他に定義されない限り、本明細書で使用される科学技術用語は全て本開示が関連する技術分野の当業者により通常理解される意味と同じ意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;及びthe Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、本開示に使用される用語の多くの一般的辞書を当業者に提供する。
単位、接頭辞、及び記号は、それらのSysteme International de Unites(SI)承認形態で示される。数値範囲は、範囲を定義する数を含む。
用語「医薬組成物」は、有効成分の生物学的活性を可能にする形態であり、組成物が投与される対象にとって許容できないほど毒性のある追加成分を全く含まない調合物を指す。そのような組成物は滅菌できる。本明細書による医薬組成物は、式(I)の化合物及び薬学的に許容できる賦形剤を含むだろう。
「治療すること(treating)」又は「治療(treatment)」又は「治療すること(to treat)」又は「緩和すること(alleviating)」又は「緩和すること(to alleviate)」などの用語は、(1)診断された病態又は疾患の症状を治癒し、減速させ、減少させ、且つ/又はその進行を停止させる治療的措置と(2)標的とする病態又は疾患の発症を予防し、且つ/又は減速させる予防的(prophylactic)又は予防的(preventative)措置の両方を指す。そのため、治療を必要とする人々としては、既に疾患を有する人々;疾患を有する傾向がある人々;及び疾患を予防すべき人々がいる。特定の態様において、患者が、例えば、特定の種類の癌の全体的、部分的、又は一過性の寛解を示す場合、その対象は、本開示の方法により首尾よく癌が「治療」されている。
用語「対象」は、特定の治療の受容者になるべき、ヒト、非ヒト霊長類、齧歯動物などを含むがこれらに限定されないあらゆる動物(例えば哺乳動物)を指す。典型的には、用語「対象」及び「患者」は、ヒト対象に関連して、本明細書において互換的に使用される。
式(I)の化合物中の環Aは、フェニル及び二環式ヘテロアリールから選択される。本明細書での二環式ヘテロアリールは、2つの縮合環を含み、1、2、3、若しくは4つのN原子、又は1つのO原子、又は1つのS原子、又は1つのN原子及び1つのS原子、又は1つのN原子及び1つのO原子、又は2つのN原子及び1つのS原子、又は2つのN原子及び1つのO原子を含む芳香族基を指す。二環式ヘテロアリール基としては、両縮合環が芳香族である基、又は一方の縮合環が芳香族であり他方の縮合環が部分的若しくは完全に飽和である基がある。前記部分的又は完全に飽和の縮合環は、カルボニル基を含んでもよい。二環式ヘテロアリール基中の少なくとも1つのヘテロ原子は、芳香環中にも、飽和環中にも存在できる。式(I)の化合物の二環式ヘテロアリール基Aは、[6,6]又は[6,5]環系であり、好適な二環式ヘテロアリール基の例としては、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、アザインドリル、アザインダゾリル、ピロロ[1,2-b]ピリダジニル及びピロロ[2,3-b]ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニル及びナフチリジニル、並びにその部分的に飽和の誘導体がある。
誤解を避けるために記すと、複数の置換基が所与の群から独立に選択される場合、選択される置換基は、その所与の群内からの同じ置換基も異なる置換基も含み得る。単なる例としては、環Aが(R1)bにより置換されたフェニルであり、bが2である場合、2つのR1置換基は、同じで、例えばどちらもフルオロであり得るか、或いは異なり、例えば1つのフルオロ及び1つのヒドロキシであり得る。
実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、又は(Ij)の化合物は、A基がフェニルである式(Ik)の化合物である。
実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、又は(Ij)の化合物は、A基が二環式ヘテロアリールである式(Ip)の化合物である。
本明細書の実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、薬学的に許容できる賦形剤と共に含み、任意選択で1種以上の他の立体異性形態の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩をさらに含む医薬組成物であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が組成物内に90%以上のジアステレオマー過剰率(%d.e.)で存在する医薬組成物が提供される。
本明細書の実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、薬学的に許容できる賦形剤と共に含み、任意選択で1種以上の他の立体異性形態の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩をさらに含む医薬組成物であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が組成物内に90%以上の鏡像体過剰率(%ee)及び90%以上のジアステレオマー過剰率(%de)で存在する医薬組成物が提供される。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容できる塩は、非結晶形、結晶形、又は半結晶形で調製、使用、又は供給することができ、どのような式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩も、水和形態(例えば、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、又は他の化学量論の水和物)及び/又は溶媒和形態を含む、2種以上の結晶形/多形体形態に形成されることが可能であり得る。本明細書が、ありとあらゆるそのような固体形態の式(I)の化合物及びその薬学的に許容できる塩を包含することが理解されるべきである。
本明細書は、本発明の化合物に存在する原子の全同位元素を含むものとする。同位元素が、同じ原子番号を有するが質量数が異なる原子を含むことが理解されるだろう。例えば、水素の同位元素にはトリチウム及び重水素がある。炭素の同位元素には13C及び14Cがある。同位体標識された式(I)の化合物は、一般に、当業者に公知である従来の技法により、又は添付する実施例に記載のものと類似の方法により、適切な同位体標識された試薬を、以前に利用された非標識試薬の代わりに使用して調製できる。
式(I)の化合物の好適な薬学的に許容できる塩は、例えば、酸付加塩である。式(I)の化合物の好適な薬学的に許容できる塩は、例えば、式(I)の化合物の酸付加塩、例えば無機酸又は有機酸による酸付加塩でよい。
式(I)の化合物のさらなる好適な薬学的に許容できる塩は、例えば、式(I)の化合物のヒト又は動物の体への投与後に、前記ヒト又は動物の体内で形成される塩である。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、共結晶固体形態として調製され得る。式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の薬学的に許容できる共結晶が本明細書の一態様を形成することが理解されるべきである。
したがって、本明細書の一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、任意選択で1種以上の他の立体異性形態の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩と共に含む組成物であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が組成物内に90%以上のジアステレオマー過剰率(%de)で存在する組成物が提供される。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、通常、経口又は静脈内経路により、有効成分又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物、若しくはそのような塩の溶媒和物を、薬学的に許容できる剤形で含む医薬調合物の形態で投与されるだろう。治療すべき疾患及び患者並びに投与経路に応じて、組成物は、様々な投与量で、例えば1mg~1000mgの投与量で投与され得る。
先に記載の式(I)の化合物の医薬製剤は、簡便には単位剤形で投与でき、医薬の分野に周知の方法のいずれによっても、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA.(1985)に記載の通りに調製できる。一形態において、医薬は、式(I)の化合物及び、任意選択で薬学的に許容できる賦形剤を含むカプセル、例えばツーピースハードシェルカプセル又は軟質弾性ゼラチン(SEG)カプセルの形態であり得る。医薬組成物は、1mg~1000mgの量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含み得る。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における医薬品として使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における抗増殖作用の産生に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、固形腫瘍疾患の抑制及び/又は治療における抗浸潤剤としてヒトなどの温血動物において使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における抗増殖作用の産生のための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における抗増殖作用の産生に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、固形腫瘍疾患の抑制及び/又は治療における抗浸潤剤としてヒトなどの温血動物において使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、抗増殖作用を、そのような治療を必要としているヒトなどの温血動物において生み出す方法であって、前記動物に、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
本明細書において、特記されない限り、「有効量」という句は、治療すべき症状及び/又は病態を大幅に且つ良い方向に調節する(例えば、良性の臨床反応を与える)のに充分である化合物又は組成物の量を意味する。医薬組成物に使用する有効成分の有効量は、担当医の知識及び専門的技術内で、治療されている特定の病態、病態の重症度、治療期間、同時療法の性質、利用されている特定の有効成分、利用される特定の薬学的に許容できる賦形剤/担体、及び同様な因子により様々だろう。
さらなる実施形態によると、固形腫瘍疾患の抑制及び/又は治療により抗浸潤作用を、そのような治療を必要としているヒトなどの温血動物において生み出す方法であって、前記動物に、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における癌の予防又は治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における癌の予防又は治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、そのような治療を必要としているヒトなどの温血動物における癌の予防又は治療の方法であって、前記動物に、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における固形腫瘍疾患の予防又は治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における固形腫瘍疾患の予防又は治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、そのような治療を必要としているヒトなどの温血動物における固形腫瘍疾患の予防又は治療の方法であって、前記動物に、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasの阻害に感受性がある腫瘍の予防又は治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasの阻害に感受性がある腫瘍の予防又は治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasの阻害に感受性がある腫瘍の予防又は治療の方法であって、前記動物に、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasに対する阻害作用の提供に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasに対する阻害作用の提供に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異RASに対する阻害作用を提供する方法であって、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法も提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasに対する選択的阻害作用の提供に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasに対する選択的阻害作用の提供に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasに対する選択的阻害作用を提供する方法であって、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法も提供される。
G12C変異Rasに結合できる化合物が本明細書に記載される。生化学的及び細胞ベースアッセイにおいて、本明細書の化合物は、強力なG12C変異Rasタンパク質結合剤であることが示され、したがって、KRas、NRas、又はHRas G12C変異により介在される疾患の治療において、とりわけ、G12C変異KRas、NRas、又はHRasタンパク質を発現する癌、例えば、膵臓、結腸直腸、子宮、胆管、胃、膀胱、子宮頸部、精巣胚細胞、及び非小細胞肺癌並びに多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、横紋筋肉腫、並びに皮膚の扁平上皮癌の治療において有用であり得る。
さらなる実施形態によると、KRas、NRas、又はHRas G12C変異により介在される疾患の治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、KRas、NRas、又はHRas G12C変異により介在される疾患を治療する方法であって、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、KRas、NRas、又はHRas G12C変異により介在される疾患の治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、非小細胞肺癌又は大腸癌の治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、非小細胞肺癌又は大腸癌を治療する方法であって、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、非小細胞肺癌を治療する方法であって、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、乳癌又は婦人科癌の治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、非小細胞肺癌又は大腸癌の治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
本明細書のさらなる態様によると、非小細胞肺癌の治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
したがって、一実施形態において、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、及び癌の共同治療(conjoint treatment)のための追加の抗腫瘍物質が提供される。
式(I)の化合物は、主として、(ヒトを含む)温血動物において使用するための治療剤として有益であるが、それらは、G12C変異Rasを阻害することが要求されるときはやはり常に有用である。そのため、それらは、新たな生物学的試験の開発に、及び新たな薬理作用のある薬剤の探索に使用するための薬理学的標準として有用である。
別の実施形態は、患者のG12C KRas、HRas、又はNRas変異状態と、式(I)の化合物による治療に対する潜在的な感受性との間の関連を特定することに基づいている。その場合、式(I)の化合物などのRas阻害剤は、好都合には、他の療法に対して耐性がある可能性があるG12C KRas、HRas、又はNRas変異を有する患者を治療するのに利用できる。したがって、これは、式(I)の化合物による治療のために、患者、特に癌患者を選択する機会、方法、及びツールを与える。選択は、治療すべき腫瘍細胞が、野生型かG12C変異体のいずれのKRAS、HRAS、又はNRAS遺伝子を有するのかに基づく。したがって、G12C KRAS、HRAS、又はNRAS遺伝子状態は、式(I)の化合物による治療を選択することが有利になり得ることを示すバイオマーカーとして使用できるだろう。次いで、式(I)の化合物による首尾よい治療に感受性があると特定された患者をそのような化合物により治療できる。そのため、治療の方法は、第1の患者選択工程及び有効量の式(I)の化合物によるそれを必要とする患者の治療を包含し得る。
実施形態によると、式(I)の化合物による治療のために患者を選択する方法であって、患者由来の腫瘍細胞含有試料を提供すること;患者の腫瘍細胞含有試料中のRAS遺伝子が、野生型(位置12のグリシン)か変異体(位置12のシステイン)のいずれのKRas、HRas、又はNRasタンパク質をコードするのかを決定すること;及び、それに基づいて、式(I)の化合物による治療のために患者を選択することを含む方法が提供される。治療の方法は、患者選択のそのような方法を包含し得る。
方法は、実際の患者試料単離工程を含むことも、除外することもある。そのため、一実施形態によると、式(I)の化合物による治療のために患者を選択する方法であって、以前に患者から単離された腫瘍細胞含有試料中のRAS遺伝子が、野生型(位置12のグリシン)か変異体(位置12のシステイン)のいずれのKRas、HRas、又はNRasタンパク質をコードするのかを決定すること;及び、それに基づいて、式(I)の化合物による治療のために患者を選択することを含む方法が提供される。
別の実施形態によると、腫瘍細胞がG12C変異KRAS遺伝子を有すると特定された癌の治療に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
別の実施形態によると、腫瘍細胞がG12C変異HRAS遺伝子を有すると特定された癌の治療に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
本明細書の別の態様によると、腫瘍細胞がG12C変異NRAS遺伝子を有すると特定された癌の治療に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
別の実施形態によると、腫瘍細胞がG12C変異KRAS、HRAS、又はNRAS遺伝子を有すると特定された癌を治療する方法であって、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
別の実施形態によると、腫瘍細胞がG12C変異KRAS、HRAS、又はNRAS遺伝子を有すると特定された癌の予防及び治療に使用するための、式(I)の化合物を含む医薬組成物が提供される。
以下の例が、本発明の本質が完全に理解され得るように提供されることが認識されるだろう。以下の例が、本明細書の範囲を限定するとは決して意図されないことも認識されるだろう。
生物学的アッセイ
以下のアッセイを利用して、本明細書の化合物の効果を測定した。
KRasG12C機能アッセイ
不活性なGDPロード(GDP loaded)ビオチン化KRasG12Cタンパク質を、社内で(in house)、発現させ、精製し、GDPロードさせた。酵素及び基質溶液は全て、20mM HEPES(pH7.5)、5mM MgCl2、150mM NaCl、及び0.01%Tween 20を含むアッセイバッファ中に調製した。10nM GDPロードビオチン化KRasG12C及び37.5ng/mlストレプトアビジンユウロピウムクリプテート(Cisbio)をアッセイバッファ中に調製し、5μlを、DMSO中に調製した試験試料及び基準試料を含む384ポリスチレン、Hibase、中結合白色アッセイプレート(Greiner、784075番)の各ウェルに分注し、試料を4時間インキュベートした。別なミックスにおいて、20nM GST-Raf Ras結合ドメイン(GST-Raf RBD、社内で精製)及び4μg/ml抗GST XL665抗体(Cisbio)を、50mMフッ化カリウム及び0.05mg/ml BSAを含むアッセイバッファ中に調製し、4時間平衡化してから0.6μMグアノシン5’-[γ-チオ]三リン酸(GTPγS、Sigma)及び0.08μM SOS(社内で精製)を加えた。次いで、5μlのGST-RAF RBDミックスをアッセイプレートの各ウェルに分注した。この添加が、ヌクレオチド交換反応及び不活性なGDPロードKRasG12Cの活性なGTPγS KRasG12Cへの変化を開始させる。これを、活性なGTPγS KRasG12CとGST-Raf RBDとの間の特異的結合相互作用により同時に検出するが、それはユウロピウムとXL665を接近させて、増加したFRETシグナルを、HTRFフィルターモジュールを備えたPherastar(BMG)プレートリーダーで検出することを可能にする。ヌクレオチド交換プロセスの阻害によりKRasの活性化を防ぐか、又は活性なKRas:Raf RBD結合相互作用を阻害する化合物があれば、FRETシグナルを減少させるだろう。IC50値を、Genedata screener(Basel、Switzerland)でフィットさせた正規化した用量-応答反応(dose-response response)FRETデータ曲線から計算した。
KRasG12C質量分析法付加アッセイ(adducting assay)
不活性なGDPロードビオチン化KRasG12Cタンパク質を、社内で発現させ、精製し、GDPロードさせた。酵素溶液を、20mM HEPES(pH7.5)、5mM MgCl2、及び150mM NaClを含むアッセイバッファ中に調製した。4μM GDPロードビオチン化KRasG12Cをアッセイバッファ中に調製し、50μlを、500nlの1mM試験化合物(最終濃度10μM)を含む96ウェルポリプロピレンアッセイプレート(Greiner、651201番)の各ウェルに加え、これを4時間反応させてから、50μl 1%ギ酸を加えて、反応をクエンチした。プレートを密封してから、Xevo G2 QTOF(Waters)及びAcquity LCシステム(Waters)で読み取った。10μlの試料を、3分の勾配で流れているXbridge BEH300;C4;3.5um;2.1×50mmカラム(Waters)に注入した。ブランク試料を、各試験試料の間に流した。
データを、Mass Lynxソフトウェア(Waters)で分析し、全イオンカウント(TIC)トレースを利用し、溶出したタンパク質ピークデータを合わせた。合わせたスペクトルを使用して、データを、MaxEnt1法を使用してデコンボリューションした。アポタンパク質KRasG12C(APO)及びKRAS+相対化合物質量(relative cmpd mass)(アダクト)のピーク面積を測定し、パーセンテージアダクトを、以下の計算を利用して計算した:
パーセントアダクト=100×(アダクトピークの面積/(APO+アダクトピークの和)。
表Aに示すデータを、実施例に関して生成した(以下のデータは、1回の実験の結果のことも、2回以上の実験の平均のこともある)。
実施例
本明細書は、以下に実施例において説明されるが、特記されない限り:
(i)合成は全て、特記されない限り、周囲温度で、すなわち17~25 Cの範囲で、窒素などの不活性ガスの雰囲気下で実施した;
(ii)蒸発は、ロータリーエバポレーションにより、又はGenevac装置若しくはBiotage v10エバポレーターを真空中で使用して実施し、後処理手順は、濾過により残存固体を除去した後に実施した;
(iii)フラッシュカラムクロマトグラフィーを、Merck Kieselgelシリカ(Art.9385)で又は逆相シリカ(Flukaシリカゲル90 C18)で、又はSilicycleカートリッジ(40~63μmシリカ、4~330g重量)で、又はGrace resolvカートリッジ(4~120g)で、又はRediSep Rf 1.5 Flashカラムで、又はRediSep Rf high performance Gold Flashカラム(150~415g重量)で、又はRediSep Rf Gold C18逆相カラム(20~40μmシリカ)で、又はInterchim puriFlashカートリッジ(50μmシリカ、4~800g)で、手作業により、又はIsco CombiFlash Companionシステム若しくは類似のシステムを利用して自動的に実施した;
(iv)分取逆相HPLCは、ZMD又はZQ ESCi質量分析計及びWaters X-Terra若しくはWaters X-Bridge若しくはWaters SunFire逆相カラム(C-18、5ミクロンシリカ、直径19mm又は50mm、長さ100mm、40mL/分の流量)を備えたWaters装置(600/2700又は2525)で、水(1%アンモニアを含む)とアセトニトリルの極性が低下する混合物又は水(0.1%ギ酸を含む)とアセトニトリルの極性が低下する混合物を溶離液として使用して実施した;
(vi)収率は、存在する場合、必ずしも達成可能な最大値ではない;
(vii)一般に、式Iの最終生成物の構造は、核磁気共鳴(NMR)分光法により確認した;NMRケミカルシフト値はデルタスケールで測定した[プロトン磁気共鳴スペクトルは、Bruker Avance 500(500MHz)、Bruker Avance 400(400MHz)、Bruker Avance 300(300MHz)又はBruker DRX(300MHz)装置を使用して測定した];測定は、特記されない限り周囲温度で行った;以下の略語を使用した:s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;m、マルチプレット;dd、ダブレットのダブレット;ddd、ダブレットのダブレットのダブレット;dt、トリプレットのダブレット;bs、ブロードなシグナル;
(viii)一般に、式Iの最終生成物は、液体クロマトグラフィー後に質量分析法によっても特定化した(LCMS又はUPLC);一般に、逆相C18シリカを1mL/分の流量で使用し、検出は、エレクトロスプレー質量分析法により、且つ220~320nmの波長範囲で記録するUV吸光度によった。分析UPLCは、CSH C18逆相シリカで、寸法2.1×50mm及び粒径1.7ミクロン)のWaters XSelect CSH C18カラムを使用して実施した。勾配分析を、極性が低下する混合物、例えば、溶媒Aとしての水(0.1%ギ酸又は0.1%アンモニアを含む)と溶媒Bとしてのアセトニトリルの極性が低下する混合物を溶離液として使用して実施した。典型的な2分の分析UPLC法は、1.3分にわたり、およそ毎分1mLで、溶媒A及びBのそれぞれ97:3混合物から、溶媒A及びBの3:97混合物になる溶媒勾配を利用するだろう。報告される分子イオンは、特記されない限り[M+H]+に対応する;複数の同位体パターン(Br、Clなど)を有する分子では、報告値は、特記されない限り、最低の同位体質量で得られたものである;
(ix)イオン交換精製は、一般に、SCX-2(Biotage)カートリッジを使用して実施した;
(x)反応がマイクロ波の使用を指す場合、以下のマイクロ波反応器のいずれかを使用した:Biotage Initiator、Personal Chemistry Emrys Optimizer、Personal Chemistry Smithcreator、又はCEM Explorer;
(xi)中間体純度は、薄層クロマトグラフィー、質量分析法、LCMS、UPLC/MS、HPLC及び/又はNMR分析により評価した;
(xii)以下の略語を使用した:
DCM ジクロロメタン
DCE 1,2-ジクロロエタン
DEA ジエチルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA N,N-ジメチルアセトアミド
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
d.e.ジアステレオマー過剰率
dppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HATU(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート)
HCl 塩化水素酸
HCOOH ギ酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
mCPBA メタ-クロロペルオキシ安息香酸
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
NMR 核磁気共鳴
IPA/i-PrOH イソプロパノール
Pd-C パラジウムカーボン
Pd118 ジクロロ[1,1’-ビス(ジ-tertブチルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)
PyBOP (ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
RuPhos Pd G3(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナート
scCO2 超臨界CO2
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
TBME tert-ブチルメチルエーテル
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
tR 保持時間
化合物は、そのIUPAC名により呼ぶか、又はACD Labsから市販のACD/ChemSketch 2017を使用して命名した。
tert-ブチル(S)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート
tert-ブチルジメチルシリルクロリド(1.53g、10.17mmol)のDCM(10ml)溶液を、20℃のDCM(50ml)中の(S)-4-N-Boc-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン(2g、9.25mmol)及びトリエチルアミン(2.58ml、18.49mmol)に5分にわたり空気下で滴加した。生じた溶液を20℃で16時間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。残渣を、EtOAc中0~5%EtOHの溶離勾配でフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(S)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(2.84g、93%)を無色の油として与えた。1H NMR(500MHz,CDCl
3)0.00(s,6H),0.84(s,9H),1.40(s,9H),2.48(s,1H),2.6-2.87(m,3H),2.92(d,1H),3.41(dd,1H),3.52(s,1H),3.85(s,2H).
(E)-N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド
硫酸ナトリウム(23.24g、163.62mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(4.97g、71.59mmol)、及び2,2,2-トリクロロエタン-1,1-ジオール(5.07g、30.68mmol)を水(103ml)に溶解させた。水(8.21ml)、EtOH(14.36ml)、及び濃HCl(3.49ml)中の3-ブロモ-2,5-ジフルオロアニリン塩酸塩(5g、20.45mmol)の溶液を加え、反応物を60℃で一晩撹拌すると、沈殿物が形成した。沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、次いで真空下で乾燥させると、(E)-N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド(5.3g、93%)を薄茶色の固体として与えた。これをさらに精製せずに使用した。1H NMR(500MHz,DMSO)7.51(ddd,1H),7.78(s,1H),7.85(ddd,1H),10.08(s,1H),12.43(s,1H).m/z:ES-[M-H]-277.
6-ブロモ-4,7-ジフルオロインドリン-2,3-ジオン
(E)-N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド(7.62g、27.31mmol)を、少量ずつ、60℃に加熱された硫酸(68.3ml)に加えた。反応物を90℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、ゆっくりと氷水に加えた。生じた沈殿物を、水で洗浄しながら濾過により回収し、真空下で乾燥させると、6-ブロモ-4,7-ジフルオロインドリン-2,3-ジオン(5.1g、71%)を暗赤色の固体として与えた。これをさらに精製せずに使用した。1H NMR(500MHz,DMSO)7.38(dd,1H),11.91(s,1H).m/z:ES-[M-H]-260/262.
2-アミノ-4-ブロモ-3,6-ジフルオロ安息香酸
過酸化水素(H
2O中30%)(9.70ml、95mmol)を、水酸化ナトリウム(H
2O中2M)(86ml、171mmol)中の6-ブロモ-4,7-ジフルオロインドリン-2,3-ジオン(4.98g、19mmol)に滴加した。反応物を室温で16時間撹拌した。過剰の過酸化水素を、過剰の亜硫酸ナトリウムによりクエンチし、混合物をpH7に中和した。生じた茶色の沈殿物を濾去し、残った溶液を濃HClによりpH2に酸性化した。生じたクリーム状の沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、真空下で乾燥させると、2-アミノ-4-ブロモ-3,6-ジフルオロ安息香酸(3.10g、65%)を茶色の固体として与えた。これをさらに精製せずに使用した。1H NMR(500MHz,DMSO)6.71(1H,dd),6.84(2H,s),13.37(1H,s).m/z:ES-[M-H]-250&252.
7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン
エタノール(49ml)中のホルムイミドアミド酢酸塩(15.35g、147.47mmol)及び2-アミノ-4-ブロモ-3,6-ジフルオロ安息香酸(3.1g、12.29mmol)を還流状態で16時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、EtOAc(100ml)に再溶解させ、連続的に飽和ブライン(2×150ml)により洗浄した。有機層をMgSO
4により乾燥させ、濾過し、蒸発させると、7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(2.9g、90%)を黄色の固体として与えた。これをさらに精製せずに使用した。1H NMR(500MHz,DMSO)7.73(dd,1H),8.17(s,1H),12.62(s,1H).m/z:ES-[M-H]-258&260.
tert-ブチル(S)-4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート
((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)オキシ)トリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(2.59g、4.98mmol)を、DMA(13.72ml)中の7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(1g、3.83mmol)及びDIPEA(1.61ml、9.19mmol)に加えた。生じた溶液を室温で一晩撹拌し、反応混合物を水に注ぎ、EtOAc(100ml)で抽出し、飽和ブライン(100ml)により洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(S)-4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(0.66g、30%)を薄黄色の油として与えた。1H NMR(500MHz,CDCl
3)-0.10(s,6H),0.72(s,9H),1.49(s,9H),3.02(s,1H),3.27(d,1H),3.35-3.47(m,1H),3.66(s,1H),3.77-3.85(m,1H),3.91(d,1H),4.17(d,2H),4.32(s,1H),7.22-7.31(m,1H),8.65(s,1H).m/z:ES+[M+H]+573&575.
tert-ブチル(S)-10-ブロモ-9-フルオロ-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート
テトラ-ブチルアンモニウムフルオリド(THF中1M)(1.37ml、1.37mmol)を、THF(3.2ml)中のtert-ブチル(S)-4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(0.66g、1.14mmol)に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。反応物を65℃で1時間加熱し、次いで室温に冷却し、EtOAc(100ml)で希釈し、水(100ml)、飽和ブライン(100ml)で洗浄し、有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させると、tert-ブチル(S)-10-ブロモ-9-フルオロ-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート(0.54g、>100%)を薄茶色の泡として与えた。これをさらに精製せずに使用した。1H NMR(500MHz,CDCl
3)1.49(s,9H),3.07(s,2H),3.1-3.2(m,1H),3.84(ddt,1H),3.98-4.24(m,2H),4.30(dd,1H),4.38(dd,1H),5.06(d,1H),7.14(d,1H),8.65(s,1H).m/z:ES+[M+H]+439/441.
