JP7148797B2 - 希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法、希土類アルミン酸塩蛍光体及び発光装置 - Google Patents
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Description
そこで、粒径が大きい希土類アルミン酸塩蛍光体が得られる製造方法、希土類アルミン酸塩蛍光体及び発光装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、結晶子径が200Å以上1600Å以下の範囲内である酸化セリウムと、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素Lnを含む化合物と、Alを含む化合物と、必要に応じてGa及びScからなる群から選択される少なくとも一種の元素M1を含む化合物とを原料として、前記希土類元素Lnとセリウムの合計のモル比が3となり、Alと前記元素M1の合計のモル比が0.95以上1.05以下の変数kと5の積となり、セリウムのモル比が0.005以上0.050以下の変数nと3の積となり、前記元素M1のモル比が0以上0.02以下の変数mと前記変数kと5の積となるように、前記各原料を準備することと、
前記原料の混合物を熱処理して、焼成物を得ることを含む希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法である。
希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法は、結晶子径が200Å以上1600Å以下の範囲内である酸化セリウムと、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素Lnを含む化合物と、Alを含む化合物と、必要に応じてGa及びScから選択される少なくとも一種の元素M1を含む化合物を原料として、希土類元素Lnとセリウムの合計のモル比が3となり、Alと元素M1の合計のモル比が0.95以上1.05以下の変数kと5の積となり、セリウムのモル比が0.005以上0.050以下の変数nと3の積となり、前記元素M1のモル比が0以上0.02以下の変数mと前記変数kと5の積となるように前記原料を準備することと、前記原料の混合物を熱処理して、焼成物を得ることを含む。
酸化セリウム
酸化セリウムは、希土類アルミン酸塩蛍光体の賦活元素となるCeの原料として用いられる。酸化セリウムの結晶子径が200Å以上1600Å以下の範囲内であると、酸化セリウムの個々の粒子が他の原料の粒子と接触しやすくなり、酸化セリウムがフラックスとしても作用する。酸化セリウムの結晶子径が200Å以上1600Å以下の範囲内であると、酸化セリウムを含む原料の反応性が良くなり、得られる希土類アルミン酸塩蛍光体の結晶成長が促進され、粒径の大きい蛍光体を得ることができる。原料として用いる酸化セリウムの結晶子径は、好ましくは200Å以上1550Å以下の範囲内であり、より好ましくは250Å以上1500Å以下の範囲内である。結晶子径は、単結晶とみなせる集まりの大きさを表す。結晶子径の数値が大きいほど、結晶性が良い。原料である酸化セリウムの結晶子径が小さすぎると、結晶性が低いため、酸化セリウムがフラックスとして作用し難く、得られる蛍光体の結晶成長が促進されない。原料である酸化セリウムの結晶子径が大きすぎると、反応性が低下し、粒径の大きい蛍光体を得難い場合がある。
X線回折装置を用いて試料のXRDパターンを測定する。
標準試料を用いることなく物理的な普遍定数から定量分析を行うことが可能なファンダメンタル・パラメータ(Fundamental Parameter)法を用いた解析ソフトウェアを使用して回折ピーク形状を計算し、ICDD(International Center for Diffraction Data、国際回折データセンター)のデーターベースを用いて結晶構造モデルのXRD(X-ray Diffraction)パターンをシミュレートする。
試料を測定して得られたXRDパターンと、結晶構造モデルから得られるXRDパターンとをフィッティングし、残差が最小となるように最小二乗法で最適化するリートベルト(Rietveld)法を使用して得られた数値から試料の結晶子径を測定する。酸化セリウムのデータは、ICDDカードNo.00-004-0593を用い、Y3Al5O12単相のデータは、ICDDカードNo.01-071-0255用い、Lu3Al5O12単相のデータは、ICDDカードNo.01-080-4982を用いることができる。
