギー状態を計算することと、
    前記推定エネルギー状態が期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、前記マイクロ波パルスが前記キュービットに送られる角度を更新することによって前記VQEについての前記特定の試行状態を最適化し、そして、該更新された角度を使用して前記VQEのための新たな試行状態を計算し、そして、前記新たな試行状態を使用して前記推定エネルギーの計算を繰り返すことと
    を含む、前記システム。
  2. 前記試行状態の前記生成は、
    前記VQEのための試行状態をそのために更新する反復の回数Nを選択することと、
    前記VQEのための前記新たな試行状態を計算することと、選択された前記N回の反復のために前記新たな試行状態を使用して前記推定エネルギーを計算することを繰り返すことと、
    選択された前記N回の反復後に前記推定エネルギー状態が前記期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、選択された前記サンプル数Sと選択された前記反復回数Nとを増加させることと
    をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記試行状態の生成は、
    選択された前記N回の反復後に前記推定エネルギー状態が前記期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、前記量子コンピュータに関連付けられた深度dを増加させることをさらに含み、前記深度dは前記試行状態を設定するために使用されるエンタングラの数を示す、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記エンタングラは前記量子コンピュータにおける前記キュービットをエンタングルする一連のゲートである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシステム。
  5. 前記エンタングラおよび前記単一キュービット回転における前記ゲートは、試行状態準備のために並列化を使用して動作する、請求項4に記載のシステム。
  6. 同じテンソル積基底の組に属する複数のハミルトニアン項の測定のために、マイクロ波パルスを使用して実装された単一キュービット回転の固有の組が使用される、請求項1ないし5のいずれかに記載のシステム。
  7. 前記試行状態の前記生成は、
    前記キュービット状態の各読み出し後に前記量子コンピュータの前記キュービットをリセットすることをさらに含み、前記リセットは前記量子コンピュータにリセット・パルスを送信すること
    を含む、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシステム。
  8. 複数のキュービットを含む量子コンピュータを使用する変分量子固有値ソルバ(VQE)のための試行状態を生成する方法であって、
    前記生成は、
    特定の試行状態のために前記キュービットから取り込むサンプルの数Sを選択することであって、前記サンプルはキュービット状態の測定値を含む、前記選択することと、ここで、前記試行状態は、波形と、振幅と時間とによってパラメータ化されるマイクロ波パルスを使用して生成される、
    前記量子コンピュータの前記キュービットにハミルトニアンをマッピングすることと、
    前記量子コンピュータの前記キュービットの少なくともサブセット間のエンタングル相互作用を規定するエンタングラを前記量子コンピュータに設定することとであって、前記設定することは、任意の単一キュービット回転とエンタングラ動作とのインターリーブされたシーケンスを使用する、前記設定することと、
    前記量子コンピュータから、パウリ項に関連付けられた後回転後のキュービット状態の測定値を読み出すことであって、前記読み出しは選択された前記サンプル数Sについて実行される、前記読み出すことと、
    前記パウリ項の前記測定値を使用して推定エネルギー状態を計算することと、
    前記推定エネルギー状態が期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、前記マイクロ波パルスが前記キュービットに送られる角度を更新することによって前記VQEについての前記特定の試行状態を最適化し、そして、該更新された角度を使用して前記VQEのための新たな試行状態を計算し、前記新たな試行状態を使用して前記推定エネルギーの計算を繰り返すことと
    を含む、前記方法。
  9. 前記VQEのための試行状態をそのために更新する反復の回数Nを選択することと、
    前記VQEのための前記新たな試行状態を計算し、選択された前記N回の反復のために前記新たな試行状態を使用して前記推定エネルギーの計算を繰り返すことと、
    選択された前記N回の反復後に前記推定エネルギー状態が前記期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、選択された前記サンプル数Sと選択された前記反復回数Nとを増加させることと
    をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 選択された前記N回の反復後に前記推定エネルギー状態が前記期待エネルギー状態で収束しないことに応答して、前記量子コンピュータに関連付けられた深度dを増加させることをさらに含み、前記深度dは前記試行状態におけるエンタングラの数を示す、請求項9に記載の方法。
  11. 前記エンタングラは前記量子コンピュータにおける前記キュービットをエンタングルする一連のゲートである、請求項8ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記エンタングラにおける前記ゲートは、試行状態準備のために並列化を使用して動作する、請求項11に記載の方法。