7-ブロモ-6-ヨード-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン
7-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(5.7g、26.88mmol)を、0℃の硫酸(60ml)に加えた。生じた混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、N-ヨードスクシンイミド(9.07g、40.32mmol)を一度に加え、生じた懸濁液を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぐと、沈殿物が形成した。沈殿物を酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。有機相と水相の両方が沈殿物を含んでいた。有機相を10%Na
2S
2O
3(200ml)で洗浄して、過剰なヨウ素を除いた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、7-ブロモ-6-ヨード-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(7.2g、79%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)4.11(2H,s),7.43(1H,d),7.83(1H,d),8.90(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=338.
7-ブロモ-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン
トリフェニルホスフィンパラジウムクロリド(0.706g、1.01mmol)を、トルエン/H
2O(50ml)(3:1の比率)中の炭酸カリウム(2.78g、20.12mmol)、2,4,6-トリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン(0.631g、5.03mmol)及び7-ブロモ-6-ヨード-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(3.4g、10.06mmol)に窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、分取キラル-HPLCにより精製した(カラム:Enantiocel-C1、5×25cm、5um;移動相A:CO
2:70、移動相B:MeOH-分取:30;流量:160ml/分;220nm;rT 1:7.38;rT 2:8.53)。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、7-ブロモ-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(420mg、45.7%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.42(3H,s),4.27(2H,s),7.46(1H,d),7.55(1H,d),8.63(1H,s).m/z:ES+[M+H]
+=226.
[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸
Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(335mg、0.41mmol)を、1,4-ジオキサン(20ml)中のtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(900mg、2.05mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1041mg、4.10mmol)及び酢酸カリウム(503mg、5.12mmol)に窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~40%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュ(flash C18-flash)クロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(700mg、85%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.52(9H,s),2.85-4.68(8H,m),5.37(1H,s),7.49(1H,d),8.64(1H,s).2つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=405.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(129mg、0.15mmol)を、1,4-ジオキサン/H
2O(0.5ml)(3:1の比率)中の2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル(72.2mg、0.15mmol)、炭酸カリウム(428mg、3.10mmol)、[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(626mg、1.55mmol)及び7-ブロモ-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(350mg、1.55mmol)に、室温で、窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、DCM中6%MeOHの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(470mg、60%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.52(9H,s),2.24(3H,d),2.99-3.35(3H,m),3.48-3.97(1H,m),4.02-4.29(2H,m),4.35-4.58(4H,m),5.08-5.27(1H,m),6.06(1H,s),6.92(1H,d),7.46(1H,d),7.53(1H,d),8.72(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=506.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
N-クロロスクシンイミド(186mg、1.39mmol)とtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(470mg、DMF(0.5ml)中0.93)の混合物を、マイクロ波チューブに入れて密封した。反応物を、120℃で、30分間マイクロ波反応器中で加熱し、室温に冷却した。粗生成物を、水(0.1%HCOOH)中0~35%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(260mg、52%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.45(9H,s),2.09(3H,d),2.98-3.47(3H,m),3.81-4.17(3H,m),4.37(2H,s),4.61-4.68(2H,m),4.83-4.94(1H,m),7.61(1H,d),8.51(1H,d),8.64(1H,s).1つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=540.
7-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
1,4-ジオキサン中のHCl(5ml、20mmol)を、MeOH(3ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(260mg、0.48mmol)に室温で加えた。生じた溶液を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、分取HPLC(カラム:Xselect CSH OBDカラム30×150mm 5um n;移動相A:水(0.1%HCOOH)、移動相B:ACN;流量:60ml/分;勾配:8分で10%Bから20%Bに;254/220nm;rT:7.03,7.97分)、及び溶離液としてのMeCNにより精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、7-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オンの最初に溶出するアトロプ異性体(アトロプ異性体1)(80mg、38%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.08(3H,s),2.77(2H,d),2.99-3.14(3H,m),4.01(1H,s),4.36(2H,s),4.42-4.59(2H,m),4.96(1H,d),7.55-7.65(1H,m),8.15(1H,s),8.48(1H,s),8.57(1H,s).1つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=440.
2番目に溶出したアトロプ異性体(アトロプ異性体2)(70mg、33%)を、白色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.09(3H,s),2.74-2.92(2H,m),3.08(3H,m),3.93(1H,d),4.36(2H,s),4.46-4.59(2H,m),4.93(1H,d),7.55-7.68(1H,m),8.17(1H,s),8.49(1H,s),8.57(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=440.
7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン-アトロプ異性体1(実施例1)
アクリロイルクロリド(16.46mg、0.18mmol)のDMF(0.2ml)溶液を、0℃のDMF(0.3ml)中のDIPEA(0.064ml、0.36mmol)及び7-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(アトロプ異性体1)(80mg、0.18mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水(NH
4OH)中0~35%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(アトロプ異性体1、実施例1)(19mg、21%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.08(3H,s),3.01-3.13(1H,m),3.32-3.53(2H,m),4.09-4.53(5H,m),4.54-4.72(2H,m),4.76-5.04(1H,m),5.77(1H,d),6.19(1H,d),6.77-6.98(1H,m),7.56-7.66(2H,m),8.48(1H,s),8.62(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=494.
7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン-アトロプ異性体2(実施例2)
アクリロイルクロリド(14.40mg、0.16mmol)のDMF(0.2ml)溶液を、0℃のDMF(0.3ml)中のDIPEA(0.056ml、0.32mmol)及び7-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン-アトロプ異性体2(70mg、0.16mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水(NH
4OH)中0~30%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(アトロプ異性体2、実施例2)(27.0mg、34.4%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.10(3H,s),2.97-3.30(2H,m),3.36-3.57(1H,m),3.98-4.56(5H,m),4.58-4.72(2H,m),4.76-5.00(1H,m),5.76(1H,d),6.19(1H,d),6.78-6.98(1H,m),7.56-7.68(2H,m),8.50(1H,s),8.62(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=494.
メチルN-ベンジル-D-セリナート
TEA(44.8ml、321.38mmol)を、メチルD-セリナート塩酸塩(50g、321.38mmol)及びベンズアルデヒド(33ml、321.38mmol)の0℃のメタノール(250ml)溶液に加えた。生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(24g、634.39mmol)をゆっくりと加え、混合物を室温でさらに2時間撹拌した。反応混合物を水(200ml)でクエンチし、DCM(3×100ml)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、石油エーテル中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチルN-ベンジル-D-セリナート(40g、60%)を無色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)2.51(2H,s),3.48(1H,dd),3.65(1H,dd),3.76-3.84(5H,m),3.92(1H,d),7.36(5H,m).m/z:ES+[M+H]+=210.
メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート
イソブチルクロロホルマート(15.66g、114.70mmol)を、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニナート(27.1g、143.37mmol)及びN-メチルモルホリン(11.6g、114.70mmol)の0℃のTHF(100ml)溶液に加え、反応温度を25℃まで上げて、1時間撹拌した。次いで、THF(100ml)中のN-ベンジル-D-セリナート(20g、95.58mmol)を加え、混合物を一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、EtOAcで洗浄した。溶媒を減圧下で除いた後、粗生成物を、石油エーテル中0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート(16g、44%)を無色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.22(3H,d),1.44(9H,s),3.74(3H,s),3.91(2H,d),4.06(1H,m),4.53-4.63(1H,m),4.72(1H,m),4.84(1H,m),5.28(1H,m),7.31-7.45(5H,m).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=381.
(3R,6S)-1-ベンジル-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン
TFA(20ml、259.60mmol)を、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート(10g、26.29mmol)の25℃のDCM(200ml)溶液に加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液により塩基性化し、25℃で1時間撹拌し、抽出し、有機溶媒を蒸発させた。粗生成物を、石油エーテル中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(3R,6S)-1-ベンジル-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン(4.8g、74%)を黄色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃).1.50(3H,d),3.49(1H,s),3.80(1H,d),3.91(1H,dd),3.98-4.08(2H,m),4.37(1H,d),5.34(1H,d),7.23-7.41(5H,m).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=249.
[(2S,5S)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール
水素化アルミニウムリチウム(5.26g、138.55mmol)を、(3R,6S)-1-ベンジル-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン(4.3g、17.32mmol)の0℃のTHF(75ml)溶液にゆっくりと加えた。次いで、生じた混合物を65℃で5時間撹拌した。反応混合物を、別々に、水(2.9ml)、15%NaOH水溶液(8.7ml)、及び水(2.9ml)でクエンチした。反応混合物をセライトに通して濾過し、EtOAc(100ml)で洗浄した。溶媒を減圧下で除いた後、[(2S,5S)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール(3.8g、100%)が無色の油として得られた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)0.98(3H,d),2.06(3H,m),2.35-2.43(1H,m),2.72-2.82(2H,m),3.03-3.08(2H,m),3.14(1H,d),3.48(1H,dd),4.03(1H,dd),4.18(1H,d),7.30-7.40(5H,m).m/z:ES+[M+H]+=221.
tert-ブチル(2S,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
二炭酸ジ-tert-ブチル(9.06ml、39.03mmol)を、[(2S,5S)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール(4.3g、19.52mmol)及びTEA(4.08ml、29.28mmol)の25℃のDCM(200ml)溶液に加えた。生じた溶液を25℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発により除去した後、粗生成物を、石油エーテル中0~100%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(2S,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(3.3g、53%)を無色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.22(3H,d),1.49(9H,s),1.68(1H,s),2.35(1H,s),2.81(2H,m),3.28(1H,dd),3.61-3.83(4H,m),4.02(1H,d),4.09(1H,s),7.34(5H,d).m/z:ES+[M+H]+=321.
tert-ブチル(2S,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
10%Pd-C(0.11g、1.03mmol)を、tert-ブチル(2S,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(3.3g、10.30mmol)の室温のEtOH(5ml)溶液に、窒素下で加えた。生じた溶液を水素でパージし、1気圧の水素の下、25℃で24時間撹拌した。混合物を、セライトパッドに通して濾過し、DCM(20ml)で洗浄した。溶媒を減圧下で除いた後、生成物tert-ブチル(2S,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(2.2g、93%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.20-1.27(3H,m),1.48(9H,s),2.40(2H,s),2.51-2.56(1H,m),3.07(2H,m),3.23(1H,m),3.52(1H,m),3.66-3.76(2H,m),4.07-4.22(1H,m).m/z:ES+[M+H]+=231.
tert-ブチル(2S,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
水素化ナトリウム(0.575g、14.37mmol)を、tert-ブチル(2S,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(0.882g、3.83mmol)及び7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(1g、3.83mmol)の室温のTHF(40ml)溶液に加えた。生じた混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl(20ml)によりクエンチし、EtOAc(3×30ml)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、石油エーテル中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(2S,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(1g、55%)を黄褐色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.27(3H,d),1.49(9H,s),3.56(1H,dd),3.66(1H,dd),3.85(1H,dd),4.11(1H,m),4.24-4.32(2H,m),4.46(1H,dd),4.64(1H,dd),7.17(1H,d),8.62(1H,s).2つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=471.
tert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミド[1,2-a]アゼピン(291mg、1.91mmol)を、tert-ブチル(2S,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(900mg、1.91mmol)及び((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)オキシ)トリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(994mg、1.91mmol)の溶液に0℃で加えた。生じた溶液を25℃で4時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%HCOOH)中の0~100%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(388mg、45%)を黄褐色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.27(3H,d),1.49(9H,s),3.56(1H,dd),3.66(1H,dd),3.85(1H,dd),4.11(1H,m),4.24-4.32(2H,m),4.46(1H,dd),4.64(1H,dd),7.17(1H,d),8.62(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=453.
tert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
N-クロロスクシンイミド(110mg、0.83mmol)を、tert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(340mg、0.75mmol)の室温のDMF(7.5ml)溶液に加えた。生じた溶液を60℃で4時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%HCOOH)中50~100%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(310mg、85%)を黄褐色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.29(3H,d),1.49(9H,s),3.49-3.57(1H,m),3.67(1H,dd),3.91(1H,dd),4.14(1H,dd),4.25-4.35(1H,m),4.38(1H,dd),4.62-4.76(2H,m),8.68(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=487.
tert-ブチル(3S,13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-10-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-3-メチル-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート
炭酸カリウム(54.4mg、0.39mmol)を、室温の水(2ml)及び1,4-ジオキサン(8ml)(1:4の比率)中のtert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(96mg、0.20mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(77mg、0.49mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(18.37mg、0.04mmol)及びRuPhos-Pd-G3(32.9mg、0.04mmol)の混合物に窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~70%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(28mg、27%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.26(3H,d),1.53(9H,s),3.61-3.74(2H,m),3.83(1H,m),4.00(1H,m),4.32(2H,m),4.46(1H,m),4.57(1H,m),6.73(1H,d),6.93(1H,d),7.29-7.36(1H,m),8.25(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=519.
2-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール
HCl(2ml、65.83mmol)を、tert-ブチル(3S,13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-10-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-3-メチル-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート(40mg、0.08mmol)の25℃のMeOH(2ml)溶液に加えた。溶液を25℃で1時間撹拌した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、2-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール(25mg、77%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CD
3OD,30℃)1.26(3H,d),2.88(1H,dd),2.97-3.04(1H,m),3.04-3.15(2H,m),3.28(1H,dd),4.07(1H,m),4.47-4.57(1H,m),4.57-4.65(1H,m),5.20(1H,dd),6.69-6.77(1H,m),6.79(1H,m),7.33(1H,m),8.55(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=419.
1-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例3)
DIPEA(0.021ml、0.12mmol)を、2-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール(25mg、0.06mmol)及びアクリロイルクロリド(5.4mg、0.06mmol)の0℃のTHF(2ml)溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。溶媒を蒸発により除去した後、粗生成物を、水(0.1%NH
4HCO
3)中0~60%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、1-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例3)(16mg、57%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.23(3H,d),3.89(3H,m),4.24-4.58(4H,m),4.71(1H,d),5.75(1H,dd),6.20(1H,dd),6.68-6.98(3H,m),7.35(1H,m),8.57(1H,s),10.28(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=473.
メチルN-ベンジル-D-セリナート
TEA(44.8ml、321.38mmol)を、メチルD-セリナート塩酸塩(50g、321.38mmol)及びベンズアルデヒド(33ml、321.38mmol)の0℃のメタノール(250ml)溶液に加えた。生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(24g、634.39mmol)をゆっくりと加え、混合物を室温でさらに2時間撹拌した。反応混合物を水(200ml)でクエンチし、DCM(3×100ml)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、石油エーテル中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチルN-ベンジル-D-セリナート(40g、60%)を無色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)2.51(2H,s),3.48(1H,dd),3.65(1H,dd),3.76-3.84(5H,m),3.92(1H,d),7.36(5H,m).m/z:ES+[M+H]+=210.
メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート
N-メチルモルホリン(14.5g、143.37mmol)を、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-アラニナート(27.1g、143.37mmol)及びイソブチルクロロホルマート(19.58g、143.37mmol)の0℃のTHF(100ml)溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。次いで、THF(100ml)中のメチルN-ベンジル-D-セリナート(20g、95.58mmol)を加えた。混合物を25℃で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、粗生成物を、石油エーテル中20~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート(18g、50%)を無色の液体として与えた。1H NMR(300MHz,CDCl
3,30℃)1.30(3H,d),1.44(9H,s),3.73(3H,s),3.82(1H,m),4.06-4.20(1H,m),4.32(1H,m),4.66(1H,m),4.73(2H,d),5.31(1H,d),7.30-7.44(5H,m).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=381.
(3R,6R)-1-ベンジル-6-(ヒドロキシメチル)-3-メチルピペラジン-2,5-ジオン
TFA(40ml、519.19mmol)を、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート(18g、47.31mmol)のDCM(400ml)溶液に加えた。生じた溶液を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸ナトリウムにより塩基性化し、1時間撹拌し、抽出し、有機溶媒を蒸発させた。粗生成物を、水(0.1%HCOOH)中0~60%MeOHの溶離勾配で、C18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(3R,6R)-1-ベンジル-6-(ヒドロキシメチル)-3-メチルピペラジン-2,5-ジオン(5.6g、46%)を無色の泡として与えた。1H NMR(300MHz,CDCl
3,30℃)1.61(3H,d),3.26(1H,s),3.80-4.27(5H,m),5.33(1H,d),7.25-7.53(6H,m).m/z:ES+[M+H]+=249.
[(2S,5R)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール
水素化アルミニウムリチウム(3.42g、90.22mmol)を、0℃のTHF(50ml)中の(3R,6R)-1-ベンジル-6-(ヒドロキシメチル)-3-メチルピペラジン-2,5-ジオン(2.8g、11.28mmol)に、窒素下で少量ずつ加えた。生じた溶液を65℃で4時間撹拌した。反応混合物を、別々に、水(3.3ml)、15%NaOH水溶液(9.9ml)及び水(9.9ml)でクエンチした。混合物を濾過し、蒸発させると、[(2S,5R)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール(2.4g、97%)を無色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.03(3H,d),2.59(1H,dd),2.69(1H,d),3.03(2H,m),3.15-3.20(1H,m),3.24(1H,m),3.82-3.91(3H,m),4.10(1H,m),7.33-7.39(5H,m).2つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=221.
tert-ブチル(2R,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
トリエチルアミン(3.51g、34.72mmol)を、[(2S,5R)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール(5.1g、23.15mmol)及び二炭酸ジ-tert-ブチル(10.1g、46.3mmol)の25℃のDCM(230ml)溶液に加えた。溶液を25℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物を、石油エーテル中0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(2R,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(3.1g、42%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.19(3H,d),1.48(9H,s),2.32(2H,m),2.42(1H,d),2.62-2.71(1H,m),3.15(1H,d),3.24(1H,t),3.50(1H,d),3.87(1H,d),3.99(1H,m),4.18(2H,d),7.34(5H,m).m/z:ES+[M+H]+=321.
tert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
10%Pd-C(1.030g、9.67mmol)を、25℃のエタノール(20ml)中のtert-ブチル(2R,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(3.1g、9.67mmol)に窒素下で一度に加えた。生じた溶液を、水素の雰囲気下25℃で24時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、DCM(100ml)で洗浄した。溶媒を蒸発により除去した後、tert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(2.2g、99%)が無色の油として得られた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.22(3H,d),1.48(9H,s),2.32(2H,s),2.69-2.83(2H,m),2.86(1H,dd),2.97(1H,dd),3.49-3.59(1H,m),3.62-3.74(1H,m),3.80(1H,s),4.20(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=231.
tert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
水素化ナトリウム(326mg、8.14mmol)を、tert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(500mg、2.17mmol)及び7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール(567mg、2.17mmol)の室温のTHF(50ml)溶液に加えた。生じた混合物を45℃で12時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、蒸発乾固させた。粗生成物を、水(0.1%TFA)中0~60%MeCNの溶離勾配で、C18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(395mg、39%)を黄褐色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.23(3H,d),1.50(9H,s),3.10(2H,m),3.25(1H,m),4.06(3H,m),4.29(2H,m),7.05(1H,d),8.10(1H,s).2つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=471.
tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミド[1,2-a]アゼピン(111mg、0.73mmol)を、tert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(345mg、0.73mmol)及び((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)オキシ)トリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(381mg、0.73mmol)の0℃のアセトニトリル(35ml)溶液に加えた。生じた溶液を25℃で24時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~60%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(192mg、58%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)8.67(s,1H),7.21(d,1H),5.26-5.03(m,1H),4.41(s,2H),4.14(d,1H),3.97(d,1H),3.82(s,1H),3.45-3.19(m,2H),1.52(s,9H),1.13(d,3H).m/z:ES+[M+H]+=453.
tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
N-クロロスクシンイミド(56.6mg、0.42mmol)を、tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(192mg、0.42mmol)の室温のDMF(4ml)溶液に加えた。生じた溶液を60℃で4時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0%~90%CH3CNの溶離勾配で、C18フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(184mg、89%)を黄褐色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30
oC)1.14(3H,d),1.50(9H,s),3.26-3.74(2H,m),4.02-4.73(5H,m),5.16-5.44(1H,m),8.77(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=487.
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(アトロプ異性体1及び2)
RuPhos-Pd-G3(240mg、0.29mmol)を、1,4-ジオキサン/H
2O(10ml)(4:1の比率)中のtert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(700mg、1.44mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(559mg、3.58mmol)、炭酸カリウム(595mg、4.31mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(134mg、0.29mmol)の溶液に窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、石油エーテル中0~40%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると:
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートのアトロプ異性体1(250mg、34%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30
oC)1.12(3H,s),1.49(9H,s),3.19-3.63(3H,m),3.75-3.87(1H,m),3.93-4.18(1H,m),4.22-4.63(2H,m),4.67-5.06(1H,m),6.73(1H,t),6.89(1H,d),7.24-7.36(1H,m),8.50(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=519.
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートのアトロプ異性体2(270mg、36%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.07-1.20(3H,m),1.52(9H,s),3.14-3.53(3H,m),3.77-3.91(1H,m),3.95-4.18(1H,m),4.29-4.57(2H,m),5.03-5.24(1H,m),6.76(1H,t),6.90(1H,d),7.27-7.37(1H,m),8.50(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=519.
2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール(アトロプ異性体1)
4M HClの1,4-ジオキサン溶液(5ml、20mmol)を、MeOH(2ml)中の上記で得られたtert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートのアトロプ異性体1(250mg、0.48mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去すると、2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノールのアトロプ異性体1.1HCl(400mg、183%)を黄色の固体として与え、それをさらに精製せず次の工程に直接使用した。1H NMR(400MHz,CD
3OD,30
oC)1.43(3H,d),3.53-3.64(1H,m),3.66(1H,d),3.74(4H,d),3.93-4.04(1H,m),4.13(1H,s),6.73-6.86(2H,m),7.32-7.43(1H,m),8.83(1H,s).2つの交換可能なプロトンが見られなかったm/z:ES+[M+H]+=419.
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン アトロプ異性体1、実施例4
アクリロイルクロリド(46.1mg、0.51mmol)を、0℃のTHF(5ml)中の2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール.1HCl(400mg、0.88mmol)及びDIPEA(227mg、1.76mmol)に加えた。生じた溶液を0℃で40分間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%NH
4HCO
3)中0~30%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(130mg、31%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)1.12(3H,dd),3.10-3.21(0.5H,m),3.50-3.60(1.5H,m),3.98-4.14(1H,m),4.21-4.77(4H,m),4.89-5.06(1H,m),5.70-5.80(1H,m),6.04-6.23(1H,m),6.77-6.92(3H,m),7.32-7.42(1H,m),8.63(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=473.
2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール、アトロプ異性体2
4M HClの1,4-ジオキサン溶液(5ml、20mmol)を、MeOH(3ml)中の上記で得られたtert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(270mg、0.52mmol)のアトロプ異性体2の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去すると、2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール.1HCl(400mg、169%)を黄色の固体として与えた。生成物をさらに精製せずに次の工程に直接使用した。1H NMR(400MHz,CD
3OD,30
oC)1.43(3H,d),3.55-3.60(1H,m),3.63-3.68(1H,m),3.71-3.80(4H,m),3.90-4.00(1H,m),4.10(1H,s),6.73-6.86(2H,m),7.32-7.46(1H,m),8.83(1H,s).2つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=419.
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン アトロプ異性体2、実施例5
アクリロイルクロリド(43.7mg、0.48mmol)を、0℃のTHF(5ml)中の2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノールのアトロプ異性体2.1HCl(400mg、0.88mmol)、及びDIPEA(227mg、1.76mmol)に加えた。生じた溶液を0℃で40分間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%NH
4HCO
3)中の0~30%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(160mg、38%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)1.11(3H,dd),3.16(0.5H,t),3.41-3.61(1.5H,m),3.93-4.07(1H,m),4.20-4.83(4H,m),4.88-5.05(1H,m),5.70-5.80(1H,m),6.13-6.24(1H,m),6.76-6.93(3H,m),7.36(1H,q),8.59(1H,s),10.27(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=473.
6-アミノ-2-ブロモ-3-メチル安息香酸
3N NaOH(80ml、79.15mmol)と4-ブロモ-5-メチル-1H-インドール-2,3-ジオン(19g、79.15mmol)の混合物を80℃で加熱した。溶液に、過酸化水素(18ml、176.22mmol)をゆっくりと加え、混合物を1時間撹拌し、混合物を5℃に冷却し、次いで、濃HClによりpH5に酸性化した。溶液を蒸発乾固させ、次いでメタノール(100ml)を加えた。混合物を濾過し、濾液を蒸発させると、6-アミノ-2-ブロモ-3-メチル安息香酸(18g、99%)が茶色の固体として生じた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)2.21(3H,s),6.71(1H,d),7.07(1H,d).3つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=230.
5-ブロモ-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
6-アミノ-2-ブロモ-3-メチル安息香酸(15g、65.2mmol)をホルムアミド(45ml)に溶解させ、マイクロ波チューブ中に密封した。反応物を、マイクロ波反応器中で200℃に1時間加熱し、次いで室温に冷却した。反応混合物をEtOH(200ml)で希釈した。沈殿物を濾過により回収し、EtOH(20ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、5-ブロモ-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(9g、58%)を茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)2.47(3H,s),7.56(1H,d),7.74(1H,d),8.04(1H,s),12.24(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=239.