酸化セリウム以外の希土類アルミン酸塩蛍光体の原料は、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素Lnを含む化合物、Alを含む化合物、及び必要に応じてGa及びScからなる群から選択される少なくとも一種の元素M1を含む化合物を用いることができる。これらの化合物と、結晶子径が200Å以上1600Å以下の範囲内の酸化セリウムを原料として準備し、各原料に含まれるCe、希土類元素Ln、Al、及び必要に応じてGa及びScからなる群から選択される少なくとも一種の元素M1が特定の範囲のモル比となるように原料を混合する。希土類元素Lnは、好ましくはY、Lu及びTbからなる群から選択される少なくとも一種を含み、より好ましくはY及びLuから選択される少なくとも一種を含み、さらに好ましくはYを含む。希土類元素Lnが、Yを含む場合には、黄色を含む発光スペクトルを有する希土類アルミン酸塩蛍光体を得ることができる。
金属塩としては、例えば、シュウ酸塩、炭酸塩、塩化物、硝酸塩又は硫酸塩が挙げられる。原料として用いる化合物は、水和物の形態であってもよい。
酸化物としては、具体的には、Y2O3、La2O3、Lu2O3、Gd2O3、Tb4O7、CeO2、Al2O3、Ga2O3、Sc2O3が挙げられる。
金属塩としては、具体的には、YCl3、Y2(C2O4)3、Y2(CO3)3、Y(NO3)3、Y2(SO4)3、LaCl3、La2(C2O4)3、La2(CO3)3、La(NO3)3、La2(SO4)3、LuCl3、Lu2(C2O4)3、Lu(NO3)3、Lu2(SO4)3、GdCl3、TbCl3、CeCl3、Ce2(SO4)3、AlCl3、Al(NO3)3、Al2(SO4)3、GaCl3、Ga(NO3)3、ScCl3、Sc(NO3)3が挙げられる。
混合物は、仕込み組成として、希土類元素LnとCeの合計のモル比が3であり、Alと元素M1の合計のモル比が0.95以上1.05以下の変数kと5の積となり、Ceのモル比が0.005以上0.050以下の変数nと3の積となるように各原料を調節して混合する。変数nは、好ましくは0.008以上0.045以下の範囲内の数値であり、より好ましくは0.009以上0.040以下の範囲内の数値である。
元素M1を含む化合物を用いる場合には、仕込み組成として、元素M1のモル比が0以上0.02以下の変数mと0.95以上1.05以下の変数kと5の積となるように元素M1を含む化合物を調節して混合することが好ましい。混合物には、元素M1を含む化合物が含まれなくてもよい。
(Ln1-nCen)3(Al1-mM1m)5kO12 (I)
(式(I)中、Lnは、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素であり、M1は、Ga及びScから選択される少なくとも一種の元素であり、k、m、nは、それぞれ0.95≦k≦1.05、0≦m≦0.02、0.005≦n≦0.050を満たす数である。)
混合物は、仕込み組成が前記式(I)で表されるように、各原料が混合されていることによって、所望の発光ピーク波長を有し、粒径の大きな希土類アルミン酸塩蛍光体を得ることができる。
希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法は、混合物を熱処理して焼成物を得る工程である。混合物は、黒鉛等の炭素材質、窒化ホウ素(BN)、酸化アルミニウム(アルミナ)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)の材質の坩堝、ボートに配置して熱処理を行うことができる。熱処理は、例えば、電気炉、ガス炉等を使用することができる。
得られた焼成物は、湿式分散し、湿式ふるい、及び沈降分級を含む分散処理工程を行なうことが好ましい。得られた焼成物は、具体的には、湿式分散し、湿式ふるいにより粗大粒子を除去した後、沈降分級を行なって微小粒子を除去することが好ましい。沈降分級は2回以上行なってもよく、沈降分級の回数は、生産性を向上する観点から20回以下であることが好ましい。分散処理によって、得られた焼成物の粒径を揃えることができる。湿式分散に用いる水性媒体としては水を用いることができる。湿式分散には、アルミナボールやジルコニアボール等の分散媒を用いてもよい。また、湿式分散する時間は、生産性を考慮して、好ましくは4時間以上50時間以内であり、さらに好ましくは5時間以上40時間以内である。