  13. 同じテンソル積基底の組に属する複数のハミルトニアン項の測定のために、マイクロ波パルスを使用して実装された単一キュービット後回転の固有の組が使用される、請求項8ないし12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記キュービット状態の各読み出し後に前記量子コンピュータの前記キュービットをリセットすることであって、前記リセットは前記量子コンピュータにリセット・パルスを送信することを含む、前記リセットすることと、
    各後回転の前に前記キュービットを基底状態に初期設定することと
    をさらに含む、請求項8ないし13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 量子コンピューティング・デバイスであって、 複数のキュービットと、
    各共振器が対応するキュービットのための制御信号を受信し、対応する前記キュービットのキュービット状態を表す読み出し信号を送信するように構成された、前記キュービットのそれぞれに対応する複数の共振器と
    を備えており、
    前記量子コンピューティング・デバイスは、変分量子固有値ソルバ(VQE)のための試行状態を生成し、ここで、前記試行状態は、波形と、振幅と時間とによってパラメータ化されるマイクロ波パルスを使用して生成される、前記生成は、
    前記共振器によって、試行状態を準備する制御パルスを受信することと、
    前記試行状態を準備するために任意の単一キュービット回転とエンタングラ動作とのインターリーブされたシーケンスを使用して、前記キュービットの少なくともサブセット間のエンタングル相互作用を規定するエンタングラを設定することと、
    前記共振器によって、ハミルトニアンのパウリ項に関連付けられた後回転後のキュービット状態を読み出すことであって、前記読み出しが推定エネルギー状態を計算するための選択されたサンプル数Sについて実行される、前記読み出すことと、
    前記推定エネルギー状態が期待エネルギー状態で集束しないことに応答して、前記マイクロ波パルスが前記キュービットに送られる角度を更新することによって前記VQEについての前記特定の試行状態を最適化し、そして、該更新された角度を使用して前記VQEのための新たな試行状態に更新するために制御信号を受信することと
    を含む、前記量子コンピューティング・デバイス。
  16. 各反復が前記VQEのための前記試行状態を更新する、選択されたN反復回数後に前記推定エネルギー状態が前記期待エネルギー状態で集束しないことに応答して、
    選択された前記サンプル数Sと選択された前記反復回数Nとを増加させる、
    請求項15に記載の量子コンピューティング・デバイス。
  17. 選択された前記N回の反復後に前記推定エネルギー状態が期待エネルギー状態で集束しないことに応答して、前記量子コンピュータに関連付けられた深度dを増加させ、前記深度dは前記試行状態におけるエンタングラの数を示す、請求項15または16に記載の量子コンピューティング・デバイス。
  18. 前記共振器のそれぞれが、対応する前記キュービットをリセットするためのリセット・パルスを受信するように構成された、請求項15ないし17のいずれか1項に記載の量子コンピューティング・デバイス。
  19. 前記エンタングラにおけるゲートが試行状態準備のために並列化を使用して動作する、請求項16ないし18のいずれか1項に記載の量子コンピューティング・デバイス。
  20. 複数のキュービットを含む量子コンピュータを使用する変分量子固有値ソルバ(VQE)のために試行状態を生成するためのコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・プログラムは、
    処理回路によって読み取り可能であって、請求項8ないし14のいずれか1項に記載の方法を行うための前記処理回路による実行のための命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む、前記コンピュータ・プログラム。
  21. コンピュータ可読媒体に記憶され、デジタル・コンピュータの内部メモリにロード可能なコンピュータ・プログラムであって、前記プログラムがコンピュータ上で実行されると、請求項8ないし14のいずれか1項に記載の方法を行うソフトウェア・コード部分を含む、前記コンピュータ・プログラム。
JP2020515955A 2017-09-22 2017-12-04 量子コンピューティング・マシンのための高ハードウェア効率変分量子固有値ソルバを実現するためのシステム、方法、量子コンピューティング・デバイスおよびコンピュータ・プログラム Active JP7149504B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762561840P 2017-09-22 2017-09-22
US62/561,840 2017-09-22
US15/720,577 US10332023B2 (en) 2017-09-22 2017-09-29 Hardware-efficient variational quantum eigenvalue solver for quantum computing machines
US15/720,577 2017-09-29
PCT/EP2017/081370 WO2019057317A1 (en) 2017-09-22 2017-12-04 SOLVENT OF EQUIVALENT VARIATIONAL EFFICIENT EQUIVALENT QUANTUM VALUES FOR QUANTUM COMPUTING DEVICES