5-ブロモ-4-メトキシ-6-メチルキナゾリン
PyBOP(6.53g、12.55mmol)を、25℃のDMF(20ml)中の5-ブロモ-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(2g、8.37mmol)及びDIPEA(2.92ml、16.73mmol)に一度に加えた。生じた溶液を40℃で16時間撹拌した。次いで、メタノール中のナトリウムメトキシド(1.506g、8.37mmol)を加え、生じた溶液を40℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出し、有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、水中5~80%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、5-ブロモ-4-メトキシ-6-メチルキナゾリン(1.5g、71%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)2.55(3H,s),4.11(3H,s),7.83(1H,d),7.90(1H,d),8.75(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=254.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
RuPhos-Pd-G3.(51.7mg、0.06mmol)を、1,4-ジオキサン(0.4ml)及び水(0.1ml)(4:1の比率)中の([(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(250mg、0.62mmol)、5-ブロモ-4-メトキシ-6-メチルキナゾリン(188mg、0.74mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル(28.9mg、0.06mmol)及び炭酸カリウム(214mg、1.55mmol)に、窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で40分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、DCM中0~5%MeOHの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(0.1%TFA)中0~55%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(150mg、46%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)1.46(9H,s),2.11(3H,d),2.16-2.37(2H,m),2.52-3.56(6H,m),3.86-5.05(4H,m),7.74(1H,d),7.84(1H,d),7.99(1H,s),8.11(1H,s),8.71(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=533.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
N-クロロスクシンイミド(36.1mg、0.27mmol)を、アセトニトリル(0.5ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(120mg、0.23mmol)に加えた。生じた混合物を40℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去すると、粗生成物tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(200mg、>100%)を与え、それを、さらに精製せずに次の工程に直接使用した。m/z:ES+[M+H]+=567。
5-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
DCM中の三臭化ホウ素(2ml、2mmol)を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(190mg、0.34mmol)に加えた。生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、水(NH
4HCO
3)中0~50%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、5-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(50mg、33%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)2.06(3H,d),2.60-2.83(2H,m),2.94-3.12(3H,m),3.17(1H,d),3.83-4.16(1H,m),4.37-4.60(2H,m),4.88-5.00(1H,m),7.72(1H,d),7.84(1H,d),8.04(1H,s),8.54(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=453.
5-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン アトロプ異性体1(実施例6)及びアトロプ異性体2(実施例7)
アクリロイルクロリド(9mg、0.10mmol)のDMF(2ml)溶液を、0℃のDMF(3ml)中の5-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(45mg、0.10mmol)及びDIPEA(0.035ml、0.20mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水(NH
4OH)中0~48%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、粗生成物を与えた。粗生成物を分取キラル-HPLCにより精製した(カラム:CHIRALPAK IA 2×25cm、5um;移動相A:Hex:DCM=3:1(10mM NH
3-MeOH)-HPLC、移動相B:EtOH-HPLC;流量:14ml/分;勾配:15分で50 Bから50 Bに;220/254nm;tR 1:9.761;tR 2:12.395)。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、5-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オンの最初に溶出したアトロプ異性体(アトロプ異性体1、実施例6)(7mg、14%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)2.05(3H,s),2.98-3.14(1H,m),3.33-3.57(2H,m),4.00-4.52(3H,m),4.52-4.72(2H,m),4.73-4.97(1H,m),5.72-5.80(1H,m),6.15-6.24(1H,m),6.75-7.03(1H,m),7.74(1H,d),7.85(1H,d),8.05(1H,s),8.61(1H,s),12.01(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=407.
同じ化合物の2番目に溶出したアトロプ異性体、アトロプシオマー(Atropsiomer)2、(実施例7)が、白色の固体として得られた(7mg、14%)。1H NMR(400MHz,DMSO,30oC)2.07(3H,s),3.00-3.26(1H,m),3.33-3.59(2H,m),4.00-4.57(3H,m),4.57-4.74(2H,m),4.78-4.96(1H,m),5.72-5.80(1H,m),6.15-6.24(1H,m),6.84-6.89(1H,m),7.74(1H,d),7.86(1H,d),8.05(1H,s),8.61(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=407.
(±)-4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール
THF(45ml)中の4-ブロモ-5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール(CAS No:952511-48-7;1.06g、5.02mmol)、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(2.3ml、25.11mmol)及び4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(0.143g、0.75mmol)の混合物を、65℃で、窒素下で20時間撹拌した。反応混合物を放冷し、濃縮し、EtOAc(150ml)で希釈し、連続的に、飽和NaHCO
3(75ml)、及び飽和ブライン(50ml)で洗浄した。有機層をMgSO
4により乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(±)-4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール(1.08g、72.9%)を黄褐色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.66-1.8(3H,m),2.06-2.18(3H,m),2.53(3H,s),3.68-3.78(1H,m),4.05-4.14(1H,m),5.45(1H,dd),7.17(1H,d),7.35(1H,d),8.06(1H,s).[M+H]+295,297.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸
[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(0.335g、0.41mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.12g、12.29mmol)及び酢酸カリウム(0.804g、8.20mmol)を、ジオキサン(65ml)中のtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.8g、4.10mmol)の撹拌及び脱気された溶液に、窒素下で加えた。生じた混合物を90℃で17時間撹拌した。反応混合物を放冷し、蒸発させ、EtOAc(150ml)と水(75ml)/飽和ブライン(50ml)との間で分配し、混合物をセライトに通して濾過した。有機層を分離し、MgSO
4により乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を、ピナコールエステルとボロン酸の混合物(推定4.10mmol)として茶色の油として与えたが、放置すると凝固し、それをさらに精製せず使用した。m/z(ES+)、[M+H]+405(ボロン酸)及び487(ピナコールエステル)。
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
RuPhos Pd G3(0.306g、0.37mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.171g、0.37mmol)及び炭酸カリウム(1.011g、7.32mmol)を、ジオキサン(100ml)及び水(25ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(1.95g、4.02mmol)及び(±)-4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール(1.08g、3.66mmol)の撹拌及び脱気された溶液に加え、混合物を窒素により排気し(5サイクル)、80℃で90分間撹拌した。反応混合物を放冷し、EtOAc(150ml)により希釈し、水(75ml)/飽和ブライン(75ml)で洗浄し、分離して、水層をEtOAc(100ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSO
4により乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、DCM中0~5%MeOHの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(2.09g、99%)を茶色の泡として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.51(9H,s),1.69-1.8(3H,m),2.08-2.21(3H,m),2.33(3H,d),3.01-3.31(3H,m),3.71-3.9(2H,m),4.13(3H,d),4.34-4.54(2H,m),5.08(1H,d),5.44-5.55(1H,m),7.05(1H,dt),7.26-7.29(1H,m),7.46-7.54(1H,m),7.99(1H,dd),8.68(1H,d).m/z(ES+),[M+H]+575.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
1-クロロピロリジン-2,5-ジオン(0.534g、4.00mmol)を、室温のDMF(20ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(2.09g、3.64mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を120℃で17時間撹拌した。反応混合物を放冷し、水(25ml)で希釈し、EtOAc(125ml)を加え、エマルションをセライトに通して濾過した。有機層を分離し、飽和ブライン(2×100ml)でさらに洗浄し、相分離カートリッジにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、DCM中0~8%MeOHの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させ、アトロプ異性体を、分取HPLCにより(Waters XSelect CSH C18カラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して分離した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(0.342g、17.9%)を与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)1.58(s,9H),2.23及び2.29(s,3H*),2.98-3.33(m,3H),3.48(brs,0.6H),3.84-4.05(m,1H),4.05-4.23(m,1H),4.37-4.59(m,2H),4.59-4.93(br s,1H),5.01(d,J=12.9Hz,0.4H),7.23及び7.29(d,1H*),7.49及び7.78(d,J=8.3Hz,1H),7.93及び7.94(s,1H*),8.25及び8.67(s,1H*),9.71及び11.73(br s,1H*)
*ベンゾイミダゾールNHでの互変異性体は、2:1の比率で観察された。
19F NMR(376MHz,CDCl
3,30℃)-126.93,-124.43.m/z(ES+),[M+H]+525,527.
同じ化合物の2番目に溶出したアトロプ異性体-アトロプ異性体2(0.185g、9.69%)も得られた。1H NMR(400MHz,CDCl3)1.57(s,9H),2.23及び2.24(s,3H*),2.93-3.4(m,3H),3.76-3.88(m,1H),4.03-4.30(m,2H),4.36-4.51(m,1.5H),4.57(d,J=13.2Hz,0.5H),4.93-5.06(m,0.5H),5.09-5.25(m,0.5H),7.22及び7.30(d,J=8.3Hz,1H*),7.49及び7.79(d,J=8.3Hz,1H*),7.94(s,1H),8.24及び8.68(s,1H*),9.82及び11.94(br s,1H*).*ベンゾイミダゾールNHでの互変異性体は、2:1の比率で観察された。19F NMR(376MHz,CDCl3,30℃)-127.08,-123.84,m/z(ES+),[M+H]+525,527.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2
MeOH(1ml)中のジオキサン中4M HCl(1.4ml、5.64mmol)を、MeOH(1ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプシオマー2(185mg、0.35mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を室温で6時間撹拌した。反応混合物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2(147mg、98%)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)2.15(s,3H),2.75-2.97(m,2H),3.04-3.23(m,,3H),4.06(br s,1H),4.57(m,2H),4.99(d,J=12.8Hz,1H),7.21(d,J=8.3Hz,1H),7.51-7.57及び7.62-7.67(m,1H*),8.09(s,1H),8.60(s,1H),12.18及び12.48(s,1H*),
*ベンゾイミダゾールNHでの互変異性体は、1:1の比率で観察された。
19F NMR(376MHz,DMSO)-127.77,128.21 ppm(互変異性体比率1:1).m/z(ES+),[M+H]+425,427.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1から出発して、上述の対応するアトロプ異性体2に類似の方法で調製した。生成物アトロプ異性体1は下記を示した:
1H NMR(400MHz,DMSO)2.17及び2.18(3H,s*),2.7-2.88(2H,m),2.97-3.18(3H,m),3.96(1H,br s),4.49(1H,dd),4.57-4.66(1H,m),4.9-5.0(1H,m),7.16-7.29(1H,m),7.54及び7.65(1H,d*),8.08(1H,d),8.58(1H,d),12.15及び12.47(1H,s),
*ベンゾイミダゾールNHでの互変異性体は、1:1の比率で観察され、NHピペラジンは観察されなかった。
19F NMR(376MHz,DMSO)-128.38,-128.10ppm(互変異性体比率1:1),m/z(ES+),[M+H]+425,427.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例8)
アクリロイルクロリド(0.026ml、0.32mmol)のDCM(0.5ml)溶液を、-70℃に冷却されたDCM(5ml)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2(137mg、0.32mmol)及びトリエチルアミン(0.090ml、0.64mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を-70℃で30分間撹拌した。DCMを蒸発させ、残渣をDMSOで希釈し、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して精製した。浅い勾配:25~50%MeCN)。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2、実施例8を、白色の固体として与えた(17.8mg、11.5%)。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.16(3H,s),3.01-3.17(1H,m),3.42-3.54(1H,m),4.04-4.24(2H,m),4.28-4.57(2H,m),4.66(2H,s),4.81-4.99(1H,m),5.77(1H,dd),6.20(1H,dd),6.79-6.97(1H,m),7.22(1H,d),7.60(1H,d),8.09(1H,s),8.64(1H,s),12.25(1H brs),m/z(ES+),[M+H]+479,481.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例9)
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例9)を、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1から出発して、実施例8に類似な方法で調製した。実施例9は下記を示した:
1H NMR(400MHz,DMSO)2.18(3H,s),2.98-3.2(1H,m),3.4-3.56(2H,m),4.06-4.56(3H,m),4.56-4.97(3H,m),5.77(1H,d),6.20(1H,d),6.87(1H,s),7.14-7.29(1H,m),7.54及び7.66(1H,d*),8.09(1H,d),8.64(1H,d),12.16及び12.49(1H,s*),
*ベンゾイミダゾールNHでの互変異性体は、1:1の比率で観察された。
19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-128.18,-127.94ppm(互変異性体比率1:1),m/z(ES+),[M+H]+479,481.
8-ブロモ-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}イソキノリン-1(2H)-オン
無水DMF(50ml)中の8-ブロモイソキノリン-1(2H)-オン(2.5g、11.16mmol)の撹拌された溶液に、窒素雰囲気下で水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(0.669g、16.74mmol)を加えた。生じた懸濁液を室温で5分間撹拌してから、(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(2.96ml、16.74mmol)を滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌したままにした。追加の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(260mg、6.54mmol)を室温で加え、反応物を5分間撹拌したままにした。(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(2.96ml、16.74mmol)を加え(1.2ml、7.12ml)、反応物を1時間撹拌したままにした。反応物を水(150ml)の添加によりクエンチし、混合物をEtOAc(2×100ml)で抽出した。有機層を相分離器カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、橙色のゴムを与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~20%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-ブロモ-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}イソキノリン-1(2H)-オン(2.76g、69.8%)を黄色の油として与え、それは静置すると凝固した。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)-0.00(9H,s),0.86-0.97(2H,m),3.63(2H,dd),5.33(2H,s),6.66(1H,d),7.56(2H,dd),7.68(1H,dd),7.78(1H,dd).
8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}イソキノリン-1(2H)-オン
PdCl
2(dppf).DCM(0.403g、0.49mmol)を、1,4-ジオキサン(35ml)中の8-ブロモ-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イソキノリン-1(2H)-オン(1.4g、3.95mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(2.308g、9.09mmol)及び酢酸カリウム(1.94g、19.76mmol)の脱気された溶液に加えた。混合物をさらに5分間脱気し、次いで100℃で16時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、連続的に、水(25ml)、2M Na
2CO
3水溶液(2×25ml)及びブライン(25ml)で洗浄した。有機部分を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~25%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}イソキノリン-1(2H)-オン(0.938g、59.1%)を黄色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)0.00(9H,d),0.98(2H,d),1.47(12H,s),3.6-3.69(2H,m),5.41(2H,s),6.51(1H,d),7.16(1H,d),7.50(2H,ddd),7.59-7.65(1H,m).m/z:ES+[M+H]+402.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-オキソ-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1,2-ジヒドロイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}イソキノリン-1(2H)-オン(0.928g、2.31mmol)、{2’,6’-ビス[(プロパン-2-イル)オキシ][1,1’-ビフェニル]-2-イル}(ジシクロヘキシル)ホスファン(0.108g、0.23mmol)、RuPhos-Pd-G3(0.193g、0.23mmol)、炭酸カリウム(0.959g、6.94mmol)及びtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.095g、2.31mmol)を合わせた。ジオキサン(16ml)と水(4ml)の脱気された混合物を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で30分間加熱した。反応物を80℃でさらに16時間撹拌したままにした。反応物を放冷し、次いで窒素により5分間脱気した。追加のジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.108g、0.23mmol)及びRuPhos Pd G3(0.193g、0.23mmol)を加え、反応物を、80℃でさらに24時間撹拌したままにした。冷却された反応混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、水(50ml)及びブライン(50ml)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-オキソ-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1,2-ジヒドロイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.500g、32.4%)を薄茶色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)0.00(9H,s),1.63(9H,s),3.02-3.35(3H,m),3.56-3.63(2H,m),3.78-4.34(4H,m),4.4-4.71(3H,m),5.04(1H,d),5.26(1H,dd),5.39(1H,dd),6.64(1H,dd),7.23-7.37(2H,m),7.70(1H,d),7.78(1H,td),8.71(1H,s).m/z:ES+[M+H]+668,670.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン
2,2,2-トリフルオロ酢酸(2.8ml、36.34mmol)を、マイクロ波バイアル中で、THF(2ml)及び水(0.2ml)中のtert-ブチル(13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-10-(1-オキソ-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,2-ジヒドロイソキノリン-8-イル)-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート(0.50g、0.75mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を、105℃で、マイクロ波中で40分間加熱した。揮発物を減圧下で除去し、生じた残渣を、トルエン(3×5ml)と共沸した。粗生成物を、MeOHをロードしメタノールにより洗浄しながらSCXカラムを使用し、イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン(0.287g、88%)を薄茶色の泡として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.71-2.97(2H,m),3.05-3.22(3H,m),3.84-4.2(2H,m),4.43-4.67(2H,m),5.02(1H,t),6.72(1H,d),7.22-7.39(2H,m),7.84-7.91(2H,m),8.64(1H,dd),11.11(1H,d).m/z:ES+[M+H]+438,440.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン(実施例10)
-78℃のDCM(16.4ml)、IPA(4.1ml)及びピリジン(0.106ml、1.31mmol)中の8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン(287mg、0.66mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.056ml、0.69mmol)のジクロロメタン(3.85ml)溶液を、ゆっくりと5分かけて滴加した。反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。追加のDCM(0.55ml)中のアクリロイルクロリド(7.9μL、0.1mmol)を加え、反応物を、-78℃でさらに10分間撹拌したままにした。反応混合物を室温に温め、揮発物を減圧下で除去した。1Mアンモニアメタノール溶液(2ml)を加え、それに続いてDMSO(4ml)を加え、粗生成物を、分取HPLCにより(3×注入、Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCN(25~50%勾配)の極性が低下する混合物を溶離液として使用して精製した。純粋なフラクションを蒸発させると、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン(45.0mg、13.96%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)3.03-3.36(2H,m),3.38-3.68(1H,m),3.83-4.13(2H,m),4.42-4.61(2H,m),4.61-4.81(1H,m),4.98-5.13(1H,m),5.80(1H,d),6.38(1H,d),6.59(2H,dd),7.01(1H,dd),7.21-7.33(1H,m),7.67(1H,dt),7.75(1H,td),8.55-9.04(2H,m).m/z:ES+[M+H]+492,494.
3-ブロモ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール
3-ブロモ-1H-インダゾール(5g、25.38mmol)を、DMF(100ml)中の懸濁液として窒素下で撹拌し、次いで0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(1.218g、30.45mmol)を少量ずつ加え、反応物を0℃で15分間撹拌した。(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(5.39ml、30.45mmol)を滴加し、次いで、反応物を静置して16時間かけて室温に達するようにした。反応物をNH
4Cl(50ml)によりクエンチし、水(300ml)及び酢酸エチル(300ml)で希釈した。層を分離し、有機相を水(2×200ml)で洗浄し、相分離器カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、茶色の油を与えた。油を、ヘプタン中0~10%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製すると、3-ブロモ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール(4.33g、52.1%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)-0.00(9H,s),0.9-0.99(2H,m),3.57-3.69(2H,m),5.75(2H,s),7.26-7.37(1H,m),7.53(1H,ddd),7.62(1H,d),7.67-7.76(1H,m).
3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール
3-ブロモ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール(3.80g、11.61mmol)を、脱気された1,4-ジオキサン(50ml)に溶解させ、酢酸カリウム(4.56g、46.44mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(3.83g、15.09mmol)及びPd(dppf)Cl
2.DCM錯体(1.7g、2.32mmol)を、窒素下で撹拌しながら加えた。次いで、反応物を80℃で16時間加熱し、次いで90℃に加熱し、さらに8時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、生じた残渣を、水(60ml)とDCM(60ml)との間で分配した。層を分離し、水性物をDCM(2×60ml)で抽出した。有機相を合わせ、相分離器カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、色の濃い残渣を与えた。残渣をDCMに溶解させ、ヘプタン中0~40%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含むフラクションを減圧下で濃縮すると、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール(2.44g、56.1%)を与え、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)0.00(9H,s),0.93(2H,d),1.50(12H,s),3.63(2H,dd),5.92(2H,s),7.32(1H,s),7.48(1H,ddd),7.70(1H,d),8.14-8.23(1H,m).
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール(0.553g、1.48mmol)、{2’,6’-ビス[(プロパン-2-イル)オキシ][1,1’-ビフェニル]-2-イル}(ジシクロヘキシル)ホスファン(0.049g、0.11mmol)、RuPhos-Pd-G3(0.088g、0.11mmol)、炭酸カリウム(0.292g、2.11mmol)及びtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.50g、1.06mmol)を合わせた。ジオキサン(10ml)と水(2.5ml)の脱気された混合物を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で30分間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、連続的に、水(35ml)及びブライン(35ml)で洗浄し、次いで、相分離器カートリッジに通し、有機相を減圧下で濃縮した。粗製物質を、ヘプタン中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含むフラクションを合わせ、濃縮すると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.450g、66.5%)を黄色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)0.00(9H,s),0.94-0.99(2H,m),1.59(9H,s),3.13-3.35(3H,m),3.66-3.76(2H,m),3.99(1H,s),4.1-4.32(2H,m),4.59(2H,qd),5.12(1H,d),5.94(2H,s),7.31(1H,d),7.56(1H,ddd),7.63(1H,d),7.76(1H,d),8.80(1H,s).m/z:ES+[M+H]+641,643
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン
2,2,2-トリフルオロ酢酸(2ml、25.96mmol)を、マイクロ波バイアル中で、THF(1.4ml)及び水(0.14ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(360mg、0.56mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を105℃で20分間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、生じた残渣をトルエン(3×5ml)と共沸した。粗生成物を、MeOHをロードしメタノールで洗浄しながらSCXカラムを使用し、イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7Mアンモニアのメタノール溶液を使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(220mg、95%)を薄茶色の泡として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.7-2.93(2H,m),3.06-3.24(3H,m),3.86-4.25(1H,m),4.53-4.78(2H,m),5.08(1H,d),7.19-7.34(1H,m),7.54(1H,ddd),7.61(1H,d),7.76(1H,d),8.70(1H,s),13.65(1H,s).1つの交換可能なNHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+411,413.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例11)
-78℃のDCM(11.7ml)、IPA(4.1ml)及びピリジン(0.08ml、1.00mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(205mg、0.50mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.042ml、0.52mmol)のジクロロメタン(2.85ml)溶液をゆっくりと5分かけて滴加した。反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。追加のDCM(0.55ml)中のアクリロイルクロリド(7.9μL、0.1mmol)を加え、反応物を-78℃でさらに10分間撹拌した。反応混合物を室温に温め、DCMを減圧下で除去した。1Mアンモニアのメタノール溶液(2ml)を加え、粗生成物を、分取HPLCにより(2×注入、Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCN(25~50%勾配)の極性が低下する混合物を溶離液として使用して精製した。純粋なフラクションを蒸発させると、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(27.0mg、11.64%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.16(1H,d),3.48(2H,d),4.14-4.23(1H,m),4.29-4.58(2H,m),4.66-4.81(2H,m),4.87-5.02(1H,m),5.82(1H,dd),6.26(1H,dd),6.92(1H,s),7.2-7.29(1H,m),7.47-7.52(1H,m),7.56(1H,d),7.72(1H,d),8.71(1H,s),13.62(1H,s).m/z:ES+[M+H]+465,467.
(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)ボロン酸
n-ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中1.6M、18.38ml、29.41mmol)を、THF(100ml)中の-78℃の2-ブロモ-3-メチルフェノール(2.5g、13.37mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。反応物を放置して室温に温め、この温度で2時間撹拌した。反応混合物を-78℃に冷却し、ホウ酸トリメチル(2.474ml、22.19mmol)を加え、反応物を-78℃で30分間撹拌したままにした。反応物を放置して室温に温め、この温度で16時間撹拌した。2M HCl水溶液(100ml)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。DCM(150ml)を加え、層を分離した。水性部分をDCM(150ml)で抽出し、合わせた有機部分を相分離器カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、黄色の油を与えた。ヘプタン(20ml)を加え、生じた沈殿物を濾過により回収し、DCM(10ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)ボロン酸(0.811g、39.9%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,D
2O,30℃)2.30(3H,s),6.69(1H,t),6.81(1H,d),7.18(1H,t).3つの交換可能なOHシグナルが観察されなかった。m/z:ES-,[M-H]-151.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピリド[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)ボロン酸(0.305g、2.01mmol)、{2’,6’-ビス[(プロパン-2-イル)オキシ][1,1’-ビフェニル]-2-イル}(ジシクロヘキシル)ホスファン(0.049g、0.11mmol)、RuPhos-Pd-G3(0.088g、0.11mmol)、炭酸カリウム(0.438g、3.17mmol)及びtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.5g、1.06mmol)を、反応チューブ中で合わせた。ジオキサン(12ml)と水(3ml)の脱気された混合物を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で90分間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、連続的に、水(35ml)及びブライン(35ml)で洗浄し、相分離器カートリッジに通し、減圧下で濃縮した。粗製物質を、ヘプタン中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含むフラクションを蒸発させると、固体を与え、それを、キラルSFC(Phenomenex A1、30×250mm、5ミクロン、移動相:30%2-プロパノール+0.1%DEA/70%scCO
2、流量:90ml/分、BPR:120バール、カラム温度:40℃)により精製すると、最初に溶出するアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピリド[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10-カルボキシラート-アトロプ異性体1(165mg、62%、d.e.100%)を与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.45(9H,s),1.97(3H,s),3.05-3.2(2H,m),3.22-3.27(1H,m),3.94(1H,d),4-4.14(2H,m),4.61(2H,qd),4.85(1H,d),6.81(2H,dd),7.18(1H,t),8.59(1H,s),9.44(1H,s).m/z:ES+[M+H]+501,503.同じ化合物の2番目に溶出するアトロプ異性体、アトロプ異性体2(151mg、57%、d.e.100%)も得られた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.51(9H,s),2.00(3H,s),3.12-3.26(2H,m),3.25-3.32(1H,m),4.00(1H,d),4.10(2H,ddd),4.67(2H,d),4.91(1H,d),6.87(2H,d),7.17-7.31(1H,m),8.65(1H,s),9.50(1H,s).m/z:ES+[M+H]+501,503.
2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノール-アトロプ異性体2
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピリド[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10-カルボキシラート-アトロプ異性体2(150mg、0.30mmol)をMeOH(1.6ml)中で撹拌し、次いで塩化水素(1,4-ジオキサン中4N)(1.6ml、6.40mmol)を室温で加えた。次いで、反応物を室温で1時間撹拌した。反応物を、SCXカラムを使用して、イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノール-アトロプ異性体2(91mg、76%)を薄茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.95(3H,s),2.66-2.8(2H,m),2.86-3.13(4H,m),3.82-3.98(1H,m),4.47(1H,dd),4.55(1H,dd),4.93(1H,d),6.80(2H,d),7.17(1H,t),8.55(1H,s),9.43(1H,s).m/z:ES+[M+H]+401,403.