得られた焼成物は、酸洗浄処理を行うことが好ましい。焼成物は、分散処理後、酸洗浄処理を行うことがより好ましい。焼成物は酸洗浄処理によって、焼成物の表面に付着している不純物が除去される。酸洗浄には、入手しやすく安価であるため、塩酸水溶液を用いることが好ましい。塩酸水溶液中に含まれる塩酸の濃度は、表面の不純物を除去し、焼成物の結晶構造に影響を与えない濃度であることが好ましく、好ましくは1質量%以上20質量%以下の範囲内であり、より好ましくは5質量%以上18質量%以下の範囲内である。
(Ln1-nCen)3(Al1-mM1m)5kO12 (I)
(式(I)中、Lnは、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素であり、M1は、Ga及びScから選択される少なくとも一種の元素であり、k、m、nは、それぞれ0.95≦k≦1.05、0≦m≦0.02、0.005≦n≦0.050を満たす数である。)
希土類アルミン酸塩蛍光体は、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素Lnと、Ceと、Alと、Oと、必要に応じてGa及びScからなる群から選択される少なくとも一種の元素M1とを含み、組成1モルにおける前記希土類元素LnとCeの合計のモル比が3であり、Ceのモル比が0.005以上0.050以下の変数nと3の積であり、Alと元素M1の合計のモル比が0.95以上1.05以下の変数kと5の積であり、元素M1のモル比が0以上0.02以下の変数mと変数kと5の積であり、Oのモル比が12である組成を有し、FSSS法で測定される平均粒径Dbが22μm以上50μm以下の範囲内であり、平均円相当径Deが26μm以上45μm以下の範囲内である。希土類アルミン酸塩蛍光体は、本発明の第一の実施形態に係る製造方法によって得られたものであることが好ましい。
希土類アルミン酸塩蛍光体は、発光素子と組み合わせることによって、発光素子から発せられた光を変換し、発光素子からの光と希土類アルミン酸塩蛍光体で波長変換された混色光を発する発光装置を構成することが可能となる。発光素子の発光ピーク波長は、350nm以上500nm以下の範囲内であってもよく、380nm以上485nm以下の範囲内であり、390nm以上480nm以下の範囲内であることが好ましい。発光素子として、例えば、窒化物系半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた半導体発光素子を用いることができる。励起光源として半導体発光素子を用いることによって、高効率で入力に対する出力のリニアリティが高く、機械的衝撃にも強い安定した発光装置を得ることができる。
原料として用いる酸化セリウム(CeO2)の熱処理を実施した。熱処理は酸化セリウム(CeO2)をアルミナ坩堝に入れ、大気中、800℃、又は、1200℃まで3℃/分から7℃/分の昇温速度で昇温し、熱処理温度に達した後に加熱をやめて、室温まで降温し、熱処理した酸化セリウムを得た。熱処理前後の酸化セリウムの結晶子径、メジアン径Dmc、BET比表面積を後述する方法で測定した。結果を以下の表1に示す。測定された酸化セリウムのメジアン径Dmcは、0.1μm以下であり、メジアン径Dmcが小さいため、参考値である。
原料の準備
熱処理によって得られた結晶子径が285.0Åの酸化セリウム(CeO2)と、酸化イットリウム(Y2O3)と、酸化アルミニウム(Al2O3)と、酸化ガリウム(Ga2O3)を原料とし、以下の表2に示す仕込み組成となるように秤量した。具体的には、Y:Ce:Al:Ga=2.942:0.058:5:0.05となるように原料を調節して秤量した。各原料をボールミルで混合し、混合物を得た。混合物100質量%に対して、フラックスとしてフッ化バリウム(BaF2)を2.5質量%添加した。
得られた混合物をアルミナ坩堝に入れ、還元性雰囲気において、1500℃で10時間焼成して焼成物を得た。
