JP7138594B2 - 船舶 - Google Patents

船舶 Download PDF

Info

Publication number
JP7138594B2
JP7138594B2 JP2019053020A JP2019053020A JP7138594B2 JP 7138594 B2 JP7138594 B2 JP 7138594B2 JP 2019053020 A JP2019053020 A JP 2019053020A JP 2019053020 A JP2019053020 A JP 2019053020A JP 7138594 B2 JP7138594 B2 JP 7138594B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deck
vehicle
ramp
boarding
rampway
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019053020A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020152247A (ja
Inventor
俊紀 澤田
行久 藤原
Original Assignee
三菱重工マリタイムシステムズ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三菱重工マリタイムシステムズ株式会社 filed Critical 三菱重工マリタイムシステムズ株式会社
Priority to JP2019053020A priority Critical patent/JP7138594B2/ja
Publication of JP2020152247A publication Critical patent/JP2020152247A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7138594B2 publication Critical patent/JP7138594B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)

Description

本発明はランプウェイを用いて車両を搭載/揚陸する船舶に関する。
揚陸用の船舶、カーフェリー、RO_RO(Roll-On/Roll-Off)船のように、車両を自走で搭載/揚陸する船舶では、暴露甲板の下に車両を搭載する車両甲板を備えるものがある。この構造では、船首や船尾等に自船と岸壁等との間を橋渡しする可動式の架橋構造であるランプウェイを備えている。
このような船舶では、船舶に装備されたランプウェイを岸壁に渡し、輸送する貨物(自動車)が自走して積み込めるよう、車両甲板に設けるランプウェイの高さを、岸壁と揃えるか少し高くするのが一般的である。岸壁に対する船舶の高さは海の干満潮の影響を受けることから、ランプウェイを装備する位置を喫水からある程度高い位置に設ける必要がある。しかしながら、比較的小さな輸送船及び自動車運搬船では、ランプウェイを装備する位置を高くすると、ランプウェイが装備されている車両甲板が高くなり、船舶の重心が上がるので、復原性が悪化する。
これに関連して、特許文献1では、船内可動ランプ板と舷外可動ランプ板の2枚の橋板をヒンジ結合した折り畳み式のランプウェイを用い、船内可動ランプ板を船内に設けた構造を開示している。この構造では、ランプウェイを展開する際の橋板同士の角度を調整することで、岸壁と車両甲板(自動車乗り入れ甲板)の高さの違いに対応している。この技術では、岸壁が車両甲板より高い場合は、船内可動ランプ板と舷外可動ランプ板を上側が凸となる「へ字状」に折り曲げて対応しているので、一枚形成のランプウェイの構造に比べてより高い岸壁に対応できる。
しかしながら、岸壁が高くなると、車両甲板と船内可動ランプ板との角度、及び船内可動ランプ板と舷外可動ランプ板との間の角度が大きくなる。この角度は車両走行の「腹打ち」等のために制限を受けるので、自走で荷役可能な岸壁の高さに限界があるという問題がある。
また、比較的小さな輸送船及び自動車運搬船では、車両甲板の天井となる暴露甲板に、車両やコンテナなどを搭載する場合がある。例えば、コンテナ/車両運搬兼用船では、暴露甲板にコンテナを積み上げる。このような場合では、船の重心が高くなるため、復原性能の悪化を防ぐために、船幅を大きくするなどの対応が必要になり、船体規模が大きくなる問題がある。
特開平06-255570号公報