2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノール-アトロプ異性体1
2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノール-アトロプ異性体1を、前記アトロプ異性体2に類似な方法で、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピリド[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10-カルボキシラート-アトロプ異性体1を脱保護することにより調製した。アトロプ異性体1(120mg、91%)を薄茶色の固体として単離した。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.01(3H,s),2.71-2.88(2H,m),3.08(4H,dt),3.98(1H,dd),4.52(1H,dd),4.62(1H,dd),4.99(1H,d),6.81.m/z:ES+[M+H]+401,403.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例12)
-78℃のDCM(5.3ml)、IPA(1.9ml)及びピリジン(0.037ml、0.45mmol)中の2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノールアトロプ異性体2(91mg、0.23mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(22μL、0.27mmol)のジクロロメタン(1.52ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。DCM(0.55ml)中のアクリロイルクロリド(7.9μL、0.1mmol)の追加のストック溶液を加え、反応物を-78℃でさらに10分間撹拌したままにした。反応混合物を室温にして、DCMを減圧下で除去した。1Mアンモニアのメタノール溶液(2ml)及びDMSO(1ml)を加え、粗生成物を、分取HPLC(2×注入、Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCN(25~50%勾配)の極性が低下する混合物を溶離液として使用して精製した。純粋なフラクションを蒸発させると、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2、実施例11、(29.9mg、29%、d.e.100%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.00(3H,s),3.08-3.23(1H,m),3.44-3.55(1H,m),4.09-4.17(1H,m),4.18-4.62(3H,m),4.67-4.74(2H,m),4.85-4.99(1H,m),5.82(1H,dd),6.25(1H,dd),6.86(2H,d),6.89-6.99(1H,m),7.19-7.29(1H,m),8.66(1H,s),9.52(1H,s).m/z:ES+[M+H]+455,457.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例13)
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例13)を、2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノール-アトロプ異性体1から出発して、実施例12に類似な方法で調製した。実施例13を白色の固体として単離した(45mg、32%、d.e.99%)。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.02(3H,s),3.07-3.22(1H,m),3.41-3.53(1H,m),4.05-4.29(2H,m),4.29-4.61(2H,m),4.65-4.76(2H,m),4.84-4.98(1H,m),5.82(1H,dd),6.25(1H,dd),6.85(2H,d),6.89-7.03(1H,m),7.23(1H,t),8.66(1H,s),9.52(1H,s).m/z:ES+[M+H]+455,457.
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例14)
DIPEA(287μl、1.65mmol)を、室温のDMA(24.5ml)中の2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール-アトロプ異性体2(222mg、0.55mmol)、HATU(250mg、0.66mmol)及び(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン酸.HCl塩(100mg、0.60mmol)に窒素下で一度に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(80ml)に注ぎ、EtOAc(3×80ml)で抽出し、ブライン(80ml)で洗浄した。有機部分をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径50mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2、実施例14、(72.0mg、25.4%、d.e.100%)を固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.17(6H,s),2.99-3.16(3H,m),3.41(1H,s),4.02-4.2(2H,m),4.23-4.54(2H,m),4.55-4.75(2H,m),4.75-4.95(1H,m),6.63-6.72(2H,m),6.76(1H,t),6.83(1H,d),7.33(1H,q),8.61(1H,s).1つの交換可能なOHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+516,518.
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例15)
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1、実施例15を、2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール-アトロプ異性体1から出発して、実施例14に類似な方法で調製した。実施例15を固体として単離した(85mg、37%、d.e.99%)。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.23(6H,s),3.02-3.25(3H,m),3.42-3.62(1H,m),4.05-4.3(2H,m),4.3-4.59(2H,m),4.63-4.79(2H,m),4.85-5.02(1H,m),6.68-6.8(2H,m),6.8-6.95(2H,m),7.40(1H,q),8.67(1H,s),10.25(1H,s).m/z:ES+[M+H]+516,518.
8-ブロモ-7-メチルイソキノリン
2,2-ジエトキシエタン-1-アミン(3.77ml、25.95mmol)を、無水トルエン(14ml)中の2-ブロモ-3-メチルベンズアルデヒド(4.92g、24.72mmol)の撹拌された溶液に加え、100℃に4時間加熱した。反応混合物を室温に放冷し、次いで減圧下で濃縮した。生じた残渣をトルエン(3×15ml)と共沸して、残存水を縮合(condensation)から除いた。黄色の粗製油残渣をDCM(21ml)に溶解させ、0℃に冷却した。三塩化アルミニウム(10.88g、81.57mmol)を少量ずつ加え、生じた暗赤色の懸濁液を0℃で30分間撹拌したままにして、次いで、ゆっくりと18時間かけて室温に温めた。反応混合物を氷水に滴加し(150g、注意、非常に発泡性)、DCM(100ml)で希釈した。反応混合物を注意深く2M NaOH水溶液(約120ml)により塩基性化した。生じたエマルションを水(500ml)及びDCM(700ml)によりさらに希釈し、分液漏斗中で振とうし、1時間かけて層を分離させた。水(400ml)及びブラインを加え(400ml)、層を分離し、次いで水層をDCM-MeOH(5:2;2×500ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器カートリッジに通し、濾液を減圧下で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~40%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-ブロモ-7-メチルイソキノリン(3.30g、60.1%)を橙色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)2.64(3H,s),7.49-7.63(2H,m),7.69(1H,d),8.55(1H,d),9.67(1H,s).m/z:ES+[M+H]+222.
8-ブロモ-7-メチルイソキノリン2-オキシド
メタ-クロロペルオキシ安息香酸(4.00g、17.83mmol)を、0℃のDCM(150ml)中の8-ブロモ-7-メチルイソキノリン(3.3g、14.86mmol)の撹拌された溶液に加えた。30分後、氷浴を外し、撹拌を室温で2時間続けた。反応混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(50ml)によりクエンチし、層を分離した。水性部分をDCM(3×30ml)で抽出し、合わせた有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、8-ブロモ-7-メチルイソキノリン2-オキシド(3.54g、100%)を白色の固体として与え、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.57(3H,s),7.61(1H,d),7.92(1H,d),7.98(1H,d),8.17-8.26(1H,m),8.85(1H,s).m/z:ES+[M+H]+240.
8-ブロモ-1-メトキシ-7-メチルイソキノリン
トリエチルアミン(2.072ml、14.87mmol)を、0℃の8-ブロモ-7-メチルイソキノリン2-オキシド(1.77g、7.43mmol)及びクロロギ酸メチル(0.574ml、7.43mmol)の撹拌されている懸濁液に加えた。反応物を、融解氷浴(melting ice bath)中で16時間撹拌したままにした。反応物を0℃に冷却し、追加のクロロギ酸メチル(0.86ml、1.5当量)及びトリエチルアミン(3.1ml、3当量)を加え、次いで反応物をさらに1.5時間室温で撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残渣をEtOAc(100ml)に溶解させ、連続的に、水(50ml)及びブライン(50ml)で洗浄した。有機部分を相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~20%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-ブロモ-1-メトキシ-7-メチルイソキノリン(1.1g、58%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)2.60(3H,s),4.10(3H,s),7.17(1H,d),7.47(1H,d),7.56(1H,d),7.94(1H,d).m/z:ES+[M+H]+254.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
RuPhos-Pd-G3(152mg、0.18mmol)、{2’,6’-ビス[(プロパン-2-イル)オキシ][1,1’-ビフェニル]-2-イル}(ジシクロヘキシル)ホスファン、炭酸カリウム(504mg、3.64mmol)、8-ブロモ-1-メトキシ-7-メチルイソキノリン(459mg、1.82mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(735mg、1.82mmol)を窒素下で合わせ、次いで、脱気されたジオキサン(40ml)及び脱気された水(10ml)を加えた。生じた混合物をさらに1分間脱気し、次いで窒素下で、80℃で60分間撹拌した。反応混合物を放冷し、EtOAc(125ml)で希釈し、連続的に、水(50ml)及び飽和ブライン(25ml)で洗浄した。水性部分をEtOAc(75ml)でさらに抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSO
4により乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~70%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィー(40グラムシリカカートリッジ)により精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(793mg、82%)を茶色の泡として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.51(9H,s),2.20(3H,s),3.08-3.24(3H,m),3.55(3H,d),3.90(1H,d),4.09-4.19(2H,m),4.31-4.39(1H,m),4.43-4.55(1H,m),5.14(1H,s),6.81(1H,d),7.24(1H,d),7.59(1H,d),7.74(1H,d),7.95(1H,d),8.71(1H,s).m/z ES+[M+H]+532.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプシオマー1及びアトロプ異性体2
N-クロロスクシンイミド(173mg、1.30mmol)を、室温のDMF(7ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(690mg、1.30mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を120℃で30分間撹拌した。さらなるN-クロロスクシンイミド(30mg、0.22mmol)を加え、反応物を120℃でさらに15分間撹拌したままにした。反応混合物を放冷し、次いで、反応混合物をRPカラム(150グラムC18 RF gold)にロードし、次いで、ギ酸0.1%をモディファイアーとして含む水中40~80%MeCNの勾配で溶離することにより、逆相クロマトグラフィーにより精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートを薄茶色の泡として与えた。固体をMeOH(2ml)に溶解させ、キラルSFC(Phenomenex C2、30×250mm、5ミクロン、移動相:30%MeOH+0.1%NH
3/70%scCO
2、流量:100ml/分、BPR:120バール、カラム温度:40℃、220nmでのUV)を利用して精製すると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(125mg、34%、d.e.98%)を最初に溶出するピークとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.52(9H,s),2.17(3H,s),3.03-3.24(3H,m),3.56(3H,s),3.82-4.02(1H,m),4.02-4.31(2H,m),4.39-4.6(2H,m),4.82-5.23(1H,m),7.27(1H,s),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.71(1H,s).m/z ES+[M+H]+566.2番目に溶出したピークは同じ化合物のアトロプ異性体2であることが分かった(120mg、33%、d.e.97%)。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.52(9H,s),2.17(3H,s),3.11-3.3(3H,m),3.56(3H,s),3.97(1H,s),4.06-4.25(2H,m),4.39-4.48(1H,m),4.51-4.65(1H,m),4.98-5.14(1H,m),7.27(1H,s),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.71(1H,s).m/z:ES+[M+H]+566.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1
マイクロ波バイアルに、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(125mg、0.22mmol)、塩化リチウム(46.8mg、1.10mmol)、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(210mg、1.10mmol)及び無水DMF(4ml)を入れた。マイクロ波バイアルを密封し、マイクロ波中で、120℃で30分間照射した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。カラムをMeOHで洗浄し、次いで、1Mアンモニアのメタノール溶液を使用して、所望の生成物をカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(100mg、100%)を灰白色固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)2.14(3H,s),2.95(1H,s),3.07-3.19(4H,m),3.89(1H,d),4.41(1H,dd),4.52(1H,dd),5.06(1H,d),6.50(1H,d),6.93(1H,d),7.57(1H,d),7.63(1H,d),8.57(1H,s),8.65(1H,s).1つの交換可能なNHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+452,454.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2から出発して、前記アトロプ異性体1に類似な方法で調製した。所望のアトロプ異性体2(95mg、99%)を灰白色固体として単離した。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)2.14(3H,s),2.88-2.95(1H,m),3-3.2(4H,m),3.84-3.96(1H,m),4.40(1H,dd),4.48(1H,dd),5.07(1H,dd),6.49(1H,d),6.89(1H,d),7.56(1H,d),7.58-7.67(1H,m),8.65(1H,s),9.09(1H,s).1つの交換可能なNHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+452,454.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(実施例16)
-78℃のジクロロメタン(3ml)、2-プロパノール(1ml)及びトリエチルアミン(0.031ml、0.22mmol)中の8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(0.1g、0.22mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.019ml、0.23mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を室温に温め、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄した。有機層を相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCN(25~50%の勾配)の極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(0.055g、49.1%、d.e.96%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.03(3H,s),3.01-3.13(1H,m),3.36-3.56(1H,m),4.07-4.26(2H,m),4.26-4.53(2H,m),4.53-4.69(2H,m),4.77-4.97(1H,m),5.76(1H,dd),6.20(1H,dd),6.59(1H,dd),6.81-6.98(1H,m),7.09-7.15(1H,m),7.72(2H,s),8.60(1H,s),10.89(1H,d).m/z:ES+[M+H]+506,508.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2(実施例17)
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2(実施例17)を、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2から出発して、実施例16に類似な方法で調製した(95mg、0.21mmol)。実施例17(52mg、49%、d.e.95.8%)を白色の固体として単離した。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.05(3H,s),3.02-3.23(1H,m),3.50(1H,d),4-4.23(2H,m),4.29-4.57(2H,m),4.57-4.73(2H,m),4.75-4.96(1H,m),5.76(1H,dd),6.20(1H,dd),6.59(1H,d),6.8-6.98(1H,m),7.09-7.17(1H,m),7.72(2H,s),8.60(1H,s),10.89(1H,d).m/z:ES+[M+H]+506,508.
4-ブロモ-5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール
亜硝酸ナトリウム(1.132g、16.41mmol)の水(6ml)溶液を、0℃の酢酸(20ml)及び水(8ml)中の3-ブロモ-4-メチルベンゼン-1,2-ジアミン(2.0g、9.95mmol)の撹拌された溶液に滴加した。生じた混合物を室温で1時間撹拌した。沈殿物を濾過により回収し、水(3×15ml)で洗浄し、50℃の真空オーブン中で乾燥させると、4-ブロモ-5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール(1.51g、72%)を茶色の固体として与え、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.51(3H,s),7.43(1H,d),7.80(1H,s),15.99(1H,s).m/z:ES+[M+H]+212,214.
4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール
3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(0.774ml、8.49mmol)を、20℃のDCM(16ml)中の4-ブロモ-5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール(1.5g、7.07mmol)及び4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(0.269g、1.41mmol)に加えた。生じた混合物を還流状態で1時間撹拌した。反応混合物を放冷し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール(1.150g、54.9%)を茶色の油として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,52℃)1.6-1.7(2H,m),1.75-1.88(1H,m),2-2.2(2H,m),2.39-2.46(1H,m),2.53(3H,s),3.74-3.93(2H,m),6.15(1H,dd),7.49-7.57(1H,m),7.81(1H,d).
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
RuPhos-Pd-G3(152mg、0.18mmol)、{2’,6’-ビス[(プロパン-2-イル)オキシ][1,1’-ビフェニル]-2-イル}(ジシクロヘキシル)ホスファン(85mg、0.18mmol)、炭酸カリウム(504mg、3.64mmol)、4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール(540mg、1.82mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(735mg、1.82mmol)を窒素下で合わせ、脱気された1,4-ジオキサン(40ml)及び脱気された水(10ml)を加えた。生じた混合物を、窒素によりさらに1分間脱気し、次いで窒素下で80℃で90分間撹拌した。反応混合物を放冷し、次いでEtOAc(125ml)で希釈し、連続的に、水(50ml)及び飽和ブライン(25ml)で洗浄した。水性部分をEtOAc(75ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSO
4により乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(850mg、81%)を茶色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.51(9H,d),1.68-1.91(3H,m),2.12-2.3(2H,m),2.34-2.43(3H,m),2.58(1H,dd),3.16(3H,dt),3.87(3H,ddt),4.05-4.2(2H,m),4.32-4.57(2H,m),5.10(1H,d),6.06(1H,dd),7.08-7.18(1H,m),7.45(1H,d),7.68-7.77(1H,m),8.70(1H,s).m/z:ES+[M+H]+576.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
N-クロロスクシンイミド(174mg、1.30mmol)を、室温のDMF(5ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(850mg、1.18mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を120℃で17時間撹拌した。反応混合物を放冷し、EtOAc(50ml)で希釈し、連続的に、水(25ml)及び飽和ブライン(25ml)で洗浄した。合わせた有機部分をMgSO
4により乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗製の茶色の油を与えた。粗生成物を、DCM中0~8%1Mアンモニアのメタノール溶液の溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製すると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(380mg、61.2%)をゴムとして与え、それをさらに精製せずに使用した。m/z:ES+[M+H]+526、528。
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン
0℃の窒素下のジクロロメタン(10ml)中のアトロプ異性体1とアトロプ異性体2の混合物としてのtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(380mg、0.72mmol)の溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(3ml、39.18mmol)を加え、反応混合物を2時間撹拌し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をメタノールに溶解させ、メタノールにより完全に洗浄しながらSCXカラムに適用し、次いで、生成物を、メタノール中1Mアンモニアを使用して溶出させた。溶媒を蒸発させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリンを、アトロプ異性体1とアトロプ異性体2の混合物として(240mg、79%)灰白色の固体として与え、それをさらに精製せずに使用した。m/z:ES+[M+H]+426、428。
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例18)及びアトロプ異性体2(実施例19)
-78℃のDCM(16.4ml)、IPA(4.1ml)及びピリジン(0.091ml、1.13mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリンの溶液に、アクリロイルクロリド(0.048ml、0.59mmol)のジクロロメタン(3.4ml)溶液を加え(5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。追加のジクロロメタン(0.55ml)中のアクリロイルクロリド(7.77μL、0.096mmol)を加え、反応物を-78℃でさらに10分間撹拌したままにした。反応混合物を放置して室温に温め、揮発物を減圧下で除去した。生じた残渣をDMSO(4ml)に溶解させ、粗生成物を、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCN(5~30%の勾配)の極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(2×注入)(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により精製した。純粋なフラクションを蒸発させると、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オンを白色の固体として与えた。固体をMeOH(2ml)に溶解させ、キラルSFC(Phenomenex C1、30×250mm、5ミクロン、移動相:40%MeOH+0.1%NH
3/60%scCO
2、流量:90ml/分、BPR:120バール、カラム温度:40℃、220nmでのUV)を使用して精製すると、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例18)(11mg、8%、d.e.79%)を最初に溶出するピークとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)2.25(3H,s),3.16-3.32(1H,m),3.44-3.66(2H,m),3.93-4.08(2H,m),4.5-4.57(2H,m),4.74(2H,s),5.84(1H,dd),6.42(1H,dd),6.59(1H,dd),7.34(1H,d),7.98(1H,s),8.36(1H,s).1つの交換可能なNHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+480,482.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体2、実施例19)が、2番目に溶出したピークとして得られた(7mg、5.1%、d.e.79%)。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)2.25(3H,s),3.13(2H,s),3.40(1H,s),3.89(1H,s),4.07(1H,s),4.50(1H,s),4.62(1H,dd),4.76(1H,s),5.19(1H,d),5.84(1H,d),6.40(1H,d),6.61(1H,dd),7.35(1H,d),7.98(1H,s),8.35(1H,s).1つの交換可能なNHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+480,482.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
4-ブロモ-5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール(0.257g、0.86mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.040g、0.09mmol)、炭酸カリウム(0.237g、1.72mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.347g、0.86mmol)を、ジオキサン(5ml)と水(1.5ml)の脱気された混合物中で合わせた。次いで、RuPhos Pd G3(0.072g、0.09mmol)を加え、混合物を、さらに1分間脱気した。次いで、反応物を80℃で16時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M Na
2CO
3水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.497g、100%)を茶色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.51(9H,s),1.64-1.84(4H,m),2.06-2.3(2H,m),2.55(1H,d),2.89-3.29(3H,m),3.97-4.25(3H,m),4.29-4.57(3H,m),5.11(1H,d),5.75(1H,dd),7.12(1H,d),7.30(1H,t),7.66(1H,dd),7.87(1H,s),8.72(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+579.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン
N-クロロスクシンイミド(0.115g、0.86mmol)を、DMF(2.86ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.497g、0.86mmol)の撹拌された溶液に一度に加え、反応物を110℃で1時間撹拌した。次いで、追加のN-クロロスクシンイミド(0.115g、0.86mmol)を加え、反応物を110℃でさらに1時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。溶媒を真空中で除去すると、茶色のゴムを与えた。ゴムを、DCM(10ml)に溶解させ、次いでTFA(10ml)を20℃で加え、反応物を1時間撹拌した。粗生成物を、SCXカラムを使用して、イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(0.328g、89%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.02-3.21(4H,m),4.06(1H,s),4.33-4.82(2H,m),5.01(1H,s),7.44(1H,t),7.65-7.87(2H,m),7.92(1H,d),8.62(1H,s),13.41(1H,s).1×交換可能が見られなかった。m/z(ES+),[M+H]+429.
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例20)及びアトロプ異性体2(実施例21)
-78℃のDCM(10ml)、2-プロパノール(2.0ml)及びトリエチルアミン(0.106ml、0.76mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(0.325g、0.76mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.072g、0.80mmol)のDCM(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を室温にして、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1%NH
4OHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、白色固体を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Phenomonex C4 30×250mm、5ミクロン、移動相:45%MeOH+0.1%NH
3/55%scCO
2、流量:100ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を利用して分離した。純粋なフラクションを乾燥させると(dried down)、最初に溶出するアトロプ異性体1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(12mg、36%)を与えた。1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)3.14-3.25(1H,m),3.36-3.72(2H,m),3.99-4.41(2H,m),4.44-4.66(3H,m),5.09(1H,d),5.82(1H,dd),6.29(1H,dd),6.66-6.96(1H,m),7.37(1H,t),7.72(2H,d),8.60(1H,s).1つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z(ES+),[M+H]+483.
2番目に溶出するアトロプ異性体1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(14mg、42%)も得られた。1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)3.33-3.72(3H,m),4.05-4.41(2H,m),4.46-4.69(3H,m),5.09(1H,d),5.82(1H,dd),6.29(1H,dd),6.79-6.96(1H,m),7.33-7.47(1H,m),7.62-7.83(2H,m),8.60(1H,s).1×交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z(ES+),[M+H]+483.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
2-ブロモ-1-フルオロ-3-メチル-4-ニトロベンゼン(CAS 1427502-92-8;0.440g、1.88mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.070g、0.15mmol)、炭酸カリウム(0.416g、3.01mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.608g、1.50mmol)を、ジオキサン(10ml)と水(3ml)の脱気された混合物中で合わせた。次いで、RuPhos Pd G3(0.126g、0.15mmol)を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで、80℃で2時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M Na
2CO
3水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.422g、54.6%)を茶色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.50(9H,d),2.96-3.27(3H,m),3.48(3H,s),3.75-3.97(1H,m),4.29-4.59(3H,m),5.11(1H,d),6.82(1H,d),7.12-7.23(1H,m),8.04(1H,dd),8.71(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+548.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
N-クロロスクシンイミド(0.608g、4.55mmol)を、DMF(15.18ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(2.338g、4.55mmol)の撹拌された溶液に一度に加え、反応物を110℃で1時間撹拌した。次いで、反応物を周囲温度に冷却し、揮発物を真空中で除去すると、茶色のゴムを与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.339g、53.7%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.51(9H,s),2.34(3H,d),2.94-3.43(3H,m),3.78-4.01(1H,m),4.02-4.29(2H,m),4.36-4.65(2H,m),5.03(1H,s),7.12-7.23(1H,m),8.12(1H,dd),8.71(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+548.
tert-ブチル(8aS)-5-(3-アミノ-6-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.337g、2.44mmol)を、IPA(15ml)及び水(3ml)に溶解させた。鉄(0.681g、12.20mmol)を、次いで塩化アンモニウム(0.653g、12.20mmol)を周囲温度で加えた。次いで、反応物を85℃で1時間加熱した。反応物を周囲温度に放冷し、次いで、セライトに通して濾過した。セライトを、酢酸エチル(50ml)で、次いでメタノール(50ml)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、DCM(50ml)に溶解させ、飽和NaHCO
3(100ml)及び飽和NaCl水溶液(100ml)で洗浄した。有機液をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させると、tert-ブチル(8aS)-5-(3-アミノ-6-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.483g、117%)を茶色のゴムとして与え、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),1.91(3H,d),2.95-3.34(3H,m),3.58(2H,s),3.76-4(1H,m),4.01-4.28(2H,m),4.37-4.61(2H,m),4.87-5.08(1H,m),6.77(1H,dd),6.90(1H,t),8.69(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+571.
tert-ブチル(8aS)-5-(1-アセチル-5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
無水酢酸(0.047ml、0.50mmol)を、クロロホルム(20ml)中のtert-ブチル(8aS)-5-(3-アミノ-6-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.103g、0.20mmol)及び酢酸カリウム(0.049g、0.50mmol)に加えた。70℃に30分間加熱した後、18-クラウン-6(0.013g、0.05mmol)及び亜硝酸イソペンチル(0.107ml、0.80mmol)を加え、反応物を70℃で16時間撹拌した。冷却後、反応物を水で洗浄し、水性液をDCMで抽出した。合わせた有機液を濃縮し、次いで、粗生成物を、ヘプタン中0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-5-(1-アセチル-5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.074g、65.2%)を灰白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.52(9H,s),2.80(3H,s),2.97-3.38(3H,m),4.06-4.28(3H,m),4.32-4.69(2H,m),4.82-5.2(1H,m),7.4-7.53(1H,m),7.80(1H,d),8.57(1H,dd),8.73(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+571.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
水酸化ナトリウム(9.94ml、19.88mmol)を、THF(15ml)とMeOH(3ml)の混合物中のtert-ブチル(8aS)-5-(1-アセチル-5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.135g、1.99mmol)の撹拌された溶液に加え、反応物を1時間撹拌した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させた。粗生成物を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配でフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、ピンクがかった固体を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Phenomonex C1 3×50mm、3ミクロン、移動相:45%MeOH+0.1%NH
3/55%scCO
2、流量:2ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。フラクションを蒸発させると、最初に溶出するアトロプ異性体として、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(187mg、37%)を与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.52(9H,s),2.95-3.34(3H,m),3.83-4.03(1H,m),4.03-4.34(2H,m),4.50(1H,dd),4.59(1H,dd),5.05(1H,d),7.33(1H,t),7.60(1H,dd),7.78(1H,s),8.73(1H,s),10.31(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+529.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートの2番目に溶出したアトロプ異性体、アトロプ異性体2も得られた(180mg、36%)。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.52(9H,s),2.9-3.41(3H,m),3.82-3.98(1H,m),4-4.33(2H,m),4.44-4.63(2H,m),5.04(1H,d),7.33(1H,t),7.60(1H,dd),7.76(1H,s),8.73(1H,s),10.33(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+529.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1
TFA(1ml)を、20℃のDCM(2ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(0.187g、0.35mmol)の撹拌された溶液に加え、反応物を1時間撹拌した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1(0.152g、100%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.71-2.89(2H,m),2.95-3.15(2H,m),3.87-4.21(2H,m),4.45-4.73(2H,m),4.98(1H,d),7.36-7.49(1H,m),7.69-7.86(2H,m),8.60(1H,s),13.41(1H,s).1×交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z(ES+),[M+H]+429.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2から出発して、前記アトロプ異性体1に類似な方法で製造した。所望のアトロプ異性体2は下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.63-2.88(3H,m),2.91-3.14(2H,m),3.8-4(1H,m),4.41-4.72(2H,m),4.95(1H,d),7.43(1H,t),7.65-7.89(2H,m),8.59(1H,s),13.40(1H,s).1×交換可能が見られなかった。m/z:ES+[M+H]+429.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例22)
-78℃のジクロロメタン(5ml)、2-プロパノール(1ml)及びトリエチルアミン(0.049ml、0.35mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1(0.152g、0.35mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.034g、0.37mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を室温にして、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1%NH
4OHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、実施例22、1-((13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-10-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプシオマー1、(0.065g、38%)を灰白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.17(2H,s),3.35-3.56(1H,m),3.95-4.24(2H,m),4.26-4.56(1H,m),4.57-4.78(2H,m),4.77-5(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.86(1H,s),7.44(1H,t),7.67-8.01(2H,m),8.65(1H,s),13.42(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+483.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例23)
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例23)を、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2から出発して、実施例22に類似な方法で調製した。実施例23は下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.36-3.55(2H,m),3.97-4.24(2H,m),4.27-4.57(2H,m),4.59-4.77(2H,m),4.78-5.01(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.7-7.07(1H,m),7.44(1H,t),7.68-7.83(2H,m),8.65(1H,s),13.41(1H,s).m/z:ES+[M+H]+483.
