JP7138724B2 - 四環式ヘテロアリール化合物 - Google Patents

四環式ヘテロアリール化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP7138724B2
JP7138724B2 JP2020560800A JP2020560800A JP7138724B2 JP 7138724 B2 JP7138724 B2 JP 7138724B2 JP 2020560800 A JP2020560800 A JP 2020560800A JP 2020560800 A JP2020560800 A JP 2020560800A JP 7138724 B2 JP7138724 B2 JP 7138724B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluoro
mmol
chloro
oxazepino
methyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020560800A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021532061A (ja
Inventor
ジェイソン・グラント・ケトル
シャランジート・カウル・バガル
アンドリュー・ジョン・イーサートン
ショーン・マイケル・フィラリー
グレイム・リチャード・ロブ
スコット・ギブソン・ラモント
ポール・デイビッド・ケミット
フレデリック・ウルフ・ゴールドバーグ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AstraZeneca AB
Original Assignee
AstraZeneca AB
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AstraZeneca AB filed Critical AstraZeneca AB
Publication of JP2021532061A publication Critical patent/JP2021532061A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7138724B2 publication Critical patent/JP7138724B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D498/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D498/12Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains three hetero rings
    • C07D498/14Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/55Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having seven-membered rings, e.g. azelastine, pentylenetetrazole
    • A61K31/553Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having seven-membered rings, e.g. azelastine, pentylenetetrazole having at least one nitrogen and one oxygen as ring hetero atoms, e.g. loxapine, staurosporine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Description

