JP7148742B2 - 凍結乾燥産物およびガス充填微小胞懸濁液 - Google Patents

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Description

本発明は、凍結乾燥産物を再構成することによるガス充填微小胞の懸濁液の新規の製造方法、および、前記方法によって取得される懸濁液に関する。
近年における造影剤の迅速な進歩によって、ヒトまたは動物の身体の臓器および組織のコントラスト増強イメージングならびにそれらの治療的処置において有用な複数の異なる組成物および製剤が生産されている。
コントラスト増強超音波イメージング(「CEUS」イメージング)に特に有用である造影剤の1つのクラスには、水性媒体中に分散されたナノおよび/またはマイクロメートルのサイズの気泡の懸濁液が含まれる。ガスは典型的に、例えば乳化剤、油類、増粘剤または糖類を含むフィルム層内にトラップまたは封入される。これらの安定化された気泡(適切な生理学的溶液中に分散される)は一般に当該分野において、典型的にはその調製に用いられる安定化材料によって様々な専門用語で呼ばれ;これらの用語は、例えば、「マイクロスフェア」、「微小気泡」、「マイクロカプセル」または「マイクロバルーン」を含み、ここでは包括的に「ガス充填微小胞」(または「微小胞」)と呼ぶ。
超音波造影剤(「USCA」)は、様々な製造方法によって生産することができる。これらの方法の1つは(例えばWO94/09829を参照)、両親媒性材料(例えばリン脂質および/または脂肪酸)および凍結乾燥保護化合物(例えばポリエチレングリコール)の、有機溶媒中への溶解を必然的に伴い;得られた混合物はそれから、典型的にバイアル内に充填された後に凍結乾燥に曝されて溶媒が除去されて、凍結乾燥産物が取得される。別の方法は(例えばWO2004/069284を参照)、水非混和性有機溶媒と水のマイクロエマルションの調製を必然的に伴い、前記エマルションは、両親媒性材料および凍結乾燥保護化合物を含んでいる。それから、エマルションを(バイアル中への分配の際に)凍結乾燥ステップに曝して、水および溶媒を除去する。
それから、底部に粉末形態の凍結乾燥固形産物を含んでいるバイアルのヘッドスペースに適切なガス(例えばフッ素化ガス)を充填し、最終的に保管のため密封する。使用前に、適切な液体(例えば食塩水)をバイアル中に導入してバイアルを穏やかに振って凍結乾燥産物を溶かすことによって、微小気泡の水性懸濁液が簡単に調製される。
上記方法に従って製造することのできる市販されるUSCAは、BraccoによるSonoVue(登録商標)(または米国ではLumason(登録商標))である。
本出願人は、凍結乾燥産物から再構成されたガス充填微小胞(特に微小気泡)の懸濁液の特性が、凍結乾燥固形産物を製造するためのプロセスの終わりに、最終的な制御された熱処理(すなわち加熱)を導入することによって改善され得ることを観察した。
一態様によれば、本発明は、安定化されたガス充填微小胞の懸濁液の調製に適した凍結乾燥組成物を製造する方法に関し、前記組成物は、(i)前記ガス微小胞を安定化することが可能な両親媒性材料;および(ii)凍結乾燥保護成分を含み、その方法は、以下:
a.前記両親媒性材料および前記凍結乾燥保護成分を溶媒中に含む液体混合物を調製するステップ;
b.液体混合物を凍結乾燥させて前記溶媒を除去し、前記両親媒性材料および前記凍結乾燥保護成分を含む凍結乾燥産物を取得するステップ;および
c.前記凍結乾燥産物を加熱するステップ、を含む。
好ましくは、前記加熱するステップは、前記産物を、35℃よりも高い温度、より好ましくは少なくとも38℃で加熱するステップを含む。加熱温度は、好ましくは50℃未満であり、より好ましくは48℃未満である。
特定の実施態様では、加熱するステップは雰囲気圧で行なわれる。
好ましくは、加熱するステップは、少なくとも8時間、より好ましくは少なくとも12時間続けられる。
別の態様によれば、本発明は、上述の製造方法によって取得される凍結乾燥産物に関する。
別の態様によれば、本発明は、上述の製造方法によって調製される凍結乾燥産物を再構成することによって得られるガス充填微小胞の懸濁液に関し、前記懸濁液は、前記産物を、薬学的に許容できる液体担体と、生理的に許容できるガス存在下で、穏やかに撹拌して混合することによって得られる。
さらなる一態様によれば、本発明は、両親媒性材料によって安定化されたガス充填微小胞の懸濁液を製造する方法に関し、その方法は、
a.上記に説明した製造方法に従って凍結乾燥産物を調製するステップ;および
b.前記産物を、薬学的に許容できる液体担体と、生理的に許容できるガス存在下で穏やかに撹拌して混合することによって再構成させて、ガス充填微小胞の懸濁液を取得するステップ、を含む。
ガス充填微小胞の注入可能な懸濁液を調製する適切な方法は、適切な生理的に許容できるガスの存在下で(例えば、液体-ガス界面において安定化層を形成することによって)、前記微小胞を安定化することが可能な両親媒性材料を含む凍結乾燥産物の、水性担体を用いた再構成を含む。
凍結乾燥産物は、前記両親媒性材料および凍結乾燥保護成分を含む液体混合物を適切な溶媒において凍結乾燥させることによって典型的に得られる。
凍結乾燥プロセスを受ける液体混合物は、当該分野において公知の方法(例えばWO94/09829またはWO2004/069284に開示される)に従って得ることができる。
凍結乾燥のための液体混合物の調製
例えば、WO94/09829によって開示されるプロセスに従って、両親媒性材料を、有機溶媒(例えば第3級ブタノール、ジオキサン、シクロヘキサノール、テトラクロロジフルオロエチレンまたは2-メチル-2-ブタノール)中に、適切な凍結乾燥保護成分とともに分散させる。それから、両親媒性材料と凍結乾燥保護成分とを含む分散物を凍結乾燥に曝して有機溶媒を除去し、その結果、凍結乾燥産物を取得する。
WO2004/069284に開示される代替のプロセスによれば、両親媒性材料を含む組成物を、水非混和性有機溶媒と水のエマルション中に、撹拌下で、好ましくは凍結乾燥保護成分との混合で、分散させてよい。
適切な水非混和性有機溶媒としては、例えば、分岐または直鎖のアルカン類、アルケン類、シクロアルカン類、芳香族炭化水素、アルキルエーテル類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素、ペルフルオロ化炭化水素またはそれらの混合物が含まれる。
エマルションは、水性媒体および溶媒を、両親媒性材料の存在下で、例えば、超音波処理、振とう、高圧均質化、微小混合、膜乳化、高速撹拌または高剪断混合のような当技術分野で知られている任意の適切なエマルション生成技術に曝すことによって得てよい。凍結乾燥保護成分は、エマルションの形成の前または後のいずれかに、例えば、かかる凍結乾燥保護成分を含む水性溶液として添加することができる。そのようにして得られたマイクロエマルションは、両親媒性材料によって囲まれて安定化された溶媒の微小滴を含み、それをそれから、従来の技術に従って凍結乾燥させて凍結乾燥材料を取得し、それを、ガス充填微小胞の懸濁液を調製するために用いることができる。
両親媒性材料
好ましい一実施態様によれば、上記の液体混合物を調製するのに有用な両親媒性材料は、リン脂質を含む。リン脂質は、他の両親媒性分子と同様に、最終的なガス充填微小胞懸濁液において、ガス-水境界界面で材料の安定化フィルムを(典型的に単分子層の形態で)形成することが一般に可能であり、これらの材料は当該分野において「フィルム形成」材料とも呼ばれる。
