JP2005517048A - シクロデキストリングラフト生体適合性両親媒性ポリマーおよびその製造および使用方法 - Google Patents

シクロデキストリングラフト生体適合性両親媒性ポリマーおよびその製造および使用方法 Download PDF

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Abstract

疎水的に修飾したシクロデキストリン残基、線状リンカーおよび生体適合性の水溶性ポリマー骨格を含む両親媒性の生体適合性シクロデキストリングラフトポリマーであって、該シクロデキストリン残基が該リンカーによって該生体適合性の親水性ポリマーにグラフトされていることを特徴とする該ポリマーが開示される。本発明のシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマーは、生物活性剤の担体として用いることができる。そのようなシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマーの製造方法および使用方法が開示される。

Description

本発明は、新規なポリマー性の生物活性剤担体に関する。さらに詳細には、本発明は、生物活性剤担体として使用するシクロデキストリングラフト(grafted)生体適合性ポリマーおよびその製造方法に関する。
組換えDNA法その他の技術の進展に伴い、抗ウイルス剤、抗癌剤、ペプチド/タンパク質およびDNAなどの様々な治療用途に有効な多くの生物学的に活性な分子が市販されている。しかしながら、医薬および活性剤のための理想的な担体は、それらの溶解度、送達および有効性を容易にするために常に必要とされる。
シクロデキストリン(CD)は通常6ないし8のグルコース単位からなる環状オリゴ糖であり、端を切り取った円錐の形状をしており、広い方の端は二次ヒドロキシル基(2−OHおよび3−OH)により、狭い方の端は一次ヒドロキシル基(6−OH)により形成されている。シクロデキストリンは、その分子の外部は親水性であるのに対し、その空洞内は相対的に高い電子密度のために疎水性であるため、独特のミクロな不均質環境を提供する。シクロデキストリンの包接活性、すなわちゲスト分子とシクロデキストリン分子との間での複合体生成は、詳しく調べられている。この複合体は固体の状態および溶液中で形成されるが、ホストのシクロデキストリンの空洞内に収容され、ファンデアワールス力およびより低い程度に双極子−双極子相互作用によって安定化されたゲスト分子からなる。水溶液中の包接複合体は、疎水相互作用、すなわち、溶媒の「最も確実な(probable)構造」を達成し全系の最小エネルギーを得るため、溶媒の水が適当なサイズおよび形状の疎水性の溶質を本質的に疎水性の空洞内に閉じこめようとする傾向によってさらに安定化される。
医薬担体としての天然シクロデキストリン(α−、β−、およびγ−CD)の実際の使用は、低い水溶解度によって制限されている。CDの毒性のため、安全性はシクロデキストリンを医薬担体として使用する際の他の主要な懸念である。種々の基質と包接複合体を形成する能力を保持しながら安全性を改善するための親シクロデキストリンの修飾は、多くの研究グループの最終目標であった。幾つかのグループはまた医薬とシクロデキストリンとの間の相互作用の改善に注目し、他のグループは化学的により正確に定めることのできる物質を調製しようと試みてきた。
非経口投与に適した2つの最も有望なシクロデキストリン誘導体は、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(HPβCDまたはHPCD)およびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBEβCDまたはSBE−CD)である。HPβCDは一般に、動物およびヒトにおいて非経口投与したときに安全であることがわかっている[Pithaら、J. Pharm. Sci., 84(8), 927-32 (1995)]。わずかな可逆的な組織変化が高投与量動物研究(100〜400mg/kg)で観察されており、また一層有意の血液学的変化がこれら高投与量研究で観察されており、赤血球の損傷が生じたことが示唆されている。ヒトの研究では副作用は観察されなかった。SBEβCDもまた、マウスに非経口投与したときに安全であることがわかっている[Rajewskiら、J. Pharm. Sci., 84(8), 927-32 (1995)]。しかしながら、たいていの修飾シクロデキストリンと同様、医薬とSBEβCDとの結合定数は、通常、親のすなわち非修飾シクロデキストリンのものよりも低い。ホスト分子の立体障害のため、ヒドロキシルプロピル置換の程度が高いほど医薬の結合は低くなる。
シクロデキストリンの疎水性修飾もまた、幾つかのCD包接可能な医薬の調合液を改善する試みにおいて調製されている。β−シクロデキストリンの2位および6位のヒドロキシル基の部分的なメチル化(DM−βCDまたはDMCD)が、疎水性相互作用の増大のために一般により強い医薬結合に導くことがわかった。メチル化したシクロデキストリンは極めて水溶性であるが、毒性もまた高くなっている。DMβCDの毒性は、遊離の3−ヒドロキシル基をアセチル基で修飾することによって有意に低下した。このことは、優れた生体適合性および包接能を有する水溶性のシクロデキストリン誘導体が置換基を注意深く選択することによって調製できることを示している。置換の程度を制御することはまた、水溶性と複合体形成能との均衡を保つうえでも重要である。置換基がエチル基、アセチル基などのようにメチル基よりも疎水性である場合は、全体のシクロデキストリン誘導体は実際的に水不溶性となる。これら化合物は、水溶性医薬の徐放性担体として潜在的に応用できることが示されている。アルキル化シクロデキストリンのうちでも、ヘプタキス(2,6−ジ−O−エチル)−β−シクロデキストリンおよびヘプタキス(2,3,6−トリ−エチル)−β−シクロデキストリンは、水溶性のジルチアゼム、イソソルビドジナイトレート(isosorbide dinitrate)、およびペプチドのブセレリンアセテート(buserelin acetate)とともに用いる最初の徐放性担体であった。
一方、中くらいのアルキル鎖長(C−C)の過アシル化シクロデキストリンは、その多機能特性および生体適合特性のために新規な疎水性担体として特に有用である。これらシクロデキストリンは様々な投与経路に対し広範な適用性を有する:たとえば、ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−ブタノイル−β−シクロデキストリン(C)の生体接着(bioadhesive)特性は経口および経粘膜調合物に使用できるのに対し、ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−バレリル)−b−シクロデキストリン(C)のフィルム形成特性は経皮製剤に有用である。経口投与において、水溶性でかつ短半減期の医薬であるモルシドミン(molsidomine)の放出は、その溶解度の低下した状態で過アシル化β−シクロデキストリンと複合体を生成することにより、とりわけブチル化誘導体よりも長い炭素鎖を有する過アシル化シクロデキストリンにより、著しく遅くなった。これら複合体をビーグル犬に経口投与したとき、ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−ブタノイル)−β−シクロデキストリンはモルシドミンの最高血漿レベルを抑制し充分な医薬レベルを長期にわたって維持したが、ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−ブタノイル)−β−シクロデキストリンよりも短いかまたは長い鎖長の他の誘導体の使用は充分ではないことがわかった。このことは、ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−ブタノイル)−β−シクロデキストリンが、経口投与される水溶性医薬、とりわけ胃腸管で代謝される医薬の有用な担体であることを示している。ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−ブタノイル)−β−シクロデキストリンによって示される優れた且つ徐放性の特性は、疎水性の増大および粘膜接着特性の両者の結果である。ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−ブタノイル)−β−シクロデキストリンは他の疎水性のシクロデキストリン誘導体と同様、その疎水性のために固形または油状の調合物でしか用いることができない。他方、天然のβ−シクロデキストリンと同様、濃度依存的に組織炎症および溶血を引き起こすその膜毒性は、医薬適用に対する他の制限である。たとえば、ヒト赤血球の50%溶血を引き起こすDM−β−CDの濃度は、2−ヒドロキシプロピル−β−CD、CDのスルホブチルエーテル、およびマルトシル−β−CDなどのいわゆる生体適合性CD誘導体よりも低い。シクロデキストリンの溶血活性は、主としてコレステロールとの包接作用による膜成分の抽出と関係している。しかしながら、この欠点はアルキル化CDのさらなる構造的修飾によって克服することができる、たとえば、ヘプタキス(2,6−ジ−O−メチル−3−O−アセチル)−β−CD(DMA−β−CD)は、DM−β−CDと同様の包接活性を保持しながら溶血活性は遙かに弱いことがわかった[Hirayamaら、J. Pharm. Sci., 88(10), 970-5 (1999)]。シクロデキストリンは経口投与後には胃腸管から吸収されにくので、シクロデキストリン自体の全身的吸収の結果として生じる安全に関する懸念はシクロデキストリンの経口投与では最小である。しかしながら、シクロデキストリンは、ある種の栄養素および胆汁酸の胃腸管排除の増大による二次的な全身作用を引き起こす。この作用は、β−シクロデキストリンによる胆汁酸の糞便排除について最も顕著である。しかしながら、増大した排除はシクロデキストリンの非常に高い経口投与量でしか観察されなかった(食餌の20%まで)。この増大した胆汁酸排除の二次効果は、血清コレステロールの胆汁酸への変換の増大とそれに引き続く血漿コレステロールレベルの低下である。