本明細書は、G12C変異RASタンパク質を阻害し、その結果抗癌活性を示す特定の四環式ヘテロアリール化合物及びその薬学的に許容できる塩に関する。本明細書は、ヒト又は動物の肉体の治療の方法における、例えば癌の予防又は治療における、前記四環式ヘテロアリール化合物及びその薬学的に許容できる塩の使用にも関する。本明細書は、前記四環式ヘテロアリール化合物の調製に関与するプロセス及び中間体化合物並びにそれらを含む医薬組成物にも関する。
KRAS、NRAS、及びHRAS遺伝子は、本明細書で集合的にRasタンパク質又はRasと称される、82~90%の全体的な配列同一性を共有する1セットの密接に関連する低分子量GTPアーゼタンパク質KRas、NRas、及びHRasをコードする。Rasタンパク質は、細胞表面受容体からのシグナルを伝達して細胞の増殖、生存、及び分化を制御するシグナリング経路の重要な構成要素である。Rasは、不活性なGDP結合状態と活性なGTP結合状態の間を循環する分子スイッチとして機能する。RasのGDP/GTPサイクルは、GDPとGTPの交換を促進するSos1及びSos2などのグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)並びにRasがGTPをGDPに加水分解する固有のGTPアーゼ活性を刺激するNF-1及びp120RasGAPなどのGTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)により、細胞中で厳密に制御されている。
Rasタンパク質は、長さが188~189アミノ酸であり、ヌクレオチドに結合するp-ループ領域を含む高度保存N末端Gドメイン並びに調節及びエフェクタータンパク質相互作用にとって重要であるスイッチI及びスイッチII領域を有する。Rasタンパク質のC末端領域はより多様であり、Rasと、翻訳後プレニル化修飾に必要である保存されたカルボキシル末端CAXXボックスモチーフを含む膜との会合を制御する要素を含む。GTPに結合すると、RasのスイッチI及びスイッチII領域は、エフェクタータンパク質とのその相互作用及び活性化を可能にするコンフォメーション変化を受けて、下流のシグナリング経路を制御する。Rasの最も良好に特性化されたエフェクターは、マイトジェン活性化(mitogen-activate)プロテインキナーゼ(MAPK)経路の活性を制御するセリン/スレオニンキナーゼRafである。PI3K経路は、クラスIホスホイノシチド3-キナーゼのp110触媒サブユニットがRasと相互作用する、Rasの下流の別の重要なエフェクター経路である。RalGDS、Tiam1、PLC-ε、及びRassf1を含むRasの他のエフェクターも記載されてきた(非特許文献1)。
RAS変異は癌の中にしばしば見られ、全ヒト癌のおよそ30%が、KRAS、NRAS、又はHRAS遺伝子中に変異を有する。発癌性Rasは、典型的に、しかし排他的にではなく、Rasのグリシン12、グリシン13、又はグルタミン61での変異と関連している。これらの残基はRasの活性部位に位置し、変異は、固有の及び/又はGAPに触媒されるGTPアーゼ活性を損ない、GTP結合Rasの形成及び下流エフェクター経路の異常な活性化に有利に働く。KRASは、癌の中で最も高頻度で変異しているRAS遺伝子であり、それに続いてNRAS、次いでHRASである。膵臓(約90%有病率(prevalence))、結腸直腸(約40%有病率)及び非小細胞肺癌(約30%有病率)を含む、KRAS中に高頻度の活性化変異を示すいくつかの腫瘍タイプがある。KRAS変異は、多発性骨髄腫、子宮癌、胆管癌、胃癌、膀胱癌、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、横紋筋肉腫、皮膚の扁平上皮癌、子宮頸癌、精巣胚細胞癌を含む他の癌タイプにも見られる。
Rasの残基12でのグリシンからシステインへの変異(G12C変異)は、コドン12でのG.CからT.Aへの塩基転換により生じ、癌の種類にわたって全KRAS変異の14%、全NRAS変異の2%、及び全HRAS変異の2%を占める、RAS遺伝子で通常見られる変異である。G12C変異は、KRAS変異非小細胞肺癌で特に多く、およそ半数がこの変異を有し、タバコの煙により形成されるDNAアダクトと関連づけられてきた。G12C変異は、肺癌とのみ関連しているのではなく、全KRAS変異大腸癌の8%を含む他のRAS変異癌タイプに見られる。
現在までに、治療的使用に認可されたG12C変異Rasタンパク質の阻害剤はなかった。したがって、臨床使用に好適であるための要求される薬学的性質を有する、G12C変異Rasタンパク質の新たな阻害剤が必要とされている。本明細書の化合物は、抗腫瘍活性を有することが見出され、悪性疾患から生じる制御されない細胞増殖を阻害するのに有用である。本明細書の化合物は、最低でもG12C変異Rasタンパク質の阻害剤として作用することにより、抗腫瘍効果を与える。
Cox,et al.Nature Reviews Drug Discovery,2014,13:828-851
本明細書の第1の態様によると、式(I)の化合物:
Figure 0007138724000001
(式中:
環Aは、フェニル及び二環式ヘテロアリールから選択され;
は、各出現において、C1~4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、C1~3フルオロアルキル、C1~3フルオロアルコキシ、シアノ、及びアセチレニルから独立に選択され;
bは、0、1、2、又は3であり;
Yは、CH又はCHCHであり;
は、シアノ、ハロ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、又はC1~3フルオロアルキルであり;
は、F、Me、Et、MeO、又はC1~2フルオロアルキルであり;
は、H又はMeであり;
は、H又はMeであり;
は、H又はCHNMeである);
又はその薬学的に許容できる塩が提供されるが、但し、YがCHであり、RがClであり、RがFであり、Aがフェニルであり、bが2である場合、R基はF及びOHであり、それぞれビアリール結合に対してオルトであることを条件とし、且つ、RとRが両方ともHである場合、RがMeであることを条件とする。
さらなる態様において、式(I)の化合物を含む医薬組成物が提供される。
さらなる態様において、癌を患っている対象に、有効量の式(I)の化合物を投与することによる癌を治療する方法が提供される。
さらなる態様において、医薬品として使用するための式(I)の化合物が提供される。
さらなる態様において、癌の治療に使用するための式(I)の化合物が提供される。
さらなる態様において、医薬品、例えば癌の治療のための医薬品の製造に使用するための式(I)の化合物が提供される。
さらなる態様において、例えば癌の治療に使用するための、式(I)の化合物を含む医薬組成物及びその使用のための説明書を含むキットが提供される。
さらなる態様において、式(I)の化合物の製造の方法が提供される。
本明細書の化合物が、特定の腫瘍細胞における増殖及び生存の主要なメディエーターであるG12C変異Rasタンパク質の阻害に由来すると考えられる強力な抗腫瘍活性を有することが見出された。
本明細書の化合物は、Ras G12C変異タンパク質に結合してその正常な機能を阻害する能力により、抗腫瘍剤として、特に、腫瘍の成長及び生存の阻害並びに転移性腫瘍成長の阻害をもたらす、哺乳動物の癌細胞の増殖、生存、運動性、転移、及び浸潤の選択的阻害剤として有益であり得る。特に、本明細書の化合物は、固形腫瘍疾患の抑制及び/又は治療において、抗増殖剤及び抗浸潤剤として有益であり得る。特に、本明細書の化合物は、G12C変異Rasの阻害に感受性があり、腫瘍細胞の増殖及び生存をもたらす細胞シグナリングに関与する腫瘍の予防又は治療において有用であり得る。
本明細書の化合物は、式(I)の上部ピペラジン環に位置するアクリルアミドモチーフを介して、G12C変異Rasと相互作用し、次いでそれに共有結合すると考えられる。G12C変異Rasに結合する際に、本明細書の化合物(本明細書に記載の)は、G12C Rasタンパク質が、それらの活性な増殖促進性/生存促進性の確認(confirmation)にアクセスする能力を損なうか、又は実質的になくす。
Y基に結合している、ピペラジン環の炭素原子(以下の図でアスタリスクにより示す)の立体化学が、Ras G12C阻害活性の主要な決定因子であり、各エナンチオマーの間のRas G12C阻害活性が著しく変わることが発見された。本明細書での本明細書による化合物の性質の議論のために、以下の図に示される付番が全体を通して使用されるが、化学命名ソフトウェアにより生成された化合物の名称は必ずしもこの命名のやり方に従わない。O-Y基はキナゾリンのC-5に結合しており、そのためC-5テザー基と称され得る。R、A、及びR基は、それぞれ、キナゾリンモチーフのC-6、C-7、及びC-8に結合している。A基は芳香族基であるので、キナゾリンのC-7とAの間の結合はビアリール結合である。
Figure 0007138724000002
Yが結合している炭素の立体化学配置の重要性に加え、本明細書による化合物は、キナゾリン環のC-7を芳香環Aに連結するビアリール結合の制限された回転により、アトロプ異性である。キナゾリン環のC-6での置換基R及びキナゾリン環のC-8での置換基Rを、置換基Rと共に組み込むと、分離可能で、保存に安定である式(I)の化合物の安定なアトロプ異性形態をもたらすことができることが発見された。さらに、式(I)の化合物の各個別のアトロプ異性体の、Ras G12C変異タンパク質の阻害剤としての活性が大いに変わり得ることが発見された。本明細書に報告される例において、10倍以上及び場合により100倍以上の活性の差が、式(I)の化合物のアトロプ異性の対の間で観察された。アトロプ異性体の間の活性の差は、置換基R及びRが、A基及びA上の置換基Rを、G12C Ras変異タンパク質に結合して、阻害剤が標的タンパク質に結合するのに要するエネルギーを減少させるためのそれらの最適コンフォメーションに近いコンフォメーション又は最適コンフォメーションに保つ有利な能力から生じ得る。
式(I)の化合物、特に好ましいエナンチオマー及びアトロプ異性形態を有する式(I)の化合物が、Ras G12C変異タンパク質の非常に強力な阻害剤になり得ることが証明された。キラル出発物質の立体化学配置が合成全体にわたって保たれるエナンチオ選択的合成が実施された場合、好ましいエナンチオマーが、以下の図に表されるものであると確認された。そのため、ピペラジンからYへの結合の立体化学配置がY=CHである系とY=CHCHである系で異なる場合、最適な活性がもたらされることが見出された。合成がラセミ方式で実施され、生成物がキラルクロマトグラフィーにより分離される場合、最も活性がある化合物が、以下に表される通り不斉のピペラジン炭素で同じ立体化学を有することが仮定された。それでもなお、誤解を避けるために記すと、本開示は、式(I)の化合物の全異性体及びアトロプ異性体を包含する。最適なRas G12C阻害活性を与える立体化学配置を有する化合物が本明細書の好ましい実施形態であることが理解されるだろう。
Figure 0007138724000003
上記に示される立体化学を有する式(I)の化合物が、逆の立体化学を有する化合物又は式(I)の化合物中でキナゾリン環のC-5をピペラジン環につなぐO-Y基を欠く化合物よりも、G12C Ras変異タンパク質の阻害剤として、より高い活性を示すことが見出された。
上記に加え、ピペラジン環上の置換基(すなわちR又はR)の組込みが、式(I)による化合物の代謝プロファイルを改善できることがさらに確認された。Rがメチルである式(I)の化合物がこの点で特に有利であることが判明した。Rでのメチル基の組込みが、好都合には、インビボ試験において経口バイオアベイラビリティを大きく改善することが観察され、これは、齧歯動物におけるグルタチオンとのオフターゲット反応性の減少によるものであると考えられる。例えば、他の点で同一な化合物において、Rメチル基の組込みは、経口バイオアベイラビリティを0から30%に改善し、クリアランスを30分の1にした。この経口バイオアベイラビリティの差は、ラットにおける経口バイオアベイラビリティが31%である実施例4(RがMeである化合物、下記参照)及びラットにおける経口バイオアベイラビリティが0%であるRがHである対応する化合物(本明細書で特許請求されていない、国際公開第2018/206539号パンフレットに報告)に見られる(2種の化合物の間のクリアランスに対する著しい効果も観察される、実施例4は29ml/分/kgのClを有する、Rデスメチル化合物の962ml/分/kgを参照-この化合物のラット血液中での短い12分の半減期を反映した数字である)。Rでのメチル基の組込みは、細胞透過性を改善することも観察された(実施例4、58 Papp 1E-6cm/sのCaco AB、RがHである対応化合物は5.8 Papp 1E-6cm/sを有する)。Y=CHCHの場合、Rメチル基の組込みは同様に、良好な細胞透過性、良好な経口バイオアベイラビリティ、及び低いクリアランスをもたらす(例えば、以下の実施例39参照、72 Papp 1E-6cm/s、F(ラット)75%、Cl(ラット)22ml/分/kg)。したがって、Rメチル化は、増大された薬物動態的性質を有する化合物をもたらす。Y=CHCHの場合、R基の立体化学が、G12C変異Rasへの選択的阻害作用に対する著しい効果を有することも判明した。
G12C変異Rasに結合できる化合物が本明細書に記載される。生化学的及び細胞ベースアッセイにおいて、本明細書の化合物は、強力なG12C変異Rasタンパク質結合剤であることが示され、したがって、KRas、NRas、又はHRas G12C変異により介在される疾患の治療に、とりわけ、G12C変異KRas、NRas、又はHRasタンパク質を発現する癌、例えば、膵臓、結腸直腸、子宮、胆管、胃、膀胱、子宮頸部、精巣胚細胞、及び非小細胞肺癌、並びに多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、横紋筋肉腫、及び皮膚の扁平上皮癌などの治療に有用であり得る。細胞表面受容体からのシグナルを伝達して、細胞の増殖、生存、及び分化を制御するシグナリング経路の重要な構成要素であるG12C変異Rasタンパク質への結合の際に、本明細書による化合物は、G12C変異Rasタンパク質を発現する腫瘍細胞などの細胞の細胞増殖、生存、及び分化を阻害するか、又は妨げることができる。
したがって、本明細書は、G12C変異Rasに対する選択的阻害作用を提供する方法であって、有効量の本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法を提供する。
本明細書は、式(I)の化合物の製造の方法、それらを含む医薬組成物、前記化合物を、それを必要とする患者、例えばヒトに投与することを含む治療の方法、例えば癌などの過剰増殖性疾患を患っている患者の治療に使用するための医薬品の製造における式(I)の化合物の使用にも関する。
他に定義されない限り、本明細書で使用される科学技術用語は全て本開示が関連する技術分野の当業者により通常理解される意味と同じ意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;及びthe Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、本開示に使用される用語の多くの一般的辞書を当業者に提供する。
本明細書がより容易に理解され得るように、特定の用語が以下に明確に定義される。さらに、定義は、詳細な説明全体にわたって必要に応じて述べられる。
単位、接頭辞、及び記号は、それらのSysteme International de Unites(SI)承認形態で示される。数値範囲は、範囲を定義する数を含む。
用語「医薬組成物」は、有効成分の生物学的活性を可能にする形態であり、組成物が投与される対象にとって許容できないほど毒性のある追加成分を全く含まない調合物を指す。そのような組成物は滅菌できる。本明細書による医薬組成物は、式(I)の化合物及び薬学的に許容できる賦形剤を含むだろう。
「治療すること(treating)」又は「治療(treatment)」又は「治療すること(to treat)」又は「緩和すること(alleviating)」又は「緩和すること(to alleviate)」などの用語は、(1)診断された病態又は疾患の症状を治癒し、減速させ、減少させ、且つ/又はその進行を停止させる治療的措置と(2)標的とする病態又は疾患の発症を予防し、且つ/又は減速させる予防的(prophylactic)又は予防的(preventative)措置の両方を指す。そのため、治療を必要とする人々としては、既に疾患を有する人々;疾患を有する傾向がある人々;及び疾患を予防すべき人々がいる。特定の態様において、患者が、例えば、特定の種類の癌の全体的、部分的、又は一過性の寛解を示す場合、その対象は、本開示の方法により首尾よく癌が「治療」されている。
用語「対象」は、特定の治療の受容者になるべき、ヒト、非ヒト霊長類、齧歯動物などを含むがこれらに限定されないあらゆる動物(例えば哺乳動物)を指す。典型的には、用語「対象」及び「患者」は、ヒト対象に関連して、本明細書において互換的に使用される。
式(I)の化合物中の環Aは、フェニル及び二環式ヘテロアリールから選択される。本明細書での二環式ヘテロアリールは、2つの縮合環を含み、1、2、3、若しくは4つのN原子、又は1つのO原子、又は1つのS原子、又は1つのN原子及び1つのS原子、又は1つのN原子及び1つのO原子、又は2つのN原子及び1つのS原子、又は2つのN原子及び1つのO原子を含む芳香族基を指す。二環式ヘテロアリール基としては、両縮合環が芳香族である基、又は一方の縮合環が芳香族であり他方の縮合環が部分的若しくは完全に飽和である基がある。前記部分的又は完全に飽和の縮合環は、カルボニル基を含んでもよい。二環式ヘテロアリール基中の少なくとも1つのヘテロ原子は、芳香環中にも、飽和環中にも存在できる。式(I)の化合物の二環式ヘテロアリール基Aは、[6,6]又は[6,5]環系であり、好適な二環式ヘテロアリール基の例としては、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、アザインドリル、アザインダゾリル、ピロロ[1,2-b]ピリダジニル及びピロロ[2,3-b]ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニル及びナフチリジニル、並びにその部分的に飽和の誘導体がある。
は、各出現において、C1~4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、C1~3フルオロアルキル、C1~3フルオロアルコキシ、シアノ、及びアセチレニルから独立に選択される。誤解を避けるために記すと、C1~4アルキルは、1~4つの炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基を指し、例えばアルコキシ、フルオロアルキル、及びフルオロアルコキシ基に関する本明細書全体にわたる下付き数字の使用は、この用法と一致する。
本明細書での用語ハロは、F、Cl、Br、又はIから選択される原子を指す。本明細書の実施形態において、式(I)の化合物中のハロ基、とりわけR及びR基では、F及びClが好ましいハロ基である。
基は、シアノ、ハロ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、又はC1~3フルオロアルキルから選択される。好ましいR基の例としては、Cl、メチル、及びシアノ、例えばClがある。R基は、F、Me、Et、MeO、又はC1~2フルオロアルキル、例えばF、Me、又はMeOから選択される。
式(I)の化合物が、YがCHであり、RがClであり、RがFであり、Aがフェニルであり、bが2である場合、R基はF及びOHであり、それぞれビアリール結合に対してオルトであり、且つさらにRとRがどちらもHである場合、R基はMeである(且つ、Hでない)。そのため、以下に示される化合物1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オンが、式(I)による化合物でなく、本明細書で特許請求されていないことが理解されるだろう。
Figure 0007138724000004
誤解を避けるために記すと、複数の置換基が所与の群から独立に選択される場合、選択される置換基は、その所与の群内からの同じ置換基も異なる置換基も含み得る。単なる例としては、環Aが(Rにより置換されたフェニルであり、bが2である場合、2つのR置換基は、同じで、例えばどちらもフルオロであり得るか、或いは異なり、例えば1つのフルオロ及び1つのヒドロキシであり得る。
さらに誤解を避けるために記すと、本明細書の式中の
Figure 0007138724000005
の使用は、異なる基の間の結合点を示す。
上述の通り、本明細書は、式(I)の化合物:
Figure 0007138724000006
(式中:
環Aは、フェニル及び二環式ヘテロアリールから選択され;
は、各出現において、C1~4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、C1~3フルオロアルキル、C1~3フルオロアルコキシ、シアノ、及びアセチレニルから独立に選択され;
bは、0、1、2、又は3であり;
Yは、CH又はCHCHであり;
は、シアノ、ハロ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、又はC1~3フルオロアルキルであり;
は、F、Me、Et、MeO、又はC1~2フルオロアルキルであり;
は、H又はMeであり;
は、H又はMeであり;
は、H又はCHNMeである);
又はその薬学的に許容できる塩を提供するが、但し、YがCHであり、RがClであり、RがFであり、Aがフェニルであり、bが2である場合、R基はF及びOHであり、それぞれビアリール結合に対してオルトであることを条件とし、且つ、RとRが両方ともHである場合、RがMeであることを条件とする。
一実施形態において、上記で定義された式(I)の化合物が提供される。
一実施形態において、式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩が提供される。
実施形態において、式(I)の化合物は、YがCHである式(Ia)の化合物である。
実施形態において、式(I)の化合物は、YがCHCHである式(Ib)の化合物である。
実施形態において、式(I)、(Ia)、又は(Ib)の化合物は、R基が、Cl、Me、又はCN(シアノ)から選択される式(Ic)の化合物である。実施形態において、式(Ic)の化合物は、R基がClである式(Id)の化合物である。
実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物は、R基が、F、Me、又はMeOから選択される式(Ie)の化合物である。実施形態において、式(Ie)の化合物は、R基がFである式(If)の化合物である。
実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、又は(If)の化合物は、R基がHである式(Ig)の化合物である。
実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、又は(Ig)の化合物は、R基がHである式(Ih)の化合物である。実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、又は(Ig)の化合物は、R基がMeである式(Ii)の化合物である。
実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、又は(Ii)の化合物は、R基がHである式(Ij)の化合物である。
実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、又は(Ij)の化合物は、A基がフェニルである式(Ik)の化合物である。
実施形態において、式(Ik)の化合物は、整数bが2又は3であり、少なくとも1つのR基がOHである式(Il)の化合物である。実施形態において、式(Ik)又は(Il)の化合物は、少なくとも2つの置換基Rがビアリール結合に対してオルトである式(Im)の化合物である。
実施形態において、式(Ik)の化合物は、A(R基が
Figure 0007138724000007
であり、任意選択でRが、Me、F、Cl、及びCN(シアノ)から選択される式(In)の化合物である。実施形態において、式(In)の化合物中のR基は、Me、Cl、及びCNから選択される。
実施形態において、式(Ik)の化合物は、A(R基が
Figure 0007138724000008
である式(Io)の化合物である。
実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、又は(Ij)の化合物は、A基が二環式ヘテロアリールである式(Ip)の化合物である。
実施形態において、式(Ip)の化合物は、二環式ヘテロアリール基が下記からなる群から選択される式(Iq)の化合物である:
Figure 0007138724000009
実施形態において、式(Ip)の化合物は、二環式ヘテロアリール基が下記からなる群から選択される式(Ir)の化合物である:
Figure 0007138724000010
実施形態において、式(Ip)の化合物は、二環式ヘテロアリール基が下記からなる群から選択される式(Is)の化合物である:
Figure 0007138724000011
実施形態において、式(Ip)の化合物は、二環式ヘテロアリール基が下記からなる群から選択される式(It)の化合物である:
Figure 0007138724000012
実施形態において、式(I)の化合物、すなわち式(I)、(Ia)、(Ib)~(It)の化合物のいずれかは、立体化学が以下に示される通りである式(Iu)又は(Iv)の化合物である:
Figure 0007138724000013
実施形態において、式(Iu)の化合物は、Y=CHである式(Iui)の化合物である。実施形態において、式(Iv)の化合物は、Y=CHCHである式(Ivi)の化合物である。
実施形態において、式(I)の化合物、すなわち式(I)、(Ia)、(Ib)~(Ivi)の化合物のいずれかは、RがHであり、RがMeである式(Iw)の化合物である。
実施形態において、式(I)の化合物は、下記のそれぞれのエナンチオマー及びアトロプ異性形態から選択される:
7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン;
1-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
5-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン;
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;
1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン;
1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン;
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;及び
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;
又はその薬学的に許容できる塩。
本明細書の実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、薬学的に許容できる賦形剤と共に含み、任意選択で1種以上の他の立体異性形態の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩をさらに含む医薬組成物であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が組成物内に90%以上のジアステレオマー過剰率(%d.e.)で存在する医薬組成物が提供される。
本明細書の実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、薬学的に許容できる賦形剤と共に含み、任意選択で1種以上の他の立体異性形態の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩をさらに含む医薬組成物であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が組成物内に90%以上の鏡像体過剰率(%ee)及び90%以上のジアステレオマー過剰率(%de)で存在する医薬組成物が提供される。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容できる塩は、非結晶形、結晶形、又は半結晶形で調製、使用、又は供給することができ、どのような式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩も、水和形態(例えば、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、又は他の化学量論の水和物)及び/又は溶媒和形態を含む、2種以上の結晶形/多形体形態に形成されることが可能であり得る。本明細書が、ありとあらゆるそのような固体形態の式(I)の化合物及びその薬学的に許容できる塩を包含することが理解されるべきである。
本明細書のさらなる実施形態において、以下の「実施例」の項に記載される方法により得ることができる式(I)の化合物が提供される。
本明細書は、本発明の化合物に存在する原子の全同位元素を含むものとする。同位元素が、同じ原子番号を有するが質量数が異なる原子を含むことが理解されるだろう。例えば、水素の同位元素にはトリチウム及び重水素がある。炭素の同位元素には13C及び14Cがある。同位体標識された式(I)の化合物は、一般に、当業者に公知である従来の技法により、又は添付する実施例に記載のものと類似の方法により、適切な同位体標識された試薬を、以前に利用された非標識試薬の代わりに使用して調製できる。
式(I)の化合物の好適な薬学的に許容できる塩は、例えば、酸付加塩である。式(I)の化合物の好適な薬学的に許容できる塩は、例えば、式(I)の化合物の酸付加塩、例えば無機酸又は有機酸による酸付加塩でよい。
式(I)の化合物のさらなる好適な薬学的に許容できる塩は、例えば、式(I)の化合物のヒト又は動物の体への投与後に、前記ヒト又は動物の体内で形成される塩である。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、共結晶固体形態として調製され得る。式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の薬学的に許容できる共結晶が本明細書の一態様を形成することが理解されるべきである。
医薬的状況で使用するために、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、多量の他の立体異性形態が存在しない状態で提供することが好ましくなり得る。
したがって、本明細書の一実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、任意選択で1種以上の他の立体異性形態の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩と共に含む組成物であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が組成物内に90%以上のジアステレオマー過剰率(%de)で存在する組成物が提供される。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、通常、経口又は静脈内経路により、有効成分又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物、若しくはそのような塩の溶媒和物を、薬学的に許容できる剤形で含む医薬調合物の形態で投与されるだろう。治療すべき疾患及び患者並びに投与経路に応じて、組成物は、様々な投与量で、例えば1mg~1000mgの投与量で投与され得る。
先に記載の式(I)の化合物の医薬製剤は、簡便には単位剤形で投与でき、医薬の分野に周知の方法のいずれによっても、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA.(1985)に記載の通りに調製できる。一形態において、医薬は、式(I)の化合物及び、任意選択で薬学的に許容できる賦形剤を含むカプセル、例えばツーピースハードシェルカプセル又は軟質弾性ゼラチン(SEG)カプセルの形態であり得る。医薬組成物は、1mg~1000mgの量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含み得る。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における医薬品として使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における抗増殖作用の産生に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、固形腫瘍疾患の抑制及び/又は治療における抗浸潤剤としてヒトなどの温血動物において使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における抗増殖作用の産生のための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における抗増殖作用の産生に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、固形腫瘍疾患の抑制及び/又は治療における抗浸潤剤としてヒトなどの温血動物において使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、抗増殖作用を、そのような治療を必要としているヒトなどの温血動物において生み出す方法であって、前記動物に、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
本明細書において、特記されない限り、「有効量」という句は、治療すべき症状及び/又は病態を大幅に且つ良い方向に調節する(例えば、良性の臨床反応を与える)のに充分である化合物又は組成物の量を意味する。医薬組成物に使用する有効成分の有効量は、担当医の知識及び専門的技術内で、治療されている特定の病態、病態の重症度、治療期間、同時療法の性質、利用されている特定の有効成分、利用される特定の薬学的に許容できる賦形剤/担体、及び同様な因子により様々だろう。
さらなる実施形態によると、固形腫瘍疾患の抑制及び/又は治療により抗浸潤作用を、そのような治療を必要としているヒトなどの温血動物において生み出す方法であって、前記動物に、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における癌の予防又は治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における癌の予防又は治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、そのような治療を必要としているヒトなどの温血動物における癌の予防又は治療の方法であって、前記動物に、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における固形腫瘍疾患の予防又は治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、ヒトなどの温血動物における固形腫瘍疾患の予防又は治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、そのような治療を必要としているヒトなどの温血動物における固形腫瘍疾患の予防又は治療の方法であって、前記動物に、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasの阻害に感受性がある腫瘍の予防又は治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasの阻害に感受性がある腫瘍の予防又は治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasの阻害に感受性がある腫瘍の予防又は治療の方法であって、前記動物に、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasに対する阻害作用の提供に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasに対する阻害作用の提供に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異RASに対する阻害作用を提供する方法であって、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法も提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasに対する選択的阻害作用の提供に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasに対する選択的阻害作用の提供に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、G12C変異Rasに対する選択的阻害作用を提供する方法であって、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法も提供される。
G12C変異Rasに結合できる化合物が本明細書に記載される。生化学的及び細胞ベースアッセイにおいて、本明細書の化合物は、強力なG12C変異Rasタンパク質結合剤であることが示され、したがって、KRas、NRas、又はHRas G12C変異により介在される疾患の治療において、とりわけ、G12C変異KRas、NRas、又はHRasタンパク質を発現する癌、例えば、膵臓、結腸直腸、子宮、胆管、胃、膀胱、子宮頸部、精巣胚細胞、及び非小細胞肺癌並びに多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、横紋筋肉腫、並びに皮膚の扁平上皮癌の治療において有用であり得る。
さらなる実施形態によると、KRas、NRas、又はHRas G12C変異により介在される疾患の治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、KRas、NRas、又はHRas G12C変異により介在される疾患を治療する方法であって、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、KRas、NRas、又はHRas G12C変異により介在される疾患の治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、非小細胞肺癌又は大腸癌の治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、非小細胞肺癌の治療に使用するための、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
さらなる実施形態によると、非小細胞肺癌又は大腸癌を治療する方法であって、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、非小細胞肺癌を治療する方法であって、本明細書で先に定義された、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
さらなる実施形態によると、乳癌又は婦人科癌の治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
さらなる実施形態によると、非小細胞肺癌又は大腸癌の治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
本明細書のさらなる態様によると、非小細胞肺癌の治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書で先に定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が提供される。
本明細書に定義される抗癌治療は、単独療法として適用できるか、或いは、本明細書の化合物の他に、従来の手術又は放射線療法又は化学療法を含み得る。
したがって、一実施形態において、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、及び癌の共同治療(conjoint treatment)のための追加の抗腫瘍物質が提供される。
本明細書の一実施形態によると、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩及び別の抗腫瘍剤を含む、癌の治療に使用するために好適な組合せが提供される。
本明細書のさらなる実施形態において、別の抗腫瘍剤と組み合わされた式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
式(I)の化合物は、主として、(ヒトを含む)温血動物において使用するための治療剤として有益であるが、それらは、G12C変異Rasを阻害することが要求されるときはやはり常に有用である。そのため、それらは、新たな生物学的試験の開発に、及び新たな薬理作用のある薬剤の探索に使用するための薬理学的標準として有用である。
別の実施形態は、患者のG12C KRas、HRas、又はNRas変異状態と、式(I)の化合物による治療に対する潜在的な感受性との間の関連を特定することに基づいている。その場合、式(I)の化合物などのRas阻害剤は、好都合には、他の療法に対して耐性がある可能性があるG12C KRas、HRas、又はNRas変異を有する患者を治療するのに利用できる。したがって、これは、式(I)の化合物による治療のために、患者、特に癌患者を選択する機会、方法、及びツールを与える。選択は、治療すべき腫瘍細胞が、野生型かG12C変異体のいずれのKRAS、HRAS、又はNRAS遺伝子を有するのかに基づく。したがって、G12C KRAS、HRAS、又はNRAS遺伝子状態は、式(I)の化合物による治療を選択することが有利になり得ることを示すバイオマーカーとして使用できるだろう。次いで、式(I)の化合物による首尾よい治療に感受性があると特定された患者をそのような化合物により治療できる。そのため、治療の方法は、第1の患者選択工程及び有効量の式(I)の化合物によるそれを必要とする患者の治療を包含し得る。
実施形態によると、式(I)の化合物による治療のために患者を選択する方法であって、患者由来の腫瘍細胞含有試料を提供すること;患者の腫瘍細胞含有試料中のRAS遺伝子が、野生型(位置12のグリシン)か変異体(位置12のシステイン)のいずれのKRas、HRas、又はNRasタンパク質をコードするのかを決定すること;及び、それに基づいて、式(I)の化合物による治療のために患者を選択することを含む方法が提供される。治療の方法は、患者選択のそのような方法を包含し得る。
方法は、実際の患者試料単離工程を含むことも、除外することもある。そのため、一実施形態によると、式(I)の化合物による治療のために患者を選択する方法であって、以前に患者から単離された腫瘍細胞含有試料中のRAS遺伝子が、野生型(位置12のグリシン)か変異体(位置12のシステイン)のいずれのKRas、HRas、又はNRasタンパク質をコードするのかを決定すること;及び、それに基づいて、式(I)の化合物による治療のために患者を選択することを含む方法が提供される。
実施形態において、患者は、腫瘍細胞DNAがG12C変異KRAS遺伝子を有する場合、式(I)の化合物による治療のために選択される。
実施形態において、患者は、腫瘍細胞DNAがG12C変異HRAS遺伝子を有する場合、式(I)の化合物による治療のために選択される。
実施形態において、患者は、腫瘍細胞DNAがG12C変異NRAS遺伝子を有する場合、式(I)の化合物による治療のために選択される。
別の実施形態によると、腫瘍細胞がG12C変異KRAS遺伝子を有すると特定された癌の治療に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
別の実施形態によると、腫瘍細胞がG12C変異HRAS遺伝子を有すると特定された癌の治療に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
本明細書の別の態様によると、腫瘍細胞がG12C変異NRAS遺伝子を有すると特定された癌の治療に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が提供される。
別の実施形態によると、腫瘍細胞がG12C変異KRAS、HRAS、又はNRAS遺伝子を有すると特定された癌を治療する方法であって、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
別の実施形態によると、腫瘍細胞がG12C変異KRAS、HRAS、又はNRAS遺伝子を有すると特定された癌の予防及び治療に使用するための、式(I)の化合物を含む医薬組成物が提供される。
以下の例が、本発明の本質が完全に理解され得るように提供されることが認識されるだろう。以下の例が、本明細書の範囲を限定するとは決して意図されないことも認識されるだろう。
生物学的アッセイ
以下のアッセイを利用して、本明細書の化合物の効果を測定した。
KRasG12C機能アッセイ
不活性なGDPロード(GDP loaded)ビオチン化KRasG12Cタンパク質を、社内で(in house)、発現させ、精製し、GDPロードさせた。酵素及び基質溶液は全て、20mM HEPES(pH7.5)、5mM MgCl2、150mM NaCl、及び0.01%Tween 20を含むアッセイバッファ中に調製した。10nM GDPロードビオチン化KRasG12C及び37.5ng/mlストレプトアビジンユウロピウムクリプテート(Cisbio)をアッセイバッファ中に調製し、5μlを、DMSO中に調製した試験試料及び基準試料を含む384ポリスチレン、Hibase、中結合白色アッセイプレート(Greiner、784075番)の各ウェルに分注し、試料を4時間インキュベートした。別なミックスにおいて、20nM GST-Raf Ras結合ドメイン(GST-Raf RBD、社内で精製)及び4μg/ml抗GST XL665抗体(Cisbio)を、50mMフッ化カリウム及び0.05mg/ml BSAを含むアッセイバッファ中に調製し、4時間平衡化してから0.6μMグアノシン5’-[γ-チオ]三リン酸(GTPγS、Sigma)及び0.08μM SOS(社内で精製)を加えた。次いで、5μlのGST-RAF RBDミックスをアッセイプレートの各ウェルに分注した。この添加が、ヌクレオチド交換反応及び不活性なGDPロードKRasG12Cの活性なGTPγS KRasG12Cへの変化を開始させる。これを、活性なGTPγS KRasG12CとGST-Raf RBDとの間の特異的結合相互作用により同時に検出するが、それはユウロピウムとXL665を接近させて、増加したFRETシグナルを、HTRFフィルターモジュールを備えたPherastar(BMG)プレートリーダーで検出することを可能にする。ヌクレオチド交換プロセスの阻害によりKRasの活性化を防ぐか、又は活性なKRas:Raf RBD結合相互作用を阻害する化合物があれば、FRETシグナルを減少させるだろう。IC50値を、Genedata screener(Basel、Switzerland)でフィットさせた正規化した用量-応答反応(dose-response response)FRETデータ曲線から計算した。
KRasG12C質量分析法付加アッセイ(adducting assay)
不活性なGDPロードビオチン化KRasG12Cタンパク質を、社内で発現させ、精製し、GDPロードさせた。酵素溶液を、20mM HEPES(pH7.5)、5mM MgCl2、及び150mM NaClを含むアッセイバッファ中に調製した。4μM GDPロードビオチン化KRasG12Cをアッセイバッファ中に調製し、50μlを、500nlの1mM試験化合物(最終濃度10μM)を含む96ウェルポリプロピレンアッセイプレート(Greiner、651201番)の各ウェルに加え、これを4時間反応させてから、50μl 1%ギ酸を加えて、反応をクエンチした。プレートを密封してから、Xevo G2 QTOF(Waters)及びAcquity LCシステム(Waters)で読み取った。10μlの試料を、3分の勾配で流れているXbridge BEH300;C4;3.5um;2.1×50mmカラム(Waters)に注入した。ブランク試料を、各試験試料の間に流した。
データを、Mass Lynxソフトウェア(Waters)で分析し、全イオンカウント(TIC)トレースを利用し、溶出したタンパク質ピークデータを合わせた。合わせたスペクトルを使用して、データを、MaxEnt1法を使用してデコンボリューションした。アポタンパク質KRasG12C(APO)及びKRAS+相対化合物質量(relative cmpd mass)(アダクト)のピーク面積を測定し、パーセンテージアダクトを、以下の計算を利用して計算した:
パーセントアダクト=100×(アダクトピークの面積/(APO+アダクトピークの和)。
表Aに示すデータを、実施例に関して生成した(以下のデータは、1回の実験の結果のことも、2回以上の実験の平均のこともある)。
Figure 0007138724000014
Figure 0007138724000015
実施例
本明細書は、以下に実施例において説明されるが、特記されない限り:
(i)合成は全て、特記されない限り、周囲温度で、すなわち17~25 Cの範囲で、窒素などの不活性ガスの雰囲気下で実施した;
(ii)蒸発は、ロータリーエバポレーションにより、又はGenevac装置若しくはBiotage v10エバポレーターを真空中で使用して実施し、後処理手順は、濾過により残存固体を除去した後に実施した;
(iii)フラッシュカラムクロマトグラフィーを、Merck Kieselgelシリカ(Art.9385)で又は逆相シリカ(Flukaシリカゲル90 C18)で、又はSilicycleカートリッジ(40~63μmシリカ、4~330g重量)で、又はGrace resolvカートリッジ(4~120g)で、又はRediSep Rf 1.5 Flashカラムで、又はRediSep Rf high performance Gold Flashカラム(150~415g重量)で、又はRediSep Rf Gold C18逆相カラム(20~40μmシリカ)で、又はInterchim puriFlashカートリッジ(50μmシリカ、4~800g)で、手作業により、又はIsco CombiFlash Companionシステム若しくは類似のシステムを利用して自動的に実施した;
(iv)分取逆相HPLCは、ZMD又はZQ ESCi質量分析計及びWaters X-Terra若しくはWaters X-Bridge若しくはWaters SunFire逆相カラム(C-18、5ミクロンシリカ、直径19mm又は50mm、長さ100mm、40mL/分の流量)を備えたWaters装置(600/2700又は2525)で、水(1%アンモニアを含む)とアセトニトリルの極性が低下する混合物又は水(0.1%ギ酸を含む)とアセトニトリルの極性が低下する混合物を溶離液として使用して実施した;
(vi)収率は、存在する場合、必ずしも達成可能な最大値ではない;
(vii)一般に、式Iの最終生成物の構造は、核磁気共鳴(NMR)分光法により確認した;NMRケミカルシフト値はデルタスケールで測定した[プロトン磁気共鳴スペクトルは、Bruker Avance 500(500MHz)、Bruker Avance 400(400MHz)、Bruker Avance 300(300MHz)又はBruker DRX(300MHz)装置を使用して測定した];測定は、特記されない限り周囲温度で行った;以下の略語を使用した:s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;m、マルチプレット;dd、ダブレットのダブレット;ddd、ダブレットのダブレットのダブレット;dt、トリプレットのダブレット;bs、ブロードなシグナル;
(viii)一般に、式Iの最終生成物は、液体クロマトグラフィー後に質量分析法によっても特定化した(LCMS又はUPLC);一般に、逆相C18シリカを1mL/分の流量で使用し、検出は、エレクトロスプレー質量分析法により、且つ220~320nmの波長範囲で記録するUV吸光度によった。分析UPLCは、CSH C18逆相シリカで、寸法2.1×50mm及び粒径1.7ミクロン)のWaters XSelect CSH C18カラムを使用して実施した。勾配分析を、極性が低下する混合物、例えば、溶媒Aとしての水(0.1%ギ酸又は0.1%アンモニアを含む)と溶媒Bとしてのアセトニトリルの極性が低下する混合物を溶離液として使用して実施した。典型的な2分の分析UPLC法は、1.3分にわたり、およそ毎分1mLで、溶媒A及びBのそれぞれ97:3混合物から、溶媒A及びBの3:97混合物になる溶媒勾配を利用するだろう。報告される分子イオンは、特記されない限り[M+H]+に対応する;複数の同位体パターン(Br、Clなど)を有する分子では、報告値は、特記されない限り、最低の同位体質量で得られたものである;
(ix)イオン交換精製は、一般に、SCX-2(Biotage)カートリッジを使用して実施した;
(x)反応がマイクロ波の使用を指す場合、以下のマイクロ波反応器のいずれかを使用した:Biotage Initiator、Personal Chemistry Emrys Optimizer、Personal Chemistry Smithcreator、又はCEM Explorer;
(xi)中間体純度は、薄層クロマトグラフィー、質量分析法、LCMS、UPLC/MS、HPLC及び/又はNMR分析により評価した;
(xii)以下の略語を使用した:
DCM ジクロロメタン
DCE 1,2-ジクロロエタン
DEA ジエチルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA N,N-ジメチルアセトアミド
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
d.e.ジアステレオマー過剰率
dppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HATU(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート)
HCl 塩化水素酸
HCOOH ギ酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
mCPBA メタ-クロロペルオキシ安息香酸
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
NMR 核磁気共鳴
IPA/i-PrOH イソプロパノール
Pd-C パラジウムカーボン
Pd118 ジクロロ[1,1’-ビス(ジ-tertブチルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)
PyBOP (ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
RuPhos Pd G3(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナート
scCO 超臨界CO
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
TBME tert-ブチルメチルエーテル
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
tR 保持時間
化合物は、そのIUPAC名により呼ぶか、又はACD Labsから市販のACD/ChemSketch 2017を使用して命名した。
tert-ブチル(S)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000016
tert-ブチルジメチルシリルクロリド(1.53g、10.17mmol)のDCM(10ml)溶液を、20℃のDCM(50ml)中の(S)-4-N-Boc-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン(2g、9.25mmol)及びトリエチルアミン(2.58ml、18.49mmol)に5分にわたり空気下で滴加した。生じた溶液を20℃で16時間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。残渣を、EtOAc中0~5%EtOHの溶離勾配でフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(S)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(2.84g、93%)を無色の油として与えた。1H NMR(500MHz,CDCl)0.00(s,6H),0.84(s,9H),1.40(s,9H),2.48(s,1H),2.6-2.87(m,3H),2.92(d,1H),3.41(dd,1H),3.52(s,1H),3.85(s,2H).
(E)-N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド
Figure 0007138724000017
硫酸ナトリウム(23.24g、163.62mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(4.97g、71.59mmol)、及び2,2,2-トリクロロエタン-1,1-ジオール(5.07g、30.68mmol)を水(103ml)に溶解させた。水(8.21ml)、EtOH(14.36ml)、及び濃HCl(3.49ml)中の3-ブロモ-2,5-ジフルオロアニリン塩酸塩(5g、20.45mmol)の溶液を加え、反応物を60℃で一晩撹拌すると、沈殿物が形成した。沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、次いで真空下で乾燥させると、(E)-N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド(5.3g、93%)を薄茶色の固体として与えた。これをさらに精製せずに使用した。1H NMR(500MHz,DMSO)7.51(ddd,1H),7.78(s,1H),7.85(ddd,1H),10.08(s,1H),12.43(s,1H).m/z:ES-[M-H]-277.
6-ブロモ-4,7-ジフルオロインドリン-2,3-ジオン
Figure 0007138724000018
(E)-N-(3-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド(7.62g、27.31mmol)を、少量ずつ、60℃に加熱された硫酸(68.3ml)に加えた。反応物を90℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、ゆっくりと氷水に加えた。生じた沈殿物を、水で洗浄しながら濾過により回収し、真空下で乾燥させると、6-ブロモ-4,7-ジフルオロインドリン-2,3-ジオン(5.1g、71%)を暗赤色の固体として与えた。これをさらに精製せずに使用した。1H NMR(500MHz,DMSO)7.38(dd,1H),11.91(s,1H).m/z:ES-[M-H]-260/262.
2-アミノ-4-ブロモ-3,6-ジフルオロ安息香酸
Figure 0007138724000019
過酸化水素(HO中30%)(9.70ml、95mmol)を、水酸化ナトリウム(HO中2M)(86ml、171mmol)中の6-ブロモ-4,7-ジフルオロインドリン-2,3-ジオン(4.98g、19mmol)に滴加した。反応物を室温で16時間撹拌した。過剰の過酸化水素を、過剰の亜硫酸ナトリウムによりクエンチし、混合物をpH7に中和した。生じた茶色の沈殿物を濾去し、残った溶液を濃HClによりpH2に酸性化した。生じたクリーム状の沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、真空下で乾燥させると、2-アミノ-4-ブロモ-3,6-ジフルオロ安息香酸(3.10g、65%)を茶色の固体として与えた。これをさらに精製せずに使用した。1H NMR(500MHz,DMSO)6.71(1H,dd),6.84(2H,s),13.37(1H,s).m/z:ES-[M-H]-250&252.
7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン
Figure 0007138724000020
エタノール(49ml)中のホルムイミドアミド酢酸塩(15.35g、147.47mmol)及び2-アミノ-4-ブロモ-3,6-ジフルオロ安息香酸(3.1g、12.29mmol)を還流状態で16時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、EtOAc(100ml)に再溶解させ、連続的に飽和ブライン(2×150ml)により洗浄した。有機層をMgSOにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(2.9g、90%)を黄色の固体として与えた。これをさらに精製せずに使用した。1H NMR(500MHz,DMSO)7.73(dd,1H),8.17(s,1H),12.62(s,1H).m/z:ES-[M-H]-258&260.
tert-ブチル(S)-4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000021
((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)オキシ)トリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(2.59g、4.98mmol)を、DMA(13.72ml)中の7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(1g、3.83mmol)及びDIPEA(1.61ml、9.19mmol)に加えた。生じた溶液を室温で一晩撹拌し、反応混合物を水に注ぎ、EtOAc(100ml)で抽出し、飽和ブライン(100ml)により洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(S)-4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(0.66g、30%)を薄黄色の油として与えた。1H NMR(500MHz,CDCl)-0.10(s,6H),0.72(s,9H),1.49(s,9H),3.02(s,1H),3.27(d,1H),3.35-3.47(m,1H),3.66(s,1H),3.77-3.85(m,1H),3.91(d,1H),4.17(d,2H),4.32(s,1H),7.22-7.31(m,1H),8.65(s,1H).m/z:ES+[M+H]+573&575.
tert-ブチル(S)-10-ブロモ-9-フルオロ-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000022
テトラ-ブチルアンモニウムフルオリド(THF中1M)(1.37ml、1.37mmol)を、THF(3.2ml)中のtert-ブチル(S)-4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(0.66g、1.14mmol)に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。反応物を65℃で1時間加熱し、次いで室温に冷却し、EtOAc(100ml)で希釈し、水(100ml)、飽和ブライン(100ml)で洗浄し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、tert-ブチル(S)-10-ブロモ-9-フルオロ-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート(0.54g、>100%)を薄茶色の泡として与えた。これをさらに精製せずに使用した。1H NMR(500MHz,CDCl)1.49(s,9H),3.07(s,2H),3.1-3.2(m,1H),3.84(ddt,1H),3.98-4.24(m,2H),4.30(dd,1H),4.38(dd,1H),5.06(d,1H),7.14(d,1H),8.65(s,1H).m/z:ES+[M+H]+439/441.
7-ブロモ-6-ヨード-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン
Figure 0007138724000023
7-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(5.7g、26.88mmol)を、0℃の硫酸(60ml)に加えた。生じた混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、N-ヨードスクシンイミド(9.07g、40.32mmol)を一度に加え、生じた懸濁液を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぐと、沈殿物が形成した。沈殿物を酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。有機相と水相の両方が沈殿物を含んでいた。有機相を10%Na(200ml)で洗浄して、過剰なヨウ素を除いた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、7-ブロモ-6-ヨード-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(7.2g、79%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)4.11(2H,s),7.43(1H,d),7.83(1H,d),8.90(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=338.
7-ブロモ-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン
Figure 0007138724000024
トリフェニルホスフィンパラジウムクロリド(0.706g、1.01mmol)を、トルエン/HO(50ml)(3:1の比率)中の炭酸カリウム(2.78g、20.12mmol)、2,4,6-トリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン(0.631g、5.03mmol)及び7-ブロモ-6-ヨード-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(3.4g、10.06mmol)に窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、分取キラル-HPLCにより精製した(カラム:Enantiocel-C1、5×25cm、5um;移動相A:CO:70、移動相B:MeOH-分取:30;流量:160ml/分;220nm;rT 1:7.38;rT 2:8.53)。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、7-ブロモ-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(420mg、45.7%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.42(3H,s),4.27(2H,s),7.46(1H,d),7.55(1H,d),8.63(1H,s).m/z:ES+[M+H]=226.
[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸
Figure 0007138724000025
Pd(dppf)Cl・CHCl(335mg、0.41mmol)を、1,4-ジオキサン(20ml)中のtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(900mg、2.05mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1041mg、4.10mmol)及び酢酸カリウム(503mg、5.12mmol)に窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~40%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュ(flash C18-flash)クロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(700mg、85%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.52(9H,s),2.85-4.68(8H,m),5.37(1H,s),7.49(1H,d),8.64(1H,s).2つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=405.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000026
メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(129mg、0.15mmol)を、1,4-ジオキサン/HO(0.5ml)(3:1の比率)中の2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル(72.2mg、0.15mmol)、炭酸カリウム(428mg、3.10mmol)、[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(626mg、1.55mmol)及び7-ブロモ-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(350mg、1.55mmol)に、室温で、窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、DCM中6%MeOHの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(470mg、60%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.52(9H,s),2.24(3H,d),2.99-3.35(3H,m),3.48-3.97(1H,m),4.02-4.29(2H,m),4.35-4.58(4H,m),5.08-5.27(1H,m),6.06(1H,s),6.92(1H,d),7.46(1H,d),7.53(1H,d),8.72(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=506.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000027
N-クロロスクシンイミド(186mg、1.39mmol)とtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(470mg、DMF(0.5ml)中0.93)の混合物を、マイクロ波チューブに入れて密封した。反応物を、120℃で、30分間マイクロ波反応器中で加熱し、室温に冷却した。粗生成物を、水(0.1%HCOOH)中0~35%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(260mg、52%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.45(9H,s),2.09(3H,d),2.98-3.47(3H,m),3.81-4.17(3H,m),4.37(2H,s),4.61-4.68(2H,m),4.83-4.94(1H,m),7.61(1H,d),8.51(1H,d),8.64(1H,s).1つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=540.
7-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
Figure 0007138724000028
1,4-ジオキサン中のHCl(5ml、20mmol)を、MeOH(3ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(260mg、0.48mmol)に室温で加えた。生じた溶液を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、分取HPLC(カラム:Xselect CSH OBDカラム30×150mm 5um n;移動相A:水(0.1%HCOOH)、移動相B:ACN;流量:60ml/分;勾配:8分で10%Bから20%Bに;254/220nm;rT:7.03,7.97分)、及び溶離液としてのMeCNにより精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、7-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オンの最初に溶出するアトロプ異性体(アトロプ異性体1)(80mg、38%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.08(3H,s),2.77(2H,d),2.99-3.14(3H,m),4.01(1H,s),4.36(2H,s),4.42-4.59(2H,m),4.96(1H,d),7.55-7.65(1H,m),8.15(1H,s),8.48(1H,s),8.57(1H,s).1つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=440.
2番目に溶出したアトロプ異性体(アトロプ異性体2)(70mg、33%)を、白色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.09(3H,s),2.74-2.92(2H,m),3.08(3H,m),3.93(1H,d),4.36(2H,s),4.46-4.59(2H,m),4.93(1H,d),7.55-7.68(1H,m),8.17(1H,s),8.49(1H,s),8.57(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=440.
7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン-アトロプ異性体1(実施例1)
Figure 0007138724000029
アクリロイルクロリド(16.46mg、0.18mmol)のDMF(0.2ml)溶液を、0℃のDMF(0.3ml)中のDIPEA(0.064ml、0.36mmol)及び7-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(アトロプ異性体1)(80mg、0.18mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水(NHOH)中0~35%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(アトロプ異性体1、実施例1)(19mg、21%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.08(3H,s),3.01-3.13(1H,m),3.32-3.53(2H,m),4.09-4.53(5H,m),4.54-4.72(2H,m),4.76-5.04(1H,m),5.77(1H,d),6.19(1H,d),6.77-6.98(1H,m),7.56-7.66(2H,m),8.48(1H,s),8.62(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=494.
7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン-アトロプ異性体2(実施例2)
Figure 0007138724000030
アクリロイルクロリド(14.40mg、0.16mmol)のDMF(0.2ml)溶液を、0℃のDMF(0.3ml)中のDIPEA(0.056ml、0.32mmol)及び7-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン-アトロプ異性体2(70mg、0.16mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水(NHOH)中0~30%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(アトロプ異性体2、実施例2)(27.0mg、34.4%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.10(3H,s),2.97-3.30(2H,m),3.36-3.57(1H,m),3.98-4.56(5H,m),4.58-4.72(2H,m),4.76-5.00(1H,m),5.76(1H,d),6.19(1H,d),6.78-6.98(1H,m),7.56-7.68(2H,m),8.50(1H,s),8.62(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=494.
メチルN-ベンジル-D-セリナート
Figure 0007138724000031
TEA(44.8ml、321.38mmol)を、メチルD-セリナート塩酸塩(50g、321.38mmol)及びベンズアルデヒド(33ml、321.38mmol)の0℃のメタノール(250ml)溶液に加えた。生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(24g、634.39mmol)をゆっくりと加え、混合物を室温でさらに2時間撹拌した。反応混合物を水(200ml)でクエンチし、DCM(3×100ml)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、石油エーテル中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチルN-ベンジル-D-セリナート(40g、60%)を無色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)2.51(2H,s),3.48(1H,dd),3.65(1H,dd),3.76-3.84(5H,m),3.92(1H,d),7.36(5H,m).m/z:ES+[M+H]+=210.
メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート
Figure 0007138724000032
イソブチルクロロホルマート(15.66g、114.70mmol)を、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニナート(27.1g、143.37mmol)及びN-メチルモルホリン(11.6g、114.70mmol)の0℃のTHF(100ml)溶液に加え、反応温度を25℃まで上げて、1時間撹拌した。次いで、THF(100ml)中のN-ベンジル-D-セリナート(20g、95.58mmol)を加え、混合物を一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、EtOAcで洗浄した。溶媒を減圧下で除いた後、粗生成物を、石油エーテル中0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート(16g、44%)を無色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.22(3H,d),1.44(9H,s),3.74(3H,s),3.91(2H,d),4.06(1H,m),4.53-4.63(1H,m),4.72(1H,m),4.84(1H,m),5.28(1H,m),7.31-7.45(5H,m).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=381.
(3R,6S)-1-ベンジル-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン
Figure 0007138724000033
TFA(20ml、259.60mmol)を、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート(10g、26.29mmol)の25℃のDCM(200ml)溶液に加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液により塩基性化し、25℃で1時間撹拌し、抽出し、有機溶媒を蒸発させた。粗生成物を、石油エーテル中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(3R,6S)-1-ベンジル-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン(4.8g、74%)を黄色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃).1.50(3H,d),3.49(1H,s),3.80(1H,d),3.91(1H,dd),3.98-4.08(2H,m),4.37(1H,d),5.34(1H,d),7.23-7.41(5H,m).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=249.
[(2S,5S)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール
Figure 0007138724000034
水素化アルミニウムリチウム(5.26g、138.55mmol)を、(3R,6S)-1-ベンジル-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン(4.3g、17.32mmol)の0℃のTHF(75ml)溶液にゆっくりと加えた。次いで、生じた混合物を65℃で5時間撹拌した。反応混合物を、別々に、水(2.9ml)、15%NaOH水溶液(8.7ml)、及び水(2.9ml)でクエンチした。反応混合物をセライトに通して濾過し、EtOAc(100ml)で洗浄した。溶媒を減圧下で除いた後、[(2S,5S)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール(3.8g、100%)が無色の油として得られた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)0.98(3H,d),2.06(3H,m),2.35-2.43(1H,m),2.72-2.82(2H,m),3.03-3.08(2H,m),3.14(1H,d),3.48(1H,dd),4.03(1H,dd),4.18(1H,d),7.30-7.40(5H,m).m/z:ES+[M+H]+=221.
tert-ブチル(2S,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000035
二炭酸ジ-tert-ブチル(9.06ml、39.03mmol)を、[(2S,5S)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール(4.3g、19.52mmol)及びTEA(4.08ml、29.28mmol)の25℃のDCM(200ml)溶液に加えた。生じた溶液を25℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発により除去した後、粗生成物を、石油エーテル中0~100%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(2S,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(3.3g、53%)を無色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.22(3H,d),1.49(9H,s),1.68(1H,s),2.35(1H,s),2.81(2H,m),3.28(1H,dd),3.61-3.83(4H,m),4.02(1H,d),4.09(1H,s),7.34(5H,d).m/z:ES+[M+H]+=321.
tert-ブチル(2S,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000036
10%Pd-C(0.11g、1.03mmol)を、tert-ブチル(2S,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(3.3g、10.30mmol)の室温のEtOH(5ml)溶液に、窒素下で加えた。生じた溶液を水素でパージし、1気圧の水素の下、25℃で24時間撹拌した。混合物を、セライトパッドに通して濾過し、DCM(20ml)で洗浄した。溶媒を減圧下で除いた後、生成物tert-ブチル(2S,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(2.2g、93%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.20-1.27(3H,m),1.48(9H,s),2.40(2H,s),2.51-2.56(1H,m),3.07(2H,m),3.23(1H,m),3.52(1H,m),3.66-3.76(2H,m),4.07-4.22(1H,m).m/z:ES+[M+H]+=231.
tert-ブチル(2S,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000037
水素化ナトリウム(0.575g、14.37mmol)を、tert-ブチル(2S,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(0.882g、3.83mmol)及び7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(1g、3.83mmol)の室温のTHF(40ml)溶液に加えた。生じた混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl(20ml)によりクエンチし、EtOAc(3×30ml)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、石油エーテル中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(2S,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(1g、55%)を黄褐色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.27(3H,d),1.49(9H,s),3.56(1H,dd),3.66(1H,dd),3.85(1H,dd),4.11(1H,m),4.24-4.32(2H,m),4.46(1H,dd),4.64(1H,dd),7.17(1H,d),8.62(1H,s).2つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=471.