リン脂質は典型的に、少なくとも1つのリン酸基および少なくとも1つ、好ましくは2つの、親油性長鎖炭化水素基を含む。
適切なリン脂質の例は、1つまたは好ましくは2つの(同一または異なる)脂肪酸残基およびリン酸とグリセロールのエステルを含み、ここで、リン酸残基は続いて、親水性基、例えば、コリン(ホスファチジルコリン-PC)、セリン(ホスファチジルセリン-PS)、グリセロール(ホスファチジルグリセロール-PG)、エタノールアミン(ホスファチジルエタノールアミン-PE)、イノシトール(ホスファチジルイノシトール)などに結合する。たった1つの脂肪酸残基を有するリン脂質のエステルは当該分野において一般に、リン脂質の「リゾ」形態または「リゾリン脂質」と呼ばれる。リン脂質において存在する脂肪酸残基は一般に長鎖脂肪酸であり、典型的に、12~24個の炭素原子(好ましくは14~22個)を含み;脂肪族鎖は、1つまたは複数の不飽和を含んでよく、または好ましくは完全に飽和されている。リン脂質内に含まれる適切な脂肪酸の例は、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸である。好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびアラキジン酸のような飽和脂肪酸が用いられる。
リン脂質のさらなる例は、ホスファチジン酸、すなわち、脂肪酸とグリセロール-リン酸のジエステル;スフィンゴミエリンのようなスフィンゴ脂質、すなわち、脂肪酸とのグリセロールジエステルの残基がセラミド鎖によって置換されたホスファチジルコリンアナログ;カルジオリピン、すなわち、脂肪酸と1,3-ジホスファチジルグリセロールのエステル;ガングリオシドGM1(またはGM2)またはセレブロシドのような糖脂質;糖脂質;スルファチドおよびグリコスフィンゴリピドである。
本明細書において用いられる用語「リン脂質(単数または複数)」は、単独または混合物として用いることのできる天然起源、半合成または合成的に調製された化合物を含む。
天然起源のリン脂質の例は、天然レシチン(ホスファチジルコリン(PC)誘導体)、例えば典型的に、大豆または卵黄レシチンである。
半合成リン脂質の例は、天然起源レシチンの部分的または完全に水素化された誘導体である。好ましいリン脂質は、ホスファチジルコリン、エチルホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールまたはスフィンゴミエリンの脂肪酸ジエステルである。
好ましいリン脂質の例は、例えば、ジラウロイル-ホスファチジルコリン(DLPC)、ジミリストイル-ホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイル-ホスファチジルコリン(DPPC)、ジアラキドイル-ホスファチジルコリン(DAPC)、ジステアロイル-ホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイル-ホスファチジルコリン(DOPC)、1,2ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(エチル-DSPC)、ジペンタデカノイル-ホスファチジルコリン(DPDPC)、1-ミリストイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリン(MPPC)、1-パルミトイル-2-ミリストイル-ホスファチジルコリン(PMPC)、1-パルミトイル-2-ステアロイル-ホスファチジルコリン(PSPC)、1-ステアロイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリン(SPPC)、1-パルミトイル-2-オレイルホスファチジルコリン(POPC)、1-オレイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリン(OPPC)、ジラウロイル-ホスファチジルグリセロール(DLPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジアラキドイルホスファチジル-グリセロール(DAPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジオレオイル-ホスファチジルグリセロール(DOPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)およびそのアルカリ金属塩類、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)およびそのアルカリ金属塩類、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジアラキドイルホスファチジン酸(DAPA)およびそのアルカリ金属塩類、ジミリストイル-ホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、ジオレイルホスファチジル-エタノールアミン(DOPE)、ジアラキドイルホスファチジル-エタノールアミン(DAPE)、ジリノレイルホスファチジルエタノールアミン(DLPE)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジアラキドイルホスファチジルセリン(DAPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、ジパルミトイルスフィンゴミエリン(DPSP)、およびジステアロイルスフィンゴミエリン(DSSP)、ジラウロイル-ホスファチジルイノシトール(DLPI)、ジアラキドイルホスファチジルイノシトール(DAPI)、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(DMPI)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジオレオイル-ホスファチジルイノシトール(DOPI)である。
適切なリン脂質は、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)のような親水性ポリマーをそれに結合させることによって改変されたリン脂質をさらに含む。好ましいポリマー改変リン脂質としては、「ペグ化リン脂質」、すなわち、PEGポリマーに結合されたリン脂質が含まれる。ペグ化リン脂質の例は、ペグ化ホスファチジルエタノールアミン(「PE-PEG」と短縮)、すなわち、親水性エタノールアミン部分が可変の分子量(例えば300~20000ダルトン、好ましくは500~5000ダルトン)のPEG分子に結合したホスファチジルエタノールアミン、例えば、DPPE-PEG(またはDSPE-PEG、DMPE-PEG、DAPE-PEGまたはDOPE-PEG)である。例えば、DPPE-PEG5000は、平均分子量が約5000であるPEGポリマーが付着したDPPEを指す。DPPE-PEG5000の例は、メトキシ基末端PEG誘導体1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-5000]である。
