JP7143002B2 - 重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体 - Google Patents

重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体に関するものである。
近年、シクロデキストリン誘導体を用い、ホスト-ゲスト相互作用に代表される非共有結合的相互作用を巧みに利用して、様々な機能性を付与した超分子材料の開発が盛んに行われている。例えば、自己修復性を有し、伸縮性に優れる高分子材料や、その原料となるシクロデキストリン誘導体をホスト基とするホスト基含有重合性単量体が提案されている(特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1及び2には、シクロデキストリンとアクリルアミドをパラトルエンスルホン酸触媒存在下にてジメチルホルムアミド(DMF)中で反応させ、アセトン再沈殿で得られた粗体をカラムで精製して収集し、そのモノマーをアセチル化して、アセチル変性体を得る方法が記載されている。しかしながら、このような製造工程では、コストがかりすぎるうえに大量生産が難しい面がある。
また、特許文献3には、ポリエチレングリコールにシクロデキストリンをグラフトした生物活性剤担体が記載されている。
特許文献4、非特許文献1及び2には、エチレンジアミン部位を有するシクロデキストリンにメタクリル基を導入したモノマーが報告されている。しかし、このモノマーはシクロデキストリンの水酸基を変性しておらず、共重合させる他のモノマーとの相溶性に問題がある。
非特許文献3には、ジアミノヘキサン部位を有するシクロデキストリンにメタクリル基を導入したモノマーが報告されているが、同様に相溶性に問題がある。
特許第6624660号公報 国際公開第2018/159791号 特表2005-517048号公報 米国特許第8569451号明細書
Lin Yuanjing et. al、Journal of Separation Science、 2017年、第40巻、第19号、P.3754-3762 Song Meng-Menget.al、ACS Applied Materials&Interfaces、2018年 第10巻、第17号、P.15021-15029 Kaya Ethem et. al、Journal of Polymer Science: part A、2010年、第48巻、P.581-592
本発明は、より高収率かつ高純度で、効率良く製造することができる、大量生産可能な、重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体を提供することを目的とするものである。
本発明は、
下記一般式(1)で示される重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体である。
Figure 0007143002000001
(式中、Rは、
(ア)下記一般式(2)
-R-NH-R (2)
(Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、(メタ)アクリロイル基を表す。)、
又は
(イ)下記一般式(3)
-R-NHCONH-R (3)
(Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、炭素数4~50の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を表す。
いずれか1つを表す。
は、水素原子、炭素数2~50のアシル基又は炭素数1~30のアルキル基を表す。
は、下記一般式(5)で示される基を表す。
Figure 0007143002000002
(式中、Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数2~50のアシル基、炭素数1~30のアルキル基又は-CONHR(Rは炭素数1~20のアルキル基)を表すものであり、Rの20%以上は炭素数2~50のアシル基、炭素数1~30のアルキル基又は-CONHRいずれか1つである。xは、5~7の整数))
本発明において、上記アルキル基は、メチル基であることが好ましい。
本発明において、上記アシル基は、アセチル基であることが好ましい。
また、本発明は、
(1)モノ-6-トシル-シクロデキストリンを、炭素数3~20のジアミノアルキル化合物と反応させて、モノアミノ化合物を得る工程、
(2)得られたモノアミノ化合物を、(メタ)アクリル酸無水物と反応させて、(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンを得る工程、
(3)得られた(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンを、酸無水物と反応させて、アシル化物を得る工程を含む、
下記一般式(6)
Figure 0007143002000003
(式中、Rは、水素原子又は炭素数2~50のアシル基を表す。
は、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、水素基又はメチル基を表す。
C1は、下記一般式(5a)で示される基を表す。
Figure 0007143002000004
(式中、R7aは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数2~50のアシル基を表す。xは、5~7である。))
で示される重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体の製造方法である。
また、本発明は、
(a)モノ-6-トシル-シクロデキストリンを、炭素数1~30のハロゲン化アルキルと反応させて、アルキル化物を得る工程、