tert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000038
2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミド[1,2-a]アゼピン(291mg、1.91mmol)を、tert-ブチル(2S,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(900mg、1.91mmol)及び((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)オキシ)トリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(994mg、1.91mmol)の溶液に0℃で加えた。生じた溶液を25℃で4時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%HCOOH)中の0~100%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(388mg、45%)を黄褐色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.27(3H,d),1.49(9H,s),3.56(1H,dd),3.66(1H,dd),3.85(1H,dd),4.11(1H,m),4.24-4.32(2H,m),4.46(1H,dd),4.64(1H,dd),7.17(1H,d),8.62(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=453.
tert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000039
N-クロロスクシンイミド(110mg、0.83mmol)を、tert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(340mg、0.75mmol)の室温のDMF(7.5ml)溶液に加えた。生じた溶液を60℃で4時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%HCOOH)中50~100%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(310mg、85%)を黄褐色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.29(3H,d),1.49(9H,s),3.49-3.57(1H,m),3.67(1H,dd),3.91(1H,dd),4.14(1H,dd),4.25-4.35(1H,m),4.38(1H,dd),4.62-4.76(2H,m),8.68(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=487.
tert-ブチル(3S,13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-10-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-3-メチル-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000040
炭酸カリウム(54.4mg、0.39mmol)を、室温の水(2ml)及び1,4-ジオキサン(8ml)(1:4の比率)中のtert-ブチル(8aS,11S)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(96mg、0.20mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(77mg、0.49mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(18.37mg、0.04mmol)及びRuPhos-Pd-G3(32.9mg、0.04mmol)の混合物に窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~70%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(28mg、27%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.26(3H,d),1.53(9H,s),3.61-3.74(2H,m),3.83(1H,m),4.00(1H,m),4.32(2H,m),4.46(1H,m),4.57(1H,m),6.73(1H,d),6.93(1H,d),7.29-7.36(1H,m),8.25(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=519.
2-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール
Figure 0007138724000041
HCl(2ml、65.83mmol)を、tert-ブチル(3S,13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-10-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-3-メチル-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート(40mg、0.08mmol)の25℃のMeOH(2ml)溶液に加えた。溶液を25℃で1時間撹拌した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、2-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール(25mg、77%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDOD,30℃)1.26(3H,d),2.88(1H,dd),2.97-3.04(1H,m),3.04-3.15(2H,m),3.28(1H,dd),4.07(1H,m),4.47-4.57(1H,m),4.57-4.65(1H,m),5.20(1H,dd),6.69-6.77(1H,m),6.79(1H,m),7.33(1H,m),8.55(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=419.
1-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例3)
Figure 0007138724000042
DIPEA(0.021ml、0.12mmol)を、2-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール(25mg、0.06mmol)及びアクリロイルクロリド(5.4mg、0.06mmol)の0℃のTHF(2ml)溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。溶媒を蒸発により除去した後、粗生成物を、水(0.1%NHHCO)中0~60%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、1-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例3)(16mg、57%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.23(3H,d),3.89(3H,m),4.24-4.58(4H,m),4.71(1H,d),5.75(1H,dd),6.20(1H,dd),6.68-6.98(3H,m),7.35(1H,m),8.57(1H,s),10.28(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=473.
メチルN-ベンジル-D-セリナート
Figure 0007138724000043
TEA(44.8ml、321.38mmol)を、メチルD-セリナート塩酸塩(50g、321.38mmol)及びベンズアルデヒド(33ml、321.38mmol)の0℃のメタノール(250ml)溶液に加えた。生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(24g、634.39mmol)をゆっくりと加え、混合物を室温でさらに2時間撹拌した。反応混合物を水(200ml)でクエンチし、DCM(3×100ml)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、石油エーテル中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチルN-ベンジル-D-セリナート(40g、60%)を無色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)2.51(2H,s),3.48(1H,dd),3.65(1H,dd),3.76-3.84(5H,m),3.92(1H,d),7.36(5H,m).m/z:ES+[M+H]+=210.
メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート
Figure 0007138724000044
N-メチルモルホリン(14.5g、143.37mmol)を、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-アラニナート(27.1g、143.37mmol)及びイソブチルクロロホルマート(19.58g、143.37mmol)の0℃のTHF(100ml)溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。次いで、THF(100ml)中のメチルN-ベンジル-D-セリナート(20g、95.58mmol)を加えた。混合物を25℃で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、粗生成物を、石油エーテル中20~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート(18g、50%)を無色の液体として与えた。1H NMR(300MHz,CDCl,30℃)1.30(3H,d),1.44(9H,s),3.73(3H,s),3.82(1H,m),4.06-4.20(1H,m),4.32(1H,m),4.66(1H,m),4.73(2H,d),5.31(1H,d),7.30-7.44(5H,m).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=381.
(3R,6R)-1-ベンジル-6-(ヒドロキシメチル)-3-メチルピペラジン-2,5-ジオン
Figure 0007138724000045
TFA(40ml、519.19mmol)を、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-アラニル-N-ベンジル-D-セリナート(18g、47.31mmol)のDCM(400ml)溶液に加えた。生じた溶液を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸ナトリウムにより塩基性化し、1時間撹拌し、抽出し、有機溶媒を蒸発させた。粗生成物を、水(0.1%HCOOH)中0~60%MeOHの溶離勾配で、C18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(3R,6R)-1-ベンジル-6-(ヒドロキシメチル)-3-メチルピペラジン-2,5-ジオン(5.6g、46%)を無色の泡として与えた。1H NMR(300MHz,CDCl,30℃)1.61(3H,d),3.26(1H,s),3.80-4.27(5H,m),5.33(1H,d),7.25-7.53(6H,m).m/z:ES+[M+H]+=249.
[(2S,5R)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール
Figure 0007138724000046
水素化アルミニウムリチウム(3.42g、90.22mmol)を、0℃のTHF(50ml)中の(3R,6R)-1-ベンジル-6-(ヒドロキシメチル)-3-メチルピペラジン-2,5-ジオン(2.8g、11.28mmol)に、窒素下で少量ずつ加えた。生じた溶液を65℃で4時間撹拌した。反応混合物を、別々に、水(3.3ml)、15%NaOH水溶液(9.9ml)及び水(9.9ml)でクエンチした。混合物を濾過し、蒸発させると、[(2S,5R)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール(2.4g、97%)を無色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.03(3H,d),2.59(1H,dd),2.69(1H,d),3.03(2H,m),3.15-3.20(1H,m),3.24(1H,m),3.82-3.91(3H,m),4.10(1H,m),7.33-7.39(5H,m).2つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=221.
tert-ブチル(2R,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000047
トリエチルアミン(3.51g、34.72mmol)を、[(2S,5R)-1-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール(5.1g、23.15mmol)及び二炭酸ジ-tert-ブチル(10.1g、46.3mmol)の25℃のDCM(230ml)溶液に加えた。溶液を25℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物を、石油エーテル中0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(2R,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(3.1g、42%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.19(3H,d),1.48(9H,s),2.32(2H,m),2.42(1H,d),2.62-2.71(1H,m),3.15(1H,d),3.24(1H,t),3.50(1H,d),3.87(1H,d),3.99(1H,m),4.18(2H,d),7.34(5H,m).m/z:ES+[M+H]+=321.
tert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000048
10%Pd-C(1.030g、9.67mmol)を、25℃のエタノール(20ml)中のtert-ブチル(2R,5S)-4-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(3.1g、9.67mmol)に窒素下で一度に加えた。生じた溶液を、水素の雰囲気下25℃で24時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、DCM(100ml)で洗浄した。溶媒を蒸発により除去した後、tert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(2.2g、99%)が無色の油として得られた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.22(3H,d),1.48(9H,s),2.32(2H,s),2.69-2.83(2H,m),2.86(1H,dd),2.97(1H,dd),3.49-3.59(1H,m),3.62-3.74(1H,m),3.80(1H,s),4.20(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=231.
tert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000049
水素化ナトリウム(326mg、8.14mmol)を、tert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(500mg、2.17mmol)及び7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール(567mg、2.17mmol)の室温のTHF(50ml)溶液に加えた。生じた混合物を45℃で12時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、蒸発乾固させた。粗生成物を、水(0.1%TFA)中0~60%MeCNの溶離勾配で、C18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(395mg、39%)を黄褐色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.23(3H,d),1.50(9H,s),3.10(2H,m),3.25(1H,m),4.06(3H,m),4.29(2H,m),7.05(1H,d),8.10(1H,s).2つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=471.
tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000050
2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミド[1,2-a]アゼピン(111mg、0.73mmol)を、tert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(345mg、0.73mmol)及び((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)オキシ)トリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(381mg、0.73mmol)の0℃のアセトニトリル(35ml)溶液に加えた。生じた溶液を25℃で24時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~60%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(192mg、58%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)8.67(s,1H),7.21(d,1H),5.26-5.03(m,1H),4.41(s,2H),4.14(d,1H),3.97(d,1H),3.82(s,1H),3.45-3.19(m,2H),1.52(s,9H),1.13(d,3H).m/z:ES+[M+H]+=453.
tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000051
N-クロロスクシンイミド(56.6mg、0.42mmol)を、tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(192mg、0.42mmol)の室温のDMF(4ml)溶液に加えた。生じた溶液を60℃で4時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0%~90%CH3CNの溶離勾配で、C18フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(184mg、89%)を黄褐色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30C)1.14(3H,d),1.50(9H,s),3.26-3.74(2H,m),4.02-4.73(5H,m),5.16-5.44(1H,m),8.77(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=487.
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(アトロプ異性体1及び2)
Figure 0007138724000052
RuPhos-Pd-G3(240mg、0.29mmol)を、1,4-ジオキサン/HO(10ml)(4:1の比率)中のtert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(700mg、1.44mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(559mg、3.58mmol)、炭酸カリウム(595mg、4.31mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(134mg、0.29mmol)の溶液に窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、石油エーテル中0~40%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると:
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートのアトロプ異性体1(250mg、34%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30C)1.12(3H,s),1.49(9H,s),3.19-3.63(3H,m),3.75-3.87(1H,m),3.93-4.18(1H,m),4.22-4.63(2H,m),4.67-5.06(1H,m),6.73(1H,t),6.89(1H,d),7.24-7.36(1H,m),8.50(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=519.
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートのアトロプ異性体2(270mg、36%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.07-1.20(3H,m),1.52(9H,s),3.14-3.53(3H,m),3.77-3.91(1H,m),3.95-4.18(1H,m),4.29-4.57(2H,m),5.03-5.24(1H,m),6.76(1H,t),6.90(1H,d),7.27-7.37(1H,m),8.50(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=519.
2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール(アトロプ異性体1)
Figure 0007138724000053
4M HClの1,4-ジオキサン溶液(5ml、20mmol)を、MeOH(2ml)中の上記で得られたtert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートのアトロプ異性体1(250mg、0.48mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去すると、2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノールのアトロプ異性体1.1HCl(400mg、183%)を黄色の固体として与え、それをさらに精製せず次の工程に直接使用した。1H NMR(400MHz,CDOD,30C)1.43(3H,d),3.53-3.64(1H,m),3.66(1H,d),3.74(4H,d),3.93-4.04(1H,m),4.13(1H,s),6.73-6.86(2H,m),7.32-7.43(1H,m),8.83(1H,s).2つの交換可能なプロトンが見られなかったm/z:ES+[M+H]+=419.
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン アトロプ異性体1、実施例4
Figure 0007138724000054
アクリロイルクロリド(46.1mg、0.51mmol)を、0℃のTHF(5ml)中の2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール.1HCl(400mg、0.88mmol)及びDIPEA(227mg、1.76mmol)に加えた。生じた溶液を0℃で40分間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%NHHCO)中0~30%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(130mg、31%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)1.12(3H,dd),3.10-3.21(0.5H,m),3.50-3.60(1.5H,m),3.98-4.14(1H,m),4.21-4.77(4H,m),4.89-5.06(1H,m),5.70-5.80(1H,m),6.04-6.23(1H,m),6.77-6.92(3H,m),7.32-7.42(1H,m),8.63(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=473.
2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール、アトロプ異性体2
Figure 0007138724000055
4M HClの1,4-ジオキサン溶液(5ml、20mmol)を、MeOH(3ml)中の上記で得られたtert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(270mg、0.52mmol)のアトロプ異性体2の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去すると、2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール.1HCl(400mg、169%)を黄色の固体として与えた。生成物をさらに精製せずに次の工程に直接使用した。1H NMR(400MHz,CDOD,30C)1.43(3H,d),3.55-3.60(1H,m),3.63-3.68(1H,m),3.71-3.80(4H,m),3.90-4.00(1H,m),4.10(1H,s),6.73-6.86(2H,m),7.32-7.46(1H,m),8.83(1H,s).2つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=419.
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン アトロプ異性体2、実施例5
Figure 0007138724000056
アクリロイルクロリド(43.7mg、0.48mmol)を、0℃のTHF(5ml)中の2-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノールのアトロプ異性体2.1HCl(400mg、0.88mmol)、及びDIPEA(227mg、1.76mmol)に加えた。生じた溶液を0℃で40分間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%NHHCO)中の0~30%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(160mg、38%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)1.11(3H,dd),3.16(0.5H,t),3.41-3.61(1.5H,m),3.93-4.07(1H,m),4.20-4.83(4H,m),4.88-5.05(1H,m),5.70-5.80(1H,m),6.13-6.24(1H,m),6.76-6.93(3H,m),7.36(1H,q),8.59(1H,s),10.27(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=473.
6-アミノ-2-ブロモ-3-メチル安息香酸
Figure 0007138724000057
3N NaOH(80ml、79.15mmol)と4-ブロモ-5-メチル-1H-インドール-2,3-ジオン(19g、79.15mmol)の混合物を80℃で加熱した。溶液に、過酸化水素(18ml、176.22mmol)をゆっくりと加え、混合物を1時間撹拌し、混合物を5℃に冷却し、次いで、濃HClによりpH5に酸性化した。溶液を蒸発乾固させ、次いでメタノール(100ml)を加えた。混合物を濾過し、濾液を蒸発させると、6-アミノ-2-ブロモ-3-メチル安息香酸(18g、99%)が茶色の固体として生じた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)2.21(3H,s),6.71(1H,d),7.07(1H,d).3つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+=230.
5-ブロモ-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
Figure 0007138724000058
6-アミノ-2-ブロモ-3-メチル安息香酸(15g、65.2mmol)をホルムアミド(45ml)に溶解させ、マイクロ波チューブ中に密封した。反応物を、マイクロ波反応器中で200℃に1時間加熱し、次いで室温に冷却した。反応混合物をEtOH(200ml)で希釈した。沈殿物を濾過により回収し、EtOH(20ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、5-ブロモ-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(9g、58%)を茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)2.47(3H,s),7.56(1H,d),7.74(1H,d),8.04(1H,s),12.24(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=239.
5-ブロモ-4-メトキシ-6-メチルキナゾリン
Figure 0007138724000059
PyBOP(6.53g、12.55mmol)を、25℃のDMF(20ml)中の5-ブロモ-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(2g、8.37mmol)及びDIPEA(2.92ml、16.73mmol)に一度に加えた。生じた溶液を40℃で16時間撹拌した。次いで、メタノール中のナトリウムメトキシド(1.506g、8.37mmol)を加え、生じた溶液を40℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、水中5~80%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、5-ブロモ-4-メトキシ-6-メチルキナゾリン(1.5g、71%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)2.55(3H,s),4.11(3H,s),7.83(1H,d),7.90(1H,d),8.75(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=254.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000060
RuPhos-Pd-G3.(51.7mg、0.06mmol)を、1,4-ジオキサン(0.4ml)及び水(0.1ml)(4:1の比率)中の([(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(250mg、0.62mmol)、5-ブロモ-4-メトキシ-6-メチルキナゾリン(188mg、0.74mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル(28.9mg、0.06mmol)及び炭酸カリウム(214mg、1.55mmol)に、窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で40分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、DCM中0~5%MeOHの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(0.1%TFA)中0~55%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(150mg、46%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)1.46(9H,s),2.11(3H,d),2.16-2.37(2H,m),2.52-3.56(6H,m),3.86-5.05(4H,m),7.74(1H,d),7.84(1H,d),7.99(1H,s),8.11(1H,s),8.71(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=533.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000061
N-クロロスクシンイミド(36.1mg、0.27mmol)を、アセトニトリル(0.5ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(120mg、0.23mmol)に加えた。生じた混合物を40℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去すると、粗生成物tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(200mg、>100%)を与え、それを、さらに精製せずに次の工程に直接使用した。m/z:ES+[M+H]+=567。
5-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
Figure 0007138724000062
DCM中の三臭化ホウ素(2ml、2mmol)を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(4-メトキシ-6-メチルキナゾリン-5-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(190mg、0.34mmol)に加えた。生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、水(NHHCO)中0~50%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、5-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(50mg、33%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)2.06(3H,d),2.60-2.83(2H,m),2.94-3.12(3H,m),3.17(1H,d),3.83-4.16(1H,m),4.37-4.60(2H,m),4.88-5.00(1H,m),7.72(1H,d),7.84(1H,d),8.04(1H,s),8.54(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=453.
5-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン アトロプ異性体1(実施例6)及びアトロプ異性体2(実施例7)
Figure 0007138724000063
アクリロイルクロリド(9mg、0.10mmol)のDMF(2ml)溶液を、0℃のDMF(3ml)中の5-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(45mg、0.10mmol)及びDIPEA(0.035ml、0.20mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水(NHOH)中0~48%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、粗生成物を与えた。粗生成物を分取キラル-HPLCにより精製した(カラム:CHIRALPAK IA 2×25cm、5um;移動相A:Hex:DCM=3:1(10mM NH-MeOH)-HPLC、移動相B:EtOH-HPLC;流量:14ml/分;勾配:15分で50 Bから50 Bに;220/254nm;tR 1:9.761;tR 2:12.395)。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、5-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オンの最初に溶出したアトロプ異性体(アトロプ異性体1、実施例6)(7mg、14%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)2.05(3H,s),2.98-3.14(1H,m),3.33-3.57(2H,m),4.00-4.52(3H,m),4.52-4.72(2H,m),4.73-4.97(1H,m),5.72-5.80(1H,m),6.15-6.24(1H,m),6.75-7.03(1H,m),7.74(1H,d),7.85(1H,d),8.05(1H,s),8.61(1H,s),12.01(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=407.
同じ化合物の2番目に溶出したアトロプ異性体、アトロプシオマー(Atropsiomer)2、(実施例7)が、白色の固体として得られた(7mg、14%)。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)2.07(3H,s),3.00-3.26(1H,m),3.33-3.59(2H,m),4.00-4.57(3H,m),4.57-4.74(2H,m),4.78-4.96(1H,m),5.72-5.80(1H,m),6.15-6.24(1H,m),6.84-6.89(1H,m),7.74(1H,d),7.86(1H,d),8.05(1H,s),8.61(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=407.
(±)-4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール
Figure 0007138724000064
THF(45ml)中の4-ブロモ-5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール(CAS No:952511-48-7;1.06g、5.02mmol)、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(2.3ml、25.11mmol)及び4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(0.143g、0.75mmol)の混合物を、65℃で、窒素下で20時間撹拌した。反応混合物を放冷し、濃縮し、EtOAc(150ml)で希釈し、連続的に、飽和NaHCO(75ml)、及び飽和ブライン(50ml)で洗浄した。有機層をMgSOにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(±)-4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール(1.08g、72.9%)を黄褐色の固体として与えた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.66-1.8(3H,m),2.06-2.18(3H,m),2.53(3H,s),3.68-3.78(1H,m),4.05-4.14(1H,m),5.45(1H,dd),7.17(1H,d),7.35(1H,d),8.06(1H,s).[M+H]+295,297.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸
Figure 0007138724000065
[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(0.335g、0.41mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.12g、12.29mmol)及び酢酸カリウム(0.804g、8.20mmol)を、ジオキサン(65ml)中のtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.8g、4.10mmol)の撹拌及び脱気された溶液に、窒素下で加えた。生じた混合物を90℃で17時間撹拌した。反応混合物を放冷し、蒸発させ、EtOAc(150ml)と水(75ml)/飽和ブライン(50ml)との間で分配し、混合物をセライトに通して濾過した。有機層を分離し、MgSOにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を、ピナコールエステルとボロン酸の混合物(推定4.10mmol)として茶色の油として与えたが、放置すると凝固し、それをさらに精製せず使用した。m/z(ES+)、[M+H]+405(ボロン酸)及び487(ピナコールエステル)。
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000066
RuPhos Pd G3(0.306g、0.37mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.171g、0.37mmol)及び炭酸カリウム(1.011g、7.32mmol)を、ジオキサン(100ml)及び水(25ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(1.95g、4.02mmol)及び(±)-4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール(1.08g、3.66mmol)の撹拌及び脱気された溶液に加え、混合物を窒素により排気し(5サイクル)、80℃で90分間撹拌した。反応混合物を放冷し、EtOAc(150ml)により希釈し、水(75ml)/飽和ブライン(75ml)で洗浄し、分離して、水層をEtOAc(100ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSOにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、DCM中0~5%MeOHの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(2.09g、99%)を茶色の泡として与えた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.51(9H,s),1.69-1.8(3H,m),2.08-2.21(3H,m),2.33(3H,d),3.01-3.31(3H,m),3.71-3.9(2H,m),4.13(3H,d),4.34-4.54(2H,m),5.08(1H,d),5.44-5.55(1H,m),7.05(1H,dt),7.26-7.29(1H,m),7.46-7.54(1H,m),7.99(1H,dd),8.68(1H,d).m/z(ES+),[M+H]+575.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
Figure 0007138724000067
1-クロロピロリジン-2,5-ジオン(0.534g、4.00mmol)を、室温のDMF(20ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(2.09g、3.64mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を120℃で17時間撹拌した。反応混合物を放冷し、水(25ml)で希釈し、EtOAc(125ml)を加え、エマルションをセライトに通して濾過した。有機層を分離し、飽和ブライン(2×100ml)でさらに洗浄し、相分離カートリッジにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、DCM中0~8%MeOHの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させ、アトロプ異性体を、分取HPLCにより(Waters XSelect CSH C18カラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して分離した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(0.342g、17.9%)を与えた。H NMR(400MHz,CDCl)1.58(s,9H),2.23及び2.29(s,3H*),2.98-3.33(m,3H),3.48(brs,0.6H),3.84-4.05(m,1H),4.05-4.23(m,1H),4.37-4.59(m,2H),4.59-4.93(br s,1H),5.01(d,J=12.9Hz,0.4H),7.23及び7.29(d,1H*),7.49及び7.78(d,J=8.3Hz,1H),7.93及び7.94(s,1H*),8.25及び8.67(s,1H*),9.71及び11.73(br s,1H*)ベンゾイミダゾールNHでの互変異性体は、2:1の比率で観察された。19F NMR(376MHz,CDCl,30℃)-126.93,-124.43.m/z(ES+),[M+H]+525,527.
同じ化合物の2番目に溶出したアトロプ異性体-アトロプ異性体2(0.185g、9.69%)も得られた。H NMR(400MHz,CDCl)1.57(s,9H),2.23及び2.24(s,3H*),2.93-3.4(m,3H),3.76-3.88(m,1H),4.03-4.30(m,2H),4.36-4.51(m,1.5H),4.57(d,J=13.2Hz,0.5H),4.93-5.06(m,0.5H),5.09-5.25(m,0.5H),7.22及び7.30(d,J=8.3Hz,1H*),7.49及び7.79(d,J=8.3Hz,1H*),7.94(s,1H),8.24及び8.68(s,1H*),9.82及び11.94(br s,1H*).ベンゾイミダゾールNHでの互変異性体は、2:1の比率で観察された。19F NMR(376MHz,CDCl,30℃)-127.08,-123.84,m/z(ES+),[M+H]+525,527.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2
Figure 0007138724000068
MeOH(1ml)中のジオキサン中4M HCl(1.4ml、5.64mmol)を、MeOH(1ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプシオマー2(185mg、0.35mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を室温で6時間撹拌した。反応混合物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2(147mg、98%)を茶色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)2.15(s,3H),2.75-2.97(m,2H),3.04-3.23(m,,3H),4.06(br s,1H),4.57(m,2H),4.99(d,J=12.8Hz,1H),7.21(d,J=8.3Hz,1H),7.51-7.57及び7.62-7.67(m,1H*),8.09(s,1H),8.60(s,1H),12.18及び12.48(s,1H*),ベンゾイミダゾールNHでの互変異性体は、1:1の比率で観察された。19F NMR(376MHz,DMSO)-127.77,128.21 ppm(互変異性体比率1:1).m/z(ES+),[M+H]+425,427.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1
Figure 0007138724000069
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1から出発して、上述の対応するアトロプ異性体2に類似の方法で調製した。生成物アトロプ異性体1は下記を示した:H NMR(400MHz,DMSO)2.17及び2.18(3H,s*),2.7-2.88(2H,m),2.97-3.18(3H,m),3.96(1H,br s),4.49(1H,dd),4.57-4.66(1H,m),4.9-5.0(1H,m),7.16-7.29(1H,m),7.54及び7.65(1H,d*),8.08(1H,d),8.58(1H,d),12.15及び12.47(1H,s),ベンゾイミダゾールNHでの互変異性体は、1:1の比率で観察され、NHピペラジンは観察されなかった。19F NMR(376MHz,DMSO)-128.38,-128.10ppm(互変異性体比率1:1),m/z(ES+),[M+H]+425,427.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例8)
Figure 0007138724000070
アクリロイルクロリド(0.026ml、0.32mmol)のDCM(0.5ml)溶液を、-70℃に冷却されたDCM(5ml)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2(137mg、0.32mmol)及びトリエチルアミン(0.090ml、0.64mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を-70℃で30分間撹拌した。DCMを蒸発させ、残渣をDMSOで希釈し、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して精製した。浅い勾配:25~50%MeCN)。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2、実施例8を、白色の固体として与えた(17.8mg、11.5%)。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.16(3H,s),3.01-3.17(1H,m),3.42-3.54(1H,m),4.04-4.24(2H,m),4.28-4.57(2H,m),4.66(2H,s),4.81-4.99(1H,m),5.77(1H,dd),6.20(1H,dd),6.79-6.97(1H,m),7.22(1H,d),7.60(1H,d),8.09(1H,s),8.64(1H,s),12.25(1H brs),m/z(ES+),[M+H]+479,481.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例9)
Figure 0007138724000071
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例9)を、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1から出発して、実施例8に類似な方法で調製した。実施例9は下記を示した:H NMR(400MHz,DMSO)2.18(3H,s),2.98-3.2(1H,m),3.4-3.56(2H,m),4.06-4.56(3H,m),4.56-4.97(3H,m),5.77(1H,d),6.20(1H,d),6.87(1H,s),7.14-7.29(1H,m),7.54及び7.66(1H,d*),8.09(1H,d),8.64(1H,d),12.16及び12.49(1H,s*),ベンゾイミダゾールNHでの互変異性体は、1:1の比率で観察された。19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-128.18,-127.94ppm(互変異性体比率1:1),m/z(ES+),[M+H]+479,481.
8-ブロモ-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}イソキノリン-1(2H)-オン
Figure 0007138724000072
無水DMF(50ml)中の8-ブロモイソキノリン-1(2H)-オン(2.5g、11.16mmol)の撹拌された溶液に、窒素雰囲気下で水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(0.669g、16.74mmol)を加えた。生じた懸濁液を室温で5分間撹拌してから、(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(2.96ml、16.74mmol)を滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌したままにした。追加の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(260mg、6.54mmol)を室温で加え、反応物を5分間撹拌したままにした。(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(2.96ml、16.74mmol)を加え(1.2ml、7.12ml)、反応物を1時間撹拌したままにした。反応物を水(150ml)の添加によりクエンチし、混合物をEtOAc(2×100ml)で抽出した。有機層を相分離器カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、橙色のゴムを与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~20%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-ブロモ-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}イソキノリン-1(2H)-オン(2.76g、69.8%)を黄色の油として与え、それは静置すると凝固した。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)-0.00(9H,s),0.86-0.97(2H,m),3.63(2H,dd),5.33(2H,s),6.66(1H,d),7.56(2H,dd),7.68(1H,dd),7.78(1H,dd).
8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}イソキノリン-1(2H)-オン
Figure 0007138724000073
PdCl(dppf).DCM(0.403g、0.49mmol)を、1,4-ジオキサン(35ml)中の8-ブロモ-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)イソキノリン-1(2H)-オン(1.4g、3.95mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(2.308g、9.09mmol)及び酢酸カリウム(1.94g、19.76mmol)の脱気された溶液に加えた。混合物をさらに5分間脱気し、次いで100℃で16時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、連続的に、水(25ml)、2M NaCO水溶液(2×25ml)及びブライン(25ml)で洗浄した。有機部分を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~25%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}イソキノリン-1(2H)-オン(0.938g、59.1%)を黄色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)0.00(9H,d),0.98(2H,d),1.47(12H,s),3.6-3.69(2H,m),5.41(2H,s),6.51(1H,d),7.16(1H,d),7.50(2H,ddd),7.59-7.65(1H,m).m/z:ES+[M+H]+402.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-オキソ-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1,2-ジヒドロイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000074
8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}イソキノリン-1(2H)-オン(0.928g、2.31mmol)、{2’,6’-ビス[(プロパン-2-イル)オキシ][1,1’-ビフェニル]-2-イル}(ジシクロヘキシル)ホスファン(0.108g、0.23mmol)、RuPhos-Pd-G3(0.193g、0.23mmol)、炭酸カリウム(0.959g、6.94mmol)及びtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.095g、2.31mmol)を合わせた。ジオキサン(16ml)と水(4ml)の脱気された混合物を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で30分間加熱した。反応物を80℃でさらに16時間撹拌したままにした。反応物を放冷し、次いで窒素により5分間脱気した。追加のジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.108g、0.23mmol)及びRuPhos Pd G3(0.193g、0.23mmol)を加え、反応物を、80℃でさらに24時間撹拌したままにした。冷却された反応混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、水(50ml)及びブライン(50ml)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-オキソ-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1,2-ジヒドロイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.500g、32.4%)を薄茶色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)0.00(9H,s),1.63(9H,s),3.02-3.35(3H,m),3.56-3.63(2H,m),3.78-4.34(4H,m),4.4-4.71(3H,m),5.04(1H,d),5.26(1H,dd),5.39(1H,dd),6.64(1H,dd),7.23-7.37(2H,m),7.70(1H,d),7.78(1H,td),8.71(1H,s).m/z:ES+[M+H]+668,670.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン
Figure 0007138724000075
2,2,2-トリフルオロ酢酸(2.8ml、36.34mmol)を、マイクロ波バイアル中で、THF(2ml)及び水(0.2ml)中のtert-ブチル(13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-10-(1-オキソ-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,2-ジヒドロイソキノリン-8-イル)-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート(0.50g、0.75mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を、105℃で、マイクロ波中で40分間加熱した。揮発物を減圧下で除去し、生じた残渣を、トルエン(3×5ml)と共沸した。粗生成物を、MeOHをロードしメタノールにより洗浄しながらSCXカラムを使用し、イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン(0.287g、88%)を薄茶色の泡として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.71-2.97(2H,m),3.05-3.22(3H,m),3.84-4.2(2H,m),4.43-4.67(2H,m),5.02(1H,t),6.72(1H,d),7.22-7.39(2H,m),7.84-7.91(2H,m),8.64(1H,dd),11.11(1H,d).m/z:ES+[M+H]+438,440.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン(実施例10)
Figure 0007138724000076
-78℃のDCM(16.4ml)、IPA(4.1ml)及びピリジン(0.106ml、1.31mmol)中の8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン(287mg、0.66mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.056ml、0.69mmol)のジクロロメタン(3.85ml)溶液を、ゆっくりと5分かけて滴加した。反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。追加のDCM(0.55ml)中のアクリロイルクロリド(7.9μL、0.1mmol)を加え、反応物を、-78℃でさらに10分間撹拌したままにした。反応混合物を室温に温め、揮発物を減圧下で除去した。1Mアンモニアメタノール溶液(2ml)を加え、それに続いてDMSO(4ml)を加え、粗生成物を、分取HPLCにより(3×注入、Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCN(25~50%勾配)の極性が低下する混合物を溶離液として使用して精製した。純粋なフラクションを蒸発させると、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン(45.0mg、13.96%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)3.03-3.36(2H,m),3.38-3.68(1H,m),3.83-4.13(2H,m),4.42-4.61(2H,m),4.61-4.81(1H,m),4.98-5.13(1H,m),5.80(1H,d),6.38(1H,d),6.59(2H,dd),7.01(1H,dd),7.21-7.33(1H,m),7.67(1H,dt),7.75(1H,td),8.55-9.04(2H,m).m/z:ES+[M+H]+492,494.
3-ブロモ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール
Figure 0007138724000077
3-ブロモ-1H-インダゾール(5g、25.38mmol)を、DMF(100ml)中の懸濁液として窒素下で撹拌し、次いで0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(1.218g、30.45mmol)を少量ずつ加え、反応物を0℃で15分間撹拌した。(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(5.39ml、30.45mmol)を滴加し、次いで、反応物を静置して16時間かけて室温に達するようにした。反応物をNHCl(50ml)によりクエンチし、水(300ml)及び酢酸エチル(300ml)で希釈した。層を分離し、有機相を水(2×200ml)で洗浄し、相分離器カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、茶色の油を与えた。油を、ヘプタン中0~10%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製すると、3-ブロモ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール(4.33g、52.1%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)-0.00(9H,s),0.9-0.99(2H,m),3.57-3.69(2H,m),5.75(2H,s),7.26-7.37(1H,m),7.53(1H,ddd),7.62(1H,d),7.67-7.76(1H,m).
3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール
Figure 0007138724000078
3-ブロモ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール(3.80g、11.61mmol)を、脱気された1,4-ジオキサン(50ml)に溶解させ、酢酸カリウム(4.56g、46.44mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(3.83g、15.09mmol)及びPd(dppf)Cl.DCM錯体(1.7g、2.32mmol)を、窒素下で撹拌しながら加えた。次いで、反応物を80℃で16時間加熱し、次いで90℃に加熱し、さらに8時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、生じた残渣を、水(60ml)とDCM(60ml)との間で分配した。層を分離し、水性物をDCM(2×60ml)で抽出した。有機相を合わせ、相分離器カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、色の濃い残渣を与えた。残渣をDCMに溶解させ、ヘプタン中0~40%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含むフラクションを減圧下で濃縮すると、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール(2.44g、56.1%)を与え、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)0.00(9H,s),0.93(2H,d),1.50(12H,s),3.63(2H,dd),5.92(2H,s),7.32(1H,s),7.48(1H,ddd),7.70(1H,d),8.14-8.23(1H,m).
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000079
3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール(0.553g、1.48mmol)、{2’,6’-ビス[(プロパン-2-イル)オキシ][1,1’-ビフェニル]-2-イル}(ジシクロヘキシル)ホスファン(0.049g、0.11mmol)、RuPhos-Pd-G3(0.088g、0.11mmol)、炭酸カリウム(0.292g、2.11mmol)及びtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.50g、1.06mmol)を合わせた。ジオキサン(10ml)と水(2.5ml)の脱気された混合物を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で30分間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、連続的に、水(35ml)及びブライン(35ml)で洗浄し、次いで、相分離器カートリッジに通し、有機相を減圧下で濃縮した。粗製物質を、ヘプタン中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含むフラクションを合わせ、濃縮すると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.450g、66.5%)を黄色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)0.00(9H,s),0.94-0.99(2H,m),1.59(9H,s),3.13-3.35(3H,m),3.66-3.76(2H,m),3.99(1H,s),4.1-4.32(2H,m),4.59(2H,qd),5.12(1H,d),5.94(2H,s),7.31(1H,d),7.56(1H,ddd),7.63(1H,d),7.76(1H,d),8.80(1H,s).m/z:ES+[M+H]+641,643
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン
Figure 0007138724000080
2,2,2-トリフルオロ酢酸(2ml、25.96mmol)を、マイクロ波バイアル中で、THF(1.4ml)及び水(0.14ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(360mg、0.56mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を105℃で20分間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、生じた残渣をトルエン(3×5ml)と共沸した。粗生成物を、MeOHをロードしメタノールで洗浄しながらSCXカラムを使用し、イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7Mアンモニアのメタノール溶液を使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(220mg、95%)を薄茶色の泡として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.7-2.93(2H,m),3.06-3.24(3H,m),3.86-4.25(1H,m),4.53-4.78(2H,m),5.08(1H,d),7.19-7.34(1H,m),7.54(1H,ddd),7.61(1H,d),7.76(1H,d),8.70(1H,s),13.65(1H,s).1つの交換可能なNHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+411,413.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例11)
Figure 0007138724000081
-78℃のDCM(11.7ml)、IPA(4.1ml)及びピリジン(0.08ml、1.00mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(205mg、0.50mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.042ml、0.52mmol)のジクロロメタン(2.85ml)溶液をゆっくりと5分かけて滴加した。反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。追加のDCM(0.55ml)中のアクリロイルクロリド(7.9μL、0.1mmol)を加え、反応物を-78℃でさらに10分間撹拌した。反応混合物を室温に温め、DCMを減圧下で除去した。1Mアンモニアのメタノール溶液(2ml)を加え、粗生成物を、分取HPLCにより(2×注入、Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCN(25~50%勾配)の極性が低下する混合物を溶離液として使用して精製した。純粋なフラクションを蒸発させると、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(27.0mg、11.64%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.16(1H,d),3.48(2H,d),4.14-4.23(1H,m),4.29-4.58(2H,m),4.66-4.81(2H,m),4.87-5.02(1H,m),5.82(1H,dd),6.26(1H,dd),6.92(1H,s),7.2-7.29(1H,m),7.47-7.52(1H,m),7.56(1H,d),7.72(1H,d),8.71(1H,s),13.62(1H,s).m/z:ES+[M+H]+465,467.
(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)ボロン酸
Figure 0007138724000082
n-ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中1.6M、18.38ml、29.41mmol)を、THF(100ml)中の-78℃の2-ブロモ-3-メチルフェノール(2.5g、13.37mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。反応物を放置して室温に温め、この温度で2時間撹拌した。反応混合物を-78℃に冷却し、ホウ酸トリメチル(2.474ml、22.19mmol)を加え、反応物を-78℃で30分間撹拌したままにした。反応物を放置して室温に温め、この温度で16時間撹拌した。2M HCl水溶液(100ml)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。DCM(150ml)を加え、層を分離した。水性部分をDCM(150ml)で抽出し、合わせた有機部分を相分離器カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、黄色の油を与えた。ヘプタン(20ml)を加え、生じた沈殿物を濾過により回収し、DCM(10ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)ボロン酸(0.811g、39.9%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DO,30℃)2.30(3H,s),6.69(1H,t),6.81(1H,d),7.18(1H,t).3つの交換可能なOHシグナルが観察されなかった。m/z:ES-,[M-H]-151.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピリド[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
Figure 0007138724000083
(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)ボロン酸(0.305g、2.01mmol)、{2’,6’-ビス[(プロパン-2-イル)オキシ][1,1’-ビフェニル]-2-イル}(ジシクロヘキシル)ホスファン(0.049g、0.11mmol)、RuPhos-Pd-G3(0.088g、0.11mmol)、炭酸カリウム(0.438g、3.17mmol)及びtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.5g、1.06mmol)を、反応チューブ中で合わせた。ジオキサン(12ml)と水(3ml)の脱気された混合物を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で90分間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、連続的に、水(35ml)及びブライン(35ml)で洗浄し、相分離器カートリッジに通し、減圧下で濃縮した。粗製物質を、ヘプタン中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含むフラクションを蒸発させると、固体を与え、それを、キラルSFC(Phenomenex A1、30×250mm、5ミクロン、移動相:30%2-プロパノール+0.1%DEA/70%scCO、流量:90ml/分、BPR:120バール、カラム温度:40℃)により精製すると、最初に溶出するアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピリド[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10-カルボキシラート-アトロプ異性体1(165mg、62%、d.e.100%)を与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.45(9H,s),1.97(3H,s),3.05-3.2(2H,m),3.22-3.27(1H,m),3.94(1H,d),4-4.14(2H,m),4.61(2H,qd),4.85(1H,d),6.81(2H,dd),7.18(1H,t),8.59(1H,s),9.44(1H,s).m/z:ES+[M+H]+501,503.同じ化合物の2番目に溶出するアトロプ異性体、アトロプ異性体2(151mg、57%、d.e.100%)も得られた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.51(9H,s),2.00(3H,s),3.12-3.26(2H,m),3.25-3.32(1H,m),4.00(1H,d),4.10(2H,ddd),4.67(2H,d),4.91(1H,d),6.87(2H,d),7.17-7.31(1H,m),8.65(1H,s),9.50(1H,s).m/z:ES+[M+H]+501,503.
2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノール-アトロプ異性体2
Figure 0007138724000084
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピリド[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10-カルボキシラート-アトロプ異性体2(150mg、0.30mmol)をMeOH(1.6ml)中で撹拌し、次いで塩化水素(1,4-ジオキサン中4N)(1.6ml、6.40mmol)を室温で加えた。次いで、反応物を室温で1時間撹拌した。反応物を、SCXカラムを使用して、イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノール-アトロプ異性体2(91mg、76%)を薄茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.95(3H,s),2.66-2.8(2H,m),2.86-3.13(4H,m),3.82-3.98(1H,m),4.47(1H,dd),4.55(1H,dd),4.93(1H,d),6.80(2H,d),7.17(1H,t),8.55(1H,s),9.43(1H,s).m/z:ES+[M+H]+401,403.
2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノール-アトロプ異性体1
Figure 0007138724000085
2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノール-アトロプ異性体1を、前記アトロプ異性体2に類似な方法で、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピリド[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10-カルボキシラート-アトロプ異性体1を脱保護することにより調製した。アトロプ異性体1(120mg、91%)を薄茶色の固体として単離した。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.01(3H,s),2.71-2.88(2H,m),3.08(4H,dt),3.98(1H,dd),4.52(1H,dd),4.62(1H,dd),4.99(1H,d),6.81.m/z:ES+[M+H]+401,403.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例12)
Figure 0007138724000086
-78℃のDCM(5.3ml)、IPA(1.9ml)及びピリジン(0.037ml、0.45mmol)中の2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノールアトロプ異性体2(91mg、0.23mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(22μL、0.27mmol)のジクロロメタン(1.52ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。DCM(0.55ml)中のアクリロイルクロリド(7.9μL、0.1mmol)の追加のストック溶液を加え、反応物を-78℃でさらに10分間撹拌したままにした。反応混合物を室温にして、DCMを減圧下で除去した。1Mアンモニアのメタノール溶液(2ml)及びDMSO(1ml)を加え、粗生成物を、分取HPLC(2×注入、Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCN(25~50%勾配)の極性が低下する混合物を溶離液として使用して精製した。純粋なフラクションを蒸発させると、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2、実施例11、(29.9mg、29%、d.e.100%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.00(3H,s),3.08-3.23(1H,m),3.44-3.55(1H,m),4.09-4.17(1H,m),4.18-4.62(3H,m),4.67-4.74(2H,m),4.85-4.99(1H,m),5.82(1H,dd),6.25(1H,dd),6.86(2H,d),6.89-6.99(1H,m),7.19-7.29(1H,m),8.66(1H,s),9.52(1H,s).m/z:ES+[M+H]+455,457.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例13)
Figure 0007138724000087
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例13)を、2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-メチルフェノール-アトロプ異性体1から出発して、実施例12に類似な方法で調製した。実施例13を白色の固体として単離した(45mg、32%、d.e.99%)。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.02(3H,s),3.07-3.22(1H,m),3.41-3.53(1H,m),4.05-4.29(2H,m),4.29-4.61(2H,m),4.65-4.76(2H,m),4.84-4.98(1H,m),5.82(1H,dd),6.25(1H,dd),6.85(2H,d),6.89-7.03(1H,m),7.23(1H,t),8.66(1H,s),9.52(1H,s).m/z:ES+[M+H]+455,457.
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例14)
Figure 0007138724000088
DIPEA(287μl、1.65mmol)を、室温のDMA(24.5ml)中の2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール-アトロプ異性体2(222mg、0.55mmol)、HATU(250mg、0.66mmol)及び(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン酸.HCl塩(100mg、0.60mmol)に窒素下で一度に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(80ml)に注ぎ、EtOAc(3×80ml)で抽出し、ブライン(80ml)で洗浄した。有機部分をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径50mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2、実施例14、(72.0mg、25.4%、d.e.100%)を固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.17(6H,s),2.99-3.16(3H,m),3.41(1H,s),4.02-4.2(2H,m),4.23-4.54(2H,m),4.55-4.75(2H,m),4.75-4.95(1H,m),6.63-6.72(2H,m),6.76(1H,t),6.83(1H,d),7.33(1H,q),8.61(1H,s).1つの交換可能なOHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+516,518.
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例15)
Figure 0007138724000089