本発明の目的は、車両を搭載する車両甲板と、車両甲板の上に設けられた暴露甲板と、車両が岸壁との間で通行するための可動式のランプウェイとを備えた船舶において、比較的高い岸壁に対しても車両を搭載/揚陸可能、即ちRo_Ro方式による荷役が可能な港湾岸壁を増やすことができると共に、復原性能及び凌波性能にも優れた船舶の提供である。
本発明の船舶は、車両を搭載する車両甲板と、前記車両甲板の上に設けられた暴露甲板と、前記車両が岸壁との間で通行するための可動式のランプウェイとを備えた船舶であって、船首又は船尾の少なくとも一方で前記車両甲板よりも高い位置に設けられ、かつ、前記ランプウェイの船内側端部が設けられる乗込スペースと、前記乗込スペースと前記車両甲板との間を前記車両が通行するための乗下船用傾斜路を備えると共に、前記乗下船用傾斜路に対して天井となる前記暴露甲板の部分で、かつ、前記乗下船用傾斜路の直上となる部分の一部が開口していることを特徴とする。
お、この「乗込スペース」は、車両が通過でき、ランプウェイの船内側端部が設けられる場所であればよく、乗込甲板であってもよく、乗込用通路であってもよい。 また、この「乗下船用傾斜路」は、車両エレベータであってもよい。
この構成では、車両を固縛する車両甲板よりも高い位置に設けられた乗込スペースにランプウェイを装備することで、ランプウェイの船内側端部を高い位置に設けることができ、Ro_Ro方式による荷役が可能な港湾岸壁を増やすことができる。
また、車両を搭載/揚陸する際に、直上の暴露甲板が、くり抜かれて開口されるか、上側に凸の形状に形成されている乗下船用傾斜路を車両が通行する。そのため、車両甲板の天井となる暴露甲板の高さが低くても、乗下船用傾斜路を通行する車両の上部が暴露甲板に当たることが無く、車両は、車両甲板から乗込スペースに昇ったり、乗込スペースから車両甲板に降りたりすることができる。
従って、車両甲板を低い位置に設けたまま、乗込スペースに装備されるランプウェイの船内側端部の位置を高い位置に配置しても、暴露甲板の全体を高くする必要が無くなる。そのため、暴露甲板に車両やコンテナ等が搭載される際において、船舶の重心の上昇を抑制することができ、船舶の復原性能を確保し易い構造となる。
また、ランプウェイの装備位置を高くすることで、水面付近の船型を絞れるので、凌波性能が向上し、燃費改善を図ることができる。
本発明によれば、車両を搭載する車両甲板と、車両甲板の上に設けられた暴露甲板と、車両が岸壁との間で通行するための可動式のランプウェイとを備えた船舶において、比較的高い岸壁に対しても車両を搭載/揚陸可能、即ちRo_Ro方式による荷役が可能な港湾岸壁を増やすことができると共に、復原性能及び凌波性能にも優れた船舶を提供できる。
本実施形態に係る船舶を示す側断面図である。 図1のA1-A1断面図であって、ランプウェイを展開した状態を示す。 (a)は図2のA2-A2断面図、(b)は図2のA3-A3断面図、(c)は図2のA4-A4断面図である。 図1の車両甲板上から船首方向を見た斜視図である。 図1の船首側乗込スペースから船尾方向を見た斜視図である。 図1の船尾側乗込スペースから車両甲板を見た斜視図である。 図1の暴露甲板から船内傾斜路を見た斜視図である。 図1の左舷側船尾方向から船舶を見た斜視図であって、船尾側ランプウェイは記載を省略している。
以下、図面に基づき本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
まず図1~図3を参照して本実施形態に係る船舶の構成を説明する。ここでは船舶として、車両の揚陸用の船舶が例示されている。
図1~図3に示すように船舶1は、船体3、車両甲板5、暴露甲板7、ランプウェイ9、乗込スペース11、及び乗下船用傾斜路13を備える。
船体3は、船舶1の船殻となる構造体であり、船底15、側壁17、暴露甲板7を備え、これらの部材で船内を囲むように構成されている。また、船体3には、車両甲板5、乗込スペース11、乗下船用傾斜路13、及び船内傾斜路14が設けられている。さらに船体3は船首楼4a及び船尾楼4bを備えている。船首楼4a及び船尾楼4bは船首及び船尾の側壁17が船長方向の中央部よりも高く形成された部分である。
図1及び図2に示すように車両甲板5は車両200を積載する甲板である。車両甲板5は車両200の通行にも使用される甲板であり、ここでは船体3内に船長方向に沿って配置された甲板である。車両甲板5は図1では平甲板である。
暴露甲板7は上側に天井が無く解放されている甲板であり、図1及び図3(b)に示すように車両甲板5の上方に設けられた、車両甲板5上の空間の天井甲板でもある。図1では暴露甲板7は車両200を積載し、かつ車両200が通行する通路でもあるが、暴露甲板7はこの構成に限定されない。暴露甲板7にコンテナ等の他の貨物を搭載してもよいし、あるいは車両200やコンテナ等の貨物を搭載しなくてもよい。