一実施態様では、リン脂質は反応性部分を有してよく、それが、適切な活性成分(例えば標的化リガンド)を有する対応する反応性部分と反応して、前記活性成分を微小胞に結合させ得る。適切な反応性部分の例は、例えば、活性成分に結合したアミノ基と反応することが可能な反応基、例えばイソチオシアネート基(チオカルバミド結合を形成する)、反応性エステル(アミド結合を形成する)、アルデヒド基(アルキルアミン結合に還元されるイミン結合の形成のため);活性成分に結合したチオール基と反応することが可能な反応基、例えば、ハロアセチル誘導体またはマレイミド(チオエーテル結合を形成する);活性成分に結合したカルボン酸基と反応することが可能な反応基、例えばアミンまたはヒドラジド(アミドまたはアルキルアミド結合を形成する)を含む。好ましくは、反応性部分を有する両親媒性化合物は、前述したもののような、親水性ポリマーを有する脂質、好ましくはペグ化リン脂質、例えば、DPPE-PEG2000-マレイミドのようなDPPE-PEG2000である。
特に好ましいリン脂質は、DAPC、DSPC、DPPC、DMPA、DPPA、DSPA、DMPG、DPPG、DSPG、DMPS、DPPS、DSPSおよびエチル-DSPCである。最も好ましいものは、DPPG、DPPSおよびDSPCである。
例えば、DSPS、DPPS、DSPA、DPPA、DSPG、DPPG、エチル-DSPCおよび/またはエチル-DPPCと、DPPEおよび/またはDSPE(ペグ化誘導体を含む)、DPPC、DSPCおよび/またはDAPCの混合物のような、リン脂質の混合物を用いることもできる。
リン脂質は、任意の他の化合物(好ましくは両親媒性)と混合して好適に用いることができる。例えば、コレステロール、エルゴステロール、植物ステロール、シトステロール、ラノステロール、トコフェロール、没食子酸プロピルまたはパルミチン酸アスコルビルのような脂質、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびそれらの誘導体のような脂肪酸、またはブチル化ヒドロキシトルエンおよび/または他の非リン脂質(両親媒性)化合物を、前述のリン脂質の1つまたは複数に、例えば、好ましくは50重量%未満、より好ましくは25%以下までの割合で添加してもよい。リン脂質との混合においてさらなる化合物として特に好ましいものは脂肪酸である。本発明に係る組成物において有用な脂肪酸(飽和または不飽和であってよい)は、カルボン酸部分が末端のC10-C24脂肪族鎖、好ましくはC14-C22、より好ましくはC16-C20脂肪族鎖を含む。適切な飽和脂肪酸の例は、カプリン酸(n-デカン酸)、ラウリン酸(n-ドデカン酸)、ミリスチン酸(n-テトラデカン酸)、パルミチン酸(n-ヘキサデカン酸)、ステアリン酸(n-オクタデカン酸)、アラキジン酸(n-エイコサン酸)、ベヘン酸(n-ドコサン酸)およびn-テトラコサン酸を含む。好ましい飽和脂肪酸は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびアラキジン酸、より好ましくはパルミチン酸である。不飽和脂肪酸の例は、ミリストレイン酸(シス-9-テトラデセン酸)、パルミトレイン酸(シス-9-ヘキサデセン酸)、サピエン酸(シス-6-ヘキサデセン酸)、オレイン酸(シス-9-オクタデセン酸)、リノール酸(シス-9,12-オクタデカジエン酸)、リノレン酸(シス-9,12,15-オクタデカトリエン酸)、ゴンド酸(gondoic)(シス-11-エイコセン酸)、シス-11,14-エイコサジエン酸、シス-5,8,11-エイコサトリエン酸、シス-8,11,14-エイコサトリエン酸、シス-11,14,17-エイコサトリエン酸、アラキドン(シス-8,11,14,17-エイコサテトラエン酸)およびエルカ酸(シス-13-ドコセン酸)を含む。
一実施態様によれば、両親媒性材料の混合物は、DSPC、DPPGおよびパルミチン酸の混合物を含む。
代替の実施態様によれば、前記両親媒性材料は、DSPC、DPPE-PEG5000およびパルミチン酸の混合物を含み、標的化リガンドをさらに含んでもよい。
標的化リガンド
本発明に係る組成物および微小胞は、標的化リガンドを含んでもよい。
用語「標的化リガンド」の意味には、生体内の任意の生物学的または病理学的部位へ向けた、本発明の組成物の微小胞の標的化活性(例えば選択的結合を含む)を有するまたはそれを促進することが可能な任意の化合物、部分または残基が含まれる。標的化リガンドが関連し得る標的は、例えば、心筋組織(心筋細胞(myocardial cell)および心筋細胞(cardiomyocyte)を含む)、膜質組織(内皮および上皮を含む)、薄膜(laminae)、結合組織(間質組織を含む)または腫瘍のような組織;血塊;および、例えば、ペプチドホルモン、神経伝達物質、抗原、補体断片、および免疫グロブリンのための細胞表面受容体、ならびに、ステロイドホルモンのための細胞質受容体のような受容体を含む。
標的化リガンドは、合成、半合成、または天然起源であってよい。標的化リガンドとして作用し得る材料または物質には、例えば、限定されないが、抗体、抗体フラグメント、受容体分子、受容体結合分子、糖タンパク質およびレクチンを含むタンパク質;オリゴペプチドおよびポリペプチドを含むペプチド;ペプチド模倣薬;単糖類および多糖類を含む糖類;ビタミン類;ステロイド、ステロイドアナログ、ホルモン類、補助因子、生物活性剤、ならびに、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを含む遺伝物質が含まれる。
標的化リガンドは、それ自体が化合物であって微小胞の他の成分と混合されてよく、または、微小胞の形成のために用いられる両親媒性分子(典型的にリン脂質)に結合されている化合物であってよい。
1つの好ましい実施態様では、標的化リガンドは、微小胞の安定化エンベロープを形成している両親媒性分子(例えばリン脂質)に共有結合を介して結合され得る。そのような場合、両親媒性分子上に存在する必要のある特定の反応性部位は、上記に詳細に説明したように、それに結合する特定の標的化リガンドに依存する。所望の標的化リガンドに共有結合するためには、微小胞のエンベロープを形成している両親媒性化合物の少なくとも一部は、適切な反応性部分を含み、相補的な機能性を含んでいる標的化リガンドは、公知技術によって、例えば微小胞の両親媒性成分を含んでいる分散物にそれを添加することによって結合される。好ましくは、両親媒性化合物は、前述したもののような親水性ポリマーを有する脂質、好ましくはペグ化リン脂質(例えばDSPE-PEG2000)である。この場合、標的化リガンドは、親水性ポリマー上の適切な反応性部分(例えばDSPE-PEG2000-NH)に結合され、リンカーを介してもよい。両親媒性化合物は、微小胞を調製する前に所望の標的化リガンドと合わせてよく、そのようにして得られた組み合わせを、微小胞の調製に用いてよい。あるいは、標的化リガンドは、微小胞の調製中にそれぞれの両親媒性化合物に結合されてよい(例えば、WO2004/069284に記載されるプロセスの中間マイクロエマルション調製)。さらなる代替として、結合は、反応性部分を有する両親媒性材料を含んでいる形成された微小胞上で行なわれてよい。
代替の実施態様によれば、標的化リガンドは、物理的および/または静電気的な相互作用を介して微小胞と適切に関連してもよい。一例として、相補部分に関して高い親和性および選択性を有する機能性部分が両親媒性分子内に導入されて、相補部分が標的化リガンドに結合され得る。例えば、アビジン(またはストレプトアビジン)部分(ビオチンに関して高い親和性を有する)が、リン脂質(またはペグ化リン脂質)に共有結合され得て、相補ビオチン部分が、適切な標的化リガンド、例えばペプチドまたは抗体内に取り込まれ得る。ビオチン標識標的化リガンドはその結果、アビジン-ビオチン結合システムを用いて、微小胞のアビジン標識リン脂質と関連する。あるいは、リン脂質および標的化リガンドの両方がビオチン部分を備えてよく、続いて、アビジン(2つのビオチン部分を架橋することのできる二機能性成分である)を用いて互いに結合されてよい。リン脂質およびペプチドのビオチン/アビジン結合の例は、上記のUS6,139,819にも開示される。あるいは、ファンデルワールス相互作用、静電気的相互作用および他の関連性プロセスが、両親媒性分子に対する標的化リガンドと関連してよく、または結合してよい。
