JP6609799B2 - 船舶及び船舶の設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、船首部にランプウェイを備えた船舶及び船舶の設計方法に関し、より詳細には、接岸またはビーチングして船首部に備えたランプウェイを前側に転倒することで、このランプウェイを船首部と陸地との間に架け渡す船舶において、船首部を軽量に構成できて、しかも凌波性の高い船舶及び船舶の設計方法に関する。
従来、貨物を積んだトラックや自動車を輸送する貨物船として、自動車運搬船やカーフェリーやRORO船が知られている。このRORO船は、船舶から岸壁や海岸にランプウェイを架け渡すことで船体と陸地を結ぶ出入路となるランプウェイを備えており、このランプウェイを通じて自動車や貨物を積んだトラック等が自走で乗下船することができる。このように、ランプウェイを備えることで迅速な荷役が可能となるため、ランプウェイは貨物輸送を目的とした多くの船舶に採用されている(例えば、特許文献1参照)。
従来、このランプウェイは、船首部あるいは船尾部に設けることが多い。船首部にランプウェイを設ける場合には、岸壁や海岸に船首側から接岸し、船首部からランプウェイを陸地(岸壁や海岸)に架け渡して荷役を行えるので、船尾部にランプウェイを備る場合に比して、接岸する際の船体操縦が容易であり、より迅速な荷役ができる利点がある。
そして、図8及び図9で示すように、可働ブリッジ(ランプウェイ)船首部の一部を形成して、この可働ブリッジを船首部の前に転倒して陸地に架け渡せるように、船首部の外板部分を可働ブリッジで構成する構造の船舶が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この船舶では、可働ブリッジを船首部の外板部分として利用しているので、船舶の甲板上にランプドアを搭載する場合に比して船舶の重量を軽量化することができる。また、可働ブリッジを架け渡した際に、可働ブリッジの搬送口(出入口)が船体内の船倉(車両甲板)と直結した状態になるので、荷役作業の効率化や迅速化という面では優れた構造であると言える。
しかしながら、この船舶で、ランプウェイとなる可働ブリッジ構造の部分を平面形状の板部材で形成して、この板部材をそのまま船首部の形状にすると、この平面形状の部分で航行中に波を受けることになり、凌波性が低く、また、波浪中の抵抗が大きく、船速が低下し、乗り心地も悪くなる。さらには、この平面部分が、波の力を船側側に逃すことができずにまともに受けて、波の衝撃によって搭載している貨物や車両等や船首部が損傷するという問題がある。
このように船首部の船型が平面形状であると凌波性や速力低下、貨物等の損傷、乗り心地等の面で課題があるため、この課題を解消する構造の船舶として、ランプウェイの外側にランプウェイを保護する船形のバウドアを装備する構造の船舶が提案されている。この船舶では、ランプウェイの外側に丸みを帯びた船形形状のバウドアを装備することで、または、ランプウェイの外側を丸みを帯びた船形形状に形成することで、船首部の船体形状を一般的な船舶の船型と同様に船形形状で構成する。
そのため、船首部の外板部分を平面形状のランプウェイで構成する構造と比べて、凌波性や乗り心地を向上させることができるが、しかしながら、一方で、バウドアは重量が重く、バウドアを開閉させるための稼働装置等も搭載する必要があり、重量増加やメンテナンスの負担が増加する。また、ランプウェイの外側に船形形状部を形成すると、ランプウェイ部分の重量が重くなってしまうという問題がある。また、バウドアを設けた場合には、ランプウェイを架け渡す際に、バウドアを開閉する時間を要するため、荷役の効率化や迅速化という面で課題がある。
特表2011−521836号公報 特開2002−114191号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、船首部にランプウェイを備え、接岸またはビーチングして船首部に備えたランプウェイを前側に転倒することで、このランプウェイを船首部と陸地との間に架け渡す船舶において、船首部を軽量に構成できて、しかも凌波性の高い船舶及び船舶の設計方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の船舶は、船首部にランプウェイを備え、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを前側に転倒することで、前記ランプウェイを前記船首部と陸地との間に架け渡す船舶において、前記船首部が、前記ランプウェイの一部を形成する平面形状の平面部と、前記平面部より船底側の前記ランプウェイの部分であって、曲面形状で形成された船形形状部とを有して構成されて、前記ランプウェイが前記平面部と前記船形形状部が一体化され、側面視において、前記船形形状部と計画喫水とがなす角度αが前記平面部と計画喫水とがなす角度βよりも小さく構成された単板ランプウェイを構成していると共に、当該船舶の設計波高をH(m)としたときに、計画喫水から前記平面部と前記船形形状部との境界位置までの鉛直距離であるステム高さHs(m)を、「H/2+0.5(m)」以上で、かつ、「H/2+4.0(m)」以下としていることを特徴として構成される。
徴として構成される。
この設計波高(両振幅)Hは、この船舶が航行することを想定した海域で発生する波高を基に設定される波高である。例えば、日本近海では98%の発生頻度で波高は4m以下となるので、この船舶の航行想定海域を日本近海とする場合は、H=4mとする。なお、最低考慮波高は瀬戸内海のH=0.5mとする。
そして、上述のように、上限を凌波性の観点から波高で決めると「H/2+1.0m」となるが、さらに、岸壁へのアクセスを考慮すると、日本近海で揚陸が想定される殆どの岸壁が6m以下であるので、6m岸壁にアクセスできれば略全ての岸壁にアクセスできるようになるので、航行想定海域を日本近海した場合のH=4mとした場合に、ステム高さHsが6.0mを含むように「H/2+4.0m」とする。
このように、本発明の船舶では、船首部における、平面部と船形形状部との境界位置が、計画喫水よりも上方に生じる波の高さ(設定波高)の片振幅(H/2)よりも、最低考慮波高に対しての0.5m以上に、また、日本近海の想定波高に対しての2.0m以上にするので、航行想定海域を航行中に波を受ける範囲は船形形状部となり、その上側の平面部は航行中に波を受け難い範囲となる。
つまり、航行中においては、波を受ける範囲が船形形状部になるため、凌波性が高くなり、波浪による抵抗を低減するのに有利な船型となる。さらに、船舶に生じる波浪中の抵抗が小さくなり、船速の低下も抑制でき、乗り心地も改善することができる。その上、平面部でなく船形形状部で波を受けるので、波の力を船側側に逃すことができ、波の衝撃による貨物や車両等や船首部の損傷を回避できる。また、船首部に重量増加やメンテナンスの負担が大きいバウドア等の設備を設けることもなく、平面部の外側に船形形状を形成することもないので、船首部の軽量化を図ることができる。
また、接岸またはビーチングしてランプウェイを岸壁や海岸に架け渡した際に、ランプウェイの先端部分の接地面側がランプウェイの一部または全部を形成する平面部となるので、横一線上の接地面となりランプウェイを安定して固定し易くなり、重量のある車両が通過しても、ランプウェイの損傷が発生し難い構造となる。
言い換えれば、計画喫水から船形形状部と平面部との境界位置までの鉛直距離であるステム高さHs(m)が高くなり過ぎて、ランプウェイの先端部分の接地面側の近傍付近まで曲面形状で形成されることになると、ランプウェイを岸壁や海岸に架け渡す際に、陸地に船形形状部の出っ張り部分が岸壁や海岸に当たることになり、ランプウェイを展開したときに、この出っ張り部分が陸地との衝突により損傷するリスクが高くなる。また、ランプウェイを架け渡し、ランプウェイの先端部分が接地しているときには、ランプウェイを通過する車両などの荷重がこの接地部分に集中するため、損傷するリスクが高くなる。
上記の船舶において、前記ステム高さHs(m)が、0.75(m)以上であり、かつ、6.0(m)以下である構成にすると、日本近海で発生する波の内、約98%の波は波高が4m以下であるので、3.0m以下でも日本近海を主として航行するのに適した船舶となるが、岸壁へのアクセスを考慮すると、殆どの岸壁が6m以下であるので、略全ての岸壁にアクセスできるように6.0mとする。
上記の船舶において、側面視において、前記船形形状部と計画喫水とがなす角度が、20度以上で、かつ、45度以下である構成にすると、航行中に波を受ける範囲となる船形形状部の凌波性がより高くなり、波浪による抵抗を低減するのにより有利な船型となる。