なお、暴露甲板7のうち、船首楼4a及び船尾楼4bに設けられた部分は、天井甲板6a、6bとして、他の部分よりも高い位置に設けられている。
ランプウェイ9は、船舶1の揚陸時に陸地にかけられる可動式の橋である。図1の船舶1は、船首端に設けられた船首側ランプウェイ9a、及び船尾端に設けられた船尾側ランプウェイ9bの2つがランプウェイ9として設けられる。船首側ランプウェイ9aは船首端に図1のB1、B2の向きに回動可能にヒンジ結合されている。また船首側ランプウェイ9aは船長方向に平行な向きに展開される。船尾側ランプウェイ9bは、左舷側の船尾端に図1のC1、C2の向きに回動可能にヒンジ結合されている。船尾側ランプウェイ9bは、船長方向に対して平面視で左舷側に傾いた向きに展開される。
図1ではランプウェイ9は、船体3との接続部が車両甲板5よりも高い位置に設けられている。
ランプウェイ9は、ここでは2枚の橋板の端部を回動可能ヒンジ結合した折り畳み式のランプウェイである。具体的には、船首側ランプウェイ9aは、図1のB1、B2の向きに回動可能にヒンジ結合されている。船尾側ランプウェイ9bは、図1のC1、C2の向きに回動可能にヒンジ結合されている。ランプウェイ9を折り畳み式とすることで、揚陸可能な岸壁の高さの範囲が単板のランプウェイよりも広くなり、揚陸船としての用途を拡大できる。
ランプウェイ9の橋板の枚数は2枚には限定されない。例えば橋板の枚数を3枚以上とすることで、揚陸可能な岸壁の高さの範囲をさらに広げられる。また、揚陸可能な岸壁の高さの範囲次第では、ランプウェイ9の橋板の枚数を1枚にしてもよい。
乗込スペース11は、ランプウェイ9の船内側端部が設けられる部分であり、ここではランプウェイ9の船内側端部と同じ高さに設けられた乗込甲板である。よって乗込スペース11は、車両甲板5よりも高い位置に設けられている。
具体的には乗込スペース11は、図1に示すように船首側ランプウェイ9aの船内側端部10aと接続される船首側乗込スペース11aを備えるとともに、図2に示すように船尾側ランプウェイ9bの船内側端部10bと接続される船尾側乗込スペース11bも備える。船首側乗込スペース11aは、船首側ランプウェイ9aが展開された状態では水平方向に開放される開放部12a(図4参照)を備え、ランプウェイ9が展開された状態でこの開放部12aを車両200が通過することで、乗下船を行う。船尾側乗込スペース11bも、船尾側ランプウェイ9bが展開された状態では水平方向に開放される開放部12b(図8参照)を備え、船尾側ランプウェイ9bが展開された状態でこの開放部12bを車両200が通過することで、乗下船を行う。
乗込スペース11は図1では平甲板である。ただし、車両200の通行に支障がない範囲で傾斜していてもよい。
このように、車両200を固縛する車両甲板5よりも高い位置に設けられた乗込スペース11にランプウェイ9を装備することで、ランプウェイ9の船内側端部を高い位置に設けることができる。そのため、Ro_Ro方式による荷役が可能な港湾岸壁を増やすことができる。
乗下船用傾斜路13は、車両200が乗込スペース11と車両甲板5との間を通行するための通路であり、図1では車両甲板5から乗込スペース11に向けて上方に傾斜した傾斜路である。
乗下船用傾斜路13を設けると、車両甲板5の高さとランプウェイ9の高さに差があっても、車両200が乗込スペース11と車両甲板5との間を通行できる。そのため、船体3の重心を下げつつも、揚陸可能な岸壁の高さの範囲を広げられる。
船舶1は、乗下船用傾斜路13に対して天井となる暴露甲板7の部分で、かつ、乗下船用傾斜路13の直上となる部分の一部が上側に凸の形状に形成されている。
具体的には、船首側乗下船用傾斜路13aに対して天井となる暴露甲板7の部分で、かつ、船首側乗下船用傾斜路13aの直上となる部分は、船首楼4aの天井甲板6aとして、暴露甲板7よりも高い位置に設けられている。よって、暴露甲板7は天井甲板6aが上側に凸の形状に形成されている。船首側乗下船用傾斜路13aから天井甲板6aまでの高さは、船首側乗下船用傾斜路13aを通行する車両200が天井甲板6aに接触しない程度の高さである。
また、船尾側乗下船用傾斜路13bに対して天井となる暴露甲板7の部分で、かつ、船尾側乗下船用傾斜路13bの直上となる部分は、船尾楼4bの天井甲板6bとして、暴露甲板7よりも高い位置に設けられている。よって、暴露甲板7は天井甲板6bが上側に凸の形状に形成されている。船尾側乗下船用傾斜路13bから天井甲板6bまでの高さは、船尾側乗下船用傾斜路13bを通行する車両200が天井甲板6bに接触しない程度の高さである。