あるいは、リン脂質は、免疫グロブリン(Ig)のFcドメインに対する特異的な結合に適切なタンパク質、例えば、プロテインA、プロテインG、プロテインA/GまたはプロテインLによって改変されてよい。代替の実施態様によれば、標的化リガンドは、微小胞を形成する成分と混合されて最終的に微小胞構造に取り込まれる化合物、例えば、国際特許出願WO98/18501または99/55383などに開示されるリポペプチドであってよい。
あるいは、標的化リガンドの対応する相補部分と相互作用することが可能な適切な部分を有する化合物(脂質またはポリマーによって改変された脂質)を含んでいる微小胞が最初に製造されてよく;その後に、所望の標的化リガンドが微小胞懸濁液に添加されて、微小胞上の対応する相補部分に結合される。
微小胞が向けられ得る適切な特異的標的の例は、例えば、フィブリンおよび活性化血小板上のGPIIbIIIa結合受容体である。フィブリンおよび血小板は実際のところ、一般に「血栓」内、すなわち、血流内に形成されて血管の閉塞を生じさせ得る凝塊内に存在する。適切な結合ペプチドは、例えば、上記のUS6,139,819に開示される。フィブリン標的化に特異的なさらなる結合ペプチドは、例えば、国際特許出願WO02/055544に開示される。
重要な標的の他の例は、不安定プラーク内の受容体および腫瘍特異的受容体、例えば、キナーゼドメイン領域(KDR)およびVEGF(血管内皮増殖因子)/KDR複合体を含む。KDRまたはVEGF/KDR複合体に適切な結合ペプチドは、例えば、国際特許出願WO03/74005、WO03/084574およびWO2007/067979に開示される。一実施態様では、標的化ペプチドは、WO2007/067979に記載の二量体ペプチド-リン脂質コンジュゲート(リポペプチド)である。
凍結乾燥保護成分
本明細書中に定義される凍結乾燥保護成分は、凍結保護(cryoprotective)および/または溶解保護(lyoprotective)効果を有する化合物である。適切な凍結乾燥保護成分は、例えば、炭水化物、例えば単糖類、二糖類、または多糖類、例えば、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース、ラクトース、ガラクトース、ラフィノース、シクロデキストリン、デキストラン、キトサンおよびその誘導体(例えばカルボキシメチルキトサン、トリメチルキトサン);ポリオール類、例えば糖アルコール類、例えば、ソルビトール、マンニトールまたはキシリトール;または親水性ポリマー、例えばポリオキシアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール(例えばPEG2000、PEG4000またはPEG8000)またはポリプロピレングリコールを含む。一実施態様によれば、前記凍結乾燥保護成分はポリエチレングリコールであり、好ましくはPEG4000である。本明細書において用いられるPEG4000は、当該分野におけるその通常の意味を有し、約4000g/モルの分子量を有するポリエチレングリコールを指し、一般に、前記値付近の+/-10%の変動を有する。
凍結乾燥プロセス
凍結乾燥プロセスのために、両親媒性材料および凍結乾燥保護成分を含む液体混合物(以前に説明した製造プロセスのいずれかに従って得られる)を、典型的に、凍結乾燥器内に入れられたガラスバイアル(例えばDIN8RまたはDIN20R)内にサンプリングする。
凍結乾燥プロセスは一般に、バイアルが急速に深冷されて(deep-cooled)(例えば-35℃~-70℃の温度)、混合物の液体(単数または複数)が凍結され、それから真空(例えば0.1~0.8mbar)に曝される、最初のステップ(一次乾燥)を含み;一次乾燥中に、凍結した液体(単数または複数)(例えば水および/または溶媒)の実質的な全体が、昇華によって、典型的に液体の全量の約95%まで、好ましくは約99%までが除去される。一次乾燥後、残留液体(あり得る間隙水を含む)を、典型的に室温よりも高い温度にて真空下で(好ましくは一次乾燥中に適用されたのと同じ真空を維持することによって)行われる二次乾燥中にさらに除去することができる。二次乾燥中の温度は、好ましくは35℃よりも高くない。二次乾燥は、液体(単数または複数)の残留含有量が、所望の最小値、例えば、残留凍結乾燥産物の総質量に対する水の重量で3%未満(less 3%)(好ましくは1%未満)、または、例えば、残留溶媒(単数または複数)に関して0.01重量%未満、好ましくは0.08%未満に到達したときに止めることができる。
凍結乾燥ステップの完了(すなわち加熱ストップおよび真空除去)の後、凍結乾燥産物は、雰囲気圧下で、本発明に係るさらなる熱処理ステップを受けることができる。本明細書において用いられる用語「雰囲気圧」は、大気圧の通常値を指す(すなわち海面レベルで約103.12kPa、典型的に95~104kPa)。好ましくは、熱処理は、凍結乾燥産物を含んでいるバイアルのヘッドスペースを適切な生理的に許容できるガスで飽和させて、それから栓をして(例えばブチルゴムのようなゴムのストッパーを用いる)、バイアルを密封した後に(例えば、アルミニウムのような金属のクリンプシールを用いる)、密封されたバイアル上で行われる。この場合、バイアルは好ましくは凍結乾燥器から取り出されて、熱処理のために適切なオーブン内に導入される。あるいは、かかる熱処理は、オープンバイアル(好ましくは凍結乾燥器の中に維持される)上で行なうことができ、それから、ガスで飽和させてから、栓/密封される。
適切な生理的に許容できるガスの例は、例えば、SF、C、C10のようなフッ素化ガスを含み、空気または窒素との混合であってもよい。
一実施態様では、ガスSFは、上記に定義されるDSPC、DPPGおよびパルミチン酸を含む両親媒性材料の混合物と組み合わせて用いられる。
別の実施態様では、ガスC10、または窒素とC10の混合物は、上記に定義されるように、DSPC、DPPE-PEG5000およびパルミチン酸を含む両親媒性材料の混合物と組み合わせて用いられ、標的化リガンドをさらに含んでもよい。
他の成分
賦形剤または添加剤のような他の成分が、微小胞の調製のための乾燥製剤中に存在してよく、または、微小胞の安定化エンベロープの形成に必ずしも関与せずに(または部分的にのみ関与して)その再構成のために用いられる水性担体とともに添加されてよい。これらには、例えば、pH調節剤、浸透圧調整剤、増粘剤、乳化剤、充填剤などが含まれ、従来の量で用いられ得る。
ガス充填微小胞の懸濁液
それから、生理的に許容できる(水性)担体を用いて、穏やかに撹拌しながら凍結乾燥産物を再構成することによって、ガス充填微小胞の懸濁液を調製することができる。適切な生理的に許容できる(水性)担体には、例えば、注射用水、食塩水またはグルコース溶液が含まれ、上記に説明した賦形剤または添加剤を含んでもよい。
加熱処理
本発明によれば、凍結乾燥産物(凍結乾燥プロセスの終わりにそれぞれのバイアル内に含まれる)は、加熱処理(または熱処理)のさらなる最終ステップを受けることが有利である。