上記の船舶において、側面視において、前記平面部と計画喫水とがなす角度が、45度以上で、かつ、135度以下である構成にすると、波が平面部の高さまで跳ね上がった場合においても、船形形状部に沿って跳ね上がってくる波が平面部に当たり難くなる。言い換えると、平面部が跳ね上げた波を掬わないようになる。そのため、波が荒い場合においても波との衝突により船舶に生じる振動や波浪による抵抗増加を低減するのにさらに有利な船型となる。
上記のような目的を達成するための本発明の船舶の設計方法は、船首部にランプウェイを備え、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを前側に転倒することで、前記ランプウェイを前記船首部と陸地との間に架け渡す船舶の設計方法において、前記船首部を、前記ランプウェイの一部を形成する平面形状の平面部と、前記平面部より船底側の前記ランプウェイの部分であって、曲面形状で形成された船形形状部とを有して構成し、前記ランプウェイが前記平面部と前記船形形状部が一体化され、側面視において、前記船形形状部と計画喫水とがなす角度αが前記平面部と計画喫水とがなす角度βよりも小さく構成された単板ランプウェイを構成してすると共に、当該船舶の設計波高をH(m)としたときに、計画喫水から前記平面部と前記船形形状部との境界位置までの鉛直距離であるステム高さHs(m)を、「H/2+0.5(m)」以上で、かつ、「H/2+4.0(m)」以下として設定することを特徴とする船舶の設計方法である。この方法によれば、上記の船舶と同様な効果を発揮することができる。
本発明の船舶及び船舶の設計方法によれば、船首部を、ランプウェイの一部または全部を形成する平面形状の平面部と、平面部より船底側の曲面形状で形成された船形形状部とで構成するとともに、船舶の設計波高をH(m)としたときに、計画喫水から平面部と船形形状部との境界位置までの鉛直距離であるステム高さHs(m)を、「H/2+0.5(m)」以上で、かつ、「H/2+4.0(m)」以下とすることにより、船首部を軽量にしつつ、凌波性や乗り心地の面で優れ、抵抗の少ない船型を有する船舶にすることができる。しかも、日本近海で揚陸が想定される略全ての岸壁にアクセスできるようになる。
本発明に係る第1の実施の形態の船舶の構成を模式的に示す側断面図である。 図1の船舶のランプウェイ付近を拡大した図である。 本発明に係る第1の実施の形態の船舶の構成を模式的に示す正面図である。 本発明に係る実第1の施の形態の船舶のランプウェイを岸壁に架け渡した状況を模式的に示す側断面図である。 本発明に係る第1の実施の形態の船舶のランプウェイを海岸に架け渡した状況を模式的に示す側断面図である。 本発明に係る第2の実施の形態の船舶の構成を模式的に示す側断面図である。 本発明に係る第2の実施の形態の船舶の構成を模式的に示す正面図である。 船首部にランプウェイを備えた従来技術の船舶の構成を模式的に示す側断面図である。 船首部にランプウェイを備えた従来技術の船舶の構成を模式的に示す正面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の船舶及び船舶の設計方法を図面を参照しながら説明する。この本発明に係る実施の形態の船舶として、ここでは、海岸や川岸等の陸地に対して船首側から乗り上げるようにしてビーチング(揚陸)し、船首部が海岸や川岸に乗り上げた状態で搭乗員及び/又は搭載車両を船首から揚陸させる揚陸艇を例にして説明するが、本発明は、この揚陸艇に限定されることなく、貨物を積んだトラックや自動車を輸送する貨物船であるRORO船等の、船首側にランプウェイを設けた船舶に適用することができる。
図1〜図5に示すように、本発明に係る第1の実施の形態の船舶1は、船首部2にランプウェイ(バウランプ:クロスハッチング部分)5を備えており、このランプウェイ5によって船首部2の一部が形成されている。即ち、ランプウェイ5は、航行中には、船首部2の外板部分4として機能する。また、船舶1は、船底3とその上の車両甲板10を備えており、船尾部11では、プロペラ12と舵13と機関室14と船橋(操縦室)15を設けている。なお、この船舶1では、車両甲板10の天井は設けていない。
そして、図4及び図5に示すように、船舶1が岸壁Qや海岸Bに船首側から接岸またはビーチングしてランプウェイ5を荷役設備として利用する際には、ランプウェイ5の下端部に配置されている回動部9の周りにランプウェイ5を回動させて前側に転倒させ、ランプウェイ5を船首部2と陸地(岸壁や海岸)との間に架け渡すことで、ランプウェイ5は、船体と陸地を結ぶ出入路として機能する。ランプウェイ5を陸地に架け渡すと、ランプウェイ5の搬送口(出入口)と、船体内の車両甲板10とは直結した状態になり、車両甲板10に搭載されている自動車や貨物を積んだトラック20等は、ランプウェイ5を通じて自走で乗下船することができるようになる。