このように、乗下船用傾斜路13の直上の暴露甲板7が上側に凸の形状に形成されていると、車両甲板5の天井となる暴露甲板7の高さが低くても、乗下船用傾斜路13を通行する車両200の上部が暴露甲板7に接触することが無い。そのため、車両200は、乗下船用傾斜路13を介して車両甲板5から乗込スペース11に昇ったり、乗込スペース11から車両甲板5に降りたりできる。
従って、車両甲板5を低い位置に設けたまま、乗込スペース11に装備されるランプウェイ9の船内側端部の位置を高い位置に配置しても、暴露甲板7の一部である天井甲板6a、6bのみを高くすれば、暴露甲板7の全体を高くする必要が無くなる。そのため、暴露甲板7に車両200やコンテナ等が搭載される際において、船舶1の重心の上昇を抑制することができ、船舶1の復原性能を確保し易い構造となる。
また、この構成ではランプウェイ9の装備位置を高くすることで、水面付近の船型を絞れるので、凌波性能が向上し、燃費改善を図ることができる。
加えて、ランプウェイ9の装備位置より低い位置に車両甲板を設けることで重心を低く出来る。この構成では船舶1の重心が下がる分と同程度のKM(メタセンター高さ)の減少量を許容できるので、船幅の増加を抑制でき、同じ船長であっても、船幅を小さくできるので、推進性能を向上でき、燃費の改善を図ることができる。これにより、建造コスト、運航コスト等を低減できる。
一方で、この構成では船舶1の重心が下がる分と同程度のKM(メタセンター高さ)の減少量を許容できるので、排水量を増すことができ、搭載する貨物量を増加できる。もしくは、重量物を高い位置に積載することができ、積載貨物及び積み付け条件での自由度が増加する。
さらに、この構成では乗下船用傾斜路13直上の暴露甲板7の一部を上に凸に形成して乗下船用傾斜路13の天井高さを確保するため、ランプウェイ9や車両甲板5の大幅な設計変更が不要である。
図1では乗下船用傾斜路13に対して天井となる暴露甲板7の部分で、かつ、乗下船用傾斜路13の直上となる部分の一部が上側に凸の形状に形成されている。ただし、乗下船用傾斜路13の天井高さを確保できるのであれば、乗下船用傾斜路13の直上となる部分の形状は上に凸に限定されない。例えば船首楼4aに天井甲板6aを設けないで、暴露甲板7において船首側乗下船用傾斜路13aの直上となる部分を開口としてもよい。あるいは船尾楼4bに天井甲板6bを設けないで、暴露甲板7において船尾側乗下船用傾斜路13bの直上となる部分を開口としてもよい。
ただし、図1に示すように、乗下船用傾斜路13は、上部構造物の甲板の少なくとも一部を天井とするのが好ましい。例えば図1及び図3(c)では船首側乗下船用傾斜路13aは上部構造物である船首楼4aの天井甲板6aを天井としている。また、図1及び図3(a)では船尾側乗下船用傾斜路13bは上部構造物である船尾楼4bの天井甲板6b及び居住区4cの床6cを天井としている。
図1に示すように、乗下船用傾斜路13の一部の直上の天井となる部分の暴露甲板7が開口されている場合、船首楼4a、船尾楼4b、船橋を備えた居住区4c等の上部構造物の甲板を天井とすれば、乗下船用傾斜路13の天井高さを暴露甲板7より容易に高くできる。また、この天井となる甲板により、乗下船用傾斜路13への雨水の侵入を防止できる。
車両甲板5及び乗込スペース11に対する乗下船用傾斜路13の傾斜角は、車両200が通行可能な範囲であれば、特に限定しない。この傾斜角は一定である必要もない。車両甲板5側から乗込スペース11側に向けて、傾斜角が小さくなる構成としてもよい。この構成とすることで、車両200が乗下船用傾斜路13を通行中に車両200の底面が乗下船用傾斜路13と乗込スペース11の連結部に接触する、いわゆる「腹打ち(車腹部)、鼻打ち(前部)、尻打ち(後部)」等と呼ばれる事故が起こり難くなる。また、この乗下船用傾斜路13は車両エレベータであってもよい。
乗下船用傾斜路13の船幅方向の設置位置は、車両甲板5と乗込スペース11を連結可能な位置であれば特に限定されない。ただし、図2及び図4に示すように船首側乗下船用傾斜路13aは、船幅方向において船体中央になるべく近い位置に設けるのが好ましい。具体的には船幅方向において船体中心線C(図3(c)参照)を跨ぐように設けるのが好ましく、船体中央に設けるのがより好ましい。
船首側乗下船用傾斜路13aを船幅方向の船体中央になるべく近い位置に設けることで、船首部における水面付近の船体3の形状が横方向に広がることを回避でき、船首部の水面より下の形状を細い形状とすることができ、凌波性能をより向上でき、燃費をより改善できる。
船内傾斜路14は、車両200が乗込スペース11と暴露甲板7との間を通行するための通路であり、必要に応じて設けられる。
図1では船内傾斜路14は船尾側乗込スペース11bと暴露甲板7との間を接続する通路である。