上述したように、熱処理は好ましくは、生理的に許容できるガスを既に含んでいる密封されたバイアル内の凍結乾燥産物に対して行われ;あるいは、ガスで満たして密封する前にバイアル内の凍結乾燥産物に対して行なうことができる。1つ目の場合では、熱処理は、凍結乾燥器具内または好ましくは別個の加熱デバイス(例えばオーブン)内のいずれかで達成することができる。2つ目の場合は、加熱ステップは好ましくは凍結乾燥(lyophilizing)器具内で行なわれ;その後に、雰囲気を所望のガスで飽和させてバイアルを密封する。
本出願人が観察したように、凍結乾燥産物の前記加熱処理によって、凍結乾燥産物の再構成の際に得られるガス充填微小胞の懸濁液の特性が、驚くべきことに、かかる加熱処理を受けない凍結乾燥産物から得られる懸濁液よりも改善される。
出願人は特に、そのような処理によって、得られる微小胞の耐圧が増大されることを観察した。
凍結乾燥産物は、好ましくは35℃よりも高い温度(例えば36℃)、より好ましくは38℃以上の温度で加熱される。加熱処理の最高温度は一般に、凍結乾燥産物内に含まれる材料に依存する。例えば、かかる温度は、凍結乾燥添加剤として用いられる材料の融点よりも低く、それは、凍結乾燥産物の質量の大部分を形成する成分である(典型的に、微小胞の安定化層を形成する活性成分の重量の50倍から600倍を超えるまで)。例えば、PEG4000は、53~58℃の融解温度を有する。一実施態様によれば、加熱温度は、好ましくは50℃以下である。加熱処理に好ましい温度は、38℃~45℃である。
加熱処理の持続時間は一般に、処理の温度に依存し;典型的に、温度が高ければ高いほど、加熱の持続時間は短くなる。ガス充填微小胞エンベロープを形成する材料(特にリン脂質)は、過剰な温度に曝される時間が長すぎると分解反応を受け得るので(再構成される微小胞の特性に負の結果を及ぼす可能性がある)、加熱処理の持続時間は不必要に長くしない。約8時間の処理持続時間は十分であり得るが(特に、45℃よりも高い温度、例えば48℃と組み合わせて)、加熱処理の持続時間は、好ましくは12時間、例えば20時間まで、より好ましくは14~18時間行われる。特定の場合にはより長い持続時間が適用され得るが(特に、45℃未満、好ましくは42℃未満の温度と組み合わせて)、出願人は、最終的なガス充填微小胞の特性は、さらに改善されるとしてもほんの僅かである(only slightly if not at all further improved)ことを観察しており;したがって、そのような持続時間の増大は、ほとんどの場合において不必要であり、産業規模での製造経済の観点から一般に不都合である。
特定の実施態様では、凍結乾燥産物は、上記に定義したように、リン脂質および脂肪酸の混合物を、凍結乾燥保護成分との混合で含む。本発明の熱処理は、成分のそのような混合物を含むガス充填微小胞の特性を改善するのに特に効果的であることが証明された。
一実施態様によれば、凍結乾燥産物は、凍結乾燥保護成分(例えば、PEG4000のようなポリエチレングリコール)と組み合わせて、DSPC、DPPGおよびパルミチン酸を含む。前記凍結乾燥産物は、好ましくは、約40℃~48℃、特に約45℃(+/-3℃)の温度で、少なくとも8時間、好ましくは約18時間(+/-4時間)加熱される。
本発明の別の実施態様によれば、凍結乾燥産物は、凍結乾燥保護成分(例えば、PEG4000のようなポリエチレングリコール)と組み合わせて、DSPC、DPPE-PEG5000およびパルミチン酸を含む。前記凍結乾燥産物は、約36℃~45℃、特に約39℃(+/-3℃)の温度で、少なくとも8時間、好ましくは約15時間(+/-5時間)加熱される。
さらなる実施態様によれば、DSPC、DPPE-PEG5000およびパルミチン酸の前記混合物は、例えばWO2007/067979に記載されるように、標的化リポペプチドをさらに含む。
上述のように、本発明による凍結乾燥産物の熱処理は、圧力に対するガス充填微小胞の耐性を増大させる。有利に、圧力に対する耐性が増大した微小胞は一般に、注入された時点で血流における時間持続性の増大を示す。
ガス充填微小胞の耐圧性は、実験パラメーター「Pc50」または「臨界圧」を決定することによって評価することができる。
実験部分に詳細に説明するように、ガス充填微小胞の懸濁液のPc50は、微小胞の懸濁液の吸光度が大気圧で測定される懸濁液の吸光度の半分まで低下するのに適用された過剰圧力(大気圧に対して)の値を特定し、前記の適用された過剰圧力は、微小胞の母集団を、最初の母集団(大気圧)に対して実質的に減少させる。実際のところ、微小胞の懸濁液の吸光度の減少は、ガス充填微小胞の最初の母集団の減少に関連し、したがって、最初は乳白色の懸濁液(高濃度の微小胞)は、圧力増加によって次第に透明になる(微小胞の崩壊に起因する濃度減少)。Pc50値が高ければ高いほど、微小胞の耐圧性は高くなる。超音波の診断適用のためには、少なくとも12kPaの最小Pc50値がガス充填微小胞に関して望ましく、好ましくは少なくとも13kPa(約100mmHg)、より好ましくは少なくとも14kPa(105mmHg)である。超音波の治療適用のためには一般に、血流におけるより長い持続性時間が必要であり、少なくとも55kPa(約412mmHg)の最小Pc50値が望ましく、好ましくは、少なくとも70kPa(約525mmHg)、より好ましくは少なくとも80kPa(約600mmHg)であるが、より高いPc50値がさらにより好ましい。
典型的に、本発明による凍結乾燥産物の熱処理は、微小胞の再構成された懸濁液のPc50を、そのような熱処理に曝されていない凍結乾燥産物から得られる再構成された懸濁液のPc50に対して、少なくとも5kPa、好ましくは少なくとも8kPa、より好ましくは少なくとも10kPa増大させる。Pc50のそのような増大は、15kPaまでであってよく、一部の実施態様では25kPaまでである。
一実施態様によれば(例えば、凍結乾燥産物がDSPC、DPPG、パルミチン酸およびPEG4000を含む場合)、本発明による熱処理に曝された凍結乾燥産物から再構成された微小胞の懸濁液は、少なくとも20kPa、好ましくは少なくとも22kPa、より好ましくは少なくとも25kPaのPc50値を有する。
別の実施態様によれば(凍結乾燥産物が、凍結乾燥保護成分、例えばPEG4000などのポリエチレングリコールと組み合わせて、DSPC、DPPE-PEG5000およびパルミチン酸を含む場合)、本発明による熱処理に曝された凍結乾燥産物から再構成された微小胞の懸濁液は、少なくとも少なくとも75kPa、好ましくは少なくとも80kPa、より好ましくは少なくとも90kPaのPc50値を有する。
調剤キット、投与および使用方法
凍結乾燥産物を含むバイアルは、二成分の診断および/または治療キットにおいて、好ましくは注入による投与のために、有利にパッケージングすることができる。キットは、凍結乾燥産物を含んでいるバイアル、および、再構成のための生理的に許容できる水性担体を含んでいる第2のコンテナー(例えばシリンジバレル)を好ましくは備える。
本発明の微小胞は、特に超音波を含む、様々な診断および/または治療技術において用いられ得る。
したがって、本発明の一態様は、本発明による熱処理に曝された凍結乾燥産物から再構成された微小胞の懸濁液の診断方法での使用に関する。
診断方法は、ガス充填微小胞の使用によって、動物(ヒトを含む)の身体の一部(portion)または部位(part)の可視化を増強することが可能になる任意の方法を含み、前臨床および臨床研究目的のためのイメージングを含む。様々なイメージング技術が超音波適用において用いられ得て、例えば、基本およびハーモニックBモードのイメージング、パルスまたは位相反転イメージング、ならびに、基本およびハーモニックドップラーのイメージングを含み;必要に応じて三次元イメージング技術が用いられ得る。