何年もの間、親シクロデキストリンの物理化学的特性および包接能を改善するために様々な種類のシクロデキストリンが製造されてきており、シクロデキストリンを含む医薬製品の幾つかは認可されている。送達すべき医薬の溶解性特性を変えるには多量のシクロデキストリンが必要なため、必要な投与量の医薬を安全に送達するにはシクロデキストリンの毒性は非常に低いことが必要とされる。それゆえ、シクロデキストリンの合計投与量を低減させるかまたはシクロデキストリンの固有の毒性を低減させるかのいずれかにより、シクロデキストリンの医薬的応用を広げることができる。
上記事情に鑑みて、改良されたシクロデキストリン含有生物活性剤担体および該担体の使用法を提供することは当該技術分野における有意の進歩となるであろう。
本発明は、複数の疎水性シクロデキストリンまたは誘導体化シクロデキストリン残基が適当な生分解性または非生分解性のリンカーにより生体適合性の親水性ポリマー骨格にコンジュゲートまたはグラフトした両親媒性シクロデキストリン含有ポリマーの新規クラスを提供する。任意に、ターゲティング残基(TM)の一つまたはそれ以上または混合物がポリマー骨格に共有結合していてよい。本発明のCDグラフトポリマーは、2〜30のCDまたはその誘導体を適当なリンカーにより親水性ポリマー、すなわちポリエチレングリコール(PEG)またはポリN−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)(HPMA)にカップリングすることにより合成できる。所望なら、上記に記載したように1またはそれ以上のターゲティング残基(TM)をポリマー骨格に任意に共有結合してよい。ターゲティング残基を用いる目的は、医薬送達のために特定の細胞をターゲティングすることである。合成した担体、すなわち疎水性CDグラフト親水性ポリマーは、医薬/担体複合体の一層良好な溶解度および細胞障害活性の低減という結果となる。
本発明の組成物および医薬の送達方法を開示および記載する前に、本発明が本明細書に開示した特定の形態(configurations)、方法工程、および材料に限られないことが理解されなければならない、というのはそのような形態、方法工程、および材料は若干変更しうるからである。また、本明細書において使用した技術用語は特定の態様を記載するためにのみ使用したのであって、本発明を限定するものではない、なぜなら本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ限定されるであろうからである。
「活性剤」とは、本発明のゲスト分子として機能することのできる剤をいう。活性剤としては、シクロデキストリンまたは誘導体化シクロデキストリングラフトポリマーと包接複合体を生成でき、疾患(すなわち、癌、梅毒、淋病、インフルエンザおよび心疾患)に対して抑制、抗代謝または予防作用を有し、または疾患を引き起こす病因に対して抑制または毒性作用を有する化学物質または他の物質が挙げられる。活性剤は、抗癌薬、抗新生物薬、抗真菌薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、循環薬、神経薬、および濫用薬などの多くの薬;アルカロイド(すなわち、カンプトセシン)、抗生物質、生物活性ペプチド、ステロイド、ステロイドホルモン、ポリペプチドホルモン、インターフェロン、インターロイキン、麻酔薬、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む核酸、農薬およびプロスタグランジンを含む。活性剤はまた、アフラトキシン、リシン、ブンガロトキシン、イリノテカン、ガンシクロビア、フロセミド、インドメタシン、クロルプロマジン、メトトレキセート、セビン誘導体およびアナログ(セバジン、デサトリンおよびベラトリジンを含む)をも含む。活性剤はまた、ジヒドロキシフラボン(クリシン)、トリヒドロキシフラボン(アピゲニン)、ペンタヒドロキシフラボン(モリン)、ヘキサヒドロキシフラボン(ミリセチン)、フラビリウム、クエルセチン、フェセチンを含む種々のフラボン誘導体およびアナログ;ペニシリン誘導体(すなわち、アンピシリン)、アントラサイクリン(すなわち、ドキソルビシン、ダウノルビシン)、テラマイシン、テトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、クロモサイクリン、ブトコナゾール、エリプチシン、グアメサイクリン、マクロライド(すなわち、アムホテリシン)、フィリピン、ファンギクロミン、ナイスタチンを含む種々の抗生物質;5'−フルオロウラシル、5'−フルオロ−2'−デオキシウリジン、およびアロプリノールを含む種々のプリンおよびピリミジン誘導体およびアナログ;種々の感光性物質、とりわけ光力学に有用な一重項および三重項酸素生成に使用するもの、フタロシアニン、ポルフィリンおよびその誘導体およびアナログ;コレステロールおよびジゴキシゲニンを含む種々のステロイド誘導体およびアナログ;ジヒドロキシクマリン(エスクレチン)、ジクマロールを含む種々のクマリン誘導体およびアナログ;クリサロビン、クリソファン酸、エモジン、セカロン酸(secalonic acids);ドーパ、ドーパミン、エピネフリン、およびノルエピネフリン(アルテレノール)を含む種々のドーパ、誘導体およびアナログを含む。
「非経口」とは、筋肉内、腹腔内、腹内、皮下、および実行できる程度に応じて静脈内および動脈内を意味する。
「生体適合性」とは、物質が非免疫原性、非アレルゲン性であり、所望でない生理反応を最小にしか引き起こさないことを意味する。生体適合性の物質は生物学的に分解され、特異的な結合特性または生体認識特性に欠ける点で「生物学的に中性」である。
「リンカー」または「リンカー結合(linkage)」は、シクロデキストリン残基をポリマー骨格に共有結合によりカップリングさせ、生分解性であるかまたは非生分解性のいずれかである、化学物質内に用いる特定の化学残基または基のタイプとして定義される。適当なリンカーは、以下でさらに詳細に定義する。
「医薬」は、生物活性を有し治療目的に適合または使用される有機または無機の化合物または物質を意味する。タンパク質、ホルモン、抗癌剤、オリゴヌクレオチド、DNA、RNAおよび遺伝子療法が広義の医薬に含まれる。
「ペプチド」、「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」および「タンパク質」は、ペプチドまたはタンパク質薬を言及する場合には相互に互換的に用いられ、特に断らない限り、特定の分子量、ペプチドの配列または長さ、生物活性の領域または治療的使用に関して限定されてはならない。
「ターゲティング残基」とは、特定の生物学的物質または部位に結合する残基をいう。生物学的物質または部位は、ターゲティング残基がそれに結合するターゲティング残基の「標的」であると考えられる。適当なターゲティング残基の例は以下に記載してある。適当なターゲティング残基としては、抗原、ハプテン、ビオチン、ビオチン誘導体、レクチン、ガラクトサミンおよびフコシルアミン残基、レセプター、基質、補酵素、補因子、タンパク質、ヒストン、ホルモン、ビタミン、ステロイド、プロスタグランジン、合成または天然のポリペプチド、炭水化物、脂質、抗生物質、医薬、ジゴキシン、農薬、麻酔薬、神経伝達物質、および種々の核酸が挙げられる。
「核酸」は、あらゆる採取源からのあらゆる核酸配列として定義される。核酸としては、すべてのタイプのRNA、DNA、およびオリゴヌクレオチド(複製連鎖反応(PCR)またはDNAシークエンシングに用いるプローブおよびプライマー、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを含む)が挙げられる。また、合成核酸ポリマー、たとえばメチルホスホネートオリゴヌクレオチド、ホスホトリエステルオリゴヌクレオチド、モルホリノ−DNAおよびペプチド核酸(PNA)(PNAクランプ(clamps)を含む)、DNAおよび/またはRNA断片、および誘導体(組織、細胞、核、染色体、細胞質、ミトコンドリア、リボソーム、および他の細胞源からのもの)も含まれる。
「シクロデキストリン(CD)」は、グルコースモノマーがカップリングして疎水性の内部または空洞を有する円錐状の中空分子を形成してなる環状オリゴ糖である。本発明のシクロデキストリンは、アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、およびガンマ−シクロデキストリン、およびその組み合わせ、アナログ、異性体、および誘導体を含むあらゆる適当なシクロデキストリンであってよい。シクロデキストリンは、以下にさらに詳しく記載するように天然のものであっても疎水性の基で修飾してあってもよい。
本発明を記載するに際して、シクロデキストリン「複合体」への言及は一価の包接複合体を意味する。本明細書において包接複合体とは、1またはそれ以上の「ゲスト」分子と組み合わせて「ホスト」分子として機能するシクロデキストリンまたは誘導体化シクロデキストリンであって、該ゲスト分子が該シクロデキストリンまたはその誘導体の疎水性の空洞内に全体としてまたは部分的に収容または結合されるものとして定義される。最も好ましいCDは、カルボキシメチルCD、グルコシルCD、マルトシルCD、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(HPCD)、2−ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、2,3−ジヒドロキシプロピルシクロデキストリン(DHPCD)、スルホブチルエーテルCD、アシル化シクロデキストリン、エチル化シクロデキストリンおよびメチル化シクロデキストリンなどの誘導体である。アルデヒドを提供する酸化シクロデキストリンおよびアルデヒドを提供するあらゆる誘導体のあらゆる酸化形態も好ましい。クラウンエーテル様の化合物およびシクロデキストリンの高次ホモログなどの変化した形態も含まれる。
「制御放出」は、CDポリマー担体を合成するのに用いたある種の結合の開裂のみによる該担体からの捕捉されたゲスト分子/医薬の放出として定義される。
本発明は、生物活性剤担体として使用するための新規なCDグラフト生体適合性の両親媒性ポリマーおよびその製造方法に関する。本発明は、その最も一般的な定義の一つにおいて、生物活性剤と、少なくとも1の、好ましくは複数の疎水的に修飾したCDをグラフトした生体適合性の親水性ポリマー骨格(PEGおよびHPMA、ポリ−L−リシン(PLL)およびポリエチレンイミン(PEI)など)を含む少なくとも1のCDグラフトポリマーコンジュゲートとの複合体に関する。任意にターゲティング残基(TM)がポリマー担体に共有結合により連結されていてよい。