図2及び図5~図8に示すように、船尾側乗込スペース11bは船幅方向に船尾側乗下船用傾斜路13bと並列して設けられている。
具体的には、船尾側乗下船用傾斜路13bが船幅中央部に対して左舷側にオフセットして設けられており、船内傾斜路14は船尾側乗下船用傾斜路13bが船幅中央部に対して右舷側にオフセットして並列配置されている。
図1、図6、図8に示すように船内傾斜路14は船尾側乗込スペース11bから暴露甲板7に向けて上方に傾斜するように設けられており、傾斜する向きが船尾側乗下船用傾斜路13bと逆になっている。船内傾斜路14の暴露甲板7側の終端は、ここでは図7に示すように、居住区4cの前面を暴露甲板7に向けて開放した開放部12cを形成している。この開放部12cを車両200が通過することで、暴露甲板7と船尾側乗込スペース11bとの間で車両200が自走で移動できる。
図1及び図7に示すように船内傾斜路14に対して天井となる暴露甲板7の部分で、かつ、船内傾斜路14の直上となる部分の一部が開口又は上側に凸形状に形成されている。図1では船内傾斜路14の直上となる部分の一部が船尾楼4bの天井甲板6bとして上側に凸形状に形成されている。
船内傾斜路14を設けることで、船尾側乗込スペース11bと船内傾斜路14を介して、暴露甲板7と船尾側ランプウェイ9bの間が接続される。そのため、暴露甲板7に車両200を搭載する場合に、岸壁と暴露甲板7との間を車両200が天井にぶつかることなく船内傾斜路14を介して自走できる。
図1及び図6~図8では船尾側乗込スペース11bと暴露甲板7を接続するように船尾側に船内傾斜路14が設けられているが、船内傾斜路14の位置は船尾側に限定されない。船首側乗込スペース11aと暴露甲板7を接続するように船首側に船内傾斜路14を設けてもよい。
船内傾斜路14を設ける場合、上部構造物の甲板の少なくとも一部を天井とするのが好ましい。例えば図1及び図7では、船尾側乗下船用傾斜路13bは上部構造物である船尾楼4bの天井甲板6b及び居住区4cの床6cを天井としている。
船内傾斜路14の一部の直上の天井として、暴露甲板7が開口されている場合には、その代りの天井として、上部構造物の甲板を使用することで、船内傾斜路14の天井高さを暴露甲板7より容易に高くできる。また、この天井となる甲板により、船内傾斜路14への雨水の侵入を防止できる。
なお、図1及び図7に示すように船尾楼4bを設けて、この内部に船尾側乗込スペース11bを設けると、暴露甲板7へアクセスする船内傾斜路14を船尾側乗込スペース11bから架けることで船内傾斜路14を短くできる。これにより、暴露甲板7の平坦な部分の面積を広くすることができ、船内傾斜路14を設けた場合でも暴露甲板7上の貨物を積載可能な面積を確保できる。
船内傾斜路14は必須ではない。例えば暴露甲板7に車両200を搭載しない場合は、船内傾斜路14は設けなくてもよい。あるいは、暴露甲板7上に搭載した貨物を、図示しないデッキクレーンや、岸壁側に設けられた岸壁クレーン等で揚陸させる場合も、船内傾斜路14は設けなくてもよい。
以上が本実施形態に係る船舶1の構成の説明である。
次に、本実施形態に係る船舶1における車両200の乗下船の手順について、図2を参照して簡単に説明する。
まず、車両200が乗船する際の手順について説明する。
乗船の際は、まず船舶1を岸壁に接岸し、船首側ランプウェイ9a又は船尾側ランプウェイ9bの橋板を折り畳んだ状態から展開し、岸壁に架け渡す。
次に、岸壁側から車両200が自走で車両甲板5に進入する。例えば船首側ランプウェイ9aを岸壁に架け渡した場合は、岸壁の車両200は、船首側ランプウェイ9aから船首側乗込スペース11a及び船首側乗下船用傾斜路13aを走行して車両甲板5に進入する(図2の矢印D1参照)。船尾側ランプウェイ9bを岸壁に架け渡した場合は、岸壁の車両200は、船尾側ランプウェイ9bから船尾側乗込スペース11b及び船尾側乗下船用傾斜路13bを走行して車両甲板5に進入する(図2の矢印E1参照)。
この際、船首側乗下船用傾斜路13a又は船尾側乗下船用傾斜路13bの上方の暴露甲板7は、天井甲板6a、6bとして上側に凸の形状に形成されているため、走行中の車両200の上面が天井甲板6a、6bに接触する恐れはない。
車両甲板5に進入した車両200は所定の位置で停車し、ラッシング等で車両甲板5に固縛される。
船舶1が船内傾斜路14を備える場合は、必要に応じて以下の手順で暴露甲板7に一部の車両200が進入する。
まず、船首側ランプウェイ9aを岸壁に架け渡した場合は、まず岸壁側から船首側ランプウェイ9aを渡り、船首側乗込スペース11a及び船首側乗下船用傾斜路13aを走行して車両200が車両甲板5に進入する。進入した車両200は車両甲板5から船尾側乗下船用傾斜路13b、船尾側乗込スペース11b、及び船内傾斜路14を走行して暴露甲板7に進入する(図6の矢印D3’及びD3参照)。