本発明に係る微小胞は典型的に、患者のkgあたり約0.01~約1.0μLのガスの濃度で投与されてよく、例えば、それぞれの組成、イメージングされる組織または臓器および/または選択されるイメージング技術に依存する。この一般的な濃度範囲は、特定のイメージング適用に応じて、例えば、カラー・ドップラーまたは電源パルス反転のような非常に低い用量でシグナルを観察することができる場合は、もちろん変化し得る。
一実施態様では、前記診断方法は、
(i)本発明のプロセスに従って得られる凍結乾燥産物の再構成によって得られるガス充填微小胞の懸濁液を患者へ投与するステップ;および
(ii)前記患者における、関心領域からの超音波シグナルを検出するステップ、
を含む。
一実施態様によれば、ガス充填微小胞の前記懸濁液は、DSPC、DPPG、パルミチン酸およびPEG4000を含む。
凍結乾燥産物の再構成は、好ましくは、生理的に許容できる水性担体、例えば食塩水中に、SFなどの生理的に許容できるガスの存在下で、穏やかに撹拌しながら分散させることによって作製される。
微小胞の前記懸濁液は、好ましくは、少なくとも20kPa、より好ましくは少なくとも22kPa、さらにより好ましくは少なくとも25kPaのPc50値を有する。
一実施態様では、前記診断方法は、特に、左室腔を不透明にするための、および、最適以下の心エコー図を有する成人患者における左心室の心内膜性の境界の描写を改善させるための、心臓の超音波イメージングを含む。
別の実施態様では、前記診断方法は、特に、成人および小児患者における限局性肝臓病変の特性化のための、肝臓の超音波イメージングを含む。
さらなる実施態様では、前記診断方法は、特に、小児患者における疑似または既知の膀胱尿管逆流の評価のための、尿路の超音波イメージングを含む。
前記診断方法の別の実施態様では、ガス充填微小胞の前記懸濁液は、DSPC、DPPE-PEG5000、パルミチン酸を含み、標的化リポペプチドおよびPEG4000を含んでもよい。好ましくは、標的化リポペプチドはVEGF/KDR標的化リポペプチドであり、例えばWO2007/067979に記載される。
あり得る他の診断イメージング適用は、シンチグラフィー、光イメージング、およびX線イメージングを含み、X線位相コントラストイメージングを含む。
本発明の別態様は、本発明による熱処理に曝された凍結乾燥産物から再構成された微小胞の懸濁液の治療的処置の方法での使用に関する。
治療的技術は、患者の任意の治療方法(上記に定義)を含み、それは、超音波およびガス充填微小胞の併用を、それ自体として含み(例えば、超音波によって仲介される血栓溶解、高密度焦点式超音波アブレーション、血液脳関門の透過化、免疫調節、神経調節、放射線増感において)、または、治療剤と組み合わせて含み(すなわち、超音波によって仲介される送達、例えば、選択部位または組織への薬物または生体活性化合物の送達のため、例えば、腫瘍治療、遺伝子療法、感染性疾患の療法、代謝疾患の療法、慢性疾患の療法、変性疾患の療法、炎症性疾患の療法、免疫性または自己免疫性疾患の療法において、または、ワクチンとしての使用において)、したがって、ガス充填微小胞の存在は、例えば、生物学的効果をインビトロおよび/またはインビボで与えるか、または与える要因となることによって、それ自体によって、または様々な物理的方法による特定の活性化の際に(例えば超音波によって仲介される送達を含む)、治療的効果自体を提供し得て、または、適用される超音波の治療的効果を増強することができる。
本発明に係る微小胞は典型的に、例えば、それぞれの組成、治療対象のタイプ、治療される組織または臓器および/または用いられる治療的方法に依存して、患者のkgあたり約0.01~約5.0μLのガスの濃度で治療的目的のために投与することができる。
一実施態様では、超音波の治療的処置の前記方法は、
(i)本発明のプロセスに従って得られる凍結乾燥産物の再構成によって得られるガス充填微小胞の懸濁液を患者へ投与するステップ;
(ii)治療的処置に曝される前記患者における関心領域を同定するステップ(前記関心領域は、ガス充填微小胞の前記懸濁液を含んでいる);および
(iii)前記関心領域を治療的に処置するために超音波ビームを適用するステップ;を含み、
それにより、前記超音波の治療的処置は、前記関心領域におけるガス充填微小胞の前記懸濁液の存在によって増強される。
一実施態様では、ガス充填微小胞の前記懸濁液は、DSPC、DPPE-PEG5000、パルミチン酸を含み、標的化リポペプチドおよびPEG4000を含んでもよい。
凍結乾燥産物の再構成は、好ましくは、生理的に許容できる水性担体、例えば食塩水中に、C10および窒素の混合物のような生理的に許容できるガスの存在下で、穏やかに撹拌しながら分散させることによって作製される。
微小胞の前記懸濁液は、好ましくは、少なくとも84kPa、より好ましくは少なくとも88kPa、さらにより好ましくは少なくとも90kPa、例えば約105kPaまでのPc50値を有する。
さらなる一実施態様では、本発明のガス充填微小胞の懸濁液は、典型的に浮力によって細胞を分離する方法において有利に使用され得る(浮力活性化細胞ソーティング、「BACS」としても知られる)。その方法は、生理学的液体(例えば血液または血漿)中の他の細胞から所望のタイプの細胞を分離するのに有用であり得る。一実施態様では、分離方法は、分離されるべき所望の細胞を、前記細胞上の特異的(および選択的)な受容体に結合することが可能な適切な標識抗体で標識化することを含む。それから、本発明の微小胞を、分離されるべき細胞(標識抗体を有するものを含む)の懸濁液に添加して;細胞の懸濁液と混合された時点で、微小胞は、抗体/細胞構築物に結合された標識化残基とリガンドを介して関連して、したがって、浮力による細胞の分離が可能になる(例えばWO2017/117349を参照)。例えば、標識抗体はビオチン化抗体であり、ビオチン残基は、ガス充填微小胞上のそれぞれの部分、例えばアビジン、ニュートラアビジンまたはストレプトアビジン残基と関連することが可能である。圧力に対する耐性の改善は、細胞を分離するための多種多様の方法における本発明の微小胞の使用を可能にする。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するのを助けるであろう。
材料
DSPC:1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン
DPPG-Na:1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)
DPPE-PEG5000:1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-5000](アンモニウム塩)
PEG4000=ポリエチレングリコール(MW=4000g/mol)
耐圧性(Pc50)の測定
ガス充填微小胞の圧力に対する耐性を、社内で開発した圧力比濁計を用いて評価した。手短には、微小胞懸濁液を、分光光度計サンプルセル内に導入した(加圧システムに気密接続される)。セル内のサンプルに適用される圧力を大気圧(760mmHg、101.3kPa、)から2バールの過剰圧力(2280mmHg、303,9kPa)まで、約4mmHg/s(533Pa/s)の速度で直線的に増加させながら、懸濁液の光学密度(700nmでの吸光度)を連続的に記録する。