4-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
ヨードメタン(2ml、32.13mmol)を、4-ブロモ-5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(CAS 1360962-58-8;1.834g、8.53mmol)、炭酸カリウム(2.4g、17.06mmol)及びIPA(50ml)の撹拌されている混合物に加えた。混合物を80℃で24時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。混合物をEtOAcで希釈し、生じた固体を濾去した。濾液を真空中で濃縮し、粗生成物を、DCM中0~7%MeOHの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、位置異性体の混合物を与えた。この混合物を、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)によりさらに精製した。フラクションを蒸発乾固させると、7-ブロモ-6-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(0.180g、9%)を白色の固体として与え、所望の4-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(0.195g、10%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,27℃)4.14(3H,s),7.05-7.12(1H,m),7.65(1H,dd),7.79(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+229.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
4-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(0.190g、0.83mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.039g、0.08mmol)、炭酸カリウム(0.229g、1.66mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.335g、0.83mmol)を、ジオキサン(5ml)と水(1.5ml)の脱気された混合物中で合わせた。RuPhos Pd G3(0.069g、0.08mmol)を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で16時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M Na
2CO
3水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配で、それに続いてEtOAc中10%MeOHで、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.329g、78%)を茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.51(9H,s),2.87-3.33(3H,m),3.75-3.87(1H,m),3.89(3H,s),3.99-4.25(2H,m),4.3-4.55(2H,m),5.08(1H,d),7.15-7.3(2H,m),7.41(1H,dd),7.90(1H,s),8.70(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+509.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
N-クロロスクシンイミド(0.086g、0.65mmol)を、DMF(2.2ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.329g、0.65mmol)の撹拌された溶液に一度に加え、反応物を110℃で1時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。溶媒を真空中で除去すると、茶色のゴムを与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配で、それに続いてEtOAc中10%MeOHで、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、黄色の固体を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Phenomonex A1、30×250mm、5ミクロン、移動相:45%IPA+0.1%DEA/55%scCO
2、流量:80ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。フラクションを乾燥させると、最初に溶出するアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(61mg、37%)を与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),2.89-3.27(3H,m),3.76-3.95(4H,m),3.99-4.31(2H,m),4.36-4.68(2H,m),5.00(1H,d),7.15-7.3(1H,m),7.38-7.57(1H,m),7.86(1H,s),8.68(1H,d).m/z(ES+),[M+H]+543.
同じ化合物の2番目に溶出したアトロプ異性体、アトロプ異性体2も単離した(58mg、35%)。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),2.85-3.4(3H,m),3.75-3.94(4H,m),4.01-4.28(2H,m),4.4-4.66(2H,m),5.00(1H,d),7.23(1H,d),7.46(1H,dd),7.88(1H,s),8.69(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+543.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2
TFA(0.5ml)を、20℃のDCM(1ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプシオマー2(0.058g、0.11mmol)の撹拌された溶液に加えた。反応物を1時間撹拌したままにした。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(0.043g、91%)を黄色の固体として与えた。m/z(ES+)、[M+H]+443。
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプシオマー1から出発して、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2に類似な方法で調製し、下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.63-2.88(3H,m),2.91-3.14(2H,m),3.8-4(1H,m),4.41-4.72(2H,m),4.95(1H,d),7.43(1H,t),7.65-7.89(2H,m),8.59(1H,s),13.40(1H,s).1×交換可能が見られなかった。m/z:ES+[M+H]+429.
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例24)
-78℃のジクロロメタン(1ml)、2-プロパノール(0.2ml)及びトリエチルアミン(0.014ml、0.10mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2(0.043g、0.10mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(9.23mg、0.10mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を室温にして、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1%NH
4OHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2、実施例24、(0.026g、53.9%)を灰白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.34-3.57(2H,m),3.90(3H,s),4.03-4.23(2H,m),4.26-4.55(2H,m),4.59-4.75(2H,m),4.78-4.99(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.61-6.99(1H,m),7.24-7.43(1H,m),7.76(1H,dd),8.23(1H,s),8.63(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+497.
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例25)
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例25)を、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1から出発して、実施例24に類似な方法で調製した。実施例25は下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.35-3.55(2H,m),3.90(3H,s),4.01-4.24(2H,m),4.25-4.56(2H,m),4.56-4.77(2H,m),4.78-5.01(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.69-7.04(1H,m),7.22-7.52(1H,m),7.76(1H,dd),8.22(1H,s),8.63(1H,s).m/z:ES+[M+H]+497.
2-ブロモ-3-フルオロ-6-ニトロアニリン
トリエチルアミン(8.87ml、63.63mmol)を、周囲温度のDMF(35ml)中の2-ブロモ-1,3-ジフルオロ-4-ニトロベンゼン(CAS 103977-78-2;5.05g、21.21mmol)及び炭酸アンモニウム(2.04g、21.21mmol)の撹拌されている懸濁液に加え、反応物を18時間撹拌した。次いで、水(100ml)を加え、混合物をDCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機液を、水(3×100ml)、ブライン(100ml)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、2-ブロモ-3-フルオロ-6-ニトロアニリン(5.35g、107%)を黄色の固体として与え、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)6.55(1H,dd),6.90(2H,s),8.21(1H,dd).m/z:ES+[M+H]+233.
tert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
2-ブロモ-3-フルオロ-6-ニトロアニリン(0.538g、2.29mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.107g、0.23mmol)、炭酸カリウム(0.633g、4.58mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.926g、2.29mmol)を、ジオキサン(10ml)と水(3.0ml)の脱気された混合物中で合わせた。RuPhos Pd G3(0.192g、0.23mmol)を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で16時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M Na
2CO
3水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.850g、72.1%)を茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.50(9H,d),2.86-3.32(3H,m),3.76-3.98(1H,m),4-4.26(2H,m),4.27-4.55(2H,m),4.92-5.23(1H,m),6.31(2H,d),6.52-6.67(1H,m),6.85-6.97(1H,m),8.31(1H,dd),8.70(1H,d).m/z(ES+),[M+H]+515.
tert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
N-クロロスクシンイミド(0.108g、0.81mmol)を、DMF(2.69ml)中のtert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.415g、0.81mmol)の撹拌された溶液に一度に加え、反応物を110℃で1時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。溶媒を真空中で除去すると、茶色のゴムを与えた。粗生成物を、水(1%NH
3を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.105g、23.71%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),2.77-3.41(3H,m),3.73-4.34(3H,m),4.37-4.62(2H,m),5.04(1H,s),6.17(2H,d),6.62(1H,ddd),8.36(1H,dd),8.71(1H,d).m/z(ES+),[M+H]+549
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-5-(2,3-ジアミノ-6-フルオロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
tert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.187g、0.34mmol)を、IPA(3ml)及び水(0.5ml)に溶解させた。鉄(0.095g、1.70mmol)を、次いで塩化アンモニウム(0.091g、1.70mmol)を周囲温度で加えた。次いで、反応物を85℃で1時間加熱した。反応物を周囲温度に冷却し、次いでセライトに通して濾過した。セライトを酢酸エチル(100ml)で洗浄し、合わせた濾液を飽和NaHCO
3水溶液(100ml)で、次いで飽和NaCl(100ml)で洗浄した。有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-5-(2,3-ジアミノ-6-フルオロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.177g、100%)を、黄色の固体として、アトロプ異性体の混合物として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.53(9H,d),2.91-3.36(5H,m),3.47(2H,d),3.73-4.03(1H,m),3.99-4.29(2H,m),4.35-4.68(2H,m),4.78-5.17(1H,m),6.55(1H,t),6.68-6.86(1H,m),8.70(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+519.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプシオマー1及びアトロプ異性体2
水(0.5ml)中の亜硝酸ナトリウム(0.038g、0.55mmol)を、8℃の酢酸(2ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-5-(2,3-ジアミノ-6-フルオロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.177g、0.34mmol)の撹拌された溶液に滴加した。反応物を静置して周囲温度に温め、さらに1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をDCM(50ml)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)で洗浄した。有機層を相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、茶色の固体を与えた。残渣をMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Chiralpak ID、30×250mm、5ミクロン、移動相:30%MeOH+0.1%NH
3/70%scCO
2、流量:90ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。生成物を含むフラクションを蒸発させると、最初に溶出するアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(43mg、27%)を与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.52(9H,s),2.82-3.19(3H,m),3.82-4.03(1H,m),4.04-4.44(3H,m),4.57(1H,dd),5.22(1H,d),7.23(1H,d),8.14(1H,dd),8.24(1H,s).1つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z(ES+),[M+H]+530.
2番目に溶出したアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2(38mg、24%)を、やはりSFC精製から単離した。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.52(9H,s),2.93-3.44(3H,m),3.66(1H,s),3.8-4.24(3H,m),4.47(2H,s),7.22(1H,d),8.13(1H,dd),8.28(1H,s).1×交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z(ES+),[M+H]+530.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1
TFA(0.5ml)を、20℃のDCM(1ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(0.043g、0.08mmol)の撹拌された溶液に加えた。反応物を1時間撹拌したままにした。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1(0.033g、95%)を黄色の固体として与えた。m/z(ES+)、[M+H]+430。
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2から出発して、前記アトロプ異性体1に類似な方法で調製した。所望の生成物は下記を示した:m/z:ES+[M+H]+430。
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例26)
-78℃のDCM(1ml)、2-プロパノール(0.2ml)及びTEA(10.70μl、0.08mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1(0.033g、0.08mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(7.30mg、0.08mmol)のDCM(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を室温にして、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1%NH
4OHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、88mgの白色固体(ギ酸塩)を与えた。この固体をDCM(25ml)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(25ml)と共に2時間撹拌した。有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、実施例26、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン、(7.5mg、20.19%)を灰白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)2.72-3.26(3H,m),3.26-3.47(1H,m),3.69-4.2(2H,m),4.22-4.86(3H,m),5.03-5.42(1H,m),5.82(1H,d),6.38(1H,d),6.58(1H,t),8.12(1H,s),8.31(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+484.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例27)
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例27)を、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2から出発して、実施例26に類似な方法で調製した。実施例27は下記を示した:1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)3.08-3.75(4H,m),3.82-4.08(2H,m),4.28-4.6(3H,m),4.6-4.94(1H,m),5.85(1H,d),6.43(1H,d),6.49-6.67(1H,m),8.13(1H,dd),8.38(1H,s).1×交換可能が見られなかった。m/z:ES+[M+H]+484
8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン
2,2-ジエトキシエタン-1-アミン(6.07ml、41.77mmol)を、無水トルエン(20ml)中の2-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒド(CAS 891180-59-9;8.479g、41.77mmol)の撹拌された溶液に加え、混合物を100℃で18時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に放冷し、真空中で濃縮した。粗製の残渣をDCM(30ml)に溶解させ、0℃に冷却した。三塩化アルミニウム(18.38g、137.83mmol)を少量ずつ加え、生じた暗赤色の懸濁液を、0℃で30分間撹拌したままにし、次いで、1時間かけてゆっくりと周囲温度に温め、16時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、DCMで希釈した。反応混合物を2M NaOH水溶液により塩基性化し、相を分離した。水相をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を相分離器カートリッジに通し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、0~40%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むフラクションを真空中で濃縮すると、8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン(2.23g、23.6%)を茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)7.52(1H,t),7.64(1H,d),7.81(1H,dd),8.62(1H,d),9.63(1H,s).m/z:ES+[M+H]+228.
8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン2-オキシド
mCPBA(0.523g、2.34mmol)を、周囲温度のDCM(10ml)中の8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン(0.44g、1.95mmol)の撹拌された溶液に加え、反応物を2時間撹拌した。混合物をDCM(100ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×100ml)で洗浄した。有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン2-オキシド(0.466g、99%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)7.38(1H,dd),7.66(1H,d),7.76(1H,dd),8.16(1H,dd),9.09-9.2(1H,m).m/z:ES+[M+H]+242.
8-ブロモ-7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン
トリエチルアミン(0.924ml、6.63mmol)を、8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン2-オキシド(0.802g、3.31mmol)及びクロロギ酸メチル(0.333ml、4.31mmol)の0℃の撹拌されている懸濁液に加えた。反応物を一晩周囲温度で撹拌したままにした。さらなるクロロギ酸メチル(0.333ml、4.31mmol)及びトリエチルアミン(0.924ml、6.63mmol)を加え、反応物をさらに2時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、残渣をDCM(50ml)に溶解させ、水(50ml)で洗浄し、次いでブライン(50ml)で洗浄した。有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~25%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-ブロモ-7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン(0.386g、45.5%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)4.11(3H,s),7.21(1H,d),7.42(1H,dd),7.67(1H,dd),7.99(1H,d).m/z:ES+[M+H]+258.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
8-ブロモ-7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン(0.251g、0.98mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.046g、0.10mmol)、炭酸カリウム(0.271g、1.96mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.396g、0.98mmol)を、ジオキサン(5ml)と水(1.5ml)の脱気された混合物中で合わせた。RuPhos Pd G3(0.082g、0.10mmol)を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で2時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M Na
2CO
3水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.525g、100%)を茶色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.51(9H,s),2.89-3.32(3H,m),3.64(3H,d),3.76-3.98(1H,m),3.99-4.25(2H,m),4.31-4.57(2H,m),5.13(1H,s),6.94(1H,d),7.28(1H,d),7.52(1H,t),7.85(1H,dd),8.01(1H,d),8.70(1H,s).m/z:ES+[M+H]+536.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
N-クロロスクシンイミド(0.137g、1.03mmol)を、DMF(4ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.525g、0.98mmol)の撹拌された溶液に一度に加え、反応物を120℃で30分間撹拌した。反応物を周囲温度に冷却し、溶媒を真空中で除去すると、茶色のゴムを与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~70%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、黄色の固体を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Chiralpak IG、30×250mm、5ミクロン、移動相:45%MeOH+0.1%NH
3/65%scCO
2、流量:100ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。生成物を含むフラクションを蒸発させると、最初に溶出するアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(132mg、23%)を与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.52(9H,s),3-3.3(3H,m),3.63(3H,s),3.97(1H,s),4.16(2H,s),4.37-4.63(2H,m),5.08(1H,d),7.31(1H,s),7.56(1H,t),7.90(1H,dd),8.02(1H,d),8.71(1H,s).m/z:ES+[M+H]+570.2番目に溶出したアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2(245mg、42%)もSFC精製から単離した。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),3.05-3.42(3H,m),3.63(3H,s),3.83-4.04(1H,m),4.05-4.32(2H,m),4.38-4.69(2H,m),5.03(1H,s),7.30(1H,d),7.56(1H,t),7.90(2H,dd),8.02(1H,d),8.71(1H,s).ES+[M+H]+570.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1
マイクロ波バイアルに、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(132mg、0.23mmol)、塩化リチウム(49.1mg、1.16mmol)、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(220mg、1.16mmol)及び無水DMF(4ml)を入れた。マイクロ波バイアルを密封し、マイクロ波中で、120℃で30分間照射した。粗生成物を、SCXカラム(10g)を使用し、MeOH中にロードしてイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。カラムをMeOHで洗浄し、次いで、所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-((13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-1,2,3,4,13,13a-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10-イル)-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(106mg、100%)を灰白色固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)2.84-3.21(5H,m),3.47(1H,s),3.78-4.01(1H,m),4.36(1H,dd),4.51(1H,dd),5.06(1H,d),6.50(1H,d),6.91(1H,d),7.51(1H,t),7.66(1H,dd),8.65(1H,s).1つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+456.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2(151mg、77%)、灰白色固体を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2から出発して、前記の記載された対応するアトロプ異性体1に類似な方法で調製した。所望のアトロプ異性体2は下記を示す:1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)2.89-3.21(5H,m),3.78-4.01(1H,m),4.32-4.57(2H,m),5.06(1H,d),6.51(1H,d),6.95(1H,d),7.52(1H,t),7.67(1H,dd),8.65(1H,s).2×交換可能なHが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+456.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(実施例28)
-78℃のジクロロメタン(3ml)、2-プロパノール(1ml)及びトリエチルアミン(0.032ml、0.23mmol)中の8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(0.106g、0.23mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.022g、0.24mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を周囲温度にして、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1%NH
3を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物、実施例28を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(0.066g、55.7%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.94-3.14(2H,m),3.99-4.22(3H,m),4.23-4.52(1H,m),4.52-4.75(2H,m),4.74-5(1H,m),5.75(1H,dd),6.18(1H,dd),6.68(1H,d),6.86(1H,s),7.19(1H,d),7.78(1H,t),7.93(1H,dd),8.60(1H,s).m/z:ES+[M+H]+510.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2(実施例29)
実施例29、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2、(0.083g、49%)白色固体を、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2から出発して、実施例28に類似の方法で調製した。実施例29は下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.93-3.2(1H,m),3.35-3.58(2H,m),4.02(1H,d),4.09-4.75(4H,m),4.86(1H,dd),5.75(1H,dd),6.19(1H,dd),6.68(1H,d),6.76-7.02(1H,m),7.19(1H,d),7.79(1H,t),7.94(1H,dd),8.61(1H,s),11.01(1H,s).m/z:ES+[M+H]+510.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
Pd118(0.086g、0.13mmol)を、ジオキサン(15ml)と2M炭酸ナトリウム水溶液(2.90ml、5.81mmol)の混合物中の(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(CAS 1245816-10-7;0.418g、2.37mmol)及びtert-ブチル(S)-10-ブロモ-11-クロロ-9-フルオロ-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート(0.5g、1.06mmol)の脱気された懸濁液に加えた。反応混合物を100℃で2時間撹拌した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M Na
2CO
3水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗製物質を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、黄色の固体を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Phenomenex C1、30×250mm、5ミクロン、移動相:40%MeOH+0.1%NH
3/60%scCO
2、流量:100ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。生成物を含むフラクションを蒸発させると、最初に溶出するアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(58mg、49%)を灰白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.51(9H,s),2.23(3H,s),2.95-3.37(3H,m),3.74-4.01(1H,m),4.16(2H,s),4.36-4.69(2H,m),5.04(1H,d),7.36(1H,d),7.50(1H,d),7.58(1H,s),8.71(1H,s),10.83(1H,s).m/z:ES+[M+H]+525.
同じ化合物の2番目に溶出したアトロプ異性体、アトロプ異性体2(34mg、29%)も灰白色固体として単離した。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),2.23(3H,s),2.98-3.4(3H,m),3.95(1H,d),4.17(2H,s),4.42-4.68(2H,m),5.05(1H,d),7.38(1H,d),7.51(1H,d),7.60(1H,s),8.72(1H,s),10.34(1H,s).m/z:ES+[M+H]+525.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2(0.151g、0.29mmol)の0℃の窒素下のジクロロメタン(2ml)溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(1ml、13.06mmol)を加え、反応混合物を2時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣をメタノールに溶解させ、メタノールにより完全に洗浄しながら5g SCXカラムに適用し、次いで生成物を、メタノール中1Mアンモニアを使用して溶出させた。溶媒を蒸発させると、(13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-10-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-1,2,3,4,13,13a-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2(0.122g、100%)を灰白色の固体として与えた。m/z:ES+[M+H]+425。
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1(0.116g、100%)、灰白色固体を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1から出発して、前記の対応するアトロプ異性体2に類似の方法で製造した。生成物は下記を示した:m/z:ES+[M+H]+425。
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例30)
DIPEA(150μL、0.86mmol)を、周囲温度のDMA(1.2ml)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2(122mg、0.29mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(131mg、0.34mmol)及び(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン酸.HCl塩(52.3mg、0.32mmol)に一度に加えた。生じた溶液を1時間撹拌した。反応混合物を水(10ml)に注ぎ、EtOAc(2×25ml)で抽出し、ブライン(20ml)で洗浄し、有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(0.1%NH
3を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径50mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、実施例30、(79mg、51%)、(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2を、白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.14(3H,s),2.17(6H,s),3.03-3.09(3H,m),3.38-3.53(2H,m),3.92-4.21(2H,m),4.22-4.42(1H,m),4.43-4.56(1H,m),4.56-4.76(2H,m),4.75-4.97(1H,m),6.42-6.78(2H,m),7.37(1H,d),7.5-7.65(2H,m),8.63(1H,s).m/z:ES+[M+H]+536.
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例31)
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例31)(68mg、47%)、白色固体を、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1から出発して、実施例30に類似の方法で調製した。実施例31は下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)2.17(3H,s),2.21(6H,s),3.27-3.61(5H,m),4.03-4.28(3H,m),4.34(1H,d),4.60(1H,dd),4.69(1H,dd),4.78-4.94(1H,m),6.5-6.78(2H,m),7.36(1H,d),7.50(1H,s),7.57(1H,d),8.62(1H,s).m/z:ES+[M+H]+536.
メチルN-ベンジル-D-アラニナート
水素化ホウ素ナトリウム(27.1g、716.44mmol)を、メチルD-アラニナート塩酸塩(25g、179.11mmol)、ベンズアルデヒド(18.15ml、179.11mmol)及びトリエチルアミン(49.9ml、358.22mmol)の0℃のMeOH(250ml)溶液に少量ずつ加えた。生じた溶液を25℃で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl(200ml)によりクエンチし、DCM(3×100ml)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾液を蒸発乾固させた。粗生成物を、石油エーテル中10~30%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチルN-ベンジル-D-アラニナート(15g、43%)を無色の油として与えた。1H NMR(300MHz,CDCl
3,30
oC)1.35(3H,d),2.07(1H,s),3.32-3.47(1H,m),3.69(1H,d),3.75(3H,s),3.82(1H,d),7.29-7.43(5H,m).m/z:ES+[M+H]+=194.
メチル(3R)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート
2-メチルプロピルカルボノクロリダート(0.848g、6.21mmol)を、0℃のTHF(4ml)中の(2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-メトキシ-4-オキソブタン酸(1.407g、5.69mmol)及びN-メチルモルホリン(0.628g、6.21mmol)にゆっくりと加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。メチルN-ベンジル-D-アラニナート(1g、5.17mmol)のTHF(4ml)溶液を加え、反応物を一晩撹拌した。反応混合物を水(50ml)でクエンチし、EtOAc(3×20ml)で抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物を、石油エーテル中0~40%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチル(3R)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(0.52g、24%)を無色の液体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30
oC)11.39(9H,s),1.47(3H,s),2.62(1H,dd),2.72(1H,dd),3.54(1H,s),3.67(3H,s),3.68(3H,s),4.25(1H,d),4.75(2H,s),4.98(1H,s),7.37(5H,d).m/z:ES+[M+H]+=423.
メチル[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート
TFA(1ml)を、メチル(3R)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(500mg、1.18mmol)の室温のDCM(5ml)溶液に加えた。生じた溶液を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣を飽和炭酸ナトリウムに懸濁させ、4時間撹拌し、次いでDCMで抽出して、蒸発させた。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~40%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチル[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(330mg、96%)を黄色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30
oC)1.51(3H,d),2.87(1H,dd),3.27(1H,dd),3.77(3H,s),3.97(1H,m),4.11(1H,d),4.50(1H,dd),5.26(1H,d),7.28-7.46(5H,m),7.65(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=291.
2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール
水素化アルミニウムリチウム水素化物(hydride)(2.56g、67.51mmol)を、0℃のTHF(50ml)中のメチル[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(2.45g、8.44mmol)に少量ずつ加えた。生じた懸濁液を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温のDCMで希釈し、水(2.56ml)及び15%NaOH(7.68ml)によりクエンチし、次いで濾過し、蒸発させると、2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(1.8g、91%)を無色の油として与えたが、静置すると凝固した。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30
oC)1.08(1H,d),1.15(3H,d),1.45-1.53(2H,m),1.68-1.81(1H,m),2.17-2.27(1H,m),2.54-2.65(1H,m),2.65-2.73(1H,m),2.87-2.98(2H,m),3.10(1H,d),3.72-3.79(2H,m),4.12(1H,d),7.29-7.36(5H,m).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=235.
5-{2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-8-フルオロキナゾリン-4-オール
水素化ナトリウム(0.888g、22.19mmol)を、25℃のTHF(40ml)中の2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(1.3g、5.55mmol)に少量ずつ加えた。生じた懸濁液を室温で30分間撹拌した。次いで、7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(2.172g、8.32mmol)を加え、生じた混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を水(1ml)によりクエンチし、蒸発乾固させた。粗生成物を、水(0.1%TFA)中0~30%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、5-{2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.8g、68%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl
3,30
oC)1.28(3H,d),1.35(1H,q),1.92(1H,d),2.56(2H,dq),2.73-3.04(2H,m),3.18(2H,dd),3.51(2H,s),3.75-4.00(1H,m),4.18-4.45(2H,m),6.84(1H,d),7.27-7.38(5H,m),8.51(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=475.
(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン
テトラクロロメタン(1.827ml、18.93mmol)を、25℃のDCE(0.5ml)中の5-{2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.8g、3.79mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.98g、11.36mmol)に加えた。生じた混合物を80℃で4時間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~20%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(1.6g、92%)を茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)0.93-1.36(3H,m),1.55-2.37(2H,m),2.65-3.26(3H,m),3.34-3.69(2H,m),3.73-4.82(5H,m),7.17(3H,s),7.30(3H,s),7.43(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=457.
(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン
N-クロロスクシンイミド(657mg、4.92mmol)を、25℃のMeCN(10ml)中の(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(750mg、1.64mmol)に加えた。生じた混合物を60℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水中0~40%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(550mg、68%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)1.56(3H,td),1.85-1.94(2H,m),2.92-3.33(2H,m),3.47-4.47(7H,m),4.73(1H,s),7.26-7.73(5H,m),8.80(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=491.
2-[(6aR,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体1及び2
RuPhos-Pd-G3(85mg、0.10mmol)を、1,4-ジオキサン/水(10ml)(4:1の比率)中の(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(500mg、1.02mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(396mg、2.54mmol)、炭酸カリウム(422mg、3.05mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(47.4mg、0.10mmol)の溶液に窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で30分間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。粗生成物を、石油エーテル中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、2-[(6aR,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノールのアトロプ異性体1(65.0mg、12.22%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CD
3OD,30
oC)0.97-1.07(3H,m),1.16-1.22(3H,m),1.64-1.76(1H,m),2.77-2.87(1H,m),3.06-3.19(1H,m),3.36-3.53(2H,m),3.84-3.93(1H,m),4.03-4.62(3H,m),6.68-6.82(2H,m),7.17-7.50(7H,m),8.38(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=523.これに続いて、2-[(6aR,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノールのアトロプ異性体2(55mg、10%)が薄黄色の生成物として得られた。1H NMR(400MHz,CD
3OD,30
oC)1.19(3H,d),1.75-1.92(1H,m),2.30-2.46(3H,m),2.78-2.86(1H,m),3.09-3.13(1H,m),3.44-3.57(1H,m),3.79-3.98(4H,m),4.23-4.57(1H,m),6.68-6.81(2H,m),7.21-7.42(7H,m),8.48(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=523.