船尾側ランプウェイ9bを岸壁に架け渡した場合は、船尾側ランプウェイ9bから、船尾側乗込スペース11b及び船内傾斜路14を走行して岸壁側から車両200が暴露甲板7に進入する(図6の矢印D3参照)。暴露甲板7に進入した車両200は所定の位置で停車し、ラッシング等で暴露甲板7に固縛される。
車両200の乗船が完了すると、船首側ランプウェイ9a又は船尾側ランプウェイ9bの橋板を折り畳む。
以上が乗船の際の手順の説明である。
次に車両200が下船する際の手順について説明する。
下船の際は、まず船舶1を岸壁に接岸し、船首側ランプウェイ9a又は船尾側ランプウェイ9bの橋板を折り畳んだ状態から展開して岸壁に架け渡し、車両200の固縛を解除する。
次に、船首側ランプウェイ9aを岸壁に架け渡している場合は車両甲板5から自走で船首側乗込スペース11aに車両200を移動させる。さらに船首側ランプウェイ9aから車両200を岸壁に揚陸させる(図2の矢印D2参照)。
船尾側ランプウェイ9bを岸壁に架け渡している場合は車両甲板5から自走で船尾側乗込スペース11bに車両200を移動させる。さらに船尾側ランプウェイ9bから車両200を岸壁に揚陸させる(図2の矢印E2参照)。
この際、船首側乗下船用傾斜路13a又は船尾側乗下船用傾斜路13bの上方の暴露甲板7は、天井甲板6a、6bとして上側に凸の形状に形成されているため、走行中の車両200の上面が天井甲板6a、6bに接触する恐れはない。
船舶1が船内傾斜路14を備える場合、まず暴露甲板7に搭載した車両200を船内傾斜路14から船尾側乗込スペース11bに自走で移動させる(図6の矢印D4参照)。
次に、船首側ランプウェイ9aを岸壁に架け渡している場合は、車両200を船尾側乗下船用傾斜路13b、車両甲板5、船首側乗下船用傾斜路13a、及び船首側乗込スペース11aを走行させ、船首側ランプウェイ9aから岸壁に揚陸させる(図6の矢印D4’参照)。
船尾側ランプウェイ9bを岸壁に架け渡している場合は、車両200を船尾側ランプウェイ9bから岸壁に揚陸させる。
以上が本実施形態に係る船舶1における車両200の乗下船の手順の説明である。
このように本実施形態の船舶1は乗下船用傾斜路13に対して天井となる暴露甲板7の部分で、かつ、乗下船用傾斜路13の直上となる部分の一部が上側に凸の形状に形成されている。
そのため、ランプウェイ9の船内側端部10a、10bを高い位置に設けることができ、Ro_Ro方式による荷役が可能な港湾岸壁を増やすことができる。
また、車両200を搭載/揚陸する際に、直上の暴露甲板7が、上側に凸の形状に形成されている乗下船用傾斜路13を車両200が通行する。そのため、車両甲板5の天井となる暴露甲板7の高さが低くても、乗下船用傾斜路13を通行する車両200の上部が暴露甲板7に当たることが無く、車両200は、車両甲板5から乗込スペース11に昇ったり、乗込スペース11から車両甲板5に降りたりできる。
従って、車両甲板5を低い位置に設けたまま、乗込スペース11に装備されるランプウェイ9の船内側端部の位置を高い位置に配置しても、暴露甲板7の全体を高くする必要が無くなる。そのため、暴露甲板7に車両200やコンテナ等の貨物が搭載される際に船舶1の重心の上昇を抑制でき、船舶1の復原性能を確保し易い構造となる。
また、ランプウェイ9の装備位置が高くなり、水面付近の船型を絞れるので、凌波性能が向上し、燃費改善を図ることができる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の技術思想の範囲内において各種変形例及び改良例に想到するのは当然のことであり、これらも本発明に含まれる。
例えば上記した実施形態では船舶1として車両の揚陸用の船舶を例示したが、本発明の船舶は揚陸用の船舶に限定されない。車両200を搭載する車両甲板5と、車両甲板5の上に設けられた暴露甲板7と、車両200が岸壁との間で通行するための可動式のランプウェイ9とを備えた船舶であれば、カーフェリー、RO_RO船等でもよい。また、船首ランプ及び船尾ランプの両方を備える必要はなく、どちらか一方だけでも良い。
1 船舶
3 船体
4a 船首楼
4b 船尾楼
4c 居住区
5 車両甲板
6a、6b 天井甲板
6c 居住区の床
7 暴露甲板
9 ランプウェイ
9a 船首側ランプウェイ
9b 船尾側ランプウェイ
10a、10b 船内側端部
11 乗込スペース
11a 船首側乗込スペース
11b 船尾側乗込スペース
12a、12b、12c 開放部
13 乗下船用傾斜路
13a 船首側乗下船用傾斜路
13b 船尾側乗下船用傾斜路
14 船内傾斜路
15 船底
17 側壁
200 車両