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020534607A JP2020534607A (ja) 2020-11-26
JP7149504B2 true JP7149504B2 (ja) 2022-10-07

Family

ID=65807630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020515955A Active JP7149504B2 (ja) 2017-09-22 2017-12-04 量子コンピューティング・マシンのための高ハードウェア効率変分量子固有値ソルバを実現するためのシステム、方法、量子コンピューティング・デバイスおよびコンピュータ・プログラム

Country Status (5)

Country Link
US (2) US10332023B2 (ja)
EP (1) EP3685322A1 (ja)
JP (1) JP7149504B2 (ja)
CN (1) CN111095307A (ja)
WO (1) WO2019057317A1 (ja)

Families Citing this family (81)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2881033C (en) 2015-02-03 2016-03-15 1Qb Information Technologies Inc. Method and system for solving lagrangian dual of a constrained binary quadratic programming problem
US11797641B2 (en) 2015-02-03 2023-10-24 1Qb Information Technologies Inc. Method and system for solving the lagrangian dual of a constrained binary quadratic programming problem using a quantum annealer
US10332023B2 (en) * 2017-09-22 2019-06-25 International Business Machines Corporation Hardware-efficient variational quantum eigenvalue solver for quantum computing machines
US10996979B2 (en) * 2017-09-29 2021-05-04 International Business Machines Corporation Job processing in quantum computing enabled cloud environments
WO2019070265A1 (en) 2017-10-05 2019-04-11 Google Llc LOW-DIMENSIONAL RESONATOR IN RETURNED CHIP GEOMETRY
US10452990B2 (en) * 2017-11-28 2019-10-22 International Business Machines Corporation Cost function deformation in quantum approximate optimization
CA3085866A1 (en) * 2017-12-15 2019-06-20 Google Llc Refining qubit calibration models using supervised learning
GB201801517D0 (en) * 2018-01-30 2018-03-14 River Lane Res Ltd A method of determining a state energy
US10838792B1 (en) * 2018-03-07 2020-11-17 Quantum Benchmark, Inc. Systems and methods for reconstructing noise from pauli fidelities
CA3093230C (en) * 2018-04-20 2024-05-14 Google Llc Techniques for obtaining accurate diagonal electronic structure hamiltonians
GB201807973D0 (en) * 2018-05-16 2018-07-04 River Lane Res Ltd Estimating an energy level of a physical system
CA3102199A1 (en) * 2018-05-31 2019-12-05 Oti Lumionics Inc. Methods and systems for solving a problem on a quantum computer
US11450760B2 (en) 2018-06-20 2022-09-20 equal1.labs Inc. Quantum structures using aperture channel tunneling through depletion region
US10861940B2 (en) 2018-06-20 2020-12-08 equal1.labs Inc. Semiconductor process for quantum structures with staircase active well incorporating shared gate control
US10800654B2 (en) 2018-06-20 2020-10-13 equal1.labs Inc. Semiconductor controlled quantum swap interaction gate
US10903413B2 (en) 2018-06-20 2021-01-26 Equal!.Labs Inc. Semiconductor process optimized for quantum structures
US10845496B2 (en) 2018-06-20 2020-11-24 equal1.labs Inc. Multistage semiconductor quantum detector circuit incorporating anticorrelation
US10873019B2 (en) 2018-06-20 2020-12-22 equal1.labs Inc. Topological programmable scalable quantum computing machine utilizing chord line quasi unidimensional aperature tunneling semiconductor structures
US10868119B2 (en) 2018-06-20 2020-12-15 equal1.labs Inc. Semiconductor quantum structures using preferential tunneling through thin insulator layers
US10854738B2 (en) 2018-06-20 2020-12-01 equal1.labs Inc. Semiconductor process for quantum structures with staircase active well
US11423322B2 (en) 2018-06-20 2022-08-23 equal1.labs Inc. Integrated quantum computer incorporating quantum core and associated classical control circuitry