それぞれの懸濁液を特徴付けるPc50パラメーター(「臨界圧」)は、微小胞懸濁液の吸光度がその最初の値の半分まで低下する過剰圧力(大気圧に対して)を特定する。
[実施例1]
凍結乾燥産物の調製(バッチ1a~1b)
WO94/09829の実施例において説明される手順を、2つの異なるバッチ(1a~1b)を調製するために用いて、それぞれ、凍結乾燥産物を含んでいる数個のバイアルで構成された。
手短には、DSPC、DPPG-Naおよびパルミチン酸を4.75/4.75/1の重量比で、約5g/Lの濃度でヘキサン/エタノール(8/2、v/v)中に最初に溶解させて、溶媒を真空下で蒸発させた。固形残渣をPEG4000と約0.017:1の重量比で混合して、混合物を約60℃でtert-ブタノール中に溶解させ、澄んだ溶液を用いて、それぞれのDIN8Rバイアルを満たした(対応する容量は混合物を約25mg含む)。それから、バイアルを-45℃で急速に冷却して、それから、凍結した溶媒を昇華によって除去するために真空に曝した。それから、温度を上げて(室温よりも高く、35℃よりも高くない)、残っている溶媒を、0.5重量%未満の最終量まで蒸発させた。凍結乾燥プロセスの最後に、凍結乾燥器の周囲を大気圧にてSFで飽和させて、バイアル(SFと接触して固形凍結乾燥産物を含んでいる)に栓をして密封した。
2つのバッチをこの後の加熱処理実験に用いた。
[実施例2]
凍結乾燥産物の調製(2a~2h)
WO2004/069284の実施例において説明される手順を、8個の異なるバッチ(2a~2h)を調製するために用いて、それぞれ、凍結乾燥産物を含んでいる数個のバイアルから構成された。
手短には、約90mg/lのDSPC、7mg/lのパルミチン酸、60mg/lのDPPE-PEG5000および100g/lのPEG4000を含むシクロオクタンと水のエマルション(約1.5/100v/v)を調製して(Megatron MT3000,Kinematica;10’000rpm)、DIN8Rバイアル中にサンプリングする(約1ml/バイアル)。
実施例1に記載のとおりに、バイアルを、真空下にて-50℃で冷却して、それから、凍結乾燥に曝し、その後に、水および溶媒の完全な除去(0.5重量%未満)まで、室温よりも高い温度で二次乾燥させた。凍結乾燥プロセスの最後に、バイアルのヘッドスペースをC10/Nの35/65混合物で飽和させて、バイアルに栓をして密封する。
異なるバッチ(1a~1h)をこの後の加熱処理実験に用いた。
[実施例3]
実施例1に従って製造されたバッチに対する加熱処理の効果
実施例1に従って調製された様々なバッチのバイアルを異なる加熱処理に曝して、ガス充填微小胞の再構成された懸濁液の特性に対する効果を観察した。
実験3.1
バッチ1aのバイアルを、8時間~1週間の範囲の時間、48℃の加熱温度に曝した(各グループについて5つのバイアル)。それから、バイアル内の産物を5mlの食塩水で再構成して、懸濁液中の微小胞の特性を測定した。結果を以下の表1に報告する。

Figure 0007148742000001
上記結果から推測できるように、未処理の凍結乾燥サンプルに対して、耐圧性の実質的な増大を、8時間の加熱処理の後に観察することができる。かかる耐圧性は、次第にわずかに増加し、1週間の処理の後には最大になる。しかしながら、出願人が観察したように、長すぎる加熱時間は(例えば24時間後、特に48時間よりも長い)、ガス充填微小胞の他の特性、例えば、ガス充填微小胞の合計数、ガスの合計容量および/またはガス充填微小胞の平均サイズに負の影響を及ぼし得る。
実験3.2
第2の実験では、バッチ1bのバイアルを、40℃、45℃および49℃の温度で、12、16または20時間加熱した(各グループについて3個のバイアル、合計27個のバイアル)。それから、バイアル内の産物を5mlの食塩水で再構成して、懸濁液中の微小胞の特性を測定した。結果を以下の表2に報告する。

Figure 0007148742000002
上記データから推測できるように、耐圧性の実質的な増大が、凍結乾燥産物の加熱処理によって得られる(約14kPaの最初の値に対して)。Pc50のより高い増大は一般に、49℃での処理に関して観察され得るが、この温度での処理は、再構成されるガス充填微小胞の他の特性に対して、特に平均サイズ値に対して負の影響を及ぼし得る。
[実施例4]
実施例2に従って製造されたバッチに対する加熱処理の効果
実施例2に従って調製された様々なバッチ(2a~2h)のバイアルを異なる加熱処理に曝して、ガス充填微小胞の再構成された懸濁液の特性に対する効果を観察した。
実験4.1
バッチ2aのバイアルを、40℃または45℃の加熱温度に16時間曝し、または加熱しなかった。それから、バイアル内の産物を5mlの食塩水で再構成して、懸濁液中の微小胞の特性を測定した。結果を以下の表3に報告する。

Figure 0007148742000003
上記データから推測できるように、実施例2の手順に従って製造されたバッチについても加熱処理によって耐圧性の実質的な増大が得られる。
実験4.2
バッチ2bのバイアルを、16~88時間の範囲の時間、40℃の加熱温度に曝し、または加熱しなかった。それから、バイアル内の産物を5mlの食塩水で再構成して、懸濁液中の微小胞の特性を測定した。結果を以下の表4に報告する。

Figure 0007148742000004
上記データから推測できるように、耐圧性の実質的な増大が、40℃での加熱処理によって得られる。16時間の処理の持続時間は、より長い熱処理に起因する微小胞の他の特性に対するあり得る負の効果(例えば、再構成された懸濁液中の大きなサイズの微小胞の増大)を避けるためにも、十分であると一般に考えられる。
実験4.3
バッチ2c~2gのバイアルを、16時間、40℃の加熱温度に曝し、または加熱しなかった。それから、バイアル内の産物を5mlの食塩水で再構成して、懸濁液中の微小胞の特性を測定した。結果を以下の表5に報告する。

Figure 0007148742000005
上記表から推測されるように、様々なバッチから再構成された微小胞の懸濁液について、15kPaを超えて約25kPaまでの耐圧性の増大が凍結乾燥産物の加熱処理後に得られる。
実験4.4
バッチ2hのバイアルを、2~24時間の範囲の時間、38℃で加熱処理に曝した。それから、バイアル内の産物を5mlの食塩水で再構成して、懸濁液中の微小胞の特性を測定した。結果を以下の表6に報告する。

Figure 0007148742000006
上記表から推測されるように、38℃で8~12時間までの増大する時間、凍結乾燥材料を加熱することによって、再構成された懸濁液中の微小胞の増大する耐圧性が得られる。材料のさらなる加熱(16または24時間)は、耐圧性を実質的にさらに増大させない。

Claims (19)

  1. 安定化されたガス充填微小気泡の懸濁液の調製に適した凍結乾燥組成物を製造する方法であって、
    前記組成物は、(i)リン脂質および脂肪酸を含む両親媒性材料;および(ii)凍結乾燥保護成分としてのポリエチレングリコールを含み、
    前記方法は、
    a.前記両親媒性材料および前記凍結乾燥保護成分を溶媒中に含む液体混合物を調製するステップ;
    b.前記液体混合物を凍結乾燥させて前記溶媒を除去し、凍結乾燥産物を取得するステップ;および
    c.ステップbの凍結乾燥の完了後、雰囲気圧で35℃よりも高い温度で、8~20時間の間、前記凍結乾燥産物を加熱するステップ、
    を含む、