Claims (4)

  1. 車両を搭載する車両甲板と、前記車両甲板の上に設けられた暴露甲板と、前記車両が岸壁との間で通行するための可動式のランプウェイとを備えた船舶であって、
    船首又は船尾の少なくとも一方で前記車両甲板よりも高い位置に設けられ、かつ、前記ランプウェイの船内側端部が設けられる乗込スペースと、前記乗込スペースと前記車両甲板との間を前記車両が通行するための乗下船用傾斜路を備えると共に、
    前記乗下船用傾斜路に対して天井となる前記暴露甲板の部分で、かつ、前記乗下船用傾斜路の直上となる部分の一部が開口していることを特徴とする船舶。
  2. 前記乗下船用傾斜路は、上部構造物の甲板の少なくとも一部を天井とする請求項1に記載の船舶。
  3. 前記乗込スペースと前記暴露甲板との間を前記車両が通行するための船内傾斜路を備え、
    前記船内傾斜路に対して天井となる前記暴露甲板の部分で、かつ、前記船内傾斜路の直
    上となる部分の一部が開口している請求項1又は2に記載の船舶。
  4. 前記船内傾斜路は、上部構造物の甲板の少なくとも一部を天井とする請求項に記載の船舶。
JP2019053020A 2019-03-20 2019-03-20 船舶 Active JP7138594B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019053020A JP7138594B2 (ja) 2019-03-20 2019-03-20 船舶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019053020A JP7138594B2 (ja) 2019-03-20 2019-03-20 船舶