US11568293B2 (en) 2018-07-18 2023-01-31 Accenture Global Solutions Limited Quantum formulation independent solver
WO2020090559A1 (ja) * 2018-11-04 2020-05-07 株式会社QunaSys ハミルトニアンの励起状態を求めるための方法及びそのためのプログラム
US11645568B2 (en) * 2019-01-25 2023-05-09 IonQ, Inc. Techniques for controlling small angle Mølmer-Sørensen gates and for handling asymmetric SPAM errors
US11120359B2 (en) * 2019-03-15 2021-09-14 Microsoft Technology Licensing, Llc Phase estimation with randomized hamiltonians
WO2020223850A1 (en) * 2019-05-05 2020-11-12 Supreme Qi Pte Ltd System and method for quantum circuit simulation
CN110210073B (zh) * 2019-05-10 2022-03-08 腾讯科技(深圳)有限公司 量子噪声过程分析方法、装置、设备及存储介质
CA3137703A1 (en) * 2019-05-13 2020-11-19 Takeshi Yamazaki Methods and systems for quantum computing enabled molecular ab initio simulations
US11586702B2 (en) * 2019-05-23 2023-02-21 IonQ, Inc. Noise reduced circuits for superconducting quantum computers
JP7302852B2 (ja) * 2019-06-06 2023-07-04 株式会社QunaSys 開放量子系のための量子情報処理方法、古典コンピュータ、量子コンピュータ、量子情報処理プログラム、及びデータ構造
EP3983961A4 (en) 2019-06-14 2023-06-21 Zapata Computing, Inc. HYBRID QUANTUM-CLASSICAL COMPUTER FOR BAYESIAN INFERENCE WITH MAXIMUM PROBABILITY FUNCTIONS FOR ROBUST AMPLITUDE ESTIMATION
WO2020255076A1 (en) 2019-06-19 2020-12-24 1Qb Information Technologies Inc. Method and system for mapping a dataset from a hilbert space of a given dimension to a hilbert space of a different dimension
ES2976285T3 (es) * 2019-06-25 2024-07-29 Parity Quantum Computing GmbH Método de cálculo de una solución a un problema computacional utilizando un sistema cuántico y aparato para calcular soluciones a problemas computacionales
US11748648B2 (en) * 2019-07-01 2023-09-05 International Business Machines Corporation Quantum pulse optimization using machine learning
CN110516811B (zh) * 2019-08-30 2023-04-18 南方科技大学 一种量子态确定方法、装置、设备和存储介质
US11886379B2 (en) * 2019-09-13 2024-01-30 The University Of Chicago System and method of partial compilation with variational algorithms for quantum computers
US11550872B1 (en) * 2019-10-15 2023-01-10 Google Llc Systems and methods for quantum tomography using an ancilla
US11636372B2 (en) * 2019-11-07 2023-04-25 International Business Machines Corporation Phase-robust matched kernel acquisition for qubit state determination
US11294986B2 (en) 2019-11-22 2022-04-05 International Business Machines Corporation Iterative energy-scaled variational quantum eigensolver
EP4070205A4 (en) 2019-12-03 2024-05-01 1QB Information Technologies Inc. SYSTEM AND METHOD FOR ACCESSING A PHYSICS-INSPIRED COMPUTER AND A PHYSICS-INSPIRED COMPUTER SIMULATOR
US11687815B2 (en) 2019-12-16 2023-06-27 International Business Machines Corporation Estimation of an expected energy value of a Hamiltonian
GB2591101A (en) * 2020-01-14 2021-07-21 Rahko Ltd A method for identifying a valid energy state
CN111275196B (zh) * 2020-01-15 2023-06-30 山东浪潮科学研究院有限公司 一种超导量子计算单比特门序列的优化方法及设备、介质
US10956829B1 (en) 2020-01-29 2021-03-23 International Business Machines Corporation Simultaneously driving adjacent qubit pairs
US11537927B2 (en) 2020-02-14 2022-12-27 International Business Machines Corporation Quantum readout error mitigation by stochastic matrix inversion
US20210287124A1 (en) * 2020-03-10 2021-09-16 1Qb Information Technologies Inc. Method and system for estimating physical quantities of a plurality of models using a sampling device
EP3886003A1 (en) * 2020-03-25 2021-09-29 Terra Quantum AG Method, apparatus and computer program product for determining the component of a magnetic field in a predetermined direction