図1〜3に示すように、この船舶1の船首部2は、ランプウェイ5の全部または一部を形成する平面形状の平面部6(領域Ra)と、平面部6より船底3側の曲面形状で形成された船形形状部7(領域Rb)とを有して構成されている。言い換えると、この平面部6は、平面形状で形成された船首フレア及びその近傍の外板部分4となり、一方、船形形状部7は、抵抗の少ないように曲面形状で形成された船首部の航行時に水没している部分及びその近傍の外板部分4となる。
そして、本発明の船舶1は、船舶1の設計波高をH(m)としたときに、計画喫水DWLから平面部6と船形形状部7との境界位置8までの鉛直距離であるステム高さHs(m)を、「H/2+0.5(m)」以上で、かつ、「H/2+4.0(m)」以下として構成している。つまり、平面部6と船形形状部7との境界位置8は、上記の条件で設定したステム高さHsの上限位置となり、船首部3において、ステム高さHsの上限位置(境界位置8)より下方側の外板部分4は船形形状部7で構成され、ステム高さHs(m)の上限位置よりも上方側の外板部分4は平面部6で構成される。
上述の設定に関しては、上限を凌波性の観点から波高で決めると「H/2+1.0m」となるが、さらに、岸壁へのアクセスを考慮すると、日本近海で揚陸が想定される殆どの岸壁が6m以下であるので、6m岸壁にアクセスできれば略全ての岸壁にアクセスできるようになるので、航行想定海域を日本近海した場合のH=4mとした場合に、ステム高さHsが6.0mを含むように「H/2+4.0m」とする。
そして、より具体的にステム高さHsを設定する場合には、この設計波高(両振幅)Hは、船舶1が航行することを想定した海域で発生する波高を基に設定される波高である。例えば、日本近海では98%の発生頻度で波高は4m以下となるので、この船舶1の航行想定海域を瀬戸内海のH=0.5mとする場合は、ステム高さHs(m)は、低くて、0.75m(=「H/2+0.5(m)」)となり、日本近海のH=4mとする場合は、6.0m(=「H/2+4.0(m)」)となる。
このように、本発明の船舶1では、船首部2における、船形形状部7と平面部6との境界位置8が、設定波高の片振幅(H/2)よりも0.5m以上で4.0m以下の範囲の高さだけ高い位置になるので、航行想定海域を航行中に波を受ける範囲は船形形状部7となり、その上側の平面部6は航行中に波を受け難い範囲に配置されることとなる。
従来技術の船舶1Xと比較して説明すると、図8及び図9に示すような従来技術の船舶1Xでは、船首部2において、ランプウェイ5で構成された外板部分4が、すべて平面部6で構成され、ランプウェイ5の下端部は、設定波高Hの片振幅(H/2)よりも低い位置に配置されているため、航行中においては、この平面部6に波を受けることになる。そのため、従来技術の船舶1Xは、凌波性が低く、波浪中の抵抗が大きく、船速が低下し、乗り心地も悪かった。
一方、本発明の船舶1では、図1〜3に示すように、ランプウェイ5の下端部(回動部9)が、設定波高Hの片振幅(H/2)よりも低い位置に配置されている場合においても、ステム高さHsを設定波高Hの片振幅(H/2)よりも0.5m以上で4.0m以下の範囲の高さ分だけ高い位置に設定することで、航行中においては、船首部2において、波を受ける範囲が船形形状部7になり、平面部6には波が当たり難くなるため、従来技術の船舶1Xに比して、凌波性が高くなり、波浪による抵抗を低減するのに有利な船型となる。
さらに、従来技術の船舶1Xに比して、本発明の船舶1に生じる波浪中の抵抗が小さくなり、船速の低下も抑制でき、乗り心地も改善することができる。また、日本近海で揚陸が想定される略全ての岸壁にアクセスできるようになる。
その上、本発明の船舶1では、平面部6ではなく船形形状部7で波を受けるので、波の力を船側側に逃すことができ、波の衝撃による貨物や車両等や船首部2の損傷を回避できる。また、船首部2に重量増加やメンテナンスの負担が大きいバウドア等の設備を設けることもなく、平面部6の外側(前側)に船形形状を形成することもないので、バウドア等の設備を設ける場合に比して、船首部2の軽量化を図ることができる。