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020152247A JP2020152247A (ja) 2020-09-24
JP7138594B2 true JP7138594B2 (ja) 2022-09-16

Family

ID=72557418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019053020A Active JP7138594B2 (ja) 2019-03-20 2019-03-20 船舶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7138594B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102528100B1 (ko) * 2021-08-18 2023-05-03 양동규 선박

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110041749A1 (en) 2008-03-05 2011-02-24 Nielsen Jens M Ship
JP4918391B2 (ja) 2007-04-16 2012-04-18 オンセミコンダクター・トレーディング・リミテッド 半導体装置
JP5323495B2 (ja) 2005-12-22 2013-10-23 エルジー・ケム・リミテッド 圧入タイプのリベットを用いる無溶接タイプのバッテリパック
JP2017144936A (ja) 2016-02-19 2017-08-24 三井造船株式会社 船舶及び船舶を使用した荷役方法
JP6255570B2 (ja) 2013-09-03 2018-01-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 加湿装置および加湿機能付空気清浄装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4918391B1 (ja) * 1970-09-30 1974-05-09
JPS5323495A (en) * 1976-08-17 1978-03-03 Narasaki Shipbuilding Co Ltd Combined roll onnoff and lift onnoff cargo boat
JPS59184088A (ja) * 1983-04-01 1984-10-19 Kyodo Kisen Kk カ−フエリ−での搭載車輌用昇降路の船内設備
JPH06255570A (ja) * 1993-02-17 1994-09-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 二つ折り式舶用可動ランプウェイ
JP6104563B2 (ja) * 2012-10-25 2017-03-29 三菱重工業株式会社 車両運搬船

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5323495B2 (ja) 2005-12-22 2013-10-23 エルジー・ケム・リミテッド 圧入タイプのリベットを用いる無溶接タイプのバッテリパック
JP4918391B2 (ja) 2007-04-16 2012-04-18 オンセミコンダクター・トレーディング・リミテッド 半導体装置
US20110041749A1 (en) 2008-03-05 2011-02-24 Nielsen Jens M Ship
JP6255570B2 (ja) 2013-09-03 2018-01-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 加湿装置および加湿機能付空気清浄装置
JP2017144936A (ja) 2016-02-19 2017-08-24 三井造船株式会社 船舶及び船舶を使用した荷役方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020152247A (ja) 2020-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8327785B2 (en) Ship
US3687308A (en) Ship{40 s loading ramp
JP6665376B2 (ja) 揚陸用の船舶及び揚陸用の船舶を使用した荷役方法
US6537009B1 (en) Handler for container ship
JP7138594B2 (ja) 船舶
WO2017179229A1 (ja) 船舶、船舶を使用した搬送方法
US4337545A (en) Bridges for providing access from a water-borne craft to the shore
SU888809A3 (ru) Судно дл перевозки накатных грузов
KR101757274B1 (ko) 로우어 카고 홀드 침수 방지용 수밀 장치를 구비한 선박
JP2016534921A (ja) ロールオン/ロールオフフェリーおよびマルチランプ埠頭
JP2017144936A (ja) 船舶及び船舶を使用した荷役方法
JP2022125225A (ja) 船舶
JP6651421B2 (ja) 船舶及び減揺方法
US20180319467A1 (en) Device and method for securing a watercraft
US7168382B2 (en) Beachable high speed marine vehicle
JP6531294B2 (ja) 揚陸用の船舶および揚陸用の船舶の設計方法
JP6500256B2 (ja) 揚陸用の船舶、揚陸方法、及び揚陸用の船舶の設計方法
JP3500587B2 (ja) 双胴平底船の船体
JP3236481U (ja) 車輌等運搬用船舶
JP6569102B2 (ja) 揚陸用の船舶及び揚陸用の船舶の設計方法
AU2011320016A1 (en) A marine vessel for and method of transferring RORO cargo between vessels at sea
SU1189733A1 (ru) Судно дл перевозки накатных грузов
JP6609799B2 (ja) 船舶及び船舶の設計方法
SU1260295A1 (ru) Плавучий причал
RU142223U1 (ru) Автомобильно-пассажирский катамаран

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20210202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211202

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20211210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7138594

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150