(b)得られたアルキル化物を、炭素数3~20のジアミノアルキル化合物と反応させて、モノアミノ化合物を得る工程、
(c)得られたモノアミノ化合物を、(メタ)アクリル酸無水物と反応させて、(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンを得る工程を含む、
下記一般式(7)
Figure 0007143002000005
(式中、Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、水素基又はメチル基を表す。
C2は、下記一般式(5b)で示される基を表す。
Figure 0007143002000006
(式中、R7bは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を表す。xは、5~7である。))
で示される重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体の製造方法でもある。
また、本発明は、
(ア)モノ-6-トシル-シクロデキストリンを、ハロゲン化アルキルと反応させて、アルキル化物を得る工程、
(イ)得られたアルキル化物を、炭素数3~20のジアミノアルキル化合物と反応させて、アミノ化合物を得る工程、
(ウ)得られたアミノ化合物を、(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートと反応させて、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を有するシクロデキストリンを得る工程を含む、
下記一般式(8)
Figure 0007143002000007
(式中、Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を表す。
C2は、下記一般式(5b)で示される基を表す。
Figure 0007143002000008
(式中、R7bは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を表す。xは、5~7である。))
で示される重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体の製造方法でもある。
本発明により、より高収率かつ高純度で、効率良く製造することができる、大量生産可能な、重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体を提供することができる。
合成例1で得られた化合物Aに関するH-NMRチャートを示す図。 合成例2で得られた化合物Bに関するH-NMRチャートを示す図。 合成例3で得られた化合物Cに関するH-NMRチャートを示す図。 合成例4で得られた化合物Dに関するH-NMRチャートを示す図。 合成例5で得られた化合物Eに関するH-NMRチャートを示す図。 合成例6で得られた化合物Fに関するH-NMRチャートを示す図。 合成例7で得られた化合物Gに関するH-NMRチャートを示す図。
本発明の重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体は、下記一般式(1)で示されるものである。なお、本明細書において、「重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体」を、便宜上、「シクロデキストリン誘導体」と表記することがある。
Figure 0007143002000009
(式中、Rは、
(ア)下記一般式(2)
-R-NH-R (2)
(Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、(メタ)アクリロイル基又は炭素数3~50のビニル基含有アルキル基を表す。)、
(イ)下記一般式(3)
-R-NHCONH-R (3)
(Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、炭素数4~50の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基又は炭素数3~50のビニル基含有アルキル基を表す。)
又は(ウ)下記一般式(4)
-R-OCONH-R (4)
(R及びRは上記と同じ。)
のいずれか1つを表す。
は、水素原子、炭素数2~50のアシル基又は炭素数1~30のアルキル基を表す。
は、下記一般式(5)で示される基を表す。
Figure 0007143002000010
(式中、Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数2~50のアシル基、炭素数1~30のアルキル基又は-CONHR(Rは炭素数1~20のアルキル基)を表すものであり、Rの20%以上は炭素数2~50のアシル基、炭素数1~30のアルキル基又は-CONHRいずれか1つである。xは、5~7の整数))
本発明のシクロデキストリン誘導体は、重合性不飽和基と上記一般式(5)で示されるRとを有する化合物である。
本発明により、安価に収率良く、純度の高いシクロデキストリン誘導体が得られるものである。
上記Rは、ホスト基としての機能を発揮し得るものであり、シクロデキストリンが他の有機基で置換された構造を有する分子から、1個の水酸基が除された1価の基である。シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン及びγ-シクロデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種である。本発明においては、合成面、ゲスト分子の選択肢などの点で、β-シクロデキストリンであることが好適である。
なお、本明細書において、「シクロデキストリンが他の有機基で置換された構造を有する分子」を、便宜上、「シクロデキストリン類」と表記することがある。