好ましいシクロデキストリン含有ポリマーは、シクロデキストリンまたは誘導体化シクロデキストリン残基がシクロデキストリンの2位、3位または6位への単一のスペーサーアームにより生体適合性の親水性ポリマー骨格に連結されているシクロデキストリン含有ポリマーとして定義され、このものは下記式1により示すことができる:
Figure 2005517048
(1)Pは、分子量が2,000〜1,000,000ダルトン、好ましくは5,000〜70,000ダルトン、最も好ましくは20,000〜40,000ダルトンの範囲の生体適合性の親水性ポリマー骨格である。好ましくは生体適合性の親水性ポリマー骨格は、ポリエチレングリコール(PEG)、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドポリマー(HPMA)、ポリエチレンイミン(PEI)およびポリリシン(pLL)よりなる群から選ばれた親水性ポリマーであり、該親水性ポリマーは、当該技術分野で知られているように末端が適当にキャップ形成されており、所期の目的のポリマーの機能に悪影響を及ぼさない置換基で置換されていてもよい。好ましくは生体適合性の親水性ポリマー骨格はポリエチレングリコール(PEG)ポリマーである。シクロデキストリンがその2位、3位または6位で結合する場合は、対応するRO−、RO−またはRO−基は置換され、グルコピラノースの2位、3位または6位炭素原子はリンカーXに結合するであろう;
(2)R’は、水素原子、本明細書に記載の組織ターゲティング残基(TM)または細胞膜融合残基(FM)よりなる群から選ばれたものであり、ただし、水素原子、ターゲティング残基および細胞融合残基の混合物が同じポリマー骨格上および/またはポリマー組成物内に存在してよい;
(3)Xは、式:
−Q−Z−Q’−
で示されるリンカーである。上記式中、Qは、直接かまたはペンダントアルキルまたは他の官能基により親水性ポリマー鎖に共有結合しており、Q’はシクロデキストリンに共有結合している。QおよびQ’はそれぞれ独立に、NR、S、O、CO、CONHおよびCOOよりなる群から選ばれる。換言すると、QおよびQ’は、アミン、アルキルアミン、アシルアミン、チオ、エーテル、カルボニル、アミドまたはエステル残基を含んでいてよい。Zは、アルキレンジスルフィド[−(CHS−S(CH−]、アルキレン[−(CH−]、アルキレンオキシド(−[(CHO](CH−)、または短鎖ペプチド(ここで、aは1〜10の整数、bは1〜20の整数である)よりなる群から選ばれた成員を含む。好ましくはQがアミドでQ’がアミン、アルキルアミンまたはアシルアミンであり、リンカーは式:−CONH−Z−NR−を有する。最も好ましくは、Qはアルキレン(−CH−)基により誘導体化ポリマー鎖に結合しているであろう。Zがアルキレンジスルフィド、アルキレンオキシドまたはペプチドである場合は、リンカーは生体適合性である。Zがアルキレンである場合は、リンカーは非生体適合性である;
(4)R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、H、アルキル(Cn’2n’+1)、アルケニル(Cn’+12(n’+1)−1)またはアシル(Cn’2n’+1CO)(ここでn’は1〜16、好ましくは1〜8、最も好ましくは1〜4の整数である)よりなる群から選ばれた成員である。R、R、RおよびRがHである場合は、シクロデキストリンは親水性の性質がより大きい。R、R、RおよびRのうち1またはそれ以上がアルキル、アルケニルまたはアシル基である場合は、誘導体化シクロデキストリンの性質はより疎水性となる。それゆえ、R、R、RおよびRのそれぞれがアルキル、アルケニルまたはアシルである場合には、シクロデキストリンは最も疎水性である。アシル誘導体化シクロデキストリンは、アルキルまたはアルケニル誘導体化シクロデキストリンよりも生分解性である;
(5)qは5、6または7の整数であり、それぞれペンダントシクロデキストリン残基をα−、β−またはγ−シクロデキストリン誘導体にする。好ましくはqは6または7であり、最も好ましくはqは6である。換言すると、好ましいシクロデキストリンはβ−シクロデキストリンである;
(6)wは、各ポリマー骨格が20kDのポリマー骨格当たり1.5〜30、好ましくは2〜15のシクロデキストリン残基を含むような整数である。整数の「w」はポリマー組成物中の平均のシクロデキストリン残基を表す、なぜならポリマー組成物は、長さ、分子量およびシクロデキストリン残基の数が異なる各ポリマー鎖の混合物であるからである。それゆえ、各ポリマーは、そのようなポリマー組成物内での20kDのポリマー骨格当たりの重量平均分子量およびシクロデキストリン残基の平均数を有する。
本発明の一つの態様はCDグラフト生体適合性ポリエチレングリコール(PEG)ポリマーの新規クラスであり、下記式2:
Figure 2005517048
(式中、q、w、X、R、R、R、RおよびRは式1の定義と同じであり、mおよびnは、wと組み合わせたときに式1の親水性ポリマーについて記載した分子量を有するポリエチレンオキシドポリマー鎖を表すのに充分な整数である)で示すことができる。換言すると、生体適合性ポリエチレンオキシド親水性ポリマー骨格の分子量は、好ましくは5,000〜1,000,000の範囲、より好ましくは5,000〜70,000の範囲、最も好ましくは20,000〜40,000の範囲である。式1に関連して記載したように、CDは単一のアームリンカーXによりCD分子の2位、3位または6位にてポリマーにグラフトすることができ、好ましくはCD分子の6位にてグラフトする。wは式1と同じ数値を表すが、20Kのポリマー骨格当たりのシクロデキストリン数を表すために用いているのであって、「w」個の連続的に連結したポリエチレングリコール(CHCHXO)モノマーを含むポリマー単位を指しているのではないことに注意すべきである。換言すると、ポリマー骨格は、ポリマー骨格に沿って空隙を隔てて(spaced)ペンダントシクロデキストリンを含む「w」個のモノマー単位を含むことになる。空隙(spacing)は、合成の仕方に依存してランダムであっても均一であってもよい。
最も好ましくは、シクロデキストリン含有ポリマーは、下記式3:
Figure 2005517048
(式中、Q、Q’、Z、R、R、R、R、R、aおよびqは式1の定義と同じであり、wは、20KDポリマー鎖当たり平均1.5〜30、好ましくは2〜15のシクロデキストリン単位を提供するような整数であり、mおよびnは、wと組み合わせたときに式1の親水性ポリマーについて記載した分子量を有するポリエチレンオキシドポリマー鎖を表すのに充分な整数である)で示される、ペンダントCDを含むポリエチレングリコールポリマー骨格である。式2で説明したように、ペンダントシクロデキストリンを含むモノマーポリエチレングリコール単位は連続的に連結されておらず、ポリマー骨格に沿ってランダムにまたは均一に空隙を隔てていてよい。
式3の範囲に含まれる特定のβ−シクロデキストリンコポリマーを表1に列記する。
表1
Figure 2005517048
表1において、SSは−CHCHSSCHCH−であり、C3は−CHCHCH−であり、L8は−CHCHOCHCHOCHCH−であり、GFLGはテトラペプチドGly−Phe−Glu−Glyである。
これら本発明の新規なCDグラフトポリマーは、医薬担体としてそのモノマー前駆体に比べて以下の利点を有する。
第一に、該CDグラフトポリマーは水溶解性が増大しており、毒性が低下している。ポリエチレングリコール(PEG)は、良好な溶解度、最小の毒性、免疫原性および抗原性による生体適合性、および良好な排除動力学などの多くの有用な特性を備えた線状ポリエーテルジオールである。これら特性のためにPEGは医薬研究において最も詳細に研究された医薬担体となっており、最終的に内用投与のFDA認可に導いた。それゆえ、PEGはコンジュゲートしたシクロデキストリンの物理化学特性および毒性を変化させて一層生体適合性にすることができる。
さらに、これらCDグラフトポリマーはまた、向上したゲスト分子結合安定性をも提供する。CDの疎水性修飾は、シクロデキストリンの空洞の内部および外部を一層疎水性にし、それゆえ包接複合体の安定性を増大させる。さらに、一つのポリマー骨格中の複数のCDは局所的なCD濃度を増大させ、医薬結合において協同作用を生み出すであろう。それゆえ、両親媒性コポリマーは、余分の疎水性相互作用またはイオン性相互作用により適当なゲスト医薬に結合した後にポリマー性のミセルを生成する。さらに、これら医薬含有CDグラフトポリマーは、受動拡散によるよりもピノサイトーシスによって細胞に吸収されることができる。
さらに、CDグラフトポリマーは、生物活性剤の制御放出およびターゲティング送達に用いることができる。該ポリマーは、適当な医薬と特定のタイプのポリマー性のミセルを形成する傾向にある。受動的医薬ターゲティングは、特定の細胞または器官をターゲティングし、それゆえ健常な組織での医薬の蓄積を低減およびその毒性を最小にして必要なら一層高投与量の投与を可能とすることによって医薬の有効性を高めることができる。ポリマー性ミセルは、単核食細胞系(MPS)による取り込みを最小にするその小さなサイズおよび親水性シェル、および腎臓からの排泄を防ぐその高い分子量のため、静脈内投与後に全身循環時間が長くなることがわかっている。医薬を導入したポリマー性ミセルは、遊離の医薬よりも腫瘍に蓄積する度合いが高く、心臓などの非標的領域への低減した分散を示す[Kwonら、J. Control. Rel., 29, 17-23 (1994)]。悪性組織または炎症組織でのポリマー性ミセルの蓄積は、血管透過性の増大およびリンパ液排液(lymphatic drainage)の障害によるものである(促進された透過性保持(enhanced permeability retention)またはEPR効果)。EPR効果は受動的なターゲティング法であると考えられるが、医薬のターゲティングは、抗体や糖などのターゲティング残基に結合させることにより、または温度やpHの変化に感受性のポリマーを導入することにより、さらに増大させることができるであろう。ターゲティングミセルまたはpH感受性ミセルは、腫瘍、炎症組織またはエンドソーム区画への医薬の送達に利用できる、というのはこれらはすべて通常の組織よりも低いpHと関連するからである[Litzingerら、Biochim. Biophys. Acta, 1113(2), 201-27 (1992); Tannockら、Cancer Research, 49(16), 4373-84 (1989); Helmlingerら、Nat. Med. 3(2), 177-82 (1997)]。