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1、実施例15を、2-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール-アトロプ異性体1から出発して、実施例14に類似な方法で調製した。実施例15を固体として単離した(85mg、37%、d.e.99%)。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.23(6H,s),3.02-3.25(3H,m),3.42-3.62(1H,m),4.05-4.3(2H,m),4.3-4.59(2H,m),4.63-4.79(2H,m),4.85-5.02(1H,m),6.68-6.8(2H,m),6.8-6.95(2H,m),7.40(1H,q),8.67(1H,s),10.25(1H,s).m/z:ES+[M+H]+516,518.
8-ブロモ-7-メチルイソキノリン
Figure 0007138724000090
2,2-ジエトキシエタン-1-アミン(3.77ml、25.95mmol)を、無水トルエン(14ml)中の2-ブロモ-3-メチルベンズアルデヒド(4.92g、24.72mmol)の撹拌された溶液に加え、100℃に4時間加熱した。反応混合物を室温に放冷し、次いで減圧下で濃縮した。生じた残渣をトルエン(3×15ml)と共沸して、残存水を縮合(condensation)から除いた。黄色の粗製油残渣をDCM(21ml)に溶解させ、0℃に冷却した。三塩化アルミニウム(10.88g、81.57mmol)を少量ずつ加え、生じた暗赤色の懸濁液を0℃で30分間撹拌したままにして、次いで、ゆっくりと18時間かけて室温に温めた。反応混合物を氷水に滴加し(150g、注意、非常に発泡性)、DCM(100ml)で希釈した。反応混合物を注意深く2M NaOH水溶液(約120ml)により塩基性化した。生じたエマルションを水(500ml)及びDCM(700ml)によりさらに希釈し、分液漏斗中で振とうし、1時間かけて層を分離させた。水(400ml)及びブラインを加え(400ml)、層を分離し、次いで水層をDCM-MeOH(5:2;2×500ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器カートリッジに通し、濾液を減圧下で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~40%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-ブロモ-7-メチルイソキノリン(3.30g、60.1%)を橙色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)2.64(3H,s),7.49-7.63(2H,m),7.69(1H,d),8.55(1H,d),9.67(1H,s).m/z:ES+[M+H]+222.
8-ブロモ-7-メチルイソキノリン2-オキシド
Figure 0007138724000091
メタ-クロロペルオキシ安息香酸(4.00g、17.83mmol)を、0℃のDCM(150ml)中の8-ブロモ-7-メチルイソキノリン(3.3g、14.86mmol)の撹拌された溶液に加えた。30分後、氷浴を外し、撹拌を室温で2時間続けた。反応混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(50ml)によりクエンチし、層を分離した。水性部分をDCM(3×30ml)で抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、8-ブロモ-7-メチルイソキノリン2-オキシド(3.54g、100%)を白色の固体として与え、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.57(3H,s),7.61(1H,d),7.92(1H,d),7.98(1H,d),8.17-8.26(1H,m),8.85(1H,s).m/z:ES+[M+H]+240.
8-ブロモ-1-メトキシ-7-メチルイソキノリン
Figure 0007138724000092
トリエチルアミン(2.072ml、14.87mmol)を、0℃の8-ブロモ-7-メチルイソキノリン2-オキシド(1.77g、7.43mmol)及びクロロギ酸メチル(0.574ml、7.43mmol)の撹拌されている懸濁液に加えた。反応物を、融解氷浴(melting ice bath)中で16時間撹拌したままにした。反応物を0℃に冷却し、追加のクロロギ酸メチル(0.86ml、1.5当量)及びトリエチルアミン(3.1ml、3当量)を加え、次いで反応物をさらに1.5時間室温で撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残渣をEtOAc(100ml)に溶解させ、連続的に、水(50ml)及びブライン(50ml)で洗浄した。有機部分を相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~20%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-ブロモ-1-メトキシ-7-メチルイソキノリン(1.1g、58%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)2.60(3H,s),4.10(3H,s),7.17(1H,d),7.47(1H,d),7.56(1H,d),7.94(1H,d).m/z:ES+[M+H]+254.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000093
RuPhos-Pd-G3(152mg、0.18mmol)、{2’,6’-ビス[(プロパン-2-イル)オキシ][1,1’-ビフェニル]-2-イル}(ジシクロヘキシル)ホスファン、炭酸カリウム(504mg、3.64mmol)、8-ブロモ-1-メトキシ-7-メチルイソキノリン(459mg、1.82mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(735mg、1.82mmol)を窒素下で合わせ、次いで、脱気されたジオキサン(40ml)及び脱気された水(10ml)を加えた。生じた混合物をさらに1分間脱気し、次いで窒素下で、80℃で60分間撹拌した。反応混合物を放冷し、EtOAc(125ml)で希釈し、連続的に、水(50ml)及び飽和ブライン(25ml)で洗浄した。水性部分をEtOAc(75ml)でさらに抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSOにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~70%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィー(40グラムシリカカートリッジ)により精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(793mg、82%)を茶色の泡として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.51(9H,s),2.20(3H,s),3.08-3.24(3H,m),3.55(3H,d),3.90(1H,d),4.09-4.19(2H,m),4.31-4.39(1H,m),4.43-4.55(1H,m),5.14(1H,s),6.81(1H,d),7.24(1H,d),7.59(1H,d),7.74(1H,d),7.95(1H,d),8.71(1H,s).m/z ES+[M+H]+532.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプシオマー1及びアトロプ異性体2
Figure 0007138724000094
N-クロロスクシンイミド(173mg、1.30mmol)を、室温のDMF(7ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(690mg、1.30mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を120℃で30分間撹拌した。さらなるN-クロロスクシンイミド(30mg、0.22mmol)を加え、反応物を120℃でさらに15分間撹拌したままにした。反応混合物を放冷し、次いで、反応混合物をRPカラム(150グラムC18 RF gold)にロードし、次いで、ギ酸0.1%をモディファイアーとして含む水中40~80%MeCNの勾配で溶離することにより、逆相クロマトグラフィーにより精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートを薄茶色の泡として与えた。固体をMeOH(2ml)に溶解させ、キラルSFC(Phenomenex C2、30×250mm、5ミクロン、移動相:30%MeOH+0.1%NH/70%scCO、流量:100ml/分、BPR:120バール、カラム温度:40℃、220nmでのUV)を利用して精製すると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(125mg、34%、d.e.98%)を最初に溶出するピークとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.52(9H,s),2.17(3H,s),3.03-3.24(3H,m),3.56(3H,s),3.82-4.02(1H,m),4.02-4.31(2H,m),4.39-4.6(2H,m),4.82-5.23(1H,m),7.27(1H,s),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.71(1H,s).m/z ES+[M+H]+566.2番目に溶出したピークは同じ化合物のアトロプ異性体2であることが分かった(120mg、33%、d.e.97%)。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.52(9H,s),2.17(3H,s),3.11-3.3(3H,m),3.56(3H,s),3.97(1H,s),4.06-4.25(2H,m),4.39-4.48(1H,m),4.51-4.65(1H,m),4.98-5.14(1H,m),7.27(1H,s),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.71(1H,s).m/z:ES+[M+H]+566.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1
Figure 0007138724000095
マイクロ波バイアルに、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(125mg、0.22mmol)、塩化リチウム(46.8mg、1.10mmol)、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(210mg、1.10mmol)及び無水DMF(4ml)を入れた。マイクロ波バイアルを密封し、マイクロ波中で、120℃で30分間照射した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。カラムをMeOHで洗浄し、次いで、1Mアンモニアのメタノール溶液を使用して、所望の生成物をカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(100mg、100%)を灰白色固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)2.14(3H,s),2.95(1H,s),3.07-3.19(4H,m),3.89(1H,d),4.41(1H,dd),4.52(1H,dd),5.06(1H,d),6.50(1H,d),6.93(1H,d),7.57(1H,d),7.63(1H,d),8.57(1H,s),8.65(1H,s).1つの交換可能なNHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+452,454.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2
Figure 0007138724000096
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2から出発して、前記アトロプ異性体1に類似な方法で調製した。所望のアトロプ異性体2(95mg、99%)を灰白色固体として単離した。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)2.14(3H,s),2.88-2.95(1H,m),3-3.2(4H,m),3.84-3.96(1H,m),4.40(1H,dd),4.48(1H,dd),5.07(1H,dd),6.49(1H,d),6.89(1H,d),7.56(1H,d),7.58-7.67(1H,m),8.65(1H,s),9.09(1H,s).1つの交換可能なNHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+452,454.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(実施例16)
Figure 0007138724000097
-78℃のジクロロメタン(3ml)、2-プロパノール(1ml)及びトリエチルアミン(0.031ml、0.22mmol)中の8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(0.1g、0.22mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.019ml、0.23mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を室温に温め、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄した。有機層を相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCN(25~50%の勾配)の極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(0.055g、49.1%、d.e.96%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.03(3H,s),3.01-3.13(1H,m),3.36-3.56(1H,m),4.07-4.26(2H,m),4.26-4.53(2H,m),4.53-4.69(2H,m),4.77-4.97(1H,m),5.76(1H,dd),6.20(1H,dd),6.59(1H,dd),6.81-6.98(1H,m),7.09-7.15(1H,m),7.72(2H,s),8.60(1H,s),10.89(1H,d).m/z:ES+[M+H]+506,508.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2(実施例17)
Figure 0007138724000098
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2(実施例17)を、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2から出発して、実施例16に類似な方法で調製した(95mg、0.21mmol)。実施例17(52mg、49%、d.e.95.8%)を白色の固体として単離した。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.05(3H,s),3.02-3.23(1H,m),3.50(1H,d),4-4.23(2H,m),4.29-4.57(2H,m),4.57-4.73(2H,m),4.75-4.96(1H,m),5.76(1H,dd),6.20(1H,dd),6.59(1H,d),6.8-6.98(1H,m),7.09-7.17(1H,m),7.72(2H,s),8.60(1H,s),10.89(1H,d).m/z:ES+[M+H]+506,508.
4-ブロモ-5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール
Figure 0007138724000099
亜硝酸ナトリウム(1.132g、16.41mmol)の水(6ml)溶液を、0℃の酢酸(20ml)及び水(8ml)中の3-ブロモ-4-メチルベンゼン-1,2-ジアミン(2.0g、9.95mmol)の撹拌された溶液に滴加した。生じた混合物を室温で1時間撹拌した。沈殿物を濾過により回収し、水(3×15ml)で洗浄し、50℃の真空オーブン中で乾燥させると、4-ブロモ-5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール(1.51g、72%)を茶色の固体として与え、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.51(3H,s),7.43(1H,d),7.80(1H,s),15.99(1H,s).m/z:ES+[M+H]+212,214.
4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール
Figure 0007138724000100
3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(0.774ml、8.49mmol)を、20℃のDCM(16ml)中の4-ブロモ-5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール(1.5g、7.07mmol)及び4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(0.269g、1.41mmol)に加えた。生じた混合物を還流状態で1時間撹拌した。反応混合物を放冷し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール(1.150g、54.9%)を茶色の油として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,52℃)1.6-1.7(2H,m),1.75-1.88(1H,m),2-2.2(2H,m),2.39-2.46(1H,m),2.53(3H,s),3.74-3.93(2H,m),6.15(1H,dd),7.49-7.57(1H,m),7.81(1H,d).
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000101
RuPhos-Pd-G3(152mg、0.18mmol)、{2’,6’-ビス[(プロパン-2-イル)オキシ][1,1’-ビフェニル]-2-イル}(ジシクロヘキシル)ホスファン(85mg、0.18mmol)、炭酸カリウム(504mg、3.64mmol)、4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール(540mg、1.82mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(735mg、1.82mmol)を窒素下で合わせ、脱気された1,4-ジオキサン(40ml)及び脱気された水(10ml)を加えた。生じた混合物を、窒素によりさらに1分間脱気し、次いで窒素下で80℃で90分間撹拌した。反応混合物を放冷し、次いでEtOAc(125ml)で希釈し、連続的に、水(50ml)及び飽和ブライン(25ml)で洗浄した。水性部分をEtOAc(75ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSOにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(850mg、81%)を茶色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.51(9H,d),1.68-1.91(3H,m),2.12-2.3(2H,m),2.34-2.43(3H,m),2.58(1H,dd),3.16(3H,dt),3.87(3H,ddt),4.05-4.2(2H,m),4.32-4.57(2H,m),5.10(1H,d),6.06(1H,dd),7.08-7.18(1H,m),7.45(1H,d),7.68-7.77(1H,m),8.70(1H,s).m/z:ES+[M+H]+576.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000102
N-クロロスクシンイミド(174mg、1.30mmol)を、室温のDMF(5ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(850mg、1.18mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を120℃で17時間撹拌した。反応混合物を放冷し、EtOAc(50ml)で希釈し、連続的に、水(25ml)及び飽和ブライン(25ml)で洗浄した。合わせた有機部分をMgSOにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗製の茶色の油を与えた。粗生成物を、DCM中0~8%1Mアンモニアのメタノール溶液の溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製すると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(380mg、61.2%)をゴムとして与え、それをさらに精製せずに使用した。m/z:ES+[M+H]+526、528。
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン
Figure 0007138724000103
0℃の窒素下のジクロロメタン(10ml)中のアトロプ異性体1とアトロプ異性体2の混合物としてのtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(380mg、0.72mmol)の溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(3ml、39.18mmol)を加え、反応混合物を2時間撹拌し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をメタノールに溶解させ、メタノールにより完全に洗浄しながらSCXカラムに適用し、次いで、生成物を、メタノール中1Mアンモニアを使用して溶出させた。溶媒を蒸発させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリンを、アトロプ異性体1とアトロプ異性体2の混合物として(240mg、79%)灰白色の固体として与え、それをさらに精製せずに使用した。m/z:ES+[M+H]+426、428。
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例18)及びアトロプ異性体2(実施例19)
Figure 0007138724000104
-78℃のDCM(16.4ml)、IPA(4.1ml)及びピリジン(0.091ml、1.13mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリンの溶液に、アクリロイルクロリド(0.048ml、0.59mmol)のジクロロメタン(3.4ml)溶液を加え(5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。追加のジクロロメタン(0.55ml)中のアクリロイルクロリド(7.77μL、0.096mmol)を加え、反応物を-78℃でさらに10分間撹拌したままにした。反応混合物を放置して室温に温め、揮発物を減圧下で除去した。生じた残渣をDMSO(4ml)に溶解させ、粗生成物を、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCN(5~30%の勾配)の極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(2×注入)(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により精製した。純粋なフラクションを蒸発させると、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オンを白色の固体として与えた。固体をMeOH(2ml)に溶解させ、キラルSFC(Phenomenex C1、30×250mm、5ミクロン、移動相:40%MeOH+0.1%NH/60%scCO、流量:90ml/分、BPR:120バール、カラム温度:40℃、220nmでのUV)を使用して精製すると、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例18)(11mg、8%、d.e.79%)を最初に溶出するピークとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)2.25(3H,s),3.16-3.32(1H,m),3.44-3.66(2H,m),3.93-4.08(2H,m),4.5-4.57(2H,m),4.74(2H,s),5.84(1H,dd),6.42(1H,dd),6.59(1H,dd),7.34(1H,d),7.98(1H,s),8.36(1H,s).1つの交換可能なNHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+480,482.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体2、実施例19)が、2番目に溶出したピークとして得られた(7mg、5.1%、d.e.79%)。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)2.25(3H,s),3.13(2H,s),3.40(1H,s),3.89(1H,s),4.07(1H,s),4.50(1H,s),4.62(1H,dd),4.76(1H,s),5.19(1H,d),5.84(1H,d),6.40(1H,d),6.61(1H,dd),7.35(1H,d),7.98(1H,s),8.35(1H,s).1つの交換可能なNHシグナルが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+480,482.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000105
4-ブロモ-5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール(0.257g、0.86mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.040g、0.09mmol)、炭酸カリウム(0.237g、1.72mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.347g、0.86mmol)を、ジオキサン(5ml)と水(1.5ml)の脱気された混合物中で合わせた。次いで、RuPhos Pd G3(0.072g、0.09mmol)を加え、混合物を、さらに1分間脱気した。次いで、反応物を80℃で16時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M NaCO水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.497g、100%)を茶色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.51(9H,s),1.64-1.84(4H,m),2.06-2.3(2H,m),2.55(1H,d),2.89-3.29(3H,m),3.97-4.25(3H,m),4.29-4.57(3H,m),5.11(1H,d),5.75(1H,dd),7.12(1H,d),7.30(1H,t),7.66(1H,dd),7.87(1H,s),8.72(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+579.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン
Figure 0007138724000106
N-クロロスクシンイミド(0.115g、0.86mmol)を、DMF(2.86ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.497g、0.86mmol)の撹拌された溶液に一度に加え、反応物を110℃で1時間撹拌した。次いで、追加のN-クロロスクシンイミド(0.115g、0.86mmol)を加え、反応物を110℃でさらに1時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。溶媒を真空中で除去すると、茶色のゴムを与えた。ゴムを、DCM(10ml)に溶解させ、次いでTFA(10ml)を20℃で加え、反応物を1時間撹拌した。粗生成物を、SCXカラムを使用して、イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(0.328g、89%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.02-3.21(4H,m),4.06(1H,s),4.33-4.82(2H,m),5.01(1H,s),7.44(1H,t),7.65-7.87(2H,m),7.92(1H,d),8.62(1H,s),13.41(1H,s).1×交換可能が見られなかった。m/z(ES+),[M+H]+429.
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例20)及びアトロプ異性体2(実施例21)
Figure 0007138724000107
-78℃のDCM(10ml)、2-プロパノール(2.0ml)及びトリエチルアミン(0.106ml、0.76mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(0.325g、0.76mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.072g、0.80mmol)のDCM(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を室温にして、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1%NHOHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、白色固体を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Phenomonex C4 30×250mm、5ミクロン、移動相:45%MeOH+0.1%NH/55%scCO、流量:100ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を利用して分離した。純粋なフラクションを乾燥させると(dried down)、最初に溶出するアトロプ異性体1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(12mg、36%)を与えた。1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)3.14-3.25(1H,m),3.36-3.72(2H,m),3.99-4.41(2H,m),4.44-4.66(3H,m),5.09(1H,d),5.82(1H,dd),6.29(1H,dd),6.66-6.96(1H,m),7.37(1H,t),7.72(2H,d),8.60(1H,s).1つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z(ES+),[M+H]+483.
2番目に溶出するアトロプ異性体1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(14mg、42%)も得られた。1H NMR(400MHz,MeOD,30℃)3.33-3.72(3H,m),4.05-4.41(2H,m),4.46-4.69(3H,m),5.09(1H,d),5.82(1H,dd),6.29(1H,dd),6.79-6.96(1H,m),7.33-7.47(1H,m),7.62-7.83(2H,m),8.60(1H,s).1×交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z(ES+),[M+H]+483.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000108
2-ブロモ-1-フルオロ-3-メチル-4-ニトロベンゼン(CAS 1427502-92-8;0.440g、1.88mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.070g、0.15mmol)、炭酸カリウム(0.416g、3.01mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.608g、1.50mmol)を、ジオキサン(10ml)と水(3ml)の脱気された混合物中で合わせた。次いで、RuPhos Pd G3(0.126g、0.15mmol)を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで、80℃で2時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M NaCO水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.422g、54.6%)を茶色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.50(9H,d),2.96-3.27(3H,m),3.48(3H,s),3.75-3.97(1H,m),4.29-4.59(3H,m),5.11(1H,d),6.82(1H,d),7.12-7.23(1H,m),8.04(1H,dd),8.71(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+548.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000109
N-クロロスクシンイミド(0.608g、4.55mmol)を、DMF(15.18ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(2.338g、4.55mmol)の撹拌された溶液に一度に加え、反応物を110℃で1時間撹拌した。次いで、反応物を周囲温度に冷却し、揮発物を真空中で除去すると、茶色のゴムを与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.339g、53.7%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.51(9H,s),2.34(3H,d),2.94-3.43(3H,m),3.78-4.01(1H,m),4.02-4.29(2H,m),4.36-4.65(2H,m),5.03(1H,s),7.12-7.23(1H,m),8.12(1H,dd),8.71(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+548.
tert-ブチル(8aS)-5-(3-アミノ-6-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000110
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(6-フルオロ-2-メチル-3-ニトロフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.337g、2.44mmol)を、IPA(15ml)及び水(3ml)に溶解させた。鉄(0.681g、12.20mmol)を、次いで塩化アンモニウム(0.653g、12.20mmol)を周囲温度で加えた。次いで、反応物を85℃で1時間加熱した。反応物を周囲温度に放冷し、次いで、セライトに通して濾過した。セライトを、酢酸エチル(50ml)で、次いでメタノール(50ml)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、DCM(50ml)に溶解させ、飽和NaHCO(100ml)及び飽和NaCl水溶液(100ml)で洗浄した。有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、tert-ブチル(8aS)-5-(3-アミノ-6-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.483g、117%)を茶色のゴムとして与え、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),1.91(3H,d),2.95-3.34(3H,m),3.58(2H,s),3.76-4(1H,m),4.01-4.28(2H,m),4.37-4.61(2H,m),4.87-5.08(1H,m),6.77(1H,dd),6.90(1H,t),8.69(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+571.
tert-ブチル(8aS)-5-(1-アセチル-5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000111
無水酢酸(0.047ml、0.50mmol)を、クロロホルム(20ml)中のtert-ブチル(8aS)-5-(3-アミノ-6-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.103g、0.20mmol)及び酢酸カリウム(0.049g、0.50mmol)に加えた。70℃に30分間加熱した後、18-クラウン-6(0.013g、0.05mmol)及び亜硝酸イソペンチル(0.107ml、0.80mmol)を加え、反応物を70℃で16時間撹拌した。冷却後、反応物を水で洗浄し、水性液をDCMで抽出した。合わせた有機液を濃縮し、次いで、粗生成物を、ヘプタン中0~50%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-5-(1-アセチル-5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.074g、65.2%)を灰白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.52(9H,s),2.80(3H,s),2.97-3.38(3H,m),4.06-4.28(3H,m),4.32-4.69(2H,m),4.82-5.2(1H,m),7.4-7.53(1H,m),7.80(1H,d),8.57(1H,dd),8.73(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+571.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
Figure 0007138724000112
水酸化ナトリウム(9.94ml、19.88mmol)を、THF(15ml)とMeOH(3ml)の混合物中のtert-ブチル(8aS)-5-(1-アセチル-5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.135g、1.99mmol)の撹拌された溶液に加え、反応物を1時間撹拌した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させた。粗生成物を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配でフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、ピンクがかった固体を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Phenomonex C1 3×50mm、3ミクロン、移動相:45%MeOH+0.1%NH/55%scCO、流量:2ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。フラクションを蒸発させると、最初に溶出するアトロプ異性体として、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(187mg、37%)を与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.52(9H,s),2.95-3.34(3H,m),3.83-4.03(1H,m),4.03-4.34(2H,m),4.50(1H,dd),4.59(1H,dd),5.05(1H,d),7.33(1H,t),7.60(1H,dd),7.78(1H,s),8.73(1H,s),10.31(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+529.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートの2番目に溶出したアトロプ異性体、アトロプ異性体2も得られた(180mg、36%)。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.52(9H,s),2.9-3.41(3H,m),3.82-3.98(1H,m),4-4.33(2H,m),4.44-4.63(2H,m),5.04(1H,d),7.33(1H,t),7.60(1H,dd),7.76(1H,s),8.73(1H,s),10.33(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+529.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1
Figure 0007138724000113
TFA(1ml)を、20℃のDCM(2ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(0.187g、0.35mmol)の撹拌された溶液に加え、反応物を1時間撹拌した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1(0.152g、100%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.71-2.89(2H,m),2.95-3.15(2H,m),3.87-4.21(2H,m),4.45-4.73(2H,m),4.98(1H,d),7.36-7.49(1H,m),7.69-7.86(2H,m),8.60(1H,s),13.41(1H,s).1×交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z(ES+),[M+H]+429.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2
Figure 0007138724000114
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2から出発して、前記アトロプ異性体1に類似な方法で製造した。所望のアトロプ異性体2は下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.63-2.88(3H,m),2.91-3.14(2H,m),3.8-4(1H,m),4.41-4.72(2H,m),4.95(1H,d),7.43(1H,t),7.65-7.89(2H,m),8.59(1H,s),13.40(1H,s).1×交換可能が見られなかった。m/z:ES+[M+H]+429.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例22)
Figure 0007138724000115
-78℃のジクロロメタン(5ml)、2-プロパノール(1ml)及びトリエチルアミン(0.049ml、0.35mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1(0.152g、0.35mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.034g、0.37mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を室温にして、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1%NHOHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、実施例22、1-((13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-10-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプシオマー1、(0.065g、38%)を灰白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.17(2H,s),3.35-3.56(1H,m),3.95-4.24(2H,m),4.26-4.56(1H,m),4.57-4.78(2H,m),4.77-5(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.86(1H,s),7.44(1H,t),7.67-8.01(2H,m),8.65(1H,s),13.42(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+483.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例23)
Figure 0007138724000116
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例23)を、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2から出発して、実施例22に類似な方法で調製した。実施例23は下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.36-3.55(2H,m),3.97-4.24(2H,m),4.27-4.57(2H,m),4.59-4.77(2H,m),4.78-5.01(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.7-7.07(1H,m),7.44(1H,t),7.68-7.83(2H,m),8.65(1H,s),13.41(1H,s).m/z:ES+[M+H]+483.
4-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
Figure 0007138724000117
ヨードメタン(2ml、32.13mmol)を、4-ブロモ-5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(CAS 1360962-58-8;1.834g、8.53mmol)、炭酸カリウム(2.4g、17.06mmol)及びIPA(50ml)の撹拌されている混合物に加えた。混合物を80℃で24時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。混合物をEtOAcで希釈し、生じた固体を濾去した。濾液を真空中で濃縮し、粗生成物を、DCM中0~7%MeOHの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、位置異性体の混合物を与えた。この混合物を、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)によりさらに精製した。フラクションを蒸発乾固させると、7-ブロモ-6-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(0.180g、9%)を白色の固体として与え、所望の4-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(0.195g、10%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,27℃)4.14(3H,s),7.05-7.12(1H,m),7.65(1H,dd),7.79(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+229.
tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000118
4-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(0.190g、0.83mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.039g、0.08mmol)、炭酸カリウム(0.229g、1.66mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.335g、0.83mmol)を、ジオキサン(5ml)と水(1.5ml)の脱気された混合物中で合わせた。RuPhos Pd G3(0.069g、0.08mmol)を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で16時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M NaCO水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配で、それに続いてEtOAc中10%MeOHで、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.329g、78%)を茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.51(9H,s),2.87-3.33(3H,m),3.75-3.87(1H,m),3.89(3H,s),3.99-4.25(2H,m),4.3-4.55(2H,m),5.08(1H,d),7.15-7.3(2H,m),7.41(1H,dd),7.90(1H,s),8.70(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+509.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
Figure 0007138724000119
N-クロロスクシンイミド(0.086g、0.65mmol)を、DMF(2.2ml)中のtert-ブチル(8aS)-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.329g、0.65mmol)の撹拌された溶液に一度に加え、反応物を110℃で1時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。溶媒を真空中で除去すると、茶色のゴムを与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配で、それに続いてEtOAc中10%MeOHで、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、黄色の固体を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Phenomonex A1、30×250mm、5ミクロン、移動相:45%IPA+0.1%DEA/55%scCO、流量:80ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。フラクションを乾燥させると、最初に溶出するアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(61mg、37%)を与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),2.89-3.27(3H,m),3.76-3.95(4H,m),3.99-4.31(2H,m),4.36-4.68(2H,m),5.00(1H,d),7.15-7.3(1H,m),7.38-7.57(1H,m),7.86(1H,s),8.68(1H,d).m/z(ES+),[M+H]+543.
同じ化合物の2番目に溶出したアトロプ異性体、アトロプ異性体2も単離した(58mg、35%)。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),2.85-3.4(3H,m),3.75-3.94(4H,m),4.01-4.28(2H,m),4.4-4.66(2H,m),5.00(1H,d),7.23(1H,d),7.46(1H,dd),7.88(1H,s),8.69(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+543.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2
Figure 0007138724000120
TFA(0.5ml)を、20℃のDCM(1ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプシオマー2(0.058g、0.11mmol)の撹拌された溶液に加えた。反応物を1時間撹拌したままにした。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(0.043g、91%)を黄色の固体として与えた。m/z(ES+)、[M+H]+443。
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1
Figure 0007138724000121
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプシオマー1から出発して、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2に類似な方法で調製し、下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.63-2.88(3H,m),2.91-3.14(2H,m),3.8-4(1H,m),4.41-4.72(2H,m),4.95(1H,d),7.43(1H,t),7.65-7.89(2H,m),8.59(1H,s),13.40(1H,s).1×交換可能が見られなかった。m/z:ES+[M+H]+429.
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例24)
Figure 0007138724000122
-78℃のジクロロメタン(1ml)、2-プロパノール(0.2ml)及びトリエチルアミン(0.014ml、0.10mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2(0.043g、0.10mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(9.23mg、0.10mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を室温にして、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1%NHOHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2、実施例24、(0.026g、53.9%)を灰白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.34-3.57(2H,m),3.90(3H,s),4.03-4.23(2H,m),4.26-4.55(2H,m),4.59-4.75(2H,m),4.78-4.99(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.61-6.99(1H,m),7.24-7.43(1H,m),7.76(1H,dd),8.23(1H,s),8.63(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+497.
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例25)
Figure 0007138724000123
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例25)を、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1から出発して、実施例24に類似な方法で調製した。実施例25は下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)3.35-3.55(2H,m),3.90(3H,s),4.01-4.24(2H,m),4.25-4.56(2H,m),4.56-4.77(2H,m),4.78-5.01(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.69-7.04(1H,m),7.22-7.52(1H,m),7.76(1H,dd),8.22(1H,s),8.63(1H,s).m/z:ES+[M+H]+497.
2-ブロモ-3-フルオロ-6-ニトロアニリン
Figure 0007138724000124
トリエチルアミン(8.87ml、63.63mmol)を、周囲温度のDMF(35ml)中の2-ブロモ-1,3-ジフルオロ-4-ニトロベンゼン(CAS 103977-78-2;5.05g、21.21mmol)及び炭酸アンモニウム(2.04g、21.21mmol)の撹拌されている懸濁液に加え、反応物を18時間撹拌した。次いで、水(100ml)を加え、混合物をDCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機液を、水(3×100ml)、ブライン(100ml)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、2-ブロモ-3-フルオロ-6-ニトロアニリン(5.35g、107%)を黄色の固体として与え、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)6.55(1H,dd),6.90(2H,s),8.21(1H,dd).m/z:ES+[M+H]+233.
tert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000125
2-ブロモ-3-フルオロ-6-ニトロアニリン(0.538g、2.29mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.107g、0.23mmol)、炭酸カリウム(0.633g、4.58mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.926g、2.29mmol)を、ジオキサン(10ml)と水(3.0ml)の脱気された混合物中で合わせた。RuPhos Pd G3(0.192g、0.23mmol)を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で16時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M NaCO水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.850g、72.1%)を茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.50(9H,d),2.86-3.32(3H,m),3.76-3.98(1H,m),4-4.26(2H,m),4.27-4.55(2H,m),4.92-5.23(1H,m),6.31(2H,d),6.52-6.67(1H,m),6.85-6.97(1H,m),8.31(1H,dd),8.70(1H,d).m/z(ES+),[M+H]+515.
tert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000126
N-クロロスクシンイミド(0.108g、0.81mmol)を、DMF(2.69ml)中のtert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.415g、0.81mmol)の撹拌された溶液に一度に加え、反応物を110℃で1時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。溶媒を真空中で除去すると、茶色のゴムを与えた。粗生成物を、水(1%NHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.105g、23.71%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),2.77-3.41(3H,m),3.73-4.34(3H,m),4.37-4.62(2H,m),5.04(1H,s),6.17(2H,d),6.62(1H,ddd),8.36(1H,dd),8.71(1H,d).m/z(ES+),[M+H]+549
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-5-(2,3-ジアミノ-6-フルオロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000127
tert-ブチル(8aS)-5-(2-アミノ-6-フルオロ-3-ニトロフェニル)-6-クロロ-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.187g、0.34mmol)を、IPA(3ml)及び水(0.5ml)に溶解させた。鉄(0.095g、1.70mmol)を、次いで塩化アンモニウム(0.091g、1.70mmol)を周囲温度で加えた。次いで、反応物を85℃で1時間加熱した。反応物を周囲温度に冷却し、次いでセライトに通して濾過した。セライトを酢酸エチル(100ml)で洗浄し、合わせた濾液を飽和NaHCO水溶液(100ml)で、次いで飽和NaCl(100ml)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-5-(2,3-ジアミノ-6-フルオロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.177g、100%)を、黄色の固体として、アトロプ異性体の混合物として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.53(9H,d),2.91-3.36(5H,m),3.47(2H,d),3.73-4.03(1H,m),3.99-4.29(2H,m),4.35-4.68(2H,m),4.78-5.17(1H,m),6.55(1H,t),6.68-6.86(1H,m),8.70(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+519.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプシオマー1及びアトロプ異性体2
Figure 0007138724000128
水(0.5ml)中の亜硝酸ナトリウム(0.038g、0.55mmol)を、8℃の酢酸(2ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-5-(2,3-ジアミノ-6-フルオロフェニル)-4-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.177g、0.34mmol)の撹拌された溶液に滴加した。反応物を静置して周囲温度に温め、さらに1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をDCM(50ml)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)で洗浄した。有機層を相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮すると、茶色の固体を与えた。残渣をMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Chiralpak ID、30×250mm、5ミクロン、移動相:30%MeOH+0.1%NH/70%scCO、流量:90ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。生成物を含むフラクションを蒸発させると、最初に溶出するアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(43mg、27%)を与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.52(9H,s),2.82-3.19(3H,m),3.82-4.03(1H,m),4.04-4.44(3H,m),4.57(1H,dd),5.22(1H,d),7.23(1H,d),8.14(1H,dd),8.24(1H,s).1つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z(ES+),[M+H]+530.
2番目に溶出したアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2(38mg、24%)を、やはりSFC精製から単離した。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.52(9H,s),2.93-3.44(3H,m),3.66(1H,s),3.8-4.24(3H,m),4.47(2H,s),7.22(1H,d),8.13(1H,dd),8.28(1H,s).1×交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z(ES+),[M+H]+530.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1
Figure 0007138724000129
TFA(0.5ml)を、20℃のDCM(1ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(0.043g、0.08mmol)の撹拌された溶液に加えた。反応物を1時間撹拌したままにした。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1(0.033g、95%)を黄色の固体として与えた。m/z(ES+)、[M+H]+430。
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2
Figure 0007138724000130
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2から出発して、前記アトロプ異性体1に類似な方法で調製した。所望の生成物は下記を示した:m/z:ES+[M+H]+430。
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例26)
Figure 0007138724000131
-78℃のDCM(1ml)、2-プロパノール(0.2ml)及びTEA(10.70μl、0.08mmol)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1(0.033g、0.08mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(7.30mg、0.08mmol)のDCM(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を室温にして、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1%NHOHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、88mgの白色固体(ギ酸塩)を与えた。この固体をDCM(25ml)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(25ml)と共に2時間撹拌した。有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、実施例26、1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン、(7.5mg、20.19%)を灰白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)2.72-3.26(3H,m),3.26-3.47(1H,m),3.69-4.2(2H,m),4.22-4.86(3H,m),5.03-5.42(1H,m),5.82(1H,d),6.38(1H,d),6.58(1H,t),8.12(1H,s),8.31(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+484.
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例27)
Figure 0007138724000132
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例27)を、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2から出発して、実施例26に類似な方法で調製した。実施例27は下記を示した:1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)3.08-3.75(4H,m),3.82-4.08(2H,m),4.28-4.6(3H,m),4.6-4.94(1H,m),5.85(1H,d),6.43(1H,d),6.49-6.67(1H,m),8.13(1H,dd),8.38(1H,s).1×交換可能が見られなかった。m/z:ES+[M+H]+484
8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン
Figure 0007138724000133
2,2-ジエトキシエタン-1-アミン(6.07ml、41.77mmol)を、無水トルエン(20ml)中の2-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒド(CAS 891180-59-9;8.479g、41.77mmol)の撹拌された溶液に加え、混合物を100℃で18時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に放冷し、真空中で濃縮した。粗製の残渣をDCM(30ml)に溶解させ、0℃に冷却した。三塩化アルミニウム(18.38g、137.83mmol)を少量ずつ加え、生じた暗赤色の懸濁液を、0℃で30分間撹拌したままにし、次いで、1時間かけてゆっくりと周囲温度に温め、16時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、DCMで希釈した。反応混合物を2M NaOH水溶液により塩基性化し、相を分離した。水相をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を相分離器カートリッジに通し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、0~40%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むフラクションを真空中で濃縮すると、8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン(2.23g、23.6%)を茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)7.52(1H,t),7.64(1H,d),7.81(1H,dd),8.62(1H,d),9.63(1H,s).m/z:ES+[M+H]+228.
8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン2-オキシド
Figure 0007138724000134
mCPBA(0.523g、2.34mmol)を、周囲温度のDCM(10ml)中の8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン(0.44g、1.95mmol)の撹拌された溶液に加え、反応物を2時間撹拌した。混合物をDCM(100ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×100ml)で洗浄した。有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン2-オキシド(0.466g、99%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)7.38(1H,dd),7.66(1H,d),7.76(1H,dd),8.16(1H,dd),9.09-9.2(1H,m).m/z:ES+[M+H]+242.
8-ブロモ-7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン
Figure 0007138724000135
トリエチルアミン(0.924ml、6.63mmol)を、8-ブロモ-7-フルオロイソキノリン2-オキシド(0.802g、3.31mmol)及びクロロギ酸メチル(0.333ml、4.31mmol)の0℃の撹拌されている懸濁液に加えた。反応物を一晩周囲温度で撹拌したままにした。さらなるクロロギ酸メチル(0.333ml、4.31mmol)及びトリエチルアミン(0.924ml、6.63mmol)を加え、反応物をさらに2時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、残渣をDCM(50ml)に溶解させ、水(50ml)で洗浄し、次いでブライン(50ml)で洗浄した。有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~25%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-ブロモ-7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン(0.386g、45.5%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)4.11(3H,s),7.21(1H,d),7.42(1H,dd),7.67(1H,dd),7.99(1H,d).m/z:ES+[M+H]+258.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000136
8-ブロモ-7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン(0.251g、0.98mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.046g、0.10mmol)、炭酸カリウム(0.271g、1.96mmol)及び[(8aS)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.396g、0.98mmol)を、ジオキサン(5ml)と水(1.5ml)の脱気された混合物中で合わせた。RuPhos Pd G3(0.082g、0.10mmol)を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で2時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M NaCO水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、ヘプタン中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.525g、100%)を茶色のゴムとして与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.51(9H,s),2.89-3.32(3H,m),3.64(3H,d),3.76-3.98(1H,m),3.99-4.25(2H,m),4.31-4.57(2H,m),5.13(1H,s),6.94(1H,d),7.28(1H,d),7.52(1H,t),7.85(1H,dd),8.01(1H,d),8.70(1H,s).m/z:ES+[M+H]+536.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
Figure 0007138724000137
N-クロロスクシンイミド(0.137g、1.03mmol)を、DMF(4ml)中のtert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.525g、0.98mmol)の撹拌された溶液に一度に加え、反応物を120℃で30分間撹拌した。反応物を周囲温度に冷却し、溶媒を真空中で除去すると、茶色のゴムを与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~70%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、黄色の固体を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Chiralpak IG、30×250mm、5ミクロン、移動相:45%MeOH+0.1%NH/65%scCO、流量:100ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。生成物を含むフラクションを蒸発させると、最初に溶出するアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(132mg、23%)を与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.52(9H,s),3-3.3(3H,m),3.63(3H,s),3.97(1H,s),4.16(2H,s),4.37-4.63(2H,m),5.08(1H,d),7.31(1H,s),7.56(1H,t),7.90(1H,dd),8.02(1H,d),8.71(1H,s).m/z:ES+[M+H]+570.2番目に溶出したアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2(245mg、42%)もSFC精製から単離した。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)1.51(9H,s),3.05-3.42(3H,m),3.63(3H,s),3.83-4.04(1H,m),4.05-4.32(2H,m),4.38-4.69(2H,m),5.03(1H,s),7.30(1H,d),7.56(1H,t),7.90(2H,dd),8.02(1H,d),8.71(1H,s).ES+[M+H]+570.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1
Figure 0007138724000138
マイクロ波バイアルに、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(132mg、0.23mmol)、塩化リチウム(49.1mg、1.16mmol)、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(220mg、1.16mmol)及び無水DMF(4ml)を入れた。マイクロ波バイアルを密封し、マイクロ波中で、120℃で30分間照射した。粗生成物を、SCXカラム(10g)を使用し、MeOH中にロードしてイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。カラムをMeOHで洗浄し、次いで、所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-((13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-1,2,3,4,13,13a-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10-イル)-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(106mg、100%)を灰白色固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl3,30℃)2.84-3.21(5H,m),3.47(1H,s),3.78-4.01(1H,m),4.36(1H,dd),4.51(1H,dd),5.06(1H,d),6.50(1H,d),6.91(1H,d),7.51(1H,t),7.66(1H,dd),8.65(1H,s).1つの交換可能なプロトンが観察されなかった。m/z:ES+[M+H]+456.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2
Figure 0007138724000139
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2(151mg、77%)、灰白色固体を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(7-フルオロ-1-メトキシイソキノリン-8-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2から出発して、前記の記載された対応するアトロプ異性体1に類似な方法で調製した。所望のアトロプ異性体2は下記を示す:1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)2.89-3.21(5H,m),3.78-4.01(1H,m),4.32-4.57(2H,m),5.06(1H,d),6.51(1H,d),6.95(1H,d),7.52(1H,t),7.67(1H,dd),8.65(1H,s).2×交換可能なHが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+456.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(実施例28)
Figure 0007138724000140
-78℃のジクロロメタン(3ml)、2-プロパノール(1ml)及びトリエチルアミン(0.032ml、0.23mmol)中の8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(0.106g、0.23mmol)の溶液に、アクリロイルクロリド(0.022g、0.24mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を加え(ゆっくりと5分かけて滴加)、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。反応混合物を周囲温度にして、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機層を相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(1%NHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物、実施例28を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体1(0.066g、55.7%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.94-3.14(2H,m),3.99-4.22(3H,m),4.23-4.52(1H,m),4.52-4.75(2H,m),4.74-5(1H,m),5.75(1H,dd),6.18(1H,dd),6.68(1H,d),6.86(1H,s),7.19(1H,d),7.78(1H,t),7.93(1H,dd),8.60(1H,s).m/z:ES+[M+H]+510.
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2(実施例29)
Figure 0007138724000141
実施例29、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2、(0.083g、49%)白色固体を、8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン-アトロプ異性体2から出発して、実施例28に類似の方法で調製した。実施例29は下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.93-3.2(1H,m),3.35-3.58(2H,m),4.02(1H,d),4.09-4.75(4H,m),4.86(1H,dd),5.75(1H,dd),6.19(1H,dd),6.68(1H,d),6.76-7.02(1H,m),7.19(1H,d),7.79(1H,t),7.94(1H,dd),8.61(1H,s),11.01(1H,s).m/z:ES+[M+H]+510.
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2
Figure 0007138724000142