2-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体2
THF(5ml)中の2-[(6aR,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体2(50mg、0.10mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.111ml、0.48mmol)及び10%パラジウムカーボン(20.35mg、0.02mmol)を、1気圧の水素の雰囲気下で、室温で1時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で除去した。反応混合物をMeOH(5ml)で希釈し、1,4-ジオキサン中4M HCl(2ml、8mmol)を加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、2-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体2(40mg、97%)を薄黄色の固体として与えた。生成物を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。m/z:ES+[M+H]+=433。
1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン アトロプ異性体2、実施例32
アクリロイルクロリド(8.36mg、0.09mmol)のDMF(1ml)溶液を、0℃のDMF(2.000ml)中の2-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体2(40mg、0.09mmol)及びDIPEA(0.032ml、0.18mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~40%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン、アトロプ異性体2、(実施例32)(17mg、37%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)1.13-1.22(3H,m),1.98(1H,dd),2.20-2.38(1H,m),3.41-3.69(2H,m),3.88-4.33(3H,m),4.45-4.52(1H,m),4.53-5.07(2H,m),5.74(1H,d),6.18(1H,d),6.75-6.87(3H,m),7.34(1H,q),8.45(1H,s),10.19(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=487.
2-((3S,14aR)-11-クロロ-9-フルオロ-3-メチル-1,3,4,13,14,14a-ヘキサヒドロ-2H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-10-イル)-3-フルオロフェノール アトロプ異性体1
THF(5ml)中の2-[(6aR,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(55mg、0.11mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.122ml、0.53mmol)及び10%パラジウムカーボン(22.38mg、0.02mmol)を、水素の雰囲気下で(under one atmosphere of hydrogen)室温で1時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で除去した。反応混合物をMeOH(5ml)で希釈し、1,4-ジオキサン中4M HCl(2ml、8mmol)を加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、2-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体1(40mg、88%)を薄黄色の固体として与えた。生成物を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。m/z:ES+[M+H]+=433。
1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン アトロプ異性体1、実施例33
アクリロイルクロリド(8.36mg、0.09mmol)のDMF(1ml)溶液を、0℃のDMF(2.000ml)中の2-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体1(40mg、0.09mmol)及びDIPEA(0.032ml、0.18mmol)の撹拌された溶液中に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%TFA)中0~30%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(25mg、56%)アトロプ異性体1(実施例33)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30
oC)1.17(3H,d),1.98-2.05(1H,m),2.24-2.34(1H,m),3.52-3.77(2H,m),3.93-4.38(3H,m),4.48-5.09(3H,m),5.76(1H,d),6.18(1H,d),6.77-6.89(3H,m),7.37(1H,q),8.55(1H,s).1つの交換可能なものが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=487.
7-ブロモ-4-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン
オキサリルジクロリド(2.74ml、31.26mmol)を、室温のDCM(150ml)中の7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(2.04g、7.82mmol)及びDMF(0.030ml、0.39mmol)の撹拌されている懸濁液に加えた。生じた混合物を室温で2日間撹拌した。さらなるオキサリルジクロリド(1.0ml)を加え、懸濁液を室温でさらに24時間撹拌した。反応混合物を蒸発させると粗生成物を与えたが、LCMSにより約30%の出発物質をまだ含んでいたので、混合物をDCM(150ml)に懸濁させ、オキサリルジクロリド(2.74ml、31.26mmol)を加え、生じた混合物を室温でさらに24時間撹拌した。生じた溶液を蒸発させると、粗生成物を、黄色の固体、2.1gとして与え、それをさらに精製せずに使用した。
tert-ブチル4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-カルボキシラート
DIPEA(5.24ml、30.06mmol)を、室温のMeCN(100ml)中のtert-ブチル3-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(1.73g、7.51mmol)及び7-ブロモ-4-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン(2.1g、7.51mmol)の撹拌されている混合物に加えた。生じた溶液を室温で3時間撹拌し、約30分後に懸濁液が生じた。沈殿物を濾過により回収し、MeCN(3×20ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、所望の生成物、2.64gを与えた。一晩静置して、2番目の収穫の所望の生成物、300mgを単離すると、tert-ブチル4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(2.94g、83%)を白色の固体として与え、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.43(9H,s),1.71-1.82(2H,m),2.86(1H,s),3.18(1H,s),3.37-3.51(2H,m),3.72(1H,d),3.97(2H,d),4.36(1H,s),4.70(1H,s),7.75(1H,dd),8.62(1H,s)OHは観察されなかった、m/z(ES+),[M+H]+473,475.
tert-ブチル2-ブロモ-1-フルオロ-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(6.2ml、6.21mmol、1M THF溶液)を、室温のNMP(100ml)中のtert-ブチル4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(2.94g、6.21mmol)の撹拌されている懸濁液に、窒素下で加えた。生じた溶液を100℃で45分間撹拌した。反応混合物を放冷し、水(100ml)で希釈し、エーテル(3×200ml)で抽出し、有機層を合わせ、飽和ブライン(2×150ml)で洗浄し、MgSO
4により乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。これをDCM(3ml)及びMeOH(0.5ml)に懸濁させ、固体を濾過により回収し、DCM(2ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、tert-ブチル2-ブロモ-1-フルオロ-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(0.854g、30%)をクリーム色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.57(9H,s),2.01-2.16(1H,m),2.23-2.35(1H,m),3.34-3.53(2H,m),3.68-3.86(2H,m),3.91-4.11(2H,m),4.32(1H,t),4.54(1H,dd),4.81(1H,s),7.40(1H,d),8.59(1H,s),m/z(ES+),[M+H]+453,455.
tert-ブチル1-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート
[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(155mg、0.189mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.45g、5.69mmol)、及び酢酸カリウム(373mg、3.8mmol)を、ジオキサン(45ml)中のtert-ブチル2-ブロモ-1-フルオロ-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(861mg、1.9mmol)の撹拌及び脱気された溶液に窒素下で加えた。生じた混合物を90℃で17時間撹拌した。反応混合物を放冷し、蒸発させ、EtOAc(150ml)と水(75ml)/飽和ブライン(50ml)との間で分配し、混合物をセライトに通して濾過し、有機層を分離し、MgSO
4により乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物、tert-ブチル1-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(2.3g)を与え、それをさらに精製せずに使用した、m/z(ES+)、[M+H]+501。
tert-ブチル1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート
RuPhos Pd G3(159mg、0.19mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(89mg、0.19mmol)及び炭酸カリウム(525mg、3.80mmol)を、ジオキサン(20ml)及び水(5ml)中の8-ブロモ-1-メトキシ-7-メチルイソキノリン(479mg、1.90mmol) tert-ブチル1-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(1.9mmol)の撹拌及び脱気された溶液に加え、混合物を窒素により置換し(5サイクル)、80℃で90分間撹拌した。反応混合物を放冷し、EtOAc(75ml)で希釈し、水(50ml)/飽和ブライン(50ml)で洗浄し、水層をEtOAc(75ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSO
4により乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~70%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(619mg、60%)を薄茶色の泡として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.50(9H,s),1.65-1.77(1H,m),1.95-2.1(3H,m),2.22(3H,d),3.4-3.57(5H,m),3.64-3.78(2H,m),3.95-4.07(1H,m),4.22(1H,t),4.38(1H,dt),6.81-6.86(1H,m),7.24(1H,d),7.59(1H,dd),7.73(1H,d),7.95(1H,dd),8.63(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+546.
tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート
1-クロロピロリジン-2,5-ジオン(167mg、1.25mmol)を、室温のDMF(6ml)中のtert-ブチル1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(619mg、1.13mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を120℃で1時間撹拌した。反応混合物を放冷し、水(25ml)で希釈し、EtOAc(75ml)に抽出し、飽和ブライン(50ml)で洗浄した。有機層を相分離カートリッジにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(485mg、74%)を薄黄色のゴムとして与えた。Chiralpak IC、30×250mm、5ミクロンカラム、移動相45%MeOH+0.1%NH
3/55%scCO
2、流量90ml/分、BPR 120バール、カラム温度40℃、220nmでのUV検出を使用するキラルSFCによるさらなる精製により、tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートの最初に溶出する異性体(エナンチオマー2、アトロプ異性体1と呼ぶ)(63.7mg、13%)を単離した。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.49(9H,s),1.98(1H,s),2.19(3H,s),2.25(1H,s),3.54(3H,s),3.57-3.95(6H,m),4.45(3H,s),7.27(1H,d),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.67(1H,s),
19F NMR(376MHz,CDCl
3,30℃)-128.46,-128.02,m/z(ES+),[M+H]+580;582.キラル分析Chiralpak IC、3.0×150mm、3ミクロンカラム、移動相:45%MeOH+0.1%NH
3/55%scCO
2、流量2.0ml/分、BPR 120バール、温度40℃、rT 1.49分。これに続いて、tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートの2番目に溶出した異性体(エナンチオマー1、アトロプ異性体1と呼ぶ)(32.6mg、7%)が得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.49(9H,s),1.99-2.11(1H,m),2.19(3H,s),2.22-2.3(1H,m),3.56(3H,s),3.59-3.91(6H,m),4.24-4.59(3H,m),7.27(1H,d),7.64(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.68(1H,s),
19F NMR(376MHz,CDCl
3,30℃)-129.30,-128.54,m/z(ES+),[M+H]+580;582.キラル分析Chiralpak IC、3.0×150mm、3ミクロンカラム、移動相:45%MeOH+0.1%NH
3/55%scCO
2、流量2.0ml/分、BPR 120バール、温度40℃、rT 1.66分。これに続いて、tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートの3番目に溶出した(エナンチオマー2、アトロプ異性体2と呼ぶ)(42.6mg、9%)が得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.49(9H,s),2-2.11(1H,m),2.19(3H,s),2.25(1H,s),3.56(3H,s),3.61-3.87(6H,m),4.27-4.53(3H,m),7.25-7.29(1H,m),7.64(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.68(1H,s),
19F NMR(376MHz,CDCl
3,30℃)-129.34,-128.54,m/z(ES+),[M+H]+580,582.キラル分析Chiralpak IC、3.0×150mm、3ミクロンカラム、移動相:45%MeOH+0.1%NH
3/55%scCO
2、流量2.0ml/分、BPR 120バール、温度40℃、rT 2.79分。これに続いて、tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートの4番目に溶出した(エナンチオマー1、アトロプ異性体2と呼ぶ)が得られた(68.5mg、14%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.49(9H,s),1.92-2.03(1H,m),2.19(3H,s),2.21-2.32(1H,m),3.54(3H,s),3.4-3.95(6H,m),4.21-4.54(3H,m),7.27(1H,d),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.67(1H,s),
19F NMR(376MHz,CDCl
3,30℃)-128.02,-128.46,m/z(ES+),[M+H]+580;582.キラル分析Chiralpak IC、3.0×150mm、3ミクロンカラム、移動相:45%MeOH+0.1%NH
3/55%scCO
2、流量2.0ml/分、BPR 120バール、温度40℃、rT 4.11分。
8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン エナンチオマー1、アトロプ異性体1
tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートのエナンチオマー1、アトロプ異性体1(39mg、0.07mmol)のDMF(1.0ml)溶液を、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(63.9mg、0.34mmol)及び塩化リチウム(14mg、0.34mmol)に加え、マイクロ波チューブに入れて密封した。反応物を、120℃で、30分間マイクロ波反応器中で加熱し、室温に冷却した。粗製の反応混合物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体1(30mg、96%)をクリーム色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.91-2.04(1H,m),2.16(3H,s),2.44-2.58(1H,m),2.94-3.02(3H,m),3.12-3.21(1H,m),3.4-3.47(1H,m),3.84(1H,s),4.32-4.5(2H,m),4.85(1H,s),6.52(1H,d),6.93(1H,d),7.58(1H,d),7.65(1H,d),8.44(1H,s),8.56(1H,s),NHは見られなかった、m/z(ES+),[M+H]+466,468.
8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン エナンチオマー1、アトロプ異性体2
tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートのエナンチオマー1、アトロプ異性体2(81mg、0.14mmol)のDMF(2ml)溶液を、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(133mg、0.70mmol)及び塩化リチウム(29mg、0.70mmol)に加え、マイクロ波チューブに入れて密封した。反応物を、120℃で、30分間マイクロ波反応器中で加熱し、室温に冷却した。粗製の反応混合物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体2(56mg、86%)を薄黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.8-1.93(1H,m),2.04(3H,s),2.66-2.75(2H,m),2.81(2H,d),3.04(1H,d),3.33-3.45(1H,m),3.72(1H,d),4.23-4.36(1H,m),4.36-4.47(1H,m),4.74(1H,s),6.58(1H,d),7.05-7.18(1H,m),7.70(2H,s),8.42(1H,s),10.87(1H,d),NHは見られなかった、
19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-131.44,m/z(ES+),[M+H]+466,468.
8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン エナンチオマー2、アトロプ異性体1
tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートのエナンチオマー2、アトロプ異性体1(74mg、0.13mmol)のDMF(1.2ml)溶液を、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(121mg、0.64mmol)及び塩化リチウム(27mg、0.64mmol)に加え、マイクロ波チューブに入れて密封した。反応物を、120℃で、30分間マイクロ波反応器中で加熱し、室温に冷却した。粗製の反応混合物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体1(46mg、77%)をクリーム色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.8-1.93(1H,m),2.04(3H,s),2.66-2.75(2H,m),2.81(2H,d),3.04(1H,d),3.33-3.45(1H,m),3.72(1H,d),4.23-4.36(1H,m),4.36-4.47(1H,m),4.74(1H,s),6.58(1H,d),7.05-7.18(1H,m),7.70(2H,s),8.42(1H,s),10.87(1H,d),ピペラジンNHは見られなかった、
19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-131.44,m/z(ES+),[M+H]+466,468.
8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン エナンチオマー2、アトロプ異性体2
tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートのエナンチオマー2、アトロプ異性体2(44mg、0.08mmol)のDMF(1.1ml)溶液を、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(72.1mg、0.38mmol)及び塩化リチウム(16mg、0.38mmol)に加え、マイクロ波チューブに入れて密封した。反応物を、120℃で、30分間マイクロ波反応器中で加熱し、室温に冷却した。粗製の反応混合物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体2(35mg、99%)を薄黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.82-1.94(1H,m),2.04(3H,s),2.66-2.74(2H,m),2.79-2.89(2H,m),3.05(1H,d),3.35-3.45(1H,m),3.69(1H,d),4.29(1H,t),4.42(1H,d),4.75(1H,s),6.58(1H,d),7.08-7.18(1H,m),7.66-7.76(2H,m),8.42(1H,s),10.86(1H,d),NHピペラジンは見られなかった,
19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-132.19,m/z(ES+),[M+H]+466,468.
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン、エナンチオマー1、アトロプ異性体1実施例34
アクリロイルクロリド(5.41μl、0.07mmol)を、-70℃に冷却されたDCM(2ml)中の8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体1(31mg、0.07mmol)及びトリエチルアミン(9.27μl、0.07mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を-70℃で20分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、粗生成物を、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により精製した。浅い勾配:30~60%MeCN。検出 254nmでのUV。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体1(19.3mg、56%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.89-2.01(1H,m),2.05(3H,s),2.14-2.27(1H,m),3.64-3.95(6H,m),4.29-4.57(3H,m),5.73(1H,s),6.17(1H,d),6.59(1H,d),6.80(1H,s),7.14(1H,d),7.72(2H,d),8.52(1H,s),10.87(1H,s),
19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-131.09,-130.89,m/z(ES+),[M+H]+520,522.分析キラルSFC分析を、Phenomonex C3、3.0×150mm、3ミクロンカラム、溶離液20%MeOH+0.1%NH
3/80%scCO
2、流量:2.0ml/分、BPR 120バール、カラム温度40℃、rT 0.84分で実施した。
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン、エナンチオマー1、アトロプ異性体2実施例35
アクリロイルクロリド(5.41μl、0.07mmol)を、-70℃に冷却されたDCM(2ml)中の8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体2(31mg、0.07mmol)及びトリエチルアミン(9.27μl、0.07mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を-70℃で20分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、粗生成物を、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により精製した。浅い勾配:30~60%MeCN。検出 254nmでのUV。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体2(22.8mg、66%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.82-2(1H,m),2.06(3H,s),2.15-2.29(1H,m),3.64-3.98(6H,m),4.31-4.58(3H,m),5.66-5.8(1H,m),6.16(1H,dd),6.59(1H,d),6.79(1H,dd),7.08-7.17(1H,m),7.71(2H,s),8.51(1H,s),10.89(1H,d),
19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-130.46,-130.25,m/z(ES+),[M+H]+520,522.分析キラルSFC分析を、Phenomonex C3、3.0×150mm、3ミクロンカラム、溶離液30%MeOH+0.1%NH
3/70%scCO
2、流量:2.0ml/分、BPR 120バール、カラム温度40℃、rT 1.29分で実施した。
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン、エナンチオマー2、アトロプ異性体1実施例36
アクリロイルクロリド(8.02μL、0.10mmol)を、-70℃に冷却されたDCM(2ml)中の8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体1(46mg、0.10mmol)及びトリエチルアミン(14μL、0.10mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を-70℃で15分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、粗生成物を、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により精製した。浅い勾配:30~60%MeCN。検出 254nmでのUV。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体1(23.5mg、46%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.90(1H,s),2.06(3H,s),2.23(1H,d),3.61-3.99(6H,m),4.28-4.59(3H,m),5.66-5.79(1H,m),6.16(1H,dd),6.59(1H,d),6.79(1H,dd),7.09-7.16(1H,m),7.71(2H,s),8.51(1H,s),10.89(1H,d),
19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-130.46,-130.25,m/z(ES+),[M+H]+520,522.分析キラルSFC分析を、Phenomonex C3、3.0×150mm、3ミクロンカラム、溶離液25%MeOH+0.1%NH
3/75%scCO
2、流量:2.0ml/分、BPR 120バール、カラム温度40℃、rT 1.30分で実施した。
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン エナンチオマー2、アトロプ異性体2実施例37
アクリロイルクロリド(6.10μl、0.08mmol)を、-70℃に冷却されたDCM(2ml)中の8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体2(35mg、0.08mmol)及びトリエチルアミン(10.47μl、0.08mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を-70℃で15分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、粗生成物を、水(1体積%のNH
4OH(H
2O中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により精製した。浅い勾配:30~60%MeCN。検出 254nmでのUV。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体2(13.3mg、34%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.85-2.02(1H,m),2.05(3H,s),2.16-2.27(1H,m),3.62-3.99(6H,m),4.29-4.57(3H,m),5.68-5.77(1H,m),6.17(1H,d),6.59(1H,d),6.71-6.86(1H,m),7.08-7.19(1H,m),7.65-7.78(2H,m),8.52(1H,s),10.87(1H,s),
19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-131.09,-130.89,m/z(ES+),[M+H]+520,522.分析キラルSFC分析を、Phenomonex C3、3.0×150mm、3ミクロンカラム、溶離液25%MeOH+0.1%NH
3/75%scCO
2、流量:2.0ml/分、BPR 120バール、カラム温度40℃、rT 0.89分で実施した。
2-アミノ-4-ブロモ-5-クロロ-3,6-ジフルオロ安息香酸
N-クロロスクシンイミド(5.30g、39.68mmol)を、室温の濃H
2SO
4(80mL)中の2-アミノ-4-ブロモ-3,6-ジフルオロ安息香酸(5g、19.84mmol)に加え、次いで、反応混合物を80℃で16時間撹拌した。生じた溶液を室温に冷却し、氷に注いだ。沈殿物を濾過により回収し、真空下で乾燥させると、2-アミノ-4-ブロモ-5-クロロ-3,6-ジフルオロ安息香酸(4.50g、79%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)7.78(2H,br s).m/z:ES
+[M+H]
+=286.
7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール
2-アミノ-4-ブロモ-5-クロロ-3,6-ジフルオロ安息香酸(4.5g、15.71mmol)を、室温のiPrOH(40mL)及びエタノール(40mL)中のホルムアミジン酢酸塩(19.63g、188.51mmol)の溶液に加えた。生じた溶液を100℃で一晩撹拌し、次いで室温に冷却し、水に注ぎ、沈殿物を濾過により回収し、水(400ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール(3.70g、80%)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)8.20(1H,s),12.67(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=295.
メチルN-ベンジル-D-アラニナート
水素化ホウ素ナトリウム(11.0g、291mmol)を、0℃のMeOH(1l)中のメチルD-アラニナート(30g、290mmol)、トリエチルアミン(162ml、1160mmol)、及びベンズアルデヒド(61.7g、581.8mmol)に少量ずつ加えた。生じた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl(200ml)によりクエンチし、DCM(3×100ml)で抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中20~30%EtOAc)により精製すると、メチルN-ベンジル-D-アラニナート(42.1g、75%)を無色の油として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.31(3H,d),3.54(3H,s),4.02-4.07(1H,m),4.53(2H,s),7.22-7.26(5H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=194.
メチル(3S)-4-{ベンジル[(2R)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート
4-メチルモルホリン(12.6g、124mmol)を、0℃のTHF(250ml)中の(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-メトキシ-4-オキソブタン酸(30.7g、124mmol)及びイソブチルクロロホルマート(15.55g、113.8mmol)に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌し、次いでメチルN-ベンジル-D-アラニナート(20g、100mmol)のTHF(250ml)溶液を0℃で加えた。生じた溶液を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中0~50%EtOAc)により精製すると、メチル(3S)-4-{ベンジル[(2R)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(4.9g、11%)を黄色の油として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.47(9H,s),1.47-1.52(3H,s),2.39-2.54(1H,m),2.64-2.89(1H,m),3.44-3.64(7H,m),3.93-4.29(1H,m),4.57-4.90(2H,m),7.01-7.76(6H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=423.
メチル[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート
TFA(8.94ml、116mmol)を、0℃のDCM(50ml)中のメチル(3S)-4-{ベンジル[(2R)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(4.9g、12mmol)に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌し、蒸発させた。粗製物を、飽和Na
2CO
3水溶液(100ml)に溶解させ、室温で2時間撹拌し、次いでC18-フラッシュクロマトグラフィー(水中0~70%MeOH)により精製すると、メチル[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(2.8g、83%)を黄色の油として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.43(3H,d),2.73-2.98(2H,m),3.64(3H,s),3.65-3.72(1H,m),4.07-4.21(1H,m),4.51(1H,t),4.84-5.07(1H,m),7.22-7.41(5H,m),8.30(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=291.
2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール
水素化アルミニウムリチウム(2.93g、77.2mmol)を、0℃のTHF(50ml)中のメチル[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(2.8g、9.6mmol)の溶液に少量ずつ加えた。生じた溶液を0℃で0.5時間撹拌し、次いで室温でさらに2時間撹拌した。反応混合物を、水(7.8ml)及び15%NaOH(23.5ml)によりクエンチし、セライトに通して濾過した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、黄色の油を与えた。粗生成物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水中0~55%MeOH)により精製すると、2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(2.02g、89%)を無色の油として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.09(3H,d),1.16-1.43(2H,m),1.48-1.69(1H,m),2.01-2.24(1H,m),2.29-2.40(1H,m),2.47-2.63(2H,m),2.70-2.85(1H,m),2.93-3.11(1H,m),3.25-3.58(4H,m),4.00(1H,d),7.24-7.38(5H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=235.
5-{2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール
水素化ナトリウム(0.725g、18.1mmol)を、0℃のTHF(200ml)中の2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(2.142g、7.25mmol)に加えた。生じた混合物を0℃で15分間撹拌した。次いで、7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール(2.14g、7.25mmol)を加え、混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を水(5ml)によりクエンチし、2M HClによりpH=7に酸性化し、EtOAc(3×200ml)で抽出し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NH
4HCO
3)中0~60%MeCN)により精製すると、5-{2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.75g、47%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)1.30(3H,d),1.83-2.02(2H,m),2.88-2.96(1H,m),2.97-3.07(1H,m),3.17-3.25(1H,m),3.66-3.97(4H,m),3.97-4.04(1H,m),4.04-4.11(1H,m),4.15-4.27(1H,m),7.26-7.36(5H,m),8.22(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=509.
(6aS,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン
テトラクロロメタン(1.609ml、16.67mmol)を、室温の1,2-ジクロロエタン(50ml)中の5-{2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.7g、3.33mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.62g、10mmol)に加えた。生じた混合物を80℃で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NH
4HCO
3)中の0~80%MeCN)により精製すると、(6aS,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(0.68g、42%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)1.15(3H,d),1.75-1.90(1H,m),2.29-2.56(3H,m),2.80-2.85(1H,m),3.05-3.21(2H,m),3.46-3.56(1H,m),3.71-3.92(2H,m),4.25-4.50(2H,m),7.25-7.37(5H,m),8.44(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=491.
2-[(6aS,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール
RuPhos-Pd-G3(187mg、0.22mmol)を、1,4-ジオキサン/H
2O(30ml、4:1の比率)中の(6aS,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(550mg、1.12mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(436mg、2.80mmol)、Na
2CO
3(474mg、4.47mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(104mg、0.22mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を80℃で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中80~100%EtOAc)により精製すると、2-[(6aS,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(480mg、82%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)0.95-1.03(3H,m),1.85-1.90(2H,m),2.30-2.54(1H,m),2.74-2.92(1H,m),3.05-3.19(1H,m),3.48-3.51(1H,m),3.77-4.19(3H,m),4.31-4.52(3H,m),7.05-7.13(1H,m),7.22-7.42(5H,m),7.46-7.54(2H,m),8.48(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=523.
2-((3R,14aS)-11-クロロ-9-フルオロ-3-メチル-1,3,4,13,14,14a-ヘキサヒドロ-2H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-10-イル)-3-フルオロフェノール
THF(10ml)中の10%パラジウム炭素(1.02g、0.96mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.222ml、0.96mmol)、及び2-[(6aS,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(500mg、0.96mmol)を、1気圧の水素の雰囲気下で、室温で1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルに通して濾過し、溶媒を真空中で除去した。残渣をDCM(10ml)に溶解させ、1,4-ジオキサン中4M HCl(1.2ml、4.78mmol)を加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NH
4HCO
3)中0~40%MeCN)により精製すると、2-((3R,14aS)-11-クロロ-9-フルオロ-3-メチル-1,3,4,13,14,14a-ヘキサヒドロ-2H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-10-イル)-3-フルオロフェノール(350mg、85%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)0.98-1.16(3H,m),1.74-1.90(1H,m),1.95-2.05(1H,m),2.56-2.81(1H,m),2.89-3.01(1H,m),3.01-3.45(2H,m),3.61-3.70(1H,m),3.86-4.06(1H,m),4.20-4.31(2H,m),6.73-6.88(2H,m),7.34-7.35(1H,m),8.64(1H,s),10.20(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=433.