また、本発明の船舶1では、図4及び図5に示すように、船舶1が接岸またはビーチングしてランプウェイ5を岸壁Qや海岸Bに架け渡した際に、ランプウェイ5の先端部分の接地面側がランプウェイ5の一部を形成する平面部6となるので、ランプウェイ5を岸壁Qや海岸Bに架け渡した際に、横一線上の接地面となりランプウェイ5を安定して固定し易くなり、重量のある車両が通過しても、ランプウェイ5の損傷が発生し難い構造となる。
言い換えれば、計画喫水DWLから船形形状部7と平面部6との境界位置8までの鉛直距離であるステム高さHs(m)が、H/2+4.0(m)より高くなり、ランプウェイ5の先端部分の接地面側の近傍付近まで曲面形状で形成されることになると、ランプウェイ5を岸壁Qや海岸Bに架け渡す際に、陸地(岸壁Qや海岸B)に船形形状部7の出っ張り部分が当たることになり、ランプウェイ5を展開したときに、この出っ張り部分が陸地との衝突により損傷するリスクが高くなる。また、ランプウェイ5を陸地に架け渡し、ランプウェイ5の先端部分が接地しているときには、ランプウェイ5を通過する車両などの荷重がこの接地部分に集中するため、損傷するリスクが高くなる。
また、この実施の形態の船舶1では、図2に示すように、側面視において、船形形状部7と計画喫水DWLとがなす角度αが、20度以上で、かつ、45度以下である構成になっている。角度αを上記の条件に設定することで、航行中に波を受ける範囲となる船形形状部7の凌波性がより高くなり、波浪による抵抗を低減するのにより有利な船型となる。具体的には、角度αが、20度より小さいと、船首部2が長くなり、また、船首部2が波をかぶり易くなるという問題が生じる。一方、角度αが、45度より大きいと、船首部2に流入してくる波を切り分けたり、船底側に流れ込ませたりすることが難しくなり、抵抗が増加するという問題が生じる。
さらに、この実施の形態の船舶1は、側面視において、平面部6と計画喫水DWLとがなす角度βが、45度以上で、かつ、135度以下である構成になっている。角度βを上記の条件に設定することで、波が平面部6の高さまで跳ね上がった場合においても、船形形状部7に沿って跳ね上がってくる波が平面部6に当たり難くなる。言い換えると、平面部6が跳ね上げた波を掬わないようになる。そのため、波が荒い場合においても波との衝突により船舶1に生じる振動や波浪による抵抗増加を低減するのにさらに有利な船型となる。
具体的には、角度βが、45度より小さいと、下から上がってくる波が平面部6に沿って上がってきてしまい、波が車両甲板10に流入してしまうという問題が生じる。一方、角度βが、135度より大きいと、平面部6の上に乗ってきた波が前側に戻らず、車両甲板10に流入してしまうという問題が生じる。
この実施の形態の船舶1のように、船首部2のステム高さHs、角度α、及び角度βをそれぞれ上記で示した条件にした船型とすることで、船舶1の凌波性はさらに高くなり、船舶1は波浪による抵抗を低減するのにより一層有利な船型となる。さらに、船舶1に生じる波浪中の抵抗が小さくなり、船速の低下も抑制でき、乗り心地もより改善することができる。
そして、本発明に係る第2の実施の形態の船舶1Aは、図6及び図7に示すような構成にしたもので、この第2の実施の形態の船舶1Aは、ランプウェイ5の下端部が、鉛直方向に関して、境界位置8と同一または境界位置8よりも上方側に位置する構成になっている。つまり、ランプウェイ5で構成される外板部分4が全て平面部6で構成され、ランプウェイ5以外の外板部分4が船形形状部7で構成されている。なお、船舶1の他の構成、即ち、船舶1のステム高さHs(m)の条件や角度α、角度β等の条件は、図1〜5に示した第1の実施の形態の船舶1と同じである。
この第2の実施の形態の船舶1Aのように、
ランプウェイ5の下端部(回動部9)が、鉛直方向に関して、境界位置8と同一または境界位置8よりも上方側に位置している構成にすると、ランプウェイ5で構成される外板4部分が全て平面部で構成されていることになるので、ランプウェイ5を岸壁や海岸に架け渡した際に、ランプウェイ5をより安定して固定しやすく、ランプウェイ5がより損傷し難くなる。また、ランプウェイ5の形状が単純化されるため、ランプウェイ5の製造が容易になる。