Pd118(0.086g、0.13mmol)を、ジオキサン(15ml)と2M炭酸ナトリウム水溶液(2.90ml、5.81mmol)の混合物中の(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(CAS 1245816-10-7;0.418g、2.37mmol)及びtert-ブチル(S)-10-ブロモ-11-クロロ-9-フルオロ-3,4,13,13a-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2(1H)-カルボキシラート(0.5g、1.06mmol)の脱気された懸濁液に加えた。反応混合物を100℃で2時間撹拌した。冷却された反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、2M NaCO水溶液(2×30ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗製物質を、ヘプタン中0~100%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、黄色の固体を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Phenomenex C1、30×250mm、5ミクロン、移動相:40%MeOH+0.1%NH/60%scCO、流量:100ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。生成物を含むフラクションを蒸発させると、最初に溶出するアトロプ異性体tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1(58mg、49%)を灰白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.51(9H,s),2.23(3H,s),2.95-3.37(3H,m),3.74-4.01(1H,m),4.16(2H,s),4.36-4.69(2H,m),5.04(1H,d),7.36(1H,d),7.50(1H,d),7.58(1H,s),8.71(1H,s),10.83(1H,s).m/z:ES+[M+H]+525.
同じ化合物の2番目に溶出したアトロプ異性体、アトロプ異性体2(34mg、29%)も灰白色固体として単離した。1H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.51(9H,s),2.23(3H,s),2.98-3.4(3H,m),3.95(1H,d),4.17(2H,s),4.42-4.68(2H,m),5.05(1H,d),7.38(1H,d),7.51(1H,d),7.60(1H,s),8.72(1H,s),10.34(1H,s).m/z:ES+[M+H]+525.
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2
Figure 0007138724000143
tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体2(0.151g、0.29mmol)の0℃の窒素下のジクロロメタン(2ml)溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(1ml、13.06mmol)を加え、反応混合物を2時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣をメタノールに溶解させ、メタノールにより完全に洗浄しながら5g SCXカラムに適用し、次いで生成物を、メタノール中1Mアンモニアを使用して溶出させた。溶媒を蒸発させると、(13aS)-11-クロロ-9-フルオロ-10-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-1,2,3,4,13,13a-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2(0.122g、100%)を灰白色の固体として与えた。m/z:ES+[M+H]+425。
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1
Figure 0007138724000144
(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1(0.116g、100%)、灰白色固体を、tert-ブチル(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート-アトロプ異性体1から出発して、前記の対応するアトロプ異性体2に類似の方法で製造した。生成物は下記を示した:m/z:ES+[M+H]+425。
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2(実施例30)
Figure 0007138724000145
DIPEA(150μL、0.86mmol)を、周囲温度のDMA(1.2ml)中の(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体2(122mg、0.29mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(131mg、0.34mmol)及び(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン酸.HCl塩(52.3mg、0.32mmol)に一度に加えた。生じた溶液を1時間撹拌した。反応混合物を水(10ml)に注ぎ、EtOAc(2×25ml)で抽出し、ブライン(20ml)で洗浄し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、水(0.1%NHを含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径50mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、実施例30、(79mg、51%)、(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体2を、白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30℃)2.14(3H,s),2.17(6H,s),3.03-3.09(3H,m),3.38-3.53(2H,m),3.92-4.21(2H,m),4.22-4.42(1H,m),4.43-4.56(1H,m),4.56-4.76(2H,m),4.75-4.97(1H,m),6.42-6.78(2H,m),7.37(1H,d),7.5-7.65(2H,m),8.63(1H,s).m/z:ES+[M+H]+536.
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例31)
Figure 0007138724000146
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン-アトロプ異性体1(実施例31)(68mg、47%)、白色固体を、(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-アトロプ異性体1から出発して、実施例30に類似の方法で調製した。実施例31は下記を示した:1H NMR(400MHz,DMSO,100℃)2.17(3H,s),2.21(6H,s),3.27-3.61(5H,m),4.03-4.28(3H,m),4.34(1H,d),4.60(1H,dd),4.69(1H,dd),4.78-4.94(1H,m),6.5-6.78(2H,m),7.36(1H,d),7.50(1H,s),7.57(1H,d),8.62(1H,s).m/z:ES+[M+H]+536.
メチルN-ベンジル-D-アラニナート
Figure 0007138724000147
水素化ホウ素ナトリウム(27.1g、716.44mmol)を、メチルD-アラニナート塩酸塩(25g、179.11mmol)、ベンズアルデヒド(18.15ml、179.11mmol)及びトリエチルアミン(49.9ml、358.22mmol)の0℃のMeOH(250ml)溶液に少量ずつ加えた。生じた溶液を25℃で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NHCl(200ml)によりクエンチし、DCM(3×100ml)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾液を蒸発乾固させた。粗生成物を、石油エーテル中10~30%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチルN-ベンジル-D-アラニナート(15g、43%)を無色の油として与えた。1H NMR(300MHz,CDCl,30C)1.35(3H,d),2.07(1H,s),3.32-3.47(1H,m),3.69(1H,d),3.75(3H,s),3.82(1H,d),7.29-7.43(5H,m).m/z:ES+[M+H]+=194.
メチル(3R)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート
Figure 0007138724000148
2-メチルプロピルカルボノクロリダート(0.848g、6.21mmol)を、0℃のTHF(4ml)中の(2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-メトキシ-4-オキソブタン酸(1.407g、5.69mmol)及びN-メチルモルホリン(0.628g、6.21mmol)にゆっくりと加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。メチルN-ベンジル-D-アラニナート(1g、5.17mmol)のTHF(4ml)溶液を加え、反応物を一晩撹拌した。反応混合物を水(50ml)でクエンチし、EtOAc(3×20ml)で抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物を、石油エーテル中0~40%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチル(3R)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(0.52g、24%)を無色の液体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30C)11.39(9H,s),1.47(3H,s),2.62(1H,dd),2.72(1H,dd),3.54(1H,s),3.67(3H,s),3.68(3H,s),4.25(1H,d),4.75(2H,s),4.98(1H,s),7.37(5H,d).m/z:ES+[M+H]+=423.
メチル[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート
Figure 0007138724000149
TFA(1ml)を、メチル(3R)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(500mg、1.18mmol)の室温のDCM(5ml)溶液に加えた。生じた溶液を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣を飽和炭酸ナトリウムに懸濁させ、4時間撹拌し、次いでDCMで抽出して、蒸発させた。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~40%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、メチル[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(330mg、96%)を黄色の油として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30C)1.51(3H,d),2.87(1H,dd),3.27(1H,dd),3.77(3H,s),3.97(1H,m),4.11(1H,d),4.50(1H,dd),5.26(1H,d),7.28-7.46(5H,m),7.65(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=291.
2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール
Figure 0007138724000150
水素化アルミニウムリチウム水素化物(hydride)(2.56g、67.51mmol)を、0℃のTHF(50ml)中のメチル[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(2.45g、8.44mmol)に少量ずつ加えた。生じた懸濁液を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温のDCMで希釈し、水(2.56ml)及び15%NaOH(7.68ml)によりクエンチし、次いで濾過し、蒸発させると、2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(1.8g、91%)を無色の油として与えたが、静置すると凝固した。1H NMR(400MHz,CDCl,30C)1.08(1H,d),1.15(3H,d),1.45-1.53(2H,m),1.68-1.81(1H,m),2.17-2.27(1H,m),2.54-2.65(1H,m),2.65-2.73(1H,m),2.87-2.98(2H,m),3.10(1H,d),3.72-3.79(2H,m),4.12(1H,d),7.29-7.36(5H,m).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=235.
5-{2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-8-フルオロキナゾリン-4-オール
Figure 0007138724000151
水素化ナトリウム(0.888g、22.19mmol)を、25℃のTHF(40ml)中の2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(1.3g、5.55mmol)に少量ずつ加えた。生じた懸濁液を室温で30分間撹拌した。次いで、7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(2.172g、8.32mmol)を加え、生じた混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を水(1ml)によりクエンチし、蒸発乾固させた。粗生成物を、水(0.1%TFA)中0~30%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、5-{2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.8g、68%)を黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDCl,30C)1.28(3H,d),1.35(1H,q),1.92(1H,d),2.56(2H,dq),2.73-3.04(2H,m),3.18(2H,dd),3.51(2H,s),3.75-4.00(1H,m),4.18-4.45(2H,m),6.84(1H,d),7.27-7.38(5H,m),8.51(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=475.
(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン
Figure 0007138724000152
テトラクロロメタン(1.827ml、18.93mmol)を、25℃のDCE(0.5ml)中の5-{2-[(2R,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.8g、3.79mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.98g、11.36mmol)に加えた。生じた混合物を80℃で4時間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~20%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(1.6g、92%)を茶色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)0.93-1.36(3H,m),1.55-2.37(2H,m),2.65-3.26(3H,m),3.34-3.69(2H,m),3.73-4.82(5H,m),7.17(3H,s),7.30(3H,s),7.43(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=457.
(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン
Figure 0007138724000153
N-クロロスクシンイミド(657mg、4.92mmol)を、25℃のMeCN(10ml)中の(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(750mg、1.64mmol)に加えた。生じた混合物を60℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水中0~40%MeOHの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(550mg、68%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)1.56(3H,td),1.85-1.94(2H,m),2.92-3.33(2H,m),3.47-4.47(7H,m),4.73(1H,s),7.26-7.73(5H,m),8.80(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=491.
2-[(6aR,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体1及び2
Figure 0007138724000154
RuPhos-Pd-G3(85mg、0.10mmol)を、1,4-ジオキサン/水(10ml)(4:1の比率)中の(6aR,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(500mg、1.02mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(396mg、2.54mmol)、炭酸カリウム(422mg、3.05mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(47.4mg、0.10mmol)の溶液に窒素下で加えた。生じた混合物を100℃で30分間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。粗生成物を、石油エーテル中0~60%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、2-[(6aR,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノールのアトロプ異性体1(65.0mg、12.22%)を薄黄色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,CDOD,30C)0.97-1.07(3H,m),1.16-1.22(3H,m),1.64-1.76(1H,m),2.77-2.87(1H,m),3.06-3.19(1H,m),3.36-3.53(2H,m),3.84-3.93(1H,m),4.03-4.62(3H,m),6.68-6.82(2H,m),7.17-7.50(7H,m),8.38(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=523.これに続いて、2-[(6aR,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノールのアトロプ異性体2(55mg、10%)が薄黄色の生成物として得られた。1H NMR(400MHz,CDOD,30C)1.19(3H,d),1.75-1.92(1H,m),2.30-2.46(3H,m),2.78-2.86(1H,m),3.09-3.13(1H,m),3.44-3.57(1H,m),3.79-3.98(4H,m),4.23-4.57(1H,m),6.68-6.81(2H,m),7.21-7.42(7H,m),8.48(1H,s).1つの交換可能なプロトンが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=523.
2-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体2
Figure 0007138724000155
THF(5ml)中の2-[(6aR,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体2(50mg、0.10mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.111ml、0.48mmol)及び10%パラジウムカーボン(20.35mg、0.02mmol)を、1気圧の水素の雰囲気下で、室温で1時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で除去した。反応混合物をMeOH(5ml)で希釈し、1,4-ジオキサン中4M HCl(2ml、8mmol)を加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、2-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体2(40mg、97%)を薄黄色の固体として与えた。生成物を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。m/z:ES+[M+H]+=433。
1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン アトロプ異性体2、実施例32
Figure 0007138724000156
アクリロイルクロリド(8.36mg、0.09mmol)のDMF(1ml)溶液を、0℃のDMF(2.000ml)中の2-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体2(40mg、0.09mmol)及びDIPEA(0.032ml、0.18mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%TFA)中の0~40%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン、アトロプ異性体2、(実施例32)(17mg、37%)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)1.13-1.22(3H,m),1.98(1H,dd),2.20-2.38(1H,m),3.41-3.69(2H,m),3.88-4.33(3H,m),4.45-4.52(1H,m),4.53-5.07(2H,m),5.74(1H,d),6.18(1H,d),6.75-6.87(3H,m),7.34(1H,q),8.45(1H,s),10.19(1H,s).m/z:ES+[M+H]+=487.
2-((3S,14aR)-11-クロロ-9-フルオロ-3-メチル-1,3,4,13,14,14a-ヘキサヒドロ-2H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-10-イル)-3-フルオロフェノール アトロプ異性体1
Figure 0007138724000157
THF(5ml)中の2-[(6aR,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(55mg、0.11mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.122ml、0.53mmol)及び10%パラジウムカーボン(22.38mg、0.02mmol)を、水素の雰囲気下で(under one atmosphere of hydrogen)室温で1時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で除去した。反応混合物をMeOH(5ml)で希釈し、1,4-ジオキサン中4M HCl(2ml、8mmol)を加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、2-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体1(40mg、88%)を薄黄色の固体として与えた。生成物を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。m/z:ES+[M+H]+=433。
1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン アトロプ異性体1、実施例33
Figure 0007138724000158
アクリロイルクロリド(8.36mg、0.09mmol)のDMF(1ml)溶液を、0℃のDMF(2.000ml)中の2-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール アトロプ異性体1(40mg、0.09mmol)及びDIPEA(0.032ml、0.18mmol)の撹拌された溶液中に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した。粗生成物を、水(0.1%TFA)中0~30%MeCNの溶離勾配で、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(25mg、56%)アトロプ異性体1(実施例33)を白色の固体として与えた。1H NMR(400MHz,DMSO,30C)1.17(3H,d),1.98-2.05(1H,m),2.24-2.34(1H,m),3.52-3.77(2H,m),3.93-4.38(3H,m),4.48-5.09(3H,m),5.76(1H,d),6.18(1H,d),6.77-6.89(3H,m),7.37(1H,q),8.55(1H,s).1つの交換可能なものが見られなかった。m/z:ES+[M+H]+=487.
7-ブロモ-4-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン
Figure 0007138724000159
オキサリルジクロリド(2.74ml、31.26mmol)を、室温のDCM(150ml)中の7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(2.04g、7.82mmol)及びDMF(0.030ml、0.39mmol)の撹拌されている懸濁液に加えた。生じた混合物を室温で2日間撹拌した。さらなるオキサリルジクロリド(1.0ml)を加え、懸濁液を室温でさらに24時間撹拌した。反応混合物を蒸発させると粗生成物を与えたが、LCMSにより約30%の出発物質をまだ含んでいたので、混合物をDCM(150ml)に懸濁させ、オキサリルジクロリド(2.74ml、31.26mmol)を加え、生じた混合物を室温でさらに24時間撹拌した。生じた溶液を蒸発させると、粗生成物を、黄色の固体、2.1gとして与え、それをさらに精製せずに使用した。
tert-ブチル4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000160
DIPEA(5.24ml、30.06mmol)を、室温のMeCN(100ml)中のtert-ブチル3-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(1.73g、7.51mmol)及び7-ブロモ-4-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン(2.1g、7.51mmol)の撹拌されている混合物に加えた。生じた溶液を室温で3時間撹拌し、約30分後に懸濁液が生じた。沈殿物を濾過により回収し、MeCN(3×20ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、所望の生成物、2.64gを与えた。一晩静置して、2番目の収穫の所望の生成物、300mgを単離すると、tert-ブチル4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(2.94g、83%)を白色の固体として与え、それをさらに精製せずに使用した。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.43(9H,s),1.71-1.82(2H,m),2.86(1H,s),3.18(1H,s),3.37-3.51(2H,m),3.72(1H,d),3.97(2H,d),4.36(1H,s),4.70(1H,s),7.75(1H,dd),8.62(1H,s)OHは観察されなかった、m/z(ES+),[M+H]+473,475.
tert-ブチル2-ブロモ-1-フルオロ-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート
Figure 0007138724000161
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(6.2ml、6.21mmol、1M THF溶液)を、室温のNMP(100ml)中のtert-ブチル4-(7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-3-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(2.94g、6.21mmol)の撹拌されている懸濁液に、窒素下で加えた。生じた溶液を100℃で45分間撹拌した。反応混合物を放冷し、水(100ml)で希釈し、エーテル(3×200ml)で抽出し、有機層を合わせ、飽和ブライン(2×150ml)で洗浄し、MgSOにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。これをDCM(3ml)及びMeOH(0.5ml)に懸濁させ、固体を濾過により回収し、DCM(2ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、tert-ブチル2-ブロモ-1-フルオロ-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(0.854g、30%)をクリーム色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.57(9H,s),2.01-2.16(1H,m),2.23-2.35(1H,m),3.34-3.53(2H,m),3.68-3.86(2H,m),3.91-4.11(2H,m),4.32(1H,t),4.54(1H,dd),4.81(1H,s),7.40(1H,d),8.59(1H,s),m/z(ES+),[M+H]+453,455.
tert-ブチル1-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート
Figure 0007138724000162
[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(155mg、0.189mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.45g、5.69mmol)、及び酢酸カリウム(373mg、3.8mmol)を、ジオキサン(45ml)中のtert-ブチル2-ブロモ-1-フルオロ-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(861mg、1.9mmol)の撹拌及び脱気された溶液に窒素下で加えた。生じた混合物を90℃で17時間撹拌した。反応混合物を放冷し、蒸発させ、EtOAc(150ml)と水(75ml)/飽和ブライン(50ml)との間で分配し、混合物をセライトに通して濾過し、有機層を分離し、MgSOにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物、tert-ブチル1-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(2.3g)を与え、それをさらに精製せずに使用した、m/z(ES+)、[M+H]+501。
tert-ブチル1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート
Figure 0007138724000163
RuPhos Pd G3(159mg、0.19mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(89mg、0.19mmol)及び炭酸カリウム(525mg、3.80mmol)を、ジオキサン(20ml)及び水(5ml)中の8-ブロモ-1-メトキシ-7-メチルイソキノリン(479mg、1.90mmol) tert-ブチル1-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(1.9mmol)の撹拌及び脱気された溶液に加え、混合物を窒素により置換し(5サイクル)、80℃で90分間撹拌した。反応混合物を放冷し、EtOAc(75ml)で希釈し、水(50ml)/飽和ブライン(50ml)で洗浄し、水層をEtOAc(75ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSOにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~70%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(619mg、60%)を薄茶色の泡として与えた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.50(9H,s),1.65-1.77(1H,m),1.95-2.1(3H,m),2.22(3H,d),3.4-3.57(5H,m),3.64-3.78(2H,m),3.95-4.07(1H,m),4.22(1H,t),4.38(1H,dt),6.81-6.86(1H,m),7.24(1H,d),7.59(1H,dd),7.73(1H,d),7.95(1H,dd),8.63(1H,s).m/z(ES+),[M+H]+546.
tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート
Figure 0007138724000164
1-クロロピロリジン-2,5-ジオン(167mg、1.25mmol)を、室温のDMF(6ml)中のtert-ブチル1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(619mg、1.13mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた溶液を120℃で1時間撹拌した。反応混合物を放冷し、水(25ml)で希釈し、EtOAc(75ml)に抽出し、飽和ブライン(50ml)で洗浄した。有機層を相分離カートリッジにより乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、ヘプタン中0~80%EtOAcの溶離勾配で、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラート(485mg、74%)を薄黄色のゴムとして与えた。Chiralpak IC、30×250mm、5ミクロンカラム、移動相45%MeOH+0.1%NH/55%scCO、流量90ml/分、BPR 120バール、カラム温度40℃、220nmでのUV検出を使用するキラルSFCによるさらなる精製により、tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートの最初に溶出する異性体(エナンチオマー2、アトロプ異性体1と呼ぶ)(63.7mg、13%)を単離した。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.49(9H,s),1.98(1H,s),2.19(3H,s),2.25(1H,s),3.54(3H,s),3.57-3.95(6H,m),4.45(3H,s),7.27(1H,d),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.67(1H,s),19F NMR(376MHz,CDCl,30℃)-128.46,-128.02,m/z(ES+),[M+H]+580;582.キラル分析Chiralpak IC、3.0×150mm、3ミクロンカラム、移動相:45%MeOH+0.1%NH/55%scCO、流量2.0ml/分、BPR 120バール、温度40℃、rT 1.49分。これに続いて、tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートの2番目に溶出した異性体(エナンチオマー1、アトロプ異性体1と呼ぶ)(32.6mg、7%)が得られた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.49(9H,s),1.99-2.11(1H,m),2.19(3H,s),2.22-2.3(1H,m),3.56(3H,s),3.59-3.91(6H,m),4.24-4.59(3H,m),7.27(1H,d),7.64(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.68(1H,s),19F NMR(376MHz,CDCl,30℃)-129.30,-128.54,m/z(ES+),[M+H]+580;582.キラル分析Chiralpak IC、3.0×150mm、3ミクロンカラム、移動相:45%MeOH+0.1%NH/55%scCO、流量2.0ml/分、BPR 120バール、温度40℃、rT 1.66分。これに続いて、tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートの3番目に溶出した(エナンチオマー2、アトロプ異性体2と呼ぶ)(42.6mg、9%)が得られた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.49(9H,s),2-2.11(1H,m),2.19(3H,s),2.25(1H,s),3.56(3H,s),3.61-3.87(6H,m),4.27-4.53(3H,m),7.25-7.29(1H,m),7.64(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.68(1H,s),19F NMR(376MHz,CDCl,30℃)-129.34,-128.54,m/z(ES+),[M+H]+580,582.キラル分析Chiralpak IC、3.0×150mm、3ミクロンカラム、移動相:45%MeOH+0.1%NH/55%scCO、流量2.0ml/分、BPR 120バール、温度40℃、rT 2.79分。これに続いて、tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートの4番目に溶出した(エナンチオマー1、アトロプ異性体2と呼ぶ)が得られた(68.5mg、14%)。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.49(9H,s),1.92-2.03(1H,m),2.19(3H,s),2.21-2.32(1H,m),3.54(3H,s),3.4-3.95(6H,m),4.21-4.54(3H,m),7.27(1H,d),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.67(1H,s),19F NMR(376MHz,CDCl,30℃)-128.02,-128.46,m/z(ES+),[M+H]+580;582.キラル分析Chiralpak IC、3.0×150mm、3ミクロンカラム、移動相:45%MeOH+0.1%NH/55%scCO、流量2.0ml/分、BPR 120バール、温度40℃、rT 4.11分。
8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン エナンチオマー1、アトロプ異性体1
Figure 0007138724000165
tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートのエナンチオマー1、アトロプ異性体1(39mg、0.07mmol)のDMF(1.0ml)溶液を、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(63.9mg、0.34mmol)及び塩化リチウム(14mg、0.34mmol)に加え、マイクロ波チューブに入れて密封した。反応物を、120℃で、30分間マイクロ波反応器中で加熱し、室温に冷却した。粗製の反応混合物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体1(30mg、96%)をクリーム色の固体として与えた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.91-2.04(1H,m),2.16(3H,s),2.44-2.58(1H,m),2.94-3.02(3H,m),3.12-3.21(1H,m),3.4-3.47(1H,m),3.84(1H,s),4.32-4.5(2H,m),4.85(1H,s),6.52(1H,d),6.93(1H,d),7.58(1H,d),7.65(1H,d),8.44(1H,s),8.56(1H,s),NHは見られなかった、m/z(ES+),[M+H]+466,468.
8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン エナンチオマー1、アトロプ異性体2
Figure 0007138724000166
tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートのエナンチオマー1、アトロプ異性体2(81mg、0.14mmol)のDMF(2ml)溶液を、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(133mg、0.70mmol)及び塩化リチウム(29mg、0.70mmol)に加え、マイクロ波チューブに入れて密封した。反応物を、120℃で、30分間マイクロ波反応器中で加熱し、室温に冷却した。粗製の反応混合物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体2(56mg、86%)を薄黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.8-1.93(1H,m),2.04(3H,s),2.66-2.75(2H,m),2.81(2H,d),3.04(1H,d),3.33-3.45(1H,m),3.72(1H,d),4.23-4.36(1H,m),4.36-4.47(1H,m),4.74(1H,s),6.58(1H,d),7.05-7.18(1H,m),7.70(2H,s),8.42(1H,s),10.87(1H,d),NHは見られなかった、19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-131.44,m/z(ES+),[M+H]+466,468.
8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン エナンチオマー2、アトロプ異性体1
Figure 0007138724000167
tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートのエナンチオマー2、アトロプ異性体1(74mg、0.13mmol)のDMF(1.2ml)溶液を、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(121mg、0.64mmol)及び塩化リチウム(27mg、0.64mmol)に加え、マイクロ波チューブに入れて密封した。反応物を、120℃で、30分間マイクロ波反応器中で加熱し、室温に冷却した。粗製の反応混合物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体1(46mg、77%)をクリーム色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.8-1.93(1H,m),2.04(3H,s),2.66-2.75(2H,m),2.81(2H,d),3.04(1H,d),3.33-3.45(1H,m),3.72(1H,d),4.23-4.36(1H,m),4.36-4.47(1H,m),4.74(1H,s),6.58(1H,d),7.05-7.18(1H,m),7.70(2H,s),8.42(1H,s),10.87(1H,d),ピペラジンNHは見られなかった、19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-131.44,m/z(ES+),[M+H]+466,468.
8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン エナンチオマー2、アトロプ異性体2
Figure 0007138724000168
tert-ブチル3-クロロ-1-フルオロ-2-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-カルボキシラートのエナンチオマー2、アトロプ異性体2(44mg、0.08mmol)のDMF(1.1ml)溶液を、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(72.1mg、0.38mmol)及び塩化リチウム(16mg、0.38mmol)に加え、マイクロ波チューブに入れて密封した。反応物を、120℃で、30分間マイクロ波反応器中で加熱し、室温に冷却した。粗製の反応混合物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させ、純粋なフラクションを蒸発乾固させると、8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体2(35mg、99%)を薄黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.82-1.94(1H,m),2.04(3H,s),2.66-2.74(2H,m),2.79-2.89(2H,m),3.05(1H,d),3.35-3.45(1H,m),3.69(1H,d),4.29(1H,t),4.42(1H,d),4.75(1H,s),6.58(1H,d),7.08-7.18(1H,m),7.66-7.76(2H,m),8.42(1H,s),10.86(1H,d),NHピペラジンは見られなかった,19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-132.19,m/z(ES+),[M+H]+466,468.
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン、エナンチオマー1、アトロプ異性体1実施例34
Figure 0007138724000169
アクリロイルクロリド(5.41μl、0.07mmol)を、-70℃に冷却されたDCM(2ml)中の8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体1(31mg、0.07mmol)及びトリエチルアミン(9.27μl、0.07mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を-70℃で20分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、粗生成物を、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により精製した。浅い勾配:30~60%MeCN。検出 254nmでのUV。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体1(19.3mg、56%)を白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.89-2.01(1H,m),2.05(3H,s),2.14-2.27(1H,m),3.64-3.95(6H,m),4.29-4.57(3H,m),5.73(1H,s),6.17(1H,d),6.59(1H,d),6.80(1H,s),7.14(1H,d),7.72(2H,d),8.52(1H,s),10.87(1H,s),19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-131.09,-130.89,m/z(ES+),[M+H]+520,522.分析キラルSFC分析を、Phenomonex C3、3.0×150mm、3ミクロンカラム、溶離液20%MeOH+0.1%NH/80%scCO、流量:2.0ml/分、BPR 120バール、カラム温度40℃、rT 0.84分で実施した。
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン、エナンチオマー1、アトロプ異性体2実施例35
Figure 0007138724000170
アクリロイルクロリド(5.41μl、0.07mmol)を、-70℃に冷却されたDCM(2ml)中の8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体2(31mg、0.07mmol)及びトリエチルアミン(9.27μl、0.07mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を-70℃で20分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、粗生成物を、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により精製した。浅い勾配:30~60%MeCN。検出 254nmでのUV。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー1、アトロプ異性体2(22.8mg、66%)を白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.82-2(1H,m),2.06(3H,s),2.15-2.29(1H,m),3.64-3.98(6H,m),4.31-4.58(3H,m),5.66-5.8(1H,m),6.16(1H,dd),6.59(1H,d),6.79(1H,dd),7.08-7.17(1H,m),7.71(2H,s),8.51(1H,s),10.89(1H,d),19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-130.46,-130.25,m/z(ES+),[M+H]+520,522.分析キラルSFC分析を、Phenomonex C3、3.0×150mm、3ミクロンカラム、溶離液30%MeOH+0.1%NH/70%scCO、流量:2.0ml/分、BPR 120バール、カラム温度40℃、rT 1.29分で実施した。
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン、エナンチオマー2、アトロプ異性体1実施例36
Figure 0007138724000171
アクリロイルクロリド(8.02μL、0.10mmol)を、-70℃に冷却されたDCM(2ml)中の8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体1(46mg、0.10mmol)及びトリエチルアミン(14μL、0.10mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を-70℃で15分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、粗生成物を、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により精製した。浅い勾配:30~60%MeCN。検出 254nmでのUV。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体1(23.5mg、46%)を白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.90(1H,s),2.06(3H,s),2.23(1H,d),3.61-3.99(6H,m),4.28-4.59(3H,m),5.66-5.79(1H,m),6.16(1H,dd),6.59(1H,d),6.79(1H,dd),7.09-7.16(1H,m),7.71(2H,s),8.51(1H,s),10.89(1H,d),19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-130.46,-130.25,m/z(ES+),[M+H]+520,522.分析キラルSFC分析を、Phenomonex C3、3.0×150mm、3ミクロンカラム、溶離液25%MeOH+0.1%NH/75%scCO、流量:2.0ml/分、BPR 120バール、カラム温度40℃、rT 1.30分で実施した。
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン エナンチオマー2、アトロプ異性体2実施例37
Figure 0007138724000172
アクリロイルクロリド(6.10μl、0.08mmol)を、-70℃に冷却されたDCM(2ml)中の8-(3-クロロ-1-フルオロ-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル)-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体2(35mg、0.08mmol)及びトリエチルアミン(10.47μl、0.08mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を-70℃で15分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、粗生成物を、水(1体積%のNHOH(HO中28~30%)を含む)とMeCNの極性が低下する混合物を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters CSH C18 OBDカラム、30×100mm内径、粒径5ミクロン)により精製した。浅い勾配:30~60%MeCN。検出 254nmでのUV。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オンのエナンチオマー2、アトロプ異性体2(13.3mg、34%)を白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.85-2.02(1H,m),2.05(3H,s),2.16-2.27(1H,m),3.62-3.99(6H,m),4.29-4.57(3H,m),5.68-5.77(1H,m),6.17(1H,d),6.59(1H,d),6.71-6.86(1H,m),7.08-7.19(1H,m),7.65-7.78(2H,m),8.52(1H,s),10.87(1H,s),19F NMR(376MHz,DMSO,30℃)-131.09,-130.89,m/z(ES+),[M+H]+520,522.分析キラルSFC分析を、Phenomonex C3、3.0×150mm、3ミクロンカラム、溶離液25%MeOH+0.1%NH/75%scCO、流量:2.0ml/分、BPR 120バール、カラム温度40℃、rT 0.89分で実施した。
2-アミノ-4-ブロモ-5-クロロ-3,6-ジフルオロ安息香酸
Figure 0007138724000173
N-クロロスクシンイミド(5.30g、39.68mmol)を、室温の濃HSO(80mL)中の2-アミノ-4-ブロモ-3,6-ジフルオロ安息香酸(5g、19.84mmol)に加え、次いで、反応混合物を80℃で16時間撹拌した。生じた溶液を室温に冷却し、氷に注いだ。沈殿物を濾過により回収し、真空下で乾燥させると、2-アミノ-4-ブロモ-5-クロロ-3,6-ジフルオロ安息香酸(4.50g、79%)を黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)7.78(2H,br s).m/z:ES[M+H]=286.
7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール
Figure 0007138724000174
2-アミノ-4-ブロモ-5-クロロ-3,6-ジフルオロ安息香酸(4.5g、15.71mmol)を、室温のiPrOH(40mL)及びエタノール(40mL)中のホルムアミジン酢酸塩(19.63g、188.51mmol)の溶液に加えた。生じた溶液を100℃で一晩撹拌し、次いで室温に冷却し、水に注ぎ、沈殿物を濾過により回収し、水(400ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール(3.70g、80%)を茶色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)8.20(1H,s),12.67(1H,s).m/z:ES[M+H]=295.
メチルN-ベンジル-D-アラニナート
Figure 0007138724000175
水素化ホウ素ナトリウム(11.0g、291mmol)を、0℃のMeOH(1l)中のメチルD-アラニナート(30g、290mmol)、トリエチルアミン(162ml、1160mmol)、及びベンズアルデヒド(61.7g、581.8mmol)に少量ずつ加えた。生じた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl(200ml)によりクエンチし、DCM(3×100ml)で抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中20~30%EtOAc)により精製すると、メチルN-ベンジル-D-アラニナート(42.1g、75%)を無色の油として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.31(3H,d),3.54(3H,s),4.02-4.07(1H,m),4.53(2H,s),7.22-7.26(5H,m).m/z:ES[M+H]=194.
メチル(3S)-4-{ベンジル[(2R)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート
Figure 0007138724000176
4-メチルモルホリン(12.6g、124mmol)を、0℃のTHF(250ml)中の(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-メトキシ-4-オキソブタン酸(30.7g、124mmol)及びイソブチルクロロホルマート(15.55g、113.8mmol)に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌し、次いでメチルN-ベンジル-D-アラニナート(20g、100mmol)のTHF(250ml)溶液を0℃で加えた。生じた溶液を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中0~50%EtOAc)により精製すると、メチル(3S)-4-{ベンジル[(2R)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(4.9g、11%)を黄色の油として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.47(9H,s),1.47-1.52(3H,s),2.39-2.54(1H,m),2.64-2.89(1H,m),3.44-3.64(7H,m),3.93-4.29(1H,m),4.57-4.90(2H,m),7.01-7.76(6H,m).m/z:ES[M+H]=423.
メチル[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート
Figure 0007138724000177
TFA(8.94ml、116mmol)を、0℃のDCM(50ml)中のメチル(3S)-4-{ベンジル[(2R)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(4.9g、12mmol)に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌し、蒸発させた。粗製物を、飽和NaCO水溶液(100ml)に溶解させ、室温で2時間撹拌し、次いでC18-フラッシュクロマトグラフィー(水中0~70%MeOH)により精製すると、メチル[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(2.8g、83%)を黄色の油として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.43(3H,d),2.73-2.98(2H,m),3.64(3H,s),3.65-3.72(1H,m),4.07-4.21(1H,m),4.51(1H,t),4.84-5.07(1H,m),7.22-7.41(5H,m),8.30(1H,s).m/z:ES[M+H]=291.
2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール
Figure 0007138724000178
水素化アルミニウムリチウム(2.93g、77.2mmol)を、0℃のTHF(50ml)中のメチル[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(2.8g、9.6mmol)の溶液に少量ずつ加えた。生じた溶液を0℃で0.5時間撹拌し、次いで室温でさらに2時間撹拌した。反応混合物を、水(7.8ml)及び15%NaOH(23.5ml)によりクエンチし、セライトに通して濾過した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させると、黄色の油を与えた。粗生成物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水中0~55%MeOH)により精製すると、2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(2.02g、89%)を無色の油として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.09(3H,d),1.16-1.43(2H,m),1.48-1.69(1H,m),2.01-2.24(1H,m),2.29-2.40(1H,m),2.47-2.63(2H,m),2.70-2.85(1H,m),2.93-3.11(1H,m),3.25-3.58(4H,m),4.00(1H,d),7.24-7.38(5H,m).m/z:ES[M+H]=235.
5-{2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール
Figure 0007138724000179
水素化ナトリウム(0.725g、18.1mmol)を、0℃のTHF(200ml)中の2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(2.142g、7.25mmol)に加えた。生じた混合物を0℃で15分間撹拌した。次いで、7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール(2.14g、7.25mmol)を加え、混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を水(5ml)によりクエンチし、2M HClによりpH=7に酸性化し、EtOAc(3×200ml)で抽出し、有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NHHCO)中0~60%MeCN)により精製すると、5-{2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.75g、47%)を白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,CDOD)1.30(3H,d),1.83-2.02(2H,m),2.88-2.96(1H,m),2.97-3.07(1H,m),3.17-3.25(1H,m),3.66-3.97(4H,m),3.97-4.04(1H,m),4.04-4.11(1H,m),4.15-4.27(1H,m),7.26-7.36(5H,m),8.22(1H,s).m/z:ES[M+H]=509.
(6aS,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン
Figure 0007138724000180
テトラクロロメタン(1.609ml、16.67mmol)を、室温の1,2-ジクロロエタン(50ml)中の5-{2-[(2S,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.7g、3.33mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.62g、10mmol)に加えた。生じた混合物を80℃で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NHHCO)中の0~80%MeCN)により精製すると、(6aS,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(0.68g、42%)を黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,CDOD)1.15(3H,d),1.75-1.90(1H,m),2.29-2.56(3H,m),2.80-2.85(1H,m),3.05-3.21(2H,m),3.46-3.56(1H,m),3.71-3.92(2H,m),4.25-4.50(2H,m),7.25-7.37(5H,m),8.44(1H,s).m/z:ES[M+H]=491.
2-[(6aS,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール
Figure 0007138724000181
RuPhos-Pd-G3(187mg、0.22mmol)を、1,4-ジオキサン/HO(30ml、4:1の比率)中の(6aS,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(550mg、1.12mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(436mg、2.80mmol)、NaCO(474mg、4.47mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(104mg、0.22mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を80℃で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中80~100%EtOAc)により精製すると、2-[(6aS,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(480mg、82%)を黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,CDOD)0.95-1.03(3H,m),1.85-1.90(2H,m),2.30-2.54(1H,m),2.74-2.92(1H,m),3.05-3.19(1H,m),3.48-3.51(1H,m),3.77-4.19(3H,m),4.31-4.52(3H,m),7.05-7.13(1H,m),7.22-7.42(5H,m),7.46-7.54(2H,m),8.48(1H,s).m/z:ES[M+H]=523.
2-((3R,14aS)-11-クロロ-9-フルオロ-3-メチル-1,3,4,13,14,14a-ヘキサヒドロ-2H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-10-イル)-3-フルオロフェノール
Figure 0007138724000182
THF(10ml)中の10%パラジウム炭素(1.02g、0.96mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.222ml、0.96mmol)、及び2-[(6aS,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(500mg、0.96mmol)を、1気圧の水素の雰囲気下で、室温で1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルに通して濾過し、溶媒を真空中で除去した。残渣をDCM(10ml)に溶解させ、1,4-ジオキサン中4M HCl(1.2ml、4.78mmol)を加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NHHCO)中0~40%MeCN)により精製すると、2-((3R,14aS)-11-クロロ-9-フルオロ-3-メチル-1,3,4,13,14,14a-ヘキサヒドロ-2H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-10-イル)-3-フルオロフェノール(350mg、85%)を白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)0.98-1.16(3H,m),1.74-1.90(1H,m),1.95-2.05(1H,m),2.56-2.81(1H,m),2.89-3.01(1H,m),3.01-3.45(2H,m),3.61-3.70(1H,m),3.86-4.06(1H,m),4.20-4.31(2H,m),6.73-6.88(2H,m),7.34-7.35(1H,m),8.64(1H,s),10.20(1H,s).m/z:ES[M+H]=433.
1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例38;アトロプ異性体2、実施例39)
Figure 0007138724000183
アクリロイルクロリド(32.2mg、0.36mmol)のDMF(0.5ml)溶液を、0℃のDMF(3.0ml)中の2-((3R,14aS)-11-クロロ-9-フルオロ-3-メチル-1,3,4,13,14,14a-ヘキサヒドロ-2H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-10-イル)-3-フルオロフェノール(220mg、0.51mmol)及びDIPEA(0.133ml、0.76mmol)の撹拌された溶液に滴加した。生じた溶液を0℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(1ml)によりクエンチし、生じた混合物を、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(1%NHHCO)中0~40%MeCN)により精製すると、2つのアトロプ異性体の混合物を与え、次いで、それを分取キラル-HPLC(カラム:CHIRALPAK IE、2×25cm、5μm;移動相A:Hex(8mmol/L NH.MeOH)-HPLC、移動相B:EtOH-HPLC;流量:20ml/分;勾配:16分で30 Bから30 Bに;220/254nm;RT1:9.899;RT2:13.349)により分離した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、最初にアトロプ異性体1、1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例38、33mg、13%)を白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.12-1.23(3H,m),1.82-2.06(1H,m),3.15-3.27(0.5H,m),3.43-3.72(1.5H,m),3.86-4.04(2H,m),4.19-4.52(3H,m),4.54-5.08(2H,m),5.74(1H,d),6.18(1H,d),6.73-6.93(3H,m),7.34-7.35(1H,m),8.45(1H,s),10.15(1H,s).m/z:ES[M+H]=487.これに続いて、アトロプ異性体2、1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例39、33mg、13%)が白色の固体として得られた。H NMR(400MHz,DMSO)1.18-1.28(3H,m),1.83-2.15(1H,m),3.13-3.27(0.5H,m),3.43-3.69(1.5H,m),3.88-4.04(2H,m),4.19-4.52(3H,m),4.55-5.05(2H,m),5.74(1H,d),6.18(1H,d),6.74-6.97(3H,m),7.34-7.35(1H,m),8.45(1H,s),10.19(H,d).m/z:ES[M+H]=487.
メチル(3S)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート
Figure 0007138724000184
イソブチルクロロホルマート(15.55g、113.84mmol)を、0℃のTHF(100ml)中の(2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-メトキシ-4-オキソブタン酸(30.7g、124mmol)及び4-メチルモルホリン(12.56g、124.19mmol)の溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌し、次いで、メチルN-ベンジル-D-アラニナート(20g、100mmol)のTHF(10ml)溶液を0℃で加えた。生じた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(200ml)でクエンチし、EtOAc(3×100ml)で抽出し、有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中10~25%EtOAc)により精製すると、メチル(3R)-4-{ベンジル[(2R)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(5.6g、13%)を黄色の液体として与えた。H NMR(400MHz,CDOD)1.34(9H,s),1.45(3H,d),2.53-2.66(1H,m),2.77-2.94(1H,m),3.65(3H,s),3.67(3H,s),3.97-4.09(1H,m),4.65-4.76(1H,m),4.80-4.95(1H,m),5.01-5.07(1H,m),7.17-7.52(5H,m).m/z:ES[M+H]=423.
メチル[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート
Figure 0007138724000185
1,4-ジオキサン中4M HCl(4.97ml、19.9mmol)を、室温のMeOH(20ml)中のメチル(3R)-4-{ベンジル[(2R)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(5.6g、13mmol)に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。反応混合物を飽和NaCO水溶液(50ml)で希釈した。生じた混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水中0~70%MeOH)により精製すると、メチル[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(2.5g、65%)を無色の液体として与えた。H NMR(400MHz,CDOD)1.53(3H,d),2.82-3.05(2H,m),3.74(3H,s),3.87-4.01(1H,m),4.37(1H,d),4.41-4.47(1H,m),5.06(1H,d),7.18-7.41(5H,m).m/z:ES[M+H]=291.
2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール
Figure 0007138724000186
水素化アルミニウムリチウム(2.61g、68.89mmol)を、0℃のTHF(50ml)中のメチル[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(2.5g、8.6mmol)の溶液に少量ずつ加えた。生じた溶液を0℃で0.5時間撹拌し、次いで60℃でさらに4時間撹拌した。反応混合物を、水(2.6ml)及び15%NaOH水溶液(7.8ml)によりクエンチし、DCM(200ml)で希釈し、セライトに通して濾過した。有機層を蒸発乾固させると、2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(1.8g、89%)を黄色の液体として与えた。H NMR(400MHz,CDOD)1.11(3H,d),1.57-1.83(2H,m),2.35-2.44(2H,m),2.69-2.80(2H,m),2.85-2.98(2H,m),3.44(1H,d),3.52-3.64(2H,m),3.73(1H,d),7.19-7.39(5H,m).m/z:ES[M+H]=235.
5-{2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール
Figure 0007138724000187
水素化ナトリウム(0.447g、18.6mmol)を、0℃のTHF(50ml)中の2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(1.745g、7.45mmol)に加えた。生じた混合物を0℃で15分間撹拌した。7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール(2.2g、7.5mmol)を加え、混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を水(5ml)によりクエンチし、2M HClによりpH=7に酸性化し、EtOAc(3×200ml)で抽出し、有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。これを、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NHHCO)中0~70%MeCN)により精製すると、5-{2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.8g、47%)を茶色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.00-1.11(3H,m),1.68-1.87(1H,m),1.87-2.11(1H,m),2.28-2.42(2H,m),2.66-2.86(3H,m),2.85-3.17(2H,m),3.86-4.09(2H,m),4.10-4.20(1H,m),7.25-7.34(5H,m),8.16(1H,s).m/z:ES[M+H]=509.
(6aR,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン
Figure 0007138724000188
テトラクロロメタン(1.703ml、17.65mmol)を、室温の1,2-ジクロロエタン(20ml)中の5-{2-[(2R,5R)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.8g、3.53mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.78g、10.6mmol)に加えた。生じた混合物を80℃で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NHHCO)中の0~90%MeOH)により精製すると、(6aR,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(0.42g、24%)を黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.14-1.25(3H,m),2.11-2.21(1H,m),2.35-2.41(1H,m),2.56-2.67(2H,m),2.96-3.12(2H,m),3.54-3.62(2H,m),3.68-3.77(1H,m),3.95-4.06(1H,m),4.23-4.44(1H,m),4.93-5.04(1H,m),7.07-7.36(5H,m),8.38(1H,s).m/z:ES[M+H]=491.
2-[(6aR,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール
Figure 0007138724000189
RuPhos-Pd-G3(119mg、0.14mmol)を、1,4-ジオキサン/HO(15ml;4:1の比率)中の(6aR,9R)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(350mg、0.71mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(277mg、1.78mmol)、NaCO(302mg、2.85mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(66.4mg、0.14mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を80℃で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中60~80%EtOAc)により精製すると、2-[(6aR,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(365mg、98%)を薄黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,CDOD)1.02(3H,d),1.81-1.94(1H,m),2.23-2.32(1H,m),2.49-2.79(3H,m),3.03-3.18(2H,m),3.79-3.92(1H,m),4.12-4.20(1H,m),4.40-4.52(2H,m),5.13-5.21(1H,m),6.65-6.81(3H,m),7.27-7.37(5H,m),8.36(1H,s).m/z:ES[M+H]=523.
2-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール
Figure 0007138724000190
THF(20ml)中の10%パラジウム炭素(712mg、0.67mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.311ml、1.34mmol)及び2-[(6aR,9R)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(350mg、0.67mmol)を、1気圧の水素の雰囲気下で、室温で1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルに通して濾過し、溶媒を真空中で除去した。反応混合物をDCM(20ml)で希釈した。1,4-ジオキサン中4M HCl(0.84ml、3.35mmol)を加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。カラムを7M NH/MeOHにより溶離すると、2-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(310mg、>100%)を黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO).1.08(3H,d),1.35-1.71(5H,m),1.74-2.29(1H,m),3.10-3.31(2H,m),3.95-4.20(1H,m),4.30-4.56(1H,m)6.63(1H,d),6.71-6.82(1H,m),6.85-7.01(1H,m),8.48(1H,s).m/z:ES[M+H]=433.
1-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例40;アトロプ異性体2、実施例41)
Figure 0007138724000191
アクリロイルクロリド(43.1mg、0.48mmol)のDMF(0.5ml)溶液を、0℃のDMF(2.5ml)中の2-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(300mg、0.69mmol)及びDIPEA(0.12ml、0.69mmol)の撹拌された溶液に少量ずつ加えた。生じた溶液を0℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(0.5ml)によりクエンチし、生じた混合物をC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NHHCO)中0~40%MeCN)により精製すると、2つのアトロプ異性体の混合物を与え、次いで、それを分取キラル-HPLC(カラム:CHIRALPAK IA、2×25cm、5μm;移動相A:Hex-HPLC、移動相B:IPA-HPLC;流量:20ml/分;勾配:18分で30 Bから30 Bに;254/220nm;RT1:9.284;RT2:13.389)により分離した。これにより、アトロプ異性体1、1-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例40、5mg、1%)が白色の固体として与えられた。H NMR(400MHz,CDCN)1.18-1.33(3H,m),1.67-1.81(1H,m),2.26-2.33(1H,m),2.93-3.48(2H,m),3.48-4.47(3H,m),4.53-4.83(3H,m),5.49-5.74(1H,m),6.05(1H,d),6.42-6.62(1H,m),6.74-6.96(2H,m),7.30-7.44(1H,m),8.47(1H,s).m/z:ES[M+H]=487.それに続いて、アトロプ異性体2、1-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(実施例41、30mg、9%)が白色の固体として与えられた。H NMR(400MHz,CDCN)1.16-1.38(3H,m),1.70-1.80(1H,m),2.25-2.40(1H,m),2.92-3.44(2H,m),3.56-4.46(3H,m),4.57-4.76(3H,m),5.48-5.70(1H,m),6.05(1H,d),6.48-6.59(1H,m),6.78-6.91(2H,m),7.34-7.44(1H,m),8.40-8.51(1H,m).m/z:ES[M+H]=487.