また、除される1個の水酸基は、反応性による合成のし易さという観点から、1級の水酸基であることが好ましい。
上記Rは、シクロデキストリンの水酸基の水素原子(R)の20%以上がアシル基、アルキル基及び-CONHRからなる群より選ばれる少なくとも1種の基で置換された構造を有する。上記Rは、シクロデキストリンが有する特定量の水酸基の水素原子がアシル基のみで置換されていてもよいし、アルキル基のみで置換されていてもよいし、-CONHRのみで置換されていてもよい。
なお、本明細書において、「アシル基、アルキル基及び-CONHRからなる群より選ばれる少なくとも1種の基」を便宜上、「アシル基等」と表記することがある。
上記アシル基は、アセチル基、プロピオニル、ブチロイル、ホルミル基等を例示することができる。アシル基は、さらに置換基を有していてもよい。シクロデキストリン誘導体が親水性及び疎水性の重合性単量体の両方に対してより高い親和性を示し、かつ、重合体がホスト-ゲスト相互作用を形成しやすいという観点から、アシル基はアセチル基であることが好ましい。
上記アルキル基の炭素原子の数は特に限定されない。シクロデキストリン誘導体が併用するその他の重合性単量体に溶解しやすく、かつ、シクロデキストリン誘導体がホスト-ゲスト相互作用を形成しやすいという観点から、アルキル基の炭素数は1~4であることが好ましい。
炭素数が1~4であるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を挙げることができる。炭化水素基がプロピル基及びブチル基である場合は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよい。アルキル基は、本発明の効果が阻害されない限りは、置換基を有していてもよい。重合体設計上、親水性から疎水性の間で最適な極性に制御するために、適宜炭素数の選択、または複数種組合せることができる。
中でも、合成面、他の重合性単量体との相溶性による設計面の観点から、メチル基であることが好ましい。
-CONHRは、メチルカルバメート基又はエチルカルバメート基であることが好ましい。シクロデキストリン誘導体が、併用するその他の重合性単量体に溶解しやすく、かつ、シクロデキストリン誘導体からなる重合体がホスト-ゲスト相互作用を形成しやすいという観点から、-CONHRは、エチルカルバメート基であることが好ましい。
ここで、シクロデキストリン1分子が有する水酸基の全個数をNとした場合、α-シクロデキストリンはN=18、β-シクロデキストリンはN=21、γ-シクロデキストリンはN=24である。
シクロデキストリンは、1分子あたり最大N-1個の水酸基の水素原子がアシル基等で置換され得る。
上記Rは、上記シクロデキストリン類1分子中に存在する水酸基の全個数N-1のうちの20%以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換された構造を有することが好ましい。この場合、シクロデキストリン誘導体が、併用するその他の重合性単量体に溶解しやすい。上記Rは、上記シクロデキストリン類1分子中に存在する水酸基の全個数N-1のうちの50%以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換されていることがより好ましく、水酸基の全個数N-1のうちの80%以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換されていることが特に好ましい。
上記Rは、α-シクロデキストリン類1分子中に存在する水酸基の全個数N-1のうちの4個以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換された構造を有することが好ましい。この場合、シクロデキストリン誘導体が併用するその他の重合性単量体に溶解しやすい。上記Rは、α-シクロデキストリン類1分子中に存在する水酸基の全個数N-1のうちの9個以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換されていることがより好ましく、水酸基の全個数N-1のうちの14個の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換されていることが特に好ましい。
上記Rは、β-シクロデキストリン類1分子中に存在する水酸基の全個数N-1のうちの4個以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換された構造を有することが好ましい。この場合、シクロデキストリン誘導体が併用するその他の重合性単量体に溶解しやすい。上記Rは、β-シクロデキストリン類1分子中に存在する水酸基の全個数N-1のうちの10個以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換されていることがより好ましく、水酸基の全個数N-1のうちの16個以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換されていることが特に好ましい。
上記Rは、γ-シクロデキストリン類1分子中に存在する水酸基の全個数N-1のうちの5個以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換された構造を有することが好ましい。この場合、シクロデキストリン誘導体が併用するその他の重合性単量体に溶解しやすい。上記Rは、γ-シクロデキストリン誘導体1分子中に存在する水酸基の全個数N-1のうちの12個以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換されていることがより好ましく、水酸基の全個数N-1のうちの19個以上の水酸基の水素原子が上記アシル基等で置換されていることが特に好ましい。