US11922275B2 (en) * 2020-06-19 2024-03-05 ARIZONA BOARD OF REGENTS on behalf of THE UNIVERSITY OF ARIZONA, A BODY CORPORATE System and method for determining a perturbation energy of a quantum state of a many-body system
WO2022008556A1 (en) 2020-07-08 2022-01-13 Banco Bilbao Vizcaya Argentaria, S.A. Method for optimizing a computing process in a classical binary processor
CN111865588B (zh) * 2020-08-07 2022-12-02 西藏民族大学 一种高效量子秘密信息互换方法、系统及存储介质
WO2022087143A1 (en) * 2020-10-20 2022-04-28 Zapata Computing, Inc. Parameter initialization on quantum computers through domain decomposition
GB2600697A (en) * 2020-11-03 2022-05-11 River Lane Res Ltd Methods and apparatus for improving signal-to-noise performance in quantum computation
US20220147667A1 (en) * 2020-11-06 2022-05-12 International Business Machines Corporation Generalization of a quantum imaginary time evolution process and simulation by tensor networks
US20220147314A1 (en) 2020-11-12 2022-05-12 equal1.labs Inc. System and method of quantum stochastic rounding using silicon based quantum dot arrays
EP4250185A4 (en) 2020-11-20 2023-12-13 Fujitsu Limited QUANTUM CALCULATION CONTROL PROGRAM, QUANTUM CALCULATION CONTROL METHOD, AND INFORMATION PROCESSING DEVICE
CN112541590B (zh) * 2020-12-10 2021-09-14 北京百度网讯科技有限公司 量子纠缠探测方法、装置、电子设备及存储介质
CN112819170B (zh) * 2021-01-22 2021-11-05 北京百度网讯科技有限公司 控制脉冲生成方法、装置、系统、设备及存储介质
CN112819169B (zh) * 2021-01-22 2021-11-23 北京百度网讯科技有限公司 量子控制脉冲生成方法、装置、设备及存储介质
WO2022165364A1 (en) * 2021-02-01 2022-08-04 University Of Chicago Photon-number dependent hamiltonian engineering for resonators
US20220292381A1 (en) * 2021-03-12 2022-09-15 International Business Machines Corporation Entanglement forging for quantum simulations
CN113297531B (zh) * 2021-04-21 2022-09-02 广西大学 一种完美相位估计下直流潮流方程的求解方法
CN113379057B (zh) * 2021-06-07 2022-04-01 腾讯科技(深圳)有限公司 量子体系基态能量估计方法及系统
EP4352664A1 (en) 2021-06-11 2024-04-17 Seeqc Inc. System and method of flux bias for superconducting quantum circuits
CN113517040B (zh) * 2021-07-12 2022-03-15 北京百度网讯科技有限公司 量子本征求解器的实现方法、装置及电子设备
CN113688995B (zh) * 2021-08-06 2023-09-26 北京量子信息科学研究院 一种量子系统控制方法和装置
CN113935491B (zh) * 2021-10-20 2022-08-23 腾讯科技(深圳)有限公司 量子体系的本征态获取方法、装置、设备、介质及产品
CN114037084B (zh) * 2021-11-05 2022-11-25 北京百度网讯科技有限公司 量子测量设备校准方法及装置、电子设备和介质
CN114202117B (zh) * 2021-12-07 2022-06-28 北京量子信息科学研究院 数据处理方法、装置、计算机设备和存储介质
CN114358301B (zh) * 2021-12-24 2024-08-27 清华大学 全量子分子信息处理方法、装置、计算机设备及存储介质
CN114418103B (zh) * 2022-01-14 2023-04-18 北京百度网讯科技有限公司 基态能量的确定方法、装置、设备及存储介质
JPWO2023175703A1 (ja) 2022-03-15 2023-09-21
EP4254226A1 (en) * 2022-03-28 2023-10-04 Microsoft Technology Licensing, LLC System optimisation methods
EP4290421A1 (en) 2022-06-08 2023-12-13 Molecular Quantum Solutions ApS Method of performing a quantum computation
EP4290420A1 (en) 2022-06-08 2023-12-13 Molecular Quantum Solutions ApS Method of performing a quantum computation
CN115271083B (zh) * 2022-07-26 2023-05-30 北京大学 一种量子门噪声定标方法及装置
CN115630701B (zh) * 2022-08-31 2024-07-12 北京百度网讯科技有限公司 系统的特征信息确定方法、装置、电子设备和介质
CN115526328B (zh) * 2022-09-26 2023-05-30 北京大学 一种基于模拟量子器件计算系统本征值的方法及装置
WO2024069839A1 (ja) * 2022-09-29 2024-04-04 富士通株式会社 推定プログラム、情報処理装置および機械学習方法
CN115660094B (zh) * 2022-10-17 2023-06-23 北京百度网讯科技有限公司 含耦合器超导量子比特结构的特征参数确定方法及装置
WO2024153578A1 (en) * 2023-01-16 2024-07-25 Basf Se Apparatus for providing control signals for controlling a quantum computer
CN117236450B (zh) * 2023-09-15 2024-08-30 北京百度网讯科技有限公司 量子纠缠资源调度方法、装置及电子设备