メチルN-ベンジル-L-アラニナート
Figure 0007138724000192
水素化ホウ素ナトリウム(11.01g、290.92mmol)を、0℃のMeOH(1l)中のメチルL-アラニナート(30g、290mmol)、トリエチルアミン(162ml、1160mmol)及びベンズアルデヒド(61.7g、582mmol)に少量ずつ加えた。生じた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl(200ml)によりクエンチし、DCM(3×100ml)で抽出し、有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中20~30%EtOAc)により精製すると、メチルN-ベンジル-L-アラニナート(45g、80%)を無色の油として与えた。H NMR(300MHz,CDCl)1.33(3H,d),3.32-3.46(1H,m),3.74(3H,s),4.66(2H,s),7.34-7.45(5H,m).m/z:ES[M+H]=194.
メチル(3S)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート
Figure 0007138724000193
イソブチルクロロホルマート(19.44g、142.3mmol)を、0℃のTHF(50ml)中の(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-メトキシ-4-オキソブタン酸(32g、130mmol)及び4-メチルモルホリン(15.7g、155.24mmol)の溶液に加えた。生じた溶液を0℃で1時間撹拌し、次いで、メチルN-ベンジル-L-アラニナート(25g、130mmol)のTHF(20ml)溶液を0℃で加えた。生じた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(50ml)によりクエンチし、EtOAc(3×200ml)で抽出し、有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させると、黄色の液体を与えた。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中0~30%EtOAc)により精製すると、メチル(3S)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(20g、37%)を黄色の油として与えた。H NMR(300MHz,CDCl)1.31-1.38(3H,m),1.45(9H,s),2.77-3.09(2H,m),3.46(2H,s),3.59-3.72(6H,m),4.49-4.72(1H,m),5.16-5.21(1H,m),7.29-7.43(5H,m).m/z:ES[M+H]=423.
メチル[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート
Figure 0007138724000194
TFA(54g、470mmol)を、室温のDCM(100ml)中のメチル(3S)-4-{ベンジル[(2S)-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル]アミノ}-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブタノアート(20g、47mmol)の溶液に加えた。生じた溶液を室温で2時間撹拌し、蒸発させた。粗製物を飽和NaHCO水溶液(200ml)に再溶解させた。溶液を室温で2時間撹拌し、次いでC18-フラッシュクロマトグラフィー(水中0~60%MeCN)により精製すると、メチル[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(6.5g、47%)を黄色の油として与えた。H NMR(300MHz,CDCl)1.50(3H,d),2.68-2.81(2H,m),3.70-3.71(1H,m),3.74(3H,s),3.97-4.06(1H,m),4.41-4.54(1H,m),5.25-5.31(1H,m),7.22-7.37(6H,m).m/z:ES[M+H]=291.
2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール
Figure 0007138724000195
水素化アルミニウムリチウム(6.80g、179mmol)を、0℃のTHF(20ml)中のメチル[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチル-3,6-ジオキソピペラジン-2-イル]アセタート(6.5g、22mmol)の溶液に少量ずつ加えた。生じた溶液を0℃で0.5時間撹拌し、次いで、室温でさらに4時間撹拌した。反応混合物を水(6.5ml)及び15%NaOH水溶液(19.5ml)によりクエンチし、セライトパッドに通して濾過し、DCM(3×100ml)で洗浄すると、蒸発後に、2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(4.6g、88%)を薄黄色の液体として与えた。H NMR(300MHz,CDCl)1.07(3H,d),1.42-1.50(1H,m),2.25-2.32(1H,m),2.34-2.44(2H,m),2.65-2.87(3H,m),2.92-3.05(2H,m),3.35-3.48(1H,m),3.69-3.82(3H,m),4.71(1H,s),7.32-7.35(3H,m),7.37-7.40(2H,m).m/z:ES[M+H]=235.
5-{2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール
Figure 0007138724000196
水素化ナトリウム(0.85g、21mmol)を、0℃のTHF(20ml)中の2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エタン-1-オール(2g、8.5mmol)に加えた。生じた混合物を0℃で15分間撹拌した。次いで、7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オール(2.52g、8.53mmol)を加え、混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(20ml)によりクエンチし、2H HClによりpH=7に酸性化した。混合物をEtOAc(3×100ml)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(DCM中0~10%MeOH)により精製すると、5-{2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.4g、32%)を茶色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.17(3H,d),2.14-2.25(1H,m),2.46-2.51(2H,m),2.71-2.94(3H,m),3.11-3.25(1H,m),3.45(1H,d),3.69(1H,d),3.89-4.24(3H,m),7.31-7.45(5H,m,8.19(1H,s).m/z:ES[M+H]=509.
(6aS,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン
Figure 0007138724000197
テトラクロロメタン(1.33ml、13.7mmol)を、室温の1,2-ジクロロエタン(20ml)中の5-{2-[(2S,5S)-4-ベンジル-5-メチルピペラジン-2-イル]エトキシ}-7-ブロモ-6-クロロ-8-フルオロキナゾリン-4-オール(1.4g、2.8mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.16g、8.24mmol)に加えた。生じた混合物を80℃で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NHHCO)中の0~80%MeCN)により精製すると、(6aS,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(0.45g、33%)を黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.20(3H,d),1.58-1.81(1H,m),2.14-2.24(1H,m),2.40-2.45(1H,m),2.63-2.71(2H,m),3.06-3.21(3H,m),3.61-3.86(1H,m),4.03-4.10(1H,m),4.19-4.49(1H,m),5.01-5.12(1H,m),7.31-7.45(5H,m),8.40(1H,s).m/z:ES[M+H]=491.
2-[(6aS,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール
Figure 0007138724000198
RuPhos-Pd-G3(153mg、0.18mmol)を、1,4-ジオキサン/HO(8ml)(4:1の比率)中の(6aS,9S)-8-ベンジル-2-ブロモ-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン(450mg、0.92mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(357mg、2.29mmol)、NaCO(388mg、3.66mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(85mg、0.18mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を80℃で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中40~60%EtOAc)により精製すると、2-[(6aS,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(260mg、54%)を黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.20(3H,d),0.94(3H,d),1.54-1.79(3H,m),2.26-2.31(1H,m),2.67-2.71(1H,m),3.03-3.19(2H,m),3.36-3.62(1H,m),3.81-3.85(1H,m),4.03-4.05(1H,m),4.28-4.45(2H,m),6.64(1H,d),6.73-6.87(1H,m),7.18-7.28(1H,m),7.29-7.38(5H,m),8.42(1H,s),10.16(1H,d).m/z:ES[M+H]=523.
2-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール
Figure 0007138724000199
THF(10ml)中の10%パラジウム炭素(509mg、0.48mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.111ml、0.48mmol)、及び2-[(6aS,9S)-8-ベンジル-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(250mg、0.48mmol)を、1気圧の水素の雰囲気下で、室温で1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルに通して濾過し、溶媒を真空中で除去した。反応混合物を、DCM(10.00ml)で希釈し、TFA(0.37ml、4.8mmol)を加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。7M NH/MeOHによる溶出は、2-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(200mg、97%)を薄黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.40(3H,d),1.88-1.99(1H,m),2.63-2.78(1H,m),3.17-3.30(4H,m),4.02-4.09(1H,m),4.37-4.50(2H,m),5.07-5.15(1H,m),6.78(1H,t),6.89(1H,d),7.34-7.45(1H,m),8.51(1H,s),10.30(1H,s).m/z:ES[M+H]=433.
1-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例42;アトロプ異性体2、実施例43)
Figure 0007138724000200
アクリロイルクロリド(37.6mg、0.42mmol)のDMF(0.5ml)溶液を、0℃のDMF(3.0ml)中の2-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-9-メチル-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-3-フルオロフェノール(200mg、0.46mmol)及びDIPEA(0.12ml、0.69mmol)の撹拌された溶液に滴加した。生じた溶液を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を水(1ml)によりクエンチし、生じた混合物をC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(1%NHHCO)中0~40%MeCN)により精製すると、2つのアトロプ異性体の混合物を与え、次いで、それを、カラム:(R,R)Whelk-01、21.1×250mm、5μm;移動相A:Hex(8mmol/L NH.MeOH)-HPLC、移動相B:EtOH-HPLC;流量:20ml/分;勾配:20分で50 Bから50 Bに;220/254nm;RT1:12.723;RT2:15.375での分取キラル-HPLCにより分離した。これにより、1-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体1(実施例42、25mg、25%)が白色の固体として与えられた。H NMR(400MHz,CDCN)1.13-1.35(3H,m),1.63-1.87(1H,m),2.24-2.46(1H,m),2.87-3.46(2H,m),3.50-4.09(2H,m),4.15-4.81(4H,m),5.46-5.66(1H,m),6.04(1H,d),6.53(1H,dd),6.76-6.94(2H,m),7.29-7.48(1H,m),8.35(1H,d).m/z:ES[M+H]=487.これに続いて、1-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体2(実施例43、8mg、8%)が白色の固体として与えられた。1H NMR(400MHz,CDCN)1.13-1.35(3H,m),1.52-1.86(2H,m),2.90-4.09(4H,m),4.13-4.89(4H,m),5.48-5.70(1H,m),6.06(1H,d),6.55(1H,dd),6.75-6.98(2H,m),7.26-7.47(1H,m),8.49(1H,s).m/z:ES[M+H]=487.
3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロアニリン
Figure 0007138724000201
N-クロロスクシンイミド(2.76g、20.67mmol)を、室温のMeCN(20ml)中の3-ブロモ-4,5-ジフルオロアニリン(4.3g、21mmol)に加えた。生じた溶液を60℃で一晩撹拌した。粗生成物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(MeCN(1%NHHCO)中0~20%MeOH)により精製すると、3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロアニリン(3.5g、70%)を茶色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)5.80(2H,s),6.82(1H,dd).m/z:ES[M+H]=242.
2-N-(3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド
Figure 0007138724000202
水(40ml)、EtOH(70ml)及び11.65M HCl(30ml)中の3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロアニリン(3.5g、14.44mmol)、抱水クロラール(1.27g、18.4mmol)、及びヒドロキシルアミン塩酸塩(3.01g、43.3mmol)の溶液を、室温の水(400ml)中の硫酸ナトリウム(13.94g、98.17mmol)の撹拌された溶液に加えた。生じた混合物を60℃で一晩撹拌した。反応物を室温に冷却し、沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、真空下で乾燥させると、2-N-(3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド(4g、88%)を薄茶色の固体として与えた。H NMR(300MHz,CDCl)7.61(1H,s),8.05(1H,s),8.51(1H,dd),8.95(1H,s).
6-ブロモ-7-クロロ-4,5-ジフルオロ-1H-インドール-2,3-ジオン
Figure 0007138724000203
2-N-(3-ブロモ-2-クロロ-4,5-ジフルオロフェニル)-2-(ヒドロキシイミノ)アセトアミド(4g、13mmol)を、室温の濃HSO(30ml、560mmol)に加えた。生じた混合物を80℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を氷に注ぎ、形成した沈殿物を濾去し、水で洗浄した。固体を真空下で乾燥させると、6-ブロモ-7-クロロ-4,5-ジフルオロ-1H-インドール-2,3-ジオン(3.7g、98%)を暗赤色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)11.81(1H,s).m/z:ES-[M+H]-=294.
2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロ-5,6-ジフルオロ安息香酸
Figure 0007138724000204
過酸化水素(6.37ml、62.4mmol)を、室温の2M NaOH(56.2ml、112mmol)中の6-ブロモ-7-クロロ-4,5-ジフルオロ-1H-インドール-2,3-ジオン(3.7g、12mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を過剰のNaSOによりクエンチした。水性液を、2M HClによりpH7に調整し、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水中0~50%MeOH)により精製すると、2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロ-5,6-ジフルオロ安息香酸(2.85g、80%)を薄黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)5.83(2H,s).m/z:ES[M+H]=286.
7-ブロモ-8-クロロ-5,6-ジフルオロキナゾリン-4-オール
Figure 0007138724000205
ホルムイミドアミド酢酸塩(12.43g、119.4mmol)を、室温のエタノール(20ml)及びイソプロパノール(20ml)中の2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロ-5,6-ジフルオロ安息香酸(2.85g、9.95mmol)の溶液に加えた。生じた懸濁液を90℃で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣を水(100ml)に懸濁させた。沈殿物を濾過により回収し、水(3×10ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、7-ブロモ-8-クロロ-5,6-ジフルオロキナゾリン-4-オール(1.9g、65%)を黄褐色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)8.23(1H,s).m/z:ES[M+H]=295.
tert-ブチル(3S)-3-{[(7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}ピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000206
水素化ナトリウム(0.86g、21mmol)を、室温のTHF(40ml)中のtert-ブチル(3S)-3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(1.244g、5.75mmol)に加えた。生じた混合物を室温で10分間撹拌した。7-ブロモ-8-クロロ-5,6-ジフルオロキナゾリン-4-オール(1.7g、5.75mmol)をゆっくりと加え、生じた溶液を40℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(2ml)によりクエンチした。反応混合物を、2M HClによりpH=7に調整した。粗生成物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%TFA)中の0~65%MeOH)により精製すると、tert-ブチル(3S)-3-{[(7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}ピペラジン-1-カルボキシラート(1.65g、58%)を茶色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)1.35(9H,s),2.62-3.07(2H,m),3.11-3.19(2H,m),3.20-3.76(1H,m),3.80-3.88(1H,m),3.98-4.29(3H,m),8.23(1H,s).m/z:ES[M+H]=491.
tert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000207
(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(3.49g、6.71mmol)を、室温のアセトニトリル(20ml)中のtert-ブチル(3S)-3-{[(7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロ-4-ヒドロキシキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}ピペラジン-1-カルボキシラート(1.65g、3.36mmol)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(1.01ml、6.71mmol)に加えた。生じた溶液を40℃で1時間撹拌した。標準的な後処理の後、粗生成物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%ギ酸)中の0~40%MeCN)により精製すると、tert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.82g、52%)を茶色の固体として与えた。H NMR(300MHz,CDCl)1.52(9H,s),1.82-2.04(3H,m),3.03-3.56(3H,m),3.96-5.27(3H,m),8.82(1H,s).m/z:ES[M+H]=473.
tert-ブチル(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000208
RuPhos-Pd-G3(70.6mg、0.08mmol)を、1,4-ジオキサン/HO(5ml;4:1の比率)中のtert-ブチル(8aS)-5-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(400mg、0.84mmol)、(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(329mg、2.11mmol)、炭酸カリウム(350mg、2.53mmol)及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(39.4mg、0.08mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を、100℃で30分間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(石油エーテル中20~60%EtOAc)により、次いでC18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%TFA)中0~35%MeOH)により精製すると、tert-ブチル(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(150mg、35%)を薄黄色の固体として与えた。H NMR(300MHz,CDCl)1.53(9H,s),3.22-3.35(2H,m),3.88-4.00(1H,m),4.04-4.22(3H,m),4.45-4.64(2H,m),4.92-5.06(1H,m),6.57(1H,d),6.77(1H,t),6.88(1H,d),8.71(1H,d).m/z:ES[M+H]=505.
2-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール
Figure 0007138724000209
1,4-ジオキサン中4M HCl(2ml、66mmol)を、tert-ブチル(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(150mg、0.3mmol)のMeOH(0.5ml)溶液に加えた。生じた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%TFA)中0~38%MeOH)により精製すると、粗生成物を与えた。これを、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、7M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させると、2-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール(120mg、99%)を薄黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO)3.05-3.20(1H,m),3.27-3.46(3H,m),3.49-3.63(1H,m),4.22-4.36(1H,m),4.60-4.81(2H,m),5.04-5.19(1H,m),6.74-6.92(2H,m),7.29-7.44(1H,m),8.69(1H,s),10.36(1H,s).m/z:ES[M+H]=405.
1-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例44;アトロプ異性体2、実施例45)
Figure 0007138724000210
アクリロイルクロリド(26.82mg、0.29mmol)のDMF(0.5ml)溶液を、0℃のDMF(2.00ml)中の2-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-3-フルオロフェノール(120mg、0.29mmol)及びDIPEA(0.1ml、0.58mmol)の撹拌された溶液に滴加した。生じた溶液を0℃で1時間撹拌し、C18-フラッシュクロマトグラフィー(水(0.1%NHOH)中0~40%MeOH)により精製すると、2つのアトロプ異性体の混合物を与え、次いで、それを、カラム:CHIRAL ART Cellulose-SB S-5μm、2×25cm、5μm;移動相A:MTBE(10mM NH-MeOH)-HPLC、移動相B:IPA-HPLC;流量:20ml/分;勾配:22分で30 Bから30 Bに;254/220nm;RT1:13.164;RT2:18.688)で分取キラル-HPLCにより分離した。これにより、1-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体1(実施例44、32mg、24%)が白色の固体として与えられた。H NMR(400MHz,DMSO)2.98-3.20(1H,m),3.39-3.55(1H,m),4.03-4.19(2H,m),4.26-4.53(2H,m),4.58-4.74(2H,m),4.76-4.93(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.76-6.94(3H,m),7.30-7.41(1H,m),8.63(1H,s),10.16-10.30(1H,m).m/z:ES[M+H]=459.それに続いて、1-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体2(実施例45、22mg、16%)が白色の固体として与えられた。H NMR(400MHz,DMSO)2.96-3.18(1H,m),3.37-3.57(2H,m),4.02-4.54(3H,m),4.61-4.74(2H,m),4.74-4.91(1H,m),5.76(1H,dd),6.19(1H,dd),6.69-6.94(3H,m),7.28-7.40(1H,m),8.63(1H,s),10.36(1H,s).m/z:ES[M+H]=459.
メチルN-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-D-セリル-D-アラニナート
Figure 0007138724000211
DCM(573ml)中のメチルD-アラニナート塩酸塩(18.21g、130.5mmol)及び((ベンジルオキシ)カルボニル)-D-セリン(31.2g、130.5mmol)の懸濁液を氷浴中で冷却し、3-(((エチルイミノ)メチレン)アミノ)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミン塩酸塩(30g、160mmol)を加えた。DIPEA(80ml、460mmol)を20分かけて滴加し、次いで溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を真空中で濃縮すると、無色残渣を与えた。残渣を、EtOAc(375ml)に溶解させ、1:1の水/飽和NaHCO水溶液(470ml)で洗浄した。有機部分を回収し、水性部分をさらなるEtOAc(375ml)で洗浄した。合わせた有機液を、2M HCl水溶液(250ml)、ブライン(250ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮すると、メチルN-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-D-セリル-D-アラニナート(38.8g、92%)を無色の固体として与えた。H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.38(3H,d),3.70(3H,d),3.77(2H,q),4.24(1H,t),4.45(1H,q),5.11(2H,s),7.23-7.44(5H,m).m/z:ES[M+H]325.
(3R,6R)-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン
Figure 0007138724000212
メチルN-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-D-セリル-D-アラニナート(38.76g、119.5mmol)に、10%パラジウムカーボン(1.925g、9.32mmol)、MeOH(130ml)及びシクロヘキセン(78ml、770mmol)を加えた。生じた混合物を一晩還流加熱した。メタノール(450ml)を加え、混合物を還流状態で1時間撹拌した。反応混合物を(熱いうちに)セライトに通して、熱メタノール(2×150ml)で洗浄しながら濾過した。濾液を濃縮すると、白色固体を与えた。固体をアセトニトリル(170ml)と共にトリチュレートし、濾過し、アセトニトリル(86ml)で洗浄し、真空下40℃で1時間乾燥させると、(3R,6R)-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン(16.09g、85%)を白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.32(3H,d),3.51(1H,ddd),3.67-3.78(2H,m),3.81(1H,dddd),5.05(1H,t),7.83(1H,s),8.08(1H,s).
[(2S,5R)-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール二塩酸塩
Figure 0007138724000213
(3R,6R)-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピペラジン-2,5-ジオン(14.77g、93.39mmol)に、ボラン-THF錯体(THF中1M)(700ml、700mmol)をゆっくりと冷却しながら加えた。添加すると、混合物を室温にして、次いで18時間還流加熱した。反応混合物を室温にして、次いで氷浴中で冷却した。MeOH(185ml)を滴加し、それに続いて5M HCl水溶液(49ml、250mmol)を滴加した。添加すると、混合物を70℃で2時間加熱した。反応物を室温に放冷し、次いで氷浴中で冷却した。フラスコの壁面にゴムが形成された。溶媒をデカンテーションしてゴムを残し、それをTHF(100ml)と共にかき落とした。THFをデカンテーションし、生じたゴムをトルエン(3×100ml)と共沸すると、[(2S,5R)-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール二塩酸塩(9.88g、52%)を無色の半固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,30℃)1.40(3H,d),3.14(1H,dd),3.26(1H,dd),3.32-3.39(2H,m),3.55-3.61(1H,m),3.69-3.76(2H,m),3.92(1H,dd),5.59(1H,s),9.97(4H,d).
tert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000214
[(2S,5R)-5-メチルピペラジン-2-イル]メタノール二塩酸塩(9.88g、48.64mmol)をメタノール(50ml)に懸濁させ、氷浴中で冷却した。トリエチルアミン(21.02ml、150.8mmol)を加え、次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(25.5g、117mmol)のメタノール(75ml)溶液を30分かけて滴加した。溶液を氷浴中で30分間撹拌してから室温にして、次いで50℃で18時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣をエタノール(200ml)に溶解させ、1.5M KOH水溶液(162ml、243mmol)を加えた。溶液を100℃で一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、1M HCl水溶液(約150ml)を使用してpH10にした。溶液をクロロホルム(3×200ml)で抽出し、合わせた有機液を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮すると、tert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(9.5g、85%)を無色の油として与えた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.20(3H,d),1.46(9H,s),2.00(2H,d),2.75(2H,dd),2.83(1H,dd),2.96(1H,dd),3.45-3.54(1H,m),3.62-3.7(1H,m),3.77(1H,s),4.18(1H,s).m/z:ES[M+H]321.
tert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
Figure 0007138724000215
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、3.3g、82.55mmol)を、THF(340ml)中のtert-ブチル(2R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(8.45g、36.7mmol)及び7-ブロモ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4(3H)-オン(9.58g、36.7mmol)の撹拌された懸濁液に、モレキュラーシーブ(10g)と共に室温で少量ずつ加えた。生じた懸濁液を15分間撹拌し、次いで65℃で4時間撹拌した。反応物を室温に放冷し、次いで水(50ml)によりクエンチした。モレキュラーシーブを、セライトに通す濾過により除去し、フィルターケーキをジエチルエーテル(100ml)により洗浄した。合わせた濾液を真空中で濃縮した。生じた残渣を水で希釈し、pHを2M HCl水溶液によりpH8に調整した。水性液をEtOAc(2×200ml)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO)、濃縮すると、tert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(20.88g、>100%)を薄茶色の泡として与えた。m/z:ES[M+H]471。
tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000216
2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミド[1,2-a]アゼピン(15.33ml、102.5mmol)を、0℃のアセトニトリル(400ml)中のtert-ブチル(2R,5S)-5-{[(7-ブロモ-8-フルオロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)オキシ]メチル}-2-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(19.32g、40.99mmol)及び((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)オキシ)トリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(27.7g、53.3mmol)の撹拌された溶液にゆっくりと加えた。生じた溶液を0℃で15分間撹拌し、次いで室温で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、EtOAc(500ml)で希釈し、連続的に、2M NaCO水溶液(300ml)及びブライン(150ml)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。これを、フラッシュシリカクロマトグラフィー(ヘプタン中0~80%EtOAc)により精製すると、tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(6.59g、36%)を白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.11(3H,d),1.49(9H,s),3.18-3.4(2H,m),3.75(1H,d),4.11(1H,s),4.34(3H,d),5.03(1H,d),7.16(1H,d),8.63(1H,s).m/z:ES[M-H]453.
tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000217
N-クロロスクシンイミド(0.551g、4.13mmol)を、室温のDMF(15ml)中のtert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.7g、3.75mmol)の撹拌された懸濁液に加えた。生じた懸濁液を70℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に放冷し、懸濁液を水(57ml)で希釈し、濾過により回収し、水(19ml)で洗浄し、真空下50℃で16時間乾燥させると、tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.67g、91%)を黄色の固体として与えた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.13(3H,s),1.50(9H,s),3.35(2H,d),3.81(1H,s),4.04(1H,d),4.44(3H,dd),4.95(1H,s),8.64(1H,s).m/z:ES[M+H]487.
[(8aS,11R)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸
Figure 0007138724000218
[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(252mg、0.31mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2353mg、9.27mmol)及び酢酸カリウム(606mg、6.18mmol)を、ジオキサン(45ml)中のtert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.4g、3.09mmol)の撹拌及び脱気された溶液に加えた。生じた混合物を90℃で17時間撹拌した。反応混合物を放冷し、蒸発させ、EtOAc(125ml)と水(75ml)との間で分配し、有機層を分離し、ブライン(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させると、粗製の[(8aS,11R)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(推定3.09mmol)を茶色の油として与え、それは静置すると凝固した。m/z ES[M+H]419。
tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000219
[(8aS,11R)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(0.862g、2.06mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.096g、0.21mmol)、RuPhos Pd-G3(0.172g、0.21mmol)、炭酸カリウム(0.569g、4.12mmol)及び4-ブロモ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール(0.608g、2.06mmol)を合わせた。1,4-ジオキサン(15ml)と水(4.5ml)の脱気された混合物を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で2時間加熱した。冷却された反応混合物をEtOAc(90ml)で希釈し、2M NaCO水溶液(2×45ml)、ブライン(45ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(ヘプタン中0~100%EtOAc、次いで、DCM中0~8%1Mアンモニアのメタノール溶液)により精製すると、tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.08g、89%)を茶色の泡として与えた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.14(3H,d),1.50(9H,d),1.74(3H,d),2.09-2.24(3H,m),2.34(3H,d),3.34(2H,d),3.71-3.84(2H,m),4.02-4.24(2H,m),4.26-4.52(3H,m),4.99-5.23(1H,m),5.44-5.58(1H,m),7.05(1H,dt),7.27-7.29(1H,m),7.50(1H,dd),7.99(1H,t),8.66(1H,d).m/z(ES),[M+H]589.
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート及びtert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000220
tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(1.08g、1.83mmol)をDMF(6ml)に溶解させ、次いでN-クロロスクシンイミド(0.294g、2.20mmol)を撹拌しながら加えた。次いで、反応物を100℃で1時間加熱し、次いで室温に冷却した。溶媒を真空中で除去すると、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートとtert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートの混合物(推定1.83mmol)を茶色のゴムとして与え、それを次の工程に直接使用した。m/z ES、[M+H]539(THP基なし)及びm/z(ES+)、[M+H]623(THP基あり)。
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン
Figure 0007138724000221
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-[5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートとtert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートの混合物(推定1.83mmol)を、IPA中6M HCl(35ml、1.8mmol)中で撹拌した。生じた懸濁液を70℃で2時間撹拌し、次いで揮発物を真空中で除去した。生じた残渣を、SCXカラムを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を、1M NH/MeOHを使用してカラムから溶出させると、(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(801mg、100%)を茶色の泡として与えた。m/z ES[M-H]437。
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例46;アトロプ異性体2、実施例47)
Figure 0007138724000222
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(400mg、0.91mmol)を室温のDCM(12ml)及びIPA(2.5ml)に撹拌しながら溶解させ、次いでトリエチルアミン(0.127ml、0.91mmol)を加えた。溶液を-78℃で冷却し、次いでアクリロイルクロリド(0.078ml、0.96mmol)を5分かけて滴加した。反応物を室温で5分間撹拌し、次いでDCMを真空中で除去し、生じた混合物を、水(0.1%ギ酸を含む)とMeCN(10%から30%への勾配)の混合物を使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18 ODBカラム、5μシリカ、直径30mm、長さ100mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを、ほぼ乾固に蒸発させた。約5mlの生じた溶液を2M KCO水溶液(20ml)で処理し、DCM(3×20ml)で抽出した。合わせた抽出物を、水(10ml)及びブライン(10ml)で洗浄し、相分離器カートリッジに通し、蒸発乾固させると、灰白色のガラス質固体を与えた。これを、SFC(カラム:Chiralpak OD、20×250mm、5μm、移動相:45%MeOH+0.1%NH/55%scCO、流量:60ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離すると、1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体1(実施例46、26mg、12%、d.e.99%)を白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.21(3H,d),2.20(3H,s),3.25-3.6(2H,m),3.99-4.13(1H,m),4.22-4.46(1H,m),4.59-4.78(3H,m),4.99(1H,d),5.72(1H,dd),6.16(1H,dd),6.74-6.9(1H,m),7.22(1H,d),7.49-7.7(1H,m),8.02(1H,s),8.61(1H,s),11.47-12.41(1H,m).m/z(ES+),[M+H]493,495.これに続いて、1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オンのアトロプ異性体2(実施例47、11mg、4%、d.e.99%)が与えられた。H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.21(3H,d),2.20(3H,s),3.25-3.6(2H,m),3.99-4.13(1H,m),4.22-4.46(1H,m),4.59-4.78(3H,m),4.99(1H,d),5.72(1H,dd),6.16(1H,dd),6.74-6.9(1H,m),7.22(1H,d),7.49-7.7(1H,m),8.02(1H,s),8.61(1H,s),11.47-12.41(1H,m).m/z(ES+),[M+H]493,495.
tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000223
RuPhos Pd G3(110mg、0.13mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(61.6mg、0.13mmol)、炭酸カリウム(365mg、2.64mmol)、8-ブロモ-1-メトキシ-7-メチルイソキノリン(333mg、1.32mmol)、及び[(8aS,11R)-10-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]ボロン酸(552mg、1.32mmol)を合わせ、次いで、脱気されたジオキサン(15ml)及び脱気された水(4.5ml)を加えた。生じた混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を放冷し、次いで、EtOAc(125ml)で希釈し、水(50ml)及びブライン(25ml)で洗浄し、次いで、水層をEtOAc(75ml)で再抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(ヘプタン中0~70%EtOAc)により精製すると、tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(890mg、>100%)を茶色の泡として与えた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.18(3H,s),1.57(9H,s),2.22(3H,s),3.21-3.46(2H,m),3.55(3H,d),3.83(1H,s),4-4.19(1H,m),4.24-4.62(3H,m),4.92-5.32(1H,m),6.81(1H,d),7.24(1H,dd),7.59(1H,d),7.74(1H,d),7.95(1H,d),8.68(1H,s).
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート
Figure 0007138724000224
tert-ブチル(8aS,11R)-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(720mg、1.32mmol)をDMF(4.5ml)に溶解させ、次いでN-クロロスクシンイミド(176mg、1.32mmol)を撹拌しながら加えた。次いで、反応物を110℃で30分間加熱した。追加のN-クロロスクシンイミド(70mg、0.52mmol)を加え、反応物を110℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を放冷し、次いで、ギ酸0.1%をモディファイアーとして含む水中40~80%MeCNの勾配で溶離して逆相クロマトグラフィー(150g C18 RF GOLD)により精製すると、薄茶色の泡を与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Chiralpak IC、20×250mm、5μm、移動相:45%MeOH+0.1%NH/65%scCO、流量:60ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を利用して分離した。これにより、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(82mg、21%、d.e.98.4%)が薄茶色の泡として与えられた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.21(3H,d),1.51(9H,s),2.19(3H,s),3.35(2H,d),3.56(3H,s),3.81-4.42(3H,m),4.45-4.71(2H,m),4.97-5.26(1H,m),7.26-7.28(1H,m),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.65-8.71(1H,m).m/z(ES+),[M+H]580,582.これに続いて、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2(100mg、26%、d.e.99%)が薄茶色の泡として与えられた。H NMR(400MHz,CDCl,30℃)1.14-1.28(3H,m),1.51(9H,s),2.20(3H,s),3.33(2H,s),3.55(3H,s),3.82-4.41(3H,m),4.45-4.61(2H,m),4.94(1H,d),7.27(1H,s),7.63(1H,d),7.78(1H,d),7.96(1H,d),8.68(1H,s).m/z(ES+),[M+H]580,582.
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン(アトロプ異性体1)
Figure 0007138724000225
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(82mg、0.14mmol)、塩化リチウム(30mg、0.71mmol)、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(134mg、0.71mmol)、及び無水DMF(2.6ml)の混合物を、マイクロ波反応器中で、120℃で30分間撹拌した。粗生成物を、MeOH中にロードしながらSCXカートリッジを使用してイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。カラムを、1M NH/MeOHを使用して溶出させると、8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン アトロプ異性体1(72mg、>100%)を灰白色固体として与えた。H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.21(3H,d),2.11(3H,s),2.94-2.99(1H,m),3.48-3.59(1H,m),4.03(1H,dq),4.55(2H,dd),4.87(2H,dd),6.68(1H,d),7.11(1H,d),7.64-7.75(2H,m),8.46(1H,s).m/z(ES+),[M+H]466,468.
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン(アトロプ異性体2)
Figure 0007138724000226
標記化合物は、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メトキシ-7-メチルイソキノリン-8-イル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似の方法で調製した。標記化合物を、灰白色固体として単離した(84mg、>100%)。H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.22(3H,d),2.12(3H,s),2.95(1H,dd),3.38-3.49(1H,m),4.02(1H,dq),4.38-4.63(2H,m),4.99(1H,dd),6.67(1H,d),7.10(1H,d),7.65-7.76(2H,m),8.46(1H,s).m/z ES,[M+H]466.
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン(アトロプ異性体1、実施例48)
Figure 0007138724000227
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン アトロプ異性体1(65.2mg、0.14mmol)を、室温のDCM(5ml)及びIPA(1ml)に撹拌しながら溶解させ、次いでトリエチルアミン(0.02ml、0.14mmol)を加えた。溶液を-78℃で冷却し、次いでアクリロイルクロリド(0.012ml、0.15mmol)を5分かけて滴加した。反応混合物を放置して室温に温め、DCM(20ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄した。有機層を乾燥させ(相分離器)、真空中で濃縮した。粗生成物を、水(1%NHを含む)及びMeCN(25~50%の勾配)を溶離液として使用して、分取HPLC(WatersXSelect CSH C18カラム、5μシリカ、30×100mm)により精製した。これにより、8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン アトロプ異性体1(実施例48、37mg、51%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.21(3H,d),2.07(3H,s),3.33(1H,s),3.50(1H,dd),4.03(1H,dd),4.32(1H,s),4.62(3H,d),5.00(1H,dd),5.72(1H,dd),6.15(1H,dd),6.55(1H,d),6.81(1H,dd),7.09(1H,d),7.66-7.78(2H,m),8.56(1H,s),10.55(1H,s).m/z ES,[M+H]520,522.
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン(アトロプ異性体2、実施例49)
Figure 0007138724000228
標記化合物を、8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似の方法で調製した。標記化合物(実施例49、46mg、53%、d.e.99%)を、灰白色固体として単離した。H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.21(3H,d),2.08(3H,s),3.27(1H,s),3.51(1H,dd),3.95-4.08(1H,m),4.33(1H,s),4.63(3H,d),4.97(1H,dd),5.72(1H,dd),6.15(1H,dd),6.55(1H,d),6.81(1H,dd),7.09(1H,d),7.64-7.77(2H,m),8.56(1H,s),10.55(1H,s).m/z ES,[M+H]520,522.
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2)
Figure 0007138724000229
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(1088mg、2.48mmol)をMeOH(20ml)に溶解させ、0℃に冷却し、次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(541mg、2.48mmol)のMeOH(20ml)溶液を、0.5時間かけて滴加した。溶液を0℃で30分間撹拌し、ついで18時間かけて室温に達するようにした。炭酸セシウム(808mg、2.48mmol)を加え、反応物を室温で30分間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、生じた残渣をEtOAc(50ml)と水(20ml)との間で分配した。層を分離し、水相をEtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(相分離器)、真空中で濃縮した。粗製物質を、水(0.1%ギ酸を含む)及びMeCN(勾配15~55%)を使用して、REDISEP GOLD 150g C18カートリッジにより精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発させてアセトニトリルを除去した。生じたエマルション(150ml)を、2M KCO水溶液(50ml)により処理し、次いで混合物をEtOAc(130ml×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(相分離器)、真空中で蒸発させると、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラートを黄色のゴムとして与えた。これをMeOHに溶解させ、SFC(カラム:Phenomenex C2、20×250mm、5μm、移動相:45%MeOH+0.1%NH/55%scCO、流量:60ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を利用して分離すると、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(145mg、21%、d.e.99%)を灰白色固体として与えた。H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.15(3H,d),1.48(9H,s),2.19(3H,s),3.28(1H,t),3.51(1H,dd),3.96-4.08(2H,m),4.28-4.4(1H,m),4.54-4.72(2H,m),4.88-4.99(1H,m),7.22(1H,d),7.60(1H,d),8.02(1H,s),8.59(1H,s).m/z ES,[M+H]539,541.これに続いて、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2(267mg、40%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.14(3H,d),1.48(9H,s),2.21(3H,s),3.21-3.38(1H,m),3.43-3.57(1H,m),3.91-4.13(2H,m),4.27-4.38(1H,m),4.64(2H,d),4.93(1H,dd),7.22(1H,d),7.59(1H,s),8.01(1H,s),8.59(1H,s).m/z(ES+),[M+H]539,541.
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(アトロプ異性体1)
Figure 0007138724000230
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(145mg、0.27mmol)のDCM(5ml)溶液に、TFA(1.13ml、14.8mmol)を加え、反応混合物を2時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣をメタノールに溶解させ、完全にメタノールで洗浄しながらSCXカラムに適用した。生成物を、1Mアンモニアのメタノール溶液を使用して溶出させた。溶媒を蒸発させると、(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体1(108mg、91%)を灰白色の固体として与えた。H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.21(3H,d),2.22(3H,s),2.98(1H,dd),3.32-3.34(1H,m),3.51(1H,dd),4.04(1H,dq),4.49-4.62(2H,m),4.93(2H,dd),7.29(1H,d),7.62(1H,d),8.06(1H,s),8.50(1H,s).m/z(ES+),[M+H]439,441.
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(アトロプ異性体2)
Figure 0007138724000231
標記化合物は、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似の方法で調製した。標記化合物を灰白色固体として単離した(187mg、86%)。H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.19(3H,d),2.24(3H,s),2.86-3.04(1H,m),3.22-3.29(1H,m),3.46-3.54(1H,m),3.96-4.1(1H,m),4.54(2H,d),4.95(2H,dd),7.28(1H,d),7.62(1H,d),8.03(1H,s),8.50(1H,s).m/z(ES+),[M+H]439,441.
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例50)
Figure 0007138724000232
DIPEA(129μl、0.74mmol)を、室温のDMA(1.1ml)中の(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体1(108mg、0.25mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(112mg、0.30mmol)及び(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン酸.HCl塩(44.8mg、0.27mmol)の混合物に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(10ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)に抽出し、有機抽出物を乾燥させ(相分離器)、真空中で濃縮すると、粗生成物を与えた。これを、水(0.1%NHを含む)及びMeCN(25~55%勾配)を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、直径50mm、長さ100mm)により精製した。これにより、(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン アトロプ異性体1(実施例50、42mg、31%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.20(3H,d),2.20(3H,s),2.22(6H,s),3.09(2H,d),3.33-3.48(1H,m),3.54(1H,d),4.03(1H,s),4.23-4.45(1H,m),4.56-4.8(3H,m),4.98(1H,dd),6.54-6.81(2H,m),7.22(1H,d),7.60(1H,d),8.02(1H,s),8.60(1H,s),12.02(1H,s).m/z ES,[M+H]550,552.
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体2、実施例51)
Figure 0007138724000233
標記化合物を、(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似の方法で調製した。標記化合物を灰白色固体として単離した(実施例51、63mg、27%)。H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.19(3H,d),2.21(3H,s),2.22(6H,s),3.09(2H,d),3.29-3.59(2H,m),3.89-4.11(1H,m),4.37(1H,s),4.52-4.77(3H,m),4.96(1H,d),6.48-6.78(2H,m),7.23(1H,d),7.60(1H,s),8.01(1H,s),8.60(1H,s),12.15(1H,s).m/z ES,[M+H]550,552.
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(アトロプ異性体1及びアトロプ異性体2)
Figure 0007138724000234
tert-ブチル(8aS,11R)-5-ブロモ-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート(0.4g、0.82mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.038g、0.08mmol)、RuPhos Pd G3(0.069g、0.08mmol)、炭酸カリウム(0.340g、2.46mmol)、(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(173mg、0.98mmol)、及びジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(0.038g、0.08mmol)を反応チューブに入れて合わせた。ジオキサン(9.14ml)と水(3.04ml)の脱気された混合物を加え、反応物をさらに1分間脱気し、次いで80℃で0.5時間加熱した。反応物を室温に放冷し、10分間脱気して、次いで追加のジシクロヘキシル(2’,6’-ジイソプロポキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスファン(38mg、0.08mmol)、RuPhos Pd-G3(0.069g、0.08mmol)及び(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(144mg、0.82mmol)を加えた。反応物を80℃で20分間撹拌した。反応混合物を室温に放冷した。EtOAc(30ml)を加え、全体を水(2×20ml)で洗浄した。合わせた水性液をEtOAc(30ml)で抽出した。合わせた有機部分をブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮すると、橙色の残渣を与えた。これを、フラッシュシリカクロマトグラフィー(ヘプタン中0~100%EtOAc)により精製した。これにより残渣が与えられ、それを、SFC(カラム:Chiralpak OD、20×250mm、5μm、移動相:30%MeOH+0.1%NH/70%scCO、流量:60ml/分、120バール、カラム温度:40℃)を使用して分離した。これにより、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(104mg、46%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.14-1.26(3H,m),1.51(9H,s),2.22(3H,s),3.38-3.57(2H,m),3.96-4.06(1H,m),4.06-4.15(1H,m),4.43(1H,s),4.59-4.68(2H,m),5.08-5.33(1H,m),7.42(1H,d),7.52(1H,s),7.58(1H,d),8.55(1H,s).m/z(ES+),[M+H]539,541.これに続いて、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2(101mg、44%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.09-1.22(3H,m),1.51(9H,s),2.21(3H,s),3.36-3.57(2H,m),3.93-4.04(1H,m),4.04-4.17(1H,m),4.42(1H,s),4.64(2H,d),5.15(1H,dd),7.42(1H,d),7.54(1H,s),7.58(1H,d),8.55(1H,s).m/z ES,[M+H]539,541.
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(アトロプ異性体1)
Figure 0007138724000235
tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体1(104mg、0.19mmol)のDCM(4ml)溶液にTFA(0.813ml、10.6mmol)を加え、反応混合物を2時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣を、生成物を1Mアンモニアのメタノール溶液を使用して溶出させて、SCXカラムを使用して精製した。これにより、(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体1(83mg、98%)が灰白色の固体として与えられた。H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.23(3H,d),2.21(3H,s),2.99(1H,dd),3.35-3.41(2H,m),3.51(1H,dd),4.07(1H,dq),4.57(2H,d),4.96(1H,dd),7.41(1H,d),7.53(1H,s),7.58(1H,d),8.52(1H,s).m/z(ES+),[M+H]441.
(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン(アトロプ異性体2)
Figure 0007138724000236
標記化合物を、tert-ブチル(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-カルボキシラート アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似な方法で調製した。標記化合物を灰白色固体として単離した(86mg、>100%)。H NMR(400MHz,MeOD,30℃)1.22(3H,d),2.21(3H,s),2.99(1H,dd),3.35-3.41(2H,m),3.49-3.57(1H,m),4.03-4.14(1H,m),4.58(2H,d),4.93(1H,dd),7.41(1H,d),7.53(1H,s),7.58(1H,d),8.52(1H,s).m/z(ES+),[M+H]441.
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体1、実施例52)
Figure 0007138724000237
DIPEA(99μl、0.57mmol)を、室温のDMA(0.85ml)中の(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体1(83mg、0.19mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(86mg、0.23mmol)、及び(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン酸.HCl塩(34.5mg、0.21mmol)に一度に加えた。生じた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(10ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)に抽出し、乾燥させ(相分離器)、真空中で濃縮した。粗生成物を、水(0.1%NHを含む)及びMeCN(25~55%勾配)を溶離液として使用して、分取HPLC(Waters XSelect CSH C18カラム、5μシリカ、50×100)により精製した。これにより、(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン アトロプ異性体1(実施例52、48mg、46%、d.e.99%)が灰白色固体として与えられた。H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.21(3H,d),2.19(3H,s),2.22(6H,s),3.09(2H,d),3.55(2H,dd),4.05(1H,dd),4.36(1H,s),4.68(3H,d),4.98(1H,dd),6.47-6.79(2H,m),7.38(1H,d),7.45-7.71(2H,m),8.60(1H,s),12.86(1H,s).m/z(ES+),[M+H]550,552.
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(アトロプ異性体2、実施例53)
Figure 0007138724000238
標記化合物を、(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン アトロプ異性体2から出発して、対応するアトロプ異性体に類似の方法で調製した。標記化合物を灰白色固体として単離した(実施例53、45mg、42%、d.e.99%)。H NMR(400MHz,DMSO,100℃)1.20(3H,d),2.18(3H,s),2.22(6H,s),3.09(2H,d),3.37(1H,s),3.57(1H,dd),4-4.12(1H,m),4.35(1H,s),4.59-4.76(3H,m),4.95(1H,dd),6.56-6.75(2H,m),7.38(1H,d),7.47-7.65(2H,m),8.60(1H,s),12.87(1H,s).m/z ES,[M+H]550,552.
本願は、以下の態様も包含する。
[態様1]
式(I)の化合物:
Figure 0007138724000239
(式中:
環Aは、フェニル及び二環式ヘテロアリールから選択され;
は、各出現において、C 1~4 アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C 1~4 アルコキシ、C 1~3 フルオロアルキル、C 1~3 フルオロアルコキシ、シアノ、及びアセチレニルから独立に選択され;
bは、0、1、2、又は3であり;
Yは、CH 又はCH CH であり;
は、シアノ、ハロ、C 1~4 アルキル、C 1~4 アルコキシ、又はC 1~3 フルオロアルキルであり;
は、F、Me、Et、MeO、又はC 1~2 フルオロアルキルであり;
は、H又はMeであり;
は、H又はMeであり;
は、H又はCH NMe である);
又はその薬学的に許容できる塩(但し、YがCH であり、R がClであり、R がFであり、Aがフェニルであり、bが2である場合、前記R 基はF及びOHであり、それぞれビアリール結合に対してオルトであることを条件とし、且つ、R とR が両方ともHである場合、R がMeであることを条件とする)。
[態様2]
構造
Figure 0007138724000240
を有する、態様1に記載の化合物。
[態様3]
前記環Aが:
Figure 0007138724000241
からなる群から選択される、態様1又は態様2に記載の化合物。
[態様4]
前記R 基がHである、態様1~3のいずれか一つに記載の化合物。
[態様5]
前記R 基がHである、態様1~4のいずれか一つに記載の化合物。
[態様6]
前記Y基がCH である、態様1~5のいずれか一つに記載の化合物。
[態様7]
前記Y基がCH CH である、態様1~5のいずれか一つに記載の化合物。
[態様8]
がClである、態様1~7のいずれか一つに記載の化合物。
[態様9]
がFである、態様1~8のいずれか一つに記載の化合物。
[態様10]
がHであり、R がMeである、態様1~9のいずれか一つに記載の化合物。
[態様11]
下記から選択される、態様1に記載の化合物:
7-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン;
1-[(8aS,11S)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-11-メチル-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
5-[(8aS)-10-アクリロイル-6-クロロ-4-フルオロ-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-6-メチルキナゾリン-4(3H)-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]イソキノリン-1(2H)-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(1H-インダゾール-3-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-((8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン;及び(2E)-1-[(8aS)-6-クロロ-4-フルオロ-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;
1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン;
1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS)-4-クロロ-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
8-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-10-(プロパ-2-エノイル)-8,8a,9,10,11,12-ヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-5-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン;
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;並びに
(2E)-1-[(8aS,11R)-6-クロロ-4-フルオロ-11-メチル-5-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8a,9,11,12-テトラヒドロピラジノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-10(8H)-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン;
又はその薬学的に許容できる塩。
[態様12]
医薬品として使用するための、態様1~11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩。
[態様13]
KRAS、NRAS、又はHRAS G12C変異により介在される疾患の治療に使用するための、態様12に記載の通り使用するための化合物又はその薬学的に許容できる塩。
[態様14]
癌の治療に使用するための、態様12又は態様13に記載の通り使用するための化合物又はその薬学的に許容できる塩。
[態様15]
医薬品、任意選択で、KRAS、NRAS、又はHRAS G12C変異により介在される疾患の治療に使用するためのものである医薬品の製造に使用するための、態様1~11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩。
[態様16]
有効量の態様1~11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、それを必要とする患者に投与することを含む治療の方法。
[態様17]
前記それを必要とする患者がKRAS、NRAS、又はHRAS G12C変異により介在される疾患を有する、態様16に記載の治療の方法。
[態様18]
前記それを必要とする患者が癌を患っている、態様16又は態様17に記載の治療の方法。
[態様19]
態様1~11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩及び薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。