次に、本発明のシクロデキストリン誘導体において、上記一般式(1)に示すように、上記重合性不飽和基を有するRとRとは、アミノ基由来の窒素原子を介して連結している。
上記一般式(1)において、Rは、その1つとして、
(ア)下記一般式(2)
-R-NH-R (2)
(Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、(メタ)アクリロイル基又は炭素数3~50のビニル基含有アルキル基を表す。)
で表される。
このように、一般式(2)に示される構造を有するシクロデキストリン誘導体は、R-N-R-NH―という、ジアミノアルキル化合物に由来する構造を有するものである。
本発明において、シクロデキストリン誘導体の製造に使用するジアミノアルキル化合物は、アルキル基の炭素数が少なすぎると毒性面で好ましくない。また、本発明のシクロデキストリン誘導体の重合時の主鎖とシクロデキストリンとの距離が近すぎると、立体障害も含めた分子の自由度が低下するため、機能発現面でも好ましくない。一方、炭素数が多すぎると、合成面(特に再沈殿や再結晶等による精製工程)、原料調達面等を考慮した場合や、重合時の主鎖とシクロデキストリンとの距離が離れすぎてしまうことによる機能発現や物性低下の懸念により、好ましくない。以上のことから、ジアミノアルキル基の炭素数Rは、3~20が好ましい。より好ましくは3~10であり、更に好ましくは3~5である。
上記Rは、ラジカル重合性を示す官能基であり、アクリロイル基(CH=CH(CO)-)又はメタクリロイル基(CH=CCH(CO)-)を挙げることができる。この場合、これらの炭素-炭素二重結合を含む基は、ラジカル重合性が阻害されない程度であればさらに置換基を有していてもよい。
また、Rは、炭素数3~50のビニル基含有アルキル基であってもよい。
また、上記一般式(1)において、Rは、(イ)下記一般式(3)
-R-NHCONH-R (3)
(Rは、炭素数2~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、炭素数4~50の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基又は炭素数3~50のビニル基含有アルキル基を表す。)であってもよい。
上記一般式(3)に示すように、当該シクロデキストリン誘導体は、尿素結合を介して、ラジカル重合性を示す官能基を有するものであり、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基又はビニル基含有アルキル基を有する構造である。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル基のアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、具体的には、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネートに由来する構造が挙げられる。
ジアミノアルキル基の炭素数Rは、上記Rと同様の理由により、3~20が好ましい。更に好ましくは、3~10である。
また、上記一般式(1)において、Rは、(ウ)下記一般式(4)
-R-OCONH-R (4)
(R及びRは上記と同じ。)であってもよい。
上記一般式(4)に示すように、当該シクロデキストリン誘導体は、ウレタン結合を介して、ラジカル重合性を示す官能基を有するものであり、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基又はビニル基含有アルキル基を有する構造である。
本発明のシクロデキストリン誘導体は、その製造方法を限定されるものではなく、本発明のシクロデキストリン誘導体の各構造に基づき適宜製造することができる。
例えば、上記一般式(6)に示すシクロデキストリン誘導体を製造するにあたっては、下記に示す反応式に基づき製造する方法が挙げられる。
Figure 0007143002000011
(式中、Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、水素基又はメチル基を表す。
は、炭素数1~49のアルキレン基を表す。)
例えば、まず、シクロデキストリンの1つの1級水酸基を公知の方法によりトシル化した、モノ-6-トシル-β-シクロデキストリン(β-CD-Ts)を、ジアミノアルキル化合物と反応させて、トシル基を置換し、モノアミノ化合物を得る(工程(1))。
本発明に使用するシクロデキストリンの1つの1級水酸基をトシル化した、モノ-6-トシル-β-シクロデキストリンは、公知の方法により得ることができる。すなわち、パラトルエンスルホン酸クロリドとシクロデキストリンを用いて所定の条件にて反応した後、再沈殿や再結晶により得ることができる。また、パラトルエンスルホン酸クロリドの代わりに、パラトルエンスルホン酸無水物を用いることにより、同様に得ることができる。
また、α、γ-シクロデキストリンにおいても、再結晶や再沈殿の条件検討により、同様に得ることが期待できる。
次に、モノアミノ化合物に、(メタ)アクリル酸無水物を反応させ、(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンを得る(工程(2))。この反応は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性極性溶媒を使用し、トリエチルアミン等の塩基の存在下で行うことが好ましい。
更に、(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンに存在する水酸基又はアミノ基の水素原子を、アシル基に置換し、アシル化物を得る(工程(3))。その方法としては、例えば、酸無水物の存在下、触媒としてN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)等を、塩基としてトリエチルアミン等を、これらを全て溶解可能な溶媒、DMF等を使用して、上記(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンをアシル化する方法が挙げられる。