PEGは、低分散性(Mw/Mn<1.1)にて様々な分子量のものが市販されている。PEGは、その分子サイズに基づき、低分子量PEG(Mw<20,000)と高分子量PEG(Mw>20,000)とに任意に分類される。PEGの最も最近の応用は、PEGへの細胞障害性抗癌剤の結合、またはタンパク質、ミセルまたはリポソームへのPEGのグラフトに着目されており、これは全身的な毒性の低下、体内での一層長い保持時間、生物学的分布の変化、および治療効能の改善に導くものである[Takakuraら、Crit. Rev. Oncol. Hematol., 18(3), 207-31 (1995); Duncanら、Anticancer Drugs, 3(3), 175-210 (1992)]。最近の研究によれば、PEGの腎クリアランスは分子量の増大とともに低下し、静脈内投与後ではMW30,000で最も劇的な変化が生じることがわかっている。血液を循環しているPEGの半減期(t1/2)もまた、随伴し且つ劇的な増大を示した。たとえば、PEGのt1/2は、分子量が6,000から50,000に増大するにつれて約18分から16.5時間となった。その結果、分子量が20,000またはそれ以上のPEGと抗癌薬とのコンジュゲートは、PEG−コンジュゲートした分子種の迅速な排除を防ぐことができ、受動腫瘍蓄積(passive tumor accumulation)が可能となる[Greenwaldら、Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst., 17(2), 101-61 (2000)]。
本発明の一つの態様において、カルボキシ基をグラフトしたPEG(PEG分子当たり8〜10のカルボキシル基を含む20,000ダルトンまたは25,000ダルトン)を出発物質として用いてシクロデキストリンとコンジュゲートする。立体障害効果を最小に保持するため、CD残基をその空洞の小さい方の開口端(6位)にて7つの一次ヒドロキシル基の一つによりPEG骨格にコンジュゲートした。さらに、可撓性の線状リンカーを用いてCD残基をポリマー骨格から遠ざけ、CD残基が自由に動けるようにした。材料の生体適合性および本発明のポリマーの柔軟性(pliability)のため、周辺組織に対して引き起こす毒性および機械的刺激は最小でしかないであろう。
溶解した医薬かまたは懸濁液もしくはエマルジョンとしての医薬のいずれかを含むグラフトポリマーの溶液からなる剤型を生体に投与する。どれだけの量の医薬を調合物にローディングできるかについての唯一の制限は機能性(functionality)の一つである、すなわち、医薬の装薬量は、ポリマーの所望でない特性が許容できない程度まで悪影響を及ぼすまで、あるいは調合物の特性が該調合物の投与が許容できないほど困難になるまで悪影響を及ぼすまで、増やすことができる。一般的に言って、大抵の場合、医薬は調合物の約0.01重量%〜50重量%までを構成することが予期され、約0.1%〜25%が最も一般的である。これらの医薬ローディングの範囲は本発明を限定するものではない。相関関係が維持されるのであれば、これらの範囲外にある医薬ローディングも本発明の範囲に含まれる。
本発明の目的の組成物の顕著な利点は、該グラフトポリマーが多くの医薬物質の溶解度および安定性を増大させることのできる点にある。疎水性のCDと親水性ポリマーとの組み合わせは、ポリマーの性質を両親媒性にする。この点でグラフトポリマーは、何よりもシクロデキストリン包接とポリマー性ミセル系との組み合わせとして機能する。このことは、シクロスポリンA、タクロリムス(tacrolimus)、サキナビールおよびパクリタクセルなどの疎水性または貧水溶性の医薬の可溶化において特に有利である。
本発明の組成物の他の利点は、本発明のポリマーが多くの医薬物質の化学的安定性を増大させることができる点にある。医薬が本発明のポリマーの存在下にあるときに、医薬の分解の種々のメカニズムが抑制されることが観察されている。たとえば、パクリタクセルおよびシクロスポリンAは、本発明の水性ポリマー組成物中ではこれら同じ医薬のある種の水溶液に比べて有機共溶媒の存在下、実質的に安定化される。しかしながら、このパクリタクセルおよびシクロスポリンAでの安定化効果は、他の多くの医薬物質で達成可能な効果のほんの例示にすぎない。
本発明の医薬をローディングしたCDグラフトポリマーは、非経口、局所、経皮、経粘膜、吸入、または体腔への挿入(たとえば、眼内、膣内、舌下、経尿道、直腸経由、鼻内、経口、経肺および耳内投与により)を含む種々の経路により投与することができる。
本発明は、核酸、ホルモン、抗癌剤を含む全てのタイプの生物活性剤および医薬に適用することができ、ポリペプチドおよびタンパク質を送達するための著しく有効な方法を提供する。利用できるポリペプチドまたはタンパク質医薬に対する唯一の制限は、機能性の一つである。ある場合には、ポリペプチドおよびタンパク質の機能性または物理的安定性はまた、該ポリペプチドまたはタンパク質医薬の水溶液または懸濁液に種々の添加剤を加えることによって増大させることができる。ポリオール(糖を含む)、アミノ酸、界面活性剤、ポリマー、他のタンパク質およびある種の塩などの添加剤を用いることができる。タンパク質工学における進歩は、ペプチドまたはタンパク質の本来の安定性を増大させる可能性を提供している。そのようにして得られた操作したまたは修飾したタンパク質は規制との関わり(regulatory implications)に関しては新たな存在とみなすことができるが、このことはそのようなタンパク質が本発明に使用するのに適していることを変えるものではない。
ペプチドまたはタンパク質ベースの医薬に加え、全ての治療および医学的に有用なカテゴリーからの他の医薬を用いることができる。これら医薬は、メルク・インデックス(Merk Index)、フィズィシャンズ・デスク・レファレンス(Physicians Desk Reference)、およびザ・ファーマコロジカル・ベイシス・オブ・セラピューティックス(The Pharmacological Basis of Therapeutics)などのよく知られた文献参考書に記載されている。
パクリタクセルは、卵巣癌、乳癌、頭部癌、および非小細胞肺癌に対して有望な活性を示すジテルペノイド天然産物である。最近、乳癌および難治性のヒト癌の治療のためのパクリタクセルの形態で認可されている。パクリタクセルの主要な課題の一つは、水溶性が極めて低いことである。この医薬の現在の調合物は、クレモフォール(Cremophore) EL(ポリエトキシル化ひまし油、可溶化界面活性剤)とエタノールとの50/50混合物5ml中に30mgのパクリタクセルを含んでいる。投与に際して推奨されるように食塩水に希釈すると、パクリタクセルの濃度は0.6〜1.2mg/ml(0.7〜1.4ml)である。この希釈溶液はパクリタクセル/クレモフォールの混合「ミセル」粒子を含むものと予想され、経時的に物理的に不安定であることが報告されている、なぜならある濃度までの希釈は明らかに過飽和溶液を生成するからである。さらに、非荷電界面活性剤であるクレモフォールは、ヒスタミン放出を引き起こすこと、および重篤なアレルギー反応などの副作用と関係することが報告されている[Sharmaら、Int. J. Cancer, 71(1), 103-7 (1997)]。シクロデキストリン誘導体がパクリタクセルを可溶化することができるか否かについて調べられている。メチル化シクロデキストリンが他の親水性シクロデキストリン誘導体に比べてパクリタクセルの水溶性を改善するうえで遙かに良好に作用することがわかった(50%のCD濃度で、HPCDおよびDMCDはそれぞれ約0.7mg/mlおよび33mg/mlのパクリタクセルを溶解することができた)[Sharmaら、J. Pharm. Sci., 84(10), 1223-30 (1995)]。しかしながら、DMCDの毒性および治療レベルのパクリタクセルと複合体を形成するために必要な高濃度は、その臨床応用を制限している。本発明のCDグラフト両親媒性ポリマーは、製造および投与の容易さ、低下した毒性、活性剤の迅速かつ制御された放出およびターゲティングしうる送達により、従来の調合物に対して有意の利点を提供するものである。
アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびそのアナログ、たとえば、ペプチドDNA(PNA)、モルホリノ−DNA、P−エトキシDNA、メチルホスホネート−DNAなどは、生物医学的な研究において応用範囲の広いことが示されているが、その医薬的な応用に関してはその安定性および/または溶解度、および細胞の取り込み挙動によって極めて制限されている。現在のところ、完全なアンチセンスオリゴヌクレオチドをその標的部位にインビボで安全に送達する有効な手段はない。そして、このことはPNA、モルホリノ−DNA、P−エトキシDNAおよびメチルホスホネート−DNAなどのような中性のアナログの場合に特に当てはまる、なぜならこれらDNAは現在のアンチセンスオリゴヌクレオチド担体(たいていポリカチオン性ポリマーである)のいずれにも有効に結合することができないからである。しかしながら、本発明のCDグラフト両親媒性ポリマーは中性アナログの有効な担体でありうる、なぜなら各ヌクレオシド単位は芳香族塩基の残基を有するが、これはシクロデキストリンが包接する潜在的な標的であり、それゆえCDグラフトポリマーはオリゴヌクレオチドおよびそのアナログに促進されたCD包接メカニズムによって結合することができるからである。この結合は、本発明のポリマー上の複数のCD残基とアンチセンスオリゴヌクレオチド上の複数の芳香族塩基環との協同ゆえに非常に強力でありうる。さらに、余分のイオン性相互作用(荷電オリゴヌクレオチドの場合)または疎水性相互作用(非荷電オリゴヌクレオチドアナログの場合)がまた、アンチセンスオリゴヌクレオチドとCDポリマー担体との結合を強力にする。結局、最終的な結合複合体はその含量に依存して緩やかなまたは堅固なポリマー性ミセルを形成し、それゆえアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびその中性アナログを細胞に安全に送達することができる。