得られた焼成物と、分散媒であるアルミナボールと、純水とを容器に入れ、回転させながら15時間分散させた。その後湿式ふるいにより、粗大粒子を除去した。次いで、沈降分級を行なって微小粒子を除去した。
沈降分級により得られた第二焼成物を塩酸の濃度が17質量%の塩酸水溶液で酸洗浄し、その後水洗いして、分離乾燥し、酸洗浄処理後の焼成物を実施例1の希土類アルミン酸塩蛍光体として得た。
熱処理によって得られた結晶子径が285.0Åの酸化セリウム(CeO2)と、酸化ルテチウム(Lu2O3)と、酸化アルミニウム(Al2O3)と、酸化ガリウム(Ga2O3)を原料とし、以下の表2に示す仕込み組成となるように秤量した。具体的には、Lu:Ce:Al:Ga=2.917:0.083:5:0.025となるように原料を調節して秤量した。各原料をボールミルで混合し、混合物を得た。混合物100質量%に対して、フラックスとしてフッ化バリウム(BaF2)を4.0質量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体を得た。
熱処理によって得られた結晶子径が285.0Åの酸化セリウム(CeO2)と、酸化イットリウム(Y2O3)と、酸化アルミニウム(Al2O3)と、酸化ガリウム(Ga2O3)を原料とし、以下の表2に示す仕込み組成となるように秤量した。具体的には、Y:Ce:Al:Ga=2.9715:0.0285:5:0.05となるように原料を調節して秤量した。各原料をボールミルで混合し、混合物を得た。混合物100質量%に対して、フラックスとしてフッ化バリウム(BaF2)を2.5質量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体を得た。
熱処理していない、結晶子径が90.8Åの酸化セリウム(CeO2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして希土類アルミン酸塩蛍光体を得た。
熱処理していない、結晶子径が90.8Åの酸化セリウム(CeO2)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして希土類アルミン酸塩蛍光体を得た。
焼成前及び焼成後の酸化セリウムと、実施例及び比較例の希土類アルミン酸塩蛍光体について、X線回折装置(製品名:Ultima IV、株式会社リガク製)を用いてXRD測定(X-ray CuKα、管電圧:40kV、管電流:20mA、走査範囲10°以上70°以下の範囲内(10°≦2θ≦70°)、線源:CuKα、走査軸:2θ/θ、測定方法:FT、係数単位:Counts、ステップ幅:0.02°、係数時間20°/分)を行った。ファンダメンタル・パラメータ法を用いた解析ソフトウェアPDXL(株式会社リガク製)を用いて測定データを読み込み、ICDDのデーターベースを用いて結晶構造モデルのXRDパターンをシミュレートし、測定して得られたXRDパターンと、結晶構造モデルから得られるXRDパターンとをフィッティングし、残差が最小となるように最小二乗法で最適化するリートベルト(Rietveld)法を使用して得られた数値から試料の結晶子径を求めた。酸化セリウムのデータは、ICDDカードNo.00-004-0593を用い、Y3Al5O12単相のデータは、ICDDカードNo.01-071-0255用い、Lu3Al5O12単相のデータは、ICDDカードNo.01-080-4982を用いた。結果は上記表1及び以下の表3に示す。
焼成前及び焼成後の酸化セリウムについて、自動比表面積測定装置(製品名:Macsorb、株式会社マウンテック製)を用いて、BET法によりBET比表面積を測定した。結果を上記表1及び以下の表3に示す。
実施例及び比較例の希土類アルミン酸塩蛍光体について、Fisher Sub-Sieve Sizer Model 95(Fisher Scientific社製)を用いて、気温25℃、相対湿度70%の環境下において、1cm3分の試料を計り取り、専用の管状容器にパッキングした後、一定圧力の乾燥空気を流し、差圧から比表面積を読み取り、FSSS法による平均粒径を算出した。結果を以下の表3に示す。
焼成前又は焼成後の酸化セリウムと、実施例及び比較例の希土類アルミン酸塩蛍光体について、レーザー回折式粒度分布測定装置(製品名:MASTER SIZER3000、MALVERN社製)を用いて、小径側からの体積累積頻度が50%に達する平均粒径(メジアン径)を測定した。結果を上記表1及び以下の表3に示す。