次に、本発明の船舶1、1Aの設計方法を説明する。本発明の船舶1、1Aの設計方法は、船首部3にランプウェイ5を備え、接岸またはビーチングしてランプウェイ5を前側に転倒することで、ランプウェイ5を船首部2と陸地との間に架け渡す船舶1、1Aの設計方法であり、船首部2を、ランプウェイ5の一部または全部を形成する平面形状の平面部6と、ランプウェイ5より船底側の曲面形状で形成された船形形状部7とを有して構成すると共に、船舶1、1Aの設計波高をH(m)としたときに、計画喫水DWLから平面部6と船形形状部7との境界位置8までの鉛直距離であるステム高さHs(m)を、「H/2+0.5(m)」以上で、かつ、「H/2+4.0(m)」以下に設定することにより、図1〜5に示したような船舶1、1Aを設計する。この方法によれば、上記の船舶1、1Aと同様な効果を発揮することができる。
本発明の船舶及び船舶の設計方法によれば、船首部を、ランプウェイの一部または全部を形成する平面形状の平面部と、ランプウェイより船底側の曲面形状で形成された船形形状部とで構成するとともに、船舶の設計波高をH(m)としたときに、計画喫水から平面部と船形形状部との境界位置までの鉛直距離であるステム高さHs(m)を、「H/2+0.5(m)」以上で、かつ、「H/2+4.0(m)」以下とすることにより、船首部を軽量に構成できて、かつ、凌波性を向上し、波浪による抵抗を低減することができるので、船首部にランプウェイを備えた多くの船舶及び船舶の設計方法に利用できる。
1、1A 船舶
1X 従来の船舶
2 船首部
3 船底
4 外板部分
5 ランプウェイ
6 平面部
7 船形形状部
8 境界位置
9 回動部
10 車両甲板
20 トラック
DWL 計画喫水
Q 岸壁
B 海岸

Claims (5)

  1. 船首部にランプウェイを備え、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを前側に転倒することで、前記ランプウェイを前記船首部と陸地との間に架け渡す船舶において、
    前記船首部が、前記ランプウェイの一部を形成する平面形状の平面部と、前記平面部より船底側の前記ランプウェイの部分であって、曲面形状で形成された船形形状部とを有して構成されて、前記ランプウェイが前記平面部と前記船形形状部が一体化され、側面視において、前記船形形状部と計画喫水とがなす角度αが前記平面部と計画喫水とがなす角度βよりも小さく構成された単板ランプウェイを構成していると共に、
    当該船舶の設計波高をH(m)としたときに、計画喫水から前記平面部と前記船形形状部との境界位置までの鉛直距離であるステム高さHs(m)を、「H/2+0.5(m)」以上で、かつ、「H/2+4.0(m)」以下としていることを特徴とする船舶。
  2. 前記ステム高さHs(m)が、0.75(m)以上であり、かつ、6.0(m)以下であることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
  3. 側面視において、前記船形形状部と計画喫水とがなす角度が、20度以上で、かつ、45度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の船舶。
  4. 側面視において、前記平面部と計画喫水とがなす角度が、45度以上で、かつ、135度以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶。
  5. 船首部にランプウェイを備え、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを前側に転倒することで、前記ランプウェイを前記船首部と陸地との間に架け渡す船舶の設計方法において、
    前記船首部を、前記ランプウェイの一部を形成する平面形状の平面部と、前記平面部より船底側の前記ランプウェイの部分であって、曲面形状で形成された船形形状部とを有して構成し、前記ランプウェイが前記平面部と前記船形形状部が一体化され、側面視において、前記船形形状部と計画喫水とがなす角度αが前記平面部と計画喫水とがなす角度βよりも小さい単板ランプウェイを構成すると共に、
    当該船舶の設計波高をH(m)としたときに、計画喫水から前記平面部と前記船形形状部との境界位置までの鉛直距離であるステム高さHs(m)を、「H/2+0.5(m)」以上で、かつ、「H/2+4.0(m)」以下として設定することを特徴とする船舶の設計方法。
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