要約すると、本発明のCDグラフトポリマーは、複数のCD残基の協同および外部の疎水性またはイオン性相互作用によって医薬/結合複合体の安定性を改善する。包接は、本発明のポリマーの医薬結合能の本質的なメカニズムでありそうである。しかしながら、イオン性相互作用および外部疎水性相互作用(CD空洞の外部)もまた、特定のコポリマーおよびゲストの分子構造に依存して有意の貢献をなしうる。さらに、本発明の適切に構築したPEG−CDコポリマーは、安全な治療応用のためのパクリタクセルの優れた可溶化剤および担体である。本発明のPEG−CDコポリマーはまた、他の疎水性医薬の可溶化剤および担体としても用いることができる。本発明のCDグラフト両親媒性ポリマーは、水溶性かつ生体適合性であり、とりわけ疎水性残基の比率が高いときに極めて遅い放出動力学を有する。さらに、医薬/ポリマー複合体の強い結合定数は希釈時の結合医薬の放出をゆっくりにし、しばしば他の分子による置換さえも必要とする。それゆえ、該複合体は、ある種の水溶性医薬の送達のための経口調合物の成分として用いることができる。
さらに、本発明の適切に構築したCDグラフトポリマーは、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびその非荷電アナログ並びに疎水性ペプチドおよびタンパク質を送達するのに用いることができる、というのは外部の疎水性相互作用は疎水性アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは疎水性ペプチドに充分な安定性を与えるからである。負に荷電したオリゴヌクレオチドはまた、幾つかの特別に構築したポリマーの良好なゲスト分子であることが予期される、なぜなら該ポリマーのリンカー中の塩基性窒素原子は適当な条件下で負の荷電を中和するからである。
以下の実施例は、本発明の組成物の製造方法および該組成物の使用方法を説明するために記載するものである。
実施例1
材料および一般的方法:
ペンダントプロピオン酸基を有するPEG(PEG−10PAおよびPEG−8PA、Mw=〜20KD、SunBio, Inc.、安養市、韓国)を室温で一夜、真空乾燥した。β−シクロデキストリン(TCI America、ポートランド、オレゴン)を使用前に130℃で一夜真空乾燥させた。他の化学品はAldrich Chemical Company, Inc.(ミルウォーキー、ウイスコンシン)から得、さらに精製することなく受領のままで使用した。HPLC分析は、RIデテクターおよびUltrahydrogel 120およびUltrahydrogel 500 SECカラムを備えたWatersシステムで行った。H−NMRの記録はVarian 400 MHz装置で行った。
PEG−SS−CD(化合物)の合成
モノ−6−(6−アミノ−3,4−ジチオ−ヘキシルアミノ)−6−デオキシ−β−シクロデキストリン(化合物1):
シスタミン二塩酸塩(1.0g、4.44モル、Fw=225.2)を30mlの蒸留水に溶解し、ついで1.0M KOH(8.88モル)およびモノ−6−トシル−β−シクロデキストリン(0.5g、Fw=1289)粉末を加えた。得られた懸濁液を70℃油浴で一夜攪拌し、ついで約4mlに濃縮した。この混合物をSephadex G-25カラム(2.5×80cm)に適用し、0.1M TEAで溶出した。約0.38gの化合物が得られた。
PEG−SS−CD(化合物):
カルボキシル基グラフトPEG(2.24g、PEG−8PA、20kDa、〜8のペンダントプロピオン酸基を含む平均分子量が〜20,000のポリエチレングリコール)を25mlの無水DMFに溶解し、混合物を氷上、アルゴン保護下で0℃に冷却した。これに280μlのトリブチルアミン(1.18ミリモル、Fw=185.36、d=0.778)を加え、ついでDMF中のクロロギ酸イソブチル(IBCF、Fw=136.6、d=1.053)175μlを加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した。ついで、反応混合物を100mlのDMF中の1.75gの化合物の溶液に室温でゆっくりと加えた。室温で一夜攪拌した後、1mlの水を加えて反応を停止させた。混合物を濃縮し、ついで60mlの水で希釈した。生成物の溶液をSephadex G-50カラムで精製し、0.1M TEAで溶出し、ついでエーテル沈降した。H−NMR分析は、約5のCD残基が分子量約〜20,000のPEG骨格にコンジュゲートしていることを示した。生成物の保持時間は、HPLCクロマトグラフィー[GPCカラム、Rt(生成物)=17.33’、vs Rt(PEG−8A)=16.87’]によって決定されるように、出発物質のPEGよりも約0.45分遅かった。
Figure 2005517048
実施例2
PEG−SS−AcCD(化合物)の合成
PEG−SS−CD(化合物、1.0g、〜5CD/20kD−PEG)をPデシケーター中で乾燥させ、ついで50mlの無水ピリジンとともに共蒸発した。残渣をアルゴン保護下で30mlのピリジンに溶解し、ついで2.0mlの無水酢酸(Fw=102.1、d=1.08)を加えた。混合物を室温で2日間攪拌した後、ロータリーエバポレーターで乾燥させた。粗製の生成物をメタノールからのエーテル沈降を繰り返すことによって精製した。HPLC(GPC)分析は、出発物質のポリマーに比べて生成物の0.46分の遅れを示した(生成物のRt=19.70’vs反応ポリマーのRt=19.24’)。H−NMR分析は、各20kDのPEGが約5のCD残基を含み、ヒドロキシル基がすべてアセチル化されていることを示した。
Figure 2005517048
実施例3
PEG−SS−DECD(化合物)の合成
PEG−SS−NH2(化合物):
カルボキシル基グラフトPEG(PEG−8PA、2.6g、〜2.0ミリモルのCOOH基)を30mlの無水DMFに溶解し、氷上で0℃に冷却した。これにトリブチルアミン(0.35ml、1.5ミリモル、Fw=185.36、d=0.778)を加え、ついでクロロギ酸イソブチル(0.20ml、1.5ミリモル、Fw=136.6、d=1.053)を加えた。混合物を0℃で80分間攪拌し、50mlの無水DMF中のシスタミン溶液(3.5g、Fw=152.2、23ミリモル)に注意深く加えた。室温で20時間攪拌し、ロータリーエバポレーターで40℃にて約20mlに濃縮し、ついで50mlの水で希釈した後に蒸留水に対して透析した(4×5Lを26時間かけて、Sigma D-0655、MWCO=12,000)。透析液を40℃での回転蒸発により濃縮して4.1gのシロップを得た。このシロップを10mlのメタノールに溶解し、ついで80mlの酢酸エチルを加えて沈殿させた。沈殿を遠心分離により回収し、この沈殿工程を2回繰り返した。最終生成物は白色粉末であり、重量は約2.2gであった。生成物はそのHPLC(GPC)クロマトグラムにおいて微妙な(nice)ピークを1つだけ示し、保持時間(18.66’)は出発物質のPEG−8PAの保持時間(17.11’)よりも約1.5分間長かった。
N−(β−シクロデキストリン−6−イル)グリシンメチルエステル(化合物):
グリシンメチルエステル塩酸塩(1.5g、Fw=125.56、12ミリモル、Aldrichから)をアルゴン保護下に100mlの無水DMFに溶解した。これにDIPEA(2.1ml、12ミリモル、Fw=129.25、d=0.724)を加え、ついで6−モノ−トシルシクロデキストリン粉末(3.0g、Fw=1289、〜80%純度、〜1.8ミリモル)を加えた。混合物を室温で攪拌して透明な溶液とした。温度をゆっくりと約70℃に上げ、ついでさらに4時間攪拌した。ついで、混合物をロータリーエバポレーターで55℃にてシロップに濃縮した。粗製の生成物を40mlの熱水に溶解し、室温に冷却後に〜80mlのアセトンを加えることにより沈殿させた。白色の沈殿を濾過により回収し、一夜真空乾燥させた。約2.3gの所望の化合物が得られた。この生成物をさらに精製することなく次の工程に用いた。
N−(ヘプタキス−2−O−エチル−6 ,6 ,6 ,6 ,6 ,6 −ヘキサ−O−エチル−β−シクロデキストリン−6 −イル)グリシン(化合物):
N−(β−シクロデキストリン−6−イル)グリシンメチルエステル(化合物、約2.0g、Fw=1206、〜1.6ミリモル)を15mlのDMSOおよび15mlのDMFに溶解した。溶液を氷浴中で0℃に冷却し、ついで10gのBaOおよび10gのBa(OH)・HOをアルゴン保護にて加えた。この白色懸濁液に20mlのジエチルサルフェートをゆっくりと加えた。混合物を0℃で1時間攪拌し、ついで室温でさらに24時間攪拌した。さらに20mlのジエチルサルフェートを1時間以内にゆっくりと加え、ついで室温でさらに24時間攪拌した。粘性の反応混合物に60mlの5N NaOHを0℃にてゆっくりと加え、ついで混合物を室温にて1時間攪拌した。これを2×200mlのクロロホルムで抽出した。コンバインした有機相をNaSOで乾燥後、蝋状生成物に濃縮した。粗製の生成物を20mlのメタノールに溶解し、ついで20mlの蒸留水を加えた。混合物を真空濾過して痕跡量の沈殿を除去した。透明な濾液を濃縮してオレンジ色の泡状固体(約1.8g)を得た(このものは所望の化合物を約50%含んでいた)。この粗製の生成物を真空Pデシケーターで一夜乾燥後、次の反応に直ちに用いた。
PEG−SS−DECD(化合物):
粗製の化合物(1.4g、〜0.46ミリモル)を2×20mlの無水DMFを用いた共蒸発により乾燥し、ついで20mlのDMFに再溶解し、ついで0.19mlのトリブチルアミン(0.8ミリモル、Fw=185.36、d=0.778)を加えた。混合物を氷上で0℃に冷却した。この冷溶液に2mlのDMF中のクロロギ酸イソブチル(60μl、0.46ミリモル、Fw=136.6、d=1.053)を加えた。混合物を0℃で1.5時間攪拌し、ついで10mlの無水DMF中のPEG−SS−NH2(化合物、0.4g)の溶液に室温にて移し、ついでDIPEA(28μl、0.16ミリモル、Fw=129、d=0.724)を加えた。混合物を室温で一夜攪拌した後、シロップに濃縮した。シロップを30mlの酢酸エチルで粉砕してオレンジ色の沈殿を生成させた。沈殿を濾過により回収し、エチルエーテルで洗浄した。この固体をメタノールからのエーテル沈殿によりさらに2回精製した。約0.55gの明るいオレンジ色の固体が得られた。H−NMRは、生成物が所望のPEG−SS−DECD生成物であることを示したが、約1.5のCD残基しか20KDのPEG分子に結合しておらず、シクロデキストリン当たり約13のエチル基であった。
Figure 2005517048
実施例4
PEG−GFLG−DECD(化合物11)の合成
モノ−6−(N −Boc−3−アミノ−プロピルアミノ)−6−デオキシ−β−シクロデキストリン(化合物):