Claims (15)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 0007138724000242
    (式中:
    環Aは、フェニル及び二環式ヘテロアリールから選択され;
    は、各出現において、C1~4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、C1~3フルオロアルキル、C1~3フルオロアルコキシ、シアノ、及びアセチレニルから独立に選択され;
    bは、0、1、2、又は3であり;
    Yは、CHCHであり;
    は、シアノ、ハロ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、又はC1~3フルオロアルキルであり;
    は、F、Me、Et、MeO、又はC1~2フルオロアルキルであり;
    は、H又はMeであり;
    は、H又はMeであり;
    は、H又はCHNMeである);
    又はその薬学的に許容できる塩。
  2. 構造
    Figure 0007138724000243
    を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
  3. 前記環Aが:
    Figure 0007138724000244
    からなる群から選択される、請求項1又は請求項2に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
  4. 前記R基がHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
  5. 前記R基がHである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
  6. がClである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
  7. がFである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
  8. がHであり、RがMeである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
  9. 下記から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩:
    1-[(6aR,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン
    8-[3-クロロ-1-フルオロ-8-(プロパ-2-エノイル)-6,6a,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-2-イル]-7-メチルイソキノリン-1(2H)-オン;
    1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
    1-[(6aR,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン;
    及び
    1-[(6aS,9S)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン。
  10. 下記構造式の1-[(6aS,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-2-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-9-メチル-5,6,6a,7,9,10-ヘキサヒドロ-8H-ピラジノ[1’,2’:5,6][1,5]オキサゾシノ[4,3,2-de]キナゾリン-8-イル]プロパ-2-エン-1-オン、
    Figure 0007138724000245
    である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬。
  12. 請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩及び薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。
  13. 癌、例えばKRAS、NRAS、又はHRAS G12C変異により介在される癌の治療に使用するための、請求項11に記載の医薬又は請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 非小細胞肺癌または結腸直腸癌の治療に使用するための、請求項11に記載の医薬又は請求項12に記載の医薬組成物。
  15. 他の抗腫瘍剤と組み合わせて癌の治療に使用するための、請求項11に記載の医薬または請求項12に記載の医薬組成物。
JP2020560800A 2018-05-08 2019-05-07 四環式ヘテロアリール化合物 Active JP7138724B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862668321P 2018-05-08 2018-05-08
US62/668,321 2018-05-08
US201862754814P 2018-11-02 2018-11-02
US62/754,814 2018-11-02
PCT/EP2019/061754 WO2019215203A1 (en) 2018-05-08 2019-05-07 Tetracyclic heteroaryl compounds