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016126979A1 (en) 2015-02-06 2016-08-11 Northrop Grumman Systems Corporation Flux control of qubit under resonant excitation

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011163245A2 (en) 2010-06-21 2011-12-29 Spectral Associates, Llc Methodology and its computational implementation for quantitative first-principles quantum-mechanical predictions of the structures and properties of matter
JP2012026738A (ja) * 2010-07-20 2012-02-09 Nec Corp パラメトリック発振を用いた位相検出器
CA2840958C (en) * 2011-07-06 2018-03-27 D-Wave Systems Inc. Quantum processor based systems and methods that minimize an objective function
US9424526B2 (en) * 2013-05-17 2016-08-23 D-Wave Systems Inc. Quantum processor based systems and methods that minimize a continuous variable objective function
US10068180B2 (en) 2013-06-07 2018-09-04 D-Wave Systems Inc. Systems and methods for operating a quantum processor to determine energy eigenvalues of a hamiltonian
CN109871259A (zh) 2013-08-16 2019-06-11 运软网络科技(上海)有限公司 一种仿脑计算虚拟化的方法和系统
US10318607B2 (en) * 2015-03-27 2019-06-11 Hitachi, Ltd. Computer and computing program
US10332023B2 (en) 2017-09-22 2019-06-25 International Business Machines Corporation Hardware-efficient variational quantum eigenvalue solver for quantum computing machines