モノ−Boc−1,3−ジアミノ−プロパン(3.5g、〜3.0モル、Jean Fransois Ponsら、J. Org. Chem., 1998, 853-859に記載の方法により調製)を2.8ml(12ミリモル、Fw=185.36、d=0.778)のトリブチルアミンおよび30mlの無水DMFと2回共蒸発させることにより乾燥させた。最終乾燥油状物を100mlの無水DMFと混合し、ついでDIPEA(2.1ml、12ミリモル、Fw=129、d=0.742)を加えた。この溶液に3.5gの6−モノ−トシル−6−O−β−シクロデキストリンを加えた。混合物を室温で攪拌して固形分を完全に溶解させた。混合物を油浴中、70℃にて一夜攪拌した。混合物をロータリーエバポレーターで45℃にて約10mlに濃縮し、ついで100mlのアセトンで沈殿させた。白色沈殿を濾過により回収し、アセトンで洗浄した。約3.2gの生成物が得られた。このものはTLC(Rf=0.12、シリカゲル、80:10:10/AcOH:CHCl:HOで展開、95%エタノール中の5%ホスホモリブデン酸で染色)で推定して所望の化合物を約60%含んでいた。この生成物を次の工程で直接エチル化した。
モノ−(ヘプタキス−2−O−エチル−6 ,6 ,6 ,6 ,6 ,6 −ヘキサ−O−エチル−β−シクロデキストリン−6 −イル)−1,3−ジアミノ−プロパン(化合物):
モノ−6−(N−Boc−3−アミノ−プロピルアミノ)−6−デオキシ−β−シクロデキストリン(化合物、3.0g)を40mlの無水DMFおよび40mlのDMSOに0℃にて溶解し、ついで10gのBaOおよび10mlのBa(OH)・HOとアルゴン保護にて混合した。混合物を0℃に冷却し、ついで20mlのジエチルサルフェートをゆっくりと加えた。混合物を0℃で6時間攪拌し、ついで室温でさらに2日間攪拌した。反応混合物に25mlの冷アンモニアを加え、ついで室温でさらに3時間攪拌した。最終反応混合物を50mlのHOで希釈し、3×100mlの酢酸エチルで抽出した。有機相を2×200mlの飽和NaHCO、および3×200水で充分に洗浄し、ついで硫酸ナトリウムで乾燥した後に濃縮した。真空下で一夜乾燥させた後に約2.8gのオレンジ色の固体が得られた。生成物を10mlのトリフルオロ酢酸に溶解した。透明な溶液を室温にて3時間攪拌し、ついで15mlの水を加えた。混合物を室温でさらに20分間攪拌し、ついでロータリーエバポレーターで45℃にて乾燥させた。残渣を150mlの酢酸エチルに溶解し、3×100mlの飽和NaHCOおよび100mlの食塩水で洗浄した。NaSOで乾燥後に有機相を濃縮した。約2.0gの粗製の化合物が得られた。この生成物を次の結合反応に直接用いた。
PEG−GFLF−DECD(化合物11):
PEG−GFLG(テトラペプチドGly−Phe−Leu−GlyグラフトPEGポリマー、化合物10、20,000のPEG中に〜4.5のGFLGペプチド、PEG−8PAおよびGFLGペプチドから調製)(2.0g、〜0.4ミリモルの−COOH、30mlのDMFを用いた共蒸発により乾燥)を30mlの無水DMFおよび0.17mlのトリブチルアミン(0.7ミリモル、Fw=185.36、d=1.053)にアルゴン保護にて溶解した。これに2mlのDMF中の0.078ml(0.6ミリモル)のクロロギ酸イソブチルを0℃に冷却後に加えた。混合物を0℃で1.5時間攪拌し、ついで20mlのDMF中の2.0gの化合物の溶液にゆっくりと加え、ついでDIPEA(0.5ミリモル、0.087ml)を加えた。混合物を室温で一夜攪拌し、約10mlに濃縮し、90mlの冷エチルエーテルで沈殿させた。オレンジ色の沈殿を濾過により回収し、メタノールからのエーテル沈殿によりさらに3回精製した。最終生成物は約2.2gであった。HPLC(GPC)クロマトグラフィーにおいて、生成物の保持時間(Rt=18.42’)は出発物質のPEG−GFLGポリマーの保持時間(Rt=17.76’)よりも約0.67分長かった。H−NMRは、生成物が所望の化合物11であることを示す:各20kDポリマーは約4.5のテトラペプチドGFLGおよび1.8のCD残基を含んでおり、各CD残基は約13のエチル基を有する。
Figure 2005517048
実施例5
PEG−C3−AcCDPEG−C3−DECDおよびPEG−C3−BnCDの合成
モノ−6−(γ−アミノ−プロパニル−アミノ)−6−デオキシ−β−シクロデキストリン(化合物12):
モノ−6−トシル−6−デオキシ−シクロデキストリン(6.5g、Fw=1269)を室温で激しく攪拌しながら200mlの無水DMFおよび60mlのジアミノプロパンに溶解した。透明な溶液を室温で2時間攪拌し、ついで65℃でさらに20時間攪拌した。混合物を45℃にて約20mlに濃縮した。これに200mlの冷イソプロパノールを室温にて加えた。白色の沈殿を濾過により回収した。固体を25mlの水および25mlのTEAに再溶解した。これに300mlのアセトンを0℃にてゆっくりと加えた。沈殿を濾過により回収し、再沈殿をさらに2回繰り返した。最終生成物は約5.5gであった。このものは所望の化合物12を約80%および遊離のシクロデキストリンを約20%含んでいた。生成物をさらに精製することなく次の反応に用いた。
PEG−C3−CD(化合物13):PEG−SS−CDの合成において記載したのと同じ方法を用い、モノ−6−(γ−アミノ−プロパニル−アミノ)−6−デオキシ−β−シクロデキストリン(化合物12、6.2g)をPEG−8PA(4.1g)にコンジュゲートした。約4.3gの純粋な生成物がGPC精製の後に得られた。生成物の保持時間(17.87’)は出発物質のPEG−8PAの保持時間(17.11’)よりも0.76分長かった。H−NMRは、生成物が所望の化合物13であることを示しており、該化合物は各20KD PEG分子中に約4.5のCD残基を含んでいる。
Figure 2005517048
PEG−C3−AcCD(化合物15):PEG−SS−AcCDの調製において記載したのと同じ方法を用い、PEG−C3−CD(1.0g、〜4.5CD/20KD PEG)をアセチル化した。約1.0gの生成物が得られ、その保持時間(17.99’)は出発物質のポリマーの保持時間(PEG−C3−CD、17.87’)よりも約7.2秒長いだけであった。しかしながら、H−NMRは、生成物が所望の化合物15であることを示しており:ポリマーは各20kD PEG中に4.5のCD残基を含んでおり、ペンダントCD上のヒドロキシル基の約90%がアセチル化されていた。
Figure 2005517048
PEG−C3−BnCD(化合物16):PEG−C3−CD(化合物13、0.9g、〜4.5CD/20KD PEG)を20mlの無水ピリジンとともに共蒸発して乾燥させ、ついでアルゴン保護にて30mlのピリジンに再溶解した。これに3mlの塩化ブチリル(Fw=106.55、d=1.026)を室温にて(反応温度が上昇する場合は氷冷)ゆっくりと加えた。混合物を室温で4時間攪拌し、ついで室温にてさらに30分間攪拌した後、メタノール(5.0ml)を加えた。混合物をロータリーエバポレーターで濃縮して蝋状の固体とした。この固体を20mlのメタノールに溶解し、20mlの水で希釈した。透明な溶液を2×5Lの20%イソプロパノール/水に対して透析した。不透明な透析溶液をSpeed-Vacで室温にて濃縮した。ペレットをエーテルを用いてメタノールからさらに3回沈殿させた。生成物は水には実際的に不溶性であったが、メタノールまたはクロロホルムには非常に可溶性であった。収率=90%。H−NMRは、生成物が所望の化合物16であることを示している:ペンダントシクロデキストリン上のヒドロキシル基の約80%がブチリル化されていた。
Figure 2005517048
実施例6
PEG−L8−AcCDおよびPEG−L8−DECDの合成
モノ−6−(8−アミノ−3,6−ジオキシ−オクチルアミノ)−6−デオキシ−β−シクロデキストリン(化合物17):
500ml容の丸底フラスコに、アルゴン保護下、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(300ml、Fw=148)およびモノ−6−トシル−β−シクロデキストリン(24.4g、Fw=1269、Pデシケーターで一夜乾燥)を入れた。懸濁液を室温で攪拌して全ての固形分を完全に溶解した(〜1.0時間)。混合物を75℃にてさらに4時間攪拌した。反応混合物を1.8Lの冷イソプロパノールにゆっくりと注いだ。沈殿を濾過により回収し、イソプロパノールで洗浄した。沈殿を200mlの温水(50℃)に溶解し、ついで攪拌しながら1.8Lの氷冷イソプロパノールにゆっくりと注いだ。−20℃に冷却後に沈殿を濾過により回収した。このイソプロパノール沈殿プロセスをさらに2回繰り返した。約24gの白色粉末が得られた。HPLC分析(GPC、0.1M NaNOで溶出)は、生成物が約85%の所望の化合物(Rt=39.21’)および〜15%の非修飾β−CD(Rt=32.25’)を含んでいることを示し、遊離のジアミン反応物は検出されなかった。それゆえ、この生成物を次の結合に直接用いた。
Figure 2005517048
PEG−L8−CD(化合物18):
PEG−8PA(4.0g、〜8−COOH/PEG−20K、〜1.7ミリモルのCOOH、Pデシケーターで一夜乾燥させ、50mlの無水DMFとともに共蒸発)を50mlの無水DMFおよび0.54mlのトリブチルアミン(TBA、Fw=185.36、d=0.778、2.27ミリモル)に溶解した。透明な混合物を氷冷し、ついで0.29mlのクロロギ酸イソブチル(IBCF、Fw=136.6、d=1.053、2.2ミリモル)を0℃にて加えた。混合物を0℃にて1時間攪拌し、ついで50mlの無水DMF中のモノ−6−(8−アミノ−3,6−ジオキシ−オクチルアミノ)−6−デオキシ−β−シクロデキストリン(化合物17、5.0g、Fw=1336、〜80%純度、〜2.6ミリモル、Pデシケーターで一夜乾燥)の溶液に室温にてゆっくりと加えた。一夜攪拌後、混合物をrota-vapで50℃にて約20mlに濃縮した。混合物を60mlの水で希釈した後、Sephadex-G-50カラム(2.5×80cm、0.1M TEAA、pH=10.0で溶出、8ml/ml回収)で精製した。フラクションをGPC−HPLCにより分析し、ポリマーのフラクションを2つの部分にプールした:部分A:フラクション9〜30;部分B:フラクション31〜35。
両方の部分をロータリーエバポレーターで蝋状の固体に濃縮し、ついで15mlのメタノールに再溶解した。生成物を5mlのTEAおよび120mlのエチルエーテルにより沈殿させた。白色沈殿を濾過により回収した。部分Aおよび部分Bは、それぞれ4.7gおよび0.55gの重さであった。H−NMR分析は、両方の部分が所望のPEG−L8−CD生成物であることを確認したが、シクロデキストリンのローディングが異なっていた:平均して20KD−PEGポリマーは、部分Aおよび部分Bにそれぞれ約5.5および8.5のシクロデキストリン残基を含んでいる。