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021532061A JP2021532061A (ja) 2021-11-25
JP7138724B2 true JP7138724B2 (ja) 2022-09-16

Family

ID=66484036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020560800A Active JP7138724B2 (ja) 2018-05-08 2019-05-07 四環式ヘテロアリール化合物

Country Status (23)

Country Link
US (1) US11407765B2 (ja)
EP (1) EP3790884A1 (ja)
JP (1) JP7138724B2 (ja)
KR (1) KR20210006948A (ja)
CN (1) CN112074520A (ja)
AU (1) AU2019267008B2 (ja)
BR (1) BR112020021467A2 (ja)
CA (1) CA3098261A1 (ja)
CL (1) CL2020002866A1 (ja)
CO (1) CO2020013564A2 (ja)
CR (1) CR20200532A (ja)
DO (1) DOP2020000201A (ja)
EC (1) ECSP20070854A (ja)
JO (1) JOP20200281A1 (ja)
MA (1) MA52560A (ja)
MX (1) MX2020011910A (ja)
NI (1) NI202000078A (ja)
PE (1) PE20211795A1 (ja)
PH (1) PH12020551870A1 (ja)
SG (1) SG11202010953QA (ja)
TW (1) TW202012415A (ja)
UY (1) UY38221A (ja)
WO (1) WO2019215203A1 (ja)

Families Citing this family (54)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7451419B2 (ja) 2018-10-26 2024-03-18 大鵬薬品工業株式会社 新規なインダゾール化合物又はその塩
CR20210504A (es) 2019-03-05 2022-02-08 Astrazeneca Ab Compuestos tricíclicos condensados útiles como agentes anticancerígenos
JP7280975B2 (ja) * 2019-04-28 2023-05-24 ▲勁▼方医▲薬▼科技(上海)有限公司 オキサアザキナゾリン-7(8h)-ケトン化合物、その調製方法及びその医薬用途
EP4055028A1 (en) 2019-11-04 2022-09-14 Revolution Medicines, Inc. Ras inhibitors
JP2022553858A (ja) 2019-11-04 2022-12-26 レボリューション メディシンズ インコーポレイテッド Ras阻害剤
US11739074B2 (en) 2019-11-04 2023-08-29 Revolution Medicines, Inc. Ras inhibitors
JP2023505100A (ja) 2019-11-27 2023-02-08 レボリューション メディシンズ インコーポレイテッド 共有ras阻害剤及びその使用
JOP20220142A1 (ar) * 2019-12-11 2023-01-30 Lilly Co Eli مثبطات kras g12c
TWI799871B (zh) * 2020-05-27 2023-04-21 大陸商勁方醫藥科技(上海)有限公司 三環并環類化合物,其製法與醫藥上的用途
IL299131A (en) 2020-06-18 2023-02-01 Revolution Medicines Inc Methods for delaying, preventing and treating acquired resistance to RAS inhibitors
CN113980032B (zh) * 2020-07-27 2023-06-16 江苏恒瑞医药股份有限公司 稠合四环类衍生物、其制备方法及其在医药上的应用
CN116209438A (zh) 2020-09-03 2023-06-02 锐新医药公司 使用sos1抑制剂治疗具有shp2突变的恶性疾病
CN117683049A (zh) 2020-09-15 2024-03-12 锐新医药公司 作为ras抑制剂以治疗癌症的吲哚衍生物
US20230107642A1 (en) 2020-12-18 2023-04-06 Erasca, Inc. Tricyclic pyridones and pyrimidones
CN114685531A (zh) * 2020-12-25 2022-07-01 武汉誉祥医药科技有限公司 四并环化合物及其药物组合物和应用
CN116867792A (zh) * 2021-02-09 2023-10-10 基因泰克公司 四环氧氮杂䓬化合物及其用途
WO2022188729A1 (en) * 2021-03-07 2022-09-15 Jacobio Pharmaceuticals Co., Ltd. Fused ring derivatives useful as kras g12d inhibitors
BR112023018785A2 (pt) * 2021-03-17 2023-12-12 Genfleet Therapeutics Shanghai Inc Composto cíclico fundido com pirimidina, método de preparação do mesmo e uso do mesmo
WO2022199587A1 (zh) * 2021-03-24 2022-09-29 南京明德新药研发有限公司 嘧啶并杂环类化合物及其应用
CN116113632A (zh) * 2021-03-30 2023-05-12 浙江海正药业股份有限公司 杂环类衍生物、其制备方法及其医药上的用途
EP4320132A1 (en) * 2021-04-08 2024-02-14 Genentech, Inc. Oxazepine compounds and uses thereof in the treatment of cancer
KR20240017811A (ko) 2021-05-05 2024-02-08 레볼루션 메디슨즈, 인크. 암의 치료를 위한 ras 억제제
AU2022270116A1 (en) 2021-05-05 2023-12-21 Revolution Medicines, Inc. Ras inhibitors
MX2023015533A (es) * 2021-06-21 2024-01-23 Jiangsu Hengrui Pharmaceuticals Co Ltd Compuesto tetraciclico fusionado, metodo de preparacion y aplicacion en medicina.
WO2023274383A1 (zh) * 2021-07-02 2023-01-05 上海迪诺医药科技有限公司 Kras g12d抑制剂及其应用
CN117677624A (zh) * 2021-07-19 2024-03-08 上海艾力斯医药科技股份有限公司 新型吡啶并嘧啶衍生物
EP4373827A1 (en) * 2021-07-23 2024-05-29 Suzhou Zanrong Pharma Limited Kras g12d inhibitors and uses thereof
TW202315626A (zh) * 2021-08-31 2023-04-16 大陸商勁方醫藥科技(上海)有限公司 嘧啶并環類化合物及其製法和用途
EP4395769A1 (en) 2021-09-01 2024-07-10 Novartis AG Pharmaceutical combinations comprising a tead inhibitor and uses thereof for the treatment of cancers
EP4389751A1 (en) 2021-09-03 2024-06-26 Kumquat Biosciences Inc. Heterocyclic compounds and uses thereof
CN118019746A (zh) * 2021-09-27 2024-05-10 北京加科思新药研发有限公司 多环稠环衍生物及其用途
AR127308A1 (es) 2021-10-08 2024-01-10 Revolution Medicines Inc Inhibidores ras
WO2023066371A1 (zh) 2021-10-22 2023-04-27 江苏恒瑞医药股份有限公司 含氮的四环化合物、其制备方法及其在医药上的应用
WO2023072297A1 (zh) * 2021-11-01 2023-05-04 江苏恒瑞医药股份有限公司 含氮的四环化合物、其制备方法及其在医药上的应用
WO2023103906A1 (zh) * 2021-12-07 2023-06-15 贝达药业股份有限公司 Kras g12d抑制剂及其在医药上的应用
WO2023114954A1 (en) 2021-12-17 2023-06-22 Genzyme Corporation Pyrazolopyrazine compounds as shp2 inhibitors
TW202333800A (zh) 2021-12-28 2023-09-01 英商阿斯特捷利康英國股份有限公司 抗體-藥物結合物及rasg12c抑制劑之組合
EP4227307A1 (en) 2022-02-11 2023-08-16 Genzyme Corporation Pyrazolopyrazine compounds as shp2 inhibitors
CN114539073A (zh) * 2022-02-18 2022-05-27 郑州萃智医药科技有限公司 3-溴-2-氯-4,6-二氟苯胺的合成方法
WO2023172940A1 (en) 2022-03-08 2023-09-14 Revolution Medicines, Inc. Methods for treating immune refractory lung cancer
WO2023205701A1 (en) 2022-04-20 2023-10-26 Kumquat Biosciences Inc. Macrocyclic heterocycles and uses thereof
WO2023240263A1 (en) 2022-06-10 2023-12-14 Revolution Medicines, Inc. Macrocyclic ras inhibitors
WO2024031088A1 (en) 2022-08-05 2024-02-08 Kumquat Biosciences Inc. Heterocyclic compounds and uses thereof
WO2024032703A1 (en) * 2022-08-11 2024-02-15 Beigene, Ltd. Heterocyclic compounds, compositions thereof, and methods of treatment therewith
WO2024041621A1 (en) * 2022-08-25 2024-02-29 Jacobio Pharmaceuticals Co., Ltd. K-ras mutant protein inhibitors
WO2024138486A1 (en) * 2022-12-29 2024-07-04 Nikang Therapeutics, Inc. Tetracyclic derivatives as kras inhibitors
WO2024063576A1 (ko) * 2022-09-23 2024-03-28 일동제약(주) Kras 저해 물질로서 신규한 퀴나졸린 화합물
WO2024063578A1 (ko) * 2022-09-23 2024-03-28 일동제약(주) 신규한 테트라헤테로사이클 화합물
TW202417455A (zh) * 2022-10-18 2024-05-01 南韓商日東製藥股份有限公司 新穎三雜環化合物及藥學組成物
WO2024102421A2 (en) 2022-11-09 2024-05-16 Revolution Medicines, Inc. Compounds, complexes, and methods for their preparation and of their use
WO2024120419A1 (en) * 2022-12-06 2024-06-13 Zai Lab (Shanghai) Co., Ltd. Fused tetracyclic compounds as kras g12d modulators and uses thereof
WO2024131829A1 (zh) * 2022-12-20 2024-06-27 江苏恒瑞医药股份有限公司 一种kras g12d抑制剂的结晶形式及制备方法
WO2024149214A1 (en) * 2023-01-10 2024-07-18 Nikang Therapeutics, Inc. Bifunctional compounds for degrading kras-12d via ubiquitin proteasome pathway
WO2024153119A1 (en) * 2023-01-18 2024-07-25 Suzhou Zanrong Pharma Limited Kras g12d inhibitors and uses thereof

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016532656A (ja) 2013-10-10 2016-10-20 アラクセス ファーマ エルエルシー Krasg12cの阻害剤
JP2017528488A (ja) 2014-09-18 2017-09-28 アラクセス ファーマ エルエルシー がんの処置のための併用療法
JP2020519589A (ja) 2017-05-11 2020-07-02 アストラゼネカ・アクチエボラーグAstrazeneca Aktiebolag G12c変異型rasタンパク質を阻害するヘテロアリール化合物

Family Cites Families (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013155223A1 (en) 2012-04-10 2013-10-17 The Regents Of The University Of California Compositions and methods for treating cancer
WO2014143659A1 (en) 2013-03-15 2014-09-18 Araxes Pharma Llc Irreversible covalent inhibitors of the gtpase k-ras g12c
AU2014239542A1 (en) 2013-03-15 2015-10-01 Araxes Pharma Llc Covalent inhibitors of KRas G12C
WO2016049524A1 (en) 2014-09-25 2016-03-31 Araxes Pharma Llc Inhibitors of kras g12c mutant proteins
KR20180005178A (ko) 2015-04-10 2018-01-15 아락세스 파마 엘엘씨 치환된 퀴나졸린 화합물 및 이의 사용방법
WO2016168540A1 (en) 2015-04-15 2016-10-20 Araxes Pharma Llc Fused-tricyclic inhibitors of kras and methods of use thereof
EP3325447A1 (en) 2015-07-22 2018-05-30 Araxes Pharma LLC Substituted quinazoline compounds and their use as inhibitors of g12c mutant kras, hras and/or nras proteins
US10730867B2 (en) * 2015-09-28 2020-08-04 Araxes Pharma Llc Inhibitors of KRAS G12C mutant proteins
WO2017058902A1 (en) 2015-09-28 2017-04-06 Araxes Pharma Llc Inhibitors of kras g12c mutant proteins
EP3356353A1 (en) 2015-09-28 2018-08-08 Araxes Pharma LLC Inhibitors of kras g12c mutant proteins
EP3356359B1 (en) 2015-09-28 2021-10-20 Araxes Pharma LLC Inhibitors of kras g12c mutant proteins
US10875842B2 (en) 2015-09-28 2020-12-29 Araxes Pharma Llc Inhibitors of KRAS G12C mutant proteins
WO2017058915A1 (en) 2015-09-28 2017-04-06 Araxes Pharma Llc Inhibitors of kras g12c mutant proteins
EP3356351A1 (en) 2015-09-28 2018-08-08 Araxes Pharma LLC Inhibitors of kras g12c mutant proteins
CA3005089A1 (en) 2015-11-16 2017-05-26 Araxes Pharma Llc 2-substituted quinazoline compounds comprising a substituted heterocyclic group and methods of use thereof
JP7039489B2 (ja) 2016-05-18 2022-03-22 ミラティ セラピューティクス, インコーポレイテッド Kras g12c阻害剤
JP2019529484A (ja) 2016-09-29 2019-10-17 アラクセス ファーマ エルエルシー Kras g12c変異体タンパク質の阻害剤
WO2018068017A1 (en) 2016-10-07 2018-04-12 Araxes Pharma Llc Heterocyclic compounds as inhibitors of ras and methods of use thereof
AU2017379074C9 (en) 2016-12-22 2023-06-08 Amgen Inc. Benzisothiazole, isothiazolo[3,4-b]pyridine, quinazoline, phthalazine, pyrido[2,3-d]pyridazine and pyrido[2,3-d]pyrimidine derivatives as KRAS G12C inhibitors for treating lung, pancreatic or colorectal cancer
US20200385364A1 (en) 2017-01-26 2020-12-10 Araxes Pharma Llc Fused n-heterocyclic compounds and methods of use thereof
US11274093B2 (en) 2017-01-26 2022-03-15 Araxes Pharma Llc Fused bicyclic benzoheteroaromatic compounds and methods of use thereof
CN110382482A (zh) 2017-01-26 2019-10-25 亚瑞克西斯制药公司 稠合的杂-杂二环化合物及其使用方法
EP3573970A1 (en) 2017-01-26 2019-12-04 Araxes Pharma LLC 1-(6-(3-hydroxynaphthalen-1-yl)quinazolin-2-yl)azetidin-1-yl)prop-2-en-1-one derivatives and similar compounds as kras g12c inhibitors for the treatment of cancer
US11358959B2 (en) 2017-01-26 2022-06-14 Araxes Pharma Llc Benzothiophene and benzothiazole compounds and methods of use thereof
US11279689B2 (en) 2017-01-26 2022-03-22 Araxes Pharma Llc 1-(3-(6-(3-hydroxynaphthalen-1-yl)benzofuran-2-yl)azetidin-1 yl)prop-2-en-1-one derivatives and similar compounds as KRAS G12C modulators for treating cancer
JOP20190186A1 (ar) 2017-02-02 2019-08-01 Astellas Pharma Inc مركب كينازولين
JOP20190272A1 (ar) 2017-05-22 2019-11-21 Amgen Inc مثبطات kras g12c وطرق لاستخدامها
CN110831933A (zh) 2017-05-25 2020-02-21 亚瑞克西斯制药公司 喹唑啉衍生物作为突变kras、hras或nras的调节剂
CA3063440A1 (en) 2017-05-25 2018-11-29 Araxes Pharma Llc Covalent inhibitors of kras
TW201906832A (zh) 2017-05-25 2019-02-16 美商亞瑞克西斯製藥公司 用於癌症治療之化合物及其使用方法
ES2928576T3 (es) 2017-09-08 2022-11-21 Amgen Inc Inhibidores de KRAS G12C y métodos de uso de los mismos
CN118459460A (zh) 2017-11-15 2024-08-09 米拉蒂治疗股份有限公司 Kras g12c抑制剂
US10597405B2 (en) 2017-12-08 2020-03-24 Astrazeneca Ab Chemical compounds
TW201942115A (zh) 2018-02-01 2019-11-01 美商輝瑞股份有限公司 作為抗癌藥之經取代的喹唑啉和吡啶並嘧啶衍生物
TW201942116A (zh) 2018-02-09 2019-11-01 美商輝瑞股份有限公司 作為抗癌劑之四氫喹唑啉衍生物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016532656A (ja) 2013-10-10 2016-10-20 アラクセス ファーマ エルエルシー Krasg12cの阻害剤
JP2017528488A (ja) 2014-09-18 2017-09-28 アラクセス ファーマ エルエルシー がんの処置のための併用療法
JP2020519589A (ja) 2017-05-11 2020-07-02 アストラゼネカ・アクチエボラーグAstrazeneca Aktiebolag G12c変異型rasタンパク質を阻害するヘテロアリール化合物

Also Published As

Publication number Publication date
UY38221A (es) 2019-10-31
CA3098261A1 (en) 2019-11-14
PH12020551870A1 (en) 2021-07-26
DOP2020000201A (es) 2020-11-30
NI202000078A (es) 2021-02-16
TW202012415A (zh) 2020-04-01
CO2020013564A2 (es) 2020-11-10
CN112074520A (zh) 2020-12-11
PE20211795A1 (es) 2021-09-09
US11407765B2 (en) 2022-08-09
CL2020002866A1 (es) 2021-02-12
US20210221823A1 (en) 2021-07-22
AU2019267008A1 (en) 2021-01-07
SG11202010953QA (en) 2020-12-30
CR20200532A (es) 2020-12-23
KR20210006948A (ko) 2021-01-19
BR112020021467A2 (pt) 2021-01-19
AU2019267008B2 (en) 2022-02-17
WO2019215203A1 (en) 2019-11-14
JOP20200281A1 (ar) 2020-11-05
MA52560A (fr) 2021-03-17
MX2020011910A (es) 2021-01-29
ECSP20070854A (es) 2020-12-31
JP2021532061A (ja) 2021-11-25
EP3790884A1 (en) 2021-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7138724B2 (ja) 四環式ヘテロアリール化合物
JP7453989B2 (ja) 抗癌剤として有用な縮合三環式化合物
US10597405B2 (en) Chemical compounds
JP2020519589A (ja) G12c変異型rasタンパク質を阻害するヘテロアリール化合物
CN102459272B (zh) 对P110δ具有选择性的为PI3K抑制剂的二环嘧啶化合物和使用方法
JP2022508108A (ja) Kras g12c阻害剤
AU2022232523A1 (en) Kras g12d inhibitors
BR112021009610A2 (pt) composto, composição farmacêutica, uso de um composto ou composição, e, método de inibir necrose, ferroptose, rip1 humana ou indicações relacionadas
WO2021247969A1 (en) Inhibitors of fibroblast growth factor receptor kinases
JP7406674B2 (ja) スピロ環化合物
WO2023006013A1 (zh) 新型parp7抑制剂及其应用
CA3239857A1 (en) Carbonyl substituted diazaspiro compounds and its use
CN112521372B (zh) 一种细胞凋亡蛋白抑制剂及其制备方法和用途
US20240317769A1 (en) Kras g12d inhibitors
US20240067662A1 (en) Kras inhibitors

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210527

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7138724

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150