具体的に、例えば、アセチル化する場合には、無水酢酸を用いればよく、また、無水酢酸に代えて、酢酸クロリド等を用いてもよい。
また、上記DMAPおよびトリエチルアミンに代えて、ピリジン等の塩基かつ触媒を用いてもよい。
なお、上記反応式中のnは、シクロデキストリン1分子が有する水酸基の全個数N-1の20%以上の整数を表すものである。
シクロデキストリンに存在する水酸基の水素原子をアセチル基等のアシル基に置換する他の方法は、公知のアシル化反応を広く採用することができ、例えば、アセチル基への置換は、水素化ナトリウムの存在下でハロゲン化アセチルを、上記(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンに反応させる方法等により行うことができる。この場合、ハロゲン化アセチルと(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンの溶液を水素化ナトリウムの懸濁液に滴下する方法を採用することができる。あるいは、ハロゲン化アセチル、上記(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリン及び水素化ナトリウムを一括で混合する方法を採用することもできる。ハロゲン化アセチルとしては、臭化アセチル、ヨウ化アセチル等が例示される。
上記のようにして得られるシクロデキストリン誘導体は、再沈殿や再結晶により、より高収率かつ高純度で、効率良く製造することができる。
また、シクロデキストリンに存在する水酸基の水素原子を、-CONHRに置換する方法は、例えば、公知のアルキルカルバメート化反応を広く採用することができる。例えば、上記重合性単量体をアルキルイソシアネートの存在下 、有機溶媒(例えば、DMSO)中で反応することで、ホスト基に存在する水酸基の水素原子を、-CONHRに置換できる。アルキルイソシアネートとしては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネートを例示できる。
また、本発明のシクロデキストリン誘導体は、例えば、上記一般式(7)示すシクロデキストリン誘導体を製造するにあたっては、下記に示す反応式に基づき製造することもできる。
Figure 0007143002000012
(式中、R、Rは、上記に同じ。
10は、炭素数1~30のアルキル基、Xは、ハロゲン原子を表す。)
例えば、まず、シクロデキストリンの1級水酸基を上記の方法によりトシル化した、モノ-6-トシル-β-シクロデキストリンを、水素化ナトリウムまたは水酸化ナトリウムの存在下、ハロゲン化アルキルと反応させる方法で、トシル化されたシクロデキストリンの水酸基の水素原子がアルキル基で置換された化合物を得る(工程(a))。
なお、上記反応式中のmは、シクロデキストリン1分子が有する水酸基の全個数N-1の20%以上の整数を表すものである。
上記トシル化されたシクロデキストリンに存在する水酸基の水素原子を、アルキル基に置換する方法は、公知のアルキル化反応を広く採用することができる。例えば、アルキル基への置換は、水素化ナトリウム又は水酸化ナトリウムの存在下で、ハロゲン化アルキルを、上記トシル化されたシクロデキストリンに反応させる方法等により行うことができる。水酸化ナトリウムを用いる場合、ハロゲン化アルキルとトシル化されたシクロデキストリンの溶液を水酸化ナトリウムの懸濁液に滴下する方法を採用することができる。 又は、ハロゲン化アルキル、上記トシル化されたシクロデキストリン及び水酸化ナトリウムを一括で混合する方法を採用することもできる。ハロゲン化アルキルとしては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル等が例示される。
次に、ジアミンアルキル化合物と反応させてトシル基を置換し、モノアミノ化合物を得る(工程(b))。
更に、(メタ)アクリル酸無水物を反応させ、(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリン誘導体を得る(工程(c))。この反応は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性極性溶媒を使用し、トリエチルアミン等の塩基の存在下で行うことが好ましい。
得られるシクロデキストリン誘導体は、再沈殿や再結晶により、より高収率かつ高純度で、効率良く製造することができる。
また、本発明のシクロデキストリン誘導体は、例えば、上記一般式(8)に示すシクロデキストリン誘導体を製造するにあたっては、下記に示す反応式に基づき製造することもできる。
Figure 0007143002000013
(式中、Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
は、炭素数4~50の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を表す。
10は、上記に同じ。)
例えば、まず、シクロデキストリンの1級水酸基を上記の方法によりトシル化した、モノ-6-トシル-シクロデキストリンを、水素化ナトリウムまたは水酸化ナトリウムの存在下、ハロゲン化アルキルと反応させる方法で、トシル化されたシクロデキストリンの水酸基の水素原子がアルキル基で置換された化合物を得る(工程(ア))。
なお、上記反応式中のmは、シクロデキストリン1分子が有する水酸基の全個数N-1の20%以上の整数を表すものである。