Figure 2005517048
PEG−L8−AcCD(化合物19):
PEG−L8−CD(化合物18、1.0g、〜5.5CD/20KD PEG、Pデシケーターで一夜乾燥)を40mlの無水ピリジンとともに共蒸発して乾燥させ、ついでアルゴン保護下で40mlの無水ピリジンに再溶解した。これに3.0mlの無水酢酸を加えた。混合物を室温にて2日間攪拌し、ロータリーエバポレーターで45℃にて約10mlに濃縮した。これに90mlのエチルエーテルをゆっくりと加えた。沈殿を濾過により回収した。生成物をエーテル沈殿によりメタノールからさらに3回精製した。最終の白色粉末を真空乾燥させたところ、重さは1.07gであった。H−NMRは、生成物が所望の化合物19であることを確認した:各20kD PEGは約5.5のCD残基を含み、ポリマーのペンダントCD残基上のヒドロキシル基の約90%がアセチル化されていた。
Figure 2005517048
PEG−L8−DECD(化合物20):
PEG−L8−CD(化合物18、1.0g、〜5.5CD/20KD PEG、Pデシケーターで一夜乾燥)を5mlの無水DMSOおよび5mlの無水DMFに溶解し、溶液をアルゴン保護下、0℃に氷冷した。これに0.75gのBaOおよび0.75gのBa(OH)・HO粉末を加え、直ちに3mlのジエチルサルフェートを3つに分けて1時間かけて加えた。懸濁液を0℃で2時間攪拌し、ついで4℃でさらに2日間攪拌した。ついで80mlの冷エチルエーテルを0℃にて加え、ついで0℃でさらに30分間攪拌した。オレンジ色の沈殿を濾過により回収し、50mlの50%メタノール/水に溶解した。混合物を5Lの0.01N HCl、ついで2×5Lの水に対して透析した(MWCO=12,000)。最終透析溶液を濃縮して約1gの蝋状の生成物を得た。これをメタノールからの2回のエーテル沈殿によりさらに精製した。H−NMR分析は、約4のCDが各20KD−PEGに存在し、各CD残基が約11のエチル基を有することを示していた。このことは、CD残基の約30%がアルキル化プロセスの際にPEG骨格からはずれたことを意味している。
Figure 2005517048
13の代表的なシクロデキストリングラフトPEGポリマー(表1)を実施例1〜6および図4〜8に従って調製した(リンカーは生分解性であるか(X=−SS−または−GFLG−)または非生分解性である(−C3−または−L8−))。ペンダントシクロデキストリン残基は、天然β−CDであるか(PEG−X−CD)、またはエチル(PEG−X−DECD)、アセチル(PEG−X−AcCD)またはブチリル(PEG−C3−BnCD)を含む疎水性基で修飾されている。調製プロセスの各工程をモニターするのにGPC−HPLCを用いたが、最終生成物はすべて対応のPEG前駆体よりも長い保持時間を有することがわかった。すべての生成物ポリマーの構造をH−NMR分析により確認したが、そのCD含量は各20KD PEG骨格上の平均1.5CD〜8.5CDまで様々であることがわかった(表2)。これら生成物はすべて、大抵の有機溶媒(クロロホルム、メタノール、エタノールなど)に非常に可溶性である。これら生成物はまた、PEG−C3−BnCDを除いて水に非常に可溶性である。
表2:幾つかのシクロデキストリングラフトPEGコポリマーの構造的特徴
Figure 2005517048
*:Waters Ultrahydrogel(120 & 500)のGPCカラム、0.1M NaNOで溶出;
**:Varian 400 HMzで記録したH−NMRスペクトルにより計算。
実施例7
CDポリマーまたはCDモノマーとのパクリタクセル複合体の調製
(A)共溶解法:この方法は水溶性ポリマーとのすべての複合体に適している
ポリマー(またはモノマー対照)(通常、約100mg/ml)の水溶液を等容量(通常、40〜2000μl)のパクリタクセル溶液(Cパクリタクセル=メタノール中に0.1〜8.0mg/ml)と混合した。混合物を室温で約半時間インキュベートした。ついで、溶媒を遠心濃縮機で室温にて除去した。もとの容量まで水またはPBSを加えることにより、濃縮シロップまたは蝋状の固体を再構成した。混合物は、通常、再構成の30分後には透明かまたはわずかに曇った溶液となった。溶解していないパクリタクセル粒子を限外濾過(0.2μmフィルター)かまたは遠心分離(20,800gおよび室温で20分間)のいずれかにより除去した。透明な上澄み液中のパクリタクセルの濃度を、対応のシクロデキストリンポリマー溶液をバックグラウンド検量として用いることにより290nmでのUV吸光度によって定量した。
(B)透析法:この方法はすべてのパクリタクセル/ポリマー複合体溶液の調製に適している
ポリマー(通常、100mg/ml)のメタノール溶液を等容量(100μl)のパクリタクセル溶液(メタノール中に1〜3mg/ml)と混合した。透明な混合物を室温で約半時間インキュベートし、ついで2Lの水に対して一夜透析した(MWCO=12,000)。透析溶液は、通常、透明な溶液であった。痕跡量のパクリタクセル粒子を限外濾過(0.2μmフィルター)かまたは遠心分離(20,800gおよび室温で20分間)のいずれかにより除去した。透明な溶液を4℃またはそれ以下で貯蔵した。
実施例8
アンチセンスオリゴヌクレオチド/CD−ポリマー複合体の調製
シクロデキストリンPEGポリマー(50mg/ml)を、ある量の21−mer蛍光標識オリゴヌクレオチドと20mMトリス−HCl緩衝液(pH=7.4)中で混合した。溶液をSpeed-Vacで乾燥させ、ついで同量の水を用いて再構成した。溶液中のDNA/ポリマー複合体をpH=7.4のTAE緩衝液中で1%アガロースゲルを用いて分析した。
表3:他の利用できるCD誘導体と比較したコポリマーの幾つかによるパクリタクセルまたはオリゴヌクレオチドのローディングの比較
Figure 2005517048
*:50mgのポリマーまたは他のCD誘導体の存在下での1.0mlの水またはPBS中の医薬の量
**:検出せず
実施例9
50%血清中でのまたはPBS中に10倍希釈後でのタキソール/CD複合体の安定性
(A)50%ウシ胎仔血清中での安定性:タキソール/PEG−L8−AcCD(1.0mlのPBS緩衝液中に2.0mg/50mg)またはタキソール/DMCD(PBS緩衝液中に0.5mg/50mg)の複合体溶液を実施例7の方法Aの記載と同様にして調製した。50μlの複合体溶液を等容量のウシ胎仔血清でそれぞれ希釈した。両混合物を室温でそれぞれ2時間、21時間、49時間および144時間インキュベート後に室温で20,8000gにて遠心分離した。各上澄み液中のタキソールの濃度を230nmでのUV吸光度を測定することにより定量した。
(B)PBSで10倍希釈後の安定性:タキソール/PEG−L8−AcCD(1.0mlのPBS緩衝液中に2.0mg/50mg)またはタキソール/DMCD(PBS緩衝液中に0.5mg/50mg)の複合体溶液を実施例10の記載と同様にして調製した。50μlの複合体溶液を450μlのPBS緩衝液でそれぞれ希釈した。両混合物を室温でそれぞれ2時間、21時間、49時間および144時間インキュベート後に室温で20,8000gにて遠心分離した。各上澄み液中のタキソールの濃度を230nmでのUV吸光度を測定することにより定量した。
表4:50%血清中でのおよびPBSで希釈後でのパクリタクセル/PEG−8L−AcCD複合体およびパクリタクセル/DMCD複合体の安定性試験の要約
Figure 2005517048
実施例10
パクリタクセル/PEG−L8−AcCD複合体からのパクリタクセルの放出および遊離コポリマーの細胞障害活性
PEG−L8−AcCD複合体からの遊離パクリタクセルの有効な放出を該複合体の細胞障害活性により確認した。以下に記載するように、改変MTTアッセイにより決定した3つのすべての試験細胞株においてパクリタクセル/PEG−L8−AcCD複合体調合物(本発明)と現在市販のパクリタクセル/クレモフォール調合物(タキソール、Bristol-Myers Squibb)との両者で同様のIC50値が得られた。しかしながら、PEG−L8−AcCD単独では試験した最高の濃度でも検出しうる細胞障害活性は示さなかったのに対し、クレモフォールは約0.5mg/mlの濃度で細胞の半数を死滅させた(表5):
1.細胞を0.1mlの培地中、96ウエルプレートに約5,000細胞/ウエルにてプレーティングし、37℃で24時間インキュベートした;
2.古い培地を除き、80μlの新鮮な培地を各ウエルに加えた;
3.20μlの試料溶液を各ウエルに加えた(5×系列希釈、各試料について少なくとも8つの濃度);
4.細胞を3または4日間インキュベートした;
5.培地を除いた。20μlのMTS溶液(Promega CellTiter 96 Aqueous One Solution Reagent #G358A)とともに80μlの新鮮な培地を加えた。37℃で2〜4時間インキュベートした;
6.プレートリーダーで490nmの吸光度を読み取った;
7.細胞不含ウエルをブランク対照としておよび医薬不含ウエルを100%生存対照として用いてIC50を計算した。
表5:3つの異なる細胞株における異なるタキソール調合物および担体対照のIC50 の比較
Figure 2005517048
*:改変MTTアッセイにより評価した、細胞が50%生存能を有する濃度
実施例11
コポリマーおよびその可能な生分解産物の溶血活性
本発明のポリマーおよびその可能な生分解産物の細胞障害活性をさらに調べるため、以下に記載するようにその溶血活性を市販のCDモノマーと比較して新鮮なヒト血球で試験した。溶血の程度は、蒸留水中のヘモグロビンの全溶出のパーセントとして報告してある(表6)。
1.1000gで10分間遠心分離することによりヒト全血から赤血球を単離した。
2.血漿を除去し、赤血球を標準緩衝食塩水(PBS、0.154M塩化ナトリウムおよび0.01Mリン酸、pH=7.4)に再浮遊させた。赤血球を遠心分離(1000gで10分間)によりペレット化した。
3.損傷を受けた赤血球からのヘムを除去するため工程2を2回繰り返した。
4.最終ペレットをPBSで希釈して遠心沈降により決定して約12(または5%)のヘマトクリットを与えた。
5.PBS緩衝液中で37℃にて平衡化した一連の濃度(PBS緩衝液中に0〜50mg/ml)の2mlのポリマーまたはシクロデキストリン溶液を37℃で平衡化した。これに100μlの赤血球浮遊液を加え、ついで試料を穏やかに逆さにして混合した。試料を37℃で30分間インキュベートした。