実施例及び比較例の希土類アルミン酸塩蛍光体について、FSSS法による平均粒径Dbに対するメジアン径Dmの粒径比Dm/Dbを算出した。結果を以下の表3に示す。
得られた蛍光体について、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES:Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectroscopy)(製品名:Optima8300、Perkin Elmer社製)により、希土類アルミン酸塩蛍光体を構成する各元素(Y、Lu、Ce、Al、Ga、O)の質量百分率(質量%)を測定し、各元素の質量百分率の値から各元素のモル比を算出した。表3に示したY、Lu、Ce、Al、Ga、Oのモル比は、YとCeの合計のモル比である3を基準とするか、LuとCeの合計のモル比である3を基準として算出した値である。Ceのモル比を、Y又はLuとCeの合計のモル比3で除した値を変数nとした。Gaのモル比をAlとGaの合計のモル比と5と変数kの積で除した値を変数mとした。変数kは5の係数であり、変数kと5の積は、Alと元素M1の合計のモル比である。変数n、変数m、変数kを表3に示す。
実施例及び比較例の希土類アルミン酸塩蛍光体について、量子効率測定装置(製品名:QE-2000、大塚電子株式会社製)を用いて、励起波長450nmの光を各蛍光体に照射し、室温(25℃±5℃)における発光スペクトルを測定し、発光スペクトルが最大となる波長を発光ピーク波長(nm)とし、発光ピーク波長における発光強度を測定した。組成が同じである実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3について、相対発光強度を算出した。具体的には、比較例1の発光強度を100%として実施例1の相対発光強度を求めた。また、比較例2の発光強度を100%として、実施例2の相対発光強度を求めた。比較例3の発光強度を100%として、実施例3の相対発光強度を求めた。結果を以下の表3に示す。
実施例及び比較例の希土類アルミン酸塩蛍光体について、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて、得られたSEM画像を画像解析ソフトウェア(製品名:ImageJ、アメリカ国立衛生研究所製)を用いて、画像解析を行った。ピクセル数が1以下の蛍光体粒子を除き、SEM画像で個々の蛍光体粒子の外形が確認できる20個以上の蛍光体粒子について2値化処理を行い、2値化処理した20個以上のサンプルについて、2値化処理した粒子形状を円と仮定し、その円の面積と等しい正円の直径を円相当径とした。測定したサンプルのうち、円相当径の大きいものから20個選択し、20個のサンプルの円相当径の算術平均値を平均円相当径Deとした。結果を以下の表3に示す。
実施例及び比較例の希土類アルミン酸塩蛍光体について、走査型電子顕微鏡を用いて、得られたSEM画像を画像解析ソフトウェア(製品名:ImageJ、アメリカ国立衛生研究所製)を用いて、画像解析を行った。ピクセル数が1以下の蛍光体粒子を除き、SEM画像で個々の蛍光体粒子の外形が確認できる20個以上の蛍光体粒子について2値化処理を行い、2値化処理した20個以上のサンプルについて、2値化処理した粒子形状を構成するピクセル数と倍率の積を蛍光体粒子の粒子面積とした。測定したサンプルのうち、粒子面積の大きいものから20個選択し、20個のサンプルの粒子面積の算術平均値を平均粒子面積Apとした。
結果を以下の表3に示す。
実施例及び比較例の希土類アルミン酸塩蛍光体について、走査型電子顕微鏡を用いて、SEM画像を得た。図1は、実施例1の希土類アルミン酸塩蛍光体のSEM画像であり、図2は、比較例1の希土類アルミン酸塩蛍光体のSEM画像である。図3は、実施例2の希土類アルミン酸塩蛍光体のSEM画像であり、図4は、比較例2の希土類アルミン酸塩蛍光体のSEM画像である。
Claims (11)
- 700℃以上1300℃以下の温度範囲内で前熱処理を施した 結晶子径が200Å以上1600Å以下の範囲内である酸化セリウムと、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素Lnを含む化合物と、Alを含む化合物と、必要に応じてGa及びScからなる群から選択される少なくとも一種の元素M1を含む化合物を原料として、