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016126979A1 (en) 2015-02-06 2016-08-11 Northrop Grumman Systems Corporation Flux control of qubit under resonant excitation

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
KANDALA, Abhinav, et al.,Hardware-efficient Quantum Optimizer for Small Molecules and Quantum Magnets,arXiv,米国,arXiv,2017年04月17日,v1,https://arxiv.org/abs/1704.05018v1,[online], [retrieved on 2021.6.30]
PERUZZO, Alberto, et al.,A variational eigenvalue solver on a quantum processor,arXiv,米国,arXiv,2013年04月10日,https://arxiv.org/abs/1304.3061v1,[online], [retrieved on 2021.6.30]

Also Published As

Publication number Publication date
CN111095307A (zh) 2020-05-01
US20190251466A1 (en) 2019-08-15
WO2019057317A1 (en) 2019-03-28
US10839306B2 (en) 2020-11-17
US10332023B2 (en) 2019-06-25
JP2020534607A (ja) 2020-11-26
US20190095811A1 (en) 2019-03-28
EP3685322A1 (en) 2020-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7149504B2 (ja) 量子コンピューティング・マシンのための高ハードウェア効率変分量子固有値ソルバを実現するためのシステム、方法、量子コンピューティング・デバイスおよびコンピュータ・プログラム
US11551133B2 (en) Preparing correlated fermionic states on a quantum computer
CN109643326B (zh) 有效减少在量子硬件上模拟费米子哈密顿量所需资源
JP6918980B2 (ja) 量子コンピューティングシステム内の演算子平均化
Yung et al. Introduction to quantum algorithms for physics and chemistry
US10755193B2 (en) Implementation of error mitigation for quantum computing machines
Yeter-Aydeniz et al. Scattering in the Ising model with the quantum Lanczos algorithm
Coopmans et al. Predicting gibbs-state expectation values with pure thermal shadows
Yung et al. Simulation of classical thermal states on a quantum computer: A transfer-matrix approach
CN115244549A (zh) 用于量子化学的量子计算机上资源优化的费米子局部模拟的方法和设备
WO2021154350A2 (en) Quantum generative models for sampling many-body spectral functions
JP2023550324A (ja) 量子誤差軽減ための仮想抽出
Lin et al. On the freedom in representing quantum operations
Chan et al. Algorithmic shadow spectroscopy
Yeter-Aydeniz et al. Collective neutrino oscillations on a quantum computer
Weaving et al. A stabilizer framework for the contextual subspace variational quantum eigensolver and the noncontextual projection ansatz
Chakraborty Implementing any linear combination of unitaries on intermediate-term quantum computers
US12056577B1 (en) Accelerating hybrid quantum/classical algorithms
US11550872B1 (en) Systems and methods for quantum tomography using an ancilla
WO2021195783A1 (en) Method of simulating a quantum computation, system for simulating a quantum computation, method for issuing a computational key, system for issuing a computational key
Somma et al. Shadow Hamiltonian Simulation
Shang et al. Rapidly Achieving Chemical Accuracy with Quantum Computing Enforced Language Model
US20240289679A1 (en) Modeling Exponentially Large Classical Physical Systems using Quantum Computing
Anderson et al. Full configuration interaction quantum Monte Carlo for coupled electron-boson systems and infinite spaces
US20230236873A1 (en) Quantum proccess parallelization

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200422

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200423

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20211007

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211007

RD12 Notification of acceptance of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7432

Effective date: 20211007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220411

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220411

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20220502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220912

RD14 Notification of resignation of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7434

Effective date: 20220912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220914

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7149504

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150