6.1000gで5分間遠心分離することにより完全な細胞および細胞破砕物をペレット化した。放出されたヘムについて上澄み液を543nmで分光測光的に分析した。
表6:種々のPEG−CDポリマーおよびその前駆体モノマーの溶血活性の市販CD誘導体との比較
Figure 2005517048
上記データは、本発明の新規PEG−CDポリマーがパクリタクセルの安全な医薬担体として使用するのに優れた可能性を有することを示している(表3、表4、表5および表6)。50mg/mlのポリマーの存在下でパクリタクセルは少なくとも2.2mg/mlの濃度で水に溶解することができるが、これは遊離のパクリタクセルの水溶解度の10,000倍以上の増大であり、同様の条件下でのヒドロキシルプロピル−β−シクロデキストリン(HPCD)およびメチル−β−シクロデキストリン(DMCD)よりもそれぞれ少なくとも1,000倍および20倍良好な値である[Sharmaら、J. Pharm. Sci., 84(10), 1223-30 (1995)]。この溶解度の劇的な増大は、少なくとも以下の3つの要因の組み合わせのためである:(1)CD残基の局所濃度の増大;(2)協同による増大した結合定数(パクリタクセルの構造は大きな融合タクサン(taxane)環系の周囲に3つのフェニル基を有する);および(3)CD空洞の外部の余分の疎水性相互作用。
予期されるように、PEGポリマーにコンジュゲートした後はβ−シクロデキストリンの毒性は有意に低減された。MTTアッセイおよび溶血アッセイで同定されたように(表5および表6)、すべてのシクロデキストリンペンダントPEGポリマーで細胞障害活性は検出されなかった。モノマー(構築ブロック)でさえも天然のβ−シクロデキストリンよりも遙かに毒性が低かった。他方、本発明のコポリマー中のCD残基の重量比はH−NMRにより決定されるように25%未満でしかないため、本発明者らの実験濃度(50mgコポリマー/ml水)での実際のCD濃度は12.5mg/ml未満であった。換言すると、シクロデキストリン:パクリタクセルの重量比は本発明のポリマー複合体では6:1未満であった。それゆえ、非生分解性リンカーを有するコポリマーは、非常に有効な医薬放出特性を有する非常に安全な医薬担体である(表5)。さらに、医薬放出を促進するのに必要とされるように、生分解性のリンカー結合もまた許容しうるものである。
上記実施例は例示の目的で示したにすぎないのであって、いかなる意味でも本発明を限定することを意図するものではなく、そのように解してはならない。本発明の化合物および方法の種々の改変が本発明の精神および範囲を逸脱することなく行うことができ、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図するものであることが理解されなければならない。
50%血清中または10×PBS希釈液中でのパクリタクセル/CD複合体の安定性を示すグラフである。
PEG−SS−AcCD合成の反応式を示す。
PEG−SS−DECD合成の反応式を示す。
PEG−GFLG−DECD合成の反応式を示す。
PEG−C3−AcCD、PEG−C3−DECDおよびPEG−C3−BnCD合成の反応式を示す。
PEG−L8−AcCD、PEG−L8−DECD合成の反応式を示す。

Claims (11)

  1. 式1:
    Figure 2005517048
    (式中、Pは、分子量が2,000〜1,000,000ダルトンの範囲の生体適合性の親水性ポリマー骨格;R’は、Hまたはターゲティング残基;Xは、式:
    −Q−Z−Q’−
    (式中、Qは、直接かまたはペンダントアルキルまたは他の官能基により親水性ポリマー鎖に共有結合しており、Q’はシクロデキストリンの2位、3位または6位に共有結合し、それによりそれぞれOR基、OR基またはOR基のいずれかを置換している;QおよびQ’はそれぞれ独立に、NR、S、O、CO、CONHおよびCOOよりなる群から選ばれた成員;Zは、アルキレンジスルフィド[−(CHS−S(CH−]、アルキレン[−(CH−]、アルキレンオキシド(−[(CHO](CH−)、または短鎖ペプチド(ここで、aは1〜10の整数、bは1〜20の整数である)よりなる群から選ばれた成員)で示されるリンカー;R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、H、アルキル(Cn’2n’+1)、アルケニル(Cn’+12(n’+1)−1)またはアシル(Cn’2n’+1CO)(ここでn’は1〜16の整数である)よりなる群から選ばれた成員;qは5、6または7の整数;およびwは、各ポリマー骨格が20KDのポリマー骨格当たり1.5〜30のシクロデキストリン残基を含むような整数である)で示されるシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマー。
  2. 該生体適合性のポリマーが、ポリエチレングリコール(PEG)、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドポリマー(HPMA)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリリシン、その誘導体およびそのポリマーよりなる群から選ばれた成員である、請求項1に記載のシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマー。
  3. 各ポリマー骨格が20KDのポリマー骨格当たり2〜15のシクロデキストリン残基を含む、請求項2に記載のシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマー。
  4. 該生体適合性ポリマーが約5,000〜70,000の分子量を有する、請求項3に記載のシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマー。
  5. 式2:
    Figure 2005517048
    (式中、R’は、Hまたはターゲティング残基;Xは、式:
    −Q−Z−Q’−
    (式中、Qは、直接かまたはペンダントアルキルまたは他の官能基により親水性ポリマー鎖に共有結合しており、Q’はシクロデキストリンの2位、3位または6位に共有結合し、それによりそれぞれOR基、OR基またはOR基のいずれかを置換している;QおよびQ’はそれぞれ独立に、NR、S、O、CO、CONHおよびCOOよりなる群から選ばれた成員;Zは、アルキレンジスルフィド[−(CHS−S(CH−]、アルキレン[−(CH−]、アルキレンオキシド(−[(CHO](CH−)、または短鎖ペプチド(ここで、aは1〜10の整数、bは1〜20の整数である)よりなる群から選ばれた成員)で示されるリンカー;R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、H、アルキル(Cn’2n’+1)、アルケニル(Cn’+12(n’+1)−1)またはアシル(Cn’2n’+1CO)(ここでn’は1〜16の整数である)よりなる群から選ばれた成員;qは5、6または7の整数;wは20KDのPEG骨格鎖当たり2〜15のシクロデキストリン単位を与えるような整数、およびmおよびnは、wと組み合わせたときに分子量が5,000〜70,000のポリエチレンオキシドポリマー鎖を表すのに充分な整数である;ただし、wによって表されるグラフトシクロデキストリン単位を含む生体適合性ポリマー骨格上のモノマー単位は、連続的に連結している必要はなく、ポリマー骨格に沿ってランダムまたは均一に分布していてよい)で示されるシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマー。
  6. 式3:
    Figure 2005517048
    (式中、R’は、Hまたはターゲティング残基;Qは、直接かまたはペンダントアルキルまたは他の官能基により親水性ポリマー鎖に共有結合しており、Q’はシクロデキストリンの2位、3位または6位に共有結合し、それによりそれぞれOR基、OR基またはOR基のいずれかを置換している;QおよびQ’はそれぞれ独立に、NR、S、O、CO、CONHおよびCOOよりなる群から選ばれた成員;Zは、アルキレンジスルフィド[−(CHS−S(CH−]、アルキレン[−(CH−]、アルキレンオキシド(−[(CHO](CH−)、または短鎖ペプチド(ここで、aは1〜10の整数、bは1〜20の整数である)よりなる群から選ばれた成員;R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、H、アルキル(Cn’2n’+1)、アルケニル(Cn’+12(n’+1)−1)またはアシル(Cn’2n’+1CO)(ここでn’は1〜16の整数である)よりなる群から選ばれた成員;qは5、6または7の整数;wは20KDのPEG骨格鎖当たり2〜15のシクロデキストリン単位を与えるような整数、およびmおよびnは、wと組み合わせたときに分子量が5,000〜70,000のポリエチレンオキシドポリマー鎖を表すのに充分な整数である;ただし、wによって表されるグラフトシクロデキストリン単位を含む生体適合性ポリマー骨格上のモノマー単位は、連続的に連結している必要はなく、ポリマー骨格に沿ってランダムまたは均一に分布していてよい)で示されるシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマー。
  7. QがC(O)NHであり、Q’がNRであり、aが2である、請求項4ないし6のいずれか一つに記載のシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマー。
  8. Zが−(CHS−S(CH−であり、RがCであり、RがCであり、RがHであり、RがCである、請求項4ないし6のいずれか一つに記載のシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマー。
  9. 請求項1ないし6のいずれか一つに記載のシクロデキストリングラフト生体適合性ポリマーおよび活性剤を含む組成物。
  10. 該活性剤が、疎水性の医薬、タンパク質またはペプチド医薬、核酸またはオリゴヌクレオチドである、請求項19に記載の組成物。
  11. 該活性剤がパクリタクセルである、請求項11に記載の組成物。
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