1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例38;アトロプ異性体2、実施例39)
アクリロイルクロリド(32.2mg、0.36mmol)のDMF(0.5ml)溶液を、0℃のDMF(3.0ml)中の2-((3R,14aS)-11-クロロ-9-フルオロ-3-メチル-1,3,4,13,14,14a-ヘキサヒドロ-2H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-10-イル)-3-フルオロフェノール(220mg、0.51mmol)及びDIPEA(0.133ml、0.76mmol)の撹拌された溶液に滴加した。生じた溶液を0℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(1ml)によりクエンチし、生じた混合物を、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(1%NH
4HCO
3)中0~40%MeCN)により精製すると、2つのアトロプ異性体の混合物を与え、次いで、それを分取キラル-HPLC(カラム:CHIRALPAK IE、2×25cm、5μm;移動相A:Hex(8mmol/L NH
3.MeOH)-HPLC、移動相B:EtOH-HPLC;流量:20ml/分;勾配:16分で30 Bから30 Bに;220/254nm;RT1:9.899;RT2:13.349)により分離した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、最初にアトロプ異性体1、1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例38、33mg、13%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.12-1.23(3H,m),1.82-2.06(1H,m),3.15-3.27(0.5H,m),3.43-3.72(1.5H,m),3.86-4.04(2H,m),4.19-4.52(3H,m),4.54-5.08(2H,m),5.74(1H,d),6.18(1H,d),6.73-6.93(3H,m),7.34-7.35(1H,m),8.45(1H,s),10.15(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=487.これに続いて、アトロプ異性体2、1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例39、33mg、13%)が白色の固体として得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.18-1.28(3H,m),1.83-2.15(1H,m),3.13-3.27(0.5H,m),3.43-3.69(1.5H,m),3.88-4.04(2H,m),4.19-4.52(3H,m),4.55-5.05(2H,m),5.74(1H,d),6.18(1H,d),6.74-6.97(3H,m),7.34-7.35(1H,m),8.45(1H,s),10.19(H,d).m/z:ES
+[M+H]
+=487.
メチル(3S)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート
イソブチルクロロホルマート(15.55g、113.84mmol)を、0℃のTHF(100ml)中の(2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-メトキシ-4-オキソブタン酸(30.7g、124mmol)及び4-メチルモルホリン(12.56g、124.19mmol)の溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌し、次いで、メチルN-ベンジル-D-アラニナート(20g、100mmol)のTHF(10ml)溶液を0℃で加えた。生じた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(200ml)でクエンチし、EtOAc(3×100ml)で抽出し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中10~25%EtOAc)により精製すると、メチル(3R)-4-{ベンジル[(2R)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(5.6g、13%)を黄色の液体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)1.34(9H,s),1.45(3H,d),2.53-2.66(1H,m),2.77-2.94(1H,m),3.65(3H,s),3.67(3H,s),3.97-4.09(1H,m),4.65-4.76(1H,m),4.80-4.95(1H,m),5.01-5.07(1H,m),7.17-7.52(5H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=423.
メチル[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート
1,4-ジオキサン中4M HCl(4.97ml、19.9mmol)を、室温のMeOH(20ml)中のメチル(3R)-4-{ベンジル[(2R)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(5.6g、13mmol)に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。反応混合物を飽和Na
2CO
3水溶液(50ml)で希釈した。生じた混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水中0~70%MeOH)により精製すると、メチル[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(2.5g、65%)を無色の液体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)1.53(3H,d),2.82-3.05(2H,m),3.74(3H,s),3.87-4.01(1H,m),4.37(1H,d),4.41-4.47(1H,m),5.06(1H,d),7.18-7.41(5H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=291.
2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール
水素化アルミニウムリチウム(2.61g、68.89mmol)を、0℃のTHF(50ml)中のメチル[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(2.5g、8.6mmol)の溶液に少量ずつ加えた。生じた溶液を0℃で0.5時間撹拌し、次いで60℃でさらに4時間撹拌した。反応混合物を、水(2.6ml)及び15%NaOH水溶液(7.8ml)によりクエンチし、DCM(200ml)で希釈し、セライトに通して濾過した。有機層を蒸発乾固させると、2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(1.8g、89%)を黄色の液体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)1.11(3H,d),1.57-1.83(2H,m),2.35-2.44(2H,m),2.69-2.80(2H,m),2.85-2.98(2H,m),3.44(1H,d),3.52-3.64(2H,m),3.73(1H,d),7.19-7.39(5H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=235.
5-{2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール
水素化ナトリウム(0.447g、18.6mmol)を、0℃のTHF(50ml)中の2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(1.745g、7.45mmol)に加えた。生じた混合物を0℃で15分間撹拌した。7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール(2.2g、7.5mmol)を加え、混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を水(5ml)によりクエンチし、2M HClによりpH=7に酸性化し、EtOAc(3×200ml)で抽出し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。これを、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NH
4HCO
3)中0~70%MeCN)により精製すると、5-{2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.8g、47%)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.00-1.11(3H,m),1.68-1.87(1H,m),1.87-2.11(1H,m),2.28-2.42(2H,m),2.66-2.86(3H,m),2.85-3.17(2H,m),3.86-4.09(2H,m),4.10-4.20(1H,m),7.25-7.34(5H,m),8.16(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=509.
(6aR,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン
テトラクロロメタン(1.703ml、17.65mmol)を、室温の1,2-ジクロロエタン(20ml)中の5-{2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.8g、3.53mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.78g、10.6mmol)に加えた。生じた混合物を80℃で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NH
4HCO
3)中の0~90%MeOH)により精製すると、(6aR,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(0.42g、24%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.14-1.25(3H,m),2.11-2.21(1H,m),2.35-2.41(1H,m),2.56-2.67(2H,m),2.96-3.12(2H,m),3.54-3.62(2H,m),3.68-3.77(1H,m),3.95-4.06(1H,m),4.23-4.44(1H,m),4.93-5.04(1H,m),7.07-7.36(5H,m),8.38(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=491.
2-[(6aR,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール
RuPhos-Pd-G3(119mg、0.14mmol)を、1,4-ジオキサン/H
2O(15ml;4:1の比率)中の(6aR,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(350mg、0.71mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(277mg、1.78mmol)、Na
2CO
3(302mg、2.85mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(66.4mg、0.14mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を80℃で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中60~80%EtOAc)により精製すると、2-[(6aR,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(365mg、98%)を薄黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)1.02(3H,d),1.81-1.94(1H,m),2.23-2.32(1H,m),2.49-2.79(3H,m),3.03-3.18(2H,m),3.79-3.92(1H,m),4.12-4.20(1H,m),4.40-4.52(2H,m),5.13-5.21(1H,m),6.65-6.81(3H,m),7.27-7.37(5H,m),8.36(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=523.
2-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール
THF(20ml)中の10%パラジウム炭素(712mg、0.67mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.311ml、1.34mmol)及び2-[(6aR,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(350mg、0.67mmol)を、1気圧の水素の雰囲気下で、室温で1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルに通して濾過し、溶媒を真空中で除去した。反応混合物をDCM(20ml)で希釈した。1,4-ジオキサン中4M HCl(0.84ml、3.35mmol)を加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。カラムを7M NH
3/MeOHにより溶離すると、2-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(310mg、>100%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO).1.08(3H,d),1.35-1.71(5H,m),1.74-2.29(1H,m),3.10-3.31(2H,m),3.95-4.20(1H,m),4.30-4.56(1H,m)6.63(1H,d),6.71-6.82(1H,m),6.85-7.01(1H,m),8.48(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=433.
1-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例40;アトロプ異性体2、実施例41)
アクリロイルクロリド(43.1mg、0.48mmol)のDMF(0.5ml)溶液を、0℃のDMF(2.5ml)中の2-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(300mg、0.69mmol)及びDIPEA(0.12ml、0.69mmol)の撹拌された溶液に少量ずつ加えた。生じた溶液を0℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(0.5ml)によりクエンチし、生じた混合物をC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NH
4HCO
3)中0~40%MeCN)により精製すると、2つのアトロプ異性体の混合物を与え、次いで、それを分取キラル-HPLC(カラム:CHIRALPAK IA、2×25cm、5μm;移動相A:Hex-HPLC、移動相B:IPA-HPLC;流量:20ml/分;勾配:18分で30 Bから30 Bに;254/220nm;RT1:9.284;RT2:13.389)により分離した。これにより、アトロプ異性体1、1-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例40、5mg、1%)が白色の固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,CD
3CN)1.18-1.33(3H,m),1.67-1.81(1H,m),2.26-2.33(1H,m),2.93-3.48(2H,m),3.48-4.47(3H,m),4.53-4.83(3H,m),5.49-5.74(1H,m),6.05(1H,d),6.42-6.62(1H,m),6.74-6.96(2H,m),7.30-7.44(1H,m),8.47(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=487.それに続いて、アトロプ異性体2、1-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例41、30mg、9%)が白色の固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,CD
3CN)1.16-1.38(3H,m),1.70-1.80(1H,m),2.25-2.40(1H,m),2.92-3.44(2H,m),3.56-4.46(3H,m),4.57-4.76(3H,m),5.48-5.70(1H,m),6.05(1H,d),6.48-6.59(1H,m),6.78-6.91(2H,m),7.34-7.44(1H,m),8.40-8.51(1H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=487.
メチルN-ベンジル-L-アラニナート
水素化ホウ素ナトリウム(11.01g、290.92mmol)を、0℃のMeOH(1l)中のメチルL-アラニナート(30g、290mmol)、トリエチルアミン(162ml、1160mmol)及びベンズアルデヒド(61.7g、582mmol)に少量ずつ加えた。生じた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl(200ml)によりクエンチし、DCM(3×100ml)で抽出し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中20~30%EtOAc)により精製すると、メチルN-ベンジル-L-アラニナート(45g、80%)を無色の油として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)1.33(3H,d),3.32-3.46(1H,m),3.74(3H,s),4.66(2H,s),7.34-7.45(5H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=194.
メチル(3S)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート
イソブチルクロロホルマート(19.44g、142.3mmol)を、0℃のTHF(50ml)中の(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-メトキシ-4-オキソブタン酸(32g、130mmol)及び4-メチルモルホリン(15.7g、155.24mmol)の溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌し、次いで、メチルN-ベンジル-L-アラニナート(25g、130mmol)のTHF(20ml)溶液を0℃で加えた。生じた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(50ml)によりクエンチし、EtOAc(3×200ml)で抽出し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、黄色の液体を与えた。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中0~30%EtOAc)により精製すると、メチル(3S)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(20g、37%)を黄色の油として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)1.31-1.38(3H,m),1.45(9H,s),2.77-3.09(2H,m),3.46(2H,s),3.59-3.72(6H,m),4.49-4.72(1H,m),5.16-5.21(1H,m),7.29-7.43(5H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=423.
メチル[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート
TFA(54g、470mmol)を、室温のDCM(100ml)中のメチル(3S)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(20g、47mmol)の溶液に加えた。生じた溶液を室温で2時間撹拌し、蒸発させた。粗製物を飽和NaHCO
3水溶液(200ml)に再溶解させた。溶液を室温で2時間撹拌し、次いでC18-フラッシュクロマトグラフィー(水中0~60%MeCN)により精製すると、メチル[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(6.5g、47%)を黄色の油として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)1.50(3H,d),2.68-2.81(2H,m),3.70-3.71(1H,m),3.74(3H,s),3.97-4.06(1H,m),4.41-4.54(1H,m),5.25-5.31(1H,m),7.22-7.37(6H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=291.
2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール
水素化アルミニウムリチウム(6.80g、179mmol)を、0℃のTHF(20ml)中のメチル[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(6.5g、22mmol)の溶液に少量ずつ加えた。生じた溶液を0℃で0.5時間撹拌し、次いで、室温でさらに4時間撹拌した。反応混合物を水(6.5ml)及び15%NaOH水溶液(19.5ml)によりクエンチし、セライトパッドに通して濾過し、DCM(3×100ml)で洗浄すると、蒸発後に、2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(4.6g、88%)を薄黄色の液体として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)1.07(3H,d),1.42-1.50(1H,m),2.25-2.32(1H,m),2.34-2.44(2H,m),2.65-2.87(3H,m),2.92-3.05(2H,m),3.35-3.48(1H,m),3.69-3.82(3H,m),4.71(1H,s),7.32-7.35(3H,m),7.37-7.40(2H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=235.
5-{2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール
水素化ナトリウム(0.85g、21mmol)を、0℃のTHF(20ml)中の2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(2g、8.5mmol)に加えた。生じた混合物を0℃で15分間撹拌した。次いで、7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール(2.52g、8.53mmol)を加え、混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(20ml)によりクエンチし、2H HClによりpH=7に酸性化した。混合物をEtOAc(3×100ml)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(DCM中0~10%MeOH)により精製すると、5-{2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.4g、32%)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.17(3H,d),2.14-2.25(1H,m),2.46-2.51(2H,m),2.71-2.94(3H,m),3.11-3.25(1H,m),3.45(1H,d),3.69(1H,d),3.89-4.24(3H,m),7.31-7.45(5H,m,8.19(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=509.
(6aS,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン
テトラクロロメタン(1.33ml、13.7mmol)を、室温の1,2-ジクロロエタン(20ml)中の5-{2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.4g、2.8mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.16g、8.24mmol)に加えた。生じた混合物を80℃で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NH
4HCO
3)中の0~80%MeCN)により精製すると、(6aS,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(0.45g、33%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.20(3H,d),1.58-1.81(1H,m),2.14-2.24(1H,m),2.40-2.45(1H,m),2.63-2.71(2H,m),3.06-3.21(3H,m),3.61-3.86(1H,m),4.03-4.10(1H,m),4.19-4.49(1H,m),5.01-5.12(1H,m),7.31-7.45(5H,m),8.40(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=491.
2-[(6aS,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール
RuPhos-Pd-G3(153mg、0.18mmol)を、1,4-ジオキサン/H
2O(8ml)(4:1の比率)中の(6aS,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(450mg、0.92mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(357mg、2.29mmol)、Na
2CO
3(388mg、3.66mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(85mg、0.18mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を80℃で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中40~60%EtOAc)により精製すると、2-[(6aS,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(260mg、54%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.20(3H,d),0.94(3H,d),1.54-1.79(3H,m),2.26-2.31(1H,m),2.67-2.71(1H,m),3.03-3.19(2H,m),3.36-3.62(1H,m),3.81-3.85(1H,m),4.03-4.05(1H,m),4.28-4.45(2H,m),6.64(1H,d),6.73-6.87(1H,m),7.18-7.28(1H,m),7.29-7.38(5H,m),8.42(1H,s),10.16(1H,d).m/z:ES
+[M+H]
+=523.
2-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール
THF(10ml)中の10%パラジウム炭素(509mg、0.48mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.111ml、0.48mmol)、及び2-[(6aS,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(250mg、0.48mmol)を、1気圧の水素の雰囲気下で、室温で1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルに通して濾過し、溶媒を真空中で除去した。反応混合物を、DCM(10.00ml)で希釈し、TFA(0.37ml、4.8mmol)を加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。7M NH
3/MeOHによる溶出は、2-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(200mg、97%)を薄黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.40(3H,d),1.88-1.99(1H,m),2.63-2.78(1H,m),3.17-3.30(4H,m),4.02-4.09(1H,m),4.37-4.50(2H,m),5.07-5.15(1H,m),6.78(1H,t),6.89(1H,d),7.34-7.45(1H,m),8.51(1H,s),10.30(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=433.
1-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例42;アトロプ異性体2、実施例43)
アクリロイルクロリド(37.6mg、0.42mmol)のDMF(0.5ml)溶液を、0℃のDMF(3.0ml)中の2-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(200mg、0.46mmol)及びDIPEA(0.12ml、0.69mmol)の撹拌された溶液に滴加した。生じた溶液を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を水(1ml)によりクエンチし、生じた混合物をC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(1%NH
4HCO
3)中0~40%MeCN)により精製すると、2つのアトロプ異性体の混合物を与え、次いで、それを、カラム:(R,R)Whelk-01、21.1×250mm、5μm;移動相A:Hex(8mmol/L NH
3.MeOH)-HPLC、移動相B:EtOH-HPLC;流量:20ml/分;勾配:20分で50 Bから50 Bに;220/254nm;RT1:12.723;RT2:15.375での分取キラル-HPLCにより分離した。これにより、1-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体1(実施例42、25mg、25%)が白色の固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,CD
3CN)1.13-1.35(3H,m),1.63-1.87(1H,m),2.24-2.46(1H,m),2.87-3.46(2H,m),3.50-4.09(2H,m),4.15-4.81(4H,m),5.46-5.66(1H,m),6.04(1H,d),6.53(1H,dd),6.76-6.94(2H,m),7.29-7.48(1H,m),8.35(1H,d).m/z:ES
+[M+H]
+=487.これに続いて、1-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体2(実施例43、8mg、8%)が白色の固体として与えられた。1H NMR(400MHz,CD
3CN)1.13-1.35(3H,m),1.52-1.86(2H,m),2.90-4.09(4H,m),4.13-4.89(4H,m),5.48-5.70(1H,m),6.06(1H,d),6.55(1H,dd),6.75-6.98(2H,m),7.26-7.47(1H,m),8.49(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=487.
3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロアニリン
N-クロロスクシンイミド(2.76g、20.67mmol)を、室温のMeCN(20ml)中の3-ブロモ-4,5-ジフルオロアニリン(4.3g、21mmol)に加えた。生じた溶液を60℃で一晩撹拌した。粗生成物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(MeCN(1%NH
4HCO
3)中0~20%MeOH)により精製すると、3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロアニリン(3.5g、70%)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)5.80(2H,s),6.82(1H,dd).m/z:ES
+[M+H]
+=242.
2-N-(3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド
水(40ml)、EtOH(70ml)及び11.65M HCl(30ml)中の3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロアニリン(3.5g、14.44mmol)、抱水クロラール(1.27g、18.4mmol)、及びヒドロキシルアミン塩酸塩(3.01g、43.3mmol)の溶液を、室温の水(400ml)中の硫酸ナトリウム(13.94g、98.17mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた混合物を60℃で一晩撹拌した。反応物を室温に冷却し、沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、真空下で乾燥させると、2-N-(3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド(4g、88%)を薄茶色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)7.61(1H,s),8.05(1H,s),8.51(1H,dd),8.95(1H,s).
6-ブロモ-7-クロロ-4,5-ジフルオロ-1H-インドール-2,3-ジオン
2-N-(3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド(4g、13mmol)を、室温の濃H
2SO
4(30ml、560mmol)に加えた。生じた混合物を80℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を氷に注ぎ、形成した沈殿物を濾去し、水で洗浄した。固体を真空下で乾燥させると、6-ブロモ-7-クロロ-4,5-ジフルオロ-1H-インドール-2,3-ジオン(3.7g、98%)を暗赤色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)11.81(1H,s).m/z:ES-[M+H]-=294.
2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロ-5,6-ジフルオロ安息香酸
過酸化水素(6.37ml、62.4mmol)を、室温の2M NaOH(56.2ml、112mmol)中の6-ブロモ-7-クロロ-4,5-ジフルオロ-1H-インドール-2,3-ジオン(3.7g、12mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を過剰のNa
2SO
3によりクエンチした。水性液を、2M HClによりpH7に調整し、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水中0~50%MeOH)により精製すると、2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロ-5,6-ジフルオロ安息香酸(2.85g、80%)を薄黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)5.83(2H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=286.
7-ブロモ-8-クロロ-5,6-ジフルオロキナゾリン-4-オール
ホルムイミドアミド酢酸塩(12.43g、119.4mmol)を、室温のエタノール(20ml)及びイソプロパノール(20ml)中の2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロ-5,6-ジフルオロ安息香酸(2.85g、9.95mmol)の溶液に加えた。生じた懸濁液を90℃で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣を水(100ml)に懸濁させた。沈殿物を濾過により回収し、水(3×10ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、7-ブロモ-8-クロロ-5,6-ジフルオロキナゾリン-4-オール(1.9g、65%)を黄褐色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)8.23(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=295.
tert-ブチル(3S)-3-{[(7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}ピペラジン-1-カルボキシラート
水素化ナトリウム(0.86g、21mmol)を、室温のTHF(40ml)中のtert-ブチル(3S)-3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(1.244g、5.75mmol)に加えた。生じた混合物を室温で10分間撹拌した。7-ブロモ-8-クロロ-5,6-ジフルオロキナゾリン-4-オール(1.7g、5.75mmol)をゆっくりと加え、生じた溶液を40℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(2ml)によりクエンチした。反応混合物を、2M HClによりpH=7に調整した。粗生成物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%TFA)中の0~65%MeOH)により精製すると、tert-ブチル(3S)-3-{[(7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}ピペラジン-1-カルボキシラート(1.65g、58%)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)1.35(9H,s),2.62-3.07(2H,m),3.11-3.19(2H,m),3.20-3.76(1H,m),3.80-3.88(1H,m),3.98-4.29(3H,m),8.23(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=491.
tert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(3.49g、6.71mmol)を、室温のアセトニトリル(20ml)中のtert-ブチル(3S)-3-{[(7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}ピペラジン-1-カルボキシラート(1.65g、3.36mmol)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(1.01ml、6.71mmol)に加えた。生じた溶液を40℃で1時間撹拌した。標準的な後処理の後、粗生成物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%ギ酸)中の0~40%MeCN)により精製すると、tert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.82g、52%)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)1.52(9H,s),1.82-2.04(3H,m),3.03-3.56(3H,m),3.96-5.27(3H,m),8.82(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=473.
tert-ブチル(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
RuPhos-Pd-G3(70.6mg、0.08mmol)を、1,4-ジオキサン/H
2O(5ml;4:1の比率)中のtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(400mg、0.84mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(329mg、2.11mmol)、炭酸カリウム(350mg、2.53mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(39.4mg、0.08mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を、100℃で30分間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中20~60%EtOAc)により、次いでC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%TFA)中0~35%MeOH)により精製すると、tert-ブチル(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(150mg、35%)を薄黄色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)1.53(9H,s),3.22-3.35(2H,m),3.88-4.00(1H,m),4.04-4.22(3H,m),4.45-4.64(2H,m),4.92-5.06(1H,m),6.57(1H,d),6.77(1H,t),6.88(1H,d),8.71(1H,d).m/z:ES
+[M+H]
+=505.
2-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール
1,4-ジオキサン中4M HCl(2ml、66mmol)を、tert-ブチル(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(150mg、0.3mmol)のMeOH(0.5ml)溶液に加えた。生じた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%TFA)中0~38%MeOH)により精製すると、粗生成物を与えた。これを、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させると、2-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール(120mg、99%)を薄黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO)3.05-3.20(1H,m),3.27-3.46(3H,m),3.49-3.63(1H,m),4.22-4.36(1H,m),4.60-4.81(2H,m),5.04-5.19(1H,m),6.74-6.92(2H,m),7.29-7.44(1H,m),8.69(1H,s),10.36(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=405.
1-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例44;アトロプ異性体2、実施例45)
アクリロイルクロリド(26.82mg、0.29mmol)のDMF(0.5ml)溶液を、0℃のDMF(2.00ml)中の2-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール(120mg、0.29mmol)及びDIPEA(0.1ml、0.58mmol)の撹拌された溶液に滴加した。生じた溶液を0℃で1時間撹拌し、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NH
4OH)中0~40%MeOH)により精製すると、2つのアトロプ異性体の混合物を与え、次いで、それを、カラム:CHIRAL ART Cellulose-SB S-5μm、2×25cm、5μm;移動相A:MTBE(10mM NH
3-MeOH)-HPLC、移動相B:IPA-HPLC;流量:20ml/分;勾配:22分で30 Bから30 Bに;254/220nm;RT1:13.164;RT2:18.688)で分取キラル-HPLCにより分離した。これにより、1-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体1(実施例44、32mg、24%)が白色の固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,DMSO)2.98-3.20(1H,m),3.39-3.55(1H,m),4.03-4.19(2H,m),4.26-4.53(2H,m),4.58-4.74(2H,m),4.76-4.93(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.76-6.94(3H,m),7.30-7.41(1H,m),8.63(1H,s),10.16-10.30(1H,m).m/z:ES
+[M+H]
+=459.それに続いて、1-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体2(実施例45、22mg、16%)が白色の固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,DMSO)2.96-3.18(1H,m),3.37-3.57(2H,m),4.02-4.54(3H,m),4.61-4.74(2H,m),4.74-4.91(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.69-6.94(3H,m),7.28-7.40(1H,m),8.63(1H,s),10.36(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+=459.
メチルN-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-D-セリル-D-アラニナート
DCM(573ml)中のメチルD-アラニナート塩酸塩(18.21g、130.5mmol)及び((ベンジルオキシ)カルボニル)-D-セリン(31.2g、130.5mmol)の懸濁液を氷浴中で冷却し、3-(((エチルイミノ)メチレン)アミノ)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミン塩酸塩(30g、160mmol)を加えた。DIPEA(80ml、460mmol)を20分かけて滴加し、次いで溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を真空中で濃縮すると、無色残渣を与えた。残渣を、EtOAc(375ml)に溶解させ、1:1の水/飽和NaHCO
3水溶液(470ml)で洗浄した。有機部分を回収し、水性部分をさらなるEtOAc(375ml)で洗浄した。合わせた有機液を、2M HCl水溶液(250ml)、ブライン(250ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮すると、メチルN-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-D-セリル-D-アラニナート(38.8g、92%)を無色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.38(3H,d),3.70(3H,d),3.77(2H,q),4.24(1H,t),4.45(1H,q),5.11(2H,s),7.23-7.44(5H,m).m/z:ES
+[M+H]
+325.
(3R,6R)-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン
メチルN-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-D-セリル-D-アラニナート(38.76g、119.5mmol)に、10%パラジウムカーボン(1.925g、9.32mmol)、MeOH(130ml)及びシクロヘキセン(78ml、770mmol)を加えた。生じた混合物を一晩還流加熱した。メタノール(450ml)を加え、混合物を還流状態で1時間撹拌した。反応混合物を(熱いうちに)セライトに通して、熱メタノール(2×150ml)で洗浄しながら濾過した。濾液を濃縮すると、白色固体を与えた。固体をアセトニトリル(170ml)と共にトリチュレートし、濾過し、アセトニトリル(86ml)で洗浄し、真空下40℃で1時間乾燥させると、(3R,6R)-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン(16.09g、85%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.32(3H,d),3.51(1H,ddd),3.67-3.78(2H,m),3.81(1H,dddd),5.05(1H,t),7.83(1H,s),8.08(1H,s).