    方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記液体混合物は、有機溶媒中に分散された前記両親媒性材料および前記凍結乾燥保護成分を含む、
    方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、
    前記液体混合物は、水非混和性溶媒と水の水性エマルション中に分散された前記両親媒性材料および前記凍結乾燥保護成分を含む、
    方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、
    前記加熱するステップは、38℃以上の温度で行なわれる、
    方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、
    前記加熱するステップは、40℃以上の温度で行なわれる、
    方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、
    前記リン脂質は、ジラウロイル-ホスファチジルコリン(DLPC)、ジミリストイル-ホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイル-ホスファチジルコリン(DPPC)、ジアラキドイル-ホスファチジルコリン(DAPC)、ジステアロイル-ホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイル-ホスファチジルコリン(DOPC)、1,2ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(エチル-DSPC)、ジペンタデカノイル-ホスファチジルコリン(DPDPC)、1-ミリストイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリン(MPPC)、1-パルミトイル-2-ミリストイル-ホスファチジルコリン(PMPC)、1-パルミトイル-2-ステアロイル-ホスファチジルコリン(PSPC)、1-ステアロイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリン(SPPC)、1-パルミトイル-2-オレイルホスファチジルコリン(POPC)、1-オレイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリン(OPPC)、ジラウロイル-ホスファチジルグリセロール(DLPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジアラキドイルホスファチジル-グリセロール(DAPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジオレオイル-ホスファチジルグリセロール(DOPG)およびそのアルカリ金属塩類、ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)およびそのアルカリ金属塩類、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)およびそのアルカリ金属塩類、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジアラキドイルホスファチジン酸(DAPA)およびそのアルカリ金属塩類、ジミリストイル-ホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、ジオレイルホスファチジル-エタノールアミン(DOPE)、ジアラキドイルホスファチジル-エタノールアミン(DAPE)、ジリノレイルホスファチジルエタノールアミン(DLPE)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジアラキドイルホスファチジルセリン(DAPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、ジパルミトイルスフィンゴミエリン(DPSP)、およびジステアロイルスフィンゴミエリン(DSSP)、ジラウロイル-ホスファチジルイノシトール(DLPI)、ジアラキドイルホスファチジルイノシトール(DAPI)、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(DMPI)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、またはジオレオイル-ホスファチジルイノシトール(DOPI)を含む、
    方法。
  7. 請求項に記載の方法であって、
    前記脂肪酸は、カプリン酸(n-デカン酸)、ラウリン酸(n-ドデカン酸)、ミリスチン酸(n-テトラデカン酸)、パルミチン酸(n-ヘキサデカン酸)、ステアリン酸(n-オクタデカン酸)、アラキジン酸(n-エイコサン酸)、ベヘン酸(n-ドコサン酸)、またはn-テトラコサン酸を含む、
    方法。
  8. 請求項に記載の方法であって、
    前記両親媒性材料は、DSPC、DPPGおよびパルミチン酸を含む、
    方法。
  9. 請求項に記載の方法であって、
    前記両親媒性材料は、DSPC、DPPE-PEG5000およびパルミチン酸を含む、
    方法。
  10. 請求項に記載の方法であって、
    前記加熱するステップは、40℃~48℃の温度で少なくとも8時間行なわれる、
    方法。
  11. 請求項に記載の方法であって、
    前記加熱するステップは、36℃~45℃の温度で行なわれる、
    方法。
  12. 請求項の方法であって、
    ステップcにおける前記加熱するステップは、少なくとも12時間行なわれる、
    方法。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記液体混合物は、凍結乾燥器内に入れられたガラスバイアル内にサンプリングされる、
    方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、
    前記ステップbの完了の後、前記凍結乾燥産物を含んでいるバイアルのヘッドスペースを生理的に許容できるガスで飽和させて、それから前記バイアルに栓をして密封するステップ、を含む、
    方法。
  15. ガス充填微小胞の懸濁液の製造方法であって、
    請求項1から14のいずれかの方法によって取得される凍結乾燥産物を、薬学的に許容できる液体担体を用いて、生理的に許容できるガス存在下で穏やかに撹拌して再構成させるステップを含む、
    製造方法。
  16. 診断方法において使用するための、請求項15に記載の方法で製造されるガス充填微小胞の懸濁液であって、前記診断方法は、
    (i)請求項15に記載の方法で製造されるガス充填微小胞の懸濁液を患者へ投与するステップ;および
    (ii)前記患者における関心領域からの超音波シグナルを検出するステップ、を含む、
    懸濁液
  17. 請求項16に記載の懸濁液であって、
    前記診断方法は、心臓の超音波イメージングを含む、
    懸濁液
  18. 請求項16に記載の懸濁液であって、
    前記診断方法は、肝臓の超音波イメージングを含む、
    懸濁液
  19. 請求項16に記載の懸濁液であって、
    前記診断方法は、尿路の超音波イメージングを含む、
    懸濁液
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