上記トシル化されたシクロデキストリンに存在する水酸基の水素原子を、アルキル基に置換する方法は、公知のアルキル化反応を広く採用することができる。例えば、アルキル基への置換は、水素化ナトリウム又は水酸化ナトリウムの存在下で、ハロゲン化アルキルを、上記トシル化されたシクロデキストリンに反応させる方法等により行うことができる。水酸化ナトリウムを用いる場合、ハロゲン化アルキルとトシル化されたシクロデキストリンの溶液を水酸化ナトリウムの懸濁液に滴下する方法を採用することができる。 又は、ハロゲン化アルキル、上記トシル化されたシクロデキストリン及び水酸化ナトリウムを一括で混合する方法を採用することもできる。ハロゲン化アルキルとしては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル等が例示される。
次に、ジアミンアルキル化合物と反応させてトシル基を置換し、モノアミノ化合物を得る(工程(イ))。
更に、イソシアネートを反応させ、(メタ)アクロイルオキシアルキル基を有するシクロデキストリン誘導体を得る(工程(ウ))。
イソシアネートとしては、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
得られるシクロデキストリン誘導体は、再沈殿や再結晶により、より高収率かつ高純度で、効率良く製造することができる。
その他、上記一般式(1)のRが、上記一般式(4)で示すものである、ウレタン結合を介して、重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体を製造する方法としては、例えば、上記シクロデキストリンの水酸基の水素原子をアルキル化する方法と同様にして、トシル化されたシクロデキストリンの水酸基の水素原子をアルキル基で置換した後、アミノアルコール化合物と反応させてトシル基を置換して、アルコール化合物を得、更に、上記イソシアネートを反応させ、(メタ)アクロイルオキシアルキル基を有するシクロデキストリン誘導体を得る方法が考えられる。
発明のシクロデキストリン誘導体は、高分子材料に含まれる重合体を得るための原料となり得る。シクロデキストリン誘導体を使用して得られる重合体は、例えば、可逆性を有するホスト-ゲスト相互作用によって、分子どうしが架橋された構造を有し得る。
もしくは、シクロデキストリン誘導体を使用して得られる重合体は、例えば、後記する可動性架橋重合体となり得る。後記するように可動性架橋重合体は、重合体側鎖のホスト基(シクロデキストリン構造を有する環状分子)の環内を、他の重合体の主鎖が貫通することで 形成される構造を有する重合体が例示される。
本発明のシクロデキストリン誘導体は、例えば、親水性の重合性単量体及び疎水性の重合性単量体のいずれに対しても高い親和性を示すことができ、シクロデキストリン誘導体は、種々の重合性単量体との共重合が可能となる。
特に、本発明のシクロデキストリン誘導体は、疎水性の重合性単量体に対して高い溶解性を示すことから、従来難しいとされていたホスト基含有重合性単量体と疎水性の重合性単量体との共重合が、幅広い組成割合で可能となり、目的とする高分子材料の設計の自由度を高くすることが可能となる。
本発明のシクロデキストリン誘導体は、他の放射線(紫外線)重合性化合物と併用することにより、放射線(紫外線)硬化型樹脂組成物として使用することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
合成例1
冷却管、攪拌棒つきフラスコに、水400g、β-シクロデキストリン44.78g、パラトルエンスルホン酸無水物18.86gを仕込み、30℃で2時間間攪拌した。ここへ48%水酸化ナトリウム水溶液40.00gを加え、さらに10分攪拌した。その後、400メッシュにて濾過し、ろ液を塩酸にてpH7迄中和し、一晩放置した。これをろ過し、水で十分洗浄し、モノトシル化β-シクロデキストリン(化合物A)を12.77g得た。
このときのH-NMRチャートを図1に示した(H NMR (DMSO-d):2.43 (s, 3H), 3.22-3.65 (m, overlaps with HOD), 4.16-4.53 (m, 6H), 4.76-4.85 (m, 7H), 5.64-5.85 (m, 14H), 7.43 (d, J = 8.00 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 8.00 Hz, 2H))。
H NMRの積分値より、純度は>99%であることを確認した。
合成例2
冷却管、攪拌棒付きフラスコに、合成例1で得た化合物A40g、1,3-プロパンジアミン184g(80当量)を仕込み、70℃で4時間加熱攪拌した。その後、メタノール:アセトン=1:3の混合溶剤1700g中に、この反応物を投入し一晩放置した。これをろ過し、メタノール:アセトン=1:3の混合溶剤で洗浄し、モノアミノ化β-シクロデキストリン(化合物B)を11.4g得た。
このときのH-NMRチャートを図2に示した(特徴的なピーク H NMR (DMSO-d): 1.12‐1.14 (m, 2H), 1.23‐1.29 (m, 1H), 1.44‐1.46 (m, 2H), 2.56‐2.81 (m, 4H), 3.14-3.38 (m, 16H), 3.59‐3.65 (m, 26H), 4.51 (br, 6H), 4.82 (s, 7H), 5.72 (br, 14H))。
H NMRの積分値より、純度は98.6%であることを確認した。
合成例3
冷却管、攪拌棒付きフラスコに、合成例2で得た化合物B11.4g、N,N-ジメチルホルムアミド16g、トリエチルアミン1gを仕込み溶解させ、ここにN,N-ジメチルホルムアミド1gと無水メタクリル酸1.5gの混合物を添加し、室温(25℃)で3時間攪拌した。
ここに、トリエチルアミン35gを加えたのち、無水酢酸27gとDMAP0.2gを加え、