[(2S,5R)-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール二塩酸塩
(3R,6R)-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン(14.77g、93.39mmol)に、ボラン-THF錯体(THF中1M)(700ml、700mmol)をゆっくりと冷却しながら加えた。添加すると、混合物を室温にして、次いで18時間還流加熱した。反応混合物を室温にして、次いで氷浴中で冷却した。MeOH(185ml)を滴加し、それに続いて5M HCl水溶液(49ml、250mmol)を滴加した。添加すると、混合物を70℃で2時間加熱した。反応物を室温に放冷し、次いで氷浴中で冷却した。フラスコの壁面にゴムが形成された。溶媒をデカンテーションしてゴムを残し、それをTHF(100ml)と共にかき落とした。THFをデカンテーションし、生じたゴムをトルエン(3×100ml)と共沸すると、[(2S,5R)-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール二塩酸塩(9.88g、52%)を無色の半固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.40(3H,d),3.14(1H,dd),3.26(1H,dd),3.32-3.39(2H,m),3.55-3.61(1H,m),3.69-3.76(2H,m),3.92(1H,dd),5.59(1H,s),9.97(4H,d).
tert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
[(2S,5R)-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール二塩酸塩(9.88g、48.64mmol)をメタノール(50ml)に懸濁させ、氷浴中で冷却した。トリエチルアミン(21.02ml、150.8mmol)を加え、次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(25.5g、117mmol)のメタノール(75ml)溶液を30分かけて滴加した。溶液を氷浴中で30分間撹拌してから室温にして、次いで50℃で18時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣をエタノール(200ml)に溶解させ、1.5M KOH水溶液(162ml、243mmol)を加えた。溶液を100℃で一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、1M HCl水溶液(約150ml)を使用してpH10にした。溶液をクロロホルム(3×200ml)で抽出し、合わせた有機液を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空中で濃縮すると、tert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(9.5g、85%)を無色の油として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.20(3H,d),1.46(9H,s),2.00(2H,d),2.75(2H,dd),2.83(1H,dd),2.96(1H,dd),3.45-3.54(1H,m),3.62-3.7(1H,m),3.77(1H,s),4.18(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+321.
tert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、3.3g、82.55mmol)を、THF(340ml)中のtert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(8.45g、36.7mmol)及び7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(9.58g、36.7mmol)の撹拌された懸濁液に、モレキュラーシーブ(10g)と共に室温で少量ずつ加えた。生じた懸濁液を15分間撹拌し、次いで65℃で4時間撹拌した。反応物を室温に放冷し、次いで水(50ml)によりクエンチした。モレキュラーシーブを、セライトに通す濾過により除去し、フィルターケーキをジエチルエーテル(100ml)により洗浄した。合わせた濾液を真空中で濃縮した。生じた残渣を水で希釈し、pHを2M HCl水溶液によりpH8に調整した。水性液をEtOAc(2×200ml)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮すると、tert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(20.88g、>100%)を薄茶色の泡として与えた。m/z:ES
+[M+H]
+471。
tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミド[1,2-a]アゼピン(15.33ml、102.5mmol)を、0℃のアセトニトリル(400ml)中のtert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(19.32g、40.99mmol)及び((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)オキシ)トリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(27.7g、53.3mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を0℃で15分間撹拌し、次いで室温で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、EtOAc(500ml)で希釈し、連続的に、2M Na
2CO
3水溶液(300ml)及びブライン(150ml)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。これを、フラッシュシリカクロマトグラフィー(ヘプタン中0~80%EtOAc)により精製すると、tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(6.59g、36%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.11(3H,d),1.49(9H,s),3.18-3.4(2H,m),3.75(1H,d),4.11(1H,s),4.34(3H,d),5.03(1H,d),7.16(1H,d),8.63(1H,s).m/z:ES
-[M-H]
-453.
tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
N-クロロスクシンイミド(0.551g、4.13mmol)を、室温のDMF(15ml)中のtert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.7g、3.75mmol)の撹拌された懸濁液に加えた。生じた懸濁液を70℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に放冷し、懸濁液を水(57ml)で希釈し、濾過により回収し、水(19ml)で洗浄し、真空下50℃で16時間乾燥させると、tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.67g、91%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.13(3H,s),1.50(9H,s),3.35(2H,d),3.81(1H,s),4.04(1H,d),4.44(3H,dd),4.95(1H,s),8.64(1H,s).m/z:ES
+[M+H]
+487.
[(8aS,11R)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸
[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(252mg、0.31mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2353mg、9.27mmol)及び酢酸カリウム(606mg、6.18mmol)を、ジオキサン(45ml)中のtert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.4g、3.09mmol)の撹拌及び脱気された溶液に加えた。生じた混合物を90℃で17時間撹拌した。反応混合物を放冷し、蒸発させ、EtOAc(125ml)と水(75ml)との間で分配し、有機層を分離し、ブライン(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させると、粗製の[(8aS,11R)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(推定3.09mmol)を茶色の油として与え、それは静置すると凝固した。m/z ES
+[M+H]
+419。
tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
[(8aS,11R)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.862g、2.06mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.096g、0.21mmol)、RuPhos Pd-G3(0.172g、0.21mmol)、炭酸カリウム(0.569g、4.12mmol)及び4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール(0.608g、2.06mmol)を合わせた。1,4-ジオキサン(15ml)と水(4.5ml)の脱気された混合物を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で2時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(90ml)で希釈し、2M Na
2CO
3水溶液(2×45ml)、ブライン(45ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(ヘプタン中0~100%EtOAc、次いで、DCM中0~8%1Mアンモニアのメタノール溶液)により精製すると、tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.08g、89%)を茶色の泡として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.14(3H,d),1.50(9H,d),1.74(3H,d),2.09-2.24(3H,m),2.34(3H,d),3.34(2H,d),3.71-3.84(2H,m),4.02-4.24(2H,m),4.26-4.52(3H,m),4.99-5.23(1H,m),5.44-5.58(1H,m),7.05(1H,dt),7.27-7.29(1H,m),7.50(1H,dd),7.99(1H,t),8.66(1H,d).m/z(ES
+),[M+H]
+589.
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート及びtert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.08g、1.83mmol)をDMF(6ml)に溶解させ、次いでN-クロロスクシンイミド(0.294g、2.20mmol)を撹拌しながら加えた。次いで、反応物を100℃で1時間加熱し、次いで室温に冷却した。溶媒を真空中で除去すると、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートとtert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートの混合物(推定1.83mmol)を茶色のゴムとして与え、それを次の工程に直接使用した。m/z ES
+、[M+H]
+539(THP基なし)及びm/z(ES+)、[M+H]
+623(THP基あり)。
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートとtert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートの混合物(推定1.83mmol)を、IPA中6M HCl(35ml、1.8mmol)中で撹拌した。生じた懸濁液を70℃で2時間撹拌し、次いで揮発物を真空中で除去した。生じた残渣を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH
3/MeOHを使用してカラムから溶出させると、(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(801mg、100%)を茶色の泡として与えた。m/z ES
-[M-H]
-437。
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例46;アトロプ異性体2、実施例47)
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(400mg、0.91mmol)を室温のDCM(12ml)及びIPA(2.5ml)に撹拌しながら溶解させ、次いでトリエチルアミン(0.127ml、0.91mmol)を加えた。溶液を-78℃で冷却し、次いでアクリロイルクロリド(0.078ml、0.96mmol)を5分かけて滴加した。反応物を室温で5分間撹拌し、次いでDCMを真空中で除去し、生じた混合物を、水(0.1%ギ酸を含む)とMeCN(10%から30%への勾配)の混合物を使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18 ODBカラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを、ほぼ乾固に蒸発させた。約5mlの生じた溶液を2M K
2CO
3水溶液(20ml)で処理し、DCM(3×20ml)で抽出した。合わせた抽出物を、水(10ml)及びブライン(10ml)で洗浄し、相分離器カートリッジに通し、蒸発乾固させると、灰白色のガラス質固体を与えた。これを、SFC(カラム:Chiralpak OD、20×250mm、5μm、移動相:45%MeOH+0.1%NH
3/55%scCO
2、流量:60ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離すると、1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体1(実施例46、26mg、12%、d.e.99%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.21(3H,d),2.20(3H,s),3.25-3.6(2H,m),3.99-4.13(1H,m),4.22-4.46(1H,m),4.59-4.78(3H,m),4.99(1H,d),5.72(1H,dd),6.16(1H,dd),6.74-6.9(1H,m),7.22(1H,d),7.49-7.7(1H,m),8.02(1H,s),8.61(1H,s),11.47-12.41(1H,m).m/z(ES+),[M+H]
+493,495.これに続いて、1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体2(実施例47、11mg、4%、d.e.99%)が与えられた。
1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.21(3H,d),2.20(3H,s),3.25-3.6(2H,m),3.99-4.13(1H,m),4.22-4.46(1H,m),4.59-4.78(3H,m),4.99(1H,d),5.72(1H,dd),6.16(1H,dd),6.74-6.9(1H,m),7.22(1H,d),7.49-7.7(1H,m),8.02(1H,s),8.61(1H,s),11.47-12.41(1H,m).m/z(ES+),[M+H]
+493,495.
tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
RuPhos Pd G3(110mg、0.13mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(61.6mg、0.13mmol)、炭酸カリウム(365mg、2.64mmol)、8-ブロモ-1-メトキシ-7-メチルイソキノリン(333mg、1.32mmol)、及び[(8aS,11R)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(552mg、1.32mmol)を合わせ、次いで、脱気されたジオキサン(15ml)及び脱気された水(4.5ml)を加えた。生じた混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を放冷し、次いで、EtOAc(125ml)で希釈し、水(50ml)及びブライン(25ml)で洗浄し、次いで、水層をEtOAc(75ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(ヘプタン中0~70%EtOAc)により精製すると、tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(890mg、>100%)を茶色の泡として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.18(3H,s),1.57(9H,s),2.22(3H,s),3.21-3.46(2H,m),3.55(3H,d),3.83(1H,s),4-4.19(1H,m),4.24-4.62(3H,m),4.92-5.32(1H,m),6.81(1H,d),7.24(1H,dd),7.59(1H,d),7.74(1H,d),7.95(1H,d),8.68(1H,s).
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(720mg、1.32mmol)をDMF(4.5ml)に溶解させ、次いでN-クロロスクシンイミド(176mg、1.32mmol)を撹拌しながら加えた。次いで、反応物を110℃で30分間加熱した。追加のN-クロロスクシンイミド(70mg、0.52mmol)を加え、反応物を110℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を放冷し、次いで、ギ酸0.1%をモディファイアーとして含む水中40~80%MeCNの勾配で溶離して逆相クロマトグラフィー(150g C18 RF GOLD)により精製すると、薄茶色の泡を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Chiralpak IC、20×250mm、5μm、移動相:45%MeOH+0.1%NH
3/65%scCO
2、流量:60ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を利用して分離した。これにより、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(82mg、21%、d.e.98.4%)が薄茶色の泡として与えられた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.21(3H,d),1.51(9H,s),2.19(3H,s),3.35(2H,d),3.56(3H,s),3.81-4.42(3H,m),4.45-4.71(2H,m),4.97-5.26(1H,m),7.26-7.28(1H,m),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.65-8.71(1H,m).m/z(ES+),[M+H]
+580,582.これに続いて、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2(100mg、26%、d.e.99%)が薄茶色の泡として与えられた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,30℃)1.14-1.28(3H,m),1.51(9H,s),2.20(3H,s),3.33(2H,s),3.55(3H,s),3.82-4.41(3H,m),4.45-4.61(2H,m),4.94(1H,d),7.27(1H,s),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.68(1H,s).m/z(ES+),[M+H]
+580,582.
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン(アトロプ異性体1)
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(82mg、0.14mmol)、塩化リチウム(30mg、0.71mmol)、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(134mg、0.71mmol)、及び無水DMF(2.6ml)の混合物を、マイクロ波反応器中で、120℃で30分間撹拌した。粗生成物を、MeOH中にロードしながらSCXカートリッジを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。カラムを、1M NH
3/MeOHを使用して溶出させると、8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン アトロプ異性体1(72mg、>100%)を灰白色固体として与えた。
1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.21(3H,d),2.11(3H,s),2.94-2.99(1H,m),3.48-3.59(1H,m),4.03(1H,dq),4.55(2H,dd),4.87(2H,dd),6.68(1H,d),7.11(1H,d),7.64-7.75(2H,m),8.46(1H,s).m/z(ES+),[M+H]
+466,468.
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン(アトロプ異性体2)
標記化合物は、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似の方法で調製した。標記化合物を、灰白色固体として単離した(84mg、>100%)。
1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.22(3H,d),2.12(3H,s),2.95(1H,dd),3.38-3.49(1H,m),4.02(1H,dq),4.38-4.63(2H,m),4.99(1H,dd),6.67(1H,d),7.10(1H,d),7.65-7.76(2H,m),8.46(1H,s).m/z ES
+,[M+H]
+466.
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン(アトロプ異性体1、実施例48)
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン アトロプ異性体1(65.2mg、0.14mmol)を、室温のDCM(5ml)及びIPA(1ml)に撹拌しながら溶解させ、次いでトリエチルアミン(0.02ml、0.14mmol)を加えた。溶液を-78℃で冷却し、次いでアクリロイルクロリド(0.012ml、0.15mmol)を5分かけて滴加した。反応混合物を放置して室温に温め、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄した。有機層を乾燥させ(相分離器)、真空中で濃縮した。粗生成物を、水(1%NH
3を含む)及びMeCN(25~50%の勾配)を溶離液として使用して、分取HPLC(WatersXSelect CSH C18カラム、5μシリカ、30×100mm)により精製した。これにより、8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン アトロプ異性体1(実施例48、37mg、51%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.21(3H,d),2.07(3H,s),3.33(1H,s),3.50(1H,dd),4.03(1H,dd),4.32(1H,s),4.62(3H,d),5.00(1H,dd),5.72(1H,dd),6.15(1H,dd),6.55(1H,d),6.81(1H,dd),7.09(1H,d),7.66-7.78(2H,m),8.56(1H,s),10.55(1H,s).m/z ES
+,[M+H]
+520,522.
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン(アトロプ異性体2、実施例49)
標記化合物を、8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似の方法で調製した。標記化合物(実施例49、46mg、53%、d.e.99%)を、灰白色固体として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.21(3H,d),2.08(3H,s),3.27(1H,s),3.51(1H,dd),3.95-4.08(1H,m),4.33(1H,s),4.63(3H,d),4.97(1H,dd),5.72(1H,dd),6.15(1H,dd),6.55(1H,d),6.81(1H,dd),7.09(1H,d),7.64-7.77(2H,m),8.56(1H,s),10.55(1H,s).m/z ES
+,[M+H]
+520,522.
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2)
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(1088mg、2.48mmol)をMeOH(20ml)に溶解させ、0℃に冷却し、次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(541mg、2.48mmol)のMeOH(20ml)溶液を、0.5時間かけて滴加した。溶液を0℃で30分間撹拌し、ついで18時間かけて室温に達するようにした。炭酸セシウム(808mg、2.48mmol)を加え、反応物を室温で30分間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、生じた残渣をEtOAc(50ml)と水(20ml)との間で分配した。層を分離し、水相をEtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(相分離器)、真空中で濃縮した。粗製物質を、水(0.1%ギ酸を含む)及びMeCN(勾配15~55%)を使用して、REDISEP GOLD 150g C18カートリッジにより精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発させてアセトニトリルを除去した。生じたエマルション(150ml)を、2M K
2CO
3水溶液(50ml)により処理し、次いで混合物をEtOAc(130ml×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(相分離器)、真空中で蒸発させると、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートを黄色のゴムとして与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Phenomenex C2、20×250mm、5μm、移動相:45%MeOH+0.1%NH
3/55%scCO
2、流量:60ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を利用して分離すると、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(145mg、21%、d.e.99%)を灰白色固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.15(3H,d),1.48(9H,s),2.19(3H,s),3.28(1H,t),3.51(1H,dd),3.96-4.08(2H,m),4.28-4.4(1H,m),4.54-4.72(2H,m),4.88-4.99(1H,m),7.22(1H,d),7.60(1H,d),8.02(1H,s),8.59(1H,s).m/z ES
+,[M+H]
+539,541.これに続いて、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2(267mg、40%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.14(3H,d),1.48(9H,s),2.21(3H,s),3.21-3.38(1H,m),3.43-3.57(1H,m),3.91-4.13(2H,m),4.27-4.38(1H,m),4.64(2H,d),4.93(1H,dd),7.22(1H,d),7.59(1H,s),8.01(1H,s),8.59(1H,s).m/z(ES+),[M+H]
+539,541.
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(アトロプ異性体1)
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(145mg、0.27mmol)のDCM(5ml)溶液に、TFA(1.13ml、14.8mmol)を加え、反応混合物を2時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣をメタノールに溶解させ、完全にメタノールで洗浄しながらSCXカラムに適用した。生成物を、1Mアンモニアのメタノール溶液を使用して溶出させた。溶媒を蒸発させると、(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体1(108mg、91%)を灰白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.21(3H,d),2.22(3H,s),2.98(1H,dd),3.32-3.34(1H,m),3.51(1H,dd),4.04(1H,dq),4.49-4.62(2H,m),4.93(2H,dd),7.29(1H,d),7.62(1H,d),8.06(1H,s),8.50(1H,s).m/z(ES+),[M+H]
+439,441.
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(アトロプ異性体2)
標記化合物は、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似の方法で調製した。標記化合物を灰白色固体として単離した(187mg、86%)。
1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.19(3H,d),2.24(3H,s),2.86-3.04(1H,m),3.22-3.29(1H,m),3.46-3.54(1H,m),3.96-4.1(1H,m),4.54(2H,d),4.95(2H,dd),7.28(1H,d),7.62(1H,d),8.03(1H,s),8.50(1H,s).m/z(ES+),[M+H]
+439,441.
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例50)
DIPEA(129μl、0.74mmol)を、室温のDMA(1.1ml)中の(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体1(108mg、0.25mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(112mg、0.30mmol)及び(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン酸.HCl塩(44.8mg、0.27mmol)の混合物に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(10ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)に抽出し、有機抽出物を乾燥させ(相分離器)、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。これを、水(0.1%NH
3を含む)及びMeCN(25~55%勾配)を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径50mm、長さ100mm)により精製した。これにより、(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン アトロプ異性体1(実施例50、42mg、31%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.20(3H,d),2.20(3H,s),2.22(6H,s),3.09(2H,d),3.33-3.48(1H,m),3.54(1H,d),4.03(1H,s),4.23-4.45(1H,m),4.56-4.8(3H,m),4.98(1H,dd),6.54-6.81(2H,m),7.22(1H,d),7.60(1H,d),8.02(1H,s),8.60(1H,s),12.02(1H,s).m/z ES
+,[M+H]
+550,552.
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体2、実施例51)
標記化合物を、(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似の方法で調製した。標記化合物を灰白色固体として単離した(実施例51、63mg、27%)。
1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.19(3H,d),2.21(3H,s),2.22(6H,s),3.09(2H,d),3.29-3.59(2H,m),3.89-4.11(1H,m),4.37(1H,s),4.52-4.77(3H,m),4.96(1H,d),6.48-6.78(2H,m),7.23(1H,d),7.60(1H,s),8.01(1H,s),8.60(1H,s),12.15(1H,s).m/z ES
+,[M+H]
+550,552.
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2)
tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.4g、0.82mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.038g、0.08mmol)、RuPhos Pd G3(0.069g、0.08mmol)、炭酸カリウム(0.340g、2.46mmol)、(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(173mg、0.98mmol)、及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.038g、0.08mmol)を反応チューブに入れて合わせた。ジオキサン(9.14ml)と水(3.04ml)の脱気された混合物を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で0.5時間加熱した。反応物を室温に放冷し、10分間脱気して、次いで追加のジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(38mg、0.08mmol)、RuPhos Pd-G3(0.069g、0.08mmol)及び(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(144mg、0.82mmol)を加えた。反応物を80℃で20分間撹拌した。反応混合物を室温に放冷した。EtOAc(30ml)を加え、全体を水(2×20ml)で洗浄した。合わせた水性液をEtOAc(30ml)で抽出した。合わせた有機部分をブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空中で濃縮すると、橙色の残渣を与えた。これを、フラッシュシリカクロマトグラフィー(ヘプタン中0~100%EtOAc)により精製した。これにより残渣が与えられ、それを、SFC(カラム:Chiralpak OD、20×250mm、5μm、移動相:30%MeOH+0.1%NH
3/70%scCO
2、流量:60ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。これにより、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(104mg、46%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.14-1.26(3H,m),1.51(9H,s),2.22(3H,s),3.38-3.57(2H,m),3.96-4.06(1H,m),4.06-4.15(1H,m),4.43(1H,s),4.59-4.68(2H,m),5.08-5.33(1H,m),7.42(1H,d),7.52(1H,s),7.58(1H,d),8.55(1H,s).m/z(ES+),[M+H]
+539,541.これに続いて、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2(101mg、44%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.09-1.22(3H,m),1.51(9H,s),2.21(3H,s),3.36-3.57(2H,m),3.93-4.04(1H,m),4.04-4.17(1H,m),4.42(1H,s),4.64(2H,d),5.15(1H,dd),7.42(1H,d),7.54(1H,s),7.58(1H,d),8.55(1H,s).m/z ES
+,[M+H]
+539,541.
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(アトロプ異性体1)
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(104mg、0.19mmol)のDCM(4ml)溶液にTFA(0.813ml、10.6mmol)を加え、反応混合物を2時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣を、生成物を1Mアンモニアのメタノール溶液を使用して溶出させて、SCXカラムを使用して精製した。これにより、(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体1(83mg、98%)が灰白色の固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.23(3H,d),2.21(3H,s),2.99(1H,dd),3.35-3.41(2H,m),3.51(1H,dd),4.07(1H,dq),4.57(2H,d),4.96(1H,dd),7.41(1H,d),7.53(1H,s),7.58(1H,d),8.52(1H,s).m/z(ES+),[M+H]
+441.
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(アトロプ異性体2)
標記化合物を、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似な方法で調製した。標記化合物を灰白色固体として単離した(86mg、>100%)。
1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.22(3H,d),2.21(3H,s),2.99(1H,dd),3.35-3.41(2H,m),3.49-3.57(1H,m),4.03-4.14(1H,m),4.58(2H,d),4.93(1H,dd),7.41(1H,d),7.53(1H,s),7.58(1H,d),8.52(1H,s).m/z(ES+),[M+H]
+441.
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例52)
DIPEA(99μl、0.57mmol)を、室温のDMA(0.85ml)中の(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体1(83mg、0.19mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(86mg、0.23mmol)、及び(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン酸.HCl塩(34.5mg、0.21mmol)に一度に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(10ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)に抽出し、乾燥させ(相分離器)、真空中で濃縮した。粗生成物を、水(0.1%NH
3を含む)及びMeCN(25~55%勾配)を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、50×100)により精製した。これにより、(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン アトロプ異性体1(実施例52、48mg、46%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。
1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.21(3H,d),2.19(3H,s),2.22(6H,s),3.09(2H,d),3.55(2H,dd),4.05(1H,dd),4.36(1H,s),4.68(3H,d),4.98(1H,dd),6.47-6.79(2H,m),7.38(1H,d),7.45-7.71(2H,m),8.60(1H,s),12.86(1H,s).m/z(ES+),[M+H]
+550,552.
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体2、実施例53)
標記化合物を、(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似の方法で調製した。標記化合物を灰白色固体として単離した(実施例53、45mg、42%、d.e.99%)。
1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.20(3H,d),2.18(3H,s),2.22(6H,s),3.09(2H,d),3.37(1H,s),3.57(1H,dd),4-4.12(1H,m),4.35(1H,s),4.59-4.76(3H,m),4.95(1H,dd),6.56-6.75(2H,m),7.38(1H,d),7.47-7.65(2H,m),8.60(1H,s),12.87(1H,s).m/z ES
+,[M+H]
+550,552.
本願は、以下の態様も包含する。
[態様1]
式(I)の化合物:
(式中:
環Aは、フェニル及び二環式ヘテロアリールから選択され;
R
1
は、各出現において、C
1~4
アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C
1~4
アルコキシ、C
1~3
フルオロアルキル、C
1~3
フルオロアルコキシ、シアノ、及びアセチレニルから独立に選択され;
bは、0、1、2、又は3であり;
Yは、CH
2
又はCH
2
CH
2
であり;
R
2
は、シアノ、ハロ、C
1~4
アルキル、C
1~4
アルコキシ、又はC
1~3
フルオロアルキルであり;
R
3
は、F、Me、Et、MeO、又はC
1~2
フルオロアルキルであり;
R
4
は、H又はMeであり;
R
5
は、H又はMeであり;
R
6
は、H又はCH
2
NMe
2
である);
又はその薬学的に許容できる塩(但し、YがCH
2
であり、R
2
がClであり、R
3
がFであり、Aがフェニルであり、bが2である場合、前記R
1
基はF及びOHであり、それぞれビアリール結合に対してオルトであることを条件とし、且つ、R
4
とR
6
が両方ともHである場合、R
5
がMeであることを条件とする)。
[態様2]
構造
を有する、態様1に記載の化合物。
[態様3]
前記環Aが:
からなる群から選択される、態様1又は態様2に記載の化合物。
[態様4]
前記R
4
基がHである、態様1~3のいずれか一つに記載の化合物。
[態様5]
前記R
6
基がHである、態様1~4のいずれか一つに記載の化合物。
[態様6]
前記Y基がCH
2
である、態様1~5のいずれか一つに記載の化合物。
[態様7]
前記Y基がCH
2
CH
2
である、態様1~5のいずれか一つに記載の化合物。
[態様8]
R
2
がClである、態様1~7のいずれか一つに記載の化合物。
[態様9]
R
3
がFである、態様1~8のいずれか一つに記載の化合物。
[態様10]
R
4
がHであり、R
5
がMeである、態様1~9のいずれか一つに記載の化合物。
[態様11]
下記から選択される、態様1に記載の化合物:
7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン;
1-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
5-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン;及び(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;
1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン;
1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン;
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;並びに
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;
又はその薬学的に許容できる塩。
[態様12]
医薬品として使用するための、態様1~11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩。
[態様13]
KRAS、NRAS、又はHRAS G12C変異により介在される疾患の治療に使用するための、態様12に記載の通り使用するための化合物又はその薬学的に許容できる塩。
[態様14]
癌の治療に使用するための、態様12又は態様13に記載の通り使用するための化合物又はその薬学的に許容できる塩。
[態様15]
医薬品、任意選択で、KRAS、NRAS、又はHRAS G12C変異により介在される疾患の治療に使用するためのものである医薬品の製造に使用するための、態様1~11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩。
[態様16]
有効量の態様1~11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む治療の方法。
[態様17]
前記それを必要とする患者がKRAS、NRAS、又はHRAS G12C変異により介在される疾患を有する、態様16に記載の治療の方法。
[態様18]
前記それを必要とする患者が癌を患っている、態様16又は態様17に記載の治療の方法。
[態様19]
態様1~11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩及び薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。