前記希土類元素Lnとセリウムの合計のモル比が3となり、Alと前記元素M1の合計のモル比が0.95以上1.05以下の変数kと5の積であり、セリウムのモル比が0.005以上0.050以下の変数nと3の積となり、前記元素M1のモル比が0以上0.02以下の変数mと5と前記変数kの積となるように、前記原料を準備することと、
前記原料の混合物を熱処理して、焼成物を得ることを含む、希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。 - 前記酸化セリウムの結晶子径が200Å以上1550Å以下の範囲内である、請求項1に記載の希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
- 前記前熱処理の温度が、800℃以上1000℃以下の範囲内である、請求項1又は2に記載の希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
- 前記酸化セリウムのBET比表面積が4.2m2/g以上130m2/g以下の範囲内である、請求項1から3のいずれか1項に記載の希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
- 得られる希土類アルミン酸塩蛍光体が、下記式(I)で表される組成を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
(Ln1-nCen)3(Al1-mM1m)5kO12 (I)
(式(I)中、Lnは、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素であり、M1は、Ga及びScから選択される少なくとも一種の元素であり、k、m、nは、それぞれ0.95≦k≦1.05、0≦m≦0.02、0.005≦n≦0.050を満たす数である。) - Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素Lnと、Ceと、Alと、Oと、Ga及びScからなる群から選択される少なくとも一種の元素M1とを含み、組成1モルにおける前記希土類元素LnとCeの合計のモル比が3であり、Ceのモル比が0.005以上0.050以下の変数nと3の積であり、Alと前記元素M1の合計のモル比が0.95以上1.05以下の変数kと5の積であり、前記元素M1のモル比が0を超えて0.02以下の変数mと前記変数kと5の積であり、Oのモル比が12である組成を有し、フィッシャーサブシーブサイザーズ法で測定される平均粒径Dbが22μm以上50μm以下の範囲内であり、平均円相当径Deが26μm以上45μm以下の範囲内であり、前記平均粒径Dbに対するレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定されたメジアン径Dmの粒径比Dm/Dbが0.80以上1.30以下の範囲内である、希土類アルミン酸塩蛍光体。
- 下記式(I)で表される組成を有する、請求項6に記載の希土類アルミン酸塩蛍光体。
(Ln1-nCen)3(Al1-mM1m)5kO12 (I)
(式(I)中、Lnは、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素であり、M1は、Ga及びScから選択される少なくとも一種の元素であり、k、m、nは、それぞれ0.95≦k≦1.05、0<m≦0.02、0.005≦n≦0.050を満たす数である。) - 前記希土類アルミン酸塩蛍光体の平均粒子面積Apが500μm2以上3000μm2以下の範囲内である、請求項6又は7に記載の希土類アルミン酸塩蛍光体。
- 前記希土類アルミン酸塩蛍光体の平均円相当径Deが27μm以上42μm以下の範囲内である、請求項6から8のいずれか1項に記載の希土類アルミン酸塩蛍光体。
- 請求項6から9のいずれか1項に記載の希土類アルミン酸塩蛍光体と、380nm以上485nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子とを備える発光装置。
- 前記発光素子が、半導体レーザーである、請求項10に記載の発光装置。
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