60℃で3時間攪拌した。これを冷却し、水190gに投入し一晩放置した。その後、濾過して、アセチル化されたメタクリルアミド基を有するβシクロデキストリン(化合物C)を18g得た。
このときのH-NMRチャートを図3に示した(特徴的なピーク H NMR (DMSO-d): 1.06‐1.56 (m, 1H), 1.61‐2.01 (m, 69H), 2.80‐2.94 (m, 2H),3.65-3.72 (m, 8H), 3.82‐4.03 (m, 5H), 4.04‐4.02 (m, 15H), 4.55‐4.58 (m, 7H), 4.89‐4.91 (m, 7H), 4.92‐5.05 (m, 8H), 5.45 (s, 1H), 7.63 (t, J = 6.0 Hz, 1H))。
H NMRの積分値より、純度は98.6%であることを確認した。
また、2級水酸基のH NMRのピーク(5.72 (br, 14H))が消失していることから、水酸基の変性率は、90%以上である。
合成例4
攪拌棒付きフラスコに、N,N-ジメチルホルムアミド60g、苛性ソーダ(粉末)2.4gを混合攪拌し、ここに合成例1で得た化合物Aを3.0g投入した。氷冷しながらヨウ化メチル35gを数回に分けて添加し、1~3時間攪拌した。これに水400gを投入し一晩静置した。その後、濾過することにより、メチルエーテル化されたモノトシル化β-シクロデキストリン(化合物D)を0.9g得た。
このときのH-NMRチャートを図4に示した(特徴的なピークH NMR (DMSO-d):2.98―3.11 (m, 19H), 3.19―3.28 (m, 28H), 3.30‐3.59 (m, 42H), 3.61‐3.77 (m, 14H), 4.34 (s, 2H), 4.94‐5.15 (m, 7H), 7.48 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 7.6 Hz, 2H))。
H NMRの積分値より、純度は97.7%であることを確認した。
また、2級水酸基のH NMRのピーク(5.64-5.85 (m, 14H))が消失していることから、水酸基の変性率は、90%以上である。
合成例5
冷却管、攪拌棒付きフラスコに、合成例4で得た化合物D3.16g、1,3-プロパンジアミン11.99gを仕込み、70℃で2時間加熱攪拌した。これを冷却しトルエン320mlを加え、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、トルエンを留去・乾燥することによりメチルエーテル化された6-デオキシ-6-(3-アミノプロピルアミノ)-β-シクロデキストリン(化合物E)を2.29g得た。
このときのH-NMRチャートを図5に示した(特徴的なピークH NMR (DMSO-d): 1.49‐1.42 (m, 2H), 2.60‐2.52 (m, 2H), 2.87‐2.83 (m, 2H), 3.06‐3.73 (m, 102H), 5.04‐5.32m, 7H)。
H NMRの積分値より、純度は>99%であることを確認した。
合成例6
攪拌棒付きフラスコに、合成例5で得た化合物E1.74g、トリエチルアミン0.13g、トルエン4gを仕込み、攪拌した。ここへ無水メタクリル酸0.18gを滴下し、1時間さらに攪拌した。得られた溶液を水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、トルエンを留去・乾燥することによりメチルエーテル化されたメタクリルアミド基を有するβ-シクロデキストリン(化合物F)を1.51g得た。
このときのH-NMRチャートを図6に示した(特徴的なピークH NMR (DMSO-d): 1.58-1.55 (m, 2H), 1.83 (s, 3H), 2.90‐2.67 (m, 4H), 3.71‐3.02 (m, 102H), 5.31‐5.04 (m, 7H), 5.29 (m, 1H), 5.60 (m, 1H), 7.90 (t, J = 5.2 Hz, 1H)。
H NMRの積分値より、純度は>99%であることを確認した。
合成例7
攪拌棒付きフラスコに、合成例5で得た化合物E0.54g、カレンズMOI(共栄社化学社製)57mg、トルエン2gを仕込み、1時間攪拌した。得られた溶液を水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後トルエンを留去・乾燥することによりメチルエーテル化されたメタクリル基を有するβ-シクロデキストリン(化合物G)を0.60g得た。
このときのH-NMRチャートを図7に示した(特徴的なピークH NMR (DMSO-d): δ1.51‐1.46 (m, 2H), 1.90 (s, 3H), 2.03‐1.86 (m, 4H), 4.05‐3.05 (m, 106H), 5.32‐5.00 (m, 7H), 5.68 (m, 1H), 5.89 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 5.93 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 6.05 (m, 1H)。
H NMRの積分値より、純度は>99%であることを確認した。
本発明のシクロデキストリン誘導体は、高分子材料に含まれる重合体を得るための原料となり得る。また、本発明のシクロデキストリン誘導体を使用して得られる重合体は、例えば、可逆性を有するホスト-ゲスト相互作用によって、分子どうしが架橋された構造を有し得る。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示される重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体。
    Figure 0007143002000014
    (式中、Rは、
    (ア)下記一般式(2)
    -R-NH-R (2)
    (Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
    は、(メタ)アクリロイル基を表す。)、
    又は
    (イ)下記一般式(3)
    -R-NHCONH-R (3)
    (Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
    は、炭素数4~50の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を表す。
    いずれか1つを表す。
    は、水素原子、炭素数2~50のアシル基又は炭素数1~30のアルキル基を表す。
    は、下記一般式(5)で示される基を表す。
    Figure 0007143002000015
    (式中、Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数2~50のアシル基、炭素数1~30のアルキル基又は-CONHR(Rは炭素数1~20のアルキル基)を表すものであり、Rの20%以上は炭素数2~50のアシル基、炭素数1~30のアルキル基又は-CONHRいずれか1つである。xは、5~7の整数))
  2. 上記アシル基は、アセチル基である請求項1記載の重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体。
  3. 上記アルキル基は、メチル基である請求項1記載の重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体。
  4. (1)モノ-6-トシル-シクロデキストリンを、炭素数3~20のジアミノアルキル化合物と反応させて、モノアミノ化合物を得る工程、
    (2)得られたモノアミノ化合物を、(メタ)アクリル酸無水物と反応させて、(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンを得る工程、
    (3)得られた(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンを、酸無水物と反応させて、アシル化物を得る工程を含む、
    下記一般式(6)
    Figure 0007143002000016
    (式中、Rは、水素原子又は炭素数2~50のアシル基を表す。
    は、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
    は、水素基又はメチル基を表す。
    C1は、下記一般式(5a)で示される基を表す。
    Figure 0007143002000017
    (式中、R7aは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数2~50のアシル基を表す。xは、5~7である。))
    で示される重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体の製造方法。
  5. (a)モノ-6-トシル-シクロデキストリンを、炭素数1~30のハロゲン化アルキルと反応させて、アルキル化物を得る工程、
    (b)得られたアルキル化物を、炭素数3~20のジアミノアルキル化合物と反応させて、モノアミノ化合物を得る工程、
    (c)得られたモノアミノ化合物を、(メタ)アクリル酸無水物と反応させて、(メタ)アクリルアミド基を有するシクロデキストリンを得る工程を含む、
    下記一般式(7)
    Figure 0007143002000018
    (式中、Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
    は、水素基又はメチル基を表す。
    C2は、下記一般式(5b)で示される基を表す。
    Figure 0007143002000019
    (式中、R7bは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を表す。xは、5~7である。))
    で示される重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体の製造方法。
  6. (ア)モノ-6-トシル-シクロデキストリンを、ハロゲン化アルキルと反応させて、アルキル化物を得る工程、
    (イ)得られたアルキル化物を、炭素数3~20のジアミノアルキル化合物と反応させて、モノアミノ化合物を得る工程、
    (ウ)得られたモノアミノ化合物を、(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートと反応させて、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を有するシクロデキストリンを得る工程を含む、
    下記一般式(8)
    Figure 0007143002000020
    (式中、Rは、炭素数3~20のアルキレン基であり、直鎖でも分岐していても良く、置換基があっても良い。
    は、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を表す。
    C2は、下記一般式(5b)で示される基を表す。
    Figure 0007143002000021
    (式中、R7bは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を表す。xは、5~7である。))
    で示される重合性不飽和基を有するシクロデキストリン誘導体